(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175046
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】歩行車
(51)【国際特許分類】
A61H 3/04 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
A61H3/04
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024159896
(22)【出願日】2024-09-17
(62)【分割の表示】P 2020167680の分割
【原出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】598087841
【氏名又は名称】株式会社幸和製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】奥村 泰明
(72)【発明者】
【氏名】峯垣 淳平
(57)【要約】
【課題】比較的高い剛性のフレーム構造を有する歩行車を提供する。
【解決手段】歩行車100を、上端部側にハンドル182が取り付けられ、長さを調整できる一対の支持フレーム114、一対の支持フレーム114間に架設され、中央部136と、中央部136の両端から後退方向に延びる一対の側方部138とを有する前側架設フレーム118、前側架設フレーム118の上方において一対の支持フレーム114間に架設されており、第2中央部140と、第2中央部140の両端から後退方向に延びる一対の第2側方部142とを有する第2前側架設フレーム120、後側フレーム116、第2側方部142の後退方向の先端、および、後側フレーム116の上端がそれぞれ接続されており、第2前側架設フレーム120に対して後側フレーム116を相対的に回動させる連結部材122で構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部側にハンドルが取り付けられているとともに、下端部側に前側車輪が取り付けられており、長さを調整することのできる一対の支持フレーム、
一対の前記支持フレーム間に架設されており、進行方向の側に配設された中央部と、前記中央部の両端からそれぞれ後退方向に延びる一対の側方部とを有する前側架設フレーム、
前記前側架設フレームの上方において一対の前記支持フレーム間に架設されており、進行方向の側に配設された第2中央部と、前記第2中央部の両端からそれぞれ後退方向に延びる一対の第2側方部とを有する第2前側架設フレーム、
下端に後側車輪が取り付けられている後側フレーム、および
前記第2側方部の後退方向の先端、および、前記後側フレームの上端がそれぞれ接続されており、前記第2前側架設フレームに対して前記後側フレームを相対的に回動させる連結部材を備える
歩行車。
【請求項2】
一対の前記側方部は、後退方向かつ上方に延びる傾斜部をそれぞれ有しており、
一対の前記傾斜部の先端側は、それぞれ、前記第2前側架設フレームにおける一対の前記第2側方部に接続されている
請求項1に記載の歩行車。
【請求項3】
第1部材、および、前記第1部材に対して相対的に回動可能な第2部材を有するリンク部材をさらに備えており、
前記第1部材は、前記前側架設フレームの前記側方部に対して回動可能に接続されており、
前記第2部材は、前記後側フレームに対して回動可能に接続されている
請求項1に記載の歩行車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自力での歩行が困難な高齢者等の体重の一部を受けることによって当該高齢者等の歩行を可能にする歩行車に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、自力での歩行が困難な高齢者等の体重の一部を受けることによって当該高齢者等の歩行を可能にすることを主な目的とする多種多様な歩行車が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された歩行車はユーザがハンドルを把持して使用するようになっており、ハンドルを介してユーザの体重の一部が歩行車に受け止められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
歩行車には、特許文献1に示すようなユーザがハンドルを把持して使用するタイプの他に、ユーザが両肘を置くアームレストを備えており、より多くの荷重をかけて使用するタイプの歩行車も存在する。
【0006】
このため、より高剛性のフレーム構造を有する歩行車の開発が待たれていた。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的高い剛性のフレーム構造を有する歩行車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面によれば、
上端部側にハンドルが取り付けられているとともに、下端部側に前側車輪が取り付けられており、長さを調整することのできる一対の支持フレーム、
一対の前記支持フレーム間に架設されており、進行方向の側に配設された中央部と、前記中央部の両端からそれぞれ後退方向に延びる一対の側方部とを有する前側架設フレーム、
前記前側架設フレームの上方において一対の前記支持フレーム間に架設されており、進行方向の側に配設された第2中央部と、前記第2中央部の両端からそれぞれ後退方向に延びる一対の第2側方部とを有する第2前側架設フレーム、
下端に後側車輪が取り付けられている後側フレーム、および
前記第2側方部の後退方向の先端、および、前記後側フレームの上端がそれぞれ接続されており、前記第2前側架設フレームに対して前記後側フレームを相対的に回動させる連結部材を備える
歩行車が提供される。
【0009】
好適には、
一対の前記側方部は、後退方向かつ上方に延びる傾斜部をそれぞれ有しており、
一対の前記傾斜部の先端側は、それぞれ、前記第2前側架設フレームにおける一対の前記第2側方部に接続されている。
【0010】
好適には、
第1部材、および、前記第1部材に対して相対的に回動可能な第2部材を有するリンク部材をさらに備えており、
前記第1部材は、前記前側架設フレームの前記側方部に対して回動可能に接続されており、
前記第2部材は、前記後側フレームに対して回動可能に接続されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハンドルが取り付けられておりユーザの体重の一部を受け止める一対の支持フレーム間に、中央部と当該中央部の両端からそれぞれ後退方向に延びる一対の側方部とを有する略「コ」字状の前側架設フレームを架設しているので、受け止めた荷重を直接的に前側車輪に付加することができかつ比較的剛性の高い歩行車を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明が適用された歩行車100の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明が適用された歩行車100の一例を示す斜視図である。
【
図3】本発明が適用された歩行車100の一例を示す正面図である。
【
図4】本発明が適用された歩行車100の一例を示す背面図である。
【
図5】本発明が適用された歩行車100の一例を示す右側面図である。
【
図6】本発明が適用された歩行車100の一例を示す平面図である。
【
図7】本発明が適用された歩行車100の一例を示す底面図である。
【
図8】本発明が適用された歩行車100の一例で、ハンドルバー182、アームレスト184、および、座面フレーム160を跳ね上げた状態を示す斜視図である。
【
図9】座面フレーム160を跳ね上げた状態における、座面フレーム160と座面ストッパー162との関係を示す図である。
【
図10】座面フレーム160を下げた状態における、座面フレーム160と座面ストッパー162との関係を示す図である。
【
図11】ハンドルバー182およびアームレスト184を進行方向に少し回動させた状態を示す右側面図である。
【
図12】ハンドルバー182およびアームレスト184を「倒立位置」まで回動させた状態を示す右側面図である。
【
図13】ロック部材210の係止部220とブレーキ機構190の係止溝224とが係止状態にある場合における、アームレストロック機構186を示す図である。
【
図14】ロック部材210の係止部220とブレーキ機構190の係止溝224とが非係止状態にある場合における、アームレストロック機構186を示す図である。
【
図15】ハンドルバー182に配置されたロック状態表示機構214を示す図である。
【
図16】ロック部材210の係止部220とブレーキ機構190の係止溝224とが係止状態にある場合における、ロック状態表示機構214を示す側面図である。
【
図17】ロック部材210の係止部220とブレーキ機構190の係止溝224とが係止状態にある場合における、ロック状態表示機構214を示す平面図である。
【
図18】ロック部材210の係止部220とブレーキ機構190の係止溝224とが非係止状態にある場合における、ロック状態表示機構214を示す側面図である。
【
図19】ロック部材210の係止部220とブレーキ機構190の係止溝224とが非係止状態にある場合における、ロック状態表示機構214を示す平面図である。
【
図20】折り畳んだ状態における歩行車100を示す斜視図である。
【
図21】ハンドルバー182およびアームレスト184を進行方向に回動させたときに、アームレスト184がブレーキバー188に当接した状態を示す斜視図である。
【
図22】ハンドルバー182およびアームレスト184を進行方向に回動させたときに、アームレスト184がブレーキバー188を押してブレーキ機構190が「第2の制動動作」を行った状態を示す斜視図である。
【
図23】変形例5に係る抑速車輪300の一例についての正面図である。
【
図24】変形例5に係る抑速車輪300の一例についての斜視図である。
【
図25】変形例5に係る抑速車輪300の一例についての分解斜視図である。
【
図26】変形例5に係る抑速車輪300の一例についての分解斜視図である。
【
図27】変形例5に係る抑速車輪300の一例についての、ホイールキャップ308を外した状態における正面図である。
【
図28】変形例5に係る抑速ユニット310の一例についての分解斜視図である。
【
図29】変形例5に係る抑速ユニット310の一例についての分解斜視図である。
【
図30】抑速度合いが「高」状態の抑速機構380の一例についての正面図である。
【
図31】抑速度合いが「中」状態の抑速機構380の一例についての正面図である。
【
図32】抑速度合いが「低」状態の抑速機構380の一例についての正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(歩行車100の構成について)
本発明が適用された歩行車100のひとつの実施形態について
図1から
図8を用いて説明する。
【0014】
歩行車100は、大略、折り畳みフレーム部102と、腰掛け部104と、ハンドル・アームレスト部106とで構成されている。
【0015】
折り畳みフレーム部102は、一対の前側車輪110と、一対の後側車輪112と、支持フレーム114と、後側フレーム116と、前側架設フレーム118と、第2前側架設フレーム120と、連結部材122と、一対のリンク部材124と、横フレーム126と、後側架設フレーム128と、第2架設フレーム129と、折り畳み操作部材131とを備えている。
【0016】
前側車輪110は、歩行車100の進行方向(ユーザが歩行車100を使用して歩いていく方向。以下、同じ。)端部に取り付けられた車輪であり、鉛直に延びる車輪中心軸を中心として360°回転自在になっている。前側車輪110に使用される車輪の種類は特に限定されない。なお、本実施形態では、左右一対の前側車輪110が使用されている。
【0017】
後側車輪112は、歩行車100の後退方向(ユーザが歩行車100を使用して歩いていく方向とは反対の方向。以下、同じ。)端部に取り付けられた車輪であり、鉛直に延びる車輪中心軸を中心として回転しないようになっている。後側車輪112に使用される車輪の種類は特に限定されない。なお、本実施形態では、左右一対の後側車輪112が使用されている。
【0018】
支持フレーム114は、略直線状の棒状部材であり、本実施形態に係る歩行車100には左右一対の支持フレーム114が使用されている。各支持フレーム114は、その下端に前側車輪110が回転可能に取り付けられている。もちろん、前側車輪110の取り付け位置は、各支持フレーム114の下端部側に直接的または間接的であればどのような態様であってもよい。
【0019】
また、支持フレーム114は、外筒130と、内筒132とで構成されている。外筒130の下端に上述のように前側車輪110が取り付けられている。また、内筒132は、その上端にハンドル・アームレスト部106が取り付けられているとともに、外筒130内を摺動可能に収容されており、外筒130の略上端部に取り付けられた高さ調整ボルト134を用いて、外筒130から内筒132が出ている長さを変えることができる。これにより、ハンドル・アームレスト部106の高さを調整できるようになっている。
【0020】
後側フレーム116は、略直線状の棒状部材であり、本実施形態に係る歩行車100には左右一対の後側フレーム116が使用されている。各後側フレーム116は、その下端に後側車輪112が回転可能に取り付けられている。また、各後側フレーム116の上端は、それぞれ連結部材122に接続されている。
【0021】
前側架設フレーム118は、平面視で略「コ」字状、かつ、側面視で略「L」字状の部材であり、進行方向の側に配設された略水平に延びる中央部136と、当該中央部136の両端からそれぞれ後退方向に延びる一対の側方部138とで一体的に構成されている。
【0022】
各側方部138について詳述すると、側方部138における中央部136に接続する部分は後退方向に向けて略水平に延びる水平部になっており、当該水平部に続いて後退方向かつ上方に延びる傾斜部となっている。この傾斜部の先端が第2前側架設フレーム120における各第2側方部142の下面に接続されている。また、側方部138における水平部の外面に、各支持フレーム114の下端部がそれぞれ接続固定されている。
【0023】
第2前側架設フレーム120は、前側架設フレーム118の上方に配置された平面視で略「コ」字状に形成された部材であり、進行方向の側に配設された略水平に延びる第2中央部140と、当該第2中央部140の両端からそれぞれ後退方向に延びる一対の第2側方部142とで一体的に構成されている。
【0024】
第2前側架設フレーム120における各第2側方部142の後退方向の先端は、連結部材122に接続されている。また、各第2側方部142の進行方向の先端部の外面に、各支持フレーム114の略中央部がそれぞれ接続固定されている。
【0025】
また、第2前側架設フレーム120に対して後側フレーム116が相対的に回動可能になっている。
【0026】
連結部材122は、第1取付部144と第2取付部146とを有しており、第1取付部144に対して第2取付部146を相対的に回動可能にする部材である。本実施形態では、第1取付部144に後側フレーム116の上端が接続されており、第2取付部146に第2前側架設フレーム120における第2側方部142の後退方向の先端が接続されている。これにより、第2前側架設フレーム120に対して後側フレーム116が相対的に回動可能になっている。
【0027】
ここまでで説明してきたように、一対の支持フレーム114と一対の後側フレーム116との間に前側架設フレーム118および第2前側架設フレーム120が架設されており、前側架設フレーム118における側方部138の後退方向の先端が第2前側架設フレーム120に接続され、かつ、後側フレーム116と第2前側架設フレーム120とが連結部材122によって連結されることにより、ユーザの体重を支える歩行車100の折り畳みフレーム部102の主な骨格が形成されている。
【0028】
リンク部材124は、帯状の第1部材148と、同じく帯状の第2部材150とで構成されており、第1部材148に対して第2部材150が相対的に回動可能となっている部材である。本実施形態では、一対のリンク部材124における各第1部材148が前側架設フレーム118における側方部138に対して回動可能に接続されており、各第2部材150が後側フレーム116の中央部に対して回動可能に接続されている。
【0029】
横フレーム126は、棒状の部材であり、一端が一方のリンク部材124における第1部材148の内側に接続されており、他端が他方のリンク部材124における第1部材148の内側に接続されている。
【0030】
後側架設フレーム128は、丸パイプ材を略「コ」字状に曲げた外観を有する部材であり、本実施形態では大小2つの後側架設フレーム128が使用されている。
【0031】
一方(大きい方)の後側架設フレーム128は、その両端がそれぞれ後側フレーム116の略中央部やや下方に接続されている。また、他方(小さい方)の後側架設フレーム128は、その両端がそれぞれ後側フレーム116の略中央部やや上方に接続されている。
【0032】
このように後側架設フレーム128が一対の後側フレーム116間に架設されていることにより、一対の後側フレーム116の間隔が不所望に広がったり狭まったりするのを防止することができる。
【0033】
第2架設フレーム129は、棒状の部材であり、一端が第2前側架設フレーム120における一方の第2側方部142の先端部内面に接続されており、他端が他方の第2側方部142における先端部内面に接続されている。
【0034】
折り畳み操作部材131は、略帯状の部材であり、フレーム摺動長孔133を有している。このフレーム摺動長孔133には、横フレーム126と第2架設フレーム129が嵌められている。
【0035】
腰掛け部104は、休憩時等にユーザが腰掛ける部分であり、大略、座面フレーム160と、一対の座面ストッパー162と、図示しない座面部材とを備えている。
【0036】
座面フレーム160は、丸パイプ材を略「コ」字状に曲げた外観を有する部材であり、両端部がそれぞれ第2前側架設フレーム120における第2側方部142の第2中央部140寄り(進行方向寄り)の位置で回動可能に取り付けられている。
【0037】
座面フレーム160を第2前側架設フレーム120に対して下方に回動させたとき、当該座面フレーム160の後退方向端部が第2架設フレーム129の上に当接して止まるようになっている。
【0038】
座面ストッパー162は、座面フレーム160を第2前側架設フレーム120に対して上方に回動させて第2架設フレーム129から離間した状態で保持するための部材である。この座面ストッパー162は、
図9および
図10に示すように、角棒状の本体166と、当該本体166に形成されており、第2前側架設フレーム120における第2側方部142の略中央部から内向きに突設されたガイドピン168が摺動する摺動長孔170とを有している。
【0039】
座面ストッパー162は、その一端が座面フレーム160に対して回動自在に取り付けられており、ガイドピン168が座面ストッパー162の摺動長孔170に嵌め込まれている。
【0040】
座面ストッパー162における摺動長孔170の他端側(座面フレーム160から遠い方の端側)には、当該摺動長孔170の幅を狭くするように互いに内向きに突出する一対の突出部172が形成されている。この突出部172の存在により、摺動長孔170の他端側の幅が、一端側の幅に比べて狭くなっている。これにより、座面フレーム160を持ち上げていったとき、摺動長孔170を摺動してきたガイドピン168が突出部172で引っかかり、座面フレーム160を持ち上げた状態を保持できるようになっている。
【0041】
座面部材(図示せず)は、座面フレーム160の上面側に取り付ける比較的軟質の部材であり、ユーザは当該座面部材とともに座面フレーム160を下方に回動させたうえで、座面部材の上に座る。
【0042】
図1から
図8に戻り、ハンドル・アームレスト部106は、大略、ブレーキユニット180と、ハンドルバー(ハンドル)182と、アームレスト184と、アームレストロック機構186とを備えている。
【0043】
ブレーキユニット180は、ユーザが操作することにより、歩行車100の車輪(本実施形態では後側車輪112)に対して制動力を付加する役割を果たす。本実施形態のブレーキユニット180は、大略、ブレーキバー188と、ブレーキ機構190と、制動部材192とを備えている。
【0044】
ブレーキバー188は、丸棒材を平面視で略「U」字状、かつ、正面視で山状に曲げて形成されたような外観を有する部材であり、その両端部がそれぞれ支持フレーム114の上端部に取り付けられたブレーキ機構190に接続されている。
【0045】
また、ブレーキバー188は、ハンドルバー182の近傍下側に沿うように配置されている。
【0046】
ブレーキ機構190は、ユーザがブレーキバー188を操作することにより制動部材192を介して後側車輪112に制動力を付加する機構である。本実施形態のブレーキ機構190は、アームレスト184に肘を置いてハンドルバー182を握った状態のユーザが、ハンドルバー182と一緒にブレーキバー188を握ってハンドルバー182に近づく方向にブレーキバー188を近づけたときに制動力を付加し、ユーザがブレーキバー188から力を抜くと当該ブレーキバー188を中立状態(制動力を付加しない状態)に戻す「第1の制動動作」と、ユーザがブレーキバー188を下方向に回動させたときにも制動力を付加し、かつ、ユーザがブレーキバー188から手を離しても当該ブレーキバー188が下方向に回動した状態を保持する「第2の制動動作」とを実現するようになっている。なお、「第2の制動動作」を解除する場合、ユーザがブレーキバー188を上方に回動させることでブレーキバー188は中立状態に戻る。
【0047】
制動部材192は、後側車輪112の近傍であって、後側フレーム116の下端部において回動可能に取り付けられた部材であり、図示しないブレーキワイヤー等でブレーキ機構190に接続されている。ブレーキ機構190が制動力を付加する際には、当該ブレーキ機構190がブレーキワイヤー等を引くことによって制動部材192が回動し、当該制動部材192の一部が後側車輪112に接触することで当該後側車輪112に対して制動力を与えることができる。
【0048】
ハンドルバー182は、アームレスト184に肘を置いた状態のユーザが握って歩行車100全体の進行方向を制御する等の用途に使用される部材である。本実施形態に係るハンドルバー182は、ブレーキバー188よりも太径のパイプ材等を平面視で略「U」字状、かつ、正面視で山状に曲げて形成されたような外観を有する部材であり、山状の中央部194と、当該中央部194の両端から略水平に突出する一対の側方部196とで構成されている。
【0049】
また、ハンドルバー182における各側方部196の略中央部から下方に回動ブラケット198が突設されている。
【0050】
上述したブレーキ機構190には、ハンドルバー182から突設された回動ブラケット198が嵌め込まれるブラケット嵌合溝200が設けられており、回動ブラケット198は、当該ブラケット嵌合溝200に嵌合した状態でブレーキ機構190に対して回動可能に取り付けられている。これにより、ハンドルバー182は、
図5に示すように、中央部194がブレーキバー188の近傍上側に沿っており、かつ、側方部196が略水平となる「通常位置」から、
図11および
図12に示すように、ハンドルバー182を進行方向に倒して側方部196が略垂直となる「倒立位置」まで回動するようになっている。なお、本実施形態に係るブレーキ機構190の天面には、上記「通常位置」においてハンドルバー182の側方部196を下方から支えるハンドルバー支持面202が形成されている。
【0051】
また、ハンドルバー182の中央部194には、ユーザが握りやすいように軟質材料で形成したカバー204が取り付けられている。
【0052】
アームレスト184は、ハンドルバー182における一方の側方部196から他方の側方部196の間に架け渡された平面視略矩形状の部材である。このアームレスト184には、歩行車100を使用するユーザの肘が載置されるようになっており、当該アームレスト184を介して歩行車100がユーザの体重の一部を受けるようになっている。
【0053】
アームレスト184は、上述のようにユーザの体重の一部を受けるとともに、ユーザが直接触れる部材であることから、全体として高い剛性を備えつつ、表面は柔らかいことが求められる。これらを両立できるものであれば、1種類の材料でアームレスト184を構成してもよいし、複数の材料(例えば、金属製の芯材をウレタンの被覆材で覆う)でアームレスト184を構成してもよい。
【0054】
アームレストロック機構186は、アームレスト184およびハンドルバー182が「通常位置」から不所望に「倒立位置」へ回動しないようにロックするための機構である。もちろん、必要に応じて、ユーザの操作によって当該ロックを解除できるようになっている。
【0055】
本実施形態に係るアームレストロック機構186は、
図8に示すように、一対のロック部材210と、ロック解除バー212と、ロック解除バーカバー(図示せず)と、ロック状態表示機構214とを備えている。
【0056】
ロック部材210は、
図13および
図14に示すように、ハンドルバー182(およびアームレスト184)が「通常位置」から不所望に「倒立位置」へ回動しないようにロックするための部材であり、本実施形態では、回動中心部218と、ハンドルバー固定部219と、係止部220と、ロック解除バー取付部222とを有している。
【0057】
回動中心部218は、ロック部材210の一方端部に形成された、ボルトやピン等の回動軸によってハンドルバー182の側方部196に回動自在に軸支される部分である。
【0058】
ハンドルバー固定部219は、ハンドルバー182が「通常位置」にあってロック部材210がロックされた状態のときに、ハンドルバー182が「倒立位置」へ回動する方向の力を加えても当該ハンドルバー182が回動しないように固定する役割を有する部分である。本実施形態に係るハンドルバー固定部219は、ボルトやピン等の回動軸によって上記回動中心部218とともに軸支されており、ハンドルバー182の上面の一部を覆うようになっている。
【0059】
係止部220は、ロック部材210の略中央部に形成された、ブレーキ機構190に対してロック部材210を係止する部分である。本実施形態では、ブレーキ機構190の表面に係止溝224が予め形成されており、ハンドルバー182が「通常位置」にあるとき、当該係止溝224に対して係止部220が係合するようになっている。
【0060】
ロック解除バー取付部222は、ロック部材210の他方端部に形成された、ロック解除バー212の端が取り付けられる部分である。
【0061】
図8に戻り、ロック解除バー212は、一対のロック部材210における各ロック解除バー取付部222間に架け渡された直線棒状の部材である。一対のロック部材210における各ロック解除バー取付部222がハンドルバー182の側方部196間に架け渡されたアームレスト184よりも少し低い位置にあることから、ロック解除バー212はアームレスト184の下面に沿って左右方向に延びるように配置されている。これにより、アームレスト184よりも高い位置にあるユーザの視野にはロック解除バー212がアームレスト184に隠れて見えないようになっており、歩行車100に対してすっきりとした美感を覚えさせる。
【0062】
ロック解除バーカバー(図示せず)は、アームレスト184の下面に取り付けられた略矩形状の布状部材であり、アームレスト184の下面に沿って延びるロック解除バー212を目に触れにくくするように当該ロック解除バー212をカバーする役割を有している。ロック解除バーカバー213の存在により、例えば、ハンドルバー182を「倒立位置」に回動させた場合であってもロック解除バー212を目に触れにくくして、歩行車100の美感を損なわないようにできる。
【0063】
ロック状態表示機構214は、
図15から
図17に示すように、ハンドルバー182が「通常位置」にロックされているか否かを表示することにより、アームレスト184に隠れてロック解除バー212の状態が見えにくいにもかかわらず、ユーザーが不所望にハンドルバー182を回動させてしまうのを回避する役割を有している。
【0064】
このロック状態表示機構214は、大略、保持部材226と、ロックカバー228と、ロック状態表示部材230とを備えている。なお、ロック状態表示機構214は、少なくとも一方のロック部材210におけるハンドルバー固定部219に取り付けられる。
【0065】
保持部材226は、ロックカバー228をハンドルバー182の上面から上方に所定の間隔をあけて保持するための部材であり、本実施形態では、略三角形板状の保持部材226を2枚一組として、進行方向に向かって右側のロック部材210におけるハンドルバー固定部219の上面において、互いに所定の間隔で取り付けている。もちろん、保持部材226の形状および数は本実施形態のものに限定されず、略矩形板状の保持部材226を1枚だけ使用してもよい。
【0066】
ロックカバー228は、略短冊状の部材であり、その一端部が一対の保持部材226間でこれら保持部材226に対して回動可能に軸支されている。また、ロックカバー228は、長手方向に直交する方向に折れ曲がるように折り部232が形成されており、当該折り部232よりも他端側には切欠き窓234が形成されている。
【0067】
一対の保持部材226間にロックカバー228の一端部を回動可能に軸支することにより、ハンドルバー182の上面にロックカバー228の折り部232が位置して切欠き窓234が当該ハンドルバー182の上面に被さった状態になる。
【0068】
これにより、ロック部材210の係止部220がブレーキ機構190の係止溝224に係止された状態になっておりロック解除バー212が下方に下がりきった状態にあるとき(以下、「正常時」という)において、ロックカバー228の切欠き窓234は、ハンドルバー固定部219や保持部材226に近い位置にある。
【0069】
そして、ロック解除バー212を引き上げてロック部材210の係止部220とブレーキ機構190の係止溝224との係止が解除された状態になっておりロック解除バー212が下方に下がりきった状態からやや上方にあるとき(以下、「非正常時」という)、
図18および
図19に示すように、ハンドルバー固定部219や保持部材226は進行方向に傾くことから、ロックカバー228も進行方向に傾くことにより、当該ロックカバー228における折り部232から他端側もハンドルバー182の上面を進行方向にスライドする。これにより、ロックカバー228の切欠き窓234に対応するハンドルバー182の上面の位置も変化する(より進行方向側に移動する)。
【0070】
ロック状態表示部材230は、ハンドルバー182の上面であって保持部材226よりもやや進行方向に離れた位置に配置される部材である。このロック状態表示部材230は上述したロックカバー228の切欠き窓234と組み合わせて使用するようになっている。
【0071】
具体的には、例えば、ロック部材210の係止部220が「正常時」にあるときにおけるロック状態表示部材230の切欠き窓234の位置に対応する位置にロック状態表示部材230の一部(正常時表示部236)があり、「問題がない」ことを意味する青色等の表示が切欠き窓234から見えるようにすることが考えられる。
【0072】
逆に、例えば、ロック部材210の係止部220が「非正常時」にあるときにおけるロック状態表示部材230の切欠き窓234の位置に対応する位置にロック状態表示部材230の他部(非正常時表示部238)があり、「注意が必要」であることを意味する黄色や赤色等の表示が切欠き窓234から見えるようにすること、あるいは「何も表示しない」ことが考えられる。
【0073】
(歩行車100の特徴)
本実施形態に係る歩行車100によれば、高さ調整が可能な一対の支持フレーム114の下端部に前側車輪110がそれぞれ取り付けられており、これら一対の支持フレーム114間に前側架設フレーム118や第2前側架設フレーム120といった、平面視略「コ」字状のフレームを架け渡して、当該フレーム118,120の側方部138,142に支持フレーム114を取り付けている。これにより、最小限のシンプルな部材構成で必要十分な強度を備える歩行車100を提供することができる。
【0074】
加えて、本実施形態に係る歩行車100では、一対の支持フレーム114間に架け渡された平面視略「コ」字状の2種類のフレーム(つまり、前側架設フレーム118および第2前側架設フレーム120)を上下方向に離間して取り付けている。これにより、より高い強度の歩行車100を提供することができる。
【0075】
また、本実施形態に係る歩行車100では、一対の支持フレーム114間に架け渡された平面視略「コ」字状の2種類のフレーム(つまり、前側架設フレーム118および第2前側架設フレーム120)が支持フレーム114よりも後退方向側で連結されている。これにより、より高い強度の歩行車100を提供することができる。
【0076】
また、本実施形態に係る歩行車100では、ハンドルバー182における一対の側方部196の間にアームレスト184が架設されており、ブレーキ機構190や支持フレーム114に対してハンドルバー182とともにアームレスト184も進行方向に回動するようになっている。これにより、ユーザが腰掛け部104に座る際、ハンドルバー182とアームレスト184を1回の動作で移動させることができる。
【0077】
さらに、本実施形態に係る歩行車100では、ロック部材210を操作するロック解除バー212がアームレスト184の下面に沿って配置されている。これにより、ハンドルバー182のロックを解除してハンドルバー182とともにアームレスト184も進行方向に回動させようとしたとき、ユーザがアームレスト184の下方からロック解除バー212とともにアームレスト184を上方に押し上げることで、ロックの解除とアームレスト184およびハンドルバー182の回動とを一連の流れでスムーズに行うことができる。
【0078】
また、本実施形態に係る歩行車100によれば、折り畳みフレーム部102における折り畳み操作部材131を上方に引き上げることにより、
図20に示すように、一対のリンク部材124間に架設された横フレーム126が引き上げられて当該リンク部材124における両端間の距離が短くなり、第2前側架設フレーム120に対して後側フレーム116が連結部材122を中心として回動することにより、後側フレーム116および後側車輪112を支持フレーム114および前側車輪110に近づけて歩行車100をコンパクトに折り畳むことができる。
【0079】
また、本実施形態に係る歩行車100によれば、ロック状態表示機構214を備えていることにより、ロック部材210やロック解除バー212がユーザから見えにくい位置に配置されていてもハンドルバー182がロックされているか否かが一目で理解できるので、ロックが解除されているのにユーザが歩行車100を使用して不所望にハンドルバー182やアームレスト184が回動してしまうおそれを低減できる。
【0080】
さらに、本実施形態に係る歩行車100によれば、一端が座面フレーム160に対して回動自在に取り付けられており、第2前側架設フレーム120から内向きに突設されたガイドピン168が摺動長孔170に嵌め込まれている座面ストッパー162が設けられており、この摺動長孔170の幅を狭くするように互いに内向きに突出する一対の突出部172が形成されている。これにより、座面フレーム160を持ち上げていったとき、摺動長孔170を摺動してきたガイドピン168が突出部172で引っかかるので、座面フレーム160(および座面部材)を持ち上げた状態を保持することができる。
【0081】
(変形例1)
上述した実施形態に係る歩行車100において、
図21および
図22に示すように、ブレーキ機構190や支持フレーム114に対してハンドルバー182とともにアームレスト184も進行方向に回動させたとき、アームレスト184がブレーキバー188に干渉することによって当該ブレーキバー188を下方向に回動させ、ブレーキ機構190が「第2の制動動作」を行うようにアームレスト184やブレーキバー188の位置・形状を設定してもよい。
【0082】
これにより、ユーザがハンドルバー182やアームレスト184を進行方向に回動させて、同一回動方向に押し込むことによりブレーキ機構190が「第2の制動動作」状態になるので、ユーザが腰掛け部104に座ろうとしたときにブレーキ機構190を「第2の制動動作」状態に設定し忘れて誤って歩行車100が動いてしまい、ユーザが怪我をするようなリスクを回避することができる。
【0083】
(変形例2)
上述した実施形態に係る歩行車100では、折り畳み操作部材131のフレーム摺動長孔133に横フレーム126および第2架設フレーム129を嵌めるようになっていたが、少なくとも横フレーム126を嵌めるだけでよい。
【0084】
(変形例3)
上述した実施形態に係る歩行車100では、一対のロック部材210間に1本のロック解除バー212を架設するようになっていたが、これに変えて、より短い2本のロック解除バー212をそれぞれのロック部材210におけるロック解除バー取付部222に取り付けてもよい。また、ロック部材210は左右どちらか一方でもよい。
【0085】
(変形例4)
前側架設フレーム118は側面視「L」字状とされるが、その後端側が第2前側架設フレーム120の後端側に限定されずいずれかの位置に連結される形態であればよく、後側に凸形状(L字状)または前側に凸形状(逆L字状)であればよい。さらには、第2前側架設フレーム120の後端側に直接的もしくは間接的に連結される形態でなくてもよく、支持フレーム114に接続されていればよく、前側架設フレーム118または第2前側架設フレーム120のいずれかひとつを有する形態でもよい。
【0086】
(変形例5)
前側車輪110や後側車輪112には、以下に説明するように所定の回転速度に達すると自動的にブレーキがかかることによって当該車両等の移動速度を抑制することができる抑速車輪300を用いてもよい。
【0087】
(抑速車輪300の構成について)
本実施形態に係る抑速車輪300は、例えば人が手で押して移動させる車両等に取り付けられるものであり、
図23から
図27に示すように、大略、タイヤ302と、内ホイール304と、外ホイール306と、ホイールキャップ308と、抑速ユニット310とを備えている。
【0088】
タイヤ302は、抑速車輪300が取り付けられる車両等の特性に適した材質、径、接地面形状のものが選択される。
【0089】
内ホイール304は、例えば金属や樹脂等で形成された円形の部材であり、その中央部には抑速ユニット310が収容される抑速ユニット収容空間312を構成するための第1収容凹所314が形成されている。また、この第1収容凹所314の中心位置には、抑速ユニット310の一部(シャフト354)を貫通させるためのシャフト貫通孔316が形成されている。
【0090】
さらに、内ホイール304の内面からは、後述する第1遊星歯車356を回転可能に軸支するための複数のボス326が突設されている。
【0091】
外ホイール306は、内ホイール304と同様に、例えば金属や樹脂等で形成された円形の部材であり、内ホイール304と組み合わせたうえでタイヤ302に嵌め込まれる。この外ホイール306にも抑速ユニット310が収容される抑速ユニット収容空間312を構成するための第2収容凹所318が形成されている。また、この第2収容凹所318の中心位置には、抑速ユニット310の一部(シャフト354やセンターハブ370)を回動自在に嵌挿させるための嵌挿孔320が形成されている。さらに、嵌挿孔320の近傍には、抑速車輪300の外側から抑速ユニット310の調整ギア398にアクセスするためのアクセス窓322が形成されている。
【0092】
なお、内ホイール304と外ホイール306とを一体的に構成してもよい。
【0093】
ホイールキャップ308は、外ホイール306の外側中央部に嵌め込む略円板状の部材である。ホイールキャップ308を外ホイール306に嵌め込むことにより、嵌挿孔320およびアクセス窓322を覆い隠すことができるようになっている。なお、ホイールキャップ308は必須の構成要素ではない。
【0094】
抑速ユニット310は、内ホイール304と外ホイール306とを組み合わせることによって構成される抑速ユニット収容空間312に収容されるものである。抑速ユニット310については後に詳述する。
【0095】
タイヤ302を外ホイール306に嵌めた後、抑速ユニット310を抑速ユニット収容空間312に収容するようにして内ホイール304と外ホイール306とを組み合わせ、固定ボルト324でこれら内ホイール304および外ホイール306を固定する。然る後、外ホイール306の外側中央部にホイールキャップ308を嵌め込むことにより、抑速車輪300が完成する。
【0096】
次に、抑速ユニット310について、
図28および
図29を参照しつつ説明する。本実施形態に係る抑速ユニット310は、大略、ブレーキドラム350と、内歯車352と、シャフト354と、第1遊星歯車356と、ギアプレート358と、第2遊星歯車360と、ベース362と、ベースカバー364とを備えている。
【0097】
ブレーキドラム350は、抑速ユニット310を構成する部材のうち外ホイール306に最も近い位置に配設された筒状の部材であり、抑速ユニット310を構成する他の部材の大部分を収容する収容空間366を有している。また、ブレーキドラム350には、収容空間366と外側との間を連通しており、シャフト354の一方端部が挿入固定される連通孔368が形成されている。さらに、ブレーキドラム350から外向き(外ホイール306に向かう方向)には、連通孔368に対応するセンターハブ370が突設されている。
【0098】
また、上述のように、センターハブ370は、外ホイール306の中央位置に形成された嵌挿孔320に対して回転自在に嵌挿されている。
【0099】
内歯車352は、輪状に形成された本体の内周面に内周面歯車372が形成された部材であり、ブレーキドラム350の収容空間366内に収容されるとともに、ブレーキドラム350とともにシャフト354に対して固定されている。
【0100】
シャフト354は、円柱状あるいは円筒状の棒状部材であり、抑速ユニット310全体の中央部を貫通するように配置されており、その一方端部がブレーキドラム350のセンターハブ370に挿入固定されており、他方端部が内ホイール304のシャフト貫通孔316を貫通して外部に突出し、車両等に固定されるようになっている。
【0101】
このシャフト354は、上述のように、抑速車輪300が取り付けられる車両等に対して固定されている。また、ブレーキドラム350および内歯車352は、シャフト354に対して固定されている。逆に、内ホイール304、外ホイール306、ギアプレート358、ベース362、カム396、および、ベースカバー364は、シャフト354に対して回転自在になっている。
【0102】
第1遊星歯車356は、本実施形態では3つ使用されており、内ホイール304の内面から突設されたボス326にそれぞれ回動自在に軸支されている。また、各第1遊星歯車356は、内ホイール304のシャフト貫通孔316を中心として互いに等角度で配設されている。また、各第1遊星歯車356は、外周位置において内歯車352の内周面歯車372と噛み合っているとともに、内周位置においてギアプレート358の中心部に形成されたギアプレート歯車375と噛み合っている。なお、第1遊星歯車356の数は3つに限定されるものではない。
【0103】
ギアプレート358は、略円板状の部材であり、中心位置にシャフト354が回転自在に挿通される第1シャフト挿通孔374が形成されており、この第1シャフト挿通孔374を中心として、第1遊星歯車356側にギアプレート歯車375が突設されている。
【0104】
また、ギアプレート358における、ギアプレート歯車375が突設された側とは反対側の面には、第2遊星歯車360が当該ギアプレート358に対して回転可能に取り付けられる第2遊星歯車取付突部376が第1シャフト挿通孔374を中心として互いに等角度で形成されている。この第2遊星歯車取付突部376は、第2遊星歯車360の数と同じ数だけ形成される。
【0105】
第2遊星歯車360は、本実施形態では3つ使用されており、それぞれ、ギアプレート358に形成された第2遊星歯車取付突部376に対して回転可能に取り付けられている。また、各第2遊星歯車360は、ベース362から突設されたベース歯車384(後述)と噛み合っている。
【0106】
ベース362は、大略、ベース本体378と、抑速機構380とで構成されている。
【0107】
ベース本体378は、略円板状の部材であり、中心位置にシャフト354が回転自在に挿通される第2シャフト挿通孔382が形成されており、この第2シャフト挿通孔382を中心として、ギアプレート358側にベース歯車384が突設されている。
【0108】
抑速機構380は、ベース歯車384が突設された面とは反対側の面に構成されており、
図30に示すように、大略、ブレーキシュー390と、弾性部材392と、当り部材394と、カム396と、調整ギア398と、第2調整ギア400と、ガイド部401とを備えている。
【0109】
ブレーキシュー390は、ベース362に取り付けられており、抑速車輪300のシャフト354を中心としてベース本体378とともに回転し、ブレーキドラム350の内周面に接触することにより抑速車輪300の回転速度を低下させる役割を果たす部材であり、本実施形態の場合、第2シャフト挿通孔382を中心として点対称に配置された2つのブレーキシュー390が使用されている。
【0110】
各ブレーキシュー390は、当該ブレーキシュー390をベース本体378に対して回動可能に取り付けるブレーキシュー軸402が挿入されるブレーキシュー軸挿入孔404と、このブレーキシュー軸挿入孔404に近い側の端部に形成された、弾性部材392から外向きの押圧力を受ける弾性部材当接部406と、弾性部材当接部406とは反対側の端部外側に形成された、ブレーキシュー390が回動したときにブレーキドラム350の内周面に接触するドラム接触部408とを有している。
【0111】
また、ブレーキシュー390がカム396側に格納された状態で、当該ブレーキシュー390におけるドラム接触部408側の端部内側が調整ギア398に当接して、弾性部材392からの押圧力が付加されてもドラム接触部408側の端部内側がそれ以上カム396側に寄らないようになっている。
【0112】
弾性部材392は、ブレーキシュー390における弾性部材当接部406にその一端側が接続当接し、ブレーキドラム350の内周面へのブレーキシュー390の接触を調整するための部材であり、本実施形態ではコイルばねが使用されている。もちろん、弾性部材392の役割を果たすものであれば、コイルばねに限定されず、他の種類の弾性部材392を使用してもよい。
【0113】
当り部材394は、弾性部材392の他端側(ブレーキシュー390における弾性部材当接部406の反対側)に配設された部材である。本実施形態では、当り部材394として球状の部材が使用されており、弾性部材(コイルばね)392の他端側が当該当り部材394に対して少し被さるようになっている。
【0114】
カム396は、抑速車輪300のシャフト354を中心としてベース本体378とともに回転し、当り部材394に直接臨む位置にあって当該当り部材394を介して弾性部材392を押圧する力を変える役割を果たす部材である。
【0115】
本実施形態のカム396は、中心部にカム孔410を有する略円盤状の部材であり、ベース本体378の第2シャフト挿通孔382を中心としてベース歯車384とは反対側に突設された第2調整ギア400を当該カム孔410に嵌めることで、第2調整ギア400を中心としてベース本体378に対して回動可能に取り付けられている。
【0116】
また、カム396の外周縁には、調整ギア398と噛み合う被調整ギア412がカム孔410を中心として対称な位置に2箇所形成されているとともに、当り部材394に直接臨む位置に凹所414が形成されている。本実施形態では、それぞれ凹みの大きさが異なる3箇所一組の凹所414がカム孔410を中心として対称な位置に二組形成されている。
【0117】
さらに、カム396におけるカム孔410の中心方向に向けて突出する突起部416が形成されている。本実施形態では、一対の突起部416がカム孔410を中心として対称な位置にそれぞれ形成されている。
【0118】
調整ギア398は、外部入力を受けてカム396を回転させることにより当該カム396が当り部材394を介して弾性部材392を押圧する力を調整する役割を果たす部材であり、本実施形態では、一対の調整ギア398がカム孔410を中心として対称な位置においてそれぞれベース本体378に対して回動可能に取り付けられている。
【0119】
各調整ギア398は、カム396の被調整ギア412と噛み合うようになっており、少なくとも一方の調整ギア398を回動させることで、被調整ギア412を介してカム396をベース本体378に対して回動させることができるようになっている。
【0120】
第2調整ギア400は、上述した調整ギア398によって回動するカム396を所定の回動位置で段階的に固定するための部材であり、ベース本体378から突設されている。第2調整ギア400の周面には、カム396の突起部416に係合する複数の溝418が形成されている。具体的に言うと、本実施形態のカム396は3つの凹所414を有しており、各凹所414に当り部材394が嵌まるときのベース本体378に対するカム396の位置・角度に対応するように、突起部416に対する各溝418の位置が決められている。
【0121】
ガイド部401は、カム396によって位置が変えられる当り部材394、および、当該当り部材394の位置が変わったり自身の長さが伸縮したりする弾性部材392がブレーキシュー390の弾性部材当接部406に正しく向かうようにガイドするための部分であり、本実施形態では、一対のガイド部401がそれぞれの当り部材394および弾性部材392を挟むようにして所定の間隔をあけて配置されている。なお、本実施形態では、一対のガイド部401の間隔は一定になっているが、これに変えて、カム396の近傍側端部における一対のガイド部401の間隔を狭めて当り部材394がカム396側でガイド部401から脱落しないようにしてもよい。
【0122】
図28および
図29に戻り、ベースカバー364は、ベース本体378に取り付けられた抑速機構380をカバーするようにしてベース362に取り付けられる略円板状の部材である。ベースカバー364には、その中心位置にシャフト354が回転自在に挿通される第3シャフト挿通孔420が形成されており、また、一対の調整ギア398に対応する位置に一対の調整ギア用孔422が形成されている。
【0123】
このベースカバー364をベース362に取り付けることにより、外部から抑速機構380に異物が入ったり、抑速機構380を構成する各部材が外れたりするのを防止できる。
【0124】
(抑速車輪300の動作について)
本実施形態に係る抑速車輪300の動作について説明する。抑速車輪300のシャフト354の他方端部を車両等に固定した状態でタイヤ302を回転させる。すると、当該タイヤ302に嵌め込まれた内ホイール304を介して抑速ユニット310における3つの第1遊星歯車356がシャフト354を中心として回転する。
【0125】
第1遊星歯車356が回転すると、当該内歯車352の内周面に形成された内周面歯車372と噛み合うとともに、その回転力が当該第1遊星歯車356と噛み合う、ギアプレート358のギアプレート歯車375に伝達される。ここで、タイヤ302や内ホイール304の回転速度に比べて、第1遊星歯車356を介して回転力が伝達されたギアプレート358の回転速度は速くなっている。
【0126】
続いて、ギアプレート358とともに第1シャフト挿通孔374を中心として回転する第2遊星歯車360を介してベース本体378のベース歯車384に回転力が伝達され、ベース362が回転する。ベース362の回転速度は、ギアプレート358の回転速度よりもさらに速くなっている。
【0127】
ベース362の回転速度が速くなると、遠心力により、弾性部材当接部406に対する弾性部材392からの押圧力に抗してブレーキシュー390がブレーキシュー軸挿入孔404を中心として回動し、ブレーキシュー390のドラム接触部408が外側に移動する。
【0128】
そして、外側に移動したドラム接触部408がシャフト354とともに回転していないブレーキドラム350の内周面に接するとベース362の回転速度にブレーキがかかる。この結果、上述した回転力の伝達ルートを遡って各部材の回転速度が低下し、最終的にタイヤ302の回転速度が抑制される。
【0129】
タイヤ302の回転速度が抑制されていくに連れてブレーキシュー390に作用する遠心力が低下していくので、当該ブレーキシュー390のドラム接触部408がブレーキドラム350の内周面を押圧する力も小さくなり抑速の度合いも小さくなっていく。
【0130】
タイヤ302の回転速度が所定の度合いまで低下すると、弾性部材392からの押圧力によってブレーキシュー390のドラム接触部408がブレーキドラム350の内周面から離間し、抑速作用は解除される。
【0131】
以後、タイヤ302の回転速度が再び高まると、上述したメカニズムによって当該タイヤ302への抑速作用が発揮される。
【0132】
加えて、本実施形態に係る抑速車輪300では、上述のように、それぞれ凹みの大きさが異なる3箇所一組の凹所414がカム孔410を中心として対称な位置に二組形成されており、例えば
図30に示す状態では、球状の当り部材394が最も凹みが大きい凹所414aに嵌入している。つまり、この状態で、当り部材394は弾性部材当接部406から最も遠い位置にあることから、弾性部材392は最も圧縮が小さい状態となっている。
【0133】
当り部材394が最も凹みが大きい凹所414aに嵌入した状態では、弾性部材392がブレーキシュー390の弾性部材当接部406を押圧する力が最も小さくなる。これにより、ブレーキシュー390は比較的小さい遠心力で弾性部材392からの押圧力に抗して回動することになり、タイヤ302の回転速度が比較的低い状態からブレーキシュー390のドラム接触部408がブレーキドラム350の内周面に当接して制動力を発揮する。
【0134】
図30に示す状態から、外部からアクセス窓322を介して調整ギア398を回動させることにより、被調整ギア412を介してカム396を回動させて当り部材394が中央の(2番目に凹みが大きい)凹所414bに嵌入した状態を
図31に示す。また、この状態で、カム396に形成された突起部416が係合する第2調整ギア400に形成された溝418も移動している。
【0135】
図31に示す状態では、当り部材394が凹所414aにくらべて凹みが小さい凹所414bに嵌入しており、当該当り部材394が弾性部材当接部406に近づいた位置にあることから、弾性部材392の圧縮状態は少し大きくなっている。
【0136】
これにより、弾性部材392がブレーキシュー390の弾性部材当接部406を押圧する力が少し大きくなるので、ブレーキシュー390が弾性部材392からの押圧力に抗して回動する遠心力が少し大きくなり、タイヤ302の回転速度がやや高い状態からブレーキシュー390のドラム接触部408がブレーキドラム350の内周面に当接して制動力を発揮するようになる。
【0137】
調整ギア398をさらに回動させて当り部材394が最も凹みが小さい凹所414cに嵌入した状態を
図32に示す。また、この状態で、カム396に形成された突起部416が係合する溝418もさらに移動している。
【0138】
図32に示す状態では、当り部材394が最も凹みが小さい凹所414cに嵌入しており、当該当り部材394が弾性部材当接部406に最も近づいた位置にあることから、弾性部材392の圧縮状態は最大になっている。
【0139】
これにより、弾性部材392がブレーキシュー390の弾性部材当接部406を押圧する力が最大になるので、ブレーキシュー390が弾性部材392からの押圧力に抗して回動する遠心力が最も大きくなり、タイヤ302の回転速度が最も高い状態からブレーキシュー390のドラム接触部408がブレーキドラム350の内周面に当接して制動力を発揮するようになる。
【0140】
(抑速車輪300の特徴について)
本実施形態に係る抑速車輪300では、ブレーキドラム350の内周面へのブレーキシュー390(のドラム接触部408)の接触を調整する弾性部材392が当り部材394を介してカム396から押圧されるようになっており、当該当り部材394が球状であることから、当り部材394はカム396に対して点接触するようになっている。
【0141】
したがい、カム396と当り部材394との間に中間部材がある場合および「面」接触している場合とは異なり、カム396が当り部材394を介してスムーズにかつ速度調整の幅を確保できる形態で弾性部材392を押圧することができる。
【0142】
これにより、当該弾性部材392がブレーキシュー390に作用させる力をスムーズにして、どの程度の「車輪の回転速度」でブレーキシュー390をブレーキドラム350に接触させるかを幅広く調整できる抑速車輪を提供することができた。
【0143】
また、本実施形態に係る抑速車輪300では、調整ギア398によって回動するカム396を段階的に固定する第2調整ギア400をさらに備えているとともに、第2調整ギア400の周面には溝418が形成されており、カム396は第2調整ギア400の溝418に係合する突起部416を有している。
【0144】
これにより、調整ギア398を回してカム396が弾性部材392を押圧する力を調整する際、カム396に形成された各凹所414に対応する位置で突起部416が対応する第2調整ギア400の溝418に係合するので、ユーザがクリック感を感じつつ当り部材394を確実に各凹所414に嵌めることができる。
【0145】
(変形例5の1)
上述した実施形態に係る抑速車輪300では、抑速ユニット310において遊星歯車356,360が使用されていたが、これら遊星歯車356,360やギアプレート358を省いて内ホイール304に対してベース362を直接取り付けてもよい。この場合、ベース362の回転速度は、遊星歯車356,360を用いる場合に比べて低くなるので、より小さい遠心力でもブレーキシュー390が回動できる程度に弾性部材392の押圧力を低く設定する必要がある。
【0146】
(変形例5の2)
上述した実施形態に係る抑速車輪300では、当り部材394として球体が使用されていたが、当り部材394の形状はこれに限定されるものではなく、例えば略円弧状の断面を有する棒状(つまり「カマボコ」型)であってもよい。このような形状の場合、当り部材394はカム396に対して「線」接触するようになる。
【0147】
(変形例5の3)
上述した実施形態に係るカム396では、その周に凹所414が設けられているが、これに限定されるものではなく、例えばその周方向に沿って溝を設ける形態でもよく、凹所414の周方向に沿ってさらに溝を設ける形態とすることによりさらに位置規制を高めるものとしてもよい。
【0148】
ここまで説明した変形例5によれば、遠心力を利用した速度抑制機能を有する抑速車輪300であって、筒状のブレーキドラム350と、外部入力を受けて抑速車輪300のシャフト354を中心に回転するベース362と、ベース362に取り付けられており、抑速車輪300のシャフト354を中心として回転し、ブレーキドラム350の内周面に接触することにより抑速車輪300の回転速度を低下させるブレーキシュー390と、ブレーキシュー390に一端側が接続し、ブレーキドラム350の内周面へのブレーキシュー390の接触を調整する弾性部材392と、弾性部材392の他端側に位置する当り部材394と、抑速車輪300のシャフト354を中心に回転し、当り部材394に直接臨む位置にあって当り部材394を介して弾性部材392を押圧する力を変えるカム396と、外部入力を受けてカム396を回転させることにより弾性部材392を押圧する力を調整する調整ギア398とを備えており、当り部材394は、カム396に対して線接触または点接触する形状である抑速車輪300が提供される。
【0149】
好適には、カム396における当り部材394に直接臨む位置には、凹所414が形成されている。
【0150】
好適には、抑速車輪300は、調整ギア398によって回動するカム396を段階的に固定する第2調整ギア400をさらに備えており、第2調整ギア400の周面には溝418が形成されており、カム396は、第2調整ギア400の溝418に係合する突起部416を有している。
【0151】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0152】
100…歩行車、102…折り畳みフレーム部、104…腰掛け部、106…ハンドル・アームレスト部
110…前側車輪、112…後側車輪、114…支持フレーム、116…後側フレーム、118…前側架設フレーム、120…第2前側架設フレーム、122…連結部材、124…リンク部材、126…横フレーム、128…後側架設フレーム、129…第2架設フレーム、130…(支持フレーム114の)外筒、131…折り畳み操作部材、132…(支持フレーム114の)内筒、133…(折り畳み操作部材131の)フレーム摺動長孔、134…高さ調整ボルト、136…(前側架設フレーム118の)中央部、138…(前側架設フレーム118の)側方部、140…(第2前側架設フレーム120の)第2中央部、142…(第2前側架設フレーム120の)第2側方部、144…(連結部材122の)第1取付部、146…(連結部材122の)第2取付部、148…(リンク部材124の)第1部材、150…(リンク部材124の)第2部材
160…座面フレーム、162…座面ストッパー、166…(座面ストッパー162の)本体、168…ガイドピン、170…(座面ストッパー168の)摺動長孔、172…突出部
180…ブレーキユニット、182…ハンドルバー、184…アームレスト、186…アームレストロック機構、188…ブレーキバー、190…ブレーキ機構、192…制動部材、194…(ハンドルバー182の)中央部、196…(ハンドルバー182の)側方部、198…回動ブラケット、200…ブラケット嵌合溝、202…ハンドルバー支持面、204…カバー
210…ロック部材、212…ロック解除バー、213…ロック解除バーカバー、214…ロック状態表示機構、218…(ロック部材210の)回動中心部、219…(ロック部材210の)ハンドルバー固定部、220…(ロック部材210の)係止部、222…(ロック部材210の)ロック解除バー取付部、224…係止溝、226…保持部材、228…ロックカバー、230…ロック状態表示部材、232…折り部、234…切欠き窓、236…正常時表示部、238…非正常時表示部
300…抑速車輪、302…タイヤ、304…内ホイール、306…外ホイール、308…ホイールキャップ、310…抑速ユニット、312…抑速ユニット収容空間、314…第1収容凹所、316…シャフト貫通孔、318…第2収容凹所、320…嵌挿孔、322…アクセス窓、324…固定ボルト、326…ボス
350…ブレーキドラム、352…内歯車、354…シャフト、356…第1遊星歯車、358…ギアプレート、360…第2遊星歯車、362…ベース、364…ベースカバー、366…収容空間、368…連通孔、370…センターハブ、372…内周面歯車、374…第1シャフト挿通孔、375…ギアプレート歯車、376…第2遊星歯車取付突部、378…ベース本体、380…抑速機構、382…第2シャフト挿通孔、384…ベース歯車、390…ブレーキシュー、392…弾性部材、394…当り部材、396…カム、398…調整ギア、400…第2調整ギア、401…ガイド部、402…ブレーキシュー軸、404…ブレーキシュー軸挿入孔、406…弾性部材当接部、408…ドラム接触部、410…カム孔、412…被調整ギア、414…凹所、416…突起部、418…溝、420…第3シャフト挿通孔、422…調整ギア用孔