(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175232
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】電子制御装置
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20241211BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H05K5/02 E
H05K7/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092833
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100205682
【弁理士】
【氏名又は名称】高嶋 一彰
(72)【発明者】
【氏名】井畑 知明
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 和明
(72)【発明者】
【氏名】山中 建太郎
(72)【発明者】
【氏名】大橋 弘典
【テーマコード(参考)】
4E360
5E322
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB12
4E360AC05
4E360EA22
4E360EB03
4E360EC03
4E360GA52
4E360GB99
4E360GC08
5E322AA02
5E322AA03
5E322EA10
5E322EA11
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】電子制御装置の筐体を小型化する。
【解決手段】電子制御装置が、プリント基板1を収容する筐体2のケース3を有する。また、筐体2を他部材に固定するブラケット6が設けられている。ブラケット6は、板状の平板部6aと、平板部6aから貫通孔7内に延びる接続部6bと、接続部6bからブラケット6の長手方向に突出し、筐体2の内部側から貫通孔7の孔縁に係り合わされる第1爪部6cおよび第2爪部6dとを有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容する筐体を備え、ブラケットを介して他部材に固定される電子制御装置であって、
前記筐体は、前記ブラケットに隣接する壁部を貫通してなる貫通孔を有し、
前記ブラケットは、板状の平板部と、該平板部から前記貫通孔内に延びる接続部と、該接続部から前記ブラケットの長手方向に突出し、前記筐体の内部側から前記貫通孔の孔縁に係り合わされる爪部とを有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記基板の両面のうち前記ブラケットとは反対側に位置する面に実装された電子部品と、前記ブラケット側に位置する面と前記ブラケットの前記接続部および前記爪部との間に設けられ、前記電子部品から発生する熱を前記ブラケットに伝達する放熱材とをさらに備えることを特徴とする電子制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記貫通孔は、前記筐体の壁部の中央部に形成されており、
前記ブラケットは、前記筐体の壁部の両側部よりも外方へそれぞれ延び、前記壁部とオーバーラップしない第1非オーバーラップ部および第2非オーバーラップ部を有し、
前記第1非オーバーラップ部および前記第2非オーバーラップ部は、前記他部材に前記ブラケットを固定する固定部材が挿入される固定穴をそれぞれ有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記貫通孔は、前記筐体の壁部の中央部に形成されており、
前記ブラケットは、前記筐体の壁部の一方の側部よりも外方へ延び、前記壁部とオーバーラップしない第1非オーバーラップ部を有し、
前記第1非オーバーラップ部は、前記他部材に前記ブラケットを固定する固定部材が挿入される固定穴を有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記貫通孔は、前記筐体の壁部の1つの角部寄りの位置に形成されており、
前記ブラケットは前記貫通孔を介して前記壁部に取り付けられていることを特徴とする電子制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記ブラケットは、前記壁部の1つの角部を横切る向きで前記貫通孔を介して前記壁部に取り付けられていることを特徴とする電子制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記筐体は、該筐体からの前記ブラケットの脱落を抑制する脱落抑制部を有し、該脱落抑制部は、前記壁部から立ち上がる立ち上がり部と、該立ち上がり部から前記ブラケット側に突出し、前記ブラケットの前記平板部の両面のうち前記壁部に隣接しない側の面に当接する当接部とを有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記爪部は、前記ブラケットの長手方向において前記接続部から扇状に延びることを特徴とする電子制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記筐体は、前記壁部と対向し、第2貫通孔を有する第2壁部をさらに有し、
前記ブラケットは、前記平板部から折り曲げられた折り曲げ部と、該折り曲げ部から折り曲げられ、前記平板部と対向する第2平板部とをさらに備え、
前記第2平板部は、前記第2壁部の前記第2貫通孔内に延びる第2接続部と、該第2接続部から前記ブラケットの長手方向に突出し、前記筐体の内部側から前記第2壁部の前記第2貫通孔の孔縁に係り合わされる爪部とを有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項10】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記壁部は、前記基板と直交するように延びる前記ブラケットの側壁部であることを特徴とする電子制御装置。
【請求項11】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記ブラケットは、前記接続部から外方に突出し、前記筐体の内部側から前記貫通孔の孔縁に係り合わされる複数の爪部を有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項12】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記爪部は、前記接続部から前記貫通孔の孔縁まで傾斜しながら延びることで、前記筐体の内部側から前記貫通孔の孔縁に係り合わされることを特徴とする電子制御装置。
【請求項13】
請求項2に記載の電子制御装置であって、
前記接続部および前記爪部は、前記平板部に設けられ、かつ前記平板部の幅よりも広い幅を有する幅広部に形成されていることを特徴とする電子制御装置。
【請求項14】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記ブラケットは、前記筐体の壁部よりも外方へ延び、前記壁部とオーバーラップしない第1非オーバーラップ部を有しており、
前記第1非オーバーラップ部は、前記ブラケットの幅方向において前記第1非オーバーラップ部の両端部よりも外方に拡張された一対の拡張部を有し、
各拡張部は、前記他部材に前記ブラケットを固定する固定部材が挿入される固定穴を有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項15】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記ブラケットは、前記平板部から折り曲げられた折り曲げ部を有し、
前記折り曲げ部は、前記他部材に前記ブラケットを固定する固定部材が挿入される固定穴を有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項16】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記爪部は、前記ブラケットの長手方向において前記接続部から長方形状に延びることを特徴とする電子制御装置。
【請求項17】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記爪部は、前記ブラケットの長手方向において前記接続部の一端から延びる第1爪部と、前記ブラケットの長手方向において前記接続部の他端から延び、前記第1爪部とは異なる形状を有する第2爪部とを有することを特徴とする電子制御装置。
【請求項18】
請求項17に記載の電子制御装置であって、
前記ブラケットは、前記ブラケットの前記平板部と直交する方向から見たときにL字状をなすことを特徴とする電子制御装置。
【請求項19】
請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記ブラケットは、前記平板部の両端から前記筐体とは反対側に折り曲げられた一対の傾斜折り曲げ部と、該一対の傾斜折り曲げ部の各端部から前記平板部と平行となるように折り曲げられた一対の固定部とをさらに有し、
各固定部は、前記他部材に前記ブラケットを固定する固定部材が挿入される固定穴を有することを特徴とする電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子制御装置として、例えば以下の特許文献1に記載された電子制御装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の電子制御装置は、基板を収容する筐体を有しており、該筐体の側面には、ブラケットを取り付ける一対の爪部が突出形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電子制御装置では、一対の爪部が筐体の側面から突出形成されているので、筐体が大型化してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の実情に鑑みて案出されたもので、小型の筐体を有した電子制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、電子制御装置の筐体が、ブラケットに隣接する壁部を貫通してなる貫通孔を有し、ブラケットが、板状の平板部と、平板部から貫通孔内に延びる接続部と、接続部からブラケットの長手方向に突出し、筐体の内部側から貫通孔の孔縁に係り合わされる爪部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子制御装置の筐体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ブラケットが取り付けられた状態の第1の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図2】
図1の線A-Aに沿って切断した第1の実施形態の電子制御装置およびブラケットの断面図である。
【
図3】第1の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図4】(a)はブラケットの平面図、(b)は(a)の線B-Bに沿って切断したブラケットの断面図、(c)は(a)の線C-Cに沿って切断したブラケットの断面図である。
【
図5】(a)は一方の面側から見たブラケットの斜視図、(b)は他方の面側から見たときのブラケットの斜視図である。
【
図6】(a)は挿入前のブラケットおよび電子制御装置を示す説明図、(b)はブラケットの挿入工程を示す工程図、(c)はブラケットが取り付けられた状態の電子制御装置を示す説明図である。
【
図7】第2の実施形態の電子制御装置およびブラケットの断面図である。
【
図8】ブラケットが取り付けられた状態の第3の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図9】ブラケットが取り付けられた状態の第4の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図10】ブラケットが取り付けられた状態の第5の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図11】(a)はブラケットが取り付けられた状態の第6の実施形態の電子制御装置を示す平面図、(b)は(a)の矢視方向Bから見たときの第6の実施形態の電子制御装置の側面図である。
【
図12】ブラケットが取り付けられた状態の第7の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図13】ブラケットが挿入された直後の第7の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【
図14】ブラケットが取り付けられた状態の第8の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図15】第8の実施形態の電子制御装置およびブラケットの斜視図である。
【
図16】ブラケットが取り付けられた状態の第9の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図17】
図16の線D-Dに沿って切断した第9の実施形態の電子制御装置の概略的な断面図である。
【
図18】ブラケットが取り付けられた状態の第10の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【
図19】第11の実施形態の電子制御装置およびブラケットの断面図である。
【
図20】ブラケットが取り付けられた状態の第12の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【
図21】ブラケットが取り付けられた状態の第13の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【
図22】ブラケットが取り付けられた状態の第14の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【
図23】第14の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【
図24】第14の実施形態のブラケットの斜視図である。
【
図25】ブラケットが取り付けられた状態の第15の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【
図26】第15の実施形態のブラケットの斜視図である。
【
図27】ブラケットが取り付けられた状態の第16の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【
図28】第16の実施形態のブラケットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る電子制御装置の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この電子制御装置は、例えば自動車等(エンジンコントロールユニット等)に適用されるものである。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、ブラケット6が取り付けられた状態の第1の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
図2は、
図1の線A-Aに沿って切断した第1の実施形態の電子制御装置およびブラケット6の断面図である。
図3は、第1の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【0012】
電子制御装置は、プリント基板1を筐体2内に収容したものであり、筐体2は、一面に開口部を有する直方体状の箱体をなし、開口部からプリント基板1を収容可能なケース3と、プリント基板1を収容したケース3の開口部を閉塞するカバー4とを備えている。
【0013】
プリント基板1は、例えばガラスエポキシ樹脂等からなる矩形平板状の板材の表裏面に所望の回路パターン配線(図示省略)が形成されることにより構成されている。また、プリント基板1の周縁側のうちカバー4と隣接する箇所には、
図1および
図3に示すように、図示せぬ外部コネクタ(外部機器のコネクタ等)と接続可能なコネクタ5が取り付けられている。
【0014】
ケース3は、合成樹脂材料によって直方体状に形成されている。ケース3は、該ケース3内に収容されるプリント基板1の四方のうち三方側を取り囲む3つの側壁部3a,3b,3cと、プリント基板1の表面1a(
図2においてプリント基板1の上側の面)を遮蔽する天井壁部3dと、プリント基板1の裏面1b(
図2においてプリント基板1の下側の面)を遮蔽する底壁部3eとを有している。なお、天井壁部3dの「天井」および底壁部3eの「底」という表現は、電子制御装置およびブラケット6が
図2の姿勢で配置されたときの天井側および底側を例示としてそれぞれ示したものであり、ブラケット6が取り付けられる他部材、例えば車両の壁部の向きや配置によっては、天井壁部3dと底壁部3eとの位置関係が上下反転した位置関係、横並びの位置関係や、他の位置関係となることもある。
【0015】
図2に示すように、3つの側壁部3a,3b,3cのうち互いに対向する2つの側壁部3a,3bの内側面には、プリント基板1の各側部が挿入されることで各側部を保持する凹溝部3f,3gが、2つの側壁部3a,3bに沿ってそれぞれ形成されている。
【0016】
図3に示すように、天井壁部3dの中央部には、該天井壁部3dに隣接したブラケット6の後述の接続部6bおよび第1,第2爪部6c,6dを挿入可能な貫通孔7が、天井壁部3dの肉厚方向に沿って貫通形成されている。貫通孔7は、円の一部を構成する一対の円弧状部7a,7bと、該円弧状部7a,7bの一方の端部同士に接続された扇状の第1扇状部7cと、円弧状部7a,7bの他方の端部同士に接続され、第1扇状部7cと同様の扇状をなす第2扇状部7dとを有している。一対の円弧状部7a,7bは、側壁部3a,3b側に凸となる円弧状にそれぞれ形成されている。円弧状部7a,7bの間の空間には、ブラケット6の後述の接続部6bが挿入される。
図3に示すように、第1扇状部7cは、側壁部3c側に位置しており、約90度の角度で側壁部3c側に扇状に広がっている。第1扇状部7cの内側の空間には、貫通孔7へのブラケット6の接続部6bおよび第1、第2爪部6c,6dの挿入時に、ブラケット6の第1爪部6cが挿入される。また、
図3に示すように、第2扇状部7dは、カバー4側に位置しており、約90度の角度でカバー4側に扇状に広がっている。第2扇状部7dの内側の空間には、貫通孔7へのブラケット6の接続部6bおよび第1、第2爪部6c,6dの挿入時に、ブラケット6の第2爪部6dが挿入される。
【0017】
図3に示すように、天井壁部3dの外側面のうち円弧状部7aと側壁部3aとの間の位置には、天井壁部3dの外側面から上方に突出した第1突起部8が突出形成されている。第1突起部8は、ブラケット6に設けられた後述の第1回転規制孔部10に挿入されることで、電子制御装置に対するブラケット6の過度の回転を規制する。第1突起部8は、カバー4側に向けられており、天井壁部3dの外側面から垂直に延びる垂直面8aと、該垂直面8aに隣接し、天井壁部3dの外側面と平行に延びる平行面8bと、側壁部3c側に配置され、平行面8bと天井壁部3dの外側面とを接続する傾斜した面である傾斜面8cと、垂直面8a、平行面8bおよび傾斜面8cの両側部に設けられた一対の側面8d,8eを有している。垂直面8aは、該垂直面8aの両側の縁部が第1回転規制孔部10の内周部と当接することにより、電子制御装置に対するブラケット6の過度の回転を規制する。傾斜面8cは、挿入後のブラケット6を回動させるときに、ブラケット6が乗り上げながら案内される面となる。
【0018】
同様に、
図3に示すように、天井壁部3dの外側面のうち円弧状部7bと側壁部3bとの間の位置には、天井壁部3dの外側面から上方に突出した第2突起部9が突出形成されている。第2突起部9は、ブラケット6に設けられた後述の第2回転規制孔部12に挿入されることで、電子制御装置に対するブラケット6の過度の回転を規制する。第2突起部9は、第1突起部8と同様の形状を有しているが、第2突起部9の垂直面9aが、側壁部3c側に向けられており、一方、第2突起部9の傾斜面9cがカバー4側に配置されている。
【0019】
また、
図2に示すように、天井壁部3dの内側面のうち貫通孔7を挟んで両側の部位には、天井壁部3dの強度を増加させる3つ補強部36がそれぞれ設けられている。各補強部36は、ブラケット6の長手方向と直交する方向に連続している。
【0020】
また、ケース3においては、例えばプリント基板1に接続された比較的高さのあるコネクタ5がケース3の内壁と衝突または干渉しないようにするために、コネクタ5に応じて肉厚方向寸法(プリント基板1の肉厚方向の寸法)が異なる段付形状をなしている。より詳細には、
図1および
図3に示すように、ケース3の底壁部3eは、プリント基板1におけるコネクタ5側の部位を下方から閉塞する下段部3hと、プリント基板1におけるコネクタ5とは反対側の部位を下方から閉塞する上段部3iとを有している。下段部3hと上段部3iとは、所定の傾斜角度、例えば45度で傾斜する中間傾斜部3jによって互いに接続されている。
【0021】
カバー4は、合成樹脂材料によって矩形平板状に形成されている。
図1および
図3に示すように、カバー4の中央部には、カバー4の肉厚方向に貫通したコネクタ接続口4aが形成されている。このコネクタ接続口4aは、図外の外部コネクタをコネクタ5と接続可能にするための接続口であって、カバー4によりケース3の開口部を封止した状態で
図1および
図3に示すようにコネクタ5と連通する位置に形成される。また、カバー4の図示せぬ内側面うち天井壁部3d付近の位置には、プリント基板1側に張り出した一対の拡張壁部が形成されている。各拡張壁部の上部には、該上部から天井壁部3d側へ突出したフック部4bが形成されており、このフック部4bが、天井壁部3dに設けられたフック係り合わせ部3kに係り合うことにより、カバー4は、所謂スナップフィットによりケース3に固定される。
【0022】
図4(a)はブラケット6の平面図、
図4(b)は
図4(a)の線B-Bに沿って切断したブラケット6の断面図、
図4(c)は
図4(a)の線C-Cに沿って切断したブラケット6の断面図である。
図5(a)は一方の面6s側から見たブラケット6の斜視図、
図5(b)は他方の面6p側から見たときのブラケット6の斜視図である。
【0023】
ブラケット6は、金属材料によって、細長い長方形の平板状に形成されている。ブラケット6は、細長い長方形の板状に形成された平板部6aと、プレス成型により平板部6aの長手方向の中央部をブラケット6の肉厚方向一方側(
図4(a)の奥側)に押圧して窪ませることにより形成された接続部6bと、該接続部6bからブラケット6の長手方向に延びる第1爪部6cおよび第2爪部6dとを有している。ここで、接続部6b、第1爪部6cおよび第2爪部6dは、第1扇状部7cおよび第2扇状部7dの外形に対応した一対の切り込みを平板部6aの中央部に入れた後に、上記一対の切り込みの間の部位をプレス成型によりブラケット6の肉厚方向一方側(
図4(a)の奥側)に押圧して窪ませることにより形成される。
【0024】
図4(a)および
図4(c)に示すように、接続部6bは、平板部6aからブラケット6の肉厚方向一方側に傾斜した一対の傾斜部6e,6fと、該傾斜部6e,6fの先端部同士に結合され、平板部6aと平行な底部6gとを有している。
図4(a)に示すように、各傾斜部6e,6fは、平板部6aに対して直交する方向から見たときに扇形状をなしている。また、底部6gは、平板部6aに対して直交する方向から見たときに概ね円形をなしている。
【0025】
第1爪部6cは、底部6gの一方の側部からブラケット6の長手方向一方側(
図4(a)の右側)に突出している。
図4(a)に示すように、第1爪部6cは、平板部6aに対して直交する方向から見たときに扇形状をなしている。第1爪部6cは、上述した約90度で扇状に広がる第1扇状部7cと同様の角度で扇状に延びている。第1爪部6cの先端側(自由端側)の部位は、電子制御装置へのブラケット6の取付時に、ケース3の天井壁部3dに形成された貫通孔7の上述の第1扇状部7cに挿入される。
【0026】
第2爪部6dは、底部6gの他方の側部からブラケット6の長手方向他方側(
図4(a)の左側)に突出している。
図4(a)に示すように、第2爪部6dは、平板部6aに対して直交する方向から見たときに、第1爪部6cと同様の扇形状をなしている。第2爪部6dは、上述した約90度で扇状に広がる第2扇状部7dと同様の角度で扇状に延びている。第2爪部6dの先端側(自由端側)の部位は、電子制御装置へのブラケット6の取付時に、ケース3の天井壁部3dに形成された貫通孔7の上述の第2扇状部7dに挿入される。
【0027】
また、ブラケット6の平板部6aのうち第1爪部6cからブラケット6の長手方向一方側に離間した位置には、電子制御装置の天井壁部3dに設けられた第1突起部8が挿入される円形の第1回転規制孔部10が、ブラケット6の肉厚方向に貫通形成されている。
【0028】
さらに、ブラケット6の平板部6aは、電子制御装置に取り付けられた状態(
図1参照)で天井壁部3dの一側部よりも外方へ延び、天井壁部3dとオーバーラップしない第1非オーバーラップ部6kを有している。この第1非オーバーラップ部6kには、他部材にブラケット6を固定する図示せぬ固定部材、例えばボルトが挿入される円形の第1固定穴11が、ブラケット6の肉厚方向に貫通形成されている。第1固定穴11は、ブラケット6の長手方向一方側の端部6m付近に位置している。第1固定穴11は、第1回転規制孔部10よりも大きい円形状に形成されている。
【0029】
また、ブラケット6の平板部6aのうち第2爪部6dからブラケット6の長手方向他方側に離間した位置には、電子制御装置の天井壁部3dに設けられた第2突起部9が挿入される円形の第2回転規制孔部12が、ブラケット6の肉厚方向に貫通形成されている。第2回転規制孔部12は、第1回転規制孔部10と同様の孔径を有しており、接続部6bを挟んで第1回転規制孔部10と対称となる位置に形成されている。
【0030】
さらに、ブラケット6の平板部6aは、電子制御装置に取り付けられた状態(
図1参照)で天井壁部3dの他側部よりも外方へ延び、天井壁部3dとオーバーラップしない第2非オーバーラップ部6nを有している。この第2非オーバーラップ部6nには、他部材にブラケット6を固定する図示せぬ固定部材、例えばボルトが挿入される円形の第2固定穴13が、ブラケット6の肉厚方向に貫通形成されている。第2固定穴13は、第1固定穴11と同様の孔径を有しており、接続部6bを挟んで第1固定穴11と対称となるようにブラケット6の長手方向他方側の端部6o付近に位置している。
【0031】
ブラケット6がケース3の天井壁部3dに取り付けられた状態では、ブラケット6の平板部6aのうち第1爪部6cおよび第2爪部6dが位置する側の面6pが、天井壁部3dの外側面に接触している(
図2参照)。さらに、ブラケット6の接続部6bが天井壁部3dの貫通孔7を貫通した状態で、第1爪部6cおよび第2爪部6dの先端部のうち平板部6aと対向する面6q,6rが、筐体2の内部側から貫通孔7の一対の円弧状部7a,7bの孔縁にそれぞれ係り合わされている(
図2参照)。
【0032】
図6は、電子制御装置へのブラケット6の取り付け方法を示し、
図6(a)は挿入前のブラケット6および電子制御装置を示す説明図、
図6(b)はブラケット6の挿入工程を示す工程図、
図6(c)はブラケット6が取り付けられた状態の電子装置を示す説明図である。
【0033】
まず、
図6(a)に示すように、貫通孔7の第1扇状部7c側に第1爪部6cが位置し、かつ貫通孔7の第2扇状部7d側に第2爪部6dが位置する向きで、筐体2の上方にブラケット6を配置させておく。また、筐体2は、図示せぬ固定治具を用いて、作業場の所定の位置に固定された状態となっている。
【0034】
次に、固定された筐体2に対してブラケット6を近づけることにより、
図6(b)に示すように、天井壁部3dの貫通孔7にブラケット6の接続部6b、第1爪部6cおよび第2爪部6dを挿入する。
【0035】
接続部6b等の挿入後には、
図6(b)に矢印Aで示す方向(
図6(b)において時計回りの方向)に、筐体2に対してブラケット6を回動させる。ブラケット6の回動時には、ブラケット6が第1突起部8の傾斜面8cに乗り上げ、同時に、ブラケット6が第2突起部9の傾斜面9cに乗り上げる。そして、ブラケット6の乗り上げの後に、
図6(c)に示すように、第1突起部8および第2突起部9は、ブラケット6の第1回転規制孔部10および第2回転規制孔部12に挿入される。
【0036】
なお、本実施形態では、固定された筐体2に対してブラケット6を回動させる例について説明したが、固定されたブラケット6に対して筐体2を回動させるようにしても良い。
[第1の実施形態の効果]
上記のように、第1の実施形態では、ブラケット6が、平板部6aと、該平板部6aの長手方向の中央部をブラケット6の肉厚方向一方側に窪ませてなる接続部6bと、該接続部6bからブラケット6の長手方向に延びる第1爪部6cおよび第2爪部6dとを有している。ブラケット6が筐体2のケース3に取り付けられた状態では、ブラケット6の接続部6bが天井壁部3dの貫通孔7を貫通しており、さらに、第1爪部6cおよび第2爪部6dの先端部が、筐体2の内部側から貫通孔7の孔縁に係り合わされている。このため、第1爪部6cおよび第2爪部6dが係り合わされる箇所が、筐体2の内部、より詳細には、貫通孔7の内側の孔縁にあるので、従来技術の電子制御装置のように筐体の側部にブラケット用の爪部を設ける必要が無い。従って、従来技術と比較して、ブラケット6の長手方向に沿った筐体2の寸法を短くし、筐体2を小型化することができる。
【0037】
また、従来技術では、筐体の側部に設けられたブラケット用の爪部の形状が複雑であるため、この爪部を含む筐体を形成するための金型も複雑になり、筐体の材料となる合成樹脂の成型性が悪化する虞があった。
【0038】
しかし、第1の実施形態のように、第1爪部6cおよび第2爪部6dが係り合わされる箇所を筐体2の内部に設けることで、筐体2のケース3の側壁部3a,3bの外側面を平面とし、これにより、金型の形状が簡素化される。従って、合成樹脂による筐体2の成型性を向上させることができる。
【0039】
また、第1の実施形態では、図示せぬ固定治具を用いて筐体2を固定したうえで、固定された筐体2にブラケット6を回動させることで、ブラケット6が筐体2に取り付けられる。このため、ブラケット6には治具が必要とならず、筐体2の治具のみを準備すればよいので、組み立て用の治具にかかるコストを削減することができる。
【0040】
さらに、第1の実施形態では、固定されたブラケット6に対して筐体2を回動させるようにしても良い。このため、作業者は、ブラケット6の形状の影響を受けずに、同じ動作でブラケット6に筐体2を取り付けることができる。
【0041】
また、第1の実施形態では、第1爪部6cおよび第2爪部6dは、ブラケット6の長手方向において接続部6bの底部6gから扇状に延びる。このため、第1爪部6cおよび第2爪部6dは、底部6gから離間する程、貫通孔7の一対の円弧状部7a,7bの孔縁との接触面積(係り合わせの面積)が増えるので、ケース3にブラケット6を安定的に取り付けることができる。
【0042】
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態の電子制御装置およびブラケット6の断面図である。
【0043】
第2の実施形態では、発熱を伴う電子部品であるマイコン14が、ブラケット6とは反対側に位置するプリント基板1の裏面1bの中央部に実装されている。
図7に示すように、マイコン14は、プリント基板1を挟んでブラケット6の接続部6bと反対側に位置している。また、マイコン14の代わりに、発熱を伴う電子部品として、パワー素子、MOSFET等がプリント基板1に実装されても良い。
【0044】
また、ブラケット6側に位置するプリント基板1の表面1aとブラケット6の接続部6bの底部6g、第1爪部6cおよび第2爪部6dとの間には、マイコン14から発生する熱をブラケット6に伝達する放熱材である放熱グリス15が配置されている。本実施形態では、放熱グリス15は、全体として円板状の形態で配置される。
図7に示すように、ブラケット6の長手方向に沿った放熱グリス15の幅は、ブラケット6の長手方向に沿った一連の第1爪部6c、底部6gおよび第2爪部6dの長さよりも僅かに短くなっている。
【0045】
なお、
図7では、ブラケット6側から順に、ブラケット6の底部6g、放熱グリス15、プリント基板1、マイコン14という順序で並ぶ構成を示したが、ブラケット6側から順に、ブラケット6の底部6g、放熱グリス15、マイコン14、プリント基板1という順序で並ぶ構成を、本発明に適用することもできる。
【0046】
[第2の実施形態の効果]
上記のように、第2の実施形態では、放熱グリス15がプリント基板1の表面1aとブラケット6の接続部6bの底部6g、第1爪部6cおよび第2爪部6dとの間に設けられている。このため、マイコン14で生じた熱が、プリント基板1、放熱グリス15およびブラケット6を介して外部に放出される。このため、放熱構造を有していない従来技術の電子制御装置と比べて、マイコン14を効率的に冷却することができる。
【0047】
[第3の実施形態]
図8は、ブラケット6が取り付けられた状態の第3の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【0048】
第3の実施形態のブラケット6は、第1の実施形態のブラケット6から第2回転規制孔部12および第2固定穴13を含む部位を切断したものである。つまり、第3の実施形態のブラケット6は、第1の実施形態で用いられていた第2非オーバーラップ部6nの第2固定穴13を用いた固定を廃止し、第1非オーバーラップ部6kの第1固定穴11のみを用いて他部材にブラケット6を固定するようにしたものである。換言すれば、第3の実施形態のブラケット6は、ケース3の天井壁部3dの一方の側部よりも外方へ延び、天井壁部3dとオーバーラップしない第1非オーバーラップ部6kを有し、該第1非オーバーラップ部6kは、他部材にブラケット6を固定する固定部材、例えばボルトが挿入される第1固定穴11を有している。
【0049】
[第3の実施形態の効果]
上記のように、第3の実施形態では、ブラケット6は、ケース3の天井壁部3dの一方の側部よりも外方へ延びる第1非オーバーラップ部6kを有し、該第1非オーバーラップ部6kは、他部材へのブラケット6の固定のための第1固定穴11を有している。このため、他部材側に固定箇所が1つだけ設けられている場合に、第1固定穴11を介して他部材にブラケット6を1つの固定点で固定することができる。
【0050】
[第4の実施形態]
図9は、ブラケット6が取り付けられた状態の第4の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【0051】
第4の実施形態では、貫通孔7が、ケース3の天井壁部3dの1つの角部、より詳細には、互いに隣接した2つの側壁部3a,3c付近の角部16寄りの位置に形成されており、さらに、第1突起部8が廃止されている。貫通孔7は、円弧状部7aが側壁部3a側に位置し、一方、円弧状部7bが側壁部3b側に位置する向きで天井壁部3dの角部16寄りの位置に形成されている。そして、この貫通孔7を介して、ブラケット6が天井壁部3dに取り付けられている。
【0052】
また、天井壁部3dの外側面のうち貫通孔7の円弧状部7b付近の位置では、第2突起部9が、天井壁部3dの外側面から上方に突出している。
【0053】
ブラケット6は、第1の実施形態のブラケット6から第2固定穴13を含む部位を切断し、さらに、第1回転規制孔部10を廃止したものとなっている。
【0054】
[第4の実施形態の効果]
上記のように、第4の実施形態では、貫通孔7が、ケース3の天井壁部3dの1つの角部16寄りの位置に形成されており、さらに、ブラケット6が貫通孔7を介して天井壁部3dに取り付けられている。このため、ブラケット6が取り付けられる他部材の形状や、放熱グリス15およびマイコン14の配置の変更等の要因により、天井壁部3dへのブラケット6の取り付け位置の変更を要する場合にも、柔軟に対応することができる。
【0055】
[第5の実施形態]
図10は、ブラケット6が取り付けられた状態の第5の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
【0056】
第5の実施形態では、第4の実施形態と同様の形状を有したブラケット6が、第4の実施形態と異なり、天井壁部3dの1つの角部16(
図9参照)を横切る向きで、貫通孔7を介してケース3の天井壁部3dに取り付けられている。つまり、ブラケット6は、第4の実施形態の向きから側壁部3c側に45度だけ回動した位置にある。
【0057】
より詳細には、第5の実施形態では、貫通孔7の円弧状部7aが、天井壁部3dの1つの角部16(
図9参照)側に向かって凸なるように円弧状をなしており、一方、円弧状部7bが、角部16と対角となる位置にある角部17側に向かって凸となるように円弧状をなしている。また、第2突起部9が、円弧状部7bと角部17との間において円弧状部7b寄りの位置で天井壁部3dの外側面から突出形成されている。上記のような円弧状部7a,7bを有した貫通孔7を介して天井壁部3dにブラケット6を取り付けることにより、ブラケット6は、第4の実施形態の向きから側壁部3c側に45度だけ回動した位置で角部16を横切るように延びる。
【0058】
[第5の実施形態の効果]
上記のように、第5の実施形態では、ブラケット6が、天井壁部3dの1つの角部16を横切る向きで、貫通孔7を介してケース3の天井壁部3dに取り付けられている。このため、ブラケット6が取り付けられる他部材の形状や、放熱グリス15およびマイコン14の配置の変更等の要因により、天井壁部3dへのブラケット6の取り付け位置の変更を要する場合にも、柔軟に対応することができる。
【0059】
[第6の実施形態]
図11(a)は、ブラケット6が取り付けられた状態の第6の実施形態の電子制御装置を示す平面図、
図11(b)は、
図11(a)の矢視方向Bから見たときの第6の実施形態の電子制御装置の側面図である。
【0060】
第6の実施形態では、筐体2は、該ケース3の天井壁部3dから離間する方向へのブラケット6の脱落を抑制する第1脱落抑制部18および第2脱落抑制部19を有している。
【0061】
第1脱落抑制部18は、天井壁部3dにおいて第1突起部8と対向し、かつケース3側からブラケット6の幅方向一方側(
図11(a)においてブラケット6の下側)を覆うように設けられている。
図11(b)に示すように、第1脱落抑制部18は、天井壁部3dから立ち上がる第1立ち上がり部18aと、第1立ち上がり部18aからブラケット6側に突出し、ブラケット6の平板部6aの両面6p,6sのうち天井壁部3dに隣接しない側の面6sに当接する第1当接部18bとを有している。
【0062】
第2脱落抑制部19は、第1脱落抑制部18と同様の形状を有しており、ブラケット6の接続部6bを挟んで第1脱落抑制部18と対角となる位置に設けられている。第2脱落抑制部19は、天井壁部3dにおいて第2突起部9と対向し、かつケース3側からブラケット6の幅方向他方側(
図11(a)においてブラケット6の上側)を覆うように設けられている。
図11(b)に示すように、第2脱落抑制部19は、天井壁部3dから立ち上がる第2立ち上がり部19aと、第2立ち上がり部19aからブラケット6側に突出し、ブラケット6の平板部6aの両面6p,6sのうち天井壁部3dに隣接しない側の面6sに当接する第2当接部19bとを有している。
【0063】
ブラケット6が取り付けられた筐体2は、他部材との衝突または干渉を避けるために、突出した第1脱落抑制部18および第2脱落抑制部19を含む天井壁部3dの領域が、他部材に設けられた窪み部内に配置されるように、他部材に取り付けられる。
【0064】
[第6の実施形態の効果]
上記のように、第6の実施形態では、第1脱落抑制部18は、天井壁部3dから立ち上がる第1立ち上がり部18aと、第1立ち上がり部18aからブラケット6側に突出し、ブラケット6の面6sに当接する第1当接部18bとを有している。さらに、第2脱落抑制部19は、天井壁部3dから立ち上がる第2立ち上がり部19aと、第2立ち上がり部19aからブラケット6側に突出し、ブラケット6の面6sに当接する第2当接部19bとを有している。このため、第1当接部18bおよび第2当接部19bが天井壁部3dに対してブラケット6を外側から押さえているので、天井壁部3dから離間する方向へのブラケット6の脱落を抑制することができる。
【0065】
[第7の実施形態]
図12は、ブラケット6が取り付けられた状態の第7の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
図13は、ブラケット6が挿入された直後の第7の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【0066】
第7の実施形態では、ブラケット6が、第1の実施形態の第1爪部6cおよび第2爪部6dよりも小さい角度、本実施形態では約20度で扇状に広がる第3爪部6tおよび第4爪部6uと、第1固定穴11と、第2回転規制孔部12と、を有している。さらに、
図12に示すように、ブラケット6は、第1非オーバーラップ部6kの中央部分が側壁部3a側に90度の角度で折り曲げられた折り曲げ部6vを有しており、この折り曲げ部6vに、第1固定穴11が折り曲げ部6vの肉厚方向に貫通形成されている。なお、
図12では、第3爪部6tは、円弧状部7aよりも奥側にあるため、図示されていない。
【0067】
図13に示すように、ブラケット6の接続部6bが貫通孔7に挿入された直後では、ブラケット6の第2回転規制孔部12側が第2突起部9よりもカバー4側に位置した状態で、ブラケット6は側壁部3aを斜めに横切るように配置される。そして、ブラケット6が回動方向Aに約30度の角度で回動されることで、
図12に示すように、ブラケット6は、貫通孔7を介して天井壁部3dに取り付けられる。
【0068】
[第7の実施形態の効果]
上記のように、第7の実施形態では、ブラケット6が、第1の実施形態の第1爪部6cおよび第2爪部6dよりも小さい角度で扇状に広がる第3爪部6tおよび第4爪部6uを有している。このため、第1の実施形態よりも小さい角度でブラケット6を回動させることで、第1の実施形態と比べて、ブラケット6を天井壁部3dに迅速に取り付けることができる。また、ブラケット6を回動させる際に、ブラケット6がカバー4と干渉しないように、ブラケット6の回動角度を容易に設定することができる。
【0069】
また、本実施形態では、ブラケット6は、第1非オーバーラップ部6kの中央部分が側壁部3a側に90度の角度で折り曲げられた折り曲げ部6vを有しており、この折り曲げ部6vに、第1固定穴11が、折り曲げ部6vの肉厚方向に貫通形成されている。このため、ブラケット6が取り付けられる他部材がケース3の側壁部3aと対向する位置にある場合にも、ケース3に固定されたブラケット6を他部材に取り付けることができる。
【0070】
[第8の実施形態]
図14は、ブラケット6が取り付けられた状態の第8の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
図15は、第8の実施形態の電子制御装置およびブラケット6の斜視図である。
【0071】
第8の実施形態では、ブラケット6が、平板部6aと、該平板部6aから90度の角度で折り曲げられた折り曲げ部6vと、該折り曲げ部6vから90度の角度で折り曲げられ、平板部6aと対向する平板部(第2平板部)6wとを有している。
【0072】
平板部6aは、長方形の板状に形成されており、第1の実施形態と同様の接続部6b、第1爪部6c、第2爪部6dおよび第2回転規制孔部12を有している。平板部6aの第2回転規制孔部12は、第1平板部6aの長手方向他端側の端部6оの近傍に設けられている。
【0073】
折り曲げ部6vは、概ね正方形状の板状をなしており、中央部には、他部材へブラケット6を固定する図示せぬ固定部材、例えばボルトが挿入される第1固定穴11が、折り曲げ部6vの肉厚方向に貫通形成されている。
【0074】
平板部6wは、平板部6aと同様の長方形の板状に形成されており、第1の実施形態と同様の接続部6b、第1爪部6c、第2爪部6dおよび第2回転規制孔部12を有している。平板部6wの第2回転規制孔部12は、ブラケット6の長手方向一端側の端部6mの近傍に設けられている。平板部6wの接続部6b、第1爪部6c、第2爪部6dおよび第2回転規制孔部12は、平板部6aの接続部6b、第1爪部6c、第2爪部6dおよび第2回転規制孔部12とそれぞれ対向している。
【0075】
また、
図15に示すように、円弧状部7aが側壁部3cに向かって凸となる円弧状をなし、一方、円弧状部7bがカバー4側に向かって凸となる円弧状をなす向きで、貫通孔7が、天井壁部3dの側壁部3c寄りの位置に設けられている。さらに、天井壁部3dのうち貫通孔7の円弧状部7bの付近の位置に、第2突起部9が突出形成されている。
【0076】
また、天井壁部3dと対向する底壁部3eの上段部3iのうち天井壁部3dの貫通孔7と対向する位置には、平板部6wの接続部6b、第1爪部6cおよび第2爪部6dが挿入される図示せぬ貫通孔が、上段部3iの肉厚方向に貫通形成されている。この貫通孔は、天井壁部3dの貫通孔7と同様の形状および向きを有している。
【0077】
図14に示すように、ブラケット6が天井壁部3dに取り付けられた状態では、折り曲げ部6vは、側壁部3cと対向している。
【0078】
[第8の実施形態の効果]
上記のように、第8の実施形態では、ブラケット6は、平板部6aと、該平板部6aから90度の角度で折り曲げられた折り曲げ部6vと、該折り曲げ部6vから90度の角度で折り曲げられ、平板部6aと対向する平板部6wとを有している。さらに、平板部6aの第1爪部6cおよび第2爪部6dが天井壁部3dの貫通孔7の孔縁にケース3の内側から係り合わされ、同様に、平板部6wの第1爪部6cおよび第2爪部6dが底壁部3eの図示せぬ貫通孔の孔縁にケース3の内側から係り合わされる。このため、ケース3へのブラケット6の取付点が2箇所、つまり天井壁部3dの貫通孔7および底壁部3eの貫通孔になるので、取付点が1箇所の場合と比べて、重量が大きい筐体2を堅固に保持することができる。
【0079】
[第9の実施形態]
図16は、ブラケット6が取り付けられた状態の第9の実施形態の電子制御装置を示す斜視図である。
図17は、
図16の線D-Dに沿って切断した第9の実施形態の電子制御装置の概略的な断面図である。
【0080】
第9の実施形態では、貫通孔7が、ケース3の天井壁部3dでなく、側壁部3bに形成されている。貫通孔7は、側壁部3bのうちカバー4と隣接した位置に形成されている。貫通孔7の円弧状部7a(
図16側においてブラケット6の裏側に隠れている)は、天井壁部3d側に位置し、一方、円弧状部7bは、底壁部3eの下段部3h側に位置している。また、側壁部3bの外側面のうち中間傾斜部3j付近の位置には、第1突起部8が突出形成されている。
【0081】
ブラケット6は、細長い長方形の板状をなす平板部6aと、該平板部6aの長手方向他端側の端部6о付近に形成された接続部6b、第1爪部6cおよび第2爪部6dとを有している。また、上段部3i側に位置する平板部6aの側部には、該側部から矩形の板状に張り出した張り出し部6xが形成されている。この張り出し部6xの中央部には、第1突起部8が挿入される第1回転規制孔部10が、張り出し部6xの肉厚方向に貫通形成されている。
図16に示すように、ブラケット6が貫通孔7を介して側壁部3bに取り付けられた状態では、ブラケット6は、プリント基板1と直交する側壁部3a,3bよりも上方側に延びている。また、側壁部3bと隣接しないブラケット6の第1非オーバーラップ部6kの先端部(自由端部)付近には、他部材へブラケット6を固定する図示せぬ固定部材、例えばボルトが挿入される円形の第1固定穴11が、ブラケット6の肉厚方向に貫通形成されている。
【0082】
また、
図17に示すように、プリント基板1のうちブラケット6に隣接した部位には、第1爪部6cに隣接した位置に、側壁部3bの凹溝部3g(
図2参照)に嵌め込まれたプリント基板1の側部から窪んだ窪み部1cが形成されている。
図17に示すように、この窪み部1cは、プリント基板1と直交する方向から見たときに、側壁部3bに沿って長細い長方形状をなしている。窪み部1cにより、貫通孔7を介したケース3へのブラケット6の取付時に、プリント基板1と接続部6b、第1爪部6cおよび第2爪部6dとの衝突または干渉が避けられる。
【0083】
[第9の実施形態の効果]
上記のように、第9の実施形態では、ブラケット6が貫通孔7を介して側壁部3bに設けられている。このため、ブラケット6が取り付けられる他部材がケース3の側壁部3b側にある場合にも、ケース3に取り付けられたブラケット6を他部材に取り付けることができる。
【0084】
[第10の実施形態]
図18は、ブラケット6が取り付けられた状態の第10の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【0085】
第10の実施形態のブラケット6は、第7の実施形態のブラケット6に、第3爪部6tおよび第4爪部6uと同様の形状を有した第5爪部6yおよび第6爪部6zを新たに付加したものである。第5爪部6yは、ブラケット6の長手方向に延びる第3爪部6tおよび第4爪部6uから側壁部3c側に90度の角度だけずれた位置に設けられている。また、第6爪部6zは、ブラケット6の長手方向に延びる第3爪部6tおよび第4爪部6uからカバー4側に90度の角度だけずれた位置、つまり、接続部6bの底部6gを挟んで第5爪部6yと反対の位置に設けられている。従って、ブラケット6は、接続部6bの底部6gから外方に突出し、ケース3の内部側から貫通孔7の孔縁に係り合わされる複数の爪部、つまり第3爪部6t、第5爪部6y、第4爪部6uおよび第6爪部6zを有しており、これらの第3爪部6t等は、該第3爪部6tから順に90度の角度で周方向に等間隔に配置されている。
【0086】
[第10の実施形態の効果]
上記のように、第10の実施形態では、ブラケット6は、接続部6bの底部6gから外方に突出し、ケース3の内部側から貫通孔7の孔縁に係り合わされる複数の爪部、つまり第3爪部6t、第5爪部6y、第4爪部6uおよび第6爪部6zを有している。このため、第7の実施形態では2箇所であったブラケット6とケース3との係り合わせの箇所が、本実施形態では第3爪部6t、第5爪部6y、第4爪部6uおよび第6爪部6zにより4箇所に増加するので、ケース3とブラケット6との結合力を強化することができる。
【0087】
[第11の実施形態]
図19は、第11の実施形態の電子制御装置およびブラケット6の断面図である。
【0088】
第11の実施形態では、接続部6bの底部6gが第1の実施形態の位置よりもケース3の内部側に入り込んだ位置にあり、ブラケット6が、底部6gから貫通孔7の一対の円弧状部7a,7bの孔縁(孔縁の付近)まで傾斜しながらそれぞれ延びる第1傾斜爪部34および第2傾斜爪部35を有している。第1傾斜爪部34は、所定の角度、例えば10度で底部6gから平板部6a側に折り曲げられることで形成される。第1傾斜爪部34の先端部のうち天井壁部3d側の第1エッジ部34aは、円弧状部7aの孔縁に所定の弾性力でもって当接する箇所となる。同様に、第2傾斜爪部35は、所定の角度、例えば10度で底部6gから平板部6a側に折り曲げられることで形成される。第2傾斜爪部35の先端部のうち天井壁部3d側の第2エッジ部35aは、円弧状部7bの孔縁に所定の弾性力でもって当接する箇所となる。
【0089】
[第11の実施形態の効果]
上記のように、第11の実施形態では、第1傾斜爪部34および第2傾斜爪部35は、接続部6bの底部6gから貫通孔7の一対の円弧状部7a,7bの孔縁まで傾斜しながら延び、エッジ部34a,35aがケース3の内部側から円弧状部7a,7bの孔縁に係り合わされる。このため、傾斜した第1傾斜爪部34および第2傾斜爪部35がばねのような弾性力で一対の円弧状部7a,7bの孔縁に当接することになるので、傾斜していない爪部と比べて、ケース3にブラケット6を堅固に保持することができる。
【0090】
[第12の実施形態]
図20は、ブラケット6が取り付けられた状態の第12の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【0091】
第12の実施形態では、ブラケット6は、平板部6aに設けられ、かつ平板部6aの幅よりも広い幅を有する幅広部20を備えている。幅広部20は、ブラケット6の長手方向に沿った長辺を有する長方形の板状に形成されている。幅広部20の中央部には、第1の実施形態の接続部6b、第1爪部6cおよび第2爪部6dよりも外形が大きい幅広部用接続部20a、第7爪部20bおよび第8爪部20cが形成されている。これらの外形が大きい幅広部用接続部20a、第7爪部20bおよび第8爪部20cに伴い、天井壁部3dは、第1の実施形態よりも外形が大きい貫通孔7を有している。また、外形が大きい幅広部用接続部20a、第7爪部20bおよび第8爪部20cと図示せぬプリント基板との間には、第1の実施形態よりも外形が大きい図示せぬ放熱グリスが配置されている。
【0092】
[第12の実施形態の効果]
上記のように、第12の実施形態では、ブラケット6が、平板部6aに設けられ、かつ平板部6aの幅よりも広い幅を有する幅広部20を備えている。そして、この幅広部20に、外形が大きい幅広部用接続部20a、第7爪部20bおよび第8爪部20cが形成されている。このため、第7爪部20bおよび第8爪部20cと貫通孔7の一対の円弧状部7a,7bの孔縁との接触面積が第1の実施形態と比べて増加するので、ケース3とブラケット6との結合力を強化することができる。
【0093】
また、本実施形態では、第1の実施形態よりも外形が大きい放熱グリスが用いられる。このため、小型の放熱グリスを用いる場合と比べて、図示せぬマイコンからの熱を外形の大きい放熱グリスで効率的に伝達させ、さらに、放熱面積の大きい幅広部用接続部20a、第7爪部20bおよび第8爪部20cを介してブラケット6に効率的に熱を逃がすことができる。
【0094】
[第13の実施形態]
図21は、ブラケット6が取り付けられた状態の第13の実施形態の電子制御装置の平面図である。
【0095】
第13の実施形態のブラケット6は、第10の実施形態のブラケット6(
図18参照)から折り曲げ部6vを廃止し、第1拡張部21および第2拡張部22を新たに追加したものである。ブラケット6の第1非オーバーラップ部6kは、ブラケット6の幅方向両端部23,24よりも外方に拡張された第1拡張部21および第2拡張部22をそれぞれ有している。第1拡張部21は、正方形の板状をなしており、ブラケット6の幅方向両端部23,24のうち側壁部3c側の端部23よりも外方に拡張されている。第1拡張部21は、他部材にブラケット6を固定する固定部材、例えばボルトが挿入される第1固定穴11を有している。第2拡張部22は、第1拡張部21と同様の正方形の板状をなしており、ブラケット6の幅方向両端部23,24のうちカバー4側の端部24よりも外方に拡張されている。第2拡張部22は、他部材にブラケット6を固定する固定部材、例えばボルトが挿入される第2固定穴13を有している。
図21に示すように、ブラケット6は、天井壁部3dと直交する方向から見たときにT字状をなしている。
【0096】
[第13の実施形態の効果]
上記のように、第13の実施形態では、第1非オーバーラップ部6kは、ブラケット6の幅方向におい第1非オーバーラップ部6kの両端部23,24よりも外方に拡張された第1拡張部21および第2拡張部22を有している。第1拡張部21および第2拡張部22は、他部材にブラケット6を固定する固定部材が挿入される第1固定穴11および第2固定穴13をそれぞれ有している。このため、天井壁部3dとオーバーラップしない第1非オーバーラップ部6k、第1拡張部21および第2拡張部22による片持ち形式で、さらに、第1固定穴11および第2固定穴13からなる2つの固定点で筐体2を堅固に支持することができる。この効果は、比較的大型な筐体2において顕著なものとなる。
【0097】
[第14の実施形態]
図22は、ブラケット6が取り付けられた状態の第14の実施形態の電子制御装置の平面図である。
図23は、第14の実施形態の電子制御装置の平面図である。
図24は、第14の実施形態のブラケット6の斜視図である。
【0098】
図24に示すように、第14の実施形態では、ブラケット6が、該ブラケット6の長手方向において接続部6bから長方形状に延びる一対の第9爪部25および第10爪部26を有している。
【0099】
また、第9爪部25および第10爪部26に伴い、
図23に示すように、貫通孔7は、円弧状部7a,7bの一方の端部同士に接続され、第9爪部25の先端部分が挿入される正方形状の第1正方形状部7eと、円弧状部7a,7bの他方の端部同士に接続され、第10爪部26の先端部分が挿入される正方形状の第2正方形状部7fとを有している。第1正方形状部7eと第2正方形状部7fとは、同様の形状を有している。
【0100】
[第14の実施形態の効果]
上記のように、第14の実施形態では、第9爪部25および第10爪部26は、ブラケット6の長手方向において接続部6bから長方形状に延びる。このため、形状が扇状よりも簡潔である長方形状の第9爪部25および第10爪部26を形成すれば良いから、ブラケット6を製造する金型にかかる製造コストを削減することができる。
【0101】
[第15の実施形態]
図25は、ブラケット6が取り付けられた状態の第15の実施形態の電子制御装置の平面図である。
図26は、第15の実施形態のブラケット6の斜視図である。
【0102】
第15の実施形態のブラケット6は、第14の実施形態のブラケット6の第9爪部25を、第10爪部26とは異なる形状の第11爪部27に置き換え、さらに、ブラケット6の第1非オーバーラップ部6kの形状を第2非オーバーラップ部6nとは異なる形状にしたものである。
【0103】
第11爪部27は、第10爪部26と同じ幅(第10爪部26の短辺の長さ)を有した爪根元部27aと、該爪根元部27aの先端部の中央から第1回転規制孔部10側へ長方形状に突出した爪先端部27bとを有している。ブラケット6の幅方向(
図25の上下方向)に沿った爪先端部27bの幅は、ブラケット6の幅方向に沿った爪根元部27aの幅よりも小さくなっている。
【0104】
また、
図25に示すように、ブラケット6の第1非オーバーラップ部6kは、ブラケット6の幅方向両端部23,24のうち側壁部3c側の端部23から外方に拡張した第3拡張部28を有している。第3拡張部28は、長方形の板状をなし、先端部寄りの位置に、他部材へブラケット6を固定する図示せぬ固定部材、例えばボルトが挿入される円形の第1固定穴11が、ブラケット6の肉厚方向に沿って貫通形成されている。
図25に示すように、このように形成されたブラケット6は、ブラケット6の平板部6aと直交する方向から見たときにL字状をなしている。
【0105】
[第15の実施形態の効果]
上記のように、第15の実施形態では、ブラケット6は、該ブラケット6の平板部6aと直交する方向から見たときにL字状をなしている。つまり、ブラケット6は、第1非オーバーラップ部6kに形成された第3拡張部28があることで、ブラケット6の長手方向の両端部が非対称となっている。さらに、ブラケット6は、第1非オーバーラップ部6k側に、第10爪部26と異なる形状を有した第11爪部27を有している。このように非対称のブラケット6に対して2つの第10爪部26および第11爪部27の形状を変えることで、ケース3へのブラケット6の誤った取り付けを防止することができる。
【0106】
[第16の実施形態]
図27は、ブラケット6が取り付けられた状態の第16の実施形態の電子制御装置の斜視図である。
図28は、第16の実施形態のブラケット6の斜視図である。
【0107】
第16の実施形態は、第1の実施形態のブラケット6の第1非オーバーラップ部6kおよび第2非オーバーラップ部6nを筐体2とは反対側に2回折り曲げたものである。
【0108】
ブラケット6は、平板部6aと、該平板部6aの両端から筐体2とは反対側に折り曲げられた第1傾斜折り曲げ部29および第2傾斜折り曲げ部30と、第1傾斜折り曲げ部29および第2傾斜折り曲げ部30の各端部から平板部6aと平行となるように折り曲げられた第1固定部31および第2固定部32とを有している。
【0109】
第1傾斜折り曲げ部29は、該第1傾斜折り曲げ部29と平板部6aとの間に形成される角度のうち劣角が所定の傾斜角度、本実施形態では45度となるように平板部6aの一端から筐体2とは反対側に折り曲げられている。
【0110】
第1固定部31は、該第1固定部31と第1傾斜折り曲げ部29との間に形成される角度のうち劣角が所定の角度、本実施例では45度となるように、第1傾斜折り曲げ部29の端部から筐体2側に折り曲げられている。また、第1固定部31の中央部には、他部材にブラケット6を固定する固定部材、例えばボルトが挿入される第1固定穴11が、該第1固定部31の肉厚方向に貫通形成されている。
【0111】
第2傾斜折り曲げ部30は、平板部6aを挟んで第1傾斜折り曲げ部29と対称となるように設けられている。つまり、第2傾斜折り曲げ部30は、該第2傾斜折り曲げ部30と平板部6aとの間に形成される角度のうち劣角が所定の傾斜角度、本実施形態では45度となるように平板部6aの他端から筐体2とは反対側に折り曲げられている。
【0112】
第2固定部32は、第1傾斜折り曲げ部29、平板部6aおよび第2傾斜折り曲げ部30を挟んで第1固定部31と対称となるように設けられている。つまり、第2固定部32は、該第2固定部32と第2傾斜折り曲げ部30との間に形成される角度のうち劣角が所定の角度、本実施例では45度となるように、第2傾斜折り曲げ部30の端部から筐体2側に折り曲げられている。また、第2固定部32の中央部には、他部材にブラケット6を固定する固定部材、例えばボルトが挿入される第2固定穴13が、該第2固定部32の肉厚方向に貫通形成されている。
【0113】
このように構成されたブラケット6では、凹部33が、平板部6a、第1傾斜折り曲げ部29および第2傾斜折り曲げ部30によって形成されている。この凹部33の内側の空間は、例えば、ブラケット6が取り付けられる図示せぬ他部材に設けられた突出部を避けるために用いられる。
【0114】
[第16の実施形態の効果]
上記のように、第16の実施形態では、ブラケット6は、平板部6aと、該平板部6aの両端から筐体2とは反対側に折り曲げられた第1傾斜折り曲げ部29および第2傾斜折り曲げ部30と、第1傾斜折り曲げ部29および第2傾斜折り曲げ部30の各端部から平板部6aと平行となるように折り曲げられた第1固定部31および第2固定部32とを有している。また、凹部33が、平板部6a、第1傾斜折り曲げ部29および第2傾斜折り曲げ部30によって形成されている。このため、凹部33により、ブラケット6と他部材との衝突や干渉を避けながら、効率的にブラケット6を他部材に取り付けることができる。
【0115】
なお、上記各実施形態では、ブラケット6を介して筐体2を他部材に取り付ける例について説明したが、他部材にブラケット6の第1および第2爪部6c,6d等を直接設けることにより、筐体2を他部材に取り付けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0116】
1・・・プリント基板、1c・・・窪み部、2・・・筐体、3・・・ケース、3a・・・側壁部、3b・・・側壁部、3d・・・天井壁部、4・・・カバー、6・・・ブラケット、6a・・・平板部、6b・・・接続部、6c・・・第1爪部、6d・・・第2爪部、6t・・・第3爪部、6u・・・第4爪部、6v・・・折り曲げ部、6w・・・平板部、6y・・・第5爪部、6z・・・第6爪部、7・・・貫通孔、11・・・第1固定穴、13・・・第2固定穴、14・・・マイコン、15・・・放熱グリス、18・・・第1脱落抑制部、19・・・第2脱落抑制部、20・・・幅広部、20b・・・第7爪部、20c・・・第8爪部、21・・・第1拡張部、22・・・第2拡張部、25・・・第9爪部、26・・・第10爪部、28・・・第3拡張部、29・・・第1傾斜折り曲げ部、30・・・第2傾斜折り曲げ部、31・・・第1固定部、32・・・第2固定部、34・・・第1傾斜爪部、35・・・第2傾斜爪部