(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175020
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】自律車両ルートプランニング
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20241210BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/123 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024158829
(22)【出願日】2024-09-13
(62)【分割の表示】P 2019225105の分割
【原出願日】2019-12-13
(31)【優先権主張番号】16/220,977
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】518102470
【氏名又は名称】トヨタ リサーチ インスティテュート,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】浦野 博充
(72)【発明者】
【氏名】市川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】上野 潤也
(57)【要約】
【課題】自律車両に対するルートプランニングの方法を提供する。
【解決手段】自律車両に対するルートプランニングの方法は、目的地へのルートがストールファクタを含んでいるかどうかを決定することと、そのルートの間に自律車両に乗員がいるかどうかを決定することを含んでいる。この方法はまた、自律車両に乗員がいないときは、決定されたストールファクタに基づいて代わりのルートを決定することも含んでいる。方法は、代わりのルートがストールファクタを含んでいないときは、その代わりのルート上を運転するように自律車両を制御することも更に含んでいる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半自律車両に対するルートプランニングの方法であって、
目的地まで自律的に操縦する要求を受信することと、
受信した前記要求に基づいて前記目的地へのルートを決定することと、
目的地への前記ルート上にストールファクタが存在することを特定することと、
前記ストールファクタの特定に応答して前記半自律車両の搭乗状態を決定することと、
前記搭乗状態に決定に基づく前記半自律車両に乗員がいるとの決定に応じて前記半自律車両の乗員がマニュアル操作モードで前記半自律車両を操作することができないことを決定することと、
前記ストールファクタを特定すること及び前記乗員が前記半自律車両をマニュアル操作モードで操作することができないという決定に応答して、代わりのルートを決定することと、
前記代わりのルートが前記ストールファクタを含んでいないときは、前記ルートに代えて、前記代わりのルート上を運転するように前記半自律車両を制御することと、を備える方法。
【請求項2】
前記乗員に関するプロファイル情報に基づいて前記乗員が前記車両をマニュアルで操作することができないことを決定することを更に備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記乗員の運転免許証をスキャンすることと、
前記運転免許証をスキャンすることに基づいて前記プロファイル情報を取得することと、を更に備えている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ルートは、初期位置から顧客ピックアップ位置へのピックアップルート、前記顧客ピックアップ位置から降車位置への降車ルート、又は前記降車位置から帰還位置への帰還ルートのうちの1つである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記乗員からの予約に基づいて前記ルートを決定することと、
前記代わりのルートがストールファクタを備えているときは、前記予約をキャンセルすることと、を更に備えている、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記代わりのルートがストールファクタを備えている場合、代わりの目的地を決定することを更に備えている、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記代わりの目的地は、前記目的地から閾値距離内の位置、予め定められた位置、又は多くの人が通行する位置である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ストールファクタは、環境ファクタ、地図データが閾値より古いこと、欠けている地図データ、信号強度が閾値未満であること、バッテリ電力が閾値未満であることの少なくとも1つ、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ルートの前記ストールファクタの持続時間を決定することと、
前記持続時間に基づいて、前記半自律車両の行動を変えることと、を更に備えている、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
半自律車両に対するルートプランニングのための装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合されている少なくとも1つのプロセッサであって、
目的地まで自律的に操縦する要求を受信し、
受信した前記要求に基づいて前記目的地へのルートを決定し、
目的地への前記ルート上にストールファクタが存在することを特定し、
前記ストールファクタの特定に応答して前記半自律車両の搭乗状態を決定し、
前記搭乗状態に決定に基づく前記半自律車両に乗員がいるとの決定に応じて前記半自律車両の乗員がマニュアル操作モードで前記半自律車両を操作することができないことを決定することと、
前記ストールファクタを特定すること及び前記乗員が前記半自律車両をマニュアル操作モードで操作することができないという決定に応答して、代わりのルートを決定し、
前記代わりのルートがストールファクタを含んでいないときは、前記ルートに代えて、前記代わりのルート上を運転するように前記半自律車両を制御する、
ように構成されている少なくとも1つのプロセッサと、を備えている、装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記乗員に関するプロファイル情報に基づいて前記乗員が前記車両をマニュアルで操作することができないことを決定するように更に構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、乗員の運転免許証をスキャンし、
前記運転免許証をスキャンすることに基づいて前記プロファイル情報を取得するように更に構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ルートは、初期位置から顧客ピックアップ位置へのピックアップルート、前記顧客ピックアップ位置から降車位置への降車ルート、又は前記降車位置から帰還位置への帰還ルートのうちの1つである、請求項10~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
半自律車両に対するルートプランニングのために、プロセッサにより実行されるプログラムコードを記録している非一時的コンピュータ読取り可能媒体であって、前記プログラムコードは、
目的地まで自律的に操縦する要求を受信するプログラムコードと、
受信した前記要求に基づいて前記目的地へのルートを決定するプログラムコードと、
目的地への前記ルート上にストールファクタが存在することを特定するプログラムコードと、
前記ストールファクタの特定に応答して前記半自律車両の搭乗状態を決定するプログラムコードと、
前記搭乗状態に決定に基づく前記半自律車両に乗員がいるとの決定に応じて前記半自律車両の乗員がマニュアル操作モードで前記半自律車両を操作することができないことを決定するプログラムコードと、
前記ストールファクタを特定すること及び前記乗員が前記半自律車両をマニュアル操作モードで操作することができないという決定に応答して、代わりのルートを決定するプログラムコードと、
前記代わりのルートが前記ストールファクタを含んでいないときに、前記ルートに代えて、前記代わりのルート上を運転するように前記半自律車両を制御するプログラムコードと、を備えている、非一時的コンピュータ読取り可能媒体。
【請求項15】
前記プログラムコードは、前記乗員に関するプロファイル情報に基づいて前記乗員が前記車両をマニュアルで操作することができないことを決定するプログラムコードを更に備えている、請求項14に記載の非一時的コンピュータ読取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示のある態様は、概してルートプランニングに関し、より特別には、自律車両に対するルートをプランニングするためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーションシステムは、目的地へのルートを選択するときに、外部ファクタを考慮する。外部ファクタは、交通量、道路ハザード、及び/又は、気象を含むことができる。加えて、非自律車両用の従来のナビゲーションシステムは、目的地へのルートを決定することができるだけである。対照的に、自律車両ナビゲーションシステムは、目的地への、及びそこからのルートを決定することができる。つまり、自律車両ナビゲーションシステムは、出発点から目的地へのルートと、目的地から出発点に戻るルートを選択する。例えば、自律タクシーは、顧客をタクシーステーションでピックアップして、顧客を目的地まで運び、他のピックアップのためにタクシーステーションに戻ることができる。
【0003】
自律サービスとしてのモビリティ(mobility as-a-service(MAAS))車両に対しては、自律MAAS車両は、走行の1つの経路に対しては乗員がいない(unoccupy)ことがあり得る。例えば、自律MAAS車両は、目的地へ走行するときは乗員がいて(occupy)、目的地から出発点へ走行するときは乗員がいないことがあり得る。従って、外部ファクタを考慮するだけの従来のナビゲーションンシステムとは対照的に、自律MAAS車両用ナビゲーションシステムは、ルートを首尾よく完成するための自律MAAS車両の能力を考慮するように改良されるべきである。
【発明の概要】
【0004】
本開示の1つの態様においては、自律車両用のルートプランニングのための方法が開示される。方法は、目的地へのルートの間にストールファクタ(stall factor)が存在するかどうかを決定することを含んでいる。方法はまた、ルートの間に自律車両に乗員がいるかどうかを決定することも含んでいる。方法は更に、ストールファクタが存在し且つルートの間に自律車両に乗員がいないときは、代わりのルートを決定することも含んでいる。方法はより更に、代わりのルートがストールファクタを含んでいないときは、この代わりのルート上を運転するように自律車両を制御することも含んでいる。
【0005】
本開示の他の態様においては、非一時的プログラムコードが記録されている非一時的コンピュータ読取り可能媒体が開示される。プログラムコードは、自律車両用のルートプランニングのためである。プログラムコードはプロセッサにより実行され、ストールファクタが目的地へのルートの間に存在するかどうかを決定するためのプログラムコードを含んでいる。プログラムコードはまた、ルートの間に自律車両に乗員がいるかどうかを決定するためのプログラムコードも含んでいる。プログラムコードは更に、ストールファクタが存在し且つルートの間に自律車両に乗員がいないときは、代わりのルートを決定するためのプログラムコードも含んでいる。プログラムコードはより更に、代わりのルートがストールファクタを含んでいないときは、この代わりのルート上を運転するように自律車両を制御するためのプログラムコードも含んでいる。
【0006】
本開示の他の態様は、自律車両用のルートプランニングのための装置に向けられている。装置は、メモリと、メモリに結合されている1つ以上のプロセッサを有している。プロセッサは、目的地へのルートの間に、ストールファクタが存在しているかどうかを決定するように構成されている。プロセッサはまた、ルートの間に自律車両に乗員がいるかどうかを決定するようにも構成されている。プロセッサは更に、ストールファクタが存在し且つルートの間に自律車両に乗員がいないときは、代わりのルートを決定するようにも構成されている。プロセッサはより更に、代わりのルートがストールファクタを含んでいないときは、この代わりのルート上を運転するように自律車両を制御するようにも構成されている。
【0007】
この明細書は、後に続く詳細な記載がより良好に理解されるように、本開示の特徴と技術的利点の要点をかなり広範囲に述べている。本開示の追加的特徴と利点は下記に記載される。当業者は、この本開示は、本開示の同じ目的を実行するために修正したり、他の構造を設計するための基盤として容易に利用することができるということを認識すべきである。また、当業者は、そのような等価な構成は、付随する請求項において記載されるような本開示の教示から逸脱しないということも認識すべきである。本開示の特徴と信じられる新しい特徴は、更なる目的と利点と共に、動作のその構成及び方法の両者に関して、付随する図と関連して考慮されるときに、下記の記載からより良好に理解されるであろう。しかし、各特徴は、例示と記載のみのための目的のために提供され、本開示の制限の定義としては意図されていないということを明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の特徴、性質、及び利点は、同様な参照文字が全体を通して対応するように特定している図面と併用したときに、下記に記載される詳細な説明からより明確になるであろう。
【
図1】
図1は、本開示の態様に係る、予約を受け付けるかどうかを決定するためのフロー図を例示している。
【
図2】
図2は、本開示の態様に係る、予約を受け付けるかどうかを決定するためのフロー図を例示している。
【
図3A】
図3Aは、本開示の態様に係る、目的地へのルートを選択する例を示している。
【
図3B】
図3Bは、本開示の態様に係る、目的地へのルートを選択する例を示している。
【
図4】
図4は、本開示の態様に係る自律車両ナビゲーションシステムに対するハードウェア実装形態の例を示している。
【
図5】
図5は、本開示の態様に係る、車両に対するルートプランニングのためのフロー図を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
付随する図面に関連して下記に記載されている詳細な説明は、種々の構成の説明を意図したものであって、本明細書に記載された概念を実施することができる構成のみを表わすことを意図したものではない。詳細な説明は、種々の概念の完全な理解を提供する目的のために特定の詳細を含んでいる。しかし、当業者には、これらの概念は、これらの特定の詳細なしでも実施することができることは明白であろう。幾つかの例においては、そのような概念を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている構造と構成要素はブロック図の形式で示されている。
【0010】
教示に基づいて、本開示の範囲は、独立して実現されても本開示の任意の他の態様との組み合わせにおいて実現されても、本開示の如何なる態様もカバーするように意図されているということが当業者には理解されよう。例えば、記載される任意の数の態様を使用して、装置を実現することができ、又は方法を実行することができる。加えて、本開示の範囲は、記載された本開示の種々の態様に加えて又はこれら態様以外に、他の構造、機能、又は構造及び機能を使用して実施されるような装置又は方法をカバーするように意図されている。本開示の如何なる態様も、請求項の1つ以上の要素により具現化することができるということが理解されるべきである。
【0011】
本明細書では、「例としての」という語句は「例、実例、例示としての役割を果たしている」ことを意味するよう使用される。本明細書において「例として」と記載された如何なる態様も、他の態様より好適又は利点があるとは必ずしも解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書には特別な態様が記載されるが、これら態様に多くの変形及び置換をくわえたものは本開示の範囲内である。好適な態様の幾つかの恩恵及び利点に言及するが、本開示の範囲は、特別な恩恵、使用、又は目的に制限されることは意図されていない。むしろ、本開示の態様は、異なる技術、システム構成、ネットワーク、及びプロトコルに広く適用可能であることが意図されており、それらの幾つかは、好適な態様の図、及び下記の記載において例として示されている。詳細な記載と図面は、限定するものではなく本開示の単なる例示に過ぎず、本開示の範囲は、付随する請求の範囲及びその等価物により定義されている。
【0013】
従来のナビゲーションシステムは、目的地へのルートを選択するときに、外部ファクタを考慮する。外部ファクタは、交通量、道路ハザード、及び/又は気象を含むことができる。ほとんどの場合において、従来のナビゲーションシステムは、外部ファクタの数が最も少ないルートを選択する。例えば、走行時間に基づいてルートを決定するとき、従来のナビゲーションシステムは、より短い距離のルートと比較して、交通量の少ない、より長い距離のルートを選択することができる。
【0014】
加えて、非自律車両に対する従来のナビゲーションシステムは、目的地へのルートを決定することができるのみである。対照的に、自律サービスとしてのモビリティ(mobility as-a-service(MAAS))車両に対するナビゲーションシステムは、初期位置から目的地へのルートと、目的地から、初期位置のような帰還位置へのルートを決定することができる。例えば、自律MAAS車両(例えば、自律タクシー)は、初期位置(例えば、タクシーステーション、空港、列車の駅など)において顧客をピックアップでき、顧客を目的地へ運び、他のピックアップのための位置に戻ることができる。この例においては、自律MAAS車両は、顧客を目的地へ運んだ後は乗員はいない。
【0015】
本開示の態様は、自律MAAS車両に制限されない。他の車両もまた考慮される。例えば、本開示の態様は、自律個人所有車両(POV)にも向けることもできる。例えば、所有者は、列車で通勤することができる。それでもなお、POVは所有者を列車の駅へ運ぶことができる。この例においては、ルートプランニングシステムは、降車位置(例えば、列車の駅)から帰還位置(例えば、所有者の家)までにストール(stall)する可能性を考慮することができる。加えて、所有者が仕事から列車の駅に戻ったときに、所有者は、POVに、所有者の家から列車の駅へ運転するように呼び出すことができる。この例においては、ルートプランニングシステムは、初期位置からピックアップ位置への間のストールの可能性を考慮することができる。本願においては、簡潔性のため、MAAS車両とPOV車両を車両と称する。
【0016】
本開示の態様は、異なるタイプのルートの間のストールの可能性を考慮する。ルートは、初期位置からピックアップ位置へのルート、ピックアップ位置から降車位置へのルート、及び降車位置から帰還位置へのルートを含むことができる。幾つかの場合においては、車両の走行は、3つすべてのルート又はルートの組み合わせを含む。
【0017】
幾つかの場合においては、車両は走行中にストールすることが起り得る。例えば、車両は機械的不作動(例えば、タイヤのパンク、バッテリの枯渇など)又はセンサの不作動(例えば、GPS信号がない、ワイヤレスネットワーク信号がないなど)に遭遇し得る。車両に乗員がいる場合、乗員は支援を提供することができる。例えば、乗員は機械的不作動(failure)を直す、助けを呼ぶ、又は助けを求めて歩くことができる。対照的に、乗員がいない車両がストールを克服するのは困難であり得る。例えば、乗員がいない車両が、ワイヤレスネットワークサービスのないエリアでストールすると、車両は支援を呼ぶことができない。
【0018】
本開示の態様は、ルートがストールファクタを含むかどうかを決定することに向けられている。ルートがストールファクタを含んでいる場合、代わりのルートが選択される。代わりのルートが利用可能でないときは、車両はそのルート上を運転しない。ルートとは、顧客の位置に顧客を迎えに行くためのルート、目的地へのルート、及び/又は、目的地から、初期位置のような他の位置へのルートのことである。
【0019】
例として、顧客は車両を予約することができる。車両の予約は、顧客の位置と目的地を含むことができる。予約の受信に応答して、車両は顧客の位置へのピックアップルート、顧客の位置から目的地への目的地ルート、及び帰還位置への帰還ルートを決定する。各ルートは、多数の可能性のあるルートを含むことができる。1つの構成においては、車両は、ルート上にストールの可能性があるときは、その可能性のあるルートを削除する。
【0020】
ストールの可能性は、少ない燃料、不十分なバッテリ、モバイルサービスが閾値未満、環境の考慮(例えば、悪天候)、工事、道路ハザード、地図にないエリア(例えば、私有道路)、古い地図、事故、センサの不作動状況などの1つ以上のストールファクタに基づくことができる。車両は、ルートが1つ以上のストールファクタを含んでいる場合は、代わりのルートを選択することができる。代わりのルートを選択する前に、車両は、1つ以上のストールファクタを含んでいるルート上を進むことが安全かどうかを決定することができる。例えば、ルート上を進むことが安全かどうかを決定するときは、車両は、ルートの間で乗員がいるかどうか、乗員は運転免許証を有しているかどうか、及び/又は、ストールファクタの持続時間を決定することができる。
【0021】
車両がストールなしに走行を完了することができる場合、車両は予約を受け付ける。
図1は、本開示の態様に係る、予約を受け付けるかどうかを決定するためのフロー
図100の例を示している。
図1に示されているように、ブロック102において、車両は、顧客の予約に基づいて目的地を受信する。目的地とは、車両が走行して向かう初期位置又は車両が初期位置から走行する位置である。例えば、目的地は顧客の位置又は顧客が意図した目的地である。この例においては、車両は、顧客を迎えに行く(例えば、顧客をピックアップする)ために顧客の位置へ運転を行い、そして、顧客をその目的地へ送る。他の例においては、車両はピックアップ位置(例えば、空港のピックアップロット)にいて、顧客はピックアップ位置において車両に乗り込む。
【0022】
ブロック104において、車両は目的地へのルートを決定する。ルートは、交通量のような外部ファクタに基づくことができる。例えば、ルートは、外部ファクタを考慮した最小走行時間のルートであってよい。ブロック106において、車両はルートがストールファクタを含んでいるかどうかを決定する。ストールファクタは、少ない資源(例えば、燃料、バッテリなど)、環境ファクタ、道路ハザード、地図にないエリア、古い地図、交通量、事故、センサの不作動状況などを含むが、これらに制限されるものではない。
【0023】
ルートがストールファクタを含んでいない場合、ブロック108において、車両は目的地へのルートを選択する。オプションとしての構成においては、ルートがストールを含む場合、ブロック110において、車両はルートの間、乗員がいるかどうかを決定する。ルートが車両の初期位置から顧客のピックアップ位置への場合、車両に乗員はいない。代わりに、顧客をピックアップした後は、車両には乗員がいる(例えば、顧客をその目的地へ送っていく間)。車両に乗員がいると、乗員は車両がストールした場合、支援を提供することができる。例えば、乗員は車両を運転でき、不作動を修理でき、助けを呼ぶことができ、又は助けを求めて歩くことができる。
【0024】
このオプションとしての構成においては、ブロック112で、車両は、乗員(例えば、顧客)が車両を運転する能力を有しているかどうかを更に決定することができる。つまり、ストールが起こった場合、乗員は車両を運転することが必要となり得る。そのため、乗員が車両を運転できない場合、乗員の存在は重要ではない。運転する能力は、顧客プロファイルに格納されている運転免許証情報のような情報から決定することができる。
【0025】
幾つかの場合においては、車両を予約した顧客は、乗員とは異なっていてよい。代替として、顧客は車両を、顧客と1人以上の他の乗員のために要求することができる。1つの構成においては、1人以上の乗員が車両を運転することができるかどうかを決定するために、車両はスキャナ又はカメラを使用して各乗員の運転免許証をスキャンする。
【0026】
乗員が車両を運転できない場合、ブロック114で、車両は、代わりのルートが利用可能かどうかを決定する。更に、ルートの間、車両に乗員がいない場合、ブロック114で、車両は、代わりのルートが利用可能かどうかを決定する。代わりのルートが利用可能な場合、ブロック106で、車両は、代わりのルートがストールファクタを含んでいるかどうかを決定する。代替として、代わりのルートが利用可能でない場合、ブロック116で、車両は顧客の予約を受け付けない。顧客は、予約をキャンセルするという車両の決定を覆すことはできない。
【0027】
1つの構成においては、目的地へのルート上にストールの可能性があるかどうかの決定に加えて、ナビゲーションシステムは、目的地からの帰還ルート上にストールの可能性があるかどうかを決定する。帰還ルートとは、顧客の目的地から車両の出発点又は他の位置へのルートのことである。帰還ルート上にストールの可能性があるかどうかの決定は、目的地へのルート上にストールの可能性があるかどうかの決定と連携して、又はそれとは別に(exclusive)行うことができる。
【0028】
ほとんどの場合において、顧客は帰還ルートの間は存在しない。それでもなお、帰還ルートの間、顧客が存在することができるという状況がある。例えば、車両の所有者は、車をある位置に到着させて、車両の所有者を家に運ぶということを予約することができる。この例においては、車両の所有者の家が帰還位置である。そのため、車両の所有者(例えば、顧客)は帰還ルートの間存在している。
【0029】
図2は、本開示の態様に係る、予約を受け付けるかどうかを決定するためのフロー
図200を例示している。オプションとしての構成においては、ブロック202で、ナビゲーションシステムは、初期目的地(例えば、顧客のピックアップ位置及び/又は顧客の降車位置)へのルートが利用可能かどうかを決定する。ナビゲーションシステムは、目的地へのルートが利用可能かどうかを、
図1のフロー
図100に基づいて決定することができる。目的地へのルートが利用できない場合、このプロセスは終了する(ブロック204)。
【0030】
初期目的地へのルートが利用可能な場合、ナビゲーションシステムは帰還ルートを決定する(ブロック206)。帰還ルートを決定することは、初期目的地へのルートが利用可能かどうかの決定とは別であってよい。帰還ルートを決定した後、ブロック208で、ナビゲーションシステムは、ルート(例えば、帰還ルート)上にストールファクタがあるかどうかを決定する。
図2においては示されていないが、1つの構成においては、車両は、帰還ルートの間、車両に乗員がいるかどうかを決定する。車両はまた、乗員が車両を運転することができるかどうかもまた決定することができる。乗員がいるかどうかの決定及び/又は乗員の運転する能力は、車両がストールファクタのある帰還ルートを選択すべきかどうかを決定するために使用することができる。
【0031】
帰還ルートがストールファクタを含んでいない場合、予約は受け付けられる(ブロック210)。帰還ルートがストールファクタを含んでいる場合、ナビゲーションシステムは、代わりのルートが利用可能かどうかを決定する(ブロック212)。代わりのルートが利用可能でない場合、車両は予約を受け付けない(ブロック214)。代わりのルートが利用可能な場合、ブロック208で、車両は、ルート(例えば、代わりの帰還ルート)上にストールファクタがあるかどうかを決定する。代わりの帰還ルートがストールファクタを含んでいない場合、ブロック210において、車両は顧客の予約を受け付ける。代わりのルートがストールファクタを含んでいる場合、プロセスはブロック212で繰り返し、車両は他の代わりのルートが利用可能かどうかを決定する。顧客は予約をキャンセルする車両の決定を覆すことはできない。
【0032】
図3Aは、本開示の態様に係る、目的地314、316へのルート302、304を選択する例を示している。
図3Aに示されているように、車両310は、エリア300における初期位置312にいることができる。この例においては、エリア300の一部は雨318を含んでいる。更に、エリア300は、古い地図の区画324と、弱い信号区画322を含んでいる。古い地図の区画324とは、最後の地図の更新からの時間が閾値よりも長い、エリア300の一部のことである。古い地図の区画324はまた、私有地道路のあるエリアのような、地図情報がないエリアのことでもあり得る。弱い信号区画322とは、セルラー、WiFi、GPSなどのような、1つ以上の送信信号の受信が弱い、又は受信がない区画のことである。
【0033】
この例においては、車両310は、家314における顧客から予約を受信する。予約は、顧客がオフィス316で降ろしてもらいたいことを示している。予約を受信すると、車両310(例えば、車両310のナビゲーションシステム)は、家314(例えば、ピックアップ目的地)へのピックアップルート302と、オフィス316(例えば、降車目的地)への降車ルート304を決定する。幾つかの場合においては、車両310は、1つの目的地へのルートを決定することができるだけである。例えば、顧客が、車両310の初期位置312において車両310に遭遇する場合、車両310は、顧客の降車目的地316へのルートを決定するだけである。車両310は、各ルート302、304がストールファクタを含んでいるかどうかを決定する。
【0034】
この例においては、車両310はピックアップルート302の一部に雨318があると決定する。そのため、雨318(例えば、ストールファクタ)により、ピックアップルート302上ではストールの可能性がある。雨318は、湿気状況のため、センサの不作動又は機械的不作動(又は事故)を引き起こし得る。車両310は、ピックアップルート302の間、乗員がいるかどうかを決定することができる。この例においては、ピックアップルート302の間、車両310に乗員がいないので、車両310は、代わりのピックアップルート320を決定する。車両310はまた、代わりのピックアップルート320上にストールファクタがあるかどうかも決定する。代わりのピックアップルート320にはストールファクタがないので、代わりのピックアップルート320が、家314へのルートとして選択される。
【0035】
代わりのピックアップルート320を選択した後、車両310は、家314(例えば、顧客の位置)からオフィス316(例えば、顧客の降車目的地)への降車ルート304を決定する。車両310は、降車ルート320上にストールファクタがあるかどうかを決定する。
図3Aに示されているように、降車ルート304の一部は、弱い信号区画322(例えば、ストールファクタ)と重なっている。そのため、弱い信号区画322にはストールの可能性がある。ストールは、弱い信号のためのセンサの不作動により引き起こされ得る。加えて、機械的な不作動が起きた場合、車両310は、弱い信号のため助けを呼ぶことができない。
【0036】
降車ルート304がストールファクタを含んでいるので、車両310は、降車ルート304の間、乗員がいるかどうかを決定する。この例においては、降車ルート304の間、顧客は車両310にいる。1つの構成においては、車両310は更に、顧客はマニュアルモードで車両310を運転することができるかどうかを決定する。この決定は、顧客プロファイルにおける情報に基づくことができる。例えば、顧客プロファイルは、顧客の運転免許証情報を含むことができる。
図3Aの例においては、顧客は車両310を運転することができると仮定している。そのため、車両310は、ストールの可能性があるにも拘わらず、降車ルート304を選択する。
【0037】
車両310が、目的地314、316まで、ルート304、320を運行することができると決定した後、車両310は予約を承認することができる。1つの構成においては、予約を承認する前に、車両310は、帰還ルートが利用可能かどうかを決定する。帰還ルートは、顧客の降車位置316から、指定された出発点、又は他の顧客をピックアップする位置などのように、車両310の次の位置へのルートである。
図3Bは、本開示の態様に係る、帰還ルート332、334を選択する例を示している。
【0038】
図3Bの例においては、車両310は、オフィス316(例えば、顧客の降車位置)から駐車場などの帰還位置330への帰還ルート332を決定する。帰還ルート332を決定した後、車両310は、帰還ルート332がストールファクタを含んでいるかどうかを決定する。
図3Bに示されているように、帰還ルート332の一部は弱い信号区画322(例えば、ストールファクタ)と重なっている。そのため、弱い信号区画322においてストールの可能性がある。
【0039】
帰還ルート332上はストールの可能性があるので、車両310は、帰還ルート332の間、車両310に乗員がいるかどうかを決定する。この例においては、帰還ルート332は、顧客が降車した後なので、車両310には乗員がいない。従って、車両310は代わりの帰還ルート334を決定する。
【0040】
代わりの帰還ルート334を決定したことに応答して、車両310は、代わりの帰還ルート334がストールファクタを含んでいるかどうかを決定する。
図3Bに示されているように、代わりの帰還ルート334の一部は、古い地図の区画324(例えば、ストールファクタ)と重なっている。そのため、古い地図の区画324においてストールの可能性がある。古い地図は、道路が未知であり得、又は1つ以上の道路はアクセスできない(例えば、私有地道路)のでストールの原因になり得る。代わりの帰還ルート334上にストールの可能性があるので、車両310は、代わりの帰還ルート334の間、乗員がいるかどうかを決定する。この例においては、代わりの帰還ルート334は、顧客が降車した後であり、そのため、車両310には乗員はいない。車両310は、帰還位置330への更に他のルートがあるかどうかを決定する。
【0041】
この例においては、帰還ルート332と、代わりの帰還ルート334だけが、帰還位置330へ利用することができるルートである。1つの構成においては、車両310は、帰還ルートが利用できない場合、予約をキャンセルする。他の構成においては、車両が、ルート(例えば、目的地ルート、又は帰還ルート)の1つ以上においてストールの可能性を有している場合、車両310は代わりのピックアップ又は降車位置を決定する。
【0042】
図3Bの例においては、車両310は、帰還ルート332と、代わりの帰還ルート334の両者にストールの可能性を有している。そのため、代わりの帰還エリア又は、代わりの降車エリアが選択された場合、車両310は、ストールファクタのない帰還ルートが利用可能かどうかを決定する。代わりの帰還エリアと、代わりの降車目的地は、元の帰還エリア330と、元の降車目的地316それぞれから所定の距離内である。この例においては、車両310は、元の顧客位置316から所定距離内にある代わりの降車エリア336を選択する。この代わりの降車目的地はまた、所定の位置、又は、バス停又は列車の駅のような多くの人が通行する位置も含むことができる。多くの人が通行する位置は、元の降車位置316へ最も近い多くの人が通行する位置であってよい。
【0043】
車両310は、元の降車目的地316が、代わりの降車エリア336に変更された場合、帰還ルート332及び/又は代わりの帰還ルート334上にストールファクタがあるかどうかを決定する。
図3Bに示されているように、帰還ルート332は、帰還ルート332が、代わりの降車エリア336内の位置から始まっている場合、弱い信号区画322を迂回する。従って、帰還ルート332を選択することは、既知のストールファクタを回避する。この構成においては、予約をキャンセルするのではなく、車両310は顧客に、キャンセルか、代わりの降車エリア336の選択かのオプションを提供することができる。車両310はまた、元の降車目的地316をなぜ使用できないのかの理由も提供することができる。
【0044】
本開示の態様に対して、ナビゲーションシステム(例えば、車両)は、ストールファクタが一時的なものかどうかを決定する。例えば、可能性のあるストールが雨に基づいている場合、ナビゲーションシステムは、雨の持続時間を推定する。雨のようなストールファクタの推定された持続時間は、コマンドセンタ、気象データ、交通量データ、他の車両との通信、又は他のデータ供給源から得ることができる。この例においては、雨の位置に車両が到着する前に雨があがると推定される場合、車両は依然として予約を受け付けることができる。
【0045】
加えて、又は代替として、ストールファクタが一時的なものである場合、ナビゲーションシステムは、ルート上の運行を開始する前に、ストールファクタが終了するのを待つことができる。1つの構成においては、ナビゲーションシステムは、待ち時間が閾値未満かどうかを決定する。待ち時間が閾値未満の場合、ナビゲーションシステムは、ストールファクタが終わるのを待つことができる。ナビゲーションシステムはまた、顧客にストールファクタが終わるのを待つか、予約をキャンセルするかのオプションを与えることもできる。待ち時間が閾値よりも長い場合、ナビゲーションシステムは予約をキャンセルすることができる。
【0046】
検討したように、予約を受け付けるために、ナビゲーションシステムは、1つ以上の目的地へのルート上で、車両がストールの可能性を有しているかどうかを決定することができる。この決定は、ピックアップ位置、降車位置、帰還位置、又は他のタイプの位置を含むことができる。目的地へのルートがストールファクタを含んでいる場合、車両は予約をキャンセルすることができる。代替として、ナビゲーションシステムは、車両がストールファクタのあるルートの部分を迂回することを可能にする1つ以上の代わりの目的地を提案することができる。代わりの目的地は、メイン通りのような、元の目的地に近い目的地又はエリアである。
【0047】
加えて、又は代替として、ストールファクタが一時的なものである場合、ナビゲーションシステムはストールファクタの持続時間を推定することができる。ナビゲーションシステムは顧客に、ストールファクタのため遅延があることを知らせることができる。顧客は予約をキャンセルするか、又はストールファクタが終わるのを待つかを選択することができる。遅延が遅延閾値よりも長い場合、ナビゲーションシステムは、顧客に予約を受け付けるためのオプションを与えることなく予約をキャンセルすることができる。
【0048】
ストールファクタは、少ない資源(例えば、燃料、バッテリ)、ワイヤレス信号強度が信号強度閾値未満であること、環境状況、道路ハザード、地図にないエリア、古い地図、事故、センサの不作動状況などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。例えば、車両は、潜在的なセンサの不作動状況のあるエリアでストールする可能性がある。1つの例として、交通信号灯の色を検出するために使用される車両センサ(例えば、カメラ)は、太陽の角度がある範囲の場合、色の検出に失敗する可能性がある。他の例としては、光検出及び測距(LIDAR)センサは、雨又は霧の中では機能しない可能性がある。更に他の例においては、ルートがトンネルのような、制限された信号、又は信号のないエリアを含んでいる場合、車両はその位置までの航跡を失う可能性がある。信号は、全地球測位システム(GPS)信号、ワイヤレスインターネット信号、セルラー信号などのような異なる通信信号を含むことができる。
【0049】
検討したように、ストールファクタはまた環境状況を含むことができる。カメラのようなセンサに対しては、ナビゲーションシステムは、バックライトの状況、車両の方向、交通信号灯の位置、交差点到着時間、太陽の角度、気象、建物情報(例えば、建物が太陽をブロックするかどうか)などを決定することができる。太陽の角度のような上述した情報は、車両に格納されている地図データに含めることができる。情報はまた、インターネット又は他のデータ供給源からも得ることができる。
【0050】
LIDARセンサ及び他のセンサに対しては、湿度などのような気象状況はセンサの不作動の原因になる可能性がある。そのため、ナビゲーションシステムは、利用可能な気象情報に基づいて、湿度などのような種々の気象状況を推定することができる。ナビゲーションシステムはまた、一日の中の時間及び/又は走行持続時間もまた考慮することができる。GSPセンサ及び他のセンサに対しては、弱い信号又は遮られた信号は、センサの不作動の原因となる可能性がある。そのため、ナビゲーションシステムは、ルートに対する信号強度を推定することができる。信号強度は、例えば、建物情報(例えば、高さ及び位置)、トンネルの位置、地形情報(例えば、取り囲む山の高さ)、衛星の数、衛星の位置、セル塔(cell tower)の数、WiFiトランシーバの数などに基づいて推定することができる。この情報は地図データに格納することができる。
【0051】
1つの構成においては、ナビゲーションシステムは、ストールファクタが閾値より大きいか又はそれ未満かを決定する。例えば、雨の量が雨閾値よりも多い場合、雨はストールファクタであると決定される。雨が閾値未満の場合、雨はストールファクタとは考慮されない。他の例においては、建物及び/又は周りの環境の特徴がセルラー信号を閾値未満にさせる場合、建物及び/又は周りの環境の特徴はストールファクタである。セルラー信号が、建物及び/又は周りに環境の特徴を考慮しても閾値よりも大きい場合、前述の要素はリスクファクタではない。1つの構成においては、顧客は、特別なルートがストールファクタを含んでいる可能性があるかどうかの考慮を覆したり、無視したりすることはできない。
【0052】
ストールファクタはまた、計算の失敗も含むことができる。例えば、ルートプランニングシステム(例えば、自律運転システム)における計算エラーは、車両が古い地図エリアを走行中に起こり得る。計算エラーは、位置特定、対象物追跡、経路プランニング、及び/又は他の計算におけるエラーを含むことができる。1つの例においては、古い地図は、ルートプランニングシステムが、地図に関してその位置への航跡を失う原因となり得る(例えば、位置特定エラー)。
【0053】
他の例として、車両が古い地図エリアにいるとき、ルートプランニングシステムは、1つ以上の対象物が地図情報に基づいて追跡された場合、周りの対象物の標識を付け間違える可能性がある(例えば、対象物追跡エラー)。更に他の例においては、車両が古い地図エリアにいるとき、ルートプランニングシステムは、地図から腸情報を除去することに失敗する可能性がある。つまり、古い地図は、システムリソースの使用を増大させる可能性があり、それにより、計算における遅延又はエラーを引き起こす。
【0054】
図4は、本開示の態様に係る、ルートプランニングシステム400に対するハードウェア実装形態の例を示す図である。ルートプランニングシステム400は車両、ロボット装置、又は他の装置の構成要素であってよい。例えば、
図4に示されているように、ルートプランニングシステム400は、MAAS車両428の構成要素である。本開示の態様は、ルートプランニングシステム400が車両428の構成要素であることに限定されるものではなく、他の装置として、バス、ボート、ドローン、又はロボットもまたルートプランニングシステム400を使用するものとして考えられる。車両428は自律又は半自律であってよい。
【0055】
ルートプランニングシステム400は、概してバス440で代表されるバスアーキテクチャで実現することができる。バス440は、ルートプランニングシステム400の特殊な適用及び全体の設計上の制約により、任意の数の相互接続バス及びブリッジを含むことができる。バス440は、プロセッサ420、通信モジュール422、位置モジュール418、センサモジュール402、移動モジュール426、ナビゲーションモジュール424、及びコンピュータ読取り可能媒体414で代表される1つ以上のプロセッサ及び/又はハードウェアモジュールを含んでいる種々の回路をリンクしてつなげる。バス440はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧レギュレータ、及び電力管理回路のような種々の他の回路もリンクすることができるが、それらはこの技術においてはよく知られているので、これ以上は記載しない。
【0056】
ルートプランニングシステム400は、プロセッサ420、センサモジュール402、コンフォートモジュール408、通信モジュール422、位置モジュール418、移動モジュール426、ナビゲーションモジュール424、及びコンピュータ読取り可能媒体414に結合されているトランシーバ416を含んでいる。トランシーバ416はアンテナ444に結合されている。トランシーバ416は、通信媒体上で、種々の他の装置と通信する。例えば、トランシーバ416は、送信を介して、ユーザ又は遠隔地の装置からのコマンドを受信することができる。他の例として、トランシーバ416は、運転統計値及び情報を、コンフォートモジュール408からサーバ(図示されてない)に送信することができる。
【0057】
ルートプランニングシステム400は、コンピュータ読取り可能媒体414に結合されているプロセッサ420を含んでいる。プロセッサ420は、開示に係る機能を提供する、コンピュータ読取り可能媒体414上に格納されているソフトウェアの実行を含む処理を実行する。ソフトウェアは、プロセッサ420により実行されると、ルートプランニングシステム400に、車両428のような特別な装置に対して、又はモジュール402、414、416、418、420、422、424、426の何れに対しても記載されている種々の機能を実行させる。コンピュータ読取り可能媒体414はまた、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ420により操作されるデータを格納するためにも使用することができる。
【0058】
センサモジュール402は、第1センサ406や第2センサ404のような異なるセンサを介して測定値を得るために使用することができる。第1センサ406は、2D画像を撮像するための立体カメラ又はRGBカメラのようなビジョンセンサであってよい。第2センサ404は、光検出及び測距(LIDAR)センサ又は無線検出及び測距(RADAR)センサのような測距センサであってよい。もちろん、本開示の態様は上述のセンサに限定されず、他のタイプのセンサとして、例えば、熱、ソナー、及び/又はレーザーもまた、センサ404、406の何れかとして考えられる。第1センサ406と第2センサ404の測定値は、プロセッサ420、センサモジュール402、通信モジュール422、位置モジュール418、移動モジュール426、ナビゲーションモジュール424の1つ以上により、コンピュータ読取り可能媒体414と連携して処理されて、本明細書に記載される機能を実現することができる。1つの構成においては、第1センサ406と第2センサ404により捕捉されたデータは、トランシーバ416を介して外部装置に送信することができる。第1センサ406と第2センサ404は、車両428に結合でき、又は車両428と通信することができる。
【0059】
位置モジュール418は、車両428の位置を決定するために使用することができる。例えば、位置モジュール418は、車両428の位置を決定するために全地球測位システム(GPS)を使用することができる。通信モジュール422は、トランシーバ416を介しての通信を容易にするために使用することができる。例えば、通信モジュール422は、WiFi、LTE(Long -Term Evolusion(3GPPで規定している第3.9世代移動通信方式))、4Gなどのような異なるワイヤレスプロトコルを介して通信能力を提供するように構成することができる。通信モジュール422はまた、ルートプランニングシステム400のモジュールではない車両428の他の構成要素と通信するためにも使用することができる。
【0060】
移動モジュール426は、車両428の移動を容易にするために使用することができる。例として、移動モジュール426は、車輪の動きを制御することができる。他の例として、移動モジュール426は、エンジン又はバッテリのような、車両428の動力供給源と通信することができる。もちろん、本開示の態様は、車輪を介して移動を提供することに限定されるものではなく、プロペラ、トレッド、フィン、及び/又はジェットエンジンなどのような移動を提供するための他のタイプの構成要素に対しても考えられる。
【0061】
ルートプランニングシステム400はまた、ルートのプランニングのための、又は移動モジュール426を介して車両428の移動を制御するためのナビゲーションモジュール424も含んでいる。1つの構成においては、プランニングモジュール424は、ユーザの入力が衝突を引き起こすと予期される(例えば、予測される)ときは、ユーザの入力を無効にする。モジュールは、プロセッサ420において作動し、コンピュータ読取り可能媒体414に常駐/格納されているソフトウェアモジュール、プロセッサ420に結合されている1つ以上のハードウェアモジュール、又はそれらのある組み合わせであってよい。
【0062】
ナビゲーションモジュール424は、センサモジュール402、トランシーバ416、プロセッサ420、通信モジュール422、位置モジュール418、移動モジュール426、プランニングモジュール424、及びコンピュータ読取り可能媒体414と通信することができる。1つの構成においては、ナビゲーションモジュール424は、プロセッサ420及び/又はトランシーバ416を介して、顧客から予約を受信する。予約は、ピックアップ位置と降車位置を含むことができる。位置モジュール418から得た車両428の位置に基づいて、ナビゲーションモジュール424は、ピックアップ位置へのルート、降車位置へのルート、及び/又は、帰還位置へのルートを決定する。
【0063】
各ルートに対して、ナビゲーションモジュール424は、ルートがストールファクタを含んでいるかどうかを決定する。つまり、ナビゲーションモジュール424は、車両428が各ルートに沿ってストールの可能性を有しているかどうかを決定する。ストールファクタは、トランシーバ416を介して、インターネットのような外部供給源から得られる情報、センサモジュール402から得られるセンサデータ、及び/又は、コンピュータ読取り可能媒体414及び/又は格納モジュール(図示されてない)に格納されている地図及び環境データにより決定することができる。
【0064】
例えば、ナビゲーションモジュール424は、他のファクタと共に、交差点におけるバックライトの状況、交差点における車両428の方向、交通信号灯の位置、交差点への到着時間、太陽の位置、交差点における気象、建物情報を決定することができる。ルートに沿ってストールの可能性がある場合、ナビゲーションモジュール424は、1つ以上の代わりのルート及び/又は代わりのピックアップ又は降車位置を決定することができる。
【0065】
ナビゲーションモジュール424はまた、トランシーバ416及び/又は通信モジュール422を介して顧客と通信することもできる。例えば、1つ以上のルートが利用可能でない場合、ナビゲーションモジュール424は、顧客に予約を引き受けることはできないことを通知するために、トランシーバ416及び/又は通信モジュール422を使用することができる。代替として、ナビゲーションモジュール424が、走行は完了することができると決定した場合、ナビゲーションモジュール424は、顧客に予約を引き受けることができることを通知するために、トランシーバ416及び/又は通信モジュール422を使用することができる。ナビゲーションモジュール424は、車両428に決定されたルート上を運転させるために、位置モジュール418に指示を送信することができる。
【0066】
図5は、本開示の態様に係る自律車両に対するルートプランニングのための方法500を例示している。
図5に示されているように、ブロック502において、ルートプランニングシステムは、目的地へのルートの間、ストールファクタが存在するかどうかを決定する。ストールファクタは、環境ファクタ、地図データが閾値より古いこと、欠けている地図データ、信号強度が閾値未満であること、及び/又はバッテリ電力が閾値未満であることを含むことができる。ルートは、初期位置から顧客のピックアップ位置へのピックアップルート、顧客のピックアップ位置から降車位置への降車ルート、又は、降車位置から帰還位置への帰還ルートを含むことができる。ルートは、顧客(例えば、乗員)からの予約に基づくことができる。
【0067】
ブロック504において、ルートプランニングシステムは、ルートの間、自律車両に乗員がいるかどうかを決定する。オプションとしての構成においては、自律車両に乗員がいる場合、ルートプランニングシステムは、乗員が自律車両をマニュアルモードで運転することができるかどうかを決定する。ブロック506において、ルートプランニングシステムは、ルートの間、ストールファクタが存在し、自律車両に乗員がいないときは、代わりのルートを決定する。ブロック508において、ルートプランニングシステムは、代わりのルートがストールファクタを含んでいないときは、代わりのルート上を運転するように自律車両を制御する。
【0068】
1つの構成においては、ルートプランニングシステムは、ストールファクタが存在し、乗員が自律車両をマニュアルモードで運転できないときは、代わりのルートを決定する。ルートプランニングシステムはまた、代わりのルートに沿ってストールファクタが存在するかどうかも決定することができる。代わりのルートがストールファクタを含んでいる場合、予約はキャンセルすることができる。1つの構成においては、ストールファクタが代わりのルート上に存在する場合、代わりの目的地が決定される。代わりの目的地は、目的地から閾値距離内の位置、所定の位置、又は多くの人が通行する位置であってよい。
【0069】
本明細書にて使用されるとき、「決定すること(determining)」という用語は、広く多様な行動を含んでいる。例えば、「決定すること」は、計算すること、演算すること、処理すること、導出すること、調査すること、調べること(例えば、表、データベース、又は他のデータ構造を調べること)、確かめることなどを含むことができる。加えて、「決定すること」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリのデータにアクセスすること)などを含むことができる。更に、「決定すること」は、解決すること、選択すること、選ぶこと、確立することなどを含むことができる。
【0070】
本明細書に使用されているように、事項のリスト「の少なくとも1つ」に言及するフレーズは、単一のメンバーも含む、それらの事項の任意の組み合わせを指している。例として、「a、b、又はcの少なくとも1つ」は、a、b、c、aとb、aとc、bとc、及びaとbとcをカバーするように意図されている。
【0071】
本開示に関連して記載されている種々の例としての論理ブロック、モジュール、及び回路は、本開示において検討されている機能を実行するように構成されているプロセッサにより実現又は実行することができる。プロセッサは、本明細書に記載されている機能を実行するように設計されているニューラルネットワークプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特殊用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)信号又は他のプログラマブル論理装置(PLD)、分離ゲート又はトランジスタロジック、分離ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。プロセッサは、本明細書に記載されているように特別に構成されているマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は、ステートマシンであってよい。プロセッサはまた、本明細書に記載されているように演算装置の組み合わせとしても実現でき、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携しての1つ以上のマイクロプロセッサ、又は、他の特殊な構成としても実現することができる。
【0072】
本開示と関連して記載されている方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアにおいて直接、又は、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにおいて、又は両者の組み合わせにおいて具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、命令又はデータ構造の形式の所望のプログラムコードを実行又は格納するために使用でき、コンピュータによりアクセス可能な、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能型プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、電気的消去可能型プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM又は他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気格納装置、又は任意の他の媒体を含む、ストレージ又は機械読取り媒体に常駐することができる。ソフトウェアモジュールは、単一の命令又は多数の命令を備えることができ、異なるプログラムにおいて、幾つかの異なるコードセグメント上に、及び多数の格納媒体にわたって分散することができる。格納媒体は、プロセッサが情報を格納媒体から読むことができ、また格納媒体に書き込むことができるようにプロセッサに結合することができる。代替においては、格納媒体はプロセッサに統合することができる。
【0073】
本明細書に開示されている方法は、記載されている方法を達成するための1つ以上のステップ又は行動を備えている。方法のステップ及び/又は行動は、請求項の範囲から逸脱することなく互いに入れ換えることができる。言い換えれば、ステップ又は行動の特定の順序が指定されていない限り、特定のステップ及び/又は行動の順序及び/又は使用は、請求項の範囲から逸脱することなく修正することができる。
【0074】
記載されている機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその任意の組み合わせにおいて実現することができる。ハードウェアにおいて実現される場合、例としてのハードウェア構成は、装置における処理システムを備えることができる。処理システムは、バスアーキテクチャで実現することができる。バスは、処理システムの特定の適用及び全体の設計制約により、任意の数の相互接続バス及びブリッジを含むことができる。バスは、プロセッサ、機械読取り可能媒体、及びバスインタフェースを含む種々の回路をリンクしてつなげることができる。バスインタフェースは、ネットワークアダプタをバスを介して、特には、処理システムに接続するために使用することができる。ネットワークアダプタは、信号処理機能を実現するために使用することができる。ある態様に対しては、ユーザインタフェース(例えば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティックなど)もまたバスに接続することができる。バスはまた、タイミング供給源、周辺装置、電圧レギュレータ、電力管理回路などのような種々の他の回路もリンクすることができるが、これらはこの技術においてはよく知られているので、これ以上は記載しない。
【0075】
プロセッサは、バスと、機械読取り可能媒体上に格納されたソフトウェアの実行を含む処理の管理を司ることができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、その他、何と称されようが、命令、データ、又はその任意の組み合わせを意味すると解釈されるべきである。
【0076】
ハードウェア実装形態においては、機械読取り可能媒体は、プロセッサとは別個の処理システムの一部であってよい。しかし、当業者は容易に認識するように、機械読取り可能媒体、又はその何れの部分も、処理システムの外部であってよい。例として、機械読取り可能媒体は伝送線、データにより変調されたキャリア波、及び/又は装置とは別個のコンピュータ製品を含むことができ、それらはすべて、バスインタフェースを通してプロセッサによりアクセスされ得る。代替として、又はそれに加えて、機械読取り可能媒体又はその何れの部分も、キャッシュ及び/又は特殊化レジスタファイルの場合のように、プロセッサに統合することができる。検討された種々の構成要素は、ローカル構成要素のように特定の位置を有するものとして記載できるが、それらはまた、ある構成要素は、分散演算システムの一部として構成することができるというように、種々の方法でも構成することができる。
【0077】
処理システムは、プロセッサ機能を提供する1つ以上のマイクロプロセッサと、機械読取り可能媒体の少なくとも一部分を提供する外部メモリで構成でき、これらすべては、外部バスアーキテクチャを通して他のサポート回路とリンクされてつなげられる。代替として、処理システムは、本明細書に記載されたニューロンモデルとニューロンシステムのモデルを実現するために、1つ以上のニューロモルフィックプロセッサを備えることができる。他の代替として、処理システムは、本開示を通して記載された種々の機能を実行することができるプロセッサ、バスインタフェース、ユーザインタフェース、サポート回路、及び、単一のチップに統合された機械読取り可能媒体の少なくとも一部分を有する特殊用途向け集積回路(ASIC)、又は、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理装置(PLD)、コントローラ、ステートマシン、ゲート制御論理、分離ハードウェア構成要素、又は任意の他の適切な回路、又は、回路の任意の組み合わせで実現することができる。当業者は、特別な適用と、システム全体に課せられる設計全体の制約により、処理システムに対して記載された機能をどのように実現するのがベストであるかを認識するであろう。
【0078】
機械読取り可能媒体は、多数のソフトウェアモジュールを備えることができる。ソフトウェアモジュールは、送信モジュールと受信モジュールを含むことができる。各ソフトウェアモジュールは、単一の格納装置に常駐でき、又は多数の格納装置にわたって分散することができる。例として、ソフトウェアモジュールは、誘発事象が起きたときに、ハードドライブからRAMにロードすることができる。ソフトウェアモジュールの実行の間、プロセッサは、アクセス速度を増大するために、命令の幾つかをキャッシュにロードできる。そして、1つ以上のキャッシュラインは、プロセッサによる実行のために、特殊目的レジスタファイルにロードすることができる。下記でソフトウェアモジュールの機能に言及するときは、そのような機能は、プロセッサがそのソフトウェアモジュールからの命令を実行することにより実現されるということを理解されよう。更に、本開示の態様は、プロセッサ、コンピュータ、マシン、又はそのような態様を実現する他のシステムの機能の向上という結果になるということは認識されるべきである。
【0079】
ソフトウェアにおいて実現される場合、機能は、1つ以上の命令又はコードとして、機械読取り可能媒体に格納、又はそこへ送信することができる。機械読取り可能媒体は、コンピュータプログラムの1つの場所から他の場所への転送を容易にする任意の格納媒体を含んでいるコンピュータ格納媒体と通信媒体の両者を含んでいる。加えて、何れの関係も機械読取り可能媒体と適切に称される。例えば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、又は、他の遠隔供給源から、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者ライン(DSL)、又は、赤外線(IR)、無線、及びマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用して送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は、赤外線、無線、及びマイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書にて使用されているように、ディスクは、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、及びBlu-ray(登録商標)ディスクを含み、ディスクは通常、データを磁気的に再生するが、一方ではディスクはオプションとしてレーザーによりデータを再現する。そのため、幾つかの態様においては、コンピュータ読取り可能媒体は、非一時的コンピュータ読取り可能媒体(例えば、実体のある媒体)を備えることができる。加えて、他の態様に対しては、コンピュータ読取り可能媒体は、一時的コンピュータ読取り可能媒体(例えば、信号)を備えることができる。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取り可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0080】
そのため、ある態様は、本明細書に提示された動作を実行するためのコンピュータプログラム製品を備えることができる。例えば、そのようなコンピュータプログラム製品は、命令を格納した(及び/又は符号化した)コンピュータ読取り可能媒体を備えることができ、命令は、1つ以上のプロセッサにより実行されて、本明細書に記載された動作を実行する。ある態様に対しては、コンピュータプログラム製品は包装材料を含むことができる。
【0081】
更に、本明細書に記載された方法及び技術を実行するためのモジュール及び/又は他の適切な手段はダウンロードでき、及び/又は、該当する場合は、ユーザ端末及び/又は基地局により得ることができる。例えば、そのような装置を、本明細書に記載された方法を実行するための手段の転送を容易にするためにサーバに結合することができる。代替として、本明細書に記載された種々の方法は、格納手段を介して提供でき、それにより、ユーザ端末及び/又は基地局は、格納手段を装置に結合、又は提供すると種々の方法を得ることができる。更に、本明細書に記載された方法及び技術を装置に提供するための任意の他の適切な技術を利用することができる。
【0082】
請求項は、上記に例示された正確な構成及び構成要素に制限されないということは理解すべきである。種々の修正、変更、及び変形を、配置、動作、及び上記に記載した方法及び装置の詳細において、請求項の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0083】
本開示は以下の態様を含む。
(1)自律車両に対するルートプランニングの方法であって、
ストールファクタが、目的地へのルートの間に存在するかどうかを決定することと、
前記ルートの間に前記自律車両に乗員がいるかを決定することと、
前記ストールファクタが存在し且つ前記ルートの間に前記自律車両に乗員がいないときは、代わりのルートを決定することと、
前記代わりのルートがストールファクタを含んでいないときは、前記代わりのルート上を運転するように前記自律車両を制御することと、を備える方法。
(2)乗員は前記自律車両をマニュアルモードで運転することができるかどうかを決定することを更に備えている、(1)に記載の方法。
(3)前記ストールファクタが存在し且つ前記乗員が前記自律車両をマニュアルモードで運転できないときは、前記代わりのルートを決定することを更に備えている、(2)に記載の方法。
(4)前記ルートは、初期位置から顧客ピックアップ位置へのピックアップルート、前記顧客ピックアップ位置から降車位置への降車ルート、又は前記降車位置から帰還位置への帰還ルートのうちの1つである、(1)に記載の方法。
(5)顧客からの予約に基づいて前記ルートを決定することと、
前記代わりのルートがストールファクタを備えているときは、前記予約をキャンセルすることを更に備えている、(1)に記載の方法。
(6)前記代わりのルートがストールファクタを備えている場合、代わりの目的地を決定することを更に備えている、(1)に記載の方法。
(7)前記代わりの目的地は、前記目的地から閾値距離内の位置、予め定められた位置、又は多くの人が通行する位置である、(1)に記載の方法。
(8)前記ストールファクタは、環境ファクタ、地図データが閾値より古いこと、欠けている地図データ、信号強度が閾値未満であること、バッテリ電力が閾値未満であることの少なくとも1つ、又はそれらの組み合わせを含む、(1)に記載の方法。
(9)前記ルートの前記ストールファクタの持続時間を決定することと、
前記持続時間に基づいて、前記自律車両の行動を変えることを更に備えている、(1)に記載の方法。
(10)自律車両に対するルートプランニングのための装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合されている少なくとも1つのプロセッサであって、
ストールファクタが、目的地へのルートの間に存在するかどうかを決定し、
前記ルートの間に前記自律車両に乗員がいるかどうかを決定し、
前記ストールファクタが存在し且つ前記ルートの間に前記自律車両に乗員がいないときは、代わりのルートを決定し、
前記代わりのルートがストールファクタを含んでいないときは、前記代わりのルート上を運転するように前記自律車両を制御する、
ように構成されている少なくとも1つのプロセッサと、を備えている、装置。
(11)前記少なくとも1つのプロセッサは、乗員が前記自律車両をマニュアルモードで運転することができるかどうかを決定するように更に構成されている、(10)に記載の装置。
(12)前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ストールファクタが存在し且つ前記乗員が前記自律車両をマニュアルモードで運転できないときは、前記代わりのルートを決定するように更に構成されている、(11)に記載の装置。
(13)前記ルートは、初期位置から顧客ピックアップ位置へのピックアップルート、前記顧客ピックアップ位置から降車位置への降車ルート、又は前記降車位置から帰還位置への帰還ルートのうちの1つである、(10)に記載の装置。
(14)前記少なくとも1つのプロセッサは、
顧客からの予約に基づいて前記ルートを決定し、
前記代わりのルートがストールファクタを備えているときは、前記予約をキャンセルする
ように更に構成されている、(10)に記載の装置。
(15)前記少なくとも1つのプロセッサは、前記代わりのルートがストールファクタを備えている場合、代わりの目的地を決定するように更に構成されている、(10)に記載の装置。
(16)前記代わりの目的地は、前記目的地から閾値距離内の位置、予め定められた位置、又は多くの人が通行する位置である、(10)に記載の装置。
(17)前記ストールファクタは、環境ファクタ、地図データが閾値より古いこと、欠けている地図データ、信号強度が閾値未満であること、バッテリ電力が閾値未満であることの少なくとも1つ、又はそれらの組み合わせを含む、(10)に記載の装置。
(18)前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ルートの前記ストールファクタの持続時間を決定し、
前記持続時間に基づいて、前記自律車両の行動を変える
ように更に構成されている、(10)に記載の装置。
(19)自律車両に対するルートプランニングのために、プロセッサにより実行されるプログラムコードを記録している非一時的コンピュータ読取り可能媒体であって、
ストールファクタが、目的地へのルートの間に存在するかどうかを決定するプログラムコードと、
前記ルートの間に前記自律車両に乗員がいるかどうかを決定するプログラムコードと、
前記ストールファクタが存在し且つ前記ルートの間に前記自律車両に乗員がいないときに、代わりのルートを決定するプログラムコードと、
前記代わりのルートがストールファクタを含んでいないときに、前記代わりのルート上を運転するように前記自律車両を制御するプログラムコードと、を備えている、非一時的コンピュータ読取り可能媒体。
(20)前記プログラムコードは、前記ストールファクタが存在し且つ乗員が前記自律車両をマニュアルモードで運転できないときに、前記代わりのルートを決定するためのプログラムコードを更に備えている、(19)に記載の非一時的コンピュータ読取り可能媒体。