(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175272
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】カードセット
(51)【国際特許分類】
G09B 3/06 20060101AFI20241211BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20241211BHJP
【FI】
G09B3/06
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092923
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松口 奈央
(72)【発明者】
【氏名】坂本 綾香
(72)【発明者】
【氏名】池田 由佳
(72)【発明者】
【氏名】久保 祐大
(72)【発明者】
【氏名】富田 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】増山 由佳
(72)【発明者】
【氏名】田川 晶子
(72)【発明者】
【氏名】田中 和津
(72)【発明者】
【氏名】山本 奈々子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】教育対象者である若年層に対してSNSについて教育するために用いられるカードセットを提供する。
【解決手段】本実施形態に係るカードセットは、複数のカードを備える。具体的には、問題文が表面に記載された問題カード1と、賛成を示す文言である第1文言が表面に記載された賛成カードと、反対を示す文言である第2文言が表面に記載された反対カードと、問題文に対する解説文が記載された解説カード2と、を備える。問題文は、SNSにおけるトラブルの事例を内容としている。問題文に対しては、賛成または反対で回答可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題文が表面に記載された問題カードと、
賛成を示す文言である第1文言が表面に記載された賛成カードと、
反対を示す文言である第2文言が表面に記載された反対カードと、
前記問題文に対する解説文が記載された解説カードと、を備え、
前記問題文は、SNSにおけるトラブルの事例を内容としており、
前記問題文に対しては、賛成または反対で回答可能である、カードセット。
【請求項2】
前記問題カードは、前記問題文の種別である問題種別に応じて、表面のレイアウトが異なる、請求項1に記載のカードセット。
【請求項3】
前記問題カードは、
前記問題種別が、対人関係に関するトラブルである第1問題カードと、
前記問題種別が、個人情報に関するトラブルである第2問題カードと、を含み、
前記第1問題カードは、表面がチャットアプリを模したレイアウトであり、
前記第2問題カードは、表面がブログを模したレイアウトである、請求項2に記載のカードセット。
【請求項4】
前記賛成カードおよび前記反対カードは、スマートフォン端末と略同一の大きさである、請求項1に記載のカードセット。
【請求項5】
前記賛成カードおよび前記反対カードは、裏面側から表面に記載された文言を視認できないように形成されている、請求項1に記載のカードセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、教育の際に用いられるカードセットに関する。
【背景技術】
【0002】
小学校などの教育機関では、小学生などの教育対象者に知識を教える以外にも、社会性(コミュニケーション能力など)を身につけさせることが期待されている。このような社会性を身につけるために様々なツールが提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1の教育用カードは、教育対象者に対する質問が記載されたカードの集合であるプレイカードを備える。プレイカードは、少なくとも、カードを引いた教育対象者に対する質問が記載されたノーマルカードと、カードを引いた教育対象者以外の他の教育対象者に対する質問が記載された特殊カードとを含む。特許文献1では、ノーマルカードと特殊カードとが適度な割合で含まれていれば、教育対象者は、過剰なストレスを感じることもなく、一方で退屈することもなくカードを用いた教育に参加することができる。また、特殊カードを引いた場合、質問に対する回答を複数の参加者で共有することができるので、教育効果を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、スマートフォン端末が普及している。スマートフォン端末の普及に伴い、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用が増加している。このため、SNSについて社会の関心が高まっている。SNSについては、時代に応じて柔軟な対応が求められる。また、SNSの利用によるトラブルが増加している。そのため、SNSについて、活発な議論を通して多様な意見を聞き、安全に利用できる環境作りが求められている。
【0006】
また、若年層におけるスマートフォン端末の使用率が増加している。例えば、小学生であれば、2人に1人はスマートフォン端末を所持している。このため、教育対象者である若年層へのSNSに関する教育が求められている。
【0007】
しかしながら、特許文献1には、ノーマルカードに記載された質問の内容がSNSを対象としていることが記載されていない。このため、特許文献1の教育カードを用いたとしても、SNSを対象とした教育を行うことができないおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、教育対象者である若年層に対してSNSについて教育するために用いられるカードセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明では、問題文が表面に記載された問題カードと、賛成を示す文言である第1文言が表面に記載された賛成カードと、反対を示す文言である第2文言が表面に記載された反対カードと、問題文に対する解説文が記載された解説カードとを備え、問題文は、SNSにおけるトラブルの事例を内容としており、問題文に対しては、賛成または反対で回答可能であることを特徴とする。
【0010】
上記構成によると、教育対象者は、賛成カードおよび反対カードを用いて、問題カードの問題文におけるトラブルの事例に対して、教育対象者自身がどのように対処するかを表明し、他の教育対象者および教育対象者を指導する指導者と議論することで、SNSにおけるトラブルに対する対応策について理解を深めることができる。
【0011】
また、問題カードの問題文に対しては、賛成または反対で回答可能である。SNSにおけるトラブルの対応に関しては、明確な判断基準が確立しておらず、利用者のモラルに頼る面が大きい。そのため、教育対象者も、SNSにおけるトラブルの対応策について、意見がまとまらず、思うような意見を表明しにくい場合が考えられる。特に、教育対象者が若年層(小学生など)であれば、知識が未熟なことが多く、意見を表明しにくい場合が多い。そこで、問題カードの問題文に対しては、賛成または反対で回答可能となっている。このため、教育対象者が若年層であったとしても、回答可能であり、意見を表明しやすい。また、教育対象者は、明確な意見を述べることができなかったとしても、漠然とした意見(反対または賛成)を表明することで、議論の活発化を図ることができる。
【0012】
また、教育対象者は、トラブルの事例およびこれに対する解説文に触れることにより、SNSにおけるトラブルに対する具体的な対応策を学ぶことができる。
【0013】
また、第2の発明では、第1の発明において、問題カードは、問題文の種別である問題種別に応じて、表面のレイアウトが異なることを特徴とする。
【0014】
上記構成によると、例えば、日常生活においてSNSを巡るトラブルが発生したときに、教育対象者は、本カードセットで学んだ対応策を想起しやすい。あるいは、教育対象者はSNSを巡るトラブルの発生を予想して、そのようなトラブルを未然に防ぐことができる。
【0015】
また、第3の発明では、第2の発明において、問題カードは、問題種別が、対人関係に関するトラブルである第1問題カードと、問題種別が、個人情報に関するトラブルである第2問題カードとを含み、第1問題カードは、表面がチャットアプリを模したレイアウトであり、第2問題カードは、表面がブログを模したレイアウトであることを特徴とする。
【0016】
上記構成によると、教育対象者が問題カードに記載されたトラブルの事例と、問題カードのレイアウトとを紐づいて記憶しやすいように、問題カードのレイアウトは、問題種別に応じたものとなっている。これにより、教育対象者が、本カードセットを用いて種々のトラブルの事例を学ぶ際、各事例の特徴を印象づけて記憶することができる。このため、教育対象者は、実際にSNSにおいてトラブルが発生したときに、問題カードに記載された内容を思い出して、トラブルに対処できる。また、教育対象者は、SNSにおけるトラブルを未然に防ぐことができる。
【0017】
また、第4の発明では、第1~第3のいずれか1つの発明において、賛成カードおよび反対カードは、スマートフォン端末と略同一の大きさであることを特徴とする。
【0018】
上記構成によると、賛成カードおよび反対カードが、スマートフォン端末と略同一の大きさであるため、教育対象者は、本カードセットの学習対象がSNSであることを把握しやすくなる。このため、教育対象者は、本カードセットに対して親しみを持ちやすくなるとともに、学習に取り組みやすくなる。
【0019】
また、第5の発明では、第1~第4のいずれか1つの発明において、賛成カードおよび反対カードは、裏面側から表面に記載された文言を視認できないように形成されていることを特徴とする。
【0020】
上記構成によると、教育対象者が、賛成カードまたは反対カードを用いて回答をする際に、賛成カードまたは反対カードの裏面を上に向けて置くことで、他の教育対象者から、当該教育対象者が置いたカードが賛成カードおよび反対カードのいずれであるかを視認できなくなる。これにより、教育対象者が他の教育対象者の回答に惑わされずに自己の意見を表明することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、教育対象者である若年層に対してSNSについての教育を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る問題カードの一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る問題カードの一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る解説カードの一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る解説カードの一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る問題カードにおける問題文の内容を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る解説カードにおける解説文の内容を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るYESカードの一例である。
【
図8】本発明の実施形態に係るNOカードの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
【0024】
本実施形態に係るカードセットは、複数のカードを備える。具体的には、本カードセットは、後述する、複数の問題カード1と、複数の解説カード2と、複数のYESカード3と、複数のNOカード4とを備える。
【0025】
問題カード1および解説カード2は、同じ枚数(例えば、15枚程度)である。また、YESカード3およびNOカード4は、同じ枚数(例えば、10枚程度)である。YESカード3およびNOカード4は、それぞれ、教育対象者と同数の枚数が好ましい。
【0026】
また、問題カード1および解説カード2は、それぞれ、タブレット端末と略同一の大きさ(例えば、縦25cm×横13cm)である。YESカード3およびNOカード4は、スマートフォン端末と略同一の大きさ(例えば、縦13cm×横6cm)である。
【0027】
(問題カードについて)
図1および
図2は、それぞれ、本実施形態に係る問題カードの一例を示す図である。具体的には、
図1(a),(b)のそれぞれは、問題カード11(第1問題カード)の表面および裏面であり、
図2(a),(b)のそれぞれは、問題カード12(第2問題カード)の表面および裏面である。本実施形態に係る複数の問題カード1は、例えば、問題カード11,12を含む。
【0028】
図1(a)に示すように、問題カード11の表面のレイアウトは、チャットアプリを模している。問題カード11の表面の上部には問題番号111が記載されており、表面の中央部には問題文112が記載されている。また、
図1(b)に示すように、問題カード11の裏面のレイアウトは、タブレット端末を模している。問題カード11の裏面の中央部には問題番号113および問題種別114がそれぞれ記載されている。
【0029】
問題番号111,113は、問題カード1の通し番号である。なお、問題番号111,113は同一の問題カード1(ここでは、問題カード11)において同じ番号である。
【0030】
問題文112には、教育対象者に対する問題が記載されている。例えば、
図1(a)に示すように、問題文112には、“『ハナちゃんに「かわいいお花がさいてたよ」ってメッセージを送ったのに、返事が2日たってから来たので腹がたったわ。』、『すぐ返事するのは当たり前だよね?』”と記載されている。
【0031】
問題種別114には、問題文112の種別が記載されている。例えば、
図1(b)に示すように、問題種別114には、“対人トラブル”(対人関係に関するトラブル)と記載されている。
【0032】
図2(a)に示すように、問題カード12の表面のレイアウトは、ブログを模している。問題カード12の表面の上部には問題番号121が記載されており、表面の中央部には問題文122が記載されている。また、
図2(b)に示すように、問題カード12の裏面のレイアウトは、問題カード11と同様に、タブレット端末を模している。問題カード12の裏面の中央部には問題番号123および問題種別124がそれぞれ記載されている。
【0033】
問題番号121,123は、問題カード11と同様に、問題カード1の通し番号である。
【0034】
問題文122には、教育対象者に対する問題が記載されている。例えば、
図2(a)に示すように、問題文122には、“新しくSNSのアカウントを作ったよ。友達に見つけてもらいやすいように、プロフィールに生年月日と学校名を入力したけど、みんなやっているから大丈夫だよね?”と記載されている。
【0035】
問題種別124には、問題文122の種別が記載されている。例えば、
図2(b)に示すように、問題種別124には、“個人情報”(個人情報に関するトラブル)と記載されている。
【0036】
(解説カードについて)
図3および
図4は、それぞれ、本実施形態に係る解説カードの一例を示す図である。具体的には、
図3(a),(b)のそれぞれは、解説カード21の表面および裏面であり、
図4(a),(b)のそれぞれは、解説カード22の表面および裏面である。
【0037】
本実施形態に係る複数の解説カード2は、例えば、解説カード21,22を含む。解説カード21,22は、問題カード11,12にそれぞれ対応している。
【0038】
図3(a)に示すように、解説カード21の表面のレイアウトは、チャットアプリを模している。解説カード21の表面の上部には解説番号211が記載されており、表面の中央部には解説文212が記載されている。また、
図3(b)に示すように、解説カード21の裏面のレイアウトは、タブレット端末を模している。解説カード21の裏面の中央部には解説番号213および解説種別214がそれぞれ記載されている。
【0039】
解説番号211,213は、解説カード2の通し番号である。解説番号211,213は、対応する問題カード1の問題番号(ここでは、問題カード11の問題番号111,113)と同じ番号となる。なお、解説番号211,213は同一の解説カード2(ここでは、解説カード21)において同じ番号である。
【0040】
解説文212には、問題カード1の問題文(ここでは、問題カード11の問題文112)に対する解説が記載されている。例えば、
図3(a)に示すように、解説文212には、“『いつ返事をするかは決まりがないので、人によって返信のスピードもちがってきます。』、『待っている方は返信がないと不安な気持ちになるかもしれませんが、早く返事が欲しい時は最初にそのように書いておき、そうでない時は少し待ってみるのも良いかもしれませんね。』”と記載されている。
【0041】
解説種別214には、解説文212の種別が記載されている。例えば
図3(b)に示すように、解説種別214には、“対人トラブル”(対人関係に関するトラブル)と記載されている。なお、解説種別214には、対応する問題カード1の問題種別(ここでは、問題カード11の問題種別114)と同じ種別が記載される。
【0042】
図4(a)に示すように、解説カード22の表面のレイアウトは、ブログを模している。解説カード22の表面の上部には解説番号221が記載されており、表面の中央部には解説文222が記載されている。また、
図4(b)に示すように、解説カード22の裏面のレイアウトは、解説カード21と同様に、タブレット端末を模している。解説カード22の裏面の中央部には解説番号223および解説種別224がそれぞれ記載されている。
【0043】
解説番号221,223は、解説カード21と同様に、解説カード2の通し番号である。解説番号221,223は、対応する問題カード1の問題番号(ここでは、問題カード12の問題番号121,123)と同じ番号となる。
【0044】
解説文222には、問題カード1の問題文(ここでは、問題カード12の問題文122)に対する解説が記載されている。例えば、
図4(a)に示すように、解説文222には、“個人情報(住所・電話番号・生年月日・学校名など)をSNSなどにのせると個人を特定されてトラブルに巻きこまれる危険性があります。個人情報はあまり入力しないようにしましょう。”と記載されている。
【0045】
解説種別224には、解説文222の種別が記載されている。例えば、
図4(b)に示すように、解説種別224には、“個人情報”(個人情報に関するトラブル)と記載されている。なお、解説種別224には、対応する問題カード1の問題種別(ここでは、問題カード12の問題種別124)と同じ種別が記載される。
【0046】
図5は本実施形態に係る問題カードにおける問題文の内容を示す図である。
図6は本実施形態に係る解説カードにおける解説文の内容を示す図である。
【0047】
図5に示すように、問題カード1に記載される問題文には、SNSにおいてトラブルが発生する可能性がある内容が事例形式で記載されている。さらに、問題カード1の問題文は、「YES」(賛成、はい)または「NO」(反対、いいえ)で回答可能な内容となっている。このため、教育対象者は、以下に説明するYESカード3およびNOカード4を用いて、問題文に対する回答が可能となっている。
【0048】
図6に示すように、解説カード2の解説文には、問題カード1の問題文に記載された事例においてトラブルを抑止するための具体的な対応策が記載されている。一般的には、トラブルの対応策は、複数あることが多く、絶対的な正解が存在することは稀である。このため、解説カード2の解説文には、SNSにおけるトラブルを抑止するための模範的な対応策だと考えられる代表的な事項が記載されている。
【0049】
このように、問題カード1に記載された問題文は、YES(はい)またはNO(いいえ)で回答可能ではあるが、問題文に対応する解説カード2の解説文には、問題文の明確な回答として、YES(はい)またはNO(いいえ)が記載されていない。よって、教育対象者は、問題カード1および解説カード2を通して、SNSのトラブルを抑止するための具体的な対応策を学ぶことや、他の教育対象者と対応策について議論することができるため、SNSにおけるトラブルの対応策について理解を深めることができる。特に、問題カード1の問題文を、YES(はい)またはNO(いいえ)で回答可能な形式で記載することで、教育対象者が若年層(例えば、小学生など)であっても、本カードセットを用いた議論に参加しやすい。
【0050】
また、問題カード1および解説カード2は、問題文および解説文の種別(問題種別および解説種別)に応じて、表面のレイアウトが、チャットアプリ形式またはブログ形式となっている。例えば、
図1(および
図3)に示すように、問題文112(解説文212)の問題種別114(解説種別214)が“対人トラブル”である場合、問題カード11(解説カード21)の表面のレイアウトは、チャットアプリ形式となっている。また、
図2(および
図4)に示すように、問題文122(解説文222)の問題種別124(解説種別224)が“個人情報”である場合、問題カード12(解説カード22)の表面のレイアウトは、ブログ形式となっている。一般的に、“対人トラブル”は、他者と連絡を取る過程で発生することが多く、SNSではチャットアプリを使用中とすることで発生することがある。また、“個人情報”に関するトラブルは、個人情報をWEBで公開する際に発生しやすいため、例えば、SNSではブログなどに個人情報を載せることにより発生することがある。このように、トラブルの種類(本件の問題種別)に応じて、問題カード1および解説カード2のレイアウトを変更することで、SNSを巡るトラブルが発生したときに、教育対象者が、本カードセットで学んだ対応策を想起しやすくなる。
【0051】
(YESカードおよびNOカードについて)
図7は本実施形態に係るYESカードの一例であり、
図8は本実施形態に係るNOカードの一例である。具体的には、
図7(a),(b)のそれぞれは、YESカード3(賛成カード)の表面および裏面であり、
図8(a),(b)のそれぞれは、NOカード4(反対カード)の表面および裏面である。
【0052】
図7に示すように、YESカード3の表面および裏面のレイアウトは、スマートフォン端末を模している。YESカード3は、表面の中央部に「YES」(賛成を示す文言)と記載されており、裏面の中央部に「YES or NO」と記載されている。
【0053】
図8に示すように、NOカード4の表面および裏面のレイアウトは、スマートフォン端末を模している。NOカード4は、表面の中央部に「NO」(反対を示す文言)と記載されており、裏面の中央部に「YES or NO」と記載されている。
【0054】
図7および
図8に示すように、YESカード3およびNOカード4は、表面に記載されている文字が「YES」と「NO」とで異なるが、裏面に記載された文字が「YES or NO」で同一である。よって、YESカード3およびNOカード4は、裏面を上にして置くと、教育対象者などが表面の文字を視認することができない。また、上述したように、YESカード3およびNOカード4は、ほぼ同一の大きさである。このため、YESカード3およびNOカード4は、裏面を上にして置くと、YESカード3であるかNOカード4であるかが判別できない。
【0055】
(本ゲームセットの使用方法について)
次に、本実施形態に係るカードセットの使用方法(遊び方)について説明する。本カードセットを用いたゲームは、次の(1)~(8)の手順で行われる。本カードセットを用いたゲームは、例えば、5~10人の教育対象者と1人の指導者とによって行われる。指導者は、教育対象者(小学生など)に対して教育を行う者(先生など)である。なお、以下の説明では、本カードセットが、教育機関において用いられることを想定して説明しているが、これに限られない。例えば、本カードセットは、家庭(親子など)や友人同士などで用いられてもよい。本カードセットは、SNSに関する教育について用いられれば、どのような関係性を有する人物間で用いられてもよい。
【0056】
(1)指導者は、ゲームに参加する教育対象者全員に、YESカード3およびNOカード4を1枚ずつ配布する。
【0057】
(2)指導者は、問題カード1を1枚選んで、問題カード1に記載された問題文を読み上げる。このとき、指導者は、選択した問題カード1を教育対象者全員に対して閲覧させてもよい。
【0058】
(3)各教育対象者は、問題カード1に記載された問題文に対して回答を考える。このとき、各教育対象者は、問題文に対する回答が「YES」であるか「NO」であるかを考えるとともに、その理由も考える。なお、指導者は、回答時間(例えば、1分)を設定してもよい。
【0059】
なお、(3)において、各教育対象者は、YESカード3およびNOカード4のうち、自己の回答に対応するカードを、裏面を上にして置いてもよい。具体的には、各教育対象者は、自己の回答が「YES」である場合には、YESカード3を、裏面を上にして置くこととなり、自己の回答が「NO」である場合には、NOカード4を、裏面を上にして置くこととなる。
【0060】
(4)各教育対象者は、YESカード3およびNOカード4のうち、自己の回答に対応するカードを、表面を上にして置く。これにより、各教育対象者は、自己の回答を他の教育対象者に示すことになるとともに、他の教育対象者の回答を知ることとなる。
【0061】
(5)各教育対象者は、問題文に対する回答について、その理由を他の教育対象者に説明する。そして、教育対象者全員で、問題文に対する回答(「YES」または「NO」)を決定する。
【0062】
(6)指導者は、選択した問題カード1に対応する解説カード2に記載された解説文を読み上げる。このとき、指導者は、解説カード2を教育対象者全員に対して閲覧させてもよい。
【0063】
(7)その後、(2)~(6)を繰り返す。
【0064】
(8)最後に、各教育対象者は、本ゲームの感想や気づいたことをメモ(図示省略)に記載する。
【0065】
このように、本実施形態に係るカードセットは、問題文が表面に記載された問題カード1と、YES(賛成を示す文言である第1文言)と表面に記載されたYESカード3(賛成カード)と、NO(反対を示す文言である第2文言)と表面に記載されたNOカード4(反対カード)と、問題文に対する解説文が記載された解説カード2とを備える。問題文は、SNSにおけるトラブルの事例を内容としている。また、問題文に対しては、YES(賛成)またはNO(反対)で回答可能である。
【0066】
この構成によると、教育対象者は、YESカードおよびNOカードを用いて、問題カード1の問題文におけるトラブルの事例に対して、教育対象者自身がどのように対処するかを表明し、他の教育対象者および教育対象者を指導する指導者と議論することで、SNSにおけるトラブルに対する対応策について理解を深めることができる。
【0067】
また、問題カード1の問題文に対しては、YES(賛成)またはNO(反対)で回答可能である。SNSにおけるトラブルの対応に関しては、明確な判断基準が確立しておらず、利用者のモラルに頼る面が大きい。そのため、教育対象者も、SNSにおけるトラブルの対応策について、意見がまとまらず、思うような意見を表明しにくい場合が考えられる。特に、教育対象者が若年層(小学生など)であれば、知識が未熟なことが多く、意見を表明しにくい場合が多い。そこで、問題カードの問題文に対しては、賛成または反対で回答可能となっている。このため、教育対象者が若年層(例えば、小学生)などであったとしても、回答可能であり、意見を表明しやすい。
【0068】
また、教育対象者は、問題カード1の問題文に記載されたSNSにおけるトラブルの事例を読んだ上で、解説カード2の解説文を読むことで、SNSにおけるトラブルに対する具体的な対応策を学ぶことができる。
【0069】
また、問題カード1は、問題文の種別である問題種別に応じて、表面のレイアウトが異なる。これにより、SNSを巡るトラブルが発生したときに、教育対象者は、本カードセットで学んだ対応策を想起しやすい。あるいは、教育対象者はSNSを巡るトラブルの発生を予想して、そのようなトラブルを未然に防ぐことができる。
【0070】
また、問題カード1は、問題種別が、“対人トラブル”(対人関係に関するトラブル)である問題カード11(第1問題カード)と、問題種別が、“個人情報”(個人情報に関するトラブル)である問題カード12(第2問題カード)とを含む。
【0071】
この構成によると、教育対象者が問題カードに記載されたトラブルの事例と、問題カードのレイアウトとを紐づいて記憶しやすいように、問題カードのレイアウトは、問題種別に応じたものとなっている。これにより、教育対象者が、本カードセットを用いて種々のトラブルの事例を学ぶ際、各事例の特徴を印象づけて記憶することができる。このため、教育対象者は、実際にSNSにおいてトラブルが発生したときに、問題カードに記載された内容を思い出して、トラブルに対処できる。また、教育対象者は、SNSにおけるトラブルを未然に防ぐことができる。
【0072】
また、YESカード3およびNOカード4は、スマートフォン端末と略同一の大きさである。これにより、教育対象者は、本カードセットの学習対象がSNSであることを把握しやすくなる。このため、教育対象者は、本カードセットに対して親しみを持ちやすくなるとともに、学習に取り組みやすくなる。
【0073】
また、YESカード3およびNOカード4は、裏面側から表面に記載された文言を視認できないように形成されている。これにより、教育対象者が、賛成カードまたは反対カードを用いて回答をする際に、賛成カードまたは反対カードの裏面を上に向けて置くことで、他の教育対象者から、当該教育対象者が置いたカードが賛成カードおよび反対カードのいずれであるかを視認できなくなる。このため、教育対象者が他の教育対象者の回答に惑わされずに自己の意見を表明することができる。
【0074】
なお、上記実施形態では、問題カード1(解説カード2)の問題種別(解説種別)として“対人トラブル”および“個人情報”を例にして説明したが、これに限られない。問題カード1(解説カード2)の問題種別(解説種別)は、SNSに関するトラブルであれば、どのようなものであってもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、賛成カードの一例としてYESカード3を例にして説明したが、賛成カードはこれに限られない。賛成カードは、「はい」、「賛成」、「承諾」など、賛成を示す文言が記載されていればよい。
【0076】
また、上記実施形態では、反対カードの一例としてNOカード4を例にして説明したが反対カードはこれに限られない。反対カードは、「いいえ」、「反対」、「拒否」など、反対を示す文言が記載されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上に説明したように、本発明は、教育対象者である若年層に対してSNSについて教育するために用いることができるので、有用である。
【符号の説明】
【0078】
1 問題カード
11 問題カード(第1問題カード)
12 問題カード(第2問題カード)
112,122 問題文
114,124 問題種別
2,21,22 解説カード
212,222 解説文
214,224 解説種別
3 YESカード(賛成カード)
4 NOカード(反対カード)