(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175047
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ステープル方向づけ突出部及び組織安定性機能部を有する外科用ステープラアンビル
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024159907
(22)【出願日】2024-09-17
(62)【分割の表示】P 2023139788の分割
【原出願日】2019-08-13
(31)【優先権主張番号】16/105,150
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ヘス・クリストファー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・ザ・サード・チェスター・オー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外科用ステープラ用のアンビルを提供する。
【解決手段】アンビル8100は、可撓性を有するステープル列を設置するように構成されたステープル成形ポケット8060a、8060b、8060cの列を有するステープル成形下面8130を含む。複数のアンビル突出部は、各アンビル突出部が少なくとも2つのステープル成形ポケットに隣接し、ステープル発射プロセス中にステープルをステープル成形ポケットの中へと方向づけて、ステープル留めされている組織と係合する。
【選択図】
図59
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラ用のアンビルであって、
複数のステープル成形ポケットを備えるアンビル本体であって、前記複数のステープル成形ポケットが前記アンビル本体の長さに沿って繰り返されるステープル成形ポケットのパターンで配置され、それぞれの前記ステープル成形ポケットが、平面状非成形面によって少なくとも部分的に包囲されたポケット開口部を含む、アンビル本体と、
前記ステープル成形ポケットの少なくとも一部の間で、前記平面状非成形面内に形成された複数の組織安定化キャビティであって、前記組織安定化キャビティのうちの少なくとも一部が、前記平面状非成形面内に形成された閉鎖底部キャビティを備える、複数の組織安定化キャビティと、
を備えており、
前記組織安定化キャビティのそれぞれは、平面的な底部と、そこから延出する垂直側壁と、を有する、アンビル。
【請求項2】
前記複数のステープル成形ポケットが、
第1のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第1の列と、
前記第1のステープル成形ポケットの前記第1の列に隣接する、第2のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第2の列と、
前記第2のステープル成形ポケットの前記第2の列に隣接する、第3のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第3の列と、
を備える、請求項1に記載のアンビル。
【請求項3】
前記第1の列内の前記第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、第1のポケット軸線に沿って位置し、
前記第2の列内の前記第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、第2のポケット軸線に沿って位置し、
前記第3の列内の前記第3のステープル成形ポケットのそれぞれが、第3のポケット軸線に沿って位置し、
前記第2のポケット軸線が、前記第1のポケット軸線及び前記第3のポケット軸線を横断している、
請求項2に記載のアンビル。
【請求項4】
それぞれの前記閉鎖底部キャビティが、前記第1のポケット軸線、前記第2のポケット軸線、及び前記第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つを横断しているキャビティ軸線に沿って位置する、請求項3に記載のアンビル。
【請求項5】
前記アンビル本体が長手方向軸線を画定し、
前記組織安定化キャビティのそれぞれが、前記長手方向軸線を横断している対応するキャビティ軸線に沿って位置する、
請求項3に記載のアンビル。
【請求項6】
前記複数の組織安定化キャビティの少なくとも一部が、長さ及び幅を有し、前記長さが前記幅よりも大きい、請求項1に記載のアンビル。
【請求項7】
前記閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、前記第1のポケット軸線、前記第2のポケット軸線、及び前記第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つと平行である対応するキャビティ軸線に沿って位置する、請求項3に記載のアンビル。
【請求項8】
前記閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、前記第1のポケット軸線及び前記第3のポケット軸線と平行な、対応するキャビティ軸線に沿って位置する、請求項7に記載のアンビル。
【請求項9】
前記閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、前記第1のポケット軸線、前記第2のポケット軸線、及び前記第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つと平行であり、前記第1のポケット軸線、前記第2のポケット軸線、及び前記第3のポケット軸線のうちの1つを横断している、対応するキャビティ軸線に沿って位置する、請求項3に記載のアンビル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、また、様々な状況において組織をステープル留めし、切断するために設計された、外科用ステープル留め器具及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
【
図1】電動外科用ステープル留めシステムの斜視図である。
【
図2】
図1の電動外科用ステープル留めシステムの交換式外科用シャフトアセンブリの斜視図である。
【
図3】
図1の電動外科用ステープル留めシステムのハンドルアセンブリの一部分の分解組立図である。
【
図4】
図2の交換式外科用シャフトアセンブリの分解組立図である。
【
図5】
図4の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分の別の分解組立図である。
【
図6】
図2の交換式外科用シャフトアセンブリのエンドエフェクタ部分をその顎部が開放位置にある状態で示す、部分斜視図である。
【
図7】
図6のエンドエフェクタ及び交換式シャフトアセンブリの一部分の別の斜視図である。
【
図10】
図7のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが完全開放位置にある状態で示す、側面図である。
【
図11】
図10の線11-11に沿って切り取った
図10のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
【
図12】
図11のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をアンビルと閉鎖部材とが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
【
図13】
図12の線13-13に沿って切り取った
図12のアンビル及び閉鎖部材の断面図である。
【
図14】
図13のエンドエフェクタ及び交換式外科用ツールアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが「過剰閉鎖」位置にある状態で示す、側面図である。
【
図15】
図14の線15-15に沿って切り取った
図14のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
【
図16】別のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をそのアンビルが開放位置にある状態で示す、斜視図である。
【
図17】
図16のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分を、アンビル及びその閉鎖部材が完全開放位置にある状態で示す側面図である。
【
図18】
図17の線18-18に沿って切り取った
図17のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
【
図19】
図17のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
【
図20】
図19の線20-20に沿って切り取った
図19のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
【
図21】
図19のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが過剰閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
【
図22】
図21の線22-22に沿って切り取った
図21のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
【
図23】遠位閉鎖部材の別の一実施形態の端面図である。
【
図24】別のエンドエフェクタ及び別の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが開放位置にある状態で示す、側面図である。
【
図25】
図24の線25-25に沿って切り取った
図24のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
【
図26】24のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリをその閉鎖部材とアンビルとが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
【
図27】
図26の線27-27に沿って切り取った
図26のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
【
図28】
図24のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリをその閉鎖部材とアンビルとが過剰閉鎖位置にある状態で示す側面図である。
【
図29】
図28の線29-29に沿って切り取った
図28のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の断面図である。
【
図30】閉鎖部材の別の一実施形態の、端面図である。
【
図31】別のエンドエフェクタ及び別の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
【
図32】
図31のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリをその閉鎖部材とアンビルとが「過剰閉鎖」位置にある状態で示す、別の側面図である。
【
図33】
図31のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の一部をアンビルが閉鎖位置にある状態で示す、拡大側面図である。
【
図34】
図32のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の一部をアンビルが過剰閉鎖位置にある状態で示す、別の拡大側面図である。
【
図35】別のエンドエフェクタ及び別の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分をその閉鎖部材とアンビルとが閉鎖位置にある状態で示す、側面図である。
【
図36】
図35のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の一部をアンビルが閉鎖位置にある状態で示す、拡大側面図である。
【
図37】
図35のエンドエフェクタ及び交換式外科用シャフトアセンブリをその閉鎖部材とアンビルとが過剰閉鎖位置にある状態で示す、別の側面図である。
【
図38】
図37のエンドエフェクタ及び閉鎖部材の一部をアンビルが過剰閉鎖位置にある状態で示す、別の拡大側面図である。
【
図39】外科用ステープルが可撓性を有する列を形成するように構成された、従来の外科用ステープルカートリッジの斜視図である。
【
図40】
図39の外科用ステープルカートリッジによって組織に形成される外科用ステープルの列を示す上面図である。
【
図41】従来の外科用ステープルの一実施形態の側面図である。
【
図42】従来の外科用ステープルの別の一実施形態の側面図である。
【
図43】アンビルの実施形態の、下方からの斜視図である。
【
図45】
図43のアンビルのステープル成形下面の一部分の拡大上面図である。
【
図46】
図43のアンビルの成形ポケットの一部分の断面図である。
【
図47】アンビルの別の一実施形態の、下方からの斜視図である。
【
図48】
図47のアンビルのステープル成形下面の一部分の拡大上面図である。
【
図49】
図47のアンビルの成形ポケットの一部分の断面図である。
【
図50】アンビルの別の一実施形態のステープル成形下面の一部分の上面図である。
【
図51】アンビルの別の一実施形態のステープル成形下面の一部分の上面図である。
【
図52】アンビルの別の一実施形態のステープル成形下面の一部分の上面図である。
【
図53】アンビルの別の一実施形態のステープル成形下面の一部分の上面図である。
【
図54】ステープル成形ポケットの実施形態の上面図である。
【
図55】ステープル成形ポケットの別の一実施形態の上面図である。
【
図56】ステープル成形ポケットの別の一実施形態の上面図である。
【
図57】ステープル成形ポケットの別の一実施形態の上面図である。
【
図58】アンビルの別の一実施形態のステープル成形下面の一部分の斜視図である。
【
図59】アンビルの別の一実施形態のステープル成形下面の一部分の斜視図である。
【
図60】アンビルの別の一実施形態のステープル成形下面の一部分の斜視図である。
【0003】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第__________号、発明の名称「METHOD FOR FABRICATING SURGICAL STAPLER ANVILS」(代理人整理番号第END8577USNP/180088M号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「REINFORCED DEFORMABLE ANVIL TIP FOR SURGICAL STAPLER ANVIL」(代理人整理番号第END8578USNP/180393号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「FABRICATING TECHNIQUES FOR SURGICAL STAPLER ANVILS」(代理人整理番号第END8580USNP/180090号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED CLOSURE MEMBERS」(代理人整理番号第END8581USNP/180091号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS WITH TISSUE STOP FEATURES CONFIGURED TO AVOID TISSUE PINCH」(代理人整理番号第END8582USNP/180092号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT」(代理人整理番号第END8583USNP/180093M号)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH PROGRESSIVE JAW CLOSURE ARRANGEMENTS」(代理人整理番号第END8584USNP/180094)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS TO CONVERT LINEAR DRIVE MOTIONS TO ROTARY DRIVE MOTIONS」(代理人整理番号第END8585USNP/180095)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLUTCHING AND LOCKING ARRANGEMENTS FOR LINKING AN ARTICULATION DRIVE SYSTEM TO A FIRING DRIVE SYSTEM」(代理人整理番号第END8586USNP/180096)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「ARTICULATABLE MOTOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH DEDICATED ARTICULATION MOTOR ARRANGEMENTS」(代理人整理番号第END8587USNP/180097)、
-米国特許出願第__________号、発明の名称「SWITCHING ARRANGEMENTS FOR MOTOR POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(代理人整理番号第END8588USNP/180098)、及び
-米国意匠特許第__________号、意匠の関連する物品の名称「SURGICAL STAPLER ANVILS」(代理人整理番号第END8581USDP/180099D)。
【0005】
本願の出願人は、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる、以下の米国特許出願及び米国特許を所有している。
-米国特許出願第15/386,185号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES THEREOF」(米国特許出願公開第2018/0168642号)、
-米国特許出願第15/386,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168649号)、
-米国特許出願第15/386,221号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS」(米国特許出願公開第2018/01686号)、
-米国特許出願第15/386,209号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND FIRING MEMBERS THEREOF」(米国特許出願公開第2018/0168645号)、
-米国特許出願第15/386,198号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES」(米国特許出願公開第2018/0168644号)、
-米国特許出願第15/386,240号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND ADAPTABLE FIRING MEMBERS THEREFOR」(米国特許出願公開第2018/0168651号)、
-米国特許出願第15/385,939号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168629号)、
-米国特許出願第15/385,941号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS FOR SHIFTING BETWEEN CLOSURE SYSTEMS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES AND ARTICULATION AND FIRING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168630号)、
-米国特許出願第15/385,943号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(米国特許出願公開第2018/0168631号)、
-米国特許出願第15/385,950号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168635号)、
-米国特許出願第15/385,945号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168632号)、
-米国特許出願第15/385,946号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(米国特許出願公開第2018/0168633号)、
-米国特許出願第15/385,951号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH JAW OPENING FEATURES FOR INCREASING A JAW OPENING DISTANCE」(米国特許出願公開第2018/0168636号)、
-米国特許出願第15/385,953号、発明の名称「METHODS OF STAPLING TISSUE」(米国特許出願公開第2018/0168637号)、
-米国特許出願第15/385,954号、発明の名称「FIRING MEMBERS WITH NON-PARALLEL JAW ENGAGEMENT FEATURES FOR SURGICAL END EFFECTORS」(米国特許出願公開第2018/0168638号)、
-米国特許出願第15/385,955号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH EXPANDABLE TISSUE STOP ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168639号)、
-米国特許出願第15/385,948号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」(米国特許出願公開第2018/0168584号)、
-米国特許出願第15/385,956号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168640号)、
-米国特許出願第15/385,958号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR PREVENTING FIRING SYSTEM ACTUATION UNLESS AN UNSPENT STAPLE CARTRIDGE IS PRESENT」(米国特許出願公開第2018/0168641号)、
-米国特許出願第15/385,947号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168634号)、
-米国特許出願第15/385,896号、発明の名称「METHOD FOR RESETTING A FUSE OF A SURGICAL INSTRUMENT SHAFT」(米国特許出願公開第2018/0168597号)、
-米国特許出願第15/385,898号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENT TO ACCOMMODATE DIFFERENT TYPES OF STAPLES」(米国特許出願公開第2018/0168599号)、
-米国特許出願第15/385,899号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING IMPROVED JAW CONTROL」(米国特許出願公開第2018/0168600号)、
-米国特許出願第15/385,901号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE AND STAPLE CARTRIDGE CHANNEL COMPRISING WINDOWS DEFINED THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168602号)、
-米国特許出願第15/385,902号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CUTTING MEMBER」(米国特許出願公開第2018/0168603号)、
-米国特許出願第15/385,904号、発明の名称「STAPLE FIRING MEMBER COMPRISING A MISSING CARTRIDGE AND/OR SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(米国特許出願公開第2018/0168605号)、
-米国特許出願第15/385,905号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」(米国特許出願公開第2018/0168606号)、
-米国特許出願第15/385,907号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN END EFFECTOR LOCKOUT AND A FIRING ASSEMBLY LOCKOUT」(米国特許出願公開第2018/0168608号)、
-米国特許出願第15/385,908号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A FUSE」(米国特許出願公開第2018/0168609号)、
-米国特許出願第15/385,909号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A MULTIPLE FAILED-STATE FUSE」(米国特許出願公開第2018/0168610号)、
-米国特許出願第15/385,920号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168620号)、
-米国特許出願第15/385,913号、発明の名称「ANVIL ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(米国特許出願公開第2018/0168614号)、
-米国特許出願第15/385,914号、発明の名称「METHOD OF DEFORMING STAPLES FROM TWO DIFFERENT TYPES OF STAPLE CARTRIDGES WITH THE SAME SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2018/0168615号)、
-米国特許出願第15/385,893号、発明の名称「BILATERALLY ASYMMETRIC STAPLE-FORMING POCKET PAIRS」(米国特許出願公開第2018/0168594号)、
-米国特許出願第15/385,929号、発明の名称「CLOSURE MEMBERS WITH CAM SURFACE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARATE AND DISTINCT CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168626号)、
-米国特許出願第15/385,911号、発明の名称「SURGICAL STAPLERS WITH INDEPENDENTLY ACTUATABLE CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168612号)、
-米国特許出願第15/385,927号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SMART STAPLE CARTRIDGES」(米国特許出願公開第2018/0168625号)、
-米国特許出願第15/385,917号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES WITH DIFFERENT CLAMPING BREADTHS」(米国特許出願公開第2018/0168617号)、
-米国特許出願第15/385,900号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING PRIMARY SIDEWALLS AND POCKET SIDEWALLS」(米国特許出願公開第2018/0168601号)、
-米国特許出願第15/385,931号、発明の名称「NO-CARTRIDGE AND SPENT CARTRIDGE LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」(米国特許出願公開第2018/0168627号)、
-米国特許出願第15/385,915号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN ANGLE」(米国特許出願公開第2018/0168616号)、
-米国特許出願第15/385,897号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING ZONED FORMING SURFACE GROOVES」(米国特許出願公開第2018/0168598号)、
-米国特許出願第15/385,922号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FAILURE RESPONSE MODES」(米国特許出願公開第2018/0168622号)、
-米国特許出願第15/385,924号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH PRIMARY AND SAFETY PROCESSORS」(米国特許出願公開第2018/0168624号)、
-米国特許出願第15/385,910号、発明の名称「ANVIL HAVING A KNIFE SLOT WIDTH」(米国特許出願公開第2018/0168611号)、
-米国特許出願第15/385,903号、発明の名称「CLOSURE MEMBER ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168604号)、
-米国特許出願第15/385,906号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN CONFIGURATIONS」(米国特許出願公開第2018/0168607号)、
-米国特許出願第15/386,188号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH ASYMMETRICAL STAPLES」(米国特許出願公開第2018/0168585号)、
-米国特許出願第15/386,192号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH TISSUE RETENTION AND GAP SETTING FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168643号)、
-米国特許出願第15/386,206号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE WITH DEFORMABLE DRIVER RETENTION FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168586号)、
-米国特許出願第15/386,226号、発明の名称「DURABILITY FEATURES FOR END EFFECTORS AND FIRING ASSEMBLIES OF SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168648号)、
-米国特許出願第15/386,222号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS HAVING END EFFECTORS WITH POSITIVE OPENING FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168647号)、
-米国特許出願第15/386,236号、発明の名称「CONNECTION PORTIONS FOR DEPOSABLE LOADING UNITS FOR SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168650号)、
-米国特許出願第15/385,887号、発明の名称「METHOD FOR ATTACHING A SHAFT ASSEMBLY TO A SURGICAL INSTRUMENT AND,ALTERNATIVELY,TO A SURGICAL ROBOT」(米国特許出願公開第2018/0168589号)、
-米国特許出願第15/385,889号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A MANUALLY-OPERABLE RETRACTION SYSTEM FOR USE WITH A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」(米国特許出願公開第2018/0168590号)、
-米国特許出願第15/385,890号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING SEPARATELY ACTUATABLE AND RETRACTABLE SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168591号)、
-米国特許出願第15/385,891号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A CLUTCH CONFIGURED TO ADAPT THE OUTPUT OF A ROTARY FIRING MEMBER TO TWO DIFFERENT SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168592号)、
-米国特許出願第15/385,892号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A FIRING MEMBER ROTATABLE INTO AN ARTICULATION STATE TO ARTICULATE AN END EFFECTOR OF THE SURGICAL SYSTEM」(米国特許出願公開第2018/0168593号)、
-米国特許出願第15/385,894号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」(米国特許出願公開第2018/0168595号)、
-米国特許出願第15/385,895号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING FIRST AND SECOND ARTICULATION LOCKOUTS」(米国特許出願公開第2018/0168596号)、
-米国特許出願第15/385,916号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168575号)、
-米国特許出願第15/385,918号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168618号)、
-米国特許出願第15/385,919号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168619号)、
-米国特許出願第15/385,921号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH MOVABLE CAMMING MEMBER CONFIGURED TO DISENGAGE FIRING MEMBER LOCKOUT FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168621号)、
-米国特許出願第15/385,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」(米国特許出願公開第2018/0168623号)、
-米国特許出願第15/385,925号、発明の名称「JAW ACTUATED LOCK ARRANGEMENTS FOR PREVENTING ADVANCEMENT OF A FIRING MEMBER IN A SURGICAL END EFFECTOR UNLESS AN UNFIRED CARTRIDGE IS INSTALLED IN THE END EFFECTOR」(米国特許出願公開第2018/0168576号)、
-米国特許出願第15/385,926号、発明の名称「AXIALLY MOVABLE CLOSURE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR APPLYING CLOSURE MOTIONS TO JAWS OF SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2018/0168577号)、
-米国特許出願第15/385,928号、発明の名称「PROTECTIVE COVER ARRANGEMENTS FOR A JOINT INTERFACE BETWEEN A MOVABLE JAW AND ACTUATOR SHAFT OF A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2018/0168578号)、
-米国特許出願第15/385,930号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTOR WITH TWO SEPARATE COOPERATING OPENING FEATURES FOR OPENING AND CLOSING END EFFECTOR JAWS」(米国特許出願公開第2018/0168579号)、
-米国特許出願第15/385,932号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTOR WITH ASYMMETRIC SHAFT ARRANGEMENT」(米国特許出願公開第2018/0168628号)、
-米国特許出願第15/385,933号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT WITH INDEPENDENT PIVOTABLE LINKAGE DISTAL OF AN ARTICULATION LOCK」(米国特許出願公開第2018/0168580号)、
-米国特許出願第15/385,934号、発明の名称「ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR IN AN ARTICULATED POSITION IN RESPONSE TO ACTUATION OF A JAW CLOSURE SYSTEM」(米国特許出願公開第2018/0168581号)、
-米国特許出願第15/385,935号、発明の名称「LATERALLY ACTUATABLE ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR OF A SURGICAL INSTRUMENT IN AN ARTICULATED CONFIGURATION」(米国特許出願公開第2018/0168582号)、
-米国特許出願第15/385,936号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATION STROKE AMPLIFICATION FEATURES」(米国特許出願公開第2018/0168583号)、
-米国特許出願第14/318,996号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGES INCLUDING EXTENSIONS HAVING DIFFERENT CONFIGURATIONS」(米国特許出願公開第2015/0297228号)、
-米国特許出願第14/319,006号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING FASTENER CAVITIES INCLUDING FASTENER CONTROL FEATURES」(米国特許第10,010,324号)、
-米国特許出願第14/318,991号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGES WITH DRIVER STABILIZING ARRANGEMENTS」(米国特許第9,833,241号)、
-米国特許出願第14/319,004号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH FIRING ELEMENT MONITORING ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,844,369号)、
-米国特許出願第14/319,008号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING NON-UNIFORM FASTENERS」(米国特許出願公開第2015/0297232号)、
-米国特許出願第14/318,997号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING DEPLOYABLE TISSUE ENGAGING MEMBERS」(米国特許出願公開第2015/0297229号)、
-米国特許出願第14/319,002号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING TISSUE CONTROL FEATURES」(米国特許第9,877,721号)、
-米国特許出願第14/319,013号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE ASSEMBLIES AND STAPLE RETAINER COVER ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2015/0297233号)、及び
-米国特許出願第14/319,016号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE INCLUDING A LAYER ATTACHED THERETO」(米国特許出願公開第2015/0297235号)。
【0006】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/191,775号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」、
-米国特許出願第15/191,807号、発明の名称「STAPLING SYSTEM FOR USE WITH WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」、
-米国特許出願第15/191,834号、発明の名称「STAMPED STAPLES AND STAPLE CARTRIDGES USING THE SAME」、
-米国特許出願第15/191,788号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OVERDRIVEN STAPLES」、及び
-米国特許出願第15/191,818号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OFFSET LONGITUDINAL STAPLE ROWS」。
【0007】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国意匠特許出願第29/569,218号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」、
-米国意匠特許出願第29/569,227号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」、
-米国意匠特許出願第29/569,259号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」、及び
-米国意匠特許出願第29/569,264号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」。
【0008】
本願の出願人は、2016年4月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/089,325号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A SURGICAL STAPLING SYSTEM」、
-米国特許出願第15/089,321号、発明の名称「MODULAR SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY」、
-米国特許出願第15/089,326号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY INCLUDING A RE-ORIENTABLE DISPLAY FIELD」、
-米国特許出願第15/089,263号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE ASSEMBLY WITH RECONFIGURABLE GRIP PORTION」、
-米国特許出願第15/089,262号、発明の名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUALLY ACTUATABLE BAILOUT SYSTEM」、
-米国特許出願第15/089,277号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND STAPLING END EFFECTOR WITH ANVIL CONCENTRIC DRIVE MEMBER」、
-米国特許出願第15/089,296号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SURGICAL TOOL ASSEMBLY WITH A SURGICAL END EFFECTOR THAT IS SELECTIVELY ROTATABLE ABOUT A SHAFT AXIS」、
-米国特許出願第15/089,258号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SHIFTABLE TRANSMISSION」、
-米国特許出願第15/089,278号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO PROVIDE SELECTIVE CUTTING OF TISSUE」、
-米国特許出願第15/089,284号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A CONTOURABLE SHAFT」、
-米国特許出願第15/089,295号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A TISSUE COMPRESSION LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,300号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING AN UNCLAMPING LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,196号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW CLOSURE LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,203号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW ATTACHMENT LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,210号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,324号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」、
-米国特許出願第15/089,335号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT COMPRISING MULTIPLE LOCKOUTS」、
-米国特許出願第15/089,339号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、
-米国特許出願第15/089,253号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO APPLY ANNULAR ROWS OF STAPLES HAVING DIFFERENT HEIGHTS」、
-米国特許出願第15/089,304号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A GROOVED FORMING POCKET」、
-米国特許出願第15/089,331号、発明の名称「ANVIL MODIFICATION MEMBERS FOR SURGICAL STAPLERS」、
-米国特許出願第15/089,336号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES WITH ATRAUMATIC FEATURES」、
-米国特許出願第15/089,312号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING AN INCISABLE TISSUE SUPPORT」、
-米国特許出願第15/089,309号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING ROTARY FIRING SYSTEM」、及び
-米国特許出願第15/089,349号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING LOAD CONTROL」。
【0009】
本願の出願人はまた、2015年12月31日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/984,488号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR BATTERY PACK FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第14/984,525号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第14/984,552号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARABLE MOTORS AND MOTOR CONTROL CIRCUITS」。
【0010】
本願の出願人はまた、2016年2月9日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/019,220号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ARTICULATING AND AXIALLY TRANSLATABLE END EFFECTOR」、
-米国特許出願第15/019,228号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE LINK ARTICULATION ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,196号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ARTICULATION MECHANISM WITH SLOTTED SECONDARY CONSTRAINT」、
-米国特許出願第15/019,206号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH AN END EFFECTOR THAT IS HIGHLY ARTICULATABLE RELATIVE TO AN ELONGATE SHAFT ASSEMBLY」、
-米国特許出願第15/019,215号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH NON-SYMMETRICAL ARTICULATION ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,227号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH SINGLE ARTICULATION LINK ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,235号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH TENSIONING ARRANGEMENTS FOR CABLE DRIVEN ARTICULATION SYSTEMS」、
-米国特許出願第15/019,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH OFF-AXIS FIRING BEAM ARRANGEMENTS」、及び
-米国特許出願第15/019,245号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION ARRANGEMENTS」。
【0011】
本願の出願人はまた、2016年2月12日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/043,254号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/043,259号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/043,275号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第15/043,289号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」。
【0012】
本願の出願人は、2015年6月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/742,925号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH POSITIVE JAW OPENING ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第14/742,941号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH DUAL CAM ACTUATED JAW CLOSING FEATURES」、
-米国特許出願第14/742,914号、発明の名称「MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第14/742,900号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH COMPOSITE FIRING BEAM STRUCTURES WITH CENTER FIRING SUPPORT MEMBER FOR ARTICULATION SUPPORT」、
-米国特許出願第14/742,885号、発明の名称「DUAL ARTICULATION DRIVE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第14/742,876号、発明の名称「PUSH/PULL ARTICULATION DRIVE SYSTEMS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」。
【0013】
本願の出願人は、2015年3月6日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/640,746号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2016/0256184号)、
-米国特許出願第14/640,795号、発明の名称「MULTIPLE LEVEL THRESHOLDS TO MODIFY OPERATION OF POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2016/02561185号)、
-米国特許出願第14/640,832号、発明の名称「ADAPTIVE TISSUE COMPRESSION TECHNIQUES TO ADJUST CLOSURE RATES FOR MULTIPLE TISSUE TYPES」(米国特許出願公開第2016/0256154号)、
-米国特許出願第14/640,935号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY (RF) ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」(米国特許出願公開第2016/0256071号)、
-米国特許出願第14/640,831号、発明の名称「MONITORING SPEED CONTROL AND PRECISION INCREMENTING OF MOTOR FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2016/0256153号)、
-米国特許出願第14/640,859号、発明の名称「TIME DEPENDENT EVALUATION OF SENSOR DATA TO DETERMINE STABILITY,CREEP,AND VISCOELASTIC ELEMENTS OF MEASURES」(米国特許出願公開第2016/0256187号)、
-米国特許出願第14/640,817号、発明の名称「INTERACTIVE FEEDBACK SYSTEM FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2016/0256186号)、
-米国特許出願第14/640,844号、発明の名称「CONTROL TECHNIQUES AND SUB-PROCESSOR CONTAINED WITHIN MODULAR SHAFT WITH SELECT CONTROL PROCESSING FROM HANDLE」(米国特許出願公開第2016/0256155号)、
-米国特許出願第14/640,837号、発明の名称「SMART SENSORS WITH LOCAL SIGNAL PROCESSING」(米国特許出願公開第2016/0256163号)、
-米国特許出願第14/640,765号、発明の名称「SYSTEM FOR DETECTING THE MIS-INSERTION OF A STAPLE CARTRIDGE INTO A SURGICAL STAPLER」(米国特許出願公開第2016/0256160号)、
-米国特許出願第14/640,799号、発明の名称「SIGNAL AND POWER COMMUNICATION SYSTEM POSITIONED ON A ROTATABLE SHAFT」(米国特許出願公開第2016/0256162号)、及び
-米国特許出願第14/640,780号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A LOCKABLE BATTERY HOUSING」(米国特許出願公開第2016/0256161号)。
【0014】
本願の出願人は、2015年2月27日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/633,576号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN INSPECTION STATION」(米国特許出願公開第2016/0249919号)、
-米国特許出願第14/633,546号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO ASSESS WHETHER A PERFORMANCE PARAMETER OF THE SURGICAL APPARATUS IS WITHIN AN ACCEPTABLE PERFORMANCE BAND」(米国特許出願公開第2016/0249915号)、
-米国特許出願第14/633,560号、発明の名称「SURGICAL CHARGING SYSTEM THAT CHARGES AND/OR CONDITIONS ONE OR MORE BATTERIES」(米国特許出願公開第2016/0249910号)、
-米国特許出願第14/633,566号、発明の名称「CHARGING SYSTEM THAT ENABLES EMERGENCY RESOLUTIONS FOR CHARGING A BATTERY」(米国特許出願公開第2016/0249918号)、
-米国特許出願第14/633,555号、発明の名称「SYSTEM FOR MONITORING WHETHER A SURGICAL INSTRUMENT NEEDS TO BE SERVICED」(米国特許出願公開第2016/0249916号)、
-米国特許出願第14/633,542号、発明の名称「REINFORCED BATTERY FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2016/0249908号)、
-米国特許出願第14/633,548号、発明の名称「POWER ADAPTER FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2016/0249909号)、
-米国特許出願第14/633,526号、発明の名称「ADAPTABLE SURGICAL INSTRUMENT HANDLE」(米国特許出願公開第2016/0249945号)、
-米国特許出願第14/633,541号、発明の名称「MODULAR STAPLING ASSEMBLY」(米国特許出願公開第2016/0249927号)、及び
-米国特許出願第14/633,562号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO TRACK AN END-OF-LIFE PARAMETER」(米国特許出願公開第2016/0249917号)。
【0015】
本願の出願人は、2014年12月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/574,478号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING AN ARTICULATABLE END EFFECTOR AND MEANS FOR ADJUSTING THE FIRING STROKE OF A FIRING MEMBER」(米国特許出願公開第2016/0174977号)、
-米国特許出願第14/574,483号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING LOCKABLE SYSTEMS」(米国特許出願公開第2016/0174969号)、
-米国特許出願第14/575,139号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2016/0174978号)、
-米国特許出願第14/575,148号、発明の名称「LOCKING ARRANGEMENTS FOR DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES WITH ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTORS」(米国特許出願公開第2016/0174976号)、
-米国特許出願第14/575,130号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AN ANVIL THAT IS SELECTIVELY MOVABLE ABOUT A DISCRETE NON-MOVABLE AXIS RELATIVE TO A STAPLE CARTRIDGE」(米国特許出願公開第2016/0174972号)、
-米国特許出願第14/575,143号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH IMPROVED CLOSURE ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2016/0174983号)、
-米国特許出願第14/575,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2016/0174975号)、
-米国特許出願第14/575,154号、発明の名称SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND IMPROVED FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2016/0174973号)、
-米国特許出願第14/574,493号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A FLEXIBLE ARTICULATION SYSTEM」(米国特許出願公開第2016/0174970号)、及び
-米国特許出願第14/574,500号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKABLE ARTICULATION SYSTEM」(米国特許出願公開第2016/0174971号)。
【0016】
本願の出願人は、2013年3月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/782,295号、発明の名称「Articulatable Surgical Instruments With Conductive Pathways For Signal Communication」(米国特許出願公開第2014/0246471号)、
-米国特許出願第13/782,323号、発明の名称「Rotary Powered Articulation Joints For Surgical Instruments」(米国特許出願公開第2014/0246472号)、
-米国特許出願第13/782,338号、発明の名称「Thumbwheel Switch Arrangements For Surgical Instruments」(米国特許出願公開第2014/0249557号)、
-米国特許出願第13/782,499号、発明の名称「Electromechanical Surgical Device with Signal Relay Arrangement」(米国特許第9,358,003号)、
-米国特許出願第13/782,460号、発明の名称「Multiple Processor Motor Control For Modular Surgical Instruments」(米国特許出願公開第2014/0246478号)、
-米国特許出願第13/782,358号、発明の名称「Joystick Switch Assemblies For Surgical Instruments」(米国特許第9,326,767号)、
-米国特許出願第13/782,481号、発明の名称「Sensor Straightened End Effector During Removal Through Trocar」(米国特許第9,468,438号)、
-米国特許出願第13/782,518号、発明の名称「Control Methods for Surgical Instruments with Removable Implement Portions」(米国特許出願公開第2014/0246475号)、
-米国特許出願第13/782,375号、発明の名称「Rotary Powered Surgical Instruments With Multiple Degrees of Freedom」(米国特許第9,398,911号)、及び
-米国特許出願第13/782,536号、発明の名称「Surgical Instrument Soft Stop」(米国特許第9,307,986号)。
【0017】
本願の出願人はまた、2013年3月14日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/803,097号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」(米国特許出願公開第2014/0263542号)、
-米国特許出願第13/803,193号、発明の名称「CONTROL ARRANGEMENTS FOR A DRIVE MEMBER OF A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許第9,332,987号)、
-米国特許出願第13/803,053号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SHAFT ASSEMBLIES FOR USE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0263564号)、
-米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」(米国特許出願公開第2014/0263541号)、
-米国特許出願第13/803,210号、発明の名称「SENSOR ARRANGEMENTS FOR ABSOLUTE POSITIONING SYSTEM FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2014/0263538号)、
-米国特許出願第13/803,148号、発明の名称「MULTI-FUNCTION MOTOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0263554号)、
-米国特許出願第13/803,066号、発明の名称「DRIVE SYSTEM LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2014/0263565号)、
-米国特許出願第13/803,117号、発明の名称「ARTICULATION CONTROL SYSTEM FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」(現在は米国特許第9,351,726号)、
-米国特許出願第13/803,130号、発明の名称「DRIVE TRAIN CONTROL ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許第9,351,727号)、及び
-米国特許出願第13/803,159号、発明の名称「METHOD AND SYSTEM FOR OPERATING A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0277017号)。
【0018】
本願の出願人はまた、2014年3月7日に出願された以下の特許出願を所有しており、その全体内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/200,111号、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2014/0263539号)。
【0019】
本願の出願人はまた、2014年3月26日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/226,106号、発明の名称「POWER MANAGEMENT CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2015/0272582号)、
-米国特許出願第14/226,099号、発明の名称「STERILIZATION VERIFICATION CIRCUIT」(米国特許出願公開第2015/0272581号)、
-米国特許出願第14/226,094号、発明の名称「VERIFICATION OF NUMBER OF BATTERY EXCHANGES/PROCEDURE COUNT」(米国特許出願公開第2015/0272580号)、
-米国特許出願第14/226,117号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SLEEP OPTIONS OF SEGMENTED CIRCUIT AND WAKE UP CONTROL」(米国特許出願公開第2015/0272574号)、
-米国特許出願第14/226,075号、発明の名称「MODULAR POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES」(米国特許出願公開第2015/0272579号)、
-米国特許出願第14/226,093号、発明の名称「FEEDBACK ALGORITHMS FOR MANUAL BAILOUT SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2015/0272569号)、
-米国特許出願第14/226,116号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING SENSOR ADAPTATION」(米国特許出願公開第2015/0272571号)、
-米国特許出願第14/226,071号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT CONTROL CIRCUIT HAVING A SAFETY PROCESSOR」(米国特許出願公開第2015/0272578号)、
-米国特許出願第14/226,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING INTERACTIVE SYSTEMS」(米国特許出願公開第2015/0272570号)、
-米国特許出願第14/226,126号、発明の名称「INTERFACE SYSTEMS FOR USE WITH SURGICAL INSTRUMENTS」(米国特許出願公開第2015/0272572号)、
-米国特許出願第14/226,133号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」(米国特許出願公開第2015/0272557号)、
-米国特許出願第14/226,081号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SEGMENTED CIRCUIT」(米国特許出願公開第2015/0277471号)、
-米国特許出願第14/226,076号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SEGMENTED CIRCUIT AND VARIABLE VOLTAGE PROTECTION」(米国特許出願公開第2015/0280424号)、
-米国特許出願第14/226,111号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT SYSTEM」(米国特許出願公開第2015/0272583号)、及び
-米国特許出願第14/226,125号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A ROTATABLE SHAFT」(米国特許出願公開第2015/0280384号)。
【0020】
本願の出願人はまた、2014年9月5日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/479,103号、発明の名称「CIRCUITRY AND SENSORS FOR POWERED MEDICAL DEVICE」(米国特許出願公開第2016/0066912号)、
-米国特許出願第14/479,119号、発明の名称「ADJUNCT WITH INTEGRATED SENSORS TO QUANTIFY TISSUE COMPRESSION」(米国特許出願公開第2016/0066914号)、
-米国特許出願第14/478,908号、発明の名称「MONITORING DEVICE DEGRADATION BASED ON COMPONENT EVALUATION」(米国特許出願公開第2016/0066910号)、
-米国特許出願第14/478,895号、発明の名称「MULTIPLE SENSORS WITH ONE SENSOR AFFECTING A SECOND SENSOR’S OUTPUT OR INTERPRETATION」(米国特許出願公開第2016/0066909号)、
-米国特許出願第14/479,110号、発明の名称「POLARITY OF HALL MAGNET TO DETECT MISLOADED CARTRIDGE」(米国特許出願公開第2016/0066915号)、
-米国特許出願第14/479,098号、発明の名称「SMART CARTRIDGE WAKE UP OPERATION AND DATA RETENTION」(米国特許出願公開第2016/0066911号)、
-米国特許出願第14/479,115号、発明の名称「MULTIPLE MOTOR CONTROL FOR POWERED MEDICAL DEVICE」(米国特許出願公開第2016/0066916号)、及び
-米国特許出願第14/479,108号、発明の名称「LOCAL DISPLAY OF TISSUE PARAMETER STABILIZATION」(米国特許出願公開第2016/0066913号)。
【0021】
本願の出願人はまた、2014年4月9日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/248,590号、発明の名称「MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKABLE DUAL DRIVE SHAFTS」(米国特許出願公開第2014/0305987号)、
-米国特許出願第14/248,581号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CLOSING DRIVE AND A FIRING DRIVE OPERATED FROM THE SAME ROTATABLE OUTPUT」(米国特許出願公開第2014/0305989号)、
-米国特許出願第14/248,595号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SHAFT INCLUDING SWITCHES FOR CONTROLLING THE OPERATION OF THE SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0305988号)、
-米国特許出願第14/248,588号、発明の名称「POWERED LINEAR SURGICAL STAPLER」(米国特許出願公開第2014/0309666号)、
-米国特許出願第14/248,591号、発明の名称「TRANSMISSION ARRANGEMENT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0305991号)、
-米国特許出願第14/248,584号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH ALIGNMENT FEATURES FOR ALIGNING ROTARY DRIVE SHAFTS WITH SURGICAL END EFFECTOR SHAFTS」(米国特許出願公開第2014/0305994号)、
-米国特許出願第14/248,587号、発明の名称「POWERED SURGICAL STAPLER」(米国特許出願公開第2014/0309665号)、
-米国特許出願第14/248,586号、発明の名称「DRIVE SYSTEM DECOUPLING ARRANGEMENT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許出願公開第2014/0305990号)、及び
-米国特許出願第14/248,607号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH STATUS INDICATION ARRANGEMENTS」(米国特許出願公開第2014/0305992号)。
【0022】
本願の出願人はまた、2013年4月16日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許仮出願第61/812,365号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」、
-米国特許仮出願第61/812,376号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH POWER」、
-米国特許仮出願第61/812,382号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH MOTOR AND PISTOL GRIP」、
-米国特許仮出願第61/812,385号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE WITH MULTIPLE ACTUATION MOTORS AND MOTOR CONTROL」、及び
-米国特許仮出願第61/812,372号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」。
【0023】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に記載され図示された実施形態は、非限定的な例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0024】
用語「含む(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える、含む(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、若しくは「含有する(contain)」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を保有(possess)するが、それらの1つ以上のみを保有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える、含む(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、若しくは「含有する(contain)」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を有する(possess)が、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0025】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0026】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手技を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば切開外科手技と関連するものを含む、多くの外科手技及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、もとからある開口部を通じて、組織に形成された切開部又は穿刺孔を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0027】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタと、を備えることができる。エンドエフェクタは第1の顎部及び第2の顎部を備える。第1の顎部は、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1の顎部へと挿入可能であり、かつ第1の顎部から取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1の顎部から取り外し可能でない、又は第1の顎部から少なくとも容易に交換可能ではない、その他の実施形態が想到される。第2の顎部は、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを。第2の顎部は、閉鎖軸の周りにて、第1の顎部に対して枢動可能であるが、第1の顎部が第2の顎部に対して枢動可能である、その他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成された関節運動接合部を更に備える。エンドエフェクタは、関節運動接合部を通って延在する関節運動軸線を中心にして回転可能である。関節運動接合部を含まない他の実施形態も想到される。
【0028】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するデッキ部と、を含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置づけられ、アンビルは、組織の第2の側に位置づけられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキ部に対して組織を押し付けて及び挟む。続いて、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納されたステープルを、組織内に展開することができる。カートリッジ本体は、内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に取り外し可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第1の側に位置づけられ、3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第2の側に位置づけられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0029】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープルドライバによって支持されている。駆動部は、第1の、すなわち未発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、すなわち発射済み位置と、の間で移動可能である。駆動部は、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。駆動部は、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射済み位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端に隣接した近位位置と、遠位端に隣接した遠位位置と、の間で移動可能である。スレッドは、駆動部の下を摺動し、駆動部を持ち上げるように構成された複数の傾斜面を含み、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0030】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位方向に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端に向かって押し出すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受け入れるように構成されている。アンビルは、発射部材を受け入れるように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1の顎部に係合する第1のカムと、第2の顎部に係合する第2のカムと、を更に備える。発射部材を遠位方向に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキ部とアンビルとの間の距離、すなわち組織隙間を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されたナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位に位置づけられることが望ましい。
【0031】
図1及び
図3は、再使用されてもされなくてもよい、モータ駆動式の外科用切断及び締結器具1010を示している。図示された実施形態では、器具1010は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル1014を備える前述のハウジング1012を備える。ハウジング1012は、1つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された外科用エンドエフェクタ1300は動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ1200に、動作可能に取り付けられるように構成されている。本発明を実施するための形態を読み進めるに従って、本明細書に開示される様々な形態の交換式シャフトアセンブリはまた、ロボット制御式の外科用システムと関連させて効果的に用いられ得ることが理解されよう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示する交換式シャフトアセンブリ及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。加えて、様々な構成要素は、ハウジング内に「収容」されるか又は含まれてもよく、あるいは様々な構成要素は、ハウジングに「関連付け」られていてもよい。このような例では、構成要素は、ハウジングとともに含まれていなくてもよく、又はハウジングによって直接支持されていなくてもよい。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するのに使用されてもよいロボットシステムの一部分を表してもよい。例えば、本明細書で開示する交換式シャフトアセンブリは、参照によって全ての内容が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」で開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素及び方法と共に用いられ得る。
【0032】
図1に描かれる前述のハウジング1012は、外科用ステープルカートリッジ4000をその中で動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結装置を備えるエンドエフェクタ1300を備える交換式シャフトアセンブリ1200(
図2、4、及び5)と接続されて示されている。ハウジング1012は、種々のサイズ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、種々のシャフトの長さ、サイズ、及びタイプなどを有する交換式シャフトアセンブリと接続されて使用するように構成されてもよい。加えて、ハウジング1012はまた、例えば、運動、並びに高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などの他の形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置に関連して用いられるように適合されたエンドエフェクタ構成に印加するように構成されたアセンブリを含む様々な他の交換式シャフトアセンブリと接続されて効果的に用いられてもよい。更に、エンドエフェクタ、シャフトアセンブリ、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具(複数可)を利用して組織を締結することができる。例えば、内部に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジは、シャフトアセンブリのエンドエフェクタに着脱可能に挿入され得る及び/又は取り付けられ得る。
【0033】
図1は、ハウジング1012に動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ1200を含む外科用器具1010を示している。
図2は、ハウジング1012又はハンドル1014から取り外された交換式シャフトアセンブリ1200を示している。
図3で分かるように、ハンドル1014は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互連結され得る一対の相互連結可能なハウジングセグメント1016及び1018を備え得る。図示の構成において、ハンドルハウジングセグメント1016、1018は、臨床医に握持され操作され得るピストルグリップ部分1019を形成するように協働する。以下で更に詳しく説明するように、ハンドル1014は、中に複数の駆動システムを動作可能に支持しており、これらの駆動システムは、ハンドルに動作可能に取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応する部分に対して、様々な制御モーションを生成し適用するように構成されている。
【0034】
ここで
図3を参照すると、ハンドル1014は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム1020を更に含んでもよい。例えば、フレーム1020は、全体として符号1030で示される「第1の」すなわち閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システム1030は、動作可能に取り付けられた又は結合された交換式シャフトアセンブリ1200に対して開閉運動を適用するために用いられてもよい。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム1030は、フレーム1020によって枢動可能に支持されている閉鎖トリガ1032の形態のアクチュエータを含んでもよい。より具体的には、
図3に示されるように、閉鎖トリガ1032は、ピン1033によってハウジング1014に枢動可能に結合されている。かかる構成によって、閉鎖トリガ1032を臨床医が操作することが可能になる。具体的には、臨床医がハンドル1014のピストルグリップ部分1019を把持すると、閉鎖トリガ1032を、開始位置又は「非作動」位置から、「作動」位置、より詳細には完全に握り込んだ位置又は完全作動位置へと容易に枢動させることができる。閉鎖トリガ1032は、ばね又は他の付勢機構(図示せず)によって、非作動位置へと付勢されてもよい。様々な形態では、閉鎖駆動システム1030は、閉鎖トリガ1032に枢動可能に連結された閉鎖リンケージアセンブリ1034を更に含む。
図3に示すように、閉鎖リンケージアセンブリ1034は、ピン1035によって閉鎖トリガ1032に枢動可能に結合された第1の閉鎖リンク1036及び第2の閉鎖リンク1038を含んでもよい。第2の閉鎖リンク1038は、本明細書では「取り付け部材」と呼ばれることもあり、横向き取り付けピン1037を含む。
【0035】
図3を引き続き参照すると、第1の閉鎖リンク1036はその上に、フレーム1020に枢動可能に結合された閉鎖解除アセンブリ1060と協働するように構成された、ロック壁又は端部1039を有してもよいことを観察することができる。少なくとも1つの形態では、閉鎖解除アセンブリ1060は、遠位方向に突出しているロック爪1064がその上に形成された解除ボタンアセンブリ1062を備えてもよい。解除ボタンアセンブリ1062は、解除ばね(図示せず)によって反時計方向に枢動させられてもよい。臨床医が閉鎖トリガ1032をその非作動位置からハンドル1014のピストルグリップ部分1019に向かって押下すると、ロック爪1064が第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との保持係合に至る地点に向かって第1の閉鎖リンク1036が上向きに枢動し、それによって閉鎖トリガ1032が非作動位置に復帰することが防止される。したがって、閉鎖解除アセンブリ1060は、閉鎖トリガ1032を完全作動位置にロックするように働く。臨床医が、閉鎖トリガ1032をロック解除して、それを非作動位置へ付勢することができるようにしたい場合、臨床医は単純に、閉鎖解除ボタンアセンブリ1062を枢動させ、それによってロック爪1064を移動させて、第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との係合から外す。ロック爪1064が第1の閉鎖リンク1036との係合から外れるように移動させられているとき、閉鎖トリガ1032は枢動して非作動構成に戻ってもよい。他の閉鎖トリガロック及び解除機構が用いられてもよい。
【0036】
アーム1061が、閉鎖解除ボタン1062から延在してもよい。例えば永久磁石などの磁気要素1063をアーム1061に取り付けてもよい。閉鎖解除ボタン1062をその第1の位置から第2の位置へと回転させると、磁気素子1063は、回路基板1100に向かって移動することができる。回路基板1100は、磁気要素1063の移動を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、例えば「ホール効果」センサ(図示せず)が、回路基板1100の下面に取り付けられ得る。ホール効果センサは、磁気要素1063の移動によって生じる、ホール効果センサを取り巻く磁場における変化を検出するように構成され得る。ホール効果センサは、例えば、マイクロコントローラとの信号通信が可能であり、それによって、閉鎖解除ボタン1062が、閉鎖トリガ1032の非作動位置とエンドエフェクタの開放構成とに関連付けられた第1の位置にあるか、閉鎖トリガ1032の作動位置とエンドエフェクタの閉鎖構成とに関連付けられた第2の位置にあるか、かつ/又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置にあるかを判断することができる。
【0037】
少なくとも1つの形態では、ハンドル1014及びフレーム1020は、取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応部分に対して発射運動を適用するように構成されている、本明細書では発射駆動システム1080と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持してもよい。発射駆動システム1080はまた、本明細書では「第2の駆動システム」と呼ばれることもある。発射駆動システム1080は、ハンドル1014のピストルグリップ部分1019内に位置づけられている電気モータ1082を用いてもよい。様々な形態において、モータ1082は、例えば、約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。その他の構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又はその他の任意の好適な電気モータを挙げてもよい。モータ1082は、電源1090によって給電されてもよく、一形態においては、取り外し可能なパワーパック1092を備えてもよい。例えば、
図3で分かるように、パワーパック1092は、遠位ハウジング部分1096に取り付けるように構成された、近位ハウジング部分1094を備えてもよい。近位ハウジング部分1094及び遠位ハウジング部分1096は、その中に複数の電池1098を動作可能に支持するように構成される。電池1098はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(LI)又は他の好適な電池を含んでもよい。遠位ハウジング部分1096は、モータ1082にやはり動作可能に結合されている回路基板アセンブリ1100に、取り外し可能かつ動作可能に取り付けられるように構成されている。直列に接続されてもよい多数の電池1098が、外科用器具1010の電源として使用されてもよい。加えて、電源1090は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0038】
他の様々な形態に関連して上に概説したように、電気モータ1082は、回転可能なシャフト(図示せず)を含み、そのシャフトは、長手方向に移動可能な駆動部材1120上にある駆動歯1122の組又はラックと噛合係合して取り付けられたギヤ減速機アセンブリ1084と動作可能に連係し得る。使用の際、電源1090によって提供される電圧極性によって電気モータ1082を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ1082を反時計方向に動作させるために反転させることができる。電気モータ1082が1つの方向に回転されると、駆動部材1120は、遠位方向「DD」に軸線方向に駆動されることになる。モータ82が反対の回転方向に駆動されると、駆動部材1120は、近位方向「PD」に軸線方向に駆動されることになる。ハンドル1014は、電源1090によって電気モータ1082に印加される極性を反転させるように構成することができるスイッチを含むことができる。本明細書に記載される他の形態と同様に、ハンドル1014はまた、駆動部材1120の位置、及び/又は駆動部材1120が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを含むことができる。
【0039】
モータ1082の作動は、ハンドル1014上で枢動可能に支持される発射トリガ1130によって制御され得る。発射トリガ1130は、非作動位置と作動位置との間を枢動してもよい。発射トリガ1130は、ばね1132又は他の付勢装置によって非作動位置へと付勢されてもよく、それにより、臨床医が発射トリガ1130を解放すると、それがばね1132又は他の付勢装置によって非作動位置へと枢動されるか又は別の方法で復帰させられてもよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガ1130は、上述したように、閉鎖トリガ132の「外側」に配置することができる。少なくとも1つの形態では、発射トリガ安全ボタン1134が、ピン1035によって閉鎖トリガ1032に枢動可能に装着されてもよい。安全ボタン1134は、発射トリガ1130と閉鎖トリガ1032との間に位置づけられ、そこから突出する枢動アーム1136を有してもよい。
図21を参照されたい。閉鎖トリガ1032が非作動位置にあるとき、安全ボタン1134は、ハンドル1014に収容される。ここには臨床医が容易にアクセスすることができず、発射トリガ1130の作動を防止する安全位置と発射トリガ1130が発射されてもよい発射位置との間で移動させることもできない。臨床医が閉鎖トリガ1032を押下すると、安全ボタン1134及び発射トリガ1130が下に枢動して、次いで、臨床医がそれらを操作することが可能になる。
【0040】
上に示されるように、少なくとも一形態において、長手方向に移動可能な駆動部材1120は、ギヤ減速機アセンブリ1084の対応する駆動ギヤ1086と噛合係合するために、その上に形成された歯1122のラックを有する。少なくとも1つの形態はまた、モータ1082が無効化された場合に、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材1120を手動で後退させることができるように構成された、手動作動式の「緊急離脱」アセンブリ1140を含む。緊急離脱アセンブリ1140は、手動で枢動させて、駆動部材1120にやはり設けられた歯1124とラチェット係合するように構成された、レバー又は緊急離脱ハンドルアセンブリ1142を含んでもよい。したがって、臨床医は、緊急離脱ハンドルアセンブリ1142を使用して駆動部材1120を手動により後退させて、駆動部材1120を近位方向「PD」にラチェットさせることができる。米国特許第8,608,045号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」は、緊急離脱機構、並びに同じく本明細書に開示の様々な器具と共に用いられてもよい他の構成要素、機構、及びシステムを開示している。米国特許第8,608,045号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
ここで
図2及び
図5を参照すると、交換式シャフトアセンブリ1200は、ステープルカートリッジ4000を中で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル1310を備える、外科用エンドエフェクタ1300を備える。エンドエフェクタ1300は、細長いチャネル1310に対して枢動可能に支持されたアンビル2000を更に含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフト軸線SAに対して所望の位置でエンドエフェクタ1300を解除可能に保持するように構成することができる、関節継手3020及び関節ロック2140を更に含んでもよい。エンドエフェクタ1300、関節継手3020、及び関節ロックの少なくとも1つの形態の様々な特徴の例が、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に記載されている。2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」の開示全体を、参照により本明細書に組み込む。
図4で分かるように、交換式シャフトアセンブリ1200は、ノズル部分1202及び1203から構成される近位ハウジング又はノズル1201を更に備えることができる。
【0042】
交換式シャフトアセンブリ1200は、エンドエフェクタ1300のアンビル2000を開閉するために利用することができる、閉鎖システム又は閉鎖部材アセンブリ3000を更に含むことができる。シャフトアセンブリ1200はスパイン1210を含み、スパイン1210は、(1)発射部材を内部で摺動可能に支持し、(2)スパイン1210の周りに延在する閉鎖部材アセンブリ3000を摺動可能に支持するように構成され得る。
図5に示すように、スパイン1210の遠位端1211は、上部ラグ取り付け機構1270及び下部ラグ取り付け機構1280で終端する。上部ラグ取り付け機構1270は、その内部にラグスロット1272を有して形成され、ラグスロット1272は、その内部に上部取り付けリンク1274を取り付けて支持可能になっている。同様に、下部ラグ取り付け機構1280は、その内部にラグスロット1282を有して形成され、そのラグスロット1282は、その内部に、下部取り付けリンク1284を取り付けて支持可能になっている。上部取り付けリンク1274は、その内部に枢動ソケット1276を含み、枢動ソケット1276は、枢動ピン1292を内部に回転可能に受容可能に適合され、枢動ピン1292は、細長いチャネル1310の近位端部分1312に取り付けられたチャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290上に形成されている。下部取り付けリンク1284は、細長いチャネル1310の近位端部分1312内に形成された枢動穴1314内に受容され得る下部枢動ピン1286を含む。
図5を参照されたい。下部枢動ピン1286は、枢動ソケット1276と垂直に位置合わせされて関節運動軸線AAを画定し、これを中心として外科用エンドエフェクタ1300がシャフト軸線SAに対して関節運動し得る。
図2を参照されたい。
【0043】
図示した例において、外科用エンドエフェクタ1300は関節運動システム2100により、関節運動軸線AAを中心として選択的に関節運動可能である。一形態において、関節運動システム2100は、関節運動リンク2120に枢動可能に連結された近位関節運動駆動部2102を含む。
図5に最も具体的に確認できるように、オフセット取り付けラグ2114が、近位関節運動駆動部2102の遠位端2112に形成される。枢動穴2116がオフセット取り付けラグ2114に形成され、関節運動リンク3020の近位端2122に形成された近位リンクピン2124を、自らの中に枢動可能に受容するように構成されている。関節運動リンク2120の遠位端2126は、枢動穴2128を含み、枢動穴2128は自らの中に、細長いチャネル1310の近位端部分1312に形成されたチャネルピン1317を、枢動可能に受容するように構成されている。したがって、近位関節運動駆動部2102の軸線方向移動により、関節運動が細長いチャネル1310に適用され、これによって、外科用エンドエフェクタ1300はスパイン組立体1210に対して、関節運動軸線AAを中心に関節運動する。関節運動システム2100の構成及び操作に関する更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献に見出すことができ、その例としては、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」などが挙げられる。様々な状況において、近位関節運動駆動部2102が近位方向又は遠位方向に移動していない場合、近位関節運動駆動部2102は関節ロック2140によって適所に維持されてもよい。関節ロック2140の例に関する更なる詳細は、米国特許出願第15/635,631号、及び本明細書に参照により組み込まれる他の参考文献に見出すことができる。
【0044】
様々な状況において、スパイン1210は、シャーシ1240内で回転可能に支持される近位端1211を備えることができる。一構成では、例えば、スパイン1210の近位端1211には、シャーシ1240内で支持されるように構成されたスパイン軸受1216にねじ込みによって取り付けられるように、ねじ山1214が形成されている。
図4を参照されたい。このような構成により、シャーシ1240に対するスパイン1210の回転可能な取り付けが容易になり、スパイン1210を、シャーシ1240に対してシャフト軸線SAの周りにて、選択的に回転させ得るようになる。
【0045】
主に
図4を参照すると、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャーシ1240に対して軸線方向に移動され得るようにその中で摺動可能に支持される、閉鎖シャトル1250を含む。閉鎖シャトル1250は、一対の近位に突出するフック1252を含み、それらは、更に詳細に後述するように、第2の閉鎖リンク1038に取り付けられる取り付けピン1037(
図2及び
図3)に取り付けるように構成されている。少なくとも1つの例では、閉鎖部材アセンブリ3000は、閉鎖シャトル1250に対して回転するように閉鎖シャトル1250に連結された近位端3012を有する近位閉鎖部材セグメント3010を備える。例えば、U字型コネクタ1263は、近位閉鎖部材セグメント3010の近位端3012にある環状スロット3014へと挿入され、閉鎖シャトル1250における垂直スロット1253内で保持される。このような構成により、近位閉鎖管セグメント3010と閉鎖シャトル1250とが、一緒に軸線方向移動するように取り付けられる一方で、近位閉鎖管セグメント3010は、シャフト軸線SAを中心に、閉鎖シャトル1250に対して回転可能となる。閉鎖ばね1268が近位閉鎖部材3010上で軸止され、近位閉鎖部材3010を近位方向「PD」に付勢する役割を果たす。シャフトアセンブリがハンドル1014に動作可能に結合されると、上記の付勢により、閉鎖トリガ1032を非作動位置へと枢動させることができる。
【0046】
少なくとも1つの形態では、交換式シャフトアセンブリ1200は、関節継手3020を更に含んでもよい。しかしながら、他の交換式シャフトアセンブリが、関節屈曲可能でなくてもよい。
図5に示すように、例えば、遠位閉鎖部材又は遠位閉鎖管セグメント3030が、近位閉鎖部材又は近位閉鎖管セグメント3010の遠位端に連結されている。関節継手3020は、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ3022を含む。様々な形態によれば、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ3022は、エンドエフェクタ閉鎖管3050を含み、エンドエフェクタ閉鎖管3050は、上部遠位方向突出タング3052及び下部遠位方向突出タング3054を有する。上側二重枢動リンク3056は、上向きに突出している遠位枢動ピン及び近位枢動ピンを含み、遠位枢動ピンは、遠位閉鎖管セグメント3030上にある上部近位方向突出タング3052の上部遠位ピンホールに、かつ近位枢動ピンは、上部遠位方向突出タング3032の上部近位ピンホールにそれぞれ係合する。下部二重枢動リンク3058は、上向きに突出している遠位枢動ピン及び近位枢動ピンを含み、遠位枢動ピンは、下部近位方向突出タング3054の下部遠位ピンホールに、かつ近位枢動ピンは、下部遠位方向突出タング3034の下部近位ピンホールにそれぞれ係合する。
図4及び
図5を参照されたい。以下により詳細に説明するように、例えば閉鎖トリガ1032の作動に応答して、閉鎖管アセンブリ3000は、アンビル2000を閉鎖するように遠位方向(方向DD)に並進される。アンビル2000は、閉鎖管アセンブリ3000を近位方向に並進させることによって開放され、これによってエンドエフェクタ閉鎖スリーブはアンビル2000と相互作用し、開放位置に枢動する。
【0047】
やはり上述したように、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフトスパイン1210内で軸線方向移動するように支持される発射部材1900を更に含む。発射部材1900は、中間発射シャフト部分1222を含み、中間発射シャフト部分1222は、遠位切断部分又はナイフバー1910に取り付けられるように構成されている。中間発射シャフト部分1222は、その遠位端に長手方向スロット1223を含み、長手方向スロット1223は、遠位ナイフバー1910の近位端にあるタブ1912を受容するように構成され得る。長手方向スロット1223及び近位端タブ1912は、それらの間の相対運動を可能にするような大きさ及び構成とすることができ、スリップ継手を備えることができる。スリップ継手1914は、ナイフバー1910を移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射駆動部の中間発射シャフト部分1222を移動させて、エンドエフェクタ1300を関節運動させることを可能にすることができる。ひとたびエンドエフェクタ1300が適切に配向されると、長手方向スロット1223の近位の側壁がタブ1912に接触するまで中間発射シャフト部分1222を遠位方向に前進させて、ナイフバー1910を前進させ、チャネル1310内に位置するステープルカートリッジ4000を発射することができる。ナイフバー1910は、ブレード又は組織切断縁部1922を含むナイフ部分1920を含み、上部アンビル係合タブ1924及び下部チャネル係合タブ1926を含む。様々な発射部材の構成及び動作は、参照により本明細書に組み込まれる様々な他の参考文献に開示されている。
【0048】
図4で分かるように、シャフトアセンブリ1200は、閉鎖管1260上に回転可能に受け入れられるスイッチドラム1500を更に含む。スイッチドラム1500は、中空のシャフトセグメント1502を備え、シャフトセグメント1502の内部には、外側に突出している作動ピンを受容するためのシャフトボスが形成されている。様々な状況下で、作動ピンは、スロットを通ってロックスリーブ内に設けられた長手方向スロット内へ延在することで、ロックスリーブが関節運動駆動部と係合されている場合には、ロックスリーブの軸線方向移動を助ける。回転ねじりばね1420は、スイッチドラム1500上のボス及びノズルハウジング1203の一部分に係合して、付勢力をスイッチドラム1500に加えるように構成されている。スイッチドラム1500は、その中に画定された少なくとも部分的に円周状の開口部1506を更に備えることができ、その開口部は、ノズル半体1202、1203から延在する円周状のマウントを受容し、スイッチドラム1500と近位ノズル1201との間の相対回転は許容するが並進は許容しないように構成され得る。マウントはまた、近位閉鎖管セグメント3010の開口部3011を通って延在して、スパインシャフト1210の陥凹部1219に収まる。スイッチドラム1500がシャフト軸線SAを中心として回転すると、最終的に、作動ピン及びロックスリーブが、その係合位置と係合解除位置との間で回転する。一構成では、スイッチドラム1500の回転は、閉鎖管又は閉鎖部材の軸線方向の前進に連動されてもよい。したがって、本質的に、閉鎖システムの作動は、それぞれの開示全体が本明細書に参照により組み込まれる米国特許出願第13/803,086号、及び米国特許第9,913,642号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」に更に詳細に記載される様々な方法で、発射駆動システムと関節駆動システムを動作可能に係合及び係合解除し得る。例えば、閉鎖管が「顎部開放」位置に対応する最近位位置にあるとき、閉鎖管セグメント3010は、関節運動システムを発射駆動システムとリンクさせるように、スイッチドラム1500を配置している。閉鎖管が「顎部閉鎖」位置に対応する遠位位置に移動したとき、閉鎖管は、スイッチドラム1500を、関節運動システムが発射駆動システムからリンク解除される位置まで回転させている。
【0049】
図4にも示されるように、シャフトアセンブリ1200は、例えば、エンドエフェクタ1300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ1300との間で信号を通信するように構成することができる、スリップリングアセンブリ1600を備えることができる。スリップリングアセンブリ1600は、シャーシ1240から延在するシャーシフランジ1242に装着される近位コネクタフランジ1604と、シャフトハウジング内に画定されたスロット内に位置づけられる遠位コネクタフランジとを備えることができる。近位コネクタフランジ1604は第1の面を備えることができ、遠位コネクタフランジは、第1の面に隣接して位置づけられ、かつ第1の面に対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位コネクタフランジは、シャフト軸線SAを中心として、近位コネクタフランジ1604に対して回転することができる。近位コネクタフランジ1604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体を備えることができる。コネクタをコネクタフランジの近位部に装着することができ、そのコネクタは複数の接点を有してもよく、それぞれの接点は、導体の1つに対応し、それと電気的に接触する。かかる構成により、近位コネクタフランジ1604と遠位コネクタフランジとが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ1604は、例えば、シャフトシャーシ1240に装着されたシャフト回路基板1610と信号連通するように導体を配置可能な、電気コネクタ1606を含むことができる。少なくとも1つの例では、複数の導体を備える配線ハーネスが、電気コネクタ1606とシャフト回路基板1610との間に延在することができる。電気コネクタ1606は、シャーシ装着フランジ1242に画定されたコネクタ開口部1243を通って近位方向に延在してもよい。
図4を参照されたい。スリップリングアセンブリ1600に関する更なる詳細は、例えば、米国特許出願第13/803,086号、2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、及び米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」に見出すことができる。米国特許出願第13/803,086号、同第13/800,067号、及び米国特許第9,345,481号は、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
上述したように、シャフトアセンブリ1200は、ハンドル1014に固定可能に装着される近位部分と、長手方向軸線を中心にして回転可能な遠位部分とを含むことができる。回転可能な遠位シャフト部分は、上述したように、スリップリングアセンブリ1600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリングアセンブリ1600の遠位コネクタフランジは、回転可能な遠位シャフト部分内に位置づけることができる。また、上記に加えて、スイッチドラム1500も、回転可能な遠位シャフト部分内に位置づけることができる。回転可能な遠位シャフト部分を回転させると、遠位コネクタフランジ及びスイッチドラム1500を互いに同期させて回転させることができる。加えて、スイッチドラム1500を、遠位コネクタフランジに対して第1の位置と第2の位置との間で回転させることができる。スイッチドラム1500がその第1の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムから動作可能に係合解除されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によって、シャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300を関節運動させることができない。スイッチドラム1500がその第2の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムと動作可能に係合されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によってシャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300を関節運動させることができる。スイッチドラム1500をその第1の位置とその第2の位置との間で移動させると、スイッチドラム1500は、遠位コネクタフランジに対して移動させられる。様々な例において、シャフトアセンブリ1200は、スイッチドラム1500の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。
【0051】
再び
図4を参照すると、シャーシ1240は、シャーシ1240上に形成された、少なくとも1つ、好ましくは2つの先細の取り付け部分1244を含み、その取り付け部分1244は、フレーム1020の遠位取り付けフランジ部分1700内に形成された対応するダブテールスロット1702に受容されるように適合されている。
図3を参照されたい。各ダブテールスロット1702は、取り付け部分1244を中に着座させて受け入れるように先細であってもよく、あるいは言い換えれば、ある程度V字形であってもよい。
図22に更に見ることができるように、シャフト取り付けラグ1226が、中間発射シャフト1222の近位端上に形成される。更に詳細に後述するように、交換式シャフトアセンブリ1200がハンドル1014に連結されると、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1120の遠位端1125に形成された発射シャフト取り付けクレードル1126に受け入れられる。
図3を参照されたい。
【0052】
様々なシャフトアセンブリの実施形態は、シャフトアセンブリ1200を、ハウジング1012に、より具体的にはフレーム1020に取り外し可能に連結するために、ラッチシステム1710を用いる。
図4で分かるように、例えば、少なくとも1つの形態では、ラッチシステム1710は、シャーシ1240に対して移動可能に連結されているロック部材又はロックヨーク1712を含む。図示される実施形態では、例えば、ロックヨーク1712は、2つの離間した下方に延びる脚部1714を有するU字形状を有している。脚部1714にはそれぞれ枢動ラグ1715が形成され、枢動ラグ1715は、シャーシ1240に形成されたそれぞれ対応する穴1245内に受容されるように適合されている。かかる機構により、ロックヨーク1712をシャーシ1240に枢動可能に取り付けるのが容易になる。ロックヨーク1712は、2つの近位に突出しているロックラグ1716を含みうるが、それらのロックラグ1716は、フレーム1020の遠位取り付けフランジ1700の対応するロック戻り止め又は溝1704と解除可能に係合するように構成されている。
図3を参照されたい。様々な形態では、ロックヨーク1712は、ばね又は付勢部材(図示せず)によって近位方向に付勢される。ロックヨーク1712の作動は、シャーシ1240に装着されたラッチアクチュエータアセンブリ1720上に摺動可能に装着される、ラッチボタン1722によって遂行されてもよい。ラッチボタン1722を、ロックヨーク1712に対して近位方向に付勢することができる。更に詳細に後述するように、ロックヨーク1712は、ラッチボタンを遠位方向に付勢することによってロック解除位置へと移動させられてもよく、そうすることによって、ロックヨーク1712は枢動し、フレーム1020の遠位取り付けフランジ1700との保持係合から外れることになる。ロックヨーク1712がフレーム1020の遠位取り付けフランジ1700と「保持係合」しているとき、ロックラグ1716は、遠位取り付けフランジ1700の対応するロック戻り止め又は溝1704内に保持されて着座している。
【0053】
組織を切断し締結するように適合された本明細書に記載されるタイプのエンドエフェクタ、並びに他のタイプのエンドエフェクタを含む、交換式シャフトアセンブリを用いる場合、エンドエフェクタの作動中に交換式シャフトアセンブリがハウジングから不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。例えば、使用の際に、臨床医が閉鎖トリガ1032を作動させて標的組織を把持し、所望の位置へと操作することがある。標的組織がエンドエフェクタ1300内に所望の向きで位置づけられると、臨床医は、次に、閉鎖トリガ1032を完全に作動させてアンビル1306を閉鎖し、標的組織を切断及びステープル留めのために適所にクランプしてもよい。その場合、第1の駆動システム1030は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ1300にクランプされた後、シャフトアセンブリ1200がハウジング1012から不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。ラッチシステム1710の1つの形態は、かかる不用意な分離を防止するように構成されている。
【0054】
図4で最も具体的に分かるように、ロックヨーク1712は、少なくとも1つの、好ましくは2つのロックフック1718を含み、そのロックフック1718は、閉鎖シャトル1250上に形成された対応するロックラグ部分1256に接触するように適合されている。閉鎖シャトル1250が非作動位置にある(すなわち、第1の駆動システム1030が非作動で、アンビル1306が開放されている)とき、ロックヨーク1712を遠位方向に枢動させて、交換式シャフトアセンブリ1200をハウジング1012からロック解除してもよい。その位置では、ロックフック1718は、閉鎖シャトル1250のロック突起部分1256と接触していない。しかしながら、閉鎖シャトル1250を作動位置へと移動させる(すなわち、第1の駆動システム1030が作動され、アンビル1306が閉鎖位置にある)と、ロックヨーク1712がロック解除位置へと枢動することが防止される。換言すれば、臨床医がロックヨーク1712をロック解除位置へと枢動させようとした場合、又は例えば、ロックヨーク1712に何かが意図せず突き当たるか又は接触し、下記のような機構がなければロックヨーク1712を遠位方向に枢動させてしまいかねないような場合にも、ロックヨーク1712上のロックフック1718が閉鎖シャトル1250上のロックラグ1256に接触し、ロックヨーク1712がロック解除位置へと移動することを防ぐ。
【0055】
以下に、ハンドル1014に対する交換式シャフトアセンブリ1200の取り付けについて記載する。連結プロセスを開始するために、臨床医は、交換式シャフトアセンブリ1200のシャーシ1240をフレーム1020の遠位取り付けフランジ1700の上方に、又はそれに隣接して位置づけて、シャーシ1240上に形成された先細取り付け部分1244がフレーム1020のダブテールスロット1702と整列されるようにしてもよい。臨床医は次いで、シャフトアセンブリ1200を、シャフト軸線SAに垂直な取り付け軸線に沿って移動させて、取り付け部分1244を対応するダブテール受け入れスロット1702と「動作可能に係合」させて着座させてもよい。その際、中間発射シャフト1222上のシャフト取り付けラグ1226もまた、長手方向に移動可能な駆動部材1120のクレードル1126に着座し、第2の閉鎖リンク1038上にあるピン1037の部分が、閉鎖ヨーク1250の対応するフック1252に着座する。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動動作をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は手順を実施し得ることを意味する。
【0056】
交換式シャフトアセンブリ1200の少なくとも5つのシステムを、ハンドル1014の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に連結することができる。第1のシステムは、シャフトアセンブリ1200のフレーム又はスパインをハンドル1014のフレーム1020と連結及び/又は位置合わせするフレームシステムを備えることができる。別のシステムは、閉鎖駆動システム1030を備えることができ、閉鎖駆動システム1030は、ハンドル1014の閉鎖トリガ1032と、閉鎖管1260と、シャフトアセンブリ1200のアンビル2000とを動作可能に接続することができる。上で概説したように、シャフトアセンブリ1200の閉鎖管取り付けヨーク1250を、第2の閉鎖リンク1038のピン1037と係合させることができる。別のシステムは、発射駆動システム1080を備えることができ、その閉鎖駆動システム1080は、ハンドル1014の発射トリガ1130をシャフトアセンブリ1200の中間発射シャフト1222と動作可能に接続することができる。上で概説したように、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1120のクレードル1126と動作可能に接続されることができる。別のシステムは、例えばシャフトアセンブリ1200などのシャフトアセンブリが、ハンドル1014と動作可能に係合されていることを、例えばマイクロコントローラなど、ハンドル1014内のコントローラに信号伝達することができ、かつ/又は第2に、電力及び/若しくは通信信号をシャフトアセンブリ1200とハンドル1014との間で伝導することができる、電気システムを含むことができる。一例として、シャフトアセンブリ1200は、シャフト回路基板1610に動作可能に装着される電気コネクタ1810を含むことができる。電気コネクタ1810は、ハンドル制御基板1100上の対応する電気コネクタ1800と形状一致して係合するように構成されている。回路類及び制御システムに関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号、及び同第14/226,142号に見出すことができるが、それらの各々の開示内容全体は、参照により本明細書に既に組み込まれている。第5のシステムは、シャフトアセンブリ1200をハンドル1014に解除可能にロックするラッチングシステムからなっていてもよい。
【0057】
ここで
図5~
図7を参照すると、図示される例におけるアンビル2000は、アンビル取り付け部分2010で終端するアンビル本体2002を含んでいる。アンビル取り付け部分2010は、細長いチャネル1310上に移動可能又は枢動可能に支持されて、シャフト軸線SAを横断している、固定されたアンビル枢動軸線PAを中心に、細長いチャネル1310に対して選択的に枢動移動可能である。図示される構成では、枢動部材又はアンビルトラニオン2012は、アンビル取り付け部分2010の各横側面から横方向に延びて、細長いチャネル1310の近位端部分1312の直立壁1315に形成された対応するトラニオンクレードル1316内に受容される。アンビルトラニオン2012は、チャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290により、対応するトラニオンクレードル1316内で枢動可能に保持される。チャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290は、一対の取り付けラグを有し、その一対の取り付けラグは、細長いチャネル1310の近位端部分1312の直立壁1315に形成された対応するラグ溝又はノッチ内に受容され保持されるように構成されている。
【0058】
図7、
図8、及び
図9を参照すると、少なくとも一構成では、遠位閉鎖部材又はエンドエフェクタ閉鎖管3050は、2つの軸線方向にオフセットされた近位及び遠位の正の顎部開放機構3060及び3062を使用する。
図7では、近位の正の顎部開放機構2060は、シャフト軸線SAの右側(ツールアセンブリのユーザーから見て)位置づけられている。正の顎部開放機構3060、3062は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2017年6月28日出願の、米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」で更に詳細に説明されるように、対応する解放領域3064、3066と、かつアンビル取り付け部分2010上に形成された段差部分と相互作用するように構成されている。他の顎部開放構成を使用してもよい。
【0059】
図6及び
図7は、アンビル2000の一形態を示し、そのアンビル2000は、エンドエフェクタ閉鎖スリーブ3050と相互作用するように構成された取り付け部分2010で終端する細長いアンビル本体部分2002を含む。アンビル2000が完全開放位置から閉鎖位置へと移動し、最終的には過剰閉鎖位置に移動する際に、その結果として生じる、エンドエフェクタ閉鎖管3050が受ける力の量が最小化される。アンビル本体部分2002は、ステープル成形下面2004を含み、ステープル成形下面2004は、自らの中に形成された一連のアンビル形成ポケット(図示せず)を有する。細長いスロット2006が、本体部分2002及び取り付け部分2010を通って延在し、ナイフ部分又は「発射部材」1920が通過するのを容易にする。加えて、アンビルカバー2030が、スロット2006を被覆するようにアンビル本体2002に取り付けられる。様々な状況において、アンビル取り付け部分2010は、その上に形成されたアンビルカム表面2020を備える。アンビルカム表面2020は、細長いスロット2006によって二分されるか、ないしは別の方法で分割される。
図6及び
図7に見られるように、アンビルカバー2030の近位端部分2032は、アンビルカム表面2020の角度/向きに対応する角度で配向されている。
図10及び
図11は、完全開放位置にあるアンビル2000を示している。
図10に見られるように、「第2の顎部」又はアンビル2000がその完全開放位置にあるとき、遠位又はエンドエフェクタ閉鎖管3050は、その最も近位の位置にある。その位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3070上に形成されたカム表面3072は、カム閉鎖面2020にいかなる閉鎖力も加えない。エンドエフェクタ閉鎖管3050が遠位方向に移動されると、エンドエフェクタ閉鎖管3050上のカム表面3072は、アンビル取り付け部分2010上のカム閉鎖面2020及びアンビルカバー2030の近位端部分2032上の対応する閉鎖表面2034と接触し、アンビル2000を「閉鎖」位置へと枢動させる。
図12及び
図13は、アンビル2000が閉鎖位置にある場合の、エンドエフェクタ閉鎖管3050とアンビル2000との位置を示している。
【0060】
エンドエフェクタ閉鎖管3050が遠位方向に前進し続けて、アンビルに更なる閉鎖動作を加えて、最終的にアンビルを「過剰閉鎖」位置に移動させるにつれて、エンドエフェクタ閉鎖管には、相当の大きさの応力がかかり、その応力は時間が経過するとともに、エンドエフェクタ閉鎖管を垂直に伸長させ(一端から見たとき)、又は別の言い方をすれば、エンドエフェクタ閉鎖管の形状が、最終的に不具合につながり得るか、又は完全閉鎖位置に到達する能力を最終的に毀損する可能性のある幾分楕円形になる。薄壁の管又は円筒が内圧を受けると、チューブの壁に「フープ状」及び長手方向の応力が発生することは、自明である。このフープ応力は、円筒壁の軸線及び半径に対して円周方向及び垂直に作用する。かかるフープ応力は、以下のように計算され得る。
σh=pd/(2t)であり、式中、
σh=フープ応力(MPa、psi)
p=管又はシリンダ内の内圧(MPa、psi)
d=管又はシリンダの内径(mm,in)
t=管又はシリンダ壁厚(mm,in)
様々な管壁構成を有するエンドエフェクタ閉鎖管が開発されてきた。そのような管構成は、参照により開示全体が本明細書に組み込まれる、2016年12月21日に出願された米国特許出願第15/385,903号、発明の名称「CLOSURE MEMBER ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」に、開示されている。
【0061】
図8及び
図9は、エンドエフェクタ閉鎖管3050の一形態を示す。閉鎖管3050は、外側表面3074及び内壁表面3076を備える。少なくとも1つの形態では、閉鎖管3050は、一定の内径IDと一定の外径ODとを有する。その内径IDと外径ODとによって画定される壁厚CTは、閉鎖管3050の長さ全体にわたって均一又は一定であるか、あるいは、閉鎖管3050のうちの少なくとも、アンビル2000及び細長いチャネル1310のようなエンドエフェクタの顎部と接点をなすように構成されている部分にわたって均一又は一定である。
【0062】
ここで
図12を再び参照すると、少なくとも1つの構成では、アンビル2000が「閉鎖位置」にある場合、アンビル2000とカートリッジとの間に組織がクランプされていないときには細長いチャネル1310内に支持されるカートリッジのカートリッジデッキ表面と、アンビル本体2002のステープル成形下面2004との間に、クリアランス距離「CD」が観察され得る。
図13は、閉鎖カム表面2020を横切って、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端部分を通り、かつアンビル取り付け部分2020と細長いチャネル1310の近位端部分とを通る、
図12の線13-13に沿って取られた断面図である。この図で分かるように、エンドエフェクタ閉鎖管3050によって、アンビル2000及び細長いチャネル1310に様々な閉鎖力CFが印加される。例えば、閉鎖力CFは、閉鎖カム表面2020とアンビルキャップ2030の近位端部分2032と、細長いチャネル1310とに印加される。
【0063】
図6~
図15に示す例では、アンビル取り付け部分2020は、複数の、個々の負荷伝達位置を設置するように形成され、これらの負荷伝達位置は、エンドエフェクタ閉鎖管3050がアンビル2000の閉鎖位置に対応する位置にあるときに、エンドエフェクタ閉鎖管3050の内側表面3076によって接触されるように構成されている。少なくとも1つの構成において、少なくとも2つの個々の負荷伝達位置が、アンビル2000が閉鎖位置にあるときにアンビル2000を二分する垂直面VPの両側に位置づけられる。例えば、
図13では、第1の右側負荷伝達位置又は縁部2070R、第2の右側負荷伝達位置又は縁部2072R、第3の右側負荷伝達位置又は縁部2074R、及び第4の右側負荷伝達位置又は縁部2076Rが、垂直面VPの右側に形成されている。同様に、第1の左側負荷伝達位置又は縁部2070L、第2の左負荷伝達位置又は縁部2072L、第3の左側負荷伝達位置又は縁部2074L、及び第4の左側負荷伝達位置又は縁部2076Lが、垂直面VPの左側に形成される。この文脈で使用するとき、用語「少なくとも2つの個々の負荷伝達位置」とは、それらの負荷伝達位置が互いに対して、アンビル取り付け部分2010のうちの負荷伝達位置どうしの間に伸びる部分と、エンドエフェクタ閉鎖管3050の内側表面3076との間に、空間又はクリアランスが形成されるように形成されることを意味する。
【0064】
例えば、第1の量のクリアランスCR1が、第1の右側負荷伝達位置2070Rと第2の右側負荷伝達位置2072Rとの間に延在している部分と、エンドエフェクタ閉鎖管3050の内側表面3076との間に形成される。第2の量のクリアランスCR2が、第3の右側負荷伝達位置2072Rと第3の右側負荷伝達位置2074Rとの間に延在している部分と、エンドエフェクタ閉鎖管3050の内面との間に形成される。第3の量のクリアランスCR3が、第3の右側負荷伝達位置2074Rと第4の右側負荷伝達位置2076Rとの間に形成される。第1の量のクリアランスCL1が、第1の左負荷伝達位置2070Lと第2の左側負荷伝達位置2072Lとの間に延在している部分と、エンドエフェクタ閉鎖管の内側表面との間に形成される。第2の量のクリアランスCL2が、第2の左負荷伝達位置2072Lと第3の左側負荷伝達位置2074Lとの間に延在している部分と、エンドエフェクタ閉鎖管の内側表面3076との間に形成される。第3の量のクリアランスCL3が、第3の左負荷伝達位置2074Lと第4左負荷伝達位置2076Lとの間に形成されている。少なくとも1つの構成において、閉鎖カム表面2020及びアンビルキャップ2030の近位部分2032に加えられた閉鎖力CFは、第1の右側負荷伝達位置2070Rと第1の左側負荷伝達位置2070Lとの間で均等に分配され得る。同様に、細長いチャネル1310に適用される閉鎖力CFは、例えば、第4の右側負荷伝達位置2076Rと第4の左側負荷伝達位置2076Lとの間で均等に分配され得る。
【0065】
少なくとも1つの構成では、少なくとも2つの右側負荷伝達位置2070R,2072R及び少なくとも2つの左負荷伝達位置2070L、2072Lは、エンドエフェクタ1300を二分する水平面HPの片側に位置づけられる。
図13に示すように、2つの右側負荷伝達位置2070R、2072Rは、垂直面VPについて、2つの左側負荷伝達位置2070L、2072Lの反対側に位置づけられる。また、少なくとも1つの構成では、第3の右側負荷伝達位置2074R及び第4の右側負荷伝達位置2076Rは、水平面HPについて、第1の右側負荷伝達位置2070R及び第2の右側負荷伝達位置2072Rの反対側に位置づけられる。同様に、第3の左側負荷伝達位置2074L及び第4の左側負荷伝達位置2076Lは、水平面HPについて、第1の左側負荷伝達位置2070L及び第2の左側負荷伝達位置2072Lの反対側に位置づけられる。右側負荷伝達位置2074R、2076Rは、垂直面VPについて、2つの左側負荷伝達位置2074L、2076Lの反対側に位置づけられる。
図6及び
図10に見られるように、負荷伝達位置は、互いに隣接する表面どうしから形成された角部を含むように、波形状又は解放領域2080、2082、2084によって形成され得る。他の負荷伝達位置の形状も想到される。
【0066】
図14及び
図15は、「過剰閉鎖」状態のアンビル2000及びエンドエフェクタ閉鎖管3050を示すが、その「過剰閉鎖」状態とは、アンビル2000が閉鎖位置に到達した後にエンドエフェクタ閉鎖管3050が更に遠位方向に前進するときに形成される状態である。少なくとも1つの例において、アンビル2000の本体部分2002の遠位端部分2003が、細長いチャネル1310で動作可能に支持されたステープルカートリッジのカートリッジデッキと接触しているときに、アンビル2000は過剰閉鎖状態にある。
図14を参照されたい。アンビル2000が閉鎖位置に達した後にエンドエフェクタ閉鎖管3050が引き続き遠位方向への前進することによって、エンドエフェクタ閉鎖管3050内に形成されたフープ応力を大幅に増加させることができ、これにより、エンドエフェクタ閉鎖管は、事実上不具合を起こすか、垂直方向に伸びるかのいずれかを引き起こし、将来の用途で使用されるときに、アンビルが適切に閉鎖されるのに有害な影響を及ぼし得る。
図15に見られるように、第1の右側のクリアランス量CR
1及び第1の左側のクリアランス量CL
1はそれぞれ、水平面HPの共通する側に位置づけられているクリアランス幅CW
1を有してもよい。第2の右側のクリアランス量CR
2、及び第2の左のクリアランス量CL
2はそれぞれ、水平面HPにわたって広がる。換言すれば、第2の右側のクリアランス量CR
2の部分は、水平面HPのそれぞれの側に位置し、第2の左側クリアランス量CL
2の部分は、水平面HPのそれぞれの側に位置づけられている。
【0067】
垂直面のそれぞれの側に位置づけられている少なくとも2つの個々の負荷伝達位置を形成することによって、エンドエフェクタ閉鎖管3050が過剰閉鎖位置へと遠位方向に移動するにつれてエンドエフェクタ閉鎖管3050内に発生する有害なフープ応力の量を、低減することができる。垂直面のそれぞれの側に位置づけられている少なくとも3つの負荷伝達位置を形成することによって、エンドエフェクタ閉鎖管3050が過剰閉鎖位置へと遠位方向に移動するにつれてエンドエフェクタ閉鎖管3050内に発生する有害なフープ応力の量を、更に低減することができる。垂直面のそれぞれの側に位置づけられている少なくとも4つの負荷伝達位置を形成することによって、エンドエフェクタ閉鎖管3050が過剰閉鎖位置に遠位方向に移動する際に、エンドエフェクタ閉鎖管3050内に設けられる有害なフープ応力の量を更に低減することができる。それゆえ上記のような構成は、エンドエフェクタ閉鎖管3050が上述のように一定の壁厚で作製されることを可能にし、これにより、エンドエフェクタ閉鎖管の製造に伴う製造コスト額を低減することができる。
【0068】
図16~
図22は、以下に述べる相違点を除く、上述のアンビル2000と実質的に同一であるアンビル2000’を図示する。
図16に見られるように、アンビル取り付け部分2010’は、いかなる負荷伝達位置によっても中断されない連続的な弓状アンビルカム面2020’を備えて形成される。
図17及び
図18は、その完全開放位置にあるアンビル2000’を示している。
図17に見られるように、「第2の顎部」又はアンビル2000’がその完全開放位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050’は、その最も近位の位置にある。その位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050’は、カム閉鎖面2020’にいかなる閉鎖力も加えない。
【0069】
図23は、以下に記載される相違点を除く、上述のエンドエフェクタ閉鎖管3050と同一であり得るエンドエフェクタ閉鎖管3050’の一形態を示す。エンドエフェクタ閉鎖管3050’は、外側表面3074’と、内壁表面3076’と、を備える。少なくとも1つの形態では、閉鎖管3050’は、一定の壁厚WT
1を有するが、例外として、エンドエフェクタ閉鎖管3050’の上部に位置づけられている壁のセグメントA
sは、WT
1よりも厚い壁厚WT
2を有する。このような構成は、単一の負荷伝達位置2070’を形成する。
【0070】
図19及び
図20は、アンビル2000’が閉鎖位置にある場合の、エンドエフェクタ閉鎖管3050’とアンビル2000’との位置を示している。
図20に見られるように、エンドエフェクタ閉鎖管3050’が遠位方向に移動するにつれて、エンドエフェクタ閉鎖管3050’上の負荷伝達位置2070’は、アンビルキャップ2030の近位部分2032上のカム表面2034と接触する。エンドエフェクタ閉鎖管3050’はまた、細長いチャネル1310の、エンドエフェクタを二分する垂直面VPの両側にある部分のそれぞれと接触する。
図20に示されるように、負荷伝達位置2070’は、垂直面VPの両側それぞれの上のカム表面2020’の上部と接触するように、カム表面2034全体にわたって広がることができる。
図19及び
図20に示される閉鎖位置にあるとき、上記のような構成は、
図20に示されるように、エンドエフェクタ閉鎖管3050’の内側表面3076’の対応する部分と、アンビル取り付け部分2010’のカム表面2020’との間に、空間3077を形成する役割を果たす。空間3077はそれぞれ、負荷伝達位置2070’と、内側表面3076’が細長いチャネル1310に接触する領域とから延在する(空間距離S
D)。したがって、アンビル2000’が閉鎖位置に移動されると、水平面HPの一方の側には、個々の第1の負荷伝達位置2070’が位置づけられており、水平面HPの反対側には、2つの個々の負荷伝達位置2072R’、2072L’が位置している。アンビル2000’が閉鎖位置にあるとき、個々の第1の負荷伝達位置2070’は、空間3077によって、個々の負荷伝達位置2072R’、2072L’のそれぞれから分離される。
図20を参照されたい。
図20でも分かるように、負荷伝達位置2072R’、2072L’は、垂直面VPについて、互いに反対の側に位置づけられている。
【0071】
図21及び
図22は、エンドエフェクタ閉鎖管3050’がアンビル2000’を過剰閉鎖方向に移動させたときの、エンドエフェクタ閉鎖管3050’とアンビル2000’との間の相互関係を示す。
図22に見られるように、過剰閉鎖位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050’はアンビル2000’及び細長いチャネル1310と接触して、空間3079R、3079Lによって、個々の負荷伝達位置2074R’、2074L’から分離された、個々の負荷伝達位置2070’を形成する。個々の負荷伝達位置2074R’は、空間3081Rによって、個々の負荷伝達位置2076R’から分離され、個々の負荷伝達位置2074L’は、空間3081Lによって、個々の負荷伝達位置2076L’から分離される。したがって、この構成では、少なくとも1つの個々の負荷伝達位置(2070’)は、エンドエフェクタを二分する垂直面VPの両側にわたり、少なくとも2つの個々の負荷伝達位置は、エンドエフェクタを二分する水平面HPの両側にわたる。加えて、少なくとも1つの個々の負荷伝達位置が、水平面HPの各側に位置し、少なくとも1つの個々の負荷伝達位置が、垂直面VPの各側に位置づけられている。上記の構成での負荷伝達位置のこのような配置は、エンドエフェクタ閉鎖管3050’の垂直方向の伸びを防止するのに役立ち得る。
【0072】
図24~
図30は、以下に述べる相違点を除く、上述のアダプタ2000と実質的に同一であるアダプタ2000”を示す。
図24に見られるように、アンビル取り付け部分2010”は、弓状のアンビルカム面2020”と、右及び左のノッチ部又は凹部2022”とを備えて形成される。
図24及び
図25は、その完全開放位置にあるアンビル2000”を示している。
図24に見られるように、「第2の顎部」又はアンビル2000”がその完全開放位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050”は、その最も近位の位置にある。その位置にあるとき、エンドエフェクタ閉鎖管3050”は、カム閉鎖面2020”にいかなる閉鎖力も加えない。
図30は、以下に記載される相違点を除く、上述のエンドエフェクタ閉鎖管3050と同一であり得るエンドエフェクタ閉鎖管3050”の一形態を示す。エンドエフェクタ閉鎖管3050”は、外側表面3074”と、内壁表面3076”と、を備える。少なくとも1つの形態では、閉鎖管3050”は、
図30に示されるように配置された、第1の壁厚WT
1、第2の壁厚WT
2、第3の壁厚WT
3、及び第4の壁厚WT
4を有する。少なくとも1つの構成では、例えば、WT
1<WT
2<WT
3≦WT
4である。場合によっては、WT
3>WT
4である。エンドエフェクタ閉鎖管3050”のうち、WT
4に対応する壁厚を有する部分が、負荷伝達位置2070”を形成する。図示された構成では、例えば、負荷伝達位置2070”は、エンドエフェクタ閉鎖管3050”を二分する垂直面VPにわたって広がる。エンドエフェクタ閉鎖管3050”のうち、壁厚WT
3を有する部分は、負荷伝達位置2072R”、2072L”を形成する。
図30に示されるような少なくとも1つの構成では、負荷伝達位置2072R”、2072L”は、エンドエフェクタ閉鎖管3050”を二分する水平面HPの両側にわたって広がる。
【0073】
ここで
図26及び
図27を参照すると、エンドエフェクタ閉鎖管3050”が遠位方向に移動されるにつれて、負荷伝達位置2070”が、アンビルキャップ2030の近位部分2032上のカム表面2034に接触する。負荷伝達位置2072R”、2072L”はまた、アンビル取り付け部分2010”のそれぞれ対応する部分に接触する。また、エンドエフェクタ閉鎖管3050”の部分が、負荷伝達位置2074R”、2074L”を形成し、負荷伝達位置2074R”、2074L”は、細長いチャネル1310の対応する部分に接触してアンビル2000”を、
図26及び
図27に示される閉鎖位置に移動させる。
図26及び
図27に示される閉鎖位置にあるとき、上記のような構成は、
図27に示されるように、エンドエフェクタ閉鎖管3050”の内側表面3076”の対応する部分と、アンビル取り付け部分2010”のカム表面2020”との間に、空間3077”、3079”を形成する役割を果たす。空間3077”は、負荷伝達位置2070”と負荷伝達位置2072R”、2072L”との間に位置づけられている。空間3079”は、
図27に示すように、負荷伝達位置2072R”、2072L”と負荷伝達位置2074R、2074L”との間に位置づけられている。
【0074】
図28及び
図29は、エンドエフェクタ閉鎖管3050”がアンビル2000”を過剰閉鎖方向に移動させたときの、エンドエフェクタ閉鎖管3050’とアンビル2000’との間の相互関係を示す。
図29に見られるように、負荷伝達位置2070”、2072R”、2072L”、2074R”、2074L”に加えて、個々独立の負荷伝達位置2076R”、2076L”が、アンビル取り付け部分2010”上に形成された凹部2022”の縁部によって形成される。このような個々の負荷伝達位置2076R”、2076L”は、対応する空間3081”によって、対応する個々の負荷伝達位置2072R”、2072L”から分離される。上記の様式での個々の負荷伝達位置のこのような配置は、エンドエフェクタ閉鎖管3050”の垂直方向の伸びを防止するのに役立ち得る。
【0075】
本明細書に記載されるタイプ及び構成のエンドエフェクタ1300を使用するとき、臨床医は、第1の顎部及び第2の顎部(アンビル2000及びその中に動作可能に装着された外科用ステープルカートリッジを有する細長いチャネル1310)を操作して、切断及びステープル留めされる組織(「標的組織」)を上記顎部どうしの間に捕捉する。
図5~
図7に見られるように、例えば、外科用ステープルカートリッジ4000は、細長いチャネル1310内で取り外し可能に支持されるように構成されたカートリッジ本体4010を備える。カートリッジ本体4010は、細長いカートリッジスロット4016を含み、細長いカートリッジスロット4016は、カートリッジ本体4010を通って近位端4012から遠位端4014まで延在し、ナイフ部材又は発射部材1920がそれを通ることを可能にする。カートリッジ本体4010は、細長いスロット4016の両側のそれぞれに、カートリッジデッキ表面4020を更に画定する。複数のステープルキャビティ4022が、細長いスロット4016の両側それぞれで、カートリッジ本体4010内に設けられる。各キャビティ4022は、デッキ表面4020を通って開口し、外科用ステープル(複数可)をその中に取り外し可能に支持する。少なくとも1つのカートリッジ構成では、細長いスロット4016の両側それぞれに、3列のステープルキャビティ4022が設けられている。上記の列は、中心列内のステープルが、2列の隣接する外側列内のステープルに対して互い違いになるように形成される。ステープルは、各ステープルキャビティ内に移動可能に支持されるステープルドライバ上に支持される。少なくとも一部の構成において、ステープルドライバは、例えば、ナイフ部材1920と関連付けられたカム部材又はカム部分によって接触されると、上方に向けて接触されるか、又は「発射」されるように配置されている。一部の構成では、楔形スレッド又はカムスレッドが、カートリッジ本体内で移動可能に支持され、ナイフ部材1920がカートリッジ本体4010の近位端部分4012から遠位端部分4014までカートリッジを通って軸線方向に展開されるにつれて、カートリッジ本体を通って軸線方向に変位されるように適合されている。楔形スレッドは、ステープルキャビティ内に支持されたステープルドライバを連続的に展開するように、ステープルキャビティの各列に関連付けられたカム部材又は楔部材を含む。カムがステープルドライバに接触すると、ドライバは、ステープルキャビティ内で上方に駆動され、自らの上に支持されている1つ又は複数のステープルを、ステープルキャビティからクランプされた組織を通して打ち出し、アンビルのステープル成形下面との成形接触を実現する。楔形スレッド又はカム部材は、ナイフ又は発射部材1920のナイフ又は組織切断縁部の遠位に位置づけられ、組織が組織切断縁部によって切断される前にステープル留めされるようになっている。
【0076】
臨床医が最初に標的組織をアンビルとステープルカートリッジとの間に配置するとき、標的組織がまずステープル留めされるまでは、ナイフが標的組織に切り込まないように位置づけられることが重要である。従来のアンビル配置においては、組織止めがアンビル本体の近位端上に提供されて、標的組織がステープルカートリッジ内で最も近位にあるステープルポケットを越えて近位方向に移動することを防止する。そのような組織止めにより、エンドエフェクタ閉鎖管の遠位端に直面又は対向する、切り立った形状の近位端を形成する。閉鎖管が遠位方向に移動してアンビルを閉鎖すると、アンビルとカートリッジとの間から外側に延在している組織は、時折、組織止めの近位端とエンドエフェクタ閉鎖管の遠位端との間に、望ましくない形で動けないように留められたり又は挟持されたりすることになる。以下に開示される実施例は、本明細書に記載される様々なやり方で、アンビルが閉鎖位置及び過剰閉鎖位置に移動されるとき、組織が組織止めとエンドエフェクタ閉鎖管との間に挟まれる可能性を最小限に抑えるように構成される。
【0077】
図7を参照すると、例えば、ステープルカートリッジ4000は、細長いスロット4016の各側部上のカートリッジ本体4010内に位置づけられたステープルキャビティ4022の列内に位置づけられた、最も近位にあるステープルキャビティ4022Pのそれぞれに取り外し可能に支持又は格納されたステープル(図示せず)を含む。
【0078】
様々な状況において、標的組織が最も近位にあるステープルキャビティ4022P内のステープルの近位にクランプされることを防止するために、アンビル2000は、アンビル本体の各側のステープル成形下面を越えて下方に突出している2つの組織止め部材2040を含む。アンビルが閉鎖位置又は過剰閉鎖位置にあるとき、組織止め部材2040のそれぞれは、カートリッジ本体4010の各側において下向きに突出する。
図7は、解放位置にあるアンビルアセンブリ2000を示す。その図に見られるように、組織止め2040のそれぞれは、カートリッジデッキ表面の下方にまで延在して、標的組織が、最も近位にあるステープルキャビティ4022P内のステープルを越えて近位に延在するのを防止する。図に7、
図31、及び
図32見られるように、少なくとも1つの構成において、組織止め2040はアンビル本体部分2002と一体的に形成される。アンビル本体部分2002及び組織止め2040の近位端は、アンビル取り付け部分2010上に形成された対応するカム面2020のわずかに上方にまで延在する。図示された例では、組織止め2040の近位端は、上部近位端部分2042、下側近位端部分2043、及び底部近位端部分2044に区分される。
図31及び
図32を参照されたい。
図31及び
図32にも見られるように、傾斜面又は面取り表面2045が、アンビル取り付け部分上の上部近位端部分2042とカム面2020との間に形成される。傾斜面又は面取り表面2046は、下部近位端部分2043とカム面2020との間に形成され、傾斜面又は面取り表面2047は、底部近位端部分2044とカム面2020との間に形成される。波形状又は解放領域2080、2082、2084がアンビル取り付け部分2010内に形成されている上図に示された構成では、面取り表面2045は、解放領域2080に対応する。
図33を参照されたい。下部近位端部分2043及び付随する面取り部2046は、解放領域2082及び底部近位端部分2044に対応し、付随する面取り部2047は、解放領域2084に対応する。
【0079】
上述のように、アンビル2000は、軸線方向に移動可能なエンドエフェクタ閉鎖管3050によって完全開放位置から閉鎖位置へ、更には過剰閉鎖位置へと移動される。
図31及び
図33は、アンビル2000が閉鎖位置にあるときの、組織止め2040に対するエンドエフェクタ閉鎖管3050の位置を示す。
図33に見られるように、上部近位端部分2042及び付随する面取り部2045は、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051のうちの対応する部分にほぼ平行である。組織が組織止め2040とエンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051との間に意図せず挟まれる可能性を低減するために、組織止め2040の下部近位端部分2043及び底部近位端部分2044と、対応する面取り部2046及び2047とは、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051からは離れるように曲がっている。この構成は、隣接する組織に遭遇する可能性が最も高い、組織止めの部分とエンドエフェクタ閉鎖管との間の距離を増加させる実用的な効果を有する。
【0080】
図33は、アンビル2000が閉鎖位置にある、
図31に示されるエンドエフェクタの一部分の拡大図である。その位置にあるとき、各組織止め2040の上部近位端部分2042は、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051から、第1の組織距離TD
1に位置づけられる。各組織止め2040の底部近位端部分2044は、エンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051から、第2の組織距離TD
2離れて位置づけられる。この図で分かるように、TD
2>TD
1である。
図32及び
図34は、過剰閉鎖位置にあるアンビル2000を示している。各組織止め2040の上部近位端部分2042とエンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051との間の第1の組織距離TD
1’は、各組織止め2040の底部近位端部分2044とエンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051との間の第2の組織距離TD
2’よりもわずかに小さいが、これは依然として、それらの間に組織が挟み込まれる可能性を低減する。少なくとも1つの例では、TD
2及び/又はTD
2’は、1000分の10インチ程度~約1000分の25インチ程度であり得る。しかしながら、他の隙間間隔が実現されてもよい。また、面取りされた表面2045、2046、及び2047を含めることは、アンビル200が閉鎖位置に更に過剰閉鎖位置に移動されるときに、組織止め2040とエンドエフェクタ閉鎖管3050の遠位端3051との間に組織を挟み込んでしまう可能性を低減するのに役立ち得る。当業者であれば、上述の組織止め構成はまた、他の形態のエンドエフェクタ閉鎖管及び閉鎖部材構成とともにも機能するということを理解するであろう。
【0081】
図35~
図38は、組織止め5040に関する相違点を除く、上記のアンビル2000と同一である、アンビルの別の実施形態5000を示す。組織止め5040は、各組織止めの近位端部分5042、5043、5044、及び付随する面取り表面5045、5046、5047がエンドエフェクタ閉鎖管5030の遠位端5031にほぼ平行であることを除く、組織止め2040と同一であり得る。エンドエフェクタ閉鎖管5050は、以下で説明する相違点を除く、上記のエンドエフェクタ閉鎖管3050と同一であってもよい。
図35及び
図36は、閉鎖位置にあるアンビル5000を示している。この構成では、この構成でなければ組織を挟み込む可能性の高い領域が、エンドエフェクタ閉鎖管5050の底部近位端部分5044の縁部及び遠位端5031の対面部分である。そのような可能性を減らしかつ最小化するために、解放領域5060が、エンドエフェクタ閉鎖管5030の遠位端5031に形成されるが、これは組織止め5040のそれぞれの底部近位端5044と対面するか、換言すると反対側にあるものである。図示した例では、各解放領域5060は、エンドエフェクタ閉鎖管5030の遠位端5031のうちの、各組織止め5040の底部近位端部分5044に対応する部分に形成された、弓状ノッチ5062を備える。図示された構成では、例えば、組織止め5040のそれぞれの底部近位端部分5044は、下部角部5070で終端し、エンドエフェクタ閉鎖管5050がアンビル5000の閉鎖位置に対応する位置にあるときに、頂部又は底部5064が底部角部5070の真向いに存在する。しかしながら、他のノッチ形状が採用されてもよい。
【0082】
図36は、アンビル5000が閉鎖位置にある、
図35に示されるエンドエフェクタの一部分の拡大図である。その位置にあるとき、各組織止め5040の上部近位端部分5042、下部近位端部分5043、及び底部近位端部分5044は、エンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端3051から、第1の組織距離TD
1離れて位置づけられる。各組織止め5040の底部近位端部分5044は、エンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端5051内のノッチ5062の頂点又は底部5064から、第2の組織距離TD
2離れて位置づけられる。この図で分かるように、TD
2>TD
1である。
図37及び
図38は、過剰閉鎖位置にあるアンビル5000を示している。各組織止め5040の底部近位端部分5044とエンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端5051と間の第1の組織距離TD
1’は、依然として、各組織止め2040の底部近位端部分5044とエンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端5051内の対応するノッチ5062の頂点5064との間の第2の組織距離TD
2’よりも小さいが、これは依然として、それらの間に組織が挟み込まれる可能性を低減する。また、面取りされた表面5045、5046及び5047を含めることは、アンビル5000が閉鎖位置に更に過剰閉鎖位置に移動されるときに、組織止め5040とエンドエフェクタ閉鎖管5050の遠位端5051との間に組織を挟み込んでしまう可能性を低減するのに役立ち得る。当業者であれば、上述の組織止め構成はまた、他の形態のエンドエフェクタ閉鎖管及び閉鎖部材構成とともにも機能するということを理解するであろう。
【0083】
図39は、細長いチャネル1310内で取り外し可能に支持されるように構成されたカートリッジ本体4010を含む、従来の外科用ステープルカートリッジ4000を示す。カートリッジ本体4010は、細長いカートリッジスロット4016を含み、細長いカートリッジスロット4016は、カートリッジ本体4010を通って近位端4012から遠位端4014まで延在し、ナイフ部材又は発射部材1920(
図5参照)がそれを通ることを可能にする。カートリッジ本体4010は、細長いスロット4016の両側のそれぞれに、カートリッジデッキ表面4020を更に画定する。
図39を参照されたい。複数のステープルキャビティ4022が、細長いスロット4016の両側それぞれで、カートリッジ本体4010内に設けられる。各キャビティ4022は、デッキ表面4020を通って開口し、外科用ステープル(複数可)をその中に取り外し可能に支持する。少なくとも1つのカートリッジ構成では、細長いスロット4016の両側それぞれに、3列のステープルキャビティ4022が設けられている。図示した例では、上記の列は、中心列内のステープルが、2列の隣接する外側列内のステープルに対して互い違いになるように形成される。ステープルは、各ステープルキャビティ内に移動可能に支持されるステープルドライバ上に支持される。少なくとも一部の構成において、ステープルドライバは、例えば、ナイフ部材1920と関連付けられたカム部材又はカム部分によって接触されると、上方に向けて接触されるか、又は「発射」されるように配置されている。一部の構成では、「楔形」スレッド又はカムスレッドが、カートリッジ本体4010内で移動可能に支持され、ナイフ部材1920がカートリッジ本体4010の近位端部分4012から遠位端部分4014までカートリッジを通って軸線方向に展開されるにつれて、カートリッジ本体4010を通って軸線方向に変位されるように適合されている。楔形スレッドは、ステープルキャビティ内に支持されたステープルドライバを連続的に展開するように、ステープルキャビティの各列に関連付けられたカム部材又は「楔部材」を含む。対応する楔部材又はカムがステープルドライバに接触すると、ドライバは、ステープル内で上方に駆動され、それによって自らの上に支持されている1つ又は複数のステープルを、ステープルキャビティからクランプされた組織を通して打ち出し、エンドエフェクタの対面するアンビルの、ステープル成形下面との成形接触を実現する。楔形スレッド又はカム部材は、ナイフ又は発射部材1920のナイフ又は組織切断縁部の遠位に位置づけられ、組織が、ナイフ又は発射部材上の組織切断縁部によって切断される前にステープル留めされるようになっている。
【0084】
ステープル列内のステープルの配置及び/又は幾何形状の変形は、ステープル列の可撓性及び密封特性に影響を与えることがある。例えば、直線状に整列されたステープルで構成されるステープル列は、ステープル列が直線状のステープルどうしの間で曲がったり伸びたりすることができるため、限定的な量の可撓性又は伸張性を与えることができる。その結果、ステープル列のうち限定された部分(例えば、ステープルどうしの間の部分)が可撓性を有することになる。角度を付けられて配向されたステープルで構成されるステープル列も、ステープル間で曲がったり伸びたりすることができる。しかし、角度を付けられて配向されたステープルは、回転することもでき、ステープル列内で更なる伸長性を与える。角度を付けられて配向されたステープルで構成されるステープル列は、例えば、60%を超えて伸長可能であり得る。特定の場合には、角度を付けられて配向されたステープルで構成されるステープル列は、例えば、少なくとも25%又は少なくとも50%伸長することができる。ステープルの配置は、例えば、ステープルの相対的な配置と、ステープル間の空間を含む。ステープルの幾何形状は、例えば、ステープルの大きさ及び形状を含む。ステープル列の可撓性及び密封特性は、ステープルの配置及び/又は幾何形状に基づき、長手方向及び/又は横方向の位置で変わり得る。特定の場合には、ステープル列に沿った1つ以上の位置で、ステープル列の可撓性及び/又は密封特性を変えることが望ましい。例えば、ステープル列又はその一部の可撓性を最大化することが望ましい場合がある。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル列又はその一部の柔軟性を最小化することが望ましい場合がある。ステープル列又はその一部の密封特性を最大化することが望ましい場合もある。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル列又はその一部の密封特性を最小にすることが望ましい場合がある。
【0085】
ステープルカートリッジ内のステープルキャビティの配置は、ステープルカートリッジによって作られるステープル列内のステープルの配置に対応する。例えば、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティの空間及び相対的な配向は、ステープルカートリッジによって作られるステープル列内のステープルの空間及び相対的な配向に対応する。種々の場合に、ステープルカートリッジは、得られるステープル列の可撓性及び/又は密封特性を最適化するように選択され、かつ/又は設計されたステープルキャビティの配置を含んでもよい。外科医は、例えば、行われる外科手技及び/又はその手技中に治療される組織の特性に基づき、特定の配置のステープルキャビティを有するステープルカートリッジを選択してもよい。
【0086】
特定の場合には、異なるステープルパターンを有するステープル列を作ることが望ましい場合がある。ステープル列は、その第1の部分のためのステープルの第1のパターンと、その第2の部分のためのステープルの第2のパターンとを有していてもよい。第1のパターンと第2のパターンは、長手方向にずれていてもよい。例えば、第1のパターンは、ステープル列の近位端又は遠位端に位置づけられてもよい。他の場合には、第1のパターンと第2のパターンは、横方向にずれていてもよく、更に他の場合には、第1のパターンと第2のパターンは、横方向にずれており、かつ、長手方向にずれていてもよい。ステープル列は、少なくとも2つの異なるステープルパターンを含んでいてもよい。
【0087】
特定の場合には、ステープル列内の大部分のステープルは、主パターンを形成してもよく、ステープル列内の他のステープルは、1つ以上の副パターンを形成してもよい。主パターンは、ステープル列のかなりの部分に広がっていてもよく、長手方向に繰り返すサブパターンを含んでいてもよい。特定の場合には、副パターン(又は不規則性)は、主パターンから逸脱していてもよい。副パターンは、例えば、ステープル列の長さ方向に沿った1つ以上の位置で変則的であってもよい。ステープル列内の異なるパターンは、あらかじめ定められた位置で異なる特性を生じるように構成されてもよい。例えば、主パターンは、非常に可撓性又は弾性のパターンであってもよく、ステープル留めされた組織の伸長による伸びを可能にし、副パターンは、それよりも可撓性が低くてもよく、又は弾性が低くてもよい。例えば、ステープル列の大部分が非常に高い可撓性を有し、1つ以上の限定された部分がそれより可撓性が低いことが望ましい場合がある。他の場合には、副パターンは、主パターンよりも可撓性が高くてもよい。特定の場合には、副パターンが、ステープル列の短い部分に沿って延在しているため、副パターンの可撓性が、ステープル列全体の可撓性には影響を与えない、又は顕著に影響を与えない場合がある。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/385,389号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」(米国特許出願公開第2018/0168629号)は、様々なステープルカートリッジ及びステープルドライバの配置を開示している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第9,801,627号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE FOR CREATING FLEXIBLE STAPLE LINES」は、外科用ステープルの可撓性を有する列を作製するための様々なカートリッジ及びアンビル構成を開示している。
【0088】
再び
図39を参照すると、カートリッジ4000内のステープルキャビティ4022の大部分は、第1のパターン又は主要パターン4030で配置されている。第1のパターン4030は、角度を付けられて配向されたステープルキャビティ4022が長手方向の繰り返しパターンである。長手方向の繰り返しパターンは、サブパターン又は配置が長手方向に繰り返されるパターンである。例えば、スロット4016のそれぞれの側にある3個のステープルキャビティの配置(内側ステープルキャビティ、中央ステープルキャビティ、及び外側ステープルキャビティ)は、ステープルカートリッジ本体4010の長さの少なくとも一部に沿って繰り返されていてもよい。角度を付けられて配向されたステープルキャビティの種々の長手方向の繰り返しパターンは、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、2014年9月26日出願の米国特許出願第14/498,145号、発明の名称「METHOD FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」(米国特許出願公開第2016/0089142号)に記載される。第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022の開口部4024は、カートリッジデッキ表面4020内に6列の、角度を付けられて配向されたステープルキャビティ開口部4024を有するヘリンボーンパターンを形成する。ステープルキャビティ4022の内側列4026a、中間列4026b、及び外側列4026cは、スロット4016のそれぞれの側に位置づけられる。
【0089】
各ステープルキャビティ開口部4024は、近位端4027と遠位端4028とを有する。第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022の近位端4027と遠位端4028は、横方向にずれている。異なる言い方をすると、第1のパターン4030内の各ステープルキャビティ4022は、ステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して角度を付けられて配向されている。キャビティ軸線CAは、各開口部4024の近位端4027と遠位端4028との間に延在する。キャビティ軸線CAは、スロット4016に対して斜めに配向されている。より具体的には、ステープルキャビティ4022の内側列4026a内及びステープルキャビティ4022の外側列4026c内の開口部4024は、ステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して45°、又は約45°の角度で配向され、ステープルキャビティ4022の中間列4026b内の開口部4024は、内側列4026a及び外側列4026cの開口部4024に対して90°、又は約90°の角度で配向されている。
【0090】
図39の例では、カートリッジ本体4010内の特定のステープルキャビティが、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022に対して変則的な角度又は不規則な角度で配向されている。より具体的には、近位ステープルキャビティ4022a、4022b、4022c、及び4022d、並びに遠位ステープルキャビティ4022e、4022f、4022g、及び4022hの角度配向は、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022のヘリンボーン配置には一致しない。むしろ、近位ステープルキャビティ4022a~4022d及び遠位ステープルキャビティ4022e~4022hは、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022からは角度的にずれている。近位ステープルキャビティ4022a、4022b、4022c、及び4022dは、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022に対して斜めに配向され、遠位ステープルキャビティ4022e、4022f、4022g、及び4022hも、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022に対して斜めに配向されている。近位及び遠位のステープルキャビティ4022a~4022hは、スロット4016及びステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して平行に配向されている。
【0091】
近位ステープルキャビティ4022a~4022dは、第1のパターン4030とは別個の近位パターン4040を形成し、遠位ステープルキャビティ4022e~4022hは、これも第1のパターン4030とは別個の遠位パターン4042を形成する。図示した構成では、近位パターン4040は、スロット4016の第1の側に、平行かつ長手方向に整列したステープルキャビティ4022a、4022bの第1の対、長手方向スロット4016の第2の側に、平行かつ長手方向に整列したステープルキャビティ4022c、4022dの第2の対を含む。遠位パターン4042は、スロット4016の第1の側に、平行かつ長手方向に整列したステープルキャビティ4022e、4022fの第1の対、長手方向スロット4016の第2の側に、平行かつ長手方向に整列したステープルキャビティ4022g、4022hの第2の対を含む。他の場合には、遠位パターン4042は、近位パターン4040とは異なっていてもよい。
【0092】
近位パターン4040と遠位パターン4042は、ステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して対称である。他の場合には、近位パターン4040及び/又は遠位パターン4042は、ステープルカートリッジの長手方向軸線SCAに対して非対称であってもよい。例えば、ステープルキャビティ4022e及び4022fは、ステープルキャビティ4022g及び4022hから長手方向にずれていてもよく、かつ/又はステープルキャビティ4022a及び4022bは、ステープルキャビティ4022c及び4022dから長手方向にずれていてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、特定の場合には、ステープルカートリッジ本体4010は、近位パターン4040又は遠位パターン4042のいずれかを含んでいてもよい。他の場合には、ステープルカートリッジ本体4010内で画定されるステープルキャビティ4022は、ステープルキャビティ4022の更なるかつ/又は異なるパターンを含んでいてもよい。
【0093】
図39に更に見られるように、非外傷性エクステンダ4050が、第1のパターン4030のステープルキャビティ4022の一部の周りにあるデッキ表面4020から延在しているか、又は突出している。非外傷性エクステンダ4050は、第1のパターン4030のステープルキャビティ4022の開口部4024の近位端4027及び遠位端4028をそれぞれ囲む。非外傷性エクステンダ4050は、エンドエフェクタによってクランプされる組織を把持するように構成されてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、特定の場合には、ステープル脚部の先端は、カートリッジ本体4010から突出していてもよい。このような場合に、非外傷性エクステンダ4050は、ステープル脚部の先端が時期尚早に組織に刺し込まれるのを防ぐために、ステープル脚部の先端と同一平面まで、かつ/又はそれを越えて延在するように構成されてもよい。その結果、より大きなステープル、例えば、より長い脚部を有するステープルが、その周りに配置された非外傷性エクステンダ4050を有するステープルキャビティ4022内に位置づけられてもよい。例えば、再び
図39を参照すると、近位パターン4040及び遠位パターン4042のステープルキャビティ内のステープルよりも大きなステープルが、このより長いステープル脚部によって組織を時期尚早に穿孔してしまう危険性なく、第1のパターン4030内のステープルキャビティ4022内に位置づけられ得る。特定の場合には、非外傷性エクステンダ4050は、近位パターン4040及び/又は遠位パターン4042のステープルキャビティ4022の周りに位置づけられてもよく、より大きなステープルは、同様に、より多くのこれらのステープルキャビティ4022a~4022hの1つ以上に位置づけられてもよい。
【0094】
ステープルカートリッジ本体4010は、その長さ方向に沿って異なる特性を有するステープル列を作るように構成されてもよい。ステープルカートリッジ本体4010によって作られ、組織Tに埋め込まれるステープル列4060を
図40に示す。ステープル列4060は、ステープル4062で構成され、本明細書に記載する種々のステープルカートリッジと共に使用するための例示的なステープル4062を
図41に示す。ステープル4062は、例えば、曲げられたワイヤで構成されていてもよい。ワイヤは、直径が0.0079インチ、又は約0.0079インチであってもよい。他の場合には、ワイヤは、直径が0.0089インチ、又は約0.0089インチであってもよい。更に他の場合には、ワイヤは、直径が0.0094、又は約0.0094インチであってもよい。特定の場合には、ワイヤは、直径が0.0079インチ未満、又は0.0094インチより大きくてもよい。読者は、ワイヤの直径が、ステープルの直径を示し得るということを理解するだろう。ステープル4062は、基部4064と、基部4064の第1の端部から延在する第1の脚部4066と、基部4064の第2の端部から延在する第2の脚部4068とを有する、実質的にU字形のステープルである。第1の脚部4066は、第2の脚部4068と実質的に平行であり、基部4064に対して実質的に垂直である。組織Tに埋め込まれると、基部4064の角度配向は、ステープル4062がそこから発射されるステープルキャビティ開口部4024の角度配向に対応する。
【0095】
本明細書に記載される種々のステープルカートリッジと共に使用し得る別の例示的なステープル4070を、
図42に示す。ステープル4070は、基部4072と、基部4072の第1の端部から延在する第1の脚部4074と、基部4072の第2の端部から延在する第2の脚部4076とを有する、実質的にV字形のステープルである。第1の脚部4074は、第2の脚部4076及び基部4072に対して斜めに配向されている。組織Tに埋め込まれると、基部4072の配向は、ステープル4070がそこから発射されるステープルキャビティ開口部4024の方向に対応する。読者は、異なる幾何形状を有するステープルが本明細書に記載のステープルカートリッジから発射されてもよいことを理解するだろう。
【0096】
図40を再び参照すると、ステープル列4060は、第1の部分4061と、近位部分4063と、遠位部分4065とを含む。第1の部分4061は、第1のパターン(すなわち、主パターン)4030から作られ、ステープル列4030のかなりの部分に沿って延在している。第1の部分4030内のステープル4062の角度の向きに起因して、第1の部分4061は、実質的に可撓性を有しているか、又は弾性を有している。例えば、角度を付けられて配向されたステープル4062は、組織Tに対する外傷を最小限にしつつ、ステープル留めされた組織T内で回転することができ、第1の部分4061は、ステープル留めされた組織が伸長するにつれて、長手方向及び/又は横方向に伸長するか又は延伸するように構成されている。
【0097】
近位部分4063は、近位パターン4040から作られ、ステープル列4060の近位端を形成する。遠位部分4065は、遠位パターン4042から作られ、ステープル列4060の遠位端を形成する。ステープル列4060の近位部分4063及び遠位部分4065内のステープル4062の平行な配向に起因して、ステープル列4060の近位部分4063及び遠位部分4065は、第1の部分4061よりも可撓性が低くなり得る。しかし、近位部分4063及び遠位部分4065の可撓性の低下は、ステープル列4060の全体的な可撓性に影響を与えないか、又は実質的に影響を与えない場合がある。更に、本明細書に記載されるとおり、近位部分4063及び遠位部分4065は、切断線に隣接して延在していなくてもよく、特定の場合には、近位部分4063は、ステープル列4060に存在していなくてもよく、ステープル列4060から欠けていてもよい。
【0098】
本明細書に記載されるとおり、ステープルは、ステープルカートリッジ内に着脱可能に位置づけられ、使用中にステープルカートリッジから発射される。種々の場合に、ステープルは、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティから外に駆動され、アンビルとの接触を形成してもよい。例えば、発射要素は、発射ストローク中にステープルカートリッジを通って並進し、ステープルカートリッジからアンビルに向かってステープルを駆動させてもよい。特定の場合には、ステープルは、ステープルドライバによって支持されてもよく、発射要素は、ステープルドライバを持ち上げ、ステープルカートリッジからステープルを放出するか、又は取り出してもよい。
【0099】
アンビルは、その中にステープル成形ポケットを画定するステープル成形下面を有していてもよい。特定の場合には、ステープル成形ポケットは、アンビル内に型打ちされていてもよい。例えば、ステープル成形ポケットは、アンビルの平らな表面に圧印加工されてもよい。読者は、ステープル成形ポケットの特定の特徴が、圧印プロセスの意図的な結果であり得るということを理解するだろう。例えば、ステープルを成形製造部の角及び/又は縁部の特定の丸め度は、圧印プロセスの意図した結果であってもよい。このような特徴はまた、歪んでいたりかつ/又は他の様式で展開中にアライメントが乱れていたりするステープルを含めて、ステープルをその成形後の形状に、より良く成形するように設計されていてもよい。
【0100】
ステープルカートリッジ中の各ステープルは、アンビルのステープル成形ポケットと位置揃えされ得る。言い換えると、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティ及びステープルのエンドエフェクタ用の配置は、エンドエフェクタのアンビル内のステープル成形ポケットの配置に対応、又はこれと一致していることが可能である。より具体的には、各ステープルキャビティの角度配向は、それぞれ対応するステープル成形ポケットの角度配向と一致していてもよい。例えば、ステープルキャビティがヘリンボーンパターンに配置されている場合、ステープル成形ポケットもヘリンボーンパターンに配置されていてもよい。
【0101】
ステープルが、ステープルカートリッジから駆動され、アンビルと成形接触する場合、ステープルから、発射形状に成形されてもよい。種々の場合に、発射形状は、B字形状であってもよい。つまり、ステープル脚部の先端が、ステープル基部又はクラウンに向かって曲げられて、対称な上側ループと下側ループを有する大文字のBを形成する。他の場合には、発射される構成は、改変されたB形態(例えば、ステープル脚部の少なくとも一部が、ステープル基部と共に面からはずれてトルクを受ける、歪んだB形態の構成、又は大文字Bの上側ループと下側ループが非対称である、非対称なB形態の構成)であってもよい。組織は、形成されたステープル内に捕捉されてもよく、又はクランプ留めされてもよい。
【0102】
ステープルカートリッジ内のステープル及び/又はステープルキャビティの配置は、相補的なアンビルの成形面内のステープル成形ポケットの対応する配置を最適化するように構成されてもよい。例えば、ステープルカートリッジ内のステープルの角度の向き及び空間は、アンビルの成形面を最適化するために設計されてもよい。特定の場合には、アンビル内のステープル成形ポケットの専有領域は、アンビルの幾何形状によって制限され得る。ステープル成形ポケットが、長手方向軸線に対して斜めに配向されている場合には、アンビルの幅は、斜めに配向されたステープル成形ポケットの大きさ及びステープル成形ポケットどうしの間隔を制限することがある。例えば、ステープル成形ポケットの中間列の幅は、中間列の片側の第1の列(例えば、外側列)と、中間列の他の側の第2の列(例えば、内側列)との間の最小距離を規定し得る。更に、ステープル成形ポケットの列は、アンビルの内側縁部(例えばナイフスロット)とアンビルの外側縁部との間に制限される。
【0103】
種々の場合に、ポケットは、アンビルのステープル成形下面に沿って、互いに隣接して入れ子になっていてもよい。例えば、中間ポケットは、内側ポケットと外側ポケットとの間に入れ子になっていてもよい。ポケットの角度配向は、ポケットを入れ子状にするのを容易にするために、列ごとに様々であってもよい。例えば、内側列内のステープル成形ポケットは、第1の角度で配向されていてもよく、中間列内のステープル成形ポケットは、第2の角度で配向されていてもよく、外側列内のステープル成形ポケットは、第3の角度で配向されていてもよい。第1の角度、第2の角度及び第3の角度が異なっていてもよく、これにより、ステープル成形ポケットの密な配置が容易になり得る。
【0104】
図39に示されている従来のステープルカートリッジ、及び、例えば、米国特許第9,801,627号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE FOR CREATING FLEXIBLE STAPLE LINES」、及び/又は2014年9月26日に出願された米国特許出願第14/498,145号(米国特許出願公開第2016/0089142号)、発明の名称「METHOD FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」に開示されている他の従来のステープルカートリッジを再び参照すると、各列におけるステープル及びステープルキャビティの様々な角度を選択して、相補的アンビル内のステープル成形ポケットの入れ子状構成を最適化することができる。上記のようなステープルカートリッジの各々について、相補的アンビルは、ステープル成形ポケットの対応する配置を有するように構成されてもよい。更に、相補的アンビル内のステープル成形ポケットは、ステープル脚部をステープル成形ポケット内に確実に着面させるか又は落下させるために、ステープルキャビティより大きくてもよい。例えば、ステープル脚部は、例えば、V字形のステープル(
図42を参照)の場合には、外側に付勢されてもよく、ステープル成形ポケットのより大きな専有領域が、発射中に、外側に付勢されたステープル脚部を捕捉することができる。種々の場合に、ステープル成形ポケットは、対応するステープルキャビティ及び/又はステープルよりも、0.005インチ~0.015インチ長くてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、各ステープル成形ポケットのステープルを受け入れるカップは、対応するステープルキャビティよりも、0.005インチ~0.015インチ幅広であってよい。他の場合には、長さ及び/又は幅の差は、0.005インチ未満、又は0.015インチより大きくてもよい。
【0105】
ステープルの大きさが、ステープルカートリッジ内で変わる場合、ステープル成形ポケットの大きさは、相補的アンビル内でこれに対応して変わってもよい。ステープル成形ポケットの大きさを変えると、その入れ子状構成の実現が更に容易になる場合がある。例えば、中間列内のステープル成形ポケットが、内側列又は外側列内のステープル成形ポケットより短い場合、中間列のステープル成形ポケットの幅を小さくすることができ、内側列と外側列との間の必要な間隔を最小化することができる。
【0106】
ステープル成形ポケットどうしの間隔も、それらの入れ子状構成を最適化するように構成されていてもよい。例えば、内側列に配置されたポケットは、外側列に配置されたポケットに対して、長手方向に互い違いになっていてもよい。更に、内側列内のポケットは、外側列内のポケットと、長手方向に部分的に重なり合っていてもよい。中間列内のポケットは、内側列内のポケット及び外側列内のポケットに対して、長手方向に互い違いになっていてもよい。例えば、中間列内のポケットは、外側列内のポケット及び内側列内のポケットに対して、長手方向に等間隔にずれていてもよい。
【0107】
図43~
図46は、アンビル6000又はそのアンビル6000の部分を示す。図示された例では、アンビル6000は、細長い本体部分6010及びアンビル取り付け部分6020を含む。
図43を参照されたい。この例におけるアンビル取り付け部分6020は、アンビル6000の、一対のアンビルトラニオン又は旋回部材6022を含み、その一対のアンビルトラニオン又は旋回部材6022は、ステープルカートリッジを支持する細長いチャネル上でアンビル6000を枢動可能に支持することを、本明細書で論じられる様々な方法で容易にするものである。一対の組織止め6024が、アンビル取り付け部分6020から下方に延出し、カートリッジ内に格納された最も近位にあるステープルに対して、アンビルとステープルカートリッジとの間にクランプ留めされた標的組織を、適切に位置づけ又は配向させるように機能する。このような配置は、近位ステープルが標的組織内にまず発射されてから、組織が発射部材上の組織切断縁部によって切断されることを確実にするように機能する。細長いスロット6026が、長手方向軸線LAに沿ってアンビル取り付け部分6020及び細長い本体部分6010を通って延在して、ナイフ又は発射部材が通過するのを容易にする。
【0108】
アンビル本体6010は、細長いスロット6026が貫通する、6030として全体に称されているステープル成形下面を含む。ステープル成形下面6030は、アンビル本体6010内のスロット6026の両側それぞれにレッジ6032、6034を形成し、ステープル発射及び組織切断プロセス中にスロット6026を通過する発射部材のナイフ上に形成された又はそれに取り付けられた突出部を、摺動係合させるように機能する。ステープル成形下面6030は、スロット6026の両側それぞれに、本明細書では「非成形面部分」と称され得る平面状面部分6040を備え、その平面状面部分6040のそれぞれが、自らの中に形成された複数のステープル成形ポケット6060を有する。
図44を参照されたい。アンビル6000は、細長いチャネル内に支持された特定のステープルと概ね相補的である。例えば、アンビル6000内のステープル成形ポケット6060の配置は、細長いチャネル内に支持されたステープルカートリッジ内のステープル及びステープルキャビティの配置に対応していてもよい。ステープル成形下面6030の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを成形してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル6000の非成形部分6040の表面積を、ステープル成形ポケット6060に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット6060の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面6030のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0109】
図示された構成では、
図43~
図46に示されるステープル成形ポケット6060は、長手方向スロット6026の第1の側の3つの列6050a、6050b、6050cに配置されている。第1の列6050aは、外側列であり、第2の列6050bは、中間列であり、第3の列6050cは、内側列である。外側ポケット6060aは、外側列6050a内に位置づけられ、中間ポケット6060bは、中間列6050b内に位置づけられ、内側ポケット6060cは、スロット6026に最も近い内側列6050c内に位置づけられている。ポケット6060a~6060cは、アンビル6000のステープル成形下面6030に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。少なくとも1つの場合には、長手方向スロット6026の反対側にあるポケット6060a~6060cは、長手方向スロット6026の第1の側にあるポケット6060a~6060cの鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面6030内のポケット6060の配置は、長手方向スロット6026について非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル6000は、長手方向スロット6026を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット6060は、スロット6026のそれぞれの側にある3列より少ない列、又は3列より多い列に配置されていてもよい。
【0110】
各ポケット6060a~6060cは、対応するポケット軸線に沿って位置し、ポケットの境界6064a~6064cを画定する外周6062a~6062cを含む。各ポケット6060a~6060cはまた、近位カップ又は近位端部6066a~6066c、遠位カップ又は遠位端6068a~6068c、及び近位カップ6066a~6066cと遠位カップ6068a~6068cとをそれぞれ接続するネック部分6070a~6070cを含む。近位成形溝又はステープル案内溝6072a~6072cは、各近位カップ6066a~6066c内に設けられ、遠位成形溝又はステープル案内溝6074a~6074cは、各遠位カップ6069a~6069c内に設けられる。例えばステープルが駆動されてステープル成形下面6030との成形接触が実現するとき、近位カップ6066a~6066cは、近位ステープル脚部と位置合わせされ、遠位カップ6068a~6068cは、遠位ステープル脚部と位置合わせされる。ステープル脚部の先端部は、それぞれ対応するカップ6066a~6066c、6068a~6068cに着地するように位置づけられかつ構成される。換言すれば、近位カップ6066a~6066cは、対応するステープルの近位ステープル脚部を受容するように構成され、遠位カップ6068a~6068cは、対応するステープルの遠位ステープル脚部を受容するように構成されている。カップ6066a~6066c及び6068a~6068c、並びに成形溝6072a~6072c及び6074a~6074cもまた、ステープル脚部をポケット軸線及びポケット6060a~6060cの中央部分(例えば、ネック部分6070a~6070c)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。
【0111】
ポケット6060a~6060cの幾何形状、間隔、及び/又は配向は、列ごとに異なっていてもよい。ポケット軸線は、各ポケット6060a~6060cの近位カップ6066a~6066cから、ネック部分6070a~6070cを通って、遠位カップ6068a~6068cまで延在する。各列のポケット6060a~6060cは、互いに平行である。例えば、外側又は第1のポケット6060aは、長手方向軸線LAに対して角度Aで配向されている。
図45を参照されたい。違う言い方をすると、外側ポケット6060aの第1のポケット軸線(例えば、FPA)は、長手方向軸線LAに対して角度Aで配向されている。中間ポケット6060bは、長手方向軸線LAに対して角度Bで配向されている。違う言い方をすると、中間ポケット6060bの第2のポケット軸線SPAは、長手方向軸線LAに対して角度Bで配向されている。内側又は第3のポケット6060cは、長手方向軸線LAに対して角度Cで配向されている。違う言い方をすると、内側ポケット6060cの第3のポケット軸線TPAは、長手方向軸線LAに対して角度Cで配向されている。
図45を参照されたい。
【0112】
角度A、B及びCは、異なっていてもよい。図示の例では、外側ポケット6060aは、内部ポケット6060cに対してほぼ平行である。角度Aは、角度Cにほぼ等しい。すなわち、第1のポケット軸線FPAは、第3のポケット軸線TPAとほぼ平行である。第2のポケット軸線SPAは、例えば、アンビル6000内のステープル成形ポケット6060a~6060cがヘリンボーンパターンを形成するように、第1のポケット軸線FPA及び第3のポケット軸線TPAを横断している。ポケット6060a~6060cは、等しい長さであってもよく、又は異なる長さを有してもよい。ポケット6060a~6060cの長さは、例えば、ポケット6060a~6060cの入れ子状態を最適化するように選択することができる。例えば、外側ポケット6060aは、内部ポケット6060cに対して長手方向に入れ違いで配置され得る。少なくとも1つの構成では、例えば、成形ポケットの第2の列又は中間列6050bの成形ポケット6060bの少なくとも一部の近位カップ6066bは、
図45に示すように、成形ポケットの第3の列又は外側列6050cの隣接する外側成形ポケット6060cの遠位カップ6068cに隣接する。同様に、成形ポケット6060bの第2の列又は中間列6050bの成形ポケット6060bのうちの少なくともいくつかの遠位カップ6068bは、ネック6070aの一部分に、かつ成形ポケット6060aの第1の列又は外側列内の隣接する成形カップ6060aの近位カップ6066aに隣接する。ポケット6060a~6060cの配置は、ポケット6060a~6060cがあらかじめ定められた空間内に適合するように、ポケット6060a~6060cを入れ子状にするように構成され得る。例えば、特定の場合には、アンビル6000の幅を、最小化するか、又は外科用トロカール内及び/又は狭い術野内に適合するように他の様式で制限することができ、ステープル成形ポケット6060a~6060cの配置(及びステープル及び/又はステープルキャビティの対応する配置)は、狭いアンビル内に適合することができる。
【0113】
アンビル6000は、組織安定化機能部、及びステープルが対応する成形ポケット6060a~6060c内にステープルが発射されるにつれて、ステープルの適切な成形の可能性を高めることができる機能部を更に備えてもよい。例えば、
図44及び
図45に見られるように、複数のアンビル突出部6080が、ステープル成形下面6030の平面状の非成形面部分6040から上方に突出する。少なくとも1つの状況において、外側又は第1のアンビル突出部6080が、成形ポケット6060aの第1又は外側列6050aの各成形ポケット6060aの各近位端又は近位カップ6066aの周りに形成される。図示される構成では、このような第1のアンビル突出部6080は、第1のアンビル突出部6080が、平面状の非成形面部分6040から突出するように、スタンピング、プレス加工、圧印加工、鍛造、成形、金属射出成形、電気化学的マシン加工等によって、非成形面部分6040に一体的に形成されてもよく、あるいは溶接、接着剤などによって非成形面部分6040に取り付けられてもよい。少なくとも1つの状況において、第1のアンビル突出部6080は、対応する第1の成形ポケット6060a内の近位カップ6066aの少なくとも一部分の周りに延在する。第1のアンビル突出部6080はまた、
図45に示されるように、隣接する成形ポケット6060bの遠位カップ6068bの少なくとも一部分の周りに、かつ隣接する成形ポケット6060cの近位カップ6066cの少なくとも一部分の周りに延在してもよい。同様に、内側又は第2のアンビル突出部6090は、成形ポケット6060cの第3又は外側6050c内の各成形ポケット6060cの各遠位端又は遠位カップ6068cの少なくとも一部の周りに形成される。図示される構成では、このような第2のアンビル突出部6090は、第2のアンビル突出部6090が、平面状の非成形面部分6040から突出するように、スタンピング、プレス加工、圧印加工、鍛造、成形、金属射出成形、電気化学的マシン加工等によって、平面状の非成形面部分6040に一体的に形成されてもよく、あるいは溶接、接着剤などによって平面状の非成形面部分6040に取り付けられてもよい。少なくとも1つの状況において、第2のアンビル突出部6090は、対応する第3の成形ポケット6060c内の遠位カップ6068cの少なくとも一部分の周りに延在する。第2のアンビル突出部6090はまた、
図45に示すように、隣接する成形ポケット6060bの近位カップ6066bの少なくとも一部分の周りに、かつ隣接する第1の成形ポケット6060aの遠位カップ6068aの少なくとも一部分の周りに延在してもよい。
【0114】
少なくとも1つの例では、第1及び第2のアンビル突出部6080、6090は、少なくとも1つの「輪郭形成された」ステープルガイド面を有して形成されてもよい。
図45に示されるアンビル6000は、輪郭面又はステープル誘導ファセット又は表面6082、6084、6092、6094を含む。この文脈で使用するとき、用語「輪郭形成された」とは、平面状の非成形面6040に対して直角(90度又は約90度)には延在しない、任意の表面を包含することを意図する。用語「輪郭形成された」とは、平面状の非成形面6040に対して鋭角(90度未満)で配向された、丸みを帯びた表面、並びに傾斜面、又はファセットを包含してもよい。
【0115】
図示の配置では、第1のアンビル突出部6080に関して、第1の輪郭成形面6082は、突出部の上面6081から内側に角度を成し、対応する近位カップ6066aの外周の第1の部分の周りに延在する。第1の輪郭成形面6082は、隣接する成形ポケット6060bの遠位カップ6068bの第1の端部の周りに延在する外側表面に移行する。次に、第1の輪郭成形面6082は、例えば、
図45に示されるように、隣接するステープル成形ポケット6060cの近位カップ6066cの端部の周りに延在する内側傾斜面に移行する。更に
図45を参照すると、表面6083はまた、第1のアンビル突出部6080の上面6081から角度をなす。表面6083は、近位カップ6066aの端部の周りに延在する外側表面を形成し、次いで、遠位カップ6068bの周りに延在する内側傾斜面に移行する。次に、表面6083は、
図45に示すように、近位カップ6066cの周りに延在する上面に移行する。アンビル6000は、例えば、上述のカートリッジ4000など、非外傷性エクステンダをそのデッキ表面上に有する外科用ステープルカートリッジと関連して使用されてもよい。そのような例において、アンビル突出部は、カートリッジ上の対応する1つ又は複数の非外傷性エクステンダと位置合わせされるか、実質的に位置合わせされても、又はおおよそで位置合わせされてもよい。他のアンビル構成では、アンビル突出部は、ステープルカートリッジ上の非外傷性エクステンダと位置合わせされないか、位置合わせしそこなわれるか、又はほぼ位置合わせされないように配向されてもよい。更に他の構成では、アンビル6000は、非外傷性エクステンダを有さないステープルと関連して使用されてもよい。
【0116】
ステープル成形下面6030は、そこから突出している複数の第2のアンビル突出部6090を更に含む。第2のアンビル突出部6090に関して、第1の輪郭成形面6092は、上面6091から内側に角度をなし、対応する遠位カップ6068aの外周の一部分の周りに延在する。第1の外側表面6092は、ステープル成形ポケット6060cの一部分に隣接して、内向きに角度をなす外側表面に移行する。
図45に見られるように、表面6092は、遠位カップ6068cの一部分の周りに延在し、カートリッジ本体の縁部で切頭されている。第2のアンビル突出部6060の追加の部分6096は、図示されるように、遠位カップ6068cの外周の他方の側に隣接して形成される。図示されているように、内側表面部分6092は、遠位カップ6068cの外周に向かって内側に角度をなす。これにより、
図43~
図46に示す例では、アンビル突出部は、カートリッジ本体6010内の細長いスロット6026の両側に位置づけられたステープル成形下面6030上に、各ステープル成形ポケット6060a~6060cの各成形カップ部分の周りに形成されるか、又は少なくとも延在する。そのような突出したアンビル形成物6080、6090は、ステープル留めされている組織を安定化させるように機能してもよく、傾斜面はまた、ステープル留め中に、対応するステープルのステープル脚部を適切なステープル成形ポケットのカップ内に案内するのに役立ち得る。切断されつつある組織とステープルとを安定化させるためにアンビル上でのアンビル成形機構又は組織安定化機構のこのような使用は、可撓性のあるステープル列を実現又は成形するように設計されたヘリンボーン型ポケット構成を有するアンビル配置に特に有利であり得る。
【0117】
図47~
図49は、本明細書で論じる相違点を除く、上記のアンビル6000と同様のアンビル6000’を示す。
図47に示す実施例では、アンビル6000’は、細長い本体部分6010’及びアンビル取り付け部分6020’を含む。この例におけるアンビル取り付け部分6020’は、アンビル6000’の、一対のアンビルトラニオン又は旋回部材6022’を含み、その一対のアンビルトラニオン又は旋回部材6022’は、ステープルカートリッジを支持する細長いチャネル上でアンビル6000’を枢動可能に支持することを、本明細書で論じられる様々な方法で容易にするものである。一対の組織止め6024’が、アンビル取り付け部分6020’から下方に延出し、カートリッジ内に格納された最も近位にあるステープルに対して、アンビルとステープルカートリッジとの間にクランプ留めされた標的組織を、適切に配置又は配向させるように機能する。このような配置は、近位ステープルが標的組織内にまず発射されてから、組織が発射部材上の組織切断縁部によって切断されることを確実にするように機能する。細長いスロット6026’は、長手方向軸線LAに沿ってアンビル取り付け部分6020’及び細長い本体部分6010’を通って延在して、ナイフ又は発射部材が通過するのを容易にする。
【0118】
アンビル本体6010’は、細長いスロット6026’が貫通する、6030’として全体に称されているステープル成形下面を含む。ステープル成形下面6030’は、アンビル本体6010’内のスロット6026’の両側それぞれにレッジ6032’、6034’を形成し、ステープル発射及び組織切断プロセス中にスロット6026’を通過する発射部材のナイフ上に形成された又はそれに取り付けられた突出部を、摺動係合させるように‘機能する。ステープル成形下面6030’は、スロット6026’の両側それぞれに、本明細書では非成形面部分と称され得る平面部分6040’(
図48)を備え、その平面状面部分6040’のそれぞれが、自らの中に形成された複数のステープル成形ポケット6060a’~6060c’を有する。アンビル6000’は、細長いチャネル内に支持された特定のステープルカートリッジと概ね相補的である。例えば、アンビル6000’内のステープル成形ポケット6060a’~6060c’の配置は、細長いチャネル内に支持されたステープルカートリッジ内のステープル及びステープルキャビティの配置に対応していてもよい。ステープル成形下面6030’の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを形成してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル6000’の非成形部分6040’の表面積を、ステープル成形ポケット6060a’~6060c’に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット6060a’~6060c’の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面6030’のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0119】
図示された構成では、
図47~
図49に示されるステープル成形ポケット6060a’~6060c’は、長手方向スロット6026’の第1の側の3つの列6050a’、6050b’、6050c’に配置されている’。
図48を参照されたい。第1の列6050cは、内側列であり、第2の列6050b’は、中間列であり、第3の列6050aは、外側列である。内側ポケット6060c’は、内側列6050c’内に位置づけられ、中間ポケット6060b’は、中間列6050b’内に位置づけられ、外側ポケット6060c’は、外側列6050c’内に位置づけられている。ポケット6060a’~6060c’は、アンビル6000’のステープル成形下面6030’に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。少なくとも1つの場合には、長手方向スロット6026’の反対側にあるポケット6060a’~6060c’は、長手方向スロット6026の第1の側にあるポケット6060a’~6060c’の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面6030’内のポケット6060a’~6060c’の配置は、長手方向スロット6026’について非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル6000’は、長手方向スロット6026’を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット6060’は、スロット6026’のそれぞれの側にある3列より少ない列、又は3列より多い列に配置されていてもよい。
【0120】
各ポケット6060a’~6060c’は、周辺部6062a’~6062c’を有し、周辺部6062a’~6062c’は、ポケット6060a’~6060c’の境界を画定する。各ポケット6060a’~6060c’はまた、近位カップ又は端部6066a’~6066c’、遠位カップ又は端部6068a’~6068c’、及び近位カップ6066a’~6066c’と遠位カップ6068a’~6068c’とを接続するネック部分6070a’~6070c’を含む。近位成形溝7072a’~7072c’が、各近位カップ6066a’~6066c’内に設けられ、遠位成形溝6074a’~6074c’が、各遠位カップ6068a’~6068c’内に設けられている。例えばステープルが駆動されてステープル成形下面6030’との成形接触が実現される場合、近位カップ6066a’~6066c’は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ6068a’~6068c’は、遠位ステープル脚部と整列する。ステープル脚部の先端は、それぞれのカップ6066a’~6066c’、6068a’~6068c’内に着地するように位置づけられ、構成されている。違う言い方をすると、近位カップ6066a’~6066c’は、近位ステープル脚部を受容するように構成され、遠位カップ6068a’~6068c’は、遠位ステープル脚部を受容するように構成されている。カップ6066a’~6066c’及び6068a’~6068c’、並びに成形溝6072a’~6072c’及び6074a’~6074c’もまた、ステープル脚部をポケット軸線及びポケット6060a’~6060c’の中央部分(例えば、ネック部分6070a’~6070c’)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。
【0121】
ポケット6060a’~6060c’の幾何形状、間隔、及び/又は配向は、列ごとに異なっていてもよい。ポケット軸線が、各ポケット6060a’~6060c’の近位カップ6066a’~6066c’から、ネック部分6070a’~6070c’を通り、遠位カップ6068a’~6068c’まで延在している。それぞれの列のポケット6060a’~6060c’は、平行である。例えば、外側ポケット6060a’は、長手方向軸線LAに対して角度A’で配向されている。各外側又は第1のポケット6060a’は、長手方向軸線LAに対して角度Aで配向される第1のポケット軸線FPA’軸線に沿って位置する。中間ポケット6060b’は、長手方向軸線LAに対して角度Bで配向されている。各第2のポケット6060b’は、長手方向軸線LAに対して角度B’で配向される第2のポケット軸線SPA’に沿って位置する。内側又は第3のポケット6060c’は、長手方向軸線LAに対して角度C’で配向されている。各内側ポケット6060c’は、長手方向軸線LAに対して角度C’で配向される第3のポケット軸線TPA’に沿って位置する。
【0122】
角度A’、B’、及びC’は、異なっていてもよい。図示の例では、第1又は内側ポケット6060a’は、外側ポケット6060c’に対してほぼ平行である。角度A’は、角度C’にほぼ等しい。すなわち、第1のポケット軸線FPAは、第3のポケット軸線TPAとほぼ平行である。第2のポケット軸線SPAは、例えば、アンビル6000’内のステープル成形ポケット6060a’~6060c’がヘリンボーンパターンを形成するように、第1のポケット軸線FPA及び第3のポケット軸線TPAを横断している。ポケット6060a’~6060c’は、等しい長さであってもよく、又は異なる長さを有してもよい。ポケット6060a’~6060c’の長さは、例えば、ポケット6060a’~6060c’の入れ子状態を最適化するように選択することができる。例えば、内側ポケット6060a’は、外側ポケット6060c’に対して長手方向に互い違いであってもよい。少なくとも1つの構成では、例えば、第2又は中間列6050b’内の成形ポケット6060b’のうち、少なくとも一部の成形ポケット6060b’の近位カップ6066b’は、
図48に示されるように、成形ポケットの第3又は外側列6050c’内の隣接する成形ポケット6060c’の遠位カップ6068c’に隣接している。同様に、成形ポケット6060b’の第2又は中間列6050b’内の成形ポケット6060b’のうちの少なくとも一部の遠位カップ6068b’は、ネック6070a’の一部分に、かつ成形ポケット6060a’の第1又は内側列内の隣接する成形カップ6060a’の近位カップ6066a’に隣接する。ポケット6060a’~6060c’の配置は、ポケット6060a’~6060c’があらかじめ定められた空間内に適合するように、ポケット6060a’~6060c’を入れ子状にするように構成され得る。例えば、特定の場合には、アンビル6000’の幅を、最小化するか、又は外科用トロカール内及び/又は狭い術野内に適合するように他の様式で制限することができ、ステープル成形ポケット6060a’~6060c’の配置(及びステープル及び/又はステープルキャビティの対応する配置)は、狭いアンビル内に適合することができる。
【0123】
アンビル6000’は、組織安定化機能部及び、ステープルが対応する成形ポケット6060a’~6060c’に発射される際に、ステープルの適切な成形の可能性を高めることができる機能部を更に備えてもよい。アンビル突出部の例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年6月30日出願の、米国特許出願第14/319,014号(米国特許出願公開第2015/0297234号)、発明の名称「END EFFECTOR COMPRISING AN ANVIL INCLUDING PROJECTIONS EXTENDING THEREFROM」に開示されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、
図48に見られるように、複数の外側又は第1のアンビル突出部7000が、ステープル成形下面6030’の平面状非成形面部分6040’から上方に突出するように形成されている。少なくとも1つの状況において、第1のアンビル突出部7000が、ステープル成形ポケット6060a’の外側列6050a’内の各ステープル成形ポケット6060a’の近位に隣接して形成される。図示の例では、各第1のアンビル突出部7000は、対応する第1のステープル成形ポケット6060a’及び細長いスロット6026’の一部分に隣接して形成される。第1のアンビル突出部7000は、クランプ及びステープル留めプロセス中の組織安定性を向上させ、かつ/又はステープル留め中に対応するステープルが適切に成形される可能性を高めるように機能するのに有利なサイズと形状になっていてよい。例えば、各第1のアンビル突出部7000は、対応するステープルのステープル脚部を、ステープル成形ポケット6060a’のその部分内へと導くのを向上させ、近位カップ部分6066a’の対応する部分との成形接触を実現するような形状及びサイズになっていてよい。図示される構成では、このような第1のアンビル突出部7000は、突出部7000が、ステープル成形下面6040’から突出するように、スタンピング、プレス加工、圧印加工、鍛造、成形、金属射出成形、電気化学的マシン加工等によって、平面状の表面6040’に一体的に形成されてもよく、あるいは溶接、接着剤などによって平面状の表面6040’に取り付けられてもよい。少なくとも1つの状況において、第1のアンビル突出部7000は、4つの「第1の」側部7002、7004、7006、7008を有する多面体形状を有する。2つの端部7002、7004は、三角形状の平坦な面である。2つの側部7006、7008は、端部7002、7004の間に延在し、それと交差して直線7009を形成する。より長い側部7008は、近位カップ6066a’に隣接し、ネック部分6070a’にまで延在する。
図48を参照されたい。
【0124】
更に
図48を参照すると、アンビル6000’は、ステープル成形下面6030’の平面状非成形面部分6040’から上方に突出するように形成された、複数の第2のアンビル突出部7010を更に含んでもよい。少なくとも1つの状況において、第2のアンビル突出部7010は、対応するステープル成形ポケット6060a’の近位端と、ステープル成形ポケット6050a’の列内の別の対応するステープル成形ポケット6060a’の遠位端との間に形成される。加えて、図示のように、第2のアンビル突出部7010は、隣接するステープル成形ポケット6060b’の側部に沿って延在してもよい。第2のアンビル突出部7010は、クランプ及びステープル留めプロセス中の組織安定性を向上させ、かつ/又はステープル留め中に対応するステープルが適切に成形される可能性を高めるように機能するのに有利なサイズと形状になっていてよい。例えば、各第2のアンビル突出部7010は、ステープルのステープル脚部をステープル成形ポケット6060a’及び6060b’の対応する部分に導くのを向上させるような形状及びサイズになっていてもよい。図示される構成では、このような第2のアンビル突出部7010は、第2のアンビル突出部7010が、ステープル非成形面部分6040’から突出するように、スタンピング、プレス加工、圧印加工、鍛造、成形、金属射出成形、電気化学的マシン加工等によって、ステープル成形下面6040’に一体的に形成されてもよく、あるいは溶接、接着剤などによってステープル成形下面6040’に取り付けられてもよい。少なくとも1つの状況において、第2のアンビル突出部7010は、4つの「第2の」側部7012、7014、7016、7018を有する多面体形状を有する。2つの端部7012、7014は、三角形状の平坦な面である。2つの側部7016、7018は、端部7012、7014の間に延在し、それと交差して直線7019を形成する。側部7018は、図示のように、遠位カップ6068b’の片側及び隣接するステープル成形ポケット6060b’の近位カップ6066b’の一部分に隣接している。
【0125】
更に
図48を参照すると、アンビル6000’は、ステープル成形下面6030’の非成形面部分6040’から上方に突出する複数の第3のアンビル突出部7020を更に含んでもよい。少なくとも1つの状況において、第3のアンビル突出部7020は、対応するステープル成形ポケット6060c’の近位端と、ステープル形成ポケット6050a’の列内の別の対応するステープル成形ポケット6060a’の遠位端との間に形成され、かつステープル成形ポケット6060b’の近位カップ6066b’と、図に示されるようなステープル成形ポケット6050b’の列内の別のステープル成形ポケット6060b’の遠位カップ6068b’との間にある。第3のアンビル突出部7020は、クランプ及びステープル留めプロセス中の組織安定性を向上させ、かつ/又はステープル留め中に対応するステープルが適切に成形される可能性を高めるように機能するのに有利なサイズと形状になっていてよい。例えば、各第3のアンビル突出部7020は、ステープルのステープル脚部をステープル成形ポケット6060a’6060b’、及び6060c’の対応する部分に導くのを向上させるような形状及びサイズになっていてもよい。図示される構成では、このような第3のアンビル突出部7020は、第3のアンビル突出部7020が、非成形面部分6040’から突出するように、スタンピング、プレス加工、圧印加工、鍛造、成形、金属射出成形、電気化学的マシン加工等によって、非成形面部分6040’に一体的に形成されてもよく、あるいは溶接、接着剤などによって非成形面部分6040’に取り付けられてもよい。少なくとも1つの状況において、第3のアンビル突出部7020は、4つの「第3の」側部7022、7024、7026、7028を有する多面体形状を有する。2つの端部7022、7024は、三角形状の平坦な面である。1つの構成では、側部7022、2024は互いに同一である。2つの側部7026、7028は、端部7022、7024の間に延在し、それと交差して直線7029を形成する。側部7026、7028は、互いに同一であってもよい。
【0126】
また、
図48に示される例では、複数の第4のアンビル突出部7030が、ステープル成形下面6030’の非成形面部分6040’から上方に突出する。様々な状況において、第4のアンビル突出部7030は、第2のアンビル突出部7010と同一のサイズ及び形状であってもよい。少なくとも1つの状況において、第4のアンビル突出部7030は、4つの「第4の」側部7032、7034、7036、7038を有する多面体形状を有する。例えば、端部7034は、ステープル成形ポケット6060c’の近位カップ6066c’の側部に隣接して形成されてもよく、端部7032は、成形ポケット6060c’の列6050c’内の隣接するステープル成形ポケット6060c’の遠位カップ6068c’の一部分に隣接して形成されてもよい。側部7038は、図示のように、隣接するステープル成形ポケット6060b’の近位カップ6066b’の側部に隣接して形成されてもよい。側部7032、7034、7036、7038は交差して線7039を形成する。第4のアンビル突出部7030は、クランプ及びステープル留めプロセス中の組織安定性を向上させ、かつ/又はステープル留め中に対応するステープルが適切に成形される可能性を高めるように機能するのに有利なサイズと形状になっていてよい。例えば、各第4のアンビル突出部7030は、ステープルのステープル脚部をステープル成形ポケット6060c’及び6060b’の対応する部分に導くのを向上させるような形状及びサイズになっていてもよい。図示される構成では、このような第4のアンビル突出部7030は、突出部7030が、非成形面部分6040’から突出するように、スタンピング、プレス加工、圧印加工、鍛造、成形、金属射出成形、電気化学的マシン加工等によって、非成形面部分6040’に一体的に形成されてもよく、あるいは溶接、接着剤などによって非成形面部分6040’に取り付けられてもよい。
【0127】
アンビル6000’は、複数の第5のアンビル突出部7050を更に備えてもよい。
図48に見られるように、少なくとも1つの状況において外側又は第5のアンビル突出部7050が、ステープル成形ポケット6060c’の外側列6050c’内の各ステープル成形ポケット6060c’の遠位カップ6068c’の近位に隣接して形成される。第5のアンビル突出部7050は、クランプ及びステープル留めプロセス中の組織安定性を向上させ、かつ/又はステープル留め中に対応するステープルが適切に成形される可能性を高めるように機能するのに有利なサイズと形状になっていてよい。例えば、各第5のアンビル突出部7050は、対応するステープルのステープル脚部を、ステープル成形ポケット6060c’のその部分内へと導くのを向上させ、近位カップ部分6068c’の対応する部分との成形接触を実現するような形状及びサイズになっていてよい。図示される構成では、このような第5のアンビル突出部7050は、第5のアンビル突出部7050が、非成形面部分6040’から突出するように、スタンピング、プレス加工、圧印加工、鍛造、成形、金属射出成形、電気化学的マシン加工等によって、非成形面部分6040’に一体的に形成されてもよく、あるいは溶接、接着剤などによって非成形面部分6040’に取り付けられてもよい。少なくとも1つの状況において、第5のアンビル突出部7050は、交差して点7059を形成する4つの三角形の側部7052、7054、7056、7058を有する多面体形状を有する。図示された例では、第1のアンビル突出部7000は、第1のアンビル突出部7000の第1の列7001aを形成するように配置されてもよい。第2のアンビル突出部7010は、第2のアンビル突出部7010の第2の列7001bを形成するように配置されてもよい。第3のアンビル突出部7020は、第3のアンビル突出部7020の第3の列7001cを形成するように配置されてもよい。第4のアンビル突出部7030は、第4のアンビル突出部7030の第4の列7001dを形成するように配置されてもよい。第5のアンビル突出部7050は、アンビル突出部7050の第5の列7001eを形成するように配置されてもよい。
【0128】
第1の側部7002、7004、7006、7008、第2の側部7012、7014、7016、7018、第3の側部7022、7024、7026、7028、第4の側部7032、7034、7036、7038、及び第5の側部7052、7054、7056、7058は全て、平面状非成形面6040’に対して同じ鋭角の側角SAで配向されてもよい。第1の側部7002、7004、7006、7008、第2の側部7012、7014、7016、7018、第3の側部7022、7024、7026、7028、第4の側部7032、7034、7036、7038、及び第5の側部7052、7054、7056、7058は、平面状非成形面6040’に対して、異なる鋭角で、又は異なる鋭角SA及びSA’の組み合わせで配向されてもよい(
図49)。
【0129】
様々な状況において、アンビル突出部は、ステープル成形下面の平面部分から上方に突出して、複数のステープルガイド面を形成するようにステープル成形下面上に形成され得るが、複数のステープルガイド面は、ステープル成形ポケットに対応して、それぞれ対応するステープルの脚部をステープル成形ポケット中に案内し、ステープルを最終的により良く成形し、より一貫して適切な形状に成形することができる。そのようなアンビル突出部は、アンビル成形ポケットの上方に突出し、その周辺部に向かって角度をなしており、その結果、ステープル留めプロセス中に、不規則な形のステープル脚部の端部が接触すると、アンビル突出部は、不規則な形のステープル脚部をステープル成形ポケットの適切なカップ部分内へと付勢するか又は促して、適切に成形されるようにしている。そのようなアンビル突出部は、対応するステープル成形ポケットの少なくとも一部分に隣接して戦略的に配置された1つ以上の傾斜面で形成されてもよい。アンビル突出部は、複数の傾斜面を有してもよく、表面は、アンビル内の1つ以上のステープル成形ポケットに対応する。アンビル突出部は、ステープル成形下面をなしている同じ材料から形成されてもよい。アンビル突出部の様々な表面は、ステープル脚部によって接触されたときの摩擦を低減するように処理されてもよい(例えば、摩擦低減コーティングでのコーティング、研磨、等)。
【0130】
ステープル成形下面の全体又は大部分が、ステープルのステープル脚部をステープル成形ポケットの対応する部分に導くのを強化するようなサイズ及び設計に作られたアンビル突出部で被覆されてもよい。複数のアンビル突出部が用いられてもよい。アンビル突出部は、サイズ及び形状が同一であってもよく、又はサイズ及び形状が異なっていてもよい。アンビル突出部は、ステープル成形ポケットどうしの間のアンビル成形面の部分を完全に埋め尽くすか、又はそのような空間の大部分を埋めるようなサイズ及び形状であってもよい。様々なアンビル突出部は、様々に異なるステープル成形ポケットの形状及び構成に対応するようなサイズ及び形状であってもよく、これらの多くは本明細書に開示され、またそれらのそれぞれの全体が本明細書に組み込まれる様々な参照文献に開示されている。本明細書に開示されるアンビル突出部構成は、ヘリンボーン構成及び従来の非ヘリンボーン構成に配列されたステープル成形ポケットと共に使用されてもよい。
【0131】
本明細書に開示される様々なアンビル突出部配列及び構成は、「段付き」ステープル成形下面を用いるアンビル配列と関連して効果的に使用され得る。このような「段付き」アンビル構成は、「段付き」デッキを有するステープルカートリッジに関連して使用される。段付きアンビルは、共通の平面上には位置づけられていない2つの成形面を有してもよい。本明細書に開示されるアンビル突出部は、段付きデッキ配列から区別可能であるが、それはアンビル突出部がデッキ表面自体の上方に延在し、対応するステープル成形ポケットの周辺部の対応する部分に向かって角度をなすためである。この文脈で使用するとき、用語「角度」とは、平坦な非成形面から延在する、90度未満の鋭角を意味する。他のアンビル突出部配列が、ステープル脚部を隣接する成形ポケットに導くのを助けるために、平面状の傾斜面の代わりに、丸みを帯びた表面を用いることができる。このようなアンビル突出部はまた、アンビルとステープルカートリッジとの間にクランプされ、最終的にステープル留めされて切断される組織の安定性を改善することもできる。
【0132】
アンビル突出部及び組織安定化機能部を含む本明細書に記載される様々なアンビルは、例えば、上述のカートリッジ4000などの、外科用ステープルカートリッジのデッキ表面上に非外傷性エクステンダを有するカートリッジと共に使用されてもよい。そのような例において、アンビル突出部は、カートリッジ上の対応する1つ又は複数の非外傷性エクステンダと位置合わせされるか、実質的に位置合わせされても、又はおおよそ位置合わせされてもよい。他のアンビル配列において、アンビル突出部は、ステープルカートリッジ上の非外傷性エクステンダとの位置合わせ又は直接的位置合わせを回避するように配向されてもよい。更に他の構成では、アンビルは、例えば非外傷性エクステンダを有さないステープルカートリッジと共に使用されてもよい。
【0133】
図50は、例えば、ステープル成形ポケット7160の異なる配列を除く、アンビル6000と同一であり得るアンビル7100の一部分を示す。アンビル6000と同様に、ポケット7160は、アンビル7100のステープル成形下面7130に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。アンビル7100は、ステープル成形下面7130と、長手方向スロット7126とを有する。長手方向スロット7126は、アンビル7100の長手方向軸線LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素が、発射ストロークの少なくとも一部の間に、長手方向スロット7126を通って並進することができる。ステープル成形ポケット7160は、ステープル成形下面7130内に画定される。ステープル成形下面7130はまた、ポケット7160の周りに延在する非成形部分7140も含む。非成形部分7140は、各ポケット7160の周り全体に延在している。言い換えると、非成形部分7140は、ステープル成形ポケット7160を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット7160の少なくとも一部が当接して、非成形部分7140がそれらの間に配置されないようになっていてもよい。
【0134】
ステープル成形下面7130の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを形成してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル7100の非成形部分7140の表面積を、ステープル成形ポケット7160について最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット7160の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面7130のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0135】
図50に示されるポケット7160は、長手方向スロット7126の第1の側の内側列7150a、中間列7150b、及び外側列7150cに配置されている。内側ポケット7160aは、内側列7150a内に位置づけられ、中間ポケット7160bは、中間列7150b内に位置づけられ、外側ポケット7160cは、外側列7150c内に位置づけられている。
図50には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット7126の反対側にあるポケット7160は、長手方向スロット7126の第1の側にあるポケット7160の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面7130内のポケット7160の配置は、スロット7126に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル7100は、長手方向スロット7126を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット7160は、スロット7126のそれぞれの側にある3個より少ない列、又は3個より多い列に配置されていてもよい。
【0136】
内側ポケット7160aは、同一であり、中間ポケット7160bは、同一であり、外側ポケット7160cは、同一である。しかし、内側ポケット7160aは、中間ポケット7160b及び外側ポケット7160cとは異なっており、中間ポケット7160bは、外側ポケット7160cとは僅かに異なっていてもよい。換言すれば、各列7150a、7150b、及び7150cのポケット7160は、わずかに異なっていてもよく、又は同じであっても若しくは説明の目的のために実質的に同じであってもよい。他の場合には、2つ以上の列のポケット7160が、同じであり得る。例えば、内側ポケット7160aは、外側ポケット7160cと同じであってもよい。ポケット7160a、7160b、及び7160cの拡張着地領域7170及び7172は、本明細書に記載されており、その異なる幾何形状に寄与し得る。更に、延在する着地領域7170及び7172の形状及びサイズは、隣接する入れ子状になったポケット7160の周辺部7161によって制限される。着地領域7170及び7172は、多角形の輪郭を画定し、直線部分及び輪郭のある部分を含む。
【0137】
ポケット7160は、ステープルを同じ、又は実質的に同じ成形後の形状に成形するように構成され得る。他の場合には、ポケット7160は、ステープルを異なる成形後の形状に、例えば、異なる高さ及び/又は形状に成形するように構成されてもよい。特定の場合には、ポケット7160どうしは、それぞれの列7150a、7150b、及び7150c内で長手方向に沿って、様々に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、ポケット7160又はその一部の深さが、アンビル7100の長さに沿って変化して、エンドエフェクタの長さ及び/又は組織の流れに沿った、アンビルとステープルカートリッジとの間の隙間距離の変動を吸収するようになっていてもよい。
【0138】
なおも
図50を参照すると、ポケット7160aは、第1の端部(すなわち近位端)7165aと、第2の端部(すなわち遠位端)7167aとを有する。第1のポケット軸線FPAは、ポケット7160aの近位端7165aと遠位端7167aとの間に延在する。ポケット7160aは、周辺部7161を有し、周辺部7161は、ポケット7160aの境界を画定する。周辺部7161は、直線部分及び輪郭のある部分とを有する。より具体的には、周辺部7161は、直線部分と、その間にある輪郭のある角部分とを有し、その角部分で直線部分が方向を変える。少なくとも一部の配列では、各ポケット7160の周辺部7161の少なくとも一部は、1つ以上の隣接するポケット7160の周辺部の少なくとも一部を密接にたどるか、又は平行になっている。ポケット7160aの丸みのある周辺部7161は、より滑らかなプロファイルを与えることができ、それは例えば、鋭い角部分を有するポケットよりも、ステープル成形下面7130内で圧印及び/又はスタンピングで作製するのが容易となり得る。
【0139】
ポケット7160aは、近位カップ7166a、遠位カップ7168a、及び近位カップ7166aと遠位カップ7168aとの間に延在するネック部分7169を含む。ステープルが駆動されてステープル成形下面7130との成形接触が実現される場合、近位カップ7166aは、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ7168aは、遠位ステープル脚部と整列する。カップ7166a及び7168aは、ステープル脚部をポケット軸線PA及びポケット7160aの中央部分(例えば、ネック部分7169a)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。ポケット7160aの各カップ7166a、7168aは、入口の傾斜7180と出口の傾斜7182とを画定する。ステープルを成形するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜7180に沿って、それぞれ対応するカップ7166a、7168aに入り、出口の傾斜7182に沿って、それぞれのカップ7166a、7168aを出ることができる。入口の傾斜7180と出口の傾斜7182との間の頂点で、ステープル脚部の先端は、成形後の形状(例えば、B字形状又は変形されたB字形状)をとるように、ステープル基部に向かって変形させられる。ポケット7160aはまた、近位カップ7166aと遠位カップ7168aとの間のネック部分7169a内に、ブリッジ部7186を画定する。ブリッジ部7186は、非成形部分7140からはずれていてよい。より具体的には、ブリッジ部7186は、非成形部分7140に対して下方に位置するか、又は凹んでいてよい。ポケット7160b及び7160cは、ポケット7160aに関して本明細書に記載されるものと同じ形状及び特性で形成されてもよい。そのような構成は、ステープル成形下面7130の非成形部分7140の減少をもたらし、ポケットのそれぞれの列を入れ子状にするのを容易にする。ポケット7160a~7160cは、ヘリンボーンパターンに配置され、それによって本明細書に記載されるような可撓性を有するステープル列を形成する。具体的には、各ポケット7160bは、長手方向軸線LAと隣接する第1のポケット7160aの第1のポケット軸線FPAを横断している、対応する第2のポケット軸線SPAに沿って位置する。各第3のポケット7160cは、長手方向軸線LAを横断している、対応する第3のポケット軸線TPAに沿って位置する。少なくとも1つの構成では、第3のポケット軸線TPAは、第1のポケット軸線FPAに平行であり、第2のポケット軸線SPAを横断している。
【0140】
図51は、例えば、ステープル成形ポケット7260の異なる配列を除く、アンビル6000と同一であり得るアンビル7200の一部分を示す。アンビル6000と同様に、ポケット7260は、アンビル7200のステープル成形下面7230に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。アンビル7200は、ステープル成形下面7230と、長手方向スロット7226とを有する。長手方向スロット7226は、アンビル7200の長手方向軸線LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素が、発射ストロークの少なくとも一部の間に、長手方向スロット7226を通って並進することができる。ステープル成形ポケット7260は、ステープル成形下面7230内に画定される。ステープル成形下面7230はまた、ポケット7260の周りに延在する非成形部分7240も含む。非成形部分7240は、各ポケット7260の周り全体に延在している。言い換えると、非成形部分7240は、ステープル成形ポケット7260を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット7260の少なくとも一部が当接して、非成形部分7240がそれらの間に配置されないようになっていてもよい。
【0141】
ステープル成形下面7230の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを形成してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル7200の非成形部分7240の表面積を、ステープル成形ポケット7260について最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット7260の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面7230のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0142】
図51に示されるポケット7260は、長手方向スロット7226の第1の側の内側列7250a、中間列7250b、及び外側列7250cに配置されている。内側ポケット7260aは、内側列7250a内に位置づけられ、中間ポケット7260bは、中間列7250b内に位置づけられ、外側ポケット7260cは、外側列7250c内に位置づけられている。
図51には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット7226の反対側にあるポケット7260は、長手方向スロット7226の第1の側にあるポケット7260の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面7230内のポケット7260の配置は、長手方向スロット7226に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル7200は、スロット7226を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット7260は、スロット7226のそれぞれの側にある3個より少ない列、又は3個より多い列に配置されていてもよい。
【0143】
内側ポケット7260aは、同一であり、中間ポケット7260bは、同一であり、外側ポケット7260cは、同一である。しかし、内側ポケット7260aは、中間ポケット7260b及び外側ポケット7260cとは異なっていてもよく、中間ポケット7260bは、外側ポケット7260cとは異なっていてもよい。言い換えると、それぞれの列7250a、7250b、及び7250c内のポケット7260は、異なっていてよい。他の場合には、2つ以上の列のポケット7260が、同じであってもよい。例えば、内側ポケット7260aは、外側ポケット7260cと同じであり得る。ポケット7260a、7260b、及び7260cの拡張着地領域7270及び7272は、本明細書に記載されており、その異なる幾何形状に寄与し得る。更に、延在する着地領域7270及び7272の形状及びサイズは、隣接する入れ子状になったポケット7260の周辺部7261によって制限される。着地領域7270及び7272は、多角形の輪郭を画定し、直線及び輪郭のある部分を含む。
【0144】
ポケット7260は、ステープルを同じ、又は実質的に同じ成形後の形状に成形するように構成され得る。他の場合には、ポケット7260は、ステープルを異なる成形後の形状に、例えば、異なる高さ及び/又は形状に成形するように構成されてもよい。特定の場合には、ポケット7260は、それぞれの列7250a、7250b、及び7250c内で長手方向に沿って、様々に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、ポケット7260又はその一部の深さが、アンビル7200の長さに沿って変化して、エンドエフェクタの長さ及び/又は組織の流れに沿った、アンビルとステープルカートリッジとの間の隙間距離の変動を吸収するようになっていてもよい。
【0145】
なおも
図51を参照すると、ポケット7260aは、第1の端部又は近位端7265aと、第2の端部又は遠位端7267aとを有する。第1のポケット軸線FPAは、ポケット7260aの近位端7265aと遠位端7267aとの間に延在する。ポケット7260aは、周辺部7261を有し、周辺部7261は、ポケット7260aの境界を画定する。周辺部7261は、直線部分と、輪郭のある部分とを有する。より具体的には、周辺部7261は、直線部分と、直線部分どうしの間の輪郭のある角部分とを有し、角部分で直線部分が方向を変える。少なくとも一部の配置では、各ポケット7260の周辺部7261の少なくとも一部は、1つ以上の隣接するポケット7260の周辺部の少なくとも一部を密に追うか、又は平行である。ポケット7260aの丸みのある周辺部7261は、より滑らかなプロファイルを与えることができ、それは例えば、鋭い角部分を有するポケットよりも、ステープル成形下面7230内で圧印及び/又はスタンピングで作製するのが容易となり得る。
【0146】
ポケット7260aは、近位カップ7266a、遠位カップ7268a、及び近位カップ7266aと遠位カップ7268aとの間に延在するネック部分7269を含む。ステープルが駆動されてステープル成形下面7230との成形接触が実現される場合、近位カップ7266aは、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ7268aは、遠位ステープル脚部と整列する。カップ7266a及び7268aは、ステープル脚部を第1のポケット軸線FPA及びポケット7260aの中央部分(例えば、ネック部分7269a)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。ポケット7260aの各カップ7266a、7268aは、入口の傾斜7280と出口の傾斜7282とを画定する。ステープルを成形するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜7280に沿って、それぞれ対応するカップ7266a、7268aに入り、出口の傾斜7282に沿って、それぞれのカップ7266a、7268aを出ることができる。入口の傾斜7280と出口の傾斜7282との間の頂点で、ステープル脚部の先端は、成形後の形状(例えば、B字形状又は変形されたB字形状)をとるように、ステープル基部に向かって変形させられる。ポケット7260aはまた、近位カップ7266aと遠位カップ7268aとの間のネック部分7269a内に、ブリッジ部7286を画定する。ブリッジ部7286は、非成形部分7240からはずれていてよい。より具体的には、ブリッジ部7286は、非成形部分7240に対して下方に位置するか、又は凹んでいてよい。ポケット7260b及び7260cは、ポケット7260aに関して本明細書に記載されるものと同じ形状及び特性で形成されてもよい。そのような配置は、ステープル成形下面7230の非成形部分7240の低減をもたらし、ポケットのそれぞれの列を入れ子状にするのを容易にする。ポケット7260a~7260cは、ヘリンボーンパターンに配置され、それによって本明細書に記載されるような可撓性を有するステープル列を形成する。具体的には、各ポケット7260bは、長手方向軸線LAと隣接する第1のポケット7260aの第1のポケット軸線FPAを横断している、対応する第2のポケット軸線SPAに沿って位置する。各第3のポケット7260cは、長手方向軸線LAを横断している、対応する第3のポケット軸線TPAに沿って位置する。少なくとも1つの構成では、第3のポケット軸線TPAは、第1のポケット軸線FPAに平行であり、第2のポケット軸線SPAを横断している。
【0147】
ここで
図52を参照すると、アンビル7300の一部のステープル成形ポケット7360が示される。アンビル7300は、ステープル成形下面7330と、長手方向スロット7326とを有する。長手方向スロット7326は、アンビル7300の長手方向軸線LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素が、発射ストロークの少なくとも一部の間に、長手方向スロット7326を通って並進することができる。ステープル成形ポケット7360は、ステープル成形下面7360内に画定される。ステープル成形下面7330はまた、ポケット7360の周りに延在する非成形部分7340も含む。非成形部分7340は、
図52において、各ポケット7360の周りに全体に延在している。言い換えると、非成形部分7340は、ステープル成形ポケット7360を囲んでいる。他の場合には、2つ又はそれ以上の隣接するポケット7360の少なくとも一部が当接して、非成形部分7340がその間に配置されないようになっていてもよい。
【0148】
ステープル成形下面7330の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを形成してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル7300の非成形部分7340の表面積を、ステープル成形ポケット7360について最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット7360の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面7340のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0149】
図52に示されるポケット7360は、長手方向スロット7326の第1の側の3つの列7350a、7350b、7350cに配置されている。第1の列7350aは、内側列であり、第2の列7350bは、中間列であり、第3の列7350cは、外側列である。内側ポケット7360は、内側列7350a内に位置づけられ、中間ポケット7360は、中間列7350b内に位置づけられ、外側ポケット7360は、外側列7350c内に位置づけられている。アンビル7200と同様に、ポケット7360は、アンビル7300のステープル成形下面7330に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。
図52には示されていないが、少なくとも1つの場合には、長手方向スロット7326の反対側にあるポケット7360は、スロット7326の第1の側にあるポケット7360の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面7330内のポケット7360の配置は、長手方向スロット7326に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル7300は、スロット7326を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット7360は、スロット7326のそれぞれの側にある3個より少ない列、又は3個より多い列に配置されていてもよい。
【0150】
図52に示されるポケット7360は、互いに同一である。ステープル成形下面7330に画定される各ポケット7360は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット7360の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、かつ/又はアンビル7300の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、ポケット7360又はその一部の深さが、アンビル7300の長さに沿って変化して、エンドエフェクタの長さ及び/又は組織の流れに沿った、アンビルとステープルカートリッジとの間の隙間距離の変動を吸収するようになっていてもよい。少なくとも1つの構成では、ポケット7360が、第1の端部(すなわち近位端)7365と、第2の端部(すなわち遠位端)7367とを有する。第1のポケット軸線FPAは、第1の列7350aのポケット7360のそれぞれの近位端7365と遠位端7367との間に延在する。ポケット7360は、周辺部7361を有し、周辺部7361は、ポケット7360の境界を画定する。ポケット7360はまた、近位カップ7366、遠位カップ7368、及び近位カップ7366と遠位カップ7368とを接続するネック部分7369を含む。ステープルが駆動されてステープル成形下面7303との成形接触が実現される場合、近位カップ7366は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ7368は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ7366及び7368は、ステープル脚部を対応するポケット軸線及びポケット7360の中央部分(例えば、ネック部分7369)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。
【0151】
なおも
図52を参照すると、ポケット7360の各カップ7366、7368は、入口の傾斜7370と出口の傾斜7372とを画定する。出口の傾斜7372は、入口の傾斜7330より急であり得る。ステープルを成形するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜7370に沿って、それぞれ対応するカップ7366、7368に入り、出口の傾斜7332に沿って、それぞれのカップ7366、7368を出ることができる。入口の傾斜7370と出口の傾斜7372との間の頂点領域又は分割線7374では、ステープル脚部の先端は、成形後の形状(例えば、B字形状又は変形されたB字形状)をとるように、ステープル基部に向かって変形させられる。ポケット7360はまた、近位カップ7366と遠位カップ7368との間のネック部分7369内にブリッジ部7376を画定する。ブリッジ部7376は、ステープル成形下面7330の非成形部分7340からはずれていてよい。より具体的には、ブリッジ部7376は、非成形部分7340に対して下方に位置するか、又は凹んでいてよい。
【0152】
少なくとも1つの例では、ポケット7360は、側壁7377を含む。少なくとも1つの構成では、側壁7377は、各カップ7366、7368の外側端からネック部分7369に向かって線形に狭くなる。その結果、カップ7366、7368の最も広い部分は、それぞれポケット7360の近位端7365及び遠位端7367にある。側壁7377に沿う近位端7365及び遠位端7367にある広い領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるために、拡大された専有領域を提供する。種々の場合に、カップ7366及び7368の広くなった部分は、ステープル先端を受け入れるための拡張された着地領域を画定する。カップ7366、7368は、ネック部分7369に向かって狭くなっているため、カップ7366、7368は、ポケット軸線に向かって、かつ/又はポケット軸線に沿って、ステープル脚部の先端を送り込みかつ/又は誘導して、成形後の形状にするように構成されている。ポケット7360は、ポケット7360の側部に沿って、面取りされた縁部7378を画定する。面取りされた縁部7378は、ポケット7360の専有領域を拡大し、ステープル脚部の先端をポケット軸線に向かって誘導するように機能する。図示される構成では、ポケット7360は、対応するポケット軸線PAについて対称である。例えば、ポケット7360の周辺部7361は、対応するポケット軸線について対称である。更に、ポケット7360は、ネック部分7369を通って中心軸線CAについて対称であり、ポケット軸線に垂直である。例えば、ポケット7360の周辺部7361は、中心軸線CAについて対称であり、近位カップ7366は、遠位カップ7368と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ7366は、遠位カップ7368と異なっていてもよい。様々な状況において、ネック部分7369の幅は、カップ7366及び7368の幅より小さい。その結果、ポケット7360の中央部分は、近位カップ7366及び遠位カップ7368よりも狭い。
【0153】
ポケット7360の幾何形状により、ポケット7360がステープル成形下面7330内に密に配置されやすくなる。例えば、ポケット7360は、2つの拡大されたカップ7366と7368との間に狭くなったネック部分7369を有し、別のポケット7360の拡大されたカップ7366、7368は、その狭くなったネック部分7369に隣接して位置づけられてもよい。その結果、ポケット7360によって覆われるステープル成形下面7330の表面積は、最適化することができる。例えば、ポケット7360によって覆われるステープル成形下面7330の表面積は、最大化される。「成形率」とは、成形部分(すなわち、ポケット7360)に対する非成形部分7340の比率である。種々の場合に、成形率は、例えば、少なくとも1:1であってもよい。
【0154】
特定の場合には、ポケット7360どうしは、互いに非常に近接して位置づけられるが、ネック部分7369が狭いため、隣接するポケット7360どうしの間の非成形部分7340のための空間が存在することになる。例えば、非成形部分7340は、内側列7350a内のポケット7360のネック部分7369と、第2の中間ポケット7350bの隣接するポケット7360の遠位カップ7368との間に延在していてもよい。隣接するポケット7360どうしの間の非成形部分7340は、アンビル7300を強くし、かつ/又は強化するために、ポケット7360どうしの間に十分な間隔を提供することができる。ポケット7360は、ヘリンボーンパターンに配置され、それによって本明細書に記載されるような可撓性を有するステープル列を形成する。特に、第1の列7350a内の各ポケット7360は、長手方向軸線LAを横断している、対応する第1のポケット軸線FPAに沿って位置する。ポケット7360の第2の列7350b内の各ポケット7360は、長手方向軸線LAと、第1の列7350a内の隣接するポケット7360の第1のポケット軸線FPAを横断している、対応する第2のポケット軸線SPAに沿って位置する。ポケット7360の第3の列7350c内の各ポケット7360は、長手方向軸線LAを横断している、対応する第3のポケット軸線TPAに沿って位置する。少なくとも1つの構成では、第3のポケット軸線TPAは、第1のポケット軸線FPAに平行であり、第2のポケット軸線SPAを横断している。
【0155】
ここで
図53を参照すると、アンビル7400の一部のステープル成形ポケット7460が示される。アンビル7400は、ステープル成形下面7430と、長手方向スロット7426とを有する。長手方向スロット7426は、アンビル7400の長手方向軸線LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素が、発射ストロークの少なくとも一部の間に、長手方向スロット7426を通って並進することができる。ステープル成形ポケット7460は、ステープル成形下面7430内に画定される。ステープル成形下面7430はまた、ポケット7460の周りに延在する非成形部分7440も含む。非成形部分7440は、各ポケット7460の周り全体に延在している。言い換えると、非成形部分7440は、ステープル成形ポケット7460を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット7460の少なくとも一部が当接して、非成形部分7440がその間に配置されないようになっていてもよい。更に、非成形部分7440は、本明細書に記載するように、各ポケット7460を通って延在している。
【0156】
ステープル成形下面7430の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを成形してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル7400の非成形部分7440の表面積を、ステープル成形ポケット7460について最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット7460の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面7440のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0157】
図53に示されるポケット7460は、長手方向スロット7426の第1の側の内側列7450a、中間列7450b、及び外側列7450cに配置されている。内側ポケット7460は、内側列7450a内に位置づけられ、中間ポケット7460は、中間列7450b内に位置づけられ、外側ポケット7460は、外側列7450c内に位置づけられている。ポケット7460は、アンビル7430のステープル成形下面7430に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。
図53には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット7426の反対側にあるポケット7460は、長手方向スロット7426の第1の側にあるポケット7460の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面7430内のポケット7460の配置は、スロット7426に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル7400は、長手方向スロット7426を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット7460は、スロット7426のそれぞれの側にある3個より少ない列、又は3個より多い列に配置されていてもよい。
【0158】
図53に示されるポケット7460は、互いに同一である。ステープル成形下面7430に画定される各ポケット7460は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット7460の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、かつ/又はアンビル7400の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、ポケット7460又はその一部の深さが、アンビル7400の長さに沿って変化して、エンドエフェクタの長さ及び/又は組織の流れに沿った、アンビルとステープルカートリッジとの間の隙間距離の変動を吸収するようになっていてもよい。少なくとも1つの例では、ポケット7460が、第1の端部(すなわち近位端)7465と、第2の端部(すなわち遠位端)7468とを有する。ポケット軸線が、ポケット7460の近位端7465と遠位端7467との間に延在する。ポケット7460は、周辺部7461を有し、周辺部7461は、ポケット7460の境界を画定する。周辺部7461は、ポケット7460の近位端7465及び遠位端7467に、丸みのある角を有する。ポケット7460はまた、近位カップ7466と遠位カップ7468とを含む。非成形部分7440の一部は、近位カップ7466と遠位カップ7468との間に延在している。言い換えると、ポケット7460は、2つの分離した個々のカップ7466及び7468を、ステープル成形下面7430に含む。ステープルが駆動されてステープル成形下面7430との成形接触が実現される場合、近位カップ7466は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ7468は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ7466、7468は、ステープル脚部をポケット軸線及びポケット7460の中央部分に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。
【0159】
主に
図53を参照すると、ポケット7460の各カップ7466、7468は、入口の傾斜7480と出口の傾斜7482を画定する。出口の傾斜7482は、入口の傾斜7480より急である。ステープルを成形するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜7480に沿って、それぞれ対応するカップ7466、7468に入り、出口の傾斜7482に沿って、それぞれのカップ7466、7468を出ることができる。入口の傾斜7480と出口の傾斜7482との間の頂点7484で、ステープル脚部の先端は、成形後の形状(例えば、B字形状又は変形されたB字形状)をとるように、ステープル基部に向かって変形させられる。ポケット7460はまた、近位カップ7466と遠位カップ7468との間にブリッジ部7486を画定する。ブリッジ部7486は、非成形部分7440と整列している。より具体的には、ブリッジ部7486は、非成形部分7440の平面状伸長部であり、近位カップ7466と遠位カップ7468との間を延在している。
【0160】
図示の例では、各ポケット7460は、非成形部分7440に対してある角度で配向される一対の側壁7478を含む。側壁7478の角度配向は、カップ7466、7468のそれぞれの長さに沿って一定であってもよい。側壁7478どうしの距離は、各カップ7466、7468の外側端とカップ7466、7468の内側端との間で狭くなる。例えば、側壁7478は、ポケット7460の周辺部7461内の輪郭を画定するように内側輪郭に沿って延在している。カップ7466、7468の最も広い部分は、ポケット7460の近位端及び遠位端にある。広くなった領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるために、拡張された専有領域を提供する。カップ7466、7468は、ブリッジ部7486に向かって狭くなっているため、側壁7478は、ポケット軸線に向かってかつ/又はポケット軸線に沿って、ステープル脚部の先端を送り込みかつ/又は誘導して、成形後の形状にするように構成されている。
【0161】
図示される構成では、ポケット7460の第1又は内側列7450aに位置するポケット7460は、長手方向軸線LAを横断している第1のポケット軸線FPAに沿って位置づけられる。ポケット7460の第2又は中間列7450bのポケット7460のそれぞれは、長手方向軸線LAと第1のポケット軸線FPAを横断している第2のポケット軸線SPAに沿って位置する。ポケット7460の外側又は第3の列7450c内のポケットのそれぞれは、一構成において、第1のポケット軸線FPAに平行である第3のポケット軸線TPA、あるいは第1のポケット軸線に平行でなくてもよいが、それでもなお長手方向軸線LAを横断している第3のポケット軸線TPAに沿って位置する。各ポケット7460は、その対応するポケット軸線について対称である。例えば、ポケット7460の周辺部7461は、ポケット軸線について対称である。更に、ポケット7460は、近位カップ7466と遠位カップ7468との間の中心軸線CAについて対称であり、それぞれ対応するポケット軸線に垂直である。例えば、ポケット7460の周辺部7461は、中心軸線CAについて対称であり、近位カップ74660は、遠位カップ7468と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ7466は、遠位カップ7468と異なっていてもよい。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれ、2016年12月21日に出願された米国特許出願第15/385,900号、発明の名称「STAPLE-FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING PRIMARY SIDEWALLS AND POCKET SIDEWALLS」(米国特許出願公開第 2018/0168601号)は、本明細書に開示される様々なアンビル構成と共に使用され得る他のポケット構成を開示する。
【0162】
図54~
図57は、本明細書に開示される様々なアンビル構成と共に使用され得る他のポケット構成を示す。
図54を参照すると、ポケット7560は、第1のすなわち近位端7565と、第2のすなわち遠位端7567を含む。ポケット軸線PAが、近位端7565と遠位端7567との間に延在する。ポケット7560は、周辺部7561を有し、周辺部7561は、ポケット7560の境界を画定する。ポケット7560はまた、近位カップ7566、遠位カップ7568、及び近位カップ7566と遠位カップ7568とを接続するネック部分7569を含む。ポケット7560の各カップ7566、7568は、入口の傾斜7570と出口の傾斜7572とを画定する。ステープルを成形するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜7570に沿って、それぞれ対応するカップ7566、7568に入り、出口の傾斜7532に沿って、それぞれのカップ7566、7568を出ることができる。入口の傾斜7570と出口の傾斜7572との間の頂点領域又は分割線7574では、ステープル脚部の先端は、成形後の形状(例えば、B字形状又は変形されたB字形状)をとるように、ステープル基部に向かって変形させられる。図示の例では、ポケット7560は中央に配設された成形溝7580を含み、その成形溝7580は、ポケット軸線PAに沿って位置し、近位カップ7566から遠位カップ7568まで延在する。図示されるように、成形溝7580は、入口傾斜部7570及び出口傾斜部7572のそれぞれを二分する。
【0163】
ポケット7560はまた、近位カップ7566と遠位カップ7568との間のネック部分7569内にブリッジ部7576を画定する。ブリッジ部7576は、ステープル成形下面7530の非成形部分7540からはずれていてよい。より具体的には、ブリッジ部7576は、非成形部分7540に対して下方に位置するか、又は凹んでいてよい。少なくとも1つの例では、ポケット7560は、側壁7577を含む。少なくとも1つの構成では、側壁7577どうしの距離は、各カップ7566、7568の外側端からネック部分7569に向かって線形に狭くなる。その結果、カップ7566、7568の最も広い部分は、それぞれポケット7560の近位端7565及び遠位端7567にある。近位端7565及び遠位端7567にある広い領域は、側壁7577と共に、ステープル脚部の先端部を好ましくはステープル成形溝7580内に受容するための拡大された専有領域を提供する。種々の場合に、カップ7566及び7568の広くなった部分は、ステープル先端を受け入れるための拡張された着地領域を画定する。カップ7566、7568は、ネック部分7369に向かって狭くなっているため、カップ7366、7368は、ポケット軸線に向かって、かつ/又はポケット軸線に沿って、ステープル脚部の先端を、成形溝7580内に送り込みかつ/又は誘導して、成形後の形状にするように構成されている。ポケット7560は、ポケット7560の側部に沿って、面取りされた縁部7578を画定する。面取りされた縁部7578は、ポケット7560の専有領域を拡大し、ステープル脚部の先端をポケット軸線に向かって誘導するように機能する。図示される構成では、ポケット7560は、対応するポケット軸線PAについて対称である。例えば、ポケット7560の周辺部7561は、対応するポケット軸線について対称である。更に、ポケット7560は、ネック部分7569を通って中心軸線CAについて対称であり、ポケット軸線に垂直である。例えば、ポケット7560の周辺部7561は、中心軸線CAについて対称であり、近位カップ7566は、遠位カップ7568と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ7566は、遠位カップ7568と異なっていてもよい。様々な状況において、ネック部分7569の幅は、カップ7566及び7568の幅より小さい。その結果、ポケット7560の中央部分は、近位カップ7566及び遠位カップ7568よりも狭い。図示された構成では、近位カップ7566は尖った端部7590を有し、遠位カップ7568は尖った端部7592を有する。成形溝7580は、各尖った端部7590、7592から延在して、発射中にステープル脚部の先端が成形溝7580内に進入する可能性を高める。ステープルが駆動されてステープル成形下面7530との成形接触が実現される場合、近位カップ7566は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ7568は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ7566及び7568は、ステープル脚部を対応するポケット軸線、成形溝7580、及びポケット7560の中央部分(例えば、ネック部分7569)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。
【0164】
図55を参照すると、ポケット7660は、第1のすなわち近位端7665と、第2のすなわち遠位端7667を含む。ポケット軸線PAが、近位端7665と遠位端7667との間に延在する。ポケット7660は、周辺部7661を有し、周辺部7661は、ポケット7660の境界を画定する。ポケット7660はまた、近位カップ7666、遠位カップ7668、及び近位カップ7666と遠位カップ7668とを接続するネック部分7669を含む。図示の例では、ポケット7660は中央に配設された成形溝7680を含み、その成形溝7680は、ポケット軸線PAに沿って位置し、近位カップ7666から遠位カップ7668まで延在する。成形溝7680は、入口ランプ7670及び出口ランプ7672を画定する。ステープルを成形するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜7670に沿って、それぞれ対応するカップ7666、7668に入り、出口の傾斜7672に沿って、それぞれのカップ7666、7668を出ることができる。入口の傾斜7670と出口の傾斜7672との間の頂点領域又は分割線7674では、ステープル脚部の先端は、成形後の形状(例えば、B字形状又は変形されたB字形状)をとるように、ステープル基部に向かって変形させられる。
【0165】
ポケット7660はまた、近位カップ7666と遠位カップ7668との間のネック部分7669内にブリッジ部7676を画定する。ブリッジ部7676は、ステープル成形下面7630の非成形部分7640からはずれていてよい。より具体的には、ブリッジ部7676は、非成形部分7640に対して下方に位置するか、又は凹んでいてよい。少なくとも1つの例では、ポケット7660は、側壁7677を含む。少なくとも1つの構成では、側壁7677どうしの距離は、各カップ7666、7668の外側端からネック部分7669に向かって線形に狭くなる。その結果、カップ7666、7668の最も広い部分は、それぞれポケット7660の近位端7665及び遠位端7667にある。近位端7665及び遠位端7667にある広い領域は、側壁7677と共に、ステープル脚部の先端部を好ましくはステープル成形溝7680内に受容するための拡大された専有領域を提供する。種々の場合に、カップ7666及び7568の広くなった部分は、ステープル先端を受け入れるための拡張された着地領域を画定する。カップ7666、7668は、ネック部分7669に向かって狭くなっているため、カップ7666、7668は、ポケット軸線に向かって、かつ/又はポケット軸線に沿って、ステープル脚部の先端を成形溝7680内に送り込みかつ/又は誘導して、成形後の形状にするように構成されている。ポケット7660は、ポケット7660の側部に沿って、面取りされた縁部7678を画定する。面取りされた縁部7678は、ポケット7660の専有領域を拡大し、ステープル脚部の先端をポケット軸線に向かって誘導するように機能する。図示される構成では、ポケット7660は、対応するポケット軸線PAについて対称である。例えば、ポケット7660の周辺部7661は、対応するポケット軸線について対称である。更に、ポケット7660は、ネック部分7669を通って中心軸線CAについて対称であり、ポケット軸線PAに垂直である。例えば、ポケット7660の周辺部7661は、中心軸線CAについて対称であり、近位カップ7666は、遠位カップ7668と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ7666は、遠位カップ7668と異なっていてもよい。様々な状況において、ネック部分7669の幅は、カップ7666及び7668の幅より小さい。その結果、ポケット7560の中央部分は、近位カップ7666及び遠位カップ7668よりも狭い。ステープルが駆動されてステープル成形下面7630との成形接触が実現される場合、近位カップ7666は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ7668は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ7666及び7668は、ステープル脚部を対応するポケット軸線、成形溝7680、及びポケット7660の中央部分(例えば、ネック部分7669)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。
【0166】
図56を参照すると、ポケット7760は、第1のすなわち近位端7765と、第2のすなわち遠位端7767を含む。ポケット軸線PAが、近位端7765と遠位端7767との間に延在する。ポケット7760は、周辺部7761を有し、周辺部7761は、ポケット7760の境界を画定する。ポケット7760はまた、近位カップ7766、遠位カップ7768、及び近位カップ7766と遠位カップ7768とを接続するネック部分7769を含む。図示の例では、ポケット7760は中央に配設された成形溝7780を含み、その成形溝7780は、ポケット軸線PAに沿って位置し、近位カップ7766から遠位カップ7768まで延在する。成形溝7780は、入口ランプ7770及び出口ランプ7772を画定する。ステープルを成形するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜7770に沿って、それぞれ対応するカップ7766、7768に入り、出口の傾斜7772に沿って、それぞれのカップ7766、7768を出ることができる。入口の傾斜7770と出口の傾斜7772との間の頂点領域又は分割線7774では、ステープル脚部の先端は、成形後の形状(例えば、B字形状又は変形されたB字形状)をとるように、ステープル基部に向かって変形させられる。
【0167】
ポケット7760はまた、近位カップ7766と遠位カップ7768との間のネック部分7769内にブリッジ部7776を画定する。ブリッジ部7776は、ステープル成形下面7730の非成形部分7740からはずれていてよい。より具体的には、ブリッジ部7776は、非成形部分7740に対して下方に位置するか、又は凹んでいてよい。少なくとも1つの例では、ポケット7760は、側壁7777を含む。少なくとも1つの構成では、側壁7777どうしの距離は、各カップ7766、7768の外側端からネック部分7769に向かって線形に狭くなる。その結果、カップ7766、7768の最も広い部分は、それぞれポケット7760の近位端7765及び遠位端7767にある。近位端7765及び遠位端7767にある広い領域は、側壁7777と共に、ステープル脚部の先端部を好ましくはステープル成形溝7780内に受容するための拡大された専有領域を提供する。種々の場合に、カップ7766及び7768の広くなった部分は、ステープル先端を受け入れるための拡張された着地領域を画定する。カップ7766、7768は、ネック部分7769に向かって狭くなっているため、カップ7766、7768は、ポケット軸線に向かって、かつ/又はポケット軸線に沿って、ステープル脚部の先端を成形溝7780内に送り込みかつ/又は誘導して、成形後の形状にするように構成されている。ポケット7760は、ポケット7760の側部に沿って、面取りされた縁部7778を画定する。面取りされた縁部7778は、ポケット7760の専有領域を拡大し、ステープル脚部の先端をポケット軸線に向かって誘導するように機能する。図示される構成では、ポケット7760は、対応するポケット軸線PAについて対称である。例えば、ポケット7760の周辺部7761は、対応するポケット軸線について対称である。更に、ポケット7760は、ネック部分7769を通って中心軸線CAについて対称であり、ポケット軸線PAに垂直である。例えば、ポケット7760の周辺部7761は、中心軸線CAについて対称であり、近位カップ7766は、遠位カップ7768と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ7766は、遠位カップ7668と異なっていてもよい。様々な状況において、ネック部分7769の幅は、カップ7766及び7768の幅より小さい。その結果、ポケット7560の中央部分は、近位カップ7766及び遠位カップ7768よりも狭い。ステープルが駆動されてステープル成形下面7730との成形接触が実現される場合、近位カップ7766は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ7768は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ7666及び7768は、ステープル脚部を対応するポケット軸線、成形溝7780、及びポケット7760の中央部分(例えば、ネック部分7769)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。
【0168】
図57を参照すると、ポケット7860は、第1のすなわち近位端7865と、第2のすなわち遠位端7867を含む。ポケット軸線PAが、近位端7865と遠位端7867との間に延在する。ポケット7860は、周辺部7861を有し、周辺部7861は、ポケット7860の境界を画定する。ポケット7860はまた、近位カップ7866、遠位カップ7868、及び近位カップ7866と遠位カップ7868とを接続するネック部分7869とを含む。近位カップ7866及び遠位カップ7868のそれぞれは、入口ランプ7870及び出口ランプ7872を画定する。ステープルを成形するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜7870に沿って、それぞれ対応するカップ7866、7868に入り、出口の傾斜7872に沿って、それぞれのカップ7866、7868を出ることができる。入口の傾斜7870と出口の傾斜7872との間の頂点領域又は分割線7874では、ステープル脚部の先端は、成形後の形状(例えば、B字形状又は変形されたB字形状)をとるように、ステープル基部に向かって変形させられる。
【0169】
ポケット7860はまた、近位カップ7866と遠位カップ7868との間のネック部分7869内にブリッジ部7876を画定する。ブリッジ部7876は、ステープル成形下面7830の非成形部分7840からはずれていてよい。より具体的には、ブリッジ部7876は、非成形部分7840に対して下方に位置するか、又は凹んでいてよい。少なくとも1つの例では、ポケット7860は、3つの側壁7877、7878、7879を含む。側壁7877、7878、7879は、互いに対して角度をなしていてもよい。少なくとも1つの構成では、側壁7878、7879どうしの距離は、各カップ7866、7868の外側端からネック部分7869に向かって線形に狭くなる。その結果、カップ7866、7868の最も広い部分は、それぞれポケット7860の近位端7865及び遠位端7867にある。近位端7865及び遠位端7867にある広い領域は、側壁7877、7878、7879と共に、ステープル脚部の先端部をカップ7866、7868内に受容するための拡大された専有領域を提供する。種々の場合に、カップ7866及び7868の広くなった部分は、ステープル先端を受け入れるための拡張された着地領域を画定する。カップ7866、7868は、ネック部分7869に向かって狭くなっているため、カップ7866、7868は、ポケット軸線PAに向かって、かつ/又はポケット軸線PAに沿って、ステープル脚部の先端を送り込みかつ/又は誘導して、成形後の形状にするように構成されている。ポケット7860は、ポケット7860の側部に沿って、面取りされた縁部7878を画定する。面取りされた縁部7878は、ポケット7860の専有領域を拡大し、ステープル脚部の先端をポケット軸線に向かって誘導するように機能する。図示される構成では、ポケット7860は、対応するポケット軸線PAについて対称である。例えば、ポケット7860の周辺部7861は、対応するポケット軸線について対称である。更に、ポケット7860は、ネック部分7869を通って中心軸線CAについて対称であり、ポケット軸線PAに垂直である。例えば、ポケット7860の周辺部7861は、中心軸線CAについて対称であり、近位カップ7866は、遠位カップ7868と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ7866は、遠位カップ7868と異なっていてもよい。様々な状況において、ネック部分7869の幅は、カップ7866及び7868の幅より小さい。その結果、ポケット7860の中央部分は、近位カップ7866及び遠位カップ7868よりも狭い。ステープルが駆動されてステープル成形下面7730との成形接触が実現される場合、近位カップ7866は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ7868は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ7866及び7868は、ステープル脚部を対応するポケット軸線、成形溝7880、及びポケット7860の中央部分(例えば、ネック部分7869)に向かわせるか又は送り込み、ステープル脚部を成形後の形状に変形させるように構成されている。
【0170】
図58は、本明細書で論じる相違点を除く、上述のアンビル6000と同様のアンビル8000の別の形態を示す。アンビル8000は、8030として全体に称されているステープル成形下面を画定するアンビル本体8010を含み、ステープル成形下面8030を細長いスロット8026が貫通している。ステープル成形下面8030は、アンビル本体8010内のスロット8026の両側それぞれにレッジ8032、8034を形成し、ステープル発射及び組織切断プロセス中にスロット8026を通過する発射部材のナイフ上に形成された又はそれに取り付けられた突出部を、摺動係合させるように機能する。ステープル成形下面8030は、スロット8026の両側それぞれに、本明細書では「非成形面部分」と称され得る平面状面部分8040を備え、その平面状面部分8040のそれぞれが、自らの中に形成された複数のステープル成形ポケット8060を有する。アンビル8000は、細長いチャネル内に支持された特定のステープルと概ね相補的である。例えば、アンビル8000内のステープル成形ポケット8060の配置は、細長いチャネル内に支持されたステープルカートリッジ内のステープル及びステープルキャビティの配置に対応していてもよい。ステープル成形下面の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを成形してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル8000の非成形部分8040の表面積を、ステープル成形ポケット8060について最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット8060の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面8030のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0171】
図示された構成では、ステープル成形ポケット8060は、長手方向スロット8026の第1の側の3つの列8050a、8050b、8050cに配置されている。第1の列8050aは、内側列であり、第2の列8050bは、中間列であり、第3の列8050cは、外側列である。内側ポケット8060aは、内側列8050a内に位置づけられ、中間ポケット8060bは、中間列8050b内に位置づけられ、外側ポケット8060cは、外側列8050c内に位置づけられている。ポケット8060a~8060cは、アンビル8000のステープル成形下面8030に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。少なくとも1つの場合には、長手方向スロット8026の反対側にあるポケット8060a~8060cは、長手方向スロット8026の第1の側にあるポケット8060a~8060cの鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面8030内のポケット8060の配置は、長手方向スロット8026について非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル8000は、長手方向スロット8026を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット8060は、スロット8026のそれぞれの側にある3個より少ない列、又は3個より多い列に配置されていてもよい。ポケット8060a~8060cは、例えば、本明細書に記載されるポケット6060を含んでもよく、又はそれらは、本明細書に開示される他のポケット構成のいずれかを含む、他のポケットを含んでもよい。
【0172】
図58に示される例では、アンビル8000は、複数の組織安定化機能部8080を含む。少なくとも1つの構成では、各安定化機能部8080は、ステープル成形下面8030内に形成された組織安定化キャビティ8082を含む。より具体的には、各組織安定化キャビティ8082は、アンビル8000の非成形面部分8040内に形成される細長いキャビティを含む。図示された例では、細長いスロット8026の両側にそれぞれ、組織安定化キャビティ8082の2つの列8070a、8070bが存在している。各組織安定化キャビティ8082は、閉鎖底部8084と、そこから延出する垂直側壁(複数可)8086とを有する。1つの構成では、底部8084は平面である。しかしながら、他の構成では、閉鎖底部8084は平面でなくてもよい。組織安定化キャビティ8082は、ポケット8060と同じくらいの深さとすることができる。組織安定化キャビティ8082は、ポケット8060a~8060cより深くてもよく、又はポケット8060a~8060cより浅くてもよい。更に他の構成では、組織安定化キャビティ8082の一部はポケット8060a~8060cより深くてもよく、他の組織安定化キャビティ8082は、同じアンビル8000内のポケット8060a~8060cより浅くてもよい。組織安定化キャビティ8082は、ポケット8060a~8060cと同じ周囲形状を有してもよく、又はポケット8060a~8060cの周辺部形状とは異なる周囲形状を有してもよい。各組織安定化キャビティ8082は、ポケット8060a~8060cより長くてもよく、かつ/又はより広くてもよく、あるいは組織安定化キャビティ8082は、ポケット8060a~8060cより短くてもよく、かつ/又はより狭くてもよい。組織安定化キャビティ8082は、組織安定化キャビティが閉鎖底部8084を有するという点で、ポケット8060a~8060cと区別可能であり得る。組織安定化キャビティ8082は、クランプ及びステープル留めプロセス中に隣接する組織を内部に受容するように設計されてもよいが、閉鎖底部8084及び滑らかな内壁(複数可)8086は、組織が引っ掛かったり、囚われたりするのを防ぐが、こうしたことがもし発生すると、組織がエンドエフェクタから取り除かれるときに組織の損傷をもたらす可能性がある。
【0173】
図58に示す例では、各組織安定化キャビティ8082は、安定化軸線SAに沿って位置する。安定化軸線SAは、第1のポケット軸線FPA、第2のポケット軸線SPA、及び第3のポケット軸線TPAを横断している。組織安定化キャビティ8082の第1又は内側列8079aにおける組織安定化キャビティ8082の安定化軸線は、組織安定化キャビティ8082の外側又は第2の列8079b内の組織安定化キャビティ8082の安定化軸線と平行である。安定化軸線SAのそれぞれは、長手方向軸線LAを横断している。ステープル留めプロセスの間、アンビル8000が標的組織上に枢動して、アンビル8000のステープル成形下面8030とエンドエフェクタ内のステープルカートリッジとの間で標的組織をクランプするとき、標的組織の対応する部分が、組織安定化キャビティ8082に入り得るが、これは、ナイフ又は発射部材がアンビル8000を通って前進するにつれて、標的組織が移動したり回転したりするのを最小限に抑えるのに役立つ。ナイフの方向(長手方向軸線LAに沿った方向)に対する組織安定化キャビティ8082の角度付けされた配向は、切断中に組織を更に安定化させるように機能し得る。加えて、標的組織の一部が安定化キャビティに入ることができるため、アンビル8000は、発射中にカートリッジに対してより近い位置をとることができ、それによって、アンビルに通常かかる曲げ応力の量を低減することができる。このような利点はまた、閉鎖及び発射プロセス中に必要とされる閉鎖力及び発射力を、より低いものとすることができる。
【0174】
図59は、本明細書で論じる相違点を除く、上記のアンビル8000と同様のアンビル8100の別の形態を示す。アンビル8100は、8130として全体に称されているステープル成形下面を画定するアンビル本体8110を含み、ステープル成形下面8130を細長いスロット8126が貫通している。ステープル成形下面8130は、スロット8126の両側それぞれに、本明細書では「非成形面部分」と称され得る平面状面部分8140を備え、その平面状面部分8140のそれぞれが、自らの中に形成された複数のステープル成形ポケット8060を有する。アンビル8100は、細長いチャネル内に支持された特定のステープルと概ね相補的である。例えば、アンビル8100内のステープル成形ポケット8060の配置は、細長いチャネル内に支持されたステープルカートリッジ内のステープル及びステープルキャビティの配置に対応していてもよい。ステープル成形下面の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを成形してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル8100の非成形部分8140の表面積を、ステープル成形ポケット8060について最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット8060の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面8130のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0175】
図示された構成では、ステープル成形ポケット8060は、長手方向スロット8126の第1の側の3つの列8050a、8050b、8050cに配置されている。第1の列8050aは、内側列であり、第2の列8050bは、中間列であり、第3の列8050cは、外側列である。内側ポケット8060aは、内側列8050a内に位置づけられ、中間ポケット8060bは、中間列8050b内に位置づけられ、外側ポケット8060cは、外側列8050c内に位置づけられている。ポケット8060a~8060cは、アンビル8100のステープル成形下面8130に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。少なくとも1つの場合には、長手方向スロット8126の反対側にあるポケット8060a~8060cは、長手方向スロット8126の第1の側にあるポケット8060a~8060cの鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面8130内のポケット8060の配置は、スロット8026に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル8100は、長手方向スロット8126を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット8060は、スロット8026のそれぞれの側にある3個より少ない列、又は3個より多い列に配置されていてもよい。ポケット8060a~8060cは、例えば、本明細書に記載されるポケット6060を含んでもよく、又はそれらは、本明細書に開示される他のポケット構成のいずれかを含む、他のポケットを含んでもよい。各第1ポケット8060aは、長手方向軸線LAを横断している、対応する第1のポケット軸線FPAに沿って位置する。各第2ポケット8060bは、長手方向軸線LA及び第1のポケット軸線FPAを横断している、対応する第2のポケット軸線SPAに沿って位置する。各第3のポケット8060cは、長手方向軸線LA及び第2のポケット軸線SPAを横断している、対応する第3のポケット軸線TPAに沿って位置する。第3のポケット軸線TPAは、第1のポケット軸線FPAと平行であってもよい。
【0176】
図59に示される例では、アンビル8100は、複数の組織安定化機能部8180を含み、それらの組織安定化機能部8180は、長手方向スロット8126の第1の側にある4本の列8170a、8170b、8170c、8170dに配置されている。第1の列8170aは内側列であり、長手方向軸線LAを横断している、対応する第1の安定化軸線FSA上にそれぞれ配置された複数の組織安定化キャビティ8182aが同列内には含まれている。各第1の安定化軸線FSAは、第1のポケット軸線FPAと平行であってもよい。第2の列8170bは中間列であり、長手方向軸線LAと第1の安定化軸線FSAを横断している、対応する第2の安定化軸線SSA上にそれぞれ配置された複数の組織安定化キャビティ8182bが、同列内には含まれる。各第2の安定化軸線SSAは、第2のポケット軸線SPAと平行であってもよい。第3の列8170cは、別の中間列であり、長手方向軸線LAと第1の安定化軸線FSAを横断している、対応する第3の安定化軸線TSA上にそれぞれ配置された複数の組織安定化キャビティ8182cが、同列内には含まれる。各第2の安定化軸線SSAは、第2の安定化軸線SSA及び第2のポケット軸線SPAに平行であってもよい。第4の列8170dは、外側列であり、長手方向軸線LAに平行な、対応する第4の安定化軸線FRSA上にそれぞれ配置された複数の組織安定化キャビティ8182dが、同列内には含まれる。第4の安定化キャビティ8182dのそれぞれは、例えば
図59に示されるように、アンビル本体8110の対応する外側縁部8112に沿って配向されてもよい。
【0177】
特定の例では、各組織安定化キャビティ8182a~8182dは、閉鎖底部8184と、そこから延出する垂直側壁8186とを有する。1つの構成では、底部8184は平面である。しかしながら、他の構成では、閉鎖底部8184は平面でなくてもよい。組織安定化キャビティ8182a~8182dは、ポケット8060a~8060cと同程度の深さであってよい。組織安定化キャビティ8182a~8182dは、ポケット8060a~8060cより深くてもよく、又はポケット8060a~8060cより浅くてもよい。更に他の構成では、組織安定化キャビティ8182a~8182dの一部が、ポケット8060a~8060cより深くてもよく、他の組織安定化キャビティ8182a~8182dが、同じアンビル8100内のポケット8060a~8060cより浅くてもよい。組織安定化キャビティ8182a~8182dは、ポケット8060a~8060cと同じ周囲形状を有してもよく、又はポケット8060a~8060cの周囲形状とは異なる周囲形状を有してもよい。各組織安定化キャビティ8082は、ポケット8060a~8060cより長くてもよく、かつ/又はより広くてもよく、あるいは組織安定化キャビティ8182a~8182dは、ポケット8060a~8060cより短くてもよく、かつ/又はより狭くてもよい。組織安定化キャビティ8182a~8182dは、組織安定化キャビティ8182a~8182dが閉鎖底部8184を有するという点で、ポケット8060a~8060cと区別可能であり得る。組織安定化キャビティ8182a~8182dは、クランプ及びステープル留めプロセス中に隣接する組織を内部に受容するように設計されてもよい反面、閉鎖底部8184及び滑らかな内壁又は壁8186は、組織が引っ掛かったり、囚われたりするのを防ぐもののこうしたことがもし発生したときには、組織がエンドエフェクタから取り除かれるときに組織の損傷をもたらす可能性がある。第1の安定化軸線、第2の安定化軸線、第3の安定化軸線FSA、SSA、TSAのそれぞれは、長手方向軸線LAを横断している。ステープル留めプロセスの間、アンビル8100が標的組織上近くに枢動して、アンビル8100のステープル成形下面8130とエンドエフェクタ内のステープルカートリッジとの間で標的組織をクランプするとき、標的組織の対応する部分が、組織安定化キャビティ8182a~8182cに入るが、これは、ナイフ又は発射部材がアンビル8100を通って前進するにつれて、標的組織が移動したり回転したりするのを最小限に抑えるのに役立つ。ナイフの方向(長手方向軸線LAに沿った方向)に対する組織安定化キャビティ8182a~8182cの角度付けされた配向は、切断中に組織を更に安定化させるように機能し得る。加えて、標的組織の一部が安定化キャビティに入ることができるため、アンビル8100は、発射中にカートリッジに対してより近い位置をとることができ、それによって、アンビルに通常かかる曲げ応力の量を低減することができる。このような利点はまた、閉鎖及び発射プロセス中に必要とされる閉鎖力及び発射力を、より低いものとすることができる。
【0178】
図60は、本明細書で論じる相違点を除く、上記のアンビル8000と同様のアンビル8200の別の形態を示す。アンビル8200は、8230として全体に称されているステープル成形下面を画定するアンビル本体8210を含み、ステープル成形下面8230を細長いスロット8226が貫通している。ステープル成形下面8230は、スロット8226の両側それぞれに、本明細書では「非成形面部分」と称され得る平面状面部分8240を備え、その平面状面部分8240のそれぞれが、自らの中に形成された複数のステープル成形ポケット8060を有する。アンビル8200は、細長いチャネル内に支持された特定のステープルと概ね相補的である。例えば、アンビル8200内のステープル成形ポケット8060の配置は、細長いチャネル内に支持されたステープルカートリッジ内のステープル及びステープルキャビティの配置に対応していてもよい。ステープル成形下面の成形率を最適化することができる。成形率を最適化することによって、より多くのステープルを成形してもよく、かつ/又は所望の構成になるように成形してもよい。特定の場合には、アンビル8200の非成形部分8240の表面積を、ステープル成形ポケット8060について最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル成形ポケット8060の専有領域を拡張又は拡大して、ステープル成形下面8230のうちの、ステープルを捕捉して成形するように設計された部分を最大化してもよい。
【0179】
図示された構成では、ステープル成形ポケット8060は、長手方向スロット8226の第1の側の3つの列8050a、8050b、8050cに配置されている。第1の列8050aは、内側列であり、第2の列8050bは、中間列であり、第3の列8050cは、外側列である。内側ポケット8060aは、内側列8050a内に位置づけられ、中間ポケット8060bは、中間列8050b内に位置づけられ、外側ポケット8060cは、外側列8050c内に位置づけられている。ポケット8060a~8060cは、アンビル8200のステープル成形下面8230に沿ってヘリンボーン配置で配列されている。少なくとも1つの場合には、長手方向スロット8226の反対側にあるポケット8060a~8060cは、長手方向スロット8226の第1の側にあるポケット8060a~8060cの鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル成形下面8230内のポケット8060の配置は、長手方向スロット8226について非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル8200は、長手方向スロット8226を含まなくてもよい。種々の場合に、ポケット8060は、スロット8226のそれぞれの側にある3個より少ない列、又は3個より多い列に配置されていてもよい。ポケット8060a~8060cは、例えば、本明細書に記載されるポケット6060を含んでもよく、又はそれらは、本明細書に開示される他のポケット構成のいずれかを含む、他のポケットを含んでもよい。各第1ポケット8060aは、長手方向軸線LAを横断している、対応する第1のポケット軸線FPAに沿って位置する。各第2ポケット8060bは、長手方向軸線LA及び第1のポケット軸線FPAを横断している、対応する第2のポケット軸線SPAに沿って位置する。各第3のポケット8060cは、長手方向軸線LA及び第2のポケット軸線SPAを横断している、対応する第3のポケット軸線TPAに沿って位置する。第3のポケット軸線TPAは、第1のポケット軸線FPAと平行であってもよい。
【0180】
図60に示される例では、アンビル8200は、複数の組織安定化機能部8280を含み、それらの組織安定化機能部8280は、長手方向スロット8226の第1の側にある2つの列8270a、8270bに配置されている。第1の列8270aは内側列であり、長手方向軸線LAを横断している、対応する第1の安定化軸線FSA上にそれぞれ配置された複数の内側又は第1の組織安定化キャビティ8282a~8282eが、同列内には含まれている。したがって、第1の安定化キャビティ8282a~8282eは互いに平行であり、各第1の安定化軸線FSAは、第1のポケット軸線FPAに平行であってもよい。第1の安定化キャビティ8282a~8282eは、図示のように、隣接する第1のポケット8060aと対応する第2のポケット8060bとの間に延在している、それぞれの非成形面部分8240を実質的に占有する。
【0181】
第2の列8270bは外側列であり、長手方向軸線LAを横断し、第3のポケット8060cの列の第3のポケット軸線TPAと平行である、対応する第2の安定化軸線SSA上にそれぞれ配置された複数の外側又は第2の組織安定化キャビティ8282f~8282iが、同列内には含まれる。したがって、第2の安定化キャビティ8282f~8282iは、互いに平行であり、各第3のポケット軸線TPAに平行である。第2の安定化キャビティ8282a~8282eは、図示のように、隣接する第3のポケット8060cと対応する第2のポケット8060bとの間に延在している、それぞれの非成形面部分8240を実質的に占有する。
【0182】
特定の例では、各組織安定化キャビティ8282a~8282iは、平面的な底部8284と、そこから延在している垂直側壁8286とを有する。組織安定化キャビティ8282a~8282iは、ポケット8060a~8060cと同程度の深さであってよい。組織安定化キャビティ8282a~8282iは、ポケット8060a~8060cより深くてもよく、又はポケット8060a~8060cより浅くてもよい。更に他の構成では、組織安定化キャビティ8282a~8282iの一部が、ポケット8060a~8060cより深くてもよく、他の組織安定化キャビティ8282a~8282iが、同じアンビル8200内のポケット8060a~8060cより浅くてもよい。組織安定化キャビティ8282a~8282iは、ポケット8060a~8060cと同じ周囲形状を有してもよく、又はポケット8060a~8060cの周囲形状とは異なる周囲形状を有してもよい。組織安定化キャビティ8282a~8282iは、組織安定化キャビティ8282a~8282iが閉鎖底部8284を有するという点で、ポケット8060a~8060cと区別可能であり得る。1つの構成では、底部8284は平面である。しかしながら、他の構成では、閉鎖底部8284は平面でなくてもよい。組織安定化キャビティ8282a~8282iは、クランプ及びステープル留めプロセス中に隣接する組織を内部に受容するように設計されてもよいが、閉鎖底部8284及び滑らかな内壁又は壁8286は、組織が引っ掛かったり、囚われたりするのを防ぐが、こうしたことがもし発生すると、組織がエンドエフェクタから取り除かれるときに組織の損傷をもたらす可能性がある。第1及び第2の安定化軸線FSA、SSAのそれぞれは、長手方向軸線LAを横断している。ステープル留めプロセスの間、アンビル8200が標的組織上近くに枢動して、アンビル8200のステープル成形下面8230とエンドエフェクタ内のステープルカートリッジとの間で標的組織をクランプするとき、標的組織の対応する部分が、組織安定化キャビティ8282a~8282iに入るが、これは、ナイフ又は発射部材がアンビル8200を通って前進するにつれて、標的組織が移動したり回転したりするのを最小限に抑えるのに役立つ。ナイフの方向(長手方向軸線LAに沿った方向)に対する組織安定化キャビティ8282a~8282iの角度付けされた配向は、切断中に組織を更に安定化させるように機能し得る。加えて、標的組織の一部が安定化キャビティに入ることができるため、アンビル8200は、発射中にカートリッジに対してより近い位置をとることができ、それによって、アンビルに通常かかる曲げ応力の量を低減することができる。このような利点はまた、閉鎖及び発射プロセス中に必要とされる閉鎖力及び発射力を、より低いものとすることができる。
【実施例0183】
実施例1-外科用ステープラ用のアンビルであって、長手方向軸線を画定しているアンビル本体を備える、アンビル。アンビル本体が、平面状非成形面を更に備える。第1のステープル成形ポケットの第1の列が平面状非成形面内に設けられ、第1の列内の第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、第1のポケット軸線に沿って位置する。第2のステープル成形ポケットの第2の列が、第1のステープル成形ポケットの第1の列に隣接した平面状非成形面に設けられる。第2の列内の第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、第2のポケット軸線に沿って位置する。第3のステープル成形ポケットの第3の列が、第2のステープル成形ポケットの第2の列に隣接した平面状非成形面内に設けられ、第3の列内の第3のステープル成形ポケットのそれぞれが、第3のポケット軸線に沿って位置する。第2のポケット軸線は、第1のポケット軸線及び第3のポケット軸線を横断している。複数のアンビル突出部が、平面状非成形面から突出し、アンビル突出部のそれぞれが、第1のステープル成形ポケット、第2のステープル成形ポケット、及び第3のステープル成形ポケットのうちの少なくとも2つに隣接する。
【0184】
実施例2-第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、平面状非成形面内に第1のポケット開口部を備え、第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、平面非成形面内に第2のポケット開口部を含み、第3のステープル成形ポケットのそれぞれが、平面状非成形面内に第3のポケット開口部を備える、実施例1に記載のアンビル。少なくとも1つのアンビル突出部は、少なくとも1つの第1のポケット開口部、少なくとも1つの第2のポケット開口部、及び少なくとも1つの第3のポケット開口部に隣接する。
【0185】
実施例3-第1のポケット開口部のそれぞれが、第1の近位端及び第1の遠位端を備え、第2のポケット開口部のそれぞれが、第2の近位端及び第2の遠位端を備え、第3のポケット開口部が第3の近位端及び第3の遠位端を備える、実施例2に記載のアンビル。少なくとも1つのアンビル突出部は、対応する第1のポケット開口部の第1の遠位端、対応する第2のポケット開口部の第2の近位端、及び対応する第3のポケット開口部の第3の遠位端に隣接する。
【0186】
実施例4-少なくとも1つのアンビル突出部が、第1のステープル成形ポケット開口部の遠位端に隣接する第1の傾斜面と、第2のステープル成形ポケット開口部の遠位端に隣接する第2の傾斜面を備える、実施例2又は3に記載のアンビル。アンビル突出部が、別の第2のステープル成形ポケット開口部の近位端に隣接する第3の傾斜面と、第3のステープル成形ポケット開口部の近位端に隣接する第4の傾斜面と、を更に備える。
【0187】
実施例5-複数のアンビル突出部が、平面状非成形面から突出している第1のアンビル突出部の第1の列と、平面状非成形面から突出している第2のアンビル突出部の第2の列とを備える、実施例1、2、3、又は4に記載のアンビル。
【0188】
実施例6-複数のアンビル突出部が、平面状非成形面から突出している第3のアンビル突出部の第3の列と、平面状非成形面から突出している第4のアンビル突出部の第4の列と、平面非成形面から突出している第5のアンビル突出部の第5の列とを更に備える、実施例5に記載のアンビル。
【0189】
実施例7-第2のアンビル突出部及び第4のアンビル突出部が、同じ周囲形状を有する、実施例6に記載のアンビル。
【0190】
実施例8-第1の傾斜面、第2の傾斜面、第3の傾斜面、及び第4の傾斜面のうちの少なくとも1つが、鋭角で平面状非成形面から延在する、実施例4に記載のアンビル。
【0191】
実施例9-それぞれの第1の傾斜面、それぞれの第2の傾斜面、それぞれの第3の傾斜面、及びそれぞれの第4の傾斜面が、平面状非成形面から鋭角で延在する、実施例4に記載のアンビル。
【0192】
実施例10-アンビル本体の長さに沿って繰り返されるステープル成形ポケットのパターンで配置された複数のステープル成形ポケットを含むアンビル本体を備える、外科用ステープラ用のアンビル。それぞれのポケットが、平面状非成形面によって少なくとも部分的に包囲されるポケット開口部を含む。複数の組織安定化キャビティが、ステープル成形ポケットの少なくとも一部の間の平面状非成形面内に形成される。組織安定化キャビティのうちの少なくとも一部が、平面状非成形面に形成された閉鎖底部キャビティを備える。
【0193】
実施例11-複数のステープル成形ポケットが、第1のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第1の列と、第1のステープルポケットの第1の列に隣接する、第2のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第2の列と、第2のステープル成形ポケットの第2の列に隣接する、第3のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第3の列と、を備える、実施例10に記載のアンビル。
【0194】
実施例12-第1の列内の第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、第1のポケット軸線に沿って位置し、第2の列内の第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、第2のポケット軸線に沿って位置し、第3の列内の第3のポケットのそれぞれが、第3のポケット軸線に沿って位置する、実施例11に記載のアンビル。第2のポケット軸線が、第1のポケット軸線及び第3のポケット軸線を横断している。
【0195】
実施例13-それぞれの閉鎖底部キャビティが、第1のポケット軸線、第2のポケット軸線、及び第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つを横断しているキャビティ軸線に沿って位置する、実施例12に記載のアンビル。
【0196】
実施例14-アンビル本体が長手方向軸線を画定し、組織安定化キャビティのそれぞれが、長手方向軸線を横断している対応するキャビティ軸線に沿って位置する、実施例10、11、12、又は13に記載のアンビル。
【0197】
実施例15-複数の組織安定化キャビティのうちの少なくとも一部が、長さ及び幅を含み、長さが幅よりも大きい、実施例10、11、12、13、又は14に記載のアンビル。
【0198】
実施例16-閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、第1のポケット軸線、第2のポケット軸線、及び第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つと平行である対応するキャビティ軸線に沿って位置する、実施例12のアンビル。
【0199】
実施例17-閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、第1のポケット軸線及び第3のポケット軸線と平行な、対応するキャビティ軸線に沿って位置する、実施例12又は16に記載のアンビル。
【0200】
実施例18-閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、第1のポケット軸線、第2のポケット軸線、及び第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つと平行であり、第1のポケット軸線、第2のポケット軸線、及び第3のポケット軸線のうちの1つを横断している、対応するキャビティ軸線に沿って位置する、実施例12のアンビル。
【0201】
実施例19-長手方向軸線を画定するアンビル本体を備える、外科用ステープラのアンビル。アンビル本体が、組織接触面を含む。複数のステープル成形ポケットが、組織接触面内に形成される。複数のステープル成形ポケットが、アンビル本体の長さに沿って繰り返されるステープル成形ポケットのパターンで配置される。パターンが、第1の成形ポケット列に沿って整列された複数の第1のステープル成形ポケットを備え、第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、長手方向軸線を横断している、対応する第1のポケット軸線を画定する。複数の第2のステープル成形ポケットが、第2の成形ポケット列に沿って整列され、第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、長手方向軸線を横断している、対応する第2のポケット軸線を画定する。複数の第3のステープル成形ポケットが、第3の成形ポケット列に沿って整列され、第3のステープル成形ポケットのそれぞれが、長手方向軸線を横断している第3のポケット軸線を画定する。アンビルが、組織接触面内に形成された複数の第1の組織係合機能部であって、第1のステープル成形ポケットの第1の列と第2のステープル成形ポケットの第2の列との間に位置づけられている、複数の第1の組織係合機能部を更に備える。複数の第2の組織係合機能部が、組織接触面内に形成され、第2のステープル成形ポケットの第2の列と第3のステープル成形ポケットの第3の列との間に位置づけられている。
【0202】
実施例20-少なくとも1つの組織係合機能部が、第1のステープル成形ポケットと、第2のステープル成形ポケットと、第3のステープル成形ポケットとの間に位置づけられている、実施例19に記載のアンビル。
【0203】
本明細書で説明する外科用器具システムの多くは、電動モータによって駆動されている。本明細書に記載された外科用器具システムは、任意の好適な様態で動作することができる。様々な事例において、本明細書で説明した外科用器具システムは、例えば、手動操作トリガにより動作することができる。特定の例では、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御式システムの1つ又は複数の部分を備えることができる。更に、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び/又は工具アセンブリのいずれもロボット外科用器具システムと共に利用することができる。例えば、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(米国特許第9,072,535号)は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例をより詳細に開示している。
【0204】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきた。しかしながら、本明細書に記載された実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結要素を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【0205】
以下の開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、1995年4月4日に発行、
-米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、2006年2月21日に発行、
-米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、2008年9月9日に発行、
-米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、2008年12月16日に発行、
-米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、2010年3月2日に発行、
-米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、2010年7月13日に発行、
-米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、2013年3月12日に発行、
-米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」(米国特許第7,845,537号)、
-米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、2008年2月14日に出願、
-米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」、2008年2月15日に出願、(米国特許第7,980,443号)、
-米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」(米国特許第8,210,411号)、
-米国特許出願第12/235,972号、発明の名称「MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」(米国特許第9,050,083号)、
-米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」(米国特許第8,608,045号)、
-米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」、2009年12月24日に出願、(米国特許第8,220,688号)、
-米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、2012年9月29日に出願(米国特許第8,733,613号)、
-米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、2011年2月28日に出願(米国特許第8,561,870号)、
-米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(米国特許第9,072,535号)、
-米国特許出願第13/524,049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、2012年6月15日に出願、(米国特許第9,101,358号)、
-米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、2013年3月13日に出願、(米国特許第9,345,481号)、
-米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、2013年3月13日に出願、(米国特許出願公開第2014/0263552号)、
-米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、2006年1月31日に出願、及び
-米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」、2010年4月22日に出願、(米国特許第8,308,040号)。
【0206】
特定の実施形態と共に本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ以上の実施形態で、任意の好適な様態で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能(複数可)を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0207】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0208】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0209】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0210】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープラ用のアンビルであって、前記アンビルが、
長手方向軸線を画定しているアンビル本体であって、
平面状非成形面と、
前記平面状非成形面内の第1のステープル成形ポケットの第1の列であって、前記第1の列内の前記第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、第1のポケット軸線に沿って位置する、第1の列と、
前記第1のステープル成形ポケットの前記第1の列に隣接した前記平面状非成形面内の第2のステープル成形ポケットの第2の列であって、前記第2の列内の前記第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、第2のポケット軸線に沿って位置する、第2の列と、
前記第2のステープル成形ポケットの前記第2の列に隣接した前記平面状非成形面内の第3のステープル成形ポケットの第3の列であって、前記第3の列内の前記第3のステープル成形ポケットのそれぞれが、第3のポケット軸線に沿って位置し、前記第2のポケット軸線が前記第1のポケット軸線及び前記第3のポケット軸線を横断している、第3の列と、
前記平面状非成形面から突出している複数のアンビル突出部であって、前記アンビル突出部のそれぞれが、前記第1のステープル成形ポケット、前記第2のステープル成形ポケット、及び前記第3のステープル成形ポケットのうちの少なくとも2つに隣接する、アンビル突出部と、
を備える、アンビル本体、
を備える、外科用ステープラ用のアンビル。
(2) 前記第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、前記平面状非成形面内に第1のポケット開口部を備え、
前記第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、前記平面状非成形面内に第2のポケット開口部を含み、
前記第3のステープル成形ポケットのそれぞれが、前記平面状非成形面内に第3のポケット開口部を備え、
少なくとも1つの前記アンビル突出部が、少なくとも1つの前記第1のポケット開口部、少なくとも1つの前記第2のポケット開口部、及び少なくとも1つの前記第3のポケット開口部に隣接する、
実施態様1に記載のアンビル。
(3) 前記第1のポケット開口部のそれぞれが、第1の近位端及び第1の遠位端を備え、
前記第2のステープル成形ポケット開口部のそれぞれが、第2の近位端及び第2の遠位端を備え、
前記第3のステープル成形ポケット開口部のそれぞれが、第3の近位端及び第3の遠位端を備え、
少なくとも1つの前記アンビル突出部が、対応する第1のポケット開口部の前記第1の遠位端、対応する第2のポケット開口部の前記第2の近位端、及び対応する第3のポケット開口部の前記第3の遠位端に隣接する、
実施態様2に記載のアンビル。
(4) 前記少なくとも1つのアンビル突出部が、
前記第1のポケット開口部の前記第1の遠位端に隣接する第1の傾斜面と、
前記第2のポケット開口部の前記第2の遠位端に隣接する第2の傾斜面と、
別の前記第2のポケット開口部の前記第2の近位端に隣接する第3の傾斜面と、
前記第3のポケット開口部の前記第3の近位端に隣接する第4の傾斜面と、
を備える、実施態様3に記載のアンビル。
(5) 前記複数のアンビル突出部が、
前記平面状非成形面から突出している第1のアンビル突出部の第1の列と、
前記平面状非成形面から突出している第2のアンビル突出部の第2の列と、
を備える、実施態様1に記載のアンビル。
【0211】
(6) 前記複数のアンビル突出部が、
前記平面状非成形面から突出している第3のアンビル突出部の第3の列と、
前記平面状非成形面から突出している第4のアンビル突出部の第4の列と、
前記平面状非成形面から突出している第5のアンビル突出部の第5の列と、
を更に備える、実施態様5に記載のアンビル。
(7) 前記第2のアンビル突出部及び前記第4のアンビル突出部が、同じ周囲形状を備える、実施態様6に記載のアンビル。
(8) 前記第1の傾斜面、前記第2の傾斜面、前記第3の傾斜面、及び前記第4の傾斜面のうちの少なくとも1つが、鋭角で前記平面状非成形面から延在する、実施態様4に記載のアンビル。
(9) それぞれの前記第1の傾斜面、それぞれの前記第2の傾斜面、それぞれの前記第3の傾斜面、及びそれぞれの前記第4の傾斜面が、鋭角で前記平面状非成形面から延在する、実施態様4に記載のアンビル。
(10) 外科用ステープラ用のアンビルであって、
複数のステープル成形ポケットを備えるアンビル本体であって、前記複数のステープル成形ポケットが前記アンビル本体の長さに沿って繰り返されるステープル成形ポケットのパターンで配置され、それぞれの前記ステープル成形ポケットが、平面状非成形面によって少なくとも部分的に包囲されたポケット開口部を含む、アンビル本体と、
前記ステープル成形ポケットの少なくとも一部の間で、前記平面状非成形面内に形成された複数の組織安定化キャビティであって、前記組織安定化キャビティのうちの少なくとも一部が、前記平面状非成形面内に形成された閉鎖底部キャビティを備える、複数の組織安定化キャビティと、
を備える、アンビル。
【0212】
(11) 前記複数のステープル成形ポケットが、
第1のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第1の列と、
前記第1のステープル成形ポケットの前記第1の列に隣接する、第2のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第2の列と、
前記第2のステープル成形ポケットの前記第2の列に隣接する、第3のステープル成形ポケットの少なくとも1つの第3の列と、
を備える、実施態様10に記載のアンビル。
(12) 前記第1の列内の前記第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、第1のポケット軸線に沿って位置し、
前記第2の列内の前記第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、第2のポケット軸線に沿って位置し、
前記第3の列内の前記第3のステープル成形ポケットのそれぞれが、第3のポケット軸線に沿って位置し、
前記第2のポケット軸線が、前記第1のポケット軸線及び前記第3のポケット軸線を横断している、
実施態様11に記載のアンビル。
(13) それぞれの前記閉鎖底部キャビティが、前記第1のポケット軸線、前記第2のポケット軸線、及び前記第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つを横断しているキャビティ軸線に沿って位置する、実施態様12に記載のアンビル。
(14) 前記アンビル本体が長手方向軸線を画定し、
前記組織安定化キャビティのそれぞれが、前記長手方向軸線を横断している対応するキャビティ軸線に沿って位置する、
実施態様12に記載のアンビル。
(15) 前記複数の組織安定化キャビティの少なくとも一部が、長さ及び幅を有し、前記長さが前記幅よりも大きい、実施態様10に記載のアンビル。
【0213】
(16) 前記閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、前記第1のポケット軸線、前記第2のポケット軸線、及び前記第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つと平行である対応するキャビティ軸線に沿って位置する、実施態様12に記載のアンビル。
(17) 前記閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、前記第1のポケット軸線及び前記第3のポケット軸線と平行な、対応するキャビティ軸線に沿って位置する、実施態様16に記載のアンビル。
(18) 前記閉鎖底部キャビティの少なくとも一部が、前記第1のポケット軸線、前記第2のポケット軸線、及び前記第3のポケット軸線のうちの少なくとも1つと平行であり、前記第1のポケット軸線、前記第2のポケット軸線、及び前記第3のポケット軸線のうちの1つを横断している、対応するキャビティ軸線に沿って位置する、実施態様12に記載のアンビル。
(19) 外科用ステープラ用のアンビルであって、前記アンビルが、
長手方向軸線を画定するアンビル本体と、
前記アンビル本体上の組織接触面と、
前記組織接触面内に形成された複数のステープル成形ポケットであって、前記複数のステープル成形ポケットは、前記アンビル本体の長さに沿って繰り返されるステープル成形ポケットのパターンで配置され、前記パターンが、
第1の成形ポケット列に沿って整列された複数の第1のステープル成形ポケットであって、前記第1のステープル成形ポケットのそれぞれが、前記長手方向軸線を横断している対応する第1のポケット軸線を画定している、複数の第1のステープル成形ポケット、
第2の成形ポケット列に沿って整列された複数の第2のステープル成形ポケットであって、前記第2のステープル成形ポケットのそれぞれが、前記長手方向軸線を横断している対応する第2のポケット軸線を画定している、複数の第2のステープル成形ポケット、及び、
第3の成形ポケット列に沿って整列された複数の第3のステープル成形ポケットであって、前記第3のステープル成形ポケットのそれぞれが、前記長手方向軸線を横断している第3のポケット軸線を画定している、複数の第3のステープル成形ポケット、
を備える、複数のステープル成形ポケットと、
を備え、前記アンビルが、
前記組織接触面内に形成され、前記第1のステープル成形ポケットの前記第1の列と前記第2のステープル成形ポケットの前記第2の列との間に位置づけられている、複数の第1の組織係合機能部と、
前記組織接触面内に形成され、前記第2のステープル成形ポケットの前記第2の列と前記第3のステープル成形ポケットの前記第3の列との間に位置づけられている、複数の第2の組織係合機能部と、
を更に備える、アンビル。
(20) 少なくとも1つの前記組織係合機能部が、第1のステープル成形ポケットと、第2のステープル成形ポケットと、第3のステープル成形ポケットとの間に位置づけられている、実施態様19に記載のアンビル。