(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174955
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】荷物受取り収納装置及び荷物受取り配送システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0836 20230101AFI20241210BHJP
A47G 29/14 20060101ALI20241210BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G06Q10/0836
A47G29/14
B65G61/00 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2024153502
(22)【出願日】2024-08-21
(62)【分割の表示】P 2022071942の分割
【原出願日】2022-04-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】522165256
【氏名又は名称】竹田 正美
(72)【発明者】
【氏名】竹田 正美
(57)【要約】 (修正有)
【課題】「電子錠にしても不在中に非対面で複数回の荷物受取りが可能」、「配送業者に再配達させる無駄を防止」、「逆に荷物を自宅から発送したい場合も対面せずに荷物受け渡しが可能」という従来の課題解決に加えて新たなサービス利用形態を開拓可能にする荷物受取り収納装置及び荷物受取り配送システムを提供すること。
【解決手段】荷物収納庫1に、電源、照明手段、撮像手段、該撮像手段による撮影画像を荷物配送サービス利用者と荷物配送業者の双方で受信可能な通信手段、荷物収納庫1の蓋を配送業者に解錠させるための配送業者用解錠手段を設け、荷物配送サービス利用者に配送業者の作業を監視可能にするとともに、配送業者が、荷物配送の前に収納庫内の荷物の有無、占有体積を撮影画像で確認したうえで配送準備可能とし、荷物配送先において配送業者用解錠手段で荷物収納庫1の蓋を解錠し、荷物を収納させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物収納庫に、電源、照明手段、撮像手段、該撮像手段による撮影画像を荷物配送サービス利用者と荷物配送業者の双方で受信可能な通信手段、前記荷物収納庫の蓋を配送業者に解錠させるための配送業者用解錠手段を設け、前記荷物配送サービス利用者に前記配送業者の作業を監視可能にするとともに、前記配送業者が、荷物配送の前に前記収納庫内の荷物の有無、占有体積を前記撮影画像で確認したうえで配送準備可能とし、荷物配送先において前記配送業者用解錠手段で前記荷物収納庫の蓋を解錠し、荷物を収納させることを特徴とする荷物受取り収納装置及び荷物受取り配送システム。
【請求項2】
請求項1の装置及びシステムにおいて、前記配送業者用解錠手段として可変コード入力型機械錠を用い、前記配送サービス利用者が自分の電話番号または注文時に発行された追跡番号の所定桁位置から所定桁方向に対する所定桁数の番号を解錠コードとして可変コード入型機械錠に設定してから施錠した後、前記配送業者に前記解錠コードを入力するよう指示した内容を電話、電子メールなどを介して通知するか、または荷物収納庫の蓋の周辺にコメント指示板を設けて予め指示内容を記載しておき、前記配送業者に前記コード入力型機械錠を解錠させることを特徴とする荷物受取り収納装置及び荷物受取り配送システム。
【請求項3】
請求項1の装置及びシステムにおいて、前記配送業者用解錠手段として、電源部、通信部、制御部、記憶部、アクチュエータ駆動部を有する無線施解錠手段を設け、該無線施解錠手段の操作と前記撮像手段の操作、配送業者に対して荷物の撮影画像の輪郭画像処理または文字部のモザイク処理が可能なアプリをインターネット上に配布し、前記配送サービス利用者と前記配送業者の双方で所有する位置情報検出手段と遠距離または近距離通信手段または遠距離と近距離両方の通信手段付き通信端末に前記アプリを登録させ、前記配送サービス利用者が前記アプリに解錠コードを登録した後、前記配送業者が、
荷物配送前に前記アプリで前記撮影画像を表示させて前記収納庫の荷物収納状態を確認してから配送先に出向き、配送先に到着した後、前記アプリに前記配送業者の前記通信端末の位置情報が荷物配送先住所と一致することを認識させたうえで、前記配送サービス利用者の電話番号か追跡番号を打ち込むと、前記アプリが前記配送サービス利用者に前記コードに応じた解錠信号送信を要求して遠距離通信手段で直接前記配送サービス利用者に解錠させるか、
または予め荷物に前記配送サービス利用者と荷物に関する情報をコード化して表記しておいたコード情報を前記通信端末でその場で撮影して読み取らせて前記アプリに認識させて、前記アプリが、荷物情報と位置情報と配送サービス利用者の注文情報を自動照合し、各情報が一致した際に自動的に前記解錠信号を遠距離通信手段で送信して解錠するか、
または前記解錠信号を前記配送業者に伏せたまま前記配送業者の前記通信端末の近距離通信手段を介して送信して解錠した後、前記解錠信号情報を前記配送業者の通信端末から消去するか、
または前記アプリが前記遠距離通信手段を介して時間制限付き解錠コードを前記無線施解錠手段と前記荷物配送業者の通信端末の双方に送信し、制限時間内に双方の解錠コードが一致した場合のみ前記解錠信号を発生させて前記無線施解錠手段が前記荷物収納庫の蓋を解錠するか、
のいずれかの方法で、前記荷物配送業者が前記荷物収納庫の蓋を開けて荷物の収納を終えて前記荷物収納庫の蓋を閉じると自動的に施錠され、同時に受け取り完了通知が前記アプリを介して配送サービス利用者に通知されることを特徴とする荷物受取り収納装置及び荷物受取り配送システム。
【請求項4】
請求項1の装置及びシステムにおいて、前記収納庫に測距センサを追加し、前記配送業者に前記収納庫内の荷物による占有空間を認識させて次回配送予定荷物が追加収納可能なサイズかどうかを判断させるか、または画像撮影画像と測距情報を基に、前記アプリの演算機能または該アプリ開発管理者の演算装置を用いて、前記収納庫内の荷物による占有体積と空き空間容積を算出して追加収納可能な荷物サイズを通知させるか、のいずれかの方法で、荷物の配送前に新規の荷物が追加収納可能かどうかの判断情報を前記アプリを介して提供することを特徴とする荷物受取り収納装置及び荷物受取り配送システム。
【請求項5】
請求項1から4の各装置及びシステムにおいて、前記配送サービス利用者が発送したい荷物を、前記収納庫内に収納して施錠した後、
機械式ダイヤルまたはテンキー錠を用いた際には、電話またはメールなどの連絡手段を用いて可変機械ダイヤルまたはテンキー錠の解錠コードを前記配送業者に伝えておくか、
または、前記無線施解錠手段を用いた際には、前記専用アプリを介して事前に前記配送業者に荷物引取り依頼件を登録した後、引取り場所に到着した前記配送業者から該配送業者情報と現在地情報を含む荷物収納庫の蓋解錠要求信号の送信を受けて前記専用アプリが自動で前記配送業者の通信手段に解錠コードを送信し、前記専用アプリが前記配送業者の通信手段の短距離通信手段を介して解錠コードを前記無線施解錠手段に送信して解錠させるか、
のいずれかの方法で前記配送業者に前記荷物収納庫の蓋を開錠可能にし、前記配送業者による自宅発送の荷物の受け取りを可能にすることを特徴とする荷物受取り収納装置及び荷物受取りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物収納装置及び施解錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビやネットなどの通販による商品購入が増えており、昨今の感染症の影響もあり、対面形式の買い物の減少や在宅勤務増大による外出機会自体の減少など、通販による配送業者を介した商品購入は益々増加する傾向にある。
【0003】
このため、配送業者の業務稼働率は高まる一方で、注文者不在の際、配送業者が荷物を一旦持ち帰った後に改めて配送し直す再配達問題も増加しており、配送業者の負担が益々増えるうえ、感染対策上、対面機会を増やしたくないという問題も新たに発生しており、これらの問題解決策が求められている。
【0004】
このような問題解決策として、従来、宅配ボックスが考案されており、宅配ボックス内に印鑑を内蔵させておく方法から自動押印機能や音声入力機能まで装備するものまで提案されていた。(参考文献1)
【0005】
また、従来配送サービス利用者は、宅配ボックスの受け取り口を解錠したまま外出し、配送業者に受け取り口を開けて荷物を収納させ、配送業者による施錠や自動施錠させた後、受取り人が自分の鍵等で解錠して受け取る方法が基本的であったため、解錠状態で待機中に第3者による異物投入などのいたずら防止が困難であり、1日に複数回の荷物の受け取ることもできなかった。
【0006】
上記のいたずらや複数受取りの課題に関しては、近年いわゆるスマートフォン(以下「スマホ」と称する)の普及に伴い、これを利用して、宅配ボックスの受け取り口を遠隔で解錠、施錠する技術が提案されている。(参考文献2)
【0007】
この提案では、まず宅配ボックスに「電話で解錠要請するよう指示するメモ」を貼っておき、現場に到着した配送業者から電話連絡を受けた配送サービス利用者が遠隔操作でボックスを解錠するというもので、セキュリティー対策としてボックスにカメラを設け、作業を監視しながら荷物を受け取る製品もある。
【0008】
このような製品は、配送サービス利用者が自宅にインターネット接続可能な環境があることを前提として、そのスマホを用いた監視カメラ等に利用可能なホームネットワークシステムを構築している場合に、宅配ボックスをシステムの一端末として組み入れて使用しており、ルータとホームネットワークシステム用の中継器をWi-Fi(登録商標)などの無線LANで接続し、さらにこの中継器からDECT(DigitalEnhancedCordlessTelecomuinications)通信を介して70m先までの宅配ボックスの通信端末段と接続して遠隔操作の施解錠や荷物受け取りの遠隔監視を実現している。
【先行技術文献】
【0009】
【特許文献1】特開平06-345185号広報
【特許文献2】実用新案登録第3235404号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、以上の各改善提案内容及び改良製品においても尚、以下のような課題が残されていた。
【0011】
ア.電子錠の遠隔操作で複数回施解錠できても、毎回配送業者対応が必要となる
宅配ボックス側に無線施解錠手段とカメラを追加し、スマホで遠隔操作可能にすれば、いたずら防止と複数回の荷物受取りはできるが、外出中に配送業者に対応する必要があるため仕事中に受け取れず、そもそも不在中に非対面で荷物が受け取れるという宅配ボックス本来の利便性が失われる。
【0012】
イ.複数回受け取りできても、満杯後に配送された荷物の配送が無駄になる
遠隔操作で複数回の受け取りが可能となると、逆に何度も受け取る間に宅配ボックスが満杯になっても配送業者が気づけず、再配達が必要となる。
【0013】
ウ.荷物発送時には配送業者まで出向くか自宅で対面で荷物を渡す必要がある
逆に荷物を発送したい場合、配送サービス利用者は「配送業者や配送業者と提携するコンビニなどまで荷物を持ち込む」か、「配送業者に連絡して自宅に集荷に来てもらうまで待機する」かのいずれかの負担が必要で、さらに対面で荷物の受け渡しをするしかない。
などの課題が残り続けていた。
【0014】
本発明は、以上の各課題を改善し、「電子錠にしても不在中に非対面で複数回の荷物受取りが可能」、「配送業者に再配達させる無駄を防止」、「逆に荷物を自宅から発送したい場合も対面せずに荷物受け渡しが可能」という従来の課題解決に加えて新たなサービス利用形態を開拓可能にする荷物受取り収納装置及び荷物受取りシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記各課題を解決するため、本発明は、荷物収納庫に、電源、照明手段、撮像手段、該撮像手段による撮影画像を荷物配送サービス利用者と荷物配送業者の双方で受信可能な通信手段、前記荷物収納庫の蓋を配送業者に解錠させるための配送業者用解錠手段を設け、前記荷物配送サービス利用者に前記配送業者の作業を監視可能にするとともに、前記配送業者が、荷物配送の前に前記収納庫内の荷物の有無、占有体積を前記撮影画像で確認したうえで配送準備可能とし、荷物配送先において前記配送業者用解錠手段で前記荷物収納庫の蓋を解錠し、荷物を収納させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明によれば、前記配送業者用解錠手段として可変コード入力型機械錠を用い、前記配送サービス利用者が自分の電話番号または注文時に発行された追跡番号の所定桁位置から所定桁方向に対する所定桁数の番号を解錠コードとして可変コード入型機械錠に設定してから施錠した後、前記配送業者に前記解錠コードを入力するよう指示した内容を電話、電子メールなどを介して通知するか、または荷物収納庫の蓋の周辺にコメント指示板を設けて予め指示内容を記載しておき、前記配送業者に前記コード入力型機械錠を解錠させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明によれば、前記配送業者用解錠手段として、電源部、通信部、制御部、記憶部、アクチュエータ駆動部を有する無線施解錠手段を設け、該無線施解錠手段の操作と前記撮像手段の操作、配送業者に対して荷物の撮影画像の輪郭画像処理または文字部のモザイク処理が可能なアプリをインターネット上に配布し、前記配送サービス利用者と前記配送業者の双方で所有する位置情報検出手段と遠距離または近距離通信手段または遠距離と近距離両方の通信手段付き通信端末に前記アプリを登録させ、前記配送サービス利用者が前記アプリに解錠コードを登録した後、前記配送業者が、
荷物配送前に前記アプリで前記撮影画像を表示させて前記収納庫の荷物収納状態を確認してから配送先に出向き、配送先に到着した後、前記アプリに前記配送業者の前記通信端末の位置情報が荷物配送先住所と一致することを認識させたうえで、前記配送サービス利用者の電話番号か追跡番号を打ち込むと、前記アプリが前記配送サービス利用者に前記コードに応じた解錠信号送信を要求して遠距離通信手段で直接前記配送サービス利用者に解錠させるか、
または予め荷物に前記配送サービス利用者と荷物に関する情報をコード化して表記しておいたコード情報を前記通信端末でその場で撮影して読み取らせて前記アプリに認識させて、前記アプリが、荷物情報と位置情報と配送サービス利用者の注文情報を自動照合し、各情報が一致した際に自動的に前記解錠信号を遠距離通信手段で送信して解錠するか、
または前記解錠信号を前記配送業者に伏せたまま前記配送業者の前記通信端末の近距離通信手段を介して送信して解錠した後、前記解錠信号情報を前記配送業者の通信端末から消去するか、
または前記アプリが前記遠距離通信手段を介して時間制限付き解錠コードを前記無線施解錠手段と前記荷物配送業者の通信端末の双方に送信し、制限時間内に双方の解錠コードが一致した場合のみ前記解錠信号を発生させて前記無線施解錠手段が前記荷物収納庫の蓋を解錠するか、
のいずれかの方法で、前記荷物配送業者が前記荷物収納庫の蓋を開けて荷物の収納を終えて前記荷物収納庫の蓋を閉じると自動的に施錠され、同時に受け取り完了通知が前記アプリを介して配送サービス利用者に通知されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明によれば、前記収納庫に測距センサを追加し、前記配送業者に前記収納庫内の荷物による占有空間を認識させて次回配送予定荷物が追加収納可能なサイズかどうかを判断させるか、または画像撮影画像と測距情報を基に、前記アプリの演算機能または該アプリ開発管理者の演算装置を用いて、前記収納庫内の荷物による占有体積と空き空間容積を算出して追加収納可能な荷物サイズを通知させるか、のいずれかの方法で、荷物の配送前に新規の荷物が追加収納可能かどうかの判断情報を前記アプリを介して提供することを特徴とする。
【0019】
また、本発明によれば、前記配送サービス利用者が発送したい荷物を、前記収納庫内に収納して施錠した後、
機械式ダイヤルまたはテンキー錠を用いた際には、電話またはメールなどの連絡手段を用いて可変機械ダイヤルまたはテンキー錠の解錠コードを前記配送業者に伝えておくか、
または、前記無線施解錠手段を用いた際には、前記専用アプリを介して事前に前記配送業者に荷物引取り依頼件を登録した後、引取り場所に到着した前記配送業者から該配送業者情報と現在地情報を含む荷物収納庫の蓋解錠要求信号の送信を受けて前記専用アプリが自動で前記配送業者の通信手段に解錠コードを送信し、前記専用アプリが前記配送業者の通信手段の短距離通信手段を介して解錠コードを前記無線施解錠手段に送信して解錠させるか、
のいずれかの方法で前記配送業者に前記荷物収納庫の蓋を開錠可能にし、前記配送業者による自宅発送の荷物の受け取りを可能にすることを特徴とする荷物受取り収納装置及び荷物受取りシステム。
【発明の効果】
【0020】
本発明を用いることにより、配送された荷物の受け取り収納手段として、「機械錠でも荷物受け取り待機中にいたずらされること無く」、「不在中に複数回の荷物受取りを非対面で行うこと」も可能とし、「配送業者の無駄な再配達を防止」でき、「逆に自宅から荷物を発送する際も非対面で不在中に配送業者に集荷させる」ことを可能にするなど、従来の宅配ボックスの課題解決に加えて新たなサービス利用が可能になる。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態における荷物受取り収納装置をネットワーク接続された通信端末を用いて配達先に到着した配送業者が解錠する際に必要な各種構成要素と環境を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態における荷物受取り収納装置をネットワーク接続された通信端末を用いて配達先に荷物を配送しようとする配送業者が配送前に配送先の収納庫の状態を把握するために必要な各種構成要素と環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る荷物受取り収納装置及び荷物受取りシステムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により、本発明に係る荷物受取り収納装置及び荷物受取りシステムが限定されるものではない。
【0024】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施の形態における荷物受取り収納装置の概要とこれを用いたサービスのシステムを示した図であり、特に収納庫の解錠を電子的にネットワークを介して遠隔操作で行う場合について、この図に沿って、荷物配送業者が詳細に説明を進める。
【0025】
<収納庫の開閉>
図1は、左上部の本発明の荷物受取り収納装置である荷物受取り収納庫1を基に、中央のIPネットワーク網23を中心に介して、蓋3を閉めた状態の収納庫1を開ける際には、物理鍵を鍵穴4に差して解錠させるか、または可変ダイヤル錠4aのダイヤルを予め設定した解錠コードに合わせて解錠させるか、のいずれかの方法で解錠した後、蓋ノブ5を回しながら引いて開く方法の他に、荷物配送業者の通信端末(以下、業者スマホ14と称する)を用いて、電子式遠隔施解錠装置4b(本図面では鍵穴とダイヤル錠を含む破線枠内に内蔵しており、その構成内容は、左横に示した破線吹き出し枠内のブロック図に示す通り、電源部4b1、通信部4b2、制御部4b3、記憶部4b4、施解錠駆動部4b5などで構成されている)に対する通信手段としてBluetooth(登録商標)などの無線PAM系の短距離通信手段(4c)を用い、配送サービス利用者が予め配送サービス利用者のスマホ(以下、利用者スマホ6と称する)を用いてインターネットなどからダウンロードした収納庫の蓋の施解錠と収納庫内部の撮影画像確認専用アプリ50(本装置及びシステム用に事前に開発しておく)を用いて、収納庫解錠コードを登録すると、同時に収納庫内部の通信部4d3もこれを受信して制御部4d2を介して記憶部4d4に解錠コード信号が登録される。
【0026】
以上で説明した
図1の収納庫1には照明付きカメラ20も設けられている。(ここでは奥側隔離板7eの上部に斜め下方向を撮影可能に設置しているが、カメラの種類としては全天球型カメラが望ましく、また、設置位置として出入蓋の上フレーム部に設けても良い)
【0027】
このカメラによって、
(ア)まず、
図2の左上部に示すように、施錠状態の収納庫1に到着した配送業者が、その配送業者のスマホ14で、通販業者や配送業者によって荷物21に貼られたラベルのQRコード21’(バーコードでもよい)を専用アプリ50で撮影する。
【0028】
(イ)専用アプリ50はQRコード21’の注文または配送情報から配達先住所を認識し、
図1の中央上部のGPS衛星22のGPS信号で検出されるスマホの現在地情報と照合する。
【0029】
(ウ)配達先住所とスマホの現在地が一致すると、配送業者のスマホ14が遠距離通信手段(4d)によってIPネットワーク網に「配送業者到着」との情報を専用アプリ50を介して発信し、同時に収納庫の解錠要求信号を送信する。
【0030】
(エ)これらの信号を配送サービス利用者のスマホ6の通信端末が専用アプリ50を介して受診し、
A.配送サービス利用者が専用アプリ50を介して配送業者のスマホ14荷物受取り蓋3の解錠信号を送信するか?
B.専用アプリ50が自動的に事前に登録済みの荷物受取蓋3の解錠信号を直接配送業者のスマホ14に送信するか?
のいずれかの方法(荷物の重要度などに応じて配送サービス利用者が任意で選択可能)で、配送業者のスマホ14に送信し、専用アプリ50を介して、配送業者が「荷物受取蓋解錠ボタン」を押すと、配送業者のスマホ14と収納庫1の短距離通信手段を介して蓋3を解錠する。
(または、これらの工程を専用アプリ50に全て任せることに同意しておくと、配送業者がスマホ14で荷物21に貼られたラベルのQRコード21’を撮影して専用アプリ50に取り込んだ後の作業はすべて省略可能となり、瞬時に収納庫が解錠されるようにしておくことも可能である)
【0031】
(オ)配送業者が上記の解錠後、蓋3を、ノブ5を引いて開き、荷物を収納する。
【0032】
(カ)荷物を収納後、配送業者が蓋3を閉じると、蓋3は自動的に施錠され、同時に「荷物受取完了&施錠完了」信号が収納庫1の遠隔施解錠装置4bから配送業者のスマホ14に短距離通信で送信される。
【0033】
(キ)「荷物受取り完了&施錠完了」信号は、専用アプリ50によってスマホ14からIPネットワーク網23を介し、配送サービス利用者のスマホ6の通信種端末に送信される。
【0034】
などの手順で荷物受取り完了が確認されるが、この時の収納庫内の状況は
図2の左下の上面図のようにカメラ20で、(1)のように荷物収納後の状態監視と、(2)のように荷物受取蓋3が開いた時から再び(1)のように施錠されるまでの状況をリアルタイムで監視することも可能なうえ、配送サービス利用者のスマホ6内の記憶装置や、そのクラウドサーバ25にこの間の画像が保存され、後で確認することも可能となる。
【0035】
また、以上の荷物受取り工程において、配送サービス利用者が外出先で多忙な場合、予め委託契約した荷物受取り代行業者24(専用アプリ開発業者や警備会社等)に荷物受け取り作業を監視させ、既存の荷物を抜き取るような不審な行動を検知した場合にすぐに対処可能にしておくことも可能である。
【0036】
<荷物配送前の状態確認による再配達リスク回避>
以上の本発明の構成によって、配送業者に収納庫の施解錠を行わせることで、対面式の場合の配送サービス利用者との対応のやり取りの手間と時間を省けるうえ、配送業者の都合の良いタイミングで効率的に荷物の配送が可能となるうえ、配送サービス利用者も非対面且つ非待機で荷物を受け取れるうえ、1日に複数回の荷物の受け取りを安全に行うことも可能となる。
【0037】
しかしながら、1日に複数回の荷物の受け取りが可能になると、逆に、先に配達された荷物で収納庫が満杯になっていた場合、次の荷物を搬送しようとした配送業者がこれに気づけず、現場に到着して収納庫を開けてから気づいたのでは、結局再配達が必要となり、この間の時間と配送車の燃料が無駄になってしまう。
【0038】
本発明では、特にこのような無駄を回避可能にすることを特徴としておリ、この場合の再配達の無駄を防止する方法として、上記の照明付きカメラ20を用いて、この画像情報を専用アプリ50を介して配送業者にも随時提供可能とすることで、収納庫内に保存された荷物の状態を把握した効率的配送を可能にすることを
図2の構成内容を基に以下の通り説明していく。
【0039】
▲1▼
図2の左上図の(1)のように、すでに荷物が配送され、(2)のように蓋が絞められた後も、本発明の照明付きカメラ200の照明機能によって、蓋を閉めた状態の収納庫内部の状態観察も可能となるため、この画像情報を専用アプリ50を介して配送業者に随時提供可能にしておく。(プライバシー保護のため、生の画像ではなく、荷物の輪郭画像のみに制限したり、文字部にモザイク処理したりするなどの加工を施しても良い)
【0040】
▲2▼
図2の左下図に示す通り、配送業者が新規の荷物配送準備をする際、事前に配送予定先の荷物のラベルをスマホ14で撮影して専用アプリ50に入力すると、予め設定された項目の中から「配送先収納庫の収納状況」という項目を選ぶことで、入力した配送先の収納庫のリアルタイム画像(上記の制限付き画像になる場合もある)を、
図2の(2)のように確認可能となり、その後これを基に、
ア.配送業者者が目視で配送予定の荷物が入る空き容量を推定する。
(このため、予め収納庫内の縦横に寸法推定用目盛りを付与しておく)
イ.専用アプリが画像解析及び測距センサの測定データを基に空き容量を演算して参考情報として画面に表示する。
等の情報から、配送業者が対象の荷物を、
A:すぐに配送するか?
B:次回の空きスペースがあるときまで延期するか?
を判断可能にする。
以上の方法により、配送業者の無駄な再配達を防止するという新たな効果を得ることができるようになる。
【0041】
[実施形態2]
上記実施形態1の電子錠を用いて隔操作で収納庫を配送業者に解錠させる場合の他に、少なくとも施開錠に電源を必要としない、ダイヤル式などの機械錠を用いる場合の手順を以下に説明していく。
【0042】
<暗証番号を随時書き換え可能な機械錠を用いる場合>
配送サービス利用者が、暗証番号を随時書き換え可能な機械錠として左端部に物理議穴を有する4桁の可変ダイヤル錠4a(桁数は4桁に限らず、セキュリティー向上のためテンキー式の機械錠で桁数を増やしてもよい)を用い、事前に解錠用暗証番号を入力させる方法として、以下の2通りがある。
【0043】
a.当日の荷物配送予定が1件しかない場合
商品注文時に通販業者が作成し、配送サービス利用者に事前通知され、配送荷物のラベルに記載される「商品追跡番号(問い合わせ伝票番号)」の内、「何桁目の番号から桁の上または下方向に何桁分のコード」を予め登録して施錠し、配送業者に荷物のラベルを基に解錠させるため、このコード入力を指示した指示書を機械錠の周囲に表示しておく。
【0044】
b.当日の荷物配送予定が複数ある場合
荷物ラベルに記載される配送サービス利用者情報として電話番号を用い、「電話番号の何桁目の番号から桁の上または下方向に何桁分のコード」を予め登録して施錠し、配送業者に荷物のラベルを基に解錠させるために、このコード力を指示した指示書を機械錠の周囲に表示しておく。
など方法で、配達人が荷物を収納して蓋を閉じるとオートロックされるため、常に荷物受取蓋3を施錠したまま受取り待機できる。
【0045】
[実施形態3]
また、以上の本装置及びシステムを活用することにより、配送サービス利用者が逆に自分が配送業者に配送を依頼したい荷物の集荷を、不在中に非対面で実現する新たなサービスの利用形態を開拓することも可能となる。
【0046】
<自宅からの非対面式の荷物引き渡し作業サービス対応の実現>
即ち、配送サービス利用者が予め配送業者に自宅からの荷物の集荷を依頼をするとともに、自宅の収納庫に、
a.機械錠の解錠コードを新たに設定し、そのコードを配送業者に伝えておく
b.事前に電子錠に解錠コードを登録した後に、専用アプリ50にも登録した後、現場に到着した配送業者のスマホ14から、専用アプリ50にスマホ14の現在地情報を確認させたうえで「集荷用蓋解錠要求信号」ボタンを押すと、記憶させておいた解錠コードをスマホ14の短距離通信手段を介して荷物受取蓋3の短距離通信手段4eに送信して解錠する
という機械錠か電子錠のいずれかの方法を用いて、現場についた配送業者が荷物受取蓋3を開いて、中に収納された荷物を配送サービス利用者と非対面で集荷することが可能となる。(この際、配送代金の決済は注文時にクレジットカードなどで行っておく)
【0047】
以上の本発明の新規構成の特徴とシステムの特徴により、「荷物受け取り待機中にいたずらされること無く」、「不在中に複数回の荷物受取りを非対面で行うことも可能」、「配送業者に無駄な配送をさせ、再配達させる無駄を防止可能」、「自宅から集荷する際も非対面で、不在中に実現可能」など、従来の宅配ボックスの課題解決に加えて新たなサービスも利用可能になる。
【符号の説明】
【0048】
1 収納庫
3 蓋
4 鍵穴
4a 可変ダイヤル錠
4b 遠隔施解錠装置
6 配送サービス利用者のスマホ
14 配送業者のスマホ
20 照明付きカメラ
21’ QRコード
23 IPネットワーク網
25 クラウドサーバー
50 専用アプリ