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特開2024-175130情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175130
(43)【公開日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
A61B5/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024166142
(22)【出願日】2024-09-25
(62)【分割の表示】P 2023172591の分割
【原出願日】2019-06-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、医療機器開発推進研究事業「非線形位置合わせに基づく経時差分画像を用いた骨転移検出の支援を行うためのソフトウェアの開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】青山 岳人
(72)【発明者】
【氏名】久保 武
(72)【発明者】
【氏名】江本 豊
(72)【発明者】
【氏名】西尾 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】赤坂 太
(72)【発明者】
【氏名】石川 亮
(57)【要約】
【課題】 撮像日時に関する条件により複数の医用画像から比較対象の医用画像を選択することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】 第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する選択部55を有する情報処理装置10であって、複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得する撮像日時取得部53と、撮像日時に関する条件を設定する条件設定部54とを備え、選択部55は、条件設定部54によって設定された撮像日時に関する条件と複数の候補画像の撮像日時に基づいて、複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を第二の画像として選択する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する選択手段を有する情報処理装置であって、
前記複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得する取得手段と、
撮像日時に関する条件を設定する条件設定手段とを有し、
前記選択手段は、前記条件設定手段によって設定された撮像日時に関する条件と前記複数の候補画像の撮像日時に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記条件設定手段は、前記第一の画像と最も近い撮像日時であることを前記撮像日時に関する条件として設定し、前記選択手段は、前記複数の候補画像から、前記第一の画像と撮像日時が最も近いという前記条件を満たす候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記条件設定手段は、最も新しい撮像日時であることを前記撮像日時に関する条件として設定し、前記選択手段は、前記複数の候補画像から、最も新しい撮像日時であるという前記条件を満たす候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記条件設定手段は、前記第一の画像の撮像日時を基準にして、所定の期間内の撮像日時であることを前記撮像日時に関する条件として設定し、前記選択手段は、前記複数の候補画像から、前記所定の期間内の撮像日時であるという前記条件を満たす候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記条件設定手段は、前記第一の画像の撮像日時との間に所定の治療を挟まない撮像日時であることを前記撮像日時に関する条件として設定し、前記選択手段は、前記複数の候補画像から、前記第一の画像の撮像日時との間に前記所定の治療を挟まない撮像日時であるという前記条件を満たす候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件設定手段は、前記第一の画像の撮像日時との間にモダリティの機種変更を挟まない撮像日時であることを前記撮像日時に関する条件として設定し、前記選択手段は、前記複数の候補画像から、前記第一の画像の撮像日時との間にモダリティの機種変更を挟まない撮像日時であるという前記条件を満たす候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択手段は、撮像日時以外の付帯情報に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記撮像日時以外の付帯情報は、撮像範囲、撮像部位、撮像条件、再構成条件、スライス厚、造影条件の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記撮像日時に関する条件に対する前記複数の候補画像の撮像日時の評価値をそれぞれ取得する評価手段をさらに備え、前記選択手段は、前記評価値に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第一の画像と前記第二の画像とから差分画像を生成する生成手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像の中から選択する選択手段を有する情報処理装置であって、
前記複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得する取得手段と、
前記複数の候補画像の組み合わせを複数設定する設定手段と、
撮像日時に関する条件を設定する条件設定手段と、
前記条件設定手段によって設定された撮像日時に関する条件と前記候補画像の撮像日時に基づいて、該複数の組み合わせから少なくとも一つの組み合わせを選択する組み合わせ選択手段とを有し、
前記選択手段は、前記組み合わせ選択手段が選択した組み合わせに含まれる前記候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像の中から選択する選択手段を有する情報処理装置であって、
前記複数の候補画像の組み合わせを複数設定する設定手段と、
前記複数の組み合わせに含まれる前記候補画像と前記第一の画像との重複範囲を算出する重複範囲算出手段と、
前記重複範囲に基づいて、前記複数の組み合わせから少なくとも一つの組み合わせを選択する組み合わせ選択手段とを有し、
前記選択手段は、前記組み合わせ選択手段が選択した組み合わせに含まれる前記候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する情報処理方法であって、
前記複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得するステップと、
撮像日時に関する条件を設定するステップと、
該設定された条件と複数の候補画像の撮像日時に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を前記第二の画像として選択するステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する情報処理方法であって、
前記複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得するステップと、
前記複数の候補画像の組み合わせを複数設定するステップと、
撮像日時に関する条件を設定するステップと、
前記撮像日時に関する条件と前記候補画像の撮像日時に基づいて、該複数の組み合わせから少なくとも一つの組み合わせを選択するステップと、
該選択された組み合わせに含まれる前記候補画像を前記第二の画像として選択するステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する情報処理方法であって、
前記複数の候補画像の組み合わせを複数設定するステップと、
前記複数の組み合わせに含まれる前記候補画像と前記第一の画像との重複範囲を算出するステップと、
前記重複範囲に基づいて、前記複数の組み合わせから少なくとも一つの組み合わせを選択するステップと、
該選択された組み合わせに含まれる前記候補画像を前記第二の画像として選択するステップを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
請求項13乃至請求項15のいずれか一項の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項17】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像の中から選択する選択手段を有する情報処理装置であって、
前記候補画像の夫々を撮像した撮像日時を取得する取得手段とを有し、
前記選択手段は、被検体に対する治療や手術の日付と前記候補画像の夫々の撮像日時との前後関係に基づいて、前記候補画像から前記第二の画像を選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項18】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像の中から選択する選択手段を有する情報処理装置であって、
前記候補画像の夫々を撮像した撮像日時を取得する取得手段と、
前記候補画像の組み合わせを複数設定する設定手段と、
前記候補画像の組み合わせに含まれる候補画像間の撮像日時の間隔に基づいて、前記候補画像の組み合わせのいずれかを選択する組み合わせ選択手段とを有し、
前記選択手段は、前記組み合わせ選択手段が選択した前記候補画像の組み合わせに含まれる候補画像を前記第二の画像として選択することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のモダリティで撮像された医用画像を処理する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、医師は、種々のモダリティで撮像された医用画像を用いて診断を行う。特に、被検体の状態の経過観察のため、異なる時刻に同一のモダリティで撮像された複数の医用画像を医師が比較することにより、被検体の経時的な変化の観察が行われている。被検体の経時的な変化の観察を支援する方法として、特許文献1では、診断対象の医用画像(診断対象画像)と比較対象の医用画像(比較画像)との差分を描出した医用画像(差分画像)を生成し、被検体の経時的な変化を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-126575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被検体の経時的な変化を複数の医用画像を用いて観察する場合、異なる時点に撮像された複数の医用画像の中から適切な比較画像を選択する必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、撮像日時に関する条件により複数の医用画像から比較対象の医用画像を選択することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する選択手段を有した情報処理装置は、複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得する取得手段と、撮像日時に関する条件を設定する条件設定手段とを有し、選択手段は、条件設定手段によって設定された撮像日時に関する条件と複数の候補画像の撮像日時に基づいて、複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を第二の画像として選択する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮像日時に関する条件により複数の医用画像から比較対象の医用画像を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1の情報処理装置の構成を示す図。
図2】本発明の条件設定部による撮像日時に関する条件を示す図。
図3】本発明の実施例1の動作を示すフローチャート。
図4】本発明の実施例2の情報処理装置の構成を示す図。
図5】本発明の実施例2の動作を示すフローチャート。
図6】本発明の診断対象画像の撮像範囲と候補画像の撮像範囲との関係の一例を示す図。
図7】本発明の診断対象画像の撮像範囲と候補画像の撮像範囲との関係の一例を示す図。
図8】本発明の診断対象画像の撮像範囲と候補画像の撮像範囲との関係の一例を示す図。
図9】本発明の診断対象画像の撮像範囲と候補画像の撮像範囲との関係の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【実施例0010】
実施例1の情報処理装置10について、図1図3を用いて説明する。本発明の実施例に係る情報処理装置10は、医療機関における医師や放射線技師などのユーザに対して以下の機能を提供する。すなわち、情報処理装置10は、ユーザが医療的な処置を行おうとする患者(被検体)に関する、診断対象画像と比較画像との比較処理を行い、比較処理の結果をユーザに提供する。
【0011】
本実施例では、診断対象画像の撮像時点と異なる時点で同一の被検体を撮像した医用画像(候補画像)が複数存在する場合について説明する。情報処理装置10が複数の候補画像の中から診断対象画像との比較に好適な医用画像を比較画像として選択し、診断対象画像と比較画像との比較処理を行う。ここで、比較処理とは、例えば、夫々の医用画像をユーザが比較可能なように表示することや、診断対象画像と候補画像間の差分処理を行い、差分画像を表示することである。
【0012】
情報処理装置10は、現在の時点で撮像された医用画像、若しくは最新の医用画像(診断対象画像)と、診断対象画像よりも過去に撮像された医用画像(比較画像)との比較により被検体の病変の発生や進行を描出する。
【0013】
情報処理装置10は、複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得し、撮像日時に関する条件を設定する。そして、該設定された条件と複数の候補画像の撮像日時に基づいて、複数の候補画像から比較画像を選択する。そして、情報処理装置10は、診断対象画像と比較画像との差分を描出した差分画像を生成し、被検体の経時的な変化を表示部36に表示する。なお、以下の説明において、撮像日時とは、撮像日と撮像時刻の双方を表す情報だけでなく、撮像日のみを表す情報を含むものとする。また、撮像時刻のみを表す情報を含むものとする。例えば、起点となる所定の時刻(例えば、1970年1月1日0時0分0秒)からの経過時間のみを記録した情報も含むものとする。また、撮像日とは、一般には撮像年月日のことであるが、撮像年月のみを表す情報であってもよい。
【0014】
図1は、本発明の医用情報処理システムの全体構成と情報処理装置10の構成を示す図である。医用情報処理システムは、情報処理装置10と医用画像データベース23を含む。情報処理装置10と医用画像データベース23は、通信手段を介して互いに通信可能に接続されている。本実施例においては、通信手段はLAN(Local Area Network)21で構成されるが、WAN(Wide Area Network)であってもよい。また、通信手段の接続方法は有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
【0015】
医用画像データベース23は、複数の被検体に関する複数の医用画像とその付帯情報を保持する。医用画像とは、例えばCT装置やMRI装置等のモダリティで撮像した画像であり、二次元や三次元、モノクロームやカラーなどの様々な画像が対象となりうる。医用画像の付帯情報とは、被検体ID(患者ID)、撮像日時、撮像部位、再構成条件や管電圧値・管電流値などの撮像条件などの情報である。これ以外にも、検査目的、検査対象の臓器名、検査対象の疾患名なども付帯情報となりうる。
【0016】
各々の医用画像およびその付帯情報には、他の情報との識別を可能にするために、固有の識別子(検査ID)が付され、検査IDに基づいて情報処理装置10による情報の読み出しが行われる。医用画像が複数の二次元断面画像(断層画像)によって構成される三次元ボリューム画像の場合には、各二次元断面画像(断層画像)および、断層画像の集合である三次元ボリューム画像の夫々に対して検査IDが付されている。医用画像データベース23は、情報の読み出し以外にも、情報処理装置10と連携して医用画像の一覧表示や、サムネイル表示、検索、情報の書き込み等の機能を提供する。なお、本実施例において、医用画像とは医用画像データのことを示す。
【0017】
情報処理装置10は、医用画像データベース23が保持する情報を、LAN21を介して取得する。情報処理装置10は、通信IF31、ROM32、RAM33、記憶部34、操作部35、表示部36、制御部50を具備する。
【0018】
通信IF(Interface)31は、例えば、LANカード等で実現され、LAN21を介した外部装置(医用画像データベース23)と情報処理装置10との間の通信を行う。ROM(Read Only Memory)32は、不揮発性のメモリ等で実現され、各種プログラム等を記憶する。RAM(Random Access Memory)33は、揮発性のメモリ等で実現され、各種情報を一時的に記憶する。記憶部34は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等で実現され、各種情報を記憶する。操作部35は、例えば、キーボードやマウス等で実現され、ユーザは操作部35を介して各種情報を入力することができる。表示部36は、例えば、ディスプレイである。操作部35や表示部36は、制御部50からの制御によりグラフィカルユーザインターフェース(GUI)としての機能を有している。
【0019】
制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で実現され、情報処理装置10における処理を統括制御する。制御部50は、診断対象画像取得部51、候補画像取得部52、撮像日時取得部53、条件設定部54、選択部55、画像処理部56、表示制御部57を具備する。
【0020】
診断対象画像取得部51は、操作部35によって入力されるユーザの操作に従って、通信IF31とLAN21を介して医用画像データベース23から、診断対象画像として、被検体の医用画像を取得する。そして、診断対象画像取得部51は、取得した診断対象画像を付帯情報とともに画像処理部56へ出力する。
【0021】
候補画像取得部52は、診断対象画像取得部51が取得した診断対象画像に対する比較画像の候補となる医用画像(候補画像)として、同じ被検体を過去に撮像した医用画像を、通信IF31とLAN21を介して医用画像データベース23から複数取得する。そして、候補画像取得部52は、取得した複数の候補画像の付帯情報を撮像日時取得部53に出力し、複数の候補画像を選択部55に出力する。
【0022】
撮像日時取得部53は、複数の候補画像の撮像日時を取得する。複数の候補画像に付与されている付帯情報には、撮像日時が含まれているため、撮像日時取得部53は、複数の候補画像に付与されている付帯情報を読み込むことにより、複数の候補画像の撮像日時を取得することができる。
【0023】
条件設定部54は、複数の候補画像から比較対象の医用画像(比較画像)を選択するために、撮像日時に関する条件を設定する。具体的には、条件設定部54は、診断対象画像の撮像日時を基準にした撮像日時を設定する。
【0024】
図2は、条件設定部54による撮像日時に関する条件を示す例である。撮像日時とは、被検体を撮像した日付と時刻を含むものであるが、ここでは説明簡略化のため、日付を用いて説明する。条件設定部54は、例えば、最も新しい撮像日時(診断対象画像の撮像日時に最も近い過去の撮像日時)を撮像日時に関する条件として設定することができる。これによると、比較読影の基本である直近の検査との比較を行うことができる。この条件の場合、選択部55は、最も新しい撮像日時に該当する候補画像を比較画像として選択する。図2の例では、診断対象画像の撮像日時が2019/4/15である。複数の候補画像1~5の中で候補画像5の撮像日時が2018/10/20であり最も新しい撮像日時の候補画像であるため、選択部55によって候補画像5が選択される。選択部55は、選択された候補画像5を比較画像として画像処理部56に出力する。また、最も古い撮像日時(診断対象画像の撮像日時から最も遠い過去の撮像日時)を撮像日時に関する条件として設定することができる。これによると、診断対象画像からみて最も変化が生じている画像を比較画像として選択できる。この条件の場合、選択部55は、最も古い撮像日時に該当する候補画像を比較画像として選択する。
【0025】
また、条件設定部54は、診断対象画像の撮像日時を基準にして、所定の期間内の撮像日時を撮像日時に関する条件として設定することができる。例えば、所定の期間として、期間の下限を設定することができる。例えば、診断対象画像の撮像日時から所定期間(例えば1年)以上間隔が空いた検査であることを条件として設定できる。これによると、注目する病変の発生にある程度の時間を要することがわかっている場合に、適切な期間に実施された検査の候補画像を比較画像として選択できる。また、さらに、所定の期間内において、最も新しい撮像日時であることを撮像日時に関する追加条件として設定することができる。これによると、期間の条件を満たす中で診断対象画像と一番近い、余分な変化が生じていない検査の候補画像を比較画像として選ぶことができる。
【0026】
また反対に、所定の期間として、期間の上限を設定することができる。例えば、図2(a)に示すように、条件設定部54は、診断対象画像の撮像日時2019/4/15を基準にして、例えば2年以内と期間を設定することができる。これによると、比較画像との期間が離れすぎていることで過去に発生した変化までもが差分画像に表れてしまうことに起因するノイズの増加を軽減できる。あるいは、所定の期間として、1年以上2年未満のような上限と下限を有する期間を設定することができる。所定の期間を条件として設定した場合、選択部55は、所定の期間内の撮像日時に該当する候補画像を比較画像として選択する。図2(a)の例では、複数の候補画像の中で候補画像4の撮像日時が2018/9/5であり、候補画像5の撮像日時が2018/10/20であるため、選択部55によって、候補画像4と候補画像5が選択される。選択部55は、選択された候補画像4と候補画像5を比較画像として画像処理部56に出力する。また、さらに、所定の期間内において、最も過去の撮像日時であることを撮像日時に関する追加条件として設定することができる。これによると、期間の条件を満たす中で最も変化が大きくなるような検査を選ぶことができる。この場合、図2(a)の例では、候補画像4が比較画像として選択される。
【0027】
なお、条件設定部54は、撮像日時に関する条件として、優先度が異なる複数の条件を設定できるようにしてもよい。例えば、第1優先度の条件を満たす候補画像が存在しない場合には、第2優先度の条件を満たす候補画像を選択するような、複数段階の条件を設定することができる。例えば、撮像日時が1年以上2年未満であることを第1優先度の条件、2年以上3年未満を第2優先度の条件とすることができる。また、3年以上4年未満を第3優先度の条件とするなど、3つ以上の任意の数の条件を優先度付して設定してもよい。これによると、理想的な条件の比較画像が存在しない場合であっても、次善の条件を満たす比較画像を選択できるため、画像の比較ができないケースを削減できるという効果がある。
【0028】
また、条件設定部54は、診断対象画像の撮像日時との間に手術等の所定の治療を挟まない撮像日時を撮像日時に関する条件として設定することもできる。この条件の場合、選択部55は、診断対象画像の撮像日時との間に手術等の所定の治療を挟まない撮像日時に該当する候補画像を比較画像として選択する。
【0029】
候補画像の撮像日時と診断対象画像の撮像日時の間で手術等の治療が行われると、候補画像と診断対象画像における治療部位周辺の画素値が大きく異なり、候補画像が比較対象に相応しくない。図2(b)は、候補画像4の撮像日時と候補画像5の撮像日時間に手術が行われたことを示している。複数の候補画像の中で候補画像5の撮像日時が診断対象画像の撮像日時の間で手術等の治療を挟まない撮像日時の候補画像であるため、選択部55によって候補画像5が選択される。選択部55は、選択された候補画像5を比較画像として画像処理部56に出力する。なお、手術等の所定の治療を挟まず、かつ、なるべく古い撮像日時であることを撮像日時に関する条件としてもよい。これによると、手術等の大きな変化が起きない範囲で、診断対象画像からみて最も変化が生じている画像を比較画像として選択できる。
【0030】
また、条件設定部54は、所定の治療を開始する前で、なるべく新しい撮像日時を撮像日時に関する条件として設定することもできる。この条件の場合、選択部55は、指定された所定の治療の日時を元に、それ以前で、かつ、最も新しい撮像日時の候補画像を比較画像として選択する。これによると、治療の効果による変化を観察したい場合に適切な比較画像を選択できる。
【0031】
また、条件設定部54は、診断対象画像の撮像日時との間にモダリティの機種が変更されていない撮像日時を撮像日時に関する条件として設定することもできる。
【0032】
この条件の場合、選択部55は、診断対象画像の撮像日時との間にモダリティの機種が変更されていない撮像日時に該当する候補画像を比較画像として選択する。
【0033】
候補画像の撮像日時と診断対象画像の撮像日時の間でモダリティの機種変更が行われると、候補画像と診断対象画像における画質が大きく異なり、候補画像が比較対象に相応しくないからである。図2(c)は、候補画像3の撮像日時と候補画像4の撮像日時間にモダリティの機種変更が行われたことを示している。複数の候補画像の中で候補画像4の撮像日時と候補画像5の撮像日時が診断対象画像の撮像日時の間でモダリティの機種変更を挟まない撮像日時の候補画像であるため、選択部55によって候補画像4又は候補画像5が選択される。選択部55は、選択された候補画像4又は候補画像5を比較画像として画像処理部56に出力する。なお、モダリティが機種変更されておらず、かつ、なるべく古い撮像日時であることを撮像日時に関する条件としてもよい。これによると、モダリティの機種変更による大きな変化が起きない範囲で、診断対象画像からみて最も変化が生じている画像を比較画像として選択できる。また、ここではモダリティの機種変更を例として記載したが、それ以外にも、撮像プロトコルの変更や再構成アルゴリズムのバージョンアップなど、画像の品質に影響を与えるイベントであれば、いずれのイベントの日時を条件として用いてもよい。
【0034】
なお、撮像日時に関する条件は、以上の条件を組み合わせたものであってもよい。
【0035】
ここで、一般に、同一撮像日時の検査において複数の画像が撮像されるため、撮像日時の条件だけでは、候補画像から1つの比較画像を特定できない場合がある。また、撮像日時の条件を満たす検査が複数存在する場合にも、撮像日時の条件だけでは候補画像から1つの比較画像を特定できない。このような場合に、選択部55は、撮像日時以外の他の条件を設定することで、比較画像をさらに絞り込む構成であってもよい。この場合、条件設定部54は、撮像日時の条件を満たす候補画像の中から、撮像日時以外の他の条件(撮像範囲、撮像部位、撮像条件など)で比較画像を選択するようにできる。撮像部位であれば、肺野、腹部、頭部などを設定することができる。例えば、条件設定部54は、診断対象画像の撮像部位と同じ撮像部位の候補画像を選択するための条件を設定することができる。例えば、診断対象画像が腹部の画像であれば、条件設定部54は、撮像部位が腹部であることを条件として設定し、選択部55は、腹部の候補画像を比較画像として選択する。
同様に、診断対象画像が頭部の画像であれば、条件設定部54は、撮像部位が頭部であることを条件として設定し、選択部55は、頭部の候補画像を比較画像として選択する。同様に、検査目的や検査対象の疾患名等が診断対象画像と一致することを、選択の条件としてもよい。
【0036】
また、撮像条件であれば、再構成条件、スライス厚、造影条件(造影剤の有無)などを、比較画像の選択条件として設定することができる。例えば、条件設定部54は、差分処理に適した撮像条件の画像であるということを、比較画像を選択するための条件として設定することができる。例えば、スライス厚が5mm以下であること、再構成関数が縦隔条件であること、非造影であること、管電圧や管電流の範囲、等を条件として設定できる。
また、条件設定部54は、診断対象画像の撮像条件と同じ撮像条件で撮像した画像であるということを、比較画像を選択するための条件として設定することができる。例えば、診断対象画像のスライス厚が2.5mmであれば、条件設定部54は、スライス厚が2.5mmであることを、候補画像から比較画像を選択するための条件として設定する。このとき、選択部55は、複数の候補画像の中から、スライス厚が2.5mmである候補画像を比較画像として選択する。同様に、診断対象画像と再構成関数、管電圧、管電流が一致していること、あるいは、差異が所定の範囲内であることを、比較画像を選択するための条件として設定することもできる。また、複数の項目を組み合わせた条件を設定してもよい。この場合、例えば、各項目の一致度をもとにして、それらの積や和による総合的な評価値を算出し、最良の評価値を与える候補画像を比較画像として選択するようにできる。あるいは、評価値が所定の閾値を上回る全ての候補画像を比較画像として選択するようにできる。なお、上記の例では、撮影日時の条件を満たす候補画像の中から、撮影日時以外の他の条件によって比較画像を選択する場合について説明したが、条件を適用する順番はこれに限定されるものではない。例えば、撮影日時以外の条件によって候補画像を絞り込んだうえで、撮影日時の条件に基づいて比較画像を選択するようにしてもよい。特に、撮像日時の条件が「最も古い」や「最も新しい」の場合には、撮影日時以外の条件による絞り込みを先に行うことが望ましい。例えば、撮影日時以外の条件を満たす候補画像の中から、撮像日時が最も古い候補画像を選択したり、撮像日時が最も新しい候補画像を選択したりといった条件を設定することができる。これによると、撮像日時以外の条件を満たす候補画像の中から、目的(例えば、これまでに患者に生じた変化を見たい、や、前回の同一目的検査からの変化を見たい)に応じた比較を行うことができる。
【0037】
そして、画像処理部56は、診断対象画像と比較画像(選択された候補画像)との比較処理(差分処理)を行い、比較処理の比較結果を表示制御部57へ出力する。具体的には、画像処理部56は、診断対象画像と比較画像との差分を描出した差分画像を生成する。
表示処理部57は、比較結果(差分画像)を表示部36に表示させる。
【0038】
なお、制御部50が具備する各部の少なくとも一部は独立した装置として実現してもよい。また、夫々が機能を実現するソフトウェアとして実現してもよい。この場合、機能を実現するソフトウェアは、クラウドをはじめとするネットワークを介したサーバ上で動作してもよい。本実施例では各部はローカル環境におけるソフトウェアにより夫々実現されているものとする。
【0039】
また、図1に示す情報処理装置10の構成はあくまで一例である。例えば、情報処理装置10の記憶部34が医用画像データベース23の機能を具備し、記憶部34が複数の被検体に関する複数の医用画像とその付帯情報を保持してもよい。
【0040】
次に、図3を用いて、本実施例における情報処理装置10による動作を詳細に説明する。なお、以下では、医用画像としてCT画像を用いる場合を例として説明するが、本発明の実施はこれに限定されるものではない。また、診断対象画像と候補画像は、必ずしも同一被検体・同一モダリティの画像である必要はない。
【0041】
(ステップS1010)<診断対象画像の取得>
本ステップにおいて、診断対象画像取得部51は、処理の対象とする診断対象画像(第一の画像)を医用画像データベース23から取得する処理を実行する。この処理は、操作部35や表示部36により提供されるGUIによりユーザから操作を受け付けることで実行される。この処理により診断対象画像取得部51は診断対象画像を医用画像データベース23から読み出し、情報処理装置10はROM32、RAM33、記憶部34などを用いて保持する。本実施例では診断対象画像として、複数の断層画像によって構成される三次元のCT画像を取得する場合を例として説明する。ただし本発明の実施はこれに限定されるものではなく、二次元のCT画像や単純X線画像、MRI画像、被検体の病変部のカメラ画像等であってもよい。なお、診断対象画像は被検体ID(患者ID)、撮像日時、撮像部位、撮像パラメータなどの付帯情報が付与されている。
【0042】
(ステップS1020)<複数の候補画像の取得>
本ステップにおいて、候補画像取得部52は、ステップS1010で取得した診断対象画像との比較の候補となる医用画像(候補画像)を医用画像データベース23から複数取得する処理を実行する。この処理の一例として、候補画像取得部52は、医用画像データベース23に記録されている複数の医用画像の中から、診断対象画像と同じ被検体の医用画像を候補画像として取得する。具体的には、候補画像取得部52は、診断対象画像の付帯情報である被検体IDと同一の被検体IDを付帯情報として持つ医用画像を、医用画像データベース23が具備する検索機能を用いて取得する。
【0043】
候補画像を取得する方法は上記の方法に限らない。例えば、候補画像取得部52は、診断対象画像の撮像日時を参照し、それよりも古い(過去の)医用画像に限って取得してもよい。本実施例では上記の方法により、診断対象画像の撮像時点よりも過去の時点に撮像された同一被検体の医用画像であり、かつ、診断対象画像と同じモダリティ(本実施例の具体例ではCT装置)で撮像された医用画像に限定して候補画像を取得するものとする。
【0044】
(ステップS1030)<複数の候補画像の撮像日時を取得>
本ステップにおいて、撮像日時取得部53は、候補画像取得部52によって取得された複数の候補画像の撮像日時を取得する。候補画像とともに記録される撮像日時は、それぞれの候補画像のヘッダ領域に付帯情報として記録されている。撮像日時取得部53は、複数の候補画像の付帯情報を読み込むことにより、複数の候補画像の撮像日時を取得する。
ここで、撮像日時取得部53は、候補画像が取得された検査の実施日(検査日付)を取得し、それを、当該検査で取得した夫々の候補画像の撮像日時として用いてもよい。また、候補画像の画像再構成を行った日付や最初に読影を行った日付など、撮像日時と相関する情報を撮像日時として代用してもよい。
【0045】
(ステップS1035)<撮像日時に関する条件を設定>
本ステップにおいて、条件設定部54は、複数の候補画像から比較画像を選択するための、撮像日時に関する条件を設定する。例えば、不図示のGUIを介して、前掲した撮像日時に関する条件のバリエーションの中からユーザに条件を選択させることで、条件の設定を行う。あるいは、設定ファイルに予め記載された条件を読み込む構成であってもよい。なお、撮像日時以外の他の条件についても、本ステップで条件設定部54が設定することが望ましい。
【0046】
(ステップS1040)<比較画像を選択>
本ステップにおいて、選択部55は、条件設定部54によって設定された撮像日時に関する条件と、複数の候補画像の撮像日時に基づいて、複数の候補画像の中から比較画像を選択する。
【0047】
なお、選択部55による処理では、必ずしも比較画像を1つに絞り込まなくてもよく、複数の比較画像が選択されてもよい。この場合、選択部55によって選択された複数の比較画像の中から、画像処理部56に出力する比較画像をユーザが不図示のGUIを介して選択できる構成であってもよい。また、選択された複数の比較画像の夫々を、全て画像処理部56に出力する構成であってもよい。
【0048】
(ステップS1050)<比較処理>
本ステップにおいて、画像処理部56は、診断対象画像と比較画像との比較処理を実行する。具体的には、画像処理部56は、診断対象画像と比較画像との画像間の差分処理を行い、比較結果として差分画像を算出する。ここで、選択部55が比較画像を複数選択している場合には、画像処理部56は、夫々の比較画像に対して診断対象画像と比較画像の差分画像を生成する。すなわち、画像処理部56は、診断対象画像である第一の画像と比較画像である第二の画像とを比較することで、第一の画像と第二の画像との差分画像を生成する。診断対象画像と比較画像との差分処理は、診断対象画像と比較画像において描出される被検体の位置や形状の違いや、画像間の画質の違いなどの画像診断にとって不要な画像の差異を補正した上で実行されることが望ましい。画像間の差異の補正は、公知のいかなる手法を用いて実行してもよく、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0049】
なお、比較結果を算出する処理は上記の差分処理に限らない。例えば、画像処理部56は、診断対象画像と比較画像について、重畳画像を生成してもよい。この場合、診断対象画像と比較画像に異なる色チャンネルを割り当て、それらを混合したカラー画像として重畳画像を生成できる。また、診断対象画像と被検体の形状が一致するように比較画像を変形した変形画像を生成してもよい。
【0050】
(ステップS1060)<比較結果の表示>
本ステップにおいて、表示制御部57は、ステップS1050の処理によって得た比較結果を表示部36に表示する処理を実行する。具体例としては、表示制御部57が、診断対象画像、比較画像、差分画像の夫々に対してボリュームレンダリングし、ボリュームレンダリングにより作成される画像(以下、ボリュームレンダリング画像)の夫々を表示部36に並べて表示する。
【0051】
比較結果の表示方法は上記の方法に限らず、表示制御部57が各画像における任意の位置の断層画像を表示部36に表示し、ユーザの操作により表示する断層画像を変更してもよい。表示制御部57は、診断対象画像と比較画像の夫々における対応する位置を特定し、当該位置の断層画像を表示する(対応断面を表示する)等の処理を行うことができる。
すなわち、ユーザが表示する診断対象画像の断層画像を変更した場合、表示制御部57は当該断層画像の位置に対応する比較画像の位置の断層画像を表示部36に表示する。またステップS1050において診断対象画像と比較画像との位置合わせを行った場合には、表示制御部57は、当該位置合わせの結果に基づいて、診断対象画像と差分画像とにおける表示する断層画像を連動して切り替える等の処理を行うことが望ましい。
【0052】
以上、本発明によれば、診断対象画像(第一の画像)との比較対象である比較画像(第二の画像)を、複数の候補画像から選択する選択部55を有する情報処理装置10であって、複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得する撮像日時取得部53と、撮像日時に関する条件を設定する条件設定部54とを備え、選択部55は、条件設定部54によって設定された撮像日時に関する条件と複数の候補画像の撮像日時に基づいて、複数の候補画像から少なくとも1つの候補画像を比較画像(第二の画像)として選択する。よって、選択部55は撮像日時に関する条件により複数の候補画像から比較対象の候補画像(比較画像)を選択することができ、表示部36は比較画像による比較結果を速やかに表示することができる。
【0053】
以上、本実施例によれば、ユーザに煩わしい操作を要求することなく、診断対象画像と好適に比較できる比較画像を選択し、それらの画像の比較処理の結果をユーザに提供できる効果がある。
【0054】
なお、上記の実施例では、選択した比較画像と診断対象画像の比較処理の結果を表示していたが、結果の表示は必ずしも必要ではない。例えば、比較処理の結果と比較画像を同定する情報を、診断対象画像と関連付けて医用画像データベース23に保存する処理だけを行う構成であってもよい。この場合、別の画像ビューアを用いて診断対象画像を観察する際に、紐づけられた比較処理の結果と比較画像の夫々を読み込んで表示することができる。また、比較処理の実施も必ずしも必要ではない。例えば、選択した比較画像を同定する情報を診断対象画像と紐づけて医用画像データベース23に保存する処理だけを行う構成であってもよい。この場合、別の画像ビューアを用いて診断対象画像を観察する際に、紐づけられた比較画像を読み込んで比較可能な形態で表示したり、診断対象画像と比較画像との間の重畳画像や差分画像を生成したりできる。
【実施例0055】
次に、実施例2の情報処理装置10について、図4図9を用いて説明する。実施例1と異なる点は、複数の候補画像の組み合わせについて評価を行い、該組み合わせを選択する点である。図4は、本発明の医用情報処理システムの全体構成と情報処理装置10の構成を示す図である。ここでは、図1と異なる構成について主に説明する。
【0056】
候補画像取得部52は、診断対象画像取得部51が取得した診断対象画像に対する比較画像の候補となる医用画像(候補画像)を、通信IF31とLAN21を介して医用画像データベース23から複数取得する。そして、候補画像取得部52は、取得した複数の候補画像を組み合わせ生成部60と選択部55へ出力する。
【0057】
組み合わせ生成部60は、候補画像取得部52が取得した候補画像の組み合わせを少なくとも1つ生成する。ここで、候補画像の組み合わせとは、1つまたは複数の候補画像を組み合わせたものである。また、組み合わせ生成部60が生成する候補画像の組み合わせの中には、複数(すなわち2つ以上)の候補画像を組み合わせたものが、少なくとも1つ含まれるものとする。そして、組み合わせ生成部60は、生成した候補画像の組み合わせを評価部61に出力する。
【0058】
評価部61は、組み合わせ生成部60が生成した候補画像の組み合わせの夫々について、診断対象画像との比較の適切さに関する評価値の算出を行う。そして、評価部61は、算出した各評価値を選択部55へ出力する。
【0059】
選択部55は、各評価値に基づいて、候補画像の組み合わせの中から、診断対象画像と比較する候補画像の組み合わせを選択する。選択された候補画像の組み合わせは、1つ以上の候補画像から構成される。以下では、選択された候補画像の組み合わせは、比較画像の組と称し、比較画像の組を構成する候補画像を比較画像とする。そして、選択部55は、比較画像の組を画像処理部56へ出力する。
【0060】
画像処理部56は、診断対象画像と比較画像の組との比較処理を行い、比較処理の比較結果を表示制御部57へ出力する。表示制御部57は、画像処理部56の比較結果を表示部36に表示させる。
【0061】
次に図5を用いて、本実施例における情報処理装置10による全体の処理手順を詳細に説明する。ステップS1010、S1020、S1050、S1060は、図3と概ね同じステップとなる。
【0062】
ここでは、候補画像をI_r,i (1≦i≦N)と表記する。Nは、ステップS1020により取得される候補画像の数を表す。本実施例ではN=3の場合を具体例として以後の説明を行う。
【0063】
なお、本ステップによって取得される候補画像の数Nが1の場合には、後述するステップS2000~S2020の処理を省略し、取得した候補画像を後の詳述する比較画像の組とみなして、ステップS1050以降の処理を実行してもよい。
【0064】
(ステップS2000)<候補画像の組み合わせを生成>
本ステップにおいて、組み合わせ生成部60は、ステップS1020で取得したN個の候補画像から、2つ以上の候補画像の組み合わせを少なくとも1つ含む、1つ以上の候補画像の組み合わせを複数生成する。すなわち、組み合わせ生成部60は、複数の候補画像のうち、2つ以上の候補画像を含む複数の組み合わせを設定する設定手段に相当する。本実施例においては、候補画像の組み合わせは、異なる2つの候補画像の組み合わせにより生成する例を示す。N=3の具体例であれば、次の3つの組み合わせ<I_r,1,I_r,2>、<I_r,1,I_r,3>、<I_r,2,I_r,3>を生成する。本実施例では、候補画像の組み合わせをP_j (1≦j≦M)と表記する。ここで、Mは組み合わせの総数である。本実施例では、M=3の場合を例として以後の説明を行う。
【0065】
(ステップS2010)<評価値の算出>
本ステップにおいて、評価部61は、ステップS2000で生成した候補画像の組み合わせの夫々に対して、診断対象画像との比較に関する評価値を算出する処理を実行する。
本実施例では、評価対象とする候補画像の組み合わせの撮像範囲と診断対象画像の撮像範囲との重複範囲(共通撮像範囲)に基づいて、評価値を算出する場合を具体例として説明する。
【0066】
ここで、図6図9を用いて本ステップの処理を詳細に説明する。図6図9は、診断対象画像の撮像範囲と候補画像の撮像範囲との関係を示す図である。図6において、400は、本実施例における被検体である。410は、ステップS1010で取得した診断対象画像の撮像範囲における、被検体400の体軸方向の範囲を示している。ここでは、診断対象画像の撮像範囲として、被検体400の胸部から腹部の範囲を含む場合を示している。また、図6において、420、430、440は夫々、ステップS1020で取得した候補画像I_r,1、I_r,2、I_r,3の夫々の(体軸方向の)撮像範囲を示している。ここではI_r,1が被検体の頭部、I_r,2が腹部、I_r,3が胸部を夫々撮像した候補画像である場合を示している。
【0067】
図7において450は、候補画像の組み合わせP_1(候補画像I_r,1、 I_r,2の組み合わせ)の撮像範囲(420と430の和の範囲)と、診断対象画像の撮像範囲410との重複範囲を示している。つまり、450は、候補画像の組み合わせP_1を用いて、診断対象画像との画像間の比較処理が実行できる範囲を表している。図7では、診断対象画像と候補画像I_r,1は撮像範囲が重複せず、診断対象画像と候補画像I_r,2は一部の撮像範囲が重複していることを示している。したがって、診断対象画像と候補画像I_r,2との撮像範囲の重複が、診断対象画像と候補画像の組み合わせP_1との重複範囲となる。
【0068】
図8において460は、候補画像の組み合わせP_2(候補画像I_r,1、 I_r,3の組み合わせ)の撮像範囲(420と440の和の範囲)に関して、図7と同様の表現で診断対象画像の撮像範囲410との重複範囲を示している。図8では、診断対象画像と候補画像I_r,1は撮像範囲が重複せず、診断対象画像と候補画像I_r,3は一部の撮像範囲が重複していることを示している。したがって、診断対象画像と候補画像I_r,3との撮像範囲の重複が、診断対象画像と候補画像の組み合わせP_2との重複範囲となる。
【0069】
図9において470は、候補画像の組み合わせP_3(候補画像I_r,2、 I_r,3の組み合わせ)の撮像範囲(430と440の和の範囲)に関して、図7と同様の表現で診断対象画像の撮像範囲410との重複範囲を示している。図9では、診断対象画像の撮像範囲410と候補画像I_r,2およびI_r,3の撮像範囲430、440の一部が重複していることを示している。本ステップにおいて評価部61は、図7の450、図8の460、図9の470の夫々の範囲(重複範囲)の大きさを算出し、当該重複範囲の大きさに基づいて候補画像の組み合わせの夫々に対して評価値E_j (1≦j≦M)を算出する。評価値E_jは、図7図8図9に示したような重複範囲の被検体400の体軸方向の長さであってもよいし、重複範囲の体積であってもよい。また、診断対象画像の撮像範囲の全体に対する重複範囲の割合であってもよい。すなわち、評価部61は、複数の組み合わせの夫々について、第一の画像との重複範囲を算出する重複範囲算出手段、及び、重複範囲に基づいて、複数の組み合わせの夫々に対して評価値を算出する評価値算出手段の一例に相当する。特に、評価部61は、重複範囲として、組み合わせに含まれる2つ以上の候補画像の撮像範囲の和の範囲と第一の画像の撮像範囲との重複範囲を算出することを特徴とする重複範囲算出手段の一例に相当する。
【0070】
上記の説明は、診断対象画像および候補画像の撮像範囲の相対的な位置関係が明らかであることを前提としている。もし各画像の撮像範囲の相対的な位置関係が明らかでない場合には、本ステップにおいて情報処理装置10が画像間の位置合わせを実行することで、相対的な位置関係を算出できる。この位置合わせ処理は周知のいかなる手法を用いて実行してもよく、ここでは詳細な説明は省略する。
【0071】
また、各画像の撮像範囲の相対的な位置関係の算出は、画像間の位置合わせによる方法に限らず、各画像の付帯情報に基づいて算出してもよい。例えば、診断対象画像および候補画像に、「撮像部位」の情報が付帯している場合、その情報に基づいて画像間の位置関係を算出することができる。例えば、診断対象画像の撮像部位に関する付帯情報が「胸部、腹部」であり、候補画像I_r,1の撮像部位に関する付帯情報が「頭部」であり、候補画像I_r,2の撮像部位に関する付帯情報が「腹部」であり、候補画像I_r,3の撮像部位に関する付帯情報が「胸部」であったとする。この場合、候補画像の組み合わせP_1(I_r,1とI_r,2の組み合わせ)の撮像範囲は「頭部および腹部」であり、診断対象画像との重複範囲は「腹部」であることが推定される。また、候補画像の組み合わせP_2(I_r,1とI_r,3の組み合わせ)の撮像範囲は「頭部および胸部」であり、診断対象画像との重複範囲は「胸部」であることが推定される。また、候補画像の組み合わせP_3(I_r,2とI_r,3の組み合わせ)の撮像範囲は「胸部および腹部」であり、診断対象画像との重複範囲は「胸部および腹部」であることが推定される。この場合、評価部61は、重複範囲に含まれる部位の数(重複範囲が「胸部」や「腹部」の場合は1、「胸部および腹部」の場合は2)を評価値とすることができる。また、「胸部」や「腹部」といった人体の各部位に関して所定の係数を事前に設定し、上記の各重複範囲に当該係数を乗じて評価値を算出してもよい。より具体的な一例としては、「胸部」や「腹部」等に関して、標準的な人体における当該部位の大きさを係数として設定する。これによれば、より簡便な方法で重複範囲の大きさを算出し、それを評価値とすることができる。
【0072】
以上に説明した方法により、評価部61は、ステップS2010により生成された候補画像の組み合わせP_jの夫々に対して評価値E_j (1≦j≦M)を算出する。
【0073】
(ステップS2020)<比較画像の組を選択>
本ステップにおいて、選択部55は、ステップS2010で算出した各評価値に基づいて、M個の候補画像の組み合わせの中から診断対象画像との比較に好適な候補画像の組み合わせを選択する処理を実行する。具体的には、選択部55は、M個の候補画像の組み合わせに対する評価値E_j(1≦j≦M)の中で、評価値が最も高い組み合わせを選択する。選択した候補画像の組み合わせは、比較画像の組となり、比較画像の組を構成する候補画像は比較画像となる。すなわち、選択部55は、第一の画像との比較対象である複数の第二の画像を、複数の候補画像の中から選択する選択手段の一例に相当する。特に、選択部55は、評価値に基づいて、複数の組み合わせのうちいずれかを複数の第二の画像として選択することを特徴とする選択手段の一例に相当する。
【0074】
(ステップS1050)<比較処理>
本ステップにおいて、画像処理部56は、診断対象画像と比較画像の組との比較処理を実行して、比較結果を算出する。具体的には、例えば、画像処理部56は診断対象画像と比較画像の組との画像間の差分処理を行い、比較結果として差分画像を算出する。すなわち、画像処理部56は、第一の画像と第二の画像とを比較することで、第一の画像と第二の画像との差分画像を生成する生成手段の一例に相当する。本実施例において、比較画像の組は複数の比較画像により構成される。本ステップにおける処理方法の一例としては、画像処理部56が、比較画像の組に含まれる複数の比較画像の夫々と、診断対象画像との差分処理を行う方法が考えられる。この場合、複数の比較画像の夫々と診断対象画像との差分画像が算出され、これらの差分画像の組を本ステップの処理結果とすることができる。診断対象画像と複数の比較画像の夫々との差分処理は、診断対象画像と複数の比較画像の夫々とに描出される被検体の位置や形状の違いや、画像間の画質の違いなどの画像診断にとって不要な画像の差異を補正した上で実行されることが望ましい。また、比較処理は複数の比較画像の夫々の撮像範囲と診断対象画像の撮像範囲との重複範囲だけを処理対象とすることができる。重複範囲は、ステップS2000およびステップS2010の処理結果から容易に取得できるため、詳細な説明は省略する。なお、比較画像の組を構成する複数の比較画像をスティッチング処理によって1つの比較画像に合成した上で、合成した比較画像と診断対象画像との比較処理を実行してもよい。この時、複数の比較画像が重複する領域に関しては、重複する領域を含む何れかの比較画像を選択して合成するようにできる。また、診断対象画像と撮像日時の近い比較画像を選択するようにしたり、診断対象画像と撮像条件が近い比較画像を選択するようにしたり、または、他よりも良好な画質の比較画像を選択するようにしたりできる。また、何れかの比較画像を選択して合成する以外にも、重複する画像間を滑らかに加重平均して合成する方法も本発明の実施の形態となりうる。
【0075】
なお、比較結果を算出する処理は上記の差分処理に限らない。例えば、画像処理部56が、診断対象画像と複数の比較画像の夫々について、重畳画像を生成してもよい。この場合、診断対象画像と比較画像に異なる色チャンネルを割り当て、それらを混合したカラー画像として重畳画像を生成できる。
【0076】
(ステップS1060)<比較結果の表示>
本ステップにおいて、表示制御部57は、ステップS1050の処理によって得た比較結果を表示部36に表示する処理を実行する。具体例としては、表示制御部57が、診断対象画像、比較画像の組、比較結果である差分画像の組の夫々に対してボリュームレンダリングし、ボリュームレンダリングにより作成される画像(以下、ボリュームレンダリング画像)の夫々を表示部36に並べて表示する方法が考えられる。その際、比較画像の組や差分画像の組については、表示制御部57が比較画像の組や差分画像の組を構成する複数の比較画像や差分画像の夫々に対してボリュームレンダリングし、複数のボリュームレンダリング画像を並べて表示してもよい。これ以外にも、表示制御部57が、例えば、ステップS1050の結果等に基づいて各組を構成する複数の画像をスティッチング処理により1つの三次元画像に合成したうえでボリュームレンダリングを実行してもよい。
【0077】
比較結果の表示方法は上記の方法に限らず、表示制御部57が各画像における任意の位置の断層画像を表示部36に表示し、ユーザの操作により表示する断層画像を変更してもよい。この場合、診断対象画像と比較画像の組との位置関係に基づいて、表示制御部57が診断対象画像と比較画像の組の夫々における対応する位置を特定し、当該位置の断層画像を表示する(対応断面を表示する)等の処理を行うことが望ましい。すなわち、ユーザが表示する診断対象画像の断層画像を変更した場合、表示制御部57は当該断層画像の位置に対応する比較画像の組の位置の断層画像を表示部36に表示する。またステップS1050において診断対象画像と比較画像の組との位置合わせを行った場合には、表示制御部57は、当該位置合わせの結果に基づいて、診断対象画像と差分画像とにおける表示する断層画像を連動して切り替える等の処理を行うことが望ましい。
【0078】
また、情報処理装置10は、複数の候補画像の組み合わせを複数設定する組み合わせ生成部60と、複数の組み合わせに含まれる前記候補画像と診断対象画像(第一の画像)との重複範囲を算出する重複範囲算出手段(評価部61)と、重複範囲に基づいて、複数の組み合わせから少なくとも1つの組み合わせを選択する選択部55とを有し、選択部55は、さらに、該選択された組み合わせに含まれる候補画像を比較画像(第二の画像)として選択する。
【0079】
以上、本実施例によれば、ユーザに煩わしい操作を要求することなく、診断対象画像と好適に比較できる複数の比較画像を選択し、それらの画像の比較処理の結果をユーザに提供できる効果がある。
【0080】
(変形例2-1:候補画像の組み合わせ<数・候補画像の数に基づく評価>)
本実施例のステップS2000の処理では、候補画像を組み合わせとして、2つの候補画像を組み合わせる場合を例として説明したが、本実施例はこれに限らない。例えば、3つまたはそれ以上の候補画像を組み合わせてもよい。この場合、ステップS2010の処理では、評価部61は、3つまたはそれ以上の候補画像の組み合わせの撮像範囲と、診断対象画像の撮像範囲との比較によって評価値を算出する。また、各候補画像の組み合わせに含まれる候補画像の数は、所定の定数であってもよいし、互いに異なる数であってもよい。また、この場合は、候補画像の組み合わせは必ずしも複数の候補画像を組み合わせる場合に限らず、1つの候補画像を候補画像の組み合わせの1つとして扱うようにしてもよい。例えば、候補画像の総数Nが3の場合、組み合わせ生成部60は、候補画像の組み合わせとして、候補画像を1つだけ含む組み合わせを3種類、2つ含む組み合わせを3種類、3つ含む組み合わせを1種類、夫々生成する。そして、組み合わせの総数M=7として以後の処理を実行してもよい。この場合、組み合わせる候補画像の数が多い程、重複範囲は広くなる傾向にある。そのため、ステップS2010で算出する評価値は、重複範囲の情報に加えて、評価対象の候補画像の組み合わせに含まれる候補画像の数にも基づいて算出することが望ましい。例えば、重複範囲による評価値がほぼ同等(各評価値の差異が所定の閾値以下)な2つの候補画像の組み合わせが存在する場合に、評価部61がより少ない数の候補画像で構成される候補画像の組み合わせの評価値を高くするなどの方法が考えられる。例えば、診断対象画像の全範囲が重複範囲となる候補画像の組み合わせの中で、選択部55がより少ない数の候補画像で構成される候補画像の組み合わせを比較画像の組として選択するなどの方法であってもよい。あるいは、重複範囲に基づく評価値に、組み合わせる候補画像の数に応じて予め定めた補正係数(組み合わせる画像の数が多い程、小さくなる値)を乗算した値を、補正後の評価値として用いる構成であってもよい。これによれば、ステップS1050による比較処理はより少ない数の比較画像に対して実行することが可能となるため、ステップS1050の処理を効率化するとともに、より品質の高い比較結果を得られる効果がある。
【0081】
(変形例2-2:評価値の算出方法<画質・撮像条件>)
本実施例におけるステップS2010の処理は、診断対象画像の撮像範囲と候補画像の組み合わせの撮像範囲との重複範囲に基づいた評価(以下、重複範囲評価)による評価値を算出する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。
【0082】
例えば、重複範囲の評価とは別に、評価部61が候補画像の組み合わせに含まれる各候補画像の画質に基づく評価(以下、画質評価)を行い、重複範囲評価と画質評価とによる評価を統合して、評価値を算出してもよい。すなわち、評価部61は、複数の組み合わせに含まれる夫々の候補画像の画質を評価する画質評価手段の一例に相当する。具体的には、評価部61が各候補画像の組み合わせに含まれる夫々の候補画像のノイズレベルを推定し、ノイズレベルの高い候補画像が含まれる組み合わせに対する評価値を低くする。例えば、重複範囲評価による評価値に、候補画像のノイズレベルに応じて予め定めた補正係数(ノイズレベルが高い程、小さくなる値)を乗算した値を、補正後の評価値として用いる構成でもよい。この時、評価部61は、夫々の候補画像と診断対象画像との間の重複範囲の大きさを算出し、重複範囲の大きい候補画像のノイズレベルを、より重要視して評価値を算出することが望ましい。また、評価部61は、診断対象画像の撮像範囲と少なくとも一部が重複する候補画像のうち、最もノイズレベルの高い候補画像のノイズレベルを重要視して評価値を算出してもよい。これ以外にも、例えば、評価部61は、同一の候補画像の組み合わせに含まれる複数の候補画像の画質が異なる場合に、当該組み合わせの評価値を低くしてもよい。例えば、重複範囲による評価値に、候補画像の画質に応じて予め定めた補正係数(画質の評価値が低い程、小さくなる値)を乗算した値を、補正後の評価値として用いる構成でもよい。
【0083】
また、上記の方法に限らず、評価部61は、例えば、候補画像の付帯情報である再構成条件や、X線放射装置の管電圧、管電流などの撮像条件に基づいて候補画像を評価してもよい。また、評価部61は、候補画像の解像度(二次元スライスの画素サイズやスライス間隔など)に基づいて候補画像を評価してもよい。例えば、評価部61は、スライス間隔が狭い候補画像の評価値が高くなるように、当該組み合わせの評価値を補正してもよい。
また、評価部61は、同一の候補画像の組み合わせに含まれる複数の候補画像の撮像条件が異なる場合に、当該組み合わせの評価値を低くしてもよい。
【0084】
また、上記の説明では候補画像の画質に基づいて評価する方法を例として説明したが、これ以外にも、診断対象画像の画質に基づいて評価してもよい。例えば、評価部61は上記に説明した方法と同様の方法で診断対象画像の画質を評価し、候補画像の画質の評価と、診断対象画像の画質の評価との両方の評価に基づいて評価値を算出することができる。
より具体的には、診断対象画像の画質よりも低い画質の候補画像を含む候補画像の組み合わせの評価値を低くしてもよい。これ以外にも、診断対象画像の画質に近い画質の候補画像を含む候補画像の組み合わせの評価値を高くしてもよい。
【0085】
また、評価部61は、候補画像の組み合わせに含まれる各候補画像の検査目的、検査対象の臓器名、検査対象の疾患名等の付帯情報を検査情報として医用画像データベースより取得し、当該検査情報に基づいて候補画像を評価してもよい。例えば、診断対象画像の検査情報に近い検査情報を付帯情報として有する候補画像を含む候補画像の組み合わせの評価値が高くなるように評価値を補正する構成でもよい。すなわち、評価部61は、複数の組み合わせに含まれる夫々の候補画像の検査情報を取得する検査情報取得手段の一例に相当する。また、診断対象画像と候補画像の付帯情報の一致度に応じて定めた補正係数(一致度が低い程小さくなる値)を評価値に乗算した値を、補正後の評価値として用いる構成でもよい。
【0086】
(変形例2-3:選択方法)
本実施例におけるステップS2020では、選択部55が、ステップS2010で算出した評価値が最も高い候補画像の組み合わせを1つ選択する場合を例として説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、ステップS2020では、選択部55が、比較画像の組として、所定の値よりも評価値が高い候補画像の組み合わせを、複数選択してもよい。
この場合、画像処理部56は、複数の比較画像の組の夫々に対して同様の比較処理を実行し、比較画像の組の数と同じ数の比較結果を算出してもよい。以上の方法によれば、所定の条件をクリアした複数の比較画像の組に対する比較結果の中からユーザが望ましい比較結果を任意に選択して観察できる効果がある。
【0087】
(変形例2-4:比較方法)
本実施例におけるステップS1050の処理では、画像処理部56が、診断対象画像と比較画像の組との比較処理として差分画像や重畳画像を生成する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、画像処理部56が、比較画像の組を構成する各比較画像の夫々に対して、各比較画像に描出された解剖構造と診断対象画像に描出された解剖構造とが略一致するように変形位置合わせ処理を実施し、当該変形位置合わせ処理の結果に基づいて各比較画像を変形させた画像を比較処理の結果としてもよい。これによれば、診断対象画像の中でユーザが注目する部位に対応する比較画像の組を構成する各比較画像における位置を、ユーザが容易に把握できる効果がある。
【0088】
本発明の実施はこれに限らず、ステップS1060において、表示制御部57が診断対象画像と比較画像の組とを並べて表示部36に表示する構成としてもよい。同一被検体における複数の候補画像の中から、診断対象画像との比較に好適な画像として選択された比較画像の組を、診断対象画像と容易に比較可能な形態で表示できる効果がある。
【0089】
また、情報処理装置10は、選択した比較画像の組を同定する情報を、診断対象画像と紐づけて医用画像データベース23に保存する処理だけを行う構成であってもよい。この場合、別の画像ビューアを用いて診断対象画像を観察する際に、紐づけられた比較画像の組を読み込んで比較可能な形態で表示したり、診断対象画像と比較画像の組との間の重畳画像や差分画像を生成したりすることができる。
【0090】
(変形例2-5:関連付けて保存する)
本実施例では、ステップS1060の処理として、表示制御部57が、診断対象画像と比較画像の組との比較処理結果を表示する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、画像処理部56がステップS1050で算出した比較結果を医用画像データベース23に保存し、ユーザからの操作等により制御部37が取得してもよい。そして、医用画像データベース23から取得した比較結果に対して、表示制御部57がステップS1060と同様の処理により表示する仕組みを備えてもよい。この場合、制御部37は、比較処理結果を、ステップS1010で取得した診断対象画像や、ステップS2020で選択した比較画像の組に含まれる比較画像と関連付けて保存することが望ましい。
【実施例0091】
本実施例に係る情報処理装置10は、ユーザが医療的な処置を行おうとする被検体に関する、診断対象画像と比較画像との比較処理を行い、比較処理の結果をユーザに提供する。具体例として、診断対象画像の撮像日時と異なる日に同一の被検体を撮像した画像(以下、候補画像)が複数存在する場合について説明する。本実施例に係る情報処理装置10は、診断対象画像の撮像日時および候補画像の撮像日時に関する情報に基づいて、複数の候補画像の中から診断対象画像との比較に好適な画像を比較画像として選択する。
【0092】
本実施例にかかる医用情報処理システムの全体構成は、実施例2の説明で用いた図4と同様である。ただし、評価部61が行う処理の詳細のみが実施例2と異なっている。また、本実施例に係る情報処理装置10が実行する処理手順は、実施例2の説明で用いた図5と同様である。図5におけるステップS1010からステップS2000において、情報処理装置10は、実施例2と同様の処理を実行する。ここでは詳細な説明は省略する。
【0093】
(ステップS2010)
本ステップにおいて、評価部61は、ステップS2000で生成した候補画像の組み合わせの夫々に対して、診断対象画像との比較に関する評価値を算出する処理を実行する。
【0094】
本実施例では、評価部61は、実施例2のステップS2010と同様の方法で算出した評価値(重複範囲に基づく評価値)に加え、以下の評価値も算出する。すなわち、評価部61は、評価対象とする候補画像の組み合わせに含まれる各候補画像の撮像日時(撮像日)と、診断対象画像の撮像日時に基づく評価値(撮像日時に基づく評価値)も算出する。
そして、評価部61は、上記の二つの評価値を統合(例えば加算や乗算)した評価値を算出する。
【0095】
撮像日時に基づく評価値を算出する具体例として、診断対象画像の撮像日時と、候補画像の組み合わせに含まれる各候補画像の撮像日時(撮像日)との違いに基づいて、評価値を算出する方法が考えられる。より具体的には、診断対象画像の撮像日時と、候補画像の組み合わせに含まれる候補画像の撮像日時の代表値(候補画像の組み合わせの代表撮像日時)との間の期間(経過期間)が長い場合に、評価値として高い値を算出するようにできる。ここで、代表値とは、候補画像の組み合わせに含まれる候補画像の撮像日時の平均や、最も古いまたは最も新しい撮像日時などである。これによれば、後述するステップS2020において、診断対象画像の撮像日時を基準として経過時間の長い候補画像の組み合わせが優先的に選択されるようになる。なお、診断対象画像の撮像日時と候補画像の組み合わせの代表撮像日時とに基づく条件としては、これ以外にも、実施例1に記載した、診断対象画像の撮像日時と候補画像の撮像日時とに基づく各種の条件を用いることができる。ここで、診断対象画像との間に手術等の所定の治療を挟まないことを条件とする場合には、候補画像の組み合わせの代表撮像日時として、候補画像の組み合わせに含まれる最も古い候補画像の撮像日時を設定することが望ましい。
【0096】
なお、評価部61による評価値の算出方法は上記に例示した方法に限らない。例えば、評価部61は、候補画像の組み合わせに含まれる候補画像の撮像日時(撮像日)のばらつき(例えば、最も古い撮像日時と最も新しい撮像日時の間隔)が大きい場合には評価値として低い値を算出するようにしてもよい。この場合、評価値は診断対象画像の撮像日時には依存しない。また、評価部61は、診断対象画像の撮像日時と最も古い候補画像の撮像日時の期間と、診断対象画像の撮像日時と最も新しい候補画像の撮像日時の期間との間の比率が大きい場合に評価値として低い値を算出するようにしてもよい。これによれば、撮像日時の差異が小さい候補画像で構成された組み合わせが優先的に選択されるようになる。これによると、候補画像間の差異がなるべく小さくなるような候補画像の組み合わせが優先的に選択される。
【0097】
なお、撮像日時に関する条件は、上記の条件を組み合わせたものであってもよい。
【0098】
なお、評価部61が撮像日時に関するいずれの条件で評価値を算出するかは、予め固定の条件であってもよいし、実施例1と同様に、不図示の条件設定部を設けてユーザが目的に応じて設定できるようにしてもよい。
【0099】
ステップS2020からステップS1060において、情報処理装置10は、実施例2と同様の処理を実行する。ここでは詳細な説明は省略する。
【0100】
以上、本実施例では、診断対象画像(第一の画像)との比較対象である比較画像(第二の画像)を、複数の候補画像から選択する選択部55を有する情報処理装置10であって、複数の候補画像を撮像した撮像日時を取得する撮像日時取得部53と、複数の候補画像の組み合わせを複数設定する組み合わせ生成部60と、撮像日時に関する条件を設定する条件設定部54と、条件設定部54によって設定された撮像日時に関する条件と候補画像の撮像日時に基づいて、該複数の組み合わせから少なくとも一つの組み合わせを選択する選択部55とを有し、選択部55は、さらに、該選択された組み合わせに含まれる候補画像を比較画像(第二の画像)として選択する。また、評価部61は、撮像日時に関する条件に対する複数の候補画像の撮像日時の評価値をそれぞれ取得し、選択部55は、評価値に基づいて、複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を選択してもよい。
【0101】
以上に説明した手順により、本実施例における情報処理装置10の処理が実行される。
本実施例では、診断対象画像および候補画像の撮像日時に基づき、より好適に比較できる複数の比較画像を選択し、それらの画像の比較処理の結果をユーザに提供できる効果がある。
【0102】
(変形例3-1)
本実施例では、ステップS2010として実行する評価値の算出処理において、診断対象画像の撮像日時および候補画像の撮像日時を用いる場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、ステップ2000において候補画像の組み合わせを生成する際に、診断対象画像の撮像日時と候補画像の撮像日時との間の期間の長さに条件を設け、該条件を満たす候補画像の組み合わせを生成するようにしてもよい。または、候補画像間の撮像日時のばらつき等に条件を設け、該条件を満たす候補画像の組み合わせを生成するようにしてもよい。それ以外にも、診断対象画像の撮像日時と候補画像の撮像日時との間の期間における、被検体への手術や治療の実施の有無に関する条件を設け、該条件を満たす候補画像の組み合わせを生成するようにしてもよい。例えば、候補画像の組み合わせを生成する際に、当該組み合わせを構成する複数の比較画像の撮像日時が所定の範囲内(例えば1年以内)となるようにできる。これによれば、所定の条件を満たさない候補画像の組み合わせの生成処理や、評価値の算出処理を省略することが可能となり、処理の効率化が期待できる。
【0103】
(変形例3-2)
評価部61は、診断対象画像と候補画像の造影条件に基づいて評価値を算出するようにできる。具体的には、診断対象画像の造影条件と同じ造影条件の候補画像で構成される候補画像の組み合わせに対しては高い評価値を算出するようにできる。これ以外にも、例えば、候補画像の組み合わせに含まれる複数の候補画像の造影条件のばらつきに基づいて評価値を算出するようにできる。例えば、造影条件として造影の有無を扱う場合、造影有りの(あるいは、造影の時相が同じ)画像だけで構成された候補画像の組み合わせや、造影無しの画像だけで構成された候補画像の組み合わせの評価値を高くするようにできる。また、診断対象画像の造影条件と候補画像の造影条件の差異に基づく評価と、候補画像の組み合わせを構成する複数の候補画像の造影条件のばらつきの両方に基づいて評価値を算出するようにできる。例えば、診断対象画像の造影条件と同じ造影条件の画像だけで構成された候補画像の組み合わせに対して、より高い評価値を算出するようにできる。また診断対象画像および候補画像がMRI画像である場合には、画像のシーケンスの種類(例としてT1やT2など)に基づき、造影条件の例として説明した方法と同様の方法で評価値を算出するようにしてもよい。これらの方法によれば、診断対象画像と画像特性が整合した候補画像で構成された候補画像の組み合わせに高い評価値が算出され、結果的に好適な比較処理の結果をユーザに提供できる効果がある。
【0104】
(変形例3-3)
ステップS2010において評価部61は、候補画像と診断対象画像との撮像の重複範囲には基づかず、各画像の撮像日時に基づいて評価値を算出するようにしてもよい。ここで、各画像の撮像日時に基づいて評価値を算出する方法は、前述した方法で行うことができる。これによれば、ステップS2000で生成した複数の候補画像の組み合わせの夫々の間で、診断対象画像との重複範囲がほぼ同一であることが既知である場合など、重複範囲による評価値が重要でない場合に、より効率的に処理を行うことができる効果がある。
【0105】
<その他の実施例>
上述した複数の変形例のうち少なくとも二つを組み合わせることも可能である。
【0106】
また、開示の技術は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェイス機器、撮像装置、webアプリケーション等)から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0107】
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成されることはいうまでもない。すなわち、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給する。係る記憶媒体は言うまでもなく、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0108】
10 情報処理装置
21 LAN
23 医用画像データベース
31 通信IF
32 ROM
33 RAM
34 記憶部
35 操作部
36 表示部
50 制御部
51 診断対象画像取得部
52 比較候補画像取得部
53 撮影日時取得部
54 条件設定部
55 選択部
56 画像処理部
57 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する選択手段を有する情報処理装置であって、
前記第一の画像の撮像日時および撮像部位に基づく条件が設定され、前記複数の候補画像の撮像日時と撮像部位をそれぞれ取得し、前記条件に対する前記複数の候補画像の撮像日時および撮像部位に基づいて、前記複数の候補画像について評価を行う評価手段を有し、
前記選択手段は、前記評価手段における評価結果に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記評価手段は、前記第一の画像の撮像部位と同じ撮像部位であることを条件に含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価手段は、更に、前記複数の候補画像における撮像条件に基づいて、前記複数の候補画像を評価することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価手段は、更に、前記複数の候補画像における解像度に基づいて、前記複数の候補画像を評価することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価手段は、更に、前記複数の候補画像におけるスライスの画素サイズ又はスライス間隔に基づいて、前記複数の候補画像を評価することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価手段は、更に、前記複数の候補画像における画質に基づいて、前記複数の候補画像を評価することを特徴とする請求項1に載の情報処理装置。
【請求項7】
前記評価手段は、更に、前記複数の候補画像におけるノイズレベルに基づいて、前記複数の候補画像を評価することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価手段は評価結果に基づく評価値を取得し、前記選択手段は、所定の値よりも評価値が高い候補画像を選択することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第一の画像の撮像日時から一定の期間以上の間隔が空いており、上限と下限を有する期間である所定の期間内の撮像日時であることを前記条件に含み、
前記選択手段は、前記複数の候補画像のうち、前記条件を満たす候補画像を選択する事を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記評価手段は、前記複数の候補画像のうち、前記重複範囲による評価値の差異が所定の閾値以下である複数の候補画像の組み合わせが存在する場合、前記複数の候補画像の組み合わせのうち少ない数の候補画像で構成される候補画像の組み合わせの評価値が高くなるように評価を行うことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する選択手段を有する情報処理装置であって、
前記第一の画像の撮像日時および撮像範囲に基づく条件が設定され、前記複数の候補画像の撮像日時と撮像範囲に関する情報をそれぞれ取得するとともに、前記第一の画像と前記複数の候補画像との重複範囲をそれぞれ取得し、前記条件に対する前記複数の候補画像の撮像日時と重複範囲に基づいて、前記複数の候補画像について評価を行う評価手段を有し、
前記選択手段は、前記評価手段における評価結果に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する情報処理方法であって、
前記第一の画像の撮像日時および撮像部位に基づく条件が設定され、前記複数の候補画像の撮像日時と撮像部位をそれぞれ取得し、前記条件に対する前記複数の候補画像の撮像日時および撮像部位に基づいて、前記複数の候補画像について評価を行うステップと、
前記評価の結果に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を選択するステップと、を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する情報処理方法であって、
前記第一の画像の撮像日時および撮像範囲に基づく条件が設定され、前記複数の候補画像の撮像日時と撮像範囲に関する情報をそれぞれ取得するとともに、前記第一の画像と前記複数の候補画像との重複範囲をそれぞれ取得し、前記条件に対する前記複数の候補画像の撮像日時と重複範囲に基づいて、前記複数の候補画像について評価を行うステップと、
前記評価の結果に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を選択するステップと、を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の目的を達成するために、第一の画像との比較対象である第二の画像を、複数の候補画像から選択する選択手段を有する情報処理装置であって、前記第一の画像の撮像日時および撮像部位に基づく条件が設定され、前記複数の候補画像の撮像日時と撮像部位をそれぞれ取得し、前記条件に対する前記複数の候補画像の撮像日時および撮像部位に基づいて、前記複数の候補画像について評価を行う評価手段を有し、前記選択手段は、前記評価手段における評価結果に基づいて、前記複数の候補画像から少なくとも一つの候補画像を選択する。