(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175243
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】圧縮空気貯蔵容器と前記圧縮空気貯蔵容器を含む圧縮空気貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
F15B 1/00 20060101AFI20241211BHJP
F02C 1/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
F15B1/00 B
F02C1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092861
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000222174
【氏名又は名称】東洋エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100203242
【弁理士】
【氏名又は名称】河戸 春樹
(72)【発明者】
【氏名】家合 克典
(72)【発明者】
【氏名】岡島 聡
【テーマコード(参考)】
3H086
【Fターム(参考)】
3H086AA18
3H086AB04
3H086AD01
3H086AD11
3H086AD37
(57)【要約】
【課題】圧縮空気を貯蔵する圧縮空気貯蔵容器1の提供。
【解決手段】筒状容器10が第1のガス空間30を有し、袋状隔離膜20が第2のガス空間31を有している。第1のガスの供給・排出口35から第1のガスが第1のガス空間30内に供給され、第2のガス空間31内の第2のガスが第2のガスの供給・排出口36から排出され、袋状隔離膜20内の第2のガス空間の容積が減少されることで第1のガス空間30の容積が増加され、第2のガスの供給・排出口36から第2のガスが第2のガス空間31内に供給され、袋状隔離膜20内の容積が増加されることで第1のガス空間30の容積が減少される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横置きで使用される両端が閉塞された筒状容器と、前記筒状容器の内部に配置された袋状隔離膜を有している圧縮空気貯蔵容器であって、
前記両端が閉塞された筒状容器が、前記筒状容器内の前記袋状隔離膜の外側の空間である第1のガス空間と、前記袋状隔離膜の内部の第2のガス空間を有し、前記第1のガス空間と接続された第1のガスの供給・排出口と、前記第2のガス空間と接続される第2のガスの供給・排出口を有しており、
第1のガスの供給・排出と、第2のガスの排出・供給の操作によって、第2のガス空間の容積が最小容積まで減少されたり、最大容積まで増加されたりするものであり、
前記圧縮空気貯蔵容器が、
前記第1のガスの供給・排出口から第1のガスが第1のガス空間内に供給され、第2のガス空間内の第2のガスが前記第2のガスの供給・排出口から排出され、前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が減少されることで第1のガス空間の容積が増加され、
前記第2のガスの供給・排出口から第2のガスが供給されて前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が増加され、前記第1のガス空間内の第1のガスが前記第1のガスの供給・排出口から排出されることで第1のガス空間の容積が減少されるものである、圧縮空気貯蔵容器。
【請求項2】
横置きで使用される両端が閉塞された筒状容器と、前記筒状容器の内部に配置された袋状隔離膜を有している圧縮空気貯蔵容器であって、
前記両端が閉塞された筒状容器が、前記筒状容器内の前記袋状隔離膜の外側の空間である第1のガス空間と、前記袋状隔離膜の内部の第2のガス空間を有し、前記第1のガス空間と接続された第1のガスの供給・排出口と、前記第2のガス空間と接続される第2のガスの供給・排出口を有しており、
第1のガスの供給・排出と、第2のガスの排出・供給の操作によって、第2のガス空間の容積が最小容積まで減少されたり、最大容積まで増加されたりするものであり、
前記袋状隔離膜が、前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部と前記筒状容器の内表面が結合されることで支持されているものであり、
前記圧縮空気貯蔵容器が、
前記第1のガスの供給・排出口から第1のガスが第1のガス空間内に供給され、第2のガス空間内の第2のガスが前記第2のガスの供給・排出口から排出され、前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が減少されることで第1のガス空間の容積が増加され、
前記第2のガスの供給・排出口から第2のガスが供給されて前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が増加され、前記第1のガス空間内の第1のガスが前記第1のガスの供給・排出口から排出されることで第1のガス空間の容積が減少されるものである、圧縮空気貯蔵容器。
【請求項3】
前記両端が閉塞された筒状容器が、第1端面と、前記第1端面とは軸方向反対側の第2端面と、前記第1端面と前記第2端面の間の周面を有しているものであり、
前記第1のガスの供給・排出口が、前記筒状容器が上下に等分割されたときの上側周面と下側周面のうちの前記上側周面に形成され、前記第2のガスの供給・排出口が前記下側周面に形成されているものであり、
前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部が、前記袋状隔離膜が上下に等分割されたときの上側外表面と下側外表面の境界線上に形成された突起部と、前記境界線より上側に形成されている残部の突起部を有しているものであり、
前記境界線より上側の突起部が、前記第2のガスの供給・排出口と前記筒状容器の軸方向位置が近接する位置にあるものである、請求項2記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項4】
前記両端が閉塞された筒状容器が、第1端面と、前記第1端面とは軸方向反対側の第2端面と、前記第1端面と前記第2端面の間の周面を有しているものであり、
前記第1のガスの供給・排出口が、前記筒状容器が上下に等分割されたときの上側周面と下側周面のうちの前記上側周面に形成され、前記第2のガスの供給・排出口が前記下側周面に形成されているものであり、
前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部が、前記袋状隔離膜が上下に等分割されたときの上側外表面と下側外表面の境界線上に形成されているものである、請求項2記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項5】
前記両端が閉塞された筒状容器が、第1端面と、前記第1端面とは軸方向反対側の第2端面と、前記第1端面と前記第2端面の間の周面を有しているものであり、
前記第1のガスの供給・排出口が、前記筒状容器が上下に二分割されたときの上側周面と下側周面のうちの前記上側周面に形成され、前記第2のガスの供給・排出口が前記下側周面に形成されているものであり、
前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部が、前記袋状隔離膜が上下に等分割されたときの上側外表面と下側外表面の境界線より上側に形成されているものである、請求項2記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項6】
前記筒状容器の内表面と前記袋状隔離膜の突起部の結合方法が、前記筒状容器周面に設置された取付具と前記袋状隔離膜の突起部が結合具により結合されているものである、請求項2記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項7】
前記第2のガスの供給・排出口が、前記第2のガスの供給・排出口から内側に突き出された第1筒状接続口を有し、
前記袋状隔離膜が、前記袋状隔離膜から外側に突き出された第2筒状接続口を有しており、
前記第1筒状接続口の外側から前記第2筒状接続口が嵌め込まれ、内側の前記第1筒状接続口と外側の前記第2筒状接続口が、締め付け具などにより密封固定されているものである、請求項1または2記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項8】
前記両端が閉塞された筒状容器が、第1端面と、前記第1端面とは軸方向反対側の第2端面と、前記第1端面と前記第2端面の間の周面を有しているものであり、
前記筒状容器の周面が、前記筒状容器が上下に等分割されたときの上側周面と下側周面を有しているものであり、
前記上側周面の内表面には、前記上側周面の内表面と前記袋状隔離膜の外表面との間隔を計測または検知できるセンサーが配置され、
前記センサーが、前記袋状隔離膜の第2のガス空間の容積が減少され、または前記袋状隔離膜の第2のガス空間の容積が増加されたときの前記上側周面の内表面と、前記袋状隔離膜の前記突起部より上側の外表面との間隔を計測または検知できるものである、請求項1または2記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項9】
球体状容器と、前記球体状容器の内部に配置された袋状隔離膜を有している圧縮空気貯蔵容器であって、
前記球体状容器が、前記球体状容器内の前記袋状隔離膜の外側の空間である第1のガス空間と、前記袋状隔離膜の内側の第2のガス空間を有し、前記第1のガス空間と接続された第1のガスの供給・排出口と、前記第2のガス空間と接続された第2のガスの供給・排出口を有しており、
第1のガス供給・排出と、第2のガスの排出・供給の操作によって、第2のガス空間の容積が最小容積まで減少されたり、最大容積まで増加されたりするものであり、
前記第1のガスの供給・排出口から第1のガスが第1のガス空間内に供給され、第2のガス空間内の第2のガスが前記第2のガスの供給・排出口から排出され、前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が減少されることで第1のガス空間の容積が増加され、
前記第2のガスの供給・排出口から第2のガスが供給されて前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が増加され、前記第1のガス空間内の第1のガスが前記第1のガスの供給・排出口から排出されることで第1のガス空間の容積が減少されるものである、圧縮空気貯蔵容器。
【請求項10】
前記袋状隔離膜が、前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部と前記球体状容器の内表面が結合されることで、前記袋状隔離膜が前記球体状容器の内表面に支持されているものであり、
前記球体状容器内の前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部が、前記袋状隔離膜が上下に等分割されたときの上側外表面と下側外表面との境界線上に形成されており、
前記球体状容器の周面が、前記球体状容器が上下に等分割されたときの上側周面と下側周面を有しているものであり、
前記第1のガスの供給・排出口が前記上側周面に形成されており、前記第2のガスの供給・排出口が前記下側周面に形成されているものである、請求項9記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項11】
前記袋状隔離膜が、前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部と前記球体状容器の内表面が結合されることで、前記袋状隔離膜が前記球体状容器の内表面に支持されているものであり、
前記球体状容器内の前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部が、前記袋状隔離膜が上下に等分割されたときの上側外表面と下側外表面の境界線より上側に形成されており、
前記球体状容器の周面が、前記球体状容器が上下に等分割されたときの上側周面と下側周面を有しているものであり、
前記第1のガスの供給・排出口が前記上側周面に形成されており、前記第2のガスの供給・排出口が前記下側周面に形成されているものである、請求項9記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項12】
前記第2のガスの供給・排出口が、前記第2のガスの供給・排出口から内側に突き出された第1筒状接続口を有し、
前記袋状隔離膜が、前記袋状隔離膜から外側に突き出された第2筒状接続口を有しており、
前記第1筒状接続口の外側から前記第2筒状接続口が嵌め込まれ、内側の前記第1筒状接続口と外側の前記第2筒状接続口が、締め付け具などにより密封固定されているものである、請求項9記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項13】
前記袋状隔離膜が、前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部と前記球体状容器の内表面が結合されることで、前記袋状隔離膜が前記球体状容器の内表面に支持されているものであり、
前記球体状容器の周面が、前記球状容器が上下に等分割されたときの上側周面と下側周面を有しており、
前記上側周面には、前記上側周面と前記袋状隔離膜の前記突起部より上側の外表面との間隔を計測または検知できるセンサーが配置されており、
前記センサーが、前記袋状隔離膜の第2のガス空間の容積が減少され、または前記袋状隔離膜の第2のガス空間の容積が増加されたときの前記上側周面の内表面と、前記袋状隔離膜の前記突起部より上側の外表面との間隔を計測または検知できるものである、請求項9記載の圧縮空気貯蔵容器。
【請求項14】
請求項1、2、9のいずれか1項記載の圧縮空気貯蔵容器を含む圧縮空気貯蔵装置であって、
前記圧縮空気貯蔵容器が、
前記第1のガスが圧縮空気、前記第2のガスが緩衝ガスであるとき、
前記容器の第1のガスの供給・排出口が、圧縮空気の供給・排出ラインと接続され、前記第2のガスの供給・排出口が、緩衝ガスの排出・供給ライン、緩衝ガスの冷却・加熱を行う熱交換器、冷却後の液化緩衝ガスの貯蔵容器と接続されているものであり、
前記第1のガスが緩衝ガス、第2のガスが圧縮空気であるとき、
前記容器の第2のガスの供給・排出口が、圧縮空気の供給・排出ラインと接続され、前記第1のガスの供給・排出口が、緩衝ガスの排出・供給ライン、緩衝ガスの冷却・加熱を行う熱交換器、冷却後の液化緩衝ガスの貯蔵容器と接続されているものである、圧縮空気貯蔵装置。
【請求項15】
請求項14記載の圧縮空気貯蔵容器を含む圧縮空気貯蔵装置の使用方法であって、
前記圧縮空気貯蔵容器内の袋状隔離膜の外側空間である第1のガス空間(もしくは内側空間である第2のガス空間)に圧縮空気を供給し、前記圧縮空気貯蔵容器内の第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)に満たされた緩衝ガスを排出する過程と、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)に緩衝ガスを供給し、前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)に満たされた圧縮空気を排出する過程を交互に行う使用方法であり、
前記使用方法において、前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)を圧縮空気の供給空間として使用し、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)を緩衝ガスの供給空間として使用するとき、
圧縮空気を貯蔵するときは、前記第2のガス空間(または第1のガス空間)内に緩衝ガスが満たされている状態で、圧縮空気の供給ラインから前記第1のガス空間(または前記第2のガス空間)内に圧縮空気の供給を開始する手順1、
前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内に圧縮空気の供給を継続しながら、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)内から緩衝ガスを排出し、排出した緩衝ガスを冷却して貯蔵する手順2、
前記第1のガス空間内(もしくは第2のガス空間)内への圧縮空気の供給を停止し、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)内からの緩衝ガスの排出を停止するとき、前記袋状隔離膜の前記突起部より上側の外表面と前記容器の内表面との間隔を計測または検知し、前記間隔の変化により前記停止時期を決定する手順3、
圧縮空気を排出して使用するときは、前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内に圧縮空気が満たされている状態で、圧縮空気の排出ラインから圧縮空気を排出して、使用対象に供給する手順4、
前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内から圧縮空気を排出し、使用対象への供給を継続しながら、前記液化緩衝ガスの貯蔵容器内に貯蔵された液化緩衝ガスを加熱・気化した後で、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)内に供給する手順5、
前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)内への緩衝ガスの供給を停止し、前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内の圧縮空気の排出と使用対象への供給を停止するとき、前記圧縮空気貯蔵容器内の前記袋状隔離膜の前記突起部より上側の外表面と前記容器の内表面との間隔を計測または検知し、前記間隔の変化により前記停止時期を決定する手順6を有している、圧縮空気貯蔵装置の使用方法。
【請求項16】
請求項14記載の圧縮空気貯蔵装置とタービン発電機を有する発電装置。
【請求項17】
請求項14記載の圧縮空気貯蔵装置とタービン発電機を有する発電装置による発電方法であって、
前記圧縮空気貯蔵装置に貯蔵された圧縮空気をタービン発電機に供給することで発電する、発電方法。
【請求項18】
請求項14記載の圧縮空気貯蔵装置とタービン発電機を有する発電装置による発電方法であって、
(a)太陽光発電を利用した発電の余剰電力を利用して昼間に圧縮空気を貯蔵し、夜間に前記圧縮空気貯蔵装置に貯蔵された圧縮空気をタービン発電機に供給することで発電する方法、
(b)夜間の余剰電力を利用して夜間に圧縮空気を貯蔵し、昼間に前記圧縮空気貯蔵装置に貯蔵された圧縮空気をタービン発電機に供給することで発電する方法、
(c)数時間単位で変動する再生可能エネルギー利用発電(但し、太陽光発電は除く)で余剰に発電された際に圧縮空気を貯蔵し,発電量が減少した際に前記圧縮空気貯蔵装置に貯蔵された圧縮空気をタービン発電機に供給することで発電量の変動を緩和する発電方法から選ばれるいずれかの発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気貯蔵容器と前記圧縮空気貯蔵容器を含む圧縮空気貯蔵装置、圧縮空気の使用方法、圧縮空気貯蔵装置を用いた発電装置と発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、岩塩採掘後の地下巨大空間に圧縮空気エネルギーを貯蔵利用する技術(Compressed AirEnergy Storage:CAES)が知られており、貯蔵された圧縮空気エネルギーは発電などに利用されている。
【0003】
特許文献1には、空気貯蔵時に発生する熱を空気排出時に再利用する断熱方式CAESと非断熱方式CAESの複合方式(HybridCAES system)が記載されている。
特許文献2には、高深度に位置する多孔性の砂岩層などの地層で二酸化炭素を緩衝ガスとして用い、臨界圧力を超えた二酸化炭素の容積が急減することを利用してより多くの空気を貯蔵する方法が記載されている。
特許文献3には、圧縮空気を液化させて貯蔵容積を減少させることで、小規模の地上設備でもより多くの空気を貯蔵する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP 3 255 266 B1
【特許文献2】WO 2009/146101 A2
【特許文献3】WO 2007/096656 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、圧縮空気を貯蔵する容器の容積を小さくできる圧縮空気貯蔵容器、前記圧縮空気貯蔵容器を含む圧縮空気貯蔵装置、前記圧縮空気貯蔵装置の使用方法、前記圧縮空気貯蔵装置を使用する発電装置と発電方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、横置きで使用される両端が閉塞された筒状容器と、前記筒状容器の内部に配置された袋状隔離膜を有している圧縮空気貯蔵容器であって、
前記両端が閉塞された筒状容器が、第1端面と、前記第1端面とは軸方向反対側の第2端面と、前記第1端面と前記第2端面の間の周面を有しているものであり、
前記両端が閉塞された筒状容器が、前記筒状容器内の前記袋状隔離膜の外側の空間である第1のガス空間と、前記袋状隔離膜の内側の空間である第2のガス空間を有し、前記第1のガス空間と接続された第1のガスの供給・排出口と、前記第2のガス空間と接続される第2のガスの供給・排出口を有しており、
第1のガス出し入れと、第2のガスの出し入れの調整によって、第1のガス空間と第2のガス空間の一方の容積が最小容積まで減少されたり、もう一方の容積が最大容積まで増加されたりするものであり、
前記圧縮空気貯蔵容器が、
前記第1のガスの供給・排出口から第1のガスが第1のガス空間内に供給され、第2のガス空間内の第2のガスが前記第2のガスの供給・排出口から排出され、前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が減少されることで第1のガス空間の容積が増加され、
前記第2のガスの供給・排出口から第2のガスが供給されて前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が増加され、前記第1のガス空間内の第1のガスが前記第1のガスの供給・排出口から排出されることで第1のガス空間の容積が減少されるものである、圧縮空気貯蔵容器を提供する。
【0007】
本発明は、横置きで使用される両端が閉塞された筒状容器と、前記筒状容器の内部に配置された袋状隔離膜を有している圧縮空気貯蔵容器であって、
前記両端が閉塞された筒状容器が、第1端面と、前記第1端面とは軸方向反対側の第2端面と、前記第1端面と前記第2端面の間の周面を有しているものであり、
前記両端が閉塞された筒状容器が、前記筒状容器内の前記袋状隔離膜の外側の空間である第1のガス空間と、前記袋状隔離膜の内側の空間である第2のガス空間を有し、前記第1のガス空間と接続された第1のガスの供給・排出口と、前記第2のガス空間と接続される第2のガスの供給・排出口を有しており、
第1のガス出し入れと、第2のガスの出し入れの調整によって、第1のガス空間と第2のガス空間の一方の容積が最小容積まで減少されたり、もう一方の容積が最大容積まで増加されたりするものであり、
前記袋状隔離膜が、前記袋状隔離膜の外表面に形成された突起部と前記筒状容器の内表面が結合されることで支持されているものであり、
前記圧縮空気貯蔵容器が、
前記第1のガスの供給・排出口から第1のガスが第1のガス空間内に供給され、第2のガス空間内の第2のガスが前記第2のガスの供給・排出口から排出され、前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が減少されることで第1のガス空間の容積が増加され、
前記第2のガスの供給・排出口から第2のガスが供給されて前記袋状隔離膜内の第2のガス空間の容積が増加され、前記第1のガス空間内の第1のガスが前記第1のガスの供給・排出口から排出されることで第1のガス空間の容積が減少されるものである、圧縮空気貯蔵容器を提供する。
【0008】
また本発明は、上記の圧縮空気貯蔵容器を含む圧縮空気貯蔵装置であって、
前記圧縮空気貯蔵容器が、
前記第1のガスが圧縮空気、前記第2のガスが緩衝ガスであるとき、
前記容器の第1のガスの供給・排出口が、圧縮空気の供給・排出ラインと接続され、前記第2のガスの供給・排出口が、緩衝ガスの排出・供給ライン、緩衝ガスの冷却・加熱を行う熱交換器、冷却後の液化緩衝ガスの貯蔵容器と接続されているものであり、
前記第1のガスが緩衝ガス、第2のガスが圧縮空気であるとき、
前記容器の第2のガスの供給・排出口が、圧縮空気の供給・排出ラインと接続され、前記第1のガスの供給・排出口が、緩衝ガスの排出・供給ライン、緩衝ガスの冷却・加熱を行う熱交換器、冷却後の液化緩衝ガスの貯蔵容器と接続されているものである、圧縮空気貯蔵装置を提供する。
【0009】
また本発明は、上記の圧縮空気貯蔵容器を含む圧縮空気貯蔵装置の使用方法であって、
前記圧縮空気貯蔵容器内の袋状隔離膜の外側空間である第1のガス空間(もしくは内側空間である第2のガス空間)に圧縮空気を供給し、前記圧縮空気貯蔵容器内の第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)に満たされた緩衝ガスを排出する過程と、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)に緩衝ガスを供給し、前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)に満たされた圧縮空気を排出する過程を交互に行う使用方法であり、
前記使用方法において、前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)を圧縮空気の供給空間として使用し、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)を緩衝ガスの供給空間として使用するとき、
圧縮空気を貯蔵するときは、前記第2のガス空間(または第1のガス空間)内に緩衝ガスが満たされている状態で、圧縮空気の供給ラインから前記第1のガス空間(または前記第2のガス空間)内に圧縮空気の供給を開始する手順1、
前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内に圧縮空気の供給を継続しながら、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)内から緩衝ガスを排出し、排出した緩衝ガスを冷却して貯蔵する手順2、
前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内への圧縮空気の供給を停止し、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)内からの緩衝ガスの排出を停止するとき、前記袋状隔離膜の前記突起部を除いた外表面と前記容器の内表面との間隔を計測し、前記間隔の変化により前記停止時期を決定する手順3、
圧縮空気を排出して使用するときは、前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内に圧縮空気が満たされている状態で、圧縮空気の排出ラインから圧縮空気を排出して、使用対象に供給する手順4、
前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内から圧縮空気を排出し、使用対象への供給を継続しながら、前記液化緩衝ガスの貯蔵容器内に貯蔵された液化緩衝ガスを加熱・気化した後で、前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)内に供給する手順5、
前記第2のガス空間(もしくは第1のガス空間)内への緩衝ガスの供給を停止し、前記第1のガス空間(もしくは第2のガス空間)内の圧縮空気の排出と使用対象への供給を停止するとき、前記圧縮空気貯蔵容器内の前記袋状隔離膜の前記突起部を除いた外表面と前記容器の内表面との間隔を計測し、前記間隔の変化により前記停止時期を決定する手順6を有している、圧縮空気貯蔵装置の使用方法を提供する。
【0010】
本発明は上記の圧縮空気貯蔵装置とタービン発電機を有する発電装置と発電方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の圧縮空気貯蔵装置は、袋状隔離膜を使用して緩衝ガスを利用する圧縮空気貯蔵容器を含んでいるため、貯蔵できる圧縮空気量に対し、使用できる圧縮空気量を増加させることができる。すなわち、袋状隔離膜を介して緩衝ガスで圧縮空気貯蔵容器内の圧縮空気を押し出すことで,圧縮空気の排出圧力を低下させずに圧縮空気貯蔵容器内の圧縮空気をほぼ全量排出することができる。その結果,後段の膨張機で回収できる電力量が多くなる。
また、袋状隔離膜で緩衝ガスと圧縮空気が常に隔離されているため、緩衝ガスに空気が混入し難く、緩衝ガス純度の経時変化がほとんどない。その結果、緩衝ガスに期待される効果が長期にわたり安定的に持続する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】(a)は
図1の圧縮空気貯蔵容器における袋状隔離膜の平面図、(b)は(a)とは異なる実施形態の袋状隔離膜の平面図。
【
図3】(a)は
図1の圧縮空気貯蔵容器において、袋状隔離膜の表面に形成された突起部の形成位置の例を示す図、(b)は(a)とは異なる実施形態の袋状隔離膜の表面に形成された突起部の形成位置を示す図。
【
図4】(a)~(c)は、
図1の圧縮空気貯蔵容器における筒状容器と袋状隔離膜の結合方法例の説明図。
【
図5】
図1および
図2の圧縮空気貯蔵容器における第2のガスの供給・排出口の構造の一例(断面図)。
【
図6】本発明の圧縮空気貯蔵装置を含む発電装置のフロー図。
【
図7】
図6に示す圧縮空気貯蔵装置の使用方法の説明図における筒状容器と袋状隔離膜の関係を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(圧縮空気貯蔵容器)
本発明の圧縮空気貯蔵容器1の一実施形態を
図1~
図5により説明する。
以下においては、圧縮空気貯蔵容器1の容器として筒状容器を使用した実施形態により説明するが、筒状容器に代えて球体状容器を使用することもできる。
なお、球体状容器を含む圧縮空気貯蔵容器における球体状容器は、容器形状と、容器内部の膜が最大容積になったときの外形が筒状容器と異なり球形になるだけであり、他の構造および機能は筒状容器と同じである。
圧縮空気貯蔵容器1は、両端が閉塞された筒状容器10(以下、単に「筒状容器10」という)と、筒状容器10の内部に配置されている袋状隔離膜20を有している。
筒状容器10内側で袋状隔離膜20の外側の空間30が第1のガス空間、袋状隔離膜20の内側の空間31が第2のガス空間であり、空気と緩衝ガスのいずれか比重の小さい(軽い)側が第1のガス空間、比重の大きい(重い)側が第2のガス空間に供給される形態が望ましい。緩衝ガスが二酸化炭素の場合には、二酸化炭素が空気よりも比重が大きいため、緩衝ガス(二酸化炭素)は第2のガス空間31に供給されることが好ましい。
以下においては、第1のガス空間30が圧縮空気の供給空間であり、第2のガス空間31が緩衝ガスの供給空間である実施形態として説明する。
【0014】
筒状容器10は圧力容器となるものであり、強固で耐圧性のある炭素鋼,ステンレスなどの金属製のものが好ましい。
筒状容器10の輪切り断面形状は円形が好ましい。
筒状容器10の寸法は、必要な圧縮空気貯蔵量や設置場所などの条件により適宜設定することができ、直径が0.8~2.0m、長さが20~40mのものを使用することが望ましいが、前記寸法範囲よりも大きなもの、または前記寸法範囲よりも小さなものも使用することができる。
【0015】
筒状容器10は、設置面(床面、地面など)に対して横置きで設置されるものである。
筒状容器10は、第1端面11と、第1端面11とは軸方向反対側の第2端面12と、第1端面11と第2端面12の間の周面13を有している。
周面13は、筒状容器10の中心軸Xを通る水平面を境に上下に二分割された上側周面14と下側周面15を有している。
上側周面14と下側周面15は同じ面積のものであり、上側周面14と下側周面15の境界部16(
図1では、中心軸Xと重複して示されている)と中心軸Xは同一水平面上に位置している。
第1端面11と第2端面12は、耐圧性を高める観点から、いずれも半球状または半楕円体状のものが好ましい。
【0016】
袋状隔離膜20は、第1のガス出し入れと第2のガスの出し入れの調整によって、第1のガス空間30と第2のガス空間31の一方の容積が最小容積まで減少されたり、もう一方の容積が最大容積まで増加されたりするものである。
図1および
図7(a)は、第2のガス空間31の容積が最大容積まで増加され、第1のガス空間30が最小容量まで減少された形態であり、
図7(b)は第2のガス空間31の容積が最小容積まで減少され、第1のガス空間30が最大容量まで増加された形態である。
ここで第2のガス空間31の最大容積とは、
図1および
図7(a)に示すとおり、袋状隔離膜20の元々の内容積であり、袋状隔離膜20自体がゴム風船のように膨張することで内容積が増加されるものではない。なお、これに代えて、袋状隔離膜20自体がゴム風船のように膨張することで内容積が増加されるものであってもよい。
また第2のガス空間31の最小容積とは、
図7(b)に示すとおり、第1のガス空間30に第1のガスが供給されると同時に、第2のガス空間31から第2のガスが排出されたことによって、袋状隔離膜20が最大限凹んだ状態のときの内容積であり、袋状隔離膜20自体がゴム風船のように収縮することで内容積が減少されるものではない。なお、これに代えて、袋状隔離膜20自体がゴム風船のように収縮することで内容積が増加されるものであってもよい。
袋状隔離膜20は、
図1~
図3に示すように、第1端面20a1と、第1端面20a1とは軸方向反対側の第2端面20a2と、第1端面20a1と第2端面20a2の間の周面20a3からなる。
袋状隔離膜20は、第2のガス空間31の容積変化の繰返しに十分耐え、かつ、第1のガスと第2のガスの透過性が十分小さいもので、単位面積当たりの質量が500g/m
2以上のものを使用することが望ましく、合成樹脂からなる膜(複合膜を含む)、ゴム引き布およびこれらの組み合わせから選ばれる複合材料からなるものが好ましい。
合成樹脂からなる膜(複合膜を含む)は、ポリエステル膜、ポリエステル膜と他の膜素材との複合膜、ポリ塩化ビニルが外表面にコーティングされたポリエステル膜などを挙げることができる。
ゴム引き布は、布にゴムを貼り合わせたシートであり、布とゴムの特性を併せ持った複合材料である。例えば、織布または不織布の繊維の片面または両面にカレンダーロールで圧延したゴムを貼り合わせて製造する複合シート、ゴムを繊維でサンドイッチする複合シートなどを挙げることができる。
【0017】
筒状容器10は、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30と接続された第1のガスの供給・排出口35と、緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31と接続された第2のガスの供給・排出口36を有している。
図1では、第1のガスの供給・排出口35は、上側周面14の第1端面11側に形成されており、第2のガスの供給・排出口36は、下側周面15の第2端面12側に形成されているが、それぞれの形成位置は容器の寸法や袋状隔離膜の形状などに応じて変更することができる。例えば、第1のガスの供給・排出口35は第1端面11に形成することができ、第2のガスの供給・排出口36は第2端面12に形成することができるほか、第1のガスの供給・排出口35と第2のガスの供給・排出口36のいずれか一方のみを第1端面11または第2端面12に形成することができる。
第1のガスの供給・排出口35と第2のガスの供給・排出口36の配置は、互いに対向する配置ではなく、
図1のように一方が第1端面側でもう一方が第2端面側となるように距離をとった斜向かいの配置が望ましい。
【0018】
筒状容器10と袋状隔離膜20は、筒状容器10の内部形状と袋状隔離膜20内の第2のガス空間31が最大容積まで増加したときの外部形状が一致する形態を含んでいるが、一致していない形態であってもよい。
筒状容器10の内容積と第2のガス空間31の最大容積は、できるだけ近似していることが好ましく、筒状容器10の内容積を100%とすると、第2のガス空間31の最大容積は90%以上100%未満であることが好ましく、上限はできるだけ100%に近いことがより好ましい。
筒状容器10の内容積と上記の第2のガス空間31の最大容積ができるだけ近い方が、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内の圧縮空気貯蔵量に対する排出量の比率をより100%に近付けることができる。
【0019】
袋状隔離膜20は、外表面20aにおいて、袋状隔離膜が上下に等分割された時の境界線(
図1の袋状隔離膜20の中心軸X’を通る水平面と外表面20aとの交線。
図1では、中心軸X’と中心軸Xは一致している。)近傍に
図2(a)に示すような連続して環状に形成された鍔様の突起部(環状突起部)21、または
図2(b)に示すような独立した複数の突起部(独立突起部)22、または両者を組合せた突起部(複合突起部)が形成されている実施形態にすることができる。
図2(a)および
図2(b)に示す形態では、突起部(環状突起部)21および突起部(独立突起部)22は、第1端面20a1、第2端面20a2および周面20a3の外面に形成されているが、第1のガスと第2のガスの供給・排出に伴う袋状隔離膜の望ましい動きが阻害されない限り、いずれかの外面上の突起部の全部もしくは一部を省略してもよい。
環状突起部21(または複数の独立突起部22)と筒状容器10の内表面10aが結合されることで、袋状隔離膜20が筒状容器10の内表面10aに支持されている。
ここで支持されているとは、袋状隔離膜20内の第2のガス空間31の容積が第1のガスと第2のガスの供給・排出に伴い最大化(
図7(a)の状態)と最小化(
図7(b)の状態)を繰り返す容積変化の過程において、袋状隔離膜20の突起部21もしくは22より上の部分20b2のみが、ばたつきや捩れなどのない単純で安定した上下動(Xに直交するY軸方向の移動)となることを実現し、かつ、袋状隔離膜20が第1のガスの供給・排出口35や第2のガスの供給・排出口36を塞ぐなどの有害な動きをするのを防止するように、筒状容器10の内表面10aに袋状隔離膜20が固定されている形態を意味する。
【0020】
環状突起部21(または複数の独立突起部22)は、袋状隔離膜20の外表面20a上において、袋状隔離膜が上下に等分割された時の境界線(
図1の中心軸X’を通る水平面と外表面20aとの交線)上に形成されている形態が、袋状隔離膜20内の第2のガス空間31の容積を無駄なく利用できるため好ましい。
環状突起部21(または複数の独立突起部22)は、
図3(a)に示すとおり、一部(範囲a1とa5)が袋状隔離膜外表面20aの上記境界線上に形成されている。
環状突起部21(または複数の独立突起部22)の内、その軸方向における位置(X座標)が第2のガスの供給・排出口36の近傍にある残部は、範囲a2~範囲a4のように形成されている形態が好ましい。
範囲a3は、上記境界線よりも上側に形成されている。これにより、袋状隔離膜20内の第2のガス空間31の容積が最小化(
図7(b)の状態)したとき、袋状隔離膜20の突起部より上側の部分20b2が第2のガスの供給・排出口36を塞ぐことがない。範囲a2とa4は、範囲a1と範囲a3および範囲a3とa5を斜めに繋ぐように形成されている。なお、範囲a2またはa4には突起部を形成しない実施形態も含まれる。
また、環状突起部21(または独立突起部22)は、
図3(b)の形態では、一部(範囲b1とb3)が袋状隔離膜外表面20aの上記境界線上に形成され、環状突起部21(または独立突起部22)の内、その軸方向における位置(X座標)が第2のガスの供給・排出口36の近傍にある残部は、範囲b2のように上記境界線よりも上側に直線状に形成されている形態が好ましい。
【0021】
筒状容器に代えて球体状容器を使用した形態では、袋状隔離膜も同じく球体状となる。その外表面に形成された突起部は、球体袋状隔離膜が上下に等分割されたときの上側外表面と下側外表面の境界線上に形成されている形態、または上記境界線より上側に形成されている形態にすることができる。
【0022】
筒状容器10の内表面10aと袋状隔離膜20の突起部21、22の結合方法は、袋状隔離膜20が筒状容器10の内表面10aで支持できる方法で、かつ、袋状隔離膜20が動く際に固定具等が袋状隔離膜20に接触して損傷を与えることがなければ特に制限されるものではなく、例えば、
図4(a)~(c)に示す結合方法を挙げることができる。ただし、固定具による膜の損傷を防止するための保護方法(角部の処理や保護具の装着方法など)は図示していない。
図4(a)に示す実施形態では、袋状隔離膜20の環状突起部21(または独立突起部22)と筒状容器10の内表面10aから内側に突き出された突起片25aが、それぞれに穿孔された孔同士に樹脂や金属製のピン26が貫通して差し込まれることで一体化されている。
図4(b)に示す実施形態では、袋状隔離膜20の環状突起部21(または独立突起部22)と筒状容器10の内表面10aから内側に突き出されたピンやボルトなどの棒状突起25bが、環状突起部21(または独立突起部22)に穿孔された孔に棒状突起25bが貫通して差し込まれ、固定板27bを介して止め輪やナット27aで挟み込まれることで一体化されている。
図4(c)に示す実施形態では、袋状隔離膜20の環状突起部21(または独立突起部22)と筒状容器10の内表面10aから内側に突き出された突起片25cが、それぞれに穿孔された孔同士に繊維紐や金属製のリング28が貫通して通されることで一体化されている。
【0023】
筒状容器10の上側周面14の内表面には、上側周面14の内表面と袋状隔離膜20の外表面20aとの間隔を計測あるいは検知できるセンサーが配置されている形態にすることができる。センサーは複数を配置することができる。
前記センサーは、上側周面14の内表面と、袋状隔離膜20の外表面(環状突起部21または独立突起部22がない外表面)20aとの間隔を計測できるものである。これにより、袋状隔離膜20内の第2のガス空間31の内容積が最小容積まで減少(
図7(b))する直前の状態と、最大容積まで増加(
図7(a))する直前の状態を検知することができる。
【0024】
筒状容器に代えて球体状容器を使用した形態では、球体状容器の周面が上下に二分割された場合の上側周面の内面と、袋状隔離膜の突起部より上の外表面との間隔を計測できるセンサーを配置することができる。
【0025】
第2のガスの供給・排出口36は、袋状隔離膜20の内部と接続されていることで、袋状隔離膜20内に緩衝ガス供給したり、袋状隔離膜20内の緩衝ガスを排出したりするものである。
第2のガスの供給・排出口36と袋状隔離膜20の接続形態は、十分な気密性を有し、前記の緩衝ガスの供給機能と排出機能を発揮できる形態であれば特に制限されるものではないが、例えば
図5に示す実施形態にすることができる。
第2のガスの供給・排出口36は、筒状容器10の内側に突き出された第1筒状接続口37を有している。
袋状隔離膜20は、袋状隔離膜20から外側に突き出された第2筒状接続口24を有している。
図5に示す実施形態は、第1筒状接続口37の外側から第2筒状接続口24が嵌め込まれ、内側の第1筒状接続口37と外側の第2筒状接続口24の両方が、第2筒状接続口24の外側から環状の締め付け具38により締め付けられることで固定されている。
環状の締め付け具38は、例えば、樹脂や金属製の締め付けバンド、繊維ロープなどを使用することができる。
【0026】
(圧縮空気貯蔵装置)
図6により圧縮空気貯蔵装置50(発電装置54は含まない)を説明する。
但し、
図6に示す圧縮空気貯蔵装置50の実施形態では圧縮機60を含んでいるが、圧縮機60は必須ではなく、圧縮機60がない実施形態にすることもできる。
圧縮空気貯蔵装置50は、上記した圧縮空気貯蔵容器1を含むものであり、圧縮空気貯蔵容器1は1本でも、複数本(例えば50~100本)を並列に接続して使用してもよい。
圧縮空気貯蔵容器の筒状容器10は、第1のガスの供給・排出口35が三方弁55を介して圧縮空気の供給ライン51と圧縮空気の排出ライン53と接続されている。
【0027】
圧縮空気の供給ライン51は、圧縮空気の供給装置52に接続されている。圧縮空気の供給装置52は、圧縮機(単体圧縮機に限らず低圧圧縮機と高圧圧縮機など複数機の組合せを含む)、TES(Thermal Energy Storage)と呼ばれる温水,熱媒油などの液体状媒体、セラミックス、小石、レンガなどの固体状媒体などの熱媒体を含む蓄熱器、熱交換器などを含む公知のものである。
圧縮空気の排出ライン53は、圧縮空気エネルギーの使用対象54に接続されている。圧縮空気エネルギーの使用対象54は、例えば、タービン発電機である。
【0028】
圧縮空気貯蔵容器1の筒状容器10は、第2のガスの供給・排出口36が、三方弁等の切り替え弁56を介して、緩衝ガスの排出ライン65、緩衝ガスの圧縮機60、緩衝ガスの排出ライン65、緩衝ガスの冷却・加熱を行う熱交換器61、緩衝ガスの排出ライン65、冷却後の液化緩衝ガスの貯蔵容器62の順に接続されている。
冷却後の液化緩衝ガスの貯蔵容器62は、緩衝ガスの供給ライン66、緩衝ガスの冷却・加熱を行う熱交換器61、緩衝ガスの供給ライン66、三方弁56、圧縮空気貯蔵容器1の筒状容器10の第2のガスの供給・排出口36と接続されている。
【0029】
圧縮空気貯蔵容器1は圧縮空気貯蔵装置としての使用時において、地上に設置されている形態、一部が地下に設置され、残部が地上に位置している形態および全部が地下に設置されている形態から選ばれるいずれかの形態で設置されるが、これらの設置形態の中でも地上に設置されている形態と一部が地下に設置されている形態がより好ましい。
圧縮空気貯蔵容器1を多数(例えば100本)使用するときは、地上に設置されている形態、一部が地下に設置されている形態、必要に応じて他の設置形態を混在させることもできる。
【0030】
(圧縮空気貯蔵装置の使用方法)
本発明の圧縮空気貯蔵装置50の使用方法を
図6、
図7(a)、(b)により説明する。圧縮空気貯蔵装置50の使用方法は、圧縮空気貯蔵装置50を使用した圧縮空気の貯蔵方法と圧縮空気の使用方法である。
手順(操作)1において、圧縮空気貯蔵容器1内に圧縮空気を貯蔵するときは、圧縮空気貯蔵容器1内の緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内に緩衝ガス(好ましくは二酸化炭素ガス)が満たされている状態で、圧縮空気の供給ライン51、ライン41、圧縮空気供給口35から圧縮空気貯蔵容器1内の圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内に圧縮空気の供給を開始することになる。
図7(a)の状態では、緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31に緩衝ガス(二酸化炭素ガス)が最大限満たされているため、筒状容器10の内表面10aと袋状隔離膜20の外表面20aの間の第1のガス空間30の容積は最小となっている。
【0031】
手順(操作)2において、まず圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内に圧縮空気の供給を開始する。
その後、圧縮空気貯蔵容器1内の圧力が所定の値まで上昇すると、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内への圧縮空気の供給を継続しながら、緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内から、緩衝ガスの排出口36、ライン42、緩衝ガスの排出ライン65より緩衝ガスを排出する。排出した緩衝ガスは、緩衝ガスの圧縮機60、緩衝ガスの冷却・加熱を行う熱交換器61を経て、液化緩衝ガスとして貯蔵容器62に貯蔵する。
図7(b)に示すとおり、緩衝ガスが排出されるため緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31の容積が減少して行き、逆に圧縮空気が供給される圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30の容積が増加して行く。
【0032】
手順(操作)3において、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内に供給された圧縮空気量が所定の量に達すると、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内への圧縮空気の供給を停止し、緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内からの緩衝ガスの排出を停止する(
図7(b))。
このとき、筒状容器10の上側周面14の内表面と袋状隔離膜20の外表面20aとの間隔を計測できるセンサーより前記間隔を計測することによって、圧縮空気の供給および緩衝ガスの排出の停止時期を決定することができる。
また、圧縮空気の供給・排出ライン41または緩衝ガスの供給・排出ライン42に流量計を取り付けておき、排出した圧縮空気量(圧縮空気流量(kg/sec)の時間積分)もしくは供給した緩衝ガス量(緩衝ガス流量(kg/sec)の時間積分)が所定値に達したときを前記停止時期とすることもできる。
このようにして停止時期を決定することで、過剰な空気の供給と過剰な緩衝ガスの排出が防止されるため、袋状隔離膜20の動きを所定の範囲内に制御することができ、袋状隔離膜20の過剰な伸長などによる損傷を防止することができる。
【0033】
手順(操作)4において、圧縮空気を排出して使用するときは、圧縮空気貯蔵容器1内の圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内に圧縮空気が満たされている状態(
図7(b))で、圧縮空気の排出ライン53から圧縮空気を排出して、使用対象(例えば、タービン発電機)54に供給する。
手順(操作)5において、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内から圧縮空気を排出し、圧縮空気貯蔵容器1内の圧力が所定の値まで低下すると、圧縮空気の使用対象54への供給を継続しながら、緩衝ガスが袋状隔離膜20の緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内に供給され、圧縮空気貯蔵容器1内の圧力を所定の値に維持する。このときに袋状隔離膜20の緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内に供給される緩衝ガスは、貯蔵容器62内に貯蔵された液化緩衝ガスが、緩衝ガスの冷却・加熱を行う熱交換器61で加熱されて気化されたものである。
【0034】
手順(操作)6において、圧縮空気貯蔵容器1内の圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内から使用対象54への圧縮空気排出量が所定の量に達すると、緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内への緩衝ガスの供給を停止し、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内の圧縮空気の排出を停止する。
このとき、筒状容器10の上側周面14の内表面と袋状隔離膜20の外表面20aとの間隔を計測できるセンサーにより前記間隔を計測することによって、圧縮空気の排出および緩衝ガスの供給の停止時期を決定することができる。
また、圧縮空気の供給・排出ライン41または緩衝ガスの供給・排出ライン42に流量計を取り付けておき、排出した圧縮空気量(圧縮空気流量(kg/sec)の時間積分)もしくは供給した緩衝ガス量(緩衝ガス流量(kg/sec)の時間積分)が所定値に達したときを前記停止時期とすることもできる。
このようにして停止時期を決定することで、過剰な緩衝ガスの供給と過剰な圧縮空気の排出が防止されるため、袋状隔離膜20の動きを所定の範囲内に制御することができ、袋状隔離膜20の過剰な伸長などによる損傷を防止することができる。
以上の手順(操作)1~6を繰り返して実施する。
なお、実用時においては、圧縮空気貯蔵容器1を多数本(例えば100本)使用するため、それぞれの圧縮空気貯蔵容器1からの圧縮空気の排出開始時間を調整することで、使用対象(一台のタービン発電機)に対しては、100本分の圧縮空気を連続して供給することができるほか、複数台のタービン発電機に対して圧縮空気を連続して供給することもできる。
【0035】
本発明の圧縮空気の貯蔵方法と圧縮空気の使用方法は、緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31への緩衝ガスの供給および排出と、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30への圧縮空気の排出および供給を相互に関連づけて実施するため、圧縮空気貯蔵時には筒状容器10の内容積に近い容量の空気を貯蔵することができ、圧縮空気使用時には貯蔵した圧縮空気のほぼ全量を、圧力を高く維持したまま排出することができる。
このため、従来型の単純な圧縮空気貯蔵容器(隔離膜も緩衝ガスも利用しない単なる容器)に比べ、圧縮空気貯蔵容器の容積当たりに使用できる圧縮空気量をほぼ倍増させることができる。このことは、従来型の単純な圧縮空気貯蔵容器を使う場合より、圧縮空気貯蔵容器の大きさや数を大幅に縮減できることを意味する。
【0036】
(発電装置と発電方法)
本発明の発電装置は、上記の圧縮空気貯蔵装置50とタービン発電機を含む発電装置54を有するものである。
本発明の発電方法は、圧縮空気貯蔵装置50に貯蔵された圧縮空気を発電装置54のタービン発電機に供給してタービンを回転させることで発電する方法である。
本発明の発電方法は、上記した手順1~6を連続的に繰り返すことにより連続的に発電することもできるが、次の実施形態(a)、(b)または(c)のように実施することが好ましい。
(a)太陽光発電を利用した発電の余剰電力を利用して昼間に圧縮空気を貯蔵し、夜間に前記圧縮空気貯蔵装置に貯蔵された圧縮空気をタービン発電機に供給することで発電する方法。
(b)夜間の余剰電力を利用して夜間に圧縮空気を貯蔵し、昼間に前記圧縮空気貯蔵装置に貯蔵された圧縮空気をタービン発電機に供給することで発電する方法。
(c)数時間単位で変動する再生可能エネルギー利用発電(但し、太陽光発電は除く)で余剰に発電された際に圧縮空気を貯蔵し,発電量が減少した際に前記圧縮空気貯蔵装置に貯蔵された圧縮空気をタービン発電機に供給することで発電量の変動を緩和する発電方法から選ばれるいずれかの発電方法。(c)の方法における数時間単位で変動する再生可能エネルギー利用発電は、例えば天候などで変動する風力発電である。
上記(a),(b)または(c)を実施する場合は、手順1~6を実施することで貯蔵された圧縮空気が消費されるため、2回目の手順1~6は(a)または(b)では翌日,(c)では次の余剰電力貯蔵時になる。
【実施例0037】
実施例1
図1に示す圧縮空気貯蔵容器1(
図6に示す圧縮空気貯蔵装置50)を使用して、圧縮空気の貯蔵と、圧縮空気の排出による使用を実施した(
図6、
図7(a)、(b))。
圧縮空気貯蔵容器1は、直径2m、長さ20mの炭鋼製の筒状容器10の1本を試験用として使用した。袋状隔離膜20は、
図1および
図7(a)の形態のときの外形が筒状容器10の内部形状と相似で、筒状容器10の内部寸法に近似した寸法のものを使用した。
【0038】
手順1(
図7(a))において、筒状容器10内の緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内に緩衝ガス(二酸化炭素ガス)が満たされている状態で、圧縮空気の供給ライン51、圧縮空気供給・排出口35から筒状容器1内の圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内に圧縮空気の供給を開始した。
【0039】
手順2において、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内に圧縮空気の供給を継続しながら、緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内から、緩衝ガスの供給・排出口36、緩衝ガスの排出ライン65より緩衝ガスを排出し、冷却して液化させた後で貯蔵タンク62に貯蔵した。
この手順2により緩衝ガスが排出されるため緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31の容積が減少して行き、圧縮空気が供給されるため圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30の容積が増加して行った。
【0040】
手順3において、圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内への圧縮空気の供給を停止し、緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内からの緩衝ガスの排出を停止するとき、筒状容器10の上側周面14の内表面と袋状隔離膜20の外表面20aとの間隔を計測できるセンサー(例えば、レーダー式マイクロ波レベル計や超音波レベル計、接触式センサー)により前記間隔を計測または検知することによって、圧縮空気の供給および緩衝ガスの排出の停止時期を決定した。
また、
図7(b)のときの圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30の容積は、筒状容器10の内容積の95%程度であった。
【0041】
手順4、5において、圧縮空気を排出して使用するときは、筒状容器10内の圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内に圧縮空気が満たされている状態で、圧縮空気の排出ライン53から圧縮空気を排出して、使用対象(タービン発電機)54に供給した。
筒状容器10内の圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内から圧縮空気を排出し、使用対象54への供給を継続しながら、液化緩衝ガスの貯蔵容器62内に貯蔵された緩衝ガスを加温して気化させた後で、袋状隔離膜20内の緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31内に供給した。
【0042】
手順6において、袋状隔離膜20内の緩衝ガスの供給空間(第2のガス空間)31への緩衝ガスの供給を停止し、筒状容器10内の圧縮空気の供給空間(第1のガス空間)30内の圧縮空気の排出と使用対象への供給を停止するとき、筒状容器10の上側周面14の内表面と袋状隔離膜20の外表面20aとの間隔を計測できるセンサー(例えば、レーダー式マイクロ波レベル計や超音波レベル計、接触式センサー)により前記間隔を計測または検知することによって、圧縮空気の供給および緩衝ガスの排出の停止時期を決定した。
以上の手順1~6を実施したが、上記のようにして停止時期を決定することで過剰な空気の貯蔵と過剰な緩衝ガスの排出を防止できるため、袋状隔離膜20内の第2のガス空間31の容積の増加および減少が想定範囲を超えることがない。このため、実用時において多数回の繰り返し実施をした場合であっても、袋状隔離膜20は長期間に渡りその機能を維持するものと考えられる。
本発明の圧縮空気貯蔵容器は、それを含む圧縮空気貯蔵装置とすることによって、圧縮空気エネルギーを貯蔵利用する発電方法の発電コストを大幅に低減できる。これにより、我が国のように大量の圧縮空気が貯蔵できる地下空間がほとんどない地域でも、圧縮空気エネルギー貯蔵技術を利用した発電方法が現実的なコストで実現可能となる。