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  • 特開-情報提供装置 図1
  • 特開-情報提供装置 図2
  • 特開-情報提供装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175245
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20241211BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H02J7/35 A
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092863
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田本 英樹
(72)【発明者】
【氏名】森島 彰紀
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 政美
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 太希
(72)【発明者】
【氏名】本橋 雅和
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA06
5G503BB02
5G503DA07
5G503FA06
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
(57)【要約】
【課題】空き区画のうち車両の太陽電池システムの発電効率が良い区画の情報を車両または車両のユーザに提供する。
【解決手段】蓄電装置と太陽電池により発電する太陽電池システムとを有し駐車中に太陽電池により発電された電力で蓄電装置を充電可能な車両または車両のユーザに、複数の駐車区画を備える駐車場に関する情報を提供する情報提供装置であって、駐車する時間帯および複数の駐車区画のうち駐車車両がない空き区画の位置に基づいて、空き区画のうち太陽電池システムの発電効率の良い区画に関する情報を車両またはユーザに提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置と太陽電池により発電する太陽電池システムとを有し駐車中に前記太陽電池により発電された電力で前記蓄電装置を充電可能な車両または前記車両のユーザに、複数の駐車区画を備える駐車場に関する情報を提供する情報提供装置であって、
駐車する時間帯および複数の前記駐車区画のうち駐車車両がない空き区画の位置に基づいて、前記空き区画のうち前記太陽電池システムの発電効率の良い区画に関する情報を前記車両または前記ユーザに提供する
情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池により発電する太陽電池システムを備える車両が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-107554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の車両において、複数の駐車区画を備える駐車場で駐車中に太陽電池により発電を行なう場合、駐車する時間帯や駐車区画の位置に応じて、太陽電池システムの発電効率が異なる場合がある。エネルギ効率向上の観点から、複数の駐車区画において駐車されていない空き区画のうち車両の太陽電池システムの発電効率が良い区画の情報を車両または車両のユーザに提供することが望まれている。
【0005】
本開示の情報提供装置は、空き区画のうち車両の太陽電池システムの発電効率が良い区画の情報を車両または車両のユーザに提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報提供装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の情報提供装置は、
蓄電装置と太陽電池により発電する太陽電池システムとを有し駐車中に前記太陽電池により発電された電力で前記蓄電装置を充電可能な車両または前記車両のユーザに、複数の駐車区画を備える駐車場に関する情報を提供する情報提供装置であって、
駐車する時間帯および複数の前記駐車区画のうち駐車車両がない空き区画の位置に基づいて、前記空き区画のうち前記太陽電池システムの発電効率の良い区画に関する情報を前記車両または前記ユーザに提供する
ことを要旨とする。
【0008】
この本開示の情報提供装置では、駐車する時間帯および複数の駐車区画のうち駐車車両がない空き区画の位置に基づいて、空き区画のうち太陽電池システムの発電効率の良い区画に関する情報を車両または車両のユーザに提供する。この結果、空き区画のうち車両の太陽電池システムの発電効率が良い区画の情報を車両またはユーザに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の情報提供装置を備える情報提供システム10の概略構成図である。
図2】情報提供装置12により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図3】駐車場Pの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の情報提供装置を備える情報提供システム10の概略構成図である。情報提供システム10は、車両20に商業施設や医療施設などの複数の駐車区画を有する駐車場Pまたはこうした駐車場Pに隣接する建物などに設置されており、情報提供装置12を備える。本実施形態の情報提供装置としては「情報提供装置12」が該当する。
【0011】
情報提供システム10の説明に先立って、情報提供システム10から駐車場Pに関する情報の提供を受ける車両20の構成について説明する。車両20は、電気自動車として構成されており、駆動部22と、蓄電装置としてのバッテリ26と、太陽電池システム30と、ナビゲーション装置38と、電子制御ユニット40とを備える。駆動部22は、モータ23と、インバータ24と、を備える。モータ23は、走行用の動力を出力可能である。インバータ24は、モータ23の駆動に用いられると共に電力ラインを介してバッテリ26に接続されている。バッテリ26は、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成された複数の二次電池セルを有する。太陽電池システム30は、太陽電池31と、コンバータ32とを有する。太陽電池31は、複数の太陽電池セルを有し、車体のルーフ部の上面やボンネットの上面などに固定されている。コンバータ32は、太陽電池31により発電された電力を電圧変換を伴ってバッテリ26に供給する。ナビゲーション装置38は、目的地が設定されると、地図情報とGPSにより検出される車両20の現在地と目的地とに基づいて現在地から目的地までの走行経路を設定してディスプレイに表示することにより、経路案内を行なう。ナビゲーション装置38は、電子制御ユニット40と通信を行なっている。ナビゲーション装置38は、車両20の外部の情報提供装置12と通信を行なっており、車両20の現在地を情報提供装置12に送信している。電子制御ユニット40は、マイクロコンピュータを有し、マイクロコンピュータは、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有する。電子制御ユニット40は、各種センサからの信号を入力ポートを介して入力している。電子制御ユニット40は、駆動部22への制御信号など各種制御信号を出力ポートを介して出力している。電子制御ユニット40は、ナビゲーション装置38と通信を行なっている。車両20は、駐車中に太陽電池システム30の太陽電池31により発電された電力がバッテリ26に充電されるようにコンバータ32を制御している。
【0012】
情報提供装置12は、マイクロコンピュータを有し、マイクロコンピュータは、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有する。情報提供装置12は、各種センサからの信号を入力ポートを介して入力している。情報提供装置12が入力する信号としては、例えば、駐車場Pに設置され駐車場P全体を撮像可能な撮像装置としてのカメラ14からの画像信号などを挙げることができる。カメラ14が、情報提供装置12とは別の施設に設置されている場合には、カメラ14から画像信号は、無線または有線の通信により入力される。情報提供装置12は、カメラ14からの画像信号に基づいて、駐車場Pの総スペース数や駐車場Pの複数の駐車区画のうち駐車車両のない空き区画の数、複数の駐車区画毎に設定された駐車区画番号のうち空き区画の駐車区画番号としての空き区画番号Nvなどを取得する。情報提供装置12は、駐車場Pの日照情報(天気や、日の出や日の入りの時刻など)や時間帯毎に複数の駐車区画の日照時間の情報をデータベースとしてROMに記憶している。
【0013】
こうして構成された情報提供装置12は、カメラ14からの画像信号に基づいて車両20が駐車場Pに進入したことを検出すると、車両20のナビゲーション装置38に駐車場Pに関する情報を送信する。情報提供装置12の情報を受信したナビゲーション装置38は、受信した情報を車両20のユーザが視認できるようにディスプレイに表示する。
【0014】
次に、本実施形態の情報提供システム10の動作、特に、太陽電池システム30を搭載する車両20に駐車場Pの空き区画に関する情報を提供する際の動作について説明する。図2は、情報提供装置12により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンは、カメラ14からの画像信号に基づいて車両20が駐車場Pに進入したことを検出したときに実行される。
【0015】
本ルーチンが実行されると、情報提供装置12のCPUは、空き区画番号Nvを入力する処理を実行する(ステップS100)。そして、空き区画番号Nvに対応する空き区画のうち太陽電池システム30の発電効率が最も良い空き区画の空き区画番号Nvを高効率位置番号Nrecとして取得すると共に取得した高効率位置番号Nrecを車両20のナビゲーション装置38に送信して(ステップS110)、本ルーチンを終了する。高効率位置番号Nrecは、駐車する時間帯とROMに記憶されているデータベースとに基づいて、駐車する時間帯において空き区画毎に日照時間に日射量を乗じて積算した判定指標を演算し、判定指標が最も大きい空き区画を示す駐車位置番号が設定される。駐車する時間帯としては、車両20が駐車場Pに進入したときまたは車両20が駐車場Pに進入して所定時間t1(例えば、3分、5分、7分など)が経過したときから日の入りの時刻までまたは所定時間t2(例えば、1時間、2時間、3時間など)が経過するまでの時間帯などとすればよい。
【0016】
図3は、駐車場Pの一例を示す説明図である。図中、駐車場Pにおいて、網掛けのハッチング部分は、駐車場Pにおいて日陰となっている部分を示す。駐車場Pでは、図示するように、図中、空き区画S1~S5のうち一部の区画(区画S3~S5)が日陰と鳴っている。日陰になっている区画S3~S5に車両20を駐車させると、駐車中における太陽電池システム30での発電効率が低下してしまう。本実施形態では、空き区画毎に、駐車する時間帯において、上述の判定指標を演算し、判定指標が最も大きい空き区画を示す駐車位置番号を高効率位置番号Nrecとして車両20のナビゲーション装置38に送信する。これにより、車両20の太陽電池システム30の発電効率が良い駐車区画の情報を車両20に提供できる。高効率位置番号Nrecを受信した車両20のナビゲーション装置38は、ディスプレイに高効率位置番号Nrecを表示する。こうした表示により、車両20のユーザを太陽電池システム30の発電効率が良い駐車区画へ誘導できる。
【0017】
以上説明した本開示の情報提供装置を備える情報提供システム10によれば、駐車する時間帯および複数の駐車区画のうち駐車車両がない空き区画の位置としての空き区画番号Nvに基づいて、太陽電池システム30の発電効率の良い駐車区画の位置に関する情報として高効率位置番号Nrecを車両20に送信(提供)することにより、空き区画のうち車両20の太陽電池システム30の発電効率が良い区画の情報を車両20に提供できる。
【0018】
上述した実施形態では、太陽電池システム30の発電効率の最も良い駐車区画の位置に関する情報として高効率位置番号Nrecを車両20に送信している。しかし、発電効率の良い駐車区画の位置に関する情報であれば如何なるものを車両20に送信してもよく、例えば、太陽電池システム30の発電効率の良い複数の駐車区画の位置に関する情報を車両20に送信してもよい。この場合、太陽電池システム30の発電効率の良い複数の駐車区画のうち、駐車区画付近で駐車の待機をしている車両が少ない駐車区画の位置に関する情報を車両20に送信してもよい。こうすれば、車両20からの二酸化炭素の排出を抑制できる。
【0019】
上述した実施形態では、高効率位置番号Nrecを車両20に送信している。しかし、ユーザがスマートフォンなどの情報携帯端末を携帯している場合には、ユーザの情報携帯端末に高効率位置番号Nrecを送信してもよい。この場合、情報携帯端末は、高効率位置番号Nrecをディスプレイに表示すればよい。
【0020】
上述した実施形態では、高効率位置番号Nrecを受信した車両20のナビゲーション装置38は、ディスプレイに高効率位置番号Nrecを表示している。しかし、こうしたディスプレイの表示に代えて、車両20の乗員室内に設置したスピーカから 高効率位置番号Nrecを音声出力してもよい。
【0021】
上述した実施形態では、カメラ14からの画像信号に基づいて車両20が駐車場Pに進入したことを検出している。しかし、カメラ14に代えて、駐車場Pの路面内に車両を検知する車両検知センサを設置して、この車両検知センサからの信号により車両20が駐車場Pに進入したことを検出してもよい。
【0022】
上述した実施形態では、情報提供装置12は、カメラ14からの画像信号に基づいて、駐車場Pの総スペース数や駐車場Pの空き区画の数、空き区画番号Nvなどを取得している。しかし、カメラ14に代えて、駐車場Pの路面内に車両を検知する車両検知センサを備え、この車両検知センサからの信号に基づいて、駐車場Pの総スペース数や空き区画の数、空き区画番号Nvなどを取得してもよい。
【0023】
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、情報提供装置12が「情報提供装置12」に相当する。
【0024】
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0025】
以上、本開示を実施するための実施形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本開示は、情報提供装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
10 情報提供システム、12 情報提供装置、14 カメラ、20 車両(自車両)、22 駆動部、23 モータ、24 インバータ、26 バッテリ、30 太陽電池システム、31 太陽電池、32 コンバータ、38 ナビゲーション装置、40 電子制御ユニット。
図1
図2
図3