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特開2024-175113決済装置及びその制御プログラム、ならびにセミセルフチェックアウト装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175113
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】決済装置及びその制御プログラム、ならびにセミセルフチェックアウト装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241210BHJP
   G07D 11/14 20190101ALI20241210BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/12 301Z
G07D11/14
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024162625
(22)【出願日】2024-09-19
(62)【分割の表示】P 2023078645の分割
【原出願日】2016-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉田 延裕
(57)【要約】      (修正有)
【課題】決済に係る客の手間を店員が柔軟に変更可能とする。
【解決手段】実施形態の決済装置は、取得手段、計数手段、第1の入力手段、決済手段、第1の制御手段、第2の入力手段及び有効化手段を備える。決済手段は、投入された現金から取得手段が取得した決済金額を決済する。第1の制御手段は、計数手段により計数された、客により投入された現金の金額が、取得手段により取得された決済金額以上であるときに第1の入力手段により客による決済実行の指示が入力されたことに応じて、決済を実行するよう決済手段を制御する。第2の入力手段は、セルフ決済についての店員による開始指示を入力する。有効化手段は、第1の入力手段及び第1の制御手段のうちの少なくとも一方を無効としておき、第2の入力手段によりセルフ決済の実行指示が入力された場合に、第1の入力手段及び第1の制御手段のうちの無効としていたものを有効とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済金額を取得する取得手段と、
客により投入された現金の金額を計数する計数手段と、
決済についての前記客による実行指示を入力する第1の入力手段と、
前記投入された現金から前記取得手段により取得された決済金額を決済する決済手段と、
前記計数手段により計数された金額が前記取得手段により取得された決済金額以上であるときに前記第1の入力手段により決済実行の指示が入力されたことに応じて、前記決済を実行するよう前記決済手段を制御する第1の制御手段と、
セルフ決済についての店員による開始指示を入力する第2の入力手段と、
前記第1の入力手段及び前記第1の制御手段のうちの少なくとも一方を無効としておき、前記第2の入力手段により前記セルフ決済の実行指示が入力された場合に、前記第1の入力手段及び前記第1の制御手段のうちの前記無効としていたものを有効とする有効化手段と、
を具備した決済装置。
【請求項2】
決済についての前記店員による実行指示を入力する第3の入力手段と、
前記計数手段により計数された金額が前記取得手段により取得された決済金額以上であるときに前記第3の入力手段により決済実行の指示が入力されたことに応じて、前記決済を実行するよう前記決済手段を制御する第2の制御手段と、
前記有効化手段が前記第1の入力手段及び前記第1の制御手段のうちの前記無効としていたものを有効としたことに応じて、前記第3の入力手段及び前記第2の制御手段の少なくとも一方を無効とする無効化手段と、
をさらに具備した請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記客による操作を受け付けるためのタッチパネルをさらに備え、
前記第1の入力手段は、前記タッチパネルの表示画面に示された実行ボタンの操作を前記実行指示として入力し、
前記有効化手段は、現金の投入が開始されると前記タッチパネルの表示画面を、前記計数手段により計数された金額を表し、かつ実行ボタンを表さない第1の画面とすることにより前記第1の入力手段を無効とし、前記第2の入力手段により前記セルフ決済の実行指示が入力された場合には、前記タッチパネルの表示画面を、前記実行ボタンを表した第2の画面とすることで前記第1の入力手段を有効とする、
請求項1又は請求項2に記載の決済装置。
【請求項4】
投入された現金を払い出す払出手段と、
現金投入についての前記店員による中断指示を入力する第4の入力手段と、
前記第4の入力手段により前記中断指示が入力されたことに応じて、前記払出手段を動作させるとともに、前記計数手段での計数をクリアする中断手段と、
をさらに具備した請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の決済装置。
【請求項5】
店員による操作に応じて決済対象となる取引を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された取引についての決済金額を取得する取得手段と、
客により投入された現金の金額を計数する計数手段と、
決済についての前記客による実行指示を入力する第1の入力手段と、
前記投入された現金から前記取得手段により取得された決済金額を決済する決済手段と、
前記計数手段により計数された金額が前記取得手段により取得された決済金額以上であるときに前記第1の入力手段により決済実行の指示が入力されたことに応じて、前記決済を実行するよう前記決済手段を制御する第1の制御手段と、
セルフ決済についての前記店員による開始指示を入力する第2の入力手段と、
前記第1の入力手段及び前記第1の制御手段のうちの少なくとも一方を無効としておき、前記第2の入力手段により前記セルフ決済の実行指示が入力された場合に、前記第1の入力手段及び前記第1の制御手段のうちの前記無効としていたものを有効とする有効化手段と、
を具備したセミセルフチェックアウト装置。
【請求項6】
客により投入された現金の金額を計数する計数手段と、
前記客による指示を入力する第1の入力デバイスと、
店員による指示を入力する第2の入力デバイスと、
を具備した決済装置を制御するためのコンピュータを、
決済金額を取得する取得手段と、
前記第1の入力デバイスでの操作に応じて決済についての前記客による実行指示を入力する第1の入力処理手段と、
前記第2の入力デバイスでの操作に応じてセルフ決済についての店員による開始指示を入力する第2の入力処理手段と、
前記投入された現金から前記取得手段により取得された決済金額を決済する決済手段と、
前記計数手段により計数された金額が前記取得手段により取得された決済金額以上であるときに前記第1の入力デバイスにより決済実行の指示が入力されたことに応じて、前記決済を実行するよう前記決済手段を制御する第1の制御手段と、
前記第1の入力デバイス及び前記第1の制御手段のうちの少なくとも一方を無効としておき、前記第2の入力デバイスにより前記セルフ決済の実行指示が入力された場合に、前記第1の入力デバイス及び前記第1の制御手段のうちの前記無効としていたものを有効とする有効化手段と、
して機能させるための制御プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置及びその制御プログラム、ならびにセミセルフチェックアウト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
買上商品の登録などのような商取引の内容の登録のための操作を店員が行い、その商取引の決済のための操作を客が行うようにしたセミセルフタイプのチェックアウトシステムが知られている。
この種のチェックアウトシステムによれば、店員の手間を軽減し、繁忙時における客の待ち時間の短縮を図ることが可能である。
【0003】
しかしながら、閑散時においては、店員が手空きであるにも拘わらずに客に多くの手間を強いることになってしまう。そして、閑散時においては客の待ち時間も少ないのであり、上記のような待ち時間の短縮というメリットを客が実感することができない。
このような事情から、決済に係る客の手間を店員が柔軟に変更できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-27449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、決済に係る客の手間を店員が柔軟に変更できる決済装置及びその制御プログラム、ならびにセミセルフチェックアウト装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の決済装置は、取得手段、計数手段、第1の入力手段、決済手段、第1の制御手段、第2の入力手段及び有効化手段を備える。取得手段は、決済金額を取得する。計数手段は、客により投入された現金の金額を計数する。第1の入力手段は、決済についての前記客による実行指示を入力する。決済手段は、投入された現金から取得手段により取得された決済金額を決済する。第1の制御手段は、計数手段により計数された金額が取得手段により取得された決済金額以上であるときに第1の入力手段により決済実行の指示が入力されたことに応じて、決済を実行するよう決済手段を制御する。第2の入力手段は、セルフ決済についての店員による開始指示を入力する。有効化手段は、第1の入力手段及び第1の制御手段のうちの少なくとも一方を無効としておき、第2の入力手段によりセルフ決済の実行指示が入力された場合に、第1の入力手段及び第1の制御手段のうちの無効としていたものを有効とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るチェックアウト装置の外観の斜視図。
図2図1に示すチェックアウト装置の要部回路構成を示すブロック図。
図3図2に示すCPUによる制御処理のフローチャート。
図4図2に示すCPUによる制御処理のフローチャート。
図5図2に示すCPUによる制御処理のフローチャート。
図6図2に示すCPUによる制御処理のフローチャート。
図7】一例としての第1のメイン画面を示す図。
図8】一例としての第1のサブ画面を示す図。
図9】一例としての第2のメイン画面を示す図。
図10】一例としての第2のサブ画面を示す図。
図11】一例としての第3のメイン画面を示す図。
図12】一例としての第3のサブ画面を示す図。
図13】一例としての第4のメイン画面を示す図。
図14】一例としての第4のサブ画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお本実施形態においては、決済装置としての機能を備えたセミセルフチェックアウト装置(以下、チェックアウト装置と略記する)について説明する。
【0009】
図1は本実施形態に係るチェックアウト装置100の外観の斜視図である。
チェックアウト装置100は、メインユニット10、貨幣収受ユニット20及び基台30を含む。
【0010】
メインユニット10は、貨幣収受ユニット20を通して配置された図示しない棒状の連結部材により平板状の基台30に固定されている。貨幣収受ユニット20は、メインユニット10、基台30及び上記の連結部材のいずれに対しても固定されていない。そして貨幣収受ユニット20は、上記の連結部材を軸として、基台30の上面に沿って回動可能となっている。貨幣収受ユニット20が回動可能な角度は、少なくとも180度である。つまり貨幣収受ユニット20は、図1に示す向きにある状態と、これとは逆向きにある状態とをとりえる。なお、チェックアウト装置100は、商取引が行われる店舗等に設置され、図1における右奥側に店員が、また左手前側に客がそれぞれ位置する状態で使用される。このため以下においては、図1における右奥側を店員側、また左手前側を客面側と称する。さらに図1に示す貨幣収受ユニット20の状態を客面向き状態と称する。
【0011】
メインユニット10は、キーボード11、メインタッチパネル12及びサブタッチパネル13を備える。また、メインユニット10の筐体には、レシート排出口10aが形成されている。
貨幣収受ユニット20の筐体には、硬貨投入口20a、硬貨排出口20b及び紙幣投入排出口20cが形成されている。
なお、これらのメインユニット10及び貨幣収受ユニット20に設けられた要素についての詳細は後述する。
【0012】
図2はチェックアウト装置100の要部回路構成を示すブロック図である。なお、図2において、図1にも示されている要素については図1と同一の符号を付している。
メインユニット10は、キーボード11、メインタッチパネル12及びサブタッチパネル13の他に、プリンタ14、CPU(central processing unit)15、ROM(read-only memory)16及びRAM(random-access memory)17を含む。これらキーボード11、メインタッチパネル12、サブタッチパネル13、プリンタ14、CPU15、ROM16及びRAM17は、いずれも伝送路40に接続されている。伝送路40は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含む。伝送路40は、メインユニット10から貨幣収受ユニット20まで引き通されている。なお、伝送路40は、メインユニット10側と貨幣収受ユニット20側とで2つの部分に分かれていて、さらにそれらの部分を互いに接続するインタフェース回路を含んでもよい。
【0013】
キーボード11は、多数のキーを備え、これらのキーの押下による店員の指示を入力する。キーボード11が備えるキーのうちの一部は、第1の開始キー11a、第2の開始キー11b、第1の精算キー11c、第2の精算キー11d及び中断キー11eである。第1の開始キー11aは、店員による操作の下での決済を開始する旨を店員が指示するためのキーである。第2の開始キー11bは、客による操作の下での決済を開始する旨を店員が指示するためのキーである。第1の精算キー11cは、領収証の発行を伴って決済を実行する旨を店員が指示するためのキーである。第2の精算キー11dは、領収証の発行を伴わずに決済を実行する旨を店員が指示するためのキーである。中断キー11eは、決済のための現金投入が行われている最中に、その現金投入を中断することを店員が指示するためのキーである。つまりキーボード11は、第2の入力デバイスの一例である。
【0014】
メインタッチパネル12は、図1に示すように店員側に向けて設けられている。メインタッチパネル12は、店員に対する情報提示のための画面を表示する。またメインタッチパネル12は、表示している画面へのタッチによる店員の指示を入力する。
【0015】
サブタッチパネル13は、図1に示すように客面側に向けて設けられている。サブタッチパネル13は、客に対する情報提示のための画面を表示する。またサブタッチパネル13は、表示している画面へのタッチによる客の指示を入力する。つまりサブタッチパネル13は、第1の入力デバイスの一例である。
【0016】
プリンタ14は、レシート用紙に対してレシート画像又は領収証画像をプリントする。プリンタ14は、レシート画像又は領収証画像をプリントしたレシート用紙を図1に示すレシート排出口10aからメインユニット10の外部へと排出する。
【0017】
CPU15、ROM16及びRAM17は、伝送路40で接続されてチェックアウト装置100を制御するためのコンピュータを構成する。
【0018】
CPU15は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU15は、ROM16に記憶されたオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムに基づいて、チェックアウト装置100の各種の機能を実現するべく、チェックアウト装置100の各部を制御する。
【0019】
ROM16は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM16は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを記憶する。アプリケーションプログラムの1つは、後述する制御処理のための制御プログラムである。またROM16は、CPU15が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0020】
RAM17は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM17は、CPU15が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM17は、CPU15が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0021】
貨幣収受ユニット20は、硬貨収納部21、硬貨計数部22、硬貨排出部23、紙幣収納部24、紙幣計数部25、紙幣排出部26及び向き検出部27を含む。これら硬貨収納部21、硬貨計数部22、硬貨排出部23、紙幣収納部24、紙幣計数部25、紙幣排出部26及び向き検出部27は、いずれも伝送路40に接続されている。
【0022】
硬貨収納部21は、図1に示す硬貨投入口20aから投入された硬貨を図示しない硬貨収納庫へと収納する。
硬貨計数部22は、硬貨投入口20aから投入された硬貨の金額を計数する。
硬貨排出部23は、図1に示す硬貨排出口20bから貨幣収受ユニット20の外部へと硬貨を排出する。
【0023】
紙幣収納部24は、図1に示す紙幣投入排出口20cから投入された紙幣を図示しない紙幣収納庫へと収納する。
紙幣計数部25は、紙幣投入排出口20cから投入された紙幣の金額を計数する。
紙幣排出部26は、図1に示す紙幣投入排出口20cから貨幣収受ユニット20の外部へと紙幣を排出する。
【0024】
向き検出部27は、貨幣収受ユニット20が客面向き状態にあるか否かを検出する。なお、貨幣収受ユニット20が客面向き状態にあるか否かは、メインユニット10に設けた向き検出部により検出されてもよく、この場合は向き検出部27は省略可能である。
【0025】
次に以上のように構成されたチェックアウト装置100の動作について説明する。
チェックアウト装置100が動作状態にあるとき、CPU15は各種の指示がなされるのを待ち受けている。そしてCPU15は、商取引に関する会計の実施を指示する操作が例えばキーボード11にて行われたことに応じて、ROM16に記憶された制御プログラムに従って制御処理を開始する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図3図4図5及び図6はCPU15による制御処理のフローチャートである。
【0026】
図3中のAct1においてCPU15は、商取引の内容を登録するための登録処理を行う。CPU15は具体的には、操作者による登録操作が行われるのを待ち受ける。チェックアウト装置100は例えば、パンを製造・販売するパン販売店での利用が想定される。パン販売店では多くの場合、商品は包装されず、商品の個々にバーコードが付されることもない。そこで商品の個々をキーボード11に含まれたキー又はメインタッチパネル12に表示したボタンに割り当てておく。そして店員は、買上商品が割り当てられたキーを押下するか、ボタンにタッチすることを、上記の登録操作として行う。CPU15は、押下されたキー又はタッチされたボタンに割り当てられた商品を買上商品のリストに追加するべく、RAM17に設定された商品リストエリアの情報を更新する。ただし登録操作は、買上商品に表示されたバーコードをスキャナに読み取らせる動作など、周知の別の動作により行われてもよい。この場合、必要に応じてスキャナなどのデバイスをメインユニット10に設ける。また、ここで登録する商取引は、商品の売買には限らず、サービスの提供などであってもよい。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、CPU15を中枢部分とするコンピュータは登録手段として機能する。 そしてCPU15は、全ての買上商品の登録が済んだことが、例えばキーボード11に設けられた小計キーの押下により店員により宣言されたならば、登録処理を終了してAct2へと進む。
【0027】
Act2においてCPU15は、登録された全ての買上商品の売買のために決済すべき決済金額を算出する。これによりCPU15は、決済金額を取得できるのであり、制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、CPU15を中枢部分とするコンピュータは取得手段として機能する。
Act3においてCPU15は、第1のメイン画面をメインタッチパネル12に、また第1のサブ画面をサブタッチパネル13にそれぞれ表示させる。
【0028】
図7は一例としての第1のメイン画面SC11を示す図である。
第1のメイン画面SC11は、Act2で算出した決済金額を表した文字列CS11を含む。つまり第1のメイン画面SC11は、決済金額を店員に通知する画面である。
【0029】
図8は一例としての第1のサブ画面SC21を示す図である。
第1のサブ画面SC21は、Act2で算出した決済金額を表した文字列CS21を含む。つまり第1のサブ画面SC21は、決済金額を客に通知する画面である。
【0030】
Act4においてCPU15は、貨幣収受ユニット20が客面向き状態であるか否かを向き検出部27での検出結果を参照して判断する。そしてCPU15は、客面向き状態ではなければNoと判定して、別の処理へと進む。ここでの別の処理とは、店員が決済のための現金を客から受け取り、貨幣収受ユニット20へと投入する場合に対処するための処理である。当該処理としては、既存の別のチェックアウト装置で行われている処理をそのまま適用できるので、その図示及び説明については省略する。
なお、向き検出部27を設けずに、CPU15が、貨幣収受ユニット20が客面向き状態であるか否かを管理するためのフラグを操作者による指示操作に応じてオン/オフしておき、当該フラグに基づいてAct4の判断を行ってもよい。
【0031】
一方でCPU15は、貨幣収受ユニット20が客面向き状態であることが向き検出部27で検出されているならば、Act4でYesと判定し、Act5へと進む。
Act5においてCPU15は、第1の開始キー11aが押下されたか否かを確認する。そしてCPU15は、第1の開始キー11aが押下されていないならばNoと判定し、Act6へと進む。
Act6においてCPU15は、第2の開始キー11bが押下されたか否かを確認する。そしてCPU15は、第2の開始キー11bが押下されていないならばNoと判定し、Act7へと進む。
Act7においてCPU15は、第1の開始キー11aの押下又は第2の開始キー11bの押下以外の操作がなされたか否かを確認する。そしてCPU15は、該当する操作がなされていないならばNoと判定し、Act5へと戻る。
かくしてCPU15は、Act5~Act7においては、第1の開始キー11a又は第2の開始キー11bが押下されるか、あるいはその他の操作が行われるのを待ち受ける。そしてCPU15は、他の操作がなされたならばAct7にてYesと判定し、なされた操作に応じた処理に移行する。この場合に行う処理については任意であってよく、本実施形態の特徴とするところではないので、その図示及び説明については省略する。
【0032】
さて、店員は、決済に関わる操作を自ら行う場合には、第1の開始キー11aを押下する。また店員は、決済に関わる操作を客に行わせるセルフ決済を適用する場合には、第2の開始キー11bを押下する。
CPU15は、第2の開始キー11bが押下されたならばAct6にてYesと判定し、Act8へと進む。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、CPU15を中枢部分とするコンピュータは、セルフ決済についての店員による開始指示を入力する第2の入力処理手段として機能する。そして、この第2の入力処理手段としての機能とキーボード11との協働により、第2の入力手段としての機能が実現される。
Act8においてCPU15は、客面フラグをセットする。そしてCPU15はこののち、図4中のAct11へと進む。なおCPU15は、図3図6に示す制御処理の開始時に客面フラグをリセットしておく。
【0033】
CPU15は、Act5~Act7の待ち受け状態にあるときに第1の開始キー11aが押下されたならばAct5にてYesと判定し、Act8をパスして図4中のAct11へと進む。つまりCPU15は、第1の開始キー11aが押下されたならば、客面フラグをリセット状態のままとする。
図4中のAct11においてCPU15は、第2のメイン画面をメインタッチパネル12に、また第2のサブ画面をサブタッチパネル13にそれぞれ表示させる。
【0034】
図9は一例としての第2のメイン画面SC12を示す図である。
第2のメイン画面SC12は、文字列CS31,CS32,CS33を含む。文字列CS31は、代金としての現金を硬貨投入口20a又は紙幣投入排出口20cへと投入させるように客に対して案内することを店員に促すための予め定められた文字メッセージを表す。文字列CS32は、投入済みの現金の金額(以下、投入金額と称する)が0円であることを表す。文字列CS33は、決済金額を決済するために客が投入しなければならない残金額を表す。CPU15は、文字列CS33は、Act2で算出した決済金額を表したものとする。
【0035】
図10は一例としての第2のサブ画面SC22を示す図である。
第2のサブ画面SC22は、文字列CS41,CS42を含む。文字列CS41は、代金としての現金を硬貨投入口20a又は紙幣投入排出口20cへと投入するように客に対して案内するための予め定められた文字メッセージを表す。文字列CS42は、代金として投入すべき現金の金額、すなわちAct2で算出した決済金額を表す。
【0036】
Act12においてCPU15は、硬貨投入口20a又は紙幣投入排出口20cへの現金の投入が開始されたか否かを確認する。そしてCPU15は、硬貨計数部22及び紙幣計数部25で計数された金額がいずれもゼロであるならばNoと判定し、Act12を繰り返す。かくしてCPU15はAct12においては、現金の投入が開始されるのを待ち受ける。なおCPU15は、図3図6に示す制御処理の開始時に硬貨計数部22及び紙幣計数部25の計数金額をそれぞれゼロにクリアしておく。
【0037】
客は、代金としての現金のうちの硬貨は硬貨投入口20aに、また紙幣は紙幣投入排出口20cにそれぞれ投入する。硬貨投入口20aに硬貨が投入されると、硬貨収納部21が当該硬貨の搬送を開始する。そして硬貨計数部22が、硬貨収納部21が搬送する硬貨の金額を計数する。硬貨計数部22は、計数金額が変化する毎に、その計数金額をCPU15に通知する。紙幣投入排出口20cに紙幣が投入されると、紙幣収納部24が当該紙幣の搬送を開始する。そして紙幣計数部25が、紙幣収納部24が搬送する紙幣の金額を計数する。紙幣計数部25は、計数金額が変化する毎に、その計数金額をCPU15に通知する。かくして、硬貨計数部22及び紙幣計数部25は、客により投入された現金の金額を計数する計数手段の一例である。そしてCPU15は、このようにしてゼロではない金額が硬貨計数部22又は紙幣計数部25から通知されたことに応じてAct12にてYesと判定し、Act13へと進む。
Act13においてCPU15は、投入金額が決済金額以上であるか否かを確認する。そしてCPU15は、投入金額が決済金額未満であるならばNoと判定し、Act14へと進む。
Act14においてCPU15は、第3のメイン画面をメインタッチパネル12に、また第3のサブ画面をサブタッチパネル13にそれぞれ表示させる。
【0038】
図11は一例としての第3のメイン画面SC13を示す図である。
第3のメイン画面SC13は、文字列CS51,CS52,CS53を含む。文字列CS51は、代金としての現金の投入中であることを店員に通知するための予め定められた文字メッセージを表す。文字列CS52は、現時点での投入金額を表す。文字列CS53は、現時点での残金額を表す。CPU15は、文字列CS52は、硬貨計数部22及び紙幣計数部25からそれぞれ通知された最新の金額の合計金額を表したものとする。CPU15は、文字列CS53は、Act2で算出した決済金額から上記の合計金額を差し引いた金額を表したものとする。
【0039】
図12は一例としての第3のサブ画面SC23を示す図である。
第3のサブ画面SC23は、文字列CS61,CS62,CS63,CS64を含む。文字列CS61は、代金としての現金を硬貨投入口20a又は紙幣投入排出口20cへと投入するように客に対して案内するための予め定められた文字メッセージを表す。文字列CS62は、代金として投入すべき現金の金額、すなわちAct2で算出した決済金額を表す。文字列CS63は、現時点での投入金額を表す。文字列CS64は、現時点での残金額を表す。CPU15は、文字列CS63,CS64は、同時に表示する第3のメイン画面SC13における文字列CS52,CS53と同一とする。
【0040】
Act15においてCPU15は、中断キー11eが押下されたか否かを確認する。そしてCPU15は、中断キー11eが押下されていないならばNoと判定し、Act16へと進む。
Act16においてCPU15は、投入金額が変化したか否かを確認する。そしてCPU15は、硬貨計数部22及び紙幣計数部25のいずれからも新たな金額が通知されていないならばNoと判定し、Act15へと戻る。
かくしてCPU15はAct15及びAct16においては、中断キー11eが押下されるか、あるいは現金が追加して投入されるのを待ち受ける。
【0041】
店員は、客の申し出などに応じて現金投入を中断させる場合は、中断キー11eを押下する。そうするとCPU15は、Act15でYesと判定し、Act17へと進む。 Act17においてCPU15は、第4のメイン画面をメインタッチパネル12に表示させる。
【0042】
図13は一例としての第4のメイン画面SC14を示す図である。
第4のメイン画面SC14は、第3のメイン画面SC13にポップアップ表示PU1を追加した画面である。ポップアップ表示PU1は、現金投入の中断を実行するか否かの指示を店員に促す文字メッセージを表す。
【0043】
Act18においてCPU15は、キーボード11に含まれるクリアキーが押下されたか否かを確認する。そしてCPU15は、クリアキーが押下されていないならばNoと判定し、Act19へと進む。
Act19においてCPU15は、キーボード11に含まれる確定キーが押下されたか否かを確認する。そしてCPU15は、確定キーが押下されていないならばNoと判定し、Act18へと戻る。
かくしてCPU15はAct18及びAct19においては、クリアキー又は確定キーが押下されるのを待ち受ける。
【0044】
店員は、現金投入の中断を取りやめるならば、クリアキーを押下する。そうするとCPU15は、Act18にてYesと判定し、Act14に戻る。つまりCPU15は、メインタッチパネル12の画面を第3のメイン画面に戻した上で、Act15及びAct16の待ち受け状態に戻る。
【0045】
店員は一方で、現金投入を本当に中断するならば、確定キーを押下する。そうするとCPU15はAct19にてYesと判定し、Act20へと進む。
Act20においてCPU15は、この時点での投入金額に相当する現金を払い出すように硬貨排出部23及び紙幣排出部26に指示する。この指示に応じて硬貨排出部23及び紙幣排出部26は、硬貨及び紙幣を払い出す。そしてCPU15はこののち、Act11に戻る。つまりCPU15は、メインタッチパネル12及びサブタッチパネル13の画面を第2のメイン画面及び第2のサブ画面に戻した上で、Act12の待ち受け状態に戻る。このときにCPU15は、硬貨計数部22及び紙幣計数部25のそれぞれが計数した金額と、投入金額とをゼロにクリアする。
【0046】
かくして硬貨排出部23及び紙幣排出部26は、投入された現金を払い出す払出手段の一例である。そして制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、CPU15を中枢部分とするコンピュータは、中断キー11eの押下による店員による中断指示を入力しているのであり、中断キー11eとの協働により第4の入力手段として機能する。さらに上記コンピュータは中断手段として機能する。
【0047】
さてCPU15は、Act15及びAct16の待ち受け状態にあるとき、客が現金を追加して投入することにより、硬貨計数部22又は紙幣計数部25から新たな金額が通知されると、Act16にてYesと判定し、Act21へと進む。
Act21においてCPU15は、上記の新たに通知された金額を加えて投入金額を更新する。
【0048】
Act22においてCPU15は、投入金額が決済金額以上であるか否かを確認する。そしてCPU15は、投入金額が決済金額未満であるならばNoと判定し、Act15及びAct16の待ち受け状態へと戻る。しかしながらCPU15は、投入金額が決済金額以上であるならばYesと判定し、図5中のAct31へと進む。なおCPU15は、最初に投入された現金の金額が決済金額以上であるならば、Act13にてYesと判定し、Act14~Act22をパスして図5中のAct31へと進む。
【0049】
図5中のAct31においてCPU15は、客面フラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてCPU15は、客面フラグがリセット状態であるならばNoと判定し、Act32へと進む。
Act32においてCPU15は、第1の精算キー11cが押下されたか否かを確認する。そしてCPU15は、第1の精算キー11cが押下されていないならばNoと判定し、Act33へと進む。
Act33においてCPU15は、第2の精算キー11dが押下されたか否かを確認する。そしてCPU15は、第2の精算キー11dが押下されていないならばNoと判定し、Act34へと進む。
Act34においてCPU15は、投入金額が変化したか否かを確認する。そして硬貨計数部22及び紙幣計数部25のいずれからも新たな金額が通知されていないならばNoと判定し、Act32へと戻る。
かくしてCPU15はAct32~Act34においては、第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dが押下されるか、あるいは現金が追加して投入されるのを待ち受ける。そしてCPU15は、客が現金を追加して投入することにより、硬貨計数部22又は紙幣計数部25から新たな金額が通知されると、Act34にてYesと判定し、Act35へと進む。
【0050】
Act35においてCPU15は、上記の新たに通知された金額を加えて投入金額を更新する。このときCPU15は、第3のメイン画面SC13における文字列CS52,CS53と、第3のサブ画面SC23における文字列CS63,SC64をそれぞれ変更する。CPU15はこののち、Act32~Act34の待ち受け状態に戻る。
【0051】
店員は、客が現金を投入し終えた旨を宣言した場合、客が領収証の発行を求めているならば第1の精算キー11cを押下する。そうするとCPU15は、Act32にてYesと判定し、Act36へと進む。
Act36においてCPU15は、領収証フラグをセットする。そしてCPU15はこののち、Act37へと進む。なおCPU15は、図3図6に示す制御処理の開始時に領収証フラグをリセットしておく。
【0052】
店員は、客が現金を投入し終えた旨を宣言した場合、客が領収証の発行を求めていないならば第2の精算キー11dを押下する。そうするとCPU15は、Act33にてYesと判定し、Act36をパスしてAct37へと進む。
Act37においてCPU15は、決済処理を行う。この決済処理は、投入された現金から決済金額を決済する周知の処理であってよい。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、CPU15を中枢部分とするコンピュータは決済手段として機能する。
【0053】
このようにCPU15は、店員による第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dの押下に応じて決済処理を実行する。つまり店員による第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dの押下は、決済についての店員による実行指示である。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、CPU15を中枢部分とするコンピュータはキーボード11との協働により、決済についての店員による実行指示を入力する第3の入力手段として機能する。またCPU15を中枢部分とするコンピュータは、投入金額が決済金額以上であるときに、店員による実行指示に応じて決済処理を実行する。従って、制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、CPU15を中枢部分とするコンピュータは第2の制御手段として機能する。
【0054】
Act38においてCPU15は、レシートを発行する。具体的にはCPU15は、商取引の内容及び決済の結果などを表したレシート画像を生成し、このレシート画像をプリントするようプリンタ14に指示する。
【0055】
Act39においてCPU15は、領収証フラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてCPU15は、領収証フラグがセット状態であるならばYesと判定し、Act40へと進む。
Act40においてCPU15は、領収証を発行する。具体的にはCPU15は、商取引の内容に応じた領収証画像を生成し、この領収証画像をプリントするようプリンタ14に指示する。
【0056】
そしてCPU15は、領収証を発行し終えたならば、この制御処理を終了する。なおCPU15は、領収証フラグがリセット状態であるならばAct39にてNoと判定し、Act40をパスしてそのままこの制御処理を終了する。
【0057】
これに対してCPU15は、客面フラグがセット状態であるならば、Act31にてYesと判定し、図6中のAct41へと進む。
図6中のAct41においてCPU15は、第4のサブ画面をサブタッチパネル13に表示させる。
【0058】
図14は一例としての第4のサブ画面SC24を示す図である。
第4のサブ画面SC24は、文字列CS81,CS82,CS83,CS84、第1の精算ボタンB1及び第2の精算ボタンB2を含む。文字列CS81は、現金投入を終えた場合には精算ボタンを押すべきであることを客に対して案内するための予め定められた文字メッセージを表す。文字列CS82は、代金として投入すべき現金の金額、すなわちAct2で算出した決済金額を表す。文字列CS83は、現時点での投入金額を表す。文字列CS84は、現時点で決済を実行した場合の釣銭の金額を表す。CPU15は、文字列CS84は、投入金額から決済金額を差し引いた金額を表したものとする。第1の精算ボタンB1は、領収証の発行を伴って決済を実行する旨を客が指示するためのボタンである。第2の精算ボタンB2は、領収証の発行を伴わずに決済を実行する旨を客が指示するためのボタンである。かくして第1の精算ボタンB1及び第2の精算ボタンB2はいずれも、決済についての客による実行指示を入力するための実行ボタンの一例である。そして第4のサブ画面SC24は、計数された投入金額を表し、かつ実行ボタンとしての第1の精算ボタンB1及び第2の精算ボタンB2を表した画面なのであり、第2の画面に相当する。そして、図12に示した第3のサブ画面SC23は、計数された投入金額を表し、かつ実行ボタンとしての第1の精算ボタンB1及び第2の精算ボタンB2を表さない画面なのいであり、第1の画面に相当する。
【0059】
Act42においてCPU15は、第1の精算ボタンB1がタッチされたか否かを確認する。そしてCPU15は、第1の精算ボタンB1がタッチされていないならばNoと判定し、Act43へと進む。
Act43においてCPU15は、第2の精算ボタンB2がタッチされたか否かを確認する。そしてCPU15は、第2の精算ボタンB2がタッチされていないならばNoと判定し、Act44へと進む。
Act44においてCPU15は、投入金額が変化したか否かを確認する。そして硬貨計数部22及び紙幣計数部25のいずれからも新たな金額が通知されていないならばNoと判定し、Act42へと戻る。
かくしてCPU15はAct42~Act44においては、第1の精算ボタンB1又は第2の精算ボタンB2がタッチされるか、あるいは現金が追加して投入されるのを待ち受ける。そしてCPU15は、客が現金を追加して投入することにより、硬貨計数部22又は紙幣計数部25から新たな金額が通知されると、Act44にてYesと判定し、Act45へと進む。
【0060】
Act45においてCPU15は、上記の新たに通知された金額を加えて投入金額を更新する。このときCPU15は、第3のメイン画面SC13における文字列CS52,CS53と、第4のサブ画面SC24における文字列CS83,SC84をそれぞれ変更する。CPU15はこののち、Act42~Act44の待ち受け状態に戻る。
【0061】
客は、現金を投入し終え、かつ領収証の発行を希望する場合には、第1の精算ボタンB1にタッチする。そうするとCPU15は、Act42にてYesと判定し、Act46へと進む。
Act46においてCPU15は、領収証フラグをセットする。そしてCPU15はこののち、Act47へと進む。
【0062】
客は、現金を投入し終え、かつ領収証の発行が不要である場合には、第2の精算ボタンB2にタッチする。そうするとCPU15は、Act43にてYesと判定し、Act46をパスしてAct47へと進む。
Act47においてCPU15は、決済処理を行う。この処理はAct37と同一の処理でよい。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、CPU15を中枢部分とするコンピュータは決済手段として機能する。
【0063】
このようにCPU15は、客による第1の精算ボタンB1又は第2の精算ボタンB2へのタッチに応じて決済処理を実行する。つまり客による第1の精算ボタンB1又は第2の精算ボタンB2へのタッチは、決済についての客による実行指示である。上記コンピュータはサブタッチパネル13との協働により、決済についての客による実行指示を入力する第1の入力処理手段として機能する。そして、この第1の入力処理手段としての機能とサブタッチパネル13との協働により、第1の入力手段としての機能が実現される。また上記コンピュータは、投入金額が決済金額以上であるときに、客による実行指示に応じて決済処理を実行するのであり、制御プログラムに基づく制御処理をCPU15が実行することによって、上記コンピュータは第1の制御手段として機能する。また上記コンピュータは、客面フラグがリセット状態である場合、つまりセルフ決済実行の指示が入力されていない場合には、第4のサブ画面SC24を表示させず、第1の精算ボタンB1又は第2の精算ボタンB2を用いての決済実行指示の入力を受け付けない。ただしCPU15は、第1の精算ボタンB1及び第2の精算ボタンB2を無効であることを示す状態とするか、あるいは非表示とした状態で第4のサブ画面SC24を表示させてもよい。この場合にCPU15は、第1の精算ボタンB1又は第2の精算ボタンB2を用いての決済実行指示の入力を受け付けない。そして上記コンピュータは、客面フラグがセット状態である場合、つまりセルフ決済実行の指示が入力されている場合に、第4のサブ画面SC24を表示することにより、第1の精算ボタンB1又は第2の精算ボタンB2を用いての決済実行指示の入力を有効とする。かくして上記コンピュータは、有効化手段として機能する。
また上記コンピュータは、客面フラグがセット状態である場合、つまりセルフ決済実行の指示が入力されている場合には、第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dの押下による決済の実行指示を受け付けない。従って上記コンピュータは、無効化手段として機能する。
【0064】
Act48においてCPU15は、レシートを発行する。この処理はAct38と同一の処理でよい。
Act49においてCPU15は、領収証フラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてCPU15は、領収証フラグがセット状態であるならばYesと判定し、Act50へと進む。
Act50においてCPU15は、領収証を発行する。この処理はAct40と同一の処理でよい。
そしてCPU15は、領収証を発行し終えたならば、この制御処理を終了する。なおCPU15は、領収証フラグがリセット状態であるならばAct49にてNoと判定し、Act50をパスしてそのままこの制御処理を終了する。
【0065】
以上のようにCPU15は、客面フラグがセットされていない場合、すなわち店員が第1の開始キー11aを押下した場合には、決済金額以上の現金が投入されたのちに、キーボード11での店員操作に応じて決済処理を実行する。
一方でCPU15は、客面フラグがセットされている場合、すなわち店員が第2の開始キー11bを押下した場合には、決済金額以上の現金が投入されたのちに、サブタッチパネル13での客操作に応じて決済処理を実行する。
かくしてチェックアウト装置100によれば、決済に係る客の手間を店員が柔軟に変更できる。つまり例えば、繁忙時には、決済のための手順を開始するに当たり店員が第2の開始キー11bを押下することにより、現金の投入完了を宣言するための操作を客に行って貰うことができる。そして、店員は例えば商品の袋詰めなどのような別の作業に注力することが可能となり、1人の客当たりのチェックアウト作業の所要時間の短縮を図ることができる。この場合、客の手間は大きくなるが、客の待ち時間の短縮につながり、客は手間に見合うメリットを享受することができる。一方で閑散時には、決済のための手順を開始するに当たり店員が第1の開始キー11aを押下することにより、現金の投入の完了の宣言のための操作を店員が行うことができる。これにより、客の手間を軽減することができる。1人の客当たりのチェックアウト作業の所要時間が上記のケースに比べて延長する恐れがあるが、閑散時であるから客の待ち時間は大きな問題とはならない。
【0066】
またチェックアウト装置100によれば、Act42~Act44の待ち受け状態においてはサブタッチパネル13での指示のみを待ち受け、第1の精算キー11c及び第2の精算キー11dによる店員の指示を受け付けない。従って、客が現金投入を終えていない状況で決済処理が開始されてしまうことがない。つまり例えば、客はしばしば、釣銭を切りの良い金額とするために、決済金額の端数分の現金を余分に投入することがある。これは例えば、決済金額が998円である場合に、まず1,000円を紙幣で投入したのちに、98円分の硬貨を投入するようなケースである。この場合、1,000円が紙幣で投入された段階で、投入金額が決済金額以上となるために、決済を行うことが可能な状況となる。この時点で店員が決済処理の開始を指示できると、客が98円分の硬貨を投入しようとしているにも拘わらず、それよりも前に決済処理が開始されてしまう恐れがある。しかしながらチェックアウト装置100によれば、このような不具合を回避できる。
【0067】
またチェックアウト装置100によれば、店員による中断キー11eの押下により、開始された現金投入を中断し、投入済みの現金を払い出し、現金投入の開始を待ち受ける状態に戻る。これにより、現金投入を最初からやり直すことが可能である。
【0068】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0069】
CPU15は、Act12における待ち受け状態、Act15及びAct16における待ち受け状態、Act18及びAct19における待ち受け状態、Act32~Act34における待ち受け状態、あるいはAct42~Act44における待ち受け状態のいずれにおいても、他の操作が行われたことに応じて、その操作に応じた処理に移行してもよい。ただしCPU15は、Act42~Act43における待ち受け状態においては、第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dが押下されたとしても、Act47における決済処理には移行しないようにする。つまりCPU15は、Act42~Act44における待ち受け状態においては、第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dによる決済実行の指示を無効とする。ただし、このように第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dによる決済実行の指示を無効とする措置は、必須ではない。客の意思に反して第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dによる決済実行の指示を行わないことを店員による操作上のルールとして定めておき、CPU15は第1の精算キー11c又は第2の精算キー11dによる決済実行の指示を受け付けてもよい。
【0070】
CPU15は、Act32~Act34において客による決済実行の指示が行われたか否かの確認は行いつつ、当該指示に対しては、例えばエラー表示などを行うものの、決済処理は行わないようにしてもよい。
【0071】
CPU15は、Act42~Act44において店員による決済実行の指示が行われたか否かの確認は行いつつ、当該指示に対しては、例えばエラー表示などを行うものの、決済処理は行わないようにしてもよい。
【0072】
CPU15とは別のCPUを備え、当該CPUにより上記の実施形態で説明した制御処理の一部を実行してもよい。例えば、貨幣収受ユニット20にCPUを備え、当該CPUにより、貨幣収受ユニット20内の各部を制御したり、硬貨計数部22及び紙幣計数部25のそれぞれで計数された金額を足し合わせて投入金額を算出したりしてもよい。
【0073】
チェックアウト装置100の店員側の方向と客面側の方向とが交差していてもよい。そしてこの場合は、メインユニット10に対する貨幣収受ユニット20の回動可能な角度は、90度程度であってよい。
【0074】
貨幣収受ユニット20への現金の投入は、常に客が行うこととしてもよい。この場合、メインユニット10に対して貨幣収受ユニット20の回動可能とする構造及び向き検出部27は省略できる。
【0075】
チェックアウト装置100の使用者への譲渡は一般的に、制御プログラムがROM16に記憶された状態にて行われる。しかし、チェックアウト装置100が、制御プログラムがROM16に記憶されない状態で使用者へと譲渡されるとともに、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して制御プログラムが使用者へと譲渡されても良い。この場合、例えば使用者による操作に応じて、制御プログラムがRAM17又は別途に設けたHDD(hard disk drive)などの補助記憶ユニットに書き込まれる。リムーバブルな記録媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどが利用できる。
【0076】
制御処理によりCPU15が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10…メインユニット、10a…レシート排出口、11…キーボード、11a…第1の開始キー、11b…第2の開始キー、11c…第1の精算キー、11d…第2の精算キー、11e…中断キー、12…メインタッチパネル、13…サブタッチパネル、14…プリンタ、15…CPU、16…ROM、17…RAM、20…貨幣収受ユニット、20a…硬貨投入口、20b…硬貨排出口、20c…紙幣投入排出口、21…硬貨収納部、22…硬貨計数部、23…硬貨排出部、24…紙幣収納部、25…紙幣計数部、26…紙幣排出部、27…向き検出部、30…基台、40…伝送路、100…セルフチェックアウト装置(チェックアウト装置)、B1…第1の精算ボタン、B2…第2の精算ボタン。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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