(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174942
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法、太陽光発電モジュール及び太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0216 20140101AFI20241210BHJP
H01L 31/0747 20120101ALI20241210BHJP
【FI】
H01L31/04 240
H01L31/06 455
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024152851
(22)【出願日】2024-09-05
(62)【分割の表示】P 2023180917の分割
【原出願日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】202310548868.4
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523183389
【氏名又は名称】トリナ・ソーラー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRINA SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 2 Trina Road, Trina PV Park, Xinbei District, Changzhou, Jiangsu 213031, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 成法
(72)【発明者】
【氏名】陳 紅
(72)【発明者】
【氏名】陳 達明
(72)【発明者】
【氏名】陳 奕峰
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本願は、太陽電池及びその製造方法、太陽光発電モジュール及び太陽光発電システムに関する。
【解決手段】太陽電池は、対向して設置された第1面、第2面、及び第1面と第2面との間に隣接する少なくとも1つの第1側面を含む基材であって、基材の第1面及び1つの第1側面の一部の表面にテクスチャ構造が設けられた基材と、テクスチャ構造を覆うように第1面及び1つの第1側面の一部の表面に設置されたドーピング導電層と、ドーピング導電層上に積層設置され、ドーピング導電層を覆うように第1面及び1つの第1側面の一部の領域を覆い、基材の厚さ方向に沿ってドーピング導電層の縁の外に延在する第1パッシベーション層と、第2面に設置されたパッシベーションコンタクト層と、パッシベーションコンタクト層上に積層設置され、パッシベーションコンタクト層を覆うように第2面を覆う第2パッシベーション層と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して設置された第1面、第2面、及び前記第1面と前記第2面との間に隣接する少なくとも1つの第1側面を含む基材であって、少なくとも前記基材の前記第1面及び前記少なくとも1つの第1側面の一部の表面にテクスチャ構造が設けられた基材と、
前記テクスチャ構造を覆うように、少なくとも前記第1面及び前記少なくとも1つの第1側面の一部の表面に設置されたドーピング導電層と、
前記ドーピング導電層上に積層設置され、少なくとも前記ドーピング導電層を覆うように少なくとも前記第1面及び前記少なくとも1つの第1側面の少なくとも一部の領域を覆い、前記基材の厚さ方向に沿って前記ドーピング導電層の縁の外に延在する第1パッシベーション層と、
前記第2面に設置されたパッシベーションコンタクト層と、
前記パッシベーションコンタクト層に積層設置され、前記パッシベーションコンタクト層を覆うように前記第2面を覆う第2パッシベーション層と、を含む、ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記基材の前記少なくとも1つの第1側面の、前記テクスチャ構造を含む一部の表面は、テクスチャ領域であり、前記少なくとも1つの第1側面は、前記テクスチャ領域に隣接する平坦領域をさらに含み、
前記第1パッシベーション層は、前記少なくとも1つの第1側面において前記テクスチャ領域を完全に覆い、かつ前記平坦領域の少なくとも一部を覆う、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第1パッシベーション層の前記第1面から離れた縁は、前記パッシベーションコンタクト層の前記基材から離れた表面と面一である、ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記基材は、前記第1面と前記第2面との間に隣接する少なくとも1つの切断縁側面をさらに含み、
前記テクスチャ構造は、前記第1面及び前記少なくとも1つの第1側面の一部の表面のみに設置され、前記ドーピング導電層は、前記テクスチャ構造を覆うように、前記第1面及び前記少なくとも1つの第1側面の一部の表面のみに設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記少なくとも1つの切断縁側面は、前記少なくとも1つの切断縁側面の法線方向において、前記ドーピング導電層、前記第1パッシベーション層、前記パッシベーションコンタクト層、及び前記第2パッシベーション層における前記少なくとも1つの切断縁側面と同じ側に位置する縁と面一であり、及び/又は、
前記第1パッシベーション層は、前記少なくとも1つの切断縁側面の少なくとも一部をさらに覆い、前記第2パッシベーション層は、前記少なくとも1つの切断縁側面において前記第1パッシベーション層を少なくとも部分的に覆うように、前記少なくとも1つの切断縁側面の少なくとも一部の領域をさらに覆う、ことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記基材は、前記第1面と前記第2面との間に隣接する少なくとも1つの切断縁側面をさらに含み、
前記少なくとも1つの切断縁側面の少なくとも一部の表面にも前記テクスチャ構造を有し、前記ドーピング導電層は、前記テクスチャ構造を覆うように、前記第1面、前記少なくとも1つの第1側面の一部の表面、及び前記少なくとも1つの切断縁側面の一部の表面に設置され、
前記第1パッシベーション層は、少なくとも前記ドーピング導電層を覆うように、前記少なくとも1つの切断縁側面の少なくとも一部をさらに覆う、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記第2パッシベーション層は、前記少なくとも1つの切断縁側面において前記第1パッシベーション層を少なくとも部分的に覆うように、前記少なくとも1つの切断縁側面の少なくとも一部の領域をさらに覆う、ことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第2パッシベーション層は、前記少なくとも1つの第1側面において少なくとも前記第1パッシベーション層を部分的に覆うように、前記少なくとも1つの第1側面の少なくとも一部の領域をさらに覆う、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記基材の前記少なくとも1つの第1側面の、前記テクスチャ構造を含む一部の表面は、テクスチャ領域であり、前記少なくとも1つの第1側面は、前記テクスチャ領域に隣接する平坦領域をさらに含み、
前記少なくとも1つの第1側面に位置する前記第1パッシベーション層の部分は、前記平坦領域を覆う第1部分を含み、
前記第2パッシベーション層は、少なくとも前記第1部分を覆う、ことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1側面に位置する前記第1パッシベーション層の部分は、前記テクスチャ領域を覆う第2部分をさらに含み、
前記第2パッシベーション層は、前記第1部分及び前記第2部分の少なくとも一部を覆い、
前記第2パッシベーション層の前記第2面から離れた縁は、前記第1面に位置する前記第1パッシベーション層の外面と面一である、ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池。
【請求項11】
基材とドーピング導電層とを含む基板であって、前記基材は、対向して設置された第1面、第2面、及び前記第1面と前記第2面との間に隣接する少なくとも1つの第1側面を含み、少なくとも前記基材の前記第1面及び前記少なくとも1つの第1側面の一部の表面にテクスチャ構造が設けられ、前記ドーピング導電層は、前記テクスチャ構造を覆うように、少なくとも前記第1面及び前記少なくとも1つの第1側面の一部の表面に設けられる基板を提供するステップと、
前記基材の第2面にパッシベーションコンタクト層を形成するステップと、
少なくとも前記ドーピング導電層を覆うように少なくとも前記第1面及び前記少なくとも1つの第1側面の少なくとも一部の領域を覆い、前記基材の厚さ方向に沿って前記ドーピング導電層の縁の外に延在する第1パッシベーション層を、前記ドーピング導電層上に形成するステップと、
前記パッシベーションコンタクト層を覆うように前記第2面を覆う第2パッシベーション層を前記パッシベーションコンタクト層上に形成して、太陽電池基体を形成するステップと、を含む、ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項12】
前記第2パッシベーション層を前記パッシベーションコンタクト層上に形成するステップの後に、
前記太陽電池基体の厚さ方向に沿ってレーザーで切断して少なくとも2つの前記太陽電池を形成するステップ、及び/又は、
前記第1パッシベーション層及び前記第2パッシベーション層上に電極をそれぞれ製造するステップ、をさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項13】
基板を提供するステップは、
少なくとも前記基材の第1面及び少なくとも1つの第1側面にテクスチャリング処理及びドーピング元素拡散を行うステップと、
前記基材の第2面及び前記少なくとも1つの第1側面上の第1目標領域が露出するように、前記基材をエッチング処理するステップと、を含み、
前記第1目標領域は、前記基材の前記少なくとも1つの第1側面における前記第2面に隣接し且つ接続された領域であり、
或いは、基板を提供するステップは、
基材ブランクを厚さ方向に沿って切断して前記基材を形成し、且つ前記基材上に少なくとも1つの切断縁側面を形成するステップと、
少なくとも前記基材の第1面、少なくとも1つの第1側面及び少なくとも1つの切断縁側面にテクスチャリング処理及びドーピング元素拡散を行うステップと、
前記基材をエッチング処理して、前記基材の第2面、前記少なくとも1つの第1側面における第1目標領域及び前記少なくとも1つの切断縁側面における第2目標領域を露出させることで、前記基材の前記第1面、前記少なくとも1つの第1側面の一部の表面及び前記少なくとも1つの切断縁側面の一部の表面にテクスチャ構造及び前記テクスチャ構造を覆うドーピング導電層を形成するステップと、を含み、
前記第1目標領域は、前記少なくとも1つの第1側面が前記第2面に隣接する領域であり、前記第2目標領域は、前記少なくとも1つの切断縁側面が前記第2面に隣接する領域である、ことを特徴とする請求項11に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項14】
少なくとも1つの電池ストリングを含み、前記電池ストリングは、請求項1~10のいずれか一項に記載の太陽電池を少なくとも2つ含む、ことを特徴とする太陽光発電モジュール。
【請求項15】
請求項14に記載の太陽光発電モジュールを含む、ことを特徴とする太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、太陽電池技術分野に関し、特に太陽電池及びその製造方法、太陽光発電モジュール及び太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電技術の急速な発展に伴い、結晶シリコン太陽電池の変換効率は年々向上している。現在、トンネル酸化膜パッシベーションコンタクト(Tunnel Oxide Passivated Contact、TOPCon)電池は、効率が高く、工業プロセスの成熟度が比較的高いなどの多くの長所によって際立っており、業界内の多くのメーカーは、TOPCon電池に対する研究開発の進度を拡大し始めている。関連技術では、TOPCon電池の製造過程において、正面及び裏面にドーピングプロセスを巻き込み、正面及び裏面のキャリアの横方向の輸送能力を向上させるが、同時に電池の側面に多量のキャリアが再結合し、電池の側面に漏電の問題が発生しやすくなり、それにより太陽電池の効率が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに基づき、効率の比較的高い太陽電池及びその製造方法、太陽光発電モジュール及び太陽光発電システムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例の第1態様は、太陽電池を提供する。太陽電池は、
対向して設置された第1面、第2面、及び第1面と第2面との間に隣接する複数の第1側面を含む基材であって、少なくとも基材の第1面及び第1側面の一部の表面にテクスチャ構造が設けられた基材と、
テクスチャ構造を覆うように、少なくとも第1面及び第1側面の一部の表面に設置されたドーピング導電層と、
ドーピング導電層上に積層設置され、少なくともドーピング導電層を覆うように少なくとも第1面及び第1側面の少なくとも一部の領域を覆う第1パッシベーション層と、
第2面に設置されたパッシベーションコンタクト層と、
パッシベーションコンタクト層に積層設置され、パッシベーションコンタクト層を覆うように第2面を覆う第2パッシベーション層と、を含む。
【0005】
1つの実施例では、第1側面は、テクスチャ構造が設けられたテクスチャ領域と、テクスチャ領域に隣接する平坦領域と、を含み、
第1パッシベーション層は、第1側面においてテクスチャ領域を完全に覆い、かつ平坦領域の少なくとも一部を覆う。
【0006】
1つの実施例では、第1パッシベーション層の第1面から離れた縁は、パッシベーションコンタクト層の基材から離れた表面と面一である。
【0007】
1つの実施例では、基材は、第1面と第2面との間に隣接する少なくとも1つの切断縁側面をさらに含み、
テクスチャ構造は、第1面及び第1側面の一部の表面のみに設置され、ドーピング導電層は、テクスチャ構造を覆うように、第1面及び第1側面の一部の表面のみに設置される。
【0008】
1つの実施例では、切断縁側面は、切断縁側面の法線方向において、ドーピング導電層、第1パッシベーション層、パッシベーションコンタクト層、及び第2パッシベーション層における切断縁側面と同じ側に位置する縁と面一である。
【0009】
1つの実施例では、第1パッシベーション層は、切断縁側面の少なくとも一部をさらに覆う。
【0010】
1つの実施例では、第2パッシベーション層は、切断縁側面において第1パッシベーション層を少なくとも部分的に覆うように、切断縁側面の少なくとも一部の領域をさらに覆う。
【0011】
1つの実施例では、基材は、第1面と第2面との間に隣接する少なくとも1つの切断縁側面をさらに含み、
切断縁側面の少なくとも一部の表面にもテクスチャ構造を有し、ドーピング導電層は、テクスチャ構造を覆うように、第1面、第1側面の一部の表面、及び切断縁側面の一部の表面に設置され、
第1パッシベーション層は、少なくともドーピング導電層を覆うように、切断縁側面の少なくとも一部をさらに覆う。
【0012】
1つの実施例では、第2パッシベーション層は、切断縁側面において第1パッシベーション層を少なくとも部分的に覆うように、切断縁側面の少なくとも一部の領域をさらに覆う。
【0013】
1つの実施例では、第2パッシベーション層は、第1側面において少なくとも第1パッシベーション層を部分的に覆うように、第1側面の少なくとも一部の領域をさらに覆う。
【0014】
1つの実施例では、第1側面は、テクスチャ構造が設けられたテクスチャ領域と、テクスチャ領域に隣接する平坦領域と、を含み、
第1側面に位置する第1パッシベーション層の部分は、平坦領域を覆う第1部分を含み、
第2パッシベーション層は、少なくとも第1部分を覆う。
【0015】
1つの実施例では、第1側面に位置する第1パッシベーション層の部分は、テクスチャ領域を覆う第2部分をさらに含み、
第2パッシベーション層は、第1部分及び第2部分の少なくとも一部を覆う。
【0016】
1つの実施例では、第2パッシベーション層の前記第2面から離れた縁は、前記第1面に位置する第1パッシベーション層の外面と面一である。
【0017】
1つの実施例では、基材の第1面におけるテクスチャ構造と第1側面におけるテクスチャ構造とは連続構造であり、又は、基材の第1面におけるテクスチャ構造と第1側面におけるテクスチャ構造との間に間隔を有する。
【0018】
1つの実施例では、第1パッシベーション層は、ドーピング導電層上に積層された第1パッシベーション膜及び第1反射防止膜を含み、及び/又は
第2パッシベーション層は、パッシベーションコンタクト層上に積層された少なくとも1層の第2反射防止膜を含む。
【0019】
本願の実施例の第2態様は、太陽電池の製造方法を提供する。当該太陽電池の製造方法は、
基材とドーピング導電層とを含む基板であって、基材は、対向して設置された第1面、第2面、及び第1面と第2面との間に隣接する複数の第1側面を含み、少なくとも基材の第1面及び第1側面の一部の表面にテクスチャ構造が設けられ、ドーピング導電層は、テクスチャ構造を覆うように、少なくとも第1面及び第1側面の一部の表面に設けられる基板を提供するステップと、
基材の第2面にパッシベーションコンタクト層を形成するステップと、
少なくともドーピング導電層を覆うように少なくとも第1面及び第1側面の少なくとも一部の領域を覆う第1パッシベーション層を、ドーピング導電層上に形成するステップと、
パッシベーションコンタクト層を覆うように第2面を覆う第2パッシベーション層をパッシベーションコンタクト層上に形成して、太陽電池基体を形成するステップと、を含む。
【0020】
1つの実施例では、第2パッシベーション層をパッシベーションコンタクト層上に形成するステップの後に、
太陽電池基体の厚さ方向に沿ってレーザーで切断して少なくとも2つの太陽電池を形成するステップをさらに含む。
【0021】
1つの実施例では、基板を提供するステップは、
少なくとも基材の第1面及び第1側面にテクスチャリング処理及びドーピング元素拡散を行うステップと、
基材の第2面及び各第1側面上の第1目標領域が露出するように、基材をエッチング処理するステップと、を含み、
第1目標領域は、基材の各第1側面における第2面に隣接し且つ接続された領域である。
【0022】
1つの実施例では、基板を提供するステップは、
基材ブランクを厚さ方向に沿って切断して基材を形成し、且つ基材上に切断縁側面を形成するステップと、
少なくとも基材の第1面、第1側面及び切断縁側面にテクスチャリング処理及びドーピング元素拡散を行うステップと、
基材をエッチング処理して、基材の第2面、各第1側面における第1目標領域及び各切断縁側面における第2目標領域を露出させることで、基材の第1面、第1側面の一部の表面及び切断縁側面の一部の表面にテクスチャ構造及びテクスチャ構造を覆うドーピング導電層を形成するステップと、を含み、
第1目標領域は、第1側面が第2面に隣接する領域であり、第2目標領域は、切断縁側面が第2面に隣接する領域である。
【0023】
1つの実施例では、基材の第2面にパッシベーションコンタクト層を形成するステップは、
基板の各表面上にトンネル材料層、ポリシリコンドーピング材料層及び酸化物材料層を順次積層して形成するステップと、
基板の第1側の表面及び基板の各側面上の酸化物材料層をエッチングして除去するステップと、
基板の第1側の表面及び基板の各側面上のポリシリコンドーピング材料層及びトンネル材料層をエッチングして除去するステップと、を含み、
基板の第1側は、基材の第1面に対応する。
【0024】
1つの実施例では、基材の第2面にパッシベーションコンタクト層を形成するステップは、
前記基板の各表面にパッシベーション接触材料層を形成するステップと、
前記パッシベーション接触材料層が形成された前記基板を前記基材の厚さ方向に沿って切断して、前記基材の切断縁側面を形成するステップと、
前記基材の前記第2面の外に設置されたパッシベーション接触材料層をエッチングして除去して、前記パッシベーションコンタクト層を形成するステップと、を含む。
【0025】
1つの実施例では、第2パッシベーション層をパッシベーションコンタクト層上に形成するステップの後に、
第1パッシベーション層及び第2パッシベーション層上に電極をそれぞれ製造するステップをさらに含む。
【0026】
本願の実施例の第3態様は、少なくとも1つの電池ストリングを含む太陽光発電モジュールを提供し、電池ストリングは、少なくとも2つの前記太陽電池を含む。
【0027】
本願の実施例の第4態様は、前記太陽光発電モジュールを含む太陽光発電システムを提供する。
【0028】
本願の実施例の第5態様は、太陽電池の製造方法を提供する。当該太陽電池の製造方法は、
基材とドーピング導電材料層とを含む基板であって、基材は、対向して設置された第1面、第2面、及び第1面と第2面との間に隣接する複数の第1側面を含み、基材の第1面及び第1側面の一部の表面にテクスチャ構造を有し、ドーピング導電材料層は、テクスチャ構造を覆うように、第1面及び第1側面の一部の表面に設けられる基板を提供するステップと、
基板の各表面にパッシベーション接触材料層を形成するステップと、
パッシベーション接触材料層が形成された基板を基材の厚さ方向に沿って切断して、少なくとも2つのサブ基板を形成することで、ドーピング導電材料層を切断してドーピング導電層を形成するステップと、
サブ基板の第1側の表面及び各側面上のパッシベーション接触材料層をエッチングして除去して、サブ基板上にパッシベーションコンタクト層を形成するステップであって、サブ基板の第1側の表面は基材の第1面に対応するステップと、
第1パッシベーション層をドーピング導電層上に形成するステップであって、第1パッシベーション層は、少なくともドーピング導電層を覆うように、少なくとも第1面及び第1側面の少なくとも一部の領域を覆い、第1パッシベーション層は、切断縁側面の少なくとも一部をさらに覆い、切断縁側面は、サブ基板における切断された側面であるステップと、を含む。
【0029】
1つの実施例では、基板を提供するステップは、
少なくとも基材の第1面及び第1側面にテクスチャリング処理及びドーピング元素拡散を行うステップと、
基材の第2面及び各第1側面における第1目標領域が露出するように、基材をエッチング処理するステップと、を含み、
第1目標領域は、基材の各第1側面における第2面に隣接し且つ接続された領域である。
【0030】
1つの実施例では、基材の第2面及び各第1側面における第1目標領域が露出するように、基材をエッチング処理するステップは、
テクスチャリング処理及びドーピング元素拡散後の基材をエッチングして、第2面及び各第1目標領域におけるテクスチャ構造を露出させるステップと、
露出したテクスチャ構造をエッチングして除去することで、基材の第2面、及び各第1側面における第1目標領域を露出させるステップと、を含む。
【0031】
1つの実施例では、基板の各表面にパッシベーション接触材料層を形成するステップは、
基板の各表面上にトンネル材料層、ポリシリコンドーピング材料層及び酸化物材料層を順次積層して形成するステップを含む。
【0032】
1つの実施例では、サブ基板の第1側の表面及び各側面上のパッシベーション接触材料層をエッチングして除去して、サブ基板上にパッシベーションコンタクト層を形成するステップは、
サブ基板の第1側の表面及びサブ基板の各側面上の酸化物材料層をエッチングして除去するステップと、
サブ基板の第1側の表面及びサブ基板の各側面上のポリシリコンドーピング材料及びトンネル材料層をエッチングして除去し、且つサブ基板の切断縁側面をエッチングして研磨するステップと、を含む。
【0033】
1つの実施例では、酸化物材料層をエッチングして除去するステップは、チェーンコンベアによって行われ、
ポリシリコンドーピング材料及びトンネル材料層をエッチングして除去するステップは、スロットコンベアによって行われる。
【0034】
1つの実施例では、サブ基板の第1側の表面及びサブ基板の各側面上のポリシリコンドーピング材料及びトンネル材料層をエッチングして除去するステップの後に、
サブ基板の第2側の表面上の酸化物材料層をエッチングして除去するステップをさらに含み、サブ基板の第2側の表面は基材の第2面に対応する。
【0035】
1つの実施例では、第1パッシベーション層をドーピング導電層上に形成するステップの後に、
第2パッシベーション層をパッシベーションコンタクト層上に形成するステップをさらに含み、第2パッシベーション層は、パッシベーションコンタクト層及び第1パッシベーション層の少なくとも一部を覆うように、少なくとも第2面、第1側面の少なくとも一部の領域、及び切断縁側面の少なくとも一部の領域を覆う。
【0036】
1つの実施例では、第2パッシベーション層をパッシベーションコンタクト層上に形成するステップの後に、
第1パッシベーション層及び第2パッシベーション層上に電極をそれぞれ製造して太陽電池を形成するステップをさらに含む。
【0037】
1つの実施例では、パッシベーション接触材料層が形成された基板を基材の厚さ方向に沿って切断してサブ基板を形成するステップは、
パッシベーション接触材料層が形成された基板を基材の厚さ方向に沿ってレーザーで切断してサブ基板を形成するステップを含む。
【0038】
本願の実施例の第6態様は、太陽電池を提供する。当該太陽電池は、
対向して設置された第1面、第2面、及び前記第1面と前記第2面との間に隣接する少なくとも1つの第1側面を含む基材であって、少なくとも前記基材の前記第1面及び前記第1側面の一部の表面にテクスチャ構造が設けられた基材と、
前記テクスチャ構造を覆うように、少なくとも前記第1面及び前記第1側面の一部の表面に設置されたドーピング導電層と、
前記ドーピング導電層上に積層設置され、少なくとも前記ドーピング導電層を覆うように、少なくとも前記第1面及び前記第1側面の少なくとも一部の領域を覆う第1パッシベーション層と、
前記第2面に設置されたパッシベーションコンタクト層と、
前記パッシベーションコンタクト層上に積層設置され、前記パッシベーションコンタクト層を覆うように前記第2面を覆う第2パッシベーション層と、を含むことを特徴とする。
【0039】
本願の実施例の第7態様は、太陽電池の製造方法を提供する。当該太陽電池の製造方法は、
基材とドーピング導電層とを含む基板であって、前記基材は、対向して設置された第1面、第2面、及び前記第1面と前記第2面との間に隣接する少なくとも1つの第1側面を含み、少なくとも前記基材の前記第1面及び前記第1側面の一部の表面にテクスチャ構造が設けられ、前記ドーピング導電層は、前記テクスチャ構造を覆うように、少なくとも前記第1面及び前記第1側面の一部の表面に設けられる基板を提供するステップと、
前記基材の第2面にパッシベーションコンタクト層を形成するステップと、
少なくとも前記ドーピング導電層を覆うように少なくとも前記第1面及び前記第1側面の少なくとも一部の領域を覆う第1パッシベーション層を前記ドーピング導電層上に形成するステップと、
前記パッシベーションコンタクト層を覆うように前記第2面を覆う第2パッシベーション層を前記パッシベーションコンタクト層上に形成して、太陽電池基体を形成するステップと、を含む。
【0040】
本願の実施例の第8態様は、太陽電池の製造方法を提供する。当該太陽電池の製造方法は、
基材とドーピング導電材料層とを含む基板であって、基材は、対向して設置された第1面、第2面、及び第1面と第2面との間に隣接する少なくとも1つの第1側面を含み、少なくとも基材の第1面及び第1側面の一部の表面にテクスチャ構造を有し、ドーピング導電材料層は、テクスチャ構造を覆うように、少なくとも第1面及び第1側面の一部の表面に設けられる基板を提供するステップと、
基板の各表面にパッシベーション接触材料層を形成するステップと、
パッシベーション接触材料層が形成された基板を基材の厚さ方向に沿って切断してサブ基板を形成することで、ドーピング導電材料層を切断してドーピング導電層を形成するステップと、
サブ基板の第1側の表面及び各側面におけるパッシベーション接触材料層をエッチングして除去して、サブ基板上にパッシベーションコンタクト層を形成するステップであって、サブ基板の第1側の表面は基材の第1面に対応するステップと、
第1パッシベーション層をドーピング導電層上に形成するステップであって、第1パッシベーション層は、少なくともドーピング導電層を覆うように、少なくとも第1面及び第1側面の少なくとも一部の領域を覆い、第1パッシベーション層は、切断縁側面の少なくとも一部をさらに覆い、切断縁側面は、サブ基板における切断された側面であるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0041】
本願の実施例の太陽電池において、基材の第1面及び第1側面の一部の表面にテクスチャ構造が設けられており、ドーピング導電層は、テクスチャ構造を覆うように、第1面及び第1側面の一部の表面に設置される。第1側面の一部の表面にテクスチャ構造を有し、テクスチャ構造上にドーピング導電層が設けられるので、当該位置のドーピング導電層は、第1側面が位置する界面でのキャリア再結合を低減するのに役立ち、第1側面に対するより優れたパッシベーション効果を実現する。また、第1側面上に設置されたテクスチャ構造は、太陽電池の光吸収面積を増加させ、太陽電池の光発生電流を向上させ、太陽電池の効率を向上させるのに役立つ。
【0042】
本願の実施例の太陽電池において、第1パッシベーション層は、ドーピング導電層上に積層設置され、第1パッシベーション層は、少なくともドーピング導電層を覆うように、少なくとも第1面及び第1側面の少なくとも一部の領域を覆う。第1パッシベーション層が第1面及び第1側面の少なくとも一部の領域を覆うことにより、第1パッシベーション層が第1側面の少なくとも一部の領域を保護するため、第1側面に対するパッシベーション効果を増加させ、第1側面上で発生したキャリア再結合を緩和するだけでなく、第1パッシベーション層が絶縁層であるため、第1側面上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池変換効率を向上させると同時に、太陽電池の電力出力を増加させる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図2】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図3】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図4】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図5】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図6】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図7】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図8】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図9】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図10】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図11】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図12】本願の一実施例にて提供される太陽電池の構造概略図である。
【
図13】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法のフローチャートである。
【
図14】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法における基材の構造概略図である。
【
図15】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法において基材上にテクスチャ構造及びドーピング導電層を形成する構造概略図である。
【
図16A】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法においてパッシベーションコンタクト層を形成する構造概略図である。
【
図16B】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法においてパッシベーションコンタクト層を形成する構造概略図である。
【
図17】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法において第1パッシベーション層を形成する概略図である。
【
図18】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法において第2パッシベーション層を形成する概略図である。
【
図19】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法において形成される太陽電池の概略図である。
【
図20】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法における基材の第1側面の構造概略図である。
【
図21】本願の一実施例にて提供される別の太陽電池の製造方法における基板の構造概略図である。
【
図22】本願の一実施例にて提供される別の太陽電池の製造方法において基板上にパッシベーションコンタクト層を形成する概略図である。
【
図23】本願の一実施例にて提供される別の太陽電池の製造方法においてドーピング導電層上に第1パッシベーション層を形成する概略図である。
【
図24】本願の一実施例にて提供される別の太陽電池の製造方法においてパッシベーションコンタクト層上に第2パッシベーション層を形成する概略図である。
【
図25】本願の一実施例にて提供される別の太陽電池の製造方法において第1パッシベーション層及び第2パッシベーション層上に電極を形成する概略図である。
【
図26】本願の一実施例にて提供される別の太陽電池の製造方法において形成される太陽電池の構造概略図である。
【
図27】本願の一実施例にて提供される別の太陽電池の製造方法において太陽電池を切断した切断面の写真である。
【
図28】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法のフローチャートである。
【
図29A】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法における基板の構造概略図である。
【
図29B】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法においてパッシベーション接触材料層が形成された基板の構造概略図である。
【
図30】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法におけるサブ基板の構造概略図である。
【
図31】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法において第1パッシベーション層を形成する概略図である。
【
図32】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法において第2パッシベーション層を形成する概略図である。
【
図33】本願の一実施例にて提供される太陽電池の製造方法において形成される太陽電池の概略図である。
【
図34】本願の一実施例にて提供される太陽光発電モジュールの構造概略図である。
【
図35】本願の一実施例にて提供される太陽光発電モジュールの製造過程の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の上述した目的、特徴及び利点をより明確に分かりやすくするために、以下図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。本発明の十分な理解を容易にするために、以下の説明において、多くの具体的な詳細が記載されている。しかし、本発明は、本明細書に記載されたものとは異なる多くの他の方式で実施することができ、当業者は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で同様の改良を行うことができる。したがって、本発明は、以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0045】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示される方位又は位置関係は、本発明の説明を容易にし、及び説明を簡単にするために、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、言及される装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを示すか又は暗示するのではなく、したがって本発明を限定するものとして理解できないことが理解されるべきである。
【0046】
さらに、「第1」、「第2」という用語は、単に説明のためのものであり、相対的な重要性を示すか又は暗示するか、又は示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」に限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的又は暗示的に含み得る。本発明の説明において、「複数」は、特に断りのない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0047】
本発明において、別段の明示的な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、特に断りのない限り、例えば、固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体化であってもよく、機械的接続でも電気的接続でもよく、直接的に連結されてもよいし、中間媒体を介して間接的に連結されてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。本発明における上記用語の具体的な意味は、当業者であれば特定の状況に応じて理解することができる。
【0048】
本発明において、別段の明示的な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるのは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触しているか、又は第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触していることを意味する。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上方にあるか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあるか、又は単に第1特徴の水平高さが第2の特徴よりも低いことを意味する。
【0049】
なお、素子が別の素子に「固定される」又は「設置される」と称される場合、別の素子の上に直接あってもよく、又は中間素子が存在してもよい。ある素子が別の素子に「接続される」と見なされる場合、別の素子に直接接続されてもよく、又は中間素子が同時に存在する可能性がある。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は、単に説明のためのものであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0050】
以下、図面を参照しながら本願の実施例の太陽電池及びその製造方法、太陽光発電モジュール及び太陽光発電システムについて説明する。別段の記載がない限り、本願における「覆う」とは、部分的に又は完全に覆うことを指す。
【0051】
図1を参照すると、本願の実施例は、基材10と、ドーピング導電層30と、第1パッシベーション層40と、パッシベーションコンタクト層50と、第2パッシベーション層60と、を含む太陽電池100を提供する。基材10は、対向して設置された第1面F、第2面S、及び第1面Fと第2面Sとの間に隣接する少なくとも1つの第1側面C1を含む。
【0052】
基材10は、入射光線を受けて光発生キャリアを生成するために用いられる。例示的には、太陽電池100は、TOPCon電池であってもよく、基材10の第1面F及び第2面Sは、いずれも入射光線を受けるために用いられてもよい。いくつかの実施例では、基材10は、第1面Fと第2面Sとの間に隣接する少なくとも1つの切断縁側面C2をさらに含み、切断縁側面C2は、切断によって形成された切断側面である。
【0053】
本願の実施例では、少なくとも基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20が設けられている。ドーピング導電層30は、テクスチャ構造20を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の一部の表面に設置され、例えばドーピング導電層30は、テクスチャ構造20全体を覆う。第1パッシベーション層40は、ドーピング導電層30上に積層設置され、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆い、例えば第1パッシベーション層40は、ドーピング導電層30全体を覆う。パッシベーションコンタクト層50は、第2面Sに設置される。第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50上に積層設置され、第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50を覆うように、第2面Sを覆い、例えば第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50全体を覆う。
【0054】
本願の実施例では、基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20が設けられており、ドーピング導電層30は、テクスチャ構造20を覆うように、第1面F及び第1側面C1の一部の表面に設置される。第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を有し、テクスチャ構造20にドーピング導電層30が設けられるので、当該位置のドーピング導電層30は、第1側面C1が位置する界面でのキャリア再結合を低減するのに役立ち、第1側面C1に対するより優れたパッシベーション効果を実現する。また、第1側面C1上に設置されたテクスチャ構造20は、太陽電池100の光吸収面積を増加させ、太陽電池100の光発生電流を向上させ、太陽電池100の効率を向上させるのに役立つ。
【0055】
一方、第1パッシベーション層40は、ドーピング導電層30上に積層設置され、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆う。第1パッシベーション層40が第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆うことにより、第1パッシベーション層40が第1側面C1の少なくとも一部の領域を保護するため、第1側面C1に対するパッシベーション効果を増加させ、第1側面C1上で発生したキャリア再結合を緩和するだけでなく、第1パッシベーション層40が絶縁層であるため、第1側面C1上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池の変換効率を向上させると同時に、太陽電池100の電力出力を増加させる。
【0056】
いくつかの実施例では、太陽電池100は、基材10の第1面Fが位置する側及び第2面Sが位置する側上にそれぞれ設置された少なくとも2つの電極70をさらに含む。基材10の第1面Fが位置する側に設置された電極70は、第1パッシベーション層40を貫通してドーピング導電層30に接触し、それによりドーピング導電層30に電気的に接続されて基材10から離隔される。基材10の第2面Sが位置する側に設置された電極70は、第2パッシベーション層60を貫通してパッシベーションコンタクト層50に接触し、それによりパッシベーションコンタクト層50に電気的に接続されて基材10から離隔される。
【0057】
本願の実施例では、基材10の第1面F及び第2面Sは、例えば基材の厚さ方向Hにおける2つの端面であってもよく、基材10は、第1面Fと第2面Sとの間に隣接する複数の側面を含み、当該複数の側面は、第1面Fの周方向に巻回され、且つ互いに順次連結され、各側面の両端は、第1面F及び第2面Sにそれぞれ接続される。当該複数の側面のうちの1つ、複数又は全ては、第1側面C1であってもよい。第1側面C1以外、残りの側面は、切断縁側面C2であってもよい。いくつかの実施例では、基材10は、第1側面C1及び切断縁側面C2を同時に含み、第1側面C1及び切断縁側面C2は、第1面Fの周方向に巻回され、且つ互いに順次連結されてもよい。いくつかの実施例では、基材10は、平面視で四角形であり、第1側面C1及び切断縁側面C2の数の合計は、4つである。基材10は、必要に応じて他の形状を有してもよい。いくつかの実施例では、第1側面C1と切断縁側面C2とは、対向して設置され、例えば各第1側面C1は、互いに連結され、さらに切断縁側面C2に連結され、又は、第1側面C1と切断縁側面C2とは、交互に配置されてもよい。もちろん、本願は、これに限定されるものではなく、第1側面C1と切断縁側面C2との相対位置は、必要に応じて設置されてもよい。
【0058】
基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を有する。第1側面C1に位置するテクスチャ構造20は、第1面Fに近接して設置されてもよい。いくつかの実施例では、基材10の第1面F上のテクスチャ構造20と第1側面C1上のテクスチャ構造20とは、連続構造である。他のいくつかの実施例において、基材10の第1面F上のテクスチャ構造20と第1側面C1上のテクスチャ構造20との間は、間隔を有してもよく、即ち両者は、不連続な構造であってもよい。
【0059】
太陽電池100は、N型電池又はP型電池であってもよく、N型電池の基材10にN型元素がドーピングされ、ドーピング導電層30にP型元素がドーピングされる。P型電池の基材10にP型元素がドーピングされ、ドーピング導電層30にN型元素がドーピングされる。ドーピング導電層30は、基材10とPN接合を形成するために用いられる。本願の実施例では、基材10がN型基材であることを例に説明すると、ドーピング導電層30は、P型ドーピングであってもよく、例えばホウ素元素がドーピングされたドーピング導電層30(P+型エミッタともいう)であってもよい。
【0060】
ドーピング導電層30は、一部が第1面Fに設置され、他の一部が第1側面C1の一部の表面に設置され、その設置範囲は、少なくともテクスチャ構造20を覆う。いくつかの実施例では、ドーピング導電層30の設置範囲は、テクスチャ構造20よりも大きくてもよい。いくつかの実施例では、ドーピング導電層30の設置範囲は、テクスチャ構造20に相当し、即ちドーピング導電層30は、ちょうどテクスチャ構造20を完全に覆う。
【0061】
引き続き
図1を参照すると、パッシベーションコンタクト層50は、第2面Sに設置され、例えばパッシベーションコンタクト層50は、基材10の第2面S上に直接積層されてもよい。パッシベーションコンタクト層50は、基材10の第2面Sでのキャリアの再結合を低減し、それにより太陽電池100の開放電圧を増加させ、太陽電池100の光電変換効率を向上させることができる。パッシベーションコンタクト層50は、第2面S上に順次積層されたトンネル酸化層51及びポリシリコンドーピング導電層52を含んでもよい。例示的には、トンネル酸化層51は、基材10の第2面Sの界面パッシベーションを実現して、化学的なパッシベーションの効果を奏するために用いられる。具体的には、基材10の表面のダングリングボンドを飽和させることによって、基材10の第2面Sの界面欠陥準位密度を低下させ、それにより基材10の第2面Sの再結合中心を減少してキャリアの再結合速度を低下させる。ここで、トンネル酸化層51の材料は、誘電体材料であってもよく、例えば酸化シリコン、フッ化マグネシウム、アモルファスシリコン、ポリシリコン、炭化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、アルミナ、又は酸化チタンのうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施例では、基材10の第2面S上に設置された電極70は、ポリシリコンドーピング導電層52のみに接触し、且つポリシリコンドーピング導電層52によってトンネル酸化層51から離隔されてもよい。
【0062】
第1パッシベーション層40は、ドーピング導電層30上に積層設置され、第1パッシベーション層40は、太陽電池100において表面パッシベーション及び反射防止の役割を果たし、基材10の表面のダングリングボンドに対して良好な化学的パッシベーションを行い、且つ太陽電池100の正面で反射防止の役割を果たすことができる。
【0063】
例示的には、第1パッシベーション層40は、ドーピング導電層30上に順次積層された第1パッシベーション膜(図示せず)及び第1反射防止膜(図示せず)を含む。
【0064】
第1反射防止膜は、基材10の第1面F側に位置し、即ち太陽電池100の入射光を受ける面(正面又は受光面と呼ぶ)に位置し、太陽電池100の正面で反射防止効果を奏する。第1反射防止膜は、多層構造を採用することができる。多層構造の第1反射防止膜において、各層の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンのうちの1種以上であってもよい。
【0065】
第1パッシベーション膜は、単層構造又は多層構造を採用してもよく、第1パッシベーション膜の材料は、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンのうちの少なくとも1つであってもよい。また、第1パッシベーション膜は、化学蒸着法により形成されてもよい。
【0066】
第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆う。具体的には、第1パッシベーション層40は、第1面F及び第1側面C1上の第1面Fに隣接する少なくとも一部の領域を連続的に覆うことができ、このようにドーピング導電層30を覆うことができる。この時、第1パッシベーション層40は、第1面Fを覆う部分、及び第1面Fを覆う部分から第1側面C1上に連続的に延在する他の部分を含む。
【0067】
第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50上に積層設置され、第2パッシベーション層60は、同様に単層又は多層構造を採用し、第2パッシベーション層60の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンであってもよい。また、第2パッシベーション層60は、太陽電池100のバックライト面ともいう裏面に設置される。太陽電池100技術の発展に伴い、太陽電池100の裏面も太陽光のエネルギー、主に周囲環境からの反射光や散乱光を受けることがある。第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50上に積層された少なくとも1層の第2反射防止膜(図示せず)を含む。このように、太陽電池100の裏面における太陽光の反射率を減少させ、太陽電池100の裏面における太陽光の吸収率を向上させ、第2パッシベーション層60にパッシベーション及び反射防止の役割を同時に果たさせることができる。
【0068】
いくつかの実施例では、
図1、
図2を参照すると、第1側面C1は、テクスチャ構造20が設けられたテクスチャ領域Rと、テクスチャ領域Rに隣接する平坦領域Pと、を含み、ここでの平坦領域Pとは、テクスチャ構造20が形成されていない第1側面C1の領域を指す。いくつかの実施例では、テクスチャ領域Rは、第1面Fに近接し、平坦領域Pは、第1面Fから離れる。
【0069】
いくつかの実施例では、前述したように、第1パッシベーション層40は、少なくとも第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆う。第1パッシベーション層40の第1側面C1における設置範囲について、例えば第1側面C1において、第1パッシベーション層40の第1面Fから離れた縁は、ドーピング導電層30の縁と面一であり、又は第1パッシベーション層40は、基材10の厚さ方向Hに沿ってドーピング導電層30の縁の外に延在する。
【0070】
第1パッシベーション層40が基材10の厚さ方向Hに沿ってドーピング導電層30の縁の外に延在する実施例において、第1パッシベーション層40は、第1側面C1においてテクスチャ領域Rを完全に覆い、かつ平坦領域Pの少なくとも一部を覆うことができる。このように、第1側面C1に対する第1パッシベーション層40の覆い及びパッシベーション効果は高い。
【0071】
第1パッシベーション層40が第1側面C1においてテクスチャ領域Rを完全に覆い、かつ平坦領域Pの少なくとも一部を覆うのは、太陽電池100の製造過程で、位置決めのためのノジュールなどと基材10の第1側面C1との接触部位に膜層が形成できない場合があり、第1パッシベーション層40が第1側面C1を完全に覆わないために生じる可能性がある。
【0072】
図2では、第1パッシベーション層40が第1側面C1上に設けられ且つ第1面Fから離れた縁が平坦領域Pの範囲内にある実施例を示す。
図1では、第1パッシベーション層40が第1面Fから離れた縁がパッシベーションコンタクト層50の基材10から離れた表面と面一である実施例を示す。理解されるように、
図2に示す実施例よりも、
図1に示す実施例は、より高いパッシベーション効果を有する。
【0073】
いくつかの実施例では、第1パッシベーション層40の縁は、ドーピング導電層30の縁と面一であり、例えば
図3、
図4を参照すると、第1パッシベーション層40は、基材10の厚さ方向Hに沿って平坦領域Pまで延在せず、即ち第1パッシベーション層40の設置範囲は、ドーピング導電層30と一致する。
【0074】
いくつかの実施例では、第2パッシベーション層60は、第1側面C1において少なくとも第1パッシベーション層40を部分的に覆うように、第1側面C1の少なくとも一部の領域をさらに覆う。第1パッシベーション層40が第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆い、第2パッシベーション層60が少なくとも第1パッシベーション層40を部分的に覆うことにより、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60が共に第1側面C1の少なくとも一部の領域を保護し、第1側面C1の少なくとも一部の領域に対するパッシベーション効果を増加させ、第1側面C1上で発生したキャリア再結合を緩和するだけでなく、第2パッシベーション層60が絶縁層であるため、第1側面C1上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池変換効率を向上させると同時に、太陽電池100の電力出力を増加させる。
【0075】
第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50及び少なくとも一部の第1パッシベーション層40を覆うように、少なくとも第2面S及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆う。具体的には、第2パッシベーション層60は、第2面S及び第1側面C1上の第2面Sに隣接する少なくとも一部の領域を連続的に覆い、このようにパッシベーションコンタクト層50及び第1パッシベーション層40を覆うことができる。このとき、第2パッシベーション層60は、第2面Sを覆う部分、及び第2面Sを覆う部分から第1側面C1上に連続的に延在する他の部分を含む。
【0076】
以下、
図1~
図4を参照して第1側面C1における第2パッシベーション層60の設置範囲を紹介する。
【0077】
いくつかの実施例では、第1パッシベーション層40は基材10の厚さ方向Hに沿ってドーピング導電層30の縁の外に延在し、
図1、
図2を参照すると、第1パッシベーション層40の第1側面C1に位置する部分は、平坦領域Pを覆う第1部分41を含んでもよく、第2パッシベーション層60は、少なくとも第1部分41を覆ってもよい。このように、第2パッシベーション層60は第1パッシベーション層40を確実に覆うことができることを保証し、両者の境界位置がパッシベーション層で覆われないという事態を回避する。
【0078】
さらに、第1パッシベーション層40の第1側面C1に位置する部分は、テクスチャ領域Rを覆う第2部分42をさらに含み、第2パッシベーション層60は、第1部分41及び第2部分42の少なくとも一部を覆う。このように第1パッシベーション層40に対する第2パッシベーション層60の覆い範囲は、大きく、太陽電池100の側面に対するパッシベーション効果がより高い。
【0079】
図2に示すように、いくつかの実施例では、第2パッシベーション層60は、第1部分41の全体及び第2部分42の一部を覆う。他のいくつかの実施例において、第2パッシベーション層60は、第1部分41(図示せず)のみまで覆うか、又は、第2パッシベーション層60は、第2部分42(図示せず)の全体のみまで覆う。
【0080】
図1を参照すると、いくつかの実施例では、第1側面C1において、第2パッシベーション層60は、第2パッシベーション層60の第2面Sから離れた縁が第1面F上に位置する第1パッシベーション層40の外面と面一であるように、基材10の厚さ方向Hに沿って延在する。このように、太陽電池100の側面に対するパッシベーション効果がより優れる。第1パッシベーション層40が形成過程で石英ボートとの接触位置でめっきできないか、又はプロセス変動などによって第1パッシベーション層40の均一性が劣る場合、第2パッシベーション層60の形成範囲をさらに増大させることで、太陽電池100の側面のパッシベーション信頼性をさらに向上させることができる。
【0081】
図3及び
図4を参照すると、いくつかの実施例では、第1側面C1において、第1パッシベーション層40の縁は、ドーピング導電層30の縁と面一であり、前述したように、第1パッシベーション層40の第1側面C1上に設けられた部分は、テクスチャ領域Rのみを覆う。このとき、第2パッシベーション層60は、第1側面C1においてテクスチャ領域Rの少なくとも一部を覆い、例えば、
図4に示す第2パッシベーション層60が第1側面C1においてテクスチャ領域Rの一部を覆う場合であってもよい。
【0082】
又は、
図3に示すように、第2パッシベーション層60は、第2パッシベーション層60の第2面Sから離れた縁が第1表面F上に位置する第1パッシベーション層40の外面と面一であるように、第1側面C1において基材10の厚さ方向Hに沿って延在する。このように、太陽電池100の側辺に対するパッシベーション効果がより優れる。第1パッシベーション層40が形成過程で石英ボートとの接触位置でめっきできないか、又はプロセス変動などによって第1パッシベーション層40の均一性が劣る場合、第2パッシベーション層60の形成範囲をさらに増大させることで、太陽電池100の側縁のパッシベーション信頼性をさらに向上させることができる。
【0083】
第2パッシベーション層60が第1側面C1において一部のテクスチャ領域Rのみを覆うのは、太陽電池100の製造過程で、位置決めのためのノジュールなどと基材10の第1側面C1、切断縁側面C2上の第1パッシベーション層40との接触部位に膜層が形成できない場合があり、第2パッシベーション層60が第1パッシベーション層40を完全に覆わないために生じる可能性がある。
【0084】
いくつかの実施例では、基材10は、第1面Fと第2面Sとの間に隣接する少なくとも1つの切断縁側面C2をさらに含む。
【0085】
図1~
図4を参照すると、いくつかの実施例では、テクスチャ構造20は、第1面F及び第1側面C1の一部の表面のみに設置され、ドーピング導電層30は、テクスチャ構造20を覆うように、第1面F及び第1側面C1の一部の表面のみに設置される。
【0086】
例示的には、切断縁側面C2が切断縁側面C2の法線方向において、ドーピング導電層30、第1パッシベーション層40、パッシベーションコンタクト層50、及び第2パッシベーション層60における切断縁側面C2と同じ側に位置する縁と面一である。この場合、太陽電池100の切断縁側面C2に対応する縁面に何らの膜層が設置されず、例えば太陽電池100の製造プロセスで、最後に電池構造をスライスした構造であってもよい。
【0087】
図5~
図8を参照すると、本願のいくつかの実施例は、上記実施例に基づいて、太陽電池100の切断縁側面C2の位置での膜層構造に改良を加える。理解されるように、基材10の第1面Fの膜層構造及び第1側面C1上の膜層構造及び設置範囲については、上記実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0088】
図5及び
図6は、第1側面C1において第1パッシベーション層40が基材10の厚さ方向Hに沿ってドーピング導電層30の縁の外に延在する実施例を示す。
図7及び
図8は、第1側面C1において第1パッシベーション層40の縁がドーピング導電層30の縁と面一である実施例を示す。
【0089】
図5及び
図7では、第1側面C1において第2パッシベーション層60が、第2パッシベーション層60の縁が第1表面F上に位置する第1パッシベーション層40の外面と面一となるまで基材10の厚さ方向Hに沿って延在する実施例を示す。
図6及び
図8では、第2パッシベーション層60が一部の第2部分42のみを覆う場合を示す(ここで、第2部分42は、第1パッシベーション層40が第1側面C1に位置し、且つテクスチャ領域Rを覆う領域である)。
【0090】
切断縁側面C2上の膜層の設置状況について以下のように紹介する。
【0091】
図5~
図8を参照すると、いくつかの実施例では、テクスチャ構造20は、第1面F及び第1側面C1の一部の表面のみに設置され、ドーピング導電層30は、テクスチャ構造20を覆うように、第1面F及び第1側面C1の一部の表面のみに設置される。このように、切断縁側面C2上にはテクスチャ構造20及びドーピング導電層30が設置されていない。
【0092】
いくつかの実施例では、第1パッシベーション層40は、切断縁側面C2の少なくとも一部をさらに覆う。切断縁側面C2は、太陽電池100において切断によって形成された切断面に対応し、このように、第1パッシベーション層40は、切断縁側面C2の少なくとも一部の領域を保護し、切断縁側面C2のパッシベーション効果を増加させ、切断縁側面C2上で発生したキャリア再結合を緩和するだけでなく、第1パッシベーション層40が絶縁層であるため、切断縁側面C2上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池変換効率を向上させると同時に、太陽電池100の電力出力を増加させる。
【0093】
さらに、切断縁側面C2における第1パッシベーション層40の覆い範囲について、例えば
図5に示すように、第1パッシベーション層40は切断縁側面C2に位置し且つ第1面Fの縁から離れ、パッシベーションコンタクト層50の基材10から離れた表面と面一であってもよい。又は
図6、
図7及び
図8に示すように、第1パッシベーション層40は、切断縁側面C2に位置し且つ第1面Fから離れた縁が切断縁側面C2の範囲内に位置してもよい。
【0094】
もちろん、第1側面C1及び切断縁側面C2における第1パッシベーション層40の縁位置は、互いに面一であってもよいし、面一でなくてもよい。
【0095】
いくつかの実施例では、第2パッシベーション層60は、切断縁側面C2において少なくとも第1パッシベーション層40を部分的に覆うように、切断縁側面C2の少なくとも一部の領域をさらに覆う。
【0096】
具体的には、
図5及び
図7のように、第2パッシベーション層60は、第2パッシベーション層60の縁が第1面F上に位置する第1パッシベーション層40の外面と面一であるように、切断縁側面C2において基材10の厚さ方向Hに沿って延在してもよい。又は、
図6及び
図8のように、切断縁側面C2において第2パッシベーション層60は、一部の第1パッシベーション層40のみを覆ってもよい。
【0097】
もちろん、第1側面C1及び切断縁側面C2における第2パッシベーション層60の縁位置は、互いに面一であってもよいし、面一でなくてもよい。
【0098】
図9~
図12を参照すると、本願のいくつかの実施例は、上記実施例に基づいて、太陽電池100の切断縁側面C2の位置での膜層構造に改良を加える。理解されるように、基材10の第1面Fの膜層構造及び第1側面C1における膜層構造及び設置範囲については、上記実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0099】
例えば、
図9及び
図10は、第1側面C1において第1パッシベーション層40が基材の厚さ方向Hに沿ってドーピング導電層30の縁の外に延在する実施例を示す。
図11及び
図12は、第1側面C1において第1パッシベーション層40の縁がドーピング導電層30の縁と面一である実施例を示す。
【0100】
図9及び
図11では、第1側面C1において第2パッシベーション層60が、第2パッシベーション層60の縁が第1表面F上に位置する第1パッシベーション層40の外面と面一となるまで基材10の厚さ方向Hに沿って延在する実施例を示す。
図10及び
図12では、第2パッシベーション層60が一部の第2部分42のみを覆う実施例を示す。
【0101】
切断縁側面C2上の膜層の設置状況について以下のように紹介する。
【0102】
図9~
図12を参照すると、いくつかの実施例では、少なくとも一部の切断縁側面C2上にもテクスチャ構造20を有し、ドーピング導電層30は、テクスチャ構造20を覆うように、第1面F、第1側面C1の一部の表面、及び切断縁側面C2の一部の表面に設置され、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、切断縁側面C2の少なくとも一部をさらに覆う。いくつかの実施例では、ドーピング導電層30は、切断縁側面C2のテクスチャ構造20を完全に覆い、第1パッシベーション層40は、切断縁側面C2上のドーピング導電層30を完全に覆う。
【0103】
このように、第1側面C1のパッシベーション効果を増加させ、第1側面C1上で発生したキャリア再結合を緩和することに加えて、切断縁側面C2の一部の表面にテクスチャ構造20を有し、テクスチャ構造20上にドーピング導電層30が設けられるので、当該位置のドーピング導電層30は、切断縁側面C2が位置する界面でのキャリア再結合を低減するのに役立ち、切断縁側面C2に対するより優れたパッシベーション効果を実現する。また、切断縁側面C2上に設置されたテクスチャ構造20は、太陽電池100の光吸収面積を増加させ、太陽電池100の光発生電流を向上させ、太陽電池100の効率を向上させるのに役立つ。
【0104】
一方、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも切断縁側面C2の少なくとも一部の領域を覆う。これにより、第1パッシベーション層40は、切断縁側面C2の少なくとも一部の領域を保護し、切断縁側面C2に対するパッシベーション効果を増加させ、切断縁側面C2上で発生したキャリア再結合を緩和するだけでなく、第1パッシベーション層40が絶縁層であるため、切断縁側面C2上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池変換効率を向上させると同時に、太陽電池100の電力出力を向上させる。
【0105】
さらに、切断縁側面C2における第1パッシベーション層40の覆い範囲について、例えば
図9に示すように、第1パッシベーション層40は、第1パッシベーション層40の第1面Fから離れた縁がパッシベーションコンタクト層50の基材10から離れた表面と面一であるように基材10の厚さ方向Hに沿って延在してもよい。又は
図11及び
図12に示すように、切断縁側面C2において、第1パッシベーション層40の第1面Fから離れた縁はドーピング導電層30の縁と面一であってもよい。又は、
図10に示すように、第1パッシベーション層40はドーピング導電層30の縁の外に延在し、第1パッシベーション層40の第1面Fから離れた縁は切断縁側面C2の範囲内にあってもよい。
【0106】
もちろん、第1側面C1及び切断縁側面C2上における第1パッシベーション層40の縁位置は、互いに面一であってもよいし、面一でなくてもよい。
【0107】
いくつかの実施例では、第2パッシベーション層60は、切断縁側面C2において少なくとも第1パッシベーション層40を部分的に覆うように、切断縁側面C2の少なくとも一部の領域を覆う。
【0108】
具体的には、
図9及び
図11のように、第2パッシベーション層60は、第2パッシベーション層60の縁が第1面F上に位置する第1パッシベーション層40の外面と面一であるように、切断縁側面C2において基材10の厚さ方向Hに沿って延在してもよい。又は、
図10及び
図12のように、切断縁側面C2において、第2パッシベーション層60は、一部の第1パッシベーション層40のみを覆ってもよい。
【0109】
もちろん、第1側面C1及び切断縁側面C2上における第2パッシベーション層60の縁位置は、互いに面一であってもよいし、面一でなくてもよい。
【0110】
以上は、1つの第1側面C1及び1つの切断縁側面C2のみについて説明したが、基材10が複数の第1側面C1及び/又は複数の切断縁側面C2を含む場合、複数の第1側面C1及び/又は複数の切断縁側面C2、及びその上の膜層は、同じ又は異なる構造を有してもよい。以上の異なる実施例は、任意に組み合わせて複数の第1側面C1及び/又は複数の切断縁側面C2に用いられてもよい。
【0111】
理解されるように、ドーピング導電層30は、基材10の少なくとも一部の表面にドーピング元素を拡散させることによって形成することができ、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60は、いずれも蒸着法(例えばプラズマ化学気相蒸着法)によって形成することができる。このため、ドーピング導電層30、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60の外面は、平面ではなく、基材10の表面に対応する構造、即ち形状に従って設置されるものであってもよい。テクスチャ構造20を覆うとき、ドーピング導電層30、第1パッシベーション層40及び/又は第2パッシベーション層60もテクスチャ構造を有する。平坦表面を覆い、例えば平坦領域Pを覆うとき、ドーピング導電層30、第1パッシベーション層40及び/又は第2パッシベーション層60も平坦表面を有する。
【0112】
本実施例は、太陽電池の製造方法を提供し、当該方法は、上記のいずれかの実施例における太陽電池を製造するために用いられる。太陽電池100の構造、機能、動作原理などは、既に上記実施例において詳細に説明されたので、ここでは説明を省略する。
【0113】
図13~18を参照すると、太陽電池の製造方法は、ステップS10からS40を含む。
【0114】
ステップS10において、基板101を提供し、基板101は、基材10と、ドーピング導電層30と、を含み、基材10は、対向して設置された第1面F、第2面S、及び第1面Fと第2面Sとの間に隣接する少なくとも1つの第1側面C1を含み、少なくとも基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20が設けられ、ドーピング導電層30は、テクスチャ構造20を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の一部の表面に設けられる。
【0115】
ステップS20において、基材10の第2面Sにパッシベーションコンタクト層50を形成する。
【0116】
ステップS30において、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40を形成し、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆う。
【0117】
ステップS40において、パッシベーションコンタクト層50上に第2パッシベーション層60を形成して太陽電池基体103を形成し、第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50を覆うように第2面Sを覆う。
【0118】
上記手段では、基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を有し、ドーピング導電層30は、テクスチャ構造20を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の一部の表面に設置される。第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を有し、テクスチャ構造20にドーピング導電層30が設けられるので、第1側面C1上のドーピング導電層30は、第1側面C1が位置する界面でのキャリア再結合を低減するのに役立ち、第1側面C1に対するより優れたパッシベーション効果を実現する。また、第1側面C1上に設置されたテクスチャ構造20は、太陽電池100の光吸収面積を増加させ、太陽電池100の光発生電流を向上させ、太陽電池100の効率を向上させるのに役立つ。
【0119】
一方、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40が形成され、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆うことにより、第1パッシベーション層40は、第1側面C1の少なくとも一部の領域を保護し、第1側面C1に対するパッシベーション効果を増加させ、第1側面C1上で発生したキャリア再結合を緩和するだけでなく、第1パッシベーション層40が絶縁材料層であるため、第1側面C1上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池変換効率を向上させると同時に、太陽電池100の電力出力を増加させる。
【0120】
理解されるように、テクスチャ構造20、ドーピング導電層30、第1パッシベーション層40、パッシベーションコンタクト層50及び第2パッシベーション層60の構造や膜層材料、設置範囲などは、前述実施例において詳細に説明されたので、ここでは説明を省略する。
【0121】
本実施例において、ステップS20において、基材10の第2面Sにパッシベーションコンタクト層50を形成するステップは、
基板101の各表面上にトンネル材料層51’、ポリシリコンドーピング材料層52’及び酸化物材料層54を順次積層して形成するステップと、
基板101の第1側の表面F’及び基板101の各側面上の酸化物材料層54をエッチングして除去するステップと、
基板101の第1側の表面F’及び基板101の各側面上のポリシリコンドーピング材料層52’及びトンネル材料層51’をエッチングして除去するステップと、を含み、基板101の第1側の表面F’は基材10の第1面Fに対応する。
【0122】
このように第2面S上のトンネル材料層、ポリシリコンドーピング材料層及び酸化物材料層のみを保留し、第2面S上のトンネル材料層は即ちトンネル酸化層51であり、第2面S上のポリシリコンドーピング材料層は即ちポリシリコンドーピング導電層52である。酸化物材料層(例えば酸化シリコン層であってもよい)は、後続の工程においてマスクとして機能してもよく、後続でエッチングなどのプロセスによって洗浄されてもよい。このように、第2面S上に設けられたパッシベーションコンタクト層50を形成することができる。
【0123】
例示的には、酸化物材料層をエッチングして除去することは、チェーンコンベアによって行われ、トンネル材料層及びポリシリコンドーピング材料層をエッチングして除去することは、スロットコンベアによって行われる。
【0124】
図19を参照すると、いくつかの実施例では、ステップS40において、パッシベーションコンタクト層50上に第2パッシベーション層60を形成するステップの後に、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60上に電極70をそれぞれ製造するステップをさらに含む。ここで、基材10の第1面F側に位置する電極70は、第1パッシベーション層40を貫通してドーピング導電層30に接続され、基材10の第2面S側に位置する電極70は、第2パッシベーション層60を貫通してパッシベーションコンタクト層50に接続される。
【0125】
理解されるように、光電変換効率を向上させるために、標準仕様の電池を半分に切断し又は複数に切断し、そして直列接続してモジュールを形成することができる。
【0126】
本願の実施例の太陽電池の製造方法において、切断のステップを異なる位置に設置することができる。
【0127】
例えば、ステップS10において切断し、又はステップS40の後に切断し、又はステップS10とS40との間に切断する。
【0128】
ステップS10において切断する場合、例えば基材ブランクを所望の太陽電池100の大きさに応じて対応するサイズの基材10に切断する。
【0129】
いくつかの実施例では、ドーピング及びテクスチャリングの前に基材ブランクを適切なサイズの基材10(実際に必要とされる太陽電池100の大きさに対応する)に切断し、切断ステップを事前に行い、且つ後続の片面エッチングプロセス及び界面パッシベーションプロセスにより、太陽電池100の各縁面(切断縁側面C2を含む)を良好にパッシベーションし、キャリア再結合を低減し、光電変換効率を向上させることができる。且つ後続のステップにおいて切断せず、即ち新たな切断面が生じないので、関連技術では切断面に多量のキャリアが再結合する問題を効果的に回避することができる。
【0130】
具体的には、
図14及び
図15を参照すると、ステップS10において、基板101を提供するステップは、
基材ブランク(図示せず)を厚さ方向に沿って切断して基材10を形成し、切断によって基材10上に切断縁側面C2を形成するステップと、
少なくとも基材10の第1面F、第1側面C1及び切断縁側面C2にテクスチャリング処理及びドーピング元素拡散を行うステップと、
基材10をエッチング処理して、基材10の第2面S、各第1側面C1における第1目標領域C11及び各切断縁側面C2における第2目標領域C12を露出させることで、基材10の第1面F、第1側面C1の一部の表面及び切断縁側面C2の一部の表面にテクスチャ構造20及びテクスチャ構造20を覆うドーピング導電層30を形成するステップと、を含み、
第1目標領域C11は、第1側面C1が第2面Sに隣接する領域であり、第2目標領域C12は、切断縁側面C2が第2面Sに隣接する領域である。
【0131】
上記ステップにおいて、テクスチャリング処理により基材10の各表面にテクスチャを形成する。基材10にドーピング元素拡散を行い、ドーピング元素を基材10の第1面Fにドーピングさせて、ドーピング導電層30を形成する。ドーピング元素拡散の過程で、一部のドーピング元素が基材10の第1側面C1、切断縁側面C2及び第2面Sに回り込むので、第1側面C1、切断縁側面C2及び第2面Sもドーピング導電材料で覆われる。片面エッチングプロセスによって基材10の第1側面C1、切断縁側面C2及び第2面Sをエッチング処理して、基材10の第2面S、第1側面C1上の第1目標領域C11、及び切断縁側面C2上の第2目標領域C12を覆ったドーピング導電材料及びテクスチャ構造を除去し、基材10の第2面S、第1側面C1上の第1目標領域C11、及び切断縁側面C2上の第2目標領域C12を露出させて漏電を回避する。このとき、第1面F、第1側面C1の一部の表面及び切断縁側面C2の一部の表面に位置するテクスチャ構造20及びドーピング導電層30を形成する。
【0132】
具体的には、基材10をエッチング処理して、基材10の第2面S、各第1側面C1における第1目標領域C11及び各切断縁側面C2における第2目標領域C12を露出させるステップは、ステップDと、ステップEと、を含む。
【0133】
ステップDにおいて、テクスチャリング処理及びドーピング元素拡散後の基材10をエッチングして、第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11及び各切断縁側面C2上の第2目標領域C12上のテクスチャ構造を露出させる。いくつかの実施例では、チェーンコンベアを用いてエッチングを行ってもよい。もちろん、エッチング過程で、チェーンコンベアの液位高さを制御して、エッチング液が基材10の第1面F上のテクスチャ構造20及びドーピング導電層30に付着することを回避する必要がある。一実施例において、エッチング後に第1側面C1は、
図20に示す不規則な形態を有する。
【0134】
ステップEにおいて、基材10の第2面S、及び各第1側面C1上の第1目標領域C11及び各切断縁側面C2上の第2目標領域C12が露出するように、第2面S、第1目標領域C11及び第2目標領域C12上に露出するテクスチャ構造をエッチングして除去する。いくつかの実施例では、スロットコンベアを用いてエッチングを行ってもよい。理解されるように、露出したテクスチャ構造をエッチングして除去することは、露出したテクスチャ構造を非テクスチャ形態にエッチングして研磨し、例えば比較的平坦な表面を形成することに相当する。エッチング過程でエッチング液表面の微細な揺らぎや基材10への濡れにより、
図20に示すように、ドーピング導電層30と第1目標領域C11との境界線11は、直線ではなく、不規則な波形を呈する可能性がある。
【0135】
いくつかの実施例では、基材ブランク(図示せず)を厚さ方向に沿って切断して基材10を形成するステップは、基材ブランクを厚さ方向Hに沿ってレーザー切断して基材10を形成するステップを含む。いくつかの実施例では、1回のレーザー切断によって基材ブランクを2つの基材10に分割することができる。
【0136】
以下、具体的な例を挙げて上記ステップS10で切断した太陽電池の製造方法について説明し、且つ比較例と比較する。
【0137】
例1:太陽電池の製造方法は、ステップSJからSOを含む。
【0138】
ステップSJにおいて、
図14を参照すると、基材ブランクを厚さ方向Hに沿って切断して、少なくとも2つの基材10を形成し、基材10は、対向して設置された第1面F、第2面S、及び第1面Fと第2面Sとの間に隣接する複数の第1側面C1及び切断によって形成された少なくとも1つの切断縁側面C2を含む。
【0139】
ステップSKにおいて、
図15を参照すると、基材10の各表面にテクスチャリング処理及びボロン拡散を行い、且つ基材10をエッチング処理して、基材10の第2面S、各第1側面C1上の第1目標領域C11及び各切断縁側面C2上の第2目標領域C12を露出させ、それにより基材10の第1面F、第1側面C1のそれぞれの一部の表面及び切断縁側面C2のそれぞれの一部の表面にテクスチャ構造20を形成し、且つ基材10の第1面F、各第1側面C1の一部の表面及び各切断縁側面C2の一部の表面にテクスチャ構造20を覆うドーピング導電層30(ボロン導電層)を形成して、基板101を形成する。
【0140】
ステップSLにおいて、基板101の各表面上にトンネル材料層、ポリシリコンドーピング材料層及び酸化物材料層を形成し、基板101の第1側の表面F’及び基板101の各側面(各第1側面C1及び各切断縁側面C2を含む)上の酸化物材料層をエッチングして除去し、基板101の第1側の表面F’及び基板101の各側面上のポリシリコンドーピング材料層及びトンネル材料層をエッチングして除去し、基板101の第1側の表面F’は、基材10の第1面Fに対応する。このように、第2面S上のトンネル材料層、ポリシリコンドーピング材料層及び酸化物材料層のみを保留する。酸化物材料層(例えば酸化シリコン層であってもよい)は、後続の工程においてマスクとして機能してもよく、後続でエッチングなどのプロセスによって洗浄されてもよい。このように、
図16に示すように第2面S上に設けられたパッシベーションコンタクト層50を形成する。
【0141】
ステップSMにおいて、
図17を参照すると、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40を形成し、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも第1面F、第1側面C1のそれぞれの少なくとも一部の領域、及び切断縁側面C2のそれぞれの少なくとも一部の領域を覆う。
【0142】
ステップSNにおいて、
図18を参照すると、パッシベーションコンタクト層50上に第2パッシベーション層60を形成し、第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50及び第1パッシベーション層40の少なくとも一部を覆うように、少なくとも第2面S、第1側面C1のそれぞれの少なくとも一部の領域、及び切断縁側面C2のそれぞれの少なくとも一部の領域を覆う。
【0143】
ステップSOにおいて、
図19を参照すると、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60上に電極70をそれぞれ製造して太陽電池100を形成する。
【0144】
ステップSJ~ステップSOで製造された太陽電池100を太陽電池A1と記す。
【0145】
比較例1:太陽電池の製造方法は、ステップSPからステップSUを含む。
【0146】
ステップSPにおいて、シリコンウエハを洗浄してテクスチャリングし、洗浄してテクスチャリングしたシリコンウエハの正面にボロン拡散を行う。
【0147】
ステップSQにおいて、シリコンウエハの裏面及び側面に回り込んだ硼珪酸ガラスBSGを除去し、且つシリコンウエハの側面及び裏面をアルカリで研磨する。
【0148】
ステップSRにおいて、シリコンウエハの裏面にトンネル酸化層及びポリシリコンドーピング導電層を形成する。
【0149】
ステップSSにおいて、シリコンウエハの正面及びシリコンウエハの裏面にいずれもパッシベーション反射防止膜を堆積する。
【0150】
ステップSTにおいて、シリコンウエハの正面及びシリコンウエハの裏面にいずれも電極を製造する。
【0151】
ステップSUにおいて、半分にレーザーで切断する。
【0152】
比較例のステップSP~ステップSTを経て製造された太陽電池を太陽電池B1と記し、比較例のステップSP~ステップSUを経て製造された太陽電池を太陽電池B2と記す。
【0153】
太陽電池A1及び太陽電池B1、B2について電池性能試験を行い、且つ試験結果を表1に記録する。ここで、Uocは、開放電圧であり、FFは、曲線因子であり、Etaは、変換効率であり、Iscは、短絡電流であり、IRev2は、逆方向電流である。
【0154】
【0155】
上記実験結果から、例1の方法で製造された太陽電池A1(切断後)の効率は、比較例1の太陽電池B1全体(未切断)の効率とほぼ同等であるが、比較例1の切断後の太陽電池B2に比べて、電池開放電圧が0.7mV上昇し、曲線因子が約0.74%上昇し、電池変換効率が約0.33%上昇し、逆方向電流が0.09Aから0.05Aに低下したので、例1の方法で製造された太陽電池A1の効率が高いことが分かった。
【0156】
上記実施例において、切断は、ステップS10において行われる。他のいくつかの実施例において、切断は、ステップS40の後に行われてもよく、例えば各膜層の製造完了後、最後に切断する。
【0157】
切断がステップS40の後に行われる実施例において、太陽電池の製造方法は、パッシベーションコンタクト層50上に第2パッシベーション層60を形成するステップS40の後にステップS50をさらに含む。
【0158】
ステップS50において、太陽電池基体103(
図25に示すように)の厚さ方向に沿ってレーザー切断を行い、基材10の切断縁側面C2を形成する。
【0159】
切断によって太陽電池基体103を複数の太陽電池100に分割することができる。例えば、厚さ方向Hに沿って太陽電池基体103を均等に2つに切断して2つの太陽電池100を形成してもよい(
図26に示すように)。
【0160】
いくつかの実施例では、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60に電極70を形成するステップは、上記切断ステップS50の前に行われてもよい。
【0161】
ステップS10において基材ブランクを切断しなくてもよい。この場合、基材10は、第1側面C1のみを含み、切断縁側面C2を含まず、当該実施例において、ステップS10において、基板101を提供するステップは、
少なくとも基材10の第1面F及び第1側面C1にテクスチャリング処理及びドーピング元素拡散を行うステップと、
基材10の第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11が露出するように、基材10をエッチング処理するステップと、を含み、
ここで、第1目標領域C11は、基材10の各第1側面C1における第2面Sに隣接し且つ接続された領域である。
【0162】
上記ステップにおいて、テクスチャリング処理により、基材10の各表面にテクスチャを形成する。基材10にドーピング元素拡散を行い、ドーピング元素を基材10の第1面Fにドーピングさせてドーピング導電層30を形成する。ドーピング元素拡散の過程で、一部のドーピング元素が基材10の第1側面C1及び第2面Sに回り込んだので、第1側面C1及び第2面Sもドーピング導電材料で覆われる。片面エッチングプロセスにより基材10の第1側面C1及び第2面Sをエッチング処理して、基材10の第2面S及び第1側面C1上の第1目標領域C11を覆ったドーピング導電材料及びテクスチャ構造を除去し、基材10の第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11を露出させて漏電を回避する。このとき、第1面F及び第1側面C1の一部の表面に位置するテクスチャ構造20及びドーピング導電材料層30を形成する。
【0163】
具体的には、基材10の第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11が露出するように、基材10をエッチング処理するステップは、ステップD’と、ステップE’と、を含む。
【0164】
ステップD’において、テクスチャリング処理及びドーピング元素拡散後の基材10をエッチングして、第2面S及び各第1目標領域C11上のテクスチャ構造を露出させる。いくつかの実施例では、チェーンコンベアを用いてエッチングを行ってもよい。もちろん、エッチング過程で、チェーンコンベアの液位高さを制御して、エッチング液が基材10の第1面F上のテクスチャ構造20及びドーピング導電材料層30に付着することを回避する必要がある。一実施例において、エッチング後の第1側面C1は、
図20に示す不規則な形態を有する。
【0165】
ステップE’において、露出したテクスチャ構造をエッチング除去して、基材10の第2面S、及び各第1側面C1上の第1目標領域C11を露出させる。いくつかの実施例では、スロットコンベアを用いてエッチングを行ってもよい。理解されるように、基材10の表面に露出したテクスチャ構造をエッチング除去することは、基材10の第1目標領域C11及び第2面Sにおけるテクスチャ構造20を非テクスチャ形態にエッチングして研磨し、例えば比較的平坦な表面を形成することに相当する。エッチング過程でエッチング液表面の微細な揺らぎや基材10への濡れにより、
図20に示すように、ドーピング導電層30と第1目標領域C11との境界線11は、直線ではなく、不規則な波形を呈する可能性がある。
【0166】
本実施例において、太陽電池100は、ステップS40において形成された太陽電池基体103を切断した後に形成されるので、最終的に形成された太陽電池100のサイズ(
図26に示す)は、太陽電池基体103(
図25)のサイズよりも小さい。
【0167】
理解されるように、太陽電池基体103を切断した後、
図27に示すように、切断によって形成された切断面CQが新たに生じる。
【0168】
以下、一具体例を挙げてステップS40の後に切断する太陽電池の製造方法を説明し、且つ比較例と比較する。
【0169】
例2:太陽電池の製造方法は、ステップSJ’からステップSO’を含む。
【0170】
ステップSJ’において、
図21を参照すると、基材10の各表面にテクスチャ処理及びボロン拡散を行い、且つ基材10をエッチング処理して、基材10の第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11を露出させ、それにより基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を形成し、且つ第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を覆うドーピング導電層30(ホウ素導電層)を形成して、基板101を形成する。
【0171】
ステップSK’において、
図22を参照すると、基板101の各表面上にトンネル材料層、ポリシリコンドーピング材料層及び酸化シリコン材料層(図示せず)を順次形成し、基板101の第1側の表面F’及び基板101の各側面上の酸化シリコン材料層をエッチングして除去し、基板101の第1側の表面及び基板101の各側面上のトンネル材料層及びポリシリコンドーピング材料層をエッチングして除去し、このように第2面S上のトンネル材料層、ポリシリコンドーピング材料層及び酸化物材料層のみを保留する。もちろん、ここでの酸化物材料層(例えば酸化シリコン層であってもよい)は、後続の工程においてマスクとして機能してもよく、後続でエッチングなどのプロセスによって洗浄されてもよい。このように、
図22に示すように第2面S上に設けられたパッシベーションコンタクト層50を形成することができる。
【0172】
ステップSL’において、
図23を参照すると、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40を形成し、第1パッシベーション層40は、ドーピング導電材料層30を覆うように、第1面F及び第1側面C1の全体領域を覆う。
【0173】
ステップSM’において、
図24を参照すると、パッシベーションコンタクト層50上に第2パッシベーション層60を形成して太陽電池基体103を形成し、第2パッシベーション層60は、第2面S及び第1側面C1の全体領域を覆って、パッシベーションコンタクト層50を覆い、且つ第1側面C1に設けられた第1パッシベーション層40の部分を完全に覆う。
【0174】
ステップSN’において、
図25を参照すると、太陽電池基体103の第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60上に電極70をそれぞれ製造する。
【0175】
ステップSO’において、
図26を参照すると、太陽電池基体103の厚さ方向Hに沿ってレーザーで切断して、少なくとも2つの太陽電池100を形成する。ステップSJ’~ステップSO’で製造された太陽電池100を太陽電池A2と記す。
【0176】
太陽電池A2及び太陽電池B1について電池性能試験を行い、且つ試験結果を表2に記録する。ここで、Uocは、開放電圧であり、FFは、曲線因子であり、Etaは、変換効率であり、Iscは、短絡電流であり、IRev2は、逆方向電流である。
【0177】
【0178】
上記実験結果から、太陽電池B1に比べて、太陽電池A2の開放電圧が1.1mV上昇し、曲線因子が約0.02%上昇し、変換効率が0.06%上昇し、12Vバイアス試験で、漏れ電流が0.08Aから0.05Aに低下したので、太陽電池A2の漏電が効果的に低下し、効率が高いことが分かった。
【0179】
太陽光発電技術の急速な発展と応用範囲の拡大に伴い、高効率の太陽光発電モジュールに対する市場の需要が高まっている。一般に、太陽光発電モジュールの封止はフルシート設計を採用し、出力電流が絶えず増加するにつれて内部損失による影響が大きくなるので、モジュール内部の損失を低減し、且つ太陽光発電モジュールの出力電力を向上させるために、モジュールのパッケージは現在の半シート又は多シート技術に徐々に更新されている。この技術は、通常、標準仕様の電池をレーザー切断法でハーフシート又は複数の電池シートに切断するが、レーザー切断技術により、切断されたハーフシートの電池の切断された切断側面での再結合が高く、表面に多数のダングリングボンド及び欠陥状態が存在し、キャリアの有効な再結合中心となるとともに、切断側面で漏電の問題が発生しやすくなり、それにより太陽電池の効率を低下させる。
【0180】
本実施例は、切断ステップは、太陽電池の製造ステップにおいて、即ちパッシベーション接触材料を堆積した後に行われる。後続の第1パッシベーション層及び第2パッシベーション層を堆積する過程で、切断された切断面をパッシベーションすることで、当該切断面における再結合問題を回避して、太陽電池100の効率を向上させる。
【0181】
本実施例にて提供される別の太陽電池の製造方法は、上記のいずれかの実施例における太陽電池100を製造するために用いられる。太陽電池100の構造や機能、動作原理などは、既に上記実施例において詳細に説明されたので、ここでは詳しい説明を省略する。本実施例において、切断ステップは、パッシベーションコンタクト層50を製造するステップにおいて行われる。
【0182】
図28~
図33を参照すると、本実施例にて提供される太陽電池の製造方法は、ステップS100からS500を含む。
【0183】
ステップS100において、基板101’を提供し、基板101’は、基材10と、ドーピング導電材料層30’と、を含み、基材10は、対向して設置された第1面F、第2面S、及び第1面Fと第2面Sとの間に隣接する少なくとも1つの第1側面C1を含み、少なくとも基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を有し、ドーピング導電材料層30’は、テクスチャ構造20を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の一部の表面に設けられる。
【0184】
ステップS200において、基板101’の各表面にパッシベーション接触材料層50’を形成する。
【0185】
ステップS300において、パッシベーション接触材料層50’が形成された基板101’を基材の厚さ方向Hに沿って切断して、切断縁側面C2を有するサブ基板102を形成し、且つドーピング導電材料層30’を切断してドーピング導電層30を形成する。いくつかの実施例では、切断により、基板101’を少なくとも2つのサブ基板102に分割することができる。
【0186】
ステップS400において、サブ基板102の第1側の表面F’及び各側面上のパッシベーション接触材料層50’をエッチングして除去して、サブ基板102上にパッシベーションコンタクト層50を形成し、サブ基板102の第1側の表面F’は基材10の第1面Fに対応する。
【0187】
ステップS500において、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40を形成し、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆い、第1パッシベーション層40は、切断縁側面C2の少なくとも一部をさらに覆い、切断縁側面C2は、サブ基板102において切断された側面である。
【0188】
上記実施例において、基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を有し、ドーピング導電材料層30’は、テクスチャ構造20を覆うように、第1面F及び第1側面C1の一部の表面に設置される。第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を有し、テクスチャ構造20上にドーピング導電材料層30’が設けられるので、切断後に形成された太陽電池100において、第1側面C1におけるドーピング導電材料層30’は、第1側面C1の界面でのキャリア再結合を低減するのに役立ち、第1側面C1のより優れたパッシベーション効果を実現する。また、切断後に形成された太陽電池100において、第1側面C1上に設置されたテクスチャ構造20は、太陽電池100の光吸収面積を増加させ、太陽電池100の光発生電流を向上させ、太陽電池100の効率を向上させるのに役立つ。
【0189】
一方、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40を形成し、第1パッシベーション層40は切断縁側面C2の少なくとも一部を覆うことにより、第1パッシベーション層40は、切断縁側面C2の少なくとも一部を保護し、切断縁側面C2の少なくとも一部に対してパッシベーション効果を生じ、切断縁側面C2上で発生したキャリア再結合を緩和することができる。また、第1パッシベーション層40が絶縁層であるため、当該切断縁側面C2上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池変換効率を向上させると同時に、太陽電池100の電力出力を増加させる。
【0190】
さらに、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくとも第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域をさらに覆う。第1パッシベーション層40が第1面F及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆うことにより、第1パッシベーション層40は、第1側面C1の少なくとも一部の領域を保護でき、第1側面C1の少なくとも一部の領域のパッシベーション効果を増加させ、第1側面C1上で発生したキャリア再結合を緩和するだけでなく、第1パッシベーション層40が絶縁層であるため、第1側面C1上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池変換効率をさらに向上させ、且つ太陽電池100の電力出力を増加させる。
【0191】
図30を参照すると、いくつかの実施例では、ステップS300において、基板101’は、少なくとも2つに切断され、言い換えれば、ステップS300において基板101’を切断し、後続の製造ステップを経て太陽電池100を形成したので、基板101’における基材10のサイズは、太陽電池100における基材10のサイズよりも大きい。それ以外、基板101’において基材10に含まれた第1面F及び第2面Sは、最終的に形成された太陽電池100における基材10に含まれた第1面F及び第2面Sとサイズ、面積を除いて同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0192】
元の基材10に比べて、基板101’は複数のサブ基板102に切断されて、各サブ基板102の基材10の一部の第1側面C1のサイズが小さくなり、サブ基板102の(つまり太陽電池100の)基材10上において、切断によって形成された切断面、即ち切断縁側面C2が新たに生じる。
【0193】
図29Aを参照すると、基板101’において、基材10の複数の第1側面C1は、互いに接続され、第1面Fの周囲に共に配置され、且つ、各第1側面C1は、いずれも第1面Fと第2面Sとの間に接続される。また、基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面はテクスチャ構造20を有し、前述と同様に、例えば基材10の第1面F上のテクスチャ構造20及び第1側面C1上のテクスチャ構造20は、連続構造であってもよいし、又は非連続構造であってもよい。このように、連続構造である場合、テクスチャ構造20全体は、基材10の第1面Fを覆うカバーとして形成される。
【0194】
本実施例において、ドーピング導電材料層30’は、ステップS300の切断ステップ後にドーピング導電層30を形成する。したがって、ドーピング導電材料層30’の材料や膜層構造、設置範囲などは、前述の実施例におけるドーピング導電層30と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0195】
ドーピング導電材料層30’は、テクスチャ構造20を覆うように、第1面F及び第1側面C1の一部の表面に設けられるので、ドーピング導電材料層30’は、一部が第1面Fに設置され、他の一部が第1側面C1の一部の表面に設置され、その設置範囲は、テクスチャ構造20を覆う。いくつかの実施例では、ドーピング導電材料層30’の設置範囲は、テクスチャ構造20よりも大きくてもよい。いくつかの実施例では、ドーピング導電材料層30’の設置範囲は、テクスチャ構造20に相当し、即ちドーピング導電材料層30’は、ちょうどテクスチャ構造20を完全に覆う。
【0196】
図29Bを参照すると、ステップS200において、基板101’の基材10の第2面Sにパッシベーション接触材料層50’を形成すると同時に、基板101’の第1側の表面F’及び各側面上にもパッシベーション接触材料層50’を形成する。ステップS400において、切断されたサブ基板102の基材10の第2面S上のパッシベーション接触材料層50’以外に、他の表面上のパッシベーション接触材料層50’をエッチングして除去し、それによりパッシベーションコンタクト層50を形成する。パッシベーション接触材料層50’の材料などは、前述の実施例におけるパッシベーションコンタクト層50と同じである。例示的には、パッシベーション接触材料層50’は、第2面S上に順次積層されたトンネル材料層51’及びポリシリコンドーピング材料層52’を含んでもよい。トンネル材料層51’の材料及び構造などは、トンネル酸化層51と同じであり、ポリシリコンドーピング材料層52’の材料及び構造などは、ポリシリコンドーピング導電層52と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0197】
図31を参照すると、ステップS500において、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40を形成する。第1パッシベーション層40は既に前述の実施例において詳細に説明されたので、ここでは説明を省略する。
【0198】
いくつかの実施例では、ステップS100において、
図29Aを参照すると、基板101’を提供するステップは、
少なくとも基材10の第1面F及び第1側面C1にテクスチャリング処理及びドーピング元素拡散を行うステップと、
基材10の第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11が露出するように、基材10をエッチング処理するステップと、を含む。
【0199】
ここで、第1目標領域C11は、基材10の各第1側面C1における第2面Sに隣接し且つ接続される領域である。
【0200】
上記ステップにおいて、テクスチャリング処理は、基材10の各表面にテクスチャを形成し、このとき基材10にドーピング元素拡散を行い、ドーピング元素を基材10の第1面Fにドーピングさせてドーピング導電材料層30’を形成する。ドーピング元素拡散の過程で、一部のドーピング元素が基材10の第1側面C1及び第2面Sに回り込んだので、第1側面C1及び第2面Sもドーピング導電材料で覆われる。片面エッチングプロセスにより基材10の第1側面C1及び第2面Sをエッチング処理し、基材10の第2面S、及び第1側面C1上の第1目標領域C11を覆ったドーピング導電材料及びテクスチャ構造を除去して、基材10の第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11を露出させて漏電を回避する。このとき、第1面F及び第1側面C1の一部の表面に位置するテクスチャ構造20及びドーピング導電材料層30’を形成する。
【0201】
具体的には、基材10の第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11が露出するように、基材10をエッチング処理するステップは、ステップD’’と、ステップE’’と、を含む。
【0202】
ステップD’’において、テクスチャリング処理及びドーピング元素拡散後の基材10をエッチングして、第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11上のテクスチャ構造を露出させる。いくつかの実施例では、チェーンコンベアを用いてエッチングを行ってもよい。もちろん、エッチング過程で、チェーンコンベアの液位高さを制御して、エッチング液が基材10の第1面F上のテクスチャ構造20及びドーピング導電材料層30’に付着することを回避する必要があるため、エッチング後の第1側面C1に不規則な形態を形成する。
【0203】
ステップE’’において、露出したテクスチャ構造をエッチングして除去して、基材10の第2面S、及び各第1側面C1上の第1目標領域C11を露出させる。いくつかの実施例では、スロットコンベアを用いてエッチングを行ってもよい。理解されるように、基材10表面のテクスチャ構造20をエッチング除去することは、基材10の第1目標領域C11及び第2面Sにおけるテクスチャ構造20を非テクスチャ形態にエッチングして研磨し、例えば比較的平坦な表面を形成することに相当する。
【0204】
いくつかの実施例では、ステップS200において、基板101’の各表面にパッシベーション接触材料層50’を形成するステップは、基板101’の各表面上にトンネル材料層51’、ポリシリコンドーピング材料層52’及び酸化物材料層(マスク層)を順次積層して形成するステップを含む。
【0205】
図30を参照すると、いくつかの実施例では、ステップS400において、サブ基板102の第1側の表面F’及び各側面上のパッシベーション接触材料層50’をエッチングして除去して、サブ基板102上にパッシベーションコンタクト層50を形成するステップは、
サブ基板102の第1側の表面F’及びサブ基板102の各側面上の酸化物材料層をエッチングして除去するステップと、
サブ基板102の第1側の表面F’及びサブ基板102の各側面上のポリシリコンドーピング材料層52’及びトンネル材料層51’をエッチングして除去し、且つサブ基板102における切断された切断縁側面C2をエッチングして研磨するステップと、を含む。
【0206】
このように、切断によって生じた切断縁側面C2の位置のレーザー損傷層をエッチングして研磨し、切断縁側面C2の界面でのキャリア再結合を低減することができる。例示的には、酸化物材料層をエッチングして除去することは、チェーンコンベアによって行われ、ポリシリコンドーピング材料層52’及びトンネル材料層51’をエッチングして除去することは、スロットコンベアによって行われる。
【0207】
さらに、サブ基板102の第1側の表面F’及びサブ基板102の各側面上のポリシリコンドーピング材料層52’及びトンネル材料層51’をエッチングして除去するステップの後に、
サブ基板102の第2側の表面S’上の酸化物材料層をエッチングして除去し、サブ基板102の第2側の表面S’は基材10の第2面Sに対応し、それによりサブ基板102上にパッシベーションコンタクト層50を形成するステップをさらに含む。
【0208】
いくつかの実施例では、ステップS300において、パッシベーション接触材料層50’を形成する基板101を基材の厚さ方向Hに沿って切断して、少なくとも2つのサブ基板102を形成するステップは、パッシベーション接触材料層50’を形成する基板101を基材の厚さ方向Hに沿ってレーザーで切断して、サブ基板102を形成するステップを含む。
【0209】
いくつかの実施例では、1回のレーザー切断によって基板101を同じ大きさの2つのサブ基板102に分割することができる。理解されるように、サブ基板102において、基材10、テクスチャ構造20、及びドーピング導電層30は、上記実施例における太陽電池100における基材10、テクスチャ構造20、及びドーピング導電層30と同じである。
【0210】
いくつかの実施例では、
図32を参照すると、ステップS500において、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40を形成した後に、
パッシベーションコンタクト層50上に第2パッシベーション層60を形成するステップをさらに含み、第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50及び第1パッシベーション層40の少なくとも一部を覆うように、少なくとも第2面S、第1側面C1の少なくとも一部の領域、及び切断縁側面C2の少なくとも一部の領域を覆う。
【0211】
このように、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60が共に第1側面C1及び切断縁側面C2の部分を保護し、第1側面C1及び切断縁側面C2に対するパッシベーション効果を増加させ、太陽電池100の側面上で発生したキャリア再結合を緩和するだけでなく、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60が絶縁層であるため、太陽電池100の側面上での漏電の発生を良好に回避でき、それにより電池変換効率を向上させると同時に、太陽電池100の電力出力を増加させる。
【0212】
いくつかの実施例では、
図33を参照すると、パッシベーションコンタクト層50上に第2パッシベーション層60を形成するステップの後に、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60上に電極70をそれぞれ製造して太陽電池100を形成するステップをさらに含む。
【0213】
図33に示すように、基材10の第1面F側に位置する電極70は、第1パッシベーション層40を貫通してドーピング導電層30に接続され、基材10の第2面S側に位置する電極70は、第2パッシベーション層60を貫通してパッシベーションコンタクト層50に接続される。
【0214】
以下、一具体例を挙げて実施例の太陽電池の製造方法を説明する。
【0215】
例3:太陽電池の製造方法は、ステップSJ’’からSO’’を含む。
【0216】
ステップSJ’’において、
図29Aを参照すると、基材10の各表面にテクスチャリング処理及びボロン拡散を行い、且つ基材10をエッチング処理して、基材10の第2面S及び各第1側面C1上の第1目標領域C11を露出させ、それにより基材10の第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を形成し、且つ第1面F及び第1側面C1の一部の表面にテクスチャ構造20を覆うドーピング導電材料層30’(ホウ素導電材料層)を形成して基板101’を形成する。
【0217】
ステップSK’’において、
図29Bを参照すると、基板101’の各表面上にトンネル材料層51’、ポリシリコンドーピング材料層52’及び酸化物材料層を形成する。
【0218】
ステップSL’’において、
図30を参照すると、パッシベーション接触材料層が形成された基板101’を基材の厚さ方向Hに沿って切断して少なくとも2つのサブ基板102を形成し、ドーピング導電材料層30’を切断してドーピング導電層30を形成する。サブ基板102の第1側の表面F’及びサブ基板102の各側面上の酸化物材料層をエッチングして除去し、サブ基板102の第1側の表面F’及びサブ基板102の各側面上のポリシリコンドーピング材料層52’及びトンネル材料層51’をエッチングして除去し、且つサブ基板102における切断された切断縁側面C2をエッチングして研磨し、このようにサブ基板102の基材10の第2面S上におけるトンネル材料層51’、ポリシリコンドーピング材料層52’及び酸化物材料層のみを保留する。もちろん、ここでの酸化物材料層(例えば酸化シリコン層であってもよい)は、後続の工程においてマスクとして機能してもよく、後続でエッチングなどのプロセスによって洗浄されてもよい。このように、サブ基板102上にパッシベーションコンタクト層50を形成することができる。
【0219】
ステップSM’’において、
図31を参照すると、ドーピング導電層30上に第1パッシベーション層40を形成し、第1パッシベーション層40は、少なくともドーピング導電層30を覆うように、少なくともサブ基板102の第1側の表面F’(基材10の第1面F)及び第1側面C1の少なくとも一部の領域を覆い、第1パッシベーション層40は、切断縁側面C2の少なくとも一部をさらに覆う。
【0220】
ステップSN’’において、
図32を参照すると、パッシベーションコンタクト層50上に第2パッシベーション層60を形成し、第2パッシベーション層60は、パッシベーションコンタクト層50及び第1パッシベーション層40の少なくとも一部を覆うように、少なくともサブ基板102の第2側の表面、第1側面C1の少なくとも一部の領域、及び切断縁側面C2の少なくとも一部の領域を覆い、サブ基板の第2側の表面は基材10の第2面Sに対応する。
【0221】
ステップSO’’において、
図33を参照すると、第1パッシベーション層40及び第2パッシベーション層60上に電極70をそれぞれ製造する。
【0222】
ステップSJ’’~ステップSO’’で製造された太陽電池100を太陽電池A3と記す。
【0223】
太陽電池A3及び太陽電池B1、B2に電池性能試験を行い、且つ試験結果を表3に記録する。ここで、Uocは、開放電圧であり、FFは、曲線因子であり、Etaは、変換効率であり、Iscは、短絡電流であり、IRev2は、逆方向電流である。
【0224】
【0225】
上記実験結果から、例3の方法で製造された太陽電池A3(切断後)は、効率が比較例1の太陽電池B1全体(未切断)の効率とほぼ同等であるが、比較例2の切断後の太陽電池B2に比べて、電池開放電圧が1.7mV上昇し、曲線因子が約0.73%上昇し、電池変換効率が約0.3%上昇し、逆方向電流が0.09Aから0.07Aに低下したので、例3の方法で製造された太陽電池A3の効率が高いことが分かった。
【0226】
図34を参照すると、本実施例は、少なくとも1つの電池ストリング210を含む太陽光発電モジュール200を提供し、電池ストリング210は、上記いずれかの実施例の太陽電池100を少なくとも2つ含み、各太陽電池100の間は、直列溶接の方式によって接続することができる。
【0227】
さらに、
図35を参照すると、ステップS40において形成された太陽電池基体103を半分又は3つに切断して太陽電池100を得ることができ、さらに複数の太陽電池100を互いに直列溶接して接続して太陽光発電モジュール200を形成する。
【0228】
例示的には、複数の太陽電池100は、はんだリボンによって直列溶接され、それにより単一の太陽電池100から生成された電気エネルギーを後続の輸送のために収集することができる。具体的には、各太陽電池100の正面電極70は、隣接する1つの太陽電池100の裏面電極70とはんだリボン72により接続され、各太陽電池100の裏面電極70は、隣接する他の太陽電池100の正面電極70とはんだリボン72により接続されることにより、複数の太陽電池100が直列に接続される。もちろん、太陽電池100の間は、間隔をおいて配置されてもよく、タイルを重ねるように積層されてもよい。
【0229】
例示的には、太陽光発電モジュール200は、封止層及びカバープレート(図示せず)をさらに含み、封止層は、電池ストリング210の表面を覆うために用いられ、カバープレートは、電池ストリング210から離れた封止層の表面を覆うために用いられる。太陽電池100は、フルシート又は複数シートの形態で電気的に接続されて複数の電池ストリング210を形成し、複数の電池ストリング210は、直列及び/又は並列の方式で電気的に接続される。具体的には、いくつかの実施例では、複数の電池ストリング210の間は、導電テープによって電気的に接続されてもよい。封止層は、太陽電池100の表面を覆う。例示的には、封止層は、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンオクテンコエラストマーフィルム、又はポリエチレンテレフタレートフィルムなどの有機封止フィルムであってもよい。カバープレートは、ガラスカバープレート、プラスチックカバープレートなどの光透過機能を有するカバープレートであってもよい。
【0230】
本願の実施例は、上記太陽光発電モジュール200を含む太陽光発電システム(図示せず)を提供する。
【0231】
太陽光発電システムは、地上発電所、屋根発電所、水面発電所などの太陽光発電所に適用されてもよく、太陽光電源、太陽光街灯、太陽光自動車、太陽光建物などの太陽光を利用して発電する設備又は装置に適用されてもよい。もちろん、理解されるように、太陽光発電システムの適用場面はこれに限定されず、つまり、太陽光発電が要求されるあらゆる分野に適用可能である。太陽光発電システム網を例にとると、太陽光発電システムは、太陽光発電アレイ、母線箱及びインバータを含み、太陽光発電アレイは、複数の太陽光発電モジュール200のアレイの組み合わせであってもよく、例えば、複数の太陽光発電モジュール200は、複数の太陽光発電アレイを構成してもよく、太陽光発電アレイは、母線箱に接続され、母線箱は、太陽光発電アレイが発生する電流を集束し、集束した電流は、インバータを介して商用電力網が要求する交流電流に変換した後、商用電力網に接続されて太陽光の給電を実現する。
【0232】
上記実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明の簡潔化のため、上記実施例の各技術的特徴の全ての可能な組み合わせを記載していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾が生じない限り、本明細書に記載の範囲と考えるべきである。
【0233】
上記実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したに過ぎず、その説明は、より具体的且つ詳細になされたものであるが、それによって特許請求の範囲を制限するものと理解するべきではない。当業者にとっては、本発明の概念から逸脱することなく、いくつかの変形及び改良が加えられてもよく、これらは本発明の保護範囲に属することに留意されたい。したがって、本発明特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
【符号の説明】
【0234】
100 太陽電池;101、101’ 基板;102 サブ基板;103 太陽電池基体;F 第1面;S 第2面;C1 第1側面;C11 第1目標領域;C12 第2目標領域;C2 切断縁側面;CQ 切断面;P 平坦領域;R テクスチャ領域;H 基材の厚さ方向;10 基材;11 境界線;20 テクスチャ構造;30 ドーピング導電層;30’ ドーピング導電材料層;40 第1パッシベーション層;41 第1部分;42 第2部分;50 パッシベーションコンタクト層;51 トンネル酸化層;52 ポリシリコンドーピング導電層;60 第2パッシベーション層;70 電極;200 太陽光発電モジュール;210 電池ストリング