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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175275
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】監視装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/30 20060101AFI20241211BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20241211BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20241211BHJP
   H02J 9/06 20060101ALN20241211BHJP
【FI】
G06F1/30
G06F1/30 305
F25D11/00 101E
F25D23/00 301Z
H02J9/06 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092934
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】松野 博和
(72)【発明者】
【氏名】木村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 源太郎
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
5B011
5G015
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045LA15
3L045LA16
3L045MA02
3L045MA20
3L045PA02
3L045PA03
3L345AA03
3L345AA26
3L345HH06
3L345KK01
3L345KK02
3L345KK03
5B011DA01
5B011DA03
5B011EA10
5B011EB02
5B011GG10
5B011JA02
5B011JA03
5B011JB03
5B011JB07
5B011KK02
5B011MB12
5B011MB17
5G015FA16
5G015GA04
5G015JA32
5G015JA52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ネットワークで接続されたショーケース等の冷却装置の状態の監視等を行い、復電のタイミングに関わらず適切に再起動させる監視装置を提供する。
【解決手段】監視装置である上位制御機器1は、外部電源(AC100V電源)またはUPS3から電力供給を受けて、内部へ電力供給する電源制御回路2と、ネットワークで接続された複数の制御機器等と通信する通信部6と、通信部6から受信した温度を含む計測データに基づいて複数の制御機器等を監視するプログラム44及びプログラム44の動作状態を監視する監視プロセス51が動作する制御部5と、電力の供給元が外部電源かUPSかを示す電源状態フラグ42と、シャットダウン後に上位制御機器1の再起動の要否を示す再起動フラグ41と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源または無停電電源装置から電力供給を受けて、内部へ電力供給する電源制御部と、
ネットワークで接続された複数の冷却装置と通信する通信部と、
前記通信部が前記複数の冷却装置から受信した少なくとも温度を含む情報に基づいて前記複数の冷却装置を監視するコンピュータプログラム及び、前記コンピュータプログラムの動作状態を監視する監視プログラムが動作する制御部と、
電力の供給元が前記外部電源か前記無停電電源装置かを示す電源状態フラグと、
シャットダウン後に自装置の再起動の要否を示す再起動フラグと、
を備え、
前記監視プログラムは、前記電源状態フラグが前記無停電電源装置から電力供給されていることを示している場合は、前記コンピュータプログラムを終了させ、前記コンピュータプログラム終了後前記シャットダウンを実行するとともに前記再起動フラグをセットし、
前記電源制御部は、前記シャットダウン中に前記電源状態フラグが前記外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合かつ前記再起動フラグがセットされている場合は、前記シャットダウン終了後に前記自装置を再起動する、
ことを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記監視プログラムは、前記コンピュータプログラムの終了中に前記電源状態フラグが前記外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、前記コンピュータプログラムの終了後に前記コンピュータプログラムの再起動をすることを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記監視プログラムは、前記電源状態フラグが前記無停電電源装置から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、当該変化から所定時間経過後に前記コンピュータプログラムの終了指示を行うことを特徴とする請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記監視プログラムは、前記電源状態フラグが前記無停電電源装置から電力供給されていることを示す状態に変化した後に、前記所定時間内に前記電源状態フラグが前記外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、前記コンピュータプログラムの終了指示を行わないことを特徴とする請求項3に記載の監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークで接続されたショーケース等の冷却装置の状態の監視等を行う監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)により、原材料の入荷から製造・出荷の各工程における、被調理物の温度計測を行い、記録を行うなど食品の安全を確保することが義務づけられている。このような温度の記録を保存するために、監視装置内に収集したデータを上位サーバへ送付する通信手段を設けたり、一定時間(例えば5分毎)ごとに記録を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
各種計測データをSSD(Solid State Drive)やハードディスク等に保存(記録)して運用するシステムにおいて、計測データをSSD等へ書込み中に停電等が発生した場合、タイミングによりファイル破損が発生する場合がある。また、状況によってはシステムファイルが損傷し起動不具合が発生する場合もある。
【0004】
上記のような停電時の対策としてはUPS(無停電電源装置)を利用することが多い。UPSにより停電後もバッテリによりシステムが停止しない為、各種アプリケーションプログラムを終了させた後、OS(オペレーティングシステム)がシャットダウンして自動的にシステムが停止する。その後に復電した場合は、商用電源等の外部電源が供給されるため、自動的に電源投入されOSが起動し、続いてアプリケーションプログラムが起動して稼働状態になる。しかし、シャットダウン中に復電した場合は、シャットダウン中にバッテリから外部電源に切替わるため、シャットダウンが終了してシステムが停止した後、自動的に電源が投入されず稼働状態にならない場合があった。
【0005】
シャットダウン中に復電した場合に自動的に電源が投入されない問題に対しては、例えば特許文献2に記載の発明が提案されている。特許文献2には、主電源の電力供給が停止し、かつ、CPU回路に対する電源ユニットの電力供給が停止した場合、ワンショットパルス信号を生成する。電源オン制御回路は、ワンショットパルス信号が入力された場合に、CPU回路に対する電力供給を開始させるための起動信号を生成し再起動を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-121909号公報
【特許文献2】特開2011-186804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載された発明の場合、再起動を行うトリガとして、ワンショットパルス信号を生成する必要があり、ハードウェアの改良が必要となる。そのため、既存の装置に適用するのは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、復電のタイミングに関わらず適切に再起動できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、外部電源または無停電電源装置から電力供給を受けて、内部へ電力供給する電源制御部と、ネットワークで接続された複数の冷却装置と通信する通信部と、前記通信部が前記複数の冷却装置から受信した少なくとも温度を含む情報に基づいて前記複数の冷却装置を監視するコンピュータプログラム及び、前記コンピュータプログラムの動作状態を監視する監視プログラムが動作する制御部と、電力の供給元が前記外部電源か前記無停電電源装置かを示す電源状態フラグと、シャットダウン後に自装置の再起動の要否を示す再起動フラグと、を備え、前記監視プログラムは、前記電源状態フラグが前記無停電電源装置から電力供給されていることを示している場合は、前記コンピュータプログラムを終了させ、前記コンピュータプログラム終了後前記シャットダウンを実行するとともに前記再起動フラグをセットし、前記電源制御部は、前記シャットダウン中に前記電源状態フラグが前記外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合かつ前記再起動フラグがセットされている場合は、前記シャットダウン終了後に前記自装置を再起動する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外部電源からの電力供給が停止していることを示している場合は、シャットダウンさせる際に再起動フラグをセットするため、電源制御部は、再起動フラグを参照することで電源投入を行って再起動させることができる。したがって、復電のタイミングに関わらず適切に再起動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態にかかる監視装置を備えるシステムの概略構成図である。
図2図1に示された上位制御機器のブロック図である。
図3図2に示された上位制御機器の動作パターン1のタイミングチャートである。
図4図2に示された上位制御機器の動作パターン2のタイミングチャートである。
図5図2に示された上位制御機器の動作パターン3のタイミングチャートである。
図6図2に示された上位制御機器の動作パターン4のタイミングチャートである。
図7図2に示された上位制御機器の動作パターン5のタイミングチャートである。
図8図2に示された上位制御機器のシャットダウン処理のフローチャートである。
図9図2に示された上位制御機器のシャットダウン終了後の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態に係る監視装置を説明する。図1は、本実施形態にかかる監視装置を備える監視システムの概略構成図である。
【0013】
図1に示した監視システム100は、上位制御機器1と、クラウドサーバ10と、制御機器1_11、制御機器2_12、制御機器n_1nと、冷却装置1_21、冷却装置2_22、冷却装置n_2nと、を備えている。
【0014】
クラウドサーバ10と上位制御機器1とはネットワークN1で接続されている。ネットワークN1は有線でもよいし無線でもよい。また、上位制御機器1と制御機器1_11、制御機器2_12、制御機器n_1nとはネットワークN2で接続されている。ネットワークN2は、図1では所謂デイジーチェーン接続となっているがバス接続であってもよいし、無線で接続してもよい。
【0015】
上位制御機器1は、後述する制御機器1_11、制御機器2_12、制御機器n_1nが収集した温度等の計測データをネットワークN2を介して受信し、蓄積する。そして、蓄積した計測データは、例えば1日1回等の所定のタイミングでクラウドサーバ10へ送信する。上位制御機器1の詳細については後述する。
【0016】
クラウドサーバ10は、上位制御機器1から送信された計測データを蓄積する。
【0017】
制御機器1_11は、冷却装置1_21と接続されている。制御機器1_11は、冷却装置1_21で計測された温度等の計測データを収集し、ネットワークNを介して上位制御機器1へ送信する。制御機器2_12、制御機器n_1nも制御機器1_11と同様の構成であり、接続される冷却装置が異なるのみである。
【0018】
冷却装置1_21は、ショーケース等の冷蔵機器、冷凍機器といった冷凍サイクルシステムを有する装置である。冷却装置1_21は、ショーケース等の庫内の温度等を計測する計測手段を有し、計測手段により計測された計測データを制御機器1_11に出力する。冷却装置1_22、冷却装置n_2nも冷却装置1_21と同様の構成であり、接続される制御機器が異なるのみである。
【0019】
図2に上位制御機器1のブロック図を示す。上記制御機器1は、電源制御回路2と、UPS3と、不揮発性メモリ4と、制御部5と、通信部6、7と、タッチパネル8と、を備えている。上位制御機器1は、例えばFA(Factory Automation)用のパネルコンピュータで構成することができる。また、上記制御機器1は本実施形態にかかる監視装置として機能する。
【0020】
電源制御回路2は、例えば商用電源等の外部電源(AC100V)が供給されて、直流に変換後所定の電圧を内部の各ブロックに供給する。この外部電源は、UPS3以外の監視システム100の外部にあって電力を供給する電源である。また、外部電源が停電した場合は、UPS3からの電力供給に切り替えて内部の各ブロックに供給する。即ち、電源制御回路2は、外部電源またはUPS3から電力供給を受けて、内部へ電力供給する電源制御部として機能する。また、電源制御回路2は、電力の供給元が外部電源かUPS3かを示す電源状態フラグ42を電力供給状態に応じてセットする。
【0021】
UPS3は、周知の無停電電源装置であり、外部電源から電力供給されているときは内蔵バッテリが充電される。一方で外部電源が停電した場合は、内蔵バッテリにより電源制御回路2を介して上記制御機器1の内部へ電力供給する。なお、本実施形態では、UPS3は上位制御機器1に内蔵されているが、上位制御機器1の外付けとしてもよい。
【0022】
不揮発性メモリ4は、OS(オペレーティングシステム)43、プログラム44、計測データ45等が格納されている。OS43は、周知のようにコンピュータにおいて基本的な機能を担うソフトウェア(コンピュータプログラム)である。本実施形態では、OS43は、後述する制御部5を構成するマイクロプロセッサ上で動作する。
【0023】
プログラム44は、通信部6が受信した計測データ45に基づいて冷却装置1_21等を監視するコンピュータプログラムである。プログラム44は、OS43と同様に制御部5を構成するマイクロプロセッサ上で動作する。プログラム44は、制御機器1_11等から通信部6が受信した計測データ45を不揮発性メモリ4に格納したり、不揮発性メモリ4に蓄積した計測データ45を通信部7にクラウドサーバ10へ送信させるといった機能を有する。また、プログラム44は、計測データ45に基づいて各種警報等を通知してもよい。
【0024】
計測データ45は、上記したように制御機器1_11等から受信した温度等のデータであり、クラウドサーバ10へ送信されるまで一時的に不揮発性メモリ4に蓄積される。
【0025】
また、不揮発性メモリ4には、再起動フラグ41と、電源状態フラグ42と、が設定されている。再起動フラグ41は、OS43のシャットダウン後に自装置である上位制御機器1の再起動の要否を示すフラグであり、後述する監視プロセス51によりセットされる。電源状態フラグ42は、電力の供給元が外部電源かUPS3かを示すフラグであり、電源制御回路2によりセットされる。
【0026】
制御部5は、上位制御機器1の全体制御を司る。制御部5は、例えばマイクロプロセッサやRAM(Random Access Memory)等を有する。制御部5は、上記したOS43やプログラム44等が実行される。また、制御部5は、監視プロセス51が実行される。
【0027】
監視プロセス51は、OS43の一部または独立したコンピュータプログラムとして構成されている。即ち、監視プロセス51は、コンピュータプログラムの動作状態を監視する監視プログラムとして機能する。監視プロセス51は、OS43やプログラム44の動作状態を監視するとともに、OS43のシャットダウンやプログラム44の終了及び再起動等の指示等を行う。
【0028】
通信部6は、ネットワークN2と接続され、制御機器1_11、制御機器2_12、制御機器n_1n、つまりネットワークN2で接続された複数の冷却装置と通信する。本実施形態では、制御機器1_11等は、冷却装置2_21等と別体に構成されているが、一体であってもよく、実質的には、制御機器1_11等は、冷却装置2_21等の一部と見なすことができる。通信部6は、上記した計測データ45として不揮発性メモリ4に格納するデータを受信する。
【0029】
通信部7は、ネットワークN1と接続され、クラウドサーバ10と通信する。通信部7は、不揮発性メモリ4に蓄積された計測データ45等をクラウドサーバ10に送信する。
【0030】
タッチパネル8は、液晶ディスプレイ等の表示装置表面に重ねられた周知の入力装置である。タッチパネル8は、操作者の手指等で画面をタッチすることで各種操作を行う。また、タッチパネル8は、プログラム44が発した警報等を表示してもよい。なお、入力装置としては、タッチパネル8に代えて、キーボードやマウスを備えるようにしてもよい。
【0031】
次に、上述した構成の上位制御機器1の動作について図3図7を参照して説明する。図3は、動作パターン1としてシャットダウン終了後に復電した場合を示したタイミングチャートである。図3図7においては、電源状態と、電源状態フラグ42と、アプリ終了指令と、再起動フラグ41と、シャットダウンコマンドと、機器動作と、が表示されている。
【0032】
電源状態は、上位制御機器1に対する電力供給元を示すものであり、AC(外部電源)の場合はHigh、バッテリ(UPS3)の場合はLowとしている。アプリ終了指令は、監視プロセス51がプログラム44に対して終了を指示する指令である。シャットダウンコマンドは、監視プロセス51がOS43に対してシャットダウンを指示する指令である。機器動作は、上位制御機器1の動作状態を示すものであり、例えば上位制御機器1の状態遷移として制御部5等で保持されるものである。
【0033】
図3において、時刻t11に外部電源からの電力供給が停止し、停電が発生したとする。すると、電源状態は外部電源からバッテリ(UPS3)に切り替わる。そして、上位制御機器1はUPS3からの電力供給により動作が継続する。時刻t11では、電源制御回路2が電源状態に合わせて電源状態フラグ42を“0”から“1”に変化させる。
【0034】
次に、時刻t11から所定時間経過した時刻t12に、監視プロセス51はプログラム44を強制終了させる指令を出力する(図中(1))。プログラム44の強制終了指令出力後は、監視プロセス51はプログラム44にかかるプロセスの終了を待つ(図中(2))。ここで、時刻t11~t12の間は瞬停対策として設定された期間である。瞬停対策については動作パターン5で説明する。
【0035】
即ち、監視プロセス51(監視プログラム)は、電源状態フラグ42がUPS3から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、当該変化から所定時間経過後にプログラム44の終了指示を行っている。
【0036】
次に、監視プロセス51は、時刻t13でプログラム44にかかるプロセスの終了が検出されると、再起動フラグ41を “1”にする(セットする)。そして、再起動フラグ41のセットとともに、監視プロセス51は、シャットダウンコマンドを出力し、OS43のシャットダウンを行う。すると、時刻t14で機器動作が「稼働中」から「シャットダウン」に変化する。そして、シャットダウンが終了すると上位制御機器1の電源が落ちて機器動作は「停止」に変化する。
【0037】
即ち、監視プロセス51(監視プログラム)は、電源状態フラグ42がUPS3から電力供給されていることを示している場合は、プログラム44を終了させ、プログラム44終了後シャットダウンを実行するとともに再起動フラグをセットしている。
【0038】
次に、上位制御機器1が停止後の時刻t15に外部電源からの電力供給が復帰(復電)すると、電源制御回路2は、電源状態フラグ42を“1”から“0”に変化させるとともに、再起動フラグ41を参照する。時刻t15では再起動フラグ41は“1”であるので、電源制御回路2は、再起動を行い上位制御機器1の電源を投入してOS43を起動させるとともに、再起動フラグ41を“0”にする(クリアする)。すると、機器動作は「起動」に変化する。
【0039】
次に、動作パターン2としてシャットダウン中に復電した場合を図4のタイミングチャートを参照して説明する。図4において、時刻t21~t24までは、図3の時刻t11~t14と同様である。そして、シャットダウン中の時刻t25に復電すると、電源制御回路2は、電源状態フラグ42を“1”から“0”に変化させる。但し、時刻t25は、シャットダウン中であり、機器動作がシャットダウン状態であるので、直ちに再起動等は行わず、シャットダウン終了を待つ。
【0040】
次に、時刻t26で電源制御回路2はシャットダウン終了を検出すると、再起動フラグ41参照する。時刻t26では再起動フラグ41は“1”であるので、電源制御回路2は、再起動を行い上位制御機器1の電源を投入してOS43を起動させるとともに、再起動フラグ41を“0”にする。すると、機器動作は「再起動」に変化する。その後再起動が終了すると、機器動作は「稼働中」となる。
【0041】
即ち、電源制御回路2(電源制御部)は、シャットダウン中に電源状態フラグ42が外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合かつ再起動フラグ41がセットされている場合は、シャットダウン終了後、上位制御機器1を再起動している。
【0042】
次に、動作パターン3としてプロセス終了待ち中に復電した場合を図5のタイミングチャートを参照して説明する。図5において、時刻t31~t32までは、図3の時刻t11~t12と同様である。そして、プロセス終了中の時刻t33に復電すると、電源制御回路2は、電源状態フラグ42を“1”から“0”に変化させる。但し、時刻t33は、プロセス終了中であるので、その完了を待つ。
【0043】
次に、時刻t34で、監視プロセス51がプロセスの終了を検出すると、アプリ(プログラム44)を再起動する。すると、機器状態は「プロセス再起動」に変化し、再起動が完了すると「稼働中」に変化する。つまり、図5の動作パターン3ではOS43の再起動を伴わない。
【0044】
即ち、監視プロセス51(監視プログラム)は、プログラム44の終了中に電源状態フラグ42が外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、プログラム44の終了後にプログラム44の再起動をしている。
【0045】
次に、動作パターン4として強制終了指令をセット中に復電した場合を図6のタイミングチャートを参照して説明する。図6において、時刻t41~t42までは、図3の時刻t11~t12と同様である。そして、強制終了指令のセット中(出力中)の時刻t43に復電すると、電源制御回路2は、電源状態フラグ42を“1”から“0”に変化させる。そして、監視プロセス51は、プログラム44を再起動する。図6においては、強制終了指令の出力中であるので、プロセスの終了を待たずに直ちに再起動させる。すると、機器状態はプロセス再起動に変化し、再起動が完了すると稼働中に変化する。つまり、図6の動作パターン4もOS43の再起動を伴わない。
【0046】
次に、動作パターン5として瞬停対策期間内(強制終了指令をセットする前)に復電した場合を図7のタイミングチャートを参照して説明する。図7において、時刻t51は、図3の時刻t11と同様である。そして、瞬停対策期間内である時刻t51から所定時間経過前のt52に復電すると、監視プロセス51は、所定時間経過前であるのでプログラム44の強制終了指令を出力しない。したがって、プログラム44も含め上位制御機器1は動作を継続する。瞬停のような瞬間的な停電の場合は、極めて短時間に外部電源が復帰するため、プログラム44やOS43の再起動をするまでもない。そこで、図7等に示した瞬停対策期間を設定し、不要な再起動を防止している。瞬停対策期間の所定時間は例えば6秒程度とすることができるが適宜変更してもよい。
【0047】
即ち、監視プロセス51(監視プログラム)は、電源状態フラグ42がUPS3から電力供給されていることを示す状態に変化した後に、所定時間内に電源状態フラグ42が外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、プログラム44の終了指示を行わないようにしている。
【0048】
次に、上述した構成の上位制御機器1のシャットダウン処理について図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
まず、監視プロセス51は、電源状態フラグ42がAC電源(外部電源)を示しているか判定する(ステップS1)。ステップS1の判定の結果、AC電源である場合は(ステップS1:Yes)、瞬停タイマをクリアする(ステップS2)。瞬停タイマとは、上記した瞬停対策期間である所定時間を計時するタイマであり、例えば制御部5が有し、監視プロセス51が動作させる。
【0050】
次に、監視プロセス51は、自身が有する変数である電源ステータスに「AC」を代入する。つまり、監視プロセス51は現在外部電源から電力供給されていると認識する。
【0051】
一方、ステップS1の判定の結果、AC電源でない場合は(ステップS1:No)、監視プロセス51は、瞬停タイマがタイムアップ(UP)したか判定する。つまり、停電発生(UPS3から電力供給開始後)後所定時間経過したか判定している。ステップS4の判定の結果、瞬停タイマがUPした場合は(ステップS4:Yes)、監視プロセス51は、停電確定として電源ステータスに「UPS」を代入する(ステップS5)。つまり、監視プロセス51は現在UPS3から電力供給されていると認識する。また、ステップS4の判定の結果、瞬停タイマがUPしていない場合は(ステップS4:No)、監視プロセス51は、瞬停タイマを更新する(ステップS6)。
【0052】
次に、監視プロセス51は、電源ステータスを参照して「UPS」であるか判定する(ステップS7)。ステップS7の判定の結果、電源ステータスが「UPS」である場合は(ステップS7:Yes)、プログラム44に強制終了を通知(指示)する(ステップS8)。なお、この強制終了通知は、電源ステータスが「AC」から「UPS」に変化して初めてステップS8が実行された1回のみとする。これは、本ステップは、ループによって複数回実行される場合があるので、何度も強制終了通知を行わないようにするためである。
【0053】
次に、監視プロセス51は、全プロセスが終了したか判定する(ステップS9)。全プロセスとは、プログラム44にかかるプロセスの全てである。プログラム44が複数のプロセスからなる場合は、プログラム44を終了させる場合は複数のプロセスを全て終了させる必要があるし、プログラム44が複数のプログラムからなる場合は、複数のプログラムそれぞれの全プロセスを終了させる必要がある。
【0054】
次に、監視プロセス51は、再起動フラグ41をセットし(ステップS10)、OSシャットダウンコマンドを実行する(ステップS11)。すると、OS43がシャットダウンし、上位制御機器1の電源が落ちる。
【0055】
一方、ステップS7の判定の結果、電源ステータスが「AC」である場合は(ステップS7:No)、監視プロセス51は、電源ステータスが「UPS」から「AC」に変化した直後であるか判定する(ステップS12)。ステップS12では、電源ステータスが「UPS」から「AC」に変化した直後、つまり、復電を検出したか判定している。
【0056】
ステップS12の判定の結果、復電したことが検出された場合は(ステップS12:Yes)、監視プロセス51は、プログラム44を再起動する(ステップS13)。ステップS13においては、プロセス終了中の場合は終了後再起動する。
【0057】
ステップS11でOSシャットダウンコマンドを実行し、シャットダウン終了後は、図9のフローチャートを実行する。まず、電源制御回路2は、外部電源から電力供給されているか判定する(ステップS21)。ステップS21の判定の結果、UPS3から電力供給されている場合は(ステップS21:No)、例えば作業者等が電源をOFFした、あるいは停電中であるとして、電源制御回路2は、そのままシャットダウン状態を継続させ上位制御機器1を起動しない。
【0058】
一方、ステップS21の判定の結果、外部電源から電力供給されている場合は(ステップS21:Yes)、電源制御回路2は、再起動フラグ41がセットされているか判定する(ステップS22)。ステップS22の判定の結果、再起動フラグ41がセットされていない場合は(ステップS22:No)、例えば作業者等が手動でアプリ(プログラム44)を終了操作したとして、電源制御回路2は、上位制御機器1の再起動は行わない。
【0059】
次に、ステップS22の判定の結果、再起動フラグ41がセットされている場合は(ステップS22:Yes)、再起動フラグ41をクリアし(ステップS23)、電源を投入してOS43を再起動させる(ステップS24)。OS43が再起動すると監視プロセス51も起動し、アプリ(プログラム44)も起動する(ステップS25)。そして、アプリ稼働中へ移行する。
【0060】
上記フローチャートの動作を図3図7で説明する。図3の場合は、停電前は、ステップS1、S2、S3、S7、S12、S1のループを繰り返す、停電して瞬停対策期間中は、ステップS1、S4、S6、S7、S12、S1のループを繰り返す。ここで、瞬停対策期間中にステップS7からS12へ遷移するのは、電源状態フラグ42がバッテリであっても、電源ステータスはステップS5未実行によりUPSに変化していないためである。瞬停対策期間が経過すると、ステップS1、S4、S5、S7、S8、S9、S1のループを繰り返す。全プロセスが終了すると、ステップS1、S4、S5、S7、S8、S9、S10、S11と実行される。図3のシャットダウン後は、復電するまではステップS21を繰り返し、復電後は、ステップS21~S25を実行する。
【0061】
図4の場合は、シャットダウンまでは図3と同じである。シャットダウン後は、既に復電しているので、ステップS21~S25を順次実行する。
【0062】
図5図6の場合は、瞬停対策期間中までは図3と同じである。瞬停対策期間が経過すると、ステップS1、S4、S5、S7、S8、S9、S1のループを繰り返すが、そのループの最中に復電すると、ステップS1、S2、S3、S7、S12、S13、S1と遷移する。
【0063】
図7の場合は、停電前は図3と同じである。停電して瞬停対策期間中は、ステップS1、S4、S6、S7、S12、S1のループを繰り返すが、その最中に復電すると、ステップS1、S2、S3、S7、S12、S1の停電前のループに戻る。
【0064】
本実施形態によれば、上位制御機器1は、外部電源またはUPS3から電力供給を受けて、内部へ電力供給する電源制御回路2と、ネットワークN2で接続された複数の制御機器1_11等と通信する通信部6と、通信部6から受信した温度を含む計測データに基づいて複数の制御機器1_11等を監視するプログラム44及び、プログラム44の動作状態を監視する監視プロセス51が動作する制御部5と、を備えている。さらに、上位制御機器1は、電力の供給元が外部電源かUPSかを示す電源状態フラグ42と、シャットダウン後に上位制御機器1の再起動の要否を示す再起動フラグ41と、を備えている。そして、監視プロセス51は、電源状態フラグ42がUPS3から電力供給されていることを示している場合は、プログラム44を終了させ、プログラム44終了後シャットダウンを実行するとともに再起動フラグ41をセットする。そして、電源制御回路2は、シャットダウン中に電源状態フラグ42が外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合かつ再起動フラグ41がセットされている場合は、シャットダウン終了後、上位制御機器1を再起動する。
【0065】
上位制御機器1を上記のように構成することにより、外部電源からの電力供給が停止していることを示している場合は、シャットダウンさせる際に再起動フラグ41をセットするため、電源制御回路2は、再起動フラグ41を参照することで電源投入を行って再起動させることができる。したがって、復電のタイミングに関わらず適切に再起動することができる。
【0066】
また、監視プログラム51は、プログラム44の終了中に電源状態フラグ42が外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、プログラム44の終了後にプログラム44の再起動をしている。このようにすることにより、プログラム44が終了中に復電した場合は、シャットダウンまで行う必要が無く、短時間で稼働状態に復帰することができる。
【0067】
また、監視プログラム51は、電源状態フラグ42がUPS3から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、当該変化から所定時間経過後にプログラム44の終了指示を行っている。このようにすることにより、瞬停ではない停電であることを確定させてからプログラム44の再起動等を実行することができる。
【0068】
また、監視プログラム51は、電源状態フラグ42がUPS3から電力供給されていることを示す状態に変化した後に、所定時間内に電源状態フラグ42が外部電源から電力供給されていることを示す状態に変化した場合は、プログラム44の終了指示を行わない。このようにすることにより、瞬停が発生した際に、プログラム44の再起動等を行う必要が無く、稼働状態を維持することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の監視装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
1 上位制御機器(監視装置)
2 電源制御回路(電源制御部)
3 UPS
4 不揮発性メモリ
41 再起動フラグ
42 電源状態フラグ
44 プログラム(コンピュータプログラム)
5 制御部
51 監視プロセス51(監視プログラム)
6 通信部
11 制御機器(冷却装置)
12 制御機器(冷却装置)
1n 制御機器(冷却装置)
N2 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9