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特開2024-174824排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174824
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20241210BHJP
   A61F 13/505 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A61F5/44 T
A61F13/505 100
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024085217
(22)【出願日】2024-05-24
(62)【分割の表示】P 2023092688の分割
【原出願日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】512134761
【氏名又は名称】河北 正
(74)【代理人】
【識別番号】100106378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 宏一
(72)【発明者】
【氏名】河北 正
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200AA11
3B200AA13
3B200AA15
3B200BB09
3B200DB02
3B200DB21
3B200DE01
4C098AA09
4C098CC10
4C098CD01
4C098DD23
(57)【要約】
【課題】排泄物を吸収して廃棄可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを提供する。
【解決手段】オムツ本体とこれに装着する排泄物吸収用パッド10を有したオムツで排泄物を排泄物吸収用パッドで吸収した後に排泄物吸収用パッドを廃棄して新たな排泄物吸収用パッドをオムツ本体に付け替えて再使用する袋状ビニールシート100であって、このパッドに合わせた大きさの2枚のビニールシート101,102を重ねて袋状とした形態からなり、排泄物吸収用パッドの使用者の排泄部位と密着する面側に排泄部位を囲うように上側開口部110が袋状ビニールシートの上側部分に形成され、排泄の際に排泄物の大部分が上側開口部から袋状ビニールシート内に入り込んで排泄物吸収用パッドの外側に漏れ出さないようにする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オムツ本体とこのオムツ本体の内側に装着する排泄物吸収用パッドを有した排泄物吸収処理用のオムツで使用者が着用することで前記排泄物を前記排泄物吸収用パッドで吸収した後に当該排泄物吸収用パッドを廃棄して新たな排泄物吸収用パッドを前記オムツ本体に付け替えて再使用する排泄物吸収処理用のオムツに用いる排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排泄物吸収用パッドの排泄物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記オムツを前記使用者が着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排泄物吸収用パッドの前記使用者の排泄部位と密着する面側であって当該排泄部位をその周囲も含めて囲う上側開口部が当該袋状をなす袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記オムツの使用者が排泄物を排泄した際に当該排泄物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記袋状ビニールシート内に入り込んで当該排泄物の一部がオムツ本体に漏れ出すのを防止する排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっていることを特徴とする排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【請求項2】
前記排泄物吸収用パッドは大便吸収用パッドからなり、前記排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、その前記上側開口部から小便吸収用パッドを更に出し入れ可能な大きさを備えると共に、前記小便吸収用パッドを前記排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの中に介在させかつ前記オムツを使用者が着用した状態で前記排泄物としての小便を吸収可能な状態を維持するように当該排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの中に収容可能なことを特徴とする請求項1に記載の排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【請求項3】
前記機能向上用袋状ビニールシートの大きさが、乳幼児用のオムツ本体やこのオムツ本体と共に使用される排泄物吸収用パットに利用可能な大きさとなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【請求項4】
女性用尿もれ吸収パッドとしての排泄物吸収用パッドに用いることが可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排泄物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記排泄物吸収用パッドを着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排泄物吸収用パッドの使用者の排出部位と密着する面側であって当該排出部位とその近傍を囲う上側開口部が当該袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記排泄物吸収用パッドに排出物が排出された際に当該排出物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記袋状ビニールシート内に入り込んで当該排出物の一部が排泄物吸収用パッドの外側に漏れ出すのを防止する排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっていることを特徴とする排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【請求項5】
女性が使用する生理用ナプキンとしての排出物吸収用パッドに用いることが可能な排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排出物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記排出物吸収用パッドを前記使用者が着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排出物吸収用パッドの前記使用者の排出部位と密着する面側であって当該排出部位とその近傍を囲う上側開口部が当該袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記排出物吸収用パッドに排出物が排出された際に当該排出物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記袋状ビニールシート内に入り込んで当該排出物の一部が排出物吸収用パッドの外側に漏れ出すのを防止する排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっていることを特徴とする排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄物を吸収してそのまま廃棄可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、特に寝たきりや寝たきりに近い高齢者が着用する介護用オムツに好適に利用可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートに関する。
【背景技術】
【0002】
大便や小便などの排泄物を吸収してそのまま廃棄した後に新しいものに取り替える使い捨て用の排泄物吸収用パッドは従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここで、特許文献1に記載の排泄物吸収用パッドは、それ全体が紙おむつの形態をなしており、背面部及び股下部並びに前面部が連なり、上面を通水性シートで覆うと共に下面を防水性シートで吸水層を覆い、周囲を固着した紙おむつ本体の上面に、水溶性素材よりなるシートを袋状に形成して内部に吸収材を収納したパッドを紙おむつ本体の上面に重ねて周囲を剥離可能に固着した構成を有している。
【特許文献1】実開平7-37138号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人生100年時代と言われる近年の急速な高齢化社会の到来により様々な問題が生じている。具体的には、例えば急速な高齢化に伴って足腰の筋肉が委縮するフレイルやサルコペニアの症状の発症により、寝たきりか又は寝たきりに近い生活を送る高齢者が増加している。そして、このフレイルやサルコペニアの進行を抑えたり改善させたりするためにはタンパク質を豊富に含む肉類を多く摂取することが効果的であると言われている。
【0005】
そして、上述のような寝たきりか又は寝たきりに近い生活を送る高齢者であっても咀嚼能力を十分に有していれば多量の肉類を咀嚼しながら嚥下して消化器官において摂取することで、フレイルやサルコペニアの進行を抑えたり改善させたりすることが期待されている。また、当然のことながら筋肉の元となる肉類の摂取だけでなく、水分やビタミンを多く含み便通を良くする植物繊維としての野菜類もしっかりと摂取する必要がある。その結果、上述の人達が咀嚼して嚥下する食品の総量がその分多くなる。
【0006】
以上のように、咀嚼機能にさほど問題はなく胃瘻などの処置で栄養を消化器官に摂取させる必要はない高齢者の場合、咀嚼して嚥下した後に消化器官に送り込む食べ物や呑み込む水分が増えれば増えるほど、当然のことながらそれら全てが体内で消化吸収されるわけではない。即ち、これらの体内に取り込まれた食物は、消化器官で必要な分だけ消化吸収された後、残りの分は排泄物としての大便や小便となって肛門や尿道などの排泄器官から体外に排泄される。
【0007】
そのため、上述した従来技術で示す大便吸収処理用使い捨てオムツや尿もれ吸収パッドを装着しただけでは、一度に排出される大便や小便を吸収しきれなくなる。そして、吸収しきれなかった排泄物は、これらの排泄物吸収用のオムツや吸収パッドから外側に漏れ出して使用者の皮膚に付着してしまう。
【0008】
このような状態になると、特に寝たきりや寝たきりに近い高齢者の場合、排泄物吸収用パッドで吸収しきれず、周囲に漏れ出した排泄物が例えば排泄物吸収用パッドを毎回仮止め装着するためのオムツ本体の腰回りに対応する伸縮部分まで漏れ出してしまう。
【0009】
オムツ本体の背中側の伸縮部分は、使用者の体重でベッドのシーツや敷き蒲団の蒲団カバーなどの上面と密着して圧迫された状態になっている。そのため、特に例えば寝たきりや寝たきりに近い状態で日常を送る高齢者の場合、この伸縮部分に達した排泄物はいわゆる毛細管現象により使用者と伸縮部分の密着した領域を介して広がって行き、使用者の排泄部位及びその周囲だけでなく予想外の身体部位まで広範囲に付着しながら漏れ出していく。
【0010】
使い捨てオムツは当然のことながら毎日行わなければならない。そして、寝たきりや寝たきりに近い人達の場合、この使い捨てオムツの交換作業を自宅の場合は家族や介護福祉士などのデイケアサービスのスタッフ、ケアホームの場合は介護福祉士などのケアホームのスタッフ、病院の場合は看護師や病院内の介護福祉士に代表される介護者が行わなければならない。
【0011】
そして、上述のように寝たきりや寝たきりに近い介護者がある程度以上の量の食事をすることで、その食べ物を排泄する際に使い捨てオムツの排泄物吸収用パッドから排泄物が漏れ出してオムツ本体の内側に広がったりオムツ本体からはみ出し、被介護者の腰や背中、太ももの付け根の内側等に排泄物がべったりと付着した状態になったり、これらの部分に接触するベッドのシーツや敷き蒲団の蒲団カバーに排泄物が付着したり浸み込んだりしてしまう。
【0012】
このような状態で介護者が使い捨てオムツを交換しようとすると、排泄物が介護者の手にべったり付着してしまい、その後に時間をかけて手を何度も洗っても臭いが取れなくなったりするトラブルに見舞われる。これに加えてベッドのシーツや敷き蒲団の蒲団カバーなどの交換作業とかベッドや敷き蒲団本体の清掃作業などの大変手間がかかる余分な作業を行わなければならなくなる。このようにしてただでさえ毎日の使い捨てオムツの交換作業が大変な上に、このような事態に陥ることで介護者の身体的及び精神的負担が極端に増大してしまう。
【0013】
合わせて、使い捨てオムツを交換するまでの間、排泄物が被介護者の皮膚に付着したままとなることで、被介護者の皮膚が爛れたり炎症を起こしたりするだけでなく、これに加えて口の中で増殖した真菌類であって排泄物に含まれるいわゆる水虫の類の雑菌類である真菌が被介護者の皮膚に広まってベッドのシーツや敷き布団と被介護者の身体との密着部分に耐えられない痒みや痛痒を発生させてしまう要因にもなる。
【0014】
特に被介護者が大腸ガンなどの疾患を有している場合、大便に血液が含まれる血便となって排出されたりするため、上述の被介護者にとっても介護者本人にとってもこの血便による影響が甚大となって、両者とも身体的及び精神的負担が極端に増大してしまう。
【0015】
上述した解決すべき課題は、寝たきりや寝たきりに近い高齢者を例にして説明したが、これに限定されず使い捨てオムツの着脱を自分でできない高齢者に対してその介護者が抱える問題でもあることは言うまでもない。
【0016】
また、例えば同様の観点からみると、使い捨てオムツを日々使用する利用者が高齢者でなく乳幼児であっても同種の解決すべき課題が生じている。具体的には、例えば第一子を出産した後に初めて経験する日々のオムツ替えにおいて、排泄物が多くて使い捨てオムツから周りに漏れ出したりしてしまう場合がある。この際使い捨てオムツを交換する母親や育児を助ける父親(以下、適宜「母親」又は「養育者」とする)は、乳幼児を清潔な生育環境におくために上述と同様の排泄物を全て取り除く必要が生じ、その都度ごとに排泄物の処理に関する面倒な作業を行わなければならない。
【0017】
特によく言われるように出産後にマタニティーブルー気味になっている母親にとっては、このような面倒な排泄物の処理を日常的に行うことに起因して、身体的負担に加えて精神的負担がかなり増してしまう。また、使い捨てオムツの排泄物吸収用パッドで吸収できなかった排泄物が乳幼児の皮膚に付着することで、かぶれて湿疹が生じたり痒みにより泣き続けたりするため、これをあやすために養育者はかなりのストレスを受けることになる。
【0018】
このようなストレスの増大は、最悪の場合、育児放棄や乳幼児虐待などの深刻な問題を招く恐れがある。そのため、使い捨てオムツからその周りに漏れ出さない状態でこれを日々交換できるようにすることは非常に重要である。
【0019】
更に昨今の別の問題として、尿もれに悩まされている中高年の女性が近年増えている。これは、男女の身体器官の構造的な違いによるもので、男性の尿道に比べて女性の尿道は短くなっていることに起因している。そして、年齢を重ねるごとに尿道括約筋の弛緩が生じ易くなり、日常生活における尿もれの対策としていわゆる尿もれ吸収パッドを装着して対処している人達が多くなっている。
【0020】
しかしながら、尿もれ吸収パッドを装着しても漏れ出す尿の量を減らすことができないので、排出された尿が尿もれ吸収パッドに吸収されたままの状態となり、長時間着用しているとその分尿もれ吸収パッドに吸収される尿の量が増えていく。これに伴って、着用者にとって尿もれの匂いが気になったり尿もれ吸収パッド自体の湿り気が皮膚に伝わって不快感に悩まされ続けたりする。そのため、例えば外出先での仕事に集中できなくなったり友人たちとのせっかくの歓談を楽しめなくなったりする。
【0021】
また、近年の男女共同参画社会形成の流れに沿って、女性が積極的に社会進出して活躍する機会が急速に増加している。ここで女性にとって問題となるのは、女性が社会活動を続けるにあたって生理が重いときに社会活動の最中に支障をきたすことが考えられる。そのため、上述の排出物が予想外に多くなっても生理用品から漏れ出すことなく、生理用品ごとにすぐに廃棄して新たな生理用品に付け替えることで、これらの排出物の一部が身体に付着したままとなったりするトラブルを回避しつつ、社会活動のパフォーマンスを上げることが重要となってくる。
【0022】
本発明の目的は、以上のような各種課題を一気に解決することにあり、具体的には、排泄物や排出物を吸収してそのまま廃棄可能な排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、特に寝たきりや寝たきりに近い高齢者が着用する介護用オムツに好適に利用可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、
オムツ本体とこのオムツ本体の内側に装着する排泄物吸収用パッドを有した排泄物吸収処理用のオムツで使用者が着用することで前記排泄物を前記排泄物吸収用パッドで吸収した後に当該排泄物吸収用パッドを廃棄して新たな排泄物吸収用パッドを前記オムツ本体に付け替えて再使用する排泄物吸収処理用のオムツに用いる排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排泄物吸収用パッドの排泄物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記オムツを前記使用者が着用する状態で見て前記ビニールシートを前記排泄物吸収用パッドの前記使用者の排泄部位と密着する面側であって当該排泄部位をその周囲も含めて囲う上側開口部が当該袋状をなすビニールシートの上側部分に形成され、
前記オムツの使用者が排泄物を排泄した際に当該排泄物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記袋状ビニールシート内に入り込んで当該排泄物の一部がオムツ本体に漏れ出すのを防止する排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっていることを特徴としている。
【0024】
また、請求項2に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、請求項1に記載の排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートにおいて、
前記排泄物吸収用パッドは大便吸収用パッドからなり、前記排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、その前記上側開口部から小便吸収用パッドを更に出し入れ可能な大きさを備えると共に、前記小便吸収用パッドを前記排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの中に介在させかつ前記オムツを使用者が着用した状態で前記排泄物としての小便を吸収可能な状態を維持するように当該排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの中に収容可能なことを特徴としている。
【0025】
また、請求項3に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、請求項1又は請求項2に記載の排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートにおいて、
前記機能向上用袋状ビニールシートの大きさが、乳幼児用のオムツ本体やこのオムツ本体と共に使用される排泄物吸収用パットに利用可能な大きさとなっていることを特徴としている。
【0026】
また、請求項4に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、
女性用尿もれ吸収パッドとしての排泄物吸収用パッドに用いることが可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排泄物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記排泄物吸収用パッドを着用する状態で見て前記ビニールシートを前記排泄物吸収用パッドの使用者の排出部位と密着する面側であって当該排泄部位とその近傍を囲う上側開口部が当該袋状をなすビニールシートの上側部分に形成され、
前記排泄物吸収用パッドに排出物が排出された際に当該排出物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記袋状ビニールシート内に入り込んで当該排出物の一部が排泄物吸収用パッドの外側に漏れ出すのを防止する排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっていることを特徴としている。
【0027】
また、請求項5に係る排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、
女性が使用する生理用ナプキンとしての排出物吸収用パッドに用いることが可能な排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記ビニールシートは、前記排出物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記排出物吸収用パッドを前記使用者が着用する状態で見て前記ビニールシートを前記排出物吸収用パッドの前記使用者の排出部位と密着する面側であって当該排出部位とその近傍を囲う上側開口部が当該袋状をなすビニールシートの上側部分に形成され、
前記排出物吸収用パッドに排出物が排出された際に当該排出物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記袋状ビニールシート内に入り込んで当該排出物の一部が排出物吸収用パッドの外側に漏れ出すのを防止する排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっていることを特徴とする排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、排泄物や排出物を吸収してそのまま廃棄可能な排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、特に寝たきりや寝たきりに近い高齢者が着用する介護用オムツに好適に利用可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図2】本発明の第1の実施形態を使い捨てオムツの排泄物吸収用パッドに取り付けた状態を示す説明図である。
図3】本発明の第1の実施形態を排泄物吸収用パッドに取り付ける手順を示す説明図である。
図4】本発明の第1の実施形態を備えた排泄物吸収用パッドをパンツ型の使い捨てオムツに装着する説明図である。
図5】本発明の第1の実施形態を備えた排泄物吸収用パッドを図4とは異なる使い捨てオムツに装着する説明図である。
図6】本発明を適用しない場合の従来の問題点を示す説明図である。
図7】本発明の第1の実施形態によって生じる特有の作用効果を示す説明図である。
図8】本発明の第2の実施形態をその上側開口部を閉じた状態と開いた状態で示す説明図である。
図9】本発明の第2の実施形態を使い捨てオムツの排泄物吸収用パッドに取り付けた状態を示す説明図である。
図10】本発明の第2の実施形態を排泄物吸収用パッドに取り付ける手順を示す説明図である。
図11】本発明の第2の実施形態を備えた排泄物吸収用パッドをパンツ型の使い捨てオムツに装着する説明図である。
図12】本発明の第2の実施形態を備えた排泄物吸収用パッドを図11とは異なる使い捨てオムツに装着する説明図である。
図13】本発明の第2の実施形態によって生じる特有の作用効果を示す説明図である。
図14】本発明の第3の実施形態における第1実施例や第4の実施形態における第1実施例を示す説明図である。
図15】本発明の第3の実施形態における第1実施例を尿もれ吸収パッドに取り付けた状態や第4の実施形態における第1実施例を生理用品(ナプキン)に取り付けた状態を示す説明図である。
図16】本発明の第3の実施形態における第2実施例や第4の実施形態の第2実施例を示す説明図である。
図17】本発明の第3の実施形態における第2実施例を尿もれ吸収パッドに取り付けた状態や第4の実施形態の第2実施例を生理用品(ナプキン)に取り付けた状態を示す説明図である。
図18】第1の実施形態の変形例を示す説明図である。
図19】第2の実施形態の変形例を示す説明図であり、上側開口部を形成する前の状態を示す説明図である。
図20図19に続いて第2の実施形態の変形例を示す説明図であり、折り返し部を折り返して上側開口部を形成した後の状態を示す説明図である。
図21】第3の実施形態及び第4の実施形態のそれぞれに共通する第1の変形例を示す説明図である。
図22】第3の実施形態及び第4の実施形態のそれぞれに共通する第2の変形例を示す説明図であり、折り返し部を折り返して上側開口部を形成した後の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの各種実施形態及びそれらの変形例について説明する。最初に第1の実施形態について説明する。本発明の第1の実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100(以下、適宜「袋状ビニールシート100」とする)は、大便や小便などの排泄物の処理に介護者の助けが必要な人達の着用するいわゆる介護用オムツの補助用品として使用するためのものである。
【0031】
そして、本発明品を補助用品として使用することで、介護用オムツ自体の本来の機能を高めると共に使用できなくなった介護用オムツを新たな介護用オムツに交換する回数や頻度を格段に少なくすることができ、介護用オムツの使用者本人の身体的及び精神的負担や介護者の身体的及び精神的負担を顕著に軽減する作用効果を有している。
【0032】
特に、上述の介護用オムツの使用者が寝たきり又は寝たきりに近い状態にある場合、本発明を適用することによって著しく優れた効果を発揮することが可能となる。そのため、以下の実施形態においては、例えばフレイルやサルコペニアの影響により寝たきり又は寝たきりに近い状態となった高齢者の使用する使い捨ての介護用オムツに使用した場合について説明する。
【0033】
しかしながら、本実施形態は、必ずしもこのような寝たきりや寝たきりに近い被介護者に限定して使用するものではなく、大便や小便などの排泄物の処理を行う際に介護用オムツの着脱を自ら行ったり介護者に頼んだりしなければならない人達にとっても好適に利用可能である。
【0034】
なお、以下の各実施形態に係る排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを説明する各図面においては、排泄物吸収用パッドや排出物吸収用パッドの大きさに対して本発明にかかる袋状ビニールシートの大きさはかなり大きく描かれているが、両者の寸法関係はこのような関係に限定されるのではなく排泄物(排出物)吸収用パッドの大きさに対して図面に示す内容よりもより小さい大きさの袋状ビニールシートであっても当然のことながら構わない。
【0035】
また、袋状ビニールシートの大きさに対するこの上面開口部の大きさについてもかなり大きめに描いているが、これは発明の理解と説明の都合上一例としてこのような寸法関係としたに過ぎず、袋状ビニールシートの大きさに対して各実施形態及びその変形例に対応する使用形態に応じてより小さい大きさの上側開口部を有することは言うまでもない。
【0036】
なお、上述した本発明における袋状ビニールシートの材質はこの文言通りのビニールでできていることには必ずしも限定されず、この袋状ビニールシートの内部に排泄物「排出物」が溜まるのであれば他の材質を使用しても構わない。しかしながら、本発明の説明の都合上、以下の説明においては、材質をビニールシートとして説明するとする。
【0037】
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施形態(以下「本実施形態」とする)に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを詳細に説明する。
【0038】
図1は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を示す説明図である。より詳細には、図1(a)は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を実線で示すと共に、この第1の実施形態に係る袋状ビニールシートを取り付ける大便吸収用パッド10を外側の二点鎖線、この第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100の上側開口部110から内部に挿入して収容する小便吸収用パッド20を内側の二点鎖線で示す平面図である。
【0039】
また、図1(b)は、図1(a)に示した構成をその幅方向中央において長手方向に沿って示す断面図である。図1(b)においては、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100の内部に収容された小便吸収用パッド20を点線で示すと共に、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を大便吸収用パッド10の吸収面に重ねて貼り付けた状態を示している。
【0040】
そして、図1(b)は、この大便吸収用パッド10が、この図の下側の点線で示す部分に相当し、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100は、断面部分をハッチングで示し、上側開口部110をハッチングせずに示している。
【0041】
図2は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を使い捨てオムツ50(図4参照)用の排泄物吸収用パッド10に取り付けた状態を示す説明図である。より詳細には、図2(a)は、図1(a)に対応する図面であり、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を実際に排泄物吸収用パッド10に取り付けた平面図である。
【0042】
そして、図1(a)においては、二点鎖線で示した内側の小便吸収用パッド20及び二点鎖線で示した外側の大便吸収用パッド10はそれぞれ実線で示している。また、図2(b)は、図1(b)に対応する長手方向断面図であり、図1(a)と同様に第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を利用してその内部に小便吸収用パッド20を実際に収容すると共に、これらを大便吸収用パッド10の上側に重ねて貼り付けた状態を示している。
【0043】
本実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100は、おむつ本体50とこのおむつ本体50の内側に装着する排泄物吸収用パッド10を有した排泄物吸収処理用のおむつに用いるものである。そして、この本実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100を取り付けた排泄物吸収用パッド(本実施形態においては大便吸収用パッド10として紹介)を例えば使い捨てオムツ50,60に取り付けてから使用者が一定時間着用して大便や小便などの排泄を行い、排泄物を排泄物吸収用ビニールシート100内にセットしてある吸収材(本実施形態においては小便吸収用パッド20として紹介)で十分に吸収したり排泄物のかなりの部分を袋状ビニールシート100の中に溜めた後に、使い捨てオムツ50,60ごと使用者の身体から全て外すか、若しくは例えば使い捨てオムツ50,60を一部着用した状態で介護者が手先や指先を使って大便吸収用パッド10自体や袋状ビニールシート100のみを取り出してこの吸収材を廃棄することを可能としている。
【0044】
以上に加えて、この袋状ビニールシート100を清掃することで、本実施形態に係る袋状ビニールシート100を再度使用可能な状態にすることができる。その後、新たな吸収材を再度内部に装着することによって元の綺麗で清潔な状態に戻して大便吸収用パッド10が殆ど汚れていなければその上に再び取り付けたり、大便吸収用パッド10も排泄物の一部流れ出しにより汚れていればこれを交換したりできる。これによって、通常排泄物で汚れてしまい1回ごと廃棄しなければならない使い捨てオムツ50,60を廃棄することなく通常そのまま再使用することができるというリサイクルの面や使い捨てオムツや大便吸収用ビニールシートを毎回交換して新たに付け替えることに基づくコスト増大の問題を劇的に減らすことが可能となる特別な優位点を有している。
【0045】
なお、上述の吸収材としては、本実施形態で使用する市販の小便吸収用パッド20の代わりに、ティシューペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル、市販の吸収パッドでも良い。これによって、上述した経済効果よりも市販の小便吸収用パッドを毎回交換する必要はなくなることによる更なる格段なるコストダウンを実現することが可能となる。
【0046】
なお、以下の第1の実施形態及び第2の実施形態では、符号20を小便吸収用パッドとしたが、本発明においては、上述した様々な吸収材を含むより上位概念的な意味合いで、これらを一括して吸収用パッド20と称することを明記しておく。なお、上述の特別な優位点については、本実施形態(第1の実施形態)のみならず後述する第2の実施形態やこれら第1及び第2の実施形態の変形例においても同様に有していることを付言しておく。
【0047】
本実施形態においては、使い捨てオムツは、広く出回っている市販の使い捨て可能な介護用オムツをそのまま利用することができるようになっている。なお、本実施形態を説明する図面では、オムツ本体50はアウターがパンツタイプのオムツとして図4において示すと共に、インナーが排泄物としての大便を主に吸収する大便吸収用パッド10として示す一方、例えばアウターが腰回りの両側にテープでオムツ本体50を固定して取り付けるテープタイプのものについても図5において示している。
【0048】
また、本実施形態においては、排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100を上面に重ねて装着するインナーが大便吸収用パッド10とした構成をとっており、これに加えて排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100の中にこのパッドよりも小さい小便吸収用パッド20を収容する形態として説明する。
【0049】
しかしながら、この形態に限定されることはなく、前者の大便吸収用パッド10が後者の小便吸収用パッド20と一体になっており、この小便吸収用パッド20の上面に排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを重ねて使用する形態としても構わない。
【0050】
排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100を構成する袋状ビニールシート100は、排泄物吸収用パッド10の排泄物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシート101,102を重ね合わせて袋状としたシート形状を有している。なお、このビニールシートは、通常市販されているビニール袋で本実施形態の作用効果を生じさせる大きさのビニール袋を、例えば長手方向一端側開口部から排泄物が漏れ出さないように密封させたようにしても良い。
【0051】
また、袋状ビニールシート100の材質や厚み、強度については、排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100を使用した後に、袋状ビニールシート100の中に排泄物が溜まった状態で上側開口部付近を上側に介護者が持ち上げても、袋状ビニールシート100の上側開口部110以外から排泄物が漏れ出さない程度の厚み及び強度を有していることが必要である。
【0052】
また、本実施形態に係る袋状ビニールシート100には、介護用オムツを使用者が着用する状態で見て袋状ビニールシート100の上側のビニールシート101に上側開口部110が形成されている。上側開口部110は、介護用オムツの使用者が着用した際に排泄物吸収用パッドの使用者の排泄部位と密着する面側に排泄部位をその周囲も含めて囲うような位置に形成されている。
【0053】
本実施形態においては、これに加えて上側開口部110は小便吸収用パッド20を例えば折り曲げて収容することができ、かつ袋状ビニールシート100の内部は、小便吸収用パッド20を中で展開させて広げることができる大きさとなっている(図3(a)及び(b)参照)。
【0054】
より具体的には、上側開口部110の形状は、平面視で周縁部がいわゆる長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなすように形成されている。そして、上側開口部110の大きさは、介護用オムツの使用者が大便や小便などの排泄物を排泄した際に排泄物の少なくともかなりの部分がこの上側開口部110から袋状ビニールシート100内に入り込んだ大便や小便などの排泄物の殆どを収容することで、これらの排泄物の一部がオムツ本体50に漏れ出すことを防止する大きさを有している。
【0055】
なお、本実施形態に係る袋状ビニールシート100を重ねた状態で使用者がオムツ本体50の内側に取り付ける排泄物吸収用パッド10は、上述したように大便吸収用パッド10からなり、袋状ビニールシート100の上側開口部110からは、大便吸収用パッド10よりも大きさの小さい上述の小便吸収用パッド20を出し入れするようになっている。
【0056】
続いて、本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの実際の使用方法をその作用効果を含めて説明する。
【0057】
図3は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を排泄物吸収用パッド10に取り付ける手順を示す説明図である。より詳細には、図3(a)は、図2に示した小便吸収用パッド20を第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100に収容する収容の仕方を示している。また、図3(b)は、図3(a)のように第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100に小便吸収用パッド20を上側開口部110からパッド内に収容した後に大便吸収用パッド10に第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を重ねて貼り付け、大便吸収用パッド10ごとに折り曲げて使い捨てオムツ50に装着する直前の状態を示してしている。
【0058】
図4は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を備えた排泄物吸収用パッド10をパンツ型の使い捨てオムツ50に装着する説明図である。より詳細には、図4は、図3(b)に示した状態の排泄物吸収用パッド10をパンツ型の使い捨てオムツ50に装着する仕方を示している。
【0059】
図5は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を備えた排泄物吸収用パッドを図4とは異なる使い捨てオムツ60に装着する説明図である。より詳細には、図5図4に対応する図面であり、図4において示す使い捨てオムツ50は、パンツ型の形態を有しているのに対して、図5において示す使い捨てオムツ60は、使用者が腰あたりの左右の両側部分に使い捨てオムツ本体60の上側左右を互いに貼り付けて固定するタイプの使い捨てオムツの形態となっている。
【0060】
最初に本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100と一般に市販されている使い捨てオムツを用意する。なお、この使い捨てオムツは、本発明を説明するための図4に示すいわゆるパンツタイプの使い捨てオムツ50でも良く、若しくは使用者の腰の左右においてそれぞれ結合して着用するような図5に示すタイプの使い捨てオムツ60何れでも良い。
【0061】
そして、大便吸収用パッド10をその吸収面を上側にしながら平らに展開して、その上に袋状ビニールシート100をその上側開口部110を着用時に使用者の身体の排泄部位に位置決めしながらに重ねる。そして、両者がずれないように密着させる。この際、袋状ビニールシート100の四隅と長手方向及び幅方向に亘って適当な間隔を隔てて使用者の皮膚に悪影響を与えない付着剤を予め塗布しておいて両者をしっかりと密着した状態で重ね合わせても良い。若しくは、このような付着剤を用いることなくいわゆる市販の医療用テープを適当な間隔で貼り付けて両者をしっかりと密着させた状態で重ね合わせても良い。
【0062】
また、両者を密着させる際に互いに必要となる相対的位置合わせを行うにあたって、排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100の上側開口部110が、使い捨てオムツを使用者が着用した際に大便排泄部と小便排泄部がこの上側開口部110の領域内に位置するように調整しながら両者を貼り合わせることが重要である。
【0063】
従って、使い捨てオムツの使用者が男性か女性かによって両者の重ね合わせ位置を調整するのが好ましい。また、使い捨てオムツの使用者が男性の場合、小便排泄部が上側開口部の領域内に位置しない場合であっても、使い捨てオムツを着用する際に男性器を袋状ビニールシート100の上側開口部110から袋状ビニールシート100内に収容させておくことができれば、本発明の作用効果を発揮することが可能となる。
【0064】
装着手順としては、図3に示すように、排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100の上側開口部110から小便吸収用パッド20を折り曲げて袋状ビニールシート100の中に入れてその中で平らに展開させる。小便吸収用パッド20の裏側には大抵大便吸収用パッド10に密着させるための付着剤が塗布されているため、これを利用して排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100の下側部分(開口部が形成されていない側の部分の下側ビニールシート102)の適当な場所に貼り付けて両者を密着させる。
【0065】
そして、袋状ビニールシート100及び小便吸収用パッド20をそれぞれ密着固定させた大便吸収用パッド10を図4図5に示す要領で使い捨てオムツのオムツ本体50の所定位置に貼り付ける。この貼り付け方は、元々市販されているオムツ本体50と大便吸収用パッド10の双方の貼り付け方と同様である。このようにして排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100を備えた使い捨てオムツを使用者に装着させる。
【0066】
図6は、本発明を適用しない場合の従来の問題点を示す説明図である。より詳細には、図6(a)は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100及び第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を適用することなく大便や小便などの排泄物を排泄した際に、排泄物吸収用パッド10でこれらを吸収しきった従来の状態を示している。また、図6(b)は、図6(a)に続いて被介護者が排泄物を更に排泄した際に排泄物吸収用パッド10によって吸収しきれずに、この周囲に排泄物が漏れ出して腰の部分や太ももの内側などに全体的に付着すると共に、使い捨てオムツ本体50,60にも排泄物の一部が流れ出してこの使い捨てオムツ本体50,60を再度使用できなくなる状態を示している。
【0067】
なお、図6(a)及び図6(b)の双方とも、介護者が寝たきりか又は寝たきりに近い状態でベッドや敷布団に横になった状態で排泄物を排泄した過程を介護者の背中側から見たら状態で描いている。また、図6(a)(b)並びに後述する図7(a)(b)においては、説明の理解の容易化を図るために着用者の排泄部位に対する排泄物吸収用パット10の位置を若干下側にずらして描いている。
【0068】
本実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100を使用しない場合には、排泄物が使い捨てオムツ本体50,60から漏れ出してベッドのシーツやシーツの下のマットレス本体、敷き蒲団や蒲団カバーを汚してしまう。その結果、これらを交換したりマットレスや敷き蒲団自体を清掃したりする非常に手間のかかる余分な作業が生じてしまうことがこの説明図から容易に理解できる。
【0069】
また、介護者の手や指、腕が使い捨てオムツから漏れ出した排泄物で汚れた場合にこの汚れや臭いを取り去るためのかなり時間のかかる洗浄を頻繁に行う必要が生じる。これによって、その分の身体的及び精神的負担がなくなると共に、排泄物に含まれる真菌等が介護者の手や指、腕に付着したままとなってその後に慢性的かつ重篤な皮膚炎を生じさせる。
【0070】
一方、図7は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100によって生じる特有の作用効果を示す説明図である。より詳細には、図7は、図6(a)及び(b)に対応する図面で、図6とは異なり被介護者が第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100を利用して大便や小便などの排泄物を排泄した過程を図6と同様の方向から描いた図である。そして、図7(a)は、被介護者が大便や小便などの排泄物を排泄した際に、これらの排泄物が第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100の上側開口部110から袋状ビニールシート100内に溜まっていく過程を示している。なお、図7(b)は、図7(a)の状態よりも被介護者が排泄物を更に排泄した状態となっているが、これらの排泄物は第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100の内部に溜まると共に、この外部から図6(b)のように漏れ出さない状態を維持していることを示している。
【0071】
この図面からも明らかなように、本実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100を内側面の所定位置に貼り合わせた使い捨てオムツ本体50,60を使用者が着用して大便や小便などの排泄物を排泄すると、袋状ビニールシート100を上側開口部110からこれらの排泄物が袋状ビニールシート100の内部に溜まっていく。
【0072】
そして、使い捨てオムツの使用者が寝たきりや寝たきりに近い状態にあっても、排泄物の殆どが本実施形態に係る袋状ビニールシート100の内部に溜まったままとどまる。その結果、介護者が使い捨てオムツの交換を行う際に自分の手や指、腕を被介護者の使い捨てオムツから漏れ出した排泄物で汚してしまうようなことを激減させる。
【0073】
その結果、介護者が自分の手や指、腕に付着した排泄物の汚れや臭いを取り去るための極めて面倒で時間がかかる洗浄を頻繁に行う必要がなくなり、その分の身体的及び精神的負担がなくなる。これに加えて、排泄物に含まれる真菌等が介護者の手や指、腕に付着したままとなってその後に慢性的かつ重篤な皮膚炎が生じさせるような事態を防止する。
【0074】
また、特に排泄物が上述したような血便の場合や消化不良による殆ど液状化した排泄物となっている場合に介護者の使い捨てオムツ交換作業に伴う手や指、腕の排泄物付着を防止して効果を高めることに貢献する。
【0075】
また、排泄物が使い捨てオムツから漏れ出してベッドのシーツやシーツの下のマットレス本体、敷き蒲団や蒲団カバー汚すことがないので、これらを交換したりマットレスや敷き蒲団自体を清掃したりする非常に手間のかかる余分な作業を行わずに済む。
【0076】
これによって、介護者の身体的かつ精神的負担を従来に比べて格段に軽くすることができ、被介護者の自宅での介護ケアにあたる家族の負担やそれ以外のケアホームや病院において介護業務に従事する人々の負担を格段に軽くする。
【0077】
また、使い捨てオムツの使用者の立場、即ち被介護者にとっても、大便や小便、更には場合によっては血便などの排泄物が使用者自身の皮膚に付着してしまうことがない。つまり、従来のように寝たきりか又は寝たきりに近い高齢者が使用者の場合、排泄物吸収用パッドで吸収しきれず周囲に漏れ出した排泄物が、オムツ本体の腰回りに対応する伸縮部分まで漏れ出してしまい、いわゆる毛細管現象により使用者と伸縮部分の密着した領域を介して広がっていき、使用者の排泄部位及びその周囲だけでなく予想外の身体部位まで広範囲に付着しながら漏れ出していくのを防止できる。
【0078】
本発明によると、このようにして被介護者にとっても使い捨てオムツを交換するまでの間、排泄物が被介護者の皮膚に付着して皮膚が爛れたり炎症を起こしたりすることがなく、更には排泄物に含まれるいわゆる水虫の類の雑菌である真菌が被介護者の皮膚に広まってベッドのシーツや敷き布団の蒲団カバーと被介護者の身体との密着部分に耐えられない痒みや痒痛を発生させてしまうこともない。
【0079】
これによって、被介護者にとっても身体的及び精神的負担が軽減して快適な生活を送りながらフレイルやサルコペニアを改善させて全身の筋肉の筋力を向上回復させて、人生100年時代とさせ、寝たきりや寝たきりに近い日常生活からある程度歩行できるまで言われる長い期間の生活のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を向上させることが可能となる。
【0080】
なお、上述の説明においては寝たきりや寝たきりに近い人達が使い捨てオムツを使用する際に本実施形態に係る袋状ビニールシートを利用する優位性について説明したが、このような人達でなくても使い捨てオムツを日常的に使用する必要のある人であれば、本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを利用することで顕著なる効果を発揮することができることは言うまでもない。
【0081】
具体的には、例えば日常生活を送れる高齢者であっても、高齢化に伴って肛門括約筋が緩んでしまい、大便の排泄のタイミングを意図的に図ることができなく悩んでいる人達がいる。このような人達にとっても本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを利用できることは、快適な日常生活を送る上での朗報になる。
【0082】
即ち、このような人達はトイレなどで大便をちょうど良いタイミングで行うことができず、起きて立ったり座ったりする最中であっても寝ている最中であっても肛門から自然に排泄されてしまう。そのため、このような人達も日常的に使い捨てオムツを着用するようになるが、特に問題となるのは大便に含まれる液状部分が自然と肛門から流れ出し続けて使い捨てオムツの排泄物吸収用パッドにひっきりなしに浸み込んでいく。
【0083】
これによって、排泄物吸収用パッドを長時間着用していると、その着用中にどうしても湿ったままとなってしまい、着用者はこの部分の皮膚の感触の不快感に常に悩まされると共に、排泄物の異臭が周りに漂ってそれが気になって心配したり憂うつの種となったりして日常生活を快適かつ活動的に送れなくなる。
【0084】
しかしながら、本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを日常使用している使い捨て用オムツに利用することでこのような悩みや問題を解決できる。具体的には、液状の排泄物がある程度溜まった段階で、トイレなどで使い捨てオムツを脱いで排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートに溜まった排泄物を上側開口部からトイレに流し、その後に排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートをトイレットペーパーなどで包んだ上で綺麗なビニール袋に入れてその開口部をしっかりと結んで臭いが漏れないようにすれば良い。もちろん、本発明に係る袋状ビニールシートを水等で洗浄できる環境下においては、この内部を綺麗に洗い流して再使用することも可能である。
【0085】
これによって、肛門から不随的に流れ出した排泄物を肌身に付着した分も含めて全て処理することができる。そして、本発明に係る新たな排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを先ほどまで着用していた使い捨てオムツに再度取り付けてこの使い捨てオムツを再使用することが可能となる。
【0086】
以上のようにして、構造的に簡易で極めて廉価な本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを適宜取り替えて使い続けることで、本実施形態に係る袋状ビニールシートを装着しないまま使い捨てオムツを使用する場合に比べて格段に長い時間使い続けることができるようになる。その結果、値段の嵩むコストの高い使い捨てオムツ自体の頻繁な廃棄とこれに伴う経済的負担を軽減することが可能となる。
【0087】
続いて、本発明の第2の実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート200について図面に基づいて説明する。この実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート(以下適宜単に「本実施形態に係る袋状ビニールシート200」又は単に「袋状ビニールシート200」とする)は、第1の実施形態と共通する基本構成を有しているが、上側開口部210の形態が第1の実施形態と異なっており、それにより特別な作用効果を有している。そのため、共通する構成については、文章による説明を適宜省略して上側開口部の形状及びこれに基づく作用効果を詳細に説明していく。
【0088】
図8は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200をその上側開口部210を閉じた状態と開いた状態で示す説明図である。より詳細には、図8(a)は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200の上側開口部210を形成する前の状態で上側ビニールシート201に形成された切断線211~215を実線で示す平面図である。また、図8(b)は、図8(a)の切断線211~215をそれぞれ折り返すことで、折り返し部216~219を形成すると同時に、細長矩形状の上側開口部210を袋状ビニールシート200に形成した状態を示す平面図である。
【0089】
図9は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を使い捨てオムツの排泄物吸収用パッド10に取り付けた状態を示す説明図である。より詳細には、図9(a)は、図8(b)に示した第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を排泄物吸収用パッド10の上面に重ねてずれないように固定した状態を示す平面図である。
【0090】
また、図9(b)は、図9(a)の状態を幅方向中央部において長手方向全体に亘って切断して示す断面図であり、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200の上側開口部210から内部に収容された小便吸収用パッド20と、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートを上面に重ねてずれないように固定した大便吸収用パッド10と共に示している。なお、図9(a)及び図9(b)においては、袋状ビニールシート200を透明なものとして描いているため、小便吸収用パッド20についても透過的に実線で描いている。以下、この図面に対応する各図面についても同様である。
【0091】
図10は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を排泄物吸収用パッド10に取り付ける手順を示す説明図である。より詳細には、図10(a)は、図9に示した小便吸収用パッド20を第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200に収容する収容の仕方を表している。
【0092】
また、図10(b)は、図10(a)のように第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200に小便吸収用パッド20を上側開口部210から袋状ビニールシート200内に収容した後に大便吸収用パッド10に第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を重ねて取り付け、大便吸収用パッド10ごと折り曲げて使い捨てオムツに装着する直前の状態を示してしている。
【0093】
図11は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を備えた排泄物吸収用パッド10をパンツ型の使い捨てオムツ50に装着する説明図である。より詳細には、図11は、図10に示した状態の大便吸収用パッド10及び小便吸収用パッド20並びに袋状ビニールシート200のそれぞれを所定の状態で重ねてずれないようにした状態でパンツ型の使い捨てオムツ50に取り付ける仕方を示している。
【0094】
図12は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を備えた排泄物吸収用パッド10を図11とは異なる使い捨てオムツ60に装着する説明図である。より詳細には、図12図11に対応する図面であり、図11において示す使い捨てオムツ50はパンツ型の形態を有しているのに対して、図12において示す使い捨てオムツ60は、使用者が腰あたりの左右の両側部分に使い捨てオムツ本体60の上側左右を互いに貼り付けて固定するタイプの使い捨てオムツの形態となっている。
【0095】
図13は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200によって生じる特有の作用効果を示す説明図である。より詳細には、図13は、図6及び図7に対応する図面で、図7とは異なり被介護者が第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を利用して大便や小便などの排泄物を排泄した過程を図6図7と同様の方向から描いた図である。そして、図13(a)は、被介護者が大便や小便などの排泄物を排泄した際に、これらの排泄物が第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200の上側開口部210から袋状ビニールシート200内に溜まっていく過程を示している。また、図13(b)は、図13(a)の状態よりも被介護者が排泄物を更に排泄した状態となっているが、これらの排泄物は袋状ビニールシート200の内部に溜まると共に、この外部から漏れ出さない状態を維持していることを示している(図6と比較参照)。
【0096】
以上の図面に対応した内容をより補足的に説明する。第2の実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート200は、第1の実施形態と同様にオムツ本体50とこのオムツ本体50の内側に装着する排泄物吸収用パッド10を有した排泄物吸収処理用のオムツであって、使用者が着用することで排泄物を排泄物吸収用パッド10で吸収した後に排泄物吸収用パッド10を廃棄して新たな排泄物吸収用パッド10をオムツ本体に付け替えて再使用する排泄物吸収処理用の使い捨てオムツに用いるものである。
【0097】
なお、本発明の第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を取り付ける排泄物吸収用パッド10は、第1の実施形態の場合と同様に大便吸収用パッドからなる。そして、袋状ビニールシート200は、排泄物吸収用パッド10の排泄物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシート201、202を重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、かつ使い捨てオムツを使用者が着用する状態で見て袋状ビニールシート200を排泄物吸収用パッド10の使用者の排泄部位と密着する面側に開いた状態で排泄部位をその周囲も含めて囲う上側開口部210を形成するための切り込み部211~215を袋状ビニールシート200の上側部分に有している。
【0098】
上述の切り込み部211~215を形成されていることで、この切り込み部211~215を利用して第1の実施形態と同様の上側開口部210を形成できる。これによって、使用者が大便や小便などの排泄物を排泄した際に排泄物の少なくともかなりの部分が切り込み部211~215を折り返すことで折り返し部216~219と共に形成された上側開口部210から袋状ビニールシート200内に入り込んで排泄物の一部がオムツ本体50に漏れ出すことを防止するようになっている。
【0099】
また、第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200の上側開口部210は、第1の実施形態の場合と同様に小便吸収用パッド20を更に出し入れ可能な大きさを備えている。そして、この上側開口部210を介して小便吸収用パッド20を袋状ビニールシート200の中に介在させかつ使い捨てオムツを使用者が着用した状態で排泄物としての小便を吸収可能な状態を維持できるように袋状ビニールシート200の中に収容可能となっている。
【0100】
続いて、第2の実施形態に特有の構成要件である上側開口部210を形成するための切り込み部211~215の構成についてより詳細に説明する。切り込み部211~215は、袋状ビニールシート200の上側のビニールシート201において、この袋状ビニールシート200の幅方向真ん中あたりに長手方向に沿って一定の長さだけ延在した第1の切り込み部211と、この第1の切り込み部211の両端に略V字状をなすように形成され、そのV字状の両端のそれぞれからこの第1の切り込み部211と一定の角度をなして袋状ビニールシートの長手方向及び幅方向端部側にそれぞれ近づくように延在する第2の切り込み部212,213及び第3の切り込み部214,215から形成されている。なお、この第2の切り込み部212,213と第3の切り込み部214,215は双方とも本実施形態においては略V字状をなし、その先端鋭角部が第1の切り込み部211の一側端部211aと他側端部211bにそれぞれ繋がっている。
【0101】
なお、袋状ビニールシート200のうち上側のビニールシート201に形成された第1の切り込み部211、第2の切り込み部212,213、第3の切り込み部214,215は、図8(a)に実線で示すように実際に完全に切り込んである形態でも良く、ミシン目状に所定間隔で切り込んでいても良い。この場合、ミシン目状に切り込んだ場合は使用者が指で周辺を摘まんで引っ張ることで容易に切り離せるような形態として形成されているのが良い。若しくは、完全な切断線とミシン目状の切断線を組み合わせて形成されていても良い。
【0102】
続いて、上側開口部210の形成の仕方について説明する。図8(a)に示す袋状ビニールシート200の上側のビニールシート201を指で摘まんで、第1の切り込み部211を図面中それぞれ図中上下に折り返すと共に、第2の切り込み部212,213を図面中左側に折り返し、右側の第3の切り込み部214,215を図中右側に折り返すことによって、図8(b)のような折り返し部216~219が形成されて折り開いた展開状態になる。
【0103】
これによって、その中央部に長手方向に沿って所定の幅をもった細長矩形状の上側開口部210が形成される。そして、この上側開口部210が、第1の実施形態の袋状ビニールシート100に形成されたそれぞれ半円状をなす異形の矩形形(長円形)の上側開口部110に相当するようになっている。
【0104】
なお、第2の実施形態に係る排泄物吸収用パッド10の機能向上用袋状ビニールシート200の材質は、第1の実施形態と同様にしっかりとした厚みを有している。これによって、図8(b)のように第1の切り込み部211、第2の切り込み部212,213、第3の切り込み部214,215を全て折り返した場合に、全ての折り返し部216~219が、図8(b)の紙面で見てある程度の弾力性によりそれぞれ若干上側に反って折り返された状態になる。
【0105】
このように、それぞれの折り返し部216~219がある程度の弾力性を保ちながら折り返された部分の先端に向かって僅かに上側に向かった特徴のメリットについて以下に説明する。
【0106】
このような状態で第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200を排泄物吸収用パッド10に取り付けた後におむつ本体50,60に装着すると、使用者が使い捨ておむつ50,60を着用する際に全ての折り返された部分が使用者の皮膚に押し付けられた状態でしっかりと密着する。このように折り返し部216~219とその周辺が使用者の皮膚に密着することで、この折り返し部216~219と使用者の体の部位との間に隙間を生じさせることがなくなる。つまり各使用者の体格や体型の違いによらず、かつ瘤や大きめの突出部(できものや腫れ部)があったりしても、その外面に沿って隙間を空けずに密着させることができる。
【0107】
これによって、使い捨ておむつの着用中に排出物が排泄された際にこれらの密着部分から皮膚を伝わってこの第2の実施形態に係る袋状ビニールシート200の外側に漏れ出すことを確実に防止できる。即ち、排泄物を漏れなく袋状ビニールシート200の内部に上側開口部210から溜めてその外側に漏れ出すのを確実に防止できる(図13参照)。
【0108】
以上の説明に加えて、肛門括約筋の弛緩から生じる上述した問題に本実施形態に係る袋状ビニールシート200は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシート100の作用効果よりも更に優れた作用効果を発揮する。
【0109】
続いて、本発明の第3の実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート300について説明する。この第3の実施形態においては、上述した解決すべき課題の欄で示したように、女性が使用する尿もれ吸収パッド30に補助的に利用することで際立った作用効果を発揮することができることを説明する。
【0110】
尿もれが深刻なレベルに達すると、たとえ尿もれ吸収パッド30を着用していてもその尿もれ吸収パッド30と皮膚との間から漏れ出してしまい、下着や洋服に付着してこれらの衣類が汚れてしまうと共に、臭いが周囲に広がってしまうことが気になって厄介である。一方、この第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300を使用することにより、このような問題を解決してより快適な日常生活が送れるように着想したものである。
【0111】
図14は、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300における第1実施例300―1を示す説明図である。より詳細には、図14(a)は、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第1実施例300-1を平面図として実線で示すと共に、この第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第1実施例300-1を取り付ける尿もれ吸収パッド30を外側の二点鎖線で示している。また、図14(b)は、図14(a)に示した構成を幅方向中央部において長手方向に亘って切断した断面図である。この図においては、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第1実施例300-1を尿もれ吸収パッド30の吸収面に重ねて貼り付けた状態を示している。図14(b)においては、第3の実施形態の尿もれ吸収パッド30については、この図の下側の点線で示す部分に相当し、第3の実施形態の袋状ビニールシート300の第1実施例300-1は、実線で示すと共に断面部分をハッチングで示し、その上側開口部310をハッチングせずに示している。
【0112】
図15は、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第1実施例300-1を尿もれ吸収パッド30に取り付けた状態を示す説明図である。より詳細には、図15(a)は、図14(a)に対応する図面であり、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第1実施例300-1を実際に尿もれ吸収パッド30に取り付けた平面図を示している。また、図15(a)においては、尿もれ吸収パッド30及び本変形例300-1はそれぞれ実線で示している。また、図15(b)は、図15(a)に対応する図面であり、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第1実施例300-1を尿もれ吸収パッド30の上側に重ねて貼り付けた状態を示している。
【0113】
図16は、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300における第2実施例300-2を示す説明図である。より詳細には、図16(a)は、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第2実施例300-2に上側開口部320を形成する前の状態で上側ビニールシート301-2に形成された切断線321~325を実線で示す平面図である。また、図16(b)は、図16(a)の切断線321~325をそれぞれ折り返して細長矩形状の上側開口部320を袋状のビニールシートの上側に形成した状態を示す平面図である。
【0114】
図17は、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第2実施例300-2を尿もれ吸収パッド30に取り付けた状態を示す説明図である。より詳細には、図17(a)は、図16に示した第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第2実施例300-2を尿もれ吸収パッド30の上面に重ねてずれないように固定した状態を示す平面図である。また、図17(b)は、図17(a)の状態を幅方向中央部において長手方向全体に亘って切断して示す断面図であり、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の第2実施例300-2を上面に重ねてずれないように固定した尿もれ吸収パッド30を示している。
【0115】
以上の図面に対応した内容をより補足的説明する。第3の実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート300は、不随的に漏れ出した尿を吸収するための尿もれ吸収パッド30の排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシート301-2,302-2を重ね合わせて袋状としたシート形状を有している。その上、この尿もれ吸収パッド30を使用者が着用する状態で見て袋状ビニールシート300-2を尿もれ吸収パッド30の使用者の排泄部位と密着する面側に排泄部位とその近傍を囲うように形成された上側開口部310,320が袋状ビニールシートの上側部分に形成されている。
【0116】
そして、尿もれ吸収パッド30に対して漏出した尿(以下適宜「排泄物」とする)の少なくともかなりの部分が上側開口部310,320から袋状ビニールシート内に入り込んで漏出した尿の一部が尿もれ吸収パッド30の外側に漏れ出すことを防止するようになっている。
【0117】
上述した2つの上側開口部310,320を有する袋状ビニールシートのそれぞれの形態について第1実施例及び第2実施例として以下に具体的に説明する。なお、図面に関しては、図14及び図15が第1実施例、図16及び図17が第2実施例に対応している。また、各図面中に示した符号に関しては、括弧書きで括られていない左側の符号がこの第2の実施形態の第1実施例と第2実施例にそれぞれ対応している。
【0118】
第1実施例300-1は、上述した第1の実施形態と同様の形状となっている。具体的には、上側開口部310(図14及び図15参照)の形状は、平面視で周縁部がいわゆる長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなすように形成されている。そして、上側開口部310の大きさは、排泄物が排泄した際に排泄物の少なくともかなりの部分がこの上側開口部310から袋状ビニールシート300-1内に入り込んで排泄物の殆どを収容することで、これらの排泄物の一部が尿もれ吸収パッド30の外側に漏れ出すことを防止する大きさを有している。
【0119】
また、第2実施例300-2は、上述した第2の実施形態と同様の形状となっている。具体的には、袋状ビニールシート300は、尿もれ吸収パッド30の排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシート301-2,302-2を重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、かつ尿もれ吸収パッド30を使用者が着用する状態で見て袋状ビニールシート300-2を尿もれ吸収パッド30の使用者の排泄部位と密着する面側に排泄部位とその近傍を囲う上側開口部320(図17参照)を形成するための切り込み部321~325を袋状ビニールシート300-2の上側部分に有している。
【0120】
そして、この切り込み部321~325を第2の実施形態と同様の要領で折り返すことで折り返し部326~329とすることにより、第2の実施形態と同様の上側開口部320を形成するようになっている。これによって、排泄物が排泄された際に排泄物の少なくともかなりの部分が折り返し部316~319によって形成された上側開口部320から袋状ビニールシート300-2内に入り込んで排泄物の一部が尿もれ吸収パッド30の外側に漏れ出すことを防止するようになっている。
【0121】
この切り込み部321~325の更なる具体的形状及びこれを折り返して上側開口部320を形成する仕方について念のため説明する。切り込み部321~325は、袋状ビニールシート300-2の上側ビニールシート301-2において、この袋状ビニールシート300-2の幅方向真ん中あたりに、長手方向に沿って一定の長さだけ延在した第1の切り込み部321と、この第1の切り込み部321の両端に略V字状をなすように形成され、そのV字状の両端のそれぞれからこの第1の切り込み部321と一定の角度をなして袋状ビニールシート300-2の長手方向及び幅方向端部側に近づくように延在する第2の切り込み部322,323と第3の切り込み部314,315が形成されている。この第2の切り込み部と第3の切り込み部は、双方とも本実施形態においては略V字状をなして、その先端鋭角部が第1の切り込み部321の各端部321a,321bとそれぞれ繋がっている。
【0122】
なお、袋状ビニールシート300-2のうち上側のビニールシート301-2に形成された第1の切り込み部321、第2の切り込み部322,323、第3の切り込み部314,315は、図16(a)に実線で示したように実際に完全に切り込んである形態でも良く、ミシン目状に所定間隔で切り込んでも良い。また、完全に切り込んだ部分とミシン目状に切り込んだ部分を組み合わせたものであっても良い。なお、ミシン目状に切り込んだ場合は使用者が指で周辺を摘まんで引っ張ることで容易に切り離せるような形態として形成されているのが良い。
【0123】
続いて、上側開口部320の形成の仕方について図16(a)(b)及び図17(a)(b)に基づいて説明する。最初に第2の実施形態と同様の切り込みを有する袋状ビニールシート300-2の上側のビニールシート301-2を指で摘まんで、第1の切り込み部321を図面中それぞれ上下に折り返すと共に、第2の切り込み部322,323を図面中左側に折り返し、右側の第3の切り込み部324,325を右側に折り返す(図16(a)(b)に示す構成から図17(a)(b)に示す構成への変化参照)。これによって、第2の実施形態を示した状態と同様の折り開いた展開状態になると共に、その中央部に長手方向に沿って所定の幅を有した細長矩形状の上側開口部320(図17(a)参照)が形成される。そして、この実施形態の上側開口部320が第2の実施形態の上側開口部210に相当するようになっている。
【0124】
なお、この第3の実施形態の袋状ビニールシート300の材質は、第2の実施形態と同様にしっかりとした厚みを有している。これによって、第2の実施形態と同様の第1の切り込み部321、第2の切り込み部322,323、第3の切り込み部324,325を全て折り返した場合に、全ての折り返し部326~329が、図17(b)の紙面で見てある程度の弾力性によりそれぞれ若干上側に反って折り返された状態になる。
【0125】
このように、図17(a)(b)に示す折り返し部326~329がそれぞれ或る程度の弾力性によってこれら折り返し部の各先端に向かって僅かに上側に向かった特徴のメリットについて説明する。
【0126】
上述のように折り返されて形成した上側開口部320を有する実施形態を図16図17に示す尿もれ吸収パッド30に粘着テープや医療用絆創膏などを用いて取り付けた後に使用者が尿もれ吸収パッド30を着用する際に、全ての折り返し部326~329がそれぞれ折り返されたことによって生じた弾力性を利用して使用者の皮膚に押し付けられた状態でしっかりと密着する。
【0127】
このように、折り返し部分とその周辺が使用者の皮膚に密着することで、使用者ごとの異なる体型に全て適合できると共に、密着する体の部位に瘤や大きめの突出部(できものや腫れ部)があったりしても、その外面に沿って隙間を空けずに密着させることができる。これによって、尿もれ吸収パッド30の着用中に尿が不随的に漏れ出しても、この漏出した尿が皮膚を伝わって尿もれ吸収パッド30の外側に漏れ出すことを確実に防止できる。
【0128】
このような構成からも明らかなように、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート300の基本的構成は、上述した第1及び第2の実施形態の構成と同等であるが、その目的とする態様に合わせて袋状ビニールシート300の長さや幅、上側開口部310の形状、大きさや形成位置に関して最適な寸法形状を有している点で相違している。
【0129】
続いて、本発明の第4の実施形態に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート400について説明する。この第4の実施形態においては、上述した解決すべき課題の欄で示した問題を一気に解決するものであり、女性が使用する生理用品(ナプキン)40に補助的に利用することで際立った作用効果を発揮することができる。
【0130】
なお、ここでの説明においては、単なる排泄物としての大便や小便と生理の元々の意味合いを区別するために「排泄物」の用語を用いる代わりに「排出物」の用語を用いると共に、本発明の名称を「排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート」の用語に置き換えて説明する。
【0131】
より具体的には、生理が重い場合、たとえ生理用品(ナプキン)40を着用していても排出物が生理用品(ナプキン)40と皮膚との間から漏れ出してしまい、下着や洋服に付着してこれらの衣類が汚れてしまうと共に臭いが周囲に広がってしまうことが気になって厄介である。
【0132】
そこで、この第4の実施形態においては、本発明を適用することによりこのような問題を解決してより快適な日常生活が送れるように着想したものである。
【0133】
図14は、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400における第1実施例400-1を示す説明図である。より詳細には、図14(a)は、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第1実施例400-1を平面図として実線で示すと共に、この第4の実施形態の袋状ビニールシート400を取り付ける生理用品(ナプキン)40を外側の二点鎖線で示している。また、図14(b)は、図14(a)に示した構成を幅方向中央部において長手方向に亘って切断した断面図である。この図においては、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第1実施例を生理用品(ナプキン)の吸収面に重ねて貼り付けた状態を示している。図14(b)においては、生理用品(ナプキン)40については、この図の下側の点線で示す部分に相当し、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第1実施例400-1は、実線で示すと共に断面部分をハッチングで示し、その上側開口部410をハッチングせずに示している。
【0134】
図15は、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第1実施例400-1を生理用品(ナプキン)40に取り付けた状態を示す説明図である。より詳細には、図15(a)は、図14(a)に対応する図面であり、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第1実施例400-1を実際に生理用品(ナプキン)40に取り付けた平面図として示している。また図15(a)においては、生理用品(ナプキン)40及び本実施形態の袋状ビニールシート400の第1実施例400-1はそれぞれ実線で示している。また、図15(b)は、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第1実施例400-1を生理用品(ナプキン)40の上側に重ねて貼り付けた状態を示している。
【0135】
図16は、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第2実施例400-2を示す説明図である。より詳細には、図16(a)は、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第2実施例400-2の上側開口部420を形成する前の状態で上側ビニールシート401-2に形成された切断線421~425を実線で示す平面図である。また、図16(b)は、図16(a)の切断線421~425をそれぞれ折り返して細長矩形状の上側開口部420を袋状ビニールシート400の第2実施例400-2の上側に形成した状態を示す平面図である。
【0136】
図17は、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第2実施例400-2を生理用品(ナプキン)40に取り付けた状態を示す説明図である。より詳細には、図17(a)は、図16に示した第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第2実施例400-2を生理用品(ナプキン)40の上面に重ねてずれないように固定した状態を示す平面図である。また、図17(b)は、図17(a)の状態を幅方向中央部において長手方向全体に亘って切断して示す断面図であり、第4の実施形態に係る袋状ビニールシート400の第2実施例400-2を上面に重ねてずれないように固定した生理用品(ナプキン)40を示している。
【0137】
なお、図14乃至図17に関しては、第3の実施形態と第4の実施形態を説明する上で、各実施形態に応じたそれぞれの大きさや長さ幅などの寸法の違いや材質の厚みなどの違いや材質の違いがあるが、その基本的構成を共通とするので共通図面として使用するものとし、その符号に関してはそれぞれ第3の実施形態の符号を左側に記入すると共に、第4の実施形態の符号を第3の実施形態の各符号の右側に括弧書きで記入する。
【0138】
以上の図面に対応した内容をより補足的に説明する。第4の実施形態に係る排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート400は、排出物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、かつ排出物吸収用パッド40を使用者が着用する状態で見て袋状ビニールシート400を排出物吸収用パッド40の使用者の排出部位と密着する面側に排出部位とその近傍を囲うように形成された上側開口部410,420が袋状ビニールシート400の上側部分に形成されている。
【0139】
そして、排出物吸収用パッド40に排出物が排出された際に排出物の少なくともかなりの部分が上側開口部410,420から袋状ビニールシート400内に入り込んで排出物の一部が排出物吸収用パッド40に漏れ出すことを防止するようになっている。
【0140】
上側開口部410,420の形態としては2つの形態が考えられる。第1実施例は、上述した第3の実施形態と同様の形状となっている。従って、図面における符号に関して、第4の実施形態の第1実施例に関する特有の符号は図14及び図15において括弧書きで示す。具体的には、上側開口部410の形状は、平面視で周縁部がいわゆる長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなすように形成されている。そして、上側開口部410の大きさは、排出物が排出した際に排出物の少なくともかなりの部分がこの上側開口部410から袋状ビニールシート400内に入り込んで排出物の殆どを収容することで、これらの排出物の一部がナプキン40の外側に漏れ出すことを防止する大きさを有している。
【0141】
また、第2実施例400-2は、上述した第3の実施形態の第2実施例と同様の形状となっている。従って、図面における符号に関して、第4の実施形態の第2実施例に関する特有の符号は図16及び図17において括弧書きで示す。具体的には、袋状ビニールシート400-2は、排出物吸収用パッド40の排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシート401-2,402-2を重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、かつナプキン40を使用者が着用する状態で見て袋状ビニールシート400をナプキン40の使用者の排出部位と密着する面側に排出部位とその近傍を囲う上側開口部420を形成するための切り込み部421~425を袋状ビニールシート400の上側部分に有している。
【0142】
そして、この切り込み部421~425を第2の実施形態と同様の要領で折り返すことで、それ自体弾性力を有した折り返し部426~429を形成すると共に、第3の実施形態の第2実施例300-2と同様の上側開口部420を形成するようになっている。これによって、排出物が排出された際に排出物の少なくともかなりの部分が切り込み部421~425を折り返すことで形成された上側開口部420から袋状ビニールシート400-2内に入り込んで排出物の一部がナプキン40の外側に漏れ出すことを防止するようになっている。
【0143】
この切り込み部421~425の更なる具体的形状及びこれを折り返して上側開口部420を形成する仕方について念のため説明する。切り込み部421~425は、袋状ビニールシート400-2の上側ビニールシート401-2において、この袋状ビニールシート400-2の幅方向真ん中あたりに長手方向に沿って一定の長さだけ延在した第1の切り込み部421と、この第1の切り込み部421の両端に略V字状をなすように形成され、第1の切り込み部421の両端421a,421bのそれぞれからこの第1の切り込み部421と一定の角度をなして袋状ビニールシート400-2の長手方向及び幅方向端部側に近づくように延在する第2の切り込み部と第3の切り込み部が形成されている。なお、この第2の切り込み部422,423と第3の切り込み部424,425は、双方とも本実施形態においては略V字状をなして、その先端鋭角部が第1の切り込み部421の両端部421a,421bとそれぞれ繋がっている。
【0144】
なお、袋状ビニールシート400-2のうち上側ビニールシート401-2に形成された第1の切り込み部421、第2の切り込み部422,423、第3の切り込み部424,425は、第2の実施形態を示した図8のように実際に完全に切り込んである形態でも良く、ミシン目状に所定間隔で切り込んでも良い。また、完全に切り込んだ部分とミシン目状に切り込んだ部分を組み合わせたものであっても良い。なお、ミシン目状に切り込んだ場合は使用者が指で周辺を摘まんで引っ張ることで容易に切り離せるような形態として形成されているのが良い。
【0145】
上側開口部420の形成の仕方について説明する。図16(a)に示す第2の実施形態と同様の切り込みを有する袋状ビニールシート400-2の上側のビニールシート401-2を指で摘まんで、第1の切り込み部421を図面中それぞれ上下に折り返すと共に、第2の切り込み部422,423を図中左側に折り返し、第3の切り込み部424,425を右側に折り返す。これによって、第3の実施形態の第2実施例を示した図17(a)(b)のような折り開いた展開状態になると共に、その中央部に長手方向に沿って所定の幅をもった細長矩形状の上側開口部が形成される。そして、この実施形態の上側開口部420が第3の実施形態の第2実施例の上側開口部320に相当するようになっている。
【0146】
なお、この第4の実施形態の排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート400の第2実施例400-2の材質は、第2の実施形態や第3の実施形態の第2実施例300-2と同様にしっかりとした厚みを有している。これによって、第2の実施形態を示した図8(b)のように第1の切り込み部421、第2の切り込み部422,423、第3の切り込み部424,425を全て折り返した場合に、全ての折り返し部426~429が、図8(b)の紙面で見てある程度の弾力性によりそれぞれ若干上側に反って折り返された状態になる。
【0147】
このように、それぞれの折り返し部426~429がある程度の弾力性によって折り返し部426~429の先端に向かってそれぞれ若干上側に反った特徴のメリットについて説明する。
【0148】
上述のように折り返されて形成した上側開口部420を有する実施形態をナプキン40に粘着テープや医療用絆創膏などを用いて取り付けた後に使用者がナプキン40を着用する際に全ての折り返された部分が使用者の皮膚に押し付けられた状態でしっかりと着用する。これによって、折り返し部426~429とその周辺が使用者の皮膚に密着するので、使用者ごとの異なる体型に全て適合できると共に、密着する体の部位に瘤や大きめの突出部(できものや腫れ部)があったりしても、その外面に沿って隙間を空けずに密着させることができる。
【0149】
これによって、ナプキン40の着用中に排出物が排出された際にこれらの密着部分から皮膚を伝わってこの第4の実施形態に係る排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート400の外側に漏れ出すことを確実に防止できる。その結果、排出物を漏れなく排出物の機能向上用袋状ビニールシート400の内部に上側開口部420から溜めてその外側に漏れ出すのを確実に防止できる。
【0150】
このような構成からも明らかなように、第4の実施形態に係る排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート400の基本的構成は、上述した第2の実施形態に係る排泄物吸収用袋状ビニールシート200や特に第3の実施形態の第2実施例に係る排泄物吸収用袋状ビニールシート300-2(図16及び図17参照)の構成と同等であるが、その目的とする態様に合わせて袋状をなす袋状ビニールシート400-2の長さや幅、上側開口部420の形状、大きさや形成位置に関して最適な寸法形状を有している。
【0151】
以上の説明からも理解できるように、本発明に係る排出物吸収用パッド10の機能向上用袋状ビニールシート400を生理用品(ナプキン)40に取り付けて着用することで、このような排出物の漏れ出しに基づく問題を解決することができる。この理由としては、この排出物を排出した際に排出物の少なくともかなりの部分が袋状ビニールシート400の上側開口部420から袋状ビニールシート400内に入り込んで排出物の一部が排出物吸収用パッドに漏れ出すことを防止するようになっているからである。
【0152】
これによって、近年の男女共同社会参加の流れに沿って女性が社会で活躍する際に定期的にネックとなる問題を解決することができ、女性の社会参加に伴うパフォーマンスの向上を可能とする。また、生理が重い際に例えば友人や知人との会食を行うことになっても気兼ねなく楽しむことができる。また、家庭内での家事や子育てをする際にも生理が重くても余分なストレスを抱え込まずに行うことができる。
【0153】
更に第5の実施形態として、上述の解決すべき課題の欄で記載したように、乳幼児用の使い捨てオムツにも本発明を適用可能である。具体的には、乳幼児用の使い捨てオムツが、上述した介護用おむつのようにオムツ本体とこのオムツ本体の内側に装着する排泄物吸収用パッドが別体として形成されているか、若しくはこれとは異なり一体として形成されているかによらず、本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートをこの使い捨てオムツの排泄物吸収用パッドの形成部位に装着して使用することも可能である。
【0154】
これによって、オムツの取れない乳幼児の排泄物をオムツ本体に漏れ出すことを防止する。その結果、定期的に取り替えなければならないオムツ交換の作業が簡単にかつ迅速にでき、養育者に身体的及び精神的ストレスを与えないようにすることができる。
【0155】
以上説明した本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、上述の使用形態に限定されず、それ以外の様々な状況において使用することでこの発明の有する特有の作用効果を発揮することができる。本発明の適用対象として具体的に例示すると、潜水士や深海潜水艇の乗員、長距離トラックの運転手、渋滞の時期における車での帰省時の女性用簡易トイレ代用品などにおいても、本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを利用することで排泄物吸収用パッドやこれを収容するオムツ本体を何度か繰り返して使用可能となる。
【0156】
更には、本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、これを使用する対象を人間と限定することなく、更に犬や猫などのペット、猿などの動物に対しても使用可能である。具体的には、例えば犬や猫を飼っているとこれを可愛がることでいわゆるオキシトシンというホルモンが脳内に分泌されて癒し効果が十分得られることが知られている。そして、近年の急速な高齢化社会の到来に伴い人間の大切なパートナーとして犬や猫が重要な役割を果たすようになっている。
【0157】
しかしながら、特に犬を飼っている場合、犬が元気な間は殆ど毎日散歩させなければならず、この散歩中に大便や小便などの排泄物を撒き散らさないように大型犬用の使い捨てオムツや小型犬用の使い捨てオムツを着用させながら散歩させることが多く行われている。しかしながら、このような使い捨てオムツを犬が元気でいるかなり長い年月の間毎日交換しなければならないとなると、飼い主が特に高齢者の場合経済的負担がかなり増してしまう。このような点からも明らかなように、本発明を利用することでこのような使い捨てオムツを可能な限り再使用することができ、上述の経済的負担の問題を一気に解決することが可能となる。
【0158】
これによって、飼い主は高齢者の場合であっても犬の散歩中に使い捨てオムツを着用させる機会を増やすことで、散歩中に犬が大便を排泄した際に毎回屈んで大便をスコップ等で摘まんで持ち帰り用の排泄物吸収用ビニール袋などに入れる必要がなくなり、身体を固めた際に急に腰を傷めてしまったりバランスを崩して転倒して大怪我をしてしまったりするような危険性をなくして犬の散歩を楽しむことができる。
【0159】
また、多くの人が犬の散歩中に本発明の袋状ビニールシートを装着した使い捨て用オムツを使用することで、犬が散歩中に鉄製の公共の交通表示板やその他掲示板の支柱や、電信柱等支柱などにマーキングのために小便を引っ掛けることがなくなり、これに基づくこれらの公共物の予期せぬ腐食やそれに基づく破損を防止することが可能となる。
【0160】
また、動物が猿の場合、ペットとして愛くるしいリスザル等がペットショップで販売され、実際に飼われていることも増えているが、このような場合にも本発明を適用可能なことは言うまでもない。また、わが国においては、観光用の見世物の1つとしていわゆる猿まわしの芸が国際的に知られて有名になっているが、このような芸を行う猿に本発明に係る袋状ビニールシートを備えた使い捨てオムツを着用させることで、使い捨てオムツの毎回の廃棄を激減させることができ、コストを抑えながら見物客の喜ぶパフォーマンスを猿に行わせることが可能となる。
【0161】
その上、本発明による袋状ビニールシートを交換する簡単な作業で済ませることで、猿まわしの芸を行うスタッフの余分でストレスの係る使い捨てオムツの交換作業の回数を激減させることで、近年たまに問題となっているスタッフが猿に対してストレスを発散するようないわゆる動物虐待にあたる行為が行われるのを未然に防止することが可能となる。
【0162】
また、大地震などの大災害で下水道などのインフラが機能しなくなった場合や、国家間の紛争が突発的に生じた場合などにおいては、水洗用トイレ等がないかあっても機能しない非常に狭い避難場所に長期間に亘って過ごさなければならない。
【0163】
また、このような場合においては、簡易トイレ代わりになる使い捨てオムツ等が十分に支給されることが当然のことながら難しくなる。そのため、一度支給された使い捨てオムツを何度も繰り返し使用し続けることが必要になる。この場合、本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを利用することで、このような特別な状況下においても対応することができ、避難者の身体的及び精神的負担を少しでも軽減することに貢献する。
【0164】
なお、上述の実施形態及びこれに基づく図面並びに各変形例はあくまで本発明を実施する一例を示したものに過ぎず、本発明の作用効果を発揮し得る範囲内であればその形状や寸法、材質等を適宜変更可能なことは言うまでもない。
【0165】
具体的には、長円形又は楕円形の上側開口部が形成されている構造については、この上側開口部の形状はこれに限定されず、上側のビニールシートに排泄物や排出物が外側に漏れずに袋状ビニールシートの内部に溜まっていけば、どのような形状であっても構わない。
【0166】
この構造を有する実施形態においては、上側のビニールシート自体に前もって上側開口部が形成されているので、排泄物(排出物)吸収用パッドに素早くかつ簡単に重ねて取り付けた上で使用者の身体に装着できるので、被介護者の手を煩わせるたりすることなく簡単な作業で排泄物(排出物)吸収用パッドや排泄物吸収用パッドを備えた使い捨てオムツの交換作業を終えることが可能となる。また、排泄物(排出物)吸収用パッドが尿もれパッドの場合や生理用品(ナプキン)の場合は、例えば携帯して外出する場合に外出先で素早く交換することが可能となる。
【0167】
また、上側開口部を形成する形態の袋状ビニールシートの場合、予め折り曲げ用の切断線やミシン目、これらの組み合わせが上側のビニールシートに備わり、これを折り返して上側開口部を形成する構造を有しているが、折り返し部が使用者の皮膚にまんべんなく密着することで排泄物や排出物を袋状ビニールシートの内部に溜めることができれば様々な寸法や形態の切断線やミシン目、これらの組み合わせを適宜選択可能である。
【0168】
また、上述の各実施形態における上側開口部は、これらをそれぞれ表す図面においては長手方向においてかなり長さの長い上側開口部として描くと共に幅方向についてもかなり広めに描いていた。しかしながら、これはあくまで発明の理解の容易化と説明の都合上に基づいてこのような形態として描いたに過ぎず、排泄物や排出物の具体的内容ごとに応じて袋状ビニールシートの外に漏れない程度の最適な大きさを適宜決定して選択することが好ましいことは言うまでもない。
【0169】
また、第1乃至第4の実施形態に係る排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート100,200,300,400の形態は、使用目的に適合した形状(長さ、幅)に適合した孔を適宜選択可能であることは言うまでもない。また、袋状ビニールシート100,200,300,400の内部に挿入するものについては、トイレットペーパーやティッシュペーパー、布切れなどに限定されず、排泄物や排出物を効率的に吸収すると共に着用中に着用者に身体的な違和感を極端に与えるものでなければ、その他どのようなものであっても構わない。
【0170】
最後に上述の各実施形態に共通する変形例として図面に基づいて説明する。図18は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例500を示す説明図であり、図18(a)及び(b)においてこの変形例の袋状ビニールシート500の下側のビニールシート502に多数の小さな貫通孔505が一定領域に亘ってマトリックス状に形成された状態を追加して示した図である。
【0171】
より詳細には、図18(a)は、第1の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例500を実線で示すと共に、この第1の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例500を取り付ける大便吸収用パッド10を外側の実線、この第1の実施形態に係る袋状ビニールシート変形例500の上側開口部510から内部に挿入して収容する小便吸収用パッド20を内側の実線で示している。
【0172】
なお、図18(a)において上下方向に描かれている2本の波状曲線511,512は、上側ビニールシート501の一部を説明の都合上省略するための切断線であり、袋状ビニールシート500のこれらの波線で挟まれた上側ビニールシート501の一部を省略して下側ビニールシート502に形成された多数の小さな貫通孔505を直接示すことにより、この変形例500の理解の容易化を図るために描いている。
【0173】
また、図18(b)は、図18(a)に示した構成を幅方向中央部において長手方向に亘って切断した断面図である。この図においても、第1の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例500の内部に収容された小便吸収用パッド20を実線で示すと共に、第1の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例500を大便吸収用パッド10の吸収面に重ねて貼り付けた状態を示している。
【0174】
即ち、図18(b)は、大便吸収用パッド10、小便吸収用パッド20、及び第1の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例500の全てについて実線で示すと共に、それぞれの断面部分をハッチングで示し、袋状ビニールシート500の上側開口部510をハッチングせずに示している。
【0175】
なお、図18(a)の多数の小さな貫通孔505の大きさと図18(b)の多数の小さな貫通孔505の大きさとは、発明の理解の容易化と説明の都合上互いにあえて実際とは異なる内径寸法としている。即ち、この多数の小さな貫通孔505の形成領域の広さと各貫通孔505の内径寸法は、あくまで一例を示したものに過ぎず、この変形例を利用する用途対象(大便吸収用パッドのサイズ、使用者の性別等)に応じて適宜変更可能である。
【0176】
図19は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600を示す説明図であり、図19(a)及び(b)においてこの袋状ビニールシートの変形例600の下側ビニールシート602に多数の小さな貫通孔605が一定領域に亘ってマトリックス状に形成された状態を追加して示した図面である。
【0177】
より詳細には、図19(a)は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600を実線で示すと共に、この第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600を取り付ける大便吸収用パッド10を外側の実線、この第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600の上側開口部610から内部に挿入して収容する小便吸収用パッド20を二点鎖線で示している。
【0178】
なお、図19(a)において上下方向に描かれている2本の波状曲線631,632は、袋状ビニールシート600のこれら波線に挟まれた上側ビニールシート601の一部を省略して下側ビニールシート602においてもマトリックス状に配置形成された多数の小さな貫通孔605を直接示すことにより、この変形例600の理解の容易化を図るものである。
【0179】
また、図19(b)は、図19(a)に示した構成を幅方向中央部において長手方向に亘って切断した断面図である。この図においても、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600の内部に収容された小便吸収用パッド20を二点鎖線で示すと共に、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600を大便吸収用パッド10の吸収面に重ねて貼り付けた状態を示している。
【0180】
即ち、図19(b)は、大便吸収用パッド10及び第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600の全てについて実線で示すと共に、それぞれの断面部分をハッチングで示し、小便吸収用パッド20を二点鎖線で示している。
【0181】
なお、図19(a)の多数の小さな貫通孔605の大きさと図19(b)の多数の小さな貫通孔605の大きさとは、発明の理解の容易化と説明の都合上互いにあえて実際とは異なる内径寸法としている。即ち、この多数の小さな貫通孔605の形成領域の広さと各貫通孔605の内径寸法は、あくまで一例を示したものに過ぎず、この変形例を利用する用途対象に応じて適宜変更可能である。
【0182】
図20は、図19に続いて第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600を示す説明図である。より詳細には、図20(a)は、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600を排泄物(排出物)吸収用パッド10の上面に重ねてずれないように固定した状態で第2の実施形態の袋状ビニールシートの変形例600の上側開口部610を形成した状態を示す平面図である。
【0183】
また、図20(b)は、図19(a)の状態を幅方向中央部において長手方向全体に亘って切断して示す断面図であり、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600の上側開口部610から内部に収容された小便吸収用パッド20と、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600を上面に重ねてずれないように固定した大便吸収用パッド10と共に示している。なお、図20(b)においては、袋状ビニールシートの変形例600の上側開口部610をハッチングせずに示している。
【0184】
図19及び図20から分かるように、図20において第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600に形成した上側開口部610から小便吸収用パッド20を内部に収容している。しかしながら、第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例600に上側開口部610を形成させて、この中に小便吸収用パッド20を収容したものを大便吸収用パッド10に貼り付けて互いに密着させる手順で図20に示す構成に至るようにしても良い。
【0185】
図21は、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートのそれぞれに共通する第1変形例700を示す説明図である。より詳細には、図21(a)は、第3及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートの第1変形例700を実線で示すと共に、この第3及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートの第1変形例700を取り付ける尿もれ吸収パッド30や生理用品(ナプキン)40を実線で示している。
【0186】
なお、図21(a)において上下方向に描かれている2本の波状曲線721,722は、袋状ビニールシートの第1変形例700のこれら波線に挟まれた上側ビニールシート701の一部を省略して下側ビニールシート702に形成された多数の小さな貫通孔705を直接示すことにより、この第1変形例700の理解の容易化を図るものである。また、図21(b)は、図21(a)に示した構成を幅方向中央部において長手方向に亘って切断した断面図である。この図においては、第3及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートの第1変形例700を尿もれ吸収パッド30や生理用品(ナプキン)40の吸収面に重ねて貼り付けた状態を示している。
【0187】
また、図21(b)は、この尿もれ吸収パッド30や生理用品(ナプキン)40については図面下側の実線の部分に相当し、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートの変形例700についても、実線で示すと共に断面部分をハッチングで示し、上側開口部710をハッチングせずに示している。
【0188】
なお、図21(a)の多数の小さな貫通孔705の大きさと図21(b)の多数の小さな貫通孔705の大きさとは、発明の理解の容易化と説明の都合上互いにあえて実際とは異なる内径寸法としている。即ち、この多数の小さな貫通孔705の形成領域の広さと各貫通孔の内径寸法は、あくまで一例を示したものに過ぎず、この変形例700を利用する用途対象(尿もれ吸収パッド30や生理用品(ナプキン)40)に応じて適宜変更可能である。
【0189】
図22は、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートのそれぞれに共通する第2変形例800を示す説明図である。より詳細には、図22(a)は、第3及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートの第2変形例800を実線で示すと共に、この第3及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートの第2変形例800を取り付ける尿もれ吸収パッド30や生理用品(ナプキン)40を実線で示している。
【0190】
また、図22(b)は、図22(a)に示した構成を幅方向中央部において長手方向に亘って切断した断面図である。この図においては、第3及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートの第2変形例800を尿もれ吸収パッド30や生理用品(ナプキン)40の吸収面に重ねて貼り付けた状態を示している。
【0191】
また、図22(b)は、この尿もれ吸収パッド30や生理用品(ナプキン)40についてはこの図の下側の実線部分に相当し、第3の実施形態に係る袋状ビニールシート及び第4の実施形態に係る袋状ビニールシートの第2変形例についても、実線で示すと共に断面部分をハッチングで示し、その上側開口部810をハッチングせずに示している。即ち、図22においては、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る袋状ビニールシートの第2変形例800と、この上側開口部810を既に形成した状態のみで示している。
【0192】
なお、図22(a)の多数の小さな貫通孔805の大きさと図22(b)の多数の小さな貫通孔805の大きさとは、発明の理解の容易化と説明の都合上互いにあえて実際とは異なる内径寸法としている。即ち、この多数の小さな貫通孔805の形成領域の広さと各貫通孔805の内径寸法は、あくまで一例を示したものに過ぎず、この変形例を利用する用途対象(尿もれ吸収パッド30や生理用品(ナプキン)40及びこれらのサイズの違い)に応じて適宜変更可能である。
【0193】
以上の通り、これらの共通する変形例700,800は、上述した排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの重ね合わされた部分のうち、上側開口部が形成されていない側のビニールシート(以下「下側ビニールシート702,802」とする)の一定領域に多数の小さな貫通孔705,805が形成されていることを特徴としている。
【0194】
そして、その多数の小さな貫通孔705,805の少なくとも一部又は全部は、袋状ビニールシート700,800の内部に排泄物(排出物)が溜まり始めた段階からこれら排泄物(排出物)の液状部分を下側ビニールシート全体面が重なっている排泄物(排出物)吸収用パッド30(40)に積極的に流し込んでこれら排泄物(排出物)の主に液状部分を排泄物(排出物)吸収用パッド30(40)によって徐々に吸収させていくようになっている。
【0195】
これによって、排泄物(排出物)の量が多い場合、袋状ビニールシート700,800の内部に溜まっていく排泄物(排出物)のうち排泄物(排出物)吸収用パッド30(40)で吸収できる液状部分についてはこれらのパッドで吸収可能な最大容積の範囲内で吸収すると共に、残りのある程度の大きさの塊状になってそれぞれの貫通孔705,805を通過できない部分や排泄物(排出物)吸収用パッド30(40)で吸収しきれなくなったいわゆるスラリー状の部分については排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート700,800に溜めたままとする。これによって排泄物(排出物)が排泄物(排出物)吸収用パッド30(40)の装着者の身体から漏れ出すことをより効果的に防止できるようになる。
【0196】
なお、上述の第1変形例及び第2変形例は、これらの貫通孔を有さない実施形態及びその各変形例が有する効果を合わせ持っていることは言うまでもない。
【0197】
また、上述の第1変形例及び第2変形例で開示した多数の貫通孔505,605,705,805の形成された領域は、この袋状ビニールシートを重ねる排泄物(排出物)吸収用パッドの重ね合わせ面に形成された排泄物(排出物)吸収領域内において、袋状ビニールシートの貫通孔形成領域の中央部分がその近傍に位置決めされた状態で重ね合わせ可能な両者の寸法配置関係を有しているとより優位な作用効果を発揮する。
【0198】
具体的には両者がこのような寸法配置関係で重なり合うことで、排泄物(排出物)の液状部分が多数の貫通孔から排泄物(排出物)吸収用パッド内に染み込んだ後にこの周囲の排泄物(排出物)吸収用パッド全体に均等に拡散吸収されるようになり、より多量の排泄物(排出物)を排泄物(排出物)吸収用パッドの外側に漏れ出すことなくこのパッド内の隅々に亘って最大限度吸収させることができる特有の効果を発揮することができる。
【0199】
この場合、各排泄物(排出物)吸収用パッドのそれぞれの種類や個体差に応じて吸収面の面積にばらつきが生じるが、これらを共通して上述のように袋状ビニールシートをパッとの吸収面に重ね合わせた場合、袋状ビニールシートの貫通孔形成領域の周囲が排泄物(排出物)吸収用パッドの吸収面に囲まれるように余裕を持って上記貫通孔形成領域の広さ(大きさ)を定めて袋状ビニールシートに形成するのがその作用効果を最大限発揮する上で良い。
【0200】
以上説明した本発明に係る排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、上述した実施形態及び各変形例で述べた顕著なる作用効果を有するものであるので、この点を強調するためにこの特有の作用効果について最後に説明する。
【0201】
本発明に係る排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、その構成上明らかに極めて廉価で作成することができ、大量の枚数を迅速に供給することが可能である。
【0202】
また、折り畳んで保管しておくことができるため、介護の現場などにおいて保管に嵩張ることがなく、特別な保管スペースを確保しておく必要が無い。これに加えて日常生活を送る上で使い捨て用オムツや尿もれ吸収パッド、生理用品(ナプキン)を数多く携帯して仕事や買い物、旅行、友人との約束のために外出したりすると荷物として嵩張ってしまうが、本発明に係る排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであれば折り畳んで複数枚携帯しても荷物として嵩張ることはない。また、重さも非常に軽いので多数枚の持ち運びに適している。
【0203】
これによって、本発明に係る排泄物(排出物)吸収用の機能向上用袋状ビニールシートを所持する人達に対してコストのかかる使い捨てオムツや大小便吸収用パッド、尿もれ吸収パッド、生理が重いときに生理用品(ナプキン)を頻繁に取り替えることをしなくて済み、経済的に節約できると共に特に大きさの嵩張る使い捨てオムツを頻繁に廃棄する必要がなくなる。
【0204】
また、上述の第1及び第2の実施形態並びにその各変形例においては排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの中に小便吸収用パッドを挿入して収容したが、これに限定されるものではない。具体的には、後述する災害や紛争が発生して物資がどうしても不足してしまう避難生活を送る場合に特に有効であるが、それ以外にも上述した日常生活において小便用吸収シートの不足の時やコスト削減を図る必要がある場合などにおいて、この袋状ビニールシート内に装填するものとして小便用吸収シートの代わりにペーパータオル、トイレットペーパー、ハンカチーフ、布切れ、手ぬぐいなどを詰め込んでも対応することも本発明においては十分に可能である。
【0205】
また、上述の第3及び第4の実施形態並びにその各変形例においても、袋状ビニールシートの中にティッシュペーパーやトイレットペーパー、布切れなどを詰め込んでおいて、排泄物や排出物がこれらのティッシュペーパーや布切れにかなり染み込んだ頃合いを見計らって定期的にこれらのティッシュペーパーやトイレットペーパー、布切れを廃棄して新しいティッシュペーパーやトイレットペーパー、布切れなどに取り替えることも極めて有用なやり方である。
【0206】
これにより、尿もれ吸収パッドに貼り付けた第3の実施形態の袋状ビニールシートや生理用品(ナプキン)に貼り付けた第4の実施形態の袋状ビニールシートをこれらの貼り付け対象物と共により長時間着用し続けることができるようになる。また、廃棄物の削減に貢献して環境上好ましいと言える。
【0207】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、上述したように保管や携帯に優れるため、様々な使用者にいろいろな観点から安心感を与えることができる。
【0208】
更には、何時発生するか予測のつかない大地震や火山の大噴火などの災害の際の避難生活や、世界情勢の悪化に伴う国家間の突発的な紛争の発生などの際に備えて、使い捨てオムツや大小便吸収用パッド、尿もれ吸収パッド、ナプキンなどの生理用品を大量に保管して頻繁に取り替えることは現実問題としては非常に困難である。
【0209】
そのため、極めてコストが安くかつ折り畳んで保管すれば殆ど嵩張らない本発明に係る排泄物(排出物)吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートを予め数多く準備しておけば、限られた数の使い捨てオムツや大小便吸収用パッド、尿もれ吸収パッド、ナプキンなどの生理用品をそれぞれできるだけ長く使用することができる。これにより、避難者が避難生活を送るにあたって最も重要な生活関連用品の1つとして挙げられるこれら使い捨てオムツや大小便吸収用パッド、尿もれ吸収パッド、ナプキンなどの生理用品を少ない備蓄であっても最大限長期間に亘って多くの人に使ってもらうことができる特有のメリットを有している。
【0210】
一例として使い捨てオムツや大小便吸収用の排泄物吸収用パッド、尿もれ吸収パッド、生理用品(ナプキン)などを上述のような突発的に発生する大災害や国家レベルの紛争に備えて例えば百個単位で常備保管しておくと、大きな段ボール箱をいくつか常備保管する必要が生じ、家庭内での常備保管にはとても無理がある。同様に上述のような大災害や国家間レベルの紛争に備えて、公民館やホールなどの行政の大規模な非常時の避難施設に常時数千個単位で保管しておくとすると、それだけで少なくとも段ボール箱数十個から多くなると数百個単位で常備保管が必要となってしまう。
【0211】
一方、本発明に係る袋状ビニールシートであれば、ビニールシートを重ねた保管しておくだけなので、上述した家庭への常備保管においてもせいぜいハンドタオルを重ねて数枚分程度の保管容積で済む。また、避難民を長期受け入れるための行政の大きな避難施設で常時保管する場合であっても、多数の避難民の人数に鑑みてかなり多めに保管しておいてもせいぜい段ボール数個程度の保管容積で済み、かつこの狭い保管スペースでの常時保管により、上述した大災害や国家レベルの紛争の発生等、上下水道などのインフラ設備は完全に機能停止したり避難生活に必要な生活必需品を供給するための物流システムが完全に機能不全に陥ったりしても際においても、本発明の優れた作用を発揮することで多くの避難民の劣悪な避難生活を格段に改善することができる。
【0212】
なお、開口部210,320,420,610,810の形成の仕方に関して、それぞれの上述の説明とは異なり、切り込み部(211~215,321~325,421~425,621~625,821~825)を介して展開した上側ビニールシートの各領域を上述の各実施形態及びその実施例や変形例のように上側ビニールシートの更に外側に折り返す代わりに、これとは逆方向、即ち袋状ビニールシートの内部側に折り返すようにしても良い。
【0213】
また、上述の切り込み部で展開した上側ビニールシートの切り込み部のうち、図中水平方向に延在する第1の切り込み部第1の切り込み部211,321,421,621,821の両端にそれぞれ備わり組み合わせてV字形をそれぞれなす第2の切り込み部212,213,322,323,422,423,622,623,822,823及び第3の切り込み部14,215,324,325,424,425,624,625,824,825をその先端まで上側ビニールシートの上側面(表側面)又は上述した上側ビニールシートの下側面(裏側面であって上述の袋状ビニールシートの内側(内部側)の全領域に亘って折り返さずに各先端部から適当な長さまでの位置と、これに対応する第1の切り込み部の各端部211a,211b,321a,321b,421a,421b,621a,621b,821a,821bとの間だけ折り返すようにしても良い。
【0214】
これによって、幅折り返した領域の面積(大きさ)をその折り返し位置で適宜調整できる。その結果、袋状ビニールシートの開口部自体の大きさも必要に応じて小さくしたり、中くらいにしたり調整できる。
【0215】
このようにして、本発明の上記V字状をなす各切り込み部の吸収対象ごとの適用物に応じて、若しくは着用者の性別や体格、実際の排泄部位や排出部位に合わせて、本発明の作用効果を発揮するための必要かつ十分な大きさの開口部を形成するように、その場その場に応じて形成される開口部の大小関係を逐次調整できる。
【0216】
この際、切り込み部の切り込み先がミシン目でできていれば、それぞれの場合に応じてミシン目を所望の位置まで連続的に切断して、最も好ましい完全なる切断部をその都度の場合ごとに作成することができる。これによって、最も好ましい大きさの切断部をその都度の場合ごとに作成できる。このようにして、最も好ましい大きさの開口部を上記ビニールシートのその後の折り返しによって簡単に形成することができる。
【0217】
なお、以上の折り返し部を袋状ビニールシート内側に入り込むように折り返しても、上述した上側ビニールシートの折り返し部をその上側にその更に上側に折り返した場合と同様に、折り返し部は、上側ビニールシート自体の有する弾力性によりかなり丸みを帯びながら折り返されている。
【0218】
これによって、着用者がこれを着用する際にこの部分この丸みを帯びた折り返し部分を皮膚に押し付けた時に、この丸まって弾力性を有する部分が着用者の皮膚にしっかりと密着するようになる。その結果、上側ビニールシートを表側に折り返した場合の説明と同様に、排泄物や排出物の袋状ビニールシートの外部への漏れ出しを効果的に防止することが可能となる。
【0219】
このように本発明を使用する条件に応じて、開口部の大きさを大きくしたり小さくしたり、中くらいにしたり、開口部の形成の場所をずらしたりすることで、本発明のメリットを享受する個人の好みに合わせて使用状態を最適な最適化することが可能となる極めて優れた優位点を本発明は有している。
【0220】
また、上述の実施形態及びその実施例並びに変形例で紹介した各折り返し部(216~219,326~329,426~429,626~629,826~829)に関しては、図面に基づく説明においてはこの各折り返し部を上側ビニールシートの更に上側に折り返すことで開口部を形成する形態を有している一方、これとは異なる形態の文章に基づく説明においてはこの各折り返し部を袋状ビニールシートの内部に折り返し込んで開口部を形成する形態を有するように説明した。
【0221】
この際において、例えば各折り返し部のそれぞれの大きさ(折り返し面積)がもしも必要以上に大きければ、ハサミなどの切断具を用いて最適な大きさまで切断してから、排泄物吸収用パッドや排出物吸収用パッドの吸収面に重ね合わせるようにしても良い。このような方式をとることによって、特に折り返し部を袋状ビニールシートの内部に入れ込んで開口部を形成する際に、何れか又は全ての折り返し部が大きすぎて(面積が広すぎて)袋状ビニールシートの内部に入り込むのに手間取ってしまったり、袋状ビニールシートの内部に折り返し部が引っかかって本来の殆ど厚みのないぴったりとした袋状ビニールシートにならずに余分に膨出した袋状ビニールシートの形態となってしまったりするのを防止することができる。
【0222】
また、あえて上述の切断線を利用せずにハサミなどの切断具を用いて最適な位置と長さで切断してこれを折り返して開口部を形成すると共に、必要に応じて各折り返し部分の余分な部分をはさみ等の切断を用いて除去した後に排泄物吸収用パッドや排出物吸収用パッドの吸収面に重ね合わせるようにしても良い。
【0223】
なお、上述の各実施形態及びその実施例並びに変形例に係る袋状ビニールシートは、上述した排出物吸収用パッドや排泄物吸収用パッドや排出物吸収用パッドとの吸収面に重ね合わせて使用者が着用するやり方で説明したが、必ずしもこのような使用方法に限定されず、例外的かつ限定的な使用方法によってもその作用効果を十分に発揮することができる。
【0224】
具体的には、例えば床運動の演技や体操競技などを行う女性のアスリートがその練習中や実際の試合の際において尿もれに悩まされてしまう対策としても有効である。つまり、上述の女性のアスリートが練習中や実際の大会中に精神的緊張や肉体の各筋肉の力の入れ方によって思わぬ尿漏れが生じてしまう場合がある。これは上述したように、女性の尿道の長さが男性の尿道の長さに比べてかなり短いという生理学的な構造上の問題に起因するものであり、たとえ年齢が若い女性アスリートであっても、このようななかなか人に言えない悩みを抱えている年齢の比較的若い女性アスリートが潜在的に多くいると聞く。
【0225】
このような女性アスリートにとっては、上述のような悩みから日々の練習や本番の試合において万が一尿漏れが生じて着用するアスリート用の衣服にシミができたりすることを気にし続けることで精神的に集中できず、本来持っているパフォーマンスを発揮できなくなってしまう。
【0226】
しかしながら、床運動や体操競技などの激しい運動を伴う練習中に一般的に市販されているかなり嵩張る尿もれ防止用パッドを使用しながら練習や実際の大会に臨むのは、いつものペース精神的なペースや肉体的な身体の動きのペースを崩してしまい、本来のパフォーマンスを発揮することができず避けるべきである。
【0227】
そこで、このような尿もれ防止用パッドを着用せずに、日々の練習や本番の大会の際に本発明に係る袋状ビニールシートをちょうどその排泄部位と競技用ウェアとの間に挟み込んでおくことで、万が一尿漏れが生じてもそのような尿漏れの跡が競技用ウェアに染み出すことはなく、精神的にも不安感を抱えることなくいつもの余裕を持った気持ちで以上の練習を続けたり実際の大会に臨んだりすることができる。
【0228】
その上、排泄部位と競技用ウェアとの間に挟み込むものが袋状の極めて薄い厚さの袋状のビニールシート1枚であるので、練習中や大会の演技中に身体の動きに邪魔になって悪影響を及ぼすことが全くないといえる。また、袋状ビニールシート1枚の単価が非常に廉価であるので、それなりの枚数を確保しておき、日々続く毎回の練習やその後の大会に応じて1枚ずつ使用してし続けてもコスト的にそれほど負担になることはなく、そのような面でも本発明に係る袋状ビニールシート自体が極めて優れた優位点を有していると言える。
【符号の説明】
【0229】
10 排泄物吸収用パッド(大便吸収用パッド)
20 小便吸収用パッド
30 尿もれ吸収パッド
40 生理用品(ナプキン)、排出物吸収用パッド
50,60 使い捨てオムツ(オムツ本体)
100 (機能向上用)袋状ビニールシート
101 上側ビニールシート
102 下側ビニールシート
110 上側開口部
200 (機能向上用)袋状ビニールシート
201 上側ビニールシート
202 下側ビニールシート
210 上側開口部
211~215 切り込み部(切断線)
211a 一側端部
211b 他側端部
216~219 折り返し部
300 (機能向上用)袋状ビニールシート
300-1 第1実施例(袋状ビニールシート)
300-2 第2実施例(袋状ビニールシート)
301 上側ビニールシート
310 上側開口部
311~315 切り込み部(切断線)
326~329 折り返し部
400 (機能向上用)袋状ビニールシート
400-1 第1実施例
400-2 第2実施例
401-2 上側ビニールシート
410-1 上側開口部
410-2 上側開口部
411~415 切り込み部(切断線)
420 上側開口部
426~429 折り返し部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2024-09-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オムツ本体とこのオムツ本体の内側に装着する排泄物吸収用パッドを有した排泄物吸収処理用のオムツで使用者が着用することで排泄物を前記排泄物吸収用パッドで吸収した後に当該排泄物吸収用パッドを廃棄して新たな排泄物吸収用パッドを前記オムツ本体に付け替えて再使用する排泄物吸収処理用のオムツに用いる排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排泄物吸収用パッドの排泄物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記オムツを前記使用者が着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排泄物吸収用パッドの前記使用者の排泄部位と密着する面側であって当該排泄部位をその周囲も含めて囲う上側開口部が当該袋状をなす袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記オムツの使用者が排泄物を排泄した際に当該排泄物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記袋状ビニールシート内に入り込んで当該排泄物の一部がオムツ本体に漏れ出すのを防止する排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっており、
前記上側開口部は、前記機能向上用袋状ビニールシートの長手方向に合致する長手方向を有し、かつ平面視で周縁部が長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなし、前記上側開口部の形成されたビニールシートの一部が、当該上側開口部の幅方向両側においてこの上側開口部の長手方向に合わせて延在し、
前記袋状ビニールシートの上側開口部の大きさは、当該上側開口部を介して小便吸収用パッドを出し入れ可能な大きさとなっていることを特徴とする排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【請求項2】
前記排泄物吸収用パッドは大便吸収用パッドからなり、前記排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、その前記上側開口部から小便吸収用パッドを更に出し入れ可能な大きさを備えると共に、前記小便吸収用パッドを前記排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの中に介在させかつ前記オムツを使用者が着用した状態で前記排泄物としての小便を吸収可能な状態を維持するように当該排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートの中に収容可能なことを特徴とする請求項1に記載の排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【請求項3】
前記機能向上用袋状ビニールシートの大きさが、乳幼児用のオムツ本体やこのオムツ本体と共に使用される排泄物吸収用パットに利用可能な大きさとなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【請求項4】
女性用尿れ吸収パッドとしての排泄物吸収用パッドに用いることが可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排泄物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記排泄物吸収用パッドを着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排泄物吸収用パッドの使用者の排出部位と密着する面側であって当該排出部位とその近傍を囲う上側開口部が当該機能向上用袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記排泄物吸収用パッドに排出物が排出された際に当該排出物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記機能向上用袋状ビニールシート内に入り込んで当該排出物の一部が排泄物吸収用パッドの外側に漏れ出すのを防止する排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっており、
前記上側開口部は、前記機能向上用袋状ビニールシートの長手方向に合致する長手方向を有し、かつ平面視で周縁部が長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなし、前記上側開口部の形成されたビニールシートの一部が、当該上側開口部の幅方向両側においてこの上側開口部の長手方向に合わせて延在していることを特徴とする排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【請求項5】
女性が使用する生理用ナプキンとしての排出物吸収用パッドに用いることが可能な排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排出物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記排出物吸収用パッドを使用者が着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排出物吸収用パッドの前記使用者の排出部位と密着する面側であって当該排出部位とその近傍を囲う上側開口部が当該機能向上用袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記排出物吸収用パッドに排出物が排出された際に当該排出物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記機能向上用袋状ビニールシート内に入り込んで当該排出物の一部が排出物吸収用パッドの外側に漏れ出すのを防止する排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっており、
前記上側開口部は、前記機能向上用袋状ビニールシートの長手方向に合致する長手方向を有し、かつ平面視で周縁部が長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなし、前記上側開口部の形成されたビニールシートの一部が、当該上側開口部の幅方向両側においてこの上側開口部の長手方向に合わせて延在していることを特徴とする排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、
オムツ本体とこのオムツ本体の内側に装着する排泄物吸収用パッドを有した排泄物吸収処理用のオムツで使用者が着用することで排泄物を前記排泄物吸収用パッドで吸収した後に当該排泄物吸収用パッドを廃棄して新たな排泄物吸収用パッドを前記オムツ本体に付け替えて再使用する排泄物吸収処理用のオムツに用いる排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排泄物吸収用パッドの排泄物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記オムツを前記使用者が着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排泄物吸収用パッドの前記使用者の排泄部位と密着する面側であって当該排泄部位をその周囲も含めて囲う上側開口部が当該袋状をなす袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記オムツの使用者が排泄物を排泄した際に当該排泄物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記袋状ビニールシート内に入り込んで当該排泄物の一部がオムツ本体に漏れ出すのを防止する排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっており、
前記上側開口部は、前記機能向上用袋状ビニールシートの長手方向に合致する長手方向を有し、かつ平面視で周縁部が長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなし、前記上側開口部の形成されたビニールシートの一部が、当該上側開口部の幅方向両側においてこの上側開口部の長手方向に合わせて延在し、
前記袋状ビニールシートの上側開口部の大きさは、当該上側開口部を介して小便吸収用パッドを出し入れ可能な大きさとなっていることを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
また、請求項4に係る排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、
女性用尿れ吸収パッドとしての排泄物吸収用パッドに用いることが可能な排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排泄物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記排泄物吸収用パッドを着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排泄物吸収用パッドの使用者の排出部位と密着する面側であって当該排出部位とその近傍を囲う上側開口部が当該機能向上用袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記排泄物吸収用パッドに排出物が排出された際に当該排出物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記機能向上用袋状ビニールシート内に入り込んで当該排出物の一部が排泄物吸収用パッドの外側に漏れ出すのを防止する排泄物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっており、
前記上側開口部は、前記機能向上用袋状ビニールシートの長手方向に合致する長手方向を有し、かつ平面視で周縁部が長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなし、前記上側開口部の形成されたビニールシートの一部が、当該上側開口部の幅方向両側においてこの上側開口部の長手方向に合わせて延在していることを特徴としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
また、請求項5に係る排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートは、
女性が使用する生理用ナプキンとしての排出物吸収用パッドに用いることが可能な排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであって、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、前記排出物吸収用パッドの排出物吸収面に合わせた大きさを有する2枚のビニールシートを重ね合わせて袋状としたシート形状を有し、
前記機能向上用袋状ビニールシートは、全体に亘って前記2枚のビニールシートを重ね合わせただけの厚みからなり、かつ
前記排出物吸収用パッドを使用者が着用する状態で見て前記機能向上用袋状ビニールシートを前記排出物吸収用パッドの前記使用者の排出部位と密着する面側であって当該排出部位とその近傍を囲う上側開口部が当該機能向上用袋状ビニールシートの上側部分に形成され、
前記排出物吸収用パッドに排出物が排出された際に当該排出物の少なくともかなりの部分が前記上側開口部から前記機能向上用袋状ビニールシート内に入り込んで当該排出物の一部が排出物吸収用パッドの外側に漏れ出すのを防止する排出物吸収用パッドの機能向上用袋状ビニールシートであり、
前記機能向上用袋状ビニールシートを装着した状態で装着者の装着部分の皮膚に当該機能向上用袋状ビニールシート全体が密着するようになっており、
前記上側開口部は、前記機能向上用袋状ビニールシートの長手方向に合致する長手方向を有し、かつ平面視で周縁部が長方形の長手方向両側が半円状になった長円形状又は細長楕円形状をなし、前記上側開口部の形成されたビニールシートの一部が、当該上側開口部の幅方向両側においてこの上側開口部の長手方向に合わせて延在していることを特徴としている。