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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175230
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】画像撮影方法及び画像撮影装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241211BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241211BHJP
   G03B 17/38 20210101ALI20241211BHJP
【FI】
H04N23/60
G03B15/00 F
G03B17/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092830
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】鷲見 典克
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122EA07
5C122FA02
5C122FH11
5C122GA24
5C122GD12
5C122GG03
5C122GG04
5C122HA75
5C122HA86
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】プライバシーを確保しつつ。ユーザの周囲の画像情報を記録する。
【解決手段】画像撮影装置1は、画像センサ2と、演算装置3と、を有する。画像センサ2は、いわゆるウェアラブルデバイスとしてユーザに装着されるものであって、保護エリア用照明4のフリッカー現象を検出可能なものである。保護エリア用照明4は、ユーザのプライバシーが保護されるエリアの天井に設置された照明である。演算装置3は、保護エリア用照明4に固有のフリッカー現象が検出された場合にユーザの周囲を撮影した画像(画像情報)の記録(録画)を停止させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの周囲の画像情報を取得し、
上記画像情報からユーザのプライバシーが保護されるエリアに設置される保護エリア用照明に固有の形状、フリッカー現象あるいは不可視光の波長のいずれかが検出された場合に取得した上記画像情報の記録を停止することを特徴とする画像撮影方法。
【請求項2】
上記保護エリア用照明に固有の形状、フリッカー現象あるいは不可視光の波長のいずれも検出されない場合は、上記画像情報の記録を継続することを特徴とする請求項1に記載の画像撮影方法。
【請求項3】
上記画像情報は、ユーザが装着するウェアラブルデバイスによって撮影されることを特徴とする請求項1に記載の画像撮影方法。
【請求項4】
上記フリッカー現象は、可視光または不可視光による上記保護エリア用照明に固有の明滅パターンであることを特徴とする請求項1に記載の画像撮影方法。
【請求項5】
ユーザによるスイッチ操作の有無や予め設定された時刻に関する条件の成立の可否に基づいて上記画像情報の記録を禁止するプライバシーモードの成立/不成立を決定し、上記プライバシーモードの成立中、上記保護エリア用照明のフリッカー現象が所定の時間パターンで明滅するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の画像撮影方法。
【請求項6】
上記保護エリア用照明に固有のフリッカー現象の明滅パターンを検知すると上記画像情報の記録を停止することを特徴とする請求項5に記載の画像撮影方法。
【請求項7】
重力センサの検出信号を取得し、上記重力センサの検出情報を利用して上記画像情報から天井に設置された照明を識別し、天井に設置された照明を対象として上記画像情報の記録を継続するか停止するかを判定する請求項1に記載の画像撮影方法。
【請求項8】
上記画像情報から撮影された物体の形状を推定し、上記保護エリア用照明の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像撮影方法。
【請求項9】
上記ユーザの姿勢情報を取得し、上記姿勢情報を利用して上記画像情報から天井に設置された照明を識別し、天井に設置された照明のみを対象として上記画像情報の記録を継続するか停止するかを判定する請求項1に記載の画像撮影方法。
【請求項10】
ユーザの周囲の画像情報を取得可能な画像情報取得部と、
上記画像情報からユーザのプライバシーが保護されるエリアに設置される保護エリア用照明に固有の形状、フリッカー現象あるいは不可視光の波長のいずれかを検出する照明検出部と、
取得した上記画像情報の記録が可能な画像情報記録部と、を有し、
上記画像情報記録部は、上記保護エリア用照明に固有の形状またはフリッカー現象のいずれかが検出された場合に上記画像情報の記録を停止することを特徴とする画像撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像撮影方法及び画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、カメラが撮影することにより得られる観察領域の撮影画像の録画をユーザに操作されたコントローラーから送られた録画禁止指示により停止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-126553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、ユーザが録画禁止指示の操作を行わないと撮影画像の録画を継続されるため、観察領域内にいる観察対象者のプライバシーが保護されなくなる虞がある。つまり、ユーザのプライバシーを確保しつつユーザの周囲の画像情報を記録するためには、更なる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ユーザの周囲の画像情報を取得し、上記画像情報から上記ユーザのプライバシーが保護されるエリアに設置される保護エリア用照明に固有の形状、フリッカー現象あるいは不可視光の波長のいずれかが検出された場合に取得した上記画像情報の記録を停止することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、プライバシーが保護されるエリアでは、画像情報に基づいて画像情報の記録を停止することが可能となり、ユーザのプライバシーを確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施例における画像撮影装置の概略構成を示すブロック図。
図2】第1実施例の画像撮影装置における制御の流れを示すフローチャート。
図3】保護エリア用照明のフリッカーパターンを変更する際の制御の流れを示すフローチャート。
図4】保護エリア用照明のフリッカーパターンが制御される画像撮影装置の制御の流れを示すフローチャート。
図5】第2実施例における画像撮影装置の概略構成を示すブロック図。
図6】第2実施例において天井の方向を判定する際の制御の流れを示すフローチャート。
図7】第3実施例における画像撮影装置の概略構成を示すブロック図。
図8】第3実施例の画像撮影装置における制御の流れを示すフローチャート。
図9】本発明の第4実施例における画像撮影装置の概略構成を示すブロック図。
図10】第4実施例において天井の方向を判定する際の制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1実施例における画像撮影装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0010】
第1実施例における画像撮影装置1は、画像センサ2と、演算装置3と、を有し、撮影された画像情報の記録(録画)が可能なものである。つまり、画像撮影装置1は、取得した画像情報を記録可能な画像情報記録部を備えたものである。
【0011】
画像センサ2は、いわゆるウェアラブルデバイスとしてユーザに装着されるものであって、例えばユーザの頭部等に装着される。ここで、画像センサ2が装着されるユーザは、例えば工場等で作業する作業者等である。
【0012】
画像センサ2は、例えばユーザの周囲を360度撮影可能なものである。また、画像センサ2は、当該画像センサ2を装着したユーザが行動するエリアの中でユーザのプライバシーが保護されるエリアの天井に設置された保護エリア用照明4を撮影可能なものである。画像センサ2は、画角に保護エリア用照明4が入っている場合、保護エリア用照明4のフリッカー現象を検出可能なものである。つまり、画像センサ2は、画像情報取得部及び照明検出部に相当する。フリッカー現象は、可視光または不可視光(例えば近赤外線や中赤外線等の赤外線)による明滅である。
【0013】
演算装置3は、保護エリア用照明4に固有のフリッカー現象が検出された場合にユーザの周囲を撮影した画像(画像情報)の記録(録画)を停止させる。つまり、演算装置3は、取得した画像情報を記録(録画)するか否かを判定する記録判定部に相当する。
【0014】
なお、演算装置3及び画像情報記録部は、画像センサ2と一体にしてウェアラブルデバイスとしてもよいし、画像センサ2とは別体としてユーザから離れた場所に位置するものとしてもよい。
【0015】
図2は、第1実施例の画像撮影装置1における制御の流れを示すフローチャートである。
【0016】
ステップS1では、画像センサ2から画像情報を取得する。ステップS2では、取得された画像情報から照明を検出する。ステップS3では、画像情報から検出された照明が保護エリア用照明4であるか否かを判定する。ステップS3で保護エリア用照明4が検出されたと判定された場合は、ステップS4へ進む。ステップS3で保護エリア用照明4が検出されていないと判定された場合は、ステップ5へ進む。ステップS4では、取得した画像情報の記録(録画)を停止する。ステップS5では、取得した画像情報の記録(録画)を行う。つまり、ステップS3で保護エリア用照明4が検出された場合は、取得した画像情報の録画が停止される。また、ステップS3で保護エリア用照明4が検出されなかった場合は、取得した画像情報の録画が継続される。
【0017】
このような第1実施例の画像撮影装置1は、プライバシーが保護されるエリアでは、画像情報に基づいて画像情報の記録(録画)を停止することが可能となり、ユーザのプライバシーを確実に保護することができる。つまり、画像撮影装置1は、天井に設置された保護エリア用照明4のフリッカー現象が検出されると、画像情報の記録(録画)を停止して、ユーザのプライバシーを確実に保護することができる。
【0018】
画像撮影装置1は、保護エリア用照明4に基づいて画像情報の記録(録画)を許可するエリア(例えば業務エリア)であるか否かを判定することができるので、画像情報の記録(録画)が許可されたエリアの画像情報のみを記録(録画)することができる。
【0019】
画像撮影装置1は、ユーザが装着するウェアラブルデバイスである画像センサ2によって画像情報が撮影されるので、ユーザに紐づいた行動を記録(録画)することができる。
【0020】
画像撮影装置1は、可視光または不可視光のどちらのフリッカー現象も検出できるので、ユーザにフリッカー現象による保護エリア用照明4の明滅を認識させることなく、画像情報の記録(録画)が許可されたエリアの画像情報のみを記録(録画)することが可能となる。
【0021】
なお、上述した第1実施例において、保護エリア用照明4は、フリッカー現象の明滅パターン(フリッカーパターン)を変更可能なものでもよい。すなわち、保護エリア用照明4は、フリッカー現象が所定の時間パターンで明滅するよう制御されるものでもよい。
【0022】
図3は、保護エリア用照明4のフリッカーパターンを変更する際の制御の流れを示すフローチャートである。
【0023】
ステップS11では、プライバシーモードがオンとなる。プライバシーモードは、例えばユーザにより操作されたスイッチからプライバシーモードがオンの信号を検知した場合や、予め設定された時刻に関する条件が成立した場合にオンとなる。つまり、プライバシーモードは、ユーザによるスイッチ操作の有無や時刻に関する条件の成立の可否に基づいて成立/不成立が決定される。上記スイッチは、例えば、ユーザのプライバシーが保護されるエリアに設置されている。時刻に関する条件は、例えば、時刻が休憩時間の時刻になった場合に成立する。
【0024】
ステップS12では、保護エリア用照明4のフリッカー現象のフリッカーパターン(明滅パターン)を変更する明滅制御を実施する。
【0025】
ステップS13では、プライバシーモードがオフ(停止)されたか否かを判定する。プライバシーモードは、例えばユーザにより操作されたスイッチからプライバシーモードがオフの信号を検知した場合や、予め設定された時刻に関する条件が不成立となった場合にオフ(停止)となる。時刻に関する条件は、例えば、時刻がユーザの休憩時間中であれば成立し、時刻がユーザの休憩時間外あれば不成立となる。ステップS13でプライバシーモードがオフ(停止)と判定された場合は、ステップS14へ進む。ステップS14では、プライバシーモードを停止し、上記明滅制御を終了する。ステップS13でプライバシーモードがオフ(停止)と判定されなかった場合は、ステップS12へ進む。つまり、ステップS13でプライバシーモードがオフ(停止)と判定されなかった場合は、プライバシーモードを継続し、上記明滅制御を継続する。
【0026】
図4は、保護エリア用照明4のフリッカーパターンが制御される画像撮影装置の制御の流れを示すフローチャートである。
【0027】
ステップS21では、画像センサ2から画像情報を取得する。ステップS22では、取得された画像情報から照明のフリッカーパターンを検出する。ステップS23では、画像情報から検出された照明のフリッカーパターンが保護エリア用照明4のものであるか否かを判定する。ステップS23で保護エリア用照明4のフリッカーパターンが検出されたと判定された場合は、ステップS24へ進む。ステップS23で保護エリア用照明4のフリッカーパターンが検出されていないと判定された場合は、ステップS25へ進む。ステップS24では、取得した画像情報の記録(録画)を停止する。ステップS25では、取得した画像情報の記録(録画)を行う。つまり、ステップS23で保護エリア用照明4のフリッカーパターンが検出された場合は、取得した画像情報の録画が停止される。また、ステップS23で保護エリア用照明4のフリッカーパターンが検出されなかった場合は、取得した画像情報の録画が継続される。
【0028】
画像撮影装置1は、保護エリア用照明4のフリッカーパターンが制御される場合、プライバシーモードの成立/不成立により画像情報の記録(録画)が許可されているか否かを判定することができる。そのため、画像撮影装置1は、状況に応じて画像情報の記録(録画)を継続したり停止したりすることが可能となる。つまり、画像撮影装置1は、保護エリア用照明4のフリッカーパターンが制御される場合、例えばユーザが作業エリアにいる場合であっても、プライバシーが保護される休憩時間中等は画像情報の記録(録画)を停止させることができ、ユーザのプライバシーが保護される期間を管理できる。換言すれば、画像撮影装置1は、保護エリア用照明4のフリッカーパターンが制御される場合、プライバシーが保護される状況にユーザがある場合に、画像情報の記録(録画)を停止することができる。
【0029】
なお、画像センサ2は、保護エリア用照明4と、保護エリア用照明4以外のフリッカー現象が生じる機器(例えば机上のディスプレイ)の双方が画角に入っている場合、取得した画像情報から推定される両者の場所(位置)から保護エリア用照明4と保護エリア用照明4以外のフリッカー現象が生じる機器とを区別できる。
【0030】
画像撮影装置1は、保護エリア用照明4のフリッカーパターンが制御される場合、保護エリア用照明4に固有のフリッカー現象のフリッカーパターンを検知すると画像情報の記録(録画)を停止することができる。そのため、画像撮影装置1は、保護エリア用照明4のフリッカーパターンが制御される場合、保護エリア用照明4と保護エリア用照明4とは異なるフリッカーパターンの照明とが混在する環境や、ディスプレイ等のフリッカー現象が生じる機器が混在する環境においても、誤判定することなく、画像情報の記録(録画)を継続するか停止するかを判断できる。
【0031】
以下、本発明の他の実施例について説明する。なお、上述した実施例と同一の構成要素には同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0032】
図5及び図6を用いて第2実施例の画像撮影装置11について説明する。第2実施例の画像撮影装置11は、上述した第1実施例の画像撮影装置1と略同一構成となっているが、重力を検出可能な重力センサ12の検出情報を利用して画像情報から天井に設置された照明を識別している。第2実施例の画像撮影装置11は、図5に示すように、重力センサ12を有している。図5は、本発明の第2実施例における画像撮影装置11の概略構成を示すブロックである。
【0033】
第2実施例における画像撮影装置11は、重力センサ12を用いて重力の作用する方向である鉛直下方へ向かう方向を精度良く判定(把握)することで、反対方向となる鉛直上方に位置する天井に設置された照明を精度よく識別することが可能となっている。
【0034】
図6は、第2実施例において天井の方向を判定する際の制御の流れを示すフローチャートである。ステップS31では、重力センサ12からの情報(検出信号)を取得する。ステップS32では、重力センサ12の検出信号を利用してユーザがいるエリアの天井のある方向を推定する。
【0035】
このような第2実施例の画像撮影装置11においても上述した第1実施例の画像撮影装置1と略同一の作用効果を奏することができる。
【0036】
また、このような第2実施例の画像撮影装置11は、保護エリア用照明4が設置された天井の方向を重力センサ12を利用して精度良く推定することができるので、天井に配置された照明のみを対象として、取得した画像情報の記録(録画)を継続するか停止するかを判断できる。
【0037】
なお、この第2実施例における保護エリア用照明4は、上述したようなフリッカーパターンの制御を適用してもよい。
【0038】
図7及び図8を用いて第3実施例の画像撮影装置21について説明する。第3実施例の画像撮影装置21は、上述した第1実施例の画像撮影装置1と略同一構成となっているが、撮影された画像情報から保護エリア用照明4に固有の形状が検出されると画像情報の記録(録画)を停止している。第3実施例の画像撮影装置21は、図7に示すように、保護エリア用照明4に固有の形状の有無を判定する物体認識機22を有している。図7は、本発明の第3実施例における画像撮影装置21の概略構成を示すブロック図である。第3実施例における画像撮影装置21は、物体認識機22を用いて保護エリア用照明4に固有の形状を識別することで、保護エリア用照明4に固有の形状が検出された場合にユーザの周囲を撮影した画像(画像情報)の記録(録画)を停止させる。
【0039】
図8は、第3実施例の画像撮影装置21における制御の流れを示すフローチャートである。
【0040】
ステップS41では、画像センサ2から画像情報を取得する。ステップS42では、取得された画像情報から照明の形状(外形状)を検出する。ステップS43では、画像情報から検出された照明の形状が保護エリア用照明4に固有の形状であるか否かを判定する。ステップS43で保護エリア用照明4に固有の形状が検出されたと判定された場合は、ステップS44へ進む。ステップS43で保護エリア用照明4に固有の形状が検出されていないと判定された場合は、ステップS45へ進む。ステップS44では、取得した画像情報の記録(録画)を停止する。ステップS45では、取得した画像情報の記録(録画)を行う。つまり、ステップS43で保護エリア用照明4に固有の形状が検出された場合は、取得した画像情報の録画が停止される。また、ステップS3で保護エリア用照明4に固有の形状が検出されなかった場合は、取得した画像情報の録画が継続される。
【0041】
このような第3実施例の画像撮影装置21においても上述した第1実施例の画像撮影装置1と略同一の作用効果を奏することができる。
【0042】
また、このような第3実施例の画像撮影装置21は、画像情報から撮影された物体の形状を推定して保護エリア用照明4の有無を判定している。つまり、第3実施例の画像撮影装置21は、保護エリア用照明4の有無を直接検出して、画像情報の記録(録画)を継続するか停止するかを判断できる。
【0043】
図9及び図10を用いて第4実施例の画像撮影装置31について説明する。第4実施例の画像撮影装置31は、上述した第1実施例の画像撮影装置1と略同一構成となっているが、ユーザの姿勢を推定する姿勢推定器32から出力された情報を利用して画像情報から天井に設置された照明を識別している。
【0044】
図9は、本発明の第4実施例における画像撮影装置の概略構成を示すブロック図である。第4実施例の画像撮影装置31は、図9に示すように、姿勢推定器32を有している。
【0045】
姿勢推定器32は、画像センサ2を身に着けたユーザの上体の傾きや捻れ等の身体の姿勢に関する情報である姿勢情報を取得可能なものであり、例えば画像センサ2を身に着けたユーザに装着される。第4実施例の画像撮影装置31は、ユーザの姿勢を考慮して天井に設置された照明を精度よく識別することが可能となっている。
【0046】
図10は、第4実施例において天井の方向を判定する際の制御の流れを示すフローチャートである。ステップS51では、姿勢推定器32を用いてユーザの姿勢情報を取得する。ステップS52では、姿勢推定器32からの姿勢情報を利用してユーザがいるエリアの天井のある方向を推定する。
【0047】
このような第4実施例の画像撮影装置31においても上述した第1実施例の画像撮影装置1と略同一の作用効果を奏することができる。
【0048】
また、このような第4実施例の画像撮影装置31は、保護エリア用照明4が設置された天井の方向を姿勢推定器32を利用して精度良く推定することができるので、天井に配置された照明のみを対象として取得した画像情報の記録(録画)を継続するか停止するかを判断できる。
【0049】
なお、この第4実施例における保護エリア用照明4は、上述したようなフリッカーパターンの制御を適用してもよい。
【0050】
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0051】
例えば、画像撮影装置の画像センサ2は、保護エリア用照明4に固有の可視光または不可視光の波長を検出可能なものであってもよい。この場合、画像撮影装置の画像センサ2は、画角に保護エリア用照明4が入っていなくても、保護エリア用照明4に固有の可視光または不可視光(例えば近赤外線や中赤外線等の赤外線)の波長を検出可能なものとなる。また、この場合、画像撮影装置の演算装置3は、保護エリア用照明4に固有の可視光または不可視光の波長が検出された場合にユーザの周囲を撮影した画像(画像情報)の記録(録画)を停止させることになる。この場合、演算装置3は、画像センサ2の画角に保護エリア用照明4が入っていなくても、上述したプライバシーモードがオンになったことを判定することができる。
【0052】
また、画像撮影装置は、プライバシーモードがオンになると、エリア全体で保護エリア用照明4に固有の不可視光をフリッカー現象よりも長周期で明滅させ、この不可視光の明滅を検出することにより画像情報の記録(録画)を停止させてもよい。この場合、演算装置3は、画像センサ2の画角に保護エリア用照明4が入っていなくても、上述したプライバシーモードがオンなったことを判定することができる。
【0053】
上述した各実施例は、画像撮影装置及び画像撮影方法に関するものである。
【符号の説明】
【0054】
1…画像撮影装置
2…画像センサ
3…演算装置
4…保護エリア用照明
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10