(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174986
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】改善された騒音振動およびハーシュネスのためのポリアミド製剤
(51)【国際特許分類】
C08L 77/00 20060101AFI20241210BHJP
C08L 77/06 20060101ALI20241210BHJP
C08K 7/14 20060101ALI20241210BHJP
C08K 5/098 20060101ALI20241210BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20241210BHJP
C08K 3/014 20180101ALI20241210BHJP
【FI】
C08L77/00
C08L77/06
C08K7/14
C08K5/098
C08K3/013
C08K3/014
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024157152
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2022568766の分割
【原出願日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】63/024,872
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/045,009
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/119,201
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509354042
【氏名又は名称】アセンド・パフォーマンス・マテリアルズ・オペレーションズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ASCEND PERFORMANCE MATERIALS OPERATIONS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】スパークス,ブラッドリー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ジェイコブ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】ブィツォレク,テッド
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,カイ
(72)【発明者】
【氏名】リマ,アベリーノ
(72)【発明者】
【氏名】オウェイムリーン,ターリク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機械的強度特性を維持しながら、より高い温度で効果的な騒音振動吸収を実現することができるポリアミド組成物を提供する。
【解決手段】好ましくは3重量%~65重量%の範囲の量で存在する、1つまたは複数の非晶質ポリアミド、好ましくはPA66ポリアミドと;好ましくは10重量%~70重量%の範囲の量で存在する、1つまたは複数の半結晶性ポリアミドと;を含む組成物であって、組成物が0.2重量%以下の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは3重量%~65重量%の範囲の量で存在する、1つまたは複数の非晶質ポリアミド、好ましくはPA66ポリアミドと;
好ましくは10重量%~70重量%の範囲の量で存在する、1つまたは複数の半結晶性ポリアミドと;
を含む組成物であって、
組成物が0.2重量%以下の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、組成物。
【請求項2】
組成物の熱変形温度と融解温度との差が45℃未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
半結晶性ポリアミドが、PA66/6Cを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、最大tan(δ)が0.057~0.245の範囲の値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
組成物が9.5GPa超の引張弾性率を示し、組成物が0.2重量%未満の水分含有量および/または9.5GPa超の引張弾性率および/または185℃超の熱変形温度を有する場合に、組成物が42℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
非晶質ポリアミドが、MPMD-TおよびMPMD-Iのポリアミドブレンドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;
0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;
10重量%~70重量%の、MPMD-T/MPMD-Iとのポリアミドブレンドと;
15重量%~60重量%のガラス繊維と;
0.1重量%~2重量%のステアリン酸塩と;
0.1重量%~2重量%の熱安定剤と;
0~6重量%の着色剤と;
0.2重量%未満の水分含有量と
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
10重量%~70重量%の半結晶性PA66/6Cと;
0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;
10重量%~70重量%の非晶質ポリアミドと;
15重量%~60重量%のガラス繊維と;
0.1重量%~2重量%のステアリン酸塩と;
0.1重量%~2重量%の熱安定剤と;
0~6重量%の着色剤と;
0.2重量%未満の水分含有量と
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
1重量%~50重量%の半結晶性PA66/6(コ)ポリアミドと;
第2の半結晶性ポリアミドおよび非晶質ポリアミドからなるリストから選択される、30重量%~80重量%の材料と;
を含む組成物であって、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大(ta
n(δ))を示す、組成物。
【請求項10】
Tgが100℃~200℃である低Tgポリマーと、
Tgが0℃~160℃である高Tgポリマーと、
を含む組成物であって、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、組成物。
【請求項11】
第1の構成要素に接触するための部品本体と;
第1の構成要素と第2の構成要素を連結するために第2の構成要素に接触するための部品タブと、
を含む連結部品であって、
部品本体および部品タブのうちの少なくとも1つは、
1つまたは複数の非晶質ポリアミドと;
1つまたは複数の半結晶性ポリアミドと;
を含む組成物を含み、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、連結部品。
【請求項12】
第1の構成要素に接触するための部品本体と;
第1の構成要素と第2の構成要素を連結するために第2の構成要素に接触するための部品タブと、
を含む連結部品であって、
部品本体および部品タブのうちの少なくとも1つは、
1重量%~50重量%の半結晶性PA66/6(コ)ポリアミドと;
第2の半結晶性ポリアミドおよび非晶質ポリアミドからなるリストから選択される、30重量%~80重量%の材料と;
を含む組成物を含み、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大tan(δ)を示す、連結部品。
【請求項13】
エンジンマウント、ディファレンシャルマウント、トルクロッド、およびHVACコンプレッサーブラケット、ストラットマウント、緩衝器マウント、または変速装置マウント、またはこれらの組合せである、請求項11に記載の連結部品。
【請求項14】
第1の構成要素を第2の構成要素に連結するための方法であって、
部品本体と部品タブとを含む連結部品を用意する工程と;
部品本体を第1の構成要素に接触させる工程と;
部品タブを第2の構成要素に接触させて第1および第2の構成要素を連結する工程とを含み、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、部品が40℃超の温度で最大tan(δ)を示す、方法。
【請求項15】
連結部品がエンジンマウントであり、第1の構成要素がエンジンであり、第2の構成要素がシャーシである、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年5月14日に出願された米国特許仮出願第63/024,872号、2020年1月26日に出願された米国特許仮出願第63/045,009号、および2020年11月30日に出願された米国仮出願第63/119,201号に対する優先権を主張し、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、ポリアミド組成物、特に、組成物が自動車防振装置において特に有用であるように、高温での減衰性能が改善されたポリアミド組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
[0003]多くの市場、例えば自動車市場、家電市場、および電子機器市場において、望ましくない振動および付随する騒音の発生を低減する必要性がある。一例として、自動車業界では、より軽量な車両の採用が増加する傾向が起きている。そのため、より軽量なアルミニウムやポリマー材料の使用が増加している。しかし、このような設計および材料の使用は、車両の振動および振動に付随した騒音に関する新たな問題を引き起こす。さらに、内燃機関に付随する音がない電動車両の普及により、車内騒音に対する消費者の意識は高まっている。
【0004】
[0004]一般に、このような騒音や振動の問題は、2つのアプローチで対処されてきた。すなわち、振動に強くなるように構造形状を剛化すること、および振動振幅を低減するために構造的減衰を行うことである。これらの解決策と同時に、音響技術を使用して、例えば音波が自動車室内の乗客に到達する前に、音波をその発生源から吸収し、反射し、分離することができる。
【0005】
[0005]構造的減衰アプローチは、例えば、自動車エンジンマウントブラケットなどの防振装置の製造においてポリマー材料を使用することを含み得る。これらの材料の減衰特性は、ポリマー網目組織の変形後の弛緩および回復に部分的に依存し得る。このようなポリマー材料の特性は、材料温度と分子運動の直接的関係に起因して、周波数効果と温度効果の両方に強く依存する。したがって、選択された温度範囲および周波数範囲にわたって、減衰特性、強度特性、耐久性、耐クリープ性、熱安定性、および他の望ましい特性を有する、様々なポリマー材料が開発されてきた。
【0006】
[0006]これらの努力にもかかわらず、多種多様な動作条件下で、これらの特性のうちの2つ以上を同時に満たすようにポリマー材料を調整することは困難であった。例えば、ガラス繊維強化(GFR)ナイロンコンパウンドは、内燃機関の防振構成要素に広く使用されている。しかし、これらのコンパウンドは、動作温度が70℃に近づくと、その効果が著しく低下する。
【0007】
[0007]したがって、所望の機械的強度特性を維持しながら、より高い温度で効果的な騒音振動吸収を実現することができるポリアミド組成物に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0008】
[0008]一態様において、本開示は、1つまたは複数の非晶質ポリアミドと、1つまたは複数の半結晶性ポリアミドとを含む組成物に関する。組成物は、0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度、例えば50℃超(73℃~103℃の範囲)の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す。いくつかの実施形態において、組成
物中の1つまたは複数の非晶質ポリアミドの合計濃度は、10重量%~70重量%(3重量%~65重量%または3重量%~53重量%)の範囲である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の非晶質ポリアミドのうちの少なくとも1つは、100℃超(100℃~150℃の範囲)のガラス転移温度(Tg)を示す。いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドのうちの少なくとも1つは、非晶質コポリアミドを含む。いくつかの実施態様において、非晶質ポリアミドは、MPMD-TおよびMPMD-Iのポリアミドブレンドを含み、および/または半結晶性ポリアミドは、PA66/6Cを含む。いくつかの実施形態において、組成物中の1つまたは複数の半結晶性ポリアミドの合計濃度は、10重量%~70重量%、例えば、30重量%~80重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、半結晶性ポリアミドのうちの少なくとも1つは、PA66ポリアミドである。いくつかの実施形態では、半結晶性ポリアミドのうちの少なくとも1つは、PA6ポリアミドである。いくつかの実施形態では、半結晶性ポリアミドのうちの少なくとも1つは、PA66/6(コ)ポリアミドおよび/またはPA66/6Cである。いくつかの実施形態において、半結晶性ポリアミドのうちの少なくとも1つは、PA66/6Iポリアミドである。いくつかの実施形態において、PA66/6Iポリアミドのうちの少なくとも1つは、5mol%~13mol%の範囲のイソフタル酸含有量を含む。いくつかの実施形態において、組成物中の1つまたは複数の半結晶性ポリアミドの合計重量と組成物中の1つまたは複数の非晶質ポリアミドの合計重量の比は、0.06:1~13:1(1:1~13:1)である。いくつかの実施形態において、組成物は、0.1重量%~2重量%の少なくとも1つの潤滑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの潤滑剤は、ステアリン酸アルミニウムを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、0.1重量%~2重量%の少なくとも1つの熱安定剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱安定剤は、銅を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、15重量%~60重量%の少なくとも1つの鉱物または繊維強化材をさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物または繊維強化剤は、ガラス繊維を含む。いくつかの実施形態において、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、最大tan(δ)は0.057~0.245(0.095~0.245)の範囲の値を有する。いくつかの実施形態において、(1)1.82MPaで組成物が示す熱変形温度(HDT)と(2)組成物が示す融解温度(Tm)との差は、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、1℃~100℃(15℃~45℃)の範囲である。いくつかの実施形態において、組成物は、20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;20重量%~55重量%の半結晶性PA66/6Iポリアミドと;0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;8重量%~40重量%の非晶質ポリアミドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸アルミニウムと;0.1重量%~2重量%の銅熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含み、組成物の最大tan(δ)値は、0.095~0.15の範囲であり、75℃~95℃の温度で示される。いくつかの実施形態において、組成物は、標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測定された、150MPa~255MPaの範囲の引張強度を示す。いくつかの実施形態において、組成物は、標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測定された、1.5%~5%の範囲の破断点伸びを示す。いくつかの実施形態において、組成物は、標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測定された、9.5GPa~20.5GPaの範囲の引張弾性率を示す。いくつかの実施形態において、組成物は、7kJ/m2~15kJ/m2の範囲のノッチ付きシャルピー衝撃強度を示す。いくつかの実施形態において、組成物は、50kJ/m2~100kJ/m2の範囲のノッチなしシャルピー衝撃強度を示す。いくつかの実施形態において、組成物は、205℃~285℃の範囲のTmを示す。いくつかの実施形態において、組成物は、185℃~255℃の範囲の1.82MPaにおけるHDTを示す。いくつかの実施形態において、組成物は、20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;20重量%~55重量%の半結晶性PA66/6Iポリアミドと;0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;8重量%~40重量%の非晶質ポリア
ミドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸アルミニウムと;0.1重量%~2重量%の銅熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含み、組成物の最大tan(δ)が、75℃~95℃の範囲の温度で示され;(1)1.82MPaでの組成物のHDTと(2)組成物のTmとの差が15℃~45℃の範囲にある。いくつかの実施形態において、組成物は、20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;20重量%~55重量%の半結晶性PA66/6Iポリアミドと;0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;8重量%~40重量%の非晶質ポリアミドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸アルミニウムと;0.1重量%~2重量%の銅熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含み、組成物の最大tan(δ)が、75℃~95℃の範囲の温度で示され;組成物の引張強度が、185MPa~205MPaの範囲である。いくつかの場合において、張弾性率は9.5GPa超であり、組成物は、0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、組成物が42℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す。いくつかの場合において、引張弾性率は9.5GPa超であり、熱変形温度は185℃超である。いくつかの実施形態において、組成物は、20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;10重量%~70重量%の、MPMD-T/MPMD-Iとのポリアミドブレンドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸塩と;0.1重量%~2重量%の熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含む。いくつかの場合において、組成物は、10重量%~70重量%の半結晶性Pと;0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;10重量%~70重量%の非晶質ポリアミドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸塩と;0.1重量%~2重量%の熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含む。いくつかの場合において、組成物は、Tgが100℃~200℃である低Tgポリマー、およびTgが0℃~160℃である高Tgポリマーを含む。
【0009】
[0009]別の態様では、本開示は、1重量%~50重量%の半結晶性PA66/6(コ)ポリアミドと、4重量%~32重量%の第2の半結晶性ポリアミドまたは非晶質樹脂のいずれかとを含む組成物に関する。組成物は、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、50℃超(73℃~103℃の範囲)の温度で最大tan(δ)を示す。いくつかの実施形態において、半結晶性PA66/6Iポリアミドは、5mol%~30mol%の範囲のイソフタル酸含有量を含む。いくつかの実施形態において、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、最大tan(δ)は0.057~0.245(0.095~0.245)の範囲の値を有する。いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドは、100℃超(100℃~150℃の範囲)のガラス転移温度(Tg)を示す。いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドは、部分芳香族ポリアミドを含む。いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドは、非晶質コポリアミドを含む。いくつかの実施形態において、第2の半結晶性ポリアミドは、PA66ポリアミドを含む。いくつかの実施形態において、第2の半結晶性ポリアミドは、PA6ポリアミドを含む。いくつかの実施形態において、第2の半結晶性ポリアミドは、PA66/Iポリアミドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、0.1重量%~2重量%の少なくとも1つの潤滑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸アルミニウムを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、0.1重量%~2重量%の少なくとも1つの熱安定剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、熱安定剤は、銅を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、15重量%~60重量%の少なくとも1つの鉱物または繊維強化材をさらに含む。いくつかの実施形態において、鉱物または繊維強化剤は、ガラス繊維を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測定された、150MPa~255MPaの範囲の引張強度を示す。いくつかの実施形態において、組成物は、標準試験法ASTM D882-
18(2018)に従って測定された、1.5%~5%の範囲の破断点伸びを示す。いくつかの実施形態において、組成物は、標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測定された、9.5GPa~20.5GPaの範囲の引張弾性率を示す。いくつかの実施形態において、組成物は、7kJ/m2~15kJ/m2の範囲のノッチ付きシャルピー衝撃強度を示す。いくつかの実施形態において、組成物は、50kJ/m2~100kJ/m2の範囲のノッチなしシャルピー衝撃強度を示す。
【0010】
[0010]別の態様において、本開示は、本明細書に開示された組成物のいずれかを有する樹脂から成形された物品に関する。物品は、第1の構成要素に接触するための部品本体と、第1の構成要素と第2の構成要素を連結するために第2の構成要素に接触するための部品タブと;任意の構造支持片とを含む、連結部品であってもよく、部品本体および部品タブのうちの少なくとも1つは、前述の組成物を含んでもよい。いくつかの場合において、部品は、エンジンマウント、ディファレンシャルマウント、トルクロッド、およびHVACコンプレッサーブラケット、ストラットマウント、緩衝器マウント、または変速装置マウント、またはこれらの組合せである。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態において、本開示は、第1の構成要素を第2の構成要素に連結するための方法であって、部品本体と部品タブとを含む連結部品を用意する工程と;部品本体を第1の構成要素に接触させる工程と;部品タブを第2の構成要素に接触させて第1および第2の構成要素を連結する工程とを含み、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、部品が40℃超の温度で最大tan(δ)を示す、方法に関する。連結部品はエンジンマウントであってよく、第1の構成要素はエンジンであってよく、第2の構成要素はシャーシであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012]本明細書に記載されたポリアミド組成物のいくつかの実施形態のtan(δ)性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0013]本開示は、全体として、例えば減衰材料として用いられる場合に、上昇した動作温度での振動騒音隔離特性において有利な改善を実現するポリアミド組成物に関する。
【0014】
[0014]例えば、まだ達成されていないが、ポリアミド組成物が、特定の自動車用途に存在し得る、72℃超の温度を含み得る動作条件下で、振動を有効に隔離するための十分な減衰能力、例えば粘弾性損失係数tan(δ)によって測定される減衰能力を有することは有益であろう。提供される組成物の減衰性能の1つの指標は、粘弾性損失係数(tan(δ))がその最大値を示す温度である。一般に、この最大値の温度が高いほど、組成物は、より高い温度で振動および騒音を減衰させ、隔離するのに有効である。また、ポリアミド組成物が、このような高温の環境温度において良好な強度特性、例えば、高い引張強度、破断点伸び、耐衝撃性、および耐疲労性を示すことも有益である。
【0015】
[0015]ポリアミドは吸湿性であり、水分を吸収する傾向があり、ポリアミド組成物の性能特性は組成物の水分含有量に基づいて変化し得る。さらに、いくつかの用途、例えば自動車部品は、しばしば高温条件および/または高湿度条件、例えば湿度が地理的管轄区域ごとに異なる場合がある条件で動作するため、低水分組成物が特に望ましいことがわかっている。特に、(軽量の)吸湿性ポリマー、例えばナイロンが用いられる場合、組成物の水分含有量が考慮/検討される必要がある。このように、低含水率で測定した性能、例えば低含水率(例えば0.2重量%以下)でのtan(δ)性能は、外部環境の影響をほとんどまたは全く受けないベンチマーク指標につながるため、特に密接な関係のある指標であることがわかっている。より高い水分含有量が利用され、性能重量が測定される場合、
性能およびその測定においてより多くの不確定性が存在する場合がある。重要なことは、低水分含有量での測定値/性能が、高水分含有量での測定値/性能に対応しない場合があることである。このことは特に吸湿性ポリマーに当てはまる。有利には、本明細書に開示されたポリアミド組成物は、一般に、特に低水分含有量で測定した場合に、性能特性の相乗的な組合せを示す。
【0016】
[0016]しかしながら、従来のポリアミド組成物では、これらの性能特徴を達成することは困難であった。この1つの理由は、従来の組成物(低水分またはそれ以外)は、40℃以下、例えば72℃以下の低い温度でそのピークtan(δ)を示し、組成物の最大減衰能力がより低い温度でのみ観察されることを示すからである。さらに、ポリアミド組成物を強化するために典型的に使用される改変は、最もしばしば、これらの材料の熱および減衰特性を劣化させる効果を有し、ポリアミド組成物がピークtan(δ)を示す温度をさらに低下させる。
【0017】
[0017]本発明者らは、驚くべきことに、特定の種類、量、および比率で任意に添加された、本明細書に開示されるポリアミドの特定の組合せを利用して、改善されたより高い最大tan(δ)温度を有する組成物を形成できることを発見した。特に、これらの結果は、半結晶性ポリアミド(A)を、1)非晶質ポリアミド(B1);および/または2)別の半結晶性コポリアミド(B2)、例えばPA66/6ポリアミドまたはPA66/6Cポリアミド(ここでAはB2と異なってもよい)のいずれかと組み合わせた組成物について見出されている。特に、高温減衰の改善における非晶質ポリアミドまたはPA66/6ポリアミドの重要性は、以前は正しく評価されていなかった。改善された減衰性能は、より高い最大tan(δ)温度だけでなく、多くの場合、より高い最大tan(δ)粘弾性値にも反映される。重要なことは、機械的特性、例えば、強度および耐衝撃性が高いレベルで維持される(以前は、非晶質またはPA66/6Iポリアミド添加物の非存在下でのみ観察された)ため、提供される組成物は、高い安定性と高い減衰の両方に対する二重の必要性を有する用途に特に適していることである。
【0018】
[0018]さらに、他の熱特性は、非晶質またはPA66/6添加剤を含まない配合物と同様のレベルで同様に維持されるので、提供される組成物は、既存の製造プロセス、例えば成形および熱成形プロセスへの良好な適合性も見出すことができる。さらに、いくつかの実施形態において、組成物の熱変形温度(HDT)は、組成物溶融温度(Tm)に近い、例えば45℃以内または35℃以内の温度である。ポリマー組成物のTmは、組成物中に存在する他の充填剤および添加剤の存在によって実質的に影響を受けないのに対し、ポリマー組成物のHDTは、充填剤装填レベルが上昇するにつれて一般に増加するので、開示した強化組成物のいくつかの実施形態のHDTとTmとの驚くべき類似性は、加工性の容易さに関連する別の利点を提供することができる。
【0019】
[0019]全体的な性能は、いくつかの特定の用途、例えば、使用時に、ある自動車部品を別の自動車部品に連結する、例えばエンジンをシャーシに取り付ける、前述の自動車部品にとって、特に重要である。これらの用途では、(開示されたNVH組成物から作られた)部品が振動を効果的に隔離する能力によって、静粛化性能が得られる。従来の連結部品は、同様の性能を達成するために、多くの場合、複数の剛性構造(金属)片とともに、ゴム片を用いている。開示されたNVH組成物が連結部品に使用される場合、この複数片構造が低減/回避され得、これにより、複数片の数/サイズを低減/排除し、したがって製造効率を改善することができると考えられている。
【0020】
[0020]本開示は、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の非晶質ポリアミドと1つまたは複数の半結晶性ポリアミドとを含むポリアミド組成物に関する。いくつかの実施形態において、本開示は、第1の半結晶性(コ)ポリアミド、例えばPA66/6(コ
)ポリアミドと、第2の半結晶性ポリアミドおよび/または非晶質ポリアミドのいずれかとを含む、ポリアミド組成物に関する。これらのポリアミド組成物は、高温減衰に驚くべき改善をもたらすことが判明している。例えば、組成物は、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合、40℃超、例えば72℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す。
【0021】
組成物
非晶質ポリアミド
[0021]一態様において、1つまたは複数の非晶質ポリアミドを含むポリアミド組成物が開示される。本明細書で使用される場合、用語「ポリアミド」または「ナイロン」は、少なくとも50mol%、例えば、少なくとも60mol%、少なくとも70mol%、少なくとも80mol%、少なくとも90mol%、少なくとも92mol%、少なくとも94mol%、少なくとも96mol%、少なくとも98mol%、または少なくとも99mol%の、少なくとも1つのアミド基を含む反復単位を含有するポリマーを指す。本明細書で使用される場合、用語「非晶質ポリアミド」は、結晶領域を実質的に含まず、例えば結晶領域を全く含まず、明確な融点を示さないポリアミドを指す。組成物は、1つまたは複数の半結晶性ポリアミドをさらに含む。本明細書で使用する場合、用語「半結晶性ポリアミド」は、少なくとも1つの結晶域を含み、明確な融点を示すポリアミドを指す。これらのポリアミド組成物は、高温減衰に驚くべき改善をもたらすことが判明している。例えば、組成物は、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、上記および本明細書に記載した温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に組成物が示すTmと異なる35℃未満のHDTをさらに示す。他の性能の特徴は以下で議論される。
【0022】
[0022]いくつかの実施形態において、組成物中の1つまたは複数の非晶質ポリアミドの合計濃度は、3重量%~75重量%、例えば、3重量%~65重量%、3重量%~60重量%、5重量%~55重量%、3重量%~53重量%、3重量%~33重量%、7重量%~32重量%、8重量%~38重量%、13重量%~43重量%、18重量%~48重量%、30重量%~60重量%、または23重量%~53重量%の範囲である。非晶質ポリアミドの合計濃度は、8重量%~40重量%、例えば、8重量%~27.2重量%、11.2重量%~30.4重量%、14.4重量%~33.6重量%、17.6重量%~36.8重量%、または20.8重量%~40重量%の範囲であってもよい。上限については、非晶質ポリアミド濃度は、75重量%未満、例えば、70重量%未満、65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満、53重量%未満、48重量%未満、43重量%未満、40重量%未満、36.8重量%未満、33.6重量%、30.4重量%未満、27.2重量%未満、24重量%未満、20.8重量%未満、17.6重量%未満、14.4重量%未満、11.2重量%未満、または8重量%未満である。下限については、非晶質ポリアミド濃度は、例えば、3重量%超、例えば、7重量%超、11.2重量%超、14.4重量%超、17.6重量%超、20.8重量%超、24重量%超、27.2重量%超、30.4重量%超、33.6重量%超、36.8重量%超、40重量%超、43重量%超、または48重量%超であってもよい。より高い濃度、例えば53重量%超、およびより低い濃度、例えば3重量%未満もまた検討される。
【0023】
[0023]本明細書で使用される場合、「超」および「未満」の限界値は、それに付随する数字も含んでよい。別の言い方をすれば、「超」および「未満」は、「以上」および「以下」と解釈されてもよい。この文言は、特許請求の範囲において、「またはそれに等しい」を含むように後に修正され得ることが考えられている。例えば、「4.0超」は、「4.0以上」と解釈され、特許請求の範囲において「4.0超またはそれに等しい」と後に修正されてもよい。
【0024】
[0024]いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドの濃度は、4重量%~32重量%、例えば、4重量%~20.8重量%、6.8重量%~23.6重量%、9.6重量%~26.4重量%、12.4重量%~29.2重量%、または15.2重量%~32重量%の範囲である。上限については、非晶質ポリアミド濃度は、32重量%未満、例えば、29.2重量%未満、26.4重量%未満、23.6重量%未満、20.8重量%未満、18重量%未満、15.2重量%未満、12.4重量%未満、9.6重量%未満、または6.8重量%未満であってもよい。下限については、非晶質ポリアミド濃度は、4重量%超、例えば、6.8重量%超、9.6重量%超、12.4重量%超、15.2重量%超、18重量%超、20.8重量%超、23.6重量%超、26.4重量%超、または29.2重量%超であってもよい。より高い濃度、例えば32重量%超、およびより低い濃度、例えば4重量%未満もまた検討される。
【0025】
[0025]いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドの濃度は、10重量%~70重量%、例えば、15重量%~60重量%、15重量%~50重量%、20重量%~45重量%、25重量%~40重量%、30重量%~40重量%、または30重量%~37重量%の範囲である。上限については、非晶質ポリアミド濃度は、70重量%未満、例えば、65重量%未満、60重量%未満、65重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、または37重量%未満であり得る。下限については、非晶質ポリアミド濃度は、10重量%超、例えば、15重量%超、20重量%超、25重量%超、27重量%超、30重量%超、または31重量%超であり得る。より高い濃度、例えば70重量%超、およびより低い濃度、例えば10重量%未満もまた検討される。
【0026】
[0026]いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドは、イソフタル酸および/またはテレフタル酸含有量を有するポリアミドを含む。例えば、非晶質ポリアミドは、PA-4T/4I;PA-4T/6I;PA-5T/5I;PA-6,6/6T;PA-6T/6I;PA-6T/6I/6;PA-6T/6;PA-6T/6I/66;PA-6T/66;PA-6I/6T,PA-6T/6;PA-6,6/6I/6;PA-6I/6;または6T/6I/6,PA-6T/610;PA-10T/612;PA-10T/106;PA-6T/612;PA-6T/10T;PA-6T/10I;PA-9T;PA-10T;PA-12T;PA-10T/10I;PA-10T/12;PA-10T/11;PA-6T/9T;PA-6T/12T;PA-6T/10T/6I;PA-6T/6I/6;PA-6T/61/12;MPMD-T;MPMD-I;もしくはMPMD-T/MPMD-Iとのポリアミドブレンド、例えばDT/DIブレンド;またはこれらの組合せを含む。いくつかの場合において、ポリアミドの非晶質または半結晶性の性質は、様々なポリマー単位の百分率の関数であり得る。前述のポリアミドは、いくつかの場合において、本明細書で定義されるように、「非晶質」または「半結晶性」となるように配合され得る。いくつかの実施形態において、これらのポリアミドは、ポリマー単位に応じて、半結晶性にも非晶質にもなり得る。当業者は、ポリマーの(本明細書で定義される)非晶質または半結晶性の性質を決定する方法を理解するであろう。例えば、PA-6I/6Tポリアミドが、結晶域を実質的に含まず、例えば結晶域を全く含まず、明確な融点を示さないように配合される場合、そのPA-6I/6Tは「非晶質PA-6I/6T」と考えられるであろう。
【0027】
[0027]いくつかの場合において、非晶質ポリアミドのイソフタル酸含有量対テレフタル酸含有量のモル比は、37:63~15:85、例えば、37:63~70:30、43:57~75:25、48:52~79:21、54:46~82:18、または60:40~85:15の範囲であり得る。上限については、イソフタル酸含有量対テレフタル酸含有量の比は、85:15未満、例えば、82:18未満、79:21未満、75:25未満、70:30未満、65:35未満、60:40未満、54:46未満、48:5
2未満、または43:57未満であり得る。下限については、イソフタル酸含有量対テレフタル酸含有量の比は、37:63超、例えば、43:57超、48:52超、54:46超、60:40超、65:35超、70:30超、75:25超、79:81超、または82:18超であり得る。より高い比率、例えば85:15超、およびより低い比率、例えば37:63未満もまた、検討される。提供される組成物における使用に適した例示的な非晶質ポリアミド市販品は、EMS Chemie社製GRIVORY(登録商標)G-21およびDuPont社製SELAR(登録商標)PA3426を含む。
【0028】
[0028]提供される組成物中の非晶質ポリアミドの異なる種の数は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11以上であり得る。いくつかの実施形態において、組成物の1つまたは複数の非晶質ポリアミドは、部分芳香族ポリアミドを含む。いくつかの実施形態において、組成物の各非晶質ポリアミドは、部分芳香族ポリアミドを含む。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の非晶質ポリアミドは、非晶質コポリアミドを含む。いくつかの実施形態において、各非晶質ポリアミドは、非晶質コポリアミドである。
【0029】
[0029]いくつかの実施形態において、組成物の非晶質ポリアミドは、部分芳香族ポリアミドである。いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドは、非晶質コポリアミドである。いくつかの実施形態において、非晶質ポリアミドは、透明である。非晶質ポリアミドの使用は、例えば、液体レベル、包装食品、または組成物を使用して製造されたポリマー材料によって封入または仕切られた他の材料の観察を必要とする用途において、特に有益であり得る。
【0030】
[0030]いくつかの場合において、ポリマー組成物の(またはその構成成分の1つまたは複数における)化学的特性は、性能の改善に少なくとも部分的に寄与する。開示された組成物および部品は、ポリマー組成物の組成的構成、例えば個々のポリアミドとは無関係に、化学的特性によって特徴付けられることがある。いくつかの態様において、組成物は、Tgが100℃~200℃である低Tgポリマーと、Tgが0℃~160℃である高Tgポリマーとを含む。
【0031】
[0031]いくつかの実施形態において、組成物の(ほとんどまたは全く水分を含まない)非晶質ポリアミドのうちの少なくとも1つは、100℃~200℃、例えば、100℃~175℃、100℃~150℃、100℃~130℃、105℃~135℃、110℃~140℃、115℃~145℃、または120℃~150℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有する。上限については、非晶質ポリアミドのTgは、200℃未満、例えば、175℃未満、150℃未満、145℃未満、140℃未満、135℃未満、130℃未満、125℃未満、120℃未満、115℃未満、110℃未満、または105℃未満であり得る。下限については、非晶質ポリアミドのTgは、100℃超、例えば、105℃超、110℃超、115℃超、120℃超、125℃超、130℃超、135℃超、140℃超、または145℃超であり得る。いくつかの実施形態において、組成物の各非晶質ポリアミドは、独立的に、本明細書に記載されるとおり100℃~150℃の範囲のTgを有する。より高い温度、例えば150℃超、およびより低い温度、例えば100℃未満もまた検討される。
【0032】
[0032]これらの範囲および限界は、前述の低Tgポリマーにも適用することができる。
【0033】
[0033]いくつかの実施形態において、高Tgポリマーは、0℃~160℃、例えば、10℃~120℃、20℃~100℃、30℃~90℃、または40℃~90℃の範囲のTgを有する。上限については、高Tgポリマーは、160℃未満、例えば、140℃未満、120℃未満、100℃未満、90℃未満、80℃未満、または70℃未満のTgを有
してもよい。下限については、高Tgポリマーは、0℃超、例えば、10℃超、20℃超、30℃超、40℃超、50℃超、または60℃超のTgを有してもよい。
【0034】
[0034]いくつかの実施形態において、組成物の非晶質ポリアミドのうちの少なくとも1つは、2.6GPa~3.2GPa、例えば、2.6GPa~2.96GPa、2.66GPa~3.02GPa、2.72GPa~3.08GPa、2.78GPa~3.14GPa、または2.84GPa~3.2GPaの範囲の曲げ/引張弾性率を有する。上限については、非晶質ポリアミドの引張弾性率は、3.2GPa未満、例えば、3.14GPa未満、3.08GPa未満、3.02GPa未満、2.96GPa未満、2.9GPa未満、2.84GPa未満、2.78GPa未満、2.72GPa未満、または2.66GPa未満であり得る。下限については、非晶質ポリアミドの曲げ弾性率は、2.6GPa超、例えば、2.66GPa超、2.72GPa超、2.78GPa超、2.84GPa超、2.9GPa超、2.96GPa超、3.02GPa超、3.08GPa超、または3.14GPa超であり得る。いくつかの実施形態において、組成物の各非晶質ポリアミドは、独立的に、本明細書に記載のとおり、2.6GPa~3.2GPaの範囲の引張弾性率を有する。より高い引張弾性率、例えば3.2GPa超、およびより低い引張弾性率、例えば2.6GPa未満もまた検討される。
【0035】
[0035]いくつかの実施形態において、組成物の非晶質ポリアミドのうちの少なくとも1つは、1.16g/cm3~1.21g/cm3、例えば、1.17g/cm3~1.19g/cm3、1.165g/cm3~1.195g/cm3、1.17g/cm3~1.2g/cm3、1.175g/cm3~1.205g/cm3、または1.118g/cm3~1.21g/cm3の範囲の密度を有する。上限については、非晶質ポリアミドの密度は、1.21g/cm3未満、例えば、1.205g/cm3未満、1.2g/cm3未満、1.195g/cm3未満、1.19g/cm3未満、1.185g/cm3未満、1.18g/cm3未満、1.175g/cm3未満、1.17g/cm3未満、または1.165g/cm3未満であり得る。下限については、非晶質ポリアミド密度は、1.16g/cm3超、例えば、1.165g/cm3超、1.17g/cm3超、1.175g/cm3超、1.18g/cm3超、1.185g/cm3超、1.19g/cm3超、1.195g/cm3超、1.2g/cm3超または1.205g/cm3超であり得る。いくつかの実施形態において、組成物の各非晶質ポリアミドは、独立して、本明細書に記載されるとおり1.16g/cm3~1.21g/cm3の範囲の密度を有する。より高い密度、例えば1.21g/cm3超、およびより低い密度、例えば1.16g/cm3未満もまた検討される。
【0036】
DT/DI
[0036]いくつかの態様において、非晶質ポリアミドは、MPMD-T/MPMD-I、例えばDT/DIとのポリアミドブレンドを含む。いくつかの場合において、DT/DIの使用は特に有利であった。理論に束縛されることなく、DT/DIのTgは、(半結晶性ポリアミドを有する)ポリアミド組成物において相乗的に作用する。いくつかの場合において、DT/DIを(他の非晶質ポリアミドと比較して)より少ない量で使用しても、同等以上のNVH性能を達成することができる。有益なことに、より少ない量のDT/DI、例えば本明細書に開示されたDT/DIが、所望のNVH改善を実現するために必要とされ得ることもわかっている。したがって、より多くの量の高性能ポリマーが用いられてよく、このことは驚くべきことに(NVHの改善とともに)有利な機械的性能の増加をもたらす。DT/DIは、前述の量で存在してもよい。
【0037】
[0037]提供される組成物における使用に適した例示的なDT/DIベースの非晶質ポリアミド市販品は、Shakespeare社製SVPx-129 Novadyn DT/DIを含む。
【0038】
半結晶性ポリアミド
[0038]組成物中の半結晶性ポリアミドの異なる種の数は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11以上であり得る。いくつかの実施形態において、組成物の1つまたは複数の半結晶性ポリアミドは、PA66ポリアミド、PA6ポリアミド、PA66/6ポリアミド、もしくはPA66/6Iポリアミド、またはこれらの組合せを含む。
【0039】
[0039]本明細書で使用する場合、用語「PA66」、「ナイロン66」、および「ポリアミド66」は、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸モノマーサブユニットから調製されたホモポリマーを指す。PA66ポリアミドは、PA66単位のかなりの部分、例えば、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%または少なくとも90重量%をポリマー骨格中に含有するポリアミドであってもよい。本明細書で使用する場合、用語「PA6」、「ナイロン6」および「ポリアミド6」は、カプロラクタムモノマーサブユニットから調製されたホモポリマーを指す。本明細書で使用される場合、用語「PA66/6」、「ナイロン66/6」および「ポリアミド66/6」は、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸モノマーサブユニットから調製され、さらにカプロラクタムモノマーサブユニットを組み込んだコポリマーを意味する。本明細書で使用される場合、用語「PA66/6I」、「ナイロン66/6I」および「ポリアミド66/6I」は、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸モノマーサブユニットから調製され、さらにイソフタル酸モノマーサブユニットを組み込んだコポリマーを指す。
【0040】
[0040]組成物の半結晶性ポリアミドは、例えば、PA66;PA6;PA66/6;PA66/6T;PA66/6I;PA66/6C;PA9T;PA10T;PA12T;またはPA-6T/9T;またはこれらの組合せ、もしくはコポリマーを含んでもよい。このリストは、半結晶性ポリアミドの範囲を限定することを意味しない。
【0041】
[0041]例示的な組合せは、PA66とPA6;PA66とPA66/6;PA66とPA66/6I;PA6とPA66/6;PA6とPA66/6I;PA6とPA66/6C;PA66/6とPA66/6I;PA66、PA6とPA66/6;PA66、PA6とPA66/6C;およびPA66、PA66/6、PA66/6CとPA66/6I;またはPA66、PA6、PA66/6とPA66/6Iを含む。
【0042】
[0042]いくつかの実施形態において、1つまたは複数の半結晶性ポリアミドの濃度は、30重量%~80重量%、例えば、30重量%~60重量%、31重量%~63重量%、35重量%~65重量%、31重量%~55重量%、40重量%~70重量%、45重量%~75重量%、または50重量%~80重量%の範囲である。上限については、半結晶性ポリアミドの濃度は、80重量%未満、例えば、75重量%未満、70重量%未満、65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、または35重量%未満であり得る。下限については、半結晶性ポリアミドの濃度は、30重量%超、例えば、35重量%超、40重量%超、45重量%超、50重量%超、55重量%超、60重量%超、65重量%超、70重量%超、または75重量%超であり得る。より高い濃度、例えば80重量%超、およびより低い濃度、例えば30重量%未満もまた検討される。
【0043】
[0043]いくつかの実施形態において、1つまたは複数の半結晶性ポリアミド、例えばPA66の濃度は、10重量%~70重量%、例えば、15重量%~60重量%、15重量%~50重量%、20重量%~45重量%、30重量%~45重量%、25重量%~40
重量%、30重量%~40重量%、または30重量%~37重量%の範囲である。上限については、半結晶性ポリアミドの濃度は、70重量%未満、例えば、65重量%未満、60重量%未満、65重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、または37重量%以下であり得る。下限については、半結晶性ポリアミド濃度は、10重量%超、例えば、15重量%超、20重量%超、25重量%超、27重量%超、30重量%超、または31重量%超であり得る。より高い濃度、例えば70重量%超、およびより低い濃度、例えば10重量%未満もまた検討される。
【0044】
PA66/6(コ)ポリアミド
[0044]PA66/6(コ)ポリアミドは、半結晶性ポリマーの一例であり、本明細書で議論されるように用いられてよい。
【0045】
[0045]一態様において、他の前述の半結晶性ポリアミドだけでなく、半結晶性PA66/6コポリアミドを含むポリアミド組成物が開示される。いくつかの場合において、組成物は、PA66/6コポリアミドと、1)第2の半結晶性ポリアミドまたは2)非結晶性ポリアミドとをさらに含む。このポリアミド組成物は、上述のような驚くべき改善をもたらすことがわかっている。例えば、組成物は、0.2重量%未満の水分を有する場合、高温、例えば40℃超または72℃超で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す。
【0046】
[0046]いくつかの実施形態において、組成物中の半結晶性PA66/6コポリアミドの濃度は、1重量%~50重量%、例えば、5重量%~40重量%、5重量%~30重量%、7重量%~30重量%、7重量%~25重量%、または10重量%~20重量%の範囲である。上限については、PA66/6コポリアミド濃度は、50重量%未満、例えば、40重量%未満、35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、20重量%未満、または17重量%未満であり得る。下限については、PA66/6コポリアミドの濃度は、5重量%超、例えば、7重量%超、9重量%超、10重量%超、12重量%超、13重量%超、または14重量%超であり得る。より高い濃度、例えば70重量%超、およびより低い濃度、例えば30重量%未満もまた検討される。
【0047】
[0047]いくつかの実施形態において、半結晶性PA66/6コポリアミドの濃度は、4重量%~32重量%、例えば、4重量%~20.8重量%、6.8重量%~23.6重量%、9.6重量%~26.4重量%、12.4重量%~29.2重量%、または15.2重量%~32重量%の範囲である。上限については、半結晶性PA66/6コポリアミドの濃度は、32重量%未満、例えば、29.2重量%未満、26.4重量%未満、23.6重量%未満、20.8重量%未満、18重量%未満、15.2重量%未満、12.4重量%未満、9.6重量%未満、または6.8重量%未満であり得る。下限については、半結晶性PA66/6コポリアミドの濃度は、4重量%超、例えば、6.8重量%超、9.6重量%超、12.4重量%超、15.2重量%超、18重量%超、20.8重量%超、23.6重量%超、26.4重量%超、または29.2重量%超であり得る。より高い濃度、例えば32重量%超、およびより低い濃度、例えば4重量%未満もまた検討される。
【0048】
PA66/6I
[0048]PA66/6Iは、半結晶性ポリマーの一例であり、本明細書で議論されるように用いられてよい。別の態様において、半結晶性PA66/6Iコポリアミドを含むポリアミド組成物が開示される。このポリアミド組成物は、高温減衰に驚くべき改善をもたらすことが見出されている。例えば、組成物は、0.2重量%未満の水分を有する場合、72℃を超える温度で最大の粘弾性損失係数(tan(δ))を示す。
【0049】
[0049]いくつかの実施形態において、組成物中の半結晶性PA66/6Iコポリアミドの濃度は、30重量%~70重量%の範囲、例えば、30重量%~54重量%、34重量
%~58重量%、38重量%~62重量%、46重量%~55重量%、42重量%~66重量%、または46重量%~70重量%の範囲である。上限については、PA66/6Iの濃度は、70重量%未満、例えば、66重量%未満、62重量%未満、58重量%未満、54重量%未満、50重量%未満、46重量%未満、42重量%未満、38重量%未満、または34重量%未満であり得る。下限については、PA66/6I濃度は、30重量%超、例えば、34重量%超、38重量%超、42重量%超、46重量%超、50重量%超、54重量%超、58重量%超、62重量%超、または66重量%超であり得る。より高い濃度、例えば70重量%超、およびより低い濃度、例えば30重量%未満もまた検討される。
【0050】
[0050]いくつかの実施形態において、組成物は、5mol%~30mol%、例えば、5mol%~20mol%、7.5mol%~22.5mol%、10mol%~25mol%、12.5mol%~27.5mol%、または15mol%~30mol%の範囲のイソフタル酸含有量を有するPA66/6Iポリアミドを含む。上限については、PA66/6Iポリアミドのイソフタル酸含有量は、30mol%未満、例えば、27.5mol%未満、25mol%未満、22.5mol%未満、20mol%未満、17.5mol%未満、15mol%未満、12.5mol%未満、10mol%未満、または7.5mol%未満であり得る。下限については、PA66/6Iポリアミドのイソフタル酸含有量は、5mol%超、例えば、7.5mol%超、10mol%超、12.5mol%超、15mol%超、17.5mol%超、20mol%超、22.5mol%超、25mol%超、または27.5mol%超であり得る。いくつかの実施形態において、組成物の各PA66/6Iポリアミドは、独立的に、本明細書に開示されるように5mol%~30mol%の範囲のイソフタル酸含有量を有する。より高い含有量、例えば30mol%超、およびより低い含有量、例えば5mol%未満もまた検討される。
【0051】
[0051]いくつかの実施形態において、組成物中の1つまたは複数の半結晶性ポリアミドの合計重量対組成物中の1つまたは複数の非晶質ポリアミドの合計重量の比は、0.01:1~20:1、例えば、0.05:1~18:1、0.05:1~15:1、0.06:1~13:1、0.1:1~13:1、0.5:1~12:1、0.75:1~12:1、1:1~13:1、1:1~4.7:1、1.3:1~6:1、1.7:1~7.8:1、2.2:1~10:1、または2.8:1~13:1の範囲である。上限については、半結晶性ポリアミド重量対非結晶性ポリアミド重量の比は、20未満:1、例えば、18未満:1、15未満:1、10未満:1、7.8未満:1、6未満:1、4.7未満:1、3.6未満:1、2.8未満:1、2.2未満:2、1.7未満:1、または1.3未満:1であり得る。下限については、半結晶性ポリアミド重量対非結晶性ポリアミド重量の比は、0.01超:1、例えば、0.05超:1、0.06超:1、0.1超:1、0.5超:1、0.75超:1、1超:1、1.3超:1、1.7超:1、2.2超:1、2.8超:1、3.6超:1、4.7超:1、6超:1、7.8超:1または10超:1であり得る。より高い比率、例えば13超:1、およびより低い比率、例えば1未満:1もまた検討される。これらの範囲および限界は、半結晶性ポリアミドおよび非晶質ポリアミドに対して、全体的に、および個別に、例えば、PA66/6IまたはPA66/6Cに対して、適用される。
【0052】
PA66/6C
[0052]PA66/6Cは、半結晶性ポリマーの一例であり、本明細書で議論されるように用いられてよい。いくつかの実施形態において、半結晶性PA66/6Cコポリマーを含むポリアミド組成物が開示される。いくつかの場合において、(ポリアミド組成物の)半結晶性ポリアミドは、PA66/6Cを含む。PA66/6Cは、単独で、または追加の半結晶性ポリアミドと組み合わせて用いられてもよく、その例は本明細書に開示される。
【0053】
[0053]いくつかの場合において、このポリアミド組成物は、高温減衰に驚くべき改善をもたらすことが見出されている。例えば、組成物は、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、前述の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す。
【0054】
[0054]半結晶性ポリアミド、例えばPA66/6Cは、非結晶性ポリアミドと相乗的に相互作用することが見出された。例えば、半結晶性ポリアミドは、有利には、非晶質ポリアミドのいくつかの効果を均衡させ、例えば低減させる。半結晶性ポリアミドと、非晶質ポリアミド、例えばPA66/6Cとの組合せは、驚くべきことに、NVH性能と機械的特性、例えば剛性の両方の改善をもたらす。
【0055】
[0055]いくつかの場合において、半結晶性ポリアミドは、非晶質ポリマー含有量に関連し得る、剛性特性、例えば引張弾性率の低下を改善することが見出されている。この予想外の改善は、(動作)温度、例えばポリアミド組成物が用いられる温度で測定された場合に特に明らかである場合がある。
【0056】
[0056]また、いくつかの半結晶性ポリアミド、例えばPA66/6Cが利用される場合、より少ない量の半結晶性ポリアミド、例えば本明細書に開示されるより少ない量のポリアミドが、望ましい改善をもたらすために必要とされ得ることが見出された。したがって、より高い性能のポリマーを用いることができ、これにより、驚くべきことに、有利な機械的性能の向上がもたらされる。
【0057】
[0057]理論に束縛されることなく、PA66/6Cの非芳香族(平面)構造は、そのような平面構造を有さず、そのため酸と結晶化/共結晶化しにくい、いくつかの芳香族ポリアミドと比較して、他のポリアミドの酸、例えばアジピン酸と、よりよく結晶化/共結晶化することを可能にすると仮定される。この結晶化により、(半結晶性ポリアミドと非晶質ポリアミドの組合せにより得られる)前述の相乗的な性能の利点がもたらされると考えられている。
【0058】
[0058]いくつかの実施形態において、PA66/6Cの濃度は、10重量%~70重量%、例えば、15重量%~60重量%、15重量%~50重量%、20重量%~45重量%、25重量%~40重量%、25重量%~30重量%、30重量%~40重量%、30重量%~37重量%、または28重量%~35重量%の範囲とされる。上限については、PA66/6C濃度は、70重量%未満、例えば、65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、37重量%未満、または35重量%未満であり得る。下限については、PA66/6C濃度は、10重量%超、例えば、15重量%超、20重量%超、25重量%超、27重量%超、28重量%超、30重量%超、または31重量%超であり得る。より高い濃度、例えば70重量%以上、およびより低い濃度、例えば10重量%未満もまた検討される。
【0059】
その他の添加剤
[0059]いくつかの実施形態において、ポリマー組成物は、任意に、1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態において、添加剤は、触媒、ポリアミド以外のポリマー、接着促進剤、イオン、化合物、防腐剤、例えば熱安定剤および酸化防止剤、潤滑剤、流動性向上剤、または当該技術分野で公知の他の成分の1つ以上を含む。添加剤は、無機安定剤、有機安定剤、難燃剤、潤滑剤、染料、顔料、核剤、メタルフレーク、耐衝撃性改良剤、帯電防止剤、導電性添加剤、離型剤、蛍光増白剤、接着促進剤、老化抑制剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、無機熱安定剤、有機熱安定剤、加工助剤、結晶化促進剤、結晶化遅延剤、流動助剤、補強剤、例えば繊維状物質および粒子状充填剤のうちの少なくとも1つを含んでいてもよ
い。これらの構成成分は任意であると考えてよい。いくつかの場合において、開示された組成物は、例えば特許請求の範囲の文言を介して、本節における前述の添加剤の1つ以上を明示的に除外することができる。このような添加物の除外は本明細書において検討される。例えば、開示された組成物は、難燃剤および/または補強剤(または前述の添加剤の他のいずれか)を除外することができる。この記載は、特許請求の範囲の文言において、これらの構成成分の1つ以上の明示的な除外を裏付けるものである。
【0060】
[0060]いくつかの実施形態において、提供される組成物は、1つ以上の熱安定剤を含む。組成物の1つまたは複数の熱安定剤は、材料の強度または他の熱特性に著しく悪影響を及ぼすことなく、例えば、より高い動作温度で性能を向上させるように選択され得る。熱安定剤のうちの少なくとも1つは、銅を含んでもよい。いくつかの実施形態において、フィルムのすべての熱安定剤は、銅を含む。提供されるフィルムの構成成分として使用するのに適した銅安定剤は、ハロゲン化銅、例えば、塩化物、臭化物、またはヨウ化物、またはそれらの組合せを含む。銅安定剤はまた、シアン化銅、酸化銅、硫酸銅、リン酸銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、サリチル酸銅、ニコチン酸銅、ステアリン酸銅、もしくはエチレンジアミンおよびエチレンジアミン四酢酸などのキレート化アミンに配位した銅錯塩、またはこれらの組合せを含む。
【0061】
[0061]いくつかの実施形態において、組成物の1つまたは複数の熱安定剤の合計濃度は、0.1重量%~2重量%、例えば、0.1重量%~0.6重量%、0.13重量%~0.81重量%、0.18重量%~1.1重量%、0.25重量%~1.5重量%、または0.33重量%~2重量%の範囲である。上限については、熱安定剤濃度は、2重量%未満、例えば、1.5重量%未満、1.1重量%未満、0.81重量%未満、0.6重量%未満、0.45重量%未満、0.33重量%未満、0.25重量%未満、0.18重量%未満または0.13重量%未満であり得る。下限については、熱安定剤濃度は、0.1重量%超、例えば、0.13重量%超、0.18重量%超、0.25重量%超、0.33重量%超、0.45重量%超、0.6重量%超、0.81重量%超、1.1重量%超または1.5重量%超であり得る。より高い濃度、例えば2重量%以上、およびより低い濃度、例えば0.1重量%未満もまた検討される。
【0062】
[0062]いくつかの実施形態において、提供される組成物は、加工助剤として機能するように選択された1つまたは複数の潤滑剤を含む。潤滑剤の種類および相対量は、組成物の加工を改善し、材料の高強度に寄与するように選択され得る。いくつかの実施形態において、潤滑剤は、ワックスを含む。いくつかの実施形態において、潤滑剤は、ワックスからなる。いくつかの実施形態において、ワックスは、脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、潤滑剤は、脂肪酸からなる。いくつかの実施形態において、ワックスは、飽和脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、潤滑剤は、飽和脂肪酸からなる。いくつかの実施形態において、ワックスは、ステアリン酸、ベヘン酸、またはこれらの塩もしくは組合せを含む。いくつかの実施形態において、潤滑剤は、ステアリン酸、ベヘン酸、またはこれらの塩もしくは組合せからなる。ステアリン酸塩潤滑剤は、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ジステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、および/またはステアリン酸カルシウムを含み得る。
【0063】
[0063]いくつかの実施形態において、組成物の1つまたは複数の潤滑剤の合計濃度は、0.1重量%~2重量%、例えば、0.1重量%~0.6重量%、0.13重量%~0.81重量%、0.18重量%~1.1重量%、0.25重量%~1.5重量%、または0.33重量%~2重量%の範囲である。上限については、潤滑剤濃度は、2重量%未満、例えば、1.5重量%未満、1.1重量%未満、0.81重量%未満、0.6重量%未満、0.45重量%未満、0.33重量%未満、0.25重量%未満、0.18重量%未満
または0.13重量%未満であり得る。下限については、潤滑剤濃度は、0.1重量%超、例えば、0.13重量%超、0.18重量%超、0.25重量%超、0.33重量%超、0.45重量%超、0.6重量%超、0.81重量%超、1.1重量%超、または1.5重量%超であり得る。より高い濃度、例えば2重量%以上、およびより低い濃度、例えば0.1重量%未満もまた検討される。
【0064】
[0064]いくつかの実施形態において、提供される組成物は、1つまたは複数の補強剤、例えば、鉱物補強剤もしくは繊維補強剤またはこれらの組合せを含む。補強剤は、所望の組成物熱特性を損なうことなく、組成物の強度特性をさらに強化するように選択され得る。充填剤の材料は、特に限定されず、当技術分野で公知のポリアミド充填剤から選択されてよい。非限定例として、充填剤は、ガラス繊維および/または炭素繊維、粒状充填剤、例えば、天然および/または合成層ケイ酸塩をベースとする鉱物充填剤、タルク、マイカ、ケイ酸塩、石英、二酸化チタン、ウォラストナイト、カオリン、非晶質ケイ酸、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、チョーク、石灰、長石、硫酸バリウム、KEVLAR(登録商標)繊維、玄武岩繊維、固体もしくは中空ガラス球もしくはすりガラス、永久磁石もしくは磁化可能金属化合物および/または合金および/またはこれらの組合せ、さらにこれらの組合せを含んでもよい。
【0065】
[0065]いくつかの実施形態において、組成物の1つまたは複数の補強剤の合計濃度は、15重量%~60重量%、例えば、15重量%~42重量%、19.5重量%~46.5重量%、24重量%~51重量%、28.5重量%~55.5重量%、または33重量%~60重量%の範囲である。上限については、補強剤濃度は、60重量%未満、例えば、55.5重量%未満、51重量%未満、46.5重量%未満、42重量%未満、37.5重量%未満、33重量%未満、28.5重量%未満、24重量%未満、または19.5重量%未満であり得る。下限については、補強剤は、15重量%超、例えば、19.5重量%超、24重量%超、28.5重量%超、33重量%超、37.5重量%超、42重量%超、46.5重量%超、51重量%超、または55.5重量%超であり得る。より高い濃度、例えば60重量%超、およびより低い濃度、例えば15重量%未満もまた検討される。
【0066】
[0066]他の場合では、ポリアミド組成物は「純粋な」組成物であり、例えば、ポリアミド組成物は充填剤をほとんどまたは全く含まない。例えば、ポリアミド組成物は、20重量%未満、例えば、17重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、または5重量%未満の充填剤を含み得る。範囲については、ポリアミド組成物は、0.01重量%~20重量%、例えば、0.1重量%~15重量%または0.1重量%~5重量%の充填剤を含み得る。このような場合、他の成分の量は、前述の構成成分の範囲および限界に基づいて適宜調整されてよい。当業者であれば、ガラス充填剤の含有または除外を考慮して、ポリアミド組成物の他の成分の濃度を調整することができると考えられる。
【0067】
性能特性
[0067]本明細書に開示された組成物の利点は、驚くべきことに、高い動作温度、例えば72℃を超える温度において、効果的な減衰性能と強い機械的性能の両方を同時に実現することが可能であることである。上述した理由により、従来のポリアミド組成物にとって、このような温度条件下でこれらの異なる性能特性を同時に実現することは困難である。
【0068】
[0068]ポリアミドは吸湿性であり、水分を吸収する傾向があり、ポリアミド組成物の性能特性は組成物の水分含有量に基づいて変化し得るので、性能特性は、最終用途の特定の分類について予想される動作条件を反映する定義された水分含有量の下で記述され得る。例えば、性能特性は、0.2重量%以下の水分含有量で特徴付けられてよい。
【0069】
[0069]提供される組成物の減衰性能の1つの尺度は、粘弾性損失係数(tan(δ))がそのピークを示す温度である。一般に、この最大値の温度が高いほど、組成物は、より高い温度で振動および騒音を減衰させ、隔離するのに有効である。粘弾性損失係数は、例えば、ISO6721-1(2019)およびASTM D5023-15(2015)に準拠した標準試験方法で測定されてよい。
【0070】
[0070]いくつかの実施形態において、提供される組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合、組成物は、40℃~140℃、50℃~140℃、50℃~120℃、60℃~115℃、72℃~110℃、73℃~103℃、例えば73℃~91℃、76℃~94℃、79℃~97℃、82℃~100℃、または85℃~103℃の範囲の温度で最大tan(δ)を示す。組成物は、75℃~95℃、例えば、75℃~87℃、77℃~89℃、79℃~91℃、81℃~93℃、または83℃~95℃の範囲の温度で最大tan(δ)を示し得る。上限については、最大tan(δ)は、140℃未満、例えば、130℃未満、120℃未満、115℃未満、110℃未満、105℃未満、103℃未満、100℃未満、97℃未満、95℃未満、93℃未満、91℃未満、89℃未満、87℃未満、85℃未満、83℃未満、81℃未満、79℃未満、77℃未満、または75℃未満の温度で示され得る。下限については、最大tan(δ)は、40℃超、例えば、42℃超、50℃超、55℃超、60℃超、65℃超、70℃超、72℃超、73℃超、75℃超、77℃超、79℃超、81℃超、83℃超、85℃超、87℃超、89℃超、91℃超、93℃超、95℃超、97℃超、または100℃超の温度で示され得る。より高い最大tan(δ)温度、例えば103℃超の温度もまた検討される。
【0071】
[0071]いくつかの実施形態において、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合、組成物は、例えば、0.01~0.275、例えば、0.01~0.245、0.03~0.245、0.05~0.245、0.057~0.245、0.07~0.245、0.095~0.245、0.095~0.185、0.11~0.2、0.125~0.215、0.14~0.23、または0.155~0.245の範囲の最大tan(δ)値を示す。組成物は、0.095~0.15、例えば、0.095~0.128、0.1005~0.1335、0.106~0.139、0.1115~0.1445、または0.117~0.15の範囲の最大tan(δ)値を示し得る。上限については、最大tan(δ)値は、0.275未満、例えば、0.265未満、0.245未満、0.23未満、0.215未満、0.2未満、0.185未満、0.17未満、0.155未満、0.15未満、0.1445未満、0.139未満、0.1335未満、0.128未満、0.1225未満、0.117未満、0.1115未満、0.106未満、または0.1005未満であり得る。下限については、最大tan(δ)値は、0.01超、例えば、0.03超、0.05超、0.095超、0.1005超、0.106超、0.1115超、0.117超、0.1225超、0.128超、0.1335超、0.139超、0.1445超、0.15超、0.155超、0.17超、0.185超、0.2超、0.215超、または0.23超であり得る。より高い最大tan(δ)値、例えば、0.245超もまた検討される。
【0072】
[0072]ポリマー材料の熱変形温度(HDT)は、材料が一定の負荷にさらされたときに軟化して変形し始める温度である。熱変形温度は、例えば標準試験法ISO75-2/A(2013)により測定され得る。いくつかの実施形態において、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合、組成物は、185℃~255℃、例えば、185℃~227℃、192℃~234℃、199℃~241℃、206℃~248℃、または213℃~255℃の範囲の1.82MPaでのHDTを示す。上限については、HDTは、255℃未満、例えば、248℃未満、241℃未満、234℃未満、227℃未満、220℃未満、213℃未満、206℃未満、199℃未満、または192℃未満であり得る。下限については、HDTは、185℃超、例えば、192℃超、199℃超、206℃
超、213℃超、220℃超、227℃超、234℃超、241℃超、または248℃であり得る。より高い温度、例えば255℃超、およびより低い温度、例えば185℃未満もまた検討される。
【0073】
[0073]ポリマー材料の融解温度(Tm)は、材料が結晶性からの相転移を起こす温度である。融解温度は、例えば標準試験法ISO11357-3(2018)により測定され得る。いくつかの実施形態において、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合、組成物は、205℃~285℃、例えば205℃~253℃、213℃~261℃、221℃~269℃、229℃~277℃、または237℃~285℃の範囲のTmを示す。上限については、Tmは、285℃未満、例えば、277℃未満、269℃未満、261℃未満、253℃未満、245℃未満、237℃未満、229℃未満、221℃未満、または213℃未満であり得る。下限については、Tmは、205℃超、例えば、213℃超、221℃超、229℃超、237℃超、245℃超、253℃超、261℃超、269℃超、または277℃超であり得る。より高い温度、例えば285℃超、およびより低い温度、例えば205℃未満もまた検討される。
【0074】
[0074]ポリマー材料のHDTとTmとの差は、材料の熱性能に対する補強剤または他の添加剤の効果を示し、材料の加工性に対して意味を有し得る。組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合の提供される組成物のHDTとTmとの差は、例えば、1℃~100℃、例えば、5℃~95℃、5℃~80℃、5℃~65℃、10℃~60℃、15℃~60℃、15℃~50℃、15℃~45℃、15℃~35℃、15℃~27℃、17℃~29℃、19℃~31℃、21℃~33℃、または23℃~35℃の範囲であり得る。組成物のHDTとTmとの差は、20℃~30℃、例えば、20℃~26℃、21℃~27℃、22℃~28℃、23℃~29℃、または24℃~30℃の範囲であり得る。上限については、HDTとTmとの差は、100℃未満、例えば、95℃未満、90℃未満、85℃未満、80℃未満、75℃未満、70℃未満、65℃未満、55℃未満、50℃未満、45℃未満、40℃未満、35℃未満、33℃未満、31℃未満、30℃未満、29℃未満、28℃未満、27℃未満、26℃未満、25℃未満、24℃未満、23℃未満、22℃未満、21℃未満、20℃未満、19℃未満、または17℃未満であり得る。下限については、HDTとTmとの差は、1℃超、3℃超、5℃超、7℃超、10℃超、15℃超、17℃超、19℃超、20℃超、21℃超、22℃超、23℃超、24℃超、25℃超、26℃超、27℃超、28℃超、29℃超、30℃超、31℃超、または33℃超であり得る。より小さい差、例えば15℃未満もまた検討される。
【0075】
[0075]いくつかの実施形態において、ポリマー組成物は、0.095~0.245の範囲の中心点ビームtan(δ)値を示す。この中心点ビームtan(δ)値は、広い動作周波数スペクトル、例えば1Hz~4000Hzにわたってtan(δ)値を定量化するので、組成物の減衰性能の良好な尺度となり得る。中心点ビームtan(δ)値は、例えば、0.095~0.185、0.11~0.2、0.125~0.215、0.14~0.23、または0.155~0.245の範囲であり得る。中心点ビームtan(δ)値は、0.095~0.15、例えば、0.095~0.128、0.1005~0.1335、0.106~0.139、0.1115~0.1445、または0.117~0.15の範囲であり得る。上限については、中心点ビームtan(δ)値は、0.245未満、例えば、0.23未満、0.215未満、0.2未満、0.185未満、0.17未満、0.155未満、0.15未満、0.1445未満、0.139未満、0.1335未満、0.128未満、0.1225未満、0.117未満、0.1115未満、0.106未満、または0.1005未満であり得る。下限については、中心点ビームtan(δ)値は、0.095超、例えば、0.1005超、0.106超、0.1115超、0.117超、0.1225超、0.128超、0.1335超、0.139超、0.1445超、0.15超、0.155超、0.17超、0.185超、0.2超、0.21
5超、または0.23超であり得る。より高い中心ビームポイントtan(δ)値、例えば、0.245超もまた検討される。
【0076】
[0076]ポリマー組成物が高い引張強度を有することは、例えば、引張力に起因する破壊に対する、これらの組成物から製造された製品の耐性を伴うため、有益であり得る。本明細書に開示される組成物は、有益なことに、強化された高温減衰特性のための改変がされていない従来のポリマー組成物と比較して、引張強度が低下しないことを示し得る。引張強度は、例えば標準試験法ASTM D882-18(2018)またはISO 527-2(2012)により測定され得る。
【0077】
[0077]いくつかの実施形態において、提供される組成物は、150MPa~255MPa、例えば、150MPa~213MPa、160.5MPa~223.5MPa、171MPa~234MPa、181.5MPa~244.5MPa、または192MPa~255MPaの範囲の引張強度を示す。組成物の引張強度は、185MPa~205MPa、例えば、185MPa~197MPa、187MPa~199MPa、189MPa~201MPa、191MPa~203MPa、193MPa~205MPaの範囲であり得る。上限については、引張強度は、255MPa未満、例えば244.5MPa未満、234MPa未満、223.5MPa未満、213MPa未満、205MPa未満、203MPa未満、201MPa未満、199MPa未満、197MPa未満、195MPa未満、193MPa未満、191MPa未満、189MPa未満、187MPa未満、185MPa未満、181.5MPa未満、171MPa未満、または160.5MPa未満であり得る。下限については、引張強度は、150MPa超、例えば、160.5MPa超、171MPa超、181.5MPa超、185MPa超、187MPa超、189MPa超、191MPa超、193MPa超、195MPa超、197MPa超、199MPa超、201MPa超、203MPa超、205MPa超、213MPa超、223.5MPa超、234MPa超、または244.5MPa超であり得る。より高い引張強度、例えば255MPa超、およびより低い強度、例えば150MPa未満もまた検討される。
【0078】
[0078]ポリマー組成物の強度は、その伸長特性の観点からも特徴付けられ得る。これらの材料から製造される製品は、低い伸びを有する材料が裂けたり破れたりする原因となり得る伸張力にしばしばさらされるため、ポリマー材料が高い伸びを有することは有益であり得る。本明細書に開示される組成物は、有益なことに、強化された高温減衰特性のための改変がされていない従来のポリマー組成物と比較して、伸びが低下しないことを示し得る。伸びは、例えば標準試験法ASTM D882-18(2018)により測定され得る。
【0079】
[0079]いくつかの実施形態において、提供される組成物は、1.5%~5%、例えば、1.5%~3.6%、1.85%~3.95%、2.2%~4.3%、2.55%~4.65%、または2.9%~5%の範囲の破断点伸びを示す。上限については、伸びは、5%未満、例えば、4.65%未満、4.3%未満、3.95%未満、3.6%未満、3.25%未満、2.9%未満、2.55%未満、2.2%未満、または1.85%未満であり得る。下限については、伸びは、1.5%超、例えば、1.85%超、2.2%超、2.55%超、2.9%超、3.25%超、3.6%超、3.95%超、4.3%超、または4.65%より大きくてもよい。より大きな伸び、例えば5%超、およびより小さな伸び、例えば1.5%未満もまた検討される。
【0080】
[0080]ポリマー組成物の引張弾性率は、延伸力に対する組成物の耐性の尺度である。低い弾性率は、組成物から製造された製品の弾性を増加させ、これらの製品を延伸または熱成形を伴う加工ステップにより適合させることができるので、ポリマー組成物が低い引張
弾性率を有することは有益であり得る。本明細書に開示される組成物は、有益なことに、強化された高温減衰特性のための改変がされていない従来のポリマー組成物と比較して、引張弾性率が上昇しないことを示し得る。引張弾性率は、例えば標準試験法ASTM D882-18(2018)により測定され得る。
【0081】
[0081]いくつかの実施形態において、提供される組成物は、9.5GPa~20.5GPa、例えば、9.5GPa~16.1GPa、10.6GP~17.2GPa、11.7GPa~18.3GPa、12.8GPa~19.4GPa、または13.9GPa~20.5GPaの範囲の引張弾性率を示す。上限については、引張弾性率は、20.5GPa未満、例えば、19.4GPa未満、18.3GPa未満、17.2GPa未満、16.1GPa未満、15GPa未満、13.9GPa未満、12.8GPa未満、11.7GPa未満、または10.6GPa未満であり得る。下限については、引張弾性率は、9.5GPa超、例えば、10.6GPa超、11.7GPa超、12.8GPa超、13.9GPa超、15GPa超、16.1GPa超、17.2GPa超、18.3GPa超、または19.4GPa超であり得る。より高い引張弾性率、例えば20.5GPa超、およびより低い引張弾性率、例えば9.5GPa未満もまた検討される。
【0082】
[0082]ポリマー組成物の衝撃強度は、衝撃荷重による破壊に対する組成物の耐性を示す尺度である。本明細書に開示される組成物は、有益なことに、強化された高温減衰特性のための改変がされていない従来のポリマー組成物と比較して、衝撃強度が低下しないことを示し得る。衝撃強度は、例えばノッチ付きシャルピー衝撃強度またはノッチなしシャルピー衝撃強度については標準試験法ISO179(2010)を用いて、測定され得る。
【0083】
[0083]いくつかの実施形態において、提供される組成物は、7kJ/m2~15kJ/m2、例えば7kJ/m2~11.8kJ/m2、7.8kJ/m2~12.6kJ/m2、8.6kJ/m2~13.4kJ/m2、9.4kJ/m2~14.2kJ/m2または10.2kJ/m2~15kJ/mの範囲のノッチ付きシャルピー衝撃強度を示す。上限については、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は、15kJ/m2未満、例えば、14.2kJ/m2未満、13.4kJ/m2未満、12.6kJ/m2未満、11.8kJ/m2未満、11kJ/m2未満、10.2kJ/m2未満、9.4kJ/m2未満、8.6kJ/m2未満、あるいは7.8kJ/m2未満であり得る。下限については、ノッチ付きシャルピー衝撃強度は、7kJ/m2超、例えば、7.8kJ/m2超、8.6kJ/m2超、9.4kJ/m2超、10.2kJ/m2超、11kJ/m2超、11.8kJ/m2超、12.6kJ/m2超、13.4kJ/m2超または14.2kJ/m2超であり得る。より高い強度、例えば15kJ/m2超、およびより低い強度、例えば7kJ/m2未満もまた検討される。
【0084】
[0084]いくつかの実施形態において、提供される組成物は、50kJ/m2~100kJ/m2、例えば、50kJ/m2~80kJ/m2、55kJ/m2~85kJ/m2、60kJ/m2~90kJ/m2、65kJ/m2~95kJ/m2、または70kJ/m2~100kJ/m2の範囲のノッチなしカルピー衝撃強度を示す。上限については、ノッチなしシャルピー衝撃強度は、100kJ/m2未満、例えば、95kJ/m2未満、90kJ/m2未満、85kJ/m2未満、80kJ/m2未満、75kJ/m2未満、70kJ/m2未満、65kJ/m2未満、60kJ/m2未満、または55kJ/m2未満であり得る。下限については、ノッチなしシャルピー衝撃強度は、50kJ/m2超、例えば、55kJ/m2超、60kJ/m2超、65kJ/m2超、70kJ/m2超、75kJ/m2超、80kJ/m2超、85kJ/m2超、90kJ/m2超、または95kJ/m2超であり得る。より高い強度、例えば100kJ/m2超、およびより低い強度、例えば50kJ/m2未満もまた検討される。
【0085】
[0085]ポリマー組成物の強度は、その疲労特性、例えば、引張疲労または軸受疲労についても特徴付けられ得る。これらの材料から製造される製品は、低い耐疲労性を有する材料に亀裂を生じさせ得る負荷にしばしばさらされるため、ポリマー材料が高い耐疲労性を有することは有益であり得る。本明細書に開示される組成物は、有益なことに、強化された高温減衰特性のための改変がされていない従来のポリマー組成物と比較して、耐疲労性が低下しないことを示す。
【0086】
用途例(連結部品/自動車部品)
[0086]本開示はまた、開示されたポリマー組成物から作られた物品および(連結)部品に関する。ポリアミド組成物の特性は、物品/部品の性能における予想外の改善をもたらす。いくつかの場合において、部品は連結部品であり、連結部品は1つの(自動車)部品を別の(自動車)部品に連結するために使用されてもよい。例えば、連結部品は、エンジンをシャーシに取り付けることができる。(開示されたNVH組成物から作られた)物品/部品が(第1の構成要素と第2の構成要素の間で)振動を効果的に隔離する能力は、静粛化性能をもたらす。そして、予想外である機械的性能の追加的な利点は、より重い構造片の交換を促進することもでき、これは強く望まれる重量減少に寄与する。
【0087】
[0087]また、従来の連結部品は、好適な連結性能およびNVH性能を達成するために、従来のNVH低減片、例えばゴム片を、しばしば複数の剛性構造(金属)片と一緒に用いることが多い。開示されたNVH組成物が連結部品に使用される場合、この複数片構造を回避することができ、複数片を排除して製造効率を向上させることが可能である。
【0088】
[0088]開示された連結部品は、自動車分野で特に有効であることが判明している。これは、少なくとも部分的に、部品が作られる元となる組成物が、上述したように、NVHと機械的性能の両方を実現する能力によるものである。
【0089】
[0089]いくつかの実施形態において、本開示は、開示されたポリアミド組成物から作製され得る(自動車)部品に関連する。ポリアミド組成物の前述の性能特性のため、得られる部品は、機械的性能とバランスのとれたNVH性能において驚くべき改善を示す。
【0090】
[0090]いくつかの場合において、連結部品は、部品本体(第1の構成要素に接触するためのもの)と部品タブ(第2の構成要素に連結するためのもの)とを含む。使用において、本体は、自動車の1つの部分に構成要素を連結するために利用され、一方、タブは、自動車の別の部分に構成要素を取り付ける。例えば、部品はエンジンマウントであってもよく、部品の本体はエンジンブロックとシャーシの間に配置される。部品本体はエンジンブロックに取り付け、タブはシャーシに取り付けることができる。部品本体および部品タブのうちの少なくとも一方は、開示されたポリアミド組成物を含む(または、それらから作られる)。
【0091】
[0091]無数の他の部品が検討される。ほとんどの場合、部品は、NVHおよび機械的性能における前述の予期しない改善を実現しながら、部品を別の部品に連結するという目的を果たす。例えば、部品は、例えば、燃料または電気エンジン用のエンジンマウント、差動マウント、トルクロッド、ラインドブッシング、HVACコンプレッサーブラケット、ストラットマウント、ショックアブソーバーマウント、シャーシマウント、アクセサリーマウント、例えば、水ポンプマウントもしくはコンプレッサマウント、またはトランスミッションマウント、またはこれらの組合せであってもよい。いくつかの場合において、部品はNVH減衰のために追加され得るインサート片であってもよい。
【0092】
[0092]必須ではないが、連結部品は、構造支持片をさらに含んでいてもよい。構造支持片は、当技術分野で周知である。特定の例には、金属支持体、例えば、アルミニウムまた
は鋼のインサート片が挙げられる。
【0093】
[0093]本開示はまた、連結部品を用いて第1の構成要素を第2の構成要素に連結するための方法に関する。方法は、部品本体と部品タブとを含む連結部品を提供するステップを含んでもよい。方法は、部品本体を第1の構成要素に接触させるステップと、部品タブを第2の構成要素に接触させて、第1および第2の構成要素を連結するステップとをさらに含む。この部品は、NVHの問題を最小化する前述の性能上の利点を示す。特定の非限定的な場合において、連結部品はエンジンマウントであり、第1の構成要素はエンジンであり、第2の構成要素はシャーシである。
【0094】
方法
[0094]別の態様において、ポリアミド組成物を調製する方法が開示される。方法は、1つまたは複数の半結晶性ポリアミドを提供するステップを含む。半結晶性ポリアミドは、本明細書に開示されるもののうちのいずれかであってよい。いくつかの実施形態において、方法は、1つまたは複数の非晶質ポリアミドまたはPA66/6Iコポリアミドを提供するステップをさらに含む。非晶質ポリアミドまたはPA66/6Iコポリアミドは、本明細書に開示されたもののいずれかであってよい。いくつかの実施形態において、方法は、1つまたは複数の熱安定剤、潤滑剤、および/または補強剤を提供するステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、得られるポリアミド組成物に所望の熱特性、減衰特性、および機械特性を与えるために、半結晶性ポリアミド、非晶性ポリアミド、PA66/6Iコポリアミド、熱安定剤、滑剤、および/または補強剤の種類を選択するステップをさらに含む。
【0095】
[0095]方法は、1つまたは複数の半結晶性ポリアミドを非晶質ポリアミドまたはPA66/6Iコポリアミドとブレンドするステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、1つまたは複数の熱安定剤、潤滑剤、および/または補強剤をポリアミド組成物に配合するステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、得られるポリアミド組成物に所望の熱特性、減衰特性、および機械特性を与えるために、半結晶性ポリアミド、非晶性ポリアミド、PA66/6Iコポリアミド、熱安定剤、滑剤、および/または補強剤の量を選択するステップをさらに含む。本明細書で使用される場合、用語「ブレンドする」は、組成物への材料自体の添加、または組成物における材料のin situ形成のいずれかを包含することが意図されている。いくつかの実施形態において、組成物と組み合わされる2つ以上の材料が、マスターバッチを介して同時に添加される。
【実施例0096】
[0096]本開示は、以下の非限定的な実施例を考慮すると、より良く理解されるであろう。以下の実施例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲をいかなる形でも限定するものではない。
【0097】
[0097]実施例1~10および比較例Aのポリアミド組成物を、表1に示す材料および量を用いて調製した。非晶質ポリアミドについて、組成物のそれぞれについて、機械的特性、熱特性、および減衰特性を、本明細書で参照した標準的手順に従って測定した。
【0098】
[0098]非晶質ポリアミドは、125℃のTgを有し、水分含有量をほとんどまたは全く有さず;約3GPaの引張弾性率;および約1.18g/cm3の密度を有していた。
【0099】
【0100】
[0099]実施例1および2の組成物はそれぞれ、非晶質ポリアミドと一緒にした半結晶性PA66およびPA6ポリアミドのブレンドをベースとするものである。表1のデータは、これらの実施例のピークtan(δ)温度およびピークtan(δ)値の両方が比較例Aのものに比べて増加したことを示している。さらに、これらの実施例のそれぞれの熱変形温度と融解温度との差は30℃未満である。また、このデータは、比較例のものと比較して、熱的特性または物理的特性に対する悪影響がないことを示している。したがって、これらの結果は、本明細書に開示された非晶質ポリアミド添加剤を含むポリアミド組成物について、機械的性能に影響を与えることなく高温減衰性能を改善できることを示している。
【0101】
[00100]実施例3の組成物は、非晶質ポリアミドと一緒にした半結晶性PA66ポリア
ミドのブレンドをベースとしている。表1のデータは、この実施例のピークtan(δ)温度およびピークtan(δ)値の両方が比較例Aのものに比べて増加したことを示している。さらに、この実施例の熱変形温度と融解温度との差は30℃未満である。また、このデータは、比較例のものと比較して、熱的特性または物理的特性に対する悪影響がないことを示している。したがって、これらの結果は、本明細書に開示された非晶質ポリアミ
ド添加剤を含むポリアミド組成物について、機械的性能に影響を与えることなく高温減衰性能を改善できることをさらに示している。
【0102】
[00101]実施例4の組成物は、半結晶性PA66/6IとPA66/6(コ)ポリアミ
ドのブレンドをベースとしている。表1のデータは、この実施例のピークtan(δ)温度およびピークtan(δ)値の両方が比較例Aのものに比べて増加したことを示している。さらに、この実施例の熱変形温度と融解温度との差は30℃未満である。また、このデータは、比較例のものと比較して、熱的特性または物理的特性に対する悪影響がないことを示している。したがって、これらの結果は、本明細書に開示されたPA66/6Iコポリマー添加剤を含むポリアミド組成物について、機械的性能に影響を与えることなく高温減衰性能を改善できることを示している。
【0103】
[00102]実施例5および6の組成物はそれぞれ、非晶質ポリアミドと一緒にした半結晶
性PA66/6Iポリアミドのブレンドをベースとしている。表1のデータは、これらの実施例のピークtan(δ)温度およびピークtan(δ)値の両方が比較例Aのものに比べて増加したことを示している。また、このデータは、比較例のものと比較して、熱的特性または物理的特性に対する悪影響がないことを示している。したがって、これらの結果は、本明細書に開示された非晶質ポリアミドまたはPA66/6Iコポリマー添加剤を含むポリアミド組成物について、機械的性能に影響を与えることなく高温減衰性能を改善できることを示している。
【0104】
[00103]
図1は、表1に示す半結晶性および非晶質ポリアミドを用いた実施例1~10
の成型時乾燥(DAM)のtan(δ)性能を示している。図示されるとおり、実施例1~10は、比較例Aに対して向上したtan(δ)性能を示している。例えば、実施例は、実施例Aに比べて有意に高いピークtan(δ)温度を示している(下の線(実施例A)対上の線(実施例1~10)を参照されたい)。
【0105】
実施形態
[00104]以下の実施形態が考えられる。特徴および実施形態のすべての組合せが考えら
れる。
【0106】
[00105]実施形態1:1つまたは複数の非晶質ポリアミドと;1つまたは複数の半結晶
性ポリアミドと;を含む組成物であって、0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、50℃超(73℃~103℃の範囲)の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す組成物。
【0107】
[00106]実施形態2:組成物中の1つまたは複数の非晶質ポリアミドの合計濃度が、3
重量%~65重量%(3重量%~53重量%)の範囲である、実施形態1に記載の実施形態。
【0108】
[00107]実施形態3:組成物中の1つ又は複数の半結晶性ポリアミドの合計濃度は、3
0重量%~80重量%(10重量%~70重量%)の範囲である、実施形態1または2に記載の実施形態。
【0109】
[00108]実施形態4:組成物中の1つまたは複数の半結晶性ポリアミドの合計重量と組
成物中の1つまたは複数の非晶質ポリアミドの合計重量の比が0.06:1~13:1(1:1~13:1)である、実施形態1~3の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0110】
[00109]実施形態5:組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合、最大ta
n(δ)が、0.057~0.245(0.095~0.245)の範囲の値を有する、実施形態1~4の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0111】
[00110]実施形態6:(1)1.82MPaで組成物により示される熱変形温度(HD
T)と(2)組成物により示される融解温度(Tm)との差が、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に1℃~100℃(15℃~45℃または30℃未満)の範囲である、実施形態1~5の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0112】
[00111]実施形態7:1つまたは複数の非晶質ポリアミドのうちの少なくとも1つが1
00℃超(100℃~150℃の範囲)のガラス転移温度(Tg)を示す、実施形態1~6の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0113】
[00112]実施形態8:1つまたは複数の非晶質ポリアミドが、非晶質コポリアミドを含
む、実施形態1~7の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0114】
[00113]実施形態9:1つまたは複数の半結晶性ポリアミドが、1つまたは複数のPA
66ポリアミドを含む、実施形態1~8の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0115】
[00114]実施形態10:1つまたは複数の半結晶性ポリアミドが、1つまたは複数のP
A6ポリアミドを含む、実施形態1~9の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0116】
[00115]実施形態11:1つまたは複数の半結晶性ポリアミドが、1つまたは複数のP
A66/6(コ)ポリアミドを含む、実施形態1~10の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0117】
[00116]実施形態12:1つまたは複数の半結晶性ポリアミドが、1つまたは複数以上
のPA66/6Iポリアミドおよび/またはPA66/6Cを含む、実施形態1~11の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0118】
[00117]実施形態13:1つまたは複数のPA66/6Iポリアミドのうちの少なくと
も1つが、5mol%~30mol%の範囲のイソフタル酸含有量を含む、実施形態12に記載の実施形態。
【0119】
[00118]実施形態14:0.1重量%~2重量%の1つまたは複数の潤滑剤をさらに含
む、実施形態1~13の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0120】
[00119]実施形態15:1つまたは複数の潤滑剤が、ステアリン酸アルミニウムを含む
、実施形態14に記載の実施形態。
【0121】
[00120]実施形態16:0.1重量%~2重量%の1つまたは複数の熱安定剤をさらに
含む、実施形態1~15の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0122】
[00121]実施形態17:1つまたは複数の熱安定剤のうちの少なくとも1つが、銅を含
む、実施形態16に記載の実施形態。
【0123】
[00122]実施形態18:15重量%~60重量%の1つまたは複数の鉱物または繊維強
化材をさらに含む、実施形態1~17の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0124】
[00123]実施形態19:1つまたは複数の鉱物または繊維強化材が、ガラス繊維を含む
、実施形態18に記載の実施形態。
【0125】
[00124]実施形態20:20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;2
0重量%~55重量%の半結晶性PA66/6Iポリアミドと;0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;8重量%~40重量%の非晶質ポリアミドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸アルミニウムと;0.1重量%~2重量%の銅熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含み、組成物の最大tan(δ)値は、0.095~0.15の範囲であり、75℃~95℃の温度で示される、実施形態1に記載の実施形態。
【0126】
[00125]実施形態21:20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;2
0重量%~55重量%の半結晶性PA66/6Iポリアミドと;0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;8重量%~40重量%の非晶質ポリアミドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸アルミニウムと;0.1重量%~2重量%の銅熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含み、組成物の最大tan(δ)が、75℃~95℃の範囲の温度で示され、(1)1.82MPaでの組成物のHDTと(2)組成物のTmとの差が15℃~45℃の範囲にある、実施形態1に記載の実施形態。
【0127】
[00126]実施形態22:標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測
定された、150MPa~255MPaの範囲の引張強度を示す、実施形態1~21の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0128】
[00127]実施形態23:20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;2
0重量%~55重量%の半結晶性PA66/6Iポリアミドと;0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;8重量%~40重量%の非晶質ポリアミドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸アルミニウムと;0.1重量%~2重量%の銅熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含み、組成物の最大tan(δ)が、75℃~95℃の範囲の温度で示され、組成物の引張強度が、185MPa~205MPaの範囲である、実施形態1に記載の実施形態。
【0129】
[00128]実施形態24:標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測
定された、1.5%~5%の範囲の破断点伸びを示す、実施形態1~23の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0130】
[00129]実施形態25:標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測
定された、9.5GPa超、例えば、9.5GPa~20.5GPaの範囲の引張弾性率を示す、実施形態1~24の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0131】
[00130]実施形態26:実施形態1~25のいずれかの実施形態であって、7kJ/m
2~15kJ/m2の範囲のノッチ付きシャルピー衝撃強度を示す、実施形態1~25の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0132】
[00131]実施形態27:50kJ/m2~100kJ/m2の範囲のノッチなしシャル
ピー衝撃強度を示す、実施形態1~26の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0133】
[00132]実施形態28:205℃~285℃の範囲のTmを示す、実施形態1~27の
実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0134】
[00133]実施形態29:185℃超、例えば185℃~255℃の範囲の1.82MP
aでのHDTを示す、実施形態1~28の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0135】
[00134]実施形態30:1重量%~50重量%の半結晶性PA66/6(コ)ポリアミ
ドと;第2の半結晶性ポリアミドおよび非晶質ポリアミドからなるリストから選択される、30重量%~80重量%の材料と;を含み、0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、50℃超(73℃~103℃の範囲)の温度で最大tan(δ)を示す組成物。
【0136】
[00135]実施形態31:第2の半結晶性ポリアミドが、5mol%~30mol%の範
囲のイソフタル酸含有量を含むPA66/Iポリアミドからなる、実施形態30に記載の実施形態。
【0137】
[00136]実施形態32:組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合、最大t
an(δ)が、0.057~0.245(0.095~0.245)の範囲の値を有する、実施形態30または31に記載の実施形態。
【0138】
[00137]実施形態33:非晶質ポリアミドが、100℃超(100℃~150℃の範囲
)のガラス転移温度(Tg)を示す、実施形態30~32の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0139】
[00138]実施形態34:非晶質ポリアミドが、部分芳香族ポリアミドを含む、実施形態
30~33の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0140】
[00139]実施形態35:非晶質ポリアミドが、非晶質コポリアミドを含む、実施形態3
0~34の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0141】
[00140]実施形態36:第2の半結晶性ポリアミドが、PA66ポリアミドを含む、実
施形態30~35の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0142】
[00141]実施形態37:第2の半結晶性ポリアミドが、PA6ポリアミドを含む、実施
形態30~35の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0143】
[00142]実施形態38:第2の半結晶性ポリアミドが、PA66/Iポリアミドを含む
、実施形態30~35の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0144】
[00143]実施形態39:0.1重量%~2重量%の1つまたは複数の潤滑剤をさらに含
む、実施形態30~38の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0145】
[00144]実施形態40:1つまたは複数の潤滑剤が、ステアリン酸アルミニウムを含む
、実施形態39に記載の実施形態。
【0146】
[00145]実施形態41:0.1重量%~2重量%の1つまたは複数の熱安定剤をさらに
含む、実施形態30~40の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0147】
[00146]実施形態42:1つは複数の熱安定剤のうちの少なくとも1つが、銅を含む、
実施形態41に記載の実施形態。
【0148】
[00147]実施形態43:15重量%~60重量%の1つまたは複数の鉱物または繊維強
化材をさらに含む、実施形態30~42の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0149】
[00148]実施形態44:1つまたは複数の鉱物または繊維強化材が、ガラス繊維を含む
、実施形態43に記載の実施形態。
【0150】
[00149]実施形態45:標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測
定された、150MPa~255MPaの範囲の引張強度を示す、実施形態30~44の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0151】
[00150]実施形態46:標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測
定された、1.5%~5%の範囲の破断点伸びを示す、実施形態30~45の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0152】
[00151]実施形態47:標準試験法ASTM D882-18(2018)に従って測
定された、9.5GPa~20.5GPaの範囲の引張弾性率を示す、実施形態30~46の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0153】
[00152]実施形態48:7kJ/m2~15kJ/m2の範囲のノッチ付きシャルピー
衝撃強度を示す、実施形態30~47の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0154】
[00153]実施形態49:50kJ/m2~100kJ/m2の範囲のノッチなしシャル
ピー衝撃強度を示す、実施形態30~48の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0155】
[00154]実施形態50:実施形態1~49のいずれか1つに記載の実施形態の組成を有
する樹脂から成形された物品。
【0156】
[00155]実施形態51:1つまたは複数の非晶質ポリアミドと;1つまたは複数の半結
晶性ポリアミドと;を含み、0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す組成物。
【0157】
[00156]実施形態52:組成物中の1つまたは複数の非晶質ポリアミドの合計濃度が、
10重量%~70重量%の範囲である、実施形態51に記載の実施形態。
【0158】
[00157]実施形態53:組成物中の1つまたは複数の半結晶性ポリアミドの合計濃度が
、10重量%~70重量%の範囲である、実施形態51または52に記載の実施形態。
【0159】
[00158]実施形態54:半結晶性ポリアミドが、PA66/6Cを含む、実施形態51
~53のいずれか1つに記載の実施形態。
【0160】
[00159]実施形態55:組成物が、10重量%~70重量%のPA66/6Cを含む、
実施形態51~54のいずれか1つに記載の実施形態。
【0161】
[00160]実施形態56:張弾性率が9.5GPa超であり、組成物が0.2重量%未満
の水分含有量を有する場合に、組成物が42℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、実施形態51~55のいずれか1つに記載の実施形態。
【0162】
[00161]実施形態57:引張弾性率が9.5GPa超であり、熱変形温度が185℃超
である、実施形態51~56のいずれか1つに記載の実施形態。
【0163】
[00162]実施形態58:非晶質ポリアミドが、MPMD-TおよびMPMD-Iのポリ
アミドブレンドを含む、実施形態51~57のいずれか1つに記載の実施形態。
【0164】
[00163]実施形態59:非晶質ポリアミドが、MPMD-TおよびMPMD-Iのポリ
アミドブレンドを含み、半結晶性ポリアミドが、PA66/6Cを含む、実施形態51~58のいずれか1つに記載の実施形態。
【0165】
[00164]実施形態60:20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;0
~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;10重量%~70重量%の、MPMD-T/MPMD-Iとのポリアミドブレンドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸塩と;0.1重量%~2重量%の熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含む、実施形態51~59のいずれか1つに記載の実施形態。
【0166】
[00165]実施形態61:10重量%~70重量%の半結晶性PA66/6Cと;0~1
1重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;10重量%~70重量%の非晶質ポリアミドと;15重量%~60重量%のガラス繊維と;0.1重量%~2重量%のステアリン酸塩と;0.1重量%~2重量%の熱安定剤と;0~6重量%の着色剤と;0.2重量%未満の水分含有量を含む、実施形態51~60のいずれか1つに記載の実施形態。
【0167】
[00166]実施形態62:Tgが100℃~200℃である低Tgポリマー、およびTg
が0℃~160℃である高Tgポリマーを含み、0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す組成物。
【0168】
[00167]実施形態63:第1の構成要素に接触するための部品本体と;第1の構成要素
と第2の構成要素を連結するために第2の構成要素に接触するための部品タブを含み、部品本体および部品タブのうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の非晶質ポリアミドと;1または複数の半結晶性ポリアミドと;を含む組成物を含み、部品は、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、連結部品。
【0169】
[00168]実施形態64:第1の構成要素に接触するための部品本体と、第1の構成要素
と第2の構成要素を連結するために第2の構成要素に接触するための部品タブとを含む連結部品であって、部品本体および部品タブのうちの少なくとも1つは、1重量%~50重量%の半結晶性PA66/6(コ)ポリアミドと;第2の半結晶性ポリアミドおよび非晶質ポリアミドからなるリストから選択される30重量%~80重量%の材料と;を含む組成物を含み、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大tan(δ)を示す連結部品。
【0170】
[00169]実施形態65:構造支持片をさらに含む、実施形態63または64に記載の実
施形態。
【0171】
[00170]実施形態66:部品が、エンジンマウント、ディファレンシャルマウント、ト
ルクロッド、およびHVACコンプレッサーブラケット、ストラットマウント、緩衝器マウント、または変速装置マウント、またはこれらの組合せである、実施形態63~65の実施形態のいずれか1つに記載の実施形態。
【0172】
[00171]実施形態67:第1の構成要素を第2の構成要素に連結するための方法であっ
て、部品本体と部品タブとを含む連結部品を用意する工程と;部品本体を第1の構成要素に接触させる工程と;部品タブを第2の構成要素に接触させて第1および第2の構成要素を連結する工程とを含み、組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、部品が40℃超の温度で最大tan(δ)を示す、方法。
【0173】
[00172]実施形態68:連結部品がエンジンマウントであり、第1の構成要素がエンジ
ンであり、第2の構成要素がシャーシである、実施形態67に記載の実施形態。
【0174】
[00173]本発明を詳細に説明したが、本発明の趣旨および範囲内での変更は、前述の議
論、当技術分野の関連知識、および背景および詳細な説明に関連して上述した参考文献に照らして、当業者には容易に明らかになるものであり、その開示内容はすべて参照により本書に組み込まれる。加えて、本発明の態様ならびに以下におよび/または添付の特許請求の範囲に記載された様々な実施形態および様々な特徴の一部は、全部または一部を組み合わせても入れ替えてもよいことが理解されるべきである。様々な実施形態の前述の説明において、別の実施形態に言及する実施形態は、当業者には理解されるように、他の実施形態と適切に組み合わせることができる。さらに、当業者であれば、前述の説明は例示に過ぎず、本発明を限定することを意図していないことがわかるであろう。
[00173]本発明を詳細に説明したが、本発明の趣旨および範囲内での変更は、前述の議論、当技術分野の関連知識、および背景および詳細な説明に関連して上述した参考文献に照らして、当業者には容易に明らかになるものであり、その開示内容はすべて参照により本書に組み込まれる。加えて、本発明の態様ならびに以下におよび/または添付の特許請求の範囲に記載された様々な実施形態および様々な特徴の一部は、全部または一部を組み合わせても入れ替えてもよいことが理解されるべきである。様々な実施形態の前述の説明において、別の実施形態に言及する実施形態は、当業者には理解されるように、他の実施形態と適切に組み合わせることができる。さらに、当業者であれば、前述の説明は例示に過ぎず、本発明を限定することを意図していないことがわかるであろう。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]好ましくは3重量%~65重量%の範囲の量で存在する、1つまたは複数の非晶質ポリアミド、好ましくはPA66ポリアミドと;
好ましくは10重量%~70重量%の範囲の量で存在する、1つまたは複数の半結晶性ポリアミドと;
を含む組成物であって、
組成物が0.2重量%以下の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、組成物。
[2]組成物の熱変形温度と融解温度との差が45℃未満である、[1]に記載の組成物。
[3]半結晶性ポリアミドが、PA66/6Cを含む、[1]に記載の組成物。
[4]組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、最大tan(δ)が0.057~0.245の範囲の値を有する、[1]に記載の組成物。
[5]組成物が9.5GPa超の引張弾性率を示し、組成物が0.2重量%未満の水分含有量および/または9.5GPa超の引張弾性率および/または185℃超の熱変形温度を有する場合に、組成物が42℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、[1]に記載の組成物。
[6]非晶質ポリアミドが、MPMD-TおよびMPMD-Iのポリアミドブレンドを含む、[1]に記載の組成物。
[7]20重量%~55重量%の半結晶性PA66ポリアミドと;
0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;
10重量%~70重量%の、MPMD-T/MPMD-Iとのポリアミドブレンドと;
15重量%~60重量%のガラス繊維と;
0.1重量%~2重量%のステアリン酸塩と;
0.1重量%~2重量%の熱安定剤と;
0~6重量%の着色剤と;
0.2重量%未満の水分含有量と
を含む、[1]に記載の組成物。
[8]10重量%~70重量%の半結晶性PA66/6Cと;
0~11重量%の半結晶性PA6ポリアミドと;
10重量%~70重量%の非晶質ポリアミドと;
15重量%~60重量%のガラス繊維と;
0.1重量%~2重量%のステアリン酸塩と;
0.1重量%~2重量%の熱安定剤と;
0~6重量%の着色剤と;
0.2重量%未満の水分含有量と
を含む、[1]に記載の組成物。
[9]1重量%~50重量%の半結晶性PA66/6(コ)ポリアミドと;
第2の半結晶性ポリアミドおよび非晶質ポリアミドからなるリストから選択される、30重量%~80重量%の材料と;
を含む組成物であって、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大(tan(δ))を示す、組成物。
[10]T
g
が100℃~200℃である低T
g
ポリマーと、
T
g
が0℃~160℃である高T
g
ポリマーと、
を含む組成物であって、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、組成物。
[11]第1の構成要素に接触するための部品本体と;
第1の構成要素と第2の構成要素を連結するために第2の構成要素に接触するための部品タブと、
を含む連結部品であって、
部品本体および部品タブのうちの少なくとも1つは、
1つまたは複数の非晶質ポリアミドと;
1つまたは複数の半結晶性ポリアミドと;
を含む組成物を含み、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大粘弾性損失係数(tan(δ))を示す、連結部品。
[12]第1の構成要素に接触するための部品本体と;
第1の構成要素と第2の構成要素を連結するために第2の構成要素に接触するための部品タブと、
を含む連結部品であって、
部品本体および部品タブのうちの少なくとも1つは、
1重量%~50重量%の半結晶性PA66/6(コ)ポリアミドと;
第2の半結晶性ポリアミドおよび非晶質ポリアミドからなるリストから選択される、30重量%~80重量%の材料と;
を含む組成物を含み、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、40℃超の温度で最大tan(δ)を示す、連結部品。
[13]エンジンマウント、ディファレンシャルマウント、トルクロッド、およびHVACコンプレッサーブラケット、ストラットマウント、緩衝器マウント、または変速装置マウント、またはこれらの組合せである、[11]に記載の連結部品。
[14]第1の構成要素を第2の構成要素に連結するための方法であって、
部品本体と部品タブとを含む連結部品を用意する工程と;
部品本体を第1の構成要素に接触させる工程と;
部品タブを第2の構成要素に接触させて第1および第2の構成要素を連結する工程とを含み、
組成物が0.2重量%未満の水分含有量を有する場合に、部品が40℃超の温度で最大tan(δ)を示す、方法。
[15]連結部品がエンジンマウントであり、第1の構成要素がエンジンであり、第2の構成要素がシャーシである、[14]に記載の方法。