(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175056
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241210BHJP
E05F 15/603 20150101ALI20241210BHJP
【FI】
G06Q10/20
E05F15/603
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024160160
(22)【出願日】2024-09-17
(62)【分割の表示】P 2020218776の分割
【原出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】倉林 慶太
(72)【発明者】
【氏名】宮内 隆
(72)【発明者】
【氏名】田代 達一郎
(72)【発明者】
【氏名】丸尾 広行
(72)【発明者】
【氏名】山川 稔
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕輔
(57)【要約】
【課題】開閉装置のメンテナンス性を向上させることができる情報処理システムを提供することである。
【解決手段】建物に設置される複数の異種類の開閉体をモータ駆動により開閉する開閉装置から、一定周期ごとに、ネットワークを介して複数の異種類の前記開閉体の駆動に関する各々の情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記情報に基づいて前記開閉装置のメンテナンスの要否を、前記開閉装置ごとに判定する判定部と、前記判定部により前記開閉装置のメンテナンスが必要であると判定された場合には、事前に設定されている通信端末に対して、前記開閉装置のメンテナンスが必要である、または前記開閉装置のメンテナンスの時期が近いことを示すメンテナンス情報、及び前記開閉装置のメンテナンスの内容に関連するQ&Aを含むサポートページのURLの情報であるサポート情報を通知する通知部と、を備える情報処理システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設置される複数の異種類の開閉体をモータ駆動により開閉する開閉装置から、一定周期ごとに、ネットワークを介して複数の異種類の前記開閉体の駆動に関する各々の情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記情報に基づいて前記開閉装置のメンテナンスの要否を、前記開閉装置ごとに判定する判定部と、
前記判定部により前記開閉装置のメンテナンスが必要であると判定された場合には、事前に設定されている通信端末に対して、前記開閉装置のメンテナンスが必要である、または前記開閉装置のメンテナンスの時期が近いことを示すメンテナンス情報、及び前記開閉装置のメンテナンスの内容に関連するQ&Aを含むサポートページのURLの情報であるサポート情報を通知する通知部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記情報は、前記開閉装置のメンテナンス要否の判定に用いるための情報であり、前記開閉体の開閉回数、前記開閉体の使用時間及び前記モータに流れる電流値または前記モータにかかる電圧値のうち、少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記開閉回数が第1閾値を超えた場合、前記使用時間が第2閾値を超えた場合及び前記電流値または前記電圧値が第3閾値を超えた場合のいずれかの場合において、前記メンテナンスが必要であると判定する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記通知部は、前記開閉回数が前記第1閾値を超えた場合には、前記開閉回数に関連する部品の交換を促す情報を前記通信端末に対して通知し、
前記使用時間が前記第2閾値を超えた場合には、前記使用時間に関連する部品の交換を促す情報を前記通信端末に対して通知し、
前記開閉体を駆動する前記モータの前記電流値または前記電圧値が前記第3閾値を超えたことによってメンテナンスが必要であると判定された場合には、前記モータのメンテナンスや異常を示す情報、前記モータの前記電流値または前記電圧値の異常に関連する部品の交換を促す情報を含めて前記通信端末に対して通知する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記取得部と前記開閉装置との間を接続するゲートウェイをさらに備え、
前記ゲートウェイは、前記開閉装置からの前記情報を前記ネットワークを介して前記取得部に送信する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターや窓など建物に設置されている開閉体を開閉させる開閉装置がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、開閉装置のメンテンスに関しては開示されていない。開閉装置のメンテナンス性の観点からは改善の余地がある。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、開閉装置のメンテナンス性を向上させることができる情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、建物に設置される開閉体を開閉する開閉装置からネットワークを介して前記開閉体の駆動に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記情報に基づいてメンテナンスの要否を判定する判定部と、前記判定部により前記メンテナンスが必要であると判定された場合には、予め指定された通信端末に対して通知する通知部と、を備える情報処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の情報処理装置の動作の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態に係る情報処理システムを、図面を用いて説明する。
【0009】
本実施形態に係る情報処理システム1は、家、病院、介護施設などの建物100に設置された1つ以上の開閉装置200からネットワーク経由で情報を取得する。開閉装置200は、建物100に設置された開閉体を備える。開閉装置200は、開閉体を開閉する。
【0010】
開閉体は、例えば、建物100の開口部を開閉するものである。例えば、開閉体は、窓(天窓を含む)、シャッターである。開閉体は、シェード、オーニング、カーテンやブラインドなどであってもよい。
【0011】
本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例について説明する。
図1に示すように、情報処理システム1は、ゲートウェイ10、通信端末20及び情報処理装置30を備える。
【0012】
ゲートウェイ10は、情報処理装置30と1つ以上の開閉装置200とを接続する。例えば、ゲートウェイ10は、1つ以上の開閉装置200と直接的に無線通信してもよい。ゲートウェイ10は、1つ以上の開閉装置200と情報処理装置30との情報のやり取りを中継する。例えば、ゲートウェイ10は、1つ以上の開閉装置200と第1ネットワークNW1に接続し、情報処理装置30と第2ネットワークNW2を介して接続される。
【0013】
第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、BLE等を用いてもよい。
【0014】
本実施形態では、一例として第1ネットワークNW1と第2ネットワークNW2とは、異なる通信ネットワークである。例えば、第1ネットワークNW1は、Wi-FiやBLEである。例えば、第2ネットワークNW2は、無線LANである。
【0015】
通信端末20は、情報処理装置30に対して無線又は有線で通信を行うことにより情報を送受する。通信端末20は、建物100の内部又は外部に設けられる。本実施形態では、通信端末20は、情報処理装置30に対して第3ネットワークNW3を介して無線通信する。第3ネットワークNW3は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第3ネットワークNW3は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、第3ネットワークNW3は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee、Wi-Fi、BLE等を用いてもよい。第3ネットワークNW3は、第2ネットワークNW2と同じネットワークであってもよい。
【0016】
通信端末20は、例えば、ユーザが携帯可能な携帯通信端末である。例えば、通信端末20は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末及びノートパソコンのいずれかである。通信端末20は、ウェアラブル端末等であってもよい。通信端末20は、ユーザが携帯可能であるか否かには特に限定されない。例えば、通信端末20は、コンピュータであってもよい。以下の説明では、通信端末20が携帯通信端末である場合について説明する。
【0017】
通信端末20は、操作部21、表示部22及び処理部23を備える。
【0018】
操作部21は、ユーザにより操作される。操作部21は、ユーザによる操作を受け付けると、その受け付けた操作に応じた操作信号を処理部23に出力する。例えば、操作部21は、タッチパネルやボタンなどである。本実施形態の一例では、操作部21は、表示部22と一体で構成されているタッチパネルである。
【0019】
表示部22は、情報を表示する。例えば、表示部22は、タッチパネル式の表示画面を備えている。
【0020】
処理部23は、プロセッサ、メモリ及び通信用インタフェースを含んでいる。処理部23は、第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30から得られた情報を表示部22に表示する。処理部23は、プロセッサ、メモリ及び通信用インタフェースを含んでいる。処理部23は、操作部21から得られた操作信号に応じた情報を、第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30に送信する。例えば、処理部23の機能は、事前にインストールされたアプリケーションによって実行される。
【0021】
処理部23は、アプリケーションが起動すると、情報処理装置30から情報を取得する。処理部23は、開閉装置200のメンテナンスが必要であることを示す情報などの装置情報を表示部22に表示可能である。装置情報は、メンテナンスに関する情報の他に、例えば、開閉装置200のエラーの有無、開閉装置200が稼働しているか否かの情報、開閉体の開閉状態などである。
【0022】
本実施形態に係る情報処理装置30の概略構成の一例について説明する。情報処理装置30は、取得部31、判定部32及び通知部33を備える。情報処理装置30は、インターネット上やクラウド上に配置されてもよい。
【0023】
取得部31は、建物100に設置される開閉体を開閉する開閉装置200から、ゲートウェイ10及び第2ネットワークNW2を経由して開閉体の駆動に関する情報(以下、「開閉体情報」という。)を取得する。取得部31は、一定周期ごとに開閉体情報を開閉装置200から取得する。例えば、開閉体情報は、開閉体の開閉回数、開閉体の連続使用時間及び開閉体を駆動するモータに流れる電流値またはモータにかかる電圧値のうち、少なくともいずれかを含む。開閉体情報は、これに限定されず、開閉装置200のメンテナンスの要否の判定に用いることができる情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0024】
判定部32は、取得部31によって取得された開閉体情報に基づいてメンテナンスの要否を判定する。例えば、判定部32は、取得部31によって取得された開閉体情報に基づいてメンテナンスの要否を開閉装置200ごとに判定する。例えば、判定部32は、開閉装置200の開閉回数が第1閾値を超えた場合には、その開閉装置200のメンテナンスが必要であると判定する。
【0025】
例えば、判定部32は、開閉装置200の連続使用時間が第2閾値を超えた場合には、その開閉装置200のメンテナンスが必要であると判定してもよい。例えば、判定部32は、開閉装置200の開閉体を駆動するモータに流れる電流値またはモータにかかる電圧値が第3閾値を超えた場合には、その開閉装置200のメンテナンスが必要であると判定してもよい。
【0026】
例えば、判定部32は、開閉回数が第1閾値を超えた場合、連続使用時間が第2閾値を超えた場合及び上記電流値または上記電圧値が第3閾値を超えた場合のいずれかの場合において、開閉装置200のメンテナンスが必要であると判定してもよい。
【0027】
通知部33は、開閉装置200のメンテナンスが必要であると判定された場合には、予め指定された通信端末20に対してメンテナンスが必要である、又は、メンテナンスの時期が近いことを示す情報(以下、「メンテナンス情報」という。)を通知する。予め指定された通信端末20とは、事前に通知用の情報処理装置30に設定されている通信端末であってもよい。予め指定された通信端末20は、建物100の所有者や利用者の通信端末20であってもよいし、建物100のメンテナンスの事業者の通信端末20であってもよい。
【0028】
通知部33は、メンテナンス情報にメンテナンスの内容の情報を含めて通信端末20に通知してもよい。通知部33は、開閉回数が第1閾値を超えたことによってメンテナンスが必要であると判定された場合には、メンテナンス情報に対して開閉回数が規定値を超えたことを示す情報を含めて通信端末20に通知してもよい。通知部33は、連続使用時間が第2閾値を超えたことによってメンテナンスが必要であると判定された場合には、メンテナンス情報に対して連続使用時間が規定値を超えたことを示す情報を含めて通信端末20に通知してもよい。通知部33は、開閉体を駆動するモータの電流値または電圧値が第3閾値を超えたことによってメンテナンスが必要であると判定された場合には、メンテナンス情報に対してモータの電流値または電圧値が規定値を超えたことを示す情報を含めて通信端末20に通知してもよい。
【0029】
メンテナンスの内容は、交換が必要なパーツの情報や、パーツの交換時期などを含むメンテナンス時期などの情報を含んでもよい。通知部33は、開閉回数が第1閾値を超えた場合には、開閉回数に関連する部品の交換を促す情報を通知してもよい。通知部33は、連続使用時間が第2閾値を超えた場合には、連続使用時間に関連する部品の交換を促す情報を通知してもよい。通知部33は、開閉体を駆動するモータの電流値または電圧値が第3閾値を超えたことによってメンテナンスが必要であると判定された場合には、モータのメンテナンスや異常を示す情報、モータの電流値または電圧値の異常に関連する部品の交換を促す情報などを含めて通信端末20に通知してもよい。
【0030】
通知部33は、メンテナンス情報に対してQ&AなどのサポートページのURL(uniform resource locator)の情報を含めて通知してもよい。例えば、通知部33は、メンテナンスの内容に関連するサポートページのURLの情報をメンテナンス情報に含めて通知してもよい。
【0031】
本実施形態の情報処理装置30の動作の流れを、
図2を用いて説明する。
【0032】
取得部31は、各開閉装置200からゲートウェイ10を経由して開閉体情報を取得する(ステップS101)。判定部32は、取得部31によって取得された開閉体情報に基づいてメンテナンスの要否を開閉装置200ごとに判定する。判定部32は、メンテナンスが必要であると判定した場合には、メンテナンスが必要である開閉装置200のユーザの通信端末20に対して、メンテナンス情報を通知する。通知方法は、特に限定されないが、例えば、メールでの通知、ポップアップ通知、SNSを利用した通知であってもよい。
【0033】
以上、説明したように、情報処理システム1は、取得部31、判定部32及び通知部33を備える。取得部31は、建物100に設置される開閉体を開閉する開閉装置200からネットワークを介して開閉体の駆動に関する開閉体情報を取得する。判定部32は、取得部31によって取得された開閉体情報に基づいてメンテナンスの要否を判定する。通知部33は、判定部32によりメンテナンスが必要であると判定された場合には、予め指定された通信端末20に対してメンテナンス情報を通知する。
【0034】
情報処理システム1は、メンテナンス性を向上させることができる。
【0035】
この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0036】
例えば、情報処理装置30は、プロセッサを備える。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)である。例えば、情報処理装置30は、マイクロコントローラであってもよい。情報処理装置30は、不揮発性の半導体及び揮発性の半導体の少なくともいずれか一方を備えもてよい。情報処理装置30は、プロセッサがプログラムを実行することによって実現されてもよい。情報処理装置30の構成要素のうち少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0037】
例えば、上記ハードウェアは、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びGPU(Graphics Processing Unit)の少なくともいずれかである。上記プログラムは、予め記憶装置に格納されていてもよい。前記記憶装置は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)及びフラッシュメモリの少なくともいずれかである。前記プログラムは、着脱可能な記憶媒体に格納されてもよい。この場合には、前記プログラムは、記憶媒体がドライブ装置に装着されることによって前記記憶装置にインストールされてもよい。前記記憶媒体は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記録媒体は、ROMなどである。
【符号の説明】
【0038】
1…情報処理システム、10…ゲートウェイ、20…通信端末、30…情報処理装置、31…取得部、32…判定部、33…通知部