(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175262
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】遊技用装置、及び遊技用プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
A63F7/02 332B
A63F7/02 352L
A63F7/02 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092905
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三石 智道
(72)【発明者】
【氏名】川口 雅也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA75
2C088BB21
2C088BB26
2C088CA02
2C088CA08
2C088CA28
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】 遊技機等から出力される遊技データに基づき、遊技機の残クレジットを報知可能な遊技用装置を提供する。
【解決手段】 遊技用装置は、遊技に使用される使用遊技価値数に関する情報である第1情報、遊技者に付与される付与遊技価値数に関する情報である第2情報、対応するユニットに転送される計数遊技価値数に関する情報である第3情報を出力可能な特定遊技機と、特定遊技機に貸し出される貸出遊技価値数に関する情報である第4情報を出力可能なユニットに関する情報を収集可能な遊技用装置において、第1情報、第2情報、第3情報、及び第4情報に基づいて算出される、特定遊技機における誤差遊技価値数に関する情報である誤差情報が、1又は2である特定数であるか判定可能な判定手段と、判定手段に特定数であると判定された場合、遊技価値が特定遊技機に残っていることに関する特定報知を実行可能な報知手段と、を備える構成としてある。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に使用される使用遊技価値数に関する情報である第1情報と、遊技者に付与される付与遊技価値数に関する情報である第2情報と、対応するユニットに転送される計数遊技価値数に関する情報である第3情報と、を出力可能な特定遊技機と、
前記特定遊技機に貸し出される貸出遊技価値数に関する情報である第4情報を出力可能な前記ユニットと、
に関する情報を収集可能な遊技用装置において、
前記第1情報と、前記第2情報と、前記第3情報と、前記第4情報と、に基づいて算出される、前記特定遊技機における誤差遊技価値数に関する情報である誤差情報が、1又は2である特定数であるか判定可能な判定手段と、
前記判定手段に前記特定数であると判定された場合、遊技価値が前記特定遊技機に残っていることに関する特定報知を実行可能な報知手段と、
を備えることを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
前記報知手段は、
前記判定手段に前記特定数であると判定された場合、前記特定遊技機の計数操作を促すことに関する報知を実行可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
前記報知手段は、
前記判定手段に前記特定数であると判定された場合、前記特定遊技機の遊技を促すことに関する報知を実行可能である
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
前記報知手段は、
前記判定手段に前記誤差情報が0であると判定された場合、前記特定報知を実行しない
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技用装置。
【請求項5】
前記報知手段は、
前記判定手段に前記誤差情報が前記特定数よりも多い特別数であると判定された場合、遊技価値が前記特定遊技機に残っていることに関する特別報知を実行可能である
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技用装置。
【請求項6】
前記報知手段は、
所定期間中、前記判定手段に前記特定数であると判定された場合、所定単位で前記特定数と判定された前記特定遊技機の台数の報知を実行可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技用装置。
【請求項7】
前記誤差情報は、
前記第2情報と前記第4情報との合算値から、前記第1情報と前記第3情報の合算値が減算された値である
ことを特徴とする請求項6に記載の遊技用装置。
【請求項8】
遊技に使用される使用遊技価値数に関する情報である第1情報と、遊技者に付与される付与遊技価値数に関する情報である第2情報と、対応するユニットに転送される計数遊技価値数に関する情報である第3情報と、を出力可能な特定遊技機と、
前記特定遊技機に貸し出される貸出遊技価値数に関する情報である第4情報を出力可能な前記ユニットと、
に関する情報を収集可能な遊技用装置を構成するコンピュータを、
前記第1情報と、前記第2情報と、前記第3情報と、前記第4情報と、に基づいて算出される、前記特定遊技機における誤差遊技価値数に関する情報である誤差情報が、1又は2である特定数であるか判定可能な判定手段、及び
前記判定手段に前記特定数であると判定された場合、遊技価値が前記特定遊技機に残っていることに関する特定報知を実行可能な報知手段、
として機能させることを特徴とする遊技用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用装置、及び遊技用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機から出力されるアウト数やセーフ数、貸出機から出力される貸出玉数等の遊技データを遊技機ごとに管理することにより、遊技機ごとに使用される遊技玉の誤差を検出する遊技用装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技用装置には、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の遊技用装置は、遊技に使用される使用遊技価値数に関する情報である第1情報と、遊技者に付与される付与遊技価値数に関する情報である第2情報と、対応するユニットに転送される計数遊技価値数に関する情報である第3情報と、を出力可能な特定遊技機と、前記特定遊技機に貸し出される貸出遊技価値数に関する情報である第4情報を出力可能な前記ユニットと、に関する情報を収集可能な遊技用装置において、前記第1情報と、前記第2情報と、前記第3情報と、前記第4情報と、に基づいて算出される、前記特定遊技機における誤差遊技価値数に関する情報である誤差情報が、1又は2である特定数であるか判定可能な判定手段と、前記判定手段に前記特定数であると判定された場合、遊技価値が前記特定遊技機に残っていることに関する特定報知を実行可能な報知手段と、を備える構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】遊技用装置の制御構成を示すブロック図である。
【
図3】ホールコン出力BOXから出力されるデータ(循環式パチンコ用)の一例を示す図である。
【
図4】ホールコン出力BOXから出力されるデータ(メダルレスパチスロ用)の一例を示す図である。
【
図5】誤差判定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】取引履歴における項目の定義を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技用システム1は、プログラム(遊技用プログラム)に制御されたコンピュータにより動作する。
プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、ホールコンピュータ60におけるデータの入出力、記憶、及び演算等を行わせる。
遊技用システム1は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものであり、プログラムの全部、又は一部は、磁気ディスク、光ディスク、及びその他任意のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体により提供され、記憶媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。
なお、プログラムは、記憶媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードして、実行することも可能である。
また、本実施形態において取り扱う遊技機は、遊技者が遊技媒体(遊技価値)に触れられないように構成される。
そのため、以下の説明では、遊技玉を直接触って遊技する従来の遊技機(以下、「従来機」という)のパチンコ機を「循環式パチンコ10a」といい、メダルを直接触って遊技する従来機のパチスロ機を「メダルレスパチスロ10b」といい、そして、これらを総称して「メダルレス遊技機10」として説明する。
【0008】
図1は、遊技用システム1の構成を概略化した図である。
本実施形態における遊技用システム1は、メダルレス遊技機10と、複数の遊技用装置等により構成されている。
遊技用システム1を構成する複数の遊技用装置としては、例えば、専用ユニット20、ホールコン出力BOX30、呼出ランプ40、インカム50、管理コンピュータ55、景品交換装置56、会員管理装置57、及びホールコンピュータ60等が挙げられる。
これらの遊技用装置は、それぞれ通信手段を備え、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0009】
メダルレス遊技機10(特定遊技機)は、遊技者が遊技玉やメダル等に直接触れることなく、遊技できる遊技機である。
例えば、循環式パチンコ10aは、遊技機内で遊技玉(遊技媒体)を封入し循環させることで遊技でき、メダルレスパチスロ10bは、物理的なメダルを使用せずに、電子データ(遊技媒体)で貸出しを行うことで遊技できる。
メダルレス遊技機10の遊技状態としては、従来機と同様に、例えば、遊技媒体を所定の割合で費やす通常遊技状態と、通常遊技状態より遊技媒体の増加が期待でき遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態等がある。
この特別遊技状態は、通常遊技状態より大当りやボーナスに当選する確率が高い遊技状態であり、遊技者は、ボーナスに当選すると、その後の入賞によって大量の遊技媒体が獲得できるようにゲームが制御される。
また、メダルレス遊技機10の出力手段からは、遊技進行に応じて様々なデータ(遊技データ)が出力され、このデータは、全て次に説明する専用ユニット20を介して出力される。
なお、本実施形態では、適宜、循環式パチンコ10aとメダルレスパチスロ10bで用いられる遊技媒体の両方を、一律に「遊技玉」として説明する。
【0010】
専用ユニット20(ユニット)は、併設されたメダルレス遊技機10と専用PIFケーブル等でデータ通信可能に電気的に接続されており、投入金額に応じた遊技玉の貸出し等を、電子データで行う機能を有している。
例えば、投入金額に応じた遊技玉の貸出しは、遊技者による貸出し操作に基づいて、「貸出玉数」を特定する貸出データをメダルレス遊技機10に出力することで、貸出しを行う。
メダルレス遊技機10は、この貸出データに基づいて、遊技玉の「貸出玉数」を特定するとともに記憶手段に記憶し、遊技者が所有する「持玉数」に加算する。
【0011】
また、専用ユニット20は、遊技玉の返却も行う。
具体的には、メダルレス遊技機10において、計数操作により遊技玉の計数量を特定する計数データが専用ユニット20に出力(転送)される。
専用ユニット20は、メダルレス遊技機10から出力された計数データを入力すると、この計数データに基づき特定された遊技玉の計数量を「持玉数」として管理する。
【0012】
さらに、専用ユニット20は、カードユニットを備えており、このカードユニットにより「持玉数」をICカードに記憶(記録)する。
ICカードは、返却操作によりカードユニットから排出され、遊技者は、「持玉数」が記憶されたICカードを使用して、遊技場の景品交換センターにて景品と交換したり、他の専用ユニット20のカードユニットに挿入することで、再遊技できる。
このような専用ユニット20は、ホールコン出力BOX30や管理コンピュータ55等とデータ通信可能に接続されている。
【0013】
ホールコン出力BOX30(中継装置)は、専用ユニット20、呼出ランプ40、ホールコンピュータ60等とデータ通信可能に接続され、遊技玉やメダルを使用する従来機の外部端子板と同様の機能を有している。
ホールコン出力BOX30は、シリアル通信で接続される専用ユニット20から出力されるデータを、呼出ランプ40やホールコンピュータ60等に出力するパルス変換機としても機能する。
具体的には、ホールコン出力BOX30は、専用ユニット20からのシリアル通信によるデータの出力を、そのままシリアル通信でホールコンピュータ60等にデータを出力するシリアル出力と、パルスに変換してデータを出力するパルス出力を行うことができる。
これは、従来、ホールコンピュータ60等は、従来機や台間機(不図示)等からパルスデータを受け付けることによってデータを取得していたためであり、パルス出力を受け付けるホールコンピュータ60等に対応するためである。
これにより、ホールコン出力BOX30は、シリアル出力とパルス出力との双方に対応する遊技用システム1を構成できるようになる。
【0014】
また、ホールコン出力BOX30は、専用ユニット20から出力されるデータから遊技機種類を判定し、判定結果に応じた動作を行う。
遊技機種類は、データ長を1バイトで構成し、Bit0~Bit3を遊技機の種類、Bit4~Bit6を団体の区分、Bit7を管理媒体とする遊技機の種類に関する情報である。
例えば、メダルレス遊技機10の遊技玉は、管理媒体が「0」であれば、遊技玉であり、管理媒体が「1」であれば、メダルのように、遊技機種類のうち管理媒体から判定される。
【0015】
呼出ランプ40は、発光手段を点灯、又は点滅させることにより、大当りの発生、確変中、店員の呼出中等を遊技者に報知するとともに、遊技に関する情報を表示する。
例えば、呼出ランプ40は、本日、前日等における大当り回数や確変回数に加え、前回大当りからの回転数であるスタート回数、大当りの履歴等を見やすいように数字やグラフ等を用いて遊技者に有益な情報として表示する。
呼出ランプ40は、店員を呼出ボタンにより呼び出すことができる呼出機能(呼出中)を有しており、遊技者がこの呼出ボタンを操作すると、呼出情報をホールコンピュータ60に出力し、再度、呼出ボタンが操作されることで、呼出情報の出力を解除する。
なお、後述する誤差判定処理において、「誤差有」と判定された場合には、「誤差有」と判定されたメダルレス遊技機10に対応する呼出ランプ40にその旨の情報を送信して、呼出ランプ40でも同様の誤差報知を行う構成としても良い。
【0016】
インカム50(端末装置)は、報知手段として機能し、コミュニケーションツール用の無線を用いた端末装置である。
遊技用システム1は、複数のインカム50を備えて構成され、各店員は、それぞれ1つのインカム50を携行する。
インカム50は、ヘッドセットを用いたハンズフリーの通話が可能なだけでなく、ホールコンピュータ60等から各種情報の通知ができるので、即時性が求められる遊技場のコミュニケーションツールとして好適である。
【0017】
管理コンピュータ55は、遊技場外の管理センター等にインターネットを介してデータ通信可能に接続され、遊技場に設置されたメダルレス遊技機10や専用ユニット20から出力される出玉データを収集、及び管理する。
この出玉データには、遊技場の閉店処理後に管理センターに出力される性能データの他、リアルタイムに管理センターに出力される不正・エラーデータ等が含まれ、これらのデータは、管理センターにて一元的に管理される。
【0018】
景品交換装置56は、遊技者が遊技により獲得した「持玉数」の範囲内で、遊技者が希望する景品との交換処理を行う。
例えば、専用ユニット20から返却されたICカードを景品カウンターに滞在する店員等に渡すと、店員等の操作に基づいて景品交換装置56が景品交換処理を行う。
この景品交換処理では、ICカードから景品交換装置56が備えるカードリーダ100を介して遊技玉の残数を読み込むとともにこの残数に対応する景品との決済処理を実行する。
【0019】
なお、本実施形態で使用されるICカードには、遊技場に会員登録している遊技者が使用する会員カードの他、遊技場に会員登録していない遊技者が使用する一般カード等がある。
会員カードは、会員の遊技者が獲得した「持玉数」を複数日に渡って記憶できることから、当日以降も使用できるカードである。
これに対し、一般カードは、非会員の遊技者が獲得した当日の「持玉数」を記憶でき、当日のみ等一時的に遊技者に貸し出されるカードである。
【0020】
従って、景品交換装置56が備えるカードリーダ100や専用ユニット20が備えるカードユニットは、ICカードに関する各種情報を読み取り、遊技者が会員か否かを特定する特定手段として機能する。
このとき読み取るICカードに関する各種情報には、例えば、カードが挿入されたことを示す情報、会員カードの会員番号、一般カードのID情報等がある。
【0021】
会員管理装置57は、遊技場に会員として登録された遊技者に関する情報を管理したり、他の遊技用装置との間で会員として登録された遊技者に関する情報を送受信することで、会員の遊技者が遊技により獲得した「持玉数」を管理する。
本実施形態では、会員カードに記憶した「持玉数」で、当日以前に獲得して遊技場に預け入れた遊技玉数を「貯玉数」ともいう。
会員管理装置57は、会員に関する情報を記録した会員データベースを記憶する。
会員データベースは、例えば、会員の住所、電話番号等、会員カードのカードID(会員番号)、「貯玉数」や現金の残高等によって構成されている。
そして、会員管理装置57は、専用ユニット20から送信されてくるカードIDや各種操作データに基づき会員データベースにおける「貯玉数」や現金の残高等を更新する。
【0022】
ホールコンピュータ60(遊技用装置)は、プログラムに従って動作する情報処理装置であり、例えば、遊技場の管理者や店員が操作可能な場所、カウンター奥の事務所等に設置されている。
ホールコンピュータ60は、遊技場に設置されている全メダルレス遊技機10の遊技に関する情報を記憶、管理、及び分析し、遊技場における遊技データ(例えば、出率、粗利等)を管理している。
このようなホールコンピュータ60は、
図2に示すように、通信部61と、記憶部62と、操作部63と、表示部64と、制御部65とから構成されている。
【0023】
通信部61は、ホールコン出力BOX30を介して、メダルレス遊技機10や専用ユニット20等から各種データを入力する。
ここで、メダルレス遊技機10や専用ユニット20から出力される各種データについて説明する。
メダルレス遊技機10や専用ユニット20から出力される各種データは、ホールコン出力BOX30を介して呼出ランプ40やホールコンピュータ60等に出力される。
【0024】
各種データは、主として「台データ」、「不正データ」、及び「売上データ」の3つのデータ種別に分けられる。
以下、
図3、
図4を参照しながら、パルス出力時におけるデータ種別ごとのデータ名、及びデータ種別について説明する。
図3は、循環式パチンコ10a、
図4は、メダルレスパチスロ10bそれぞれから出力されるデータの一例である。
【0025】
「データ名」は、データごとに該当するデータ名を示している。
「台データ」は、遊技に伴い発生するデータであり、例えば、遊技玉を消費(使用)するごとに出力されるアウトデータ(循環式パチンコ10a:発射数、メダルレスパチスロ10b:メダル使用数)、入賞等により遊技玉を獲得(付与)するごとに出力されるセーフデータ(循環式パチンコ10a:賞球、メダルレスパチスロ10b:メダル付与数)、特別遊技状態中(循環式パチンコ10a:大当り中、メダルレスパチスロ10b:RB中)に出力される状態データ等がある。
従って、アウトデータ等から「アウト」、セーフデータ等から「セーフ」、状態データ等から遊技状態等を特定できる。
【0026】
「不正データ」は、ゴト等の不正行為に伴い発生するデータであり、例えば、メダルレス遊技機10の扉が開状態中に出力される扉開放データ(循環式パチンコ10a)・ドアオープンデータ(メダルレスパチスロ10b)、磁気、電波等による不正時に出力される不正データ(循環式パチンコ10a)・不正検知データ(メダルレスパチスロ10b)等がある。
従って、不正検知データ等から不正行為や不具合等を特定できる。
【0027】
「売上データ」は、遊技玉の貸与や呼出等に伴い発生するデータであり、例えば、入金時に出力される入金金額データ、消費時に出力される消費金額(使用金額)データ、専用ユニット20による遊技玉の計数に基づき出力される計数データ(循環式パチンコ10a:計数玉数、メダルレスパチスロ10b:計数メダル数)、貯玉の払い出しに基づき出力される再プレイデータ(循環式パチンコ10a:再プレイ玉数、メダルレスパチスロ10b:再プレイメダル数)、持玉の払い出しに基づき出力される戻り玉データ(循環式パチンコ10a:持玉払出玉数、メダルレスパチスロ10b:持メダル払出メダル数)等がある。
さらに、「売上データ」は、店員の呼出中に出力される呼出データ、ICカード挿入中に出力されるカード挿入中データ等がある。
従って、入金金額データや消費金額データ等から「貸出玉数(金額、売り玉)」、計数データ等から「計数玉数」、再プレイデータ等から「再プレイ玉数(金額、売り玉)」、戻り玉データ等から「戻り玉数(戻り玉)」等を特定できる。
【0028】
データ種別は、1パルスの幅を50ms固定とするパルス形式と、該当状態時に継続して出力される状態形式との2種類のデータ種別のうち、データごとに何れの形式に該当するかを示している。
例えば、「台データ」のアウトデータは、データ種別がパルス形式(発射数:10玉で1パルス、メダル使用数:1枚で1パルス)であり、同じく「台データ」の状態データは、データ種別が状態形式(大当り:大当り中にON、RB:RB中にON)である。
また、「不正データ」の扉開放データ・ドアオープンデータは、データ種別が状態形式(扉開放・ドアオープン:開状態中にON)であり、「売上データ」の計数データは、データ種別がパルス形式(計数玉数:25玉で1パルス、計数メダル数:5枚で1パルス)であり、同じく「売上データ」の呼出データは、データ種別が状態形式(呼出:呼出中にON)である。
このように、同じデータ種別の中でも、データ種別が異なる場合がある。
なお、ホールコン出力BOX30から出力されるこれらのデータは、ホールコンピュータ60に随時出力される場合と、蓄積してから出力される場合とがそれぞれ含まれる。
例えば、前者の場合は、循環式パチンコ10aから10玉の使用を示すデータを入力した場合、随時10玉の使用を示すデータがホールコンピュータ60に出力されるが、後者の場合は、計100玉になるまで蓄積した後に、100玉の使用を示すデータがホールコンピュータ60に出力される。
【0029】
記憶部62は、ホールコンピュータ60の各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶可能な記憶媒体(例えば、ROM、RAM、ハードディスク等)で構成される。
記憶部62は、メダルレス遊技機10や専用ユニット20等から出力される「台データ」、「不正データ」、及び「売上データ」等の各種データを記憶する。
【0030】
操作部63は、キーボードやマウス等で構成される操作手段であり、遊技場の管理者等が操作することにより、所定のデータや指示、命令等を選択、入力できるようになっている。
【0031】
表示部64は、液晶ディスプレイ等の報知手段であり、遊技場の店員が操作部63を操作することにより、操作部63から入力された数値や算出された遊技データを表示する。
具体的には、後述する「遊技場内レイアウト画面」(
図11参照)、「台個別データ画面」(
図12参照)、「集計画面」(
図14参照)等が表示される。
なお、表示部64は、表示による報知手段として機能するが、この他、音声、ブザー等の音による報知に代えて、又は加えても良い。
【0032】
制御部65は、CPU、ROM、及びRAM等で構成されており、記憶部62に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、上述した各部を監視、及び制御しながらホールコンピュータ60としての処理を行う。
例えば、制御部65は、通信部61を介してメダルレス遊技機10等から出力される各種データに基づき、遊技場の営業時に用いる遊技場固有のデータである遊技データを算出する。
遊技場の管理者等は、この算出された遊技データを指標として、日々の遊技場の運営に活用している。
【0033】
ところで、近年設置されているメダルレスパチスロ10bでは、3枚掛け専用機が多く存在しており、クレジットが「2」枚以下の状態では遊技を行えないことから、そのままクレジットを消化せずメダルレス遊技機10にクレジットが残った状態(以下、残クレジットともいう)で遊技場が閉店してしまうことがある。
また、循環式パチンコ10aにおいても、「2」玉以下の少量のクレジットが残っている場合に、遊技者が見落としたまま遊技を終了し、メダルレス遊技機10にクレジットが残った状態で閉店してしまうことがある。
メダルレス遊技機10では、電子データとして記憶されているクレジット数を使用して遊技を実行するが、このクレジット数は、リセット(例えば、設定値の変更、設定値の再設定、RAMクリア)しなければ、その値が維持される。
このため、残クレジットが「2」以下の状態で閉店し、遊技場の管理者等がメダルレス遊技機10のリセットを行わないと、クレジット状態が維持されるため、次の日にそのクレジット状態を見た遊技者に設定値変更等を行わなかったことが知られてしまうことがあった。
その結果、前日が不調なメダルレス遊技機10である場合には、その不調が継続していると思われ、そのメダルレス遊技機10での遊技を敬遠されてしまう可能性があった。
従って、本実施形態における遊技用装置は、前日におけるメダルレス遊技機10の残クレジットを当日の開店までに「0」に促すことを実現する。
【0034】
[誤差判定処理]
以下、
図5を参照しながら、誤差判定処理について説明する。
図5は、制御部65で実行される誤差判定処理を示すフローチャートである。
記憶部62には、このフローチャートに基づいて作成された遊技用プログラムが記憶され、この遊技用プログラムが起動することで、制御部65が誤差判定処理を実行する。
誤差判定処理は、メダルレス遊技機10、及び専用ユニット20の操作に応じて出力される各種遊技データからメダルレス遊技機10ごとの誤差玉数(以下、単に誤差玉ともいう)を算出し、その算出された誤差玉数に基づき誤差状態を判定する処理である。
【0035】
まず、S10において、制御部65は、現在時刻が特定時刻であるか否かを判定する。
ここで、特定時刻とは、予め定められた時刻であり、本実施形態においては、遊技場の閉店時(例えば、10時開店23時閉店の遊技場なら23時が該当)に設定されているものとする。
制御部65は、現在時刻が特定時刻であると判定した場合には(S10:Yes)、判定処理をS11に進める。
一方、制御部65は、現在時刻が特定時刻でないと判定した場合には(S10:No)、判定処理をS10に戻す。
【0036】
S11において、制御部65は、特定時刻時の遊技データを取得する。
制御部65は、記憶部62に記憶されたメダルレス遊技機10、及び専用ユニット20から出力された遊技データを取得する。
遊技データは、プログラムによって、予め設定された特定時刻に自動取得される。
S12において、制御部65は、取得した遊技データに基づいて、以下の式1によりメダルレス遊技機10ごとの誤差玉数(E)を算出する。
誤差玉は、メダルレス遊技機10にクレジットが残った状態の遊技玉であるものとして説明する。
つまり、制御部76は、誤差玉数の算出結果が「+(正)」のときに、クレジットが残った状態、遊技者により計数がされていない遊技玉として判定する。
なお、「-(負)」のときに、「クレジットが残った状態」として判定しても良く、算出結果の正負は問わない。
【0037】
「誤差玉数(E)」=((累計台売上合計金額(M)÷貸出し換算率(C))+累計台間景品戻り玉数(R))-(累計台間景品玉数(G)+(アウト数(O)-セーフ数(S))・・・(式1)
E:「誤差玉数(誤差遊技価値数)」
M:「累計台売上合計金額(「金額」に該当)」
C:「貸出し換算率(「貸出し換算率」に該当)」
=(累計台売上合計金額(M)÷貸出し換算率(C)(第4情報、貸出遊技価値数))
R:「累計台間景品戻り玉数(第4情報、貸出遊技価値数)(「戻り玉」に該当)」
G:「累計台間景品玉数(第3情報、計数遊技価値数)(「計数」に該当)」
O:「アウト数(第1情報、使用遊技価値数)(「アウト」に該当)」
S:「セーフ数(第2情報、付与遊技価値数)(「セーフ」に該当)」
かっこ内は、次に説明する
図7~9の取引履歴における該当項目を示している。
【0038】
つまり、「誤差玉数(E)」は、「貸出玉数」(第4情報)と「セーフ数」(第2情報)の合算値から「アウト数」(第1情報)と「計数玉数」(第3情報)の合算値が減算されることにより算出される。
【0039】
以下、具体的に遊技の取引履歴例を用いて誤差玉数を算出する。
図6は、取引履歴における項目の定義を説明する図であり、
図7~9は、遊技玉の貸出レートが20円のメダルレスパチスロ10bが設置された遊技場の閉店間際の取引履歴を示す図である。
【0040】
(1)「時刻」は、取引時間を示している。
(2)「事象」は、取引情報を示している。
(3)「景品玉増減数」は、クレジットの増減数を示している。
(4)「推定景品」は、クレジットに残っている玉数であり、景品と交換可能な玉数を示している。
(5)「ユニット」は、専用ユニット20に転送された(計数された)計数玉数を示している。
(6)「クレジット」は、メダルレス遊技機10で記憶する遊技玉数を示している。
(7)「誤差数」は、誤差玉数(「推定景品」と同義)を示しており、算出式は後述する。
(8)「金額」は、一般カードや会員カードに記憶されている金額(度数)を使用したとき、又は会員カードに紐づけられた貯玉で再プレイを使用したときに計上される数値を示している。
なお、メダルレスパチスロ10bでは、直接現金を利用できないので、現金売上は含まない。
(9)「貸出し換算率」は、1クレジットあたりの貸出金額(例えば、20円)を示している。
(10)「売り玉(第4情報、貸出遊技価値数)」は、「金額」計上時に発生する貸出玉数(金額、又は貯玉で再プレイの使用による貸出玉数)を示している。
(11)「戻り玉(第4情報、貸出遊技価値数)」は、持玉で払い出し時に発生する貸出玉数を示している。
(12)「計数(第3情報、計数遊技価値数)」は、メダルレス遊技機10から専用ユニット20に転送された計数玉数(「推定景品」と同義)を示している。
(13)「アウト(第1情報、使用遊技価値数)」は、遊技で使用された使用玉数を示している。
(14)「セーフ(第2情報、付与遊技価値数)」は、遊技で付与された付与玉数を示している。
なお、
図6に示す定義の「計数」とは、メダルレス遊技機10内部にクレジットされている遊技玉数(遊技価値)のデータをメダルレス遊技機10から専用ユニット20へ転送することを示している。
【0041】
ここで、代表して
図7の取引履歴について説明する。
取引履歴1では、貯玉を引き出して遊技する再プレイが行われており、「1000」円分の貸出し操作によって、「50枚」(=「金額」1000円÷「貸出し換算率」20円)の売り玉が払い出され、景品玉増減数は、「+50枚」(=50+0)となる。
従って、遊技者のクレジットには、「50」がセットされる。
取引履歴2、5では、アウトが「40」(=40-0(取引履歴2))、(=110-70(取引履歴5))に対して、セーフが「10」(=10-0(取引履歴2))、(=30-20(取引履歴5))であるため、遊技開始で景品玉増減数は、「-30枚」(=10-40)となる。
同様に、取引履歴3、6では、アウトが「30」(=70-40(取引履歴3))、(=140-110(取引履歴6))に対して、セーフが「10」(=20-10(取引履歴3))、(=40-30(取引履歴6))であるため、遊技開始で景品玉増減数は、「-20枚」(=10-30)となる。
取引履歴4、7では、貸出し操作が行われており、「1000」円分の貸出し操作によって、「50枚」(=「金額」1000円÷「貸出し換算率」20円)の売り玉が払い出されている。
従って、遊技者のクレジットには、再び「50」がセットされる。
取引履歴8では、アウトが「59」(=199-140)に対して、セーフが「10」(=50-40)であるため、遊技開始で景品玉増減数は、「-49枚」(=59-10)となる。
【0042】
式2は、式1に
図7~9の取引履歴における該当項目を当てはめた算出式であり、具体的に取引履歴に基づき誤差玉数を算出する。
「誤差玉数(E)」=((金額÷貸出し換算率)+戻り玉)-(計数+(アウト-セーフ)・・・(式2)
【0043】
例えば、
図7の最終取引である取引番号8では、金額が「3000」円、貸出し換算率が「20」、戻り玉、計数が0、アウトが「199」、セーフが「50」である。
そのため、主制御部65は、12番台のメダルレス遊技機10の誤差玉数を、「1」(=(3000÷20)+0)-(0+199-50))と算出する。
従って、12番台のメダルレス遊技機10において、クレジットが「1」残っている状態で、遊技場が閉店したことを認識できる。
【0044】
同様に、
図8の最終取引である取引番号14では、金額が「2000」円、貸出し換算率が「20」、戻り玉、計数が「0」、アウトが「140」、セーフが「60」である。
そのため、主制御部65は、15番台のメダルレス遊技機10の誤差玉数を、「20」(=(2000÷20)+0)-(0+140-60))と算出する。
従って、15番台のメダルレス遊技機10において、クレジットが「20」残っている状態で、遊技場が閉店したことを認識できる。
【0045】
また、
図9の最終取引である取引番号5では、金額が「3000」円、貸出し換算率が「20」、戻り玉、計数が「0」、アウトが「170」、セーフが「240」である。
そのため、主制御部65は、5番台のメダルレス遊技機10の誤差玉数を、「220」(=(3000÷20)+0)-(0+170-240))と算出する。
従って、5番台のメダルレス遊技機10において、クレジットが「220」残っている状態で、遊技場が閉店したことを認識できる。
【0046】
再びフローチャートに戻り、S13の判定処理について説明する。
S13において、制御部65は、誤差玉数が「0」であるか否かを判定する。
誤差玉数が「0」であれば(S13:Yes)、「誤差無」と判定し(S14)、処理を終了する。
一方、誤差玉数が「0」でなければ(S13:No)、「誤差有」と判定し、判定処理をS15に進める。
「誤差無」は、誤差玉が全くない状態であり、特に問題が発生していない誤差状態を示している(
図10(1)参照)。
【0047】
S15において、制御部65は、誤差玉数が「1~2」の範囲であるか否かを判定する。
誤差玉数が「1~2」の範囲であれば(S15:Yes)、「誤差小」と判定し(S16)、処理を終了する。
一方、誤差玉数が「1~2」の範囲でなければ(S15:No)、判定処理をS16に進める。
図7で示す12番台のメダルレス遊技機10は、誤差数が「1」であるため、この「誤差小」と判定される。
【0048】
「誤差小」は、誤差玉数が「1~2(特定数)」の範囲にある誤差状態であり、主に3枚掛けメダルレスパチスロ10bでベットされず遊技できない玉数が残っている誤差状態を示している(
図10(2)参照)。
ここで、「1~2(特定数)」の範囲とは、「1のみ」、「2のみ」、又は「1、及び2」が該当する。
また、「誤差小」は、少ない誤差玉であるため見落としやすいが、メダルレス遊技機10のリセットをしないときにメダルレス遊技機10に誤差玉が残ってしまうため、朝一で残っている状況を遊技者に確認された場合には、遊技者に設定値の据え置きを見抜かれてしまう可能性がある。
そのため、「誤差小」でも、放置せずに、クレジットを「0」にするために計数が必要な誤差状態と判定される。
【0049】
S17において、制御部65は、誤差玉数が「3~199」の範囲であるか否かを判定する。
誤差玉数が「3~199」の範囲であれば(S17:Yes)、「誤差中」と判定し(S18)、処理を終了する。
図8で示す15番台のメダルレス遊技機10は、誤差数が「20」であるため、この「誤差中」と判定される。
一方、誤差玉数が「3~199」の範囲でなければ(S17:No)、「誤差大」と判定し(S19)、処理を終了する。
図9で示す5番台のメダルレス遊技機10は、誤差数が「220」であるため、この「誤差大」と判定される。
【0050】
「誤差中」は、誤差玉数が「3~199(特別数)」の範囲にある誤差状態であり、計数し忘れた玉数が比較的少ない誤差状態を示している(
図10(3)参照)。
そして、メダルレス遊技機10等の遊技玉をカウントする検出センサ等の故障の可能性は少ない誤差状態でもある。
また、「誤差中」は、「200」未満の計数し忘れが生じる遊技者が一定数いることを想定して規定したものであり、単に計数し忘れの可能性が高い誤差状態を示している。
【0051】
一方、「誤差大」は、誤差玉数が「200~(特別数)」の範囲にある誤差状態であり、「誤差中」とは異なり、計数し忘れた玉数が多い誤差状態を示している(
図10(4)参照)。
そして、メダルレス遊技機10等の遊技玉をカウントする検出センサ等の故障の可能性が高い誤差状態でもある。
また、「誤差大」は、単なる計数し忘れではなく、例えば、ケーブルの断線、短絡により正確なセーフ等の情報をホールコンピュータ60側で取得できていない等の故障が生じた可能性が高い誤差状態を示している。
【0052】
制御部65は、遊技場の閉店時に、上述した「誤差小」、「誤差中」、「誤差大」の何れかに該当するかをメダルレス遊技機10ごとに判定し、遊技場の管理者等に対し判定結果に応じた報知を行う。
その結果、表示部64は、誤差判定処理によって判定された誤差玉に関する情報を表示部64に表示できる。
【0053】
「遊技場内レイアウト画面」
制御部65は、誤差が発生している場合に、誤差が発生しているメダルレス遊技機10を遊技機単位で視覚的な態様で報知することができる。
例えば、
図11に示す「遊技場内レイアウト画面」を表示できる。
「遊技場内レイアウト画面」は、フロアごとのメダルレス遊技機10の配置を図式化したレイアウトが表示され、そのレイアウトで稼働状態を確認するための画面である。
【0054】
「遊技場内レイアウト画面」には、ポップアップされた表示選択画面101において、表示したい誤差状態(稼働状態)に対応するチェックボックス100にチェックを入れることで、チェックを入れた誤差状態に該当するメダルレス遊技機10が所定の色、記号、模様、文字等で施された状態で選択され、表示される。
このため、遊技場の管理者等が必要と思っている誤差状態のメダルレス遊技機10のみ表示できる。
なお、実際の「遊技場内レイアウト画面」は、誤差状態に該当するメダルレス遊技機10を色により区別しているが、図は白黒なので、
図11では、ハッチングで区別して表示している。
【0055】
図11に示す例では、フロア「1F」の台番号12、13のメダルレス遊技機10が「誤差小」、台番号5のメダルレス遊技機10が「誤差中」、台番号15のメダルレス遊技機10が「誤差大」の誤差状態であることを示しており、他のメダルレス遊技機10と異なる表示態様で表示される。
このように、制御部65は、現在のメダルレス遊技機10の誤差状態を一目で認識できるように、異なる表示態様で表示する。
これにより、遊技場の管理者等は、どのメダルレス遊技機10がどのような誤差玉状況なのかを一目で認識できる。
その結果、遊技場の管理者等は、「遊技場内レイアウト画面」によりフロアに設置された誤差が発生しているメダルレス遊技機10を容易に把握できる。
【0056】
[台個別データ画面]
制御部65は、遊技場内レイアウト画面上で個別に確認したいメダルレス遊技機10の台番号をクリックすることにより、
図12に示すような「台個別データ画面」を表示できる。
[台個別データ画面]は、遊技場内レイアウト画面と同画面、又は別画面で、同時に表示することができ、メダルレス遊技機10の誤差状態の詳細を確認するための画面である。
また、「台個別データ画面」は、メダルレス遊技機10の台番号まで特定して、誤差玉に関して遊技場の管理者等に警告する画面である。
図12(a)は、誤差判定処理により誤差玉数が「1~2」の範囲内にあるため、「誤差小」と判定されたときに、表示部64に表示される「誤差小報知画面」の一例を示している。
「誤差小報知画面(特定報知)」には、例えば、「〇番台 クレジットが残っています。計数して下さい。」の警告文を表示部64に表示できる。
この「誤差小報知画面」によれば、店員等に計数操作を促し台番号12番のメダルレス遊技機10において「誤差小」が発生したことを容易に認識できる。
【0057】
また、
図12(b)には、誤差判定処理により誤差玉数が「3~199」の範囲内にあるため、「誤差中」と判定されたときに表示部64に表示される「誤差中報知画面」、
図12(c)には、誤差判定処理により誤差玉数が「200~」の範囲内にあるため、「誤差大」と判定されたときに表示部64に表示される「誤差大報知画面」の一例をそれぞれ示している。
「誤差中報知画面(特別報知)」と「誤差大報知画面(特別報知)」には、「誤差小報知画面」と異なり、例えば、「〇番台 計数し忘れの恐れあり確認して下さい。」の警告文に加え、判定された「誤差状態」と「誤差玉数」が具体的に表示部64に表示できる。
このように、表示部64には、誤差が発生しているメダルレス遊技機10の「台番号」、「誤差状態」、及び「誤差玉数」等を具体的に特定して表示できる。
【0058】
[計数方法説明画面]
図13は、「誤差小」と判定されたときに表示される「計数方法説明画面」の一例を示す図である。
「計数方法説明画面」は、
図13(a)と
図13(b)が一定間隔(例えば、5秒間隔)で切り替わり、クレジットの計数方法を説明する動画である。
例えば、
図13(a)には、計数ボタン201を矢印で示し、計数ボタン201の押下を促す動画が表示されるとともに、「計数ボタン201を押してクレジット数を専用ユニット20に移してください」という音声やメッセージが表示部64に表示される。
また、
図13(b)には、精算ボタン200を矢印で示し、精算ボタン200の押下を促す動画が表示されるとともに、「計数ボタン201を押してもクレジット数を移せない場合は、精算ボタン200を押してクレジットに移してから計数ボタン201を押してください」という音声やメッセージが表示部64に表示される。
これは、ベットされている状態では、計数ボタン201を押下しても何も変化しないため、精算ボタン200を押下してクレジットに移した後、計数ボタン201の押下を説明したものである。
【0059】
この動画は、上述した
図12(a)の「誤差小報知画面」をクリックして表示されても良く、画面上に予め定められた領域をクリックすることで表示されるようにしても良い。
また、機種ごとに精算ボタン200や計数ボタン201の位置や形状が異なるため、特定機種を想起させない画像で「計数方法説明画面」を表示しても良いし、機種ごとに異なる動画(対応する機種の精算ボタン200や計数ボタン201が表示される動画)を表示するようにしても良い。
【0060】
[集計画面]
さらに、制御部65は、
図14に示すような「集計画面」を表示部64に表示できる。
[集計画面]は、日ごと、月ごと、年ごと等の期間で、所定単位(例えば、機種ごと)のメダルレス遊技機10における誤差玉の情報を集計して表示する画面である。
例えば、
図14(a)は、ある一営業日(以下、「特定日」という)における遊技機(台番号)単位の「誤差小」、「誤差中」、「誤差大」が発生したメダルレス遊技機10の一覧を示す「日別集計画面」である。
この「日別集計画面」から、特定日の誤差発生データとして、誤差が発生したメダルレス遊技機10の台番号、機種、誤差玉数、誤差種別等を認識できる。
これにより、例えば、遊技場の管理者等は、誤差が多く発生しているメダルレス遊技機10の周辺に、計数し忘れの警告を促すポスターやシールを貼り付ける等の対策を施すことができる。
【0061】
図14(b)は、ある期間(以下、「特定期間」という)における機種別の誤差発生件数を示す「機種別集計画面」である。
この「機種別集計画面」から、特定期間の誤差集計データとして、機種と誤差種別の関係を認識できる。
図14(b)に示す例では、「誤差小」は、機種Bに多いことが認識できる。
そのため、遊技場の管理者等は、機種Bで特に「2枚」以下の少量のクレジットが残る可能性が高いこと等を認識できるため、例えば、遊技場の店員に対し、機種Bは、他の機種より注意して残クレジットを確認するように促す等のアドバイスができる。
なお、特定日や特定期間は、任意の日付や期間を設定できるものとし、表示部64には、その設定に基づいた誤差玉の集計情報を表示できる。
【0062】
以上のように、本実施形態における遊技用装置によれば、所定のタイミング(例えば、遊技場の閉店時)に、メダルレス遊技機10の誤差玉数を判定可能であり、誤差玉数が「1」、又は「2」であると判定した場合に、メダルレス遊技機10にクレジットが残っていることを報知できる。
これにより、前日におけるメダルレス遊技機10の残クレジットを当日の開店までに「0」にしてリセットすることを促すことができる。
そのため、例えば、朝一でメダルレス遊技機10にクレジットが残っている状況を遊技者に確認されることで設定値の据え置きが見抜かれることを防止できる。
従来の遊技用装置は、メダルレス遊技機10ごとに誤差玉を検出し、その誤差玉数が所定値を超える場合に報知を行うものの、誤差玉数が「1」、又は「2」等の少数の場合は報知を行わないため、メダルレス遊技機10にクレジットが残っていることに気づけないことがあった。
本発明の遊技用装置によれば、従来の遊技用装置が改善すべきこのような課題の全部、又は一部を解決できる。
【0063】
以上、本発明の遊技用装置、及びプログラムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技用装置、及びプログラムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。
(1)本実施形態では、遊技用装置の一例として、ホールコンピュータ60に適用して説明したが、この他にも専用ユニット20、ホールコン出力BOX30、呼出ランプ40、管理コンピュータ55、景品交換装置56、会員管理装置57等、遊技用システム1に接続可能な遊技用装置にも適用できる。
(2)従来機のパチスロ機について誤差玉数を判定する場合は、「誤差小」と「誤差中」を判定対象とせず、「誤差大」のみを判定対象としても良く、この場合、「誤差大」と判定した場合のみ「誤差有」と表示すれば良い。
これは、従来機のパチスロ機は、専用ユニット20を介さない台移動が容易であることから頻繁に誤差玉が発生するが、誤差玉が発生しても、メダルレスパチスロ10bのように厳密に誤差玉を管理できず、クレジット数が「0」の状態が多いためである。
これにより、従来機のパチスロ機とメダルレスパチスロ10bが混在した遊技場でも、何れの遊技機で誤差玉が発生しているのかが分かり難くなることを回避できる。
(3)特定時刻の一例として、遊技場の閉店時に設定される例について説明したが、特定時刻は、開店前(例えば、9時)等にしても良く、さらにリアルタイムで判定しても良い。
但し、リアルタイムで判定し、その判定結果に基づく誤差報知を行うときは、「0」以外の誤差玉数が所定期間(例えば40分)変化しない場合に、誤差報知を行うようにする。
これは、営業中に誤差玉数が発生するのは稼働していれば当り前のことであり、長期間誤差玉数が変動しない場合は、遊技者が計数せずに離席した(遊技を終了した)可能性が高いためである。
(4)
図11~
図16に示す各種画面は、遊技場内のホールコンピュータ60の表示部64に表示される例について説明したが、ホールコンピュータ60と通信可能なサーバを別途設け、通信部61により遊技場の管理者等が所有するスマートフォン等の遊技場外の外部の端末装置に接続して、その端末装置に表示される構成としても良い。
(5)
図12で示した「台個別データ画面」は、「遊技場内レイアウト画面」上のメダルレス遊技機10の台番号をクリックすることで表示される例について説明したが、台番号をクリックしなくても、「誤差大」→「誤差中」→「誤差小」の順で、所定間隔(例えば、5秒間隔)で切り替わるように表示しても良い。
この場合、複数同じ種別の誤差がある場合は、誤差玉数が多い方を優先的に表示し、誤差玉数が同数の場合は、台番号の若い順から表示すれば良い。
また、表示する誤差の種別(例えば、「誤差小」のみ表示する等)や切替表示時に優先して表示する誤差の種別(例えば、「誤差小」を優先して表示する等)は、遊技場の店員が任意に変更できる構成としても良い。
(6)
図14(a)で示した「日別集計画面」において、「誤差中」や「誤差大」と判定された台番号のメダルレス遊技機10を最後に遊技していた遊技者の顔画像を取得したり、遊技者が使用していた一般カードの番号や遊技していた遊技時間(例えば、○○時~○○時まで等)を記憶する構成としても良い。
これにより、計数し忘れた遊技者が訪ねてきた場合に、その計数し忘れた分の保証対応が容易になる。
(7)主制御部65が判定する誤差の種別として、「誤差小」、「誤差中」、「誤差大」の3つの種別を一例として説明したが、さらに「誤差中」と判定された場合に、誤差玉数が「3」の倍数、かつ「9」以下のときは、他のメダルレス遊技機10と異なる表示態様で表示しても良い。
この場合、表示部64には、例えば、
図15に示す「遊技場内レイアウト画面」と
図16に示す「台個別データ画面」のように、計数操作ではなく、遊技を促す報知が実行される。
これは、遊技を実行した方が計数操作よりも手間がかからずにクレジット数を「0」にできる可能性が高く、精算操作や計数操作の知識が無くてもクレジットを「0」にできるためである。
なお、機種ごとに3枚掛け専用か否かを予め登録しておき、3枚掛け専用ではない機種のメダルレス遊技機10については、1枚掛けや2枚掛けで遊技ができるため、「誤差小」のときに、遊技の実行を促す報知をしても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 遊技用システム
10 メダルレス遊技機(特定遊技機)
20 専用ユニット(ユニット)
30 ホールコン出力BOX
40 呼出ランプ(報知手段)
50 インカム(報知手段)
55 管理コンピュータ
56 景品交換装置
57 会員管理装置
60 ホールコンピュータ(遊技用装置)
61 通信部
62 記憶部
63 操作部
64 表示部(報知手段)
65 制御部(判定手段)