(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024174995
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20241210BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20241210BHJP
G09G 3/3266 20160101ALI20241210BHJP
G09G 3/3275 20160101ALI20241210BHJP
G11C 19/28 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G09G3/20 622E
G09G3/20 623H
G09G3/20 670J
G09G3/20 670E
G09G3/20 611C
G09G3/36
G09G3/3266
G09G3/3275
G09G3/20 612K
G09G3/20 612E
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G11C19/28 230
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024157507
(22)【出願日】2024-09-11
(62)【分割の表示】P 2023189281の分割
【原出願日】2006-10-16
(31)【優先権主張番号】P 2005303771
(32)【優先日】2005-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】梅崎 敦司
(57)【要約】 (修正有)
【課題】非選択期間においてノイズが少なく、且つトランジスタを常時オンすることのない半導体装置、シフトレジスタ回路を提供することを目的とする。
【解決手段】第1~第4のトランジスタを設け、第1のトランジスタ31の、ソースとドレインのうち一方を第1の配線VDDに接続し、他方を第2のトランジスタ32のゲート電極と接続し、ゲート電極を第5の配線11に接続し、第2のトランジスタ32の、ソースとドレインのうち一方を第3の配線12に接続し、他方を第6の配線に接続し、第3のトランジスタの、ソースとドレインのうち一方を第2の配線に接続し、他方を第2のトランジスタ32のゲート電極に接続し、ゲート電極を第4の配線13に接続し、第4のトランジスタの、ソースとドレインのうち一方を第2の配線に接続し、他方を第6の配線14に接続し、ゲート電極を第4の配線13に接続する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1乃至第4のトランジスタを有し、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、電源線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記電源線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方には、第1のクロック信号が入力される半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。特に、トランジスタを用いて構成されるシフトレジス
タに関する。また、当該半導体装置を具備する表示装置、及び当該表示装置を具備する電
子機器に関する。
【0002】
なお、ここでいう半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を
指すものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、液晶表示装置や発光装置などの表示装置は、液晶テレビなどの大型表示装置の増
加から、活発に開発が進められている。特に絶縁体上に非結晶半導体により形成されたト
ランジスタを用いて、画素回路、及びシフトレジスタ回路等を含む駆動回路(以下、内部
回路)を一体形成する技術は、低消費電力化、低コスト化に大きく貢献するため、活発に
開発が進められている。絶縁体上に形成された内部回路は、FPC等を介してコントロー
ラIC等に(以下、外部回路という)と接続され、その動作が制御されている。
【0004】
例えば、非結晶半導体により形成されたNチャネル型トランジスタのみを用いて構成さ
れたシフトレジスタ回路が考案されている(例えば、特許文献1)。しかし、特許文献1
に示す回路では、非選択期間にシフトレジスタ回路の出力がフローティングになるため、
非選択期間にノイズが発生しているという問題があった。
【0005】
この問題を解決するために、非選択期間にシフトレジスタ回路の出力をフローティング
にしないシフトレジスタ回路が考案されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】2.0inch a-Si:H TFT-LCD with Low Noise Integrated Gate Driver SID’05 Digest P942-945
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1では、非選択期間に出力と電源との間に直列に接続したトランジスタを常
時オンすることによって、電源電圧を出力している。また、シフトレジスタ回路の動作期
間の大部分の期間は非選択期間であるため、トランジスタが非選択期間に常時オンしてい
れば、シフトレジスタ回路の動作期間の大部分の期間でオンすることになる。
【0009】
しかしながら、非結晶半導体により形成されたトランジスタは、オンする時間、印加す
る電圧に従って、特性が劣化することが知られている。中でも、しきい値電圧が上昇する
しきい値電圧シフトは顕著であり、シフトレジスタ回路における誤動作の大きな原因の1
つとなる。
【0010】
このような問題点に鑑み、本発明は、非選択期間においてもノイズが少なく、且つトラ
ンジスタを常時オンすることのない半導体装置、シフトレジスタ回路、及びこのような半
導体装置を具備する表示装置、及び当該表示装置を具備する電子機器を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の半導体装置は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトラン
ジスタと、第4のトランジスタとを有し、第1のトランジスタは、ゲートに第1の信号が
入力され、ソース又はドレインの一方に所定の電位が入力され、ソース又はドレインの他
方は第2のトランジスタのゲート及び第3のトランジスタのソース又はドレインの一方と
接続され、第2のトランジスタは、ソース又はドレインの一方に第2の信号が入力され、
ソース又はドレインの他方が出力端子に接続され、第3のトランジスタは、ゲートに第3
の信号が入力され、ソース又はドレインの他方に所定の電位が入力され、第4のトランジ
スタは、ゲートに第3の信号が入力され、ソース又はドレインの一方に所定の電位が入力
され、ソース又はドレインの他方が出力端子と接続されている。
【0012】
本発明のシフトレジスタは、複数の段からなるシフトレジスタであって、シフトレジス
タ回路の各段は、前の段からハイレベルの出力信号が入力されることによってオンして、
ハイレベル程度の電位を出力する第1のトランジスタと、第1のトランジスタの出力によ
ってオンして、ソースとドレインのうち一方は第1の信号線と接続され、ソースとドレイ
ンのうち他方は次の段の第1のトランジスタと接続されている第2のトランジスタと、前
の段からローレベルの出力信号が入力され、第2のトランジスタがブートストラップ動作
をしていない期間に、第2のトランジスタのゲートにローレベルの電位を一定期間毎に出
力する第1の手段と、前の段からローレベルの出力信号が入力され、第2のトランジスタ
がブートストラップ動作をしていない期間に、第2のトランジスタのソースとドレインの
うち他方にローレベルの電位を一定期間毎に出力する第2の手段とを備えることを特徴と
している。
【0013】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の手段と第2の手段は第2の信号
線によって制御されることを特徴としている。
【0014】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の手段は第2の信号線がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、第2の信号線がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第3のトランジスタを含む回路構成によって実現することを特徴とし
ている。
【0015】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第2の手段は第2の信号線がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、第2の信号線がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第4のトランジスタを含む回路構成によって実現することを特徴とし
ている。
【0016】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の手段は次の段の出力信号によっ
て制御され、第2の手段は第2の信号線によって制御されることを特徴としている。
【0017】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の手段は次の段の出力がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、次の段の出力がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第5のトランジスタを含む回路構成によって実現することを特徴とし
ている。
【0018】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第2の手段は第2の信号線がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、第2の信号線がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第6のトランジスタを含む回路構成によって実現することを特徴とし
ている。
【0019】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の手段は第2の信号線によって制
御され、第2の手段は第2の信号線、及び第3の信号線によって制御されることを特徴と
している。
【0020】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の手段は次の段の出力がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、次の段の出力がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第7のトランジスタを含む回路構成によって実現することを特徴とし
ている。
【0021】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第2の手段は第2の信号線がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、第2の信号線がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第8のトランジスタを含む回路構成によって実現することを特徴とす
るシフトレジスタと、第3の信号線がハイレベルのときにローレベルの電位を出力し、第
3の信号線がローレベルのときになにも出力しない機能を有するに第9のトランジスタを
含む回路構成によって実現することを特徴とするシフトレジスタとを含む回路構成によっ
て実現することを特徴としている。
【0022】
本発明のシフトレジスタは、複数の段からなるシフトレジスタであって、シフトレジス
タ回路の各段は、前の段からハイレベルの出力信号が入力されることによってオンして、
ハイレベル程度の電位を出力する第1のトランジスタと、第1のトランジスタの出力によ
ってオンして、ソースとドレインのうち一方は第1の信号線と接続され、ソースとドレイ
ンのうち他方は次の段の第1のトランジスタと接続されている第2のトランジスタと、前
の段からローレベルの出力信号が入力され、第2のトランジスタがブートストラップ動作
をしていない期間に、第2のトランジスタのゲートにローレベルの電位を一定期間毎に出
力する第1の手段と、第2のトランジスタがブートストラップ動作をしていない期間に、
第2のトランジスタのソースとドレインのうち他方にローレベルの電位を出力する第3の
手段とを備えることを特徴としている。
【0023】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の手段は第2の信号線によって制
御され、第3の手段は第1の信号、第2の信号、第3の信号、及び第2のトランジスタの
ゲートの電位の反転信号によって制御されることを特徴としている。
【0024】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の手段は第2の信号線がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、第2の信号線がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第10のトランジスタを含む回路構成によって実現することを特徴と
している。
【0025】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第2の手段は第2の信号線がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、第2の信号線がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第11のトランジスタと、第3の信号線がハイレベルのときにローレ
ベルの電位を出力し、第2の信号線がローレベルのときになにも出力しない機能を有する
に第12のトランジスタと、第2のトランジスタのゲートの電位の反転信号がハイレベル
のときに第1の信号線の信号を出力し、第2のトランジスタのゲートの電位の反転信号が
ローレベルのときになにも出力しない機能を有する第13のトランジスタと、第13のト
ランジスタが第1の信号線の信号を出力して、第1の信号線がハイレベルのときにローレ
ベルの電位を出力し、第1の信号線がローレベル、及び第13のトランジスタがなにも出
力しないときになにも出力しない機能を有する第14のトランジスタとを含む回路構成に
よって実現することを特徴としている。
【0026】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第2のトランジスタのゲートの電位が
ハイレベルのときにローレベルの電位を出力し、第2のトランジスタのゲートの電位がロ
ーレベルのときになにも出力しない機能を有する第15のトランジスタと、一方の端子が
ハイレベルの電位と接続され、他方の端子が第14のトランジスタの出力と接続さされて
いる抵抗成分を持つ素子とを含む回路構成によって実現することを特徴としている。
【0027】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、抵抗成分を持つ素子はダイオード接続
された第16のトランジスタであることを特徴とするシフトレジスタ。
【0028】
本発明のシフトレジスタは、複数の段からなるシフトレジスタであって、シフトレジス
タ回路の各段は、前の段からハイレベルの出力信号が入力されることによってオンして、
ハイレベル程度の電位を出力する第1のトランジスタと、第1のトランジスタの出力によ
ってオンして、ソースとドレインのうち一方は第1の信号線と接続され、ソースとドレイ
ンのうち他方は次の段の第1のトランジスタと接続されている第2のトランジスタと、前
の段からローレベルの出力信号が入力され、第2のトランジスタがブートストラップ動作
をしていない期間に、第2のトランジスタのゲートにローレベルの電位を出力する第4の
手段と、第2のトランジスタがブートストラップ動作をしていない期間に、第2のトラン
ジスタのソースとドレインのうち他方にローレベルの電位を出力する第3の手段とを備え
ることを特徴としている。
【0029】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第3の手段、及び第4の手段は第1の
信号線、第2の信号線、第3の信号線、及び第2のトランジスタのゲートの電位の反転信
号によって制御されることを特徴としている。
【0030】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第2の手段は第2の信号線がハイレベ
ルのときにローレベルの電位を出力し、第2の信号線がローレベルのときになにも出力し
ない機能を有するに第17のトランジスタと、第2のトランジスタのゲートの電位の反転
信号がハイレベルのときに第1の信号線の信号を出力し、第2のトランジスタのゲートの
電位の反転信号がローレベルのときになにも出力しない機能を有する第18のトランジス
タと、第2のトランジスタのゲートの電位の反転信号がハイレベルのときに第3の信号線
の信号を出力し、第2のトランジスタのゲートの電位の反転信号がローレベルのときにな
にも出力しない機能を有する第19のトランジスタと、第18のトランジスタが第1の信
号線の信号を出力して、第1の信号線がハイレベルのときにローレベルの電位を出力し、
第1の信号線がローレベル、及び第18のトランジスタがなにも出力しないときになにも
出力しない機能を有する第20のトランジスタと、第18のトランジスタが第1の信号線
の信号を出力して、第1の信号線がハイレベルのときにローレベルの電位を出力し、第1
の信号線がローレベル、及び第19のトランジスタがなにも出力しないときになにも出力
しない機能を有する第21のトランジスタとを含む回路構成によって実現することを特徴
としている。
【0031】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第2のトランジスタのゲート、ソース
とドレインのうち他方との間に容量素子を接続することを特徴としている。
【0032】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1のトランジスタのゲートは前の段
の出力信号が入力され、ソースとドレインのうち一方はハイレベルの電源線と接続され、
ソースとドレインのうち他方は第2のトランジスタのゲート接続されていることを特徴と
している。
【0033】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1のトランジスタのゲートは前の段
の出力信号が入力され、ソースとドレインのうち一方はハイレベルの電源線と接続され、
ソースとドレインのうち他方は第2のトランジスタのゲートと接続されていることを特徴
としている。
【0034】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1のトランジスタのゲート及びソー
スとドレインのうち一方は前の段の出力信号が入力され、ソースとドレインのうち他方は
第2のトランジスタのゲートと接続されていることを特徴としている。
【0035】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、N段目(Nは自然数)に入力される第
1の信号線伝達される制御信号と、N+1段目に入力される第1の信号線から伝達される
制御信号と、N+2段目に入力される第1の信号線から伝達される制御信号とが120度
の位相差を持つことを特徴としている。
【0036】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、N段目(Nは自然数)に入力される第
2の信号線から伝達される制御信号と、N+1段目に入力される第2の信号線から伝達さ
れる制御信号と、N+2段目に入力される第2の信号線から伝達される制御信号とが12
0度の位相差を持つことを特徴としている。
【0037】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、N段目(Nは自然数)に入力される第
3の信号線から伝達される制御信号と、N+1段目に入力される第3の信号線から伝達さ
れる制御信号と、N+2段目に入力される第3の信号線から伝達される制御信号とが12
0度の位相差を持つことを特徴としている。
【0038】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1のトランジスタ乃至第21のトラ
ンジスタは非結晶半導体によって構成されることを特徴としている。
【0039】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第1の信号線、第2の信号線、及び第
3の信号線と、第1のトランジスタ乃至第21のトランジスタとの間に少なくとも1本の
電源線を有することを特徴としている。
【0040】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、第2のトランジスタのチャネル領域は
U字がたとなっていることを特徴としている。
【0041】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、シフトレジスタの出力信号はレベルシ
フト回路を介して出力することを特徴としている。
【0042】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、シフトレジスタに入力される制御信号
はレベルシフト回路を介して入力されることを特徴としている。
【0043】
本発明のシフトレジスタは、上記構成において、シフトレジスタの出力信号によって複
数のスイッチング素子を順にオンすることを特徴としている。
【0044】
本発明の表示装置は、上記構成において、画素と、シフトレジスタを用いて構成される
ゲートドライバと、ゲートドライバの出力信号を画素に伝達するゲート信号線と、ビデオ
信号を画素に伝達するソース信号線とを少なくとも有し、ゲートドライバの出力信号によ
って画素を選択し、選択された画素にビデオ信号を書き込むことを特徴している。
【0045】
また、画素は、印加される電圧によって透過率が変わる液晶素子と、ゲート信号線によ
ってオン、オフが制御されるスイッチング素子として動作する第22のトランジスタとを
少なくとも有し、オンとなった第22のトランジスタ介して液晶素子にビデオ信号が書き
込まれることを特徴としている。
【0046】
本発明の表示装置は、非結晶半導体を用いたトランジスタで構成されるゲートドライバ
であって、ゲートドライバは対向に配置され、同一のタイミングで同一のゲート信号線を
選択することを特徴としている。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、非選択期間において、電源電圧を出力する複数のトランジスタを順に
オンすることによって、常時オンするトランジスタを無くすことができるため、トランジ
スタの特性劣化を抑制することができる。また、非選択期間において、常時、又は一定期
間固定電圧を出力することでノイズを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図2】第1の実施形態のタイミングチャートを示す図。
【
図5】第2の実施形態、乃至第4の実施形態を示す図。
【
図15】第5の実施形態、及び第6の実施形態を示す図。
【
図16】第5の実施形態、及び第6の実施形態を示す図。
【
図62】第3の実施形態、及び第4の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明
に限定されず、本発明の趣旨、及びその範囲から逸脱することなく、その形態、及び詳細
をさまざまに変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下
に示す実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0050】
(第1の実施形態)
本実施形態は、非選択期間の出力電圧のノイズを減らすために、一定期間毎にVSSを
出力することでノイズを減らすことを特徴とするシフトレジスタ回路の構成、及び動作に
ついて、
図1乃至
図4を参照して説明する。
【0051】
図1に示すように、回路10はn個(nは2以上の自然数)の回路SR(1)~SR(
n)を直列に接続して、シフトレジスタ回路を構成している。
【0052】
入力端子11は、1段目の回路10であるSR(1)ではスタートパルスを入力し、2
段目以降の回路10は前段の出力端子14からの出力を入力するための入力端子である。
入力端子12は、1段目の回路10であるSR(1)ではクロック信号であるCK1、2
段目の回路10であるSR(2)ではクロック信号であるCK2、3段目の回路10であ
るSR(3)ではクロック信号CK3、4段目の回路10であるSR(4)ではCK1と
いうようにCK1、CK2、及びCK3を順に入力する入力端子である。
【0053】
入力端子13は、1段目の回路10であるSR(1)ではCK2、2段目の回路10で
あるSR(2)ではCK3、3段目の回路10であるSR(3)ではCK1、4段目の回
路10であるSR(4)ではCK2というようにCK1、CK2、及びCK3を順に入力
する入力端子である。出力端子14は、回路10の出力端子であり、1段目の回路10で
あるSR(1)ではOUT(1)を出力して、且つ2段目の回路10であるSR(2)の
入力端子11にOUT(1)を出力し、2段目の回路10であるSR(2)ではOUT(
2)を出力して、且つ3段目の回路10であるSR(3)の入力端子11にOUT(2)
を出力する。なお、入力端子11~14は、それぞれ配線に接続されている。
【0054】
ここで、SSP、CK1、CK2、及びCK3は、HighとLowの2値の値を持つ
1ビットの信号である。また、OUT(1)、OUT(2)、OUT(3)、OUT(n
-1)、及びOUT(n)も、HighとLowの2値の値を持つ1ビットの出力である
。Highは正電源であるVDDと同一の電位であり、Lowは負電源であるVSSと同
一の電位である。
【0055】
図1のシフトレジスタ回路の動作について、
図2に示す本実施形態のタイミングチャー
トを参照して説明する。
【0056】
図2において、SSPは任意のタイミングでパルス幅がCK1、CK2及びCK3の1
/3周期となるHighのスタートパルスである。CK1、CK2、及びCK3は3相の
クロック信号である。また、
図1において、CK3がHighとなるときにSSPもHi
ghとなることが望ましい。nodeP(1)は、後に説明する
図3のnodePの電位
である。OUT(1)は1段目の回路10であるSR(1)の出力であり、OUT(2)
は2段目の回路10であるSR(2)の出力であり、OUT(3)は3段目の回路10で
あるSR(3)の出力であり、OUT(n-1)はn-1段目の回路10であるSR(n
-1)の出力であり、OUT(n)はn段目の回路10であるSR(n)の出力である。
【0057】
図2のタイミングチャートに示すように、期間T1においてSSPがHighとなると
、期間T2においてOUT(1)がHighとなり、期間T3においてOUT(2)がH
ighとなる。こうして、SSPの出力をシフトすることによってシフトレジスタ回路を
構成している。
【0058】
次に、
図3を参照して、1段目の回路10の構成について説明する。
【0059】
図3に示す回路10は、入力端子11、入力端子12、入力端子13、出力端子14、
トランジスタ31、トランジスタ32、容量素子33、回路34、回路35から構成され
ている。なお、入力端子11~13は、それぞれ配線に接続されている。入力端子11、
入力端子12、入力端子13、出力端子14は、
図1で説明したものと同様なものとする
。トランジスタ31及びトランジスタ32は、Nチャネル型トランジスタであり、非結晶
半導体、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。容量素子33は
、2つの電極を持つ容量素子である。回路34は、CK2がHighの場合にnodeP
にLowを出力し、CK2がLowの場合に出力がフローティングになる機能を有する回
路である。回路35は、CK2がHighの場合に出力端子14にLowを出力し、CK
2がLowの場合に出力がフローティングになる機能を有する回路である。
【0060】
図3の接続関係について説明する。トランジスタ31のゲートは入力端子11と接続さ
れ、ソースとドレインのうち一方はVDDと接続され、ソースとドレインのうち他方は容
量素子33の一方の電極、トランジスタ32のゲート及び回路34の出力端子、つまりn
odePと接続されている。また、トランジスタ32のソースとドレインのうち一方は入
力端子12と接続され、ソースとドレインのうち他方は回路35の出力端子、容量素子3
3の他方の端子及び出力端子14と接続されている。入力端子13は回路34の入力端子
及び回路35の入力端子と接続されている。
【0061】
図3の動作について、
図2に示す本実施形態のタイミングチャートを参照して、期間T
1、期間T2及び期間T3に分けて説明する。また、初期状態として、nodeP及びO
UT(1)の電位はVSSとする。
【0062】
期間T1において、SSPがHigh、CK1がLow、CK2がLow、CK3がH
ighとなる。このときのトランジスタ31のゲートの電位はVDD、ソースとドレイン
のうち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなるため、当
該トランジスタ31がオンして、nodePの電位がVSSから上昇し始める。node
Pの電位の上昇は、VDDからトランジスタ31のしきい値電圧分小さい電位となるとこ
ろで止まり、トランジスタ31はオフする。このときのnodePの電位をVn1とする
。また、回路34及び回路35は、CK2がLowとなっているため、出力はフローティ
ングとなる。そのため、nodePには電荷が供給されないため、フローティングとなる
。このときのトランジスタ32のゲートの電位はVn1、ソースとドレインのうち一方の
電位はVSS、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなるため、当該トランジス
タ32は、オンしている。しかし、ソースとドレインのうち一方の電位とソースとドレイ
ンのうち他方の電位とが同電位であり、電荷の移動はないため、電流は流れず、電位も変
動しない。そして、容量素子33は出力端子14の電位であるVSSとnodePの電位
であるVn1との電位差を保持している。
【0063】
期間T2において、SSPがLow、CK1がHigh、CK2がLow、CK3がL
owとなる。このときのトランジスタ31のゲートの電位はVSS、ソースとドレインの
うち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVn1となるため、当該
トランジスタ31はオフする。回路34及び回路35は、CK2がLowとなっているた
め、出力はフローティングとなる。このときのトランジスタ32のゲートの電位はVn1
、ソースとドレインのうち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方、つまり出
力端子14の電位はVSSとなるため、当該トランジスタ32がオンして、出力端子14
の電位が上昇し始める。すると、トランジスタ32のゲートと、ソースとドレインのうち
他方の間に接続されている容量素子33は、期間T1で保持した電位差をそのまま保持す
るため、ソースとドレインのうち他方の電位が上昇すると、ゲート電圧も同時に上昇する
。このときの、nodePの電位をVn2とする。nodePの電位がVDDとトランジ
スタ32のしきい値電圧との和まで上昇すると、出力端子14の電位の上昇はCK1と同
じVDDになるところで止まる。いわゆる、ブートストラップ動作によって、CK1のH
ighの電位であるVDDまで、出力端子14の電位を上昇することができる。
【0064】
期間T3において、SSPがLow、CK1がLow、CK2がHight、CK3が
Lowとなる。このとき、nodePの電位は、CK2がHighであり、回路34から
VSSが出力されるためVSSとなり、OUT(1)の電位も回路35からVSSが出力
されるためVSSとなる。このときのトランジスタ31のゲート電位はVSS、ソースと
ドレインのうち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなり
、当該トランジスタ31はオフする。トランジスタ32のゲートの電位はVss、ソース
とドレインのうち一方の電位はVSS、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとな
り、当該トランジスタ32はオフする。
【0065】
上記説明した期間T1、期間T2、期間T3の動作により、期間T1にSSPが入力さ
れるとOUT(1)が期間T2に出力される。つまり、SSPがクロック信号の1/3周
期ずつシフトして出力される回路10をn段接続することにより、シフトレジスタ回路を
構成している。
【0066】
図3においては、1段目の回路10であるSR(1)を示したが、n段目の回路10で
あるSR(n)について
図51を参照して説明する。
図51において、トランジスタ31
、トランジスタ32、容量素子33、回路34、回路35、入力端子11、入力端子12
、入力端子13、及び出力端子14は
図3で説明したものと同様なものとする。入力端子
11から入力される入力信号は前の段の回路10の出力端子14と接続されていることを
特徴とする。
【0067】
なお、トランジスタ31のゲート及びトランジスタ32のソースとドレインのうち他方
は電源線となる配線(以下、「電源線」と記す)と接続してもよく、例えば正電源VDD
、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続してもよいし、他の信号線となる配
線(以下、「信号線」と記す)と接続してもよい。また、トランジスタ31のソースとド
レインのうち他方は信号線と接続してもよく、例えばCK1、CK2、CK3、SSPな
どの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続してもよい。
【0068】
図3に示したシフトレジスタ回路で用いたトランジスタはNチャネル型トランジスタの
みで構成する単極性回路であったが、Pチャネル型トランジスタのみで構成してもよい。
もちろん、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタ組み合わせてもよい。
トランジスタを全てPチャネル型トランジスタで構成した場合のシフトレジスタ回路につ
いて
図55を参照して説明する。
【0069】
図55に示す回路構成において、正電源VDD、負電源VSS、入力端子11、入力端
子12、入力端子13、出力端子14は
図3と同様なものを用いることができる。トラン
ジスタ551、及びトランジスタ552はPチャネル型トランジスタであり、非結晶半導
体、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。容量素子553は2
つの電極を持つ容量素子である。回路554はCK2がLowの場合にnodePにHi
ghを出力し、CK2がHighの場合に出力がフローティングとなる機能を有する回路
である。回路555はCK2がLowの場合に出力端子14にHighを出力し、CK2
がHighの場合に出力がフローティングとなる機能を有する回路である。
【0070】
図55の接続関係について説明する。トランジスタ551のゲートは入力端子11と接
続され、ソースとドレインのうち一方は正電源VSSと接続され、ソースとドレインのう
ち他方は容量素子553の一方の電極、トランジスタ552のゲート及び回路554の出
力端子、つまりnodePと接続されている。トランジスタ552のソースとドレインの
うち一方は入力端子12と接続され、ソースとドレインのうち他方は回路555の出力端
子、容量素子553の他方の電極、及び出力端子14と接続されている。入力端子13は
回路554の入力端子、及び回路555の入力端子と接続されている。
【0071】
なお、トランジスタ551のゲート及びトランジスタ552のソースとドレインのうち
他方は電源線と接続してもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は
他の電源線と接続してもよいし、他の信号線と接続してもよい。また、トランジスタ55
1のソースとドレインのうち他方は信号線と接続してもよく、例えばCK1、CK2、C
K3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続して
もよい。
【0072】
図59(a)を参照して、
図55に示す回路554の構成の一例について説明する。図
59(a)に示す回路554に示すように、入力端子13、及びnodePは
図55と同
様なものとする。トランジスタ591はPチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体
、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。
【0073】
図59(a)の接続関係について説明する。トランジスタ591のゲートは入力端子1
3と接続され、ソースとドレインのうち一方はVDDと接続され、ソースとドレインのう
ち他方はnodePと接続されている。
【0074】
図59(a)の動作について説明する。入力端子13から入力されるCK2がLowの
場合に、トランジスタ591はオンして、nodePにVDDを出力し、CK2がHig
hの場合に、トランジスタ591はオフして、nodePにはなにも出力されない。こう
して、回路554は、CK2がLowの場合にHighを出力して、Highの場合には
フローティングになる機能を有する回路を構成している。また、回路構成は説明した回路
構成に限らず、同じ機能を有する回路構成であればよい。
【0075】
なお、トランジスタ591のソースとドレインのうち一方は信号線に接続してもよく、
例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよい
し、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ591のゲートは電源線と接続し
てもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続して
もよいし、他の信号線と接続してもよい。
【0076】
図59(b)を参照して、
図55に示す回路555の構成の一例について説明する。図
59(b)に示す回路555に示すように、入力端子13、及び出力端子14は
図55と
同様なものとする。トランジスタ592はPャネル型トランジスタであり、非結晶半導体
、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。
【0077】
図59(b)の動作について説明する。入力端子13から入力されるCK2がLowの
場合に、トランジスタ592はオンして、出力端子14にVDDを出力し、CK2がHi
ghの場合に、トランジスタ592はオフして、出力端子14にはなにも出力されない。
こうして、回路555は、CK2がLowの場合にHighを出力して、Highの場合
にはフローティングになる機能を有する回路を構成している。また、回路構成は説明した
回路構成に限らず、同じ機能を有する回路構成であればよい。
【0078】
なお、トランジスタ592のソースとドレインのうち一方は信号線に接続してもよく、
例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよい
し、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ592のゲートは電源線と接続し
てもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続して
もよいし、他の信号線と接続してもよい。
【0079】
次に、
図4(a)を参照して、
図3に示す回路34の構成の一例について説明する。
【0080】
図4(a)に示す回路34において、入力端子13、及びnodePは
図3と同様なも
のとする。トランジスタ41はNチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体、多結晶
半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。
【0081】
図4(a)の接続関係について説明する。トランジスタ41のゲートは入力端子13と
接続され、ソースとドレインのうち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他
方はnodePと接続されている。
【0082】
図4(a)の動作について説明する。入力端子13から入力されるCK2がHighの
場合に、トランジスタ41はオンして、nodePにVSSを出力し、CK2がLowの
場合に、トランジスタ41はオフして、nodePにはなにも出力されない。こうして、
回路34は、CK2がHighの場合にLowを出力して、Lowの場合にはフローティ
ングになる機能を有する回路を構成している。また、回路構成は説明した回路構成に限ら
ず、同じ機能を有する回路構成であればよい。
【0083】
なお、トランジスタ41のソースとドレインのうち一方は信号線に接続してもよく、例
えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし
、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ41のゲートは電源線と接続しても
よく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続してもよ
いし、他の信号線と接続してもよい。
【0084】
図4(b)を参照して、
図3に示す回路35の構成の一例について説明する。
【0085】
図4(b)に示す回路35において、入力端子13、及び出力端子14は
図3と同様な
ものとする。トランジスタ42はNチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体、多結
晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。
【0086】
図4(b)の動作について説明する。入力端子13から入力されるCK2がHighの
場合に、トランジスタ42はオンして、出力端子14にVSSを出力し、CK2がLow
の場合に、トランジスタ42はオフして、出力端子14にはなにも出力されない。こうし
て、回路35は、CK2がHighの場合にLowを出力して、Lowの場合にはフロー
ティングになる機能を有する回路を構成している。また、回路構成は説明した回路構成に
限らず、同じ機能を有する回路構成であればよい。
【0087】
なお、トランジスタ42のソースとドレインのうち一方は、信号線に接続してもよく、
例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよい
し、他の電源線と接続してもよい。もちろん、トランジスタ42のソースとドレインのう
ち一方をトランジスタ41のソースとドレインのうち一方が接続されたVSSとなる配線
と接続してもよい。また、トランジスタ42のゲートは電源線と接続してもよく、例えば
正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続してもよいし、他の信
号線と接続してもよい。
【0088】
つまり、
図3、
図4に示す構造は、第1のトランジスタ(トランジスタ31)と、第2
のトランジスタ(トランジスタ32)と、第3のトランジスタ(トランジスタ41)と、
第4のトランジスタ(トランジスタ42)とを有し、第1のトランジスタは、ソースとド
レインのうち一方が第1の配線(VDD)に接続され、ソースとドレインのうち他方が第
2のトランジスタのゲート電極と第3のトランジスタのソースとドレインのうち他方に接
続され、ゲート電極が第5の配線(入力端子11)に接続され、第2のトランジスタは、
ソースとドレインのうち一方が第3の配線(入力端子12)に接続され、ソースとドレイ
ンのうち他方が第6の配線(出力端子14)に接続され、第3のトランジスタは、ソース
とドレインのうち一方が第2の配線(VSS)に接続され、ソースとドレインのうち他方
が第2のトランジスタのゲート電極に接続され、ゲート電極が第4の配線(入力端子13
)に接続され、第4のトランジスタは、ソースとドレインのうち一方が第2の配線(VS
S)に接続され、ソースとドレインのうち他方が第6の配線(出力端子14)に接続され
、ゲート電極が第4の配線(入力端子13)に接続されている。また、第1のトランジス
タにおいて、ソースとドレインのうち一方を第5の配線(入力端子11)に接続させた構
成とすることも可能である。
【0089】
以上のような、シフトレジスタ回路では、CK2がHighになるに従って、node
P、及び出力端子14にVSSを供給することができる。つまり、非選択期間に、一定期
間毎にVSSを入力することによって、ノイズを減らすことができ、且つ定常的にオンす
るトランジスタがないため、特性が劣化することを抑制することができる。また、最低で
4つのトランジスタで動作することがきるため、シフトレジスタ回路全体としての素子数
を減らすことができ、絶縁基板上に少ない面積で内部回路を構成することが可能となる。
【0090】
以下に、本実施形態の変更可能な構成例、及び動作例をいくつか述べる。また、以下で
述べる構成例、及び動作例は「課題を解決するための手段」、「発明を実施するための最
良の形態」、及び「実施例」について適用可能である。
【0091】
図1に示すように、CK1、CK2、及びCK3のクロック信号は、回路10が非選択
期間の場合にも入力されているが、スイッチ素子などを設けて、非選択期間の回路10へ
入力しなくしてもよい。こうすることで、クロック信号線の負荷が減るため、消費電力を
小さくすることができる。
【0092】
また、
図1において、上記説明したシフトレジスタ回路を逆向きに走査させてもよい。
例えば、n段目の回路10の出力をn-1段目の回路10に入力すればよい。これを全段
で繰り返すことで、逆向きに走査することが可能である。
【0093】
図2に示すように、SSP、CK1、CK2、CK3のパルス幅を1/3周期としたが
、パルス幅を1/3周期より少し短くしてもよい。こうすることで、貫通電流などの瞬間
的に流れる電流を抑制でき、広い動作条件で動作することができ、且つ消費電力を小さく
することができる。また、ブートストラップ動作を行う回路構成においては、浮遊となる
ノードが発生するため、正常なブートストラップ動作を行うためにも有利である。
【0094】
図2において、SSPがHighとなる期間は、CK3がHighとなる期間及びパル
ス幅を同一としたが、これに限るものではない。例えば、制御信号によって、外部回路か
ら内部回路へ信号を伝達する場合に、バッファ回路、信号振幅を変えるレベルシフト回路
などによって制御信号どうしの遅延時間が変わる可能性があるためである。
【0095】
図3において、容量素子33は、ブートストラップ動作をするために接続されており、
トランジスタ32のゲートと、ソースとドレインのうち他方との間にブートストラップ動
作できるだけのゲートとソース間の容量などがあれば、なくてもよい。また、容量素子3
3の形成方法はなんでもよい。例えば、半導体層とゲート配線層との間で容量素子を形成
してもよいし、非結晶半導体層と配線との間で容量素子を形成してもよい。半導体層とゲ
ート配線層とで容量素子を形成する場合は、ボトムゲートトランジスタ、トップゲート型
トランジスタに関らず薄いGI膜(ゲート絶縁膜)を挟んで形成されているため、小さい
面積でより多くの容量値を得ることが可能となるため、有利である。
【0096】
また、
図3において、SSPはトランジスタ31のゲートに入力したが、トランジスタ
31のゲートと、ソースとドレインのうち一方とを接続して、そこにSSPを入力しても
よい。こうすることで、正電源VDDが必要なくなり電源線を1本減らすことができるた
め、シフトレジスタ回路を形成するための面積を小さくすることができる。その結果、よ
り高精細、且つ狭額縁な表示装置を提供することが可能となる。
【0097】
図3に示した回路34及び回路35は、上記で説明したように、CK2がHighの場
合にVSSを出力し、CK2がLowの場合にフローティングとなる回路であればよい。
また、回路34の入力端子に次の段の回路10の出力を入力してもよいし、同様に回路3
5の入力端子には次の段の回路10の出力を入力してもよいし、回路34の入力端子、及
び回路35の入力端子に次の段の回路10の出力を入力してもよい。次の段の回路10の
出力を利用することで、制御信号だけに同期するのではなく実際のシフトレジスタ回路の
出力とも同期することができるため、よりシフトレジスタ回路の動作にあった電位の切り
替えができるため有利である。
【0098】
図3に示すように、nodePと、VSS又はVDDの間に容量素子を接続してもよい
。容量素子を接続することでより、nodePの電位を安定させることができる。
【0099】
なお、
図3において、回路34は必ずしも必要ではない。つまり、回路35によって、
一定期間毎にVSSを出力しているため、nodePにノイズがあってもトランジスタ3
2をオフしていればよいためである。こうすることで、素子数を減らすことができる。そ
のとき、nodePとVSS、又はVDDの間に容量素子を接続してもよい。
【0100】
(第2の実施形態)
本実施形態は、非選択期間の出力電圧のノイズを減らすために、一定時間毎にVSSを
出力することでノイズを減らすことを特徴とするシフトレジスタ回路の構成、及び動作に
ついて、
図2、
図5乃至
図7を用いて説明する。
【0101】
図5に示すように、回路50はn個(nは2以上の自然数)の回路SR(1)~SR(
n)を直列に接続して、シフトレジスタ回路を構成している。
【0102】
入力端子51は、1段目の回路50であるSR(1)ではスタートパルスを入力し、2
段目以降の回路50であるSR(2)では前段の出力端子55からの出力を入力するため
の入力端子である。入力端子52は、1段目の回路50であるSR(1)ではクロック信
号であるCK1、2段目の回路50であるSR(2)ではクロック信号であるCK2、3
段目の回路50であるSR(3)ではクロック信号CK3、4段目の回路50であるSR
(4)ではCK1というようにクロック信号を順に入力する入力端子である。入力端子5
3は、1段目の回路50であるSR(1)ではCK2、2段目の回路50であるSR(2
)ではCK3、3段目の回路50であるSR(3)ではCK1、4段目の回路50である
SR(4)ではCK2というようにクロック信号を順に入力する入力端子である。入力端
子54は、1段目の回路50であるSR(1)ではCK3、2段目の回路50であるSR
(2)ではCK1、3段目の回路50であるSR(3)ではCK2、4段目の回路50で
あるSR(4)ではCK3というようにクロック信号を順に入力する入力端子である。出
力端子55は、回路50の出力端子であり、1段目の回路50あるSR(1)ではOUT
(1)を出して、且つ2段目の回路50であるSR(2)の入力端子51にOUT(1)
を出力し、2段目の回路50であるSR(2)ではOUT(2)を出力して、且つ3段目
の回路50であるSR(3)の入力端子51にOUT(2)を出力する。
【0103】
ここで、SSP、CK1、CK2及びCK3は、HighとLowの2値の値を持つ1
ビットの信号である。Highは正電源であるVDDと同一の電位であり、Lowは負電
源であるVSSと同一の電位である。ここで、SSP、CK1、CK2及びCK3は、H
ighとLowの2値の値を持つ1ビットの信号である。また、OUT(1)、OUT(
2)、OUT(3)、OUT(n-1)及びOUT(n)も、HighとLowの2値の
値を持つ1ビットの出力である。Highは正電源であるVDDと同一の電位であり、L
owは負電源であるVSSと同一の電位である。
【0104】
図5のシフトレジスタ回路の動作について、
図2に示す本実施形態のタイミングチャー
トを参照して説明する。
【0105】
SSP、CK1、CK2及びCK3は第1の実施形態と同様のものを用いることができ
る。なお、nodeP(1)は、後に説明する
図6のnodePの電位である。OUT(
1)は1段目の回路50であるSR(1)の出力であり、OUT(2)は2段目の回路5
0であるSR(2)の出力であり、OUT(3)は3段目の回路50であるSR(3)の
出力であり、OUT(n-1)はn-1段目の回路50であるSR(n-1)の出力であ
り、OUT(n)はn段目の回路50であるSR(n)の出力である。
【0106】
図2のタイミングチャートにおいて、期間T1においてSSPがHighとなると、期
間T2においてOUT(1)がHighとなり、期間T3においてOUT(2)がHig
hとなる。こうして、SSPの出力をシフトすることによってシフトレジスタ回路を構成
している。
【0107】
次に、
図6を参照して、1段目の回路50の構成について説明する。
【0108】
図6に示す回路50は、入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端子54、
出力端子55、トランジスタ31、トランジスタ32、容量素子33、回路34、回路3
5から構成されている。入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端子54、出
力端子55は
図5で説明したものと同様なものとする。トランジスタ31、トランジスタ
32及びnodePは
図3で説明したものと同様なものとする。回路61は、CK2がH
ighの場合にnodePにLowを出力し、CK2がLowの場合に出力がフローティ
ングになる機能を有する回路である。回路62は、CK2及びCK3のいずれかがHig
hの場合に出力端子55にLowを出力し、CK2及びCK3がLowの場合に出力がフ
ローティングになる機能を有する回路である。
【0109】
図6の接続関係について説明する。トランジスタ31のゲートは入力端子51と接続さ
れ、ソースとドレインのうち一方はVDDと接続され、ソースとドレインのうち他方は容
量素子33の一方の電極、トランジスタ32のゲート及び回路61の出力端子、つまりn
odePと接続されている。トランジスタ32のソースとドレインのうち一方は入力端子
52と接続され、ソースとドレインのうち他方は回路62の出力端子、容量素子33の他
方の電極及び出力端子55と接続されている。入力端子53は回路61の入力端子及び回
路62の入力端子と接続され、入力端子54は回路62の入力端子と接続されている。
【0110】
図6の動作について、
図2に示す本実施形態のタイミングチャートを参照して、期間T
1、期間T2、及び期間T3に分けて説明する。また、初期状態として、nodeP、及
びOUT(1)の電位はVSSとする。
【0111】
期間T1において、SSPがHigh、CK1がLow、CK2がLow、CK3がH
ighとなる。このときのトランジスタ31のゲートの電位はVDD、ソースとドレイン
のうち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなるため、当
該トランジスタ31がオンして、nodePの電位がVSSから上昇し始める。node
Pの電位の上昇はVDDからトランジスタ31のしきい値電圧分小さい電位となるところ
で止まり、トランジスタ31はオフする。このときのnodePの電位をVn1とする。
回路61は、CK2がLowとなっているため、出力はフローティングとなる。そのため
、nodePには電荷が供給されないため、フローティングとなる。回路62は、CK2
がLow、CK3がHighとなっているため、Lowを出力する。このときのトランジ
スタ32のゲート電位はVn1、ソースとドレインのうち一方の電位はVSS、ソースと
ドレインのうち他方の電位はVSSとなるため、当該トランジスタ32はオンしている。
しかし、ソースとドレインのうち一方の電位とソースとドレインのうち他方の電位とが同
電位であり、電荷の移動はないため、電流は流れず、電位も変動しない。そして、容量素
子33は出力端子55の電位であるVSSとnodePの電位であるVn1との電位差を
保持している。
【0112】
期間T2において、SSPがLow、CK1がHigh、CK2がLow、CK3がL
owとなる。このときのトランジスタ31のゲートの電位はVSS、ソースとドレインの
うち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVn1となるため、当該
トランジスタ31はオフする。回路61ではCK2がLowとなっているため、出力はフ
ローティングとなる。回路62ではCK2がLow、CK3がLowとなっているため、
出力はフローティングとなる。このときのトランジスタ32のゲートの電位はVn1、ソ
ースとドレインのうち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方、つまり出力端
子55の電位はVSSとなるため、当該トランジスタ32はオンして、出力端子55の電
位が上昇し始める。すると、トランジスタ32のゲートと、ソースとドレインのうち他方
の間に接続されている容量素子33は期間T1で保持した電位差をそのまま保持するため
、ソースとドレインのうち他方の電位が上昇すると、ゲート電圧も同時に上昇する。この
ときの、nodePの電位をVn2とする。nodePの電位がVDDとトランジスタ3
2のしきい値電圧との和まで上昇すれば、出力端子14の電位の上昇はCK1と同じVD
Dになるところで止まる。いわゆる、ブートストラップ動作によって、CK1のHigh
の電位であるVDDまで、出力端子55の電位を上昇することができる。
【0113】
期間T3において、SSPがLow、CK1がLow、CK2がHigh、CK3がL
owとなる。このとき、nodePの電位は、CK2がHighであるため、回路61か
らVSSが出力されるため、VSSとなり、OUT(1)の電位も回路62からVSSが
出力されるため、VSSとなる。このときのトランジスタ31のゲート電位はVSS、ソ
ースとドレインのうち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVSS
となり、当該トランジスタ31はオフする。トランジスタ32のゲートの電位はVSS、
ソースとドレインのうち一方の電位はVSS、ソースとドレインのうち他方の電位はVS
Sとなり、当該トランジスタ32はオフする。
【0114】
上記説明した期間T1、期間T2、期間T3の動作により、期間T1にSSPが入力さ
れるとOUT(1)が期間T2に出力される。つまり、SSPがクロック信号の1/3周
期ずつシフトして出力される回路50をn段接続することにより、シフトレジスタ回路を
構成している。
【0115】
図6に示した1段目の回路50を示したが、n段目の回路50を
図52を参照して説明
する。
図52において、トランジスタ31、トランジスタ32、容量素子33、回路61
、回路62、入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端子54、及び出力端子
55は
図6で説明したものと同様なものとする。入力端子51から入力される入力信号は
前の段の回路の出力端子55と接続されていることを特徴とする。
【0116】
なお、トランジスタ31のゲート、及びトランジスタ32のソースとドレインのうち他
方は電源線と接続してもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他
の電源線と接続してもよいし、他の信号線と接続してもよい。また、トランジスタ31の
ソースとドレインのうち他方は信号線と接続してもよく、例えばCK1、CK2、CK3
、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続してもよ
い。
【0117】
図6に示したシフトレジスタ回路で用いたトランジスタはNチャネル型トランジスタの
みで構成する単極性回路であったが、Pチャネル型トランジスタのみで構成してもよい。
もちろん、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタ組み合わせてもよい。
トランジスタを全てPチャネル型トランジスタで構成した場合のシフトレジスタ回路を図
56を参照して説明する。
【0118】
図56に示す回路構成において、正電源VDD、負電源SS、入力端子51、入力端子
52、入力端子53、入力端子54、トランジスタ551、トランジスタ552、及び容
量素子553は
図55と同様なものを用いることができる。回路561は、CK2がLo
wの場合にnodePにHighを出力し、CK2がHighの場合に出力がフローティ
ングとなる機能を有する回路である。回路562は、CK2、及びCK3のいずれかがL
owの場合にnodePにHighを出力し、CK2、及びCK3がHIghの場合に出
力がフローティングとなる機能を有する回路である。
【0119】
図56の接続関係について説明する。トランジスタ551のゲートは入力端子51と接
続され、ソースとドレインのうち一方は正電源VSSと接続され、ソースとドレインのう
ち他方は容量素子553の一方の電極、トランジスタ552のゲート及び回路561の出
力端子、つまりnodePと接続されている。トランジスタ552のソースとドレインの
うち一方は入力端子52と接続され、ソースとドレインのうち他方は回路562の出力端
子、容量素子553の他方の電極及び出力端子55接続されている。入力端子53は回路
561の入力端子及び回路562の第1の入力端子と接続され、入力端子54は回路56
2の第1のトランジスタの第2の入力端子と接続されている。
【0120】
なお、トランジスタ551のゲート、及びトランジスタ552のソースとドレインのう
ち他方は電源線と接続してもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線又は
他の電源線と接続してもよいし、他の信号線と接続してもよい。また、トランジスタ55
1のソースとドレインのうち他方は信号線と接続してもよく、例えばCK1、CK2、C
K3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続して
もよい。
【0121】
次に、
図60(a)を参照して、
図56に示す回路561の構成の一例について説明す
る。
【0122】
図60(a)に示す回路561において、入力端子53、及びnodePは
図55と同
様なものとする。トランジスタ601はPチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体
、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。
【0123】
図60(a)の接続関係について説明する。トランジスタ601のゲートは、入力端子
53と接続され、ソースとドレインのうち一方はVDDと接続され、ソースとドレインの
うち他方はnodePと接続されている。
【0124】
図60(a)の動作について説明する。入力端子53から入力されるCK2がLowの
場合に、トランジスタ601はオンして、nodePにVDDを出力し、CK2がHig
hの場合に、トランジスタ601はオフして、nodePにはなにも出力されない。こう
して、回路561は、CK2がLowの場合にHighを出力して、Highの場合には
フローティングになる機能を有する回路を構成している。また、回路構成は説明した回路
構成に限らず、同じ機能を有する回路構成であればよい。
【0125】
なお、トランジスタ601のソースとドレインのうち一方は信号線に接続してもよく、
例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよい
し、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ601のゲートは電源線と接続し
てもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続して
もよいし、他の信号線と接続してもよい。
【0126】
図60(b)を参照して、
図56に示す回路562の構成の一例について説明する。
【0127】
図60(b)に示す回路562において、入力端子53、54、及び出力端子55は図
55と同様なものとする。トランジスタ602、603はPャネル型トランジスタであり
、非結晶半導体、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。
【0128】
図60(b)の動作について説明する。入力端子53から入力されるCK2がLowの
場合に、トランジスタ602はオンして、出力端子55にVDDを出力し、CK2がHi
ghの場合に、トランジスタ602はオフして、出力端子55にはなにも出力されない。
入力端子54から入力されるCK3がLowの場合にトランジスタ603はオンして、出
力端子55にVDDを出力し、CK3がHighの場合に出力端子55にはなにも出力さ
れない。こうして、回路562は、CK2、CK3のいずれかががLowの場合にHig
hを出力して、Highの場合にはフローティングになる機能を有する回路を構成してい
る。また、回路構成は説明した回路構成に限らず、同じ機能を有する回路構成であればよ
い。
【0129】
なお、トランジスタ592のソースとドレインのうち一方は信号線に接続してもよく、
例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよい
し、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ592のゲートは電源線と接続し
てもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続して
もよいし、他の信号線と接続してもよい。
【0130】
次に、
図7(a)を参照して、
図6に示す回路61の構成の一例について説明する。
【0131】
図7(a)に示す回路61に示すように、入力端子53、及びnodePは
図6と同様
なものとする。トランジスタ71はNチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体、多
結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。
【0132】
図7(a)の接続関係について説明する。トランジスタ71のゲートは入力端子53と
接続され、ソースとドレインのうち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他
方はnodePと接続されている。
【0133】
図7(a)の動作について説明する。入力端子53から入力されるCK2がHighの
場合に、トランジスタ71はオンして、nodePにVSSを出力し、CK2がLowの
場合に、トランジスタ71はオフして、nodePにはなにも出力されない。こうして、
回路61は、CK2がHighの場合にLowを出力して、Lowの場合にはフローティ
ングになる機能を有する回路を構成している。また、回路構成は説明した回路構成に限ら
ず、同じ機能を有する回路構成であればよい。
【0134】
なお、トランジスタ71のソースとドレインのうち一方は信号線に接続してもよく、例
えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし
、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ71のゲートは電源線と接続しても
よく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続してもよ
いし、他の信号線と接続してもよい。
【0135】
図7(b)を参照して、
図6に示す回路62の構成の一例について説明する。
【0136】
図7(b)に示す回路62に示すように、入力端子53、入力端子54及びOUT(1
)は
図6と同様なものとする。トランジスタ72、及びトランジスタ73はNチャネル型
トランジスタであり、非結晶半導体、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成
されている。
【0137】
図7(b)の接続関係について説明する。トランジスタ72のゲートは入力端子53と
接続され、ソースとドレインのうち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他
方は出力端子55と接続されている。トランジスタ73のゲートは入力端子54と接続さ
れ、ソースとドレインのうち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他方は出
力端子55と接続されている。もちろん、トランジスタ72及びトランジスタ73のソー
スとドレインのうち一方を、トランジスタ71のソースとドレインのうち一方が接続され
たVSSとなる配線と接続してもよい。
【0138】
図7(b)の動作について説明する。入力端子53から入力されるCK2がHighの
場合に、トランジスタ72はオンして、OUT(1)にVSSを出力し、CK2がLow
の場合に、トランジスタ72はオフしてOUT(1)にはなにも出力されない。また、入
力端子54から入力されるCK3がHighの場合に、トランジスタ73はオンして、O
UT(1)にVSSを出力し、CK3がLowの場合に、トランジスタ73はオフしてO
UT(1)にはなにも出力されない。こうして、回路62は、CK2及びCK3のいずれ
かがHighの場合にOUT(1)にLowを出力し、CK2及びCK3がLowの場合
にはフローティングになる機能を有する回路を構成している。また、回路構成は説明した
回路構成に限らず、同じ機能を有する回路構成であればよい。
【0139】
なお、トランジスタ72のソースとドレインのうち一方、及びトランジスタ73のソー
スとドレインの一方は信号線に接続してもよく、例えばCK1、CK2、CK3、SSP
などの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続してもよい。また
、トランジスタ72のゲートは電源線と接続してもよく、例えば正電源VDD、負電源V
SSなどの電源線、又は他の電源線と接続してもよいし、他の信号線と接続してもよい。
また、トランジスタ73のゲートは電源線と接続してもよく、例えば正電源VDD、負電
源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続してもよいし、他の信号線と接続してもよ
い。
【0140】
つまり、
図6、
図7に示す構造は、第1のトランジスタ(トランジスタ31)と、第2
のトランジスタ(トランジスタ32)と、第3のトランジスタ(トランジスタ71)と、
第4のトランジスタ(トランジスタ72)と、第5のトランジスタ(トランジスタ73)
とを有し、第1のトランジスタは、ソースとドレインのうち一方が第1の配線(VDD)
に接続され、ソースとドレインのうち他方が第2のトランジスタのゲート電極と第3のト
ランジスタのソースとドレインのうち他方に接続され、ゲート電極が第5の配線(入力端
子51)に接続され、第2のトランジスタは、ソースとドレインのうち一方が第3の配線
(入力端子52)に接続され、ソースとドレインのうち他方が第6の配線(出力端子55
)に接続され、第3のトランジスタは、ソースとドレインのうち一方が第2の配線(VS
S)に接続され、ソースとドレインのうち他方が第2のトランジスタのゲート電極に接続
され、ゲート電極が第4の配線(入力端子53)に接続され、第4のトランジスタは、ソ
ースとドレインのうち一方が第2の配線(VSS)に接続され、ソースとドレインのうち
他方が第6の配線(出力端子55)に接続され、ゲート電極が第4の配線(入力端子53
)に接続され、第5のトランジスタは、ソースとドレインのうち一方が第2の配線(VS
S)に接続され、ソースとドレインのうち他方が第6の配線(出力端子55)に接続され
、ゲート電極が第7の配線(入力端子54)に接続されている。また、第1のトランジス
タにおいて、ソースとドレインのうち一方を第5の配線(入力端子51)に接続させた構
成とすることも可能である。
【0141】
以上のような、シフトレジスタ回路では、CK2及びCK3のいずれかがHighにな
るに従って、出力端子55にVSSを供給することができる。つまり、非選択期間に、一
定期間毎にVSSを入力することによって、ノイズを減らすことができ、且つ定常的にオ
ンするトランジスタがないため、特性が劣化することを抑制することができる。また、第
1の実施形態に比べ、非選択期間に示すように2倍の期間、VSSを出力端子55に供給
することができるため、よりノイズを低減することができる。
【0142】
以下に、本実施形態の変更可能な構成例、及び動作例をいくつか述べる。また、以下で
述べる構成例、及び動作例は「課題を解決するための手段」、「発明を実施するための最
良の形態」、及び「実施例」について適用可能であり、第1の実施形態で説明した変更可
能な構成例、及び動作例を本実施形態に適用することができる。
【0143】
図6に示すように、nodePと、VSS又はVDDの間に容量素子を接続してもよい
。容量素子を接続することでより、nodePの電位を安定させることができる。
【0144】
図6に示すように、容量素子33はブートストラップ動作をするために接続されており
、トランジスタ32のゲートと、ソースとドレインのうち他方との間にブートストラップ
動作できるだけの寄生容量などがあれば、なくてもよい。また、容量素子33の形成方法
はどこでもよい。例えば、非結晶半導体層とゲート配線層との間で容量素子を形成しても
よいし、半導体層と配線との間で容量素子を形成してもよい。半導体層とゲート配線層と
で容量素子を形成する場合は、ボトムゲートトランジスタ、トップゲート型トランジスタ
に関らず薄いGI膜(ゲート絶縁膜)を挟んで形成されているため、小さい面積でより多
くの容量値を得ることが可能となるため、有利である。
【0145】
図6に示すように、回路61は必ずしも必要ではない。つまり、回路62によって、一
定期間毎にVSSを出力しているため、nodePにノイズがあってもトランジスタ32
をオフしていればよいためである。こうすることで、素子数を減らすことができる。その
とき、nodePと、VSS又はVDDの間に容量素子を接続してもよい。
【0146】
図6に示した回路62の入力端子に次の段の回路50の出力を入力してもよいし、同様
に回路35の入力端子には次の段の回路50の出力を入力してもよいし、回路61の入力
端子、及び回路62の入力端子に次の段の回路50の出力を入力してもよい。次の段の回
路50の出力を利用することで、制御信号だけに同期するのではなく実際のシフトレジス
タ回路の出力とも同期することができるため、よりシフトレジスタ回路の動作にあった電
位の切り替えができるため有利である。
【0147】
図6に示すように、nodePとVSS、又はVDDの間に容量素子を接続してもよい
。容量素子を接続することでより、nodePの電位を安定させることができる。
【0148】
(第3の実施形態)
本実施形態は、非選択期間の出力電圧のノイズを減らすために、非選択期間においてV
SSを出力することでノイズを減らすことを特徴とするシフトレジスタ回路の構成、及び
動作について、
図2、
図5、
図8乃至
図10を用いて説明する。
【0149】
図5に示すシフトレジスタ回路の構成、及び動作は第2の実施形態で説明したものと同
様なものを用いることができる。
【0150】
図8を参照して、1段目の回路50であるSR(1)の構成について説明する。
図8に
示す回路50は、入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端子54、出力端子
55、トランジスタ31、トランジスタ32、容量素子33、回路81、回路82、回路
83から構成されている。
【0151】
入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端子54、出力端子55、トランジ
スタ31、トランジスタ32、容量素子33は、
図5で説明したものと同様なものとする
。
【0152】
回路81は、CK2がHighの場合にnodePにLowを出力し、CK2がLow
の場合に出力がフローティングになる機能を有する回路である。回路82は、回路83の
出力がHighで、且つCK1、CK2及びCK3のいずれかがHighの場合に出力端
子55にLowを出力し、CK1、CK2及びCK3がLowの場合に出力がフローティ
ングになる。そして、回路83からの出力がLowで、且つCK2及びCK3のいずれか
がHighの場合に出力端子55にLowを出力し、CK2及びCK3がLowの場合に
出力がフローティングとなる機能を有する回路である。回路83は、nodePの電位が
VDD付近、もしくはそれ以上の場合に回路82にLowを出力し、nodePの電位が
VSSの場合に回路82にHighを出力する回路である。
【0153】
図8の接続関係について説明する。トランジスタ31のゲートは入力端子51と接続さ
れ、ソースとドレインのうち一方はVDDと接続され、ソースとドレインのうち他方は容
量素子33の一方の電極、トランジスタ32のゲート、回路83の入力端子及び回路81
の出力端子、つまりnodePと接続されている。トランジスタ32のソースとドレイン
のうち一方は入力端子52と接続され、ソースとドレインのうち他方は回路82の出力端
子、容量素子33の他方の端子、及び出力端子55と接続されている。入力端子52は回
路82の入力端子と接続され、入力端子53は回路81の入力端子、及び回路82の入力
端子と接続され、入力端子54は回路82の入力端子と接続されている。回路83の出力
端子は回路82の入力端子と接続されている。
【0154】
図8の動作について、
図2に示す本実施形態のタイミングチャートを参照して、期間T
1、期間T2、及び期間T3に分けて説明する。また、初期状態として、nodeP、及
びOUT(1)の電位はVSSとする。
【0155】
期間T1において、SSPがHigh、CK1がLow、CK2がLow、CK3がH
ighとなる。このときのトランジスタ31のゲートの電位はVDD、ソースとドレイン
のうち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなるため、当
該トランジスタ31がオンして、nodePの電位がVSSから上昇し始める。node
Pの電位の上昇はVDDからトランジスタ31のしきい値電圧分小さい電位となるところ
で止まり、トランジスタ31はオフする。このときのnodePの電位をVn1とする。
回路81は、CK2がLowとなっているため、出力はフローティングとなる。そのため
、nodePには電荷が供給されないため、フローティングとなる。回路83は、nod
ePの電位がVn1となるため、回路82の入力端子にLowを出力する。回路82は、
回路83の出力がLow、CK1がLow、CK2がLow、CK3がHighとなるた
め、Lowを出力する。このときのトランジスタ32のゲート電位はVn1、ソースとド
レインのうち一方の電位はVSS、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなるた
め、当該トランジスタ32はオンしている。しかし、ソースとドレインのうち一方の電位
とソースとドレインのうち他方の電位とが同電位であり、電荷の移動はないため、電流は
流れず、電位も変動しない。そして、容量素子33には出力端子55の電位であるVSS
とnodePの電位であるVn1との電位差を保持している。
【0156】
期間T2において、SSPがLow、CK1がHigh、CK2がLow、CK3がL
owとなる。このときのトランジスタ31のゲートの電位はVSS、ソースとドレインの
うち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVn1となるため、当該
トランジスタ31はオフする。回路61ではCK2がLowとなっているため、出力はフ
ローティングなる。回路83は、nodePの電位がVn1となるため回路82の入力端
子にLowを出力する。回路82は、回路83の出力がLow、CK1がHigh、CK
2がLow、CK3がLowとなるため、出力はフローティングとなる。このときのトラ
ンジスタ32のゲートの電位はVn1、ソースとドレインのうち一方の電位はVDD、ソ
ースとドレインのうち他方、つまり出力端子55の電位はVSSとなるため、当該トラン
ジスタ32がオンして、出力端子55の電位が上昇し始める。すると、トランジスタ32
のゲートと、ソースとドレインのうち他方の間に接続されている容量素子33は期間T1
で保持した電位差をそのまま保持するため、ソースとドレインのうち他方の電位が上昇す
ると、ゲート電圧も同時に上昇する。このときの、nodePの電位をVn2とする。n
odePの電位がVDDとトランジスタ32のしきい値電圧との和まで上昇すれば、出力
端子55の電位の上昇はCK1の電位と同じVDDになるところで止まる。いわゆる、ブ
ートストラップ動作によって、CK1のHighの電位であるVDDまで、出力端子55
の電位を上昇することができる。
【0157】
期間T3において、SSPがLow、CK1がLow、CK2がHight、CK3が
Lowとなる。このとき、nodePの電位は、CK2がHighであるため、回路81
からVSSが出力されるため、VSSとなり、回路83は回路82の入力端子にHigh
を出力する。OUT(1)の電位も回路82からVSSが出力されるため、VSSとなる
。このときのトランジスタ31のゲート電位はVSS、ソースとドレインのうち一方の電
位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなり、当該トランジスタ31
はオフする。トランジスタ32のゲートの電位はVSS、ソースとドレインのうち一方の
電位はVSS、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなり、当該トランジスタ3
2はオフする。
【0158】
上記説明した期間T1、期間T2、期間T3の動作により、期間T1にSSPが入力さ
れるとOUT(1)が期間T2に出力される。つまり、SSPがクロック信号の1/3周
期ずつシフトして出力される回路50をn段接続することにより、シフトレジスタ回路を
構成している。
【0159】
図8に1段目の回路50を示したが、n段目の回路50を
図53を参照して説明する。
【0160】
図53において、トランジスタ31、トランジスタ32、容量素子33、回路81、回
路82、回路83、入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端子54及び出力
端子55は、
図8で説明したものと同様なものとする。入力端子51から入力される入力
信号は前の段の回路の出力端子55と接続されていることを特徴とする。
【0161】
図8に示したシフトレジスタ回路で用いたトランジスタはNチャネル型トランジスタの
みで構成する単極性回路であったが、Pチャネル型トランジスタのみで構成してもよい。
もちろん、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタ組み合わせてもよい。
トランジスタを全てPチャネル型トランジスタで構成した場合のシフトレジスタ回路を図
57を参照して説明する。
【0162】
図57に示す回路構成において、正電源VDD、負電源SS、入力端子51、入力端子
52、入力端子53、入力端子54、トランジスタ551、トランジスタ552、及び容
量素子553は
図55と同様なものを用いることができる。回路571は、CK2がLo
wの場合にnodePにHighを出力し、CK2がHighの場合に出力がフローティ
ングとなる機能を有する回路である。回路572はCK1、CK2、CK3のうちいずれ
かがLowのときに出力端子55にHighを出力する回路である。
【0163】
図57の接続関係について説明する。トランジスタ551のゲートは入力端子51と接
続され、ソースとドレインのうち一方は正電源VSSと接続され、ソースとドレインのう
ち他方は容量素子553の一方の電極、トランジスタ552のゲート及び回路571の出
力端子、つまりnodePと接続されている。トランジスタ552のソースとドレインの
うち一方は入力端子52と接続され、ソースとドレインのうち他方は回路572の出力端
子、容量素子553の他方の電極、及び出力端子55と接続されている。入力端子52は
回路572の入力端子と接続されている。入力端子53は回路571の入力端子、及び回
路572の第1の入力端子と接続され、入力端子54は回路572の第1のトランジスタ
の第2の入力端子と接続されている。
【0164】
なお、トランジスタ551のゲート及びトランジスタ552のソースとドレインのうち
他方は電源線と接続してもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は
他の電源線と接続してもよいし、他の信号線と接続してもよい。また、トランジスタ55
1のソースとドレインのうち他方は信号線と接続してもよく、例えばCK1、CK2、C
K3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続して
もよい。
【0165】
次に、
図9(a)を参照して、
図8に示す回路81の構成の一例について説明する。
【0166】
図9(a)に示す回路81において、入力端子53、及びnodePは
図8と同様なも
のとする。トランジスタ91はNチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体、多結晶
半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。
【0167】
図9(a)の接続関係について説明する。トランジスタ91のゲートは入力端子53と
接続され、ソースとドレインのうち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他
方はnodePと接続されている。
【0168】
図9(a)の動作について説明する。入力端子53から入力されるCK2がHighの
場合に、トランジスタ91はオンして、nodePにVSSを出力し、CK2がLowの
場合に、トランジスタ91はオフして、nodePにはなにも出力されない。こうして、
回路81は、CK2がHighの場合にLowを出力して、Lowの場合にはフローティ
ングになる機能を有する回路を構成している。また、回路構成は説明した回路構成に限ら
ず、同じ機能を有する回路構成であればよい。また、Pチャネル型トランジスタで構成し
た場合の構成例を
図61に示す。同業者であれば容易に変更が可能である。
【0169】
なお、トランジスタ91のソースとドレインのうち一方は信号線に接続してもよく、例
えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし
、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ91のゲートは電源線と接続しても
よく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続してもよ
いし、他の信号線と接続してもよい。
【0170】
図9(b)を参照して、
図8に示す回路82の構成の一例について説明する。
【0171】
図9(b)に示す回路82において、入力端子52、入力端子53、入力端子54及び
OUT(1)は
図8と同様なものとする。トランジスタ92、トランジスタ93、トラン
ジスタ94及びトランジスタ95はNチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体、多
結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。Voutは回路82の出力
である。
【0172】
図9(b)の接続関係について説明する。トランジスタ95のゲートはVoutが接続
され、ソースとドレインのうち一方は入力端子52と接続され、ソースとドレインのうち
他方はトランジスタ92のゲートと接続されている。トランジスタ92のソースとドレイ
ンのうち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他方は出力端子55と接続さ
れている。トランジスタ93のゲートは入力端子53と接続され、ソースとドレインのう
ち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他方は出力端子55と接続されてい
る。トランジスタ94のゲートは入力端子54と接続され、ソースとドレインのうち一方
はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他方は出力端子55と接続されている。
【0173】
図9(b)の動作について説明する。回路83の出力から入力されるVoutがHig
hの場合に、トランジスタ95はオンして、トランジスタ92のゲートにCK1を信号を
伝達する。VoutがLowの場合に、トランジスタ95はオフして、トランジスタ92
のゲートにCK1の信号は伝達されないため、前の状態を保持する。ここで、トランジス
タ95がオンして、且つ入力端子52から入力されるCK1がHighの場合に、トラン
ジスタ92はオンして、OUT(1)にVSSを出力し、CK1がLowの場合に、トラ
ンジスタ92はオフして、OUT(1)にはなにも出力されない。入力端子53から入力
されるCK2がHighの場合に、トランジスタ93はオンして、OUT(1)にVSS
を出力し、CK2がLowの場合に、トランジスタ93はオフして、OUT(1)にはな
にも出力されない。入力端子54から入力されるCK3がHighの場合に、トランジス
タ94がオンして、OUT(1)にVSSが出力され、CK3がLowの場合に、トラン
ジスタ94はオフして、OUT(1)にはなにも出力されない。こうして、回路82は、
回路83の出力がHighで、且つCK1、CK2、及びCK3のいずれかがHighの
場合に出力端子55にLowを出力し、CK1、CK2、及びCK3がLowの場合に出
力がフローティングになる。そして、回路83からの出力がLowで、且つCK2、及び
CK3のいずれかがHighの場合に出力端子55にLowを出力し、CK2、及びCK
3がLowの場合に出力がフローティングとなる機能を有する回路を構成している。また
、回路構成は説明した回路構成に限らず、同じ機能を有する回路構成であればよい。
【0174】
なお、トランジスタ92のソースとドレインのうち一方、トランジスタ93のソースと
ドレインのうち一方、及びトランジスタ94のソースとドレインのうち一方は信号線に接
続してもよく、例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と
接続してもよいし、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ95のソースとド
レインのうち一方、トランジスタ92のゲート、トランジスタ93のゲート、トランジス
94のゲートは電源線と接続してもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源
線、又は他の電源線と接続してもよいし、他の信号線と接続してもよい。
【0175】
次に、
図10(a)を参照して、
図8に示す回路83の構成の一例について説明する。
【0176】
図10(a)に示す回路83おいて、nodeP、Voutは
図8と同様なものとする
。トランジスタ101はNチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体、多結晶半導体
、若しくは単結晶半導体によって構成されている。抵抗素子102は、抵抗成分を持つ抵
抗素子である。抵抗成分を持っていれば、いかなる線形素子でもよいし、非線形素子でも
よい。例えば、ダイオード接続したトランジスタを接続してもよい。
【0177】
抵抗素子102として、トランジスタを用いた場合の構成例について
図48を参照して
説明する。nodeP、Vout、トランジスタ101、正電源線VDD、及び負電源V
SSは
図10と同様なものとする。トランジスタ481はNチャネル型トランジスタであ
り、非結晶半導体、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によって構成されている。トラ
ンジスタ481のソースとドレインのうち一方は正電源VDDと接続され、ソースとドレ
インのうち他方はVoutと接続され、ゲートはソースとドレインのうち一方と接続され
ダイオード接続されている。VoutはVSSからオンするトランジスタ101を介して
電荷が供給されなければ、VDDからトランジスタ481のしきい値電圧引いた電位なる
。こうして、nodePがLowとなるとトランジスタ101はオフしてVoutの電位
はVDDからトランジスタ481のしきい値電圧引いた電位となり、nodePがHig
hとなりトランジスタ101がオンするとVoutの電位はVSSの電位なる。
【0178】
図10(a)の接続関係について説明する。トランジスタ101のゲートはnodeP
と接続され、トランジスタ101のソースとドレインのうち一方は抵抗素子102の一方
の端子、及びVoutと接続され、ソースとドレインのうち他方はVSSと接続されてい
る。抵抗素子102の他方の端子はVDDと接続されている。
【0179】
図10(a)の動作について説明する。nodePの電位がVSSとトランジスタ10
1のしきい値電圧との和の電圧以上だった場合に、トランジスタ101はオンして、Vo
utにVSSを出力する。nodePの電位がVSSとトランジスタ101のしきい値電
圧との和の電圧未満だった場合に、トランジスタ101はオフして、Voutには抵抗素
子102を介してVDDが出力される。このように、nodePの電位がVSSとトラン
ジスタ101のしきい値電圧との和の電圧以上だった場合に回路82の入力端子にLow
を出力し、nodePの電位がVSSとトランジスタ101のしきい値電圧との和の電圧
未満だった場合に回路82の入力端子にHighを出力する機能を有する回路を構成して
いる。また、回路構成は説明した回路構成に限らず、同じ機能を有する回路構成であれば
よい。また、
図62に
図10の回路構成をPチャネル型トランジスタを用いた場合の構成
例を示す。
【0180】
なお、トランジスタ101のソースとドレインのうち他方は信号線に接続してもよく、
例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよい
し、他の電源線と接続してもよい。また、トランジスタ101のゲートは電源線と接続し
てもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続して
もよいし、他の信号線と接続してもよい。
【0181】
図10(b)を参照して、
図8に示す回路83の構成の別の一例について説明する。
【0182】
図10(b)に示す回路83に示すように、nodeP、Voutは
図8と同様なもの
とする。OUT(2)は次の2段目の回路50の出力である。例えば、n段目の回路50
だとするとn+1段目の回路50の出力である。トランジスタ102、及びトランジスタ
103はNチャネル型トランジスタであり、非結晶半導体、多結晶半導体、若しくは単結
晶半導体によって構成されている。容量素子104は2つの電極を持った容量素子である
。
【0183】
図10(b)の接続関係について説明する。トランジスタ102のゲートはOUT(2
)と接続され、ソースとドレインのうち一方はVDDと接続され、ソースとドレインのう
ち他方はトランジスタ103のソースとドレインのうち一方、容量素子104の一方の電
極、及びVoutと接続されている。トランジスタ103のゲートはnodeP、ソース
とドレインのうち他方はVSSと接続されている。容量素子104の他方の電極はVSS
と接続されている。
【0184】
図10(b)の動作について説明する。nodePの電位がVSSとトランジスタ10
3のしきい値電圧との和の電圧以上だった場合に、トランジスタ103はオンしてVSS
をVoutに出力する。nodePの電位がVSSとトランジスタ103のしきい値電圧
との和の電圧以未満だった場合に、トランジスタ103はオフして出力はフローティング
となる。OUT2がHighだった場合に、トランジスタ102はオンしてVoutにV
DDとトランジスタ102のしきい値電圧との差の電圧を出力する。OUT2がLowだ
った場合に、トランジスタ102はオフして出力はフローティングとなる。つまり、no
dePの電位がVDD付近、若しくはそれ以上だった場合に、VoutはLowを出力し
、nodePの電位がVSSだった場合に、VoutはHighを出力する機能を有する
回路を構成している。また、回路構成は説明した回路構成に限らず、同じ機能を有する回
路構成であればよい。
【0185】
なお、トランジスタ102のゲート及びトランジスタ103のゲートは電源線と接続し
てもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又は他の電源線と接続して
もよいし、他の信号線と接続してもよい。また、トランジスタ103のソースとドレイン
のうち他方は信号線に接続してもよく、例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信
号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続してもよい。
【0186】
以上のような、シフトレジスタ回路では、非動作期間において、CK1、CK2及びC
K3のうちいずれかがHighとなれば、出力端子55にVSSを供給することができる
。つまり、非選択期間における出力端子55には常時VSSが供給されているため、電位
が安定し、ノイズを無くすことができ、且つ定常的にオンするトランジスタがないため、
特性が劣化することを抑制することができる。また、nodePにも一定期間毎にVSS
を供給することによって、トランジスタ32を確実にオフすることができる。
【0187】
以下に、本実施形態の変更可能な構成例、及び動作例をいくつか述べる。また、以下で
述べる構成例、及び動作例は「課題を解決するための手段」、「発明を実施するための最
良の形態」、及び「実施例」について適用可能であり、第1の実施形態で説明した変更可
能な構成例、及び動作例を本実施形態に適用することができる。
【0188】
図9に示すように、トランジスタ92のゲートは、トランジスタ95がオフのとき浮遊
となる。そのため、トランジスタ92のゲート容量に電位を保持しているが、保持しきれ
ない場合は、容量素子を接続してもよい。その場合、トランジスタ92のゲートとVDD
、又はVSSとの間に容量素子を接続することが望ましい。
【0189】
図10(b)に示すように、Voutに容量素子104が接続されているが、Vout
の接続先が十分な容量をもっていれば設けない構成としてもよい。出力であるVoutに
接続されている容量素子104を無くすことで、より高速な動作が可能となる。
【0190】
図10(b)に示すように、トランジスタ103のゲートにはnodePが接続されて
いるが、入力端子51を接続してもよい。入力端子51を接続することによって、トラン
ジスタ102とトランジスタ103とが同時にオンする期間がなくなりトランジスタ10
2、及びトランジスタ103を介した貫通電流がなくなるため、誤動作しにくくなり、且
つ消費電力が小さくなる。
【0191】
(第4の実施形態)
本実施形態は、非選択期間の出力電圧のノイズを減らすために、一定時間毎にVSSを
出力することでノイズを減らすことを特徴とするシフトレジスタ回路の構成、及び動作に
ついて、
図2、
図5、
図11及び
図12を用いて説明する。
【0192】
図5に示すシフトレジスタ回路の構成、及び動作は第2の実施形態で説明したものと同
様なものを用いることができる。
【0193】
図11を参照して、1段目の回路50であるSR(1)の構成について説明する。
図1
1に示す回路は、入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端子54、出力端子
55、トランジスタ31、トランジスタ32、容量素子33、回路111、回路82、回
路83から構成されている。入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端子54
、出力端子55、回路82、回路83、トランジスタ31、トランジスタ32、容量素子
33、及びnodePは
図8で説明したものと同様なものとする。
【0194】
回路111は回路83からの出力がHighの場合で、且つCK1、CK2及びCK3
のいずれかがHighの場合にnodePにLowを出力し、CK1、CK2及びCK3
がLowの場合に出力がフローティングとなる。そして、回路83からの出力がLowの
場合で、且つCK2がHighの場合にnodePにLowを出力し、CK2がLowの
場合に出力がフローティングとなる機能を有する回路である。
【0195】
図11接続関係について説明する。トランジスタ31のゲートは入力端子51と接続さ
れ、ソースとドレインのうち一方はVDDと接続され、ソースとドレインのうち他方は容
量素子33の一方の電極、トランジスタ32のゲート、回路83の入力端子及び回路11
1の出力端子、つまりnodePと接続されている。トランジスタ32のソースとドレイ
ンのうち一方は入力端子52と接続され、ソースとドレインのうち他方は回路82の出力
端子、容量素子33の他方の電極、及び出力端子55と接続されている。入力端子52は
回路82の入力端子及び回路111の入力端子と接続され、入力端子53は回路82の入
力端子及び回路111の入力端子と接続され、入力端子54は回路82の入力端子及び回
路111の入力端子と接続されている。回路83の出力端子は回路82の入力端子、及び
回路111の入力端子と接続されている。
【0196】
図11の動作について、
図2に示す本実施形態のタイミングチャートを参照して、期間
T1、期間T2、及び期間T3に分けて説明する。また、初期状態として、nodeP、
及びOUT(1)の電位はVSSとする。
【0197】
期間T1において、SSPがHigh、CK1がLow、CK2がLow、CK3がH
ighとなる。このときのトランジスタ31のゲートの電位はVDD、ソースとドレイン
のうち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなるため、当
該トランジスタ31がオンして、nodePの電位がVSSから上昇し始める。node
Pの電位の上昇はVDDからトランジスタ31のしきい値電圧分小さい電位となるところ
で止まり、トランジスタ31はオフする。このときのnodePの電位をVn1とする。
回路83はnodePの電位がVn1となるため、回路82の入力端子、及び回路83の
入力端子にLowを出力する。回路111は、回路83の出力がLow、CK1がLow
、CK2がLow、CK3がHighなとなるため、出力はフローティングとなる。回路
82は、回路83の出力がLow、CK1がLow、CK2がLow、CK3がHigh
なとなるため出力端子55にLowを出力する。そして、容量素子33には出力端子55
の電位であるVSSとnodePの電位であるVn1との電位差が保持されている。
【0198】
期間T2において、SSPがLow、CK1がHigh、CK2がLow、CK3がL
owとなる。このときのトランジスタ31のゲートの電位はVSS、ソースとドレインの
うち一方の電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVn1となるため、当該
トランジスタ31はオフする。回路83はnodePの電位がVn1となるため回路82
の入力端子及び回路111の入力端子にLowを出力する。回路111は、回路83の出
力がLow、CK1がHigh、CK2がLow、CK3がLowとなるため、出力はフ
ローティングとなる。回路82は、回路83の出力がLow、CK1がHigh、CK2
がLow、CK3がLowとなるため、出力はフローティングとなる。このときのトラン
ジスタ32のゲートの電位はVn1、ソースとドレインのうち一方の電位はVDD、ソー
スとドレインのうち他方、つまり出力端子55の電位はVSSとなるため、当該トランジ
スタ32がオンして、出力端子55の電位が上昇し始める。すると、トランジスタ32の
ゲートと、ソースとドレインのうち他方の間に接続されている容量素子33は期間T1で
保持した電位差をそのまま保持するため、ソースとドレインのうち他方の電位が上昇する
と、ゲートの電位も同時に上昇する。このときの、nodePの電位をVn2とする。n
odePの電位がVDDとトランジスタ32のしきい値電圧との和まで上昇すれば、出力
端子55の電位の上昇はCK1と同じVDDになるところで止まる。いわゆる、ブートス
トラップ動作によって、CK1のHighの電位であるVDDまで、出力端子55の電位
を上昇することができる。
【0199】
期間T3において、SSPがLow、CK1がLow、CK2がHight、CK3が
Lowとなる。このとき、nodePの電位は、CK2がHighであるため、回路11
1からVSSが出力されるため、VSSとなり、回路83は回路82の入力端子にHig
hを出力する。OUT(1)の電位も回路82からVSSが出力されるため、VSSとな
る。このときのトランジスタ31のゲート電位はVSS、ソースとドレインのうち一方の
電位はVDD、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなり、当該トランジスタ3
1はオフする。トランジスタ32のゲートの電位はVSS、ソースとドレインのうち一方
の電位はVSS、ソースとドレインのうち他方の電位はVSSとなり、当該トランジスタ
32はオフする。
【0200】
上記説明した期間T1、期間T2、期間T3の動作により、期間T1にSSPが入力さ
れるとOUT(1)が期間T2に出力される。つまり、SSPがクロック信号の1/3周
期ずつシフトして出力される回路50をn段接続することにより、シフトレジスタ回路を
構成している。
【0201】
図11に示したシフトレジスタ回路で用いたトランジスタはNチャネル型トランジスタ
のみで構成する単極性回路であったが、Pチャネル型トランジスタのみで構成してもよい
。もちろん、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタ組み合わせてもよい
。トランジスタを全てPチャネル型トランジスタで構成した場合のシフトレジスタ回路に
ついて
図58を参照して説明する。
【0202】
図58に示す回路構成において、正電源VDD,負電源VSS、入力端子51、入力端
子52、入力端子53、入力端子54、トランジスタ551、トランジスタ552、及び
容量素子553は
図55と同様なものを用いることができる。回路572、回路573は
図57と同様なものを用いることができる。回路581はCK1、CK2、CK3のうち
いずれかがLowのときに出力端子55にHighを出力する回路である。
【0203】
図58の接続関係について説明する。トランジスタ551のゲートは入力端子51と接
続され、ソースとドレインのうち一方は正電源VSSと接続され、ソースとドレインのう
ち他方は容量素子553の一方の電極、トランジスタ552のゲート及び回路581の出
力端子、つまりnodePと接続されている。トランジスタ552のソースとドレインの
うち一方は入力端子52と接続され、ソースとドレインのうち他方は回路572の出力端
子、容量素子553の他方の電極、及び出力端子55と接続されている。入力端子52は
回路572の入力端子と接続されている。入力端子53は回路581の入力端子、及び回
路572の第1の入力端子と接続され、入力端子54は回路562の第1のトランジスタ
の第2の入力端子と接続されている。
【0204】
なお、トランジスタ551のゲート、及びトランジスタ552のソースとドレインのう
ち他方は電源線と接続してもよく、例えば正電源VDD、負電源VSSなどの電源線、又
は他の電源線と接続してもよいし、他の信号線と接続してもよい。また、トランジスタ5
51のソースとドレインのうち他方は信号線と接続してもよく、例えばCK1、CK2、
CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続し
てもよい。
【0205】
図11に示した1段目の回路50を示したが、n段目の回路56について
図54を参照
して説明する。
図54において、トランジスタ31、トランジスタ32、容量素子33、
回路111、回路82、回路83、入力端子51、入力端子52、入力端子53、入力端
子54、及び出力端子55は
図11で説明したものと同様なものとする。入力端子51か
ら入力される入力信号は前の段の回路の出力端子55と接続されていることを特徴とする
。
【0206】
次に、
図12を参照して、
図11に示す回路111の構成の一例について説明する。
【0207】
図12に示す回路111に示すように、入力端子52、入力端子53、入力端子54及
びOUT(1)は
図5及び
図11と同様なものとする。トランジスタ121、トランジス
タ122、トランジスタ123、トランジスタ124、及びトランジスタ125はNチャ
ネル型トランジスタであり、非結晶半導体、多結晶半導体、若しくは単結晶半導体によっ
て構成されている。Voutは回路111の出力である。
【0208】
図12の接続関係について説明する。トランジスタ124のゲートはVoutと接続さ
れ、トランジスタ124のソースとドレインのうち一方は入力端子52と接続され、ソー
スとドレインのうち他方はトランジスタ121のゲート接続されている。トランジスタ1
21のソースとドレインのうち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他方は
nodePと接続されている。トランジスタ122のゲートは入力端子53と接続され、
ソースとドレインのうち一方はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他方はnod
ePと接続されている。トランジスタ125のゲートはVoutと接続され、ソースとド
レインのうち一方は入力端子54と接続され、ソースとドレインのうち他方はトランジス
タ123のゲートと接続されている。トランジスタ123のソースとドレインのうち一方
はVSSと接続され、ソースとドレインのうち他方はnodePと接続されている。
【0209】
図12の動作について説明する。回路83の出力から入力されるVoutがHighの
場合に、トランジスタ124及びトランジスタ125はオンして、トランジスタ121の
ゲートにCK1の信号を伝達して、トランジスタ123のゲートにCK3の信号を伝達す
る。VoutがLowの場合に、トランジスタ124及びトランジスタ125はオフして
、トランジスタ121のゲートにはCK1の信号は伝達されないため、前の状態を保持し
て、トランジスタ123のゲートにはCK3の信号が伝達されないため、前の状態を保持
する。ここで、トランジスタ124がオンして、且つ入力端子52から入力されるCK1
がHighの場合に、トランジスタ121はオンして、nodePにVSSを出力し、C
K1がLowの場合に、トランジスタ121はオフして、nodePにはなにも出力され
ない。入力端子53から入力されるCK2がHighの場合に、トランジスタ122はオ
ンして、nodePにVSSを出力し、CK2がLowの場合に、トランジスタ122は
オフして、nodePにはなにも出力されない。トランジスタ125がオンして、且つ入
力端子54から入力されるCK3がHighの場合に、トランジスタ123はオンして、
nodePにVSSを出力し、CK3がLowの場合に、トランジスタ123はオフして
、nodePにはなにも出力されない。こうして、回路111は、回路83の出力がHi
ghで、且つCK1、CK2、及びCK3のいずれかがHighの場合に出力端子55に
Lowを出力し、CK1、CK2、及びCK3がLowの場合に出力がフローティングに
なる。そして、回路83からの出力がLowで、且つCK2がHighの場合に出力端子
55にLowを出力し、CK2がLowの場合に出力がフローティングとなる機能を有す
る回路を構成している。また、回路構成は説明した回路構成に限らず、同じ機能を有する
回路構成であればよい。また、
図63にPチャネルトランジスタを用いた構成例に示して
いる。
【0210】
なお、トランジスタ124のソースとドレインのうち他方、及びトランジスタ121の
ゲート、トランジスタ122のゲート、トランジスタ125のソースとドレインのうち一
方、及びトランジスタ123のゲートは、信号線に接続してもよく、例えばCK1、CK
2、CK3、SSPなどの信号線、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接
続してもよい。また、トランジスタ121のソースとドレインのうち他方、トランジスタ
122のソースとドレインのうち他方、及びトランジスタ123のソースとドレインのう
ち他方は信号線に接続してもよく、例えばCK1、CK2、CK3、SSPなどの信号線
、又は他の信号線と接続してもよいし、他の電源線と接続してもよい。
【0211】
以上のような、シフトレジスタ回路では、非動作期間において、CK1、CK2及びC
K3のうちいずれかがHighとなれば、出力端子55、及びnodePにVSSを供給
することができる。つまり、非選択期間における出力端子55、及びnodePには常時
VSSが供給されているため、電位が安定し、ノイズを無くすことができ、且つ定常的に
オンするトランジスタがないため、特性が劣化することを抑制することができる。
【0212】
以下に、本実施形態の変更可能な構成例、及び動作例をいくつか述べる。また、以下で
述べる構成例、及び動作例は「課題を解決するための手段」、「発明を実施するための最
良の形態」、及び「実施例」について適用可能であり、第1の実施形態で説明した変更可
能な構成例、及び動作例を本実施形態に適用することができる。
【0213】
図12に示すように、トランジスタ121のゲートに入力される信号は、回路82のト
ランジスタ92のゲートに入力される信号と共通にしてもよい。こうすることで、トラン
ジスタの数を減らすことができる。
【0214】
図12に示すように、トランジスタ121のゲートは、トランジスタ124がオフのと
き浮遊となる。そのため、トランジスタ121のゲート容量に電位を保持しているが、保
持しきれない場合は、容量素子を接続してもよい。その場合、トランジスタ121のゲー
トとVDD、又はVSSとの間に容量素子を接続することが望ましい。
【0215】
図12に示すように、トランジスタ123のゲートは、トランジスタ125がオフのと
き浮遊となる。そのため、トランジスタ123のゲート容量に電位を保持しているが、保
持しきれない場合は、容量素子を接続してもよい。その場合、トランジスタ123のゲー
トとVDD、又はVSSとの間に容量素子を接続することが望ましい。
【0216】
(第5の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態、乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路を
用いた場合の回路の構成の一例についていくつか説明する。
【0217】
第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路によって画素を走査
するゲートドライバの構成例について
図13を参照して説明する。また、そのときのタイ
ミングチャートを
図14に示す。
【0218】
図13に示すゲートドライバ回路は第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフ
トレジスタ回路131によって構成されている。そして、ゲート信号線G1乃至ゲート信
号線Gnを介して、シフトレジスタ回路131から出力される出力信号であるOUT1乃
至OUTnをゲート信号として画素へ伝達する。
【0219】
シフトレジスタ回路131は、制御信号であるSSP、CK1、CK2、及びCK3が
入力されており、タイミングは
図14に示すように第1の実施形態乃至第4の実施形態と
同様なものとする。また、電源として正電源VDD及び負電源VSSが入力されており、
制御信号の振幅電圧は正電源VDD及び負電源VSSに対応した振幅電圧となっている。
図14に示すようにSSPが入力されると、OUT1から順に選択される(以下、走査す
るともいう)。こうして、シフトレジスタ回路131の出力をそのままゲート信号として
、ゲート信号線G1乃至ゲート信号線Gnに出力する。
【0220】
ここで、正電源VDDの電位は後に説明する画素のビデオ信号の最大値よりも高くし、
負電源VSSの電位はビデオ信号の最小値よりも低くしておくことが望ましい。こうする
ことで、ビデオ信号を確実に画素に書き込むことができるため、より高画質な表示装置を
提供することができる。
【0221】
図13で説明したゲートドライバは、シフトレジスタ回路131の出力をそのままゲー
ト信号として出力することを特徴としている。こうすることで、ゲートドライバ部分の面
積が小さくなるので有利である。また、ゲートドライバ部分の素子数も少なくなるので、
歩留まりを高くすることができるため有利である。
【0222】
第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路の出力信号の振幅電
圧を変えて画素を走査するタイプのゲートドライバについて
図15を参照して説明する。
また、そのときのタイミングチャートを
図16に示す。
【0223】
図15に示すゲートドライバ回路は第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフ
トレジスタ回路151及びレベルシフト回路152によって構成されている。そして、ゲ
ート信号線G1乃至ゲート信号線Gnを介して、シフトレジスタ回路151から出力され
る出力信号であるOUT1乃至OUTnをレベルシフト回路152を介してゲート信号と
して画素へ伝達する。
【0224】
図15に示すレベルシフト回路152を
図50(a)及び(b)を参照して説明する。
また、
図50で説明するレベルシフト回路は
図15で示すレベルシフト回路152だけで
なく、他の図、発明を実施するための最良の形態、及び実施例に適用することが可能であ
る。
【0225】
図50(a)に示すように、シフトレジスタ回路151のn行目の出力であるOUT(
n)と、OUT(n)の振幅電圧の最大値よりも電位が高い電源VDDHと負電源VSS
と抵抗成分を含む抵抗素子502とトランジスタ501とをと少なくとも有している。ト
ランジスタ501のゲートはOUT(n)が入力され、ソースとドレインのうち一方は負
電源VSSと接続され、ソースとドレインのうち他方は抵抗素子502の一方の端子、及
びゲート信号線と接続され、抵抗素子502の他方の端子は電源VDDHと接続されてい
ることを特徴とするレベルシフト回路である。
【0226】
図50(b)に示すように、シフトレジスタ回路151のn行目の出力であるOUT(
n)と、OUT(n)の振幅電圧の最大値よりも電位が高い電源VDDHと負電源VSS
とトランジスタ503とトランジスタ504とインバータ回路505とを少なくとも有し
ている。トランジスタ504のゲートはOUT(n)が入力され、トランジスタ503の
ゲートはOUT(n)がインバータ回路505を介すことで反転したOUT(n)が入力
されている。トランジスタ504のソースとドレインのうち一方は負電源VSSと接続さ
れ、トランジスタ503のソースとドレインのうち一方は電源VDDと接続されている。
トランジスタ504のソースとドレインのうち他方、及びトランジスタ505のソースと
ドレインのうち他方はゲート信号線と接続されていることを特徴とするレベルシフト回路
である。
【0227】
シフトレジスタ回路151は制御信号であるSSP、CK1、CK2及びCK3が入力
されており、タイミングは
図16に示すように第1の実施形態乃至第4の実施形態と同様
なものとする。また、電源として正電源VDD及び負電源VSSが入力されており、制御
信号の振幅電圧は正電源VDD及び負電源VSSに対応した振幅電圧となっている。
図1
6に示すようにSSPが入力されると、OUT1から順に選択される(以下、走査すると
もいう)。こうして、シフトレジスタ回路151の出力をレベルシフト回路152に入力
することができる。また、このときのシフトレジスタ回路151の出力信号の振幅は、H
ighが正電源VDDの電位であり、Lowが負電源VSSの電位である。
【0228】
レベルシフト回路152は入力されるシフトレジスタ回路151の出力信号の振幅電圧
を変化する機能を持つ。例えば、Highが入力された場合は正電源VDDの電位から正
電源VDDHの電位、Lowが入力された場合は負電源VSSの電位から負電源VSSL
の電位にしてゲート信号線に出力する。また、正電源VDDHの電位は正電源VDDの電
位よりも高く、負電源VSSLの電位は負電源VSSの電位よりも低い電位となっている
。また、Highのみ振幅電圧を変化させてもよいし、Lowのみの振幅電圧を変化させ
てもよい。
【0229】
ここで、正電源VDDHの電位は後に説明する画素に入力するビデオ信号の最大値より
も高くし、負電源VSSの電位はビデオ信号の最小値よりも低くしておくことが望ましい
。こうすることで、ビデオ信号を確実に画素に書き込むことができるため、より高画質な
表示装置を提供することができる。
【0230】
図15で説明したゲートドライバは、シフトレジスタ回路151の出力信号をレベルシ
フト回路152を介すことで、振幅電圧を変化させてゲート信号線に出力することを特徴
としている。こうすることで、シフトレジスタ回路151は小さい振幅電圧の制御信号、
及び電源で駆動することができ、消費電力を小さくすることができるため有利である。
【0231】
第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路に入力する制御信号
をレベルシフト回路を介してシフトレジスタ回路に入力するタイプのゲートドライバにつ
いて
図17を参照して説明する。また、そのときのタイミングチャートを
図18に示す。
【0232】
図17に示すゲートドライバ回路は、第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシ
フトレジスタ回路171及びレベルシフト回路172によって構成されている。そして、
ゲート信号線G1乃至ゲート信号線Gnを介して、シフトレジスタ回路151から出力さ
れる出力信号であるOUT1乃至OUTnをゲート信号として画素へ伝達する。
【0233】
レベルシフト回路172は入力される信号の振幅電圧を変化するための回路である。例
えば、入力される信号のHighの電位をシフトレジスタ回路171の電源である正電源
VDDの電位に変化させ、Lowの電位を負電源VSSの電位に変えることができる。図
17の場合はレベルシフト回路172に入力される制御信号SSP、CK1、CK2及び
CK3の振幅電圧を正電源VDD、及び負電源VSSに対応した振幅電圧に変えることが
できる。つまり、制御信号の振幅は小さい振幅、例えば既存の外部回路の振幅で入力し、
レベルシフト回路172を介すことで制御信号の振幅電圧を正電源VDD及び負電源VS
Sに対応した振幅電圧に買えてシフトレジスタ回路171に入力することができる。こう
することで、外部回路の振幅電圧の使用に関らず
図17に示すゲートドライバを駆動する
ことができ、新たに外部回路を開発する必要が無く、表示装置としてのコストを下げるこ
とができるため有利である。
【0234】
シフトレジスタ回路171は振幅電圧が正電源VDD及び負電源VSSに対応した振幅
電圧に変化したSSP、CK1、CK2及びCK3が入力されており、タイミングは
図1
8に示すように第1の実施形態乃至第4の実施形態と同様なものとする。また、電源とし
て正電源VDD及び負電源VSSが入力されている。
図18に示すようにSSPが入力さ
れると、OUT1からに選択される。こうして、シフトレジスタ回路171の出力をその
ままゲート信号として、ゲート信号線G1乃至ゲート信号線Gnに出力する。つまり、ゲ
ート信号を順に走査することになる。
【0235】
ここで、正電源VDDの電位は後に説明する画素に入力するビデオ信号の最大値よりも
高くし、負電源VSSの電位はビデオ信号の最小値よりも低くしておくことが望ましい。
こうすることで、ビデオ信号を確実に画素に書き込むことができるため、より高画質な表
示装置を提供することができる。
【0236】
第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路を用いたソースドラ
イバ回路について
図19を参照して説明する。また、タイミングチャートを
図20に示す
。
【0237】
図19に示すソースドライバ回路は、第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシ
フトレジスタ回路191及びスイッチング素子192によって構成されている。シフトレ
ジスタ回路191の出力信号によって、スイッチ192は1列目であるSW1からSWm
まで順にオンする。スイッチ192の一方の端子はビデオ信号を伝達しているビデオ信号
線と接続され、スイッチ192の他方の端子はソース信号線と接続されているため、スイ
ッチング素子192がオンするとソース信号線にビデオ信号を出力することができる。図
20に示すようにビデオ信号はオンとなる列のソース信号線に合わせて変わるため、全列
で任意のビデオ信号をソース信号線に出力することができる。そして、ソース信号線は、
画素に接続されているため、ビデオ信号を画素へ伝達することができる。
【0238】
ここで、シフトレジスタ回路192の出力信号は、第1の実施形態乃至第4の実施形態
で説明したように、HighとLowの1ビットの信号であり、Highの電位は正電源
VDDの電位、Lowの電位は負電源VSSの電位となっている。スイッチング素子19
2はシフトレジスタ回路191の出力によって制御されているため、正電源VDDの電位
及び負電源VSSの電位はビデオ信号に関らず確実にスイッチング素子192をオン、オ
フできる電位にしておく必用がある。つまり、正電源VDDの電位はビデオ信号の電位の
最大値よりも高く、負電源VSSの電位はビデオ信号の電位の最小値よりも低く設定する
ことが望ましい。また、シフトレジスタ回路191に入力される制御信号も同様に、正電
源VDDの電位及び負電源VSSの電位に対応した振幅電圧にする必要がある。
【0239】
スイッチング素子192はNチャネル型トランジスタを用いて構成することが望ましい
。Nチャネル型トランジスタのゲートをシフトレジスタ回路191の出力と接続し、ソー
スとドレインのうち一方をビデオ信号線と接続し、ソースとドレインのうち他方をソース
信号線と接続する。こうして、シフトレジスタ回路191の出力がHighのときはNチ
ャネル型トランジスタをオンして、LowのときはNチャネル型トランジスタをオフする
ことができる。スイッチング素子192をNチャネル型トランジスタによって構成するこ
とで、アモルファスシリコンを用いてトランジスタを形成することが可能となる。つまり
、Nチャネルトランジスタのみで構成されるシフトレジスタ回路とスイッチング素子19
2と画素部とを同一の基板で構成することができるため有利である。
【0240】
また、本発明において、スイッチング素子として適用可能なトランジスタの種類に限定
はなく、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いたトラン
ジスタ、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるMOS型トランジスタ、接合型トラ
ンジスタ、バイポーラトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトラン
ジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。また、トランジスタが形成され
る基板の種類に限定はなく、単結晶基板、SOI基板、石英基板、ガラス基板、樹脂基板
などを自由に用いることができる。
【0241】
トランジスタは単なるスイッチング素子として動作させるため、極性(導電型)は特に
限定されず、N型トランジスタでもP型トランジスタでもどちらでもよい。ただし、オフ
電流が少ない方が望ましい場合、オフ電流が少ない特性のトランジスタを用いることが望
ましい。オフ電流が少ないトランジスタとしては、チャネル形成領域とソース領域または
ドレイン領域との間に低濃度で導電型を付与する不純物元素が添加された領域(LDD領
域という。)が設けられたトランジスタがある。
【0242】
また、トランジスタのソースの電位が低電位側電源に近い状態で動作する場合には、当
該トランジスタはN型とするのが望ましい。反対に、トランジスタのソースの電位が高電
位側電源に近い状態で動作する場合には、当該トランジスタはP型とするのが望ましい。
このような構成とすることによって、トランジスタのゲートとソース間の電圧の絶対値を
大きくできるので、当該トランジスタをスイッチとして動作させやすい。なお、N型トラ
ンジスタとP型トランジスタとの両方を用いて、CMOS型のスイッチング素子としても
よい。
【0243】
図19ではビデオ信号線を1本としているが、ビデオ信号線を複数としてもよい。例え
ば、ビデオ信号線を2本とした場合、シフトレジスタ回路191の出力信号によって2つ
のスイッチング素子192を制御し、それぞれのスイッチング素子192に別のビデオ信
号線を接続する。こうして、2つのスイッチング素子192が同時にオンして、別のビデ
オ信号を別のソース信号線に出力することができる。つまり、同じ列数のソース信号線で
あれば、シフトレジスタ回路191の段数を半分にすることができるためシフトレジスタ
回路191を形成するための面積を小さくすることができるため有利である。また、全体
的に素子数も減るため歩留まりの向上なども期待できる。
【0244】
図19に示すように、シフトレジスタ回路191の出力とスイッチング素子192との
間にレベルシフト回路を追加してもよい。こうすることで、シフトレジスタ回路191は
小さい振幅電圧で動作させ、レベルシフト回路によってシフトレジスタ回路191の出力
信号を大きくしてスイッチング素子192に入力することができる。つまり、シフトレジ
スタ回路191を小さい振幅電圧で動作させることで消費電力を小さくすることができる
。そして、シフトレジスタ回路191の出力信号をレベルシフト回路を介してスイッチン
グ素子192に入力することで、ビデオ信号よりも振幅電圧が大きくすることができる。
【0245】
図19に示すように、シフトレジスタ回路191に入力する制御信号はレベルシフト回
路を介してしてもよい。こうすることで、既存の外部回路を使用して本発明の表示装置を
駆動することができる。また、さらにシフトレジスタ回路191の出力にレベルシフト回
路を接続してもよい。
【0246】
(第6の実施形態)
本実施形態では第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路を用
いたゲートドライバ、及びソースドライバを用いた表示装置の構成例についていくつか説
明する。
【0247】
第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路をゲートドライバと
して用いた場合の表示装置の構成例を
図21を参照して説明する。また、便宜上、制御信
号線、電源線、対向電極などは図示していないが、必要に応じて追加することができる。
ゲートドライバも必要に応じて追加することもできる。また、
図21で説明するゲートド
ライバは第5の実施形態で説明したゲートドライバを用いるとよい。
【0248】
図21に示す表示装置は、ゲートドライバ212、画素211、ゲート信号線G1、乃
至ゲート信号線Gn、ソース信号線S1、乃至ソース信号線Smで構成されている。ゲー
トドライバ212の出力であるゲート信号を伝達するためのゲート信号線と外部回路から
伝達されるビデオ信号を伝達するためのソース信号線によって画素211が制御されてい
る。
【0249】
画素211は液晶素子、FED素子やEL素子などの発光素子などの表示素子を有し、
それらを制御するためのスイッチング素子、トランジスタとビデオ信号やトランジスタの
しきい値電圧を保持するための容量素子などを含むことができる。
【0250】
ゲートドライバ212はどの画素211にビデオ信号を書き込むかを選択するゲート信
号を出力するゲートドライバ回路である。ビデオ信号の書き込みを選択する場合は、ゲー
ト信号線G1からゲート信号線Gnまで順に選択する。また、ゲート信号線から画素に伝
達される振幅電圧はビデオ信号の電位の最大値、及び最小値よりも大きい振幅電圧として
おくことが望ましい。また、ビデオ信号が電流の場合は流れる電流によって決定されるソ
ース信号線の電位の最大値、及び最小値よりも大きい振幅電圧としておくことが望ましい
。また、ゲート信号線を選択するとはゲートドライバ212からHighを出力すること
いい、ゲート信号線を選択していない期間はLowを出力している。
【0251】
ソース信号線S1、乃至ソース信号線Smは外部回路から入力されるビデオ信号を画素
に伝達するためのソース信号線である。ビデオ信号はアナログ信号で入力されてもよいし
、デジタル信号で入力されてもよし、電流で入力されてもよいし、電圧で入力されてもよ
い。また、ビデオ信号を出力するソースドライバを内部回路として形成し、ソースドライ
バの出力をソース信号線に出力してもよい。また、ソース信号線に入力されるビデオ信号
は全列同時にビデオ信号を伝達する線順次駆動で入力してもよいし、1列、若しくはビデ
オ信号を分割して複数列ずつ入力する点順次駆動で入力してもよい。
【0252】
ソースドライバを内部を内部回路として形成した場合の構成例を
図22に示す。
図22
に示すように、画素211、ゲートドライバ212、ゲート信号線、及びソース信号線は
図21と同様なものを用いることができる。ソースドライバ221はビデオ信号を出力す
るためのソースドライバであり、点順次駆動、又は線順次駆動によってビデオ信号を出力
する。また、ソースドライバ221の構成は第5の実施形態で説明したソースドライバの
構成を用いてもよい。
【0253】
図21に示す表示装置の構成例に示すように、m列のソース信号線に対して、m個のビ
デオ信号を入力する必要がある。表示装置が高解像化、大型化した場合はそれに伴いビデ
オ信号の数、つまり外部回路かFPCなどを介して入力される端子数が大幅に増大するこ
とが予想される。そこで、あるゲート信号線をゲートドライバで選択(Highを出力)
している期間を複数に分割し、その分割した期間において別のソース信号線にビデオ信号
を出力する。こうして、ビデオ信号が入力される端子数を減らすことを特徴としたビデオ
信号入力部の構成例について
図46を参照して説明する。また、
図46のタイミングチャ
ートを
図47に示す。
【0254】
図46は
図21に示す表示装置のビデオ信号入力部の一例を示しており、図示していな
い他の箇所、例えば画素211、ゲートドライバ212などは同様なものを用いることが
できる。
図46は、ソース信号線をRGBに分けた場合の構成例について説明する。また
、便宜上ビデオ信号の入力端子は2端子、ソース信号線は6本しているが、これに限定さ
れることはなく必用に応じて変更することができる。
【0255】
図46に示すように、制御信号線R、制御信号線G、制御信号線B、ビデオ信号入力端
子S1(RGB)、及びビデオ信号入力端子S2(RGB)は制御信号を外部から入力す
る入力端子である。スイッチング素子SW1R、及びスイッチング素子SW2Rは制御信
号線Rによってオン、オフが制御されるスイッチング素子である。スイッチング素子SW
1G、及びスイッチング素子SW2Gは制御信号線Gによってオン、オフが制御されるス
イッチング素子である。スイッチング素子SW1B、及びスイッチング素子SW2Bは制
御信号線Bによってオン、オフが制御されるスイッチング素子である。ソース信号線S1
-R、ソース信号線S1-G、ソース信号線S1-B、ソース信号線S2-R、ソース信
号線S2-G、及びソース信号線S2-Bはビデオ信号を画素に伝達するためのソース信
号線である。
【0256】
図46の接続関係について説明する。ビデオ信号入力端子S1(RGB)はスイッチン
グ素子SW1Rの一方の端子、スイッチング素子SW1Gの一方の端子、及びスイッチン
グ素子SW1Bの一方の端子が接続されている。スイッチング素子SW1Rの他方の端子
はソース信号線S1-Rと接続され、スイッチング素子SW1Gの他方の端子はソース信
号線S1-Gと接続され、及びスイッチング素子SW1Bの他方の端子はソース信号線S
1-Bと接続されている。ビデオ信号入力端子S2(RGB)、スイッチング素子SW2
R、スイッチング素子SW2G、スイッチング素子SW2B、ソース信号線S1-R、ソ
ース信号線S1-G、及びソース信号線S1-Bも同様に接続されている。
【0257】
スイッチング素子SW1R、スイッチング素子SW1G、スイッチング素子SW1B、
スイッチング素子SW2R、スイッチング素子SW2G、スイッチング素子SW2Bは、
例えばNチャネル型トランジスタを用いて構成することができる。Nチャネル型トランジ
スタのソースとドレインのうち一方をビデオ入力端子S1(RGB)と接続し、ソースと
ドレインのうち他方をソース信号線S1-Rと接続し、ゲートを制御信号線Rと接続する
ことでスイッチング素子としての機能を有することができる。スイッチング素子をNチャ
ネル型トランジスタで構成することによって、非結晶半導体を用いて構成することが容易
となり、低コスト、大型化に有利である。また、これに限らず、Nチャネル型トランジス
タとPチャネル型トランジスタを並列に接続する一般的なアナログスイッチを用いてもよ
いし、オン、オフが制御できる素子、又は回路であればなんでもよい。
【0258】
図47に、n行目、n+1行行目の画素211にビデオ信号を書き込む場合のタイミン
グチャートについて説明する。上記説明したようにn行目にビデオ信号を書き込む期間(
以下、1ゲート選択期間ともいう)を3つに分割している。ビデオ信号入力端子S1(R
GB)であれば、順にビデオ信号S1-Rn、ビデオ信号S1-Gn、ビデオ信号S1-
Bnが外部回路から入力される。このビデオ信号の変化に対応してスイッチング素子のオ
ン、オフを制御することで1つのビデオ信号入力端子で上記3本のソース信号線にビデオ
信号を出力することができる。こうして、ビデオ信号入力端子の端子数を減らすことがで
きる。
【0259】
図46に示した駆動方法は、非結晶半導体を用いたトランジスタによって構成されるゲ
ートドライバと画素とを同一基板に形成された表示装置にとって有効な手段となる。m行
n列の画素とソース信号線及びゲート信号線のみを形成するような表示装置の場合は、少
なくとも外部回路と接続するための端子をm×n端子必要となる。ゲートドライバ画素を
同一の基板上に形成する場合、入力端子はゲートドライバを駆動する制御信号、及び電源
を入力する端子とn行分のn端子必要である。つまり、ほぼn端子の入力端子が必要があ
る。ここで、
図46に示すように、n端子を(1/3)n端子にすることができれば外部
回路の規模を減らすことができる。
【0260】
図21に示す動作について説明する。上記説明したようにゲートドライバ212によっ
て選択された行の画素211にビデオ信号を書き込むことができる。そして、画素211
は書き込まれたビデオ信号に従ってどの程度発光するか、又はどの程度光を透過するかを
決定する。そして、ゲートドライバ212による選択が終わると、次に選択に選択される
まで、容量素子、又は表示素子の容量を用いてビデオ信号を保持することで、発光輝度、
又は透過率を保持する。こうして、アクティブマトリクス駆動を実現することができる。
【0261】
図21、
図22、及び
図46に示す表示装置の構成例に示すように、対向にゲートドラ
イバを配置した表示装置の構成例について
図49を参照して説明する。
図49は図示して
いないがソース信号線、及び画素211が配置されている。
【0262】
図49に示すように、ゲートドライバ212は同一のタイミングでゲート信号を出力す
るゲートドライバであり、お互いの出力が同じ行で接続されていることを特徴としている
。このゲートドライバ212は
図21、及び
図22で説明したゲートドライバ212と同
様なものを用いることができる。
【0263】
図49に示すように、1本のゲート信号線を対向に配置されたゲートドライバ212に
よって駆動する駆動方法は、ゲートドライバ212の構成に関らず、非結晶半導体で構成
するトランジスタを用いてゲートドライバ212を構成した場合に有利である。非結晶半
導体で構成するトランジスタは電荷の移動度が小さく、能力的には多結晶半導体、及び単
結晶半導体に比べ大きく劣る。しかしながら、製造プロセスが容易であり、大型化に向い
ているため、内部回路の一部、例えばゲートドライバを画素が設けられた基板と同一の基
板上に設けた表示装置の開発が進められている。しかしながら、非結晶半導体で構成され
たトランジスタを用いてゲートドライバを形成する場合、トランジスタの能力が低いため
に、チャネル幅を広く持ったトランジスタが必要となっていた。そのため、ゲートドライ
バを形成する面積が大きくなり、狭額縁化、高解像化が困難になっていた。そこで、
図4
9に示すように、対向に配置された2つのゲートドライバによって1つのゲート信号線を
駆動することで、電流能力が低くても、ゲート信号線を正常に走査することができる。
【0264】
図49に示すように説明したゲートドライバは第1の実施形態乃至第4の実施形態で説
明したシフトレジスタ回路を用いていなくてもよい。特にトランジスタの能力が低い非結
晶半導体で構成されるトランジスタを用いて形成されたゲートドライバを一体形成する表
示装置に示すように有利である。
【0265】
【0266】
液晶素子を用いた画素211の構成例にいて
図23を参照して説明する。
【0267】
図23に示す画素211に示すように、トランジスタ231、2つの電極を持つ容量素
子232、2つの電極を持つ液晶素子233、液晶素子の他方の電極である対向電極23
4、ソース信号線、ゲート信号線、及び容量素子232の他方の電極であるコモン線によ
って構成されている。ソース信号線、及びゲート信号線は
図21、
図22、及び
図46で
説明したものと同様なものとする。ソース信号線はビデオ信号としてアナログ信号電圧を
伝達するものとする。
【0268】
トランジスタ231はスイッチとして動作するNチャネル型トランジスタであり、ゲー
ト信号線の電位がHighとなるとオンして、Lowとなるとオフするトランジスタであ
る。トランジスタ231がオンとなったときにソース信号線と液晶素子233の一方の電
極、及び容量素子232の一方の電極とが電気的に接続され、ソース信号線から伝達され
るビデオ信号を液晶素子233の一方の電極、及び容量素子232の一方の電極にそのま
ま伝達する。そして、トランジスタ231がオフとなってソース信号線と液晶素子233
の一方の電極、及び容量素子232の一方の電極とが電気的に非接続状態となり、容量素
子232の一方の電極、及び液晶素子233の一方の電極への電荷の供給、移動はなくな
る。
【0269】
容量素子232はソース信号線からオンしたトランジスタ231を介して伝達されるビ
デオ信号を保持するための容量素子である。容量素子232の他方の電極を定電位である
コモン線と接続されているため、一方の電極に印加される電位を一定期間保持することが
できる。また、容量素子232の他方の電極は動作時に一定の電位となっていればどこに
接続されてもよい。例えば、前行のゲート信号線に接続しておくとよい。前行のゲート信
号線は走査された直後であるため、ほぼ全行走査期間においてLowとなり、定電位とな
っているため、コモン線の代わりとして利用することができる。
【0270】
液晶素子233は他方の電極は定電位である対向電極234と接続されており、一方の
電極と対向電極234との電位差によって、光の透過率が変わる液晶素子である。液晶素
子233の一方の電極の電位はソース信号線、及びトランジスタ231を介して伝達され
るビデオ信号によって決定するため、ビデオ信号の電位によって液晶素子233の透過率
が決定する。また、液晶素子233を用いた表示装置の場合は、バックライトを用いるこ
とができるし、反射電極を用いることができるし、バックライト、及び反射電極を併用し
て用いることができる。液晶素子233は容量成分を持っており、ビデオ信号を保持する
ための十分な容量成分を液晶素子233が持つ場合には、容量素子232、及びコモン線
は設けない構成としてもよい。
【0271】
発光素子を用いた画素211の構成例について
図38を参照して説明する。
【0272】
図38に示す画素211に示すように、トランジスタ241、トランジスタ242、2
つの電極を持つ容量素子243、2つの電極を持つ発光素子244、発光素子244の他
方の電極である対向電極245、電源線、ソース信号線、及びゲート信号線によって構成
されている。ソース信号線、及びゲート信号線は
図21、
図22及び
図46で説明したも
のと同様なものとする。ソース信号線はビデオ信号としてアナログ信号電圧、又は1ビッ
トのデジタル信号電圧を伝達するものとする。
【0273】
トランジスタ241はスイッチとして動作するNチャネル型トランジスタであり、ゲー
ト信号線の電位がHIghとなるとオンして、Lowとなるとオフするトランジスタであ
る。トランジスタ241がオンとなったときにソース信号線とトランジスタ242のゲー
ト及び容量素子243の一方の電極が電気的に接続され、ソース信号線から伝達されるビ
デオ信号をトランジスタ242のゲート及び容量素子243の一方の電極にそのまま伝達
する。そして、トランジスタ241がオフとなってソース信号線とトランジスタ242の
ゲート及び容量素子243の一方の電極とが電気的に非接続状態となり、トランジスタ2
42のゲート及び容量素子243の一方の電極への電荷の供給、移動はなくなる。
【0274】
トランジスタ242は飽和領域及び線形領域で動作するNチャネル型トランジスタであ
り、飽和領域で動作する場合はゲートに印加される電位によって流れる電流が決定し、線
形領域で動作する場合はゲートに印加される電位によってオン、オフが決定する駆動トラ
ンジスタである。また、電源線は定電位であり、対向電極245よりも高い電位となって
いるため、ソースが容量素子243の他方の電極側、ドレインが電源線側となる。
【0275】
容量素子243はソース信号線からオンしたトランジスタ241を介して伝達されるビ
デオ信号を保持するための容量素子である。容量素子243の一方の電極はトランジスタ
242のゲートと接続され、他方の電極はトランジスタ242のソースと接続されている
。つまり、容量素子243にトランジスタ242のゲートとソース間の電位差が保持され
ることになるため、トランジスタ242のソースの電位が変化しても、容量結合によりト
ランジスタ242のゲートの電位も変化する。容量素子243の他方の電極をトランジス
タ242のソースに接続する理由として、次に説明する発光素子244に流す電流によっ
てソースの電位が変動することある。つまり、ビデオ信号の書き込み期間(トランジスタ
241がオンとなっている期間)で、発光素子244の一方の電極の電位が過渡状態で、
ビデオ信号の書き込み期間が終了すると、トランジスタ242のソースの電位が変化して
、ゲートとソースとの間の電位が変わってしまい、電流値も変化してしまうためである。
ビデオ信号の書き込み期間中に発光素子244の一方の電極の電位を定常状態にできれば
、容量素子243の他方の電極は電源線に接続してもよいし、前行のゲート信号線に接続
してもよいし、定電位であればどこに接続してもよい。
【0276】
発光素子244は流れる電流に比例して発光輝度が変わる発光素子である。つまり、ト
ランジスタ242によって決定する電流値に比例して発光輝度が決定する。また、他方の
電極は対向電極245に接続されている。対向電極245は定電位であることが望ましい
が、トランジスタ242の特性の変動を補償する動作ために、電位を変化させてもよい。
【0277】
駆動トランジスタの特性の変化を補償するための画素回路、及び発光素子を用いた画素
211の構成例について
図39を参照して説明する。
【0278】
図39に示す画素211に示すように、トランジスタ251、トランジスタ252、ト
ランジスタ253、2つの電極を持つ容量素子254、2つの電極を持つ発光素子244
、発光素子244の他方の電極である対向電極245、電源線、ソース信号線、及びゲー
ト信号線によって構成されている。ソース信号線、及びゲート信号線は
図21、
図22、
及び
図46で説明したものと同様なものとする。発光素子244、及び対向電極245は
図38と同様なものとする。ソース信号線はビデオ信号としてアナログ信号電流を伝達す
るものとする。
【0279】
トランジスタ251はスイッチとして動作するNチャネル型トランジスタであり、ゲー
ト信号線の電位がHighとなるとオンして、Lowとなるとオフするトランジスタであ
る。トランジスタ251がオンとなったときにソース信号線とトランジスタ252のソー
ス、容量素子254の一方の電極、及び発光素子244の一方の電極が電気的に接続され
、ソース信号線から伝達されるビデオ信号を流すことになる。そして、トランジスタ25
1がオフとなってソース信号線とトランジスタ252のソース、容量素子254の一方の
電極、及び発光素子244の一方の電極とが電気的に非接続状態となり、ビデオ信号が伝
達されなくなる。
【0280】
トランジスタ252はスイッチとして動作するNチャネル型トランジスタであり、ゲー
ト信号線の電位がHighとなるとオンして、Lowとなるとオフするトランジスタであ
る。トランジスタ252がオンとなったときに電源線とトランジスタ253のゲートを電
気的に接続してトランジスタ253をダイオード接続とする。そして、トランジスタ25
2がオフとなって電源線とトランジスタ253のゲートを非接続状態としてトランジスタ
252のゲートへの電荷の供給、及び移動を無くす。
【0281】
トランジスタ253は飽和領域で動作するNチャネル型トランジスタであり、トランジ
スタ253に流れる電流によってゲート電圧を決定する駆動トランジスタである。ゲート
信号線がHighとなってトランジスタ251、及びトランジスタ252をオンしてソー
ス信号線からビデオ信号である電流を入力する書き込み期間において、トランジスタ25
3はダイオード接続となっている。ビデオ信号の電流は電源線側から流れるような電流と
するため、ソースが発光素子の一方の電極側、ドレインが電源線側となる。ここで、ビデ
オ信号の書き込み期間に示すように、電源線の電位はトランジスタ253のソースの電位
が対向電極256の電位と発光素子244のしきい値電圧との和以下になるように設定し
ておくことが望ましい。それ以上だと、発光素子244のしきい値電圧を超える電位差が
印加され、発光素子244が十分に発光するだけの電流が流れ始めて発光してしまい、且
つ正確なビデオ信号の書き込みが行われず表示品位を落としてしまうためである。こうし
て、ビデオ信号が書き込まれると、ビデオ信号に対応してトランジスタ253のゲートと
ソースとの間に接続されている容量素子254に保持される。トランジスタ253は飽和
領域で動作するため、ソースとドレインとの間の電位差が保持されていれば流れる電流は
一定となる。こうして、ビデオ信号の書き込みが終わり、トランジスタ251、及びトラ
ンジスタ252がオフするとトランジスタ253のゲートは浮遊となる。この状態で、電
源線の電位を上昇させると、トランジスタ253を介して発光素子244に電源線からビ
デオ信号に対応した電流が流れ始める。電流が流れ始めると流れる電流に対応した電位が
発光素子244の一方の電極に印加されることとなり、徐々に電位が上昇していき、トラ
ンジスタ253のソースの電位が変化するが、容量素子254はトランジスタ253のゲ
ートとソースとの電位差を保持しているため、トランジスタ253のゲートの電位も同時
に上昇する。つまり、電源線の電位が高くなり、発光素子244に電流が流れ始めても、
トランジスタ253のゲートとソースとの間の電位差が変わることがないため、発光素子
244にはビデオ信号に対応した電流値を流すことができる。
【0282】
容量素子254はトランジスタ253のゲートとソースとの間の電位差を保持するため
の容量素子である。上記説明したように、容量素子254の一方の電極はトランジスタ2
53のソース、及び発光素子244の一方の電極と接続され、他方の電極はトランジスタ
253のゲートと接続されている。
【0283】
電源線は上記説明したように、ビデオ信号の書き込み期間において低電位なり、書き込
み期間が終了すると高電位となる電源線である。つまり、2値の電位を持つ電源線である
。この電源線を駆動するために、第1の実施形態、乃至第4の実施形態で説明したシフト
レジスタ回路を用いてもよい。このシフトレジスタ回路はHighを順に出力する構成で
あったが、HighとLowを反転するインバータ回路を接続することで、上記説明した
電源線として用いることができる。
【0284】
駆動トランジスタの特性の変化を補償するための画素回路、及び発光素子を用いた画素
211の構成例について
図40を参照して説明する。
【0285】
図40に示す画素211に示すように、トランジスタ261、トランジスタ262、ト
ランジスタ263、トランジスタ264、2つの電極を持つ容量素子265、容量素子2
65の他方の電極である定電位線266、2つの電極を持つ発光素子244、発光素子2
44の他方の電極である対向電極245、電源線、ソース信号線、及びゲート信号線によ
って構成されている。ソース信号線、及びゲート信号線は
図21、
図22、及び
図46で
説明したものと同様なものとする。発光素子244、及び対向電極245は
図38で説明
したものと同様なものとする。ソース信号線はビデオ信号としてアナログ信号電流を伝達
するものとする。
【0286】
トランジスタ261、及びトランジスタ262はスイッチとして動作するNチャネル型
トランジスタであり、ゲート信号線の電位がHighとなるとオンして、Lowとなると
オフするトランジスタである。トランジスタ261、及びトランジスタ262がオンとな
ったときにソース信号線とトランジスタ263のゲート、トランジスタ264のゲート、
及び容量素子265の一方の電極が電気的に接続され、トランジスタ263はダイオード
接続される。ビデオ信号はソース信号線から流れ込むような電流であり、電源線は発光素
子の一方の電極の電位よりも高く設定するため、トランジスタ263、及びトランジスタ
264のソースは発光素子の一方の電極側となる。また、トランジスタ263のドレイン
はトランジスタ262側、トランジスタ264のドレインは電源線側となる。
【0287】
トランジスタ263は飽和領域で動作するNチャネル型トランジスタであり、トランジ
スタ263に流れる電流によってゲート電圧を決定する駆動トランジスタである。ゲート
信号線がHighとなってトランジスタ261、及びトランジスタ262がオンすると、
トランジスタ263はダイオード接続され、ビデオ信号がソース信号線から流れ込むよう
に入力される。そのときの、トランジスタ263のゲートの電位はビデオ信号に対応した
電位となり、且つトランジスタ264とゲート、及びソースが共通となっているため、ト
ランジスタ264のゲートの電位もまた、ビデオ信号に対応した電位となる。そのときの
トランジスタ263のゲート、及びトランジスタ264のゲートの電位は容量素子265
の一方の電極に保持される。こうして、ゲート信号線がLowとなり、トランジスタ26
1、及びトランジスタ262がオフすると、トランジスタ263、及びトランジスタ26
4のゲートの電位は容量素子265に保持される。トランジスタ263のドレインは浮遊
となるため、トランジスタ263を介して発光素子244に電流は流れない。
【0288】
容量素子265の他方の電極である定電位線266は電源線としてもよいし、1行前の
ゲート信号線でもよい。また、発光素子244の一方の電極としてもよい。こうすること
で、発光素子244の一方の電極の電位が変化しても、トランジスタ264のゲートとソ
ースとの間の電位差が変わることなくビデオ信号に対応した電流を発光素子に流すことが
できる。
【0289】
(第7の実施形態)
本実施形態では第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路のレ
イアウトした場合の構成例について説明する。
【0290】
第1の実施形態で説明したシフトレジスタ回路をボトムゲート構造のトランジスタで形
成した場合の構成例について
図44を参照して説明する。
図44は第1の実施形態で説明
したシフトレジスタ回路の構成例を示しているがこれに限定されず、第2の実施形態乃至
第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路にも適用することができる。また、第1の
実施形態乃至第4の実施形態で説明した以外のシフトレジスタ回路にも適用することがで
きる。
【0291】
図44はトランジスタ31、トランジスタ32、トランジスタ41、トランジスタ42
、制御信号であるCK1、CK2、CK3を伝達するための3本の制御信号線、正電源V
DDの電位となる電源線、及び負電源VSSの電位となる2本の電源線によって構成され
ている。また、CK1を伝達する制御信号線を制御信号線CK1とし、CK2を伝達する
制御信号線を制御信号線CK2とし、CK3を伝達する制御信号線を制御信号線CK3と
し、正電源VDDの電位となる電源線を電源線VDDとし、負電源VSSの電位となる電
源線を電源線VSSとする。
【0292】
図44に示すシフトレジスタ回路の構成図の特徴をいくつか述べる。
【0293】
シフトレジスタ回路の出力であるOUT(1)と制御信号線CK1、制御信号線CK2
及び制御信号線CK3との間に、電源線VDD及び電源線VSSが配置されていることを
特徴とする。制御信号線CK1、制御信号線CK2及び制御信号線CK3は、クロック信
号を伝達するための制御信号線であるため、絶えず電位が変化している。そのため制御信
号線との間に寄生容量が発生すると、制御信号線の電位の変動によりノイズが発生してし
まうことがある。OUT(1)は次の段のシフトレジスタ回路の入力となるため、OUT
(1)にノイズが発生してしまうとシフトレジスタ回路が誤動作しやすくなってしまう。
そのため、定電位である電源線を制御信号線とOUT(1)との間に配置することで、制
御信号線によって発生するノイズがシフトレジスタ回路の動作への影響を低減することが
できる。
【0294】
トランジスタ32の出力とOUT(1)とを接続するためのメタル配線層と制御信号線
CK1、制御信号線CK2及び制御信号線CK3との間に電源線VDD、電源線VSS及
びトランジスタを配置することを特徴とする。上記説明したようにトランジスタ32の出
力とOUT(1)とを接続するためのメタル配線層にノイズが発せすればシフトレジスタ
回路の誤動作の原因となる。また、トランジスタの配置によっては、長い配線とする必要
があるため、制御信号線と間に電源線及びトランジスタを配置することで、よりノイズを
発生しにくくすることができる。
【0295】
ブートストラップ動作をするトランジスタ32をU字型のトランジスタとすることを特
徴とする。トランジスタ32は出力の正電源VDDを供給するためのトランジスタである
ため、高い電流能力が必要になるため、U字型のトランジスタとするとチャネル幅を広く
とることができる。
【0296】
トランジスタ41及びトランジスタ42のソースとドレインのうち一方を共通とするこ
とを特徴とする。こうすることで、シフトレジスタ回路を構成する面積を小さくすること
ができるため、より高精細、狭額縁な表示装置を提供することができるため有利である。
【0297】
電源線と制御信号線の配線幅が等しいことを特徴とする。通常、電源線には多くの瞬間
電流が流れてしまうため、配線幅を大きくし配線抵抗を減らして瞬間電流による電圧降下
によって生じる誤作動を防止している。しかし、本発明では制御信号線を正電源VDDの
電位を出力するために使用しているため、制御信号線にも多くの瞬間電流が流れてしまう
。そのため、制御信号線の配線幅を広くすることが望ましい。制御信号線の配線幅を従来
のように狭くした場合、多くの瞬間電流による電圧降下によって、電位を保つことができ
ずにシフトレジスタ回路が誤作動してしまう。よって、制御信号線の配線幅を電源線の配
線幅と等しくしておくことが望ましい。また、本発明のシフトレジスタ回路では電源線に
流れる電流は少ないため、電源線の配線幅よりも制御信号線の配線幅を広くしてもよい。
【0298】
第1の実施形態で説明したシフトレジスタ回路をボトムゲート構造のトランジスタで形
成した場合の別の構成例について
図45を参照して説明する。
図45は第1の実施形態で
説明したシフトレジスタ回路の構成例を示しているがこれに限定されず、第2の実施形態
乃至第4の実施形態で説明したシフトレジスタ回路にも適用することができる。また、第
1の実施形態乃至第4の実施形態で説明した以外のシフトレジスタ回路にも適用すること
ができる。
【0299】
図45はトランジスタ31、トランジスタ32、トランジスタ41、トランジスタ42
、制御信号であるCK1、CK2、CK3を伝達するための3本の制御信号線、正電源V
DDの電位となる電源線及び負電源VSSの電位となる2本の電源線によって構成されて
いる。また、CK1を伝達する制御信号線を制御信号線CK1とし、CK2を伝達する制
御信号線を制御信号線CK2とし、CK3を伝達する制御信号線を制御信号線CK3とし
、正電源VDDの電位となる電源線を電源線VDDとし、負電源VSSの電位となる電源
線を電源線VSSとする。
【0300】
図45に示すシフトレジスタ回路の構成図の特徴をいくつか述べる。
【0301】
シフトレジスタ回路を構成するトランジスタが定電位である電源線に挟まれるように配
置していることを特徴とする。ブートストラップ動作を用いる場合、浮遊となるノードが
存在するため、ノイズを低減する必要がある。つまり、トランジスタを定電位である電源
線で挟むことによって、制御信号線や他の回路からのノイズを低減することができる。
【実施例0302】
本実施例では、画素の構成例について説明する。
図24(A)及び
図24(B)は、本
発明に係るパネルの画素の断面図である。画素に配置されるスイッチング素子としてトラ
ンジスタを用い、画素に配置される表示媒体として発光素子を用いた例を示す。
【0303】
図24(A)及び
図24(B)において、2400は基板、2401は下地膜、240
2は半導体層、2412は半導体層、2403は第1の絶縁膜、2404はゲート電極、
2414は電極、2405は第2の絶縁膜、2406はソース電極又はドレイン電極とし
て機能しうる電極、2407は第1の電極、2408は第3の絶縁膜、2409は発光層
、2417は第2の電極である。2410はトランジスタ、2415は発光素子、241
1は容量素子である。
図24では、画素を構成する素子として、トランジスタ2410と
、容量素子2411とを代表で示した。
図24(A)の構成について説明する。
【0304】
基板2400としては、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラ
スなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、ステン
レスを含む金属基板または半導体基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。プ
ラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いても良い。基板2400の表
面を、CMP法などの研磨により平坦化しておいても良い。
【0305】
下地膜2401としては、酸化珪素や、窒化珪素または窒化酸化珪素などの絶縁膜を用
いることができる。下地膜2401によって、基板2400に含まれるNaなどのアルカ
リ金属やアルカリ土類金属が半導体層2402に拡散しトランジスタ2410の特性に悪
影響をおよぼすのを防ぐことができる。
図24では、下地膜2401を単層の構造として
いるが、2層あるいはそれ以上の複数層で形成してもよい。なお、石英基板など不純物の
拡散がさして問題とならない場合は、下地膜2401を必ずしも設ける必要はない。
【0306】
半導体層2402及び半導体層2412としては、パターニングされた結晶性半導体膜
や非晶質半導体膜を用いることができる。結晶性半導体膜は非晶質半導体膜を結晶化して
得ることができる。結晶化方法としては、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニー
ル炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法等を用いること
ができる。半導体層2402は、チャネル形成領域と、導電型を付与する不純物元素が添
加された一対の不純物領域とを有する。なお、チャネル形成領域と一対の不純物領域との
間に、不純物元素が低濃度で添加された不純物領域を有していてもよい。半導体層241
2には、全体に導電型を付与する不純物元素が添加された構成とすることができる。
【0307】
第1の絶縁膜2403としては、酸化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素等を用い、単
層または複数の膜を積層させて形成することができる。なお、第1の絶縁膜2403とし
て水素を含む膜を用い、半導体層2402を水素化してもよい。
【0308】
ゲート電極2404及び電極2414としては、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cu、
Cr、Ndから選ばれた一種の元素または該元素を複数含む合金若しくは化合物からなる
単層または積層構造を用いることができる。
【0309】
トランジスタ2410は、半導体層2402と、ゲート電極2404と、半導体層24
02とゲート電極2404との間の第1の絶縁膜2403とによって構成される。
図24
では、画素を構成するトランジスタとして、発光素子2415の第1の電極2407に接
続されたトランジスタ2410のみを示したが、複数のトランジスタを有する構成として
もよい。また、本実施例では、トランジスタ2410をトップゲート型のトランジスタと
して示したが、半導体層の下方にゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタであ
っても良いし、半導体層の上下にゲート電極を有するデュアルゲート型のトランジスタで
あっても良い。
【0310】
容量素子2411は、第1の絶縁膜2403を誘電体とし、第1の絶縁膜2403を挟
んで対向する半導体層2412と電極2414とを一対の電極として構成される。なお、
図24では、画素の有する容量素子として、一対の電極の一方をトランジスタ2410の
半導体層2402と同時に形成される半導体層2412とし、他方の電極をトランジスタ
2410のゲート電極2404と同時に形成される電極2414とした例を示したが、こ
の構成に限定されない。
【0311】
第2の絶縁膜2405としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜の単層または積層を用いるこ
とができる。無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化シリコン膜や、SOG
(Spin On Glass)法により塗布された酸化シリコン膜などを用いることが
でき、有機絶縁膜としてはポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、ア
クリルまたはポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂等の膜を用いることができる
。
【0312】
また、第2の絶縁膜2405として、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構
造が構成される材料を用いることができる。この材料の置換基として、少なくとも水素を
含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオ
ロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基
とを用いてもよい。
【0313】
なお、第2の絶縁膜2405の表面を高密度プラズマによって処理し、窒化させてもよ
い。高密度プラズマは、高い周波数のマイクロ波、例えば2.45GHzを使うことによ
って生成される。なお、高密度プラズマとしては、電子密度が1×1011cm-3以上
1×1013cm-3以下であり、電子温度が0.2eV以上2.0eV以下(より好ま
しくは0.5eV以上1.5eV以下)であるものを用いる。このように低電子温度が特
徴である高密度プラズマは、活性種の運動エネルギーが低いため、従来のプラズマ処理に
比べプラズマダメージが少なく欠陥が少ない膜を形成することができる。高密度プラズマ
処理の際、基板2400は350℃から450℃の温度とする。また、高密度プラズマを
発生させる装置において、マイクロ波を発生するアンテナから基板2400までの距離を
20~80mm(好ましくは20~60mm)とする。
【0314】
窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲
気下、または窒素と水素(H2)と希ガス雰囲気下、またはアンモニア(NH3)と希ガ
ス雰囲気下において、上記高密度プラズマ処理を行い第2の絶縁膜2405表面を窒化す
る。高密度プラズマにより窒化処理により形成された第2の絶縁膜2405表面にはHや
、He、Ne、Ar、Kr、Xeの元素が混入している。例えば、第2の絶縁膜2405
として酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜を用い、当該膜の表面を高密度プラズマで処
理することによって窒化シリコン膜を形成する。こうして形成した窒化シリコン膜に含ま
れる水素を用いて、トランジスタ2410の半導体層2402の水素化を行ってもよい。
なお当該水素化処理は、前述した第1の絶縁膜2403中の水素を用いた水素化処理と組
み合わせてもよい。なお、上記高密度プラズマ処理によって形成された窒化膜の上に更に
絶縁膜を形成して、第2の絶縁膜2405としてもよい。
【0315】
第1の電極2406としては、Al、Ni、C、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、
Au、Mnから選ばれた一種の元素または該元素を複数含む合金からなる単層または積層
構造を用いることができる。
【0316】
第1の電極2407及び第2の電極2417の一方もしくは両方を透明電極とすること
ができる。透明電極としては、酸化タングステンを含むインジウム酸化物(IWO)、酸
化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物(IWZO)、酸化チタンを含むインジウム
酸化物(ITiO)、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物(ITTiO)などを用いる
ことができる。勿論、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)
、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)なども用いることができる。
【0317】
発光層は、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層など、機能の異なる複数の層を用
いて構成することが好ましい。
【0318】
正孔注入輸送層は、ホール輸送性の有機化合物材料と、その有機化合物材料に対して電
子受容性を示す無機化合物材料とを含む複合材料で形成することが好ましい。このような
構成とすることで、本来内在的なキャリアをほとんど有さない有機化合物に多くのホール
キャリアが発生し、極めて優れたホール注入性・輸送性が得られる。この効果により、従
来よりも駆動電圧を低くすることができる。また、駆動電圧の上昇を招くことなく正孔注
入輸送層を厚くすることができるため、ゴミ等に起因する発光素子の短絡も抑制すること
ができる。
【0319】
ホール輸送性の有機化合物材料としては、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチ
ルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、1,
3,5-トリス[N,N-ジ(m-トリル)アミノ]ベンゼン(略称:m-MTDAB)
、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-1,1’-ビフェニ
ル-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N
-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)などが挙げられるが、これらに限定され
ることはない。
【0320】
電子受容性を示す無機化合物材料としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナ
ジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウム、酸化ルテニウム、酸化亜鉛
などが挙げられる。特に酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニ
ウムは真空蒸着が可能で扱いやすいため、好適である。
【0321】
電子注入輸送層は、電子輸送性の有機化合物材料を用いて形成する。具体的には、トリ
ス(8-キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4-メチル-8-キ
ノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)などが挙げられるが、これらに限定され
ることはない。
【0322】
発光層は、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10-
ジ(2-ナフチル)-2-tert-ブチルアントラセン(略称:t-BuDNA)、4
,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、クマリン
30、クマリン6、クマリン545、クマリン545T、ペリレン、ルブレン、ペリフラ
ンテン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン(略称:TBP)、9
,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、5,12-ジフェニルテトラセン、
4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-[p-(ジメチルアミノ)スチリル]-4H-
ピラン(略称:DCM1)、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-[2-(ジュ
ロリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン(略称:DCM2)、4-(ジシアノメ
チレン)-2,6-ビス[p-(ジメチルアミノ)スチリル]-4H-ピラン(略称:B
isDCM)等が挙げられる。また、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピ
リジナト-N,C2’]イリジウム(ピコリナート)(略称:FIrpic)、ビス{2
-[3’,5’-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリ
ジウム(ピコリナート)(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、トリス(2-フ
ェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2-フ
ェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(アセチルアセトナート)(略称:Ir(p
py)2(acac))、ビス[2-(2’-チエニル)ピリジナト-N,C3’]イリ
ジウム(アセチルアセトナート)(略称:Ir(thp)2(acac))、ビス(2-
フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(アセチルアセトナート)(略称:Ir(
pq)2(acac))、ビス[2-(2’-ベンゾチエニル)ピリジナト-N,C3’
]イリジウム(アセチルアセトナート)(略称:Ir(btp)2(acac))などの
燐光を放出できる化合物用いることもできる。
【0323】
その他に、発光層の形成に用いることができる高分子系の電界発光材料は、ポリパラフ
ェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、ポリフルオレン系が挙
げられる。
【0324】
いずれにしても、発光層の層構造は変化しうるものであり、特定の正孔又は電子注入輸
送層や発光層を備えていない代わりに、もっぱらこの目的用の電極層を備えたり、発光性
の材料を分散させて備えたりする変形は、発光素子としての目的を達成し得る範囲におい
て許容されうるものである。
【0325】
第1の電極2407及び第2の電極2417の他方は、透光性を有さない材料で形成さ
れていてもよい。例えば、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のア
ルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およ
びこれらの化合物(CaF2、CaN)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることが
できる。
【0326】
第3の絶縁膜2408としては、第2の絶縁膜2405と同様の材料を用いて形成する
ことができる。第3の絶縁膜2408は、第1の電極2407の端部を覆うように第1の
電極2407の周辺に形成され、隣り合う画素において発光層2409を分離する機能を
有する。
【0327】
発光層2409は、単数または複数の層で構成されている。複数の層で構成されている
場合、これらの層は、キャリア輸送特性の観点から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電
子輸送層、電子注入層などに分類することができる。なお各層の境目は必ずしも明確であ
る必要はなく、互いの層を構成している材料が一部混合し、界面が不明瞭になっている場
合もある。各層には、有機系の材料、無機系の材料を用いることが可能である。有機系の
材料として、高分子系、中分子系、低分子系のいずれの材料も用いることが可能である。
【0328】
発光素子2415は、発光層2409と、発光層2409を介して重なる第1の電極2
407及び第2の電極2417とによって構成される。第1の電極2407及び第2の電
極2417の一方が陽極に相当し、他方が陰極に相当する。発光素子2415は、陽極と
陰極の間にしきい値電圧より大きい電圧が順バイアスで印加されると、陽極から陰極に電
流が流れて発光する。
【0329】
図24(B)の構成について説明する。なお、
図24(A)と同じ部分は同じ符号を用
いて示し、説明は省略する。
図24(B)は、
図24(A)において、第2の絶縁膜24
05と第3の絶縁膜2408の間に絶縁膜2418を有する構成である。第2の電極24
16と第1の電極2406とは、絶縁膜2418に設けられたコンタクトホールにおいて
接続されている。
【0330】
絶縁膜2418は、第2の絶縁膜2405と同様の構成とすることができる。第2の電
極2416は、第1の電極2406と同様の構成とすることができる。