(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174848
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ヒンジを有する医療用プローブエンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/287 20210101AFI20241210BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20241210BHJP
A61B 5/367 20210101ALI20241210BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20241210BHJP
【FI】
A61B5/287 200
A61B18/14
A61B5/367
A61B5/33 100
A61B5/287 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024090527
(22)【出願日】2024-06-04
(31)【優先権主張番号】63/506,275
(32)【優先日】2023-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/656,377
(32)【優先日】2024-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ジェームズ・アグニュー・ブイ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・ディ・セイラー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エメリウス・バン・ニーキルク
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ロドリゲス
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127DD05
4C127HH13
4C127KK03
4C127KK05
4C127LL08
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK17
4C160KK36
4C160KK38
4C160KK39
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】本開示の技術は、管状シャフト及びエンドエフェクタを含む医療用プローブを含む。管状シャフトは、長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有することができる。エンドエフェクタは、管状シャフト端に結合され得る。エンドエフェクタタは、クラウンを含むことができる。エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延びる少なくとも1つのスパインを含むことができる。少なくとも1つのスパインは、長手方向軸に対して展開位置及び送達位置を含むことができる。少なくとも1つのスパインは、第1の材料を含むことができる。エンドエフェクタは、少なくとも1つのスパインをクラウンに結合する少なくとも1つのヒンジを含むことができる。少なくとも1つのヒンジは、第1の材料とは異なる第2の材料を含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブのエンドエフェクタのジョイントであって、前記エンドエフェクタが、
クラウンと、
長手方向軸に沿って延び、前記長手方向軸に対する展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む、少なくとも1つのスパインと、
前記少なくとも1つのスパインを前記クラウンに結合する少なくとも1つのヒンジであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのヒンジと、を含む、エンドエフェクタのジョイント。
【請求項2】
前記少なくとも1つのスパインは、前記少なくとも1つのスパインが前記長手方向軸に実質的に平行である前記送達位置から、前記少なくとも1つのスパインが前記長手方向軸から外向きに曲がる前記展開位置まで拡張可能であり、前記少なくとも1つのヒンジが、前記少なくとも1つのスパインの前記送達位置と前記展開位置との間の拡張に応答して曲がる、請求項1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項3】
前記少なくとも1つのスパインが、スパイン遠位端を備え、前記クラウンが、少なくとも1つのクラウンスパイン部分を備え、前記少なくとも1つのヒンジが、前記スパイン遠位端を前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分に結合し、前記クラウンスパイン部分及び前記スパイン遠位端が、ヒンジ間隙によって分離され、前記ヒンジ間隙が、少なくとも前記ヒンジによって覆われている、請求項1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項4】
前記クラウンが、中心ハブを備え、前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分が、前記ハブから離れるように突出する少なくとも1つの突起を画定し、前記少なくとも1つの突起が、前記スパイン遠位端の幅にほぼ等しい前記少なくとも1つの突起の近位端における幅を備える、請求項3に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項5】
前記クラウンが、中心ハブを備え、前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分が、前記ハブから離れて突出する少なくとも1つの突起を画定し、前記少なくとも1つの突起が、前記中心ハブとほぼ同一平面上にある、請求項3に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項6】
前記少なくとも1つのヒンジを少なくとも部分的に通って延びる少なくとも1つの結合部材を更に備え、前記クラウンが、少なくとも1つの開口部を画定し、前記少なくとも1つの結合部材が、前記少なくとも1つの結合部材を前記クラウンに結合するために前記少なくとも1つの開口部を通って延び、前記少なくとも1つのスパインが、前記少なくとも1つの結合部材の端が結合される少なくとも1つのアンカーポイントを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項7】
前記少なくとも1つのヒンジを少なくとも部分的に通って延びる少なくとも1つの結合部材を更に備え、前記少なくとも1つの結合部材が、ポリエステル糸及び/又は柔軟に相互接続された複数のリンクを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項8】
前記少なくとも1つのヒンジが、収縮性管を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項9】
前記第1の材料及び/又は前記クラウンがニチノールを含む、請求項1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスパインが、それに結合された少なくとも1つの電極を有し、それにより、前記少なくとも1つの電極が、電気生理学的に組織をマッピングするか、前記組織をアブレーションするか、又は前記組織のマッピング及びアブレーションの両方を行うように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【請求項11】
医療用プローブであって、
長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有する管状シャフトと、
前記管状シャフト端に結合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
クラウンと、
前記長手方向軸に沿って延び、前記長手方向軸に対する展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む、少なくとも1つのスパインと、
前記少なくとも1つのスパインを前記クラウンに結合する少なくとも1つのヒンジであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのヒンジと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、医療用プローブ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのスパインは、前記少なくとも1つのスパインが前記長手方向軸に実質的に平行である前記送達位置から、前記少なくとも1つのスパインが前記長手方向軸から外向きに曲がる前記展開位置まで拡張可能であり、前記少なくとも1つのヒンジが、前記少なくとも1つのスパインの前記送達位置と前記展開位置との間の拡張に応答して曲がる、請求項11に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記少なくとも1つのスパインがスパイン遠位端を備え、前記クラウンが少なくとも1つのクラウンスパイン部分を備え、前記少なくとも1つのヒンジが前記スパイン遠位端を前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分に結合し、前記クラウンスパイン部分と前記スパイン遠位端とがヒンジ間隙によって分離され、前記ヒンジ間隙が少なくとも前記ヒンジによって覆われている、請求項11に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
前記クラウンが、中心ハブを備え、前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分が、前記ハブから離れるように突出する少なくとも1つの突起を画定し、前記少なくとも1つの突起が、前記中心ハブとほぼ同一平面上にある、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
前記少なくとも1つのヒンジを少なくとも部分的に通って延びる少なくとも1つの結合部材を更に備え、前記クラウンが少なくとも1つの開口部を画定し、前記少なくとも1つの結合部材が柔軟であり、前記少なくとも1つの結合部材を前記クラウンに結合するために前記少なくとも1つの開口部を通って延び、前記少なくとも1つのスパインが、前記少なくとも1つの結合部材の端が結合される少なくとも1つのアンカーポイントを備える、請求項11に記載の医療用プローブ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのスパインが、それに結合された少なくとも1つの電極を有し、それにより、前記少なくとも1つの電極が、電気生理学的に組織をマッピングするか、前記組織をアブレーションするか、又は前記組織のマッピング及びアブレーションの両方を行うように構成されている、請求項11に記載の医療用プローブ。
【請求項17】
前記少なくとも1つのスパインの近位に配置された中心プラグを更に備える、請求項11に記載の医療用プローブ。
【請求項18】
医療用プローブであって、
長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有する管状シャフトと、
エンドエフェクタであって、
前記長手方向軸に沿って延び、前記長手方向軸に対する展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む、少なくとも1つのスパインと、
前記少なくとも1つのスパインを前記管状シャフト端に結合する少なくとも1つのヒンジであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのヒンジと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、医療用プローブ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのスパインが、それに結合された少なくとも1つの電極を有する、請求項18に記載の医療用プローブ。
【請求項20】
前記少なくとも1つのヒンジを通って延びる配線を備える、請求項18に記載の医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年6月5日に出願された先の米国仮特許出願第63/506,275号(代理人整理番号:BIO6844USPSP1-253757.000370)に対する優先権の利益を主張しており、その全文が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して医療装置に関し、特に、折り畳まれた構成と拡張された構成との間で移行するように構成されたバスケットカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動(AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝導するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導経路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。医療用プローブは、高周波(RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱し得る。いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆的エレクトロポレーション(IRE)を使用する。
【0004】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が配置された多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。更に、複数の線形スパインは、概して、線形スパインの両端を管状シャフト(例えば、プッシャ管)に取り付けて球形バスケットを形成することによって、一緒に組み立てられる。いくつかのバスケットカテーテルは、多くの空間を占有し、挿入カテーテルを通して挿入することが困難であり得る。更に、バスケット及び/又は金属疲労の構成に起因して、スパインは、シースを通して挿入又は後退されるとき、あるいはある期間にわたって操作されるときに破損する可能性がある。したがって、当技術分野では、スパインが破損する可能性を低減するのに役立つバスケットカテーテルの代替設計が必要とされている。これら及び他の問題は、本明細書に開示された技術によって対処することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術は、医療用プローブのエンドエフェクタのジョイントを含む。エンドエフェクタは、クラウン、少なくとも1つのスパイン、及び少なくとも1つのヒンジを備えることができる。少なくとも1つのスパインは、長手方向軸に沿って延び、長手方向軸に対して展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含むことができる。少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つのスパインをクラウンに結合することができ、第1の材料とは異なる第2の材料を含むことができる。
【0006】
本開示の技術は、医療用プローブを含む。医療用プローブは、管状シャフト及びエンドエフェクタを備えることができる。管状シャフトは、長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有することができる。エンドエフェクタは、管状シャフト端に結合され得る。エンドエフェクタは、クラウン、少なくとも1つのスパイン、及び少なくとも1つのヒンジを備えることができる。少なくとも1つのスパインは、長手方向軸に沿って延び、長手方向軸に対して展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含むことができる。少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つのスパインをクラウンに結合することができ、第1の材料とは異なる第2の材料を含むことができる。
【0007】
本開示の技術は、医療用プローブを含む。医療用プローブは、管状シャフト及びエンドエフェクタを備えることができる。管状シャフトは、長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有することができる。エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って延びる少なくとも1つのスパインを備え、長手方向軸に対して展開位置及び送達位置を備え、第1の材料を備えることができる。少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つのスパインを管状シャフト端に結合することができ、第1の材料とは異なる第2の材料を含むことができる。
【0008】
本開示の技術は、エンドエフェクタのジョイントを構築する方法を含むことができる。本方法は、管をスパインの一部又はクラウンの一部の上に配置することを含むことができる。本方法は、間隙を画定するように、クラウン及びスパインを互いに近位に配置することを含むことができる。本方法は、間隙を覆って管を配置することを含むことができる。本方法は、管を加熱することを含むことができる。方法は、加熱に応じて、管を収縮させて、スパインのスパイン遠位端及びクラウンのクラウン端部を覆うことを含むことができる。
【0009】
本開示の技術は、エンドエフェクタのジョイントを構築する方法を含むことができる。本方法は、ポリマー材料をクラウンの実質的に全体にわたって配置することを含むことができる。本方法は、スパインとクラウンとの間に間隙を画定するように、スパインの遠位端をポリマー材料の一部分内にかつクラウンの近位に配置することを含むことができる。本方法は、ポリマー材料を加熱することを含むことができる。本方法は、加熱に応じて、ポリマー材料を収縮させて、スパイン遠位端及び実質的に全てのクラウンを覆うことを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の技術の一実施形態による、医療用プローブを含む医療用システムの概略描画例解図であり、医療用プローブの遠位端は電極が一緒に結合されたバスケットアセンブリを有している。
【
図2】本開示の技術による、展開位置の拡張可能バスケットアセンブリの斜視図である。
【
図3A】本開示の技術による、送達位置にあるスパインの詳細図である。
【
図3B】本開示の技術による、展開位置にあるスパインの詳細図である。
【
図4A】本開示の技術による、送達位置にあるスパインの詳細側面図である。
【
図4B】本開示の技術による、展開位置にあるスパインの詳細図である。
【
図5】本開示の技術による、スパインとクラウン部分とを相互接続する例示的ヒンジの詳細側面図である。
【
図6】本開示の技術による、例示的ヒンジ及び例示的結合部材を伴う拡張可能バスケットアセンブリの一部の斜視図である。
【
図7】本開示の技術による、例示的ヒンジ及び別の例示的結合部材を伴う拡張可能バスケットアセンブリの一部の斜視図である。
【
図8】本開示の技術による、別の例示的ヒンジを伴う拡張可能バスケットアセンブリの一部の斜視図である。
【
図9】本開示の技術による、スパインとクラウン部分とを相互接続する、
図8の例示的ヒンジの詳細側面図である。
【
図10】本開示の技術による別の例示的なヒンジの詳細側面図である。
【
図11】本開示の技術による、別の例示的ヒンジの詳細側面である。
【
図12A】本開示の技術による、第1の位置にあるプラグ及び力センサを含む拡張可能バスケットアセンブリの側面概略図である。
【
図12B】本開示の技術による、第2の位置にあるプラグ及び力センサを含む拡張可能バスケットアセンブリの側面概略図である。
【
図12C】本開示の技術による、第3の位置にあるプラグ及び力センサを含む拡張可能バスケットアセンブリの側面概略図である。
【
図13】本開示の技術による、拡張可能バスケットアセンブリのジョイントを構築する方法のフローチャートである。
【
図14】本開示の技術による、拡張可能バスケットアセンブリのジョイントを構築する別の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には、同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を描示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく、例として、本発明の原理を例解する。この説明は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物、及び使用を説明する。
【0012】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に説明される意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0013】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「対象」という用語は、任意のヒト対象又は動物対象を指し、本システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むが、これらに限定されない、様々な任意の適用可能なタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、オペレータ又は医師により近い方の位置を示す一方、「遠位」は、オペレータ又は医師からより遠い位置を示す。
【0014】
本明細書で考察されるように、「医師」又は「オペレータ」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は対象への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達と関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0015】
本明細書で考察されるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示の装置及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(PEF)及びパルス場アブレーション(PFA)と互換的に称される、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成されている、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示の装置及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むが、これらに限定されない、特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、装置、及びシステムを含む。
【0016】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に配置された2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を含む1つの電極が治療部位に配置され、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を含む第2の電極が、治療部位から遠隔に配置される。
【0017】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称する)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称する)を含む電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを含む電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(DC)の患者への印加を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に説明されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分において本質的に一定の電圧振幅を含む正方形を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0018】
本明細書で考察されるように、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造は、概して、実質的に直円柱構造として図示され得るが、管状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外側表面を有してもよい。
【0019】
本開示の例示的なシステム、方法、及び装置は、心不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションに特に適し得る。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションすべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができる電極によって心臓組織に供給される。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化することができる。
【0020】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0021】
本開示で考察されるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療エリアにおいて熱を生成し、治療エリア内の全ての細胞を無差別に加熱する。したがって、IREは、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで既知である起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスを利用することができる。
【0022】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的(一時的)又は不可逆的(永久的)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を印加することによって誘発することができる。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、恒常性の喪失に起因して死滅し、典型的には、プログラムされた細胞死又はアポトーシスによって死滅し、これは、他のアブレーションモダリティと比較して、より少ない瘢痕組織を残すと考えられている。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はほぼ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0023】
次に、上で考察されるようなIREが可能な医療用プローブの製造及び構築について考察する。本開示の解決策は、バスケットアセンブリを構築するためのシステム及び方法を含む。複数のスパインストラットをヒンジで遠位先端のクラウンに結合することによって、バスケットアセンブリは、展開位置と送達位置との間で移行するように構成され得る。更に、ヒンジは、送達位置にあるときにバスケットアセンブリがよりコンパクトな形状を形成することを可能にする。更に、ヒンジは、スパインに存在し得る応力集中を低減し、それによって、スパインが屈曲されたときに破損し得る可能性を低減する。
【0024】
例示的なカテーテルベースの電気生理学的マッピング及びアブレーションシステム10を示す
図1を参照する。システム10は、患者23の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数の医療用プローブ(カテーテル)を含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の位置の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数の医療用プローブを送達シースカテーテルに挿入して、所望の位置に到達させることができる。複数の医療用プローブは、心内電位図(IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含み得る。IEGMを感知するように構成された例示的な医療用プローブ14が本明細書に例解されている。医師24は、心臓12の標的部位を感知するために、医療用プローブ14の遠位先端部28を心臓壁と接触させる。アブレーションのために、医師24は、同様に、アブレーションカテーテルの遠位端をアブレーションのための標的部位に運ぶ。
【0025】
医療用プローブ14は、遠位先端28において複数のスパイン101(周囲に絶縁ジャケット102が設けられている)上に任意選択で分散された1つ、好ましくは複数の電極103(
図2)を含み、IEGM信号を感知するように構成された例示的なカテーテルであり得る。医療用プローブ14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するために、遠位先端部28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択的にかつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0026】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む位置パッド25とともに動作し得る。医療用プローブ14の遠位先端部28のリアルタイム位置は、位置パッド25によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって感知される磁場に基づいて追跡され得る。磁気ベースの位置感知技術の詳細は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載される。
【0027】
システム10は、位置パッド25の位置基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に方向付けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、それにより、各電極の位置を、電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの位置追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されている。
【0028】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)と、を表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含み得、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続され得る。
【0029】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端部にある1つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含み得る。アブレーションエネルギー生成器50によって生成されるエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような、単極性若しくは双極性の高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0030】
患者インターフェースユニット(PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、位置パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー生成器50、及びレコーダ11を含んでもよい。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの位置のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を追加的に含む。
【0031】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択で、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイ装置27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又はその他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的表示又は画像でディスプレイ装置27上に表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイムの位置及び配向を表示することと、(4)アブレーションエネルギーが印加された箇所などの関心部位をディスプレイ装置27上に表示することと、を含む複数の機能を提供してもよい。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.,31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618,USAから市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0032】
図2は、本開示の技術による遠位先端28の斜視図である。遠位先端28は、拡張可能バスケットアセンブリ100(本明細書では「エンドエフェクタ」及び「バスケットアセンブリ」とも称される)として構成されてもよい。バスケットアセンブリ100は、長手方向軸60を画定する管状シャフト36に接続することができる。
図2に示されるように、バスケットアセンブリ100は、送達位置(すなわち、折り畳まれた位置)において長手方向軸60に沿って延び(すなわち、長手方向軸60に実質的に平行であり)、展開位置(すなわち、ほぼ球形又はほぼ扁球形の形状を形成する拡張位置)において長手方向軸60から半径方向外向きに弓状に曲がる複数のスパイン101を含むことができる。
【0033】
スパイン101は、その上の特定の部分に設けられた絶縁ジャケット102を有することができる。スパイン101は第1の材料を含むことができる。いくつかの例では、第1の材料は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、又はポリマー材料などの別の弾性生体適合性材料を含むことができる。
【0034】
スパイン101は、その上に配置された複数の電極103を更に含むことができ、複数の電極103は、電気生理学的信号のマッピング及び/又は組織のアブレーションのために構成され得る。電極103は、電気生理学的信号を感知するのに適した電極、アブレーション、位置感知、基準電極などを含むがこれらに限定されないように構成された任意のタイプの電極とすることができる。電極103は、リング型電極、膨出型電極、長方形電極、円形電極などとすることができる。更に、電極103は、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成することができ、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する。
【0035】
スパイン101は、それらが長手方向軸60に対して送達位置と展開位置との間で移動することを可能にするように、その一端が管状シャフト36の遠位端に取り付けられ、その反対端がクラウン110に取り付けられ得る。本明細書で使用される場合、「クラウン」は、その遠位端において1つ以上のスパイン101のための取り付け点として機能する構造を指す。いくつかの例では、クラウン110はまた、第1の材料(例えば、ニチノール)を含むことができる。クラウン110は、本開示の技術に従って、いくつかの方法で構成することができる。いくつかの例では、クラウン110は、中心クラウンハブ111と、ハブから離れるように突出する複数の突起112とを含むことができる。突起112は、中心ハブ111とほぼ同一平面上にあり得る。他の例では、クラウン110は、突起112を除外することができる。
【0036】
各スパイン101とクラウン110との間のジョイントは、送達位置と展開位置との間のバスケットアセンブリ100の移動に応答して屈曲する領域である。このジョイントで生じる疲労を低減又は排除するために、バスケットアセンブリ100は、各スパイン101とクラウン110との間に設けられてそれらを互いに結合するヒンジ120を更に含むことができる。
【0037】
各ヒンジ120は、スパイン101の第1の材料とは異なる第2の材料を含むことができる。いくつかの例では、第2の材料は、疲労及び/又は破損を経験することなく繰り返しの曲げに耐えることができる柔軟性材料を含む。例えば、第2の材料は、ポリマー、例えばポリオレフィン、ポリマー金属、又はポリエステルを含むことができるが、これらに限定されない。他の例示的な第2の材料が以下に提供される。
【0038】
図3A及び
図3Bは、送達位置(
図3A)と展開位置(
図3B)との間で屈曲するスパイン101を示す詳細斜視図である。
図4A及び
図4Bは、その詳細側面図である。示されるように、スパイン遠位端はヒンジ120の一方の側と結合し、クラウンスパイン部分はヒンジ120の他方の側と結合する。いくつかの例では、各突起112は、その近位端に、スパイン遠位端の幅にほぼ等しい幅を含むことができる。
【0039】
いくつかの例では、各ヒンジ120は、クラウンのそれぞれの突起112に結合することができる。他の例では、ヒンジ120は、クラウンハブ111に結合することができる(例えば、突起112の一部又は全部が省略される場合)。
図4A及び4Bの方向矢印によって示されるように、スパイン101が外向きに(
図4Bに示される位置に)曲げられるとき、スパインは、クラウン110に対して第1の角度θ
1から第2のより大きい角度θ
2に回転する。いくつかの実施形態では、第1の角度θ
1は約90度であり得る。いくつかの例において、θ
2は、約90度と約180度との間の任意の範囲であり得る。いくつかの例では、θ
2は、約90°~約130°の範囲とすることができる。
【0040】
図5は、本開示の技術による、例示的ヒンジ120を図示する詳細切断図である。図示されているように、スパイン遠位端とクラウンスパイン部分(例えば、クラウン突起112)は、ヒンジ間隙70によって分離される。間隙70は、圧縮されたときにクラウン111が有することができる最大オフセットに相関する。いくつかの例では、間隙70は、約1~5ミリメートルの距離であり得る。いくつかの例では、間隙70は、スパイン101が互いに干渉することなく折り畳まれることを可能にするスパイン101の厚さにほぼ等しくすることができる。このヒンジ間隙70は、少なくともヒンジ120によって覆われている。いくつかの例では、ヒンジ120は、クラウンスパイン部分及びスパイン遠位端が互いに近づいたり離れたりすることを可能にするように形成される(例えば、力が加えられたときに圧縮及び/又は拡張され得る柔軟性材料から形成され得る)。
【0041】
いくつかの例では、
図4A~
図5に例示されるように、ヒンジ120はキャップ123を含むことができる。いくつかの例では、キャップ123は、収縮性管(例えば、熱収縮)を含むことができる。収縮性管は、クラウン110及びスパイン101の一部の上に配置されて、そうでなければ露出され得る任意の鋭い縁部を覆うことができる。いくつかの例では、キャップ123は、ニチノール管、ステンレスばね鋼管、PEEK管、又はヒンジ間隙70を覆う積層材料として形成することができる。
【0042】
図5を更に参照すると、結合部材121は、ヒンジ120を少なくとも部分的に通って延びて、スパイン101及びクラウン110が間隙70よりも大きく互いから引き離されることを防止することができる。結合部材121は、様々な方法でスパイン101及びクラウン111に結合することができる。例えば、結合部材121の端が(例えば、接着剤又は機械的接続を介して)取り付けられるスパイン101の遠位端に、1つ以上のアンカーポイント122を設けることができる。更に、開口部113は、結合部材112が通されるクラウン110内に画定され得る(例えば、突起112内に画定される)。あるいは、この結合構成を逆にすることもできる。
【0043】
更に、接着剤124をヒンジ120に充填して、ヒンジを少なくとも部分的にスパイン101及びクラウン110に保持することができる。いくつかの例では、ヒンジ120は、結合部材121及び/又は接着剤124を含むことができる。
【0044】
いくつかの例では、
図6に示すような結合部材121は、限定はしないが、糸(例えば、ポリエステル糸)、ニチノール、液晶ポリマーから紡糸された製造繊維、PEBAX(著作権)、ナイロンベースなどの成形熱可塑性結合、ステンレス鋼ワイヤ、及び炭素系繊維などの柔軟性材料121Aを含むことができる。いくつかの例では、
図7に示すように、結合部材121は、互いに柔軟に相互接続された複数のリンク121Bを含むことができる。
【0045】
図8及び
図9を参照すると、スパイン101とクラウン110との間の各ジョイントにキャップ123を設けるのではなく、クラウン及びスパイン端の全てを実質的に覆うヒンジ120Aを設けることができる。ヒンジ120Aは、クラウン110及びスパイン101の端部上にオーバーモールドされたキャップ123Aを含むことができる。前述のキャップ123と同様に、このキャップ123Aもまた、その中に充填された接着剤124を有することができる。
【0046】
図10は、別の例示的なヒンジ120Bの詳細側面図である。この例では、ヒンジ120Bは、クラウン110及びスパイン101の端を覆うのではなく、柔軟性材料から形成され、クラウン110の遠位先端(例えば、突起112の遠位先端)及びスパイン101に直接接続され得る。
【0047】
図11を参照すると、別の例示的なヒンジ120Cが示されている。それは、説明される他の例(例えば、
図5に関して説明されるもの)のものと同様に構造化されることができる。しかしながら、ヒンジ120Cは、クラウン110とスパイン101とを互いに結合するのではなく、スパイン101と管状シャフト36とを接続するなど、バスケットアセンブリ100上の他の点で使用することもできる。この例では、電極103を電気生理学的機器と電気的に接続するために、様々な電気接続104(例えば、配線)をヒンジ120Cを通して送ることができる。
【0048】
上述の例示的なヒンジ120に加えて、本開示は、クラウン110によって患者23内の組織に加えられる力を測定する方法を提供する。
図12A~
図12Cは、種々の位置に配置されるプラグ201及び力センサ203を含む、拡張可能バスケットアセンブリ200の側面概略図を図示する。プラグ201は、その近位端において管状シャフト36に結合され得、またその遠位端において灌注孔202を含み得る。遠位端において、力センサ203は、摺動可能かつ回転可能に延び、クラウン110の底側に結合することができる。
図12Aから
図12B及び
図12Cに示されるように、送達位置にあるとき、力センサ203は、プラグ201内に距離y0だけ延び、長手方向軸60と実質的に同軸であり得る。
【0049】
スパイン101が拡張されると、力センサ203は、y1の距離だけプラグ201内に押し下げられる。更に、クラウン110又はスパイン101が組織に接触すると、
図12Bの角度θ
3によって示されるように、クラウンを角度的に偏向させることができる。例えば、クラウン110を更に押すことにより、力センサ203をプラグ201内で距離y2だけ更に押すことができる。クラウン110がプラグ201の遠位端上に完全に押し下げられると、
図12Cに示されるように、灌注孔202を塞ぐことができる。測定された距離y0、y1、及びy2並びに角度θ
3は、患者の組織に接触している力及びベクトル等の、バスケットアセンブリ200と関連付けられる種々のパラメータを計算するために使用されることができる。
【0050】
図13は、本開示の技術による、拡張可能バスケットアセンブリのジョイントを構築する方法1300のフローチャートである。バスケットアセンブリは、本明細書で更に説明されるバスケットアセンブリと同じ特徴の全てを含むことができる。方法1300は、管をスパインの一部又はクラウンの一部の上に配置すること1302を含むことができる。方法1300は、間隙を画定するように、クラウン及びスパインを互いに近位に配置すること1304を含むことができる。方法1300は、間隙の上に管を配置すること1306を含むことができる。本方法1300は、管を加熱すること1308を含むことができる。方法1300は、加熱に応じて、管を収縮させて、スパインのスパイン遠位端及びクラウンのクラウン端部を覆うこと1310を含むことができる。いくつかの例では、本方法は、管に接着剤を充填することを含むことができる。いくつかの例では、方法1300は、結合部材をスパイン及びクラウンに結合することを含むことができる。方法1300のいくつかの例では、結合部材は、ポリエステル糸又は相互接続された柔軟な複数のリンクを含むことができる。いくつかの例では、方法1300は、クラウン端部に孔を画定することを更に含むことができる。
【0051】
図14は、本開示の技術による、拡張可能バスケットアセンブリのジョイントを構築する別の方法1400のフローチャートである。バスケットアセンブリは、本明細書で更に説明されるバスケットアセンブリと同じ特徴の全てを含むことができる。方法1400は、クラウンの実質的に全ての上にポリマー材料を配置すること1402を含むことができる。方法1400は、スパインとクラウンとの間に所定の間隙を画定するように、スパインの遠位端をポリマー材料の一部分内でクラウンの近位に配置すること1404を含むことができる。方法1400は、ポリマー材料を加熱すること1406を含むことができる。方法1400は、加熱に応じて、ポリマー材料を収縮させて、スパイン遠位端及び実質的に全てのクラウンを覆うこと1408を含むことができる。いくつかの例では、方法1400は、ポリマー材料に接着剤を充填することを含むことができる。
【0052】
当業者によって理解されるように、方法1300、及び1400は、本明細書に説明される開示技術の様々な特徴のいずれかを含むことができ、特定の構成に応じて様々であり得る。したがって、方法1300、及び1400は、本明細書で明示的に記載された特定のステップ及びステップの順序に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0053】
本明細書に説明される本開示の技術は、以下の項に従って更に理解することができる。
【0054】
第1項:医療用プローブのエンドエフェクタのジョイントであって、エンドエフェクタは、クラウンと、長手方向軸に沿って延び、長手方向軸に対して展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む少なくとも1つのスパインと、少なくとも1つのスパインをクラウンに結合する少なくとも1つのヒンジであって、第1の材料とは異なる第2の材料を含む少なくとも1つのヒンジと、を備える、エンドエフェクタのジョイント。
【0055】
第2項:少なくとも1つのスパインは、少なくとも1つのスパインが長手方向軸に実質的に平行である送達位置から、少なくとも1つのスパインが長手方向軸から外向きに曲がる展開位置まで拡張可能であり、少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つのスパインの送達位置と展開位置との間の拡張に応答して曲がる、第1項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0056】
第3項:少なくとも1つのスパインが、スパイン遠位端を備え、クラウンが、少なくとも1つのクラウンスパイン部分を備え、少なくとも1つのヒンジが、スパイン遠位端を少なくとも1つのクラウンスパイン部分に結合する、第1項~第2項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0057】
第4項:クラウンスパイン部分とスパイン遠位端とがヒンジ間隙によって分離されており、ヒンジ間隙が少なくともヒンジによって覆われている、第3項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0058】
第5項:ヒンジ間隙は、約1~5ミリメートルの範囲の距離を含む、第4項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0059】
第6項:少なくとも1つのヒンジの第2の材料は、少なくとも1つのクラウンスパイン部分及びスパイン遠位端が互いに向かって及び互いから離れて移動することを可能にする、第4項又は5項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0060】
第7項:クラウンは、中心ハブを備え、クラウンスパイン部分は、ハブから離れて突出する少なくとも1つの突起を画定する、第1項~第6項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0061】
第8項:少なくとも1つの突起が、少なくとも1つの突起の近位端において、スパイン遠位端の幅にほぼ等しい幅を含む、第7項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0062】
第9項:少なくとも1つの突起が、中心ハブとほぼ同一平面上にある、第7項又は第8項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0063】
第10項:少なくとも1つのヒンジを少なくとも部分的に通って延びる少なくとも1つの結合部材を更に備える、第1項~第9項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0064】
第11項:クラウンは少なくとも1つの開口部を画定し、少なくとも1つの結合部材は、少なくとも1つの結合部材をクラウンに結合するために少なくとも1つの開口部を通って延びる、第10項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0065】
第12項:少なくとも1つのスパインが、少なくとも1つの結合部材の端が結合される少なくとも1つのアンカーポイントを含む、第10項又は第11項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0066】
第13項:少なくとも1つのスパインが、少なくとも1つの結合部材の端が結合される2つのアンカーポイントを含む、第10項~第12項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0067】
第14項:少なくとも1つの結合部材がポリエステル糸を含む、第10項~第13項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0068】
第15項:少なくとも1つの結合部材が、柔軟に相互接続された複数のリンクを備える、第11項~第14項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0069】
第16項:第2の材料がポリエステル糸を含む、第1項~9項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0070】
第17項:ヒンジが、柔軟に相互接続された複数のリンクを備える、第1項~第9項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0071】
第18項:少なくとも1つのヒンジは、収縮性管を、第1項~第17項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0072】
第19項:収縮性管の端部が、クラウンの一部及び少なくとも1つのスパインの一部の上に配置されている、第18項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0073】
第20項:第2の材料がポリオレフィンを含む、第18項又は第19項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0074】
第21項:少なくとも1つのヒンジの少なくとも一部は、クラウン及び少なくとも1つのスパインの端部上にオーバーモールドされている、第1項~第17項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0075】
第22項:第2の材料が収縮性材料を含む、第21項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0076】
第23項:少なくとも1つのヒンジを適所に保持する接着剤を更に備える、第1項~第22項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0077】
第24項:第1の材料がニチノールを含む、第1項~第23項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0078】
第25項:クラウンが、ニチノールを含む、第1項~24項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0079】
第26項:少なくとも1つのスパインが、それに結合された少なくとも1つの電極を有する、第1項~第25項のいずれか一項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0080】
第27項:上記少なくとも1つの電極は、組織を電気生理学的にマッピングするか、上記組織をアブレーションするか、又は上記組織のマッピング及びアブレーションの両方を行うように構成されている、第26項に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0081】
第28項:長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有する管状シャフトと、管状シャフト端に結合されたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは、クラウンと、長手方向軸に沿って延び、長手方向軸に対して展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む少なくとも1つのスパインと、少なくとも1つのスパインをクラウンに結合する少なくとも1つのヒンジであって、第1の材料とは異なる第2の材料を含む少なくとも1つのヒンジと、を備える、医療用プローブ。
【0082】
第29項:少なくとも1つのスパインは、少なくとも1つのスパインが長手方向軸に実質的に平行である送達位置から、少なくとも1つのスパインが長手方向軸から外向きに曲がる展開位置まで拡張可能であり、少なくとも1つのヒンジは、少なくとも1つのスパインの送達位置と展開位置との間の拡張に応じて曲がる、第28項に記載の医療用プローブ。
【0083】
第30項:少なくとも1つのスパインがスパイン遠位端を備え、クラウンが少なくとも1つのクラウンスパイン部分を備え、少なくとも1つのヒンジがスパイン遠位端を少なくとも1つのクラウンスパイン部分に結合する、第28項又は第29項に記載の医療用プローブ。
【0084】
第31項:クラウンスパイン部分及びスパイン遠位端は、ヒンジ間隙によって分離され、ヒンジ間隙は、少なくともヒンジによって覆われている、第30項に記載の医療用プローブ。
【0085】
第32項:ヒンジ間隙は、約1~5ミリメートルの範囲の距離を含む、第31項に記載の医療用プローブ。
【0086】
第33項:少なくとも1つのヒンジの第2の材料は、少なくとも1つのクラウンスパイン部分及びスパイン遠位端が互いに向かって及び互いから離れて移動することを可能にする、第31項又は第32項に記載の医療用プローブ。
【0087】
第34項:クラウンは、中心ハブを備え、クラウンスパイン部分は、ハブから離れて突出する少なくとも1つの突起を画定する、第28項~第33項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0088】
第35項:少なくとも1つの突起は、少なくとも1つの突起の近位端において、スパイン遠位端の幅にほぼ等しい幅を含む、第34項に記載の医療用プローブ。
【0089】
第36項:少なくとも1つの突起は、中心ハブとほぼ同一平面上にある、第34項又は35項に記載の医療用プローブ。
【0090】
第37項:少なくとも1つのヒンジを少なくとも部分的に通って延びる少なくとも1つの結合部材を更に備える、第28項~第36項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0091】
第38項:クラウンは、少なくとも1つの開口部を画定し、少なくとも1つの結合部材は、少なくとも1つの結合部材をクラウンに結合するために少なくとも1つの開口部を通って延びる、第37項に記載の医療用プローブ。
【0092】
第39項:少なくとも1つのスパインは、少なくとも1つの結合部材の端が結合される少なくとも1つのアンカーポイントを備える、第37項又は第38項に記載の医療用プローブ。
【0093】
第40項:少なくとも1つのスパインは、少なくとも1つの結合部材の端が結合される2つのアンカーポイントを備える、第37項~第39項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0094】
第41項:少なくとも1つの結合部材がポリエステル糸を含む、第37項~第40項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0095】
第42項:少なくとも1つの結合部材は、柔軟に相互接続された複数のリンクを備える、第38項~41項のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
【0096】
第43項:第2の材料はポリエステル糸を含む、第28項~36項のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
【0097】
第44項:ヒンジは、柔軟に相互接続された複数のリンクを備える、第28項~36項のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
【0098】
第45項:少なくとも1つのヒンジが収縮性管を備える、第28項~第44項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0099】
第46項:収縮性管の端部は、クラウンの一部及び少なくとも1つのスパインの一部の上に配置される、第45項に記載の医療用プローブ。
【0100】
第47項:第2の材料はポリオレフィンを含む、第45項又は46項に記載の医療用プローブ。
【0101】
第48項:少なくとも1つのヒンジの少なくとも一部は、クラウン及び少なくとも1つのスパインの端部上にオーバーモールドされている、第28項~第44項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0102】
第49項:第2の材料は収縮性材料を含む、第48項に記載の医療用プローブ。
【0103】
第50項:少なくとも1つのヒンジを適所に保持する接着剤を更に備える、第28項~第49項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0104】
第51項:第1の材料が、ニチノールを含む、第28項~50項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0105】
第52項:クラウンが、ニチノールを含む、第28項~51項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0106】
第53項:少なくとも1つのスパインは、それに結合された少なくとも1つの電極を有する、第28項~第52項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0107】
第54項:少なくとも1つの電極が、組織を電気生理学的にマッピングするか、組織をアブレーションするか、又は組織のマッピング及びアブレーションの両方を行うように構成されている、第53項に記載の医療用プローブ。
【0108】
第55項:少なくとも1つのスパインの近位に配置された中心プラグを更に備える、第28項~第54項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0109】
第56項:中心プラグが少なくとも1つの孔を画定し、少なくとも1つのスパイン又はクラウンが、少なくとも1つのスパインが展開位置にあるときに少なくとも1つの孔を塞ぐように構成されている、第55項に記載の医療用プローブ。
【0110】
第57項:少なくとも1つのスパイン又はクラウンは、中心プラグの遠位先端に係合して少なくとも1つの孔を塞ぐように構成されている、第56項に記載の医療用プローブ。
【0111】
第58項:少なくとも1つのスパイン又はクラウンは、少なくとも1つのスパインが展開位置にあるときに中心プラグの遠位先端に係合するように構成されている、第57項に記載の医療用プローブ。
【0112】
第59項:中心プラグに結合された力センサを更に備え、力センサは、少なくとも1つのスパイン又はクラウンによって遠位先端に加えられる力を測定するように構成されている、第55項~第59項のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0113】
第60項:長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有する管状シャフトと、エンドエフェクタであって、長手方向軸に沿って延び、長手方向軸に対して展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む少なくとも1つのスパインと、少なくとも1つのスパインを管状シャフト端に結合する少なくとも1つのヒンジであって、第1の材料とは異なる第2の材料を含む少なくとも1つのヒンジと、を含むエンドエフェクタと、を含む医療用プローブ。
【0114】
第61項:少なくとも1つのスパインは、それに結合された少なくとも1つの電極を有する、第60項に記載の医療用プローブ。
【0115】
第62項:少なくとも1つのヒンジを通って延びる配線を備える、第60項又は61項に記載の医療用プローブ。
【0116】
第63項:エンドエフェクタのジョイントを構築する方法であって、当該方法は、スパインの一部又はクラウンの一部の上に管を配置することと、間隙を画定するように、クラウン及びスパインを互いに近位に配置することと、間隙の上に管を配置することと、管を加熱することと、加熱に応じて、管を収縮させて、スパインのスパイン遠位端及びクラウンのクラウン端部を覆うことと、を含む、方法。
【0117】
第64項:管に接着剤を充填することを更に含む、第63項に記載の方法。
【0118】
第65項:結合部材をスパイン及びクラウンに結合することを更に含む、第63項又は64項に記載の方法。
【0119】
第66項:結合部材が、ポリエステル糸、又は相互接続された柔軟性の複数のリンクを含む、第65項に記載の方法。
【0120】
第67項:クラウン端部に孔を画定することを更に含む、第63項~66項のいずれか一項に記載の方法。
【0121】
第68項:エンドエフェクタのジョイントを構築する方法であって、当該方法は、ポリマー材料をクラウンの実質的に全体にわたって配置することと、スパインとクラウンとの間に間隙を画定するように、ポリマー材料の一部内でクラウンの近位にスパインのスパイン遠位端を配置することと、ポリマー材料を加熱することと、加熱に応じて、ポリマー材料を収縮させて、スパイン遠位端及びクラウンの実質的に全てを覆うことと、を含む、方法。
【0122】
第69項:ポリマー材料に接着剤を充填することを更に含む、第68項に記載の方法。
【0123】
上記の実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、以上で本明細書に具体的に図示及び説明されたものに限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は、上記の説明及び例解された種々の特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想起されるであろう、先行技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0124】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブのエンドエフェクタのジョイントであって、前記エンドエフェクタが、
クラウンと、
長手方向軸に沿って延び、前記長手方向軸に対する展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む、少なくとも1つのスパインと、
前記少なくとも1つのスパインを前記クラウンに結合する少なくとも1つのヒンジであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのヒンジと、を含む、エンドエフェクタのジョイント。
(2) 前記少なくとも1つのスパインは、前記少なくとも1つのスパインが前記長手方向軸に実質的に平行である前記送達位置から、前記少なくとも1つのスパインが前記長手方向軸から外向きに曲がる前記展開位置まで拡張可能であり、前記少なくとも1つのヒンジが、前記少なくとも1つのスパインの前記送達位置と前記展開位置との間の拡張に応答して曲がる、実施態様1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
(3) 前記少なくとも1つのスパインが、スパイン遠位端を備え、前記クラウンが、少なくとも1つのクラウンスパイン部分を備え、前記少なくとも1つのヒンジが、前記スパイン遠位端を前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分に結合し、前記クラウンスパイン部分及び前記スパイン遠位端が、ヒンジ間隙によって分離され、前記ヒンジ間隙が、少なくとも前記ヒンジによって覆われている、実施態様1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
(4) 前記クラウンが、中心ハブを備え、前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分が、前記ハブから離れるように突出する少なくとも1つの突起を画定し、前記少なくとも1つの突起が、前記スパイン遠位端の幅にほぼ等しい前記少なくとも1つの突起の近位端における幅を備える、実施態様3に記載のエンドエフェクタのジョイント。
(5) 前記クラウンが、中心ハブを備え、前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分が、前記ハブから離れて突出する少なくとも1つの突起を画定し、前記少なくとも1つの突起が、前記中心ハブとほぼ同一平面上にある、実施態様3に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0125】
(6) 前記少なくとも1つのヒンジを少なくとも部分的に通って延びる少なくとも1つの結合部材を更に備え、前記クラウンが、少なくとも1つの開口部を画定し、前記少なくとも1つの結合部材が、前記少なくとも1つの結合部材を前記クラウンに結合するために前記少なくとも1つの開口部を通って延び、前記少なくとも1つのスパインが、前記少なくとも1つの結合部材の端が結合される少なくとも1つのアンカーポイントを備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
(7) 前記少なくとも1つのヒンジを少なくとも部分的に通って延びる少なくとも1つの結合部材を更に備え、前記少なくとも1つの結合部材が、ポリエステル糸及び/又は柔軟に相互接続された複数のリンクを備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
(8) 前記少なくとも1つのヒンジが、収縮性管を備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
(9) 前記第1の材料及び/又は前記クラウンがニチノールを含む、実施態様1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
(10) 前記少なくとも1つのスパインが、それに結合された少なくとも1つの電極を有し、それにより、前記少なくとも1つの電極が、電気生理学的に組織をマッピングするか、前記組織をアブレーションするか、又は前記組織のマッピング及びアブレーションの両方を行うように構成されている、実施態様1に記載のエンドエフェクタのジョイント。
【0126】
(11) 医療用プローブであって、
長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有する管状シャフトと、
前記管状シャフト端に結合されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
クラウンと、
前記長手方向軸に沿って延び、前記長手方向軸に対する展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む、少なくとも1つのスパインと、
前記少なくとも1つのスパインを前記クラウンに結合する少なくとも1つのヒンジであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのヒンジと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、医療用プローブ。
(12) 前記少なくとも1つのスパインは、前記少なくとも1つのスパインが前記長手方向軸に実質的に平行である前記送達位置から、前記少なくとも1つのスパインが前記長手方向軸から外向きに曲がる前記展開位置まで拡張可能であり、前記少なくとも1つのヒンジが、前記少なくとも1つのスパインの前記送達位置と前記展開位置との間の拡張に応答して曲がる、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(13) 前記少なくとも1つのスパインがスパイン遠位端を備え、前記クラウンが少なくとも1つのクラウンスパイン部分を備え、前記少なくとも1つのヒンジが前記スパイン遠位端を前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分に結合し、前記クラウンスパイン部分と前記スパイン遠位端とがヒンジ間隙によって分離され、前記ヒンジ間隙が少なくとも前記ヒンジによって覆われている、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(14) 前記クラウンが、中心ハブを備え、前記少なくとも1つのクラウンスパイン部分が、前記ハブから離れるように突出する少なくとも1つの突起を画定し、前記少なくとも1つの突起が、前記中心ハブとほぼ同一平面上にある、実施態様13に記載の医療用プローブ。
(15) 前記少なくとも1つのヒンジを少なくとも部分的に通って延びる少なくとも1つの結合部材を更に備え、前記クラウンが少なくとも1つの開口部を画定し、前記少なくとも1つの結合部材が柔軟であり、前記少なくとも1つの結合部材を前記クラウンに結合するために前記少なくとも1つの開口部を通って延び、前記少なくとも1つのスパインが、前記少なくとも1つの結合部材の端が結合される少なくとも1つのアンカーポイントを備える、実施態様11に記載の医療用プローブ。
【0127】
(16) 前記少なくとも1つのスパインが、それに結合された少なくとも1つの電極を有し、それにより、前記少なくとも1つの電極が、電気生理学的に組織をマッピングするか、前記組織をアブレーションするか、又は前記組織のマッピング及びアブレーションの両方を行うように構成されている、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(17) 前記少なくとも1つのスパインの近位に配置された中心プラグを更に備える、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(18) 医療用プローブであって、
長手方向軸を画定し、管状シャフト端を有する管状シャフトと、
エンドエフェクタであって、
前記長手方向軸に沿って延び、前記長手方向軸に対する展開位置及び送達位置を含み、第1の材料を含む、少なくとも1つのスパインと、
前記少なくとも1つのスパインを前記管状シャフト端に結合する少なくとも1つのヒンジであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、少なくとも1つのヒンジと、を含む、エンドエフェクタと、を含む、医療用プローブ。
(19) 前記少なくとも1つのスパインが、それに結合された少なくとも1つの電極を有する、実施態様18に記載の医療用プローブ。
(20) 前記少なくとも1つのヒンジを通って延びる配線を備える、実施態様18に記載の医療用プローブ。
【外国語明細書】