IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テスラ・モーターズ・インコーポレーテッドの特許一覧

特開2024-174919エネルギー貯蔵装置用の断続的コーティング乾式電極及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174919
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵装置用の断続的コーティング乾式電極及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/139 20100101AFI20241210BHJP
   H01M 4/1395 20100101ALI20241210BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20241210BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20241210BHJP
   H01M 4/134 20100101ALI20241210BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20241210BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20241210BHJP
   H01G 11/26 20130101ALI20241210BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20241210BHJP
【FI】
H01M4/139
H01M4/1395
H01M4/38 Z
H01M4/13
H01M4/134
H01M10/052
H01M50/531
H01G11/26
H01G11/86
【審査請求】有
【請求項の数】35
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024150579
(22)【出願日】2024-09-02
(62)【分割の表示】P 2021523391の分割
【原出願日】2019-11-07
(31)【優先権主張番号】62/757,609
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/675,012
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509316442
【氏名又は名称】テスラ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥオン ヒエウ ミン
(72)【発明者】
【氏名】ユディ ユディ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ズーイン
(72)【発明者】
【氏名】シン ジュンホ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エネルギー貯蔵装置用の断続的コーティング乾式電極の製造方法、断続的コーティング乾式電極、及び断続的コーティング乾式電極を備えるエネルギー貯蔵装置を提供する。
【解決手段】エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法は、金属層を準備することと、乾燥活物質で形成された電気化学的活性自立フィルムを準備することと、結合層を形成するために、電気化学的活性自立フィルムと金属層とを結合することと、電気化学的活性自立フィルムに含まれる複数のフィルム部が、金属層において、金属層の長手方向に、互いに分離して、断続的に形成されるように、電気化学的活性自立フィルムの一部を、結合層から除去することとを備えている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法であって、以下を含む方法:
金属層を準備すること;
乾燥活物質で形成された電気化学的活性自立フィルムを準備すること;
結合層を形成するために、前記電気化学的活性自立フィルムと前記金属層とを結合すること;及び、
前記電気化学的活性自立フィルムが、前記金属層において、前記金属層の長手方向に断続的に形成されるように、前記電気化学的活性自立フィルムの一部を、前記結合層から除去すること。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムの一部を、その下に配置された前記金属層の一部を露出させるように、除去する、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムの除去される前記一部は、前記長手方向と交差する方向に延びている、方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法において、
前記金属層は、断続的に接着剤でコーティングされるように、接着剤でコーティングされた少なくとも1つのコーティング部と、接着剤でコーティングされていない少なくとも1つの非コーティング部とを含み、
前記接着剤は、前記電気化学的活性自立フィルムに接着するように、前記電気化学的活性自立フィルムに面する前記金属層の表面に配置する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
断続的コーティングがされた前記金属層は、グラビアロールコーティング又はスロットダイコーティングによって形成する、方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法において、
前記結合することは、前記電気化学的活性自立フィルムを、前記金属層にラミネートすることを含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記ラミネートすることは、前記電気化学的活性自立フィルム及び前記金属層のうちの少なくとも1つを加熱及び/又は加圧することを含む、方法。
【請求項8】
請求項4に記載の方法において、
除去される前記電気化学的活性自立フィルムの前記一部は、前記金属層の前記非コーティング部と垂直方向に重なっている、方法。
【請求項9】
請求項4に記載の方法において、
前記接着剤は、導電性接着剤層を含み、該導電性接着剤層のコーティング重量は片側あたり約1~約5g/mであり、乾燥コーティング密度は片側あたり約0.2~約1.1g/cmである、方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法において、
前記除去することは、前記電気化学的活性自立フィルムの前記一部を、エアナイフ及び/又は真空で剥離することを含む、方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法において、
前記金属層は全体的に接着剤でコーティングされていない、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記結合することは、前記電気化学的活性自立フィルムと前記金属層とを、ラミネータロールアセンブリを用い、互いに対して断続的にプレスすることを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記ラミネータロールアセンブリは、一対のローラを備え、その少なくとも一方は所定長さの開口部を有する、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
各開口部の前記所定長さは、前記電気化学的活性自立フィルムの除去される前記一部の幅と同じであり、該幅は前記長手方向で測定される、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、
前記結合することは、前記電気化学的活性自立フィルムの前記一部が、前記ローラの回転中に、前記ローラによりプレスされないように、前記ローラの少なくとも1つの前記開口部を、除去される前記電気化学的活性自立フィルムの前記一部と位置合わせすることを含む、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、
前記ラミネータロールアセンブリは、互いに隣接する1対のローラを備え、
前記結合することは、2つの前記ローラ間のギャップが該ローラの回転中に周期的に開閉するように、前記ローラの少なくとも1つを互いに対して移動させることを含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記ギャップが開いている時間は、前記電気化学的活性自立フィルムの除去される前記一部の幅に比例するように制御され、該幅は前記長手方向で測定される、方法。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムは硫黄を含む、方法。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムは、前記金属層の片面のみに形成する、方法。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムは、前記金属層の反対の表面上それぞれ形成された第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの断続的パターンは、前記金属層の反対の表面で互いに対称である、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法において、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの断続的パターンは、前記金属層の反対の表面で互いに非対称である、方法。
【請求項23】
エネルギー貯蔵装置用の乾式電極であって、
金属層;及び、
乾燥活物質から形成された電気化学的活性自立フィルムであって、前記金属層の一部を露出するように、前記金属層において、前記金属層の長手方向に断続的に形成された複数のフィルム部を含む、電気化学的活性自立フィルム
を備える、乾式電極。
【請求項24】
請求項23に記載の乾式電極であって、
前記金属層の露出した前記一部は、接着剤でコーティングされておらず、前記長手方向と交差する方向に延びている、乾式電極。
【請求項25】
請求項24に記載の乾式電極であって、
前記接着剤は導電性接着剤層を含み、
前記導電性接着剤層のコーティング重量は片側あたり約1~約5g/mであり、乾燥コーティング密度は片側あたり約0.2~約1.1g/cmである、乾式電極。
【請求項26】
請求項23~25のいずれか1項に記載の乾式電極であって、
前記電気化学的活性自立フィルムは硫黄を含む、乾式電極。
【請求項27】
請求項23~26のいずれか1項に記載の乾式電極であって、
前記金属層は、互いに反対の第1及び第2の表面を含み、前記電気化学的活性自立フィルムは、前記金属層の前記第1及び第2の表面の少なくとも一方に配置されている、乾式電極。
【請求項28】
請求項27に記載の乾式電極であって、
前記複数のフィルム部は互いに等間隔を空けている、乾式電極。
【請求項29】
請求項23~28のいずれか1項に記載の乾式電極であって、
前記金属層は、互いに反対の第1及び第2の表面を含み、
前記電気化学的活性自立フィルムは、前記金属層の前記第1及び第2の表面にそれぞれ配置された、第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを含む、乾式電極。
【請求項30】
請求項29に記載の乾式電極であって、
前記第1の電気化学的活性自立フィルムは、第1の距離だけ互いに離れた複数の第1のフィルム部を含み、
前記第2の電気化学的活性自立フィルムは、前記第1の距離とは異なる第2の距離だけ互いに離れた複数の第2のフィルム部を含む、乾式電極。
【請求項31】
エネルギー貯蔵装置であって:
第1電極;
第2電極;及び、
前記第1電極及び第2電極間に介在するセパレータ
を備え、
前記第1電極及び第2電極の各々は、
金属層;及び、
乾燥活物質から形成された電気化学的活性自立フィルムであって、前記金属層の一部が露出するように、前記金属層において、該金属層の長手方向に断続的に形成された複数のフィルム部を含む、電気化学的活性自立フィルム
を備える、エネルギー貯蔵装置。
【請求項32】
請求項31に記載のエネルギー貯蔵装置において、
前記金属層の露出部に取り付けられた、電極タブをさらに備える、エネルギー貯蔵装置。
【請求項33】
請求項31~32のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置において、
前記エネルギー貯蔵装置は、バッテリ、キャパシタ又はそれらの組み合わせを含む、エネルギー貯蔵装置。
【請求項34】
請求項33に記載のエネルギー貯蔵装置において、
前記バッテリは、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車又は純電気自動車で使用するためのリチウムイオンバッテリを含む、エネルギー貯蔵装置。
【請求項35】
請求項31~34のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置において、
前記電気化学的活性自立フィルムは硫黄を含む、エネルギー貯蔵装置。
【請求項36】
エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法であって、
互いに反対にある第1及び第2の表面を有する金属層を準備すること;
乾燥活物質から形成された第1の電気化学的活性自立フィルムを準備すること;
乾燥活物質から形成された第2の電気化学的活性自立フィルムを準備すること;
前記金属層が前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの間に挿入されるように、前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを前記金属層と結合して、結合層を形成すること;及び、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムが、それぞれ前記金属層の前記第1及び第2の表面において、前記金属層の長手方向に断続的に形成されるように、前記第1の電気化学的活性自立フィルムの第1の部分及び前記第2の電気化学的活性自立フィルムの第2の部分を前記結合層から除去すること
を含む、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの前記第1及び第2の部分は、同じ長さを有する、方法。
【請求項38】
請求項36又は37に記載の方法において、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの前記第1及び第2の部分は、異なる長さを有する、方法。
【請求項39】
請求項36~38のいずれか1項に記載の方法において、
前記第1の電気化学的活性自立フィルムの前記第1の部分は、同じ長さを有する複数の第1のフィルム部を含み、
前記第2の電気化学的活性自立フィルムの前記第2の部分は、同じ長さを有し且つ前記複数の第1のフィルム部にそれぞれ面する、複数の第2のフィルム部を含み、
前記複数の第1のフィルム部の各々は第1の長さを有し、
前記複数の第2のフィルム部の各々は前記第1の長さとは異なる第2の長さを有する、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法において、
前記複数の第1のフィルム部の各々は、少なくとも一部で、前記複数の第2のフィルム部の対応する1つと垂直方向に重なる、方法。
【請求項41】
請求項36に記載の方法において、
前記結合することは、互いに隣接する第1及び第2のローラを備えるラミネータロールアセンブリで実行し、前記結合することは以下を含む、方法:
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを挿入し、前記第1のローラが前記第1の電気化学的活性自立フィルムに面し、前記第2のローラが前記第2の電気化学的活性自立フィルムに面するように、前記第1及び第2のローラ間に前記金属層を挿入すること;
前記第1のローラと前記第1の電気化学的活性自立フィルムとの間のギャップが第1の時間で周期的に開閉され、前記第2のローラと前記第2の電気化学的活性自立フィルムとの間のギャップが、第2の時間で周期的に開閉されるように、前記第1及び第2のローラを互いに対して移動させること、ここで前記第1及び第2の時間は互いに異なる;及び、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを、前記第1及び第2のローラを用いて前記金属層にラミネートして、前記結合層を生成すること。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの各々は、電気化学的活性自立フィルムのロールから形成し、
前記金属層は、金属箔のロールから形成し、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの前記ロール及び前記金属箔の前記ロールは、活性自立フィルム及び前記金属層が前記第1及び第2のローラ間に挿入され且つ前記第1及び第2のローラによってプレスされるときに、同時に巻きが解かれる。
【請求項43】
請求項36に記載の方法において、
前記結合することは、1組の第1及び第2のローラと、互いに離れた1組の第3及び第4のローラとを備える、ラミネータロールアセンブリで実行し、
前記結合することは、以下を含む、方法:
前記第1の電気化学的活性自立フィルム及び前記金属層を、前記1組の第1及び第2のローラに挿入すること、ここで、前記第1のローラは第1の開口部を有し、前記第2のローラは開口部を有さない;
前記1組の第1及び第2のローラを用いて、前記第1の電気化学的活性自立フィルムを前記金属層にラミネートして、ラミネート層を生成すること;
前記第3のローラが前記ラミネート層の前記第1の電気化学的活性自立フィルムに面し、前記第4のローラが前記第2の電気化学的活性自立フィルムに面するように、前記ラミネート層と前記第2の電気化学的活性自立フィルムとを、前記1組の第3及び第4のローラ間に挿入すること、ここで、前記第4のローラは第2の開口部を有し、前記第3のローラは開口部を有さず、前記第1及び第2の開口部は周方向長さが異なっており、前記金属層の反対側に面する;及び、
前記1組の第3及び第4のローラを用い、前記第2の電気化学的活性自立フィルムを前記ラミネート層の前記金属層にラミネートして、前記結合層を生成すること。
【請求項44】
請求項41に記載の方法において、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの各々は、電気化学的活性自立フィルムのロールから形成され、前記金属層は、金属箔のロールから形成され、前記第2の電気化学的活性自立フィルムの前記ロールの巻きが解かれる前に、前記第1の電気化学的活性自立フィルムの前記ロール及び前記金属箔の前記ロールの巻きが解かれる、方法。
【請求項45】
請求項36に記載の方法において、
前記第2の電気化学的活性自立フィルムは、硫黄を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月5日に出願された米国特許出願番号16/675,012、及び2018年11月8日に米国特許商標庁に出願された仮出願番号62/757,609の利益に対する優先権を主張し、その全体の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
記載する技術は、概してエネルギー貯蔵装置に関し、特に、エネルギー貯蔵装置用の断続的コーティング乾式電極及びその断続的コーティング乾式電極を備えるエネルギー貯蔵装置を、製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
電気エネルギー貯蔵セルは、電子、電気機械、電気化学及び他の有用なデバイス、例えばハイブリッド車、プラグインハイブリッド車及び純粋な電気自動車、に電力を供給するために広く使用されている。このようなセルには、一次化学セル及び二次(再充電可能)セルなどのバッテリ、燃料電池及びウルトラキャパシタを含む様々な種類のキャパシタが含まれる。キャパシタやバッテリなどのエネルギー貯蔵装置の動作電力及びエネルギーを増やすことは、エネルギー貯蔵を強化し、電力性能を高め、現実世界の使用ケースを拡大するために望ましい。
【発明の概要】
【0004】
記載する技術を要約する目的で、記載する技術の特定の目的及び利点を本明細書に記載する。そのような目的又は利点のすべてが、記載された技術の特定の実施形態で達成されるわけではない。したがって、例えば、当業者は、本明細書で教示される1つの利点又は利点群を、教示され又は示唆されるような他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、達成し又は最適化するような方法で、記載された技術が具体化され又は実施され得ることを認識するであろう。
【0005】
発明の一態様は、エネルギー貯蔵装置用の、断続的コーティング乾式電極である。
【0006】
他の態様は、エネルギー貯蔵装置用の断続的コーティング乾式電極の製造方法である。
【0007】
他の態様は、断続的コーティング乾式電極を備えるエネルギー貯蔵装置である。
【0008】
他の態様は、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法であって、以下を含む方法である:金属層を準備すること;乾燥活物質から形成された電気化学的活性自立フィルムを準備すること;結合層を形成するために、前記電気化学的活性自立フィルムと前記金属層とを結合すること;及び、前記電気化学的活性自立フィルムが、前記金属層において、前記金属層の長手方向に断続的に形成されるように、前記電気化学的活性自立フィルムの一部を、前記結合層から除去すること。
【0009】
他の態様は、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極であって、以下を備える:金属層;及び、乾燥活物質から形成された電気化学的活性自立フィルムであって、前記金属層の一部が露出するように、前記金属層において、前記金属層の長手方向に断続的に形成された複数のフィルム部を含む、電気化学的活性自立フィルム。
【0010】
他の態様は、エネルギー貯蔵装置であって、以下を備える:第1電極;第2電極;及び
、前記第1電極及び第2電極間に介在するセパレータ、ここで、前記第1電極及び第2電極の各々は、以下を含む;金属層;及び、乾燥活物質から形成された電気化学的活性自立フィルムであって、前記金属層の一部が露出するように、前記金属層において、該金属層の長手方向に断続的に形成された複数のフィルム部を含む、電気化学的活性自立フィルム。
【0011】
他の態様は、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法であって、以下を含む:金属層を準備すること;乾燥活物質から形成された第1の電気化学的活性自立フィルムを準備すること;乾燥活物質から形成された第2の電気化学的活性自立フィルムを準備すること;前記金属層が前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの間に挿入されるように、前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを前記金属層と結合して、結合層を形成すること;及び、前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの各々が、前記金属層において、前記金属層の長手方向に断続的に形成されるように、前記第1の電気化学的活性自立フィルムの第1の部分及び前記第2の電気化学的活性自立フィルムの第2の部分を前記結合層から除去すること。
【0012】
一態様の性質はいずれも、本明細書で特定されるすべての態様に適用可能である。さらに、一態様のいずれの性質も、独立して、部分的又は全体的に本明細書に記載する他の態様と任意の方法で組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ又は3つ以上の態様を全体的に又は部分的に組み合わせることができる。さらに、一態様の性質のいずれも、他の態様で任意選択できる。エネルギー貯蔵装置又はエネルギー貯蔵装置用の乾式電極を製造する方法のあらゆる態様は、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極又はエネルギー貯蔵装置の他の態様を含み得る。そして、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極又はエネルギー貯蔵装置のあらゆる態様は、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極又はエネルギー貯蔵装置の製造方法を実施するように構成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造プロセスを示すブロック図である。
図2図2は、熱及び/圧力が加えられる前に、接着剤で連続的にコーティングされた金属箔上に配置された電気化学的活性自立フィルムを示す。
図3図3は、熱及び圧力が加えられた後の、接着剤で連続的にコーティングされた金属箔にラミネートされた電気化学的活性自立フィルムを示す。
図4図4は、連続的コーティング乾式電極の一例を示す。
図5図5は、熱及び圧力が加えられる前に、接着剤で断続的にコーティングされた金属箔上に配置された電気化学的活性自立フィルムを示す。
図6図6は、熱及び圧力が加えられた後、接着剤で断続的にコーティングされた金属箔にラミネートされた電気化学的活性自立フィルムを示す。
図7図7は、一実施形態に係る、断続的コーティング乾式電極の一例を示す。
図8図8は、一実施形態に係る、電気化学的活性自立フィルムを示す。
図9図9は、一実施形態に係る、接着剤で断続的にコーティングされた金属箔部及び非コーティング金属箔部を含む金属箔の一例を示す。
図10図10は、他の実施形態に係る、断続的コーティング乾式電極を示す。
図11図11は、他の実施形態に係る、非コーティング金属箔に配置されたかれた電気化学的活性自立フィルムの一例を示す。
図12図12は、断続的コーティング電極ラミネートを製造する一実施形態に係る、ラミネータロールアセンブリを示す。
図13図13は、一実施形態に係る、図12のラミネータロールアセンブリにより製造された断続的コーティング乾式電極を示す。
図14図14は、他の実施形態に係る、一例としての非コーティング金属箔に配置された電気化学的活性自立活性フィルムを示す。
図15図15は、他の実施形態に係る、ラミネータロールアセンブリを示す。
図16図16は、他の実施形態に係る、図15のラミネータロールアセンブリにより製造された断続的コーティング乾式電極を示す。
図17図17は、他の実施形態に係る、図18の非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネートを製造するラミネータロールアセンブリを示す。
図18図18は、一実施形態に係る、図17のラミネータロールアセンブリにより製造された非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネートを示す断面図である。
図19図19は、他の実施形態に係る、図20の非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネートを製造するラミネータロールアセンブリを示す。
図20図20は、他の実施形態に係る、図19のラミネータロールアセンブリにより製造された非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネートを示す断面図である。
図21図21は、一実施形態に係る、電極タブに接続される断続的コーティング乾式電極を示す。
図22図22は、一実施形態に係るエネルギー貯蔵装置を示す。
図23図23は、一実施形態に係るエネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法を示す。
図24図24は、他の実施形態に係る、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書では、エネルギー貯蔵装置で使用する乾式電極の様々な実施形態を提供する。特に、特定の実施形態では、本明細書に開示されるエネルギー貯蔵装置は、断続的コーティング乾式電極を備える。例えば、記載された技術は、電極の幅にわたって設計された集電体を伴う円筒状に巻かれたセルで使用するための、断続的パターンを含むように乾式電極をコーティングする能力を提供し得る。また、そのような断続的コーティング乾式電極の、製造方法も提供する。開示された実施形態は、エネルギー貯蔵装置用のシンプルな費用効果の高い、電極のコーティング手順を提供し得る。
【0015】
リチウムイオンバッテリなどのエネルギー貯蔵装置は、多くの商用及び産業用、例えば消費者用装置、生産用装置及びバッテリで駆動される車両、における電源として信頼されてきた。しかし、エネルギー貯蔵装置に対する需要は継続的かつ急速に拡大している。例えば、自動車業界では、プラグインハイブリッド車及び純粋な電気自動車など、コンパクトで効率的なエネルギー貯蔵に依存した自動車を開発している。リチウムイオンバッテリは、将来の需要を満たすのに適している。
【0016】
エネルギー貯蔵装置の貯蔵能力の主要なコンポーネントは電極である。電極の電気化学的能力、例えばバッテリ電極の容量及び効率は、様々な要因に支配される。例えば、活物質、バインダ及び添加剤の分布;活物質の粒子サイズや表面積など、含まれる材料の物理的特性;活物質の表面特性;及び、密度、気孔率、凝集性、導電性要素への接着性等の電極フィルムの物理的特性である。従来、乾式処理方法では、高剪断及び/又は高圧処理ステップにより、電極フィルム材料を分解し及び混合しており、これは、湿式プロセスで製造された電極フィルムよりも構造上の利点を付与し得る。
【0017】
図1は、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極を製造するプロセス10を示すブロック図である。本明細書で使用する「乾式」という用語は、電解質の最終含浸ステップ以外の、本明細書に記載する処理ステップにおける、電極の混合及びコーティングの処理において、液相溶媒及び添加剤を使用しないことを意味する。図1に示すプロセス10は、乾燥活物質粒子12、乾燥導電性粒子14及び乾燥バインダ粒子16の、乾燥混合18を行い、乾燥混合物を形成することにより開始する。さらに、乾燥導電性粒子21及び乾燥バインダ
粒子23の乾燥混合19も行い、オプションの乾燥フィブリル化ステップ26又は29に提供できる乾燥混合物を形成する。乾燥混合物は、例えばジェットミル(図示しない)を用いて乾燥フィブリル化ステップ20でフィブリル化する。乾燥フィブリル化ステップ20の間、乾燥混合物を物理的に引き伸ばして薄いウェブ状繊維のネットワークを形成するために、乾燥混合物に高剪断力を加える。乾燥供給工程22又は29では、工程19及び20で形成された乾燥粒子のそれぞれの別個の混合物は、乾燥フィルムを形成するためにそれぞれの容器(図示しない)に供給される。乾燥フィルムはその後、ロールミル又はカレンダ24により乾燥圧縮され且つカレンダ加工され、埋め込まれた/混合された乾燥フィルム又は自己支持型電極フィルム(又は電気化学的活性自立フィルム)を提供する。埋め込まれた/混合された乾燥フィルムは、集電体(例えば、金属箔)28に付着され又は結合される。乾燥フィルムを形成する材料の種類及び集電体を形成する材料を含む、埋め込まれた/混合された乾燥フィルムを製造するより詳細なプロセスは、米国特許第7,352,558号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
前記の製造される自己支持型乾燥電極フィルムは、湿式プロセスにより製造される典型的な電極フィルムと比較して改善された特性を提供し得る。例えば、本明細書で提供される乾燥電極フィルムは、改善されたフィルム強度、改善された凝集性、改善された接着性、改善された電気的性能又は低減された欠陥の発生率のうちの1つ以上を提供し得る。欠陥は、電極フィルムの穴、亀裂、表面ピットを含み得る。接着性は、集電体への接着性であってもよい。電気的性能は、比容量であってもよい。フィルム強度は引張強度であってもよい。
【0019】
本明細書で提供する材料及び方法は、様々なエネルギー貯蔵装置に実装できる。本明細書で提供するように、エネルギー貯蔵装置は、キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ(LIC)、ウルトラキャパシタ、リチウムイオンバッテリなどのバッテリ又は前記の2つ以上の態様を組み合わせたハイブリッドエネルギー貯蔵装置であってもよい。
【0020】
図2~4は、乾式電極の一例の製造プロセスを示す。この乾式電極の例は、アノード又はカソードであり得る。図2を参照すると、電気化学的活性自立フィルム34が金属箔30の上に配置されている。電気化学的活性自立フィルム34は、電気化学的に活性な材料から形成されてもよい。電気化学的活物質は、アノード活物質又はカソード活物質であり得る。アノード活物質は、例えば、グラファイト、シリコン、スズ、チタン酸リチウム、リチウム金属、リチウム合金化合物又はこれらの組成物から誘導される複合体を含み得る。カソード活物質は、例えば、ニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)、ニッケルコバルトアルミニウム酸化物(NCA)、リチウムコバルト酸化物(LCO)、リチウムリン酸鉄(LFP)、活性炭、リチウムマンガン酸化物(LMO)、リチウムニッケルマンガン酸化物(LNMO)、硫化鉄、硫黄又はこれらの組成物に由来する複合体を含み得る。金属箔30は、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼又はそれらの組み合わせから形成し得る。この段落の説明は、残りの実施形態に当てはまる。
【0021】
金属箔30は、連続的に接着剤でコーティングされた金属箔部32と非コーティング金属箔部36とを含む。連続的に接着剤でコーティングされた金属箔部32は、金属箔30の長手方向に連続して接着剤でコーティングされている。電気化学的活性自立フィルム34は、接着剤でコーティングされた金属箔部32の大部分に配置し得る。活性自立フィルム34は、また、図2に示すように、非コーティング金属箔部36の一部にも、配置し得る。いくつかの実施形態では、活性自立フィルム34は、非コーティング金属箔部36のどの部分にも配置されなくてもよい(図示しない)。活性自立フィルム34及び接着剤でコーティングされた金属箔部32に熱及び/又は圧力を加えた後、活性自立フィルム34を接着剤でコーティングされた金属箔部32にラミネートする(図3)。図3のラミネートされたフィルムは、付着していない電気化学的活性自立フィルム42の領域と、コーテ
ィング金属箔44にラミネートされたフィルムの領域とを含む。活性自立フィルム34に直接付着していない、接着剤でコーティングされた金属箔部32は、例えば、剥離またな切断より除去し得る。次いで、連続的に接着剤でコーティングされた乾式電極46が形成される(図4)。図4の乾式電極46は、乾式電極46を、最終的な電気装置の内部に配置された電極タブなどの他の電気部品に電気的に接続するために使用できる非コーティング金属箔部48を含む。非コーティング箔部48のサイズ又は寸法は、一般に、最終乾式電極46の重要な部分を構成する。すなわち、連続的に接着剤でコーティングされた乾式電極46の寸法は、非コーティング部48の寸法によって制限される場合がある。
【0022】
図5~7は、一実施形態に係る、断続的コーティング乾式電極の一例を製造するプロセスを示す。図5を参照すると、電気化学的活性自立フィルム56が金属箔58に配置されている。金属コイル58は、その長手方向に接着剤又は接着剤層(図示しない)で不連続的に又は断続的にコーティングされている。接着剤層は、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリル、フルオロポリマー、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、カーボン若しくはこれらの組み合わせなどの熱可塑性樹脂又は接着剤の1つ以上から形成されていてもよい。接着剤層は導電性であってもよい(例えば、カーボン接着層)。導電性接着剤層のコーティング重量は片側あたり約1~約5g/mであり、乾燥コーティング密度は片側あたり約0.2~約1.1g/cmであってもよい。前記コーティング重量及び密度は、自立活性フィルムの機械的に頑丈な付着と低コストとの間の最適なバランスを提供し得る。例えば、導電性接着剤層を薄くでき(最小の積載重量)、密度をできるだけ小さくできる(最小の炭素接着剤の使用)。これらの重量及び密度の値は単なる例であり、他の重量及び密度の値であってもよい。これは、残りの実施形態にも当てはまる。金属コイル58は、コーティング部52(又は断続的に接着剤でコーティングされた金属箔部)及び非コーティング部54(又は非コーティング金属箔部)を含む。非コーティング部54は、接着剤でコーティングされた部分52の間に介在する。非コーティング部54は、金属箔58の長手方向の、金属箔58の中央付近に位置し得るが、非コーティング部54の位置は限定されない。不連続的にコーティングされた金属箔58は、例えば、グラビアロールコーティング又はスロットダイコーティング又はスクリーン印刷又はレーザージェット印刷により製造できる。
【0023】
熱及び/又は圧力を積層された層(58、56)に加えた後、活性自立フィルム56を接着剤でコーティングされた金属箔部52にラミネートする(図6)。図6のラミネートフィルムは、付着していない電気化学的活性自立フィルムの領域62と、コーティング金属箔にラミネートされたフィルムの領域64とを含む。付着していない電気化学的活性自立フィルムの領域62は、図6に示す活性自立フィルム56の上部と中央部とを含む(図6の上部領域に示される2つの矢印を参照)。コーティング金属箔にラミネートされたフィルムの領域64は、接着剤でコーティングされた金属箔部52と垂直方向に重なる活性自立フィルム56の左部と右部とを含む(図6の下部領域に示される2つの矢印を参照)。
【0024】
非コーティング金属箔部54と垂直方向に重なる活性自立フィルムの一部56を除去した後、不連続的に又は断続的コーティング乾式電極72が形成される(図7)。付着していない自立フィルムの重なり部分62の剥離/切取り又は除去は、例えば、エアナイフ及び/又は真空で行い得る。非コーティング金属箔部54は、接着剤でコーティングされておらず、活性自立フィルム56の対応する部分に接着していないので、自立フィルムの重なった部分は、図2~4に示す連続的に接着剤でコーティングされた電極に比べ容易に除去できる。乾式電極72は、互いに不連続的に又は断続的に形成された2つの活性自立フィルムの部分64a及び64bを含む。乾式電極72は、電極72を電極タブなどの他の要素に電気的に接続するために使用される非コーティング箔部54を含む。非コーティン
グ部54の寸法は、図4の連続的にコーティングされた乾式電極46の非コーティング部48よりも実質的に小さくてもよい。例えば、非コーティング箔部54の幅は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20mmであってもよく、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲内の任意の幅であってもよい。他の実施形態では、非コーティング箔部54の幅は、5~10、10~20、20~30、30~40又は40~50mm以上であってもよい。このようにして、図5図7に示す実施形態は、シンプル且つ費用効果の高い、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造手順を提供できる。
【0025】
図8~10は、他の実施形態に係る、一例としての乾式電極を製造するプロセスを示す。図8には、電気化学的活性自立フィルム80を示す。活性自立フィルム80は、図2に示す活性自立フィルム34及び図5に示す活性自立フィルム56よりも長くてもよい。図9は、金属箔90を示す。金属箔90は、図9に示すように、接着剤で長手方向に不連続的に又は断続的にコーティングされている。活性自立フィルム80は、寸法が金属箔90と同等であってもよい。金属コイル90は、コーティング部92(又は断続的に接着剤でコーティングされた金属箔部)及び非コーティング部94(又は非コーティング金属箔部)を含む。コーティング部分9及び非コーティング部94は、図9に示すように、交互に形成されている。不連続的にコーティングされた金属箔部92は、例えば、グラビアロールコーティング、スロットダイコーティング、スクリーン印刷又はレーザージェット印刷により、金属箔90に(前記のように)接着剤で断続的にコーティングして形成できる。
【0026】
図9及び図10において、xは、金属箔90の長手方向で測定された非コーティング金属箔部94各々の幅を表し、yは、長手方向で測定されたコーティング金属箔部92/102各々の幅を表す。図9には、3組のコーティング部92及び非コーティング部94のみが示されているが、さらに多くのコーティング部と非コーティング部とのペアを形成してもよい(図示しない)。それらのより多くのペアは、交互に形成し得る。x/yの比は、コーティング部の幅が非コーティング部のその値よりも大きくなるように、yが典型的にはxよりも大きい、あらゆる値であってよいことを理解されたい。一実施形態では、以下でより十分に議論するように、幅yは、ラミネートフィルムがロール状電極フォーマット(a rolled electrode format)に巻かれるときに、各非コーティング部94が互いに整列するように、最終電極巻線の円周に関連している。
【0027】
図5及び図6と同様に、活性自立フィルム80を、金属箔90の断続的に接着剤でコーティングされた金属箔部92及び非コーティング金属箔部94の上に配置した後、活性自立フィルム80が、接着剤でコーティングされた金属部92にラミネートされるように、熱及び/又は圧力を積層された層(80、90)に加えてもよい。ここでも、活性自立フィルム80は、接着剤が形成されていない非コーティング金属箔部94に接着されなくてもよく又は非常に弱く付着していてもよい。図9では、非コーティング金属箔部94が3つ設けられているので、図10のラミネートフィルム100は、最初は、3つの非コーティング金属箔部94とそれぞれ垂直方向に重なる活性自立フィルム80の3つの部分(図示せず)を含む(3つの部分が除去される前)。活性自立フィルム80の重なった部分を除去した後、不連続的に又は断続的コーティング乾式電極100が形成される(図10)。活性自立フィルム80の重なった部分の剥離又は除去は、図5図7の実施形態に関連する前記議論と同様の方法で行い得る。
【0028】
電極100は、断続的コーティング部102及び非コーティング箔部94を含む。非コーティング箔部94の少なくとも1つは、電極100を電極タブなどの他の要素に電気的に接続するために用い得る。非コーティング部94各々の寸法は、図4の連続的にコーティングされた乾式電極46の非コーティング部48よりも実質的に小さくてもよい。このようにして、図8図10に示される実施形態は、シンプル且つ費用効果の高い、エネル
ギー貯蔵装置用の乾式電極の製造手順を提供できる。
【0029】
図11図13は、他の実施形態に係る、一例としての乾式電極を製造するプロセスを示す。図11には、電気化学的活性自立フィルム110と、接着剤でコーティングされていない金属箔120とを示す。活性自立フィルム110は、図8に示す活性自立フィルム80と同じ寸法を有していてもよい。図12のラミネータロールの手順を行う前に、活性自立フィルム110を非コーティング金属箔120上に配置し、それと位置合わせする。活性自立フィルム110及び非コーティング金属箔120の両方を説明する目的で、図11は、2つの要素110及び120が互いにわずかにずれているように示しているが、要素110及び120は、ラミネータロール手順の前に位置合わせする。
【0030】
図12を参照すると、活性自立フィルム110及び非コーティング金属箔120は、ラミネータロールアセンブリ130に挿入され、ラミネートされる。ラミネータロールアセンブリ130は、一対のローラ132及び134を備える。ローラ132及び134は、実質的に同じ直径を有し得る。ローラ132及び134は、ローラ132及び134の両方により実質的に均一な圧力がその積層された層(110、120)に加えられるように、同じ材料又は同じ若しくは同等レベルの硬度を有する異なる材料から形成されてもよい。ローラ132及び134は、それぞれ開口部136及び138を有する。開口部136及び138は、同じ寸法を有し得る。一実施形態では、開口部136及び138は、同じ幅又は周方向長さ(x)及び同じ深さを有し得る。他の実施形態では、開口部136及び138は、同じ幅(x)を有し得るが、異なる深さを有し得る。開口部136及び138各々の幅(x)は、図13に示す非コーティング金属箔部144各々の幅と同じである。ローラ132及び134の残りの部分の長さ(y)は、図13に示す断続的コーティング部142各々の幅と同じである。
【0031】
ラミネートローラ132及び134の各々は、断続的コーティング部142及び非コーティング金属箔部144の必要な寸法に応じて、x及びyの異なる寸法を有し得ることを当業者は理解するであろう。例えば、非コーティング金属箔部の幅(x)が大きいほど、その開口部の周方向長さも大きくなる。対照的に、非コーティング金属箔部各々の幅(x)が小さいほど、その開口部の周方向長さも小さくなる。xの寸法が決まると、残りの部分の寸法(y)が自動的に決まる。
【0032】
図12のラミネート手順中、ローラ132及び134は、図12に示すように開口部136及び138が互いに整列するように、互いに隣接するように配置される。ローラ132及び134間に積層された層(110、120)を挿入すると、積層された層(110、120)は開口部136及び138においてはローラ132、134によりプレス(加圧)されないので、その2つの層(110、120)は開口部136及び138を通過する部分以外で互いにラミネートされる。活性自立フィルム110のプレスされていない部分は、図13に示されるように断続的コーティング乾式電極140を形成するように剥離し得る。剥離手順は、前記の実施形態に関して説明したのと同じ方法で行い得る。
【0033】
図12のローラ132及び134の各々には開口部があるが、ローラ132及び134の一方のみに開口部を設けてもよい。この実施形態では、ラミネートロール手順中、その2つの層(110、120)のうちの1つだけが、開口部領域でローラ132及び134と直接接触する。
【0034】
他の実施形態では、ローラ132及び134の各々は、複数の開口部(図示せず)を含み得る。この実施形態では、各ローラは、図12に示すローラ132及び134よりも大きな寸法を有していてもよい。例えば、ローラ132、134の各々には、互いに離れた2つ以上の開口部が形成されている。これらのローラは、同じ寸法及び同じ数の開口部を
有し得る。さらに、各ローラの開口部は、x領域を形成する活性自立フィルム110の同じ部分がいずれかのローラに直接プレスされないように、ラミネートロール手順中に互いに周方向に位置合わせしてもよい。各開口部の長さは、非コーティング金属箔部144各々の幅(x)と同じであり得る。隣接する開口部間の距離は、断続的コーティング部142各々の幅(y)と同じであり得る。この実施形態では、ラミネート手順及び剥離手順をより効率的に行うことができる。
【0035】
上記の乾式電極の製造手順は、片側コーティング電極、両側コーティング電極及びオフセットコーティング電極又は非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート(図17図20に関して説明する、一方側と他方側とで断続するパターンが異なる両側コーティング電極)に適用できる。両側コーティング電極では、一方側の断続するパターンを反対側のそれと対称にしてもよい。
【0036】
図14図16は、他の実施形態に係る、一例としての乾式電極を製造するプロセスを示す。図14には、接着剤でコーティングされていない電気化学的活性自立フィルム150及び金属箔162が示されている。活性自立フィルム150は、図11に示す活性自立フィルム110と同じ寸法を有し得る。図15のラミネータロール手順を行う前に、活性自立フィルム150を非コーティング金属箔162の上に置き、それと位置合わせする。
【0037】
図15を参照すると、活性自立フィルム150及び非コーティング金属箔162は、ラミネータロールアセンブリ170に挿入され、ラミネートされる。ラミネートロールアセンブリ170は、一対のローラ175及び177を備える。ローラ175及び177は、実質的に同じ直径を有し得る。ローラ175及び177は、ローラ175及び177の両方により実質的に均一な圧力が積層された層(150、162)に加えられるように、同じ材料又は同等レベルの硬度を有する異なる材料から形成され得る。
【0038】
ローラ175及び177の相対位置(例えば、垂直位置)は、ローラ175及び177が回転している間、それらの間のギャップ(間隔)が周期的に開閉するように制御されてもよい。図15において、参照番号172及び176は閉じたギャップを示し、参照番号174は開いたギャップを示す。一実施形態では、図16に示す断続的コーティング乾式電極180の断続する周期は、寸法x及び寸法yが生じる2つの層150及び162に加えられる圧力の時間に支配される。この実施形態では、自立フィルム150が金属箔162に付着する寸法yは、ローラ175及び177の閉じているときに生じる(図15の172及び176を参照)。図16に示す断続的コーティング部184の長さ(y)又は幅は、ローラ175及び177が閉じている(172、176)の時間に比例し得る。例えば、ローラ175及び177の閉じている時間が長いほど、長さyもまた長くなり、その逆も真である。さらに、自立フィルム150が金属箔162に付着していない(単に置かれている)ところの寸法xは、ローラ175及び177が開いているときに生じる(図15の174を参照)。隣接する断続的コーティング部184間の長さ(x)は、ローラ175及び177が開いている(174)時間に比例し得る。例えば、ローラ175及び177が開いている(174)時間が長いほど、長さxは大きくなり、その逆もまた真である。一実施形態では、ローラ175及び177の両方が動かされて、それらの間のギャップを開閉する。他の実施形態では、ローラ175及び177の一方のみが移動して、それらの間のギャップが開閉する。
【0039】
ローラ175及び177のギャップが閉じると(172、176)、積層された層(150及び162)はローラ175及び177によってプレスされ、互いにラミネートされる。ローラ175と177のギャップが開いているとき(174)、積層された層(150及び162)はローラ175及び177によってプレスされず、したがって互いにラミネートされない(すなわち、単に重ね合わされる)。活性自立フィルム150のプレスさ
れていない部分が除去され、図16に示すように、断続的コーティング乾式電極180が形成される。除去手順は、前記実施形態に関して説明したのと同様の方法で実行できる。このようにして、ラミネート手順及び除去手順をより効率的に行い得る。
【0040】
前記の乾式電極製造手順は、片側コーティング電極、両側コーティング電極及びオフセットコーティング電極又は非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート(図17図20で説明する、一方側と他方側とで断続的パターンが異なる両側コーティング電極)に適用できる。
【0041】
図17及び図18は、一実施形態に係る、ラミネータロールアセンブリ320を用いて非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート300を製造するプロセスを示す。図17は、一実施形態に係る、図18に示す非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート300を製造するラミネータロールアセンブリ320を示す。図18は、一実施形態に係る、図17に示すラミネータロールアセンブリ320により製造された非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート300を示す断面図である。図14図16に関して前記説明のように及び図18に示すように、非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート300(又はオフセットコーティング乾式電極)は、一方側が他方側とは異なる断続的パターンを有する両側電極である。
【0042】
図17を参照すると、ラミネータロールアセンブリ320は、上部及び下部ラミネータローラ307及び309を備える。ロールアセンブリ320は、第1のフィルムロール304、第2のフィルムロール306及び接着金属箔305のロールを受け取る。第1のフィルムロール304は、図18に示す第1の断続的乾燥ラミネート301用の電気化学的活性自立フィルム用のロールを示す。第2のフィルムロール306は、図18に示す第2の断続的乾燥ラミネート302用の電気化学的活性自立フィルムのロールを示す。接着金属箔ロール305は、図18に示す非対称断続的コーティング接着金属箔303のロールを示す。接着金属箔ロール305は、ロールアセンブリ320に挿入されるとき、第1及び第2のフィルムロール304及び306間に挿入される。第1のフィルムロール304、金属箔ロール305及び第2のフィルムロール306は、フィルム及び金属層が、上部及び下部のローラ307及び309間に挿入され、それらによってプレスされるときに、同時に巻きが解かれ得る。図15に示すように、上部ローラ307は、第1のフィルムロール304を接着金属箔305に周期的に押し付けて、第1の断続的乾燥ラミネート301を生成するように制御される。例えば、第1フィルムロール304は、長さ「a」の時間プレスされ、図18に示される長さ「b」の時間プレスされない。さらに、下部ローラ309は、第1第2のフィルムロール306を接着性金属箔305に周期的に押し付けて、第2の断続的乾燥ラミネート302を生成するように制御される。例えば、第2のフィルムロール306は、長さ「c」の時間プレスされ、図18に示す長さ「d」の時間プレスされない。非プレス領域は、図18に示される非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート300を生成するために、上記と同じ方法でラミネート層308から除去できる。除去された部分は、少なくとも部分的に互いに垂直方向に重なり得る。図18に示すように、第1の断続的乾燥ラミネート301のフィルム部分は、第2の断続的乾燥ラミネート302のフィルム部分と少なくとも部分的に垂直方向に重なり得る。
【0043】
図18を参照すると、第1の断続的乾燥ラミネート301及び第2の断続的乾燥ラミネート302は、互いに非対称である。例えば、第1の断続的乾燥ラミネート301の各ラミネートされた部分の長さaは、第2の断続的乾燥ラミネート302の各ラミネートされた部分の長さcと異なっている。さらにまた、金属箔303の上面の露出部分の長さbは、金属箔303の下面の露出部分の長さdと異なっている。いくつかの実施形態では、長さbは、図18に示すように距離dよりも短い。他の実施形態では、長さbは長さdよりも長い(図示しない)。さらに、いくつかの実施形態では、長さcは、図18に示される
ように、長さaよりも短い。他の実施形態では、長さcは長さaよりも長い(図示しない)。
【0044】
図17及び図18は、非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネートを製造するプロセスを示すが、対称的断続的両側コーティング乾燥ラミネートもまた、プレス間隔又は時間が上部及び下部ラミネータローラ307及び309について同じであることを除き、同様の方法で製造できる。さらに、図17及び18は、非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネートを製造するプロセスの一例を示すに過ぎず、他のローラアセンブリ構成並びに/又はフィルムロール及び金属箔ロールの他の配置も可能である。
【0045】
図19及び20は、他の実施形態に係る、ラミネータロールアセンブリ340を用いて非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート310を製造するプロセスを示す。図19は、他の実施形態に係る、図20に示す非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート310を製造するラミネータロールアセンブリ340を示す。図20は、他の実施形態に係る、図19に示すラミネータロールアセンブリ340により製造された非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート310の断面図を示す。図19を参照すると、ラミネータロールアセンブリ340は、第1のラミネータロールアセンブリ350及び第2のラミネータロールアセンブリ360を備える。第1のラミネータロールアセンブリ350は、ラミネータローラ317及び321の第1対を備え、第2のラミネータロールアセンブリ360は、ラミネータローラ323及び318の第2対を備える。ローラ317は、幅又は周方向長さ(b)の開口部352を有する。ローラ318は、周方向長さ(b)とは異なる幅又は周方向長さ(d)を有する開口部354を有する。
【0046】
第1のロールアセンブリ350は、第1のフィルムロール314及び非コーティング金属箔ロール315を受け取る。第1のフィルムロール314は、図20に示される第1の断続的乾燥ラミネート311用の電気化学的活性自立フィルムのロールを示す。第2のロールアセンブリ360は、第1のフィルムロール314、非コーティング金属箔ロール315及び第2のフィルムロール316を受け取る。第2のフィルムロール316は、図20に示される第2の断続的乾燥ラミネート312用の電気化学的活性自立フィルムのロールを示す。非コーティング金属箔ロール315は、図20に示す非対称断続的コーティング接着金属箔313のロールを示す。非コーティング金属箔ロール315は、第2のロールアセンブリ360に挿入されるとき、第1及び第2のフィルムロール314及び316間に挿入される。他の実施形態では、第2のフィルムロール316及び非コーティング金属箔ロール315は、第1のフィルムロール314が(第2のフィルムロール316及び非コーティング金属箔ロール315とともに)第2のロールアセンブリ360に挿入される間に、第1のロールアセンブリ350に挿入される。これらの実施形態では、ローラ321は、長さdの開口部を有し、ローラ323は、周方向長さbの開口部を有する。第2フィルムロール316の巻きを解く前に、第1フィルムロール314及び金属箔ロール315の巻きを解いてもよい。
【0047】
図17に示すプロセスと同様に、第1のフィルムロール314及び非コーティング金属箔ロール315がローラ317及び321に挿入され、第1のロールアセンブリ350を出るときに第1のラミネート層330を生成し、続いて第1のラミネート層330及び第2のフィルムロール316はローラ323及び318に挿入され、第2のロールアセンブリ360を出るときに第2のラミネート層319を生成する。その3つの層314、315及び316が、開口部352及び354を通過する部分を除き互いにラミネートされる。プレスされていない部分は、第2のラミネート層319から除去されて、図20に示されるように非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネート310が形成される。
【0048】
図19及び図20は、非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネートを製造するプロセ
スを示すが、対称の断続的両側コーティング乾燥ラミネートも、開口部の幅が上部及び下部ラミネータローラ317及び318で同じであることを除き、同様の方法で製造できる。ここでも、図19及び図20は、非対称断続的両側コーティング乾燥ラミネートを製造するプロセスの一例を示すに過ぎず、他のローラアセンブリの構成並びに/又は他のフィルムロール及び金属箔ロールの配置も可能である。
【0049】
図21は、一実施形態に係る、電極タブに接続される断続的コーティング乾式電極198を示す。断続的コーティング乾式電極198は、電気化学的活性自立フィルムが金属箔にラミネートされた、ラミネート部192及び194を含む。断続的コーティング乾式電極198は、前記の非コーティング金属箔部196をさらに含む。非コーティング金属箔部196は、乾式電極198を電極タブ(図21を参照)又は外部装置(図示せず)と接続するための他の電気部品に接続するために用いられる。図21は、単一の非コーティング金属箔部196を示すが、電極タブ又は他の電気部品は、例えば図10図13及び図16に示される、複数の非コーティング金属箔部の1つ又は複数に接続できる。
【0050】
図22は、一実施形態に係るエネルギー貯蔵装置200を示す。エネルギー貯蔵装置200は、バッテリ、キャパシタ又はバッテリとキャパシタとを組み合わせたハイブリッドタイプであってもよい。バッテリは、液体電解質バッテリ又は高分子電解質バッテリ又は固体バッテリを含み得る。高分子電解質は、固体高分子電解質及び可塑化ゲル高分子電解質を含み得る。液体電解質バッテリは、リチウムイオンバッテリを含み得る。高分子電解質バッテリは、リチウム高分子バッテリを含み得る。バッテリは、円筒形、角柱形又はポーチ形(a pouch shape)を有し得る。
【0051】
エネルギー貯蔵装置200は、電極アセンブリ210を備える。電極アセンブリ210は、第1の電極220、第2の電極240及び第1の電極220と第2の電極240との間に配置されたセパレータ230を備える。セパレータ230は、第1及び第2の電極220及び240を電気的に絶縁しながら、2つの電極220及び240間のイオン伝達を可能にするように構成されている。
【0052】
第1の電極220はアノード(「負電極」)であり、第2の電極240はカソード(「正電極」)であってもよい。アノード及びカソード電極220及び240の各々は、図5図19の前記の手順の1つにより製造された断続的コーティング乾式電極であり得る。第1及び第2の電極220及び240は、それぞれ電極タブ224及び244又は他の電気部品(図示しない)に接続された非コーティング金属箔部222及び242をそれぞれ含む。
【0053】
本明細書で提供されるエネルギー貯蔵装置は、任意の適切な構成、例えば、平面、螺旋状に巻かれたもの、ボタン形状、又はポーチであり得る。本明細書で提供されるエネルギー貯蔵装置は、例えば、発電システム、無停電電源システム(UPS)、太陽光発電システム、例えば産業機械及び/又は輸送で用いられるエネルギーリカバリシステム、などのシステムのコンポーネントであり得る。本明細書で提供されるエネルギー貯蔵装置は、様々な電子デバイス、並びに/又はハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及び/若しくは電気自動車(EV)を含む自動車に電力を供給するために用い得る。
【0054】
図23は、一実施形態に係る、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極を製造する方法のフローチャート2300を示す。プロセスのフロー図2300は、特定の順序で説明するが、様々な実施形態では、各段階は、異なる順序で実行し又は省略してもよく、追加の段階を追加してもよい。これは、図24に示すフローチャート2400に当てはまる。
【0055】
段階2310では、金属層を準備する。例えば、金属層は、それぞれ図5図9図11及び図14に示す金属箔(58、90、120、162)を含み得る。段階2320では、乾燥活物質から形成された電気化学的活性自立フィルムを準備する。例えば、電気化学的活性自立フィルムは、それぞれ図5図8図11及び図14に示す電気化学的活性乾燥フィルム(56、80、110、150)であり得る。段階2330では、電気化学的活性自立フィルムと金属層とを結合し、結合層を形成する。例えば、金属層を接着剤でコーティングし、電気化学的活性自立フィルムを金属層上に配置し、熱及び/又は圧力をフィルム及び金属層に加えて、図6及び図9で説明するように、この2つの要素を結合し得る。他の例として、電気化学的活性自立フィルムを金属層上に配置し、対向する一組のローラ間に挿入し、図12及び図15で説明するようにローラによりプレスし得る。
【0056】
段階2340では、電気化学的活性自立フィルムの一部を結合層から除去する。例えば、図7図10図13及び図16に示すように、接着剤が付着していない又はローラによりプレスされていない、電気化学的活性自立フィルムの一部は、剥離又は切断により結合層の金属層部分から除去し得る。段階2350では、例えば、図7図10図13及び図16に示すように、電気化学的活性自立フィルムを、金属層において、金属層の長手方向に断続的に形成する。前記のように、電気化学的活性自立フィルムは、金属層の片面又は反対の面のみに形成し得る。
【0057】
図24は、他の実施形態に係る、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極を製造する方法のフローチャート2400を示す。段階2410では、金属層を準備する。例えば、金属層は、図17及び図19に示す金属箔(305、315)のロールを含み得る。段階2420では、乾燥活物質から形成された第1の電気化学的活性自立フィルムを準備する。例えば、第1の電気化学的活性自立フィルムは、図17及び図19に示す第1のフィルムのロール(304、314)を含み得る。
【0058】
段階2430では、乾燥活物質から形成された第2の電気化学的活性自立フィルムを準備する。例えば、第2の電気化学的活性自立フィルムは、図17及び図19に示す第2のフィルムロール(306、316)のロールを含み得る。段階2440では、金属層が第1及び第2の電気化学的活性自立フィルム間に挿入されるように、第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを金属層と結合して結合層を形成する。例えば、第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムのロールは、その間に介在する金属層とともに、図17及び図19に示すように、対向する1組のローラ(例えば、1対のローラ又は2対のローラ)によってプレスされる。
【0059】
段階2450では、第1の電気化学的活性自立フィルムの第1の部分及び第1の電気化学的活性自立フィルムの第2の部分を、図18及び図20で説明されるように、結合層から除去する。段階2460では、例えば図18及び図21に示すように、断続的電気化学的活性自立フィルムが金属層の反対の表面上に形成される。
【0060】
本明細書で用いる「バッテリ」及び「キャパシタ」という用語は、当業者にとって通常の慣習的な意味を与えられるべきである。「バッテリ」及び「キャパシタ」という用語は、互いに排他的なものではない。キャパシタ又はバッテリは、単独で操作され又はマルチセルシステムのコンポーネントとして操作される、単一の電気化学セルを指し得る。
【0061】
特定の態様、実施形態又は例に関連して記載する性質、材料、特徴又はグループは、本セクション又は本明細書の他の場所に記載する他の態様、実施形態又は例に、それらが両立しない場合を除き、適用可能であると理解されるべきである。本明細書(付随する請求項、要約及び図面を含む)に開示されたすべての性質、及び/又はそのように開示された方法若しくはプロセスのすべてのステップは、そのような性質及び/又はステップの少な
くともいくつかが互いに排他的であるような組み合わせを除き、あらゆる組み合わせで組み合わせ可能である。保護は、前記の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(添付の請求項、要約及び図面を含む)に開示された性質の新規なもの又は新規な組み合わせ、又は開示されたあらゆる方法若しくはプロセスのステップのあらゆる新規なもの又は新規な組み合わせにまで及ぶ。
【0062】
さらに、別々の実施の文脈で本開示に記載された特定の性質は、単一の実施で組み合わせて実装し得る。反対に、単一の実施の文脈で記載された様々な性質は、複数の実施で別々に、又はあらゆる適切なサブコンビネーションで実施し得る。さらに、性質は、特定の組み合わせで機能するものとして前記で説明され得るが、クレームされる組み合わせからの1つ又は複数の機能は、場合によってはその組み合わせから削除され、その組み合わせはサブコンビネーション又はサブコンビネーションのバリエーションとしてクレームされる場合がある。
【0063】
さらに、操作は特定の順序で図示し又は明細書に記載するが、望ましい結果を達成するために、そのような操作は、示される特定の順序又は連続する順序で実行される必要はなく、そしてすべての操作が実行される必要もない。図示され又は説明されていない他の操作は、例示的な方法及びプロセスに組み込み得る。例えば、1つ又は複数の追加の操作を、説明した操作のいずれかの前、後、同時又はその間に実行し得る。さらに、他の実施では、操作を再構成又は再配列し得る。当業者は、いくつかの実施形態において、図示され及び/又は開示されたプロセスで行う実際のステップが、図示されるものと異なる場合があることを理解するであろう。実施形態に応じて、前記のステップのいくつかが削除されてもよく、他のステップが追加されてもよい。さらに、開示された特定の実施形態の性質及び属性は、異なる方法で組み合わせて追加の実施形態を形成することができ、それらはすべて本開示の範囲内に入る。また、前記の実施における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実施でそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されたコンポーネント及びシステムは一般に、単一の製品に一緒に統合でき又は複数の製品にパッケージ化できることが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載するエネルギー貯蔵システムのコンポーネントのいずれも、エネルギー貯蔵システムを形成するために、別々に提供され又は一緒に統合され得る(例えば、一緒にパッケージ化され又は一緒に取り付けられる)。
【0064】
本開示のために、特定の態様、利点及び新規な性質を本明細書に記載する。必ずしもそのような利点のすべてが特定の実施形態にしたがい達成されるとは限らない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示又は示唆される他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点又は一群の利点を達成するように、具体化され又は実行され得ることを認識するであろう。
【0065】
「できる」、「可能性がある」、「かもしれない」又は「し得る」などの条件次第の文言は、特に明記されていない限り又は用いられる文脈内で違うように理解される場合を除き、一般に、特定の実施形態が特定の性質、要素及び/又はステップを含み、その一方で他の実施形態がそれらを含まない、ことを意図している。したがって、そのような条件次第の文言は、一般に、機能、要素及び/若しくはステップが1つ以上の実施形態に何らかの形で必要であること、又は1つ以上の実施形態が、ユーザー入力若しくはプロンプトの有無にかかわらず、これらの性質、要素及び/若しくはステップが特定の実施形態に含まれ又は実行されるかどうかの決定ロジックを必然的に含むことを、意味しない。
【0066】
「X、Y及びZの少なくとも1つ」などの接続詞は、特に明記されていない限り、項目、用語などがX、Y又はZのいずれかであり得ることを意味するために一般に使用される文脈で理解されるべきである。したがって、このような接続詞は、特定の実施形態が、X
の少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ及びZの少なくとも1つの存在を必要とすることを一般に意味しない。
【0067】
本明細書で用いる、用語「およそ」、「約」、「概ね」及び「実質的に」など、程度の文言は、記載する値、量又は特徴に近い、望ましい機能を実行し又は望ましい結果を達成する値、量又は特徴を表す。
【0068】
本開示の範囲は、本セクション又は本明細書の他の場所における実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本セクション若しくは本明細書の他の場所に提示され又は将来提示される請求項によって定義され得る。請求項の文言は、請求項で採用された文言に基づき広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例又は出願の審査中に限定されず、例は非排他的であると解釈されるべきである。
【0069】
特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示し、開示の範囲を限定することを意図していない。実際、本明細書に記載する新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化できる。さらに、本開示の思想から逸脱することなく、本明細書に記載するシステム及び方法における様々な省略、置換及び変更が可能である。添付の請求項及びその同等物は、開示の範囲及び思想に含まれるような形式又は改良を含むすることを意図している。したがって、本発明の範囲は、添付の請求項を参照することによってのみ定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2024-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法であって
金属層を準備することと、
乾燥活物質で形成された電気化学的活性自立フィルムを準備することと、
結合層を形成するために、前記電気化学的活性自立フィルムと前記金属層とを結合することと、
前記電気化学的活性自立フィルムに含まれる複数のフィルム部が、前記金属層において、前記金属層の長手方向に、互いに分離して、断続的に形成されるように、前記電気化学的活性自立フィルムの一部を、前記結合層から除去することとを備えている、エネルギー貯蔵装置用の乾式電極の製造方法
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムの一部を、その下に配置された前記金属層の一部を露出させるように、除去する、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムの除去される前記一部は、前記長手方向と交差する方向に延びている、方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法において、
前記金属層は、断続的に接着剤でコーティングされるように、接着剤でコーティングされた少なくとも1つのコーティング部と、接着剤でコーティングされていない少なくとも1つの非コーティング部とを含み、
前記接着剤は、前記電気化学的活性自立フィルムに接着するように、前記電気化学的活性自立フィルムに面する前記金属層の表面に配置する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
断続的コーティングがされた前記金属層は、グラビアロールコーティング又はスロットダイコーティングによって形成する、方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法において、
前記結合することは、前記電気化学的活性自立フィルムを、前記金属層にラミネートすることを含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記ラミネートすることは、前記電気化学的活性自立フィルム及び前記金属層のうちの少なくとも1つを加熱及び/又は加圧することを含む、方法。
【請求項8】
請求項4に記載の方法において、
除去される前記電気化学的活性自立フィルムの前記一部は、前記金属層の前記非コーティング部と垂直方向に重なっている、方法。
【請求項9】
請求項4に記載の方法において、
前記接着剤は、導電性接着剤層を含み、該導電性接着剤層のコーティング重量は片側あたり1~5g/m2であり、乾燥コーティング密度は片側あたり0.2~1.1g/cm2である、方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法において、
前記除去することは、前記電気化学的活性自立フィルムの前記一部を、エアナイフ及び/又は真空で剥離することを含む、方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法において、
前記金属層は全体的に接着剤でコーティングされていない、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記結合することは、前記電気化学的活性自立フィルムと前記金属層とを、ラミネータロールアセンブリを用い、互いに対して断続的にプレスすることを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記ラミネータロールアセンブリは、一対のローラを備え、その少なくとも一方は所定長さの開口部を有する、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
各開口部の前記所定長さは、前記電気化学的活性自立フィルムの除去される前記一部の幅と同じであり、該幅は前記長手方向で測定される、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、
前記結合することは、前記電気化学的活性自立フィルムの前記一部が、前記ローラの回転中に、前記ローラによりプレスされないように、前記ローラの少なくとも1つの前記開口部を、除去される前記電気化学的活性自立フィルムの前記一部と位置合わせすることを含む、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、
前記ラミネータロールアセンブリは、互いに隣接する1対のローラを備え、
前記結合することは、2つの前記ローラ間のギャップが該ローラの回転中に周期的に開閉するように、前記ローラの少なくとも1つを互いに対して移動させることを含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記ギャップが開いている時間は、前記電気化学的活性自立フィルムの除去される前記一部の幅に比例するように制御され、該幅は前記長手方向で測定される、方法。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムは硫黄を含む、方法。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムは、前記金属層の片面のみに形成する、方法。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の方法において、
前記電気化学的活性自立フィルムは、前記金属層の反対の表面上それぞれ形成された第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの断続的パターンは、前記金属層の反対の表面で互いに対称である、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法において、
前記第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムの断続的パターンは、前記金属層の反対の表面で互いに非対称である、方法。
【請求項23】
エネルギー貯蔵装置用の乾式電極であって、
金属層と、
乾燥活物質から形成された電気化学的活性自立フィルムであって、前記金属層の一部が露出するように、前記金属層において、前記金属層の長手方向に、互いに分離して、断続的に形成された複数のフィルム部を含む、電気化学的活性自立フィルムと
を備える、乾式電極。
【請求項24】
請求項23に記載の乾式電極であって、
前記金属層の露出した前記一部は、接着剤でコーティングされておらず、前記長手方向と交差する方向に延びている、乾式電極。
【請求項25】
請求項24に記載の乾式電極であって、
前記接着剤は導電性接着剤層を含み、
前記導電性接着剤層のコーティング重量は片側あたり1~5g/m2であり、乾燥コーティング密度は片側あたり0.2~1.1g/cm2である、乾式電極。
【請求項26】
請求項23~25のいずれか1項に記載の乾式電極であって、
前記電気化学的活性自立フィルムは硫黄を含む、乾式電極。
【請求項27】
請求項23~26のいずれか1項に記載の乾式電極であって、
前記金属層は、互いに反対の第1及び第2の表面を含み、前記電気化学的活性自立フィルムは、前記金属層の前記第1及び第2の表面の少なくとも一方に配置されている、乾式電極。
【請求項28】
請求項27に記載の乾式電極であって、
前記複数のフィルム部は互いに等間隔を空けている、乾式電極。
【請求項29】
請求項23~28のいずれか1項に記載の乾式電極であって、
前記金属層は、互いに反対の第1及び第2の表面を含み、
前記電気化学的活性自立フィルムは、前記金属層の前記第1及び第2の表面にそれぞれ配置された、第1及び第2の電気化学的活性自立フィルムを含む、乾式電極。
【請求項30】
請求項29に記載の乾式電極であって、
前記第1の電気化学的活性自立フィルムは、第1の距離だけ互いに離れた複数の第1のフィルム部を含み、
前記第2の電気化学的活性自立フィルムは、前記第1の距離とは異なる第2の距離だけ互いに離れた複数の第2のフィルム部を含む、乾式電極。
【請求項31】
エネルギー貯蔵装置であって、
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極及び第2電極間に介在するセパレータと
を備え、
前記第1電極及び第2電極の各々は、
金属層と、
乾燥活物質から形成された電気化学的活性自立フィルムであって、前記金属層の一部が露出するように、前記金属層において、該金属層の長手方向に、互いに分離して、断続的に形成された複数のフィルム部を含む、電気化学的活性自立フィルムと
を備える、エネルギー貯蔵装置。
【請求項32】
請求項31に記載のエネルギー貯蔵装置において、
前記金属層の露出部に取り付けられた、電極タブをさらに備える、エネルギー貯蔵装置。
【請求項33】
請求項31~32のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置において、
前記エネルギー貯蔵装置は、バッテリ、キャパシタ又はそれらの組み合わせを含む、エネルギー貯蔵装置。
【請求項34】
請求項33に記載のエネルギー貯蔵装置において、
前記バッテリは、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車又は純電気自動車で使用するためのリチウムイオンバッテリを含む、エネルギー貯蔵装置。
【請求項35】
請求項31~34のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵装置において、
前記電気化学的活性自立フィルムは硫黄を含む、エネルギー貯蔵装置。