(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017490
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置
(51)【国際特許分類】
B62M 6/45 20100101AFI20240201BHJP
B62M 25/08 20060101ALI20240201BHJP
B62M 11/16 20060101ALI20240201BHJP
B62M 9/122 20100101ALI20240201BHJP
B62M 9/132 20100101ALI20240201BHJP
【FI】
B62M6/45
B62M25/08
B62M11/16 H
B62M9/122
B62M9/132
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120150
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(57)【要約】
【課題】ディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる人力駆動車用の制御装置を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置は、制御部を備え、人力駆動車は、クランク軸と、クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、車輪に接続される第2回転体と、第1回転体、および、第2回転体に係合して、第1回転体と第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、伝達体を操作するように構成されるディレイラと、伝達体を駆動するように構成されるモータと、を含み、制御部は、クランク軸が回転し、かつ、人力駆動車が人力駆動力によって推進されていない第1条件と、ディレイラによって変速比が変更される変速条件と、が満たされる場合、伝達体をモータによって駆動させ、かつ、人力駆動車がモータの駆動力によって推進されないように、モータを制御するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
制御部を備え、
前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体、および、前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレイラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、を含み、
前記制御部は、
前記クランク軸が回転し、かつ、前記人力駆動車が前記人力駆動力によって推進されていない第1条件と、前記ディレイラによって前記変速比が変更される変速条件と、が満たされる場合、前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記人力駆動車が前記モータの駆動力によって推進されないように、前記モータを制御するように構成される、制御装置。
【請求項2】
前記人力駆動車は、前記クランク軸の回転速度に関するパラメータを検出する第1検出部と、前記車輪の回転速度に関するパラメータを検出する第2検出部と、をさらに含み、
前記第1条件は、前記第1検出部の検出に基づく前記クランク軸の回転速度が0よりも大きい条件、および、前記クランク軸の回転速度が、前記第2検出部の検出に基づく前記車輪の回転速度と、前記変速比とから算出される推定回転速度以下の条件を含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1条件、および、前記変速条件が満たされて、前記モータを駆動させる場合、前記モータの停止条件が満たされると、前記モータを停止させるように構成され、
前記停止条件は、前記モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する第1停止条件、および、前記モータの負荷が第1閾値以上である第2停止条件、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記予め定める期間は、予め定める時間、前記モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、および、前記モータによって前記第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つを含む、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ディレイラを制御するように構成され、
前記第1条件、および、前記変速条件が満たされる場合、前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記伝達体を前記ディレイラによって操作させる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、第2条件、および、前記変速条件が満たされる場合、前記人力駆動車が前記モータの駆動力によって推進されないように、前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記伝達体を前記ディレイラによって操作させるように構成され、
前記第2条件は、前記クランク軸の回転が停止している場合に満たされる、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記人力駆動車は、前記クランク軸の回転速度に関するパラメータを検出する第1検出部と、前記人力駆動車の前記クランク軸に入力される人力トルクに関するパラメータを検出する第3検出部と、をさらに含み、
前記第1条件は、前記第1検出部の検出値に基づく前記クランク軸の回転速度が0よりも大きく、かつ、前記第3検出部の検出値に基づく前記人力トルクが予め定めるトルク以下の場合に満たされ、
前記予め定めるトルクは、0Nm以上かつ5Nm以下である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
人力駆動車用の制御装置であって、
制御部を備え、
前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体、および、前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレイラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、を含み、
前記制御部は、
前記モータ、および、前記ディレイラを制御するように構成され、
前記ディレイラによって前記変速比が変更される変速条件が満たされる場合、前記クランク軸の回転速度に関わらず、前記人力駆動車が前記モータの駆動力によって推進されないように前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記変速比を変更するために前記伝達体を前記ディレイラによって操作させるように構成される、制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記変速条件が満たされて、前記モータを駆動させる場合、前記モータの停止条件が成立すると、前記モータの駆動を停止させるように構成され、
前記停止条件は、前記モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する第1停止条件、および、前記モータの負荷が第1閾値以上である第2停止条件、の少なくとも1つを含む、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記予め定める期間は、予め定める時間、前記モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、および、前記モータによって前記第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つを含む、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
人力駆動車用の制御装置であって、
制御部を備え、
前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体、および、前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレイラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、を含み、
前記制御部は、第3条件、および、前記ディレイラによって前記変速比が変更される変速条件が満たされる場合、前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記人力駆動車が前記モータの駆動力によって推進されるように、前記モータを制御し、
前記第3条件は、前記人力駆動車の速度に関する条件を含む、制御装置。
【請求項12】
前記第3条件は、前記人力駆動車の速度が増加する場合に満たされる、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記第3条件が満たされ、かつ、前記変速条件が満たされることによって、前記人力駆動車に推進力を付与するように前記モータを駆動させる場合、停止条件が満たされると、前記モータの駆動を停止するように前記モータを制御するように構成され、
前記停止条件は、前記モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する第1停止条件、および、前記モータの負荷が第1閾値以上である第2停止条件、の少なくとも1つを含む、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記予め定める期間は、予め定める時間、前記モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、および、前記モータによって前記第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つを含む、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記変速条件は、前記人力駆動車の走行状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の変速操作装置の操作状態の少なくとも1つに関する、請求項1から14のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される人力駆動車用の制御装置は、例えば、クランク軸の回転が停止している場合に、モータによって伝達体を駆動し、ディレイラによって伝達体を操作することにより変速比率を変更する変速動作を行うことができるように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、ディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、制御部を備え、前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体、および、前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレイラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、を含み、前記制御部は、前記クランク軸が回転し、かつ、前記人力駆動車が前記人力駆動力によって推進されていない第1条件と、前記ディレイラによって前記変速比が変更される変速条件と、が満たされる場合、前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記人力駆動車が前記モータの駆動力によって推進されないように、前記モータを制御するように構成される。
第1側面の制御装置によれば、制御部は、クランク軸が回転し、人力駆動車が人力駆動力によって推進されておらず、かつ、変速条件が満たされる場合に、人力駆動車が推進しないようなモータの駆動力によって伝達体を駆動させる。したがって、制御装置は、ディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記人力駆動車は、前記クランク軸の回転速度に関するパラメータを検出する第1検出部と、前記車輪の回転速度に関するパラメータを検出する第2検出部と、をさらに含み、前記第1条件は、前記第1検出部の検出に基づく前記クランク軸の回転速度が0よりも大きい条件、および、前記クランク軸の回転速度が、前記第2検出部の検出に基づく前記車輪の回転速度と、前記変速比とから算出される推定回転速度以下の条件を含む。
第2側面の制御装置によれば、制御部は、クランク軸の回転速度が0よりも大きく、クランク軸の回転速度が車輪の回転速度と変速比とから算出される推定回転速度以下であり、かつ、変速条件が満たされる場合に、人力駆動車が推進しないようなモータの駆動力によって伝達体を駆動させる。人力駆動車が人力駆動力によって推進されていない場合、第1検出部の検出に基づくクランク軸の回転速度は、第2検出部の検出に基づく車輪の回転速度によって算出される推定回転速度以下になる。したがって、制御部は、クランク軸の回転速度が推定回転速度以下か否かに基づいて、人力駆動車が人力駆動力によって推進されていない場合を好適に判定できる。第2側面の制御装置によれば、制御装置は、人力駆動車が人力駆動力によって推進されていない場合にディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる。
【0007】
本開示の第1または2側面に従う第3側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1条件、および、前記変速条件が満たされて、前記モータを駆動させる場合、前記モータの停止条件が満たされると、前記モータを停止させるように構成され、前記停止条件は、前記モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する第1停止条件、および、前記モータの負荷が第1閾値以上である第2停止条件、の少なくとも1つを含む。
第3側面の制御装置によれば、第1条件、および、変速条件が満たされてモータを駆動させる場合において、モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する場合、および、モータの負荷が第1閾値以上の場合の少なくとも1つにおいて、モータを停止できる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記予め定める期間は、予め定める時間、前記モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、および、前記モータによって前記第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つを含む。
第4側面の制御装置によれば、第1条件、および、変速条件が満たされてモータを駆動させる場合において、モータの駆動が開始されてから予め定める時間、および、モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、モータによって第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つが経過する場合、モータを停止できる。
【0009】
本開示の第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記制御部は、前記ディレイラを制御するように構成され、前記第1条件、および、前記変速条件が満たされる場合、前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記伝達体を前記ディレイラによって操作させる。
第5側面の制御装置によれば、制御部は、第1条件、および、変速条件が満たされる場合に、伝達体をモータによって駆動させ、かつ、ディレイラによって伝達体を操作させる。したがって、制御装置は、変速比を好適に変更できる。
【0010】
本開示の第1から第5側面のいずれか1つに従う第6側面の制御装置において、前記制御部は、第2条件、および、前記変速条件が満たされる場合、前記人力駆動車が前記モータの駆動力によって推進されないように、前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記伝達体を前記ディレイラによって操作させるように構成され、前記第2条件は、前記クランク軸の回転が停止している場合に満たされる。
第6側面の制御装置によれば、制御部は、クランク軸の回転が停止し、かつ、変速条件が満たされる場合に、伝達体をモータによって駆動させ、かつ、ディレイラによって伝達体を操作させるため、変速比を好適に変更できる。
【0011】
本開示の第1側面に従う第7側面の制御装置において、前記人力駆動車は、前記クランク軸の回転速度に関するパラメータを検出する第1検出部と、前記人力駆動車の前記クランク軸に入力される人力トルクに関するパラメータを検出する第3検出部と、をさらに含み、前記第1条件は、前記第1検出部の検出値に基づく前記クランク軸の回転速度が0よりも大きく、かつ、前記第3検出部の検出値に基づく前記人力トルクが予め定めるトルク以下の場合に満たされ、前記予め定めるトルクは、0Nm以上かつ5Nm以下である。
第7側面の制御装置によれば、制御部は、クランク軸の回転速度が0よりも大きく、人力トルクが0Nm以上かつ5Nm以下であり、かつ、変速条件が満たされる場合に、人力駆動車が推進しないようなモータの駆動力によって伝達体を駆動させる。したがって、制御装置は、ディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる。
【0012】
本開示の第8側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、制御部を備え、前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体、および、前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレイラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、を含み、前記制御部は、前記モータ、および、前記ディレイラを制御するように構成され、前記ディレイラによって前記変速比が変更される変速条件が満たされる場合、前記クランク軸の回転速度に関わらず、前記人力駆動車が前記モータの駆動力によって推進されないように前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記変速比を変更するために前記伝達体を前記ディレイラによって操作させるように構成される。
第8側面の制御装置によれば、制御部は、変速条件が満たされる場合、クランク軸の回転速度に関わらず、人力駆動車が推進しないようなモータの駆動力によって伝達体を駆動させ、かつ、伝達体をディレイラによって操作させる。したがって、制御装置は、ディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる。
【0013】
本開示の第8側面に従う第9側面の制御装置において、前記制御部は、前記変速条件が満たされて、前記モータを駆動させる場合、前記モータの停止条件が成立すると、前記モータの駆動を停止させるように構成され、前記停止条件は、前記モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する第1停止条件、および、前記モータの負荷が第1閾値以上である第2停止条件、の少なくとも1つを含む。
第9側面の制御装置によれば、変速条件が満たされてモータを駆動させる場合において、モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する場合、および、モータの負荷が第1閾値以上の場合の少なくとも1つにおいて、モータを停止できる。
【0014】
本開示の第9側面に従う第10側面の制御装置において、前記予め定める期間は、予め定める時間、前記モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、および、前記モータによって前記第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つを含む。
第10側面の制御装置によれば、変速条件が満たされてモータを駆動させる場合において、モータの駆動が開始されてから予め定める時間、モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、および、モータによって第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つが経過する場合、モータを停止できる。
【0015】
本開示の第11側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、制御部を備え、前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸と、前記クランク軸に接続される第1回転体と、車輪と、前記車輪に接続される第2回転体と、前記第1回転体、および、前記第2回転体に係合して、前記第1回転体と前記第2回転体との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体と、前記クランク軸の回転速度に対する前記車輪の回転速度の変速比を変更するために前記伝達体を操作するように構成されるディレイラと、前記伝達体を駆動するように構成されるモータと、を含み、前記制御部は、第3条件、および、前記ディレイラによって前記変速比が変更される変速条件が満たされる場合、前記伝達体を前記モータによって駆動させ、かつ、前記人力駆動車が前記モータの駆動力によって推進されるように、前記モータを制御し、前記第3条件は、前記人力駆動車の速度に関する条件を含む。
第11側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車の速度に関する条件、および、変速条件が満たされる場合、人力駆動車が推進するようなモータの駆動力によって伝達体を駆動させる。したがって、制御装置は、ディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる。
【0016】
本開示の第11側面に従う第12側面の制御装置において、前記第3条件は、前記人力駆動車の速度が増加する場合に満たされる。
第12側面の制御装置によれば、制御部は、人力駆動車の速度が増加し、かつ、変速条件が満たされる場合、人力駆動車が推進するようなモータの駆動力によって伝達体を駆動させる。したがって、制御装置は、ディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる。
【0017】
本開示の第11または第12側面に従う第13側面の制御装置において、前記制御部は、前記第3条件が満たされ、かつ、前記変速条件が満たされることによって、前記人力駆動車に推進力を付与するように前記モータを駆動させる場合、停止条件が満たされると、前記モータの駆動を停止するように前記モータを制御するように構成され、前記停止条件は、前記モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する第1停止条件、および、前記モータの負荷が第1閾値以上である第2停止条件、の少なくとも1つを含む。
第13側面の制御装置によれば、第1条件、および、変速条件が満たされてモータを駆動させる場合において、モータの駆動が開始されてから予め定める期間が経過する場合、および、モータの負荷が第1閾値以上の場合の少なくとも1つにおいて、モータを停止できる。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面の制御装置において、前記予め定める期間は、予め定める時間、前記モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、および、前記モータによって前記第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つを含む。
第14側面の制御装置によれば、第1条件、および、変速条件が満たされてモータを駆動させる場合において、モータの駆動が開始されてから予め定める時間、モータの出力軸が第1回転角度にわたり回転する期間、および、モータによって第1回転体が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つが経過する場合、モータを停止できる。
【0019】
本開示の第1から第14側面のいずれか1つに従う第15側面の制御装置において、前記変速条件は、前記人力駆動車の走行状態、前記人力駆動車の走行環境、および、前記人力駆動車の変速操作装置の操作状態の少なくとも1つに関する。
第15側面の制御装置によれば、人力駆動車の走行状態、人力駆動車の走行環境、および、人力駆動車の変速操作装置の操作状態の少なくとも1つに好適な変速比に変更できる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の人力駆動車用の制御装置は、ディレイラによる変速動作を好適に行えるようにモータを駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図1の人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の人力駆動車用のドライブユニットの断面図である。
【
図4】
図2の制御部によって実行され、モータおよびディレイラを制御する処理のフローチャートである。
【
図5】第2実施形態の制御部によって実行され、モータおよびディレイラを制御する処理のフローチャートである。
【
図6】第3実施形態の制御部によって実行され、モータおよびディレイラを制御する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
図1から
図4を参照して、人力駆動車用の制御装置70が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えば、マウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば、1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、それぞれの実施形態において、人力駆動車は、自転車として説明される。
【0023】
人力駆動車10は、クランク軸12と、第1回転体14と、車輪16と、第2回転体18と、伝達体20と、ディレイラ22と、モータ24と、を含む。クランク軸12は、人力駆動力が入力されるように構成される。第1回転体14は、クランク軸12に接続される。第2回転体18は、車輪16に接続される。伝達体20は、第1回転体14および第2回転体18に係合して、第1回転体14と第2回転体18との間において駆動力を伝達するように構成される。
【0024】
人力駆動車10は、例えば、車体26をさらに含む。車体26は、例えば、フレーム28を含む。フレーム28には、サドルが設けられる。車輪16は、例えば、前輪16Fと、後輪16Rと、を含む。クランク軸12は、例えば、フレーム28に対して回転可能である。人力駆動車10は、例えば、クランク30を含む。クランク30は、クランク軸12およびクランクアーム30A,30Bを含む。
【0025】
クランクアーム30Aは、例えば、クランク軸12の軸方向の第1端部に設けられ、クランクアーム30Bは、クランク軸12の軸方向の第2端部に設けられる。人力駆動車10は、例えば、ペダル32A,32Bを含む。クランクアーム30Aには、例えば、ペダル32Aが連結される。クランクアーム30Bには、例えば、ペダル32Bが連結される。後輪16Rは、例えば、クランク軸12が回転することによって駆動される。後輪16Rは、例えば、フレーム28に支持される。フレーム28には、フロントフォーク34を介して前輪16Fが取り付けられる。フロントフォーク34には、ステム36を介してハンドルバー38が連結される。
【0026】
人力駆動車10は、例えば、駆動機構40をさらに含む。前輪16Fおよび後輪16Rの少なくとも1つと、クランク30とは、例えば、駆動機構40によって連結される。本実施形態では、後輪16Rとクランク30とが、駆動機構40によって連結される。
【0027】
駆動機構40は、例えば、第1回転体14、第2回転体18、および、伝達体20を含む。第1回転体14は、クランク軸12に接続される。第2回転体18は、車輪16に接続される。伝達体20は、第1回転体14および第2回転体18に係合して、第1回転体14と第2回転体18との間において駆動力を伝達するように構成される。伝達体20は、例えば、第1回転体14の回転力を第2回転体18に伝達するように構成される。
【0028】
第1回転体14と、クランク軸12とは、例えば、同軸に配置される。第1回転体14と、クランク軸12とは、同軸に配置されなくてもよい。第1回転体14と、クランク軸12とが、同軸に配置されない場合、例えば、第1回転体14と、クランク軸12とは、第1伝達機構を介して接続される。第1伝達機構は、複数の歯車を含んでいてもよく、スプロケットおよびチェーンを含んでいてもよく、プーリおよびベルトを含んでいてもよく、シャフトおよびベベルギアを含んでいてもよい。第1回転体14は、例えば、少なくとも1つの第1スプロケット、または、少なくとも1つの第1プーリを含む。
【0029】
第2回転体18と、後輪16Rとは、例えば、同軸に配置される。第2回転体18と、後輪16Rとは、同軸に配置されなくてもよい。第2回転体18と、後輪16Rとが、同軸に配置されない場合、第2回転体18と、後輪16Rとは、例えば、第2伝達機構を介して接続される。第2伝達機構は、複数の歯車を含んでいてもよく、スプロケットおよびチェーンを含んでいてもよく、プーリおよびベルトを含んでいてもよく、シャフトおよびベベルギアを含んでいてもよい。第2回転体18は、例えば、少なくとも1つの第2スプロケット、または、少なくとも1つの第2プーリを含む。
【0030】
第2回転体18と、後輪16Rとは、例えば、第1ワンウェイクラッチを介して接続される。第1ワンウェイクラッチは、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、および、ラチェットクラッチの少なくとも1つを含む。第1ワンウェイクラッチは、第1回転体14の前転に伴って、第2回転体18が回転する場合に、第2回転体18から後輪16Rに駆動力を伝達し、後輪16Rが前転する速度が、第2回転体18が前転する速度よりも高い場合に、後輪16Rと第2回転体18との相対回転を許容するように構成される。
【0031】
人力駆動車10は、例えば、バッテリ42をさらに含む。バッテリ42は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ42は、例えば、制御装置70、および、モータ24に電力を供給するように構成される。バッテリ42は、例えば、制御装置70と有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ42は、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御装置70と通信可能である。
【0032】
ディレイラ22は、クランク軸12の回転速度に対する車輪16の回転速度の変速比を変更するために伝達体20を操作するように構成される。変速比は、例えば、クランク軸12の回転速度に対する車輪16の回転速度の比率である。車輪16の回転速度は、例えば、駆動輪の回転速度を含む。
【0033】
ディレイラ22は、例えば、フロントディレイラ、および、リアディレイラの少なくとも1つを含む。ディレイラ22がフロントディレイラ、および、リアディレイラの少なくとも1つを含む場合、伝達体20は、チェーンを含む。伝達体20は、ベルトを含んでいてもよい。
【0034】
ディレイラ22は、例えば、複数のスプロケットのうちの1つに係合する伝達体20を、複数のスプロケットのうちの他の1つに移動させる。ディレイラ22は、例えば、電動アクチュエータ44を含む。電動アクチュエータ44は、例えば、ディレイラ22を動作するように構成される。
【0035】
ディレイラ22は、例えば、人力駆動車10における人力駆動力の伝達経路に設けられ、かつ、変速比を変更するように構成される。ディレイラ22は、例えば、伝達体20を操作して、第1回転体14および第2回転体18の少なくとも1つと、伝達体20との係合状態を変更することによって変速比を変更させる。変速比と、車輪16の回転速度と、クランク軸12の回転速度との関係は、式(1)によって表される。式(1)において、Rは、変速比を示す。式(1)において、Wは、車輪16の回転速度を示す。式(1)において、Cは、クランク軸12の回転速度を示す。
式(1):R=W(rpm)/C(rpm)
【0036】
ディレイラ22は、例えば、変速比を少なくとも1つの変速ステージごとに変更可能である。ディレイラ22は、例えば、少なくとも1つの変速ステージを変更するために伝達体20を操作するように構成される。少なくとも1つの変速ステージは、例えば、第1回転体14および第2回転体18の少なくとも1つに応じて設定される。少なくとも1つの変速ステージが複数の変速ステージを含む場合、例えば、複数の変速ステージのそれぞれには、異なる変速比が設定される。例えば、変速ステージが高くなるほど、変速比は大きくなる。
【0037】
第1回転体14が複数の第1スプロケットを含み、第2回転体18が複数の第2スプロケットを含む場合、変速ステージは、例えば、複数の第1スプロケットのうちの1つ、および、複数の第2スプロケットのうちの1つの組み合わせに応じて設定される。第1回転体14が1つの第1回転体14を含み、第2回転体18が複数の第2スプロケットを含む場合、変速ステージは、例えば、1つの第1スプロケットと、複数の第2スプロケットのうちの1つの組み合わせに応じて設定される。第1回転体14が複数の第1スプロケットを含み、第2回転体18が1つの第2スプロケットを含む場合、変速ステージは、例えば、複数の第1スプロケットと、1つの第2スプロケットに応じて設定される。
【0038】
ディレイラ22は、例えば、複数のスプロケットのうちの1つに係合するチェーンを、複数のスプロケットのうちの他の1つに移動させる。複数のスプロケットのうちの歯数が最小のスプロケットは、例えば、ディレイラ22によって実現可能な最小の変速段数と対応する。複数のスプロケットのうちの歯数が最大のスプロケットは、例えば、ディレイラ22によって実現可能な最大の変速段数と対応する。
【0039】
ディレイラ22がフロントディレイラを含む場合、複数の第1スプロケットは、例えば、2枚以上かつ3枚以下の第1スプロケットを含む。ディレイラ22がフロントディレイラを含む場合、複数の第1スプロケットは、例えば、2枚の第1スプロケットを含む。
【0040】
ディレイラ22がリアディレイラを含む場合、例えば、複数の第スプロケットは、2枚以上かつ20枚以下の第2スプロケットを含む。ディレイラ22がリアディレイラを含む場合、例えば、複数の第2スプロケットは、12枚の第2スプロケットを含む。
【0041】
モータ24は、伝達体20を駆動するように構成される。モータ24は、例えば、人力駆動力に応じて、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ24は、例えば、1または複数の電気モータを含む。モータ24に含まれる電気モータは、例えば、ブラシレスモータである。モータ24は、例えば、ペダル32A,32Bから第2回転体18までの人力駆動力の動力伝達経路に回転力を伝達するように構成される。
【0042】
本実施形態では、モータ24は、例えば、第1回転体14を介して伝達体20を駆動するように構成される。モータ24は、例えば、フレーム28に設けられ、第1回転体14に回転力を伝達するように構成される。モータ24は、伝達体20を駆動可能であれば、どのような構成であってもよい。モータ24は、第2回転体18を介して伝達体20を駆動するように構成されてもよい。モータ24は、人力駆動車10のハブに設けられ、第2回転体18に回転力を伝達するように構成されてもよい。
【0043】
人力駆動車10は、モータ24が設けられるハウジング46をさらに含む。モータ24およびハウジング46を含んで、ドライブユニット48が構成される。ハウジング46は、フレーム28に取り付けられる。ハウジング46は、クランク軸12を回転可能に支持する。モータ24は、第1回転体14を介さずに、伝達体20に回転力を伝達するように構成されてもよい。モータ24が第1回転体14を介さずに、伝達体20に回転力を伝達するように構成される場合、例えば、モータ24の出力軸24Aまたはモータ24の出力軸24Aの力が伝達される伝達部材に伝達体20と係合するスプロケットが設けられる。
【0044】
ドライブユニット48は、例えば、出力部50をさらに含む。出力部50と、クランク軸12とは、例えば、同軸に配置される。出力部50は、例えば、人力駆動力とモータ24の出力とが伝達されるように構成される。出力部50は、例えば、クランク軸12の回転力とモータ24の出力とが伝達されるように構成される。出力部50は、例えば、筒形状を有する。出力部50は、例えば、クランク軸12の回転中心軸心C1まわりにおいて、クランク軸12の外周部に設けられる。少なくとも1つの第1回転体14は、例えば、出力部50と一体回転するように出力部50の第1端部50Aに連結される。
【0045】
ドライブユニット48は、例えば、減速機52を含む。減速機52は、例えば、モータ24と人力駆動力の動力伝達経路との間に設けられる。減速機52は、例えば、少なくとも1つの減速部分を含む。少なくとも1つの減速部分は、例えば、第1減速部分52Aと、第2減速部分52Bと、第3減速部分52Cとを含む。減速機52は、1つ、2つ、または、4つ以上の減速部分を含んでいてもよい。
【0046】
第1減速部分52Aは、例えば、モータ24の回転トルクが伝達される。第1減速部分52Aは、例えば、互いに噛み合う2つの歯車を含む。第1減速部分52Aは、歯車に代えて、ベルトおよびプーリを含んでもよい。第1減速部分52Aは、歯車に代えて、スプロケットおよびチェーンを含んでもよい。
【0047】
第2減速部分52Bは、例えば、第1減速部分52Aを介してモータ24の回転トルクが伝達される。第2減速部分52Bは、例えば、互いに噛み合う2つの歯車を含む。第2減速部分52Bは、歯車に代えて、ベルトおよびプーリを含んでもよい。第2減速部分52Bは、歯車に代えて、スプロケットおよびチェーンを含んでもよい。
【0048】
第3減速部分52Cは、例えば、第2減速部分52Bを介してモータ24の回転トルクが伝達される。第3減速部分52Cは、例えば、出力部50にモータ24の回転トルクを伝達する。第3減速部分52Cは、例えば、互いに噛み合う2つの歯車を含む。第3減速部分52Cは、歯車に代えて、ベルトおよびプーリを含んでもよい。第3減速部分52Cは、歯車に代えて、スプロケットおよびチェーンを含んでもよい。
【0049】
ドライブユニット48は、例えば、第2ワンウェイクラッチ54をさらに含む。第2ワンウェイクラッチ54は、例えば、クランク軸12から少なくとも1つの第1回転体14までの動力伝達経路の間に設けられる。第2ワンウェイクラッチ54は、例えば、クランク軸12と出力部50との間に設けられる。
【0050】
第2ワンウェイクラッチ54は、例えば、クランク軸12が前転した場合に、第1回転体14を前転させ、クランク軸12が後転した場合に、クランク軸12と少なくとも1つの第1回転体14との相対回転を許容するように構成される。第2ワンウェイクラッチ54は、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、および、ラチェットクラッチの少なくとも1つを含む。
【0051】
ドライブユニット48は、例えば、第3ワンウェイクラッチ56をさらに含む。第3ワンウェイクラッチ56は、例えば、モータ24から少なくとも1つの第1回転体14までの動力伝達経路の間に設けられる。第3ワンウェイクラッチ56は、例えば、減速機52に設けられる。
【0052】
第3ワンウェイクラッチ56は、例えば、モータ24の回転力を出力部50に伝達するように構成される。第3ワンウェイクラッチ56は、例えば、クランク軸12が前転した場合に、クランク軸12の回転力がモータ24に伝達されることを抑制するように構成される。第3ワンウェイクラッチ56は、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、および、ラチェットクラッチの少なくとも1つを含む。
【0053】
人力駆動車10は、例えば、第1検出部58と、第2検出部60と、をさらに含む。人力駆動車10は、例えば、第1検出部58と、第3検出部62と、をさらに含む。人力駆動車10は、人力駆動車10は、第1検出部58、第2検出部60、および、第3検出部62のすべてを含んでもよい。
【0054】
本実施形態では、人力駆動車10は、第1検出部58と、第2検出部60と、第3検出部62とを含む。第1検出部58は、例えば、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続される。第2検出部60は、例えば、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続される。第3検出部62は、例えば、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続される。
【0055】
第1検出部58は、例えば、クランク軸12の回転速度に関するパラメータを検出する。クランク軸12の回転速度に関するパラメータは、例えば、クランク軸12および第1回転体14の少なくとも1つの回転量を含む。
【0056】
クランク軸12の回転速度に関するパラメータは、例えば、クランク軸12の回転速度および第1回転体14の回転速度の少なくとも1つに応じたパラメータを含む。クランク軸12の回転速度に応じたパラメータは、例えば、クランク軸12の角加速度を含む。第1回転体14の回転速度に応じたパラメータは、例えば、第1回転体14の角加速度を含む。
【0057】
第1検出部58は、例えば、クランク軸12の回転速度および第1回転体14の回転速度の少なくとも1つに応じた信号を出力するように構成される。第1検出部58は、例えば、クランク軸12および第1回転体14の少なくとも1つが1回転する間に、クランク軸12および第1回転体14の少なくとも1つの回転角度に対応する検出信号を出力するように構成される。
【0058】
第1検出部58は、例えば、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含む。第1検出部58は、例えば、周方向に複数の磁極が並ぶ環状の磁石を含む。環状の磁石は、例えば、クランク軸12、第1回転体14、または、クランク軸12から第1回転体14までの動力伝達経路の間に設けられる。環状の磁石は、例えば、1つのS極と、1つのN極とを含む。1つのS極と、1つのN極とは、クランク軸12の回転中心軸心C1まわりに、それぞれ180°連続して延びる。第1検出部58は、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、または、トルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0059】
第1検出部58は、例えば、フレーム28に設けられる。第1検出部58がフレーム28に設けられる場合、第1検出部58は、車速センサを含んで構成されていてもよい。第1検出部58が車速センサを含む場合、制御部72は、車速センサによって検出される車速と、変速比とに応じてクランク軸12の回転速度を算出するように構成されてもよい。第1検出部58は、ドライブユニット48に設けられてもよい。
【0060】
第1検出部58は、第2回転体18の回転量を検出するように構成されてもよい。第1検出部58は、第2回転体18の回転速度に応じた情報を検出するように構成されてもよい。第2回転体18の回転速度に応じた情報は、例えば、第2回転体18の角加速度を含む。第1検出部58は、第2回転体18の回転速度に応じた信号を出力するように構成されてもよい。
【0061】
第2検出部60は、車輪16の回転速度に関するパラメータを検出する。車輪16の回転速度に関するパラメータは、例えば、人力駆動車10の車速に関するパラメータを含む。第2検出部60は、例えば、前輪16Fおよび後輪16Rの少なくとも1つに設けられる磁石を検出するように構成される。
【0062】
第2検出部60は、例えば、車輪16が1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、1である。第2検出部60は、例えば、車輪16の回転速度に応じた信号を出力する。制御部72は、車輪16の回転速度に応じた信号と、車輪16の周長に関する情報とに基づいて人力駆動車10の車速を算出できる。記憶部74には、例えば、車輪16の周長に関する情報が記憶される。
【0063】
第3検出部62は、人力駆動車10のクランク軸12に入力される人力トルクに関するパラメータを検出する。クランク軸12に入力される人力トルクに関するパラメータは、例えば、クランク軸12に入力される人力駆動力に関するパラメータを含む。第3検出部62は、例えば、クランク軸12に入力される人力トルクに応じた信号を出力するように構成される。クランク軸12に入力される人力トルクに応じた信号は、クランク軸12に入力される人力駆動力に関する信号を含む。
【0064】
第3検出部62は、例えば、人力駆動力の伝達経路に含まれる部材または人力駆動力の伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられる。人力駆動力の伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸12、クランク軸12と第1回転体14との間において人力駆動力を伝達する部材を含む。第3検出部62は、例えば、クランク軸12から出力部50に人力駆動力を伝達するように構成される動力伝達部に設けられる。動力伝達部は、例えば、クランク軸12の外周部に設けられる。
【0065】
第3検出部62は、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。第3検出部62は、クランク軸12に入力される人力トルクに関するパラメータを検出できればどのような構成であってもよい。
【0066】
第3検出部62は、クランクアーム30A,30B、または、ペダル32A,32Bのうちの少なくとも1つに設けられてもよい。第3検出部62がペダル32A,32Bのうちの少なくとも1つに設けられる場合、第3検出部62は、ペダル32A,32Bのうちの少なくとも1つに与えられる圧力を検出するセンサを含んでいてもよい。第3検出部62は、伝達体20に含まれるチェーンに設けられてもよい。第3検出部62がチェーンに設けられる場合、第3検出部62は、チェーンの張力を検出するセンサを含んでいてもよい。
【0067】
人力駆動車10は、モータ24の負荷を検出可能に構成されるモータ負荷検出部64をさらに含んでいてもよい。モータ負荷検出部64は、例えば、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続される。モータ負荷検出部64は、例えば、モータ24の負荷を検出するように構成される。モータ負荷検出部64は、例えば、モータ24内を流れる電流を検出する電流センサと、モータ24の回転速度を検出する回転センサとを含む。モータ24の負荷については、モータ24内を流れる電流と、モータ24の回転速度とに基づいて、公知の技術を利用して検出できるので、詳細な説明を省略する。モータ負荷検出部64は、モータ24に含まれていてもよい。
【0068】
人力駆動車用の制御装置70は、制御部72を備える。制御部72は、例えば、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部72に含まれる演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。
【0069】
制御部72に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。演算処理装置の一部は、人力駆動車10に設けられ、演算処理装置の他の一部は、インターネットに接続されるサーバに設けられてもよい。演算処理装置が、相互に離れた複数の場所に設けられる場合、演算処理装置の各部分は、無線通信装置を介して相互に通信可能に接続される。制御部72は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0070】
制御装置70は、例えば、記憶部74をさらに備える。記憶部74は、例えば、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続される。記憶部74には、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部74は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0071】
制御装置70は、モータ24の駆動回路をさらに備えていてもよい。制御部72と、駆動回路とは、例えば、ハウジング46に設けられる。制御部72と、駆動回路とは、同一の回路基板に設けられてもよい。駆動回路は、例えば、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続される。駆動回路は、例えば、制御部72からの制御信号に応じてモータ24を駆動させる。
【0072】
駆動回路は、例えば、モータ24に電気的に接続される。駆動回路は、例えば、バッテリ42からモータ24への電力の供給を制御する。駆動回路は、例えば、インバータ回路を含む。インバータ回路は、例えば、複数のトランジスタを含む。インバータ回路は、例えば、直列に接続される一対のトランジスタからなる複数のインバータ部が並列に接続されるように構成される。インバータ回路は、インバータ回路に流れる電流を検出する電流センサを有してもよい。電流センサは、例えば、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続される。
【0073】
制御部72は、例えば、モータ24を制御するように構成される。制御部72は、例えば、人力駆動車10の状態に応じてモータ24を制御するように構成される。制御部72は、例えば、人力駆動車10に入力される人力駆動力に応じてモータ24の出力を変更するように、モータ24を制御するように構成される。制御部72は、例えば、人力駆動車10に入力される人力駆動力に応じて推進力を変更するように、モータ24を制御するように構成される。例えば、制御部72は、第3検出部62によって検出される人力駆動力に応じて、モータ24を制御するように構成される。
【0074】
制御部72は、例えば、第1検出部58によって検出されるクランク軸12の回転速度および第1回転体14の回転速度の少なくとも1つに応じて、モータ24を制御するように構成される。制御部72は、例えば、第2検出部60によって検出される人力駆動車10の車速に応じて、モータ24を制御するように構成される。
【0075】
制御部72は、人力駆動車10の車速が第1車速以下の場合、人力駆動力またはクランク軸12の回転速度の少なくとも1つに応じて、人力駆動車10に推進力を付与するようにモータ24を駆動するように構成されてもよい。予め定める第1車速は、例えば、法令によって規定される速度である。第1車速は、例えば、25km/h、または、27.5km/hである。
【0076】
制御部72は、例えば、モータ24によるアシストレベルが、予め定めるアシストレベルになるようにモータ24を制御するように構成される。アシストレベルは、例えば、人力駆動車10に入力される人力駆動力に対するモータ24の出力の比率、モータ24の出力の最大値、および、モータ24の出力が低下する場合におけるモータ24の出力変動の抑制レベルの少なくとも1つを含む。
【0077】
制御部72は、例えば、人力駆動力に対するアシスト力の比率が予め定める比率になるように、モータ24を制御するように構成される。人力駆動力は、例えば、ユーザがクランク軸12を回転させることによって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。人力駆動力は、例えば、ユーザがクランク軸12を回転させることによって、第1回転体14に入力される駆動力に対応する。
【0078】
アシスト力は、例えば、モータ24の出力に応じて第1回転体14に入力される駆動力を含む。アシスト力は、例えば、モータ24の回転によって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。ドライブユニット48が減速機52を含む場合、例えば、アシスト力は、減速機52の出力に対応する。
【0079】
予め定める比率は、一定ではなく、人力駆動力、クランク軸12の回転速度、第1回転体14の回転速度、および、車速の少なくとも1つに応じて変化してもよい。予め定める比率は、一定ではなく、人力駆動力、クランク軸12の回転速度、および、第1回転体14の回転速度の少なくとも1つと、車速と、に応じて変化してもよい。
【0080】
人力駆動力は、例えば、ユーザがクランク軸12を回転させることによって発生する人力駆動車10の推進力に対応する。人力駆動力は、例えば、ユーザがクランク軸12を回転させることによって、第1回転体14に入力される駆動力に対応する。人力駆動力は、例えば、トルクおよび仕事率の少なくとも1つによって表される。人力駆動力がトルクによって表される場合、例えば、人力駆動力は人力トルクと記載される。人力駆動力の仕事率は、例えば、クランク軸12に与えられるトルクとクランク軸12の回転速度との積である。
【0081】
アシスト力は、例えば、トルクおよび仕事率の少なくとも1つによって表される。アシスト力がトルクによって表される場合、例えば、アシスト力はアシストトルクと記載される。アシスト力が仕事率によって表される場合、例えば、アシスト力はアシスト仕事率と記載される。アシスト仕事率は、例えば、減速機52の出力トルクと減速機52の出力軸の回転速度との積である。人力駆動力に対するアシスト力の比率は、人力トルクに対するアシストトルクの比率であってもよく、人力仕事率に対するアシスト仕事率の比率であってもよい。
【0082】
制御部72は、例えば、アシスト力が最大アシスト力以下になるようにモータ24を制御するように構成される。制御部72は、例えば、アシストトルクが最大アシストトルク以下になるようにモータ24を制御するように構成される。最大アシストトルクは、例えば、20Nm以上かつ200Nm以下の範囲の値である。最大アシストトルクは、例えば、モータ24の出力特性、および、制御モードの少なくとも1つによって決定される。制御部72は、アシスト仕事率が最大値アシスト仕事率以下になるようにモータ24を制御するように構成されてもよい。
【0083】
制御部72は、クランク軸12が回転し、かつ、人力駆動車10が人力駆動力によって推進されていない第1条件と、ディレイラ22によって変速比が変更される変速条件と、が満たされる場合、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されないように、モータ24を制御するように構成される。
【0084】
制御部72は、例えば、第1条件と、変速条件と、が満たされる場合、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されないように、モータ24を制御するように構成される。制御部72は、第1条件と、変速条件と、が満たされる場合、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、モータ24の駆動力によって、車輪16が回転しないようにモータ24を制御するように構成されてもよい。
【0085】
クランク軸12が回転し、かつ、人力駆動車10が人力駆動力によって推進されていない場合は、例えば、下り坂の走行中にライダがクランク軸12を回転させ、かつ、クランク軸12の回転が車輪16に伝達されない場合を含む。クランク軸12が回転し、かつ、人力駆動車10が人力駆動力によって推進されていない場合、例えば、クランク軸12の回転速度は、車速と変速比とから算出される推定回転速度以下である。クランク軸12の回転速度が車速と変速比とから算出される推定回転速度以下の場合、第1ワンウェイクラッチおよび第2ワンウェイクラッチ54の少なくとも1つによって、クランク軸12の回転が車輪16に伝達されない。
【0086】
クランク軸12が回転し、かつ、伝達体20をモータ24によって駆動させる場合、例えば、モータ24が出力部50に回転トルクを伝達させることによって、出力部50が第1回転体14を回転させる。したがって、クランク軸12が回転し、かつ、人力駆動車10が人力駆動力によって推進されていない場合に、モータ24が伝達体20を駆動できる。
【0087】
第1条件は、例えば、第1検出部58の検出に基づくクランク軸12の回転速度が0よりも大きい条件、および、クランク軸12の回転速度が、第2検出部60の検出に基づく車輪16の回転速度と、変速比とから算出される推定回転速度以下の条件を含む。
【0088】
推定回転速度は、例えば、人力駆動車10の変速比および人力駆動車10の車速によって算出される。推定回転速度は、例えば、車輪16の回転速度を変速比によって除算することによって、算出されてもよい。推定回転速度は、例えば、式(2)によって算出される。式(2)において、CXは、推定回転速度を示す。式(2)において、Vは、車速を示す。式(2)において、Rは、変速比を示す。式(2)において、Lは、車輪16の周長を示す。
式(2):CX(rpm)=[V(km/h)×1000]/[R×60×L(m)]
【0089】
制御部72は、例えば、ディレイラ22への制御指令に基づいて、変速比を取得可能に構成される。制御部72は、変速操作装置66からの操作信号に基づいて、変速比を取得可能に構成されてもよい。制御部72は、人力駆動車10が人力駆動力によって推進される場合の、車速、クランク軸12の回転速度、および、タイヤの周長に基づいて変速比を取得可能に構成されてもよい。制御部72は、例えば、クランク軸12の回転速度が0よりも大きく、かつ、クランク軸12の回転速度が推定回転速度以下の場合に第1条件が満たされると判定する。
【0090】
第1条件は、例えば、第1検出部58の検出値に基づくクランク軸12の回転速度が0よりも大きく、かつ、第3検出部62の検出値に基づく人力トルクが予め定めるトルク以下の場合に満たされる。予め定めるトルクは、例えば、0Nm以上かつ5Nm以下である。予め定めるトルクは、例えば、人力駆動車10が人力駆動力によって推進されていない状態を判定可能な値が設定される。
【0091】
第1条件は、クランク軸12の回転速度が0よりも大きく、かつ、クランク軸12の回転速度が推定回転速度以下である条件、および、クランク軸12の回転速度が0よりも大きく、かつ、人力トルクが予め定めるトルク以下である条件の一方を含まなくてもよい。第1条件が、クランク軸12の回転速度が0よりも大きく、かつ、クランク軸12の回転速度が推定回転速度以下である条件を含まない場合、第2検出部60は省略されてもよい。第1条件が、クランク軸12の回転速度が0よりも大きく、かつ、人力トルクが予め定めるトルク以下である条件を含まない場合、第3検出部62は省略されてもよい。
【0092】
変速条件は、例えば、人力駆動車10の走行状態、人力駆動車10の走行環境、および、人力駆動車10の変速操作装置66の操作状態の少なくとも1つに関する。人力駆動車10の走行環境は、例えば、路面の勾配、および、路面抵抗の少なくとも1つを含む。人力駆動車10の走行状態は、例えば、車速、クランク軸12の回転速度、人力駆動力、および、人力駆動車10の傾斜角度の少なくとも1つを含む。変速操作装置66は、例えば、ユーザが操作できるように構成される。
【0093】
変速条件は、例えば、制御部72が変速操作装置66から変速指令を受信する場合に満たされる。変速条件は、オート変速に関する条件であって、例えば、人力駆動車10の走行状態が、予め定める状態を満たす場合、および、人力駆動車10の走行環境が、予め定める状態を満たす場合の少なくとも1つの場合に満たされてもよい。変速指令は、例えば、変速比を増加させるための変速指令、および、変速比を減少させるための変速指令を含む。
【0094】
制御部72は、例えば、ディレイラ22を制御するように構成される。制御部72は、例えば、第1条件、および、変速条件が満たされる場合、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、伝達体20をディレイラ22によって操作させる。制御部72は、例えば、第1条件と、変速条件と、が満たされる場合、人力駆動車10が推進されないようなモータ24の駆動力によって、伝達体20を駆動させるとともに、伝達体20をディレイラ22によって操作させる。
【0095】
制御部72は、例えば、ライダが乗車した人力駆動車10の走行中に、推定回転速度以下の回転速度によってクランク軸12が回転し、かつ、変速条件が満たされる場合に、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、伝達体20をディレイラ22によって操作させるように構成される。制御部72は、例えば、ライダが乗車した人力駆動車10の走行中に、人力トルクが予め定めるトルク以下の状態においてクランク軸12が回転し、かつ、変速条件が満たされる場合に、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、伝達体20をディレイラ22によって操作させるように構成される。
【0096】
制御部72は、例えば、第2条件、および、変速条件が満たされる場合、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されないように、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、伝達体20をディレイラ22によって操作させるように構成される。
【0097】
第2条件は、クランク軸12の回転が停止している場合に満たされる。制御部72は、例えば、クランク軸12の回転速度が予め定める回転速度以下の場合に、クランク軸12の回転が停止していると判定するように構成される。制御部72は、例えば、クランク軸12の回転速度が予め定める回転速度以下の場合、第2条件が満たされると判定するように構成される。予め定める回転速度は、例えば、0rpm以上かつ5rpm以下である。予め定める回転速度は、例えば、3rpmである。予め定める回転速度は、0rpmよりも大きくてもよい。
【0098】
予め定める回転速度は、ライダがペダリングを停止している状態においてクランク軸12が揺動する場合の回転速度に基づいて設定されてもよい。制御部72は、人力駆動力が停止判定駆動力以下の場合に、クランク軸12の回転が停止していると判定するように構成されてもよい。停止判定駆動力は、例えば、1Nm以上かつ5Nm以下の人力トルクである。
【0099】
制御部72は、例えば、第1条件、および、変速条件が満たされて、モータ24を駆動させる場合、モータ24の停止条件が満たされると、モータ24を停止させるように構成される。停止条件は、例えば、モータ24の駆動が開始されてから予め定める期間が経過する第1停止条件、および、モータ24の負荷が第1閾値以上である第2停止条件、の少なくとも1つを含む。制御部72は、例えば、モータ24の駆動が開始されてから予め定める期間が経過する第1停止条件、および、モータ24の負荷が第1閾値以上である第2停止条件、の少なくとも1つが満たされる場合、モータ24の停止条件が満たされると判定する。
【0100】
第1閾値は、例えば、伝達体20、第1回転体14、および、第2回転体18の少なくとも1つへの異物等の噛み込みを判定可能な値である。第1閾値は、伝達体20の弛みが解消されたことを判定可能な値であってもよい。予め定める期間は、予め定める時間、モータ24の出力軸24Aが第1回転角度にわたり回転する期間、および、モータ24によって第1回転体14が第2回転角度にわたり回転する期間、の少なくとも1つを含む。予め定める期間は、例えば、モータ24、伝達体20、第1回転体14、および、第2回転体18の少なくとも1つの動作の確認に必要な期間が設定される。モータ24、伝達体20、第1回転体14、および、第2回転体18の少なくとも1つの動作の確認に必要な期間は、例えば、モータ24、伝達体20、第1回転体14、および、第2回転体18の少なくとも1つの動作を検出可能なセンサの分解能に基づいて設定される。予め定める時間は、例えば、1秒以上かつ10秒以下である。第1回転角度は、例えば、180度以上かつ720度以下である。第2回転角度は、例えば、90度以上かつ360度以下である。予め定める期間は、ユーザによって設定されてもよい。
【0101】
制御部72は、第2条件、および、変速条件が満たされて、モータ24を駆動させる場合、モータ24の停止条件が満たされると、モータ24を停止させるように構成されてもよい。制御部72は、変速操作装置66とは異なり、かつ、モータ24を停止するように構成される操作部がユーザによって操作される場合、モータ24を停止させるように構成されてもよい。
【0102】
図4を参照して、制御部72がモータ24を制御する処理が説明される。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して
図4に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部72は、
図4のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0103】
制御部72は、ステップS11において、第1条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第1条件が満たされていない場合、ステップS12に移行する。制御部72は、第1条件が満たされる場合、ステップS13に移行する。制御部72は、ステップS12において、第2条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第2条件が満たされる場合、ステップS13に移行する。制御部72は、第2条件が満たされない場合、処理を終了する。
【0104】
制御部72は、ステップS13において、変速条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、変速条件が満たされる場合、ステップS14に移行する。制御部72は、変速条件が満たされない場合、処理を終了する。制御部72は、ステップS14において、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されないように、モータ24を制御して、ステップS15に移行する。
【0105】
制御部72は、ステップS15において、モータ24の停止条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、モータ24の停止条件が満たされない場合、ステップS16に移行する。制御部72は、ステップS16において、伝達体20をディレイラ22によって操作させるようにディレイラ22を制御して、ステップS17に移行する。
【0106】
制御部72は、ステップS17において、変速比の変更が完了したか否かを判定する。制御部72は、変速比の変更が完了した場合、ステップS18に移行する。制御部72は、変速比の変更が完了していない場合、ステップS15に移行してステップS15からの処理を繰り返す。制御部72は、ステップS15において、モータ24の停止条件が満たされる場合、ステップS18に移行する。制御部72は、ステップS18において、モータ24を停止させて、処理を終了する。
【0107】
図4の処理において、ステップS12は省略されてもよい。ステップS12が省略される場合において、制御部72は、ステップS11における判定がNOの場合、処理を終了する。ステップS12とステップS11との順番は、入れ替えてもよい。
【0108】
図4の処理において、ステップS15およびステップS18は省略されてもよい。ステップS15およびステップS18が省略される場合、制御部72は、ステップS14の後、ステップS16に移行する。ステップS15およびステップS18が省略される場合において、制御部72は、ステップS17の判定がYESの場合、処理を終了する。ステップS15およびステップS18が省略される場合において、制御部72は、ステップS17の判定がNOの場合、再びステップS17に移行して、ステップS17を実行する。
【0109】
図4の処理において、ステップS16およびステップS17は省略されてもよい。ステップS16およびステップS17が省略される場合において、制御部72は、ステップS15における判定がNOの場合、ステップS15を繰り返す。ステップS16およびステップS17が省略される場合、ディレイラ22は、電動アクチュエータ44を備えなくてもよい。ステップS16およびステップS17が省略される場合、例えば、ディレイラ22は、手動のディレイラであってもよい。
【0110】
ステップS15からステップS18のすべてが省略されてもよい。ステップS15からステップS18が省略される場合、制御部72は、ステップS14の後、処理を終了する。
【0111】
<第2実施形態>
図5を参照して、第2実施形態の人力駆動車用の制御装置70が説明される。第2実施形態の人力駆動車用の制御装置70のうちの第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付して重複する説明が省略される。
【0112】
第2実施形態において、制御部72は、モータ24、および、ディレイラ22を制御するように構成される。制御部72は、ディレイラ22によって変速比が変更される変速条件が満たされる場合、クランク軸12の回転速度に関わらず、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されないように伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、変速比を変更するために伝達体20をディレイラ22によって操作させるように構成される。
【0113】
制御部72は、例えば、変速条件が満たされて、モータ24を駆動させる場合、モータ24の停止条件が成立すると、モータ24の駆動を停止させるように構成される。モータ24の停止条件は、第1実施形態のモータ24の停止条件と同様である。
【0114】
図5を参照して、第2実施形態の制御部72がモータ24を制御する処理が説明される。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して
図5に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部72は、
図5のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0115】
制御部72は、ステップS21において、変速条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、変速条件が満たされない場合、処理を終了する。制御部72は、変速条件が満たされる場合、ステップS22に移行する。制御部72は、ステップS22において、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されないように、モータ24を駆動させるようにモータ24を制御して、ステップS23に移行する。
【0116】
制御部72は、ステップS23において、モータ24の停止条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、モータ24の停止条件が満たされない場合、ステップS24に移行する。制御部72は、ステップS24において、伝達体20をディレイラ22によって操作させるようにディレイラ22を制御して、ステップS25に移行する。
【0117】
制御部72は、ステップS25において、変速比の変更が完了したか否かを判定する。制御部72は、変速比の変更が完了した場合、ステップS26に移行する。制御部72は、変速比の変更が完了していない場合、ステップS23に移行してステップS23からの処理を繰り返す。制御部72は、ステップS23において、モータ24の停止条件が満たされる場合、ステップS26に移行する。制御部72は、ステップS26において、モータ24を停止させて、処理を終了する。
【0118】
図5の処理において、ステップS23およびステップS26は省略されてもよい。ステップS23およびステップS26が省略される場合、制御部72は、ステップS22の後、ステップS24に移行する。ステップS23およびステップS26が省略される場合において、制御部72は、ステップS25の判定がYESの場合、処理を終了する。ステップS23およびステップS26が省略される場合において、制御部72は、ステップS25の判定がNOの場合、ステップS25を繰り返す。
図5の処理において、ステップS25は省略されてもよい。ステップS25が省略される場合において、制御部72は、ステップS24の後、ステップS26に移行する。
【0119】
<第3実施形態>
図6を参照して、第3実施形態の人力駆動車用の制御装置70が説明される。第3実施形態の人力駆動車用の制御装置70のうちの第1実施形態および第2実施形態と共通する構成については、第1実施形態および第2実施形態と同一の符号を付して重複する説明が省略される。
【0120】
第3実施形態において、制御部72は、第3条件、および、ディレイラ22によって変速比が変更される変速条件が満たされる場合、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されるように、モータ24を制御する。制御部72は、例えば、第3条件、および、変速条件が満たされる場合、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されるように伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、変速比を変更するために伝達体20をディレイラ22によって操作させるように構成される。
【0121】
第3条件は、人力駆動車10の速度に関する条件を含む。第3条件は、例えば、人力駆動車10の速度が増加する場合に満たされる。第3条件は、クランク軸12の回転速度が増加する場合に満たされてもよい。第3条件は、車輪16の回転速度が増加する場合に満たされてもよい。制御部72は、例えば、人力駆動車10の速度が増加する場合に、第3条件が満たされると判定する。制御部72は、クランク軸12の回転速度が、推定回転速度よりも大きい場合に、第3条件が満たされると判定してもよい。
【0122】
第3条件、および、変速条件が満たされる場合、変速条件は、例えば、制御部72によってディレイラ22に変速比を増加させるための変速指令がある場合に満たされる。第3条件が満たされる場合、変速条件は、ユーザによる変速操作装置66の操作によってディレイラ22に変速比を増加させるための変速指令がある場合に満たされてもよい。制御部72は、人力駆動車10の速度が増加し、かつ、ディレイラ22に変速比を増加させるための変速指令がある場合、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されるように、モータ24を制御するように構成されてもよい。
【0123】
制御部72は、例えば、第3条件が満たされ、かつ、変速条件が満たされることによって、人力駆動車10に推進力を付与するようにモータ24を駆動させる場合、停止条件が満たされると、モータ24の駆動を停止するようにモータ24を制御するように構成される。モータ24の停止条件は、第1実施形態のモータ24の停止条件と同様である。
【0124】
図6を参照して、第3実施形態の制御部72がモータ24を制御する処理が説明される。制御部72は、例えば、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して
図6に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部72は、
図6のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0125】
制御部72は、ステップS31において、第3条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、第3条件が満たされない場合、処理を終了する。制御部72は、第3条件が満たされる場合、ステップS32に移行する。制御部72は、ステップS32において、変速条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、変速条件が満たされない場合、処理を終了する。制御部72は、変速条件が満たされる場合、ステップS33に移行する。
【0126】
制御部72は、ステップS33において、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されるように、モータ24を制御して、ステップS34に移行する。
【0127】
制御部72は、ステップS34において、モータ24の停止条件が満たされるか否かを判定する。制御部72は、モータ24の停止条件が満たされない場合、ステップS35に移行する。制御部72は、ステップS35において、伝達体20をディレイラ22によって操作させるようにディレイラ22を制御して、ステップS36に移行する。
【0128】
制御部72は、ステップS36において、変速比の変更が完了したか否かを判定する。制御部72は、変速比の変更が完了した場合、ステップS37に移行する。制御部72は、変速比の変更が完了していない場合、ステップS34に移行してステップS34からの処理を繰り返す。制御部72は、ステップS34において、モータ24の停止条件が満たされる場合、ステップS37に移行する。制御部72は、ステップS37において、モータ24を停止させて、処理を終了する。
【0129】
図6の処理において、ステップS34およびステップS37は省略されてもよい。ステップS34およびステップS37が省略される場合、制御部72は、ステップS33の後、ステップS35に移行する。ステップS34およびステップS37が省略される場合において、制御部72は、ステップS36の判定がYESの場合、処理を終了する。ステップS34およびステップS37が省略される場合において、制御部72は、ステップS36の判定がNOの場合、再びステップS36に移行して、ステップS36を実行する。
【0130】
図6の処理において、ステップS35およびステップS36は省略されてもよい。ステップS35およびステップS36が省略される場合において、制御部72は、ステップS34における判定がNOの場合、ステップS34を繰り返す。
図6の処理において、ステップS34からステップS37は省略されてもよい。ステップS34からステップS37が省略される場合、制御部72は、ステップS33の後、処理を終了する。
【0131】
<変更例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される各実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0132】
・制御部72は、ディレイラ22を制御しないように構成されてもよい。制御部72がディレイラ22を制御しないように構成される場合、ディレイラ22は、電動アクチュエータ44を備えない手動ディレイラであってもよい。手動ディレイラは、例えば、ボーデンケーブルを介して、変速操作装置66に接続される。
【0133】
・第1実施形態の人力駆動車用の制御装置70は、制御部72を備え、人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸12と、クランク軸12に接続される第1回転体14と、車輪16と、車輪16に接続される第2回転体18と、第1回転体14、および、第2回転体18に係合して、第1回転体14と第2回転体18との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体20と、クランク軸12の回転速度に対する車輪16の回転速度の変速比を変更するために伝達体20を操作するように構成されるディレイラ22と、伝達体20を駆動するように構成されるモータ24と、を含み、制御部72は、クランク軸12が回転し、かつ、人力駆動車10が人力駆動力によって推進されていない第1条件と、ディレイラ22によって変速比が変更される変速条件と、が満たされる場合、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されないように、モータ24を制御するように構成されていれば、その他の構成は省略されてもよい。
【0134】
・第2実施形態の人力駆動車用の制御装置70は、制御部72を備え、人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸12と、クランク軸12に接続される第1回転体14と、車輪16と、車輪16に接続される第2回転体18と、第1回転体14、および、第2回転体18に係合して、第1回転体14と第2回転体18との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体20と、クランク軸12の回転速度に対する車輪16の回転速度の変速比を変更するために伝達体20を操作するように構成されるディレイラ22と、伝達体20を駆動するように構成されるモータ24と、を含み、制御部72は、モータ24、および、ディレイラ22を制御するように構成され、ディレイラ22によって変速比が変更される変速条件が満たされる場合、クランク軸12の回転速度に関わらず、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されないように伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、変速比を変更するために伝達体20をディレイラ22によって操作させるように構成されていれば、その他の構成は省略されてもよい。
【0135】
・第3実施形態の人力駆動車用の制御装置70は、制御部72を備え、人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるように構成されるクランク軸12と、クランク軸12に接続される第1回転体14と、車輪16と、車輪16に接続される第2回転体18と、第1回転体14、および、第2回転体18に係合して、第1回転体14と第2回転体18との間において駆動力を伝達するように構成される伝達体20と、クランク軸12の回転速度に対する車輪16の回転速度の変速比を変更するために伝達体20を操作するように構成されるディレイラ22と、伝達体20を駆動するように構成されるモータ24と、を含み、制御部72は、第3条件、および、ディレイラ22によって変速比が変更される変速条件が満たされる場合、伝達体20をモータ24によって駆動させ、かつ、人力駆動車10がモータ24の駆動力によって推進されるように、モータ24を制御し、第3条件は、人力駆動車10の速度に関する条件を含んでいれば、その他の構成は省略されてもよい。
【0136】
・各実施形態において、制御部72は、ステップS14の処理と、ステップS16の処理とを、並列に実行してもよく、ステップS16の処理を開始した後に、ステップS14の処理を実行してもよい。
【0137】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0138】
本明細書において使用される「第1、第2、および、第3」などの序数については、単に同一の名称を有する複数の部材を区別するために用いられ、特別な意味を持たない。
【符号の説明】
【0139】
10…人力駆動車、12…クランク軸、14…第1回転体、16…車輪、18…第2回転体、20…伝達体、22…ディレイラ、24…モータ、24A…出力軸、58…第1検出部、60…第2検出部、62…第3検出部、66…変速操作装置、70…制御装置、72…制御部。