(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174952
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】クレーンの作業管理システム、及び管理装置
(51)【国際特許分類】
B66C 13/48 20060101AFI20241210BHJP
B66C 13/16 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B66C13/48 G
B66C13/16 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024153254
(22)【出願日】2024-09-05
(62)【分割の表示】P 2020144915の分割
【原出願日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】P 2020049125
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019164839
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】庄福 勝美
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業現場に配置された複数のクレーンを良好に管理することができるクレーンの作業管理システム、及び管理装置を提供する。
【解決手段】クレーン20の作業管理システム100は、複数のクレーン20の各々の荷役動作に関する荷役動作情報を取得するタイミング検出部21及び位置検出部22と、複数のクレーン20の各々の荷役動作情報を収集して統合する管理装置10と、を備える。これにより、管理装置10は、作業現場に配置された複数のクレーン20の各々から、荷役動作に関する荷役動作情報を収集して、収集した各々のクレーン20の荷役動作情報を統合することができる。また、管理装置10は、管理された状態の荷役動作情報を出力することができる。これにより、ユーザーは、作業現場に配置された複数のクレーン20の荷役動作情報を統合された状態で参照することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場に配置された複数のクレーンの作業の管理を行うクレーンの作業管理システムであって、
前記複数のクレーンの各々の荷役動作に関する荷役動作情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得された前記複数のクレーンの各々の前記荷役動作情報を収集して統合する管理部と、を備え、
前記管理部は、統合された状態の前記荷役動作情報を出力する、クレーンの作業管理システム。
【請求項2】
前記管理部は、前記作業現場に対して設定された全体座標系で表される管理図の中に、各々の前記クレーンの前記荷役動作情報を埋め込み可能である、請求項1に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項3】
前記管理部は、吊具の位置を前記吊具の位置として、前記クレーンの走行、旋回、及び引込の動作から把握する、請求項1又は2に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項4】
前記管理部は、前記クレーンに設けられた荷重計の検出結果に基づいて、前記クレーンが吊荷を吊り上げたタイミング及び着床のタイミングを把握する、請求項1~3の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項5】
前記クレーンは、撮影部を有している、請求項1~4の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項6】
前記クレーンは、上下方向に延びる脚部を備えており、
前記撮影部は、前記脚部に設けられて、水平方向から撮像可能である、請求項5に記載の作業管理システム。
【請求項7】
前記管理部が収集して統合する前記荷役動作情報には、前記クレーンの荷役に係る吊荷に関する情報が含まれる、請求項1~6の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項8】
前記管理部で統合された前記荷役動作情報に基づいて、前記複数のクレーンの作業の計画を行う作業計画部を更に備え、
前記作業計画部は、前記クレーンの荷役に係る吊荷、及び前記クレーンの空間的な情報を用いて、前記作業の計画を行う、請求項1~7の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項9】
前記作業計画部は、前記作業の計画を行うための情報を出力部に表示する、請求項8に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項10】
前記作業計画部は、作成した計画を修正可能である、請求項8又は9に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項11】
前記管理部は、前記荷役動作情報をリアルタイムに出力可能である、請求項1~10の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項12】
前記管理部は、前記各々のクレーンの状態に応じた表示態様を調整して、前記各々のクレーンの状態を出力部に表示する、請求項1~11の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項13】
前記荷役動作情報の出力を行う情報端末を更に備え、
前記情報端末では、少なくとも前記クレーンでの作業内容と、当該作業内容の開始及び終了とに関する情報を入力可能である、請求項1~12の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項14】
前記管理部で統合された前記荷役動作情報に基づいて、前記複数のクレーンの作業の計画を行う作業計画部を更に備え、
前記作業計画部は、前記クレーンにおける時刻に応じた作業内容を示す作業情報を出力部に表示させ、
前記出力部は、前記作業情報の進捗状況をリアルタイムで視覚的に表示する、請求項1~13の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項15】
作業現場に配置された複数のクレーンの作業の管理を行う管理装置であって、
前記複数のクレーンの各々の荷役動作に関する荷役動作情報を収集して統合し、
統合された状態の前記荷役動作情報を出力する、管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンの作業管理システム、及び管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クレーンとして、特許文献1に記載されたようなものが知られている。特許文献1に記載されたクレーンでは、走行体にカメラが設けられており、当該カメラにより運転室からの死角を撮影することで、クレーンの動作時における安全性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のように、クレーンにカメラを設けることで、当該カメラで得られた撮影情報の有効利用が図られることがある。例えば、カメラがクレーンの周辺の様子を撮影することで、当該クレーン周辺での作業や人の動線などを把握することが可能となる。これにより一台のクレーンの作業の様子や、周辺の状況をオペレーターが把握可能となる。
【0005】
しかしながら、クレーンの作業現場では、複数のクレーンが配置される場合がある。この場合、作業計画者は、作業現場全体での各クレーンの作業を管理する必要がある。これに対し、作業現場での各クレーンの作業内容の情報を報告書などを個別に収集して管理を行うような方法が考えられるが、当該方法では、作業現場全体の管理を行う負荷が大きく、良好な管理を行うことができないかもしれない。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、作業現場に配置された複数のクレーンを良好に管理することができるクレーンの作業管理システム、及び管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のクレーンの作業管理システムは、作業現場に配置された複数のクレーンの作業の管理を行うクレーンの作業管理システムであって、複数のクレーンの各々の荷役動作に関する荷役動作情報を取得する情報取得部と、複数のクレーンの情報取得部で取得された荷役動作情報を収集して統合する管理部と、を備え、管理部は、統合された状態の荷役動作情報を出力する。
【0008】
本発明のクレーンの作業管理システムは、複数のクレーンの各々の荷役動作に関する荷役動作情報を取得する情報取得部と、情報取得部で取得された複数のクレーンの各々の荷役動作情報を収集して統合する管理部と、を備える。これにより、管理部は、作業現場に配置された複数のクレーンの各々から、荷役動作に関する荷役動作情報を収集して、収集した各々のクレーンの荷役動作情報を統合することができる。また、管理部は、統合された状態の荷役動作情報を出力することができる。これにより、ユーザーは、作業現場に配置された複数のクレーンの荷役動作情報を統合された状態で参照することができる。以上より、作業現場に配置された複数のクレーンを良好に管理することができる。
【0009】
管理部は、作業現場に対して設定された全体座標系で表される管理図の中に、各々のクレーンの荷役動作情報を埋め込み可能であってよい。この場合、管理部は、各々のクレーンが全体座標系の中でどのような荷役動作を行ったかを出力することができる。これにより、ユーザーは、作業現場全体の中で、どのクレーンがどのような荷役動作を行ったのかを容易に参照することができる。
【0010】
管理部は、吊具の位置を吊荷の位置として、クレーンの走行、旋回、及び引込の動作から把握してよい。クレーンの走行、旋回、及び引込の動作は、クレーンに既設された機器によって取得することができる情報である。また、吊具の位置は、これらの動作に基づいて特定可能である。そして、吊荷の位置は、吊具の位置から特定することができる。従って、管理部は、クレーンに既設された機器を用いて吊荷の位置を把握することができる。
【0011】
管理部は、クレーンに設けられた荷重計の検出結果に基づいて、クレーンが吊荷を吊り上げたタイミング及び着床のタイミングを把握してよい。荷重計は、クレーンに既設された機器である。従って、管理部は、クレーンに既設された機器を用いて吊り上げタイミング及び着床タイミングを把握することができる。
【0012】
クレーンは、撮影部を有してよい。これにより、管理部は、各々のクレーンの周辺を撮影した撮影情報を取得して管理図にひも付けすることができる。これにより、ユーザーは、各々の周辺の撮影情報を有効に利用することができる。
【0013】
クレーンは、上下方向に延びる脚部を備えており、撮影部は、脚部に設けられて、水平方向から撮像可能であってよい。これにより、管理部は、各々のクレーンの周辺を水平方向から撮影した撮影情報を取得することができる。例えば、上側からクレーンの下側の様子を撮影する撮影部のみしか設けられていない場合、クレーンの周辺の様子を平面的にしか把握できない。これに対し、水平方向から撮影した撮影情報を取得する場合、クレーンの周辺の様子を立体的に把握することができる。
【0014】
管理部が収集して統合する荷役動作情報には、クレーンの荷役に係る吊荷に関する情報が含まれてよい。この場合、管理部は、例えば、吊荷の形状、大きさ、重心位置、及び重量などの吊荷に関する情報を紐付けて、クレーンの動作を管理することができる。
【0015】
クレーンの管理システムは、管理部で統合された荷役動作情報に基づいて、複数のクレーンの作業の計画を行う作業計画部を更に備え、作業計画部は、クレーンの荷役に係る吊荷、及びクレーンの空間的な情報を用いて、作業の計画を行ってよい。これにより、ユーザーは、管理部で統合された荷役動作情報を、作業の計画に用いて役立てることができる。
【0016】
作業計画部は、作業の計画を行うための情報を出力部に表示してよい。これにより、ユーザーが視覚的に情報を確認しながら、容易に作業の計画を行うことができる。
【0017】
作業計画部は、作成した計画を修正可能であってよい。例えば、計画した作業と、実際の作業が異なっていた場合に、計画を修正することが可能となる。
【0018】
管理部は、荷役動作情報をリアルタイムに出力可能であってよい。この場合、ユーザーは、クレーンの状態を速やかに把握することができる。
【0019】
管理部は、各々のクレーンの状態に応じた表示態様を調整して、各々のクレーンの状態を出力部に表示してよい。この場合、ユーザーは、出力部を確認することで、クレーンの状態を視覚的に速やかに把握することができる。
【0020】
作業管理システムは、荷役動作情報の出力を行う情報端末を更に備え、情報端末では、少なくともクレーンでの作業内容と、当該作業内容の開始及び終了とに関する情報を入力可能であってよい。この場合、各クレーンの作業現場にて、実際に行われた作業に基づいた情報を入力することが可能となるため、他の場所にて、実際の作業実績を情報共有することができる。
【0021】
作業管理システム100は、管理部で統合された荷役動作情報に基づいて、複数のクレーンの作業の計画を行う作業計画部を更に備え、作業計画部は、クレーンにおける時刻に応じた作業内容を示す作業情報を出力部に表示させ、出力部は、作業情報の進捗状況をリアルタイムで視覚的に表示してよい。この場合、各現場において、作業計画部にて計画された作業内容の実際の進捗状況をリアルタイムで確認することが可能となる。
【0022】
本発明の管理装置は、作業現場に配置された複数のクレーンの作業の管理を行う管理装置であって、複数のクレーンの各々の荷役動作に関する荷役動作情報を収集して統合し、統合された状態の荷役動作情報を出力する。
【0023】
本発明の管理装置によれば、上述のクレーンの作業管理システムと同趣旨の作用・効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、作業現場に配置された複数のクレーンを良好に管理することができるクレーンの作業管理システム、及び管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係るクレーンの作業管理システムのブロック構成を示すブロック構成図である。
【
図2】作業現場における複数のクレーンの配置例を示す平面図である。
【
図3】
図2に示す一部のクレーンを側方から見た図である。
【
図4】クレーンの荷役動作情報の出力態様の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るクレーンの作業管理システムの処理内容を示すフローチャートである。
【
図6】変形例に係るクレーンの作業管理システムの管理装置のブロック構成を示すブロック構成図である。
【
図7】出力部に出力される画像の一例を示す図である。
【
図8】出力部に出力される画像の一例を示す図である。
【
図9】出力部に出力される画像の一例を示す図である。
【
図10】作業現場において、クレーンに設けられた撮影部の撮影範囲を示す平面図である。
【
図11】クレーンに設けられた撮影部がクレーンの周辺の様子を撮影する様子を示す模式図である。
【
図12】変形例に係るクレーンの作業管理システムを示すブロック図である。
【
図13】情報端末に出力される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明のクレーンの作業管理システム、及び管理装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係るクレーンの作業管理システム100のブロック構成を示すブロック構成図である。
図2は、作業現場における複数のクレーン20の配置例を示す平面図である。
図3は、
図2に示す一部のクレーン20を側方から見た図である。作業管理システム100は、作業現場に配置された複数のクレーン20の管理を行うためのシステムである。
図1に示すように、作業管理システム100は、管理装置10(管理部)と、クレーン20に設けられた各種情報の取得部と、出力部15と、を備えている。
【0028】
まず、
図2及び
図3を参照して、クレーン20の配置及び構成の一例について説明する。本実施形態では、クレーン20としてジブクレーンを例示する。
図2に示すように、複数のクレーンが配置される作業現場に対してX軸及びY軸を有する全体座標系を設定する。作業現場には、例えば、四台のクレーン20A,20B,20C,20Dが配置されている。Y軸付近には、当該Y軸に沿ってクレーン20A,20Bが並ぶように配置されている。クレーン20A,20Bは、Y軸と平行に設けられたレール36に沿って、Y軸方向に走行可能である。X軸付近には、当該X軸に沿ってクレーン20C,29Dが並ぶように配置されている。クレーン20C,20Dは、X軸と平行に設けられたレール36に沿って、X軸方向に走行可能である。
【0029】
クレーン20A,20B,20C,20Dは、吊荷を吊るジブ31と、ジブ31を支持する本体部32と、本体部32を旋回可能に支持する支柱34と、支柱34を支持してレール36に沿って走行可能な走行部33と、を備える。ジブ31から延びるワイヤの先端には吊具37が設けられ、当該吊具37で吊荷38を吊る。従って、吊荷38の位置は吊具37の位置と一致する。クレーン20A,20B,20C,20Dの旋回中心に相対座標の原点PGA,PGB,PGC,PGDを設定する。また、吊具37及び吊荷38の位置を座標点PCA,PCB,PCC,PCDとする。
【0030】
ジブ31は、吊具37とともに旋回方向DRへ旋回し、本体部32に対する引込半径の大きさにより、吊具37の径方向の位置を変更できる。従って、座標点PCA,PCB,PCC,PCDの位置は、
図2で一点鎖線で示される円の範囲内で移動可能である。また、座標点PCA,PCBの位置は、レール36に沿ってクレーン20A,20Bが走行することで、Y軸方向と平行な走行方向D1に変更できる。座標点PCC,PCDの位置は、レール36に沿ってクレーン20C,20Dが走行することで、X軸方向と平行な走行方向D2に変更できる。クレーン20A,20B,20C,20Dの座標点PCA,PCB,PCC,PCDは、工場建屋BDを回避できる位置に移動可能である。
【0031】
図1に示すように、クレーン20は、タイミング検出部21(情報取得部)と、位置検出部22(情報取得部)と、撮影部23と、情報送受信部24と、を備える。
【0032】
タイミング検出部21及び位置検出部22は、クレーン20の各々の荷役動作に関する荷役動作情報を取得する情報取得部として機能する。タイミング検出部21は、吊具37で吊荷38を吊り上げる吊り上げタイミング、及び吊荷38を着床する着床タイミングを検出可能な情報を取得することができる機器である。例えば、タイミング検出部21は、吊具37に作用している荷重を検出する荷重計によって構成される。すなわち、荷重計の測定荷重は、吊り上げタイミングでは急激に上昇し、着床タイミングでは急激に減少する。従って、荷重計の測定荷重は、吊り上げタイミング及び着床タイミングを検出することを可能とする情報である。
【0033】
荷重計が荷重を計測するタイミングは、吊り上げ後、荷重が安定した時点(吊り上げ数秒後)であってよい。なお、タイミング検出部21は、吊り上げタイミング及び着床タイミングを検出可能とする情報を取得できるものであれば、荷重計に限定されるものではない。例えば、タイミング検出部21として、画像処理によって吊り上げタイミング及び着床タイミングを検出可能とする画像情報を取得するカメラなどが採用されてよく、その他、電動機トルク等の制御情報などが採用されてよい。
【0034】
位置検出部22は、吊荷38の位置を検出可能な情報を取得することができる機器である。例えば、位置検出部22は、クレーン20の走行位置、ジブ31の旋回位置、及びジブ31の引込位置を検出する位置検出機器などによって構成される。すなわち、クレーン20の走行位置、ジブ31の旋回位置、及びジブ31の引込位置が定まれば、吊具37及び吊荷38の位置を特定することができる。従って、クレーン20の走行位置、ジブ31の旋回位置、及びジブ31の引込位置は、吊荷38の位置を検出することを可能とする情報である。なお、位置検出部22は、吊荷38の位置を検出することを可能とする情報を取得できるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、位置検出部22として、吊具37に設けられたGPS等の位置計測器を採用してもよく、その他、レーザー距離計等で測定したレール端からの距離などが採用されてよい。
【0035】
撮影部23は、クレーン20周辺の様子を撮影するカメラによって構成される。撮影部23として、例えば、本体部32の頂部に設けられるカメラ23aと、ジブ31の先端に設けられるカメラ23bと、が設けられる(
図3参照)。カメラ23aは、本体部32周辺の様子を広範囲に撮影可能な撮影範囲E1を有する。カメラ23bは、吊荷38周辺の様子を撮影可能な撮影範囲E2を有する。なお、撮影部23が旋回部分に設けられる場合、旋回角度を検出して、画像が常に一定方向となるような補正がかけられてもよく、機械的に撮影部23を反転させるような機構を設けてもよい。撮影部23は、撮影情報として静止画像を取得してもよく、動画を取得してもよい。
【0036】
撮影部23で取得された撮影情報を用いることで、クレーン20周辺での物流の様子や人の動線などを把握することが可能となる。撮影部23は、撮影部23の撮影タイミングは特に限定されない。例えば、撮影部23は、吊り上げタイミング及び着床タイミングにて撮影してよい。また、撮影部23は、吊荷38を移動させている間に撮影してよい。また、撮影部23は、一日の作業が開始される直前や、一日の作業が終了した直後に撮影してよい。あるいは、撮影部23は、一日の作業中は、常時撮影を行ってもよい。
【0037】
情報送受信部24は、取得した情報を管理装置10へ送信する。また、情報送受信部24は、管理装置10からの情報を受信する。情報送受信部24は、無線通信によって情報を送受信する。
【0038】
管理装置10は、タイミング検出部21及び位置検出部22で取得された複数のクレーン20の各々の荷役動作情報を収集して統合する装置である。また、管理装置10は、統合された状態の荷役動作情報を出力する。管理装置10は、統合された状態の荷役動作情報を出力部15へ送信して、当該出力部15を介して出力する。なお、統合された状態の荷役動作情報とは、どのクレーン20が、どのような荷役動作を行ったかを、互いに紐付けした状態で示した情報である。管理装置10は、作業現場に対して設定された全体座標系で表される管理図の中に、各々のクレーンの荷役動作情報を埋め込み可能である。全体座標系で表される管理図の中にクレーンの荷役動作情報を埋め込めば、ユーザーは、作業現場全体の中で、どこに配置されたクレーンがどのような荷役動作を行ったかを容易に把握できるようになる。ユーザーは、例えば、事務所で各クレーンの作業計画を立てる作業計画者である。このように、全体座標系で表される管理図の中に埋め込まれた荷役動作情報は、統合された状態の荷役動作情報に該当する。
【0039】
次に、管理装置10の具体的な構成について説明する。管理装置10は、情報取得部11と、演算部12と、出力制御部13と、情報送受信部14と、を備える。
【0040】
情報取得部11は、各クレーン20においてタイミング検出部21、位置検出部22及び撮影部23で取得された情報を取得する。演算部12は、管理装置10内の各種演算処理を行う。具体的には、演算部12は、位置検出部22で取得された情報に基づき、吊具37の位置をクレーン20の走行、旋回、及び引込の動作から把握する。例えば、演算部12は、走行部33のエンコーダ情報、ジブ31の旋回角度情報、及びジブ31の引込半径情報を全体座標系の座標に変換する。また、演算部12は、当該吊具37の位置を吊荷38の位置として把握する。なお、クレーン20の走行、旋回、及び引込の動作から吊具37及び吊荷38の位置を把握するための演算処理は、演算部12が全て行ってもよいが、クレーン20の位置検出部22が演算部を有することで、当該演算処理の一部または全部を行ってもよい。
【0041】
また、演算部12は、クレーン20に設けられたタイミング検出部21を構成する荷重計の検出結果に基づいて、クレーン20が吊荷38を吊り上げたタイミング及び着床のタイミングを把握する。演算部12は、吊り上げタイミングにおける吊荷38の位置を全体座標系(
図2参照)の座標位置に変換するように演算を行う。また、演算部12は、着床タイミングにおける吊荷38の位置を全体座標系の座標位置に変換するように演算を行う。このように、演算部12は、位置検出部22の検出結果に基づく吊具37の位置を吊荷38の位置として把握する。また、演算部12は、このようにして把握した吊荷38の位置を全体座標系に反映できる。
【0042】
なお、クレーン20の荷重計の検出結果に基づいて各タイミングを把握するための演算処理は、演算部12が全て行ってもよいが、クレーン20のタイミング検出部21が演算部を有することで、当該演算処理の一部または全部を行ってもよい。なお、演算部12は、各クレーン20の撮影部23で取得された撮影情報の取得場所を全体座標系と紐付けてよい。これにより、撮影情報の画像や動画が、全体座標系の中のどの箇所の様子を示しているものであるかを把握することができる。
【0043】
出力制御部13は、各クレーン20から収集された荷役動作情報の出力態様を制御する。出力制御部13は、収集された荷役動作情報を統合された状態で出力できるように情報編集を行う。出力制御部13は、
図2に示すような作業現場全体を全体座標系で表される管理図の中に、各々のクレーン20の荷役動作情報を埋め込む。出力制御部13は、把握した吊荷38の位置を全体座標系で表される管理図に表示させ、その位置に撮影情報にアクセスするリンクを貼り付ける。このとき、出力制御部13は、演算部12が演算した吊荷38の位置を、クレーン20が吊荷38を吊り上げたタイミング及び着床のタイミングと紐付けて、全体座標系で表される管理図に反映する。
【0044】
例えば、
図4に示すように、出力制御部13は、作業現場の様子を出力部15のモニタなどに画像50として表示できるようにする。例えば、演算部12が、「クレーン20Cが、時刻X1に吊荷38Aを吊り上げ、時刻X2に着床した」という情報を把握し、「クレーン20Cの吊荷38Aは、時刻X1には座標A1に存在し、時刻X2には座標A2に存在する」という情報を把握していたとする。この場合、出力制御部13は、画像50中に、吊荷38Aが座標A1を吊り位置として吊り上げられ、座標A2を着床位置として着床した様子を反映する。また、演算部12が、「クレーン20Cが、時刻Y1に吊荷38Bを吊り上げ、時刻Y2に着床した」という情報を把握し、「クレーン20Cの吊荷38Bは、時刻Y1には座標B1に存在し、クレーン20Cの走行を伴って移動し、時刻Y2には座標B2に存在する」という情報を把握していたとする。この場合、出力制御部13は、画像50中に、吊荷38Bが座標B1を吊り位置として吊り上げられ、座標B2を着床位置として着床した様子を反映する。
【0045】
図4の例では、吊り上げ及び着床の座標が点で示され、吊荷38の移動方向が矢印で示される。また、出力制御部13は、把握した荷役記録の情報を表51として表示できるようにしてよい。なお、
図4では、クレーン20Cの情報のみが示されているが、画像50には全体座標系で表される管理図が全て示されて、クレーン20A,20B,20C,20Dが全て示されてよい。また、表51には、全てのクレーン20A,20B,20C,20Dの荷役記録が示されてよい。
【0046】
出力制御部13は、撮影部23で取得された撮影情報を所定の出力態様に編集して、出力部15で出力可能としてよい。例えば、出力制御部13は、各クレーン20の撮影部23で取得された画像を用いて、
図2に示すような作業現場全体の様子を示す合成画像を作成してよい。出力制御部13は、当該合成画像に対して、
図4の画像50に示すような吊荷38の移動情報を反映してよい。なお、出力制御部13は、画像を合成する際は、重なる部分をトリミングしてよい。ただし、出力制御部13は、作業現場の様子を示す画像として、写真を用いなくともよく、簡略化されたイラストを用いてもよい。出力制御部13は、例えばユーザーが、作業現場における特定の時間及び場所を特定した場合に、時間及び場所に対応する画像や動画を出力可能とするように、出力を制御してよい。例えば、出力制御部13は、撮影部23の撮影情報をドライブレコーダのように蓄積して、後で参照できるようにしてもよい。
【0047】
情報送受信部14は、管理された状態の荷役動作情報を出力部15へ送信する。また、情報送受信部14は、クレーン20からの情報を受信する。情報送受信部14は、無線通信によって情報を送受信する。なお、情報送受信部14は、出力制御部13から出力された情報をリアルタイムで出力部15へ送信してもよく、ある程度情報が蓄積されたタイミング(例えば、一日の作業終了時)でまとめて出力部15へ出力してもよい。
【0048】
出力部15は、管理装置10から出力された、統合された状態の荷役動作情報を、ユーザーに対して出力するものである。出力部15は、例えば、ユーザーが有しているパーソナルコンピュータなどの情報端末などによって構成される。そのため、出力部15は、通常、事務所などクレーン20から離れた場所に設置される。出力部15は、モニタにて、出力制御部13で編集された荷役動作情報を表示する。また、出力部15は、プリンタなどで荷役動作情報を紙に出力してもよい。管理装置10は、複数の出力部15に対して情報を送信することができる。なお、出力部15は、及びスーマートフォンやタブレット端末などの携帯型情報端末などをさらに含んでもよい。
【0049】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係るクレーン20の作業管理システム100の処理内容の流れについて説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るクレーン20の作業管理システム100の処理内容を示すフローチャートである。
図5に示す処理は、管理装置10によって繰り返し実行される。なお、
図5に示す処理は、一定の時間間隔で行われてもよく、何れかのクレーン20で情報が取得されたタイミングで行われてもよい。
【0050】
図5に示すように、情報取得部11は、クレーン20のタイミング検出部21から、吊り上げタイミング及び着床タイミングを検出可能とする情報を取得する(ステップS10)。情報取得部11は、クレーン20の位置検出部22から、吊荷38の位置を検出可能とする情報を取得する(ステップS20)。情報取得部11は、クレーン20の撮影部23から、撮影情報を取得する(ステップS30)。次に、演算部12は、ステップS10,S20,S30で取得した各種情報を全体座標系へ変換すると共に、全体座標系で表される管理図の中に埋め込む(ステップS40)。また、出力制御部13は、ステップS40で全体座標系で表される管理図へ埋め込んだ情報を出力部15へ出力できるように、出力情報の編集を行う(ステップS50)。そして、情報送受信部14は、ステップS50で編集された出力情報を出力部15へ出力する(ステップS60)。
【0051】
次に、本実施形態に係るクレーン20の作業管理システム100、及び管理装置10の作用・効果について説明する。
【0052】
クレーン20の作業管理システム100は、複数のクレーン20の各々の荷役動作に関する荷役動作情報を取得する情報取得部としてのタイミング検出部21及び位置検出部22と、情報取得部としてのタイミング検出部21及び位置検出部22で取得された複数のクレーン20の各々の荷役動作情報を収集して統合する管理装置10と、を備える。これにより、管理装置10は、作業現場に配置された複数のクレーン20の各々から、荷役動作に関する荷役動作情報を収集して、収集した各々のクレーン20の荷役動作情報を統合することができる。また、管理装置10は、統合された状態の荷役動作情報を出力することができる。これにより、ユーザーは、作業現場に配置された複数のクレーン20の荷役動作情報を統合された状態で参照することができる。以上より、作業現場に配置された複数のクレーン20を良好に管理することができる。
【0053】
管理装置10は、作業現場に対して設定された全体座標系で表される管理図の中に、各々のクレーン20の荷役動作情報を埋め込み可能である。この場合、管理装置10は、各々のクレーン20が全体座標系の中でどのような荷役動作を行ったかを出力することができる。これにより、ユーザーは、作業現場全体の中で、どのクレーン20がどのような荷役動作を行ったのかを容易に参照することができる。
【0054】
管理装置10は、吊具37の位置を吊荷38の位置として、クレーン20の走行、旋回、及び引込の動作から把握する。クレーン20の走行、旋回、及び引込の動作は、クレーン20に既設された機器によって取得することができる情報である。また、吊具37の位置は、これらの動作に基づいて特定可能である。そして、吊荷38の位置は、吊具37の位置から特定することができる。従って、管理装置10は、クレーン20に既設された機器を用いて吊荷38の位置を把握することができる。
【0055】
管理装置10は、クレーン20に設けられた荷重計の検出結果に基づいて、クレーン20が吊荷38を吊り上げたタイミング及び着床のタイミングを把握する。荷重計は、クレーン20に既設された機器である。従って、管理装置10は、クレーン20に既設された機器を用いて吊り上げタイミング及び着床タイミングを把握することができる。
【0056】
クレーン20は、撮影部23を有する。これにより、管理装置10は、各々のクレーン20の周辺を撮影した撮影情報を取得して管理図にひも付けすることができる。これにより、ユーザーは、各々の周辺の撮影情報を有効に利用することができる。
【0057】
管理装置10は、作業現場に配置された複数のクレーン20の作業の管理を行う管理装置10であって、複数のクレーン20の各々の荷役動作に関する荷役動作情報を収集して統合し、統合された状態の荷役動作情報を出力する。
【0058】
本実施形態に係る管理装置10によれば、上述のクレーン20の作業管理システム100と同趣旨の作用・効果を得ることができる。
【0059】
ここで、上述の実施形態では、例えば
図3に示す複数のクレーン20の荷役に係る吊荷38を点とみなして管理を行っていた。しかし、実際の吊荷38は、ある程度の大きさを有することで空間的に所定範囲を占め、吊荷38の重心位置や重量もクレーンの動作態様に影響を与える。そして、吊荷38の情報は、製品設計時などに既に生成されているものであるため、容易に取得可能な情報である。例えば、クレーン20が船の部品を搬送する場合、当該船の部品は製品設計を行って図面を作成した上で、当該図面に従って製造されたものであえる。従って、図面の情報から、吊荷38の情報を容易に取得することが可能である。
【0060】
従って、管理装置10が収集して統合する荷役動作情報には、クレーン20の荷役に係る吊荷38に関する情報が含まれてよい。この場合、管理装置10は、例えば、吊荷38の形状、大きさ、重心位置、及び重量などの吊荷38に関する情報を紐付けて、クレーン20の動作を管理することができる。
【0061】
なお、管理装置10が、どのタイミングで吊荷38の情報を取得するかは特に限定されない。例えば、管理装置10は、実際にクレーン20が吊荷38の荷役を行う前段階で情報を取得してもよく、荷役直前又は荷役中に情報を取得してもよく、荷役が完了してデータの整理を行っているときに情報を取得してもよい。管理装置10は、取得した吊荷38の情報をどのように有効活用してもよい。例えば、管理装置10は、前述のように各々のクレーン20の動作状態を出力していたが、当該動作状態と吊荷38の情報とを紐づけて管理・出力してよい。例えば、
図4の画像50には、吊荷38A,38Bの吊り位置の座標だけが示されているが、吊荷38A,38Bの外形を画像50中に示してもよい。
【0062】
また、
図6に示すように、クレーンの管理システムにおいて、管理装置10は、当該管理装置10で統合された荷役動作情報に基づいて、複数のクレーン20の作業の計画を行う作業計画部60を更に備えてよい。作業計画部60は、クレーン20の荷役に係る吊荷38、及びクレーン20の空間的な情報を用いて、作業の計画を行ってよい。これにより、ユーザーは、管理装置10で統合された荷役動作情報を、作業の計画に用いて役立てることができる。吊荷38及びクレーン20の空間的な情報とは、吊荷38及びクレーン20の外形、位置、及び向きなどの、空間内において吊荷38及びクレーン20がどのような状態で存在しているかを示す情報である。
【0063】
また、作業計画部60は、作業の計画を行うための情報を出力部15に表示してよい。これにより、ユーザーが視覚的に情報を確認しながら、容易に作業の計画を行うことができる。例えば、
図6に示すように、管理装置10は、クレーン20の周囲に存在する大型構造物70などの位置を考慮しながら、吊荷38をどのように配置するかを計画し、当該計画内容を出力部15に画像として表示してよい。なお、画像中においては、クレーン20及び吊荷38等は、写真で表示されてもよく、モデル化された図形などで示されてもよい。
【0064】
作業計画部60は、前述の吊荷38の情報を用いて、好適に作業の計画を行うことができる。例えば、
図6に示すように、作業計画部60は、クレーン20の軌条スタート点S、及びエンド点Eをクレーン20に搭載したGPS位置情報などに基づいて地図上に認識させて定義する。次に、作業計画部60は、軌条スタート点Sを基準に、建屋・固定物等の設計寸法を定義して、軌道を基準としたヤード運用スペースを座標で定義する。吊荷38の位置(吊具の中心)は、クレーン20の走行・旋回・引込位置情報を基に、軌条スタート点Sからの寸法で割り付けされる。作業計画部60は、吊荷38の位置に対して、吊荷38の情報(品名、形状、大きさ、重心位置、重量など)を紐付けすることで、どの位置に、どのような物を、いつ、どこへ搬送するかを表示することができる。なお、吊荷38の重心は、吊り上げ時の搬送情報として、設計時に予め算出されているので、当該重心位置をフック中心として吊荷38形状を記憶させて配置してよい。また、画像上から、外形をなぞって形状記憶させてもよい。また、画像認識カメラによりその形状を認識させてもよい。なお、これらの処理は、作業計画部60が作業計画を作成する際に行われるのみならず、実際のクレーン20の動作を示す画像を作成する際に行われてもよい。
【0065】
作業計画部60は、クレーン20の作業エリア(図中の軌跡CL1はジブの最大半径を示し、軌跡CL2はジブの最小半径を示す)を軌条座標にプロットし、その周りの大型構造物70を表示することができる。作業計画部60は、他の吊荷38も表示する。例えば、クレーン20が吊荷38Dの移動先を計画する際に、ユーザーは、周囲の大型構造物70や他の吊荷38と干渉しないように、どのような旋回角θで旋回し、どのようなジブ半径で搬送すればよいかを検討することができる。
【0066】
なお、作業計画部60は、計画に必要な情報をユーザーに表示し、ユーザーの入力に基づいて、作業計画を行ってよい。あるいは、作業計画部60は、周囲の大型構造物70及び他の吊荷38との位置関係などを考慮して、最適な作業計画を自動的に作成してもよい。あるいは、作業計画部60は、自動的に作成した作業計画の候補をユーザーに提示し、ユーザーの選択、または微調整の入力を受けて、計画を作成してもよい。
【0067】
作業計画部60は、作成した計画を修正可能であってよい。例えば、計画した作業と、実際の作業が異なっていた場合に、計画を修正することが可能となる。具体的には、ある作業日の前日に、作業計画部60が一日分の作業計画を作成したものとする。このとき、午前の作業が、作業計画とは異なるものであったものとする。例えば、所定の吊荷38が、計画とは異なる位置に配置された場合、実際の作業が作業計画と異なるものとなる。このような場合、作業計画部60は、実際の作業内容と、当初作成された作業計画を比較し、午後の作業計画を修正する。
【0068】
管理装置10は、荷役動作情報をリアルタイムに出力可能であってよい。この場合、ユーザーは、クレーン20の状態を速やかに把握することができる。例えば、管理装置10は、
図4に示す出力内容を、時々刻々と変化させながら、リアルタイムで出力部15に出力する。例えば、工場内の各現場で、作業監督者が出力部15として携帯端末を持っている場合、管理装置10は、現在の工場内における各クレーン20の状態をリアルタイムで各作業監督者の携帯端末に出力する。これにより、各現場における作業監督者は、他の現場の状況をただちに知ることができる。このとき、作業監督者などのように所定の権限を有するユーザーは、出力部15に表示された画像を確認し、作業計画部60によって作成された作業計画を修正してもよい。なお、管理装置10が、各出力部15の情報を更新する時間間隔は、特に限定されないが、例えば数秒ごとに更新してもよく、数分ごとに更新してもよい。この程度の時間間隔をあけて最新情報が出力される場合、リアルタイムに出力されていることに該当する。
【0069】
管理装置10は、各々のクレーン20の状態に応じた表示態様を調整して、各々のクレーン20の状態を出力部15に表示してよい。この場合、ユーザーは、出力部15を確認することで、クレーン20の状態を視覚的に速やかに把握することができる。
【0070】
例えば、管理装置10は、
図7に示すような複数のクレーン20の荷役動作情報を表示する画像を出力部15に出力してよい。
図7は、ヤード内に配置されたクレーン配置を示し、数秒間隔で状態が更新される。例えば、旋回クレーンでは、ジブの引込により旋回半径と方向が変わっていく(
図3参照)。
図7に示すように、レイアウトの画像上において、クレーン20の半径は円の大きさで示される。また、クレーン20のジブの方向は、矢印の方向で示される。なお、旋回半径がラップして見にくい箇所については、円を半透明にして、接近したクレーン20同士の走行位置を見やすいように表現してよい。このようにすれば、作業半径で死角となる隣接機との関係も可視化できる。この円のラップにより、旋回方向によっては、衝突の可能性まで確認することが可能となる。なお、円の色やパターン(図ではドットやハッチングのパターンで区別している)は、「稼働中」「停止中」「異常発生中」「データなし:監視対象外」に分類されている。これにより、どのクレーン20が、どのような状態で、どの方向に向いて、どの位置で、どの程度の作業半径を有しているか、を可視化可能となる。また、矢印(円内の三角形)に着色して、吊荷を吊っているか否かの判断も可能となる。例えば、ハッチングされた矢印は、吊荷を吊り上げていることを示し、白抜きの矢印は、無荷重であることを示す。
【0071】
また、管理装置10は、
図8に示すような特定のクレーンに関するより詳細な荷役動作情報を表示する画像を出力部15に出力してよい。特定のクレーンは、ある1つのクレーンでもよく、同一のレール36を走行する複数のクレーンでもよい。
図8も、旋回クレーンを例にして説明される。
図8では、クレーン20の走行位置が表示される。すなわち、画像中では、平行な一対のレール36の全長が表現される。また、レール36の一端を原点側として、クレーン位置までを矢印APで示しつつ、「走行距離〇〇m」という文字が表示される。また、画像中では、360°を基準点からの「旋回角度+〇〇度(-○○°)」という文字で、ジブを示す三角形の方向を動かしながら表現する。
【0072】
ここで、クレーン20の走行装置と旋回装置では、風による逸走を防止するために、それぞれブレーキ機構が必要となる。例えば、旋回装置のブレーキ機構は、油圧ブレーキが(コンビネーションユニット)である。走行装置のブレーキ機構は、地上側の受け金物に係合される機械式の固定装置である。それぞれのブレーキ機構には、ON/OFF確認用のリミットスイッチが設置されている。それぞれのブレーキ機構の状態は、
図8の画像中において、いかり印で示される。画像中では、ハッチングが付されているものが、固定装置がON状態となっていることを示す。レール36の上側のいかり印41は、旋回ブレーキ機構の動作状況を示す。レール36の下側のいかり印42は、走行ブレーキ機構の動作状況を示す。走行ブレーキ機構の場合、地上側受け金物はレール全長で1か所、又は、複数個所設置される場合があり、いかり印は各地上側受け金物の位置に対応する。
図8の状態では、図中左側のクレーンは停止しており、旋回装置と走行装置のブレーキ機構がON状態となっている。図中中央のクレーンは稼働しており、旋回装置と走行装置のブレーキ機構がOFF状態となっている。図中右側のクレーンは管理対象外のものであり、稼働状況を収集していない。
【0073】
また、管理装置10は、
図9に示すような画像を出力部15に出力してよい。ここでは、巻上・引込の状況を例として説明する。具体的に、画像中では、地面を基準に「揚程+〇〇m(-○○°)」という文字が、フック位置を動かしながら表現される。また、画像中では、クレーン中心を基準に「引込半径〇〇m」という文字が、フック位置を動かしながら表現される。また、画像中では、荷重計検出荷重が「荷重〇〇t」という文字で表現される。
【0074】
以上のように、管理装置10は、クレーン20の状態を画像中で、シンボルの「色」「形」「大きさ」「方向」及び「透過効果」を使って表現して、視覚的な状態監視が可能としている。管理装置10は、動作情報をクラウド通信を使用してアルタイムに複数人が同時に把握できるにすることができる。このような情報を用いることで、工場全体のクレーン状態監視が可能となり、不測の事態等に対しても迅速に対応可能となる。また、走行・旋回の安全装置(逸走防止)の掛け忘れ等も遠隔で確認できること等の効果がある。
【0075】
出力部15上でリアルタイムにクレーン20の状態を可視化することで、工場全体のクレーン状態を瞬時に把握することが可能となる。また、文字・数値は補助的に使い、形・色・大きさ・方向等による視覚からクレーンの状態が把握が可能となる。また、遠隔から安全装置の掛け忘れ等も確認できる。
【0076】
本発明の管理対象となるクレーンは、ジブクレーンに限定されない。少なくとも、全ての旋回クレーンに適応可能である。一部機能は橋形クレーンなどに応用が可能である。例えば、本発明は、他のタイプのクレーンの管理に用いられてもよく、例えば天井クレーンなどの管理に用いられてもよい。
【0077】
例えば、
図10及び
図11を参照して、クレーン20として、橋形クレーンが採用された場合に、撮影部23がクレーン20の周辺をどのように撮影するかについて説明する。
図10は、作業現場において、クレーン20に設けられた撮影部23の撮影範囲を示す平面図である。
図11は、クレーン20に設けられた撮影部23がクレーン20の周辺の様子を撮影する様子を概略的に示す模式図である。
図11(a)は平面図であり、
図11(b)は正面図であり、
図11(c)は側面図である。
図11(b)に示すように、橋形のクレーン20は、水平方向に延びるガーダー91と、ガーダー91の両端部において、上下方向に延びる一対の脚部92,92と、を備える。脚部92,92の下端には、例えばレール93,93(
図10参照)に沿って走行する走行部が設けられている。これにより、クレーン20は、レール93,93に沿った走行方向へ移動することができる。また、クレーン20は、ガーダー91に沿って横行移動するトロリ部94を備える。トロリ部94は吊具を吊り下げた状態で横行移動する。
【0078】
図11(b)(c)に示すように、トロリ部94には、ガーダー91の下方を撮影可能な撮影部23Aが設けられる。これにより、撮影部23Aは、トロリー部94を移動することで横行方向のどの位置からも撮影を行うことができる。例えば、
図10では、クレーン20の横行方向においては、実線で示す撮影位置P1における撮影部23Aの撮影範囲DE1、及び破線で示す撮影位置P2における撮影部23Aの撮影範囲DE2を示す。また、走行方向においては、実線で示す撮影位置P1のほか、二箇所の位置(破線で示す位置)で撮影を行う。これにより、撮影部23Aは、走行方向および横行方向に移動して合計6箇所の撮影位置で撮影を行う。これらの撮影情報、及びクレーン20の位置情報に基づくことで、作業現場WE全体の様子を示す平面写真を合成することができる。このような平面写真は、例えば、一日の作業の終わり(または一日の作業の始まり)のタイミングで取得されることによって、管理者が作業計画を作成する際に有効に利用したり、映像日報として用いることができる。また、時系列で管理することもできる。
【0079】
図11(b)に示すように、撮影部23B,23Bは、脚部92,92にそれぞれ設けられて、水平方向から撮像可能である。撮影部23B,23Bは、クレーン20の内側を撮影するように配置される。すなわち、撮影部23Bは、横行方向と平行をなして反対側の脚部92を向くように配置される(
図11(a)も参照)。撮影部23B,23Bの高さ位置は特に限定されないが、ガーダー91の下側の様子を広い範囲にわたって撮影できるように、脚部92,92の高さ方向における中間位置(中央付近など)に設定されてよい。例えば、
図10の走行方向の3つの位置において撮影部23B,23Bが撮影を行い、得られた撮影情報を平面写真と合成することで、作業現場WEの様子を立体的に把握することができる。
【0080】
このように、クレーン20は、上下方向に延びる脚部92,92を備えており、撮影部23B,23Bは、脚部92,92に設けられて、水平方向から撮像可能である。これにより、管理装置10は、各々のクレーン20の周辺を水平方向から撮影した撮影情報を取得することができる。例えば、上側からクレーン20の下側の様子を撮影する撮影部23Aのみしか設けられていない場合、クレーン20の周辺の様子を平面的にしか把握できない。これに対し、水平方向から撮影した撮影情報を取得する場合、クレーン20の周辺の様子を立体的に把握することができる。なお、撮影部23Aまたは撮影部23Bとして距離情報を取得可能な3Dカメラを用いてもよい。3Dカメラを用いることで一方向から撮影情報によりクレーン20の周辺の様子を立体的に把握することができる。
【0081】
図12は、変形例に係るクレーンの作業管理システム100を示すブロック図である。
図12に示す作業管理システム100では、共有した情報に基づいて、各場所において、情報端末80から情報を入力することができる。
図12に示すように、作業管理システム100は、管理装置10と、情報端末80と、を備える。情報端末80は、情報の出力と入力が可能な端末である。情報端末80は、前述の実施形態及び変形例における出力部15として機能することができる。従って、情報端末80は、出力部15で例示したものと同じく、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などによって構成される。
図12に示す例では、それぞれの情報端末80は、現場作業責任者、クレーン20の運転者、事務所操業管理者などに対して情報の提示及び情報の受付を行うことができる。
【0082】
事務所操業管理者が、
図10に示すような作業現場WEの様子を示す画像を確認したら、情報端末80を用いて操業情報を入力して、作業計画部60にて作業計画を作成する。例えば、事務所操業管理者が用いる情報端末80では、作業日ごとに「操業時間」「船番」「ブロック名」「(荷物を)どこからどこへ搬送するか」「搬送設備」「荷物の重量」「作業を行う時刻」「作業名」などの情報を入力可能である。作業計画部60は、クレーン20における時刻に応じた作業内容を示す作業情報を情報端末80に表示させる。管理装置10は、例えば、
図13に示すような画面を各情報端末80にて表示することによって、事務所操業者、現場作業責任者、運転者などの間で作業計画をリアルタイムで情報共有することができる。
【0083】
情報端末80では、クレーン20での作業内容と、当該作業内容の開始及び終了とに関する情報を入力可能である。すなわち、運転者や現場作業責任者が、実際の作業実績に基づいて、「どの作業か」「作業開始タイミング(荷物を吊って荷重計算値が安定した時点)」「完了タイミング(荷物を下ろして作業が完了した時点)」を情報端末80に入力することができる。また、管理装置10は、各情報端末80で入力された情報を情報端末80で表示させる画像にフィードバックしてよい。これにより、情報端末80は、作業情報の進捗状況をリアルタイムで視覚的に表示することができる。また、事務所操業者が、進捗状況に合わせて作業計画を修正した場合は、当該修正された作業計画を各情報端末80に表示して、情報共有をリアルタイムで行うことができる。
【0084】
図13に示すように、情報端末80では、各時刻において、どの設備(クレーン)が、どのような作業を、どの時刻に行うかを視覚的に確認することができる。例えば、各クレーンに対して、時刻表に対応するタスクバーを表示している。例えば、最上段のクレーンでは、「タスク1」という作業内容がどの時刻に実施されるかが示されている。また、情報端末80は、現在時刻を表示すると共に、現在、各クレーン20でどの作業が行われているかを表示できる。例えば、
図13ではハッチングが付されたバーが現在時刻を示している。また、当該バーと触れているタスクバーが、現在行われている作業内容であることを意味する。情報端末80は、現在行われている作業内容に対応するタスクバーを色分けなどの表示態様を工夫することで、視覚的に識別してよい。例えば、
図13では、現在行われている作業内容に対応するタスクバー(タスク3、タスク5-1、タスク5-2)にはグレースケールが付されている。現在時刻のバーよりも左側に示されるタスクバー(タスク1、タスク2)は、既に作業が完了したことを意味する。完了したタスクバーとして、計画時のタスクバーと、運転者の入力などに基づいた実績を示すタスクバーの両方が表示されてもよい。また、現在時刻のバーよりも右側に示されるタスクバー(タスク2-2、タスク6)は、まだ着手がなされていない作業内容であることを意味する。未着手のタスクバーについては、実際の進捗状況に応じて、修正があった場合は、修正後のタスクバーが表示される。あるいは、修正があった場合には、修正前のタスクバーと修正後のタスクバーが両方表示されてもよい。完了したタスクバーや未着手のタスクバーも色分けなどによって視覚的に識別してよい。これにより、各クレーン20における作業計画、及び作業計画の実行状況が視覚的に確認可能となる。また、
図13では、進捗状況を確認できるタスクバーを表示する欄の上側に、「搬送重量・使用電力量」を表示することで、作業の進捗評価と合わせて評価することができる。
【0085】
作業管理システム100は、荷役動作情報の出力を行う情報端末80を更に備え、情報端末80では、少なくともクレーンでの作業内容と、当該作業内容の開始及び終了とに関する情報を入力可能である。この場合、各クレーン20の作業現場にて、実際に行われた作業に基づいた情報を入力することが可能となるため、他の場所にて、実際の作業実績を情報共有することができる。
【0086】
作業管理システム100は、管理装置10で統合された荷役動作情報に基づいて、複数のクレーン20の作業の計画を行う作業計画部60を更に備え、作業計画部60は、クレーン20における時刻に応じた作業内容を示す作業情報を情報端末80(出力部)に表示させ、情報端末80は、作業情報の進捗状況をリアルタイムで視覚的に表示する。この場合、各現場において、作業計画部60にて計画された作業内容の実際の進捗状況をリアルタイムで確認することが可能となる。
【0087】
また、作業管理システム100では、事務所操業者の計画業務が、映像で実績を確認しつつ、遠隔から適切な操業管理が可能となり、作業の効率を向上することができる。また、操業の予実がリアルタイムで可視化されることにより、進捗を確認しながら工程調整(変更)を効率的に実施することが可能となる。また、実績を集計して他のシステムへの取り込み、操業日報の出力等の作業も容易となる。また、映像を定期的に残すことにより、時系列で進捗確認(映像日報による出来高管理)を行うことができる。また、実績を次の計画情報として活用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10…管理装置(管理部)、15…出力部、20…クレーン、21…タイミング検出部(情報取得部)、22…位置検出部(情報取得部)、23,23A,23B…撮影部、37…吊具、38…吊荷、60…作業計画部、80…情報端末(出力部)、100…作業管理システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場に配置された複数のクレーンの作業の管理を行うクレーンの作業管理システムであって、
前記複数のクレーンの各々の荷役動作に関する荷役動作情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得された前記複数のクレーンの各々の前記荷役動作情報を収集して統合する管理部と、を備え、
前記管理部は、前記作業現場に対して設定された全体座標系で表される管理図の中に、各々の前記クレーンの前記荷役動作情報を色、パターン、又は透過効果の少なくともいずれか一つを用いて埋め込み可能である、クレーンの作業管理システム。
【請求項2】
前記管理部は、吊具の位置を前記吊具の位置として、前記クレーンの走行、旋回、及び引込の動作から把握する、請求項1に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項3】
前記管理部は、前記クレーンに設けられた荷重計の検出結果に基づいて、前記クレーンが吊荷を吊り上げたタイミング及び着床のタイミングを把握する、請求項1又は2に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項4】
前記クレーンは、撮影部を有し、前記管理部は、前記作業現場に対して設定された全体座標系で表される管理図の中に、各々の前記クレーンの前記荷役動作情報を埋め込み可能であり、前記撮影部で撮影された撮影情報を前記管理図にひも付けする、請求項1~3の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項5】
前記クレーンは、上下方向に延びる脚部を備えており、
前記撮影部は、前記脚部に設けられて、水平方向から撮像可能である、請求項4に記載の作業管理システム。
【請求項6】
前記管理部が収集して統合する前記荷役動作情報には、前記クレーンの荷役に係る吊荷に関する情報が含まれる、請求項1~5の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項7】
前記管理部で統合された前記荷役動作情報に基づいて、前記複数のクレーンの作業の計画を行う作業計画部を更に備え、
前記作業計画部は、前記クレーンの荷役に係る吊荷、及び前記クレーンの空間的な情報を用いて、前記作業の計画を行う、請求項1~6の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項8】
前記作業計画部は、前記作業の計画を行うための情報を出力部に表示する、請求項7に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項9】
前記作業計画部は、作成した計画を修正可能である、請求項7又は8に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項10】
前記管理部は、前記荷役動作情報をリアルタイムに出力可能である、請求項1~9の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項11】
前記管理部は、前記各々のクレーンの状態に応じた表示態様を調整して、前記各々のクレーンの状態を出力部に表示する、請求項1~10の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項12】
前記荷役動作情報の出力を行う情報端末を更に備え、
前記情報端末では、少なくとも前記クレーンでの作業内容と、当該作業内容の開始及び終了とに関する情報を入力可能である、請求項1~11の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項13】
前記管理部で統合された前記荷役動作情報に基づいて、前記複数のクレーンの作業の計画を行う作業計画部を更に備え、
前記作業計画部は、前記クレーンにおける時刻に応じた作業内容を示す作業情報を出力部に表示させ、
前記出力部は、前記作業情報の進捗状況をリアルタイムで視覚的に表示する、請求項1~12の何れか一項に記載のクレーンの作業管理システム。
【請求項14】
作業現場に配置された複数のクレーンの作業の管理を行う管理装置であって、
前記複数のクレーンの各々の荷役動作に関する荷役動作情報を収集して統合し、前記作業現場に対して設定された全体座標系で表される管理図の中に、各々の前記クレーンの前記荷役動作情報を色、パターン、又は透過効果の少なくともいずれか一つを用いて埋め込んだ状態の前記荷役動作情報を出力する、管理装置。