(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174869
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】複数の回転式コンベアのカートリッジベースの分注システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/10 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G01N35/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024135119
(22)【出願日】2024-08-13
(62)【分割の表示】P 2021532099の分割
【原出願日】2019-12-03
(31)【優先権主張番号】62/775,030
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513165469
【氏名又は名称】ビーディー キエストラ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】ウィルシャー,マイケル・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャウエット,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】グラッドウィン,ロイ・ノーマン
(72)【発明者】
【氏名】ホロビン,マーク・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ケニス・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴンソン,ダンカン
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ティモシー・ロイ
(72)【発明者】
【氏名】シーク,ヨハネス・ウィナンド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動化された実験室環境において目標の試験培地に試薬を選択して分注するカートリッジベースの分注システム及び方法の提供。
【解決手段】本発明は、セントラルターンテーブル上に回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアを利用する。セントラルターンテーブルの位置、及び各回転式コンベアの回転は、マイクロプロセッサベースの制御システムによって制御される。特定の試薬を貯蔵及び分注可能な複数の分注器は、各回転式コンベアの周囲に取り付けられている。検査培地は、1つ以上のローディングステーションに配置されている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを含む制御システムと、
前記制御システムから受信したコマンドに応答してそれぞれ配置可能な、回転可能に取
り付けられたセントラルターンテーブルと、
前記制御システムから受信したコマンドに応答して配置可能な、前記回転可能に取り付
けられたセントラルテーブルに回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアと、
前記複数の回転式コンベアの周囲に取り付けられた複数の分注カートリッジと、
を備え、
分注カートリッジの機械的な作動によって、前記作動した分注カートリッジ内に含まれ
る所定の試薬を分注する、
試薬分注システム。
【請求項2】
前記制御システムから受信したコマンドに応じて、前記複数の分注カートリッジの少な
くとも1つを作動させるように適合された機械式アクチュエータを更に備えた、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項3】
前記所定の試薬はディスクであって、
ディスクリザーバが前記分注カートリッジに保持された、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項4】
前記ディスクは、垂直プランジャを介して分注される、
請求項3に記載の試薬分注システム。
【請求項5】
前記垂直プランジャは、回転カムによって作動され、
前記回転カムは、前記制御システムから受信したコマンドに応答する、
請求項4に記載の試薬分注システム。
【請求項6】
前記垂直プランジャを収容するプランジャアセンブリを更に備え、
前記プランジャアセンブリは、前記垂直プランジャを作動させる前に、分注対象の前記
ディスク上の培養培地に近づく、
請求項5に記載の試薬分注システム。
【請求項7】
前記所定の試薬は、検査培地の表面に分注される、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項8】
前記検査培地は、プレートに含まれる、
請求項7に記載の試薬分注システム。
【請求項9】
前記制御システムと通信して、前記検査培地の表面を走査して測定するように適合され
た近接センサを更に備えた、
請求項7に記載の試薬分注システム。
【請求項10】
前記近接センサは、超音波センサを含む、
請求項9に記載の試薬分注システム。
【請求項11】
各ディスクリザーバは、当該ディスクリザーバに貼り付けられた機械可読識別ラベルを
有し、
前記制御システムと通信して、前記機械可読識別ラベルを読み取るように適合された少
なくとも1つの光学センサを更に備え、
前記制御システムのメモリには、(a)前記機械可読識別ラベルを有する前記分注カー
トリッジ内に含まれる試薬のタイプ、又は(b)前記ラベル付けされた分注カートリッジ
内で分注するのに利用可能な試薬の量、の少なくとの1つに各機械可読識別ラベルを関連
付ける情報が含まれる、
請求項3に記載の試薬分注システム。
【請求項12】
前記機械可読識別ラベルは、バーコードを含み、
前記少なくとも1つの光学センサは、バーコードリーダである、
請求項11に記載の試薬分注システム。
【請求項13】
前記プレートは、当該プレートに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し、
前記制御システムと通信して、前記機械可読識別ラベルを読み取るように適合された少
なくとも1つの光学センサを更に備え、
前記制御システムのメモリには、(a)前記プレートに含まれる検査培地のタイプ、(
b)前記検査培地上に分注された試薬のタイプ、(c)試薬が分注された前記検査培地上
の位置、(d)前記検査培地上に分注される追加の試薬のタイプ、又は(e)追加の試薬
を分注するのに利用可能な前記検査培地上の位置、の少なくとも1つに前記機械可読識別
ラベルを関連付ける情報が含まれる、
請求項8に記載の試薬分注システム。
【請求項14】
前記機械可読識別ラベルは、バーコードを含み、
前記少なくとも1つの光学センサは、バーコードリーダである、
請求項13に記載の試薬分注システム。
【請求項15】
少なくとも2つの回転式コンベアが同心に取り付けられた、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項16】
プロセッサ及びメモリを含む制御システムと、前記制御システムから受信したコマンド
に応答して配置可能な、回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルと、前記制
御システムから受信したコマンドに応答して個別に配置可能な、前記回転可能に取り付け
られたセントラルターンテーブルに回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアと、
前記複数の回転式コンベアのそれぞれの周囲に取り付けられた複数の分注カートリッジと
、培養プレートによって保持される少なくとも1つの検査培地と、を備え、分注カートリ
ッジの機械的な作動によって、前記作動した分注カートリッジ内に含まれる所定量の試薬
を分注するシステムにおいて試薬を自動的に分注する方法であって、
前記回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルを配置して、前記少なくとも
1つの検査培地に近接した位置に選択された回転式コンベアを配置するステップと、
前記選択された回転式コンベアを回転させて、前記少なくとも1つの検査培地上に所定
量の試薬を分注する位置に選択された分注カートリッジを配置するステップと、
前記選択された分注カートリッジを作動させて、前記検査培地上に前記所定量の試薬を
分注するステップと、
を備えた方法。
【請求項17】
前記所定量の試薬は、前記分注カートリッジのディスクリザーバに保持されたディスク
である、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記選択された分注カートリッジを作動させて、垂直プランジャを介して前記ディスク
を分注する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
カムが前記選択された分注カートリッジを作動させる、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記検査培地は、プレートに含まれる、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記検査培地の表面を近接センサで評価するステップを更に備えた、
請求項16に記載の方法。
【請求項22】
各分注カートリッジは、当該分注カートリッジに関連付けられた機械可読識別ラベルを
有し、
光学センサで前記機械可読識別ラベルを読み取るステップと、
前記制御システムの前記メモリから読み取った前記機械可読識別ラベルに関連付けられ
たデータをアクセスするステップと、
を更に備え、
前記アクセスされたデータは、(a)前記分注カートリッジに貼り付けられた前記機械
可読識別ラベルを有する前記分注カートリッジ内に含まれる試薬のタイプ、又は(b)前
記分注カートリッジに貼り付けられた前記機械可読識別ラベルを有する前記分注カートリ
ッジ内で利用可能な試薬の量の少なくとも1つを示す、
請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記培養プレートは、当該培養プレートに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し、
光学センサで前記機械可読識別ラベルを読み取るステップと、
前記制御システムの前記メモリから読み取った前記機械可読識別ラベルに関連付けられ
たデータをアクセスするステップと、
を更に備え、
前記アクセスされたデータは、(a)前記培養プレートに含まれる検査培地のタイプ、
(b)前記検査培地上に分注された試薬のタイプ、(c)試薬が分注された前記検査培地
の位置、(d)オプションとして、前記検査培地上に分注された追加試薬のタイプ、又は
(e)オプションとして、追加試薬の分注に利用可能な前記検査培地上の位置、の少なく
とも1つを示す、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年12月4日に出願された米国仮出願第62/775,030号か
らの優先権を主張し、これを参照することで本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
自動化された実験室環境で様々な試薬の有効性を検査するには、指定された1つ以上の
培地又は検査容器(プレート又はペトリ皿など)内の検査培地上の正確な所定位置に、正
確な分量の選択された1つ以上の試薬を一貫して導入可能なシステムが必要である。例え
ば、ペトリ皿に保持された接種済の寒天培養培地上に抗生物質のディスクを自動的に分注
するシステム及び方法は、当技術分野で知られている。このようなシステムは、一般的に
、可動プラットフォーム上に取り付けられた複数のディスクの分注器、及び目標のペトリ
皿が置かれている特定のローディング領域を使用する。プラットフォームを移動させて、
ペトリ皿の特定領域の上方又はその近傍に、特定の抗生物質が含侵されたディスクを含む
選択された分注器を配置し、ディスクが分注される。その後、可動プラットフォームを再
配置して、第2のタイプの抗生物質のディスクを含む分注器をペトリ皿に対応した位置に
移動させることができる。そして、この第2の抗生物質のディスクをペトリ皿に分注する
ことができる。その次のディスクを所定距離隔てて分注するようにペトリ皿を分注前に再
配置して、隣接する微生物のコロニーからの干渉なしに、異なる微生物との抗菌相互作用
が起こって観察される領域を明瞭にすることができる。システムは、ペトリ皿内のいくつ
かの所定位置にディスクを分注し続けることができる。
【0003】
そのようなシステムの適応性を最大化するために、プレート上に分注するのに利用可能
な多種多様な抗生物質のディスクを有することが望ましい。システムによって分注される
様々な抗生物質間の相互汚染を防ぐために、同じ分注器内に複数の抗生物質を配置するこ
とは容認できない。従って、分注される抗生物質の個々のタイプごとに、可動プラットフ
ォーム上に異なる分注器を取り付ける必要がある。その結果、従来技術のシステムは、そ
のような分注器によって分注される微生物のディスクを受けるために、培養プレートの上
方に正確かつ選択的に配置することができる可動プラットフォーム上、又は培養プレート
を分注器に整列させる培養プレート支持体上に合理的に取り付けることができる分注器の
個数について、機械的な制約によって制限されていた。セントラルハブの周りに回転する
ことができる回転式コンベアの周囲に分注器を取り付けて、回転式コンベアの周囲に配置
された容器の上方に特定の分注器を配置する、様々な装置が提案されてきた。例えば、米
国特許第8,996,163号、「ディスク分注装置、そのようなディスク分注装置を使
用した管状容器、及びディスクを分注する方法」、及び米国特許第9,557,343号
、「ディスク分注装置、そのようなディスク分注装置を使用した管状容器、及びディスク
を分注する方法」を参照されたい。これらの両方は、BD Kiestra B.Vに譲
渡されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、分注器の個数が増えると、そのような単一の回転式コンベアベースのシ
ステムは、ますます多くの分注器を取り付けるために回転式コンベアの直径が大きくなる
ので、非常に大きくなるおそれがある。大きな物理的な設置面積を有する検査機器は、一
般的に、商業的なサンプル検査所の管理された環境であって、通常ではスペースが制限さ
れた環境では望ましくない。また、大径の回転式コンベアに搭載された分注器を使用する
結果、回転式コンベアを回転させて特定の抗生物質を分注するのに必要な平均時間は、回
転式コンベアが回転することができる角速度が同じであると仮定すると、小径の回転式コ
ンベアよりも長くなる。これによって、システムのスループットが低下する。さらに、回
転式コンベアのサイズが大きくなると、その質量も大きくなるおそれがあり、より強力な
駆動機構が必要となって、システムのコストが高くなってしまう。このため、単一の回転
式コンベアでは、達成可能なカートリッジ式の分注器の密度が制限されてしまう。また、
大きな回転式コンベアは、取り扱い、保管及び清掃がより大変である。
【0005】
従って、選択された分注器が迅速かつ正確に配置されて、小さな設置面積内で検査培地
上に選択された試薬を分注する、異なる専用の分注器から種々様々な試薬を分注する改良
された検査システム及び方法を提供する必要がある。この機能は、試薬が分注されるスル
ープットに悪影響を与えずに達成する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自動化された実験室環境において、試薬を選択して目標の検査培地上に分注
する、改良されたシステム及び方法を提供する。本発明は、セントラルターンテーブル上
に回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアを利用する。セントラルターンテーブ
ルの位置、及び各回転式コンベアの回転は、マイクロプロセッサベースの制御システムに
よって制御される。特定の試薬を貯蔵及び分注可能な複数の分注器は、各回転式コンベア
の周囲に取り付けられている。検査培地は、1つ以上のローディングステーションに配置
されている。制御システムは、複数の回転式コンベアの中から選択された1つの回転式コ
ンベアが回転できる位置にセントラルターンテーブルを向けて、検査培地の上方に選択さ
れた分注器を配置する。そして、選択された分注器を作動させて、検査培地上、抗菌の場
合には含侵ディクス上に所定量の試薬を放出する。本発明は、単一又は複数の培養培地を
含む培養プレート上に、関連する分注器から複数の試薬が同時に分注できるように実装す
ることができる。適切な検査培地の一例は、培養培地である。プレート状の培養培地は、
当技術分野の当業者にとって周知であり、本明細書では詳細に説明しない。培養培地及び
検査培地は、本明細書では交換可能に使用される。これらの同時に作動する分注器のそれ
ぞれは、1つ以上のローディングステーションに配置された目標の培養培地(複数も可能
)の上方に配置される。
【0007】
試薬分注システムの1つの実施形態は、プロセッサ及びメモリを含む制御システムを有
している。システムは、制御システムから受信したコマンドに応答して配置可能な、回転
可能に取り付けられたセントラルターンテーブルを有している。システムはまた、制御シ
ステムから受信したコマンドに応答してそれぞれが配置可能な、回転可能に取り付けられ
たセントラルターンテーブル上に回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアを有し
ている。システムは、複数の回転式コンベアの周囲に取り付けられた複数の分注カートリ
ッジを更に含んでいる。分注カートリッジの機械的な作動によって、作動した分注カート
リッジ内に含まれる所定の試薬を分注する。オプションとして、機械式アクチュエータは
、制御システムから受信したコマンドに応じて複数の分注カートリッジの少なくとも1つ
を作動させるように適合されている。
【0008】
所定の試薬の一例は、ディスクである。オプションとして、垂直プランジャを使用して
、カートリッジからディスクが分注される。オプションとして、垂直プランジャは、回転
カムによって作動され、回転カムは、制御システムから受信したコマンドに応答する。
【0009】
オプションとして、試薬分注システムは、垂直プランジャを収容するプランジャアセン
ブリを更に含んでいる。プランジャアセンブリは、垂直プランジャが作動する前に、分注
対象のディスク上の培地に近づくことができる。
【0010】
作動中、所定の試薬は、検査培地の表面上に分注される。検査培地は、一般的に、培養
プレートに分注される培養培地である。試薬分注システムは、オプションとして、制御シ
ステムと通信して、検査培地の表面を走査して測定するように適合された近接センサを有
している。近接センサの一例は、超音波センサである。
【0011】
作動中、ディスクリザーバは、分注カートリッジに配置される。ディスクリザーバは、
これに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有している。システムは、制御システムと通
信して、機械可読識別ラベルを読み取るように適合された、少なくとも1つの光学センサ
を有している。制御システムのメモリには、(a)分注カートリッジ(及びこれに保持さ
れるディスクリザーバ)内に含まれる試薬のタイプ、又は(b)機械可読ラベル付き分注
カートリッジ内で分注に利用可能な試薬の量、の少なくとも1つに各機械可読識別ラベル
を関連付ける情報が含まれている。機械可読識別ラベルは、一般的に、バーコードであり
、少なくとも1つの光学センサは、バーコードリーダである。
【0012】
培養プレートは、オプションとして、これに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し
ている。システムは、制御システムと通信して、機械可読識別ラベルを読み取るように適
合された、少なくとも1つの光学センサを更に有している。制御システムのメモリには、
(a)プレートに含まれる検査培地のタイプ、(b)検査培地上に分注された試薬のタイ
プ、(c)試薬が分注された検査培地上の位置、(d)検査培地上に分注された任意の追
加試薬のタイプ、又は(e)検査培地上に追加試薬を分注するのに利用可能な検査培地上
の位置、の少なくとも1つに機械可読識別ラベルを関連付ける情報が含まれている。この
場合も、機械可読識別ラベルは、一般的に、バーコードが付いており、少なくとも1つの
光学センサは、バーコードリーダである。
【0013】
オプションとして、少なくとも2つの回転式コンベアが、同心に取り付けられている。
【0014】
本明細書にはまた、システム内の試薬を自動的に分注する方法が説明されている。シス
テムは、プロセッサ及びメモリを含む制御システムを含んでいる。システムはまた、制御
システムから受信したコマンドに応答して配置可能な、回転可能に取り付けられたセント
ラルターンテーブルを含んでいる。システムはまた、制御システムから受信したコマンド
に応答してそれぞれ個別に配置可能な、回転可能に取り付けられたセントラルターンテー
ブル上に回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアを含んでいる。システムは、複
数の回転式コンベアのそれぞれの周囲に取り付けられた、複数の分注カートリッジを更に
含んでいる。分注カートリッジの機械的な作動によって、作動した分注カートリッジ内に
含まれる所定量の試薬を分注する。システムはまた、培養プレートによって保持される、
少なくとも1つの検査培地(例えば、培養培地)を含んでいる。
【0015】
本明細書に記載の方法によれば、回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブル
を配置させて、少なくとも1つの検査培地に近接した位置に、選択された回転式コンベア
を配置する。選択された回転式コンベアを回転させて、少なくとも1つの検査培地上に所
定量の試薬を分注する位置に、選択された分注カートリッジを配置する。選択された分注
カートリッジを作動させて、検査培地上に所定量の試薬を分注する。
【0016】
オプションとして、所定量の試薬はディスクである。ディスクは、ディスクリザーバと
しての分注カートリッジに供給される。選択された分注カートリッジを作動させると、デ
ィスクが、垂直プランジャを介して分注される。オプションとして、カムが、選択された
分注カートリッジを作動させる。上記のように、検査培地の一例は、培養プレートによっ
て保持される培養培地である。オプションとして、検査培地の表面は、表面上のディクス
の分注について、近接センサで評価される。
【0017】
オプションとして、各分注カートリッジは、これに関連付けられた機械可読識別ラベル
を有している。オプションとして、機械可読識別ラベルは、分注カートリッジに保持され
たディスクの分注器によって搬送(carry)される。機械可読識別ラベルは、光学センサ
で読み取られる。読み取られた機械可読識別ラベルに関連付けられたデータは、制御シス
テムのメモリからアクセスされる。アクセスされたデータは、(a)分注カートリッジに
貼り付けられた機械可読識別ラベルを有する分注カートリッジのタイプ、又は(b)分注
カートリッジに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有する分注カートリッジ内で利用可
能な試薬の量、の少なくとも1つを示している。
【0018】
オプションとして、培養プレートは、これに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し
ている。この方法によれば、機械可読識別ラベルは、光学センサで読み取られる。読み取
られたラベルに関連付けられたデータは、制御システムのメモリからアクセスされる。ア
クセスされたデータは、(a)培養プレートに含まれる検査培地又は培養培地のタイプ、
(b)検査培地上に分注された試薬のタイプ、(c)試薬が分注された検査培地上の位置
、(d)オプションとして、検査培地上に分注される追加試薬のタイプ、又は(e)オプ
ションとして、追加試薬の分注に利用可能な検査培地上の位置、の少なくとも1つを示し
ている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面に
関してより理解できるであろう。
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態による4つの回転式コンベアのカートリッジベースの分注システムの斜視図である。
【
図2A】分注器を準備するように配置された、
図1の4つの回転式コンベアのカートリッジベースの分注システムの上面図である。
【
図2B】試薬ディスクを分注するように配置された、
図1の4つの回転式コンベアのカートリッジベースの分注システムの上面図である。
【
図3A】
図1の複数の回転式コンベアのカートリッジベースの分注システムを利用した、試薬ディスク分注カートリッジの斜視図である。
【
図3B】複合カムの側面図、正面図及び断面図である。
【
図3C】準備されていない状態における、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの部分的な断面の斜視図である。
【
図3D】準備中の処理における、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの部分的な断面の斜視図である。
【
図3E】準備された状態における、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの部分的な断面の斜視図である。
【
図3F】アウターカムによって係合された、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの部分的な断面の斜視図である。
【
図3G】複合カムによって完全に係合された、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの部分的な断面の斜視図である。
【
図4A】複合カムと係合する前の、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの側面図である。
【
図4B】アウターカムによって部分的に係合された、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの側面図である。
【
図4C】複合カムによって完全に係合された、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの側面図である。
【
図4D】複合カムと係合した後の、
図3Aの試薬ディスク分注カートリッジの側面図である。
【
図5】X形状のセントラルターンテーブルを利用した、4つの回転式コンベアのカートリッジベースの試薬ディスク分注システムの上面図である。
【
図6A】本発明の代替的な実施形態による、5つの回転式コンベアのカートリッジベースの試薬ディスク分注システムの上面図である。
【
図6B】本発明の代替的な実施形態による、2つの回転式コンベアのカートリッジベースの試薬ディスク分注システムの上面図である。
【
図7A】本発明の代替的な実施形態による、同心に配置された2つの回転式コンベアのカートリッジベースの試薬ディスク分注システムの上面図である。
【
図7B】本発明による、代替的な同心に配置された2つの回転式コンベアのカートリッジベースの試薬ディスク分注システムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用される「ターンテーブル」という用語は、回転式コンベア102,10
4,106などの回転可能な支持体を説明するために使用される。本明細書で使用される
この用語は、ターンテーブルが円形であることを必要とすることを意味していない。実際
のところ、本明細書で説明するように、ターンテーブルの幾何学的形状は、主として設計
上の選択事項である。ターンテーブルを使用して回転式コンベアを必要な位置に搬送し、
回転式コンベアが選択された試薬ディスク分注カートリッジを培養プレートと整合させて
、選択された試薬ディスク分注カートリッジが選択された培養プレートの位置上にディス
クを分注することができるようにする。
【0022】
図1は、本発明の4つの回転式コンベアの実施形態の部分的な斜視図を示している。図
示するように、回転式コンベア102,104,106及び108は、セントラルターン
テーブル110の上に回転可能に取り付けられている。これらの回転式コンベアのそれぞ
れは、センターハブ111,112,114及び116の周りに、時計回り又は反時計回
りの方向に夫々回転するように構成されている。この回転は、マイクロプロセッサベース
の制御システム(117)から受信した制御信号に応答する。各回転式コンベアのこの回
転は、当技術分野の当業者に周知の任意の従来機構によって駆動することができる。一例
としては、ベルト、ギア、又は当技術分野で知られている他の同様な伝達装置のシステム
を介して、セントラルターンテーブルの上に取り付けられたサーボモータ又はステッピン
グモータであり、そのようなモータによって駆動することができる。そのような機構は当
技術分野で周知であり、本明細書では詳細に説明しない。同様に、セントラルターンテー
ブル118は、マイクロプロセッサベースの制御システムからの制御信号に応答して、ダ
イレクトドライブ又は変速機に連結された電気モータシステムによって、センターハブ1
20の周りに時計回り又は反時計回りに回転するように構成されている。回転可能なプレ
ートは、マイクロプロセッサベースの制御システムからの制御信号に応答して、ダイレク
トドライブ又は変速機に連結された電気モータシステムによってセンターハブを配置する
。そのようなマイクロプロセッサシステムは、プロセッサ119、メモリ121、様々な
センサ(光学センサ、超音波センサなど)、モータコントローラ、及びユーザインターフ
ェースを含んでいる。
【0023】
この実施形態の各回転式コンベアは、32個の放射状に取り付けられた、着脱可能な試
薬の分注器を有している。
図1では、視覚的な明瞭さの理由から、限定数の分注器のグル
ープ(130,132,134及び138)が、4つの回転式コンベア(102,104
,106及び108)のそれぞれに示されている。
図2は、
図1のカートリッジベースの
分注器の上面図であり、各回転式コンベアに30個のカートリッジ式の分注器218が取
り付けられ、システムの分注器の総数は128となっていることを示している。ディスク
プライマーステーション202(アクチュエータ204及びバーコードリーダ206から
なる)、ローディングステーション208(プレートプラットフォーム122、超音波近
接センサ210、バーコードリーダ212からなる)、複合カム214、及びカムシャフ
ト216もまた、
図2A及び2Bに示されている。
【0024】
例示的なカートリッジ式の分注器218の斜視図が
図3Aに示されている。カーリッジ
式の分注器は、アウターケーシング302、プランジャアセンブリ303、垂直プランジ
ャ304、試薬ディスクリザーバ306、試薬ディスクプライミングポート308、及び
機械可読識別ラベル310を含んでいる。図示するように、カートリッジ式の分注器21
8のアウターケーシングは、挿入ガイド312及び313を含んでいる。挿入ガイド31
2及び313は、所定の回転式コンベア上の各分注器の取付位置で相補的な装置と嵌合す
る。これによって、必要なときに分注器を容易に取り外すことを可能としつつ、分注器を
回転式コンベアにしっかりと固定できる。このクリックイン、クリックアウト装置によっ
て、空になった分注器を充填済の分注器に迅速に交換したり、特定の試薬を含む分注器を
異なる試薬を含む分注器に交換したりすることができる。同様な取り付けは当技術分野で
周知であり、ナイロン又は他のポリマーから作ることができる。
【0025】
図3Bは、複合カム214及びカムシャフト216の側面図、正面図及び断面図である
。図示するように、複合カムは、アウターカム318,320、及びインナーカム322
から構成されている。アウターカムの内面間の間隔(g)は、垂直プランジャ304の直
径よりも大きな距離に固定され、これによって、垂直プランジャと接触することなく、ア
ウターカムが回転することができる。
【0026】
分注器の断面図が
図3Cに示されている。試薬ディクス312が試薬ディスクリザーバ
306内に積み重ねられていることが示されている。一般的に、特定の分注器内に積み重
ねられたすべての試薬ディスクには、同一の試薬(複数も可能)が含まれている。制御シ
ステムのメモリには、所定のリザーバに貼り付けられた固有の機械可読識別ラベル(31
0)を、そこに含まれた特定のタイプの試薬ディスクに関連付ける情報が含まれている。
制御システムのメモリはまた、特定の分注器を特定の回転式コンベア(この特定の実施形
態では4つのうちの1つ)上の特定のスロットに関連付ける情報を格納することができる
。この情報が制御システムによって使用され、セントラルターンテーブル及び回転式コン
ベアを選択的に配置して、分注システム内の特定の位置に選択された分注器を配置し、培
養プレートの選択された位置に選択されたタイプの試薬ディスクを分注することができる
。また、回転式コンベアが交換されると、構成シーケンスは、すべての標準又は回転に影
響されない周囲のバーコードを読み取る。これにより、取り付けられたディスクリザーバ
のラベルの位置にかかわらず読み取りが可能になり、配置マップを作成することができる
。ディスクプライマー314は、キャビティ316内で水平方向に移動することが可能に
なるように、アウターケーシング302内に取り付けられ、スプリング324によってプ
ライミングポート308に向けて付勢されることが示されている。
図3Cには、ディスク
プライマーアクチュエータ204も示されている。
【0027】
カートリッジベースの分注システムから特定の試薬を含む試薬ディスクを分注する動作
は、セントラルターンテーブル110、回転式コンベア102,104,106及び10
8、プレートプラットフォーム122、並びに試薬ディスクプライマーアクチュエータ2
04の協調動作を必要とする。これらの構成部品の配置及び作動は、マイクロプロセッサ
ベースの制御システムによって制御される。処理動作は、プレートプラットフォーム12
2上に培養プレート124を含む培地(126)を配置することから始まる。この配置は
、当技術分野で周知の自動プレートハンドリングシステムによって達成することができる
か、又は手動で行うことができる。培養プレートの配置後、プレートプラットフォーム1
22がマイクロプロセッサベースの制御システムによって回転されて、機械可読識別ラベ
ル128が、バーコードリーダ212によって読み取られるために配置される。読み取ら
れたバーコードは、マイクロコンピュータベースの制御システムのメモリに格納された情
報と相互参照されて、培養プレート124が分注器218からの試薬の分注のための適切
なプレートであるかをチェック/確認することができる。ラベル128をまた使用して、
プレートを回転方向に方向付け、ラベルの位置に対して試薬ディスクを配置する。
【0028】
予めプログラムされたルーチンの結果として、又はユーザインターフェースを介して受
信した指示に応答して、制御システムは、セントラルターンテーブル118、並びに関連
する回転式コンベア102,104,106及び108を作動させて、所望の試薬ディス
クを含む分注器(218)をディスクプライマーアクチュエータ204と整列させる。デ
ィスクプライマーアクチュエータ204は、回転式コンベアの面に対して取り付けられ、
これが作動したとき、ディスクプライマーアクチュエータが適切に整列された分注器21
8のプライミングポート308に入り込むことを可能にする。
【0029】
分注器218がディスクプライマーアクチュエータ204と整列すると、機械可読識別
ラベル310がバーコードリーダ206によって読み取られる。バーコードの情報は、制
御システムのメモリと相互参照されて、システムが分注するように指示した、バーコード
の情報が試薬ディスクのタイプに関連付けられていることを確認する。適切な関連付けが
確認されると、分注処理が続行される。不一致であれば、システムは、所望の分注器がデ
ィスクプライマーと適切に整列して配置されなかったことを示すエラー信号を生成する。
これは、セントラルターンテーブル、又は個々の回転式コンベアの位置決めシステムの故
障を含む、様々なシステム障害の結果であろう。エラー信号は、技術者や作業者に状況を
修正するように警告するのに役立つ。適切なバーコード/試薬の関連付けが確認されたと
仮定すると、制御システムは、ディスクプライマーアクチュエータ204を作動させるコ
マンドを送信する。
【0030】
この作動によって、試薬ディスクプライマーアクチュエータ204が、分注器のプライ
ミングポート308に向かって付勢されて押し込まれる(
図3D参照)。この作動は、電
気機械式、油圧式、空気圧式などとすることができる。ディスクプライマーアクチュエー
タ204が分注器のプライミングポート308に入り込むと、ディスクプライマーアクチ
ュエータ204が試薬ディスクプライマー314を試薬ディスクリザーバ306に向けて
付勢し、それを、キャビティ316を通って移動させ、スプリング324を圧縮し、試薬
ディスク(312)のスタックの下から最下部の試薬ディスク326を垂直プランジャ3
04の真下の位置へと押し出す。そして、
図3Eに示すように、ディスクプライマーアク
チュエータ204が後退し、スプリング324がディスクプライマー308をその初期位
置に戻すように付勢する。この状態では、試薬ディスク326は垂直プランジャ304の
下に配置されたままである。ディスクプライマーアクチュエータ204が監視されて、そ
れが全距離を移動して試薬ディスクを分注したことを確認する。試薬ディスクプライマー
アクチュエータ204が作動しないか、そうでなければディスクリザーバ306からディ
スクを進めることが妨げられたならば、ディスクリザーバが空であるか詰まっていること
を示し、エラー状態が発生して技術者が呼び出される。垂直プランジャ304は、この処
理の全体を通して、内蔵スプリング(図示せず)によって、上向きの伸長位置に付勢され
たままである。そして、制御システムは、回転式コンベア(例えば、102)を再配置す
るコマンドを送信して、分注器218が培養プレート124の上方に配置され、プランジ
ャアセンブリ303及び垂直プランジャ304の上部が複合カム214の真下に配置され
るようにする。
【0031】
分注器218が上記のように配置された後、制御システムは、カムシャフト216(図
4A)に連結された駆動システム(図示せず)に信号を送り、時計回り方向にカムシャフ
トを360°回転させる。この回転によって、カムシャフト216に固定された複合カム
214がシャフトの軸周りを回転し、複合カム214が垂直プランジャ304と接触して
、最終的にはこれを完全に押し下げる。この動作は、
図3F,3G及び4A~4Dに示さ
れている。
【0032】
図4Aは、複合カム214と係合する前の分注器218の側面図を示している。垂直プ
ランジャ304の上部は、内蔵スプリング(図示せず)によって、伸長位置の上向きに付
勢されている(
図3C及び3Eも参照されたい)。
図4Aに示すように、アウターカム(
アウターカム320が示されている)、及びインナーカム(その位置が点線の陰影付き領
域で示されている)のいずれも、分注器218と接触していない。カムシャフト216の
位置は、点線の円形領域で示されている。
図4Bでは、複合カム214が時計回りに回転
して、アウターカム318及び320(320のみが示されている)がプランジャアセン
ブリ303の上部と接触してこれを押し下げ、内蔵スプリング(図示せず)を圧縮して、
プランジャアセンブリ303を培養培地126の表面に向けて下方に移動させる。アウタ
ーカムは垂直プランジャ304に係合しないことに留意されたい。むしろ、アウターカム
の内壁間の間隔gは、垂直プランジャ304と接触することなく、プランジャアセンブリ
303と係合することを可能にする。
図4Cでは、複合カム214が、インナーカム32
2が垂直プランジャ304と完全に係合した位置まで回転したことが示されている。この
完全に押し下げられた状態では、垂直プランジャ304の底部が、タンパースプリング3
28により供給される所定の力で、培養プレート124の培養培地126の表面に試薬デ
ィスク326を押し付ける(
図3Fも参照されたい)。そして、複合カム214が、
図4
Dに示すように、完全に360°回転してその初期開始位置へと戻る。プランジャアセン
ブリ303及び垂直プランジャ304(内蔵スプリングによって付勢されることは図示さ
れていない)は、プレート124から離れて上向きに後退する。
【0033】
上記の2段階の分注動作は、垂直プランジャ及び静的なプランジャアセンブリを使用す
るシステムに関して利点がある。最初の分注段階の間、プランジャアセンブリ303が、
アウターカム318及び322によって係合して、培養培地の表面に向かって下降する。
そして、インナーカム(322)が垂直プランジャ304と係合して、そのプランジャの
反対側の端部をプランジャアセンブリ303の下方に伸ばし、試薬ディスクを目標の培養
培地の表面に押し付ける。最初にプランジャアセンブリを下降させて目標の培養培地の表
面に近づけることによって、垂直プランジャが試薬ディスクを培養培地の表面に押し付け
る際に移動しなければならない距離が最小になる。プランジャアセンブリが培養培地の表
面に近づくことによってもたらされる機械的安定性、及び垂直プランジャがディスクを分
注するために伸長しなければならない距離の結果としての減少の組み合わせによって、デ
ィスク配置の精度と再現性が向上する。
【0034】
各分注器の自己完結型の特徴は、分注システムに多くの利点を提供する。前に説明した
ように、各分注器は、所定の回転式コンベアに容易に着脱することができる。関連する動
力接続や複雑な機械的連結がない。カム動作によって、そのような接続が分注器を容易に
相互交換可能にするとともに、回転式コンベアの回転を妨げる作動機構との物理的結合を
回避することで、各分注器を係累のないものとすることができる。この自己完結型の特徴
はまた、相互汚染に対する固有のガードを提供する。試薬ディスクと接触して最終的に試
薬ディスクの排出を容易にする機構は、分注器内に完全に含まれている。複数の分注器か
らのディスクと接触するローディングステーションに関連付けられた分注機構はない。
【0035】
試薬ディスク326の分注によって、制御システムのメモリが更新されて、試薬ディス
クの分注カートリッジ218の試薬ディスクの分注器306に格納された、試薬ディスク
のカウント数が1つ減少する。制御システムのメモリは、4つの回転式コンベア上に取り
付けられた各分注器について同じディクス数を維持し、分注システムが、システム内のす
べての試薬ディスク分注カートリッジ内のディスク数の正確なインベントリを維持できる
ようにする。そして、システムは、空の分注器を選択することを回避し、特定の分注器が
空になったとき、(ユーザインターフェースを介して)作業者に警告を行うことができる
。
【0036】
試薬ディスクが所定の培養プレート内に含まれる培養培地に分注されると、追加の試薬
ディスクがその上に分注されない場合、その培養プレートは、分注システムから取り除か
れてもよい。追加の試薬ディスクを培養プレートに分注する必要がある場合には、マイク
ロプロセッサベースの制御システムからのコマンドによって、培養プレートがプラットフ
ォーム122によって回転し、プレート内の培養培地の異なる領域に適切に整列して、追
加の試薬ディスクをその上に分注することができる。この追加の試薬ディスクは、4つの
回転式コンベアの任意の1つに取り付けられた、任意の試薬ディスク分注カートリッジか
ら分注することができる。本発明の特定の実施形態では、分注された試薬ディスク間に6
0°の最小半径方向間隔が課せられる。これによって、6つの試薬ディスクを単一のプレ
ート上に等距離に配置することができ、隣接するディスクから抗生物質が拡散した重複領
域、及びその重複領域の微生物のコロニーにおける複数の抗生物質(又は抗生物質の濃度
)の影響により、試薬ディスクを相互に近づけさせず、これによって相互汚染のリスク又
は誤った結果となることを回避して、任意のプレートの有用性を最大にすることができる
。
【0037】
代替的なセントラルターンテーブルの幾何学的形状、及び異なる個数の取り付けられた
回転式コンベアを使用する異なる物理的構成は、開示された本発明の範囲から逸脱せずに
実施することができる。例えば、
図5は、4つの回転式コンベア(504,506,50
8及び510)が取り付けられた、X形状のセントラルターンテーブル502を示してい
る。このX形状のターンテーブルは、上記で詳細に説明した円形のターンテーブルシステ
ムと同様に作動する。しかしながら、この構成は、ローディングステーション512の配
置について、(回転式コンベア504に取り付けられた)分注器514からの試薬ディス
ク、及び(回転式コンベア506に取り付けられた)分注器516からの試薬ディスクを
、プレート518の培地の表面に同時に分注できるようにする。そのような同時分注は、
複数の複合カムが必要になる場合があり、2つの試薬ディスク分注カートリッジの配置を
制御するシステムが必要になる。対向する回転式コンベアのそれぞれに1つのカートリッ
ジを配置して、対向する培養プレート124のそれぞれの目標位置に試薬ディスクを同時
に分注することを達成する。この二重分注能力によって、分注システム内のプレートのス
ループットが向上する。本発明による他のターンテーブル/回転式コンベアの構成は、図
6A(5つの回転式コンベアの構成)、及び
図6B(2つの回転式コンベアの構成)に示
されている。
【0038】
図7Aは、本発明のさらに別の複数の回転式コンベアの実施形態を示している。この実
施形態では、同心に配置された2つの回転式コンベア(702,704)が、リング形状
のターンテーブル(706)に回転可能に取り付けられている。上述の実施形態のように
、これらの回転式コンベアは、制御システムから受信したコマンド信号に応答して個別に
回転することができる。図示するように、外側の回転式コンベア702は、放射状に取り
付けられた64個の個別のカートリッジを有し、試薬ディスクをプレート708に含まれ
る培地の表面に分注することを可能にする。この分注は、前に説明した実施形態と同じ方
法で実行される。外側の回転式コンベア702は、関連するプライマーステーション(7
10)、ローディングステーション(712)、及び複合カム装置(714)を含み、前
に説明した実施形態とほぼ同じ方法でこれらのすべてが作動することに留意されたい。内
側の回転式コンベア704は、放射状に取り付けられた32個の分注器を有し、試薬ディ
スクをプレート716に含まれる培地の表面に分注することを可能にすることが示されて
いる。この場合も、この分注は、プライマーステーション718、ローディングステーシ
ョン720及び複合カム装置722を利用する、前に説明した実施形態と同じ方法で実行
される。
【0039】
図7Bに、代替的な同心回転式コンベアの実施形態が示されている。
図7Aの実施形態
のように、外側の回転式コンベア702は、関連するプライマーステーション(710)
、ローディングステーション(712)及び複合カム装置(714)を有している。内側
の回転式コンベア704は、プライマーステーション718、ローディングステーション
720及び複合カム装置722を有している。
図7Aの実施形態とは異なり、この実施形
態は二重の回転式コンベアを配置し、それらがプレート716を跨いで、外側の回転式コ
ンベアからディスクが分注されることを可能にするとともに、内側の回転式コンベアから
他のディスクが分注されることを可能にする。これらのディクスは、プレート716の両
端にあり、180°の角距離で分かれている。ディスクを同時又は連続して分注すること
ができる。このタイプの分注ストラテジは、システムのスループット時間を大幅に短縮す
る。
【0040】
追加のセンサ及び制御が、システムに含まれていてもよい。例えば、(超音波近接セン
サ210などの)近接センサを各プレートプラットフォームに備えることで、所定のプレ
ート内に含まれる培地の表面の高さを感知することができる。そして、この情報は、シス
テムによって複数の目的に利用することができる。例えば、この測定値は、培地の表面に
前もって分注されたディスクの感知を可能にする。これは、識別されたプレート内の培地
の表面に分注されたディスク配置をシステムが内部追跡するフェイルセーフとして機能す
る。制御システムのメモリで占有されていないと識別された特定のプレート上の位置でデ
ィスクが検知されるか、又は制御システムのメモリで占有されていると識別された特定の
位置でディスクの存在をセンサが示さなかった場合、システムは、明らかな不一致を示す
エラー信号を生成する。そして、技術者又は作業者が、ユーザインターフェースを介して
問題を処理する。
【0041】
近接センサを利用して、培養培地の品質をリアルタイムでチェックし、試薬タブレット
を導入する前に、培養培地の表面を走査して高さ/厚さの一貫性を確認することができる
。品質が劣る培養培地を含むプレートを識別し、任意の試薬ディスクを培養培地に分注す
る前に、システムから取り外して、許容できる代替品と交換することができる。近接セン
サを使用して、プレートプラットフォームの高さを正確に調整することもできる。マイク
ロプロセッサベースの制御システムからの制御信号に応答する、油圧式、空気圧式又は電
気機械式の垂直プラットフォーム高さ調整システムを実装して、表面近接測定の関数とし
てプレートの高さを正確に調整することができる。高さ調整によって、分注された各ディ
スクが分注器の垂直プランジャによって、培養培地の表面への所定の浸透が正確に実施さ
れることが保証される。これによって、各ディスク内に含まれる試薬(複数も可能)が、
所定のプレート内及びプレート間で、矛盾なく反応することが保証される。
【0042】
本明細書では特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これらの実施形態は、本
発明の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。従って、添付の特許請求の
範囲によって定義される、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、例示的な実施形
態に様々な修正を加えることができるとともに、他の装置も案出することもできることを
理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを含む制御システムと、
前記制御システムから受信したコマンドに応答してそれぞれ配置可能な、回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルと、
前記制御システムから受信したコマンドに応答して配置可能な、前記回転可能に取り付けられたセントラルテーブルに回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアと、
前記複数の回転式コンベアの周囲に取り付けられた複数の分注カートリッジと、
を備え、
分注カートリッジの機械的な作動によって、前記作動した分注カートリッジ内に含まれる所定の試薬を分注する、
試薬分注システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
本明細書では特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これらの実施形態は、本発明の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。従って、添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に様々な修正を加えることができるとともに、他の装置も案出することもできることを理解されたい。
なお、出願時の特許請求の範囲は、以下のようなものである。
[請求項1]
プロセッサ及びメモリを含む制御システムと、
前記制御システムから受信したコマンドに応答してそれぞれ配置可能な、回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルと、
前記制御システムから受信したコマンドに応答して配置可能な、前記回転可能に取り付けられたセントラルテーブルに回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアと、
前記複数の回転式コンベアの周囲に取り付けられた複数の分注カートリッジと、
を備え、
分注カートリッジの機械的な作動によって、前記作動した分注カートリッジ内に含まれる所定の試薬を分注する、
試薬分注システム。
[請求項2]
前記制御システムから受信したコマンドに応じて、前記複数の分注カートリッジの少なくとも1つを作動させるように適合された機械式アクチュエータを更に備えた、
請求項1に記載の試薬分注システム。
[請求項3]
前記所定の試薬はディスクであって、
ディスクリザーバが前記分注カートリッジに保持された、
請求項1に記載の試薬分注システム。
[請求項4]
前記ディスクは、垂直プランジャを介して分注される、
請求項3に記載の試薬分注システム。
[請求項5]
前記垂直プランジャは、回転カムによって作動され、
前記回転カムは、前記制御システムから受信したコマンドに応答する、
請求項4に記載の試薬分注システム。
[請求項6]
前記垂直プランジャを収容するプランジャアセンブリを更に備え、
前記プランジャアセンブリは、前記垂直プランジャを作動させる前に、分注対象の前記ディスク上の培養培地に近づく、
請求項5に記載の試薬分注システム。
[請求項7]
前記所定の試薬は、検査培地の表面に分注される、
請求項1に記載の試薬分注システム。
[請求項8]
前記検査培地は、プレートに含まれる、
請求項7に記載の試薬分注システム。
[請求項9]
前記制御システムと通信して、前記検査培地の表面を走査して測定するように適合された近接センサを更に備えた、
請求項7に記載の試薬分注システム。
[請求項10]
前記近接センサは、超音波センサを含む、
請求項9に記載の試薬分注システム。
[請求項11]
各ディスクリザーバは、当該ディスクリザーバに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し、
前記制御システムと通信して、前記機械可読識別ラベルを読み取るように適合された少なくとも1つの光学センサを更に備え、
前記制御システムのメモリには、(a)前記機械可読識別ラベルを有する前記分注カートリッジ内に含まれる試薬のタイプ、又は(b)前記ラベル付けされた分注カートリッジ内で分注するのに利用可能な試薬の量、の少なくとの1つに各機械可読識別ラベルを関連付ける情報が含まれる、
請求項3に記載の試薬分注システム。
[請求項12]
前記機械可読識別ラベルは、バーコードを含み、
前記少なくとも1つの光学センサは、バーコードリーダである、
請求項11に記載の試薬分注システム。
[請求項13]
前記プレートは、当該プレートに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し、
前記制御システムと通信して、前記機械可読識別ラベルを読み取るように適合された少なくとも1つの光学センサを更に備え、
前記制御システムのメモリには、(a)前記プレートに含まれる検査培地のタイプ、(b)前記検査培地上に分注された試薬のタイプ、(c)試薬が分注された前記検査培地上の位置、(d)前記検査培地上に分注される追加の試薬のタイプ、又は(e)追加の試薬を分注するのに利用可能な前記検査培地上の位置、の少なくとも1つに前記機械可読識別ラベルを関連付ける情報が含まれる、
請求項8に記載の試薬分注システム。
[請求項14]
前記機械可読識別ラベルは、バーコードを含み、
前記少なくとも1つの光学センサは、バーコードリーダである、
請求項13に記載の試薬分注システム。
[請求項15]
少なくとも2つの回転式コンベアが同心に取り付けられた、
請求項1に記載の試薬分注システム。
[請求項16]
プロセッサ及びメモリを含む制御システムと、前記制御システムから受信したコマンドに応答して配置可能な、回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルと、前記制御システムから受信したコマンドに応答して個別に配置可能な、前記回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルに回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアと、前記複数の回転式コンベアのそれぞれの周囲に取り付けられた複数の分注カートリッジと、培養プレートによって保持される少なくとも1つの検査培地と、を備え、分注カートリッジの機械的な作動によって、前記作動した分注カートリッジ内に含まれる所定量の試薬を分注するシステムにおいて試薬を自動的に分注する方法であって、
前記回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルを配置して、前記少なくとも1つの検査培地に近接した位置に選択された回転式コンベアを配置するステップと、
前記選択された回転式コンベアを回転させて、前記少なくとも1つの検査培地上に所定量の試薬を分注する位置に選択された分注カートリッジを配置するステップと、
前記選択された分注カートリッジを作動させて、前記検査培地上に前記所定量の試薬を分注するステップと、
を備えた方法。
[請求項17]
前記所定量の試薬は、前記分注カートリッジのディスクリザーバに保持されたディスクである、
請求項16に記載の方法。
[請求項18]
前記選択された分注カートリッジを作動させて、垂直プランジャを介して前記ディスクを分注する、
請求項17に記載の方法。
[請求項19]
カムが前記選択された分注カートリッジを作動させる、
請求項17に記載の方法。
[請求項20]
前記検査培地は、プレートに含まれる、
請求項16に記載の方法。
[請求項21]
前記検査培地の表面を近接センサで評価するステップを更に備えた、
請求項16に記載の方法。
[請求項22]
各分注カートリッジは、当該分注カートリッジに関連付けられた機械可読識別ラベルを有し、
光学センサで前記機械可読識別ラベルを読み取るステップと、
前記制御システムの前記メモリから読み取った前記機械可読識別ラベルに関連付けられたデータをアクセスするステップと、
を更に備え、
前記アクセスされたデータは、(a)前記分注カートリッジに貼り付けられた前記機械可読識別ラベルを有する前記分注カートリッジ内に含まれる試薬のタイプ、又は(b)前記分注カートリッジに貼り付けられた前記機械可読識別ラベルを有する前記分注カートリッジ内で利用可能な試薬の量の少なくとも1つを示す、
請求項16に記載の方法。
[請求項23]
前記培養プレートは、当該培養プレートに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し、
光学センサで前記機械可読識別ラベルを読み取るステップと、
前記制御システムの前記メモリから読み取った前記機械可読識別ラベルに関連付けられたデータをアクセスするステップと、
を更に備え、
前記アクセスされたデータは、(a)前記培養プレートに含まれる検査培地のタイプ、(b)前記検査培地上に分注された試薬のタイプ、(c)試薬が分注された前記検査培地の位置、(d)オプションとして、前記検査培地上に分注された追加試薬のタイプ、又は(e)オプションとして、追加試薬の分注に利用可能な前記検査培地上の位置、の少なくとも1つを示す、
請求項19に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを含む制御システムと、
前記制御システムから受信したコマンドに応答してそれぞれ配置可能な、回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルと、
前記制御システムから受信したコマンドに応答して配置可能な、前記回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルによって保持されて前記セントラルターンテーブル上に回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアと、
前記回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルによって保持された複数の回転式コンベアのそれぞれの周囲に取り付けられた複数の分注カートリッジであって、当該分注カートリッジから分注される試薬ディスクを保持する試薬ディスクリザーバ、及び垂直プランジャを収容するプランジャアセンブリを含む、複数の分注カートリッジと、
ローディングステーションの上方に配置された機械式アクチュエータであって、分注カートリッジが回転して前記機械式アクチュエータと整合したとき、前記垂直プランジャを作動させる前に、前記分注カートリッジの機械的な作動によって前記プランジャアセンブリを分注対象の試薬ディスク上の培養培地に近付けることで、前記作動された分注カートリッジ内に含まれる試薬ディスクを分注する、機械式アクチュエータと、
を備え、
前記培養培地が前記ローディングステーションに配置され、これによって前記試薬ディスクが検査培地の表面上に分注される、
試薬分注システム。
【請求項2】
前記機械式アクチュエータは、前記制御システムから受信したコマンドに応じて、前記複数の分注カートリッジの少なくとも1つを作動させるように構成された、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項3】
前記分注カートリッジの前記垂直プランジャは、前記機械式アクチュエータの回転カムによって作動され、
前記回転カムは、前記制御システムから受信したコマンドに応答する、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項4】
前記試薬ディスクは、検査培地の表面に分注される、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項5】
前記検査培地は、プレートに含まれる、
請求項4に記載の試薬分注システム。
【請求項6】
前記制御システムと通信して、前記検査培地の表面を走査して測定するように適合された近接センサを更に備えた、
請求項4に記載の試薬分注システム。
【請求項7】
前記近接センサは、超音波センサを含む、
請求項6に記載の試薬分注システム。
【請求項8】
各ディスクリザーバは、当該ディスクリザーバに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し、
前記制御システムと通信して、前記機械可読識別ラベルを読み取るように適合された少なくとも1つの光学センサを更に備え、
前記制御システムのメモリには、(a)前記機械可読識別ラベルを有する前記分注カートリッジ内に含まれる試薬のタイプ、又は(b)前記分注カートリッジ内で分注するのに利用可能な試薬の量、の少なくとも1つに各機械可読識別ラベルを関連付ける情報が含まれる、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項9】
前記機械可読識別ラベルは、バーコードを含み、
前記少なくとも1つの光学センサは、バーコードリーダである、
請求項8に記載の試薬分注システム。
【請求項10】
前記プレートは、当該プレートに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し、
前記制御システムと通信して、前記機械可読識別ラベルを読み取るように適合された少なくとも1つの光学センサを更に備え、
前記制御システムのメモリには、(a)前記プレートに含まれる検査培地のタイプ、(b)前記検査培地上に分注された試薬のタイプ、(c)試薬が分注された前記検査培地上の位置、(d)前記検査培地上に分注される追加の試薬のタイプ、又は(e)追加の試薬を分注するのに利用可能な前記検査培地上の位置、の少なくとも1つに前記機械可読識別ラベルを関連付ける情報が含まれる、
請求項5に記載の試薬分注システム。
【請求項11】
前記機械可読識別ラベルは、バーコードを含み、
前記少なくとも1つの光学センサは、バーコードリーダである、
請求項10に記載の試薬分注システム。
【請求項12】
少なくとも2つの回転式コンベアが同心に取り付けられた、
請求項1に記載の試薬分注システム。
【請求項13】
プロセッサ及びメモリを含む制御システムと、前記制御システムから受信したコマンドに応答して配置可能な、回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルと、前記制御システムから受信したコマンドに応答して個別に配置可能な、前記回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルによって保持されて、当該セントラルターンテーブル上に回転可能に取り付けられた複数の回転式コンベアと、前記複数の回転式コンベアのそれぞれの周囲に取り付けられた複数の分注カートリッジであって、前記分注カートリッジから分注される試薬ディスクを保持する試薬ディスクリザーバ、及び垂直プランジャを含む、複数の分注カートリッジと、ローディングステーションの上方に配置された機械式アクチュエータであって、分注カートリッジが回転して前記機械式アクチュエータと整合したとき、分注カートリッジの機械的な作動によって、前記作動した分注カートリッジ内に含まれる試薬ディスクを分注する、機械式アクチュエータと、培養プレートによって保持される少なくとも1つの検査培地と、を備えたシステムにおいて試薬を自動的に分注する方法であって、
前記回転可能に取り付けられたセントラルターンテーブルを配置して、前記ローディングステーションに配置された前記少なくとも1つの検査培地に近接した位置に選択された回転式コンベアを配置するステップと、
選択された回転式コンベアを回転させて、前記少なくとも1つの検査培地上の前記試薬ディスクを分注する位置に選択された分注カートリッジを配置するステップと、
前記機械式アクチュエータを作動させて、前記選択された分注カートリッジが前記垂直プランジャを介して前記検査培地上に前記試薬ディスクを分注させるステップと、
を備えた方法。
【請求項14】
前記分注カートリッジは、垂直プランジャを含み、
前記選択された分注カートリッジを作動させるステップは、前記分注カートリッジの垂直プランジャを介して試薬ディスクを分注する原因となる、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
カムが前記選択された分注カートリッジを作動させる、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記検査培地の表面を近接センサで評価するステップを更に備えた、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
各分注カートリッジは、当該分注カートリッジに関連付けられた機械可読識別ラベルを有し、
光学センサで前記機械可読識別ラベルを読み取るステップと、
前記制御システムの前記メモリから読み取った前記機械可読識別ラベルに関連付けられたデータをアクセスするステップと、
を更に備え、
前記アクセスされたデータは、(a)前記分注カートリッジに貼り付けられた前記機械可読識別ラベルを有する前記分注カートリッジ内に含まれる試薬のタイプ、又は(b)前記分注カートリッジに貼り付けられた前記機械可読識別ラベルを有する前記分注カートリッジ内で利用可能な試薬の量の少なくとも1つを示す、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記培養プレートは、当該培養プレートに貼り付けられた機械可読識別ラベルを有し、
光学センサで前記機械可読識別ラベルを読み取るステップと、
前記制御システムの前記メモリから読み取った前記機械可読識別ラベルに関連付けられたデータをアクセスするステップと、
を更に備え、
前記アクセスされたデータは、(a)前記培養プレートに含まれる検査培地のタイプ、(b)前記検査培地上に分注された試薬のタイプ、(c)試薬が分注された前記検査培地の位置、(d)前記検査培地上に分注された追加試薬のタイプ、又は(e)オプションとして、追加試薬の分注に利用可能な前記検査培地上の位置、の少なくとも1つを示す、
請求項13に記載の方法。
【外国語明細書】