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特開2024-175101回折構造体を用いたソフトコンタクトレンズの変動の低減
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175101
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】回折構造体を用いたソフトコンタクトレンズの変動の低減
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20241210BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G02C7/04
G02B5/18
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024162122
(22)【出願日】2024-09-19
(62)【分割の表示】P 2021546725の分割
【原出願日】2020-02-11
(31)【優先権主張番号】16/272,019
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ミンハン
(72)【発明者】
【氏名】ウーリィ・シー・ベンジャミン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高いSKUレンズでは、厚さの変動を小さくすると、屈折力の補正の要件を満たすことができないため、改善が必要とされている。
【解決手段】眼用レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、眼用レンズは、第1の目標SKU屈折力と関連付けられている。
【選択図】図1-2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装用者の眼に対して配置されるように適合されたソフトコンタクトレンズのセットであって、
負の視度補正から正の視度補正までの範囲に及ぶ全球面度数補正を提供する複数のソフトコンタクトレンズを備え、前記セット内の前記ソフトコンタクトレンズのそれぞれは、
表面と、背面と、
光学ゾーンと、前記光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、前記光学ゾーンは、前記セット内の全ての前記ソフトコンタクトレンズに対して第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、を更に含み、
総屈折力が前記第1の屈折力以外のソフトコンタクトレンズに対して、該総屈折力が前記第1の屈折力以外のソフトコンタクトレンズは、前記表面の前記周辺ゾーン内に配設された回折構造体であって、前記回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を更に含み、
前記第1の屈折力と前記第2の屈折力とが組み合わされて、前記全球面度数補正を生成する、ソフトコンタクトレンズのセット。
【請求項2】
前記負の視度補正から正の視度補正までの範囲は、少なくとも-9ジオプター~+4ジオプターである、請求項1に記載のソフトコンタクトレンズのセット。
【請求項3】
前記光学ゾーンの直径は7~9mmである、請求項1に記載のソフトコンタクトレンズのセット。
【請求項4】
前記屈折構造体及び前記回折構造体は両方とも、前記表面に配設されている、請求項1に記載のソフトコンタクトレンズのセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンタクトレンズ、強膜レンズ、RGPレンズを含む装用型レンズ、インレー及びアンレーを含む移植可能なレンズ、並びに光学部品を備える任意の他のタイプのデバイスなどの眼科用デバイス、より具体的には、回折構造体を有する眼科用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なソフトコンタクトレンズの表面は、いくつかの円形ゾーン及び/又は環状ゾーンを含む。レンズの中心部は、患者の眼の視覚矯正を提供するレンズの光学ゾーンである。光学ゾーンの向こうには、光学ゾーンエリアをレンズ周辺エリアに接続する、実際には厚さ変動の速い(又は急な)領域である接合ゾーンが存在する。レンズ周辺エリアは、主に、最適化されたレンズ安定性及び快適性を提供するように設計されている。
【0003】
設計されたレンズ度数を達成するために、光学ゾーン内では、厚さの変動が必要とされる。光学ゾーン内では、光線は、光学ゾーン領域にわたって様々な角度で屈折され、それ故に、視覚矯正を得ることができる。しかしながら、特定のレンズ(例えば、正及び/又は負の補正度数のために設計された目標屈折力を有する在庫管理単位(stock keeping unit、SKU))に関しては、光学ゾーンエリアにわたる厚さの変動により、(より大きい負のSKUレンズの場合)縁部の厚さが非常に厚くなるか又は(大きい正のSKUレンズの場合)縁部の厚さが非常に薄くなるかのいずれか一方が発生する。光学ゾーンの向こうに、レンズ光学ゾーン縁部をレンズ周辺エリアと接続するために接合領域が必要とされる。光学ゾーン縁部の厚さが非常に薄い又は非常に厚い場合は、急な接合部が必要とされる。急な接合領域は、製造時に製作が困難であり、患者にとって不快である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、厚さの変動を最小化することは、急な接合エリアを減少させるために重要である。光学ゾーンにわたるレンズ厚の変動を最小化することによって、レンズ屈折能もまた低減してしまった。より高いSKUレンズでは、厚さの変動を小さくすると、屈折力の補正の要件を満たすことができない。
【0005】
改善が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、眼用レンズなどの眼科用デバイスに関する。眼科用デバイスは、レンズ光学ゾーン(optic zone、OZ)エリアの周辺領域に対する回折パターンを含んでもよい。ソフトコンタクトレンズの縁部では、光線屈折力は回折パターンによって修正することができ、それ故に、厚さの変動は、それほど重要ではない。
【0007】
本開示は、眼用レンズなどの眼科用デバイスに関する。眼用レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、眼用レンズは、第1の目標SKU屈折力と関連付けられている。
【0008】
眼用レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーン内に、光学ゾーンに隣接して、又はその両方に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、眼用レンズは、第1の目標SKU屈折力と関連付けられ、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの光学ゾーンの直径及び比較レンズの光学ゾーンの直径が少なくとも7.0mmであるように構成され、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の目標SKU屈折力とは異なる第2の目標SKU屈折力と関連付けられている。
【0009】
眼用レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの光学ゾーンの中央部の厚さと比較レンズの光学ゾーンの中央部の厚さとの間の変動を最小化し、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する。
【0010】
眼用レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの厚さ変動プロファイルと比較レンズの厚さ変動プロファイルとの間の二乗平均平方根(root-mean-square、RMS)の変動を最小化するように構成されており、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する。
【0011】
眼用レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの光学ゾーン縁部接合厚と比較レンズの光学ゾーン縁部接合厚との変動を最小化し、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の上述及びその他の特徴と利点は、添付図面に例証されるような、本開示の好ましい実施形態の以下のより詳しい記載から明白となるであろう。
図1-1】Aは、負の屈折力のために構成された従来のレンズの例示的な描写を示す図である。Bは、正の屈折力のために構成された従来のレンズの例示的な描写を示す図である。
図1-2】Cは、本開示の態様による、回折構造体を含み、負の屈折力のために構成されたレンズの例示的な描写を示す図である。Dは、本開示の態様による、回折構造体を含み、正の屈折力のために構成されたレンズの例示的な描写を示す図である。
図2A】本開示の態様によるレンズの回折サグ対半径の例示的なプロットである。
図2B】本開示の態様によるレンズの回折、屈折、及び総屈折力対半径の例示的なプロットである。
図3A】光学性能モデリングに基づいてまた分析された、設計されたコンタクトレンズのMTF(A)を示すグラフである。
図3B】光学性能モデリングに基づいてまた分析された、設計されたコンタクトレンズのVA(B)を示すグラフである。
図4A】コンタクトOZエリアにわたる屈折能及び回折能の不均一分布を示すグラフである。
図4B】レンズSKU(例えば、目標SKU屈折力)にわたる屈折能分布及び回折能分布の例を示す表である。
図5】通常の屈折光学設計(直線)並びに回折及び屈折レンズの複合設計(点線)のOZの直径によるOZの直径対屈折力のプロットである。
図6】通常の屈折光学設計(直線)並びに回折及び屈折レンズの複合設計(点線)によるレンズの中心厚対屈折力を示すグラフである。
図7】球面レンズ厚プロファイルを示すグラフである。明確には、負のレンズは、正のレンズよりも厚い縁部の厚さを有する。一例として、回折及び屈折の混合設計では、レンズ厚の変動は、全てのSKU範囲にわたり屈折能のみを有する現在の-3Dレンズ(-3Dの目標SKU屈折力)と同じであり得る。したがって、他の目標SKU屈折力レンズは、同じ又は同様のレンズ厚の変動が備えられ得、それ故に、現在の屈折能のみの-3Dレンズと同じ快適性が備えられ得る。
図8】レンズ縁部の厚さ対レンズ度数/SKUの概略を示すグラフである。
図9】様々なレンズの非限定的な例示的な光学ゾーン(OZ)の直径を示すグラフである。他のサイズのOZが使用されてもよい。
図10】様々なレンズの非限定的な例示的な接合ゾーンのサイズの直径を示すグラフである。他のサイズの接合ゾーンが使用されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
眼科用デバイスとして、移植可能なデバイス、及び/又はコンタクトレンズなどの装用型デバイスを挙げることができる。従来のコンタクトレンズは、様々な視力の問題を矯正する、特定の形状を有するポリマー構造を含む。眼科用デバイスは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を備え得る。光学ゾーンは、視力補正、視力向上、他の視力関連機能、機械的支持、又は更にははっきりとした視覚を与えるための空隙のうちの1つ以上を提供する機能を有し得る。本開示によれば、光学ゾーンは、毛様体筋から検知される信号に基づいて、近い範囲及び遠い範囲における視覚を向上させるように構成された可変光学要素を備え得る。可変光学要素は、本明細書に述べられる検知システムからの活動化信号に基づいてレンズの焦点距離又はレンズの屈折能を変化させるのに適した任意のデバイスを含み得る。例えば、可変光学要素は、その球面の曲率を変化させることが可能な、レンズに組み込まれる光学グレードのプラスチックの小片のような単純なものであり得る。
【0014】
非限定的な例として、ソフトコンタクトレンズの度数は、ソフトコンタクトレンズの光学ゾーン(OZ)の直径にわたるレンズ厚の変動によって得ることができる。負の度数のレンズでは、レンズ縁部の厚さは、中心厚よりも大きくなり得る。一方、正の度数のレンズは、縁部と比較してより厚い中心厚を有し得る。負及び正についてそれぞれ図1A及び図1Bに示すように、度数が大きい程(例えば、目標SKU屈折力が大きい程)、レンズの中心とレンズのOZ縁部との間により大きい厚さの差が存在していた。OZ縁部のすぐ先で、機械的接合エリアを使用して、例えば、快適性のために接合エリア内のレンズの厚さを操作するなど、機械的安定性及びレンズの快適性のために最適化される厚さまで光学縁部からレンズ厚を緩和してもよい。様々な屈折力(D)を有する様々なレンズ(SKU)の例示的なOZの直径を図9に示す。様々な屈折力(D)を有する様々なレンズ(SKU)の例示的な接合部のサイズを図10に示す。一例として、レンズ厚の大幅な変動は、厚さをOZ縁部から機械的ゾーンに移行させるためのより急な接合領域を意味する。しかしながら、急な光接合部の精密な製造は困難であり、急な接合ゾーンはまた、レンズの装用快適性に有意に影響を及ぼすこととなる。
【0015】
本開示では、レンズOZ縁部に又はレンズOZ縁部に隣接して配設された回折構造体を使用して、レンズOZの中心と縁部との間のレンズ厚の差を最小化することができる。(厚さの変動による)光屈折に完全に依存する代わりに、強い屈折力(例えば、マイナスレンズの場合は-4よりも強い、又はプラスレンズの場合は1Dよりも強い)もまた、回折構造体によって生成することができる。したがって、本開示のレンズは、レンズのOZにわたる全体的な厚さの変動を最小化することができ、急な接合ゾーンを最小化することができる。回折光学系を組み込んだ例示的なレンズ設計を、負及び正のレンズそれぞれについて図1C及び図1Dに示す。OZ周辺エリアにおける回折パターンにより、全体的なレンズ厚の変動を最適化することができる。
【0016】
図1は、レンズ縁部に2~6mmの半径範囲で組み込まれた回折パターンを有するレンズの例を示す。図2Bのレンズ度数によって示されるように、総レンズ度数は-9Dであり、屈折能は-3Dであり、回折能は-6Dである。図示のように、レンズ度数の3分の2は回折パターンによってもたらされている。図2Aは、回折パターンの設計された表面形状を示す。
【0017】
図3は、-3Dのレンズ度数を有する設計されたレンズの光学性能を示す。全般的には、全体的な理論上の回折効率は約99%である。図3A及び図3Bは、それぞれ3.0mm、4.5mm、及び6.0mmの瞳孔径を有する設計されたレンズのスルーフォーカスMTF及び視力(visual acuity、VA)をそれぞれ示す(患者の眼の調節なし)。-3Dの屈折異常のある患者では約20/20の視覚性能が観察された。
【0018】
図4は、コンタクトOZエリアにわたる屈折能及び回折能の不均一分布を示す。例示的な例として、単一の視力レンズは、-3DのSKU/屈折力を有する。設計の一実施形態では、回折能及び屈折能の分布を図4Bの表に列挙した。一例として、OZエリア内では、典型的には、回折能は、OZエリア全体にわたって均一に分布しない。図4Aに示すように、OZ中心では、屈折能が総レンズ度数を支配し、一方で、コンタクトレンズの縁部では、回折能が主要な役割を果たす。全体的なOZゾーンにわたって、総レンズ度数が維持された。
【0019】
図5は、通常の屈折光学設計(直線)並びに回折及び屈折レンズの複合設計(点線)のOZの直径によるOZの直径対屈折力のプロットである。示されるように、本開示の回折及び屈折レンズの複合設計は、屈折力/SKUのスペクトルにわたるOZの直径の変動を最小化する。
【0020】
図6は、通常の屈折光学設計(直線)並びに回折及び屈折レンズの複合設計(点線)によるレンズの中心厚対屈折力を示す。示されるように、本開示の回折及び屈折レンズの複合設計は、屈折力/SKUのスペクトルにわたる中心厚の変動を最小化する。
【0021】
従来の設計では、中心厚の変動に加えて、レンズ光学ゾーン縁部の厚さもまた、レンズ度数/SKUに応じて多様である。図7は、異なる度数を有するレンズの厚さプロファイルを示す。x軸はレンズ半径であり、y軸は厚さである。明らかに、負のレンズは、OZ縁部の厚さがより厚く、正のレンズは、OZ縁部の厚さがより薄い。この設計では、-3Dレンズは、矢印によって示されるように、光学ゾーンから周辺の機械的ゾーンへの移行が非常に滑らかである。提案された回折/屈折レンズの複合設計により、レンズ厚の変動プロファイルは、SKUにわたって均一又は実質的に同様(あるいは、望ましい快適性を有することが示されている例の-3D屈折レンズと同じ又は同様)にすることができる。別の実施形態では、回折能はまた、レンズ表面にわたって部分的に分散され得る。一例として、回折パターンは、レンズ周辺領域のみを覆ってもよい。図8に示すように、回折パターンの内側半径をRdiffと定義し、内側半径をゼロにすると、レンズOZのレンズ厚を均一にすることができる。回折パターンがレンズ表面を部分的に(例えば、周囲方向に)しか覆っていない場合、レンズ縁部の厚さは変化することとなる。ただし、変動量は、回折パターンのないレンズ設計よりも依然少なくなることとなる。
【0022】
図8は、レンズ縁部の厚さ対レンズ度数/SKUの概略を示す。回折能がレンズ表面全体を覆う場合、縁部の厚さはSKUにわたって均一に設計することができる。回折パターンがレンズ表面を部分的に覆う場合、(破線で示されるような)縁部の厚さの変動が存在する。
【0023】
態様:
様々な態様において、本開示は、以下の態様のうちの1つ以上に関連し得る。
【0024】
態様1.眼用レンズであって、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーン内に、光学ゾーンに隣接して、又はその両方に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備え、眼用レンズは、第1の目標SKU屈折力と関連付けられ、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの光学ゾーンの直径及び比較レンズの光学ゾーンの直径が少なくとも7.0mmであるように構成され、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の目標SKU屈折力とは異なる第2の目標SKU屈折力と関連付けられている、眼用レンズ。
【0025】
実質的に同様であるとは、対象レンズの同じ基本構成要素を含むか、又は対象レンズの同じ基本構成要素から本質的になるものとして定義されてもよい。一例として、比較レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、又はそれらから本質的になってもよく、眼用レンズは、(対象レンズの第1の目標SKU屈折力とは異なっていてもよい)目標SKU屈折力と関連付けられている。
【0026】
最小化するとは、レンズの快適性、レンズの取り扱いなどを含む(ただしこれらに限定されない)他のレンズ特性によって定義される他の構成からの閾値変動を満たすように所望の構成を制限又は拘束するものとして定義されてもよい。一例として、屈折/回折混合設計により、SKU全体のレンズは、例えば、SKU全体の設計で最大のOZであり得る、-3Dの屈折のみのレンズと同じOZを有してもよい。厚さ変動プロファイルは、-3Dの屈折のみのレンズと同じであってもよい。
【0027】
態様2.第1の目標SKU屈折力は-10D~10Dである、態様1に記載の眼用レンズ。
【0028】
態様3.第2の目標SKU屈折力は-10D~10Dである、態様1に記載の眼用レンズ。
【0029】
態様4.第1の目標SKU屈折力は、第1の屈折力及び第2の屈折力に基づいている、態様1に記載の眼用レンズ。
【0030】
態様5.回折構造体は、光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、態様1に記載の眼用レンズ。
【0031】
態様6.回折構造体は、周辺ゾーンに隣接して配設されている、態様1に記載の眼用レンズ。
【0032】
態様7.回折構造体は、光学ゾーンの外周の周りに配設されている、態様1に記載の眼用レンズ。
【0033】
態様8.回折構造体は、光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに周囲方向に配設されている、態様1に記載の眼用レンズ。
【0034】
態様9.回折構造体は、光学ゾーンの中心から所定の半径で光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、態様1に記載の眼用レンズ。
【0035】
態様10.回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、態様1に記載の眼用レンズ。
【0036】
態様11.眼用レンズの光学ゾーンの直径及び比較レンズの光学ゾーンの直径は、7.0mm~9.5mmである、態様1に記載の眼用レンズ。
【0037】
態様12.眼用レンズの光学ゾーンの直径及び比較レンズの光学ゾーンの直径は、7.0mm~9.5mmである、態様1に記載の眼用レンズ。
【0038】
態様13.眼用レンズであって、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備え、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの光学ゾーンの中央部の厚さと比較レンズの光学ゾーンの中央部の厚さとの間の変動を最小化し、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する、眼用レンズ。
【0039】
実質的に同様であるとは、対象レンズの同じ基本構成要素を含むか、又は対象レンズの同じ基本構成要素から本質的になるものとして定義されてもよい。一例として、比較レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーンの内部(又はその両方)に配設された回折構造体であって、回折構造体は、屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、あるいはそれらから本質的になってもよく、眼用レンズは、(対象レンズの第1の目標SKU屈折力とは異なっていてもよい)目標SKU屈折力と関連付けられている。
【0040】
最小化するとは、レンズの快適性、レンズの取り扱いなどを含む(ただしこれらに限定されない)他のレンズ特性によって定義される他の構成からの閾値変動を満たすように所望の構成を制限又は拘束するものとして定義されてもよい。一例として、屈折/回折混合設計により、SKU全体のレンズは、閾値許容差(例えば、0.25mm、0.20mm、0.15mm、0.10mmなど)内にあるOZの中心でのレンズ厚を有してもよい。
【0041】
態様14.眼用レンズの光学ゾーンの中心厚と、比較レンズの光学ゾーンの中心厚との間の変動は、0.25mm未満である、態様13に記載の眼用レンズ。
【0042】
態様15.眼用レンズの光学ゾーンの中心厚と、比較レンズの光学ゾーンの中心厚との間の変動は、0.20mm未満である、態様13に記載の眼用レンズ。
【0043】
態様16.眼用レンズの光学ゾーンの中心厚と、比較レンズの光学ゾーンの中心厚との間の変動は、0.15mm未満である、態様13に記載の眼用レンズ。
【0044】
態様17.眼用レンズの光学ゾーンの中心厚と、比較レンズの光学ゾーンの中心厚との間の変動は、0.10mm未満である、態様13に記載の眼用レンズ。
【0045】
態様18.第1の屈折力は-10D~10Dである、態様13に記載の眼用レンズ。
【0046】
態様19.第2の屈折力は-10D~10Dである、態様13に記載の眼用レンズ。
【0047】
態様20.回折構造体は、光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、態様13に記載の眼用レンズ。
【0048】
態様21.回折構造体は、周辺ゾーンに隣接して配設されている、態様13に記載の眼用レンズ。
【0049】
態様22.回折構造体は、光学ゾーンの外周の周りに配設されている、態様13に記載の眼用レンズ。
【0050】
態様23.回折構造体は、光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに周囲方向に配設されている、態様13に記載の眼用レンズ。
【0051】
態様24.回折構造体は、光学ゾーンの中心から所定の半径で光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、態様13に記載の眼用レンズ。
【0052】
態様25.回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、態様13に記載の眼用レンズ。
【0053】
態様26.眼用レンズであって、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの厚さ変動プロファイルと比較レンズの厚さ変動プロファイルとの間の二乗平均平方根(RMS)の変動を最小化するように構成されており、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する、眼用レンズ。
【0054】
実質的に同様であるとは、対象レンズの同じ基本構成要素を含むか、又は対象レンズの同じ基本構成要素から本質的になるものとして定義されてもよい。一例として、比較レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーンの内部(又はその両方)に配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーンの内部(又はその両方)に配設された回折構造体であって、回折構造体は、屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、あるいはそれらから本質的になってもよく、眼用レンズは、(対象レンズの第1の目標SKU屈折力とは異なっていてもよい)目標SKU屈折力と関連付けられている。
【0055】
最小化するとは、レンズの快適性、レンズの取り扱いなどを含む(ただしこれらに限定されない)他のレンズ特性によって定義される他の構成からの閾値変動を満たすように所望の構成を制限又は拘束するものとして定義されてもよい。一例として、屈折/回折混合設計により、SKU全体のレンズは、閾値許容差(例えば、0.25mm、0.20mm、0.15mm、0.10mmなど)内にあるOZに沿うRMSレンズ厚の変動を有し得る。
【0056】
態様27.眼用レンズの厚さ変動プロファイルと比較レンズの厚さ変動プロファイルとの間の二乗平均平方根(RMS)の変動は、0.25mm未満である、態様26に記載の眼用レンズ。
【0057】
態様28.眼用レンズの厚さ変動プロファイルと比較レンズの厚さ変動プロファイルとの間の二乗平均平方根(RMS)の変動は、0.20mm未満である、態様26に記載の眼用レンズ。
【0058】
態様29.眼用レンズの厚さ変動プロファイルと比較レンズの厚さ変動プロファイルとの間の二乗平均平方根(RMS)の変動は、0.15mm未満である、態様26に記載の眼用レンズ。
【0059】
態様30.眼用レンズの厚さ変動プロファイルと比較レンズの厚さ変動プロファイルとの間の二乗平均平方根(RMS)の変動は、0.10mm未満である、態様26に記載の眼用レンズ。
【0060】
態様31.第1の屈折力は-10D~10Dである、態様26に記載の眼用レンズ。
【0061】
態様32.第2の屈折力は-10D~10Dである、態様26に記載の眼用レンズ。
【0062】
態様33.回折構造体は、光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、態様26に記載の眼用レンズ。
【0063】
態様34.回折構造体は、周辺ゾーンに隣接して配設されている、態様26に記載の眼用レンズ。
【0064】
態様35.回折構造体は、光学ゾーンの外周の周りに配設されている、態様26に記載の眼用レンズ。
【0065】
態様36.回折構造体は、光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに円周方向に配設されている、態様26に記載の眼用レンズ。
【0066】
態様37.回折構造体は、光学ゾーンの中心から所定の半径で光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、態様26に記載の眼用レンズ。
【0067】
態様38.回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、態様26に記載の眼用レンズ。
【0068】
態様39.眼用レンズであって、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備え、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの光学ゾーン縁部接合厚と比較レンズの光学ゾーン縁部接合厚との変動を最小化し、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する、眼用レンズ。
【0069】
実質的に同様であるとは、対象レンズの同じ基本構成要素を含むか、又は対象レンズの同じ基本構成要素から本質的になるものとして定義されてもよい。一例として、比較レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーンの内部(又はその両方)に配設された回折構造体であって、回折構造体は、屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、あるいはそれらから本質的になってもよく、眼用レンズは、(対象レンズの第1の目標SKU屈折力とは異なっていてもよい)目標SKU屈折力と関連付けられている。
【0070】
最小化するとは、レンズの快適性、レンズの取り扱いなどを含む(ただしこれらに限定されない)他のレンズ特性によって定義される他の構成からの閾値変動を満たすように所望の構成を制限又は拘束するものとして定義されてもよい。一例として、屈折/回折混合設計により、SKU全体のレンズは、閾値許容差(例えば、0.035mm、0.030mmなど)内にある光学ゾーン縁部接合部におけるレンズ厚を有してもよい。
【0071】
態様40.眼用レンズの光学ゾーン縁部接合厚と比較レンズの光学ゾーン縁部接合厚との変動は、0.035mm未満である、態様39に記載の眼用レンズ。
【0072】
態様41.眼用レンズの光学ゾーン縁部接合厚と比較レンズの光学ゾーン縁部接合厚との変動は、0.030mm未満である、態様39に記載の眼用レンズ。
【0073】
態様42.第1の屈折力は-10D~10Dである、態様39に記載の眼用レンズ。
【0074】
態様43.第2の屈折力は-10D~10Dである、態様39に記載の眼用レンズ。
【0075】
態様44.回折構造体は、光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、態様39に記載の眼用レンズ。
【0076】
態様45.回折構造体は、周辺ゾーンに隣接して配設されている、態様39に記載の眼用レンズ。
【0077】
態様46.回折構造体は、光学ゾーンの外周の周りに配設されている、態様39に記載の眼用レンズ。
【0078】
態様47.回折構造体は、光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに周囲方向に配設されている、態様39に記載の眼用レンズ。
【0079】
態様48.回折構造体は、光学ゾーンの中心から所定の半径で光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、態様39に記載の眼用レンズ。
【0080】
態様49.回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、態様39に記載の眼用レンズ。
【0081】
態様50.態様1に記載の眼用レンズの製造方法。
【0082】
態様51.態様13に記載の眼用レンズの製造方法。
【0083】
態様52.態様26に記載の眼用レンズの製造方法。
【0084】
態様53.態様39に記載の眼用レンズの製造方法。
【0085】
態様54:眼用レンズであって、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接してかつ/又は光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備え、眼用レンズは、第1の目標SKU屈折力と関連付けられ、少なくとも回折構造体は、眼用レンズの光学ゾーンの中心厚及び比較レンズの光学ゾーンの中心厚、眼用レンズの厚さ変動プロファイル及び比較レンズの厚さ変動プロファイル、又は眼用レンズの光学ゾーン縁部接合部のプロファイル/厚さ及び比較レンズの光学ゾーン縁部接合部のプロファイル/厚さのうちの1つ以上の間の変動を最小化するように構成されており、比較レンズは、眼用レンズと実質的に同様であるが、比較レンズは、第1の目標SKU屈折力とは異なる第2の目標SKU屈折力と関連付けられている、眼用レンズ。
【0086】
実質的に同様であるとは、対象レンズの同じ基本構成要素を含むか、又は対象レンズの同じ基本構成要素から本質的になるものとして定義されてもよい。一例として、比較レンズは、光学ゾーンと、光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、光学ゾーンに隣接して又は光学ゾーンの内部(又はその両方)に配設された回折構造体であって、回折構造体は、屈折力を呈する、回折構造体と、を備えてもよく、又はそれらから本質的になってもよく、眼用レンズは、(対象レンズの第1の目標SKU屈折力とは異なっていてもよい)目標SKU屈折力と関連付けられている。
【0087】
最小化するとは、レンズの快適性、レンズの取り扱いなどを含む(ただしこれらに限定されない)他のレンズ特性によって定義される他の構成からの閾値変動を満たすように所望の構成を制限又は拘束するものとして定義されてもよい。一例として、屈折/回折混合設計では、SKU全体のレンズは、例えば、SKU全体の設計で最大のOZである、-3Dの屈折のみのレンズと同じOZを有してもよい。厚さ変動プロファイルは、-3Dの屈折のみのレンズと同じであってもよい。
【0088】
態様55.第1の目標SKU屈折力は-10D~10Dである、態様54に記載の眼用レンズ。
【0089】
態様56.第2の目標SKU屈折力は-10D~10Dである、態様54に記載の眼用レンズ。
【0090】
態様57.第1の目標SKU屈折力は、第1の屈折力及び第2の屈折力に基づいている、態様54に記載の眼用レンズ。
【0091】
態様58.回折構造体は、光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、態様54に記載の眼用レンズ。
【0092】
態様59.回折構造体は、周辺ゾーンに隣接して配設されている、態様54に記載の眼用レンズ。
【0093】
態様60.回折構造体は、光学ゾーンの外周の周りに配設されている、態様54に記載の眼用レンズ。
【0094】
態様61.回折構造体は、光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに周囲方向に配設されている、態様54に記載の眼用レンズ。
【0095】
態様62.回折構造体は、光学ゾーンの中心から所定の半径で光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、態様54に記載の眼用レンズ。
【0096】
態様63.回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、態様54に記載の眼用レンズ。
【0097】
ここで図示及び説明した実施形態は、最も実用的で好適な実施形態と考えられるが、当業者であれば、ここに図示及び開示した特定の設計及び方法からの変更はそれ自体当業者にとって自明であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できることは明らかであろう。本開示は、記載し例証した特定の構成に限定されないが、添付の特許請求の範囲に含まれ得る全ての修正と一貫するように構成されているべきである。更に、繰り返し使用されている用語「comprising」は、用語「comprising」の使用によって、そのような用語に対して本明細書で裏付けが見出されるように、「から本質的になる」及び/又は「からなる」を含み得る。
【0098】
〔実施の態様〕
(1) 眼用レンズであって、
光学ゾーンと、前記光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、前記光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、
前記光学ゾーン内に、前記光学ゾーンに隣接して、又はその両方に配設された回折構造体であって、前記回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備え、
前記眼用レンズは、第1の目標SKU屈折力と関連付けられ、
少なくとも前記回折構造体は、前記眼用レンズの前記光学ゾーンの直径及び比較レンズの光学ゾーンの直径が少なくとも7.0mmであるように構成され、前記比較レンズは、前記眼用レンズと実質的に同様であるが、前記比較レンズは、前記第1の目標SKU屈折力とは異なる第2の目標SKU屈折力と関連付けられている、眼用レンズ。
(2) 前記第1の目標SKU屈折力は-10D~10Dである、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(3) 前記第2の目標SKU屈折力は-10D~10Dである、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(4) 前記第1の目標SKU屈折力は、前記第1の屈折力及び前記第2の屈折力に基づいている、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(5) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、実施態様1に記載の眼用レンズ。
【0099】
(6) 前記回折構造体は、前記周辺ゾーンに隣接して配設されている、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(7) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの外周の周りに配設されている、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(8) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに周囲方向に配設されている、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(9) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの中心から所定の半径で前記光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(10) 前記回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、実施態様1に記載の眼用レンズ。
【0100】
(11) 前記眼用レンズの前記光学ゾーンの前記直径及び前記比較レンズの前記光学ゾーンの前記直径は、7.0mm~9.5mmである、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(12) 前記眼用レンズの前記光学ゾーンの前記直径及び前記比較レンズの前記光学ゾーンの前記直径は、7.0mm~9.5mmである、実施態様1に記載の眼用レンズ。
(13) 眼用レンズであって、
光学ゾーンと、前記光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、前記光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、
前記光学ゾーンに隣接して又は前記光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、前記回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備え、
少なくとも前記回折構造体は、前記眼用レンズの前記光学ゾーンの中心厚と比較レンズの光学ゾーンの中心厚との間の変動を最小化し、前記比較レンズは、前記眼用レンズと実質的に同様であるが、前記比較レンズは、前記第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する、眼用レンズ。
(14) 前記眼用レンズの前記光学ゾーンの前記中心厚と、前記比較レンズの前記光学ゾーンの前記中心厚との間の前記変動は、0.25mm未満である、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(15) 前記眼用レンズの前記光学ゾーンの前記中心厚と、前記比較レンズの前記光学ゾーンの前記中心厚との間の前記変動は、0.20mm未満である、実施態様13に記載の眼用レンズ。
【0101】
(16) 前記眼用レンズの前記光学ゾーンの前記中心厚と、前記比較レンズの前記光学ゾーンの前記中心厚との間の前記変動は、0.15mm未満である、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(17) 前記眼用レンズの前記光学ゾーンの前記中心厚と、前記比較レンズの前記光学ゾーンの前記中心厚との間の前記変動は、0.10mm未満である、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(18) 前記第1の屈折力は-10D~10Dである、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(19) 前記第2の屈折力は-10D~10Dである、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(20) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、実施態様13に記載の眼用レンズ。
【0102】
(21) 前記回折構造体は、前記周辺ゾーンに隣接して配設されている、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(22) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの外周の周りに配設されている、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(23) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに周囲方向に配設されている、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(24) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの中心から所定の半径で前記光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、実施態様13に記載の眼用レンズ。
(25) 前記回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、実施態様13に記載の眼用レンズ。
【0103】
(26) 眼用レンズであって、
光学ゾーンと、前記光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、前記光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、
前記光学ゾーンに隣接して又は前記光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、前記回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備え、
少なくとも前記回折構造体は、前記眼用レンズの厚さ変動プロファイルと比較レンズの厚さ変動プロファイルとの間の二乗平均平方根(RMS)の変動を最小化するように構成されており、前記比較レンズは、前記眼用レンズと実質的に同様であるが、前記比較レンズは、前記第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する、眼用レンズ。
(27) 前記眼用レンズの前記厚さ変動プロファイルと前記比較レンズの前記厚さ変動プロファイルとの間の前記二乗平均平方根(RMS)の変動は、0.25mm未満である、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(28) 前記眼用レンズの前記厚さ変動プロファイルと前記比較レンズの前記厚さ変動プロファイルとの間の前記二乗平均平方根(RMS)の変動は、0.20mm未満である、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(29) 前記眼用レンズの前記厚さ変動プロファイルと前記比較レンズの前記厚さ変動プロファイルとの間の前記二乗平均平方根(RMS)の変動は、0.15mm未満である、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(30) 前記眼用レンズの前記厚さ変動プロファイルと前記比較レンズの前記厚さ変動プロファイルとの間の前記二乗平均平方根(RMS)の変動は、0.10mm未満である、実施態様26に記載の眼用レンズ。
【0104】
(31) 前記第1の屈折力は-10D~10Dである、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(32) 前記第2の屈折力は-10D~10Dである、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(33) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(34) 前記回折構造体は、前記周辺ゾーンに隣接して配設されている、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(35) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの外周の周りに配設されている、実施態様26に記載の眼用レンズ。
【0105】
(36) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに周囲方向に配設されている、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(37) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの中心から所定の半径で前記光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(38) 前記回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、実施態様26に記載の眼用レンズ。
(39) 眼用レンズであって、
光学ゾーンと、前記光学ゾーンに隣接して配設された周辺ゾーンと、を含む、本体であって、前記光学ゾーンは、第1の屈折力を呈する屈折構造体を含む、本体と、
前記光学ゾーンに隣接して又は前記光学ゾーン内に配設された回折構造体であって、前記回折構造体は、第2の屈折力を呈する、回折構造体と、を備え、
少なくとも前記回折構造体は、前記眼用レンズの光学ゾーン縁部接合厚と比較レンズの光学ゾーン縁部接合厚との変動を最小化し、前記比較レンズは、前記眼用レンズと実質的に同様であるが、前記比較レンズは、前記第1の屈折力とは異なる第3の屈折力を呈する屈折構造体を有する、眼用レンズ。
(40) 前記眼用レンズの前記光学ゾーン縁部接合厚と前記比較レンズの前記光学ゾーン縁部接合厚との前記変動は、0.035mm未満である、実施態様39に記載の眼用レンズ。
【0106】
(41) 前記眼用レンズの前記光学ゾーン縁部接合厚と前記比較レンズの前記光学ゾーン縁部接合厚との前記変動は、0.030mm未満である、実施態様39に記載の眼用レンズ。
(42) 前記第1の屈折力は-10D~10Dである、実施態様39に記載の眼用レンズ。
(43) 前記第2の屈折力は-10D~10Dである、実施態様39に記載の眼用レンズ。
(44) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの周辺に隣接して配設されている、実施態様39に記載の眼用レンズ。
(45) 前記回折構造体は、前記周辺ゾーンに隣接して配設されている、実施態様39に記載の眼用レンズ。
【0107】
(46) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの外周の周りに配設されている、実施態様39に記載の眼用レンズ。
(47) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの少なくとも一部分の周りに周囲方向に配設されている、実施態様39に記載の眼用レンズ。
(48) 前記回折構造体は、前記光学ゾーンの中心から所定の半径で前記光学ゾーンの周りに周囲方向に配設されている、実施態様39に記載の眼用レンズ。
(49) 前記回折構造体は、入射光の光回折を呈するように構成された機械的特徴部を含む、実施態様39に記載の眼用レンズ。
(50) 実施態様1に記載の前記眼用レンズの製造方法。
【0108】
(51) 実施態様13に記載の前記眼用レンズの製造方法。
(52) 実施態様26に記載の前記眼用レンズの製造方法。
(53) 実施態様39に記載の前記眼用レンズの製造方法。
図1-1】
図1-2】
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】