(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174857
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】快適性を高める椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/40 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
A47C7/40
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091859
(22)【出願日】2024-06-05
(31)【優先権主張番号】202310656559.9
(32)【優先日】2023-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523364128
【氏名又は名称】浙江青谷貿易科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZheJiang QingGu Trade Technology Co.,LTD
【住所又は居所原語表記】First floor, EAST OF THE RESETTLEMENT AREA FOR SMALL AND MEDIUM-SIZED ENTERPRISES, KANGSHAN VILLAGE, Dipu Street, ANJI COUNTY, HUHZOU CITY, ZHEJIANG PROVINCE, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】李 剛
(72)【発明者】
【氏名】章 亮
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084EA01
3B084EA03
3B084EB05
3B084EC01
3B084HA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、上部背もたれ部、下部背もたれ部、背もたれブラケット、およびシャーシを含む、快適性を向上させる椅子を提供する。
【解決手段】背もたれブラケットはシャーシ上に回転可能に設置され、上部背もたれ部は背もたれブラケット上に回転可能に設置され、下部背もたれ部は上部背もたれ部に回転可能に接続され、また、上部背もたれ部とシャーシの間にはトランスファーロッドと伝動装置が設置されている。それによって、背もたれブラケットが後方に傾くと、トランスファーロッドが背もたれブラケットに対して相対移動し、上部背もたれ部はトランスファーロッドによって駆動され、背もたれブラケットに対して回転し、上部背もたれ部と下部背もたれ部との間の角度が減少し、人間の背中を包み込むように、椅子の背もたれの湾曲と包み込み機能を実現し、快適性を向上させる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部背もたれ部、下部背もたれ部、背もたれブラケットおよびシャーシを含む椅子であって、
前記背もたれブラケットは前記シャーシ上に回転可能に設置され、前記上部背もたれ部は前記背もたれブラケット上に回転可能に設置され、前記下部背もたれ部は前記上部背もたれ部に回転可能に接続され、
前記上部背もたれ部と前記シャーシの間にはトランスファーロッドと伝動装置が設けられ、前記トランスファーロッドの両端はそれぞれ前記上部背もたれ部と前記伝動装置に回転可能に接続され、
前記背もたれブラケットが後方に傾くと、前記伝動装置の作用により、前記トランスファーロッドと前記背もたれブラケットが相対移動し、前記上部背もたれ部は前記トランスファーロッドによって前記背もたれブラケットに対して前方に回転され、前記上部背もたれ部の下端は後方に移動し前記背もたれブラケットに近づき、前記上部背もたれ部と前記下部背もたれ部の間の角度が減少する、
ことを特徴とする快適性向上用椅子。
【請求項2】
前記トランスファーロッドの下端は前記伝動装置に接続され、前記トランスファーロッドの上端は前記上部背もたれ部の下端に回転可能に接続され、しかも、前記トランスファーロッドと前記上部背もたれ部との回転接続点は、前記背もたれブラケットと前記上部背もたれ部との間の回転接続点の前方に位置し、
前記下部背もたれ部の下端は前記トランスファーロッドに回転可能に接続され、前記下部背もたれ部の上端は前記上部背もたれ部の下端に回転可能に接続され、
前記背もたれブラケットが後方に傾くと、前記トランスファーロッドの下端が前方に移動し、前記トランスファーロッドの上端が後方に移動し、前記上部背もたれ部の下端および下部背もたれ部の上端は後方に移動し、前記背もたれブラケットに近づき、前記下部背もたれ部の下端は前方に移動し前記背もたれブラケットから遠ざかる、
ことを特徴とする請求項1に記載の快適性向上用椅子。
【請求項3】
前記トランスファーロッドは、メインロッドと、前記メインロッドの上端に位置する第1接続ロッドと、前記メインロッドの下端に位置する第2接続ロッドとを含み、
前記第1接続ロッドと前記第2接続ロッドは両方とも前記メインロッドから前方に突き出ており、前記第1接続ロッドは前記上部背もたれ部の上端に接続され、前記第2接続ロッドは前記下部背もたれ部の下端に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の快適性向上用椅子。
【請求項4】
前記第1接続ロッドは、前記メインロッドと一体に形成され、前記第1接続ロッドは、前記メインロッドに対して前上方に傾斜し、前記第2接続ロッドは前記メインロッドに回転可能に連結され、前記第2接続ロッドと前記メインロッドの回転範囲は、8~10°である、
ことを特徴とする請求項3に記載の快適性向上用椅子。
【請求項5】
前記伝動装置は回転部材を備え、前記回転部材は前記背もたれブラケットに対して回転可能に設置され、前記トランスファーロッドは前記回転部材に回転可能に接続され、
前記回転部材は、前記背もたれブラケットに対して回転するときに、前記トランスファーロッドを駆動して前記背もたれブラケットに対して移動するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の快適性向上用椅子。
【請求項6】
前記伝動装置は、さらに第1連結ロッド、第2連結ロッド、中間シートおよびスイングロッドをさらに含み、
前記中間シートと前記背もたれブラケットは相対的に固定されており、前記シャーシに対して前記背もたれブラケットと同期して回転し、
前記第1連結ロッドの一端は前記シャーシに回転可能に接続され、前記第2連結ロッドの上端は前記第1連結ロッドの他端に回転可能に接続され、前記第2連結ロッドの下端は前記中間シートに回転可能に接続され、前記スイングロッドは前記第2連結ロッドの上端に回転可能に接続され、前記回転部材は前記中間シート上に回転可能に配置され、前記回転部材の前端は前記スイングロッドに回転可能に接続され、前記回転部材の後端は前記トランスファーロッドに回転可能に接続されており、
前記背もたれブラケットが後方に傾くと、前記背もたれブラケットが前記シャーシに対して下方後方に回転し、前記背もたれブラケットに固定された前記中間シートも同期して回転し、前記第2連結ロッドが駆動されて下方および前方に移動し、したがって、前記第2連結ロッドは前記第1連結ロッドを駆動して、前記シャーシに対して下方および後方に回転させ、それと同時に、前記スイングロッドを駆動して前方及び下方に移動させ、さらに前記スイングロッドは前記回転部材を駆動して前記中間ルシートに対して前方に回転させ、それによって、前記トランスファーロッドが駆動されて、前記中間シート及び前記背もたれブラケットに対して相対移動する、
ことを特徴とする請求項5に記載の快適性向上用椅子。
【請求項7】
前記中間シートは後方に延長され、連結ベースが付いており、前記連結ベースは中空であり収容溝が形成されており、前記回転部材は前記収容溝内に配置され、回転軸を介して前記連結ベースに回転可能に連結されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の快適性向上用椅子。
【請求項8】
前記回転部材の形状が三角形であることを特徴とする請求項6に記載の快適性向上用椅子。
【請求項9】
前記背もたれブラケットはL字型のフレーム構造であり、水平フレームと垂直フレームとを有し、前記水平フレームは前記シャーシの後部の左右両側に位置し、前記水平フレームの前端は前記シャーシの後端に回転可能に接続され、
前記水平フレームの中間位置の上端の左右両側に支持体が固定されており、前記支持体は連結梁を介して連結されており、前記連結梁が前記中間シートの上方に押し付けられることにより、前記背もたれブラケットを回転させる場合、前記水平フレームは前記連結梁を介して、前記連結梁に押し付けられた前記中間シートと同時に回転できる、
ことを特徴とする請求項6に記載の快適性向上用椅子。
【請求項10】
前記シャーシはシートシェルとベースとを含み、前記シートシェルは前記ベースに固定的に接続され、前記中間シートと前記背もたれブラケットは前記シートシェルに回転可能に接続され、前記第1連結ロッドは前記ベースに回転可能に接続されることを特徴とする請求項6に記載の快適性向上用椅子。
【請求項11】
前記下部背もたれ部はフレーム構造を有し、前記上部背もたれ部は上部背もたれ部フレームと上部背もたれ部ブラケットとを含み、前記上部背もたれ部フレームは前記上部背もたれ部ブラケットに固定的に接続されており、前記上部背もたれ部ブラケットの下端は前記背もたれブラケットの上端に回転可能に接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の快適性向上用椅子。
【請求項12】
前記上部背もたれ部ブラケットは、前方に延びる第3連結ロッドを含み、前記第3連結ロッドは、前記上部背もたれ部フレームに固定的に連結され、さらに前記トランスファーロッドの上端に回転可能に連結されている、ことを特徴とする請求項11に記載の快適性向上用椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具の分野に関し、特に快適性を高める椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活の質の向上に伴い、椅子という類の普段使う家具に対する要求はますます高くなっており、主に座り心地に反映される快適性である。椅子の使用シーンは多岐にわたり、特にオフィスではほぼすべての時間を椅子とともに過ごすことになるため、人々に快適性の高いオフィスチェアを提供することがメーカーの追求する目標である。
【0003】
市販の快適性の高い椅子はレジャーチェアやソファが一般的である。多くの場合、厚くて柔らかい充填物が使用されており、座り心地はオフィスチェアよりも優れている。また、サイズが大きいため、より多くの構造や装置を内部に設置して快適性を向上させることができる。これらは、特に充填物の点でオフィスチェアにはできないことであり、したがって、オフィスチェアに快適性を向上させる機能を追加するための巧妙な構造を設計することが、メーカーにとって重要な研究方向となっている。
【0004】
従来のレジャーチェアには、使用者が椅子の背もたれに寄りかかると、リクライニング機能に加えて、椅子の背もたれは人間の背骨の曲げに合わせて湾曲させる機能も備えている。椅子の背もたれ自体を変形させる機能もある。椅子の背もたれが自ら変形し、上部と下部に角度を付けることで包み込まれるような感覚を与え、座り心地を向上させる。しかし、レジャーチェアはサイズが大きく場所をとるため、オフィスでの使用には適していない。また、市販のレジャーチェアは、椅子の背もたれにエアロッドを設置して調整するため、調節が遅く、動きがスムーズでなく、効果も低く、体積も大きく、コストも高くなる。したがって、オフィスチェアの快適性を向上させるためには、前述のレジャーチェアの機能を構造設計によってオフィスチェアにいかにうまく移植するかが重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、上部背もたれ部、下部背もたれ部、背もたれブラケットおよびシャーシを含む、快適性を向上させる椅子を提供する。背もたれブラケットはシャーシに回転可能に設置され、上部背もたれ部は背もたれブラケットに回転可能に設置され、下部背もたれ部と上部背もたれ部が回転可能に連結し、上部背もたれ部とシャーシの間にはトランスファーロッドと伝動装置が設置されている。また、背もたれブラケットが後方に傾くと、トランスファーロッドが背もたれブラケットに対して移動し、上部背もたれ部が背もたれブラケットに対して回転するように駆動され、人間の背中を包み込むように上部背もたれ部と下部背もたれ部の間の角度が減少し、背中で曲げて包み込む機能を実現し、快適性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的解決策は次のように実現する。
上部背もたれ部、下部背もたれ部、背もたれブラケット、シャーシを含む、快適性を向上させる椅子であって、背もたれブラケットはシャーシに回転可能に設置され、上部背もたれ部は背もたれブラケットに回転可能に設置され、下部背もたれ部と上部背もたれ部が回転可能に連結し、上部背もたれ部とシャーシの間にはトランスファーロッドと伝動装置が設置されている。トランスファーロッドの両端はそれぞれ上部背もたれ部と伝動装置に回転可能に接続されている。背もたれブラケットが後方に傾くと、伝動装置の作用により、トランスファーロッドと背もたれブラケットとの間で相対移動し、トランスファーロッドの作用を受けて、上部背もたれ部が背もたれブラケットに対して前方に回転する。上部背もたれ部の下端が後方に移動し、背もたれブラケットに近づいて、上部背もたれ部と下部背もたれ部の間の角度を小さくし、背中を包み込む。
【0007】
従来の一つの背もたれが、上の部分と下の部分、つまり上部背もたれ部と下部背もたれ部に分かれている。そして、背もたれブラケットに対する上部背もたれ部の回転により、上部背もたれ部と下部背もたれ部との間の開閉動作が実現される。また、椅子の背もたれを後方に傾けると(つまり背もたれブラケットを後方に傾けると)、上部背もたれ部と背下部背もたれ部とが同時に相対的に回転し、両者の間の角度が小さくなるため、オフィスチェアは、レジャーチェアのような背もたれの曲がりで包み込む効果を得ることができる。この効果により、仰向けになった際に上部背もたれ部と下部背もたれ部による包み込まれるような感触が得られ、快適性が向上する。上部背もたれ部と背もたれブラケットの相対的な回転は、伝動装置とトランスファーロッドを介して達成され、伝動装置は、椅子の背もたれが後方に傾いているときにトランスファーロッドを駆動して背もたれブラケットに対して移動するように構成されている。トランスファーロッドは背もたれブラケットを迂回し、上部背もたれ部に単独に接続されている。トランスファーロッドと背もたれブラケットは相対移動するとき、上部背もたれ部が駆動され、同時に背もたれブラケットに対して移動することが出来る。独創的な設計と合理的な構造であり、レジャーチェアの背もたれの曲げと包み込み機能が連動機構により実現される。これにより、エアロッドの使用の問題が解決され、調節が迅速かつスムーズになり、効果が向上し、必要な体積が減り、コストが削減される。さらに、上記の解決策により、レジャーチェアの背もたれ調節機能をオフィスチェアに移植することができる。
【0008】
好ましくは、トランスファーロッドの下端は伝動装置に接続され、トランスファーロッドの上端は上部背もたれ部の下端に回転可能に接続され、トランスファーロッドと上部背もたれ部との間の回転接続点は、背もたれブラケットと上部背もたれ部との間の回転接続点の前方に位置する。下部背もたれ部の下端がトランスファーロッドに回転可能に接続され、下部背もたれ部の上端が上部背もたれ部の下端に回転可能に接続される。背もたれブラケットが後方に傾くと、トランスファーロッドの下端が前方に移動し、トランスファーロッドの上端が後方に移動し、上部背もたれ部の下端と下部背もたれ部の上端が後方に移動し背もたれブラケットに近づき、下部背もたれ部の下端が前方に移動し背もたれブラケットから離れる。トランスファーロッドと上部背もたれ部との回転接続点は、背もたれブラケットと上部背もたれ部との回転接続点よりも前方に位置している。2つの回転点の間には距離があるため、トランスファーロッドが背もたれブラケットに対して移動すると、上部背もたれ部が背もたれブラケットに対して回転するように駆動される。トランスファーロッドの動きにより、上部背もたれ部を駆動して背もたれブラケットに対して回転させるだけではなく、下部背もたれ部を駆動して背もたれブラケットに対して移動させることもできる。そして、下部背もたれ部の上端が背もたれブラケットに近く、下端が背もたれブラケットから離れているため、さらに椅子の背もたれの湾曲と開閉を実現することができる。
【0009】
好ましくは、トランスファーロッドは、メインロッドと、メインロッドの上端に位置する第1接続ロッドと、メインロッドの下端に位置する第2接続ロッドとを含み、第1接続ロッドと第2接続ロッドは共にメインロッドより前方に突出している。第1接続ロッドが上部背もたれ部の上端に接続され、第2接続ロッドが下部背もたれ部の下端に接続される。トランスファーロッドは単純な棒ではなく、F字に近い形となる。第1接続ロッドの目的は、上部背もたれ部と背もたれブラケットの接続点と上部背もたれ部とトランスファーロッドの接続点の間に間隔を形成する。第2接続ロッドの目的は、下部背もたれ部の下部をサポートし、下部背もたれ部と上部背もたれ部が、人体の背中に寄りかかるのに適度で連続したフィット面を形成する。
【0010】
好ましくは、第1接続ロッドはメインロッドと一体に形成され、第1接続ロッドはメインロッドに対して前上方に傾斜し、第2接続ロッドはメインロッドに回転可能に連結され、第2接続ロッドとメインロッドの回転範囲は、8~10°である。第2接続ロッドはメインロッドに回転可能に接続され、第2接続ロッドは下部背もたれ部にも回転可能に接続されているため、下部背もたれ部とメインロッドの間は柔軟であり、上部背もたれ部と下部背もたれ部の開閉動作に支障をきたすことがない。
【0011】
好ましくは、伝動装置は回転部材を含み、回転部材は背もたれブラケットに対して回転可能に設置され、トランスファーロッドは回転部材に回転可能に接続される。回転部材が背もたれブラケットに対して回転するとき、回転部材はトランスファーロッドを駆動して背もたれブラケットに対して移動するように構成される。回転部材も背もたれブラケットも回転し、トランスファーロッドは回転部材に接続されており、それにより、回転部材が回転すると、トランスファーロッドが背もたれブラケットに対して移動するように駆動される。この実装方法は独創的かつ簡単である。
【0012】
好ましくは、伝動装置は、第1連結ロッド、第2連結ロッド、中間シート、およびスイングロッドをさらに含む。中間シートは、背もたれブラケットに相対的に固定され、シャーシに対して背もたれブラケットと同期して回転する。第1連結ロッドの一端はシャーシに回転可能に接続され、第2連結ロッドの上端は第1接続ロッドの他端に回転可能に接続され、第2連結ロッドの下端は中間シートに回転可能に接続され、スイングロッドは第2連結ロッドの上端に回転可能に接続され、回転部材は中間シートに回転可能に取り付けられ、回転部材の前端はスイングロッドに回転可能に接続され、回転部材の後端はトランスファーロッドに回転可能に接続されている。背もたれブラケットが後方に傾くと、背もたれブラケットはシャーシに対して下方および後方に回転し、背もたれブラケットに固定されている中間シートも同期して回転し、これにより第2連結ロッドが駆動され、下方及び前方に移動する。第2連結ロッドが第1連結ロッドを駆動してシャーシに対して下方および後方に回転させる。同時に、スイングロッドが前方および下方に移動し、スイングロッドが回転部材を駆動し、中間シートに対して前方に回転し、それでさらにトランスファーロッドを駆動し、中間シート及び背もたれプラケットに対して移動する。伝動装置の具体的な構造と接続方法は、シャーシ、中間シート、第1連結ロッドおよび第2連結ロッドから構成される4つのロッド連動機構である。シャーシは相対的に静止した状態を保つ主支持体として構成されている。中間シートと第1連結ロッドがシャーシに対して回転すると、第2連結ロッドはほぼ垂直に保持する。椅子を後傾させる際の背もたれブラケットの後傾が伝動装置の動きを駆動し、椅子が後傾し、上部背もたれ部と下部背もたれ部が同時に湾曲して包み込まれる。
【0013】
好ましくは、中間シートは後方に延長され、連結ベースが付いている。連結ベースは中空であり、収容溝を形成する。回転部材は、収容溝内に配置され、回転軸を介して連結ベースに回転可能に連結される。連結ベースは上下方向に開いており、回転部材は連結ベースの収容溝に配置されており、トランスファーロッドの下端は収容溝に位置し、回転部材に回転可能に連結されており、連結ベースは、中間シート本体よりも後方に延伸しているため、トランスファーロッドの移動に余裕があり、トランスファーロッドが中間シートと干渉することはない。
【0014】
好ましくは、回転部材の形状は三角形である。その3つの角は、3つの回転接続点である。
【0015】
好ましくは、背もたれブラケットは、水平フレームと垂直フレームとを含むL字型フレーム構造であり、中間シートは、水平フレームに下から上に挿入され、ボルトによって接続される。中間シートと背もたれブラケットを挿入した後、完全性と美観を損なうことなく一体化された全体を形成する。別個に成形する目的は、2つの構造を簡素化し、型開きと製造コストを削減することである。
【0016】
好ましくは、シャーシはシートシェルおよびベースを含み、シートシェルはベースに固定的に接続され、中間シートおよび背もたれブラケットはシートシェルに回転可能に接続され、第1連結ロッドはベースに回転可能に接続される。シートシェルはベースの外側で覆われており、背もたれブラケットはシートシェルの外側に接続され、第1連結ロッドはシートシェル内部のベースに接続される。両者が衝突することなくシャーシに回転可能に接続することができる。前後方向にコンパクトで、同時に左右方向に互いに回避でき、スペース配置がより合理的である。
【0017】
好ましくは、下部背もたれ部はフレーム構造であり、上部背もたれ部は上部背もたれ部フレームと上部背もたれ部ブラケットとを含み、上部背もたれ部フレームと上部背もたれ部ブラケットは固定的に連結される。そして、上部背もたれ部フレームの下端は背もたれブラケットの上端に回転可能に接続される。
【0018】
好ましくは、上部背もたれ部ブラケットは前方に延びる第3連結ロッドを含み、第3連結ロッドは上部背もたれ部フレームに固定的に連結され、トランスファーロッドの上端に回転可能に連結される。トランスファーロッドと背もたれブラケットは共に上部背もたれ部の下端に回転可能に接続されている。第3連結ロッドにより、トランスファーロッドと上部背もたれ部との接続点と背もたれブラケットと上部背もたれ部との接続点が分離される。これにより、上部背もたれ部がトランスファーロッドの作用下で背もたれブラケットに対して回転できるようになる。
【発明の効果】
【0019】
上記の技術的解決策を採用した本発明の設計の出発点、概念、および有益な効果は次のとおりである。
【0020】
従来の一つの背もたれが、上の部分と下の部分、つまり上部背もたれ部と下部背もたれ部に分かれている。そして、背もたれブラケットに対する上部背もたれ部の回転により、上部背もたれ部と下部背もたれ部との間の開閉動作が実現される。また、椅子の背もたれを後方に傾けると(つまり背もたれブラケットを後方に傾けると)、上部背もたれ部と背下部背もたれ部とが同時に相対的に回転し、両者の間の角度が小さくなるため、オフィスチェアは、レジャーチェアのような背もたれの曲がりで包み込む効果を得ることができる。この効果により、仰向けになった際に上部背もたれ部と下部背もたれ部による包み込まれるような感触が得られ、快適性が向上する。上部背もたれ部と背もたれブラケットの相対的な回転は、伝動装置とトランスファーロッドを介して達成され、伝動装置は、椅子の背もたれが後方に傾いているときにトランスファーロッドを駆動して背もたれブラケットに対して移動するように構成されている。トランスファーロッドは背もたれブラケットを迂回し、上部背もたれ部に単独に接続されている。トランスファーロッドと背もたれブラケットは相対移動するとき、上部背もたれ部が駆動され、同時に背もたれブラケットに対して移動することが出来る。独創的な設計と合理的な構造であり、レジャーチェアの背もたれの曲げと包み込み機能が連動機構により実現される。これにより、エアロッドの使用の問題が解決され、調節が迅速かつスムーズになり、効果が向上し、必要な体積が減り、コストが削減される。さらに、上記の解決策により、レジャーチェアの背もたれ調節機能をオフィスチェアに移植することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態における椅子の背もたれが後傾していないときの椅子の立体構造を示す模式
図1である。
【
図2】本発明の実施形態における椅子の背もたれが後傾していないときの椅子の立体構造を示す模式
図2である。
【
図3】本発明の実施形態における椅子の背もたれが後傾していないときの椅子の立体構造を示す模式
図3である。
【
図4】本発明の実施形態における椅子の背もたれが後傾していないときの椅子の断面図である。
【
図5】本発明の実施形態における椅子の背もたれを後傾させたときの椅子の立体構造を示す模式
図1である。
【
図6】本発明の実施形態における椅子の背もたれを後傾させたときの椅子の立体構造を示す模式
図2である。
【
図7】本発明の実施形態における椅子の背もたれを後傾させたときの椅子の立体構造を示す模式
図3である。
【
図8】本発明の実施形態における椅子の背もたれを後傾させたときの椅子の断面図である。
【
図9】本発明の実施形態における椅子の背もたれが湾曲して包み込んだときの各部の動きを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の上記の目的、特徴および利点をより明確に理解するために、添付の図面および特定の実施形態を参照して、本発明を以下にさらに詳細に説明する。なお、矛盾しない限り、本願の実施形態および実施形態の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0023】
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載されるが、本発明はここで説明されるものとは異なる方法でも実施することができるので、本発明の保護範囲は、以下に開示する特定の実施形態によって限定されない。
【0024】
本発明の説明において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとして理解されるべきではない。
【0025】
本発明の具体的な実施形態は次のとおりである。
【0026】
図9に示すように、本発明は、上部背もたれ部1、下部背もたれ部2、背もたれブラケット3、およびシャーシ4を含む、快適性を向上させる椅子を提供する。背もたれブラケット3は、シャーシ4上に回転可能に配置され、上部背もたれ部1は背ブラケット3に回転可能に設置され、下部背もたれ部2は上部背もたれ部1に回転可能に接続されている。上部背もたれ部1とシャーシ4との間にはトランスファーロッド5および伝動装置も設置され、トランスファーロッド5の両端はそれぞれ上部背もたれ部1および伝動装置に回転可能に接続されている。背もたれブラケット3が後方に傾くと、トランスファーロッド5と背もたれブラケット3は伝動装置の作用により相対移動する。上部背もたれ部1は、トランスファーロッド5の作用により背もたれブラケット3に対して前方に回転し、上部背もたれ部1の下端が後方に傾け、背もたれブラケット3に近づいて移動する。上部背もたれ部1と下部背もたれ部2の角度を小さくし、背中を包み込むようになっている。
【0027】
従来の一つの背もたれが、上の部分と下の部分に分かれ、つまり、上部背もたれ部1と下部背もたれ部2に分割されている。そして、背もたれブラケット3に対する上部背もたれ部1の回転により、上部背もたれ部1と下部背もたれ部2との間の開閉動作が実現される。また、椅子の背もたれを後傾させると(つまり背もたれブラケット3を後傾させると)、上部背もたれ部1と下部背もたれ部2とが同時に相対的に回転し、両者のなす角度が小さくなり、オフィスチェアにもレジャーチェアのような背もたれの湾曲と包み込み効果が得られ、使用者は、仰向けになった際に、上部背もたれ部1と下部背もたれ部2とによる包み込まれるような感触を得ることができ、快適性が向上する。上部背もたれ部1と背もたれブラケット3の相対回転は、伝動装置とトランスファーロッド5を介して行われる。伝動装置は、椅子の背もたれを後方に傾けたときにトランスファーロッド5を駆動して背もたれブラケット3に対して移動させるように構成されており、トランスファーロッド5は背もたれブラケット3を迂回して独立して上部背もたれ部1に接続される。そのため、トランスファーロッド5と背もたれブラケット3は相対移動するとき、上部背もたれ部1を同期して駆動して背もたれブラケット3に対して移動させることができる。独創的な設計と合理的な構造であり、レジャーチェアの背もたれの曲げと包み込み機能が連動機構により実現される。これにより、エアロッドの使用の問題が解決され、調節が迅速かつスムーズになり、効果が向上し、必要な体積が減り、コストが削減される。さらに、上記の解決策により、レジャーチェアの背もたれ調節機能をオフィスチェアに移植することができる。
【0028】
椅子の背もたれを曲げて包み込む機能のメカニズムは、まず椅子の背もたれを上部と下部の2つの部分に分割し、背もたれの上部と下部に開閉機能を与える。さらに開閉機能はトランスファーロッド5が駆動した上部背もたれ部1により実現され、したがって、トランスファーロッド5は背もたれブラケット3と相対移動が可能である。もっとさらに、伝動装置の連結ロッド組立部材の駆動により、トランスファーロッド5は背もたれブラケット3と相対移動になる。具体的には以下となる。
【0029】
図1~
図3および
図5~
図7に示すように、従来の椅子の背もたれは、上部背もたれ部1と下部背もたれ部2に分かれている。上部背もたれ部1は、上部背もたれ部フレーム101と上部背もたれ部ブラケット102を含む。上部背もたれ部フレーム101はフレーム型構造であり、上部背もたれ部フレーム101の上端と上部背もたれ部ブラケット102の上端とは差し込まれた後にネジによって接続され、上部背もたれ部フレーム101の下端と上部背もたれ部ブラケット102の下端も互いに差し込まれ、したがって、これら2つが互いに固定的に接続され、さらに、上部背もたれ部ブラケット102は前方に延びる第3接続ロッド103を含み、第3接続ロッド103は、上部背もたれ部ブラケット102の下端に位置する。第3連結ロッド103は、前方かつ下方に傾斜しており、その前端が上部背もたれ部フレーム101に接続され、その後端が上部背もたれ部ブラケット102の下端に接続されている。背もたれブラケット3は、上部背もたれ部ブラケット102の下端に回転可能に接続されており、第3接続ロッド103は、上部背もたれ部フレーム101の下端と背もたれブラケット3との間の距離を増加させる。下部背もたれ部2はフレーム構造であり、下部背もたれ部2の上端は上部背もたれ部フレーム101の下端に回転可能に接続されており、両者は左右の軸を中心に相対的に回転し、開閉動作を実現する。
【0030】
上部背もたれ部1と下部背もたれ部2の開閉動作は、トランスファーロッド5によって駆動される必要がある。トランスファーロッド5の下端は伝動装置に接続され、トランスファーロッド5の上端は上部背もたれ部1の下端に接続されている。さらに、トランスファーロッド5と上部背もたれ部1との回転接続点は、背もたれブラケット3と上部背もたれ部1との回転接続点よりも前方に位置する。具体的には、第3連結ロッド103の前端に上部背もたれ部フレーム101の下端が差し込まれて接続され、同時に、この位置にトランスファーロッド5の上端も挿入されて、回転軸を通じて上部背もたれ部1に回転可能に連結されている。トランスファーロッド5の上端の前後の第3連結ロッド103には、トランスファーロッド5の回転のためのスペースを提供する隙間が設けられている。第3連結ロッド103は、上部背もたれ部フレーム101の下端と背もたれブラケット3との間の距離を増加させるため、2つの回転連結点の間に距離が存在する。トランスファーロッド5と背もたれブラケット3は両方とも、上部背もたれ部1の下端に回転可能に接続されている。トランスファーロッド5と上部背もたれ部1との接続点と、背もたれブラケット3と上部背もたれ部1との接続点は、第3連結ロッド103を介して分離されている。したがって、トランスファーロッド5の作用により、上部背もたれ部1は背もたれブラケット3に対して相対的に回転することができる。すなわち、上部背もたれ部1と背もたれブラケット3とは、左右方向の軸を中心として相対回転可能である。
【0031】
下部背もたれ部2の下端は伝トランスファーロッド5に回動可能に連結され、下部背もたれ部2の上端は上部背もたれ部1の下端に回動可能に連結されている。背もたれブラケット3が後傾すると、トランスファーロッド5の下端が前方に移動し、トランスファーロッド5の上端が後方に移動し、上部背もたれ部1の下端と下部背もたれ部2の上端は後方に移動し背もたれブラケット3に接近し、下部背もたれ部2の下端は前方に移動し背もたれブラケット3から遠ざかる。トランスファーロッド5と上部背もたれ部1との回転接続点は、背もたれブラケット3と上部背もたれ部1との回転接続点よりも前方に位置しており、2つの回転点間に距離がある。そのため、トランスファーロッド5は、背もたれブラケット3と相対移動するとき、上部背もたれ部1を駆動して背もたれブラケット3に対して回転させることができる。逆に2つの接続点が同じ場所にある場合、トランスファーロッド5は、上部背もたれ部1を背もたれブラケット3に対して回転させることができない。トランスファーロッド5は、上部背もたれ部1を駆動して背もたれブラケット3に対して回転させるほか、また、下部背もたれ部2を駆動して背もたれブラケット3に対して移動させることができる。そして、下部背もたれ部2の上端は背もたれブラケット3に接近し、その下端は背もたれブラケット3から遠ざかり、これにより、さらに椅子の背もたれの湾曲と開閉を実現することができる。
【0032】
また、
図4及び
図8に示すように、トランスファーロッド5は、メインロッド51と、メインロッド51の上端部の第1接続ロード52と、メインロッド51の下端部の第2接続ロッド53とを備えている。第1接続ロッド52と第2接続ロッド53は両方ともメインロッド51から前方に突出し、第1接続ロッド52は上部背もたれ部1の上端に接続され、第2接続ロッドは下部背もたれ部2の下端に接続されている。トランスファーロッドは単純な棒ではなく、F字に近い形となる。第1接続ロッド52の目的は、第3接続ロッド103の前端に回転可能に接続されることである。両者が協働して、上部背もたれ部1と背もたれブラケット3の接続点と上部背もたれ部1とトランスファーロッド5の接続点の間に間隔を形成する。第2連結ロッド53の目的は、下部背もたれ部の下部をサポートし、下部背もたれ部と上部背もたれ部が、人体の背中に寄りかかるのに適度で連続したフィット面を形成する。第1接続ロッド52は、メインロッド51と一体に形成されており、メインロッド51に対して前上方に傾斜している。第2接続ロッド53は、メインロッド51に対して回転可能に連結されており、第2接続ロッド53とメインロッド51の回転範囲は8~10°である。また、第2の接続ロッド53はメインロッド51に回転可能に接続されており、下部背もたれ部2にも回転可能に接続されている。下部背もたれ部2およびメインロッド51との間はより柔軟であり、上部背もたれ部1と下部背もたれ部2が開閉する際に支障をきたすことはない。
【0033】
伝動装置には、背もたれブラケット3に対してトランスファーロッド5を回転駆動することができロッド、様々な選択肢が可能あるが、本実施形態では、背もたれの曲げと包み込み機能をオフィスチェアに移植するこれは解決すべき大きな問題であるため、単純かつ独創的な構造が好ましい。伝動装置は、回転部材6を含む。回転部材6は、背もたれブラケット3に対して回転可能に設置される。トランスファーロッド5は、回転部材6に回転可能に接続される。回転部6は、回転部6が背もたれブラケット3に対して回転するとき、トランスファーロッド5を駆動して背もたれブラケット3に対して移動するように配置されている。具体的に以下に説明する。
【0034】
図1~
図9に示すように、伝動装置は、第1連結ロッド7、第2連結ロッド8、中間シート9、スイングロッド10および回転部材6を含む。中間シート9は背もたれブラケット3に固定的に接続され、中間シート9と背もたれブラケット3とともにシャーシ4に回転可能に接続される。第1連結ロッド7の一端はシャーシ4に回転可能に接続され、第2連結ロッド8の上端は第1連結ロッド7の他端に回転可能に接続され、第2連結ロッド8の下端は中間シート9に回転可能に連結されている。シャーシ4、中間シート9、第1連結ロッド7および第2連結ロッド8により4つのロッド連動機構が形成されている。シャーシ4は相対的に静止した状態を保つ主支持体として構成されている。中間シート9と第1連結ロッド7がシャーシ4に対して回転するとき、第2連結ロッド8はほぼ垂直に保持する。スイングロッド10は第2連結ロッド8の上端に回転可能に接続され、回転部材6は中間シート9上に回転可能に配置され、回転部材6の前端はスイングロッド10に回転可能に連結され、回転部材6の後端はトランスファーロッド5に回転可能に連結されている。椅子の背もたれが後傾すると、背もたれブラケット3がシャーシ4に対して下方かつ後方に回転し、背もたれブラケット3に固定された中間シート9も同期して回転し、第2連結ロッド8が下方および前方に移動するように駆動される。第2連結ロッド8は、第1連結ロッド7をシャーシ4に対して下方及び後方に回転させるとともに、スイングロッド10を駆動して前方及び下方に移動させる。スイングロッド10は、回転部材6を駆動して中間シート9に対して前方に回転する。それによって、トランスファーロッド5を駆動して中間シート9および背もたれブラケット3に対して相対移動させる。伝動装置の各ロッドの動きは、椅子を後傾させたときの背もたれブラケット3の後傾によって駆動される。人体が仰向けになった際に、背もたれブラケット3の動きにより伝動装置内の各連結ロッドの連動が実現される。椅子の背もたれの傾斜と背もたれの上部と下部の湾曲と包み込みが同時に実行され、動きがスムーズになり、使用感がより快適である。
【0035】
シャーシ4、中間シート9、第1連結ロッド7、第2連結ロッド8からなる4つのロッド連動機構は、その連結点位置及び連結点間の距離の配置により、第2連結ロッド8は移動中ほぼ垂直に保たれるため、第2連結ロッド8はスイングロッド10を駆動する役割を果たす。
【0036】
回転部材6の形状は三角形であり、その3つの角がちょうど3つの回転接続点であり、回転部材6の上端が中間シート9に回転可能に接続され、回転部材6の前端はスイングロッド10の後端に回転連結され、回転部材6の後端はトランスファーロッド5の下端に回転連結されている。中間シート9は後方に延長され、連結ベース91が付いている。連結ベース91は中空であり、収容溝92を形成する。回転部材6は、収容溝92内に配置され、回転軸93を介して連結ベース91に回転可能に連結されている。連結ベース91は上下方向に開いており、回転部材6は連結ベース91の収容溝92に配置されており、トランスファーロッド5の下端は収容溝92に位置し、回転部材6に回転可能に連結されており、連結ベース91は、中間シート9本体よりも後方に延伸しているため、トランスファーロッド5の移動に余裕があり、トランスファーロッド5が中間シート9と干渉することはない。
【0037】
背もたれブラケット3は、水平フレーム31と垂直フレーム32とを含むL字型フレーム構造である。中間シート9は、水平フレーム31に下から上に挿入され、ボルトによって接続される。中間シート9と背もたれブラケット3を挿入した後、完全性と美観を損なうことなく一体化された全体を形成する。別個に成形する目的は、2つの構造を簡素化し、型開きと製造コストを削減することである。
【0038】
シャーシ4は、シートシェル41およびベース42を含む。シートシェル41は、ベース42に固定的に接続される。中間シート9および背もたれブラケット3は、両方ともシートシェル41に回転可能に接続される。第1連結ロッド7はベース42に回転可能に接続されている。シートシェル41はベース42の外側で覆われており、背もたれブラケット3はシートシェル41の外側に接続され、第1連結ロッド7はシートシェル41内部のベース42に接続される。両者が衝突することなくシャーシ4に回転可能に接続することができる。前後方向にコンパクトで、同時に左右方向に互いに回避でき、スペース配置がより合理的である。
【符号の説明】
【0039】
上部背もたれ部 1;
上部背もたれ部フレーム 101;
上部背もたれ部ブラケット 102;
第3連結ロッド 103;
下部背もたれ部 2;
背もたれブラケット 3;
水平フレーム 31;
垂直フレーム 32;
シャーシ 4;
シートシェル 41;
ベース 42;
トランスファーロッド 5;
メインロッド 51;
第1接続ロッド 52;
第2接続ロッド 53;
回転部材 6;
第1連結ロッド 7;
第2連結ロッド 8;
中間シート 9;
連結ベース 91;
収容溝 92;
回転軸 93;
スイングロッド 10