(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175042
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】キャリアテープ補給装置、部品装着システム及びテープカセット
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241210BHJP
H05K 13/00 20060101ALN20241210BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/02 B
H05K13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024159760
(22)【出願日】2024-09-17
(62)【分割の表示】P 2023208697の分割
【原出願日】2019-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛昭
(57)【要約】
【課題】キャリアテープの先端部をフィーダにセットする動作の精度を向上させる。
【解決手段】キャリアテープ補給装置Y1は、カセットホルダ14と、カセット移送機構TC1と、中継部151と、を備える。カセット移送機構TC1は、テープカセット5を捕捉するカセット移送ヘッド37と、カセット移送ヘッド37を移動させるカセット搬送機構U1と、を有する。カセット搬送機構U1は、第1のカセット搬送機構と、第2のカセット搬送機構と、を備える。カセット搬送機構U1は、テープカセット5を、中継部151を経由させてカセットホルダ14とテープカセット保持部76との間で移動させる。第2のカセット搬送機構は、カセット移送ヘッド37と一緒に、中継部151を第2の方向に移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアテープを搬送するフィーダを有する部品装着装置に、前記キャリアテープを補給するキャリアテープ補給装置であって、
前記キャリアテープを収納した複数のテープカセットと、
複数の前記テープカセットを保持可能なカセットホルダと、
キャリアテープ移送機構と、を備え、
前記キャリアテープ移送機構は、
前記キャリアテープの先端部を捕捉する先端移送ヘッドと、
前記先端移送ヘッドを移動させることで、前記キャリアテープの前記先端部を移動させる先端搬送機構と、を有し、
前記テープカセットは、前記キャリアテープの前記先端部を保持する保持構造と、前記キャリアテープを収納するケースと、を有し、
前記保持構造は、前記キャリアテープの前記先端部を保持する保持部を2つ有し、
前記ケースは、前記2つの保持部を支持する支持部材を有し、
前記支持部材は、前記2つの保持部の間の少なくとも一部に、逃げ部を有しており、
前記先端移送ヘッドは、前記逃げ部を通って前記キャリアテープの前記先端部を前記先端部の厚さ方向に挟む把持機構を備える、
キャリアテープ補給装置。
【請求項2】
前記先端移送ヘッドは、前記保持構造から前記キャリアテープの前記先端部を取り外す、
請求項1に記載のキャリアテープ補給装置。
【請求項3】
キャリアテープから部品を取り出して基板に装着する装着部と、待機テープ保持部を有し前記待機テープ保持部にセットされた前記キャリアテープの先端部を引き込んで前記装着部による前記部品の取出しが可能な位置へ搬送するフィーダと、を有する部品装着装置に、前記キャリアテープを補給するキャリアテープ補給装置であって、
前記キャリアテープを収納した複数のテープカセットを保持可能なカセットホルダと、
前記テープカセットに収納された前記キャリアテープの前記先端部を前記待機テープ保持部にセットするキャリアテープ移送機構と、
操作部と、を備え、
前記フィーダは、前記待機テープ保持部に保持された前記キャリアテープを、前記操作部からの操作に応じて前記待機テープ保持部から離れさせるリリース部を有する、
キャリアテープ補給装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のキャリアテープ補給装置と、
前記部品装着装置と、を備える、
部品装着システム。
【請求項5】
テープカセットであって、
ロール状のキャリアテープを収納するケースと、前記キャリアテープの先端部を保持する保持構造と、を備え、
前記ケースは、前記キャリアテープが前記ケースの外へ移動することを規制する規制部を有し、
前記テープカセットが部品装着装置のテープカセット保持部へ移動したときに前記規制部が前記部品装着装置の一部に接触して前記規制部が駆動されると、前記規制部は、前記キャリアテープが前記ケースの外へ移動することの規制を解除する、
テープカセット。
【請求項6】
前記部品装着装置の前記一部は、前記規制部に接触する規制ピンである、
請求項5に記載のテープカセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にキャリアテープ補給装置、部品装着システム及びテープカセットに関し、より詳細には、フィーダにキャリアテープを補給するキャリアテープ補給装置、このキャリアテープ補給装置を備える部品装着システム、及び、テープカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自走部品補給装置(キャリアテープ補給装置)を備える部品実装システムが記載されている。部品実装システムは、部品実装装置と、部品供給装置と、自走部品補給装置と、を備える。部品実装装置は、基板に部品を実装する。部品供給装置は、部品実装装置に搭載され部品を供給する。自走部品補給装置は、収納容器の部品を部品供給装置に補給する。収納容器は、部品を収納するキャリアテープを収納する。部品供給装置は、オートロードフィーダであり、補給されるキャリアテープの先端が挿入されるテープ挿入口を備える。自走部品補給装置は、キャリアテープの先端をオートロードフィーダのテープ挿入口に挿入して押し込むテープ挿入手段を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の自走部品補給装置において、レベル出しの誤差等に起因して、キャリアテープの先端とオートロードフィーダのテープ挿入口との位置合わせに誤差が生じる可能性がある。この場合、キャリアテープの先端(先端部)をテープ挿入口(待機テープ保持部)に挿入してセットする動作の精度が低下し、キャリアテープの先端部を挿入口にセットし損なうことがあった。
【0005】
本開示は、キャリアテープの先端部をフィーダにセットする動作の精度を向上させることができるキャリアテープ補給装置、部品装着システム及びテープカセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の別の一態様に係るキャリアテープ補給装置は、部品装着装置に、キャリアテープを補給する。前記部品装着装置は、フィーダを有する。前記フィーダは、前記キャリアテープを搬送する。前記キャリアテープ補給装置は、複数のテープカセットと、カセットホルダと、キャリアテープ移送機構と、を備える。前記複数のテープカセットは、前記キャリアテープを収納する。前記カセットホルダは、複数の前記テープカセットを保持可能である。前記キャリアテープ移送機構は、前記キャリアテープの先端部を捕捉する先端移送ヘッドと、前記先端移送ヘッドを移動させることで、前記キャリアテープの前記先端部を移動させる先端搬送機構と、を有する。前記テープカセットは、前記キャリアテープの前記先端部を保持する保持構造と、前記キャリアテープを収納するケースと、を有する。前記保持構造は、前記キャリアテープの前記先端部を保持する保持部を2つ有する。前記ケースは、前記2つの保持部を支持する支持部材を有する。前記支持部材は、前記2つの保持部の間の少なくとも一部に、逃げ部を有している。前記先端移送ヘッドは、前記逃げ部を通って前記キャリアテープの前記先端部を前記先端部の厚さ方向に挟む把持機構を備える。
【0007】
本開示の別の一態様に係るキャリアテープ補給装置は、部品装着装置に、キャリアテープを補給する。前記部品装着装置は、装着部と、フィーダと、を有する。前記装着部は、前記キャリアテープから部品を取り出して基板に装着する。前記フィーダは、待機テープ保持部を有し前記待機テープ保持部にセットされた前記キャリアテープの先端部を引き込んで前記装着部による前記部品の取出しが可能な位置へ搬送する。前記キャリアテープ補給装置は、カセットホルダと、キャリアテープ移送機構と、操作部と、を備える。前記カセットホルダは、前記キャリアテープを収納した複数のテープカセットを保持可能である。前記キャリアテープ移送機構は、前記テープカセットに収納された前記キャリアテープの前記先端部を前記待機テープ保持部にセットする。前記フィーダは、前記待機テープ保持部に保持された前記キャリアテープを、前記操作部からの操作に応じて前記待機テープ保持部から離れさせるリリース部を有する。
【0008】
本開示の一態様に係る部品装着システムは、前記キャリアテープ補給装置と、前記部品装着装置と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係るテープカセットは、ロール状のキャリアテープを収納するケースと、前記キャリアテープの先端部を保持する保持構造と、を備える。前記ケースは、前記キャリアテープが前記ケースの外へ移動することを規制する規制部を有する。前記テープカセットが部品装着装置のテープカセット保持部へ移動したときに前記規制部が前記部品装着装置の一部に接触して前記規制部が駆動されると、前記規制部は、前記キャリアテープが前記ケースの外へ移動することの規制を解除する。
【発明の効果】
【0010】
本開示は、キャリアテープの先端部をフィーダにセットする動作の精度を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る部品装着システムにおいて、キャリアテープ補給装置と部品装着装置とが分離した状態を示す正面図である。
【
図2】
図2は、同上の部品装着システムにおいて、キャリアテープ補給装置と部品装着装置とが連結した状態を示す正面図である。
【
図3】
図3は、同上の部品装着システムにおいて、キャリアテープ補給装置と部品装着装置とが連結した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の部品装着システムの第1の動作段階を示す正面図である。
【
図5】
図5は、同上の部品装着システムの第2の動作段階を示す正面図である。
【
図6】
図6は、同上の部品装着システムの第3の動作段階を示す正面図である。
【
図8】
図8は、同上の部品装着システムの要部の背面側から見た斜視図である。
【
図9】
図9Aは、同上の部品装着システムにおいて、キャリアテープ補給装置と部品装着装置とが分離した状態を示す要部の正面図である。
図9Bは、同上の部品装着システムにおいて、キャリアテープ補給装置と部品装着装置とが分離した状態を示す要部の平面図である。
【
図10】
図10Aは、同上の部品装着システムにおいて、キャリアテープ補給装置と部品装着装置とが連結した状態を示す要部の正面図である。
図10Bは、同上の部品装着システムにおいて、キャリアテープ補給装置と部品装着装置とが連結した状態を示す要部の平面図である。
【
図11】
図11は、同上の部品装着システムの要部の正面図である。
【
図13】
図13は、同上の部品装着システムの要部の斜視図である。
【
図14】
図14Aは、同上の部品装着システムのテープカセットの要部の拡大図である。
図14Bは、同上の部品装着システムのキャリアテープの要部の平面図である。
【
図15】
図15は、同上の部品装着システムの要部の断面図である。
【
図16】
図16は、同上の部品装着システムの部品装着装置の正面図である。
【
図17】
図17は、同上の部品装着システムの要部の断面図である。
【
図18】
図18は、同上の部品装着システムのキャリアテープ、リール及びテープカセットの側面図である。
【
図19】
図19は、同上の部品装着システムのフィーダの正面図である。
【
図20】
図20は、一実施形態に係るキャリアテープ補給方法を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、変形例1に係る部品装着システムの要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係るキャリアテープ補給装置Y1、部品装着システムX1及びキャリアテープ補給方法について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0013】
(1)全体の概要
まず、本実施形態のキャリアテープ補給装置Y1及び部品装着システムX1について、
図1~
図3を参照して説明する。
【0014】
キャリアテープ補給装置Y1は、キャリアテープ補給装置本体Y10と、移動体M10と、を備えている。移動体M10は、キャリアテープ補給装置本体Y10を搬送する。本実施形態のキャリアテープ補給装置本体Y10は、キャリアテープ補給装置Y1のうち移動体M10以外の構成の全てを含む。
【0015】
部品装着システムX1は、キャリアテープ補給装置Y1と、部品装着装置Z1と、を備えている。
【0016】
キャリアテープ補給装置本体Y10は、部品装着装置Z1及び移動体M10と共に用いられる。また、本実施形態のキャリアテープ補給装置本体Y10は、移動体M10により一体的に移動させられる1つの装置である。以下の説明では、キャリアテープ補給装置Y1と部品装着装置Z1とが並んでいる方向を左右方向と規定し、キャリアテープ補給装置Y1から見て部品装着装置Z1側を右と規定し、部品装着装置Z1から見てキャリアテープ補給装置Y1側を左と規定する。また、複数(
図3では2つ)のフィーダ8が並んでいる方向を前後方向と規定する。さらに、キャリアテープ補給装置本体Y10と移動体M10とが並んでいる方向を上下方向と規定し、キャリアテープ補給装置本体Y10から見て移動体M10側を下と規定し、移動体M10から見てキャリアテープ補給装置本体Y10側を上と規定する。ここで規定する上下は、キャリアテープ補給装置本体Y10、部品装着装置Z1及び移動体M10の使用時の上下と一致する。
【0017】
部品装着装置Z1は、フィーダ装置Z10と、部品装着装置本体Z20(
図16参照)と、を備えている。フィーダ装置Z10は、複数のフィーダ8を備えている。すなわち、部品装着装置Z1は、複数のフィーダ8を備えている。キャリアテープ補給装置Y1は、複数のフィーダ8にそれぞれキャリアテープ6を補給する。キャリアテープ6には、電子部品等の部品602(
図14B参照)が保持されている。キャリアテープ6は、テープカセット5に収容される。各フィーダ8は、キャリアテープ6の先端部61を保持する待機テープ保持部81を有している。各フィーダ8は、キャリアテープ6を繰り出す。なお、「キャリアテープ6を繰り出す」とは、キャリアテープ6を繰って順々に引き出すことである。つまり、「キャリアテープ6を繰り出す」とは、キャリアテープ6を巻き取るのとは逆の動作を行うことである。
【0018】
キャリアテープ補給装置本体Y10は、例えば、回路が実装された基板を製造する製造ラインで用いられる。キャリアテープ補給装置本体Y10は、カセットホルダ14を備えている。カセットホルダ14には、所定の保管場所から取り出されたテープカセット5及びテープカセット5に収容されたキャリアテープ6が配置される。カセットホルダ14にテープカセット5及びキャリアテープ6が配置された状態で、移動体M10は、キャリアテープ補給装置本体Y10を部品装着装置Z1の設置場所まで搬送する。そして、キャリアテープ6は、フィーダ8に供給される。フィーダ8は、キャリアテープ6を繰り出すことで、部品装着装置本体Z20(
図16参照)に部品602(
図16参照)を供給する。部品装着装置本体Z20は、キャリアテープ6に保持された部品602を、真空吸着等の手段により保持して、基板204(
図16参照)等に装着する。
【0019】
また、キャリアテープ6がフィーダ8に供給されることで、テープカセット5の中にキャリアテープ6が無い状態になる。このようにキャリアテープ6を収容していない状態のテープカセット5を、以下では、「空のテープカセット5」と称す。移動体M10は、空のテープカセット5がカセットホルダ14に配置された状態のキャリアテープ補給装置本体Y10を、所定の回収場所まで搬送する。所定の回収場所では、空のテープカセット5がキャリアテープ補給装置本体Y10から取り出される。
【0020】
キャリアテープ補給装置本体Y10、部品装着装置Z1及び移動体M10は、以上のような、キャリアテープ補給装置本体Y10から部品装着装置Z1へのテープカセット5及びキャリアテープ6の補給と、部品装着装置本体Z20への部品602の供給と、空のテープカセット5の回収と、を自動で行うために用いられる。キャリアテープ補給装置本体Y10、部品装着装置Z1及び移動体M10の各々は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。キャリアテープ補給装置本体Y10、部品装着装置Z1及び移動体M10の各々は、工場における製造計画を管理する管理装置から、電波を媒体とする無線通信等により、指令信号を受ける。キャリアテープ補給装置本体Y10、部品装着装置Z1及び移動体M10の各々は、管理装置からの指令信号に応じて、コンピュータシステムにより動作を制御される。
【0021】
キャリアテープ補給装置本体Y10、部品装着装置Z1及び移動体M10の各々のコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及びメモリを有している。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、キャリアテープ補給装置本体Y10、部品装着装置Z1及び移動体M10の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0022】
(2)キャリアテープ補給装置
(2-1)概要
図1~
図3に示すように、キャリアテープ補給装置Y1は、基台11と、位置決め部2と、キャリアテープ移送機構TT1と、フローティング機構16と、を備えている。位置決め部2は、上下方向における基台11と部品装着装置Z1との位置関係を規制する。キャリアテープ移送機構TT1は、基台11に保持される。キャリアテープ移送機構TT1は、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする。フローティング機構16は、基台11を上下方向に移動可能に保持する。
【0023】
このようなキャリアテープ補給装置Y1によれば、フローティング機構16及び位置決め部2により、上下方向における基台11と部品装着装置Z1との位置関係の誤差を補正することができる。よって、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする(保持させる)動作の精度を向上させることができる。つまり、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットし損なう可能性を低減できる。
【0024】
また、キャリアテープ補給装置Y1は、移動体M10を更に備えていることが好ましい。移動体M10は、基台11をキャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる。フローティング機構16は、移動体M10に対して基台11を上下方向に移動可能に保持する。
【0025】
また、キャリアテープ補給装置Y1は、部品装着装置Z1に、キャリアテープ6を補給する。部品装着装置Z1は、装着部(部品装着装置本体Z20)と、テープカセット保持部76と、フィーダ8と、を有する。装着部は、キャリアテープ6から部品602を取り出して基板204に装着する。テープカセット保持部76は、テープカセット5を着脱可能に保持する。テープカセット5は、キャリアテープ6を収納する。フィーダ8は、待機テープ保持部81を有する。フィーダ8は、待機テープ保持部81にセットされたキャリアテープ6の先端部61を引き込んで装着部による部品602の取出しが可能な位置へ搬送する。キャリアテープ補給装置Y1は、カセットホルダ14と、カセット移送機構TC1と、キャリアテープ移送機構TT1と、移動体M10と、を備える。カセットホルダ14は、複数のテープカセット5を保持可能である。カセット移送機構TC1は、キャリアテープ6を収納したテープカセット5をカセットホルダ14からテープカセット保持部76へ移動させる。カセット移送機構TC1は、キャリアテープ6が無くなったテープカセット5をテープカセット保持部76からカセットホルダ14へ移動させる。キャリアテープ移送機構TT1は、テープカセット5に収納されたキャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする。移動体M10は、カセットホルダ14とカセット移送機構TC1とキャリアテープ移送機構TT1とをキャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる。
【0026】
このようなキャリアテープ補給装置Y1によれば、キャリアテープ6の先端部61を決まった位置へ(つまり、待機テープ保持部81へ)移動させるので、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0027】
また、キャリアテープ補給装置Y1は、カセットホルダ14と、カセット移送ヘッド37と、先端移送ヘッドV1と、中継部151と、第1の移動機構と、第2の移動機構と、移動体M10と、を備える。カセットホルダ14は、複数のテープカセット5を保持可能である。カセット移送ヘッド37は、テープカセット5を捕捉する。先端移送ヘッドV1は、キャリアテープ6の先端部61を捕捉する。中継部151は、カセットホルダ14とテープカセット保持部76との間を移動するテープカセット5を中継する。第1の移動機構は、カセット移送ヘッド37と先端移送ヘッドV1とを中継部151の延びる方向(左右方向)へ移動させる。第2の移動機構は、中継部151と第1の移動機構とをカセットホルダ14における複数のテープカセット5の並び方向(前後方向)に沿って移動させる。移動体M10は、カセットホルダ14とカセット移送ヘッド37と先端移送ヘッドV1と中継部151と第1の移動機構と第2の移動機構とをキャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる。
【0028】
このようなキャリアテープ補給装置Y1によれば、キャリアテープ6の先端部61を決まった位置へ(つまり、待機テープ保持部81へ)移動させるので、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0029】
第1の移動機構は、後述の第1のカセット搬送機構U10及び第1の先端搬送機構W10の構成のうち、後述の第2アーム33を少なくとも含む。第2の移動機構は、後述のテープ移動機構T1の構成のうち、後述の連結部材154、スライド装置38及び第1アーム32を少なくとも含む。
【0030】
また、部品装着装置Z1は、テープカセット保持部76を備えている。テープカセット保持部76には、キャリアテープ6を収容するテープカセット5が配置される。キャリアテープ補給装置Y1は、テープ移動機構T1と、カセットホルダ14と、を備えている。テープ移動機構T1は、テープカセット5を移動させる。カセットホルダ14には、テープカセット5が配置される。テープ移動機構T1は、カセットホルダ14に配置されたテープカセット5に収容されたキャリアテープ6を搬送して、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる。なお、本開示において、「キャリアテープ6を搬送」するとは、キャリアテープ6を直接搬送することと、キャリアテープ6を収容したテープカセット5を搬送することでキャリアテープ6を間接的に搬送することと、を含む。
【0031】
このようなキャリアテープ補給装置Y1によれば、キャリアテープ6の先端部61を決まった位置へ(つまり、待機テープ保持部81へ)移動させるので、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0032】
また、キャリアテープ補給装置Y1は、部品装着装置Z1に、キャリアテープ6を補給する。部品装着装置Z1は、装着部(部品装着装置本体Z20)と、テープカセット保持部76と、フィーダ8と、を有する。装着部は、キャリアテープ6から部品602を取り出して基板204に装着する。テープカセット保持部76は、テープカセット5を着脱可能に保持する。テープカセット5は、キャリアテープ6を収納する。フィーダ8は、待機テープ保持部81を有する。フィーダ8は、待機テープ保持部81にセットされたキャリアテープ6の先端部61を引き込んで装着部による部品602の取出しが可能な位置へ搬送する。キャリアテープ補給装置Y1は、カセットホルダ14と、カセット移送機構TC1と、キャリアテープ移送機構TT1と、移動体M10と、を備える。カセットホルダ14は、複数のテープカセット5を保持可能である。カセット移送機構TC1は、キャリアテープ6を収納したテープカセット5をカセットホルダ14からテープカセット保持部76へ移動させる。カセット移送機構TC1は、キャリアテープ6が無くなったテープカセット5をテープカセット保持部76からカセットホルダ14へ移動させる。キャリアテープ移送機構TT1は、テープカセット5に収納されたキャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする。移動体M10は、カセットホルダ14とカセット移送機構TC1とキャリアテープ移送機構TT1とをキャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる。テープカセット5は、ケース51と、保持構造52と、を有する。ケース51は、ロール状のキャリアテープ6を収納する。保持構造52は、キャリアテープ6の先端部61を保持する。キャリアテープ移送機構TT1は、カセット移送機構TC1によって交換されるテープカセット5の保持構造52からキャリアテープ6の先端部61を取り出して待機テープ保持部81にセットする。
【0033】
このようなキャリアテープ補給装置Y1によれば、保持構造52にキャリアテープ6の先端部61が保持されているとき、保持されていない場合と比較して、キャリアテープ6に対する操作(キャリアテープ6の先端部61を挟む又は掴む等)の位置合わせが容易となる。そのため、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0034】
また、キャリアテープ補給装置Y1は、カセットホルダ14と、カセット移送ヘッド37と、先端移送ヘッドV1と、ガイド(中継部151)と、第1の移動機構と、第2の移動機構と、移動体M10と、を備える。カセットホルダ14は、複数のテープカセット5を保持可能である。カセット移送ヘッド37は、テープカセット5を捕捉する。先端移送ヘッドV1は、キャリアテープ6の先端部61を捕捉する。ガイド(中継部151)は、カセットホルダ14からテープカセット保持部76に延びてテープカセット5の移動を案内する。第1の移動機構は、カセット移送ヘッド37と先端移送ヘッドV1とをガイド(中継部151)の延びる方向(左右方向)へ移動させる。第2の移動機構は、ガイド(中継部151)と第1の移動機構とをカセットホルダ14における複数のテープカセット5の並び方向(前後方向)に沿って移動させる。移動体M10は、カセットホルダ14とカセット移送ヘッド37と先端移送ヘッドV1とガイド(中継部151)と第1の移動機構と第2の移動機構とをキャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる。テープカセット5は、ケース51と、保持構造52と、を有する。ケース51は、ロール状のキャリアテープ6を収納する。保持構造52は、キャリアテープ6の先端部61を保持する。先端移送ヘッドV1は、カセット移送ヘッド37によって交換されるテープカセット5の保持構造52からキャリアテープ6の先端部61を取り出して待機テープ保持部81にセットする。
【0035】
このようなキャリアテープ補給装置Y1によれば、保持構造52にキャリアテープ6の先端部61が保持されているとき、保持されていない場合と比較して、キャリアテープ6に対する操作(キャリアテープ6の先端部61を挟む又は掴む等)の位置合わせが容易となる。そのため、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0036】
また、キャリアテープ補給装置Y1は、テープカセット5と、カセットホルダ14と、テープ移動機構T1と、を備えている。テープカセット5は、キャリアテープ6を収容する。カセットホルダ14には、テープカセット5が配置される。テープ移動機構T1は、カセットホルダ14に配置されたテープカセット5に収容されたキャリアテープ6を搬送して、キャリアテープ6を待機テープ保持部81に保持される位置へ移動させる。キャリアテープ6は、テープ本体60を有している。テープ本体60は、キャリアテープ6のうち所定の箇所(中心部分の空洞)の周りに巻かれている部位である。テープカセット5は、ケース51と、保持構造52と、を有している。ケース51は、テープ本体60を収容する。保持構造52は、キャリアテープ6の先端部61を保持する。
【0037】
このようなキャリアテープ補給装置Y1によれば、保持構造52にキャリアテープ6の先端部61が保持されているとき、保持されていない場合と比較して、キャリアテープ6に対する操作(キャリアテープ6の先端部61を挟む又は掴む等)の位置合わせが容易となる。そのため、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0038】
(2-2)基台
キャリアテープ補給装置Y1の基台11の形状は、板状である。基台11の平面視形状は、長方形状である。基台11の厚さ方向は、上下方向に沿っている。基台11の長手方向は、左右方向に沿っている。基台11の短手方向は、前後方向に沿っている。
【0039】
(2-3)筐体
キャリアテープ補給装置Y1は、筐体12と、操作部13と、を更に備えている。筐体12は、基台11の上面に取り付けられている。筐体12は、上下方向に長さを有している。筐体12には、例えば、キャリアテープ補給装置本体Y10の動作を制御するコンピュータシステムが収容されている。
【0040】
(2-4)操作部
操作部13は、筐体12の外面(左側面)に配置されている。操作部13は、例えば、釦等のユーザインターフェースを含んでいる。キャリアテープ補給装置本体Y10のコンピュータシステムは、操作部13に対する操作に応じてキャリアテープ補給装置本体Y10の動作を制御する。
【0041】
(2-5)テープ移動機構
キャリアテープ補給装置Y1は、テープ移動機構T1を備えている。テープ移動機構T1は、キャリアテープ6を待機テープ保持部81に保持される位置へ移動させる。テープ移動機構T1は、カセット移送機構TC1と、キャリアテープ移送機構TT1と、を有している。カセット移送機構TC1は、カセット移送ヘッド37と、カセット搬送機構U1と、を有している。キャリアテープ移送機構TT1は、先端移送ヘッドV1と、先端搬送機構W1と、を有している。
【0042】
カセット移送ヘッド37は、テープカセット5を捕捉する。捕捉するとは、例えば、掴む等により保持することと、嵌合することと、を含む。本実施形態では、カセット移送ヘッド37とテープカセット5とが嵌合する。すなわち、カセット移送ヘッド37の保持突起372が、テープカセット5に形成された保持穴5130に挿入されることにより、テープカセット5がカセット移送ヘッド37に捕捉される。
【0043】
カセット搬送機構U1は、カセット移送ヘッド37を移動させる。先端移送ヘッドV1は、キャリアテープ6の先端部61を捕捉する。本実施形態では、先端移送ヘッドV1は、先端部61を挟むことで保持する。先端搬送機構W1は、先端移送ヘッドV1を移動させることで、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる。先端移送ヘッドV1が先端部61を捕捉するため、キャリアテープ6の他の部位を保持する場合と比較して、先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる動作の精度を向上させることができる。また、先端移送ヘッドV1が移動せずに先端部61を押し出して待機テープ保持部81へ移動させる場合と比較して、先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる動作の精度を向上させることができる。
【0044】
図2に示すように、カセット搬送機構U1は、第1のカセット搬送機構U10と、第2のカセット搬送機構U20と、を備えている。第1のカセット搬送機構U10は、第1の方向D1にカセット移送ヘッド37を移動させる。第1の方向D1は、基台11と部品装着装置Z1との並んでいる方向である。本実施形態では、第1の方向D1は、左右方向である。また、第1の方向D1は、カセットホルダ14とテープカセット保持部76との並んでいる方向でもある。また、第1の方向D1は、カセットホルダ14と部品装着装置Z1との並んでいる方向でもある。第2のカセット搬送機構U20は、第2の方向D2(
図3参照)にカセット移送ヘッド37を移動させる。第2の方向D2は、第1の方向D1と交差し水平面に沿った方向である。本実施形態では、第2の方向D2は、前後方向である。
【0045】
先端搬送機構W1は、第1の先端搬送機構W10と、第2の先端搬送機構W20と、を備えている。第1の先端搬送機構W10は、第1の方向D1に先端移送ヘッドV1を移動させる。第2の先端搬送機構W20は、第2の方向D2に先端移送ヘッドV1を移動させる。
【0046】
図3、
図4に示すように、テープ移動機構T1は、2つのレール30と、第1スライダ31と、第1アーム32と、第2アーム33と、第2スライダ34と、第3スライダ35(
図8参照)と、第4スライダ36と、カセット移送ヘッド37と、先端移送ヘッドV1と、スライド装置38と、中継部151と、連結部材154と、を有している。
【0047】
カセット移送機構TC1は、カセット搬送機構U1と、カセット移送ヘッド37と、を有している。カセット搬送機構U1は、2つのレール30と、第1スライダ31と、第1アーム32と、第2アーム33と、第4スライダ36と、スライド装置38と、中継部151と、連結部材154と、を含んでいる。
【0048】
また、カセット移送機構TC1は、キャリアテープ移送機構TT1の少なくとも一部を兼ねている。キャリアテープ移送機構TT1は、先端移送ヘッドV1と、先端搬送機構W1と、を有している。先端搬送機構W1は、2つのレール30と、第1スライダ31と、第1アーム32と、第2アーム33と、第2スライダ34と、第3スライダ35と、スライド装置38と、連結部材154と、を含んでいる。
【0049】
筐体12の上面には、2つのレール30が取り付けられている。2つのレール30は、前後方向に長さを有している。2つのレール30の各々には、前後方向に長さを有する溝が形成されている。2つのレール30は、互いの間の左右方向の距離が一定となるように平行に配置されている。
【0050】
第1スライダ31は、2つのレール30に取り付けられている。すなわち、各レール30に形成された溝に、第1スライダ31に形成された突起が挿入されている。そのため、第1スライダ31は、2つのレール30にガイドされながら前後方向に移動可能である。連結部材154は、第1スライダ31に連結されている。スライド装置38は、連結部材154に取り付けられている。スライド装置38は、第1スライダ31を前後方向に移動させる駆動機構を有している。
【0051】
第1アーム32は、第1スライダ31に取り付けられている。また、第2アーム33は、第1アーム32に取り付けられており、第2スライダ34は、第2アーム33に取り付けられている。先端移送ヘッドV1は、第3スライダ35を介して第2スライダ34に取り付けられている。カセット移送ヘッド37は、第4スライダ36を介して第2アーム33に取り付けられている。そのため、第1スライダ31が前後方向に移動するとき、第1アーム32、第2アーム33、第2スライダ34、第3スライダ35、先端移送ヘッドV1、第4スライダ36及びカセット移送ヘッド37も一緒に前後方向に移動する。すなわち、少なくとも第1スライダ31は、第2の方向D2(前後方向)にカセット移送ヘッド37を移動させる第2のカセット搬送機構U20の一構成である。また、少なくとも第1スライダ31は、第2の方向D2に先端移送ヘッドV1を移動させる第2の先端搬送機構W20の一構成である。
【0052】
また、第1スライダ31は、テープカセット5をガイドする中継部151(ガイド)に、連結部材154を介して連結されている。そのため、第1スライダ31が前後方向に移動するとき、中継部151も一緒に前後方向に移動する。中継部151についての詳細は後述する。
【0053】
第1アーム32と第1スライダ31との位置関係は、固定されている。第1アーム32は、左右方向に長さを有している。第1アーム32は、第1スライダ31から右へ延びている。第1アーム32には、左右方向に長さを有する溝が形成されている。この溝には、第2アーム33に設けられた突起が挿入されている。そのため、第2アーム33は、溝にガイドされながら左右方向に移動可能である。第1アーム32は、第2アーム33を左右方向に移動させる駆動機構を内蔵している。第2アーム33が左右方向に移動するとき、第2スライダ34、第3スライダ35、先端移送ヘッドV1、第4スライダ36及びカセット移送ヘッド37も一緒に左右方向に移動する。例えば、先端移送ヘッドV1等は、
図5に示す位置から
図6に示す位置へ移動する。すなわち、少なくとも第2アーム33は、第1の方向D1(左右方向)にカセット移送ヘッド37を移動させる第1のカセット搬送機構U10の一構成である。また、少なくとも第2アーム33は、第1の方向D1に先端移送ヘッドV1を移動させる第1の先端搬送機構W10の一構成である。
【0054】
第2アーム33は、上下方向に長さを有している。第2アーム33は、第1アーム32から下へ延びている。第2アーム33には、上下方向に長さを有する溝が形成されている。この溝には、第2スライダ34に設けられた突起が挿入されている。そのため、第2スライダ34は、溝にガイドされながら上下方向に移動可能である。第2スライダ34が上下方向に移動するとき、第3スライダ35及び先端移送ヘッドV1も一緒に上下方向に移動する。例えば、先端移送ヘッドV1等は、
図4に示す位置から
図5に示す位置へ移動する。
【0055】
第2スライダ34は、レール部材341(
図8参照)を有している。レール部材341には、第3スライダ35が取り付けられている。より詳細には、レール部材341には、前後方向(第2の方向D2)に長さを有する溝が形成されている。この溝には、第3スライダ35に設けられた突起が挿入されている。そのため、第3スライダ35は、溝にガイドされながら前後方向に移動可能である。第3スライダ35が前後方向に移動するとき、先端移送ヘッドV1も一緒に前後方向に移動する。すなわち、少なくとも第3スライダ35は、第2の方向D2に先端移送ヘッドV1を移動させる第2の先端搬送機構W20の一構成である。
【0056】
第2アーム33(
図4参照)には、第4スライダ36が取り付けられている。カセット移送ヘッド37は、本体部371と、保持突起372と、を有している。第4スライダ36には、本体部371が取り付けられている。第4スライダ36と本体部371との位置関係は、固定されている。本体部371の下端からは、保持突起372が突出している。第4スライダ36には、上下方向に長さを有する溝が形成されている。この溝には、第2アーム33に設けられた突起が挿入されている。そのため、第4スライダ36は、溝にガイドされながら、カセット移送ヘッド37と一緒に上下方向に移動可能である。カセット移送ヘッド37が上から下へ移動することで、保持突起372は、テープカセット5に形成された保持穴5130(
図15参照)に挿入される。これにより、テープカセット5がカセット移送ヘッド37に捕捉される。また、これとは逆に、カセット移送ヘッド37が下から上へ移動することで、保持突起372は、保持穴5130の外へ出る。これにより、カセット移送ヘッド37によるテープカセット5に対する捕捉が解除される。
【0057】
テープ移動機構T1の第1スライダ31、第1アーム32、第2アーム33、第2スライダ34、第3スライダ35及び第4スライダ36を駆動するための力としては、例えば、モータの動力及び空気の圧力等を用いることができる。
【0058】
以上のように、カセット搬送機構U1の動作により、カセット移送ヘッド37が上下、左右及び前後の3軸方向に移動可能である。すなわち、カセット搬送機構U1の第1スライダ31及び第1アーム32が前後に移動するのに伴い、カセット移送ヘッド37が前後に移動する。第2アーム33が左右に移動するのに伴い、カセット移送ヘッド37が左右に移動する。第4スライダ36が上下に移動するのに伴い、カセット移送ヘッド37が上下に移動する。
【0059】
また、先端搬送機構W1の動作により、先端移送ヘッドV1が上下、左右及び前後の3軸方向に移動可能である。すなわち、先端搬送機構W1の第1スライダ31及び第1アーム32が前後に移動するのに伴い、先端移送ヘッドV1が前後に移動する。第2アーム33が左右に移動するのに伴い、先端移送ヘッドV1が左右に移動する。第2スライダ34が上下に移動するのに伴い、先端移送ヘッドV1が上下に移動する。第3スライダ35が前後に移動するのに伴い、先端移送ヘッドV1が前後に移動する。第3スライダ35の前後方向の移動に伴う先端移送ヘッドV1の前後方向の最大移動距離は、第1スライダ31及び第1アーム32の前後方向の移動に伴う先端移送ヘッドV1の前後方向の最大移動距離よりも短い。
【0060】
(2-6)先端移送ヘッド
図7では、フィーダ8のフィーダ本体80(ハウジング)の前半分の図示を省略している。
図7、
図8に示すように、先端移送ヘッドV1は、把持機構41と、繰出し機構42と、モータ43と、を備えている。
【0061】
把持機構41は、上部部材411と、下部部材412と、駆動部413と、を含んでいる。駆動部413は、例えば、アクチュエータを備えており、下部部材412を上下に移動させる。上部部材411と下部部材412との間には、キャリアテープ6の先端部61が挟まれる。つまり、把持機構41は、キャリアテープ6の先端部61を先端部61の厚さ方向に挟む。これにより、把持機構41は、キャリアテープ6の先端部61を保持する。上部部材411は、繰出し機構42を通すための貫通孔4110を有している。また、下部部材412は、凹部4120(
図15参照)を有している。凹部4120の内側の空間は、貫通孔4110の内側の空間とつながっている。
【0062】
繰出し機構42は、キャリアテープ6の先端部61を、フィーダ8の待機テープ保持部81へ繰り出す。繰出し機構42は、先端部61を繰り出すことにより、繰出し機構42に対して先端部61を移動させる。一例として、本実施形態の繰出し機構42は、スプロケットである。繰出し機構42は、円盤部421と、複数の歯422と、を含んでいる。複数の歯422は、円盤部421の外周面に等間隔に配置されている。繰出し機構42は、上部部材411の貫通孔4110に通される。この状態で、複数の歯422のうち一部の歯は、キャリアテープ6の複数の送り孔600のうち一部の送り孔600に挿入される。さらに、モータ43の駆動力により繰出し機構42が回転することで、キャリアテープ6が繰り出される。キャリアテープ6の先端部61がフィーダ8の挿入口812(
図7参照)に対向した状態で、繰出し機構42がキャリアテープ6を繰り出すことで、先端部61が挿入口812に挿入される。そして、キャリアテープ6が待機テープ保持部81に保持される。把持機構41の上部部材411及び下部部材412は、キャリアテープ6の移動の向きを所定の向き(右向き)に制限するガイド部材として機能する。
【0063】
キャリアテープ補給装置Y1は、操作体44と、支持部45と、を備えている。操作体44及び支持部45は、第2アーム33に取り付けられている。一例として、操作体44は、第2アーム33に対して上下に移動しないよう支持部45を介して第2アーム33に固定されている。
【0064】
操作体44は、腕部441と、操作部442と、連結部443と、を含んでいる。腕部441の形状は、長尺の直方体状である。腕部441の一端には、操作部442が取り付けられている。腕部441の他端は、連結部443に支持されている。連結部443は、支持部45に支持されている。支持部45は、第2アーム33に固定されている。操作部442は、フィーダ8の後述のリリース部82に接触してリリース部82を押し上げることで、待機テープ保持部81におけるキャリアテープ6の保持を解除させる。
【0065】
(2-7)位置決め部
図9A~
図10Bに示すように、位置決め部2は、2つの挿入腕部21と、複数の上ローラ22と、複数の横ローラ23と、を有している。2つの挿入腕部21の各々に、2つの上ローラ22と2つの横ローラ23とが取り付けられているため、位置決め部2は、合計4つの上ローラ22と、合計4つの横ローラ23と、を有している。
【0066】
前後方向から見て、2つの挿入腕部21の各々の形状は、L字状である。2つの挿入腕部21の各々において、左右方向の長さは、上下方向の長さよりも長い。2つの挿入腕部21の各々は、基台11から下に延びて、さらに右に延びている。2つの挿入腕部21は、前後方向に並んでいる。2つの挿入腕部21の各々の右端付近には、2つの上ローラ22及び2つの横ローラ23が回転可能に取り付けられている。すなわち、2つの挿入腕部21の各々の上面において2つの上ローラ22が左右に並んでいる。また、2つの挿入腕部21のうち前側の挿入腕部21の前面において2つの横ローラ23が左右に並んでいる。2つの挿入腕部21のうち後側の挿入腕部21の後面において2つの横ローラ23が左右に並んでいる。
【0067】
(2-8)給電部及びエア受付部
図11に示すように、キャリアテープ補給装置Y1は、動力源の供給を部品装着装置Z1から受け付けるエア受付部171(受付部)及び受電部172(受付部)を更に備えている。エア受付部171及び受電部172の各々は、例えば、部品装着装置Z1のフィーダ装置Z10に接続されるコネクタである。エア受付部171は、部品装着装置Z1から供給されるエア(圧縮空気)を、例えば、テープ移動機構T1に動力源として提供する。受電部172は、部品装着装置Z1から供給される電力を、例えば、テープ移動機構T1に動力源として提供する。
【0068】
(2-9)フローティング機構
図12を参照して、フローティング機構16の構成の一例を説明する。フローティング機構16は、移動体M10の上に配置されている。フローティング機構16は、キャリアテープ補給装置Y1の基台11を上下方向に移動可能に保持する。つまり、フローティング機構16は、移動体M10に対して基台11を上下方向に移動可能に保持する。より詳細には、フローティング機構16は、フローティング機構16に載せられた基台11を支持する。
【0069】
フローティング機構16は、ばね161と、ばね力調整部162と、を備えている。ばね161は、例えば、圧縮ばねである。より詳細には、ばね161は、例えば、圧縮コイルばねである。ばね161の伸縮方向は、上下方向に沿っている。ばね161は、ばね力調整部162を介して、移動体M10と、移動体M10の上に配置された基台11との間に挟まれている。基台11及び基台11に載せられたテープ移動機構T1等の荷重により、ばね161が圧縮される。ばね161が所定の長さになると、基台11及びテープ移動機構T1等の荷重とばね161のばね力とが釣り合う。すなわち、床面に対する基台11の高さが所定の高さになるとき、基台11及びテープ移動機構T1等の荷重とばね161のばね力が釣り合う。
【0070】
ばね力調整部162は、例えば、調整ねじを有している。調整ねじは、ばね161に取り付けられている。より詳細には、調整ねじは、ばね161の下端に取り付けられている。作業者が調整ねじを締める又は緩めることで、ばね161が伸縮する。これにより、基台11及びテープ移動機構T1等の荷重とばね161のばね力が釣り合うときのばね161の長さが変化する。なお、調整ねじは、ばね161の上端に取り付けられていてもよい。
【0071】
(2-10)カセットホルダ
図13に示すように、カセットホルダ14は、支持台140と、複数のガイドレール141(第1ガイドレール)と、複数の固定ピン142と、取付部材143と、を有している。
【0072】
支持台140は、2つの脚部1401と、天板1402と、を含んでいる。2つの脚部1401は、基台11の上面に取り付けられている。天板1402は、2つの脚部1401の上面に取り付けられている。支持台140は、筐体12の右に配置されている。複数のガイドレール141は、天板1402の上面に取り付けられている。複数の固定ピン142は、取付部材143を介して、支持台140に対して固定されている。複数の固定ピン142は、複数のガイドレール141の上に配置されている。
【0073】
複数のガイドレール141の各々には、テープカセット5が配置される。すなわち、複数のガイドレール141の各々とテープカセット5とが嵌まり合って、ガイドレール141の上にテープカセット5が保持される。キャリアテープ補給装置Y1が実際に使用される際には、複数のガイドレール141の全て(又は大半)にテープカセット5が配置されることが想定されるが、図面では1つのテープカセット5のみを図示している。つまり、カセットホルダ14には、複数のテープカセット5が配置される。そして、複数のテープカセット5に複数のキャリアテープ6が収容される。
【0074】
複数の固定ピン142は、複数のガイドレール141と一対一で対応している。各固定ピン142は、対応するガイドレール141の上に配置されている。各固定ピン142は、対応するガイドレール141に配置されたテープカセット5の左側面に設けられた固定孔5140(
図17参照)に挿入される。これにより、テープカセット5が固定ピン142に固定される。
【0075】
キャリアテープ補給装置Y1は、中継部151(第2ガイドレール)と、レール152と、スライダ153と、連結部材154と、を備えている。
【0076】
中継部151は、複数のガイドレール141の右に配置されている。レール152は、基台11の上面に取り付けられている。レール152は、前後方向に長さを有している。レール152には、前後方向に長さを有する溝が形成されている。スライダ153は、レール152に取り付けられている。すなわち、レール152に形成された溝に、スライダ153に形成された突起が挿入されている。そのため、スライダ153は、レール152にガイドされながら前後方向に移動可能である。
【0077】
また、連結部材154は、筐体12の上に配置された第1スライダ31と、スライダ153とを連結している。さらに、中継部151は、連結部材154に取り付けられている。そのため、第1スライダ31が前後方向に移動するとき、連結部材154、スライダ153及び中継部151も一緒に前後方向に移動する。カセット移送ヘッド37がテープカセット5を捕捉する場合に、複数のガイドレール141のうちカセット移送ヘッド37に捕捉されたテープカセット5が配置されたガイドレール141の右には、中継部151が位置する。そして、カセット搬送機構U1は、カセット移送ヘッド37を移動させることで、ガイドレール141と中継部151との間でテープカセット5を移動させる。
【0078】
また、中継部151の右には、フィーダ装置Z10のテープカセット保持部76(
図10A参照)が配置される。すなわち、中継部151は、カセットホルダ14とテープカセット保持部76との間に配置される。カセット搬送機構U1は、テープカセット5を、中継部151を経由させてカセットホルダ14とテープカセット保持部76との間で移動させる。言い換えると、中継部151は、カセットホルダ14とテープカセット保持部76との間を移動するテープカセット5を中継する。つまり、中継部151を経由して、フィーダ装置Z10に対するテープカセット5の補給と回収とが可能である。さらに、上述の通り、第1スライダ31(第2のカセット搬送機構U20)は、カセット移送ヘッド37と一緒に、中継部151を第2の方向D2(前後方向)に移動させる。これにより、中継部151に配置されたテープカセット5を、フィーダ8に対して、第2の方向D2(前後方向)に位置合わせできる。
【0079】
(3)テープカセット
図14A、
図15、
図17に示すように、テープカセット5は、ケース51と、保持構造52と、を有している。
【0080】
ケース51は、第1支持部材511(支持部材)と、第2支持部材512と、第1連結部513と、第2連結部514と、規制部515と、を有している。第1支持部材511及び第2支持部材512の形状は、板状である。第1支持部材511及び第2支持部材512の厚さ方向は、前後方向に沿っている。第1支持部材511及び第2支持部材512は、例えば正方形の一辺(右辺)に凹部が設けられることで形成されるような、略U字形の形状を有している。
【0081】
保持構造52は、2つの保持部520を有している。2つの保持部520は、第1支持部材511に支持されている。より詳細には、2つの保持部520は、第1支持部材511の上端に設けられている。2つの保持部520は、左右に並んでいる。2つの保持部520の各々は、保持部本体521と、2つのピン522と、を有している。2つのピン522は、保持部本体521から上向きに突出している。2つのピン522は、左右に並んでいる。保持構造52の計4つのピン522の各々が、先端部61に形成された送り孔600に挿入される。これにより、2つの保持部520は、キャリアテープ6の先端部61を保持する。また、4つのピン522の各々が送り孔600から外れることで、先端部61の保持が解除される。つまり、保持構造52による先端部61の保持は、一時的な保持(仮固定)である。言い換えると、保持構造52は、キャリアテープ6の先端部61を、保持構造52からの取外しが可能な状態で保持する。
【0082】
第1支持部材511及び第2支持部材512は、前後方向において互いに対向している。第2支持部材512は、第1支持部材511と比較して、前後方向において保持構造52と対向する領域が除去された形状を有している。保持構造52の周囲の領域を除いては、第1支持部材511及び第2支持部材512は略同一形状である。
【0083】
第1支持部材511(支持部材)は、2つの保持部520の間の少なくとも一部に、逃げ部5110を有している。本実施形態の逃げ部5110は、第1支持部材511に形成された切欠きである。第1支持部材511のうち逃げ部5110に相当する領域には、第1支持部材511としての実体が存在しない。本実施形態では、逃げ部5110は、2つの保持部520の間において、一方の保持部520に隣接する領域から、他方の保持部520に隣接する領域までに亘って設けられている。
【0084】
第1連結部513及び第2連結部514の各々は、第1支持部材511及び第2支持部材512を連結させている。第1連結部513は、第1支持部材511及び第2支持部材512の左端を連結させている。第2連結部514は、第1支持部材511及び第2支持部材512の下端を連結させている。これにより、ケース51の形状は、上面と右側面とが開放された箱状である。第2連結部514の左側面には、固定ピン142(
図13参照)が挿入される固定孔5140が形成されている。
【0085】
図17に示すように、第1連結部513の上端から下に窪むように、保持穴5130が形成されている。カセット移送ヘッド37の保持突起372が保持穴5130に挿入されることで、テープカセット5がカセット移送ヘッド37に捕捉される。
【0086】
規制部515は、第2連結部514のうち中央よりも右に配置されている。規制部515は、第2連結部514に回転可能に取り付けられている。規制部515に力が加えられていないときは、
図17に2点鎖線で示すように、規制部515の一端が第1支持部材511と第2支持部材512との間の空間に突出する。このとき、規制部515の一端はキャリアテープ6の右に位置するため、キャリアテープ6が右へ移動することが規制部515により規制される。一方で、部品装着装置Z1が備える規制ピン77から規制部515に力が加えられると、
図17に実線で示すように、規制部515が第2連結部514の内部に収容される。これにより、キャリアテープ6が右へ移動することの規制が解除される。
【0087】
(4)キャリアテープ
キャリアテープ6は、紙又はポリスチレン樹脂等を材料とする1本の帯状の部材が巻かれることで形成される。キャリアテープ6が巻きつけられる対象としての芯材(リール等)はキャリアテープ6に付属しておらず、キャリアテープ6が単体でテープカセット5のケース51に収容されている。上記の帯状の部材が直線状に延ばされているときの上記の帯状の部材の長さ方向を、キャリアテープ6の長さ方向とする。
図14A、14Bに示すように、キャリアテープ6には、複数の送り孔600が形成されている。複数の送り孔600は、キャリアテープ6の長さ方向に等間隔に並んでいる。複数の送り孔600は、キャリアテープ6の長さ方向の一端から、他端までに亘って設けられている。キャリアテープ6は、複数のポケット601を備えている。複数のポケット601の各々には、電子部品等の部品602が収容されている。複数のポケット601は、キャリアテープ6の長さ方向に等間隔に並んでいる。複数のポケット601は、キャリアテープ6の長さ方向の一端から、他端までに亘って設けられている。複数の送り孔600と平行に、複数のポケット601が並んでいる。キャリアテープ6は、例えば、複数のポケット601を備える帯状の基材からなる第1層と、基材を厚さ方向の一方側から挟む第1のカバーからなる第2層と、基材を厚さ方向の他方側から挟む第2のカバーからなる第3層と、を含む3層構造を有している。
【0088】
キャリアテープ6は、テープ本体60と、先端部61と、中間部62と、を有している。テープ本体60は、キャリアテープ6のうち所定の箇所(中心部分の空洞)の周りに巻かれている部位である。先端部61は、キャリアテープ6の一端を含む部分である。先端部61は、例えば、保持構造52の2つの保持部520の間の距離と同程度の長さを有している。中間部62は、先端部61とテープ本体60との間の部分である。先端部61及び中間部62は、予めテープ本体60から繰り出されている。この状態で、先端部61は、保持構造52に保持されている。より詳細には、保持構造52の計4つのピン522の各々が、先端部61に形成された送り孔600に挿入されている。これにより、先端部61は、保持構造52に保持されている。そのため、先端部61のうち2つの保持部520の間の部位の位置が定まっている。特に、先端部61は、保持構造52の2つの保持部520の間の部位が直線状となるように保持されている。つまり、先端部61は、張った状態で保持されている。キャリアテープ6は、このように先端部61が保持され、かつ、テープ本体60がケース51に収容された状態でキャリアテープ補給装置Y1に提供される。
【0089】
先端移送ヘッドV1は、保持構造52からキャリアテープ6の先端部61を取り外す。すなわち、先端移送ヘッドV1の把持機構41は、まず、先端部61のうち2つの保持部520の間の部位を挟む(
図15参照)。保持構造52が先端部61を保持していることにより、先端部61のうち2つの保持部520の間の部位の位置が定まっているので、把持機構41が当該部位を容易に挟むことができる。その後、先端移送ヘッドV1が上に移動することで、保持構造52の4つのピン522の各々が送り孔600から外れるので、保持構造52から先端部61が取り外される。
【0090】
出荷前の時点では、キャリアテープ6は、リールR10(
図18参照)に巻かれている。
図18に示すように、リールR10は、2つの鍔部R11と、芯部R12と、を有している。2つの鍔部R11の各々の形状は、円盤状である。芯部R12の形状は、円筒状である。2つの鍔部R11は、芯部R12により連結されている。キャリアテープ6は、2つの鍔部R11の間に配置され、芯部R12に巻かれている。
【0091】
ケース51は、出荷時にキャリアテープ6が巻かれていたリールR10を取外したリール無しのロール体(テープ本体60)を収納する。ケース51の幅L4は、リールR10の幅L3よりも狭い。そのため、カセットホルダ14に並べられる複数のケース51の前後方向の間隔を短くすることができる。そのため、カセットホルダ14により多くのケース51(テープカセット5)を配置することができる。また、ケース51の内部空間500の幅L1は、リールR10の幅L3よりも狭い。そのため、キャリアテープ6が誤ってリールR10に取り付けられた状態でケース51に収納される可能性を低減できる。また、ケース51の幅L4は、キャリアテープ6の幅L2よりも大きい。
【0092】
ケース51の内部空間500の幅L1は、キャリアテープ6の幅L2よりも大きい。より詳細には、ケース51の内部空間500の幅L1は、キャリアテープ6の搬送の妨げにならないように、キャリアテープ6の幅L2よりも若干大きいことが望ましい。ただし、キャリアテープ6とケース51とを接触させて摩擦を発生させるために、ケース51の内部空間500の全体又は一部の幅をキャリアテープ6の幅L2よりも若干小さくしてもよい。この場合、カセット移送ヘッド37によるテープカセット5の保持を考慮して内部空間500を適切な幅とする必要がある。
【0093】
(5)移動体
本実施形態の移動体M10は、無人搬送車である。移動体M10(
図1参照)の上面には、フローティング機構16が取り付けられている。フローティング機構16の上には、キャリアテープ補給装置Y1のうちフローティング機構16及び移動体M10以外の構成が載せられている。
【0094】
移動体M10は、駆動力を発生させるためのモータと、モータに電力を供給するバッテリと、を備えている。移動体M10は、バッテリの電力をモータだけではなくキャリアテープ補給装置本体Y10に供給してもよい。
【0095】
移動体M10は、位置検知部を更に備えている。位置検知部は、例えば、移動体M10の通行ルートに設置されたビーコン(発信機)から信号を受信する受信機を含む。また、位置検知部は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサ、障害物センサ及びカメラ等を含み得る。移動体M10は、位置検知部で検知された情報に基づいて自機の位置を判断する。移動体M10は、管理装置からの指令信号に応じて、キャリアテープ補給装置本体Y10を搬送する。これにより、移動体M10は、キャリアテープ補給装置本体Y10を、キャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる。すなわち、移動体M10は、少なくとも基台11と位置決め部2とキャリアテープ移送機構TT1とフローティング機構16とを、キャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる。
【0096】
(6)フィーダ装置
図3、
図16に示すように、フィーダ装置Z10は、複数(
図3では2つ)のフィーダ8と、供給本体71と、複数(
図3では4つ)のキャスタ72と、中間部材73と、2つの連結部材74と、2つの終端テープカセット75と、2つのテープカセット保持部76と、2つの規制ピン77と、位置ガイド部材9と、を備えている。実際には、フィーダ装置Z10は、2つよりも多くの(例えば、10以上又は20以上の)フィーダ8を備えていることが想定されるが、図面では2つのフィーダ8のみを図示している。また、実際には、フィーダ装置Z10は、終端テープカセット75、テープカセット保持部76及び規制ピン77の各々をフィーダ8と同数(例えば、10以上又は20以上の)備えていることが想定されるが、図面では2つの終端テープカセット75、2つのテープカセット保持部76及び2つの規制ピン77のみを図示している。
【0097】
供給本体71は、フィーダ装置Z10の構造部分の大半を占めている。複数のキャスタ72は、供給本体71の下端付近に取り付けられている。複数のキャスタ72は、フィーダ装置Z10のうち床面との接触部分である。複数のキャスタ72は、例えば、ねじ締めにより供給本体71に取り付けられている。ねじ締めの位置を調整することで、供給本体71の高さ(床面との間の上下方向の距離)を調整可能である。つまり、複数のキャスタ72は、供給本体71の高さを調整可能に構成されている。
【0098】
複数のフィーダ8は、中間部材73を介して、供給本体71に載せられている。つまり、供給本体71の上に中間部材73が配置され、中間部材73の上に複数のフィーダ8が配置されている。中間部材73には、2つの連結部材74が取り付けられている。2つの連結部材74の各々の形状は、L字状である。2つの連結部材74には、位置ガイド部材9が取り付けられている。これにより、位置ガイド部材9は、供給本体71に対して固定されている。
【0099】
(6-1)位置ガイド部材
位置ガイド部材9の所定の部位には、キャリアテープ補給装置Y1の位置決め部2が挿入される。これにより、位置ガイド部材9は、位置決め部2をガイドする。また、これにより、キャリアテープ補給装置Y1が部品装着装置Z1に連結される。
図9A、
図9Bに示すように、位置ガイド部材9は、台座部90と、2つの第1ガイド部材91と、第2ガイド部材92と、を有している。
【0100】
台座部90の形状は、板状である。台座部90の平面視形状は、長方形状である。台座部90の厚さ方向は、上下方向に沿っている。
【0101】
2つの第1ガイド部材91は、前後方向に間隔をあけて配置されている。前後方向から見て、2つの第1ガイド部材91の各々の形状は、L字状である。2つの第1ガイド部材91の各々は、第1部材911と、第2部材912と、を含んでいる。第1部材911は、台座部90から上向きに突出している。第2部材912は、第1部材911の上に設けられている。第2部材912は、左右方向に長さを有している。第2部材912の前後方向の長さは、第1部材911の前後方向の長さよりも長い。
【0102】
2つの第1ガイド部材91の間には、第2ガイド部材92が配置されている。
図9Bに示すように、上から見て、第2ガイド部材92の形状は、台形状である。第2ガイド部材92は、2つのテーパ面920を有している。上から見て、2つのテーパ面920は、第2ガイド部材92のうち2つの第1ガイド部材91と対向する2つの領域に設けられている。より詳細には、2つのテーパ面920は、第2ガイド部材92の左端に設けられている。テーパ面920が設けられていることにより、上から見て、第2ガイド部材92の前後方向の長さは、左側ほど短い。
【0103】
上から見て、2つの第1ガイド部材91の各々の第2部材912は、第2ガイド部材92と対向する領域に、テーパ面9120を有している。テーパ面9120は、第2部材912の左端に設けられている。テーパ面9120が設けられていることにより、上から見て、テーパ面9120の周囲における第2部材912の前後方向の長さは、左側ほど短い。
【0104】
図9Aに示すように、第2部材912は、台座部90と対向する領域(下面)に、テーパ面9121を有している。テーパ面9121は、第2部材912の左端に設けられている。テーパ面9121が設けられていることにより、前後から見て、テーパ面9121の周囲における第2部材912の上下方向の長さは、左側ほど短い。
【0105】
移動体M10が移動することにより、キャリアテープ補給装置本体Y10は、フィーダ装置Z10に近づく。これにより、
図10A、
図10Bに示すように、キャリアテープ補給装置本体Y10の位置決め部2は、2つの第1ガイド部材91と第2ガイド部材92との間に挿入される。より詳細には、位置決め部2の2つの挿入腕部21は、2つの第1ガイド部材91と一対一で対応する。各挿入腕部21は、挿入腕部21に取り付けられた2つの上ローラ22及び2つの横ローラ23と一緒に、対応する第1ガイド部材91と第2ガイド部材92との間に挿入される。
【0106】
ここで、各上ローラ22は、第2部材912と第2ガイド部材92との間に挿入される。上ローラ22が挿入される規定の領域R1(位置ガイド部材9の右端付近)において、第2部材912と第2ガイド部材92との間の前後方向の距離は、上ローラ22の前後方向の幅よりも僅かに長い。そのため、各上ローラ22が第2部材912と第2ガイド部材92との間に挿入されることで、基台11とフィーダ装置Z10(部品装着装置Z1)との間の前後方向の位置関係が規制される。すなわち、位置決め部2は、基台11と部品装着装置Z1との間の前後方向(上下方向と直交する方向)の位置関係を規制する。
【0107】
また、キャリアテープ補給装置本体Y10がフィーダ装置Z10に近づくように右に移動するとき、キャリアテープ補給装置本体Y10とフィーダ装置Z10との前後方向の位置合わせが予め正確に行われていた場合は、上ローラ22がテーパ面9120及びテーパ面920のいずれにも接触することなく規定の領域R1へ移動する。一方で、キャリアテープ補給装置本体Y10とフィーダ装置Z10との前後方向の位置関係がずれて、上ローラ22がテーパ面9120又はテーパ面920に接触する可能性がある。この場合、キャリアテープ補給装置本体Y10が更に右に移動することで、上ローラ22は、テーパ面9120又はテーパ面920に沿って斜め前又は斜め後ろに移動し、規定の領域R1へ移動する。そのため、基台11とフィーダ装置Z10との間の前後方向の位置関係は、キャリアテープ補給装置本体Y10とフィーダ装置Z10との前後方向の位置合わせが予め正確に行われていた場合と同じとなる。
【0108】
また、各横ローラ23は、第2部材912と台座部90との間に挿入される。横ローラ23が挿入される規定の領域R2(位置ガイド部材9の右端付近)において、第2部材912と台座部90との間の上下方向の距離は、横ローラ23の上下方向の幅よりも僅かに長い。そのため、各横ローラ23が第2部材912と台座部90との間に挿入されることで、基台11とフィーダ装置Z10(部品装着装置Z1)との間の上下方向の位置関係が規制される。すなわち、位置決め部2は、基台11とフィーダ装置Z10(部品装着装置Z1)との間の上下方向の位置関係を規制する。
【0109】
また、キャリアテープ補給装置本体Y10がフィーダ装置Z10に近づくように右に移動するとき、キャリアテープ補給装置本体Y10とフィーダ装置Z10との上下方向の位置合わせが予め正確に行われていた場合は、横ローラ23がテーパ面9121に接触することなく規定の領域R2へ移動する。一方で、キャリアテープ補給装置本体Y10とフィーダ装置Z10との上下方向の位置関係がずれて、横ローラ23がテーパ面9121に接触する可能性がある。この場合、キャリアテープ補給装置本体Y10が更に右に移動することで、横ローラ23は、テーパ面9121に沿って斜め下に移動し、規定の領域R2へ移動する。ここで、フローティング機構16が基台11を上下方向に移動可能に保持しているため、位置決め部2と位置ガイド部材9との接触圧によって基台11がフィーダ装置Z10に対して上下方向に移動する。そのため、基台11とフィーダ装置Z10との間の上下方向の位置関係は、キャリアテープ補給装置本体Y10とフィーダ装置Z10との上下方向の位置合わせが予め正確に行われていた場合と同じとなる。
【0110】
要するに、位置決め部2は、調整部を備えている。本実施形態では、複数の横ローラ23が調整部に相当する。調整部は、位置決め部2により上下方向における基台11と部品装着装置Z1との位置関係が規制される前の状態において、基台11に対し上下方向に移動させる力を加える。これにより、調整部は、部品装着装置Z1に対する基台11の高さを所定の基準高さへと調整する。所定の基準高さは、キャリアテープ補給装置Y1と部品装着装置Z1との各々の構造により決まる高さである。
【0111】
また、調整部は、位置決め部2に備えられている。調整部は、部品装着装置Z1に近づくように、一の方向(第1の方向D1)に移動する。上記一の方向は、水平面に沿った方向である。調整部と部品装着装置Z1とのうち一方は、水平面と交差するテーパ面を有しており、他方は、上記一の方向においてテーパ面に接触する接触部を有している。本実施形態では、部品装着装置Z1の位置ガイド部材9がテーパ面9121を有しており、調整部(横ローラ23)が接触部(横ローラ23の表面)を有している。テーパ面9121と接触部とが接することで、テーパ面9121と接触部との間ではテーパ面9121に沿った上下方向の力が発生し、この力により基台11が上下方向に移動する。
【0112】
(6-2)供給部
図11に示すように、フィーダ装置Z10は、供給部78を更に備えている。供給部78は、位置ガイド部材9の第2ガイド部材92に取り付けられている。供給部78は、例えば、キャリアテープ補給装置Y1のエア受付部171及び受電部172に接続されるコネクタである。キャリアテープ補給装置Y1がフィーダ装置Z10に近づくように右に移動し、位置ガイド部材9に位置決め部2が挿入されるとき、キャリアテープ補給装置Y1の運動エネルギーによって、エア受付部171及び受電部172が供給部78に接続される。部品装着装置Z1は、供給部78、エア受付部171及び受電部172を介して、エア(圧縮空気)及び電力をテープ移動機構T1に供給する。
【0113】
(6-3)終端テープカセット
図16、
図17に示すように、終端テープカセット75は、供給本体71に取り付けられている。終端テープカセット75は、複数(本実施形態では、2つ)設けられている。各終端テープカセット75は、前後方向の厚さが小さい箱状に形成されている。終端テープカセット75は、左側面に開口部750を有する。終端テープカセット75は、キャリアテープ6を収容する。より詳細には、テープ移動機構T1によりテープカセット保持部76へ搬送されたテープカセット5から、キャリアテープ6が取り出される。そして、このキャリアテープ6は、開口部750を通して終端テープカセット75に収容される。テープカセット5から終端テープカセット75に移されたキャリアテープ6は、使い切られて無くなるまで、終端テープカセット75に留められる。フィーダ8は、終端テープカセット75内のキャリアテープ6に保持された部品602(
図14B参照)を部品装着装置本体Z20に供給する。
【0114】
また、終端テープカセット75の幅が、リールR10(
図18参照)の幅L3(
図18参照)よりも狭いことが好ましい。この場合、複数の終端テープカセット75と一対一で対応して設けられた複数のフィーダ8の、前後方向の間隔を短くすることができる。そのため、部品装着装置Z1は、より多くのフィーダ8を備えることができる。
【0115】
また、部品装着装置Z1には、リール無しのキャリアテープ6が供給されるため、リール付きのキャリアテープ6が供給される場合と比較して、複数のフィーダ8の前後方向の間隔を短くすることができる。
【0116】
(6-4)テープカセット保持部
テープカセット保持部76は、終端テープカセット75の左端から突出している。そのため、テープカセット保持部76は、終端テープカセット75と同数設けられている。テープカセット保持部76は、カセットホルダ14のガイドレール141と同様に、ガイドレールである。テープカセット保持部76には、テープカセット5が配置される。すなわち、テープカセット保持部76とテープカセット5とが嵌まり合って、テープカセット保持部76の上にテープカセット5が保持される。
【0117】
位置ガイド部材9に位置決め部2が挿入されることで(
図10A参照)キャリアテープ補給装置Y1とフィーダ装置Z10とが連結されているとき、
図2に示すように、カセットホルダ14のガイドレール141と、中継部151と、テープカセット保持部76とが左右に並ぶ。そのため、テープ移動機構T1は、テープカセット5を左右に移動させることで、テープカセット5をガイドレール141と、中継部151と、テープカセット保持部76との間で移動させることができる。
【0118】
(6-5)規制ピン
図16、
図17に示すように、規制ピン77は、終端テープカセット75の左端から突出している。そのため、規制ピン77は、終端テープカセット75と同数設けられている。規制ピン77は、中継部151からテープカセット保持部76に移動させられたテープカセット5の規制部515を操作する。つまり、テープカセット5が中継部151からテープカセット保持部76に移動するとき、規制部515は、規制ピン77に接触することで回転して、
図17に実線で示すように、規制部515が第2連結部514の内部に収容される。これにより、テープカセット5の内部のキャリアテープ6が右へ(テープカセット保持部76へ)移動することの規制が解除される。
【0119】
(6-6)フィーダ
図19に示すように、フィーダ8は、フィーダ本体80と、待機テープ保持部81と、リリース部82と、テープ走行路83と、排出口84と、取出口85と、を有している。
【0120】
待機テープ保持部81は、第1の送り機構811と、挿入口812と、を備えている。第1の送り機構811は、フィーダ本体80に取り付けられている。第1の送り機構811は、例えば、スプロケットである。第1の送り機構811は、円盤部8110と、複数の歯8111と、を含んでいる。複数の歯8111は、円盤部8110の外周面に等間隔に配置されている。複数の歯8111のうち一部の歯は、キャリアテープ6の複数の送り孔600(
図14B参照)のうち一部の送り孔600に挿入される。さらに、キャリアテープ6の先端部61が挿入口812に挿入される。これにより、第1の送り機構811にキャリアテープ6が保持される。また、フィーダ8が有しているモータの駆動力により第1の送り機構811が回転する。これにより、第1の送り機構811は、キャリアテープ6をテープ送りする。言い換えると、第1の送り機構811は、テープ本体60から繰り出されたキャリアテープ6を順々にテープ走行路83の奥(右)へ送り出す。
【0121】
挿入口812は、フィーダ本体80に形成された開口部である。挿入口812は、第1の送り機構811の近傍に設けられている。挿入口812及び第1の送り機構811は、フィーダ本体80の左端に設けられている。排出口84は、フィーダ本体80の右端に設けられている。テープ走行路83は、フィーダ本体80の内部の通路である。テープ走行路83は、挿入口812と排出口84とをつないでいる。テープ走行路83には、第1の送り機構811によりテープ送りされたキャリアテープ6が通される。キャリアテープ6は、挿入口812からテープ走行路83に侵入し、排出口84からフィーダ本体80の外へ排出される。テープ走行路83のうち挿入口812と排出口84との間には、取出口85が設けられている。取出口85は、フィーダ本体80に形成された開口部である。部品装着装置本体Z20(
図16参照)は、取出口85を通してキャリアテープ6から部品602(
図16参照)を取り出す。
【0122】
フィーダ8は、テープ走行路83に配置された第2の送り機構86を更に有している。第2の送り機構86は、例えば、スプロケットである。第2の送り機構86は、キャリアテープ6をテープ送りする。
【0123】
キャリアテープ補給装置Y1の操作部442は、フィーダ8のリリース部82を操作する。リリース部82は、待機テープ保持部81(第1の送り機構811)に保持されたキャリアテープ6を、操作部442からの操作に応じて待機テープ保持部81(第1の送り機構811)から離れさせる。より詳細には、テープ移動機構T1の第2アーム33及び第2アーム33に対して固定された操作部442が右に移動することで、操作部442がリリース部82を押し上げる。リリース部82を押し上げる操作によって、リリース部82に連結された第1の送り機構811が上へ移動する。これにより、第1の送り機構811がキャリアテープ6から離れ、第1の送り機構811によるキャリアテープ6の保持が解除される。
【0124】
要するに、リリース部82は、待機テープ保持部81に保持されている先行のキャリアテープ6を待機テープ保持部81から離脱させる。「先行のキャリアテープ6」とは、待機テープ保持部81に予め保持されているキャリアテープ6のことを指す。キャリアテープ補給装置Y1の操作部442は、先端移送ヘッドV1に捕捉されているキャリアテープ6を先端搬送機構W1が待機テープ保持部81に保持させる前に、リリース部82を操作する。
【0125】
(7)部品装着装置本体
図16に示すように、部品装着装置本体Z20は、筐体200と、装着ヘッド201と、基板搬送機構202と、装着制御部203と、を備えている。部品装着装置本体Z20は、フィーダ8から送り出されるキャリアテープ6から部品602を取り出し、部品602を基板204に装着する。
【0126】
筐体200には、フィーダ装置Z10を着脱可能である。ここでは、筐体200には、フィーダ装置Z10が装着(固定)されている。筐体200は、装着ヘッド201と、基板搬送機構202と、装着制御部203と、を収容している。基板搬送機構202は、基板204を保持し、所定の位置へ搬送する。装着ヘッド201は、キャリアテープ6に保持された部品602を、真空吸着等の手段により保持して、上記所定の位置に配置された基板204に装着する。装着制御部203は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。装着制御部203は、装着ヘッド201及び基板搬送機構202の動作を制御する。
【0127】
(8)動作例
以下では、キャリアテープ補給装置Y1及び部品装着装置Z1を用いたシステムの動作例について説明する。
【0128】
(8-1)概要
キャリアテープ補給装置Y1及び部品装着装置Z1の動作は、部品602を実装した基板204の製造計画に基づいて、管理装置により制御される。例えば、複数の種類のキャリアテープ6が用意され、キャリアテープ6は、テープの種類ごとに異なる種類の部品602を保持している。そして、管理装置は、複数のフィーダ8のうちどのフィーダ8に、どの種類のキャリアテープ6を供給するかを決定する。また、管理装置は、例えば、各フィーダ8における第1の送り機構811及び第2の送り機構86の動作情報(回転数を時間積分した値等)に基づいて、各フィーダ8におけるキャリアテープ6の残りの長さ等を算出する。管理装置は、キャリアテープ6が使い切られる前に(あるいは、使い切られた後に)、フィーダ8にキャリアテープ6を補給するための動作をキャリアテープ補給装置Y1に指示する。
【0129】
管理装置は、例えば、キャリアテープ補給装置本体Y10に対して、テープ移動機構T1における移動可能な各構成の移動先の座標を指示する。上記座標の原点は、例えば、キャリアテープ補給装置本体Y10における固定された構成(基台11等)上に設定されている。テープ移動機構T1における移動可能な各構成は、指示された座標へ移動させられる。
【0130】
(8-2)フローティング機構の調整
キャリアテープ補給装置Y1及び部品装着装置Z1を用いる前に、作業者は、ばね力調整部162を用いて、基台11及びテープ移動機構T1等の荷重とばね161のばね力が釣り合うときのばね161の長さを調整する。これにより、次の「(8-3)連結」の過程で位置決め部2を位置ガイド部材9に挿入可能なように、床面からの位置決め部2の高さを調整する。床面からの位置決め部2及び基台11の高さは、ばね161の長さに依存し、ばね161の長さは、次の「(8-3)連結」の過程で微調整されるので、ばね力調整部162を用いた調整は比較的大まかでよい。一例として、「(8-3)連結」の過程では、高さを最大で20mm変化させることが可能である。作業者は、ばね力調整部162を用いて、誤差が最大の調整幅(20mm)以下となるようにする。また、作業者は、適宜、フィーダ装置Z10の複数のキャスタ72を用いて供給本体71の高さを調整してもよい。
【0131】
(8-3)連結
図1に示すように、キャリアテープ補給装置Y1が部品装着装置Z1から離れている状態を、初期状態とする。移動体M10は、キャリアテープ補給装置本体Y10を載せた状態で部品装着装置Z1に近づくように移動する。これにより、
図10A、
図10Bに示すように、位置ガイド部材9に位置決め部2が挿入される。すなわち、
図2に示すように、キャリアテープ補給装置Y1が部品装着装置Z1に連結される。
【0132】
このとき、位置決め部2の上ローラ22がテーパ面9120又はテーパ面920に接触すると、テーパ面9120又はテーパ面920に沿って、位置決め部2の位置が前後方向に調整される。同時に、位置決め部2に連結された基台11の位置と、基台11に保持されたテープ移動機構T1等の構成の位置とが、前後方向に調整される。
【0133】
また、位置決め部2の横ローラ23がテーパ面9121に接触すると、フローティング機構16のばね161(
図12参照)の伸縮を伴って、テーパ面9121に沿って、位置決め部2の位置が上下方向に調整される。同時に、位置決め部2に連結された基台11の位置と、基台11に保持されたテープ移動機構T1等の構成の位置とが、上下方向に調整される。
【0134】
結局、基台11及びテープ移動機構T1等の構成の位置は、決まった位置となる。例えば、移動体M10の高さの誤差、又は、移動体M10に対する基台11の高さの誤差等に依らずに、フィーダ装置Z10に対するテープ移動機構T1等の構成の高さを一定にすることができる。
【0135】
(8-4)テープの移動
テープ移動機構T1は、カセットホルダ14に配置されキャリアテープ6を収容した状態のテープカセット5を、カセット移送ヘッド37により捕捉し、カセット搬送機構U1によりテープカセット保持部76へ移動させる。より詳細には、カセット搬送機構U1は、カセットホルダ14に配置された複数のテープカセット5の中から指定された取出テープカセットをカセットホルダ14から取り出して、取出テープカセットをテープカセット保持部76へ移動させる。以下では、この動作について説明する。
【0136】
キャリアテープ補給装置Y1が部品装着装置Z1に連結された状態から、テープ移動機構T1(カセット搬送機構U1)が動作することにより、まず、
図2に示すように、カセット移送ヘッド37の保持突起372(
図15参照)がテープカセット5の保持穴5130(
図15参照)に挿入される。すなわち、カセット移送ヘッド37がテープカセット5を捕捉する。より詳細には、テープ移動機構T1は、まず、カセットホルダ14に配置された複数のテープカセット5のうち、管理装置により指定されたテープカセット5の上に保持突起372が位置するように、カセット移送ヘッド37を前後に移動させる。その後、テープ移動機構T1は、第4スライダ36を下に移動させることで、保持突起372をテープカセット5の保持穴5130に挿入させる。
【0137】
カセット移送ヘッド37が前後に移動するとき、中継部151も前後に移動する。これにより、カセット移送ヘッド37に捕捉されたテープカセット5(以下、「移動中のテープカセット5」と称す)の右には、中継部151が位置する。
【0138】
次に、テープ移動機構T1は、第2アーム33を右へ移動させる。これにより、テープ移動機構T1は、移動中のテープカセット5を中継部151の上に配置する。さらに、テープ移動機構T1は、
図4に示すように、第2スライダ34を下に移動させる。これにより、先端移送ヘッドV1は、移動中のテープカセット5の近傍へ移動する。第2スライダ34を下に移動させる動作と並行して、テープ移動機構T1は、第3スライダ35(
図8参照)を前後に移動させる。把持機構41の上部部材411と下部部材412とを予め互いに離しておき、テープ移動機構T1は、上部部材411と下部部材412との間に、キャリアテープ6の先端部61が位置するように、先端移送ヘッドV1を移動させる。そして、把持機構41は、下部部材412を駆動して、上部部材411と下部部材412との間に先端部61を挟む(
図15参照)。このとき、下部部材412は、移動中のテープカセット5のうち2つの保持部520の間に形成された逃げ部5110(
図15参照)を前後方向に通り抜けて、先端部61を挟む位置へ移動する。
【0139】
先端移送ヘッドV1の把持機構41は、中継部151に配置されたキャリアテープ6の先端部61を保持する。すなわち、把持機構41により先端部61を挟む(保持する)動作は、移動中のテープカセット5が中継部151にある状態で行われる。その理由は、把持機構41により先端部61を挟む(保持する)動作が、テープカセット5がカセットホルダ14に有る状態で行われる場合には、このテープカセット5と前後方向に隣り合うテープカセット5にカセット移送ヘッド37が干渉する可能性があるためである。本実施形態によれば、カセットホルダ14に有る複数のテープカセット5とカセット移送ヘッド37とが干渉する可能性を低減できる。また、カセット移送ヘッド37の干渉を考慮しなくてもよいことから、カセットホルダ14に有る複数のテープカセット5の前後方向の間隔を短くすることができる。
【0140】
先端移送ヘッドV1の把持機構41により先端部61が保持された状態で、テープ移動機構T1は、
図5に示すように、先端移送ヘッドV1を上へ移動させる。この動作により、先端部61が上に移動し、移動中のテープカセット5の保持構造52の2つの保持部520から、先端部61が取り外される。つまり、2つの保持部520の計4つのピン522が先端部61の送り孔600に挿入されている状態から、先端部61が上へ移動することで、4つのピン522が送り孔600から離れた状態となる。
【0141】
次に、カセット搬送機構U1は、テープカセット5を、複数のフィーダ8の中から指定されたフィーダ8の手前のテープカセット保持部76へ移動させる。これにより、テープ移動機構T1は、キャリアテープ6を、複数のフィーダ8の中から指定されたフィーダ8の待機テープ保持部81に保持される位置へ移動させる。より詳細には、テープ移動機構T1は、先端移送ヘッドV1を前後方向に移動させることにより、先端移送ヘッドV1に保持された先端部61を、複数のフィーダ8のうち、管理装置により指定されたフィーダ8と左右方向に対向する位置へ移動させる。次に、テープ移動機構T1は、
図6に示すように、先端移送ヘッドV1を右へ移動させる。これにより、移動中のテープカセット5は、テープカセット保持部76の上に配置される。また、
図7に示すように、キャリアテープ6の先端部61が挿入口812の近傍に配置される。
【0142】
テープ移動機構T1は、先端移送ヘッドV1に保持されたキャリアテープ6(以下、「新たなキャリアテープ6」と称す)を、フィーダ8の第1の送り機構811に保持させる。ただし、第1の送り機構811には、新たなキャリアテープ6よりも先に、フィーダ8のテープ走行路83に通されているキャリアテープ6(以下、「先行キャリアテープ」と称す)が保持されている場合がある。その場合、テープ移動機構T1は、操作部442を右へ移動させることで、リリース部82を操作し、第1の送り機構811から先行キャリアテープを取り外す。取り外された先行キャリアテープは、第2の送り機構86(
図19参照)により取出口85及び排出口84まで移動させられる。先行キャリアテープが取り外された後、テープ移動機構T1は、操作部442を左へ移動させることで、リリース部82への操作を終了する。
【0143】
テープ移動機構T1は、次のようにして、新たなキャリアテープ6を、第1の送り機構811に保持させる。すなわち、繰出し機構42(
図8参照)を回転させ、キャリアテープ6を繰り出すことで、新たなキャリアテープ6の先端部61を、第1の送り機構811の位置まで移動させ、第1の送り機構811に保持させる。第1の送り機構811に保持された新たなキャリアテープ6は、第1の送り機構811にテープ送りされて、挿入口812からテープ走行路83(
図19参照)に侵入する。
【0144】
次に、把持機構41は、新たなキャリアテープ6の保持を解除する。つまり、把持機構41は、下部部材412を駆動して上部部材411から離れさせる。
【0145】
フィーダ8において新たなキャリアテープ6がテープ送りされることで、新たなキャリアテープ6のテープ本体60を引っ張る力が発生する。この力により、
図17に示すように、テープカセット保持部76に配置されたテープカセット5に収容されたキャリアテープ6は、終端テープカセット75に移動する(
図17の矢印A1参照)。
図17では、テープカセット保持部76上のテープカセット5に収容されたキャリアテープ6を実線で図示し、終端テープカセット75に収容されたキャリアテープ6を2点鎖線で図示している。
【0146】
キャリアテープ6が終端テープカセット75へ移動した後の空のテープカセット5は、テープ移動機構T1によりカセットホルダ14へ移動させられる。すなわち、テープ移動機構T1(カセット搬送機構U1)は、テープカセット保持部76に配置されたテープカセット5(カセットホルダ14から取り出された取出テープカセット)に収容されたキャリアテープ6が無くなると、取出テープカセットを、カセットホルダ14へ移動させる。より詳細には、テープ移動機構T1(カセット搬送機構U1)は、空のテープカセット5となった取出テープカセットを、カセット移送ヘッド37により捕捉し、カセット搬送機構U1によりカセットホルダ14へ移動させる。更に詳細には、テープ移動機構T1は、取出テープカセットを、テープカセット保持部76から中継部151を経由してカセットホルダ14へ移動させる。
【0147】
(9)キャリアテープ補給方法
本開示に係るキャリアテープ補給方法について、
図20を参照して説明する。一態様において、キャリアテープ補給装置Y1を用いたキャリアテープ補給方法は、位置決めステップ(「(8-3)連結」参照)と、移動ステップ(「(8-4)テープの移動」参照)と、を備える。位置決めステップでは、上下方向における基台11と部品装着装置Z1との位置関係を規制する。移動ステップでは、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする。より詳細には、移動ステップでは、カセットホルダ14に配置されたテープカセット5に収容されたキャリアテープ6を移動させて、キャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる。
【0148】
位置決めステップは、キャリアテープ補給装置Y1を移動させて部品装着装置Z1に近づけるステップST1と、これにより位置決め部2を位置ガイド部材9に挿入するステップST2と、を含んでいる。移動ステップは、次のステップST3~ST7を含んでいる。ステップST3では、カセット移送ヘッド37によりテープカセット5を補足する。ステップST4では、カセット移送ヘッド37と共にテープカセット5を移動させる。これにより、テープカセット5は、カセットホルダ14からテープカセット保持部76へ移動させられる。ステップST5では、先端移送ヘッドV1によりキャリアテープ6の先端部61を保持する。ステップST6では、先端移送ヘッドV1と共に先端部61を移動させる。ステップST7では、繰出し機構42により先端部61を待機テープ保持部81へ繰り出す。
【0149】
また、一態様において、キャリアテープ補給方法は、次の第1のカセット移送ステップと、第2のカセット移送ステップと、キャリアテープ移送ステップと、搬送ステップと、を備える。第1のカセット移送ステップでは、キャリアテープ6を収納したテープカセット5をカセットホルダ14からテープカセット保持部76へ移動させる(ステップST2~ST4)。第2のカセット移送ステップは、第1のカセット移送ステップに対してテープカセット5の移動方向を逆にした動作により実現される。第2のカセット移送ステップでは、キャリアテープ6が無くなったテープカセット5をテープカセット保持部76からカセットホルダ14へ移動させる。キャリアテープ移送ステップでは、テープカセット5に収納されたキャリアテープ6の先端部61を待機テープ保持部81にセットする(ステップST5~ST7)。搬送ステップでは、カセットホルダ14をキャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる(ステップST1)。
【0150】
また、一態様において、キャリアテープ補給方法は、次の第1の移動ステップと、第2の移動ステップと、第3の移動ステップと、を備える。第1の移動ステップでは、カセット移送ヘッド37と先端移送ヘッドV1とを中継部151の延びる方向(左右方向)へ移動させる(ステップST2~ST4)。第2の移動ステップでは、中継部151をカセットホルダ14における複数のテープカセット5の並び方向(前後方向)に沿って移動させる(ステップST4)。第3の移動ステップでは、カセットホルダ14とカセット移送ヘッド37と先端移送ヘッドV1と中継部151とをキャリアテープ6の補給が必要な部品装着装置Z1の手前へ移動させる(ステップST1)。
【0151】
(変形例1)
以下、変形例1に係るキャリアテープ補給装置Y1について、
図21を用いて説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0152】
本変形例1において、テープカセット5の保持構造52は、キャリアテープ6の先端部61が予め2つの保持部520よりも右へ突出した状態で、先端部61を保持している。また、テープカセット5が中継部151及びテープカセット保持部76に配置されているとき、先端部61が左右方向において待機テープ保持部81と対向する。
【0153】
先端部61を待機テープ保持部81の第1の送り機構811に保持させる場合には、テープ移動機構T1(カセット移送機構TC1)は、保持構造52に先端部61が保持された状態を維持して、先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる。より詳細には、テープ移動機構T1は、第2アーム33と共にテープカセット5を右に移動させることで、先端部61を第1の送り機構811まで移動させる(矢印A2参照)。つまり、先端移送ヘッドV1(
図1参照)により先端部61を保持することを要さずに、テープカセット5の移動によって、先端部61を待機テープ保持部81へ移動させることができる。
【0154】
ここでは、一例として、テープカセット5が中継部151及びテープカセット保持部76において移動することで先端部61が待機テープ保持部81へ移動する場合について説明する。ただし、テープカセット5が中継部151において移動することで先端部61が待機テープ保持部81へ移動してもよい。
【0155】
テープカセット5が中継部151及びテープカセット保持部76を移動することで先端部61が待機テープ保持部81へ移動した後、保持構造52によるキャリアテープ6の保持が解除される。例えば、テープカセット保持部76をモータ等の動力により下降させることで、4つのピン522(
図14A参照)の各々がキャリアテープ6の送り孔600(
図14A参照)から外れるので、先端部61の保持が解除される。あるいは、先端移送ヘッドV1によりキャリアテープ6のうち2つの保持部520の間の部位が持ち上げられることで、先端部61の保持が解除される。
【0156】
また、別の態様として、キャリアテープ6が使い切られるまで、キャリアテープ6を収容したテープカセット5がフィーダ装置Z10に保持されてもよい。さらに、キャリアテープ6が使い切られるまで、保持構造52にキャリアテープ6が保持された状態が維持されてもよい。この態様において、2つの保持部520の各々は、例えば、スプロケット等の繰出し機構により構成される。保持部520(スプロケット)の複数の歯がキャリアテープ6の複数の送り孔600に挿入されることで、キャリアテープ6が保持部520(スプロケット)に保持される。保持部520(スプロケット)が回転することで、キャリアテープ6が保持部520(スプロケット)に保持されたままフィーダ8にキャリアテープ6が供給される。
【0157】
また、2つの保持部520の各々がスプロケット等の繰出し機構等より構成される場合には、次のようにして先端部61を待機テープ保持部81へ移動させることができる。まず、テープ移動機構T1は、テープカセット5を待機テープ保持部81に近づける。その後、保持部520(スプロケット)が回転してキャリアテープ6の先端部61を繰り出すことで、先端部61が待機テープ保持部81へ移動する。保持部520(スプロケット)に動力が与えられて回転してもよいし、先端移送ヘッドV1が先端部61を右へ移動させることで保持部520(スプロケット)が回転してもよい。
【0158】
また、2つの保持部520をスプロケット等の繰出し機構により構成するのではなく、繰出し機構を2つの保持部520とは別に設けてもよい。キャリアテープ6が2つの保持部520に保持された状態を維持して、先端部61を繰出し機構により待機テープ保持部81へ移動させてもよい。あるいは、キャリアテープ6の先端部61を2つの保持部520から取り外してから、先端部61を繰出し機構により待機テープ保持部81へ移動させてもよい。
【0159】
また、本変形例1において、先端移送ヘッドV1は、保持構造52からキャリアテープ6の先端部61を取り外してから、先端部61を待機テープ保持部81へ移動させてもよい。この場合、実施形態と比較して、テープカセット5に保持された先端部61と待機テープ保持部81との各々の床面からの高さの差が小さい(所定値以下である)ため、先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる動作の精度を向上させることができる。
【0160】
また、キャリアテープ補給装置Y1は、保持構造52からキャリアテープ6の先端部61を取り外してから、先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる動作と、保持構造52に先端部61が保持された状態を維持して、先端部61を待機テープ保持部81へ移動させる動作との両方が可能であってもよい。
【0161】
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の変形例1と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0162】
カセット移送ヘッド37を移動させるカセット搬送機構U1は、先端移送ヘッドV1を移動させる先端搬送機構W1とは別に設けられてもよい。これを実現するために、例えば、キャリアテープ補給装置Y1は、次の第1のテープ移動機構と、第2のテープ移動機構と、を備えていてもよい。第1のテープ移動機構は、実施形態のテープ移動機構T1の構成のうちカセット移送ヘッド37を省略した構成である。第2のテープ移動機構は、実施形態のテープ移動機構T1の構成のうち先端移送ヘッドV1を省略した構成である。このとき、第1のテープ移動機構は、先端移送ヘッドV1と、先端搬送機構W1と、を含む。第2のテープ移動機構は、カセット移送ヘッド37と、カセット搬送機構U1と、を含む。例えば、基台11の上に、第1のテープ移動機構と第2のテープ移動機構とを前後に並べて配置すればよい。
【0163】
保持構造52が有している保持部520の個数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0164】
実施形態では移動体M10はキャリアテープ補給装置Y1の構成に含まれているが、移動体M10がキャリアテープ補給装置Y1の構成に含まれていなくてもよい。
【0165】
実施形態ではキャリアテープ6及びテープカセット5はキャリアテープ補給装置Y1の構成に含まれていないが、キャリアテープ6及びテープカセット5のうち少なくとも一方がキャリアテープ補給装置Y1の構成に含まれていてもよい。
【0166】
キャリアテープ6は、リールに巻かれていてもよい。リールは、テープカセット5に固定されていてもよいし、テープカセット5に着脱可能であってもよい。
【0167】
保持構造52の構成として、キャリアテープ6の先端部61をばねのばね力等により挟む把持機構を採用してもよい。あるいは、保持構造52の構成として、キャリアテープ6の先端部61が圧着される圧着部を採用してもよい。あるいは、保持構造52の構成として、キャリアテープ6の先端部61と接着剤を介して接着される接着部を採用してもよい。
【0168】
キャリアテープ6を繰り出す繰出し機構42、第1の送り機構811及び第2の送り機構86の構成として、スプロケットに代えて、ローラを採用してもよい。ローラは、キャリアテープ6との間に発生する摩擦力によりキャリアテープ6に動力を伝達し、キャリアテープ6を繰り出す。
【0169】
テープカセット5は、キャリアテープ補給装置Y1の他の構成とは別に、テープカセット5単独で市場に流通し得る。そのため、本開示のテープカセット5の構成は、キャリアテープ補給装置Y1に組み込まれていない状態で実現されてもよい。
【0170】
フィーダ装置Z10は、部品装着装置本体Z20とは別に、フィーダ装置Z10単独で市場に流通し得る。あるいは、フィーダ装置Z10は、部品装着装置本体Z20とは別に、キャリアテープ補給装置Y1の少なくとも一部の構成と共に市場に流通し得る。そのため、本開示のフィーダ装置Z10の構成は、部品装着装置本体Z20から独立して実現されてもよい。
【0171】
フローティング機構16のばね161は、コイルばねに限定されない。ばね161は、例えば、空気ばねであってもよい。
【0172】
キャリアテープ補給装置Y1は、フローティング機構16のばね力調整部162を遠隔操作するための遠隔操作機構を備えていてもよい。遠隔操作機構は、例えば、ばね力調整部162の調整ねじを締める又は緩めるためのアクチュエータと、アクチュエータの動作を制御する制御回路と、遠隔操作に関する指示信号を受信し制御回路に送信する受信部と、を含む。
【0173】
実施形態の位置決め部2は、上下方向及び前後方向における基台11と部品装着装置Z1との位置関係を規制する。ここで、「位置関係を規制する」とは、動かないように固定されていることに限定されず、動くことが可能な距離が所定距離以下に制限されていればよい。所定距離は、例えば、1mm又は数mm程度である。
【0174】
実施形態の移動体M10は、車輪を有し、車輪を回転させることで床面を移動する無人搬送車である。ただし、移動体M10は、例えば、レールの上を移動する無人搬送車であってもよい。また、移動体M10は、無人搬送車に限定されない。移動体M10は、例えば、キャリアテープ補給装置本体Y10を搬送するコンベア装置であってもよい。また、移動体M10は、自走する装置に限定されず、牽引されることにより移動可能な装置(台車)であってもよい。
【0175】
実施形態において、フローティング機構16は、キャリアテープ補給装置Y1に備えられているが、部品装着装置Z1がフローティング機構16を備えていてもよい。すなわち、部品装着装置Z1は、フィーダ8を上下方向に移動可能に保持するフローティング機構16を備えていてもよい。
【0176】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0177】
第1の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)は、部品装着装置(Z1)に、キャリアテープ(6)を補給する。部品装着装置(Z1)は、装着部(部品装着装置本体(Z20))と、テープカセット保持部(76)と、フィーダ(8)と、を有する。装着部は、キャリアテープ(6)から部品(602)を取り出して基板(204)に装着する。テープカセット保持部(76)は、テープカセット(5)を着脱可能に保持する。テープカセット(5)は、キャリアテープ(6)を収納する。フィーダ(8)は、待機テープ保持部(81)を有する。フィーダ(8)は、待機テープ保持部(81)にセットされたキャリアテープ(6)の先端部(61)を引き込んで装着部による部品(602)の取出しが可能な位置へ搬送する。キャリアテープ補給装置(Y1)は、カセットホルダ(14)と、カセット移送機構(TC1)と、キャリアテープ移送機構(TT1)と、移動体(M10)と、を備える。カセットホルダ(14)は、複数のテープカセット(5)を保持可能である。カセット移送機構(TC1)は、キャリアテープ(6)を収納したテープカセット(5)をカセットホルダ(14)からテープカセット保持部(76)へ移動させる。カセット移送機構(TC1)は、キャリアテープ(6)が無くなったテープカセット(5)をテープカセット保持部(76)からカセットホルダ(14)へ移動させる。キャリアテープ移送機構(TT1)は、テープカセット(5)に収納されたキャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)にセットする。移動体(M10)は、カセットホルダ(14)とカセット移送機構(TC1)とキャリアテープ移送機構(TT1)とをキャリアテープ(6)の補給が必要な部品装着装置(Z1)の手前へ移動させる。テープカセット(5)は、ケース(51)と、保持構造(52)と、を有する。ケース(51)は、ロール状のキャリアテープ(6)を収納する。保持構造(52)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を保持する。キャリアテープ移送機構(TT1)は、カセット移送機構(TC1)によって交換されるテープカセット(5)の保持構造(52)からキャリアテープ(6)の先端部(61)を取り出して待機テープ保持部(81)にセットする。
【0178】
上記の構成によれば、保持構造(52)にキャリアテープ(6)の先端部(61)が保持されているとき、保持されていない場合と比較して、キャリアテープ(6)に対する操作(キャリアテープ(6)の先端部(61)を挟む又は掴む等)の位置合わせが容易となる。そのため、キャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0179】
また、第2の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第1の態様において、カセット移送機構(TC1)は、カセット移送ヘッド(37)と、カセット搬送機構(U1)と、を有する。カセット移送ヘッド(37)は、テープカセット(5)を捕捉する。カセット搬送機構(U1)は、カセット移送ヘッド(37)を移動させる。
【0180】
上記の構成によれば、テープカセット(5)と一緒にキャリアテープ(6)を移動させることができる。
【0181】
また、第3の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第2の態様において、カセット搬送機構(U1)は、第1のカセット搬送機構(U10)と、第2のカセット搬送機構(U20)と、を備える。第1のカセット搬送機構(U10)は、第1の方向(D1)にカセット移送ヘッド(37)を移動させる。第1の方向(D1)は、カセットホルダ(14)とテープカセット保持部(76)との並んでいる方向である。第2のカセット搬送機構(U20)は、第2の方向(D2)にカセット移送ヘッド(37)を移動させる。第2の方向(D2)は、第1の方向(D1)と交差し水平面に沿った方向である。
【0182】
上記の構成によれば、第1の方向(D1)及び第2の方向(D2)という2方向にテープカセット(5)を移動させることができる。
【0183】
また、第4の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)は、第3の態様において、中継部(151)を更に備える。中継部(151)は、カセットホルダ(14)とテープカセット保持部(76)との間に配置される。カセット搬送機構(U1)は、テープカセット(5)を、中継部(151)を経由させてカセットホルダ(14)とテープカセット保持部(76)との間で移動させる。第2のカセット搬送機構(U20)は、カセット移送ヘッド(37)と一緒に、中継部(151)を第2の方向(D2)に移動させる。
【0184】
上記の構成によれば、中継部(151)に配置されたテープカセット(5)を、フィーダ(8)に対して、第2の方向(D2)に位置合わせできる。
【0185】
また、第5の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、キャリアテープ移送機構(TT1)は、先端移送ヘッド(V1)と、先端搬送機構(W1)と、を有する。先端移送ヘッド(V1)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を捕捉する。先端搬送機構(W1)は、先端移送ヘッド(V1)を移動させることで、キャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)へ移動させる。
【0186】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)の先端部(61)を移動させることができる。
【0187】
また、第6の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第5の態様において、先端搬送機構(W1)は、第1の先端搬送機構(W10)と、第2の先端搬送機構(W20)と、を備える。第1の先端搬送機構(W10)は、第1の方向(D1)に先端移送ヘッド(V1)を移動させる。第1の方向(D1)は、カセットホルダ(14)とテープカセット保持部(76)との並んでいる方向である。第2の先端搬送機構(W20)は、第2の方向(D2)に先端移送ヘッド(V1)を移動させる。第2の方向(D2)は、第1の方向(D1)と交差し水平面に沿った方向である。
【0188】
上記の構成によれば、第1の方向(D1)及び第2の方向(D2)という2方向に先端部(61)を移動させることができる。
【0189】
また、第7の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第5又は6の態様において、先端移送ヘッド(V1)は、繰出し機構(42)を備える。繰出し機構(42)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)へ繰り出す。
【0190】
上記の構成によれば、先端部(61)を先端移送ヘッド(V1)に対して移動させることができる。
【0191】
また、第8の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第5~7の態様のいずれか1つにおいて、保持構造(52)は、保持部(520)を有する。保持部(520)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を保持する。
【0192】
上記の構成によれば、保持部(520)により先端部(61)を保持することができる。
【0193】
また、第9の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第8の態様において、保持構造(52)は、保持部(520)を2つ有する。ケース(51)は、支持部材(第1支持部材(511))を有する。支持部材は、2つの保持部(520)を支持する。支持部材は、2つの保持部(520)の間の少なくとも一部に、逃げ部(5110)を有している。
【0194】
上記の構成によれば、先端移送ヘッドV1は、逃げ部(5110)を通して先端部(61)を保持することができる。
【0195】
また、第10の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第9の態様において、先端移送ヘッド(V1)は、把持機構(41)を備える。把持機構(41)は、逃げ部(5110)を通ってキャリアテープ(6)の先端部(61)を先端部(61)の厚さ方向に挟む。
【0196】
上記の構成によれば、先端部(61)を安定的に保持できる。
【0197】
また、第11の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)は、第5~10の態様のいずれか1つにおいて、カセット移送機構(TC1)は、カセット移送ヘッド(37)と、カセット搬送機構(U1)と、を有する。カセット移送ヘッド(37)は、テープカセット(5)を捕捉する。カセット搬送機構(U1)は、先端搬送機構(W1)とは別に設けられる。カセット搬送機構(U1)は、カセット移送ヘッド(37)を移動させる。
【0198】
上記の構成によれば、テープカセット(5)と一緒にキャリアテープ(6)を移動させることができる。
【0199】
また、第12の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第5~11の態様のいずれか1つにおいて、先端移送ヘッド(V1)は、保持構造(52)からキャリアテープ(6)の先端部(61)を取り外す。
【0200】
上記の構成によれば、先端搬送機構(W1)は、保持構造(52)から取り外された先端部(61)を待機テープ保持部(81)へ移動させることができる。
【0201】
また、第13の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第1~12の態様のいずれか1つにおいて、キャリアテープ移送機構(TT1)は、保持構造(52)にキャリアテープ(6)の先端部(61)が保持された状態を維持して、キャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)へ移動させる。
【0202】
上記の構成によれば、先端部(61)が保持構造(52)に保持されているので、キャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0203】
また、第14の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)は、第1~13の態様のいずれか1つにおいて、操作部(442)を備える。フィーダ(8)は、リリース部(82)を有する。リリース部(82)は、待機テープ保持部(81)に保持されたキャリアテープ(6)を、操作部(442)からの操作に応じて待機テープ保持部(81)から離れさせる。
【0204】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)を待機テープ保持部(81)から離れさせることができる。
【0205】
また、第15の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)は、部品装着装置(Z1)に、キャリアテープ(6)を補給する。部品装着装置(Z1)は、装着部(部品装着装置本体(Z20))と、テープカセット保持部(76)と、フィーダ(8)と、を有する。装着部は、キャリアテープ(6)から部品(602)を取り出して基板(204)に装着する。テープカセット保持部(76)は、テープカセット(5)を着脱可能に保持する。テープカセット(5)は、キャリアテープ(6)を収納する。フィーダ(8)は、待機テープ保持部(81)を有する。フィーダ(8)は、待機テープ保持部(81)にセットされたキャリアテープ(6)の先端部(61)を引き込んで装着部による部品(602)の取出しが可能な位置へ搬送する。キャリアテープ補給装置(Y1)は、カセットホルダ(14)と、カセット移送ヘッド(37)と、先端移送ヘッド(V1)と、ガイド(中継部(151))と、第1の移動機構と、第2の移動機構と、移動体(M10)と、を備える。カセットホルダ(14)は、複数のテープカセット(5)を保持可能である。カセット移送ヘッド(37)は、テープカセット(5)を捕捉する。先端移送ヘッド(V1)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を保持する。ガイドは、カセットホルダ(14)からテープカセット保持部(76)に延びてテープカセット(5)の移動を案内する。第1の移動機構は、カセット移送ヘッド(37)と先端移送ヘッド(V1)とをガイドの延びる方向へ移動させる。第2の移動機構は、ガイドと第1の移動機構とをカセットホルダ(14)における複数のテープカセット(5)の並び方向に沿って移動させる。移動体(M10)は、カセットホルダ(14)とカセット移送ヘッド(37)と先端移送ヘッド(V1)とガイドと第1の移動機構と第2の移動機構とをキャリアテープ(6)の補給が必要な部品装着装置(Z1)の手前へ移動させる。テープカセット(5)は、ケース(51)と、保持構造(52)と、を有する。ケース(51)は、ロール状のキャリアテープ(6)を収納する。保持構造(52)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を保持する。先端移送ヘッド(V1)は、カセット移送ヘッド(37)によって交換されるテープカセット(5)の保持構造(52)からキャリアテープ(6)の先端部(61)を取り出して待機テープ保持部(81)にセットする。
【0206】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0207】
また、第16の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第15の態様において、保持構造(52)は、保持部(520)を有する。保持部(520)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を保持する。
【0208】
上記の構成によれば、保持部(520)により先端部(61)を保持することができる。
【0209】
また、第17の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第16の態様において、保持構造(52)は、保持部(520)を2つ有する。ケース(51)は、支持部材(第1支持部材(511))を有する。支持部材は、2つの保持部(520)を支持する。支持部材は、2つの保持部(520)の間の少なくとも一部に、逃げ部(5110)を有している。
【0210】
上記の構成によれば、先端移送ヘッドV1は、逃げ部(5110)を通して先端部(61)を保持することができる。
【0211】
また、第18の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第15~17の態様のいずれか1つにおいて、先端移送ヘッド(V1)は、把持機構(41)を有する。把持機構(41)は、キャリアテープ(6)をその厚さ方向に挟み込む。
【0212】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)を安定的に保持できる。
【0213】
また、第19の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)では、第15~18の態様のいずれか1つにおいて、先端移送ヘッド(V1)は、繰出し機構(42)を有する。繰出し機構(42)は、捕捉したキャリアテープ(6)を待機テープ保持部(81)へ繰り出す。
【0214】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)を先端移送ヘッド(V1)に対して移動させることができる。
【0215】
また、第20の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)は、第15~19の態様のいずれか1つにおいて、移動体(M10)は、自走又は牽引によって移動可能な台車である。
【0216】
上記の構成によれば、キャリアテープ補給装置(Y1)を移動させることができる。
【0217】
また、第21の態様に係るキャリアテープ補給装置(Y1)は、第15~20の態様のいずれか1つにおいて、フィーダ(8)は、リリース部(82)を有する。リリース部(82)は、待機テープ保持部(81)に保持されている先行のキャリアテープ(6)を待機テープ保持部(81)から離脱させる。キャリアテープ補給装置(Y1)は、先端移送ヘッド(V1)に捕捉されているキャリアテープ(6)を待機テープ保持部(81)に保持させる前にリリース部(82)を操作する操作部(442)を有する。
【0218】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)を待機テープ保持部(81)から離れさせることができる。
【0219】
また、第22の態様に係る部品装着システム(X1)は、第1~21の態様のいずれか1つに係るキャリアテープ補給装置(Y1)と、部品装着装置(Z1)と、を備える。
【0220】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0221】
また、第23の態様に係るテープカセット(5)は、ケース(51)と、保持構造(52)と、を有する。ケース(51)は、ロール状のキャリアテープ(6)を収納する。保持構造(52)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を保持する。
【0222】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)の先端部(61)を待機テープ保持部(81)にセットする動作の精度を向上させることができる。
【0223】
また、第24の態様に係るテープカセット(5)では、第23の態様において、保持構造(52)は、ピン(522)を含む。ピン(522)は、キャリアテープ(6)の送り孔(600)に挿入される。
【0224】
上記の構成によれば、保持構造(52)によるキャリアテープ(6)の保持を解除可能である。
【0225】
また、第25の態様に係るテープカセット(5)では、第23の態様において、保持構造(52)は、保持部(520)を有する。保持部(520)は、キャリアテープ(6)の先端部(61)を保持する。
【0226】
上記の構成によれば、保持部(520)により先端部(61)を保持することができる。
【0227】
また、第26の態様に係るテープカセット(5)では、第25の態様において、保持構造(52)は、保持部(520)を2つ有する。
【0228】
上記の構成によれば、保持部(520)の個数が1つの場合と比較して、先端部(61)を安定的に保持できる。
【0229】
また、第27の態様に係るテープカセット(5)では、第26の態様において、ケース(51)は、2つの保持部(520)の間の少なくとも一部に、逃げ部(5110)を有している。
【0230】
上記の構成によれば、逃げ部(5110)を通して先端部(61)を保持することができる。
【0231】
また、第28の態様に係るテープカセット(5)では、第25~27の態様のいずれか1つにおいて、保持部(520)は、ピン(522)を含む。ピン(522)は、キャリアテープ(6)の送り孔(600)に挿入される。
【0232】
上記の構成によれば、保持構造(52)によるキャリアテープ(6)の保持を解除可能である。
【0233】
また、第29の態様に係るテープカセット(5)では、第23~28の態様のいずれか1つにおいて、ケース(51)は、出荷時にキャリアテープ(6)が巻かれていたリール(R10)を取外したリール無しのロール体を収納する。ケース(51)の幅(L4)はリール(R10)の幅(L3)よりも狭い。
【0234】
上記の構成によれば、複数のケース(51)の配置間隔を短くすることができる。
【0235】
また、第30の態様に係るテープカセット(5)では、第29の態様において、ケース(51)の幅(L4)はキャリアテープ(6)の幅(L2)よりも大きくリール(R10)の幅(L3)よりも狭い。
【0236】
上記の構成によれば、キャリアテープ(6)が誤ってリール(R10)に取り付けられた状態でケース(51)に収納される可能性を低減できる。
【符号の説明】
【0237】
14 カセットホルダ
151 中継部(ガイド)
204 基板
37 カセット移送ヘッド
41 把持機構
42 繰出し機構
442 操作部
5 テープカセット
51 ケース
511 第1支持部材(支持部材)
5110 逃げ部
52 保持構造
520 保持部
522 ピン
6 キャリアテープ
60 テープ本体
61 先端部
602 部品
76 テープカセット保持部
81 待機テープ保持部
8 フィーダ
82 リリース部
D1 第1の方向
D2 第2の方向
L2、L3、L4 幅
M10 移動体
R10 リール
TC1 カセット移送機構
TT1 キャリアテープ移送機構
U1 カセット搬送機構
U10 第1のカセット搬送機構
U20 第2のカセット搬送機構
V1 先端移送ヘッド
W1 先端搬送機構
W10 第1の先端搬送機構
W20 第2の先端搬送機構
X1 部品装着システム
Y1 キャリアテープ補給装置
Z1 部品装着装置
Z20 部品装着装置本体(装着部)