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特開2024-175234センサ素子及びセンサ素子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175234
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】センサ素子及びセンサ素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/1627 20200101AFI20241211BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20241211BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
G01L5/1627
B81B3/00
B81C1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092837
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】寒川 雅之
(72)【発明者】
【氏名】川崎 雄記
【テーマコード(参考)】
2F051
3C081
【Fターム(参考)】
2F051AA10
2F051AB09
3C081AA19
3C081BA43
3C081BA48
3C081BA77
3C081CA03
3C081DA04
3C081DA27
3C081DA31
3C081EA03
(57)【要約】
【課題】カンチレバー構造を作製するための工程を低減可能なセンサ素子及びセンサ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】センサ素子10は、開口Hが形成されたフレーム11と、一端がフレーム11に支持されたカンチレバー12と、を備える。カンチレバー12とフレーム11は、SOI(Silicon On Insulator)1の活性層1c、及び、活性層1cの上に形成され、カンチレバー12を撓ませるための形状制御層2で繋がっている。センサ素子10の製造方法は、SOI1の活性層1cの上に形状制御層2を成膜する成膜ステップと、成膜ステップの後に、フレーム11に対するカンチレバー12のパターンを形成するパターン形成ステップと、パターン形成ステップの後に、SOI1のBOX層1bを除去することでカンチレバー12の構造を作製する作製ステップと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成されたフレームと、前記フレームの前記開口が形成された領域の中に位置し、一端が前記フレームに支持されたカンチレバーと、を備え、SOI(Silicon On Insulator)を用いて形成されたセンサ素子であって、
前記カンチレバーと前記フレームは、前記SOIの活性層、及び、前記活性層の上に形成され、前記カンチレバーを撓ませるための形状制御層で繋がっており、
前記形状制御層の上方には、前記カンチレバーに設けられたひずみゲージ層と、前記ひずみゲージ層と電気的に接続される配線層が位置する、
センサ素子。
【請求項2】
前記カンチレバーにおける前記活性層及び前記形状制御層の形状は同一である、
請求項1に記載のセンサ素子。
【請求項3】
前記フレームにおける前記形状制御層は、前記開口の周囲に及ぶ、
請求項1又は2に記載のセンサ素子。
【請求項4】
前記カンチレバーは、前記一端を含む前記カンチレバーの一部である固定端部を有し、
前記フレームは、前記固定端部に隣接する部分であって、前記カンチレバーを支持する支持部を有し、
前記固定端部と前記支持部は、前記活性層、前記形状制御層、及び、前記ひずみゲージ層で繋がっている、
請求項1又は2に記載のセンサ素子。
【請求項5】
前記固定端部と前記支持部は、前記活性層、前記形状制御層、及び、前記形状制御層の上に形成された絶縁層で繋がっており、
前記ひずみゲージ層は、前記絶縁層の上に形成されている、
請求項4に記載のセンサ素子。
【請求項6】
前記配線層は、前記固定端部と前記支持部の各々の前記ひずみゲージ層の上に形成されている、
請求項4に記載のセンサ素子。
【請求項7】
開口が形成されたフレームと、前記フレームの前記開口が形成された領域の中に位置し、一端が前記フレームに支持されたカンチレバーと、を備えるセンサ素子の製造方法であって、
SOI(Silicon On Insulator)の活性層の上に前記カンチレバーを撓ませるための形状制御層を成膜し、前記形状制御層の上方にひずみゲージ層及び配線層を成膜する成膜ステップと、
前記成膜ステップの後に、前記形状制御層のパターンと、前記フレームに対する前記カンチレバーのパターンとを形成するパターン形成ステップと、
前記パターン形成ステップの後に、前記SOIのBOX層を除去することで前記カンチレバーの構造を作製する構造作製ステップと、を備える、
センサ素子の製造方法。
【請求項8】
前記パターン形成ステップでは、前記形状制御層のパターンと、前記フレームに対する前記カンチレバーのパターンとを同時に形成する、
請求項7に記載のセンサ素子の製造方法。
【請求項9】
前記パターン形成ステップは、
前記配線層及び前記ひずみゲージ層のパターンを形成する第1形成ステップと、
前記第1形成ステップの後に、前記形状制御層のパターンと、前記フレームに対する前記カンチレバーのパターンとを形成する第2形成ステップと、を含む、
請求項7又は8に記載のセンサ素子の製造方法。
【請求項10】
前記成膜ステップでは、前記形状制御層の上に絶縁層、前記ひずみゲージ層、前記配線層の順で成膜し、
前記第1形成ステップでは、前記配線層、前記ひずみゲージ層及び前記絶縁層のパターンを形成する、
請求項9に記載のセンサ素子の製造方法。
【請求項11】
開口が形成されたフレームと、前記フレームの前記開口が形成された領域の中に位置し、一端が前記フレームに支持されたカンチレバーと、を備え、SOI(Silicon On Insulator)を用いて形成されたセンサ素子であって、
前記カンチレバーと前記フレームは、前記SOIの活性層、及び、前記活性層の上方に位置する特定層で繋がっており、
前記特定層は、ひずみゲージ層と、前記ひずみゲージ層と電気的に接続される配線層との一方であり、
前記カンチレバーに設けられた前記特定層は、前記カンチレバーの外形に沿って形成され、前記カンチレバーを撓ませる形状制御層として機能する、
センサ素子。
【請求項12】
開口が形成されたフレームと、前記フレームの前記開口が形成された領域の中に位置し、一端が前記フレームに支持されたカンチレバーと、を備えるセンサ素子の製造方法であって、
SOI(Silicon On Insulator)の活性層の上方に、ひずみゲージ層及び配線層を成膜する成膜ステップと、
前記配線層及び前記ひずみゲージ層のパターンを形成する第1形成ステップと、前記フレームに対する前記カンチレバーのパターンを形成する第2形成ステップとを含み、前記成膜ステップの後に行われるパターン形成ステップと、
前記パターン形成ステップの後に、前記SOIのBOX層を除去することで前記カンチレバーの構造を作製する構造作製ステップと、を備え、
前記第1形成ステップでは、前記ひずみゲージ層及び前記配線層の一方である特定層を前記カンチレバーの外形に沿うパターンに形成し、
前記特定層は、前記構造作製ステップにおいて前記カンチレバーを撓ませる形状制御層として機能する、
センサ素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ素子及びセンサ素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスで作製した微小なカンチレバーを有する触覚センサが記載されている。
【0003】
特許文献1では、以下(1)~(5)の順次工程を経てカンチレバー構造を作製する。この順次工程は、(1)SOI(Silicon On Insulator)ウェハの活性層(Si)の上に、絶縁層(Si)、ひずみゲージ層(NiCr)、配線層(Au)を成膜するステップ1と、(2)ステップ1で成膜した各層のパターンを形成するステップ2と、(3)後に形成されるカンチレバーの自由端側の主領域にカンチレバーを撓ませるための形状制御層(Cr)を成膜し、形状制御層のパターンを形成するステップ3と、(4)カンチレバーのパターンを形成するステップ4と、(5)カンチレバーの下側に相当するSOIのBOX層(SiO)を除去するステップ5と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-13852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の手法では、カンチレバー構造の作製プロセスが複雑で工程が多くなる虞がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、カンチレバー構造を作製するための工程を低減可能なセンサ素子及びセンサ素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るセンサ素子は、
開口が形成されたフレームと、前記フレームの前記開口が形成された領域の中に位置し、一端が前記フレームに支持されたカンチレバーと、を備え、SOI(Silicon On Insulator)を用いて形成されたセンサ素子であって、
前記カンチレバーと前記フレームは、前記SOIの活性層、及び、前記活性層の上に形成され、前記カンチレバーを撓ませるための形状制御層で繋がっており、
前記形状制御層の上方には、前記カンチレバーに設けられたひずみゲージ層と、前記ひずみゲージ層と電気的に接続される配線層が位置する。
【0008】
前記カンチレバーにおける前記活性層及び前記形状制御層の形状は同一である、ようにしてもよい。
【0009】
前記フレームにおける前記形状制御層は、前記開口の周囲に及ぶ、ようにしてもよい。
【0010】
前記カンチレバーは、前記一端を含む前記カンチレバーの一部である固定端部を有し、
前記フレームは、前記固定端部に隣接する部分であって、前記カンチレバーを支持する支持部を有し、
前記固定端部と前記支持部は、前記活性層、前記形状制御層、及び、前記ひずみゲージ層で繋がっている、ようにしてもよい。
【0011】
前記固定端部と前記支持部は、前記活性層、前記形状制御層、及び、前記形状制御層の上に形成された絶縁層で繋がっており、
前記ひずみゲージ層は、前記絶縁層の上に形成されている、ようにしてもよい。
【0012】
前記配線層は、前記固定端部と前記支持部の各々の前記ひずみゲージ層の上に形成されている、ようにしてもよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るセンサ素子の製造方法は、
開口が形成されたフレームと、前記フレームの前記開口が形成された領域の中に位置し、一端が前記フレームに支持されたカンチレバーと、を備えるセンサ素子の製造方法であって、
SOI(Silicon On Insulator)の活性層の上に前記カンチレバーを撓ませるための形状制御層を成膜し、前記形状制御層の上方にひずみゲージ層及び配線層を成膜する成膜ステップと、
前記成膜ステップの後に、前記形状制御層のパターンと、前記フレームに対する前記カンチレバーのパターンとを形成するパターン形成ステップと、
前記パターン形成ステップの後に、前記SOIのBOX層を除去することで前記カンチレバーの構造を作製する構造作製ステップと、を備える。
【0014】
前記パターン形成ステップでは、前記形状制御層のパターンと、前記フレームに対する前記カンチレバーのパターンとを同時に形成する、ようにしてもよい。
【0015】
前記パターン形成ステップは、
前記配線層及び前記ひずみゲージ層のパターンを形成する第1形成ステップと、
前記第1形成ステップの後に、前記形状制御層のパターンと、前記フレームに対する前記カンチレバーのパターンとを形成する第2形成ステップと、を含む、ようにしてもよい。
【0016】
前記成膜ステップでは、前記形状制御層の上に絶縁層、前記ひずみゲージ層、前記配線層の順で成膜し、
前記第1形成ステップでは、前記配線層、前記ひずみゲージ層及び前記絶縁層のパターンを形成する、ようにしてもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るセンサ素子は、
開口が形成されたフレームと、前記フレームの前記開口が形成された領域の中に位置し、一端が前記フレームに支持されたカンチレバーと、を備え、SOI(Silicon On Insulator)を用いて形成されたセンサ素子であって、
前記カンチレバーと前記フレームは、前記SOIの活性層、及び、前記活性層の上方に位置する特定層で繋がっており、
前記特定層は、ひずみゲージ層と、前記ひずみゲージ層と電気的に接続される配線層との一方であり、
前記カンチレバーに設けられた前記特定層は、前記カンチレバーの外形に沿って形成され、前記カンチレバーを撓ませる形状制御層として機能する。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るセンサ素子の製造方法は、
開口が形成されたフレームと、前記フレームの前記開口が形成された領域の中に位置し、一端が前記フレームに支持されたカンチレバーと、を備えるセンサ素子の製造方法であって、
SOI(Silicon On Insulator)の活性層の上方に、ひずみゲージ層及び配線層を成膜する成膜ステップと、
前記配線層及び前記ひずみゲージ層のパターンを形成する第1形成ステップと、前記フレームに対する前記カンチレバーのパターンを形成する第2形成ステップとを含み、前記成膜ステップの後に行われるパターン形成ステップと、
前記パターン形成ステップの後に、前記SOIのBOX層を除去することで前記カンチレバーの構造を作製する構造作製ステップと、を備え、
前記第1形成ステップでは、前記ひずみゲージ層及び前記配線層の一方である特定層を前記カンチレバーの外形に沿うパターンに形成し、
前記特定層は、前記構造作製ステップにおいて前記カンチレバーを撓ませる形状制御層として機能する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、カンチレバー構造を作製するための工程を低減可能なセンサ素子及びセンサ素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る触覚センサの概略断面図。
図2】同上実施形態に係るセンサ素子の平面図。
図3】(a)~(d)は、同上実施形態に係るセンサ素子の製造方法を説明するための図。
図4】(a)は図3(a)に対応し、(b)は図3(b)に対応し、(c)は図3(c)に対応する平面図。
図5】同上実施形態に係るセンサ素子を含むセンサチップの平面図。
図6】(a)及び(b)は、実施例に係るセンサ素子の電子顕微鏡写真を示す図。
図7】比較例に係るセンサ素子の電子顕微鏡写真を示す図。
図8】変形例1に係るカンチレバーの平面図。
図9】(a)~(c)は、変形例2に係るセンサ素子の製造方法を説明するための図。
図10】(a)~(c)は、図9(a)~(c)に対応する平面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
触覚センサ100は、図1に示すように、センサ素子10と、センサ素子10を上方から覆う弾性体20と、を備える。センサ素子10は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスで作製された、ひずみゲージ層4が設けられたカンチレバー12(マイクロカンチレバー)を備える。例えば、触覚センサ100は、ロボットハンド部分での対象物体との力学的関係を検出するセンサとして用いられるが、その用途はこれに限られず任意である。例えば、触覚センサ100は、工具や道具に設けられ、人間の部位(例えば、手や足)の接触を検出するものであってもよい。
【0023】
図1は、図2のA-A線に相当する切断面による触覚センサ100の概略断面図である。図1では、見易さを考慮して、弾性体20の断面にはパターンを付していない。また、図2に示す各構成には、図1のセンサ素子10を構成する各層に付したパターンと対応するパターンを付した。この関係は、後述の図3図4図8図10に示す各構成に付したパターンについても同様である。また、図1及び図2に示すセンサ素子10は、図5に示すセンサチップの一部(例えばB部)に相当する部分である。センサチップは、放射状に配置された複数のカンチレバー12を有し、図5では示されていないが、各カンチレバー12が弾性体20によって覆われる。一例として、図5に示すセンサチップは、一辺が10mmの正方形状である。また、各カンチレバー12は、固定端から自由端までの長さが500μm、幅が300μmで形成されている。
【0024】
弾性体20は、PDMS(Poly-dimethyl-siloxane)などのエラストマーから構成され、センサ素子10を覆う。弾性体20は、カンチレバー12を保護すると共に、カンチレバー12に外力を伝達する役割を果たす。弾性体20に上方から外力が作用すると、弾性体20の変形に応じてカンチレバー12が撓む。触覚センサ100は、このカンチレバー12の撓みを、ひずみゲージ層4の電気抵抗の変化として測定することによって外力を検出する。触覚センサ100に垂直な力が加わると、カンチレバー12の上方への撓みが大きくなることで、ひずみゲージ層4は圧縮ひずみを受け、抵抗が減少する。また、触覚センサ100にせん断応力が加わると、カンチレバー12はせん断方向に沿って撓む。そのため、当該せん断方向において、一方のひずみゲージ層4は引っ張りひずみを受けて抵抗が増加し、他方のひずみゲージ層4は圧縮ひずみを受けて抵抗が減少する。図5に示すように、放射状(円状)に配置された複数のカンチレバー12において、各ひずみゲージ層4の電気抵抗の変化率を評価することで、外力の大きさと方向を検出可能である。
【0025】
なお、センサチップが有するカンチレバー12の数及び向きは、目的に応じて任意であり、図5に示す例に限定されない。また、弾性体20の形状も図1に示す例に限定されず、目的に応じて任意に変形可能である。以下、具体的に、本実施形態に係るセンサ素子10の構成について説明する。
【0026】
(センサ素子10)
センサ素子10は、SOI(Silicon On Insulator)1を用いて形成される。センサ素子10は、SOI1を構成する支持基板1aと、支持基板1aの上に形成された構造体として、フレーム11及びカンチレバー12と、を備える。
【0027】
SOI1は、支持基板1a、BOX層1b及び活性層1cの3層構造で構成される。支持基板1aは、Si(シリコン)からなる。BOX層1bは、支持基板1aと活性層1cの間の埋め込み酸化膜であり、SiO(二酸化ケイ素)からなる。活性層1cは、Si(シリコン)からなる。フレーム11には、開口Hが形成されている。カンチレバー12は、一端(図1の左端)がフレーム11に支持されると共に、図2に示すように、フレーム11の開口Hが形成された領域の中に位置する。つまり、カンチレバー12は、図1の左端が固定端で、図1の右端が自由端である。
【0028】
フレーム11は、支持基板1a上に各層が積層されて構成されている。当該各層は、支持基板1aに近いほうから順に、BOX層1b、活性層1c及び形状制御層2を有する。カンチレバー12は、フレーム11と共通の活性層1c及び形状制御層2を有して形成されている。
【0029】
形状制御層2は、その内部応力により活性層1cを上方向に撓ませ、カンチレバー12を立体的形状に変形させるための層である。カンチレバー12は、活性層1cと形状制御層2の応力差によって撓む。形状制御層2は、例えばCr(クロム)からなる。図1に示すように、カンチレバー12とフレーム11は、SOI1の活性層1c、及び、活性層1cの上に形成された形状制御層2で繋がっている。そして、カンチレバー12における活性層1c及び形状制御層2の形状は同一である。
【0030】
ここで、「カンチレバー12における活性層1c及び形状制御層2の形状は同一である」とは、カンチレバー12が撓む前の両者の形状が同一であればよく、図1及び図2に示すように、カンチレバー12の撓みにより、カンチレバー12の自由端部において形状制御層2と活性層1cとに若干のズレが生じることを含む(許容する)概念である。これにより、カンチレバー12において形状制御層2が形成された領域の外形は、カンチレバー12の外形に沿う。また、図2に示すように、フレーム11の形状制御層2は、後述の支持部11aだけでなく開口Hの周囲に及んでおり、その形成領域が開口Hの縁まで到っている。
【0031】
図1の二点鎖線は、カンチレバー12の固定端の位置の一例を示す。カンチレバー12は、フレーム11と繋がる部分であって、カンチレバー12の固定端の側の一部を構成する固定端部12aを有する。つまり、固定端部12aは、カンチレバー12のうち、固定端(図1の二点鎖線)を含むと共に、固定端から自由端に向かう一部である。また、フレーム11は、固定端部12aに隣接する部分であって、カンチレバー12を支持する支持部11aを有する。
【0032】
カンチレバー12の固定端部12aとフレーム11及び支持部11aは、活性層1c及び形状制御層2に加え、共通の絶縁層3及びひずみゲージ層4で繋がっている。絶縁層3は形状制御層2の上に形成され、ひずみゲージ層4は絶縁層3の上に形成されている。さらに、固定端部12a及び支持部11aの各々のひずみゲージ層4の上には、配線層5が形成されている。
【0033】
絶縁層3は、例えばSi(窒化ケイ素)からなる。ひずみゲージ層4は、例えばNiCr(ニッケルクロム合金)からなる。配線層5は、例えばAu(金)からなる。配線層5は、ひずみゲージ層4と電気的に接続され、図2に示すように、支持部11aに設けられた部分が一対の電極として形成されている。
【0034】
以上のように構成されるセンサ素子10は、触覚センサ100が備える、図示せぬPCB(Printed Circuit Board)の上に固定される。PCBは、配線層5と電気的に接続される。PCBには、CPU(Central Processing Unit)等を備える制御回路のIC(Integrated Circuit)が実装される。制御回路は、配線層5を介して、ひずみゲージ層4の電気抵抗の変化を測定し、当該変化に基づき触覚センサ100に加えられた外力を検出する。
【0035】
(製造方法)
次に、センサ素子10の製造方法の一例について説明する。この製造方法は、順に行われる、成膜ステップと、パターン形成ステップと、構造作製ステップと、を備える。なお、前準備として、SOI1のウェハには、アセトン超音波洗浄および希フッ酸による自然酸化膜除去の成膜前処理が行われる。
【0036】
(1.成膜ステップ)
成膜ステップでは、図3(a)に示すように、SOI1のウェハ上に、形状制御層2、絶縁層3、ひずみゲージ層4、配線層5を順に成膜する。具体的には、まず、SOI1の活性層1cの上に、形状制御層2としてのCrを真空蒸着で堆積させる。続いて、形状制御層2の上に、絶縁層3としてのSi、ひずみゲージ層4としてのNiCr、配線層5としてのAuを順に、スパッタリングで堆積させる。図4(a)は、図3(a)の状態の平面図である。
【0037】
(2.パターン形成ステップ)
パターン形成ステップは、第1形成ステップと、第1形成ステップに続いて行われる第2形成ステップに大別される。
【0038】
(2-1.第1形成ステップ)
第1形成ステップでは、図3(b)、図4(b)に示すように、配線層5、ひずみゲージ層4及び絶縁層3のパターンを形成する。具体的には、配線層5、ひずみゲージ層4及び絶縁層3をフォトリソグラフィとエッチングプロセスでパターニングする。
【0039】
(2-2.第2形成ステップ)
第2形成ステップでは、図3(c)、図4(c)に示すように、形状制御層2のパターンと、フレーム11に対するカンチレバー12のパターンとを形成する。なお、フレーム11に対するカンチレバー12のパターンの形成とは、開口Hを有するフレーム11と、カンチレバー12との各々の形状のパターンを形成することを示す。本実施形態の第2形成ステップでは、形状制御層2と、フレーム11に対するカンチレバー12のパターンを同時に形成する。これにより、前述のように、カンチレバー12における活性層1c及び形状制御層2が同一形状で形成される。具体的には、形状制御層2及び活性層1cをフォトリソグラフィとエッチングプロセスでパターニングする。このパターニングでは、後述の犠牲層エッチングを均一かつ効率的に行うため、カンチレバー12の領域に、BOX層1bを覗かせる孔が複数形成される。
【0040】
(3.構造作製ステップ)
構造作製ステップでは、SOI1のBOX層1bを除去することで、図3(d)に示すように、カンチレバー12の構造(つまり、撓みが生じた立体形状)を作製する。具体的に、カンチレバー12を構成する活性層1cを支持基板1aから離すため、バッファードフッ酸(BHF:Buffered Hydrogen Fluoride)を用い、犠牲層となるBOX層1bに対して選択的にエッチング(犠牲層エッチング)を行い、活性層1cと支持基板1aの間に中空構造を創出する。この中空構造が創出される際に、形状制御層2と活性層1cの線膨張係数の差による引張応力によって、カンチレバー12は自律的に撓んで傾斜構造となる。つまり、センサ素子10を弾性体20で覆う前の撓みとして、カンチレバー12に初期撓みが生じる。前述の図2は、図3(d)の状態に対応する平面図である。
【0041】
作製ステップ後は、センサ素子10を純水で洗浄し、また純水の表面直力によってカンチレバー12が支持基板1aに張り付くスティッキングを防ぐためエタノール置換を行う。その後、真空乾燥を行いセンサ素子10(センサチップ)が完成する。ここでは、センサチップにおける1つのカンチレバー12に対応する部分として、センサ素子10を作製する例を説明したが、複数のカンチレバー12を備えるセンサチップの製造工程も同様である。
【0042】
上記のように製造されたセンサ素子10(センサチップ)は、前述のPCB上にエポキシ接着剤を用いて接着されると共に、配線層5がPCBに形成された配線と電気的に接続される。そして、センサ素子10は、弾性体20により封止される。例えば、センサ素子10にスピンコータを用いてPDMSを塗布することで弾性体20が形成される。このようにして、触覚センサ100が製造される。
【0043】
ここで、比較例として、特許文献1に記載のセンサ素子と同様の製造方法を簡潔に述べる。比較例では、まず、SOIウェハ上に、絶縁層としてのSi、ひずみゲージ層としてのNiCr、配線層としてのAuを、スパッタリングで成膜する(ステップ1)。続いて、配線層、ひずみゲージ層及び絶縁層をフォトリソグラフィとエッチングプロセスでパターニングする(ステップ2)。続いて、真空蒸着とリフトオフ法により形状制御層としてのCrを堆積させた後、形状制御層をパターニングする(ステップ3)。続いて、活性層1cをフォトリソグラフィとエッチングプロセスでパターニングすることにより、カンチレバーのパターンを形成する(ステップ4)。そして、前記構造作製ステップと同様に犠牲層エッチングを行い、カンチレバーの構造を作製する(ステップ5)。
【0044】
このように比較例に係る製造方法は、ステップ1~5の5工程に大別される。一方で、本実施形態に係る製造方法は、成膜ステップ、第1形成ステップ、第2形成ステップ、及び、構造作製ステップの4工程に大別され、比較例に比べ、工程を1つ減らすことができる。これは、本実施形態に係る製造方法では、第2形成ステップにおいて形状制御層2とカンチレバー12のパターンを同時に形成することができ、比較例のようにリフトオフ工程を行わずに済むためである。このように、センサ素子10の製造方法によれば、カンチレバー構造を作製するための工程を低減することができる。
【0045】
比較例に係る製造方法では、形状制御層としてのCrをリフトオフする際のフォトリソグラフィ時のアライメントの質が悪いと、図7に示すように、カンチレバーの撓み量にばらつきが生じる場合がある。図7は、比較例に係る製造方法に則って作製したセンサ素子の電子顕微鏡写真である。
【0046】
一方、本実施形態に係る製造方法では、第2形成ステップで形状制御層2及びカンチレバー12のパターンを同時に形成することで、カンチレバー12における活性層1c及び形状制御層2の形状を同一とすることができる。これにより、図6(a)、(b)に示すように、カンチレバーの撓み量のばらつきを低減することができる。図6(a)、(b)は、本実施形態に係る製造方法に則って作製した、実施例に係るセンサ素子10の電子顕微鏡写真である。
【0047】
以上に説明したように、本実施形態に係るセンサ素子10の製造方法は、
開口Hが形成されたフレーム11と、フレーム11の開口Hが形成された領域の中に位置し、一端がフレーム11に支持されたカンチレバー12と、を備えるセンサ素子10の製造方法であって、
SOI1の活性層1cの上にカンチレバー12を撓ませるための形状制御層2を成膜し、形状制御層2の上方にひずみゲージ層4及び配線層5を成膜する成膜ステップと、
成膜ステップの後に、形状制御層2のパターンと、フレーム11に対するカンチレバー12のパターンとを形成するパターン形成ステップと、
パターン形成ステップの後に、SOI1のBOX層1bを除去することでカンチレバー12の構造を作製する構造作製ステップと、を備える。
これにより、前述のように、カンチレバー構造を作製するための工程を低減することができる。
【0048】
また、本実施形態に係るセンサ素子10は、
開口Hが形成されたフレーム11と、フレーム11の開口Hが形成された領域の中に位置し、一端がフレーム11に支持されたカンチレバー12と、を備え、SOI1を用いて形成されたセンサ素子10であって、
カンチレバー12とフレーム11は、SOI1の活性層1c、及び、活性層1cの上に形成され、カンチレバー12を撓ませるための形状制御層2で繋がっており、
形状制御層2の上方には、カンチレバー12に設けられたひずみゲージ層4と、ひずみゲージ層4と電気的に接続される配線層5が位置する。
この特徴を有するセンサ素子10によれば、前述の製造方法が可能であるため、カンチレバー構造を作製するための工程を低減することができる。
【0049】
本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変形(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0050】
カンチレバー12を含むセンサ素子10(センサチップ)の形状及び大きさ、SOI1上に位置する各層の材料、成膜順序、膜厚、形成パターン等は、任意に変更可能である。また、カンチレバー12を撓ませることができる限りにおいては、形状制御層2の材料は任意に変更可能である。例えば、絶縁性を有する材料で形状制御層2を構成することで、絶縁層3を省略してもよい。例えば、配線層5を介してひずみゲージ層4の電気抵抗の変化を出力できる限りにおいては、ひずみゲージ層4と配線層5の成膜順序を上記とは逆の関係にして、各々のパターニングを行ってもよい。つまり、配線層5の上にひずみゲージ層4を形成してもよい。以下の変形例では、上記実施形態と同様の機能を有する構成につき、上記実施形態と同じ符号を用いて説明する。
【0051】
(変形例1)
図8に示す変形例1のように、カンチレバー12の主領域(固定端部12aよりも自由端側の領域)において、形状制御層2をストライプ状に形成してもよい。このストライプ状の部分は、カンチレバー12の長さ方向(固定端から自由端に向かう方向)に延びる複数の帯状部が、カンチレバー12の幅方向において間隔を空けて設けられることで構成される。本願発明者は、このようなストライプ状の形状制御層2により、カンチレバー12の幅方向の撓み(凹凸)を抑制できることを確認している。このようなストライプ形状を実現するには、第2形成ステップにおいて、形状制御層2にストライプ状のパターンを形成した後に、カンチレバー12のパターンを形成すればよい。
【0052】
(変形例2)
Crからなる形状制御層2の代わりに、SOI1の活性層1cの上に、ひずみゲージ層4又は配線層5を形成してもよい。ここでは、ひずみゲージ層4(特定層の一例)がカンチレバー12を撓ませる形状制御層として機能する例を説明する。変形例2に係るセンサ素子の製造方法は、順に行われる、成膜ステップと、パターン形成ステップと、構造作製ステップと、を備える。
【0053】
(1.成膜ステップ)
成膜ステップでは、図9(a)に示すように、SOI1のウェハ上に、ひずみゲージ層4、配線層5を順に成膜する。具体的には、SOI1の活性層1cの上に、ひずみゲージ層4、配線層5を順に、スパッタリングで堆積させる。図9(a)は、図10(a)の状態の平面図である。
【0054】
(2.パターン形成ステップ)
パターン形成ステップは、第1形成ステップと、第1形成ステップに続いて行われる第2形成ステップに大別される。
【0055】
(2-1.第1形成ステップ)
第1形成ステップでは、図9(b)、図10(b)に示すように、配線層5及びひずみゲージ層4のパターンを形成する。具体的には、配線層5及びひずみゲージ層4をフォトリソグラフィとエッチングプロセスでパターニングする。特に、変形例2に係る第1形成ステップでは、図10(b)に示すように、ひずみゲージ層4(特定層の一例)を、後に構造が作製されるカンチレバー12の外形に沿うパターンに形成する。
【0056】
(2-2.第2形成ステップ)
第2形成ステップでは、図9(c)、図10(c)に示すように、フレーム11に対するカンチレバー12のパターンを形成する。具体的には、ひずみゲージ層4及び活性層1cをフォトリソグラフィとエッチングプロセスでパターニングする。このパターニングでは、後述の犠牲層エッチングを均一かつ効率的に行うため、カンチレバー12の領域に、BOX層1bを覗かせる孔が複数形成される。
【0057】
(3.構造作製ステップ)
構造作製ステップでは、上記実施形態と同様に犠牲層エッチングを行い、カンチレバー12の構造を作製する。カンチレバー12は、活性層1cとひずみゲージ層4(特定層の一例)の応力差によって撓む。
【0058】
以上では、ひずみゲージ層4が形状制御層として機能する特定層である例を説明したが、配線層5が特定層であってもよい。
つまり、変形例2に係るセンサ素子の製造方法は、
開口Hが形成されたフレーム11と、フレーム11の開口Hが形成された領域の中に位置し、一端がフレーム11に支持されたカンチレバー12と、を備えるセンサ素子10の製造方法であって、
SOI1の活性層1cの上方に、ひずみゲージ層4及び配線層5を成膜する成膜ステップと、
配線層5及びひずみゲージ層4のパターンを形成する第1形成ステップと、フレーム11に対するカンチレバー12のパターンを形成する第2形成ステップとを含み、成膜ステップの後に行われるパターン形成ステップと、
パターン形成ステップの後に、SOI1のBOX層を除去することでカンチレバー12の構造を作製する構造作製ステップと、を備え、
第1形成ステップでは、ひずみゲージ層4及び配線層5の一方である特定層をカンチレバー12の外形に沿うパターンに形成し、
特定層は、構造作製ステップにおいてカンチレバー12を撓ませる形状制御層として機能する。
【0059】
前述のように、比較例に係る製造方法は、ステップ1~5の5工程に大別される。一方で、変形例2に係る製造方法は、成膜ステップ、第1形成ステップ、第2形成ステップ、及び、構造作製ステップの4工程に大別され、比較例に比べ、工程を1つ減らすことができる。これは、比較例2に係る製造方法では、第1形成ステップにおいて、形状制御層として機能する特定層(ひずみゲージ層4又は配線層5)を形成するためである。このように、変形例2に係る製造方法によっても、カンチレバー構造を作製するための工程を低減することができる。
【0060】
そして、上記のように製造される、変形例2に係るセンサ素子は、
開口Hが形成されたフレーム11と、フレーム11の開口Hが形成された領域の中に位置し、一端がフレーム11に支持されたカンチレバー12と、を備え、SOI1を用いて形成されたセンサ素子であって、
カンチレバー12とフレーム11は、SOI1の活性層1c、及び、活性層1cの上方に位置する特定層で繋がっており、
特定層は、ひずみゲージ層4と、ひずみゲージ層4と電気的に接続される配線層5との一方であり、
カンチレバー12に設けられた前記特定層は、カンチレバー12の外形に沿って形成され、カンチレバー12を撓ませる形状制御層として機能する。
この特徴を有するセンサ素子によれば、前述の製造方法が可能であるため、カンチレバー構造を作製するための工程を低減することができる。
【0061】
なお、ひずみゲージ層4の構成はNiCrに限られず任意に変更でき、配線層5の構成もAuに限られず任意に変更可能である。
【0062】
以上の説明において、「AがBの上方に位置する」といった表現は、「AがBの上に直接形成されている」ことと、「Aと、Aの上方に位置するBとの間にCが介在する」ことを含む概念である。また、「D及びEがFの上方に位置する」といった表現は、Fの上方に位置するD及びEの上下関係が任意であることを示す。
【0063】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【0064】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0065】
100…触覚センサ
10…センサ素子
11…フレーム、11a…支持部、H…開口
12…カンチレバー、12a…固定端部
1…SОI(Silicon On Insulator)
1a…支持基板、1b…BOX層、1c…活性層
2…形状制御層
3…絶縁層
4…ひずみゲージ層
5…配線層
20…弾性体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10