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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017529
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/213 20120101AFI20240201BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65B9/213
B65B57/00 A
B65B57/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120224
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】窪井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】折原 直人
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA03
3E050AA04
3E050AA08
3E050AB02
3E050AB08
3E050CA02
3E050CB03
3E050CB09
3E050DC02
3E050DD03
3E050DF01
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050GB06
3E050HA01
3E050HA02
3E050HA03
3E050HB08
(57)【要約】
【課題】包装フィルムの幅寸法が変更された場合における作業の効率化を図る上で有利な製袋充填包装機を提供する。
【解決手段】包装フィルム10の幅方向における継ぎ目検出部40の位置調整を行なう検出部位置調整機構42を設け、識別情報取得部66で取得された識別情報に対応する継ぎ目検出位置を記憶部48の対応情報から特定すると共に、特定した継ぎ目検出位置に基づいて検出部位置調整機構42を制御して継ぎ目検出部40を継ぎ目検出位置に位置調整するようにした。継ぎ目検出位置は、当該包装フィルム10の継ぎ目18、すなわち、包装フィルム10の裏面12Bに折り返された接着テープ20の部分20Aが継ぎ目検出部40により検出可能となる位置である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィルムが継ぎ目を介して連結された包装フィルムを充填筒に筒状に折り曲げるフォーマと、
前記筒状に折り曲げられた前記包装フィルムの幅方向の両端を接合して筒状フィルムを形成する縦シール機構と、
前記充填筒に所定量の製品を落下させる計量機と、
前記充填筒の下方に配置され前記筒状フィルムの長手方向の端部を接合して上部が開放された袋体を形成すると共に前記充填筒から落下された前記製品を収容した前記袋体の上部を接合して前記製品が封入された袋体を形成する横シール機構と、
前記製品が封入された袋体の上部を切断し前記上部が開放された袋体に対して前記製品が封入された袋体からなる包装袋を切り離す切断部と、
前記包装フィルムの搬送方向において前記フォーマよりも上流の箇所で前記包装フィルムの前記継ぎ目を検出する継ぎ目検出部と、
前記継ぎ目検出部から供給される第1継ぎ目検出信号に基づいて、少なくとも前記継ぎ目を含む前記包装袋を不良品として扱う制御を行なう制御部と、
を備える製袋充填包装機であって、
前記継ぎ目検出部を前記包装フィルムの幅方向に移動可能に支持すると共に、前記継ぎ目検出部を前記包装フィルムの幅方向に移動させ前記包装フィルムの幅方向における前記継ぎ目検出部の位置を調整する検出部位置調整機構と、
前記継ぎ目検出部による前記継ぎ目の検出が可能となる前記継ぎ目検出部の前記位置を継ぎ目検出位置としたとき、幅方向の寸法が異なる前記包装フィルムを識別するための識別情報と前記継ぎ目検出位置とを対応付けた対応情報を記録する記憶部と、
前記識別情報を取得する識別情報取得部とを備え、
前記制御部は、前記識別情報取得部で取得された前記識別情報に対応する前記継ぎ目検出位置を前記記憶部の前記対応情報から特定すると共に、特定した前記継ぎ目検出位置に基づいて前記検出部位置調整機構を制御して前記継ぎ目検出部を前記継ぎ目検出位置に位置調整する、
ことを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項2】
前記包装袋は、単一の前記袋体からなる単包袋であり、
前記制御部は、少なくとも前記継ぎ目を含む前記単包袋に前記製品が封入されないように前記計量機を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の製袋充填包装機。
【請求項3】
前記横シール機構により前記筒状フィルムの長手方向の端部が接合されることで横接合部が形成され、
前記包装袋は、複数の前記袋体が前記横接合部を介して連結される連包袋であり、
前記制御部は、前記継ぎ目を含む前記連包袋に前記製品が封入されないように前記計量機を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の製袋充填包装機。
【請求項4】
前記制御部は、前記製品が封入されない前記連包袋を形成するにあたって、前記複数の前記袋体を連結する前記横接合部を形成する第1モード、または、前記複数の前記袋体を連結する前記横接合部の形成を行わない第2モードで前記横シール機構を制御する、
ことを特徴とする請求項3記載の製袋充填包装機。
【請求項5】
設定操作に基づいて前記制御部の前記第1モードまたは前記第2モードを設定するモード設定部を備える、
ことを特徴とする請求項4記載の製袋充填包装機。
【請求項6】
前記包装フィルムは、その幅方向の端部にその長手方向に一定の間隔をおいてレジマークが形成され、
前記充填筒上でかつ前記フォーマの直後の箇所に前記レジマークを検出するレジマーク検出部が設けられ、
前記制御部は、前記レジマーク検出部から供給されるレジマーク検出信号に基づいて、前記フィルム送り機構と前記計量機と前記縦シール機構と前記横シール機構と前記切断部を制御する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の製袋充填包装機。
【請求項7】
前記レジマーク検出部は、前記継ぎ目を検出した場合に前記継ぎ目に対応する第2継ぎ目検出信号を前記制御部に供給し、
前記制御部は、同一の前記継ぎ目に対応する前記第1継ぎ目検出信号と前記第2継ぎ目検出信号との双方が検出された場合に、前記継ぎ目検出部の位置が正常であると判定し、前記第1継ぎ目検出信号が検出されず前記第2継ぎ目検出信号が検出された場合に、前記継ぎ目検出部の位置が異常であると判定する、
ことを特徴とする請求項6記載の製袋充填包装機。
【請求項8】
前記継ぎ目は、前記フィルムの長手方向の端部どうしが接着テープで接続されて構成され、かつ、前記接着テープは、前記フィルムの表面の幅方向全長にわたって貼り付けられると共に前記フィルムの裏面の幅方向の両端部に折り返されて貼り付けられており、
前記継ぎ目検出部による前記継ぎ目の検出は、前記フィルムの裏面に折り返されて貼り付けられた前記接着テープの折り返し部分を検出することでなされ、
前記レジマーク検出部は、前記フィルムの表面に貼り付けられた前記接着テープの部分を検出することで前記継ぎ目を検出して前記継ぎ目に対応する第2継ぎ目検出信号を前記制御部に供給し、
前記制御部は、同一の前記継ぎ目に対応する前記第1継ぎ目検出信号と前記第2継ぎ目検出信号との双方が検出された場合に、前記継ぎ目検出部の位置が正常であると判定し、前記第1継ぎ目検出信号が検出されず前記第2継ぎ目検出信号が検出された場合に、前記継ぎ目検出部の位置が異常であるか、あるいは、前記接着テープの折り返し部分が異常であるかの何れかであると判定する、
ことを特徴とする請求項6記載の製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
製袋充填包装機は、充填筒、フォーマを備える充填筒ユニットと、フィルム供給機構、フィルム送り機構、縦シール機構、横シール機構を備える装置本体とを含んで構成されている。
充填筒の上部のホッパには計量機で測量された製品が間欠的に投入されていく。
フィルム供給機構からフォーマに供給された包装フィルムはフォーマにより充填筒の外周面に筒状に折り曲げられ、フィルム送り機構により充填筒の外周面上を下方に間欠的に移送されていく。
そして、縦シール機構により筒状に折り曲げられた包装フィルムの幅方向の両端が接合されて筒状フィルムとなり、横シール機構により筒状フィルムの長手方向の端部が接合されて切断され、充填筒から投入された製品が封入された袋体が製造されていく。
縦シール機構では、筒状フィルムの長手方向に細長の一対の縦シーラが、筒状フィルムの幅方向において離間接近する方向に往復直線運動される。
また、横シール機構では、筒状フィルムの長手方向の端部において、筒状フィルムの幅方向に細長の一対の横シーラが、筒状フィルムの幅方向と直交する方向において離間接近する方向に往復直線運動される。
すなわち、筒状フィルムの所定の位置で筒状フィルムの長さ方向の下部がシールされ、製品投入用ホッパから計量された製品がホッパを介して充填筒本体から、この下部がシールされた筒状フィルムの内部に投入される。
その後、フィルム送り機構により、筒状フィルムが所定の位置からその下方の位置に移送される。
下方の位置では、製品が投入された筒状フィルムの上部が横シール装置によりシールされ製品が封入された袋体が形成されると共に、その上方に位置する筒状フィルムの下部がシールされ、同時に、製品が封入された袋体が筒状フィルムから切り離される。
このようにして製袋充填包装機により製品が封入された袋体が形成されていく。
【0003】
ところで、フォーマに供給される包装フィルムは、複数のフィルムの長手方向の端部が継ぎ目を介して互いに連結されることで形成され、継ぎ目は、フィルムの長手方向の端部どうしが接着テープで接続されて構成されている。
包装フィルムのうち継ぎ目を含む部分によって形成された袋体は、不良品であるため、良品と区別して排除する必要がある。
そのため、従来は、包装フィルム(フィルム)の幅方向の端部に位置する接着テープの部分を検出して継ぎ目検出信号を生成する継ぎ目検出部を設け、継ぎ目検出信号に基づいて継ぎ目を含む袋体を不良品として特定し良品から排除するようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-321015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、袋体は種々のサイズがあるため、袋体のサイズに応じて幅が異なる複数種類の包装フィルムを選択して用いることになる。
それまで使用していた包装フィルムと異なる幅の包装フィルムによって袋体を製造する場合、包装フィルム(フィルム)の幅方向の端部の接着テープの部分の位置が変更されることから、包装フィルムの幅方向における継ぎ目検出部の位置を手作業によって調整する必要がある。
そのため、包装フィルムの幅方向の寸法が変更されるたびに、包装フィルムの幅方向における継ぎ目検出部の位置調整を煩雑な手作業で行なう必要があり、作業の効率化を図る上で改善の余地がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであった、本発明の目的は、包装フィルムの幅寸法が変更された場合における作業の効率化を図る上で有利な製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため本発明の一実施の形態は、複数のフィルムが継ぎ目を介して連結された包装フィルムを充填筒に筒状に折り曲げるフォーマと、前記筒状に折り曲げられた前記包装フィルムの幅方向の両端を接合して筒状フィルムを形成する縦シール機構と、前記充填筒に所定量の製品を落下させる計量機と、前記充填筒の下方に配置され前記筒状フィルムの長手方向の端部を接合して上部が開放された袋体を形成すると共に前記充填筒から落下された前記製品を収容した前記袋体の上部を接合して前記製品が封入された袋体を形成する横シール機構と、前記製品が封入された袋体の上部を切断し前記上部が開放された袋体に対して前記製品が封入された袋体からなる包装袋を切り離す切断部と、前記包装フィルムの搬送方向において前記フォーマよりも上流の箇所で前記包装フィルムの前記継ぎ目を検出する継ぎ目検出部と、前記継ぎ目検出部から供給される第1継ぎ目検出信号に基づいて、少なくとも前記継ぎ目を含む前記包装袋を不良品として扱う制御を行なう制御部と、を備える製袋充填包装機であって、前記継ぎ目検出部を前記包装フィルムの幅方向に移動可能に支持すると共に、前記継ぎ目検出部を前記包装フィルムの幅方向に移動させ前記包装フィルムの幅方向における前記継ぎ目検出部の位置を調整する検出部位置調整機構と、前記継ぎ目検出部による前記継ぎ目の検出が可能となる前記継ぎ目検出部の前記位置を継ぎ目検出位置としたとき、幅方向の寸法が異なる前記包装フィルムを識別するための識別情報と前記継ぎ目検出位置とを対応付けた対応情報を記録する記憶部と、前記識別情報を取得する識別情報取得部とを備え、前記制御部は、前記識別情報取得部で取得された前記識別情報に対応する前記継ぎ目検出位置を前記記憶部の前記対応情報から特定すると共に、特定した前記継ぎ目検出位置に基づいて前記検出部位置調整機構を制御して前記継ぎ目検出部を前記継ぎ目検出位置に位置調整することを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記包装袋は、単一の前記袋体からなる単包袋であり、前記制御部は、少なくとも前記継ぎ目を含む前記単包袋に前記製品が封入されないように前記計量機を制御することを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記横シール機構により前記筒状フィルムの長手方向の端部が接合されることで横接合部が形成され、前記包装袋は、複数の前記袋体が前記横接合部を介して連結される連包袋であり、前記制御部は、前記継ぎ目を含む前記連包袋に前記製品が封入されないように前記計量機を制御することを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記制御部は、前記製品が封入されない前記連包袋を形成するにあたって、前記複数の前記袋体を連結する前記横接合部を形成する第1モード、または、前記複数の前記袋体を連結する前記横接合部の形成を行わない第2モードで前記横シール機構を制御することを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、設定操作に基づいて前記制御部の前記第1モードまたは前記第2モードを設定するモード設定部を備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記包装フィルムは、その幅方向の端部にその長手方向に一定の間隔をおいてレジマークが形成され、前記充填筒上でかつ前記フォーマの直後の箇所に前記レジマークを検出するレジマーク検出部が設けられ、前記制御部は、前記レジマーク検出部から供給されるレジマーク検出信号に基づいて、前記フィルム送り機構と前記計量機と前記縦シール機構と前記横シール機構と前記切断部を制御することを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記レジマーク検出部は、前記継ぎ目を検出した場合に前記継ぎ目に対応する第2継ぎ目検出信号を前記制御部に供給し、前記制御部は、同一の前記継ぎ目に対応する前記第1継ぎ目検出信号と前記第2継ぎ目検出信号との双方が検出された場合に、前記継ぎ目検出部の位置が正常であると判定し、前記第1継ぎ目検出信号が検出されず前記第2継ぎ目検出信号が検出された場合に、前記継ぎ目検出部の位置が異常であると判定することを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記継ぎ目は、前記フィルムの長手方向の端部どうしが接着テープで接続されて構成され、かつ、前記接着テープは、前記フィルムの表面の幅方向全長にわたって貼り付けられると共に前記フィルムの裏面の幅方向の両端部に折り返されて貼り付けられており、前記継ぎ目検出部による前記継ぎ目の検出は、前記フィルムの裏面に折り返されて貼り付けられた前記接着テープの折り返し部分を検出することでなされ、前記レジマーク検出部は、前記フィルムの表面に貼り付けられた前記接着テープの部分を検出することで前記継ぎ目を検出して前記継ぎ目に対応する第2継ぎ目検出信号を前記制御部に供給し、前記制御部は、同一の前記継ぎ目に対応する前記第1継ぎ目検出信号と前記第2継ぎ目検出信号との双方が検出された場合に、前記継ぎ目検出部の位置が正常であると判定し、前記第1継ぎ目検出信号が検出されず前記第2継ぎ目検出信号が検出された場合に、前記継ぎ目検出部の位置が異常であるか、あるいは、前記接着テープの折り返し部分が異常であるかの何れかであると判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施の形態によれば、包装フィルムの幅方向における継ぎ目検出部の位置調整を行なう検出部位置調整機構を設け、識別情報取得部で取得された識別情報に対応する継ぎ目検出位置を記憶部の対応情報から特定すると共に、特定した継ぎ目検出位置に基づいて検出部位置調整機構を制御して継ぎ目検出部を継ぎ目検出位置に位置調整するようにした。したがって、従来のように、包装フィルムの幅方向の寸法が変更されるたびに、包装フィルムの幅方向における継ぎ目検出部の位置調整を煩雑な手作業で行なう必要がなく、包装フィルムの識別情報を設定するのみで足りるため、包装フィルムの幅寸法が変更された場合における作業の効率化を図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、包装袋が単包袋である場合、少なくとも継ぎ目を含む単包袋に製品が封入されないように計量機を制御するようにしたので、排除される不良品を空の単包袋として排除できるため、製品の無駄を防止できコスト削減を図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、包装袋が連包袋である場合、継ぎ目を含む連包袋に製品が封入されないように計量機を制御するようにしたので、排除される不良品を空の連包袋として排除できるため、製品の無駄を防止できコスト削減を図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、製品が封入されない連包袋を形成するにあたって、複数の袋体を連結する横接合部を形成する第1モード、または、複数の袋体を連結する横接合部の形成を行わない第2モードで横シール機構を制御するようにした。したがって、製袋充填包装機を運用する顧客の要望に応じて、不良品として扱う連包体の形態を自由に選択できるため、製袋充填包装機の利便性の向上を図り、商品価値を高める上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、モード設定部に対する設定操作に基づいて第1モードまたは第2モードを設定するようにしたので、製袋充填包装機を運用する顧客の要望に応じて不良品として扱う連包体の形態を簡単に選択できるため、製袋充填包装機の利便性の向上を図り、商品価値を高める上でより有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、充填筒上でかつフォーマの直後の箇所にレジマークを検出するレジマーク検出部が設けられ、レジマーク検出部から供給されるレジマーク検出信号に基づいて、フィルム送り機構と計量機と縦シール機構と横シール機構と切断部を制御するようにした。したがって、包装フィルムの搬送方向においてレジマーク検出部がフォーマよりも上流側に設けられている場合に比較して、フォーマよりも上流側において生じやすい包装フィルムの搬送方向における伸び縮みによる影響を抑制する上で有利となり、製造される包装袋の寸法精度を確保する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、継ぎ目検出部で検出される第1継ぎ目検出信号と、レジマーク検出部で検出される第2継ぎ目検出信号とに基づいて、同一の継ぎ目に対応する第1継ぎ目検出信号と第2継ぎ目検出信号との双方が検出された場合に、継ぎ目検出部の位置が正常であると判定し、第1継ぎ目検出信号が検出されず第2継ぎ目検出信号が検出された場合に、継ぎ目検出部の位置が異常であると判定するようにした。したがって、継ぎ目検出部の位置が正しい継ぎ目検出位置に位置調整されていないという異常を報知することができ、作業者が検出部位置調整機構の不具合を解消するための作業を的確に行なう上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、継ぎ目検出部で検出される第1継ぎ目検出信号と、レジマーク検出部で検出される第2継ぎ目検出信号とに基づいて、同一の継ぎ目に対応する第1継ぎ目検出信号と第2継ぎ目検出信号との双方が検出された場合に、継ぎ目検出部の位置が正常であると判定し、第1継ぎ目検出信号が検出されず第2継ぎ目検出信号が検出された場合に、継ぎ目検出部の位置が異常であるか、あるいは、接着テープの折り返し部分が異常であるかの何れかであると判定するようにした。したがって、何れかの異常が発生したことを報知することができ、作業者が接着テープの接着不良の有無を確認した上で、必要に応じて検出部位置調整機構の不具合を解消するための作業を的確に行なう上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る製袋充填包装機の全体構成を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る製袋充填包装機の制御系の構成を示すブロック図である。
図3】(A)は原反から包装フィルムが引き出された状態を包装フィルムの表面側から見た斜視図、(B)は包装フィルムがフォーマによって筒状に折り込まれた状態を示す斜視図、(C)は原反から引き出された包装フィルムの継ぎ目部分を包装フィルムの表面側から見た斜視図、(D)は原反から引き出された包装フィルムの継ぎ目部分を包装フィルムの裏面側から見た斜視図である。
図4】検出部位置調整機構と包装フィルムを包装フィルムの裏面側から見た斜視図である。
図5】(A)は継ぎ目検出部と横シール機構と包装フィルムによって形成される袋体との位置関係を示す説明図、(B)は継ぎ目を含む単包袋を排除する場合の説明図である。
図6】(A)は継ぎ目検出部と横シール機構と包装フィルムによって形成される袋体との位置関係を示す説明図、(B)は継ぎ目を含む連包袋に袋体を連結する横接合部を形成した上で排除する場合の説明図、(C)は継ぎ目を含む連包袋に袋体を連結する横接合部を形成せずに1つの袋体として排除する場合の説明図である。
図7】設定表示部のディスプレイの表示画面の一例を示す説明図である。
図8】(A)は単包袋の平面図、(B)は単包袋の背面図である。
図9】(A)は連包袋の平面図、(B)は連包袋の背面図である。
図10】(A)は第1モードによって形成される空の連包袋の断面図、(B)は第2モードによって形成される空の単一の袋体の断面図である。
図11】製袋充填包装機による製袋動作に先立って行なう継ぎ目検出部を継ぎ目検出位置に位置調整する動作を説明するフローチャートである。
図12】製袋充填包装機の製袋動作を説明するフローチャートである。
図13】包装フィルムの識別情報に基づいて継ぎ目検出部を継ぎ目検出位置に位置調整する場合の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、製袋充填包装機で用いる包装フィルムについて説明する。
図3(C)、(D)に示すように、包装フィルム10は、一定の幅を有した複数のフィルム12の長手方向の端部が継ぎ目18を介して互いに連結されることで形成され、フィルム12は、図柄14が印刷された表面12Aとその裏面12Bとを備えている。
包装フィルム10は、その表面12Aを半径方向外側に向けた状態で紙管を中心として円筒状に巻回されることで包装フィルム原反16を構成している。
例えば、全長1000mのフィルム12を3枚連結することで全長3000mの包装フィルム原反16が構成されており、この場合、継ぎ目18は2箇所に形成されることになる。
なお、包装フィルムの材料は、熱を加えることによって溶着することが可能な材料であって、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、アルミ裏打紙、アルミ蒸着紙など従来公知の様々な材料が使用可能である。
【0010】
継ぎ目18は、フィルム12の長手方向の端部どうしが接着テープ20で接続されて構成され、図3(C)に示すように、接着テープ20は、黒色を呈しており、フィルム12の表面12Aの幅方向全長にわたって貼り付けられると共に、図3(D)に示すように、フィルム12の裏面12Bの幅方向の両端部に折り返されて貼り付けられている。
ここで、接着テープ20の幅、すなわちフィルム12の長手方向に沿った接着テープ20の幅W1は例えば15mmであり、フィルム12の裏面12Bに折り返された接着テープ20の長さ、すなわち、フィルム12の幅方向に沿った接着テープ20の長さL1は例えば10mmである。
【0011】
また、図3(A)、(C)に示すように、フィルム12の表面12Aの幅方向の端部には、フィルム12の長手方向に一定の間隔をおいてレジマーク22が形成されている。
レジマーク22は、後述する袋体60の一つ一つに対応して形成されており、製袋充填包装機24の各部の動作タイミングを取るためのものである。
本実施の形態では、レジマーク22は、所定の幅でフィルム12の幅方向に直線状に所定の長さで延在する帯状に形成されている。
レジマーク22の色は、レジマーク22が形成されるフィルム12の表面12Aの幅方向の端部の色と明確に異なる色で形成され、例えばフィルム12の表面12Aの幅方向の端部の色が白色や無色透明である場合、レジマーク22は黒色で形成され、後述するレジマーク検出部44(図1参照)によってレジマーク22が明確に検出されるように図られている。
ここで、レジマーク22の幅、すなわち、フィルム12の長手方向に沿ったレジマーク22の幅W2は例えば5mmであり、レジマーク22の長さ、すなわち、フィルム12の幅方向に沿ったレジマーク22の長さL2は例えば5mmである。
したがって、接着テープ20の幅W1はレジマーク22の幅W2の3倍となっており、それら2つの幅W1、W2は異なる寸法となっている。
【0012】
次に、製袋充填包装機24の構成について説明する。
図1に示すように、計量機56(図2参照)から製袋充填包装機24の充填筒26のホッパ28に製品が投入され、製袋充填包装機24により、図8(A)、(B)に示す製品が封入された袋体60が形成されていく。このような製袋充填包装機24によって製品が封入された袋体60を形成する動作を製袋動作という。
製袋充填包装機24は、装置本体24Aと不図示のフレームとを備えている。
【0013】
図1図2に示すように、装置本体24Aは、フィルム供給機構30、フォーマ32、充填筒26、フィルム送り機構34、縦シール機構36、横シール機構38、切断部39、継ぎ目検出部40、検出部位置調整機構42、レジマーク検出部44、設定表示部46、記憶部48、制御装置50などを含んで構成されている。
フレームは、不図示の底枠や、底枠の両側から立設された複数本の支柱、複数本の支柱で支持された上枠などを含んで構成されている。
フィルム供給機構30は、包装フィルム原反16から繰り出された包装フィルム10をフォーマ32に向かって供給するものである。
フィルム供給機構30は、包装フィルム10を案内する複数のガイドローラ52A-52Fと、テンション機構54とを含んで構成されている。
【0014】
テンション機構54は、上記フレームに揺動可能に支持された一対のレバー5402と、一対のレバー5402の間に回転可能に支持されレバー5402と一体に揺動する複数の揺動ローラ5404と、それら揺動ローラ5404から上方に離れた箇所に位置が固定された複数の回転可能な固定ローラ5406とを備えている。
包装フィルム原反16からその裏面12Bを上方に向け、表面12Aを下方に向けた状態で繰り出された包装フィルム10は、それぞれ回転可能なガイドローラ52A、52Bを経由して、テンション機構54の揺動ローラ5404および固定ローラ5406に掛け回されることで一定のテンションが付与された状態でガイドローラ52C、52D、52E、52Fに掛け回されてフォーマ32に至る。
【0015】
充填筒26は、フォーマ32の中央に上下に貫通して配置された充填筒本体2602と、充填筒本体2602の上部に設けられたホッパ28とを備え、ホッパ28の上方には、製品供給装置としての計量機56(図2参照)が配置されている。
計量機56は、後述する制御部68からの指令に基づいて、一定量の製品を計量してホッパ28を介して充填筒本体2602へ投入するものである。
【0016】
フォーマ32は、フィルム供給機構30により供給された幅と長さとを有する帯状の包装フィルム10を、充填筒本体2602の外周面に筒状に折り込む。
この際、包装フィルム10の表面12Aが充填筒本体2602の半径方向外方を向き、包装フィルム10の裏面12Bが充填筒本体2602の外周面に重なっている。
フィルム送り機構34は、後述する制御部68からの指令に基づいて、充填筒本体2602の外周面に配置された一対のベルトプーリ機構3402を含んで構成され、フォーマ32により筒状に折り込まれた包装フィルム10を間欠的に下方に移送する。
フィルム送り機構34による包装フィルム10の搬送量(移送量)は後述する制御部68からの指令に基づいて制御される。
縦シール機構36は一対の縦シーラ3602から構成され、縦シール機構36は充填筒26上において筒状に折り込まれた包装フィルム10の幅方向の両端を接合した縦接合部62(図8(B)参照)を形成することで筒状フィルム10Fとする。
【0017】
横シール機構38は、充填筒26の下方に配置されフィルム送り機構34による筒状フィルム10Fの移送を停止した状態で筒状フィルム10Fの長手方向の端部を接合して横接合部64(図8(A)参照)を形成し上部が開放された袋体60を作る。
この上部が開放された袋体60の内部に充填筒26から製品が落下され、フィルム送り機構34により筒状フィルム10Fが下方に移送されたのち、横シール機構38は、袋体60の上部を接合して横接合部64を形成し、製品が封入された袋体60(図8(A)、(B)参照)を形成する。
【0018】
横シール機構38は、一対の横シーラ3802と、不図示の開閉駆動部とを含んで構成されている。
一対の横シーラ3802は、筒状フィルム10Fを製袋充填包装機24の前後方向の両側から挟み付けてシールを施すための一対のシールブロック3804A、3804Bを備えている。
一対のシールブロック3804A、3804Bは、製袋充填包装機24の幅方向に延在する細長状を呈している。
一対のシールブロック3804A、3804Bは、不図示のガイド部材により互いに接離する方向に移動可能に支持され、互いに対向している。
なお、包装フィルム12の搬送方向において、横シール機構38(一対の横シーラ3802)によって筒状フィルム10Fにシールを施す位置を横シール位置という。
【0019】
開閉駆動部は、一対の横シーラ3802を、製袋充填包装機24の前後方向において離間接近する方向に往復移動させるものである。
開閉駆動部として、モータなどのアクチュエータと、リンク機構やクランク機構を備える動力伝達機構とを組み合わせた従来公知の様々な構成が使用可能である。
開閉駆動部の動作は後述する制御部68からの指令に基づいて制御される。
【0020】
切断部39は、横シール機構38の一方のシールブロック3804Aに移動可能に設けられた不図示のカッタと、他方のシールブロック3804Bに設けられた不図示のカッタ挿入溝と、カッタをカッタ挿入溝に対して挿脱させるエアシリンダなどのアクチュエータを含んで構成され、カッタがカッタ挿入溝に挿入されると包装フィルム10(筒状フィルム10F)はその幅方向に切断される。
切断部39は、製品が封入された袋体60の上部の横接合部64を切断し、上部が開放された袋体60から切り離し図8(A)、(B)に示す製品が封入された袋体60からなる包装袋を形成する。
切断部39の動作は後述する制御部68からの指令に基づいて制御される。
【0021】
製袋充填包装機24によって製造される包装袋は、単包袋60Aと、連包袋60Bとの2種類が存在する。
単包袋60Aとは、図8(A)、(B)に示すように単一の袋体60からなるものをいう。
したがって、単包袋60Aはその長さ方向の両端に横シール機構38によって接合された横接合部64が形成されたものとなっている。
連包袋60Bとは、図9(A)、(B)に示すように複数の袋体60が横接合部64を介して連結されたものであり、隣り合う袋体60の間に横接合部64が位置すると共に連包袋60Bの長さ方向の両端にも横接合部64が形成されたものとなっている。
【0022】
継ぎ目検出部40は、包装フィルム10の搬送方向においてフォーマ32よりも上流の箇所で包装フィルム10の継ぎ目18を検出するものである。
本実施の形態では、継ぎ目検出部40は、フォーマ32の直前に位置するガイドローラ52Fと、このガイドローラ52Fよりも包装フィルム10の搬送方向の上流側に位置するガイドローラ52Eとの間の箇所に配置されている。
継ぎ目検出部40は、包装フィルム10の裏面12Bの幅方向の端部に折り返された接着テープ20の部分20A(図3(D)参照)を検出するもので、継ぎ目検出部40は包装フィルム10(フィルム12)の裏面12B側に配置される。
継ぎ目検出部40は、例えば、包装フィルム10の裏面12Bの上方に離れた箇所に配置された、検出光を投光する発光部と検出対象物で反射された検出光の反射光を受光する受光部とを備え、検出対象物の有無を検出する反射型の光電センサで構成されている。
本実施の形態では、継ぎ目検出部40は、継ぎ目18の箇所と継ぎ目18以外の包装フィルム10との箇所との間での光の反射率の違いに基づいて継ぎ目18を検出すると、第1継ぎ目検出信号S1を生成して制御部68に供給する。
なお、継ぎ目検出部40は、包装フィルム10の裏面12B側に配置されているので、包装フィルム10の表面12Aに形成されたレジマーク22は検出せず、継ぎ目18のみ検出する。
【0023】
図4に示すように、検出部位置調整機構42は、継ぎ目検出部40を包装フィルム10の幅方向に移動可能に支持すると共に、継ぎ目検出部40を包装フィルム10の幅方向に移動させ包装フィルム10の幅方向における継ぎ目検出部40の位置を継ぎ目検出位置に調整するものである。
ここで、継ぎ目検出位置は、当該包装フィルム10の継ぎ目18、すなわち、包装フィルム10の裏面12Bに折り返された接着テープ20の部分20Aが継ぎ目検出部40により検出可能となる位置である。
本実施の形態では、検出部位置調整機構42は、ガイドシャフト4202と、移動ブロック4204と、送りねじ4206と、モータ4208と、位置計測部4210とを含んで構成されている。
なお、図4には、幅方向の寸法が異なる2つの包装フィルム10を図示しており、記号ΔL1、ΔL2はそれぞれ包装フィルム10の幅方向の寸法を示す。
【0024】
ガイドシャフト4202は、フィルム供給機構30上の包装フィルム10の裏面12Bから上方に離間した箇所で包装フィルム10の搬送方向と直交する幅方向と平行して延在して設けられ、前述したフレームに支持されている。
ガイドシャフト4202は、最も大きな幅を有する包装フィルム10の幅よりも大きな長さで形成されている。
移動ブロック4204は、継ぎ目検出部40を支持すると共に、ガイドシャフト4202が挿通される軸受孔を有しガイドシャフト4202に沿って包装フィルム10の幅方向に往復直線移動可能に設けられている。
移動ブロック4204、すなわち継ぎ目検出部40の移動範囲は、最も大きな幅の包装フィルム10の幅の全長よりも大きい寸法となっている。
送りねじ4206は、ガイドシャフト4202を平行に延在しており、移動ブロック4204の雌ねじに螺合している。
【0025】
モータ4208は、フレームに支持されると共に、その回転軸が送りねじ4206の一端にカップリング4209を介して連結されている。
位置計測部4210は、送りねじ4206の他端に連結された検出板4210Aと、近接センサ4210Bとを含んで構成されている。
検出板4210Aは、送りねじ4206の軸心と同軸上に形成された円板で構成され、円板の外周には周方向に沿って一定間隔の切り欠きが設けられている。
近接センサ4210Bは、フレームに支持されており、モータ4208によって送りねじ4206が回転され移動ブロック4204と共に継ぎ目検出部40が移動する際に、検出板4210Aの切り欠きを検出することで、送りねじ4206の回転量、すなわち、継ぎ目検出部40の移動量に対応する移動パルス信号を生成し位置検出信号として制御部68に供給する。
【0026】
なお、位置検出信号は、継ぎ目検出部40の移動量を検出するのみであるため、制御部68は、継ぎ目検出部40の位置の原点を確認する必要がある。
例えば、原点に対応する箇所に移動ブロック4204に当接するストッパを設けておき、製袋充填包装機24の起動時に、制御部68は、モータ4208を回転させて移動ブロック4204をストッパに当接させることで原点を確認し、原点を基準として位置検出信号に基づいて継ぎ目検出部40の移動量を算出し、継ぎ目検出部40の位置を取得するようにすればよい。
また、本実施の形態では、検出部位置調整機構42がモータ4208により送りねじ4206を回転させることで継ぎ目検出部40を移動させると共に、検出板4210Aと近接センサ4210Bによって検出された送りねじ4206の回転量に基づいて継ぎ目検出部40の位置を検出する場合について説明した。
しかしながら、継ぎ目検出部40を移動させる構成として、例えばリニアアクチュエータを用いてもよく、あるいは、継ぎ目検出部40の位置を検出する構成としてレーザ距離センサを用いるなど任意であり、検出部位置調整機構42の構成として従来公知の様々な構成が採用可能である。
【0027】
図1に示すように、レジマーク検出部44は、充填筒26上でかつ包装フィルム10の搬送方向においてフォーマ32の直後の箇所であり、かつ、縦シール機構36の直前の箇所に設けられ、図3(B)に示すように、フォーマ32によって筒状に折り曲げられた包装フィルム10のレジマーク22を検出するものである。
具体的には、レジマーク検出部44は、フォーマ32により筒状に折り込まれることで包装フィルム10の幅方向の両端が重ね合わされた状態でレジマーク22を検出する。
本実施の形態では、レジマーク検出部44は、継ぎ目検出部40と同様に、反射型の光電センサによって構成され、レジマーク22とレジマーク22以外の包装フィルム10の箇所との間での光の反射率の違いに基づいてレジマーク22を検出すると、レジマーク検出信号Srmを生成して制御部68に供給する。
したがって、制御部68は、フィルム送り機構34による包装フィルム12の搬送量の制御を、レジマーク検出信号Srmに基づいて行なう。本実施の形態では、制御部68は、フィルム送り機構34による包装フィルム12の搬送量の制御をレジマーク検出信号Srmに基づいて1つの袋体60の長さ単位で行なう場合について説明する。
【0028】
なお、レジマーク検出部44は、フォーマ32により筒状に折り込まれることで包装フィルム10の両端が重ね合わされた状態で包装フィルム10のレジマーク22を検出するので、包装フィルム10の幅方向の寸法が変更されても、レジマーク検出部44の位置を変更することなく、レジマーク22の検出が可能である。
また、包装フィルム10のレジマーク22が包装フィルム10の幅方向の一方の端部に設けられている場合は、レジマーク検出部44は、一方の端部に対応させて1つ設ければ足りる。
しかしながら、レジマーク22が包装フィルム10の幅方向の一方の端部に設けられている包装フィルム10と、レジマーク22が包装フィルム10の他方の端部に設けられている包装フィルム10との双方の包装フィルム10を使用する場合には、レジマーク検出部44を一方の端部および他方の端部のそれぞれに対応させて2つ設ければよい。なお、図1においては、レジマーク検出部44を2つ設けた場合を図示している。
また、レジマーク検出部44は、包装フィルム10の継ぎ目18、すなわち、包装フィルム10の表面12Aに接着された接着テープ20のうち包装フィルム10の幅方向の端部に位置する部分も検出する。
したがって、レジマーク検出部44は、継ぎ目18に対応する第2継ぎ目検出信号S2を制御部68に供給する。
【0029】
設定表示部46は、文字、記号、数字を表示する不図示のディスプレイと、文字、記号、数字などのキー、矢印キー、エンターキー(実行キー)などの操作キーを含む不図示のキーボードとを含んで構成されている。なお、キーボードは、ディスプレイ上に設けられたタッチパネルによって構成されるなど任意である。
設定表示部46は、キーボードの入力操作により、例えばmm単位で継ぎ目検出部40の位置を受け付けて制御部68に供給すると共に、入力された継ぎ目検出部40の位置をディスプレイに表示する。
また、設定表示部46は、キーボードの入力操作により、幅方向の寸法が異なる包装フィルム10を識別するための識別情報を受け付けて制御部68に供給すると共に、入力された識別情報をディスプレイに表示する。
識別情報は、例えば、コード番号のように文字、記号、数字を任意に組み合わせた文字列(例えば「#100」、「#200」といった文字列)で構成されていてもよいし、包装袋毎に割り当てられた互いに重複しない名称を示す文字列(例えば「フィルムABC」、「フィルムDEF」といったような文字列)で構成されていてもよい。要するに、識別情報は、幅方向の寸法が異なる包装フィルム10を識別することができればよくその構成は限定されない。
また、設定表示部46は、後述する不良品の排除に伴う制御部68の制御動作の内容を指定するための情報を受け付ける機能も有している。
【0030】
記憶部48は、識別情報と包装フィルム10に対応する継ぎ目検出部40の継ぎ目検出位置とを対応付けた対応情報を記録するものである。
前述したように継ぎ目検出位置は、継ぎ目18(接着テープ20の部分20A)を継ぎ目検出部40で検出できる位置である。
対応情報は、設定表示部46から入力された識別情報と継ぎ目検出位置とが制御部68によって対応付けられることで生成されて記憶部48に記録されてもよく、あるいは、製袋充填包装機24とは別のコンピュータなどによって予め生成した対応情報が記憶部48に記録されてもよい。
【0031】
制御装置50は、例えば、コンピュータで構成され、識別情報取得部66および制御部68として機能する。
識別情報取得部66は、識別情報を取得するものである。
本実施の形態では、識別情報取得部66は、設定表示部46に設定された識別情報を取得するが、製袋充填包装機24とは別のコンピュータから通信回線を介して識別情報を取得するなど識別情報の取得方法は任意である。
制御部68は、取得された識別情報に対応する継ぎ目検出位置を記憶部48の対応情報から特定すると共に、特定した継ぎ目検出位置に基づいて検出部位置調整機構42を制御することにより、継ぎ目検出部40を継ぎ目検出位置に位置調整する。
【0032】
また、制御部68は、レジマーク検出部44から供給されるレジマーク検出信号Srmに基づいてフィルム送り機構34、縦シール機構36、計量機56、横シール機構38、切断部39などの動作を制御するものである。
図2に示すように、制御部68は、計量機56に対して製品要求信号SRを送出する。
計量機56は、製品要求信号SRを受け取ると、計量機56による製品の排出(製品の充填筒26への落下)が可能な状態にあれば製品排出信号SEを制御部68に送出すると共に、製品の排出動作を実行する。
制御部68は、製品排出信号SEを受け取ると、製品が封入された包装袋(袋体60)を作成する一連の製袋動作を開始する。
したがって、制御部68は、製品要求信号SRに対する製品排出信号SEを受け取らない限り製袋動作を開始しない。
そのため、例えば、計量機56の動作不良により製品が排出されない場合、すなわち、製品排出信号SEを受け取らない場合は、製袋動作を開始しないため、製品が封入されていない空の包装袋(袋体60)が誤って作られてしまうことが防止されている。
【0033】
また、制御部68は、少なくとも継ぎ目18を含む包装袋を不良品として扱う制御を行なう。
本実施の形態では、少なくとも継ぎ目18を含む包装袋を不良品として扱う制御として、製袋充填包装機24から不図示の搬送コンベア上に排出された不良品としての包装袋(袋体60)を不図示の不良排除部によって搬送コンベア上から排除する制御を行なう場合について説明する。
【0034】
以下、制御部68が実行する不良品を扱う制御について詳細に説明する。
まず、包装袋が単包袋60Aの場合について説明する。
図5(A)に示すように、制御部68は、継ぎ目検出部40から供給される第1継ぎ目検出信号S1に基づいて、少なくとも継ぎ目18を含む包装袋(単包袋60A)を不良品として排除する制御を行なう。
前述したように、本実施の形態では、制御部68は、包装フィルム10の搬送量の制御を1つの袋体60の長さ単位で行なう。
したがって、図5(A)の場合は、袋体60-2の継ぎ目18に対応して継ぎ目検出部40で第1継ぎ目検出信号S1が検出されると、袋体60-3から袋体60-8の6個分の袋体60を横シール機構38の位置(横シール位置)まで搬送することで、継ぎ目18を含む袋体60-2を横シール機構38の位置に移動させた上でこの袋体60-2を不良品として扱い排除する制御を行なう。
すなわち、制御部68は、不良品である袋体60-2を除く袋体60-3から60-8を良品として製袋充填包装機24から排出する一方、図5(B)に示すように、継ぎ目18を含む1つの袋体60-2は製袋充填包装機24から排出したのち不良品として排除する。
この場合、継ぎ目検出部40で第1継ぎ目検出信号S1が検出されてから良品として搬送して排出する袋体60の数を「シフト数6」(袋体60-3から袋体60-8までの6個の袋体60に対応)と設定し、不良品として扱う、すなわち不良品として排除する対象となる袋体60の数を「排出数1」と設定する。
さらに、制御部68は、包装袋が単包袋60Aの場合、少なくとも継ぎ目18を含む単包袋60Aに製品が封入されないように計量機56を制御する。
具体的には、継ぎ目18を含む単包袋60Aに対する製品要求信号SRを停止する。
これにより、不良品となる包装袋は製品が封入されない空の単包袋60Aとなる。
【0035】
次に、包装袋が3つの袋体60が連結された連包袋60Bである場合について説明する。
この場合も、図6(A)に示すように、制御部68は、継ぎ目検出部40から供給される第1継ぎ目検出信号S1に基づいて、少なくとも継ぎ目18を含む包装袋(連包袋60B)を不良品として排除する制御を行なう。
連包袋60Bの場合には、不良品は連包袋60B単位で扱う。
図6(A)に示すように、連包袋60Bを構成する3つの袋体60-1、60-2、60-3のうち、中央の袋体60-2が継ぎ目18を含むので、この継ぎ目18を含む連包袋60Bを不良品として排除する。
したがって、継ぎ目18を含む連包袋60Bを除く連包袋60B、すなわち、袋体60-4、60-5、60-6をからなる連包袋60B、および、袋体60-7,60-8、60-9からなる連包袋60Bを良品として、製袋充填包装機24から排出する一方、図6(B)に示すように、継ぎ目18を含む連包袋60Bは製袋充填包装機24から排出したのち不良品として排除する。
なお、図6(A)に示す連包袋60Bは、まだ切断部39によって切断される前の状態であるが、ここでは、説明の簡略化を図るため連包袋60Bとして説明する。
この場合、良品として扱う(不良品として排除する対象から外す)袋体60の数を「シフト数5」(袋体60-3から袋体60-7までの5個の袋体60に対応)と設定し、不良品として扱う(不良品として排除する対象となる)袋体60の数を「排出数3」と設定する。なお、図5で説明した単包袋60Aの場合はシフト数6であったが、図6では3つの袋体60からなる連包体60Bであるため、シフト数は5となる。
さらに、制御部68は、包装袋が連包袋60Bの場合、継ぎ目18を含む連包袋60Bに製品が封入されないように計量機56を制御する。
具体的には、継ぎ目18を含む連包袋60Bに対する製品要求信号SRを停止する。
これにより、不良品となる包装袋(連包袋60B)は製品が封入されない空の連包袋60Bとなる。
なお、袋体60の数(シフト数)、不良品として排除する袋体60の数(排出数)の設定は、例えば、設定表示部46から行なうことができる。
【0036】
なお、継ぎ目検出部40で袋体60-2の継ぎ目18に対応して第1継ぎ目検出信号S1が検出されてから包装フィルム10を搬送するシフト数については、製袋充填包装機24上において何袋分の袋体60を搬送させればよいかを実測して制御部68に設定すればよい。
また、図5(A)、図6(A)に示すように、包装フィルム10の搬送方向における継ぎ目検出部40の位置P1から横シール機構38の横シール位置P2までの距離を搬送距離L1としたとき、袋体60の長さと搬送距離L1とに基づいて、制御部68が上記シフト数を算出して自動的に設定するようにしてもよい。
【0037】
また、本実施の形態では、単包袋60Aの場合、排出数を1とした例について説明したが、以下に示す理由から、排出数を2つ以上としてもよい。
すなわち、継ぎ目18には包装フィルム10の幅方向の全長にわたって接着テープ20が接着されているため、包装フィルム10の厚みは接着テープ20の厚み分大きくなる。
したがって、包装フィルム10の幅方向の両端に対して縦シール機構36による接合を行なった場合、縦シーラ3602で挟まれる包装フィルム10に局所的に厚みが大きな部分が含まれることから、シール圧が低下し、縦接合部62のシール不良が発生しやすい。
縦シーラ3602の全長は、袋体60の長さよりも大きな寸法で形成されていることから、縦シーラ3602によって継ぎ目18を含む袋体60の接合を行なうと、隣接する前後の袋体60の包装フィルム10の部分に対する接合も部分的になされる。
そのため、このようなシール不良は、継ぎ目18を含む袋体60に隣接する他の袋体60にも発生する可能性があるため、継ぎ目18を含む袋体60に隣接する他の袋体60も不良品として扱い排除することが好ましい。
そのような観点から、例えば、排出数を3つに設定し、継ぎ目18を含む袋体60と、その前後に隣接する2つの袋体60の合計3つの袋体60を不良品として排除し、あるいは、排出数を5つに設定し、継ぎ目18を含む袋体60と、その前後に隣接する合計4つの袋体60の合計5つの袋体60を不良品として排除するようにしてもよい。なお、この場合には、排出数に対応してシフト数の調整も行なう必要がある。
【0038】
また、本実施の形態では、不良品としての製品が封入されない連包袋60Bを形成する場合、空の連包袋60Bの隣り合う袋体60の間を連結する横接合部64の形成を行なうか、隣り合う袋体60の間の横接合部64の形成を省略するかを選択できるようにしている。
すなわち、制御部68は、製品が封入されない連包袋60Bを形成するにあたって、図6(B)に示すように、複数の袋体60を連結する横接合部64を形成する第1モード、または、図6(C)に示すように、複数の袋体60を連結する横接合部64の形成を行わない第2モードで横シール機構38を制御する。
したがって、第1モードにおいては、図10(A)に示すように、製品が封入されない複数の空の袋体6002で構成された連包袋60Bが形成される。第1モードの場合、空の袋体6002を連結する横接合部64が形成されている。
一方、第2モードにおいては、図10(B)に示すように、製品が封入されない単一の袋体6004、言い換えると細長いチューブ状の袋体6004が形成される。第2モードの場合、単一の袋体6004の長さ方向の両端に横接合部64が形成されている。
【0039】
第1モードでは、不良品が複数の空の袋体6002が連結された連包袋60Bの形態で排出されるため、視覚的に不良品と良品を判別する上では不利となる。
一方、連包袋60Bは、製袋充填包装機24から円弧状に湾曲する不図示の排出シュートを介して水平方向に延在する搬送コンベアに排出される。この際、連包袋60Bが排出シュートの部分で柔軟に屈曲するため、排出シュートから搬送コンベアへ連包袋60Bを円滑に搬送する上で有利となる。また、連包袋60Bを簡単に折りたたむことができるため、連包袋60Bを廃棄する際の取り扱いが容易である点で有利となる。
【0040】
また、第2モードでは不良品は空の単一の袋体6004となるため、視覚的に不良品と良品を判別する上で有利となる。
一方、単一の袋体6004を搬送コンベアに排出するにあたっては、上記連包袋60Bの場合に比較して単一の袋体6004が排出シュートの部分で柔軟に屈曲しにくいため、排出シュートから搬送コンベアへ単一の袋体6004を円滑に搬送させるために、排出シュートの曲率半径をより大きく確保するなどの対応が必要となる不利がある。
【0041】
したがって、製袋充填包装機24の利用者(顧客)は、上述した長所と短所を考慮して第1モードと第2モードを適宜選択することができるため、利便性の向上を図る上で有利となる。
なお、このような第1モードと第2モードとの選択は、設定表示部46を操作することによって制御部68に設定することでなされる。
この場合、設定表示部46は、設定操作に基づいて制御部68の第1モードまたは第2モードを設定するモード設定部を構成している。
【0042】
次に、図7を参照して不良品とされた包装袋を扱う制御に関して制御部68に設定する項目について説明する。なお、以下の項目は設定表示部46によって設定され、設定内容は記憶部48に格納される。
図7に示すように、設定表示部46のディスプレイに設定項目の入力画面4602が表示される。
1)「排出シフト数」は、上述した「シフト数」であり、キーボードにより数値を入力して設定する。
2)「排出数」は、上述した排出する袋体60の数であり、キーボードにより数値を入力して設定する。
3)「排出形態」は、連包袋60Bの場合の第1モード(連包(カッター(切断部39)のみ停止))と、第2モード(チューブ(横シーラ3802+カッター(切断部39)停止))の選択を行なうものであり、ディスプレイ上に表示される2つの選択肢を、キーボードを操作して選択して設定する。
4)「排出後の動作」は、例えば、ディスプレイ上に不良品の排除処理を実行した旨の表示をさせたのち製袋充填包装機24の動作は継続するか、あるいは、不良品の排除処理を実行後に警報を報知し製袋充填包装機24の動作を停止させるかであり、ディスプレイ上に表示される2つの選択肢を、キーボードを操作して選択して設定する。
なお、警報の報知とは、制御部68によって制御される不図示の報知部によってなされるものである。
報知部としては、警報音を鳴動させるスピーカーやブザー、あるいは、点灯動作または点滅動作によって視覚的に報知を行なう警告灯などの従来公知の様々な報知装置を用いることができる。
【0043】
さらに、制御部68は、同一の継ぎ目18に対応する第1継ぎ目検出信号S1と第2継ぎ目検出信号S2との双方が検出された場合に、継ぎ目検出部40の位置が正しい継ぎ目検出位置にあると判定し、第1継ぎ目検出信号S1が検出されず第2継ぎ目検出信号S2が検出される場合に、継ぎ目検出部40の位置が異常であり継ぎ目検出部40が正しい継ぎ目検出位置に調整されていないと判定する。
すなわち、第1継ぎ目検出信号S1は、継ぎ目検出部40が継ぎ目18を検出することで生成されて制御部68に供給され、第2継ぎ目検出信号S2は、レジマーク検出部44が継ぎ目18を検出することで生成されて制御部68に供給される。
同一の継ぎ目18に対して第1継ぎ目検出信号S1と第2継ぎ目検出信号S2との双方が検出された場合は、継ぎ目検出部40の位置は正常である。
一方、同一の継ぎ目18に対して第1継ぎ目検出信号S1が検出されず、第2継ぎ目検出信号S2が検出された場合は、何らかの原因によって包装フィルム12の幅方向における継ぎ目検出部40の位置が継ぎ目18を検出できる位置からずれてしまっていることが考えられる。このような原因として、検出部位置調整機構42が故障している場合、あるいは、設定表示部46に対する作業者の操作ミス(人為的なミス)により継ぎ目検出部40の位置が正しい継ぎ目検出位置ではない誤った位置に設定された場合が考えられる。
制御部68が継ぎ目検出部40の位置が異常であると判定した場合は、前述と同様に、報知部によって警報を報知し、また、ディスプレイに継ぎ目検出部40の位置が異常である旨のメッセージを表示する。
【0044】
なお、制御部68は、以下のようにしてレジマーク検出部44から供給されるレジマーク検出信号Srmと第2継ぎ目検出信号S2とを判別することができる。
すなわち、レジマーク検出部44は、レジマーク22と継ぎ目18との双方を検出するが、レジマーク22の幅W2と、継ぎ目18(接着テープ20)の幅W1との寸法が異なっているため、レジマーク検出信号Srmと第2継ぎ目検出信号S2とは、それら信号が検出有り(オン)になっている検出時間が異なっている。
そのため、制御部68は、検出時間の違いに基づいてレジマーク検出信号Srmと第2継ぎ目検出信号S2とを判別することができる。
【0045】
次に、図11のフローチャートを参照して、製袋充填包装機24による製袋動作の前に行なう、継ぎ目検出部40を継ぎ目検出位置に位置調整する動作について説明する。
予め、包装フィルム原反16がセットされているものとする。
まず、包装袋に対応する、すなわち、使用する包装フィルム10の識別情報を設定表示部46に設定する(ステップS10)。
次に、使用する包装フィルム10の幅方向の寸法に対応した継ぎ目検出位置をmm単位で設定表示部46に設定する(ステップS12)。
制御部68は、検出部位置調整機構42を制御し、継ぎ目検出部40を、設定された継ぎ目検出位置に位置調整する(ステップS14)。
また、制御部68は、設定表示部46で設定された識別情報と継ぎ目検出位置とを対応付けた対応情報を生成して記憶部48に記録する(ステップS16)。
【0046】
次に、図12のフローチャートを参照して製袋充填包装機24の製袋動作について説明する。
なお、予め、図7において説明した以下の事項については設定済であるものとする。
1)包装袋が単包袋60Aであるか、連包袋60Bであるか。
2)連包袋60Bの場合の不良品の排除形態を選択する第1モードまたは第2モード。
3)シフト数(排出シフト数)
4)排出数
5)排出後の動作
【0047】
図11で説明したように、既に継ぎ目検出部40が包装フィルム10に対応した継ぎ目検出位置に位置調整された状態で、製袋充填包装機24の製袋動作が開始される(ステップS20)。
すなわち、制御部68の制御によりフィルム送り機構34、縦シール機構36、横シール機構38、切断部39が動作し、製品が封入された包装袋が作成される。作成された包装袋は製袋充填包装機24から搬送コンベアに排出される。この際の各部の動作タイミングは、レジマーク検出信号Srmに基づいて決定される。
【0048】
制御部68は、第1継ぎ目検出信号S1を検出したか否かを判定し(ステップS22)、第1継ぎ目検出信号S1を検出したならば、不良品としての包装袋を排除する処理を実行する(ステップS24)。
そして、ディスプレイ上に不良品の排除処理を実行した旨の表示をさせ(ステップS26)、ステップS20に戻り製袋充填包装機24の製袋動作を継続する。
なお、ステップS26に代えて、図6で説明したように、不良品の排除処理を実行後に警報を報知し製袋充填包装機24の動作をいったん停止させるようにしてもよい。
【0049】
不良品の排除処理に際しては、単包袋60Aの際には不良品の袋体60に対する製品の封入を行わない。また、連包袋60Bの際には不良品の連包袋60Bに対する製品の封入を行わないことに加え、第1モード、第2モードのうちの選択されたモードに基づいて横シール機構38の動作を制御する。
【0050】
制御部68は、ステップS22で第1継ぎ目検出信号S1を検出しなければ、第2継ぎ目検出信号S2を検出したか否かを判定する(ステップS28)。
第2継ぎ目検出信号S2を検出していなければ、ステップS20に戻る。
第2継ぎ目検出信号S2を検出したならば、第1継ぎ目検出信号S1が検出されていないので、継ぎ目検出部40の位置が異常であり、正しい継ぎ目検出位置に位置調整されていないと判断し、異常報知を行ない(ステップS30)、製袋充填包装機24の動作をいったん停止する(ステップS32)。
なお、ステップS30の異常報知は、例えば、不良品の排除処理後の場合と同様に、制御部68によって制御される不図示の報知部によって行なうなど任意である。
【0051】
なお、第1継ぎ目検出信号S1および第2継ぎ目検出信号S2に基づく制御部68の一連の動作(ステップS28、S30、S32)として、以下のような変形例が考えられる。
すなわち、継ぎ目検出部40は、包装フィルム10の裏面12Bに折り返されて貼り付けられた接着テープ20の部分20A、すなわち、接着テープ20の折り返し部分を検出して継ぎ目18の検出し、第1継ぎ目検出信号S1を制御部68に供給する。
一方、レジマーク検出部44は、包装フィルム10の表面12Aに貼り付けられた接着テープ20の部分を検出することで継ぎ目18を検出し、第2継ぎ目検出信号S2を制御部68に供給する。
ここで、継ぎ目18において包装フィルム10の表面12Aの幅方向全長にわたって接着テープ20が貼り付けられているものの、裏面12Bに折り返されて貼り付けられる折り返し部分が無い(欠損している)場合は、継ぎ目検出部40による第1継ぎ目検出信号S1が検出されない一方、レジマーク検出部44によって第2継ぎ目検出信号S2が検出されることになる。
そこで、変形例においては、制御部68は、同一の継ぎ目18に対応する第1継ぎ目検出信号S1と第2継ぎ目検出信号S2との双方が検出された場合に、継ぎ目検出部40の位置が正常であると判定する。また、第1継ぎ目検出信号S1が検出されず第2継ぎ目検出信号S2が検出された場合に、継ぎ目検出部40の位置が異常であるか、あるいは、接着テープ20の折り返し部分が異常であるかの何れかであると判定する。
このように、継ぎ目検出部40の位置の異常あるいは接着テープ20の折り返し部分の異常の何れかの異常が発生したと判定された場合には、上述のステップS30の場合と同様に異常報知を行ない、製袋充填包装機24の動作をいったん停止する。
【0052】
次に、図13のフローチャートを参照して包装フィルム10の識別情報に基づいて継ぎ目検出部40を継ぎ目検出位置に位置調整する場合の動作について説明する。
予め、包装フィルム原反16がセットされているものとする。
まず、包装フィルム10の識別情報を設定表示部46に設定する(ステップS40)。
制御部68は、設定された識別情報に基づいて、記憶部48に格納されている対応情報から識別情報に対応する継ぎ目検出位置を特定する(ステップS42)。
次いで、制御部68は、検出部位置調整機構42を制御し、継ぎ目検出部40を、特定された継ぎ目検出位置に位置調整する(ステップS44)。
これ以降は、図11のステップS20に移行して同様の動作が実行される(ステップS46)。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態によれば、包装フィルム10の幅方向における継ぎ目検出部40の位置調整を行なう検出部位置調整機構42を設け、識別情報取得部66で取得された識別情報に対応する継ぎ目検出位置を記憶部48の対応情報から特定すると共に、特定した継ぎ目検出位置に基づいて検出部位置調整機構42を制御して継ぎ目検出部40を継ぎ目検出位置に位置調整するようにした。
したがって、従来のように、包装フィルム10の幅方向の寸法が変更されるたびに、包装フィルム10の幅方向における継ぎ目検出部40の位置調整を煩雑な手作業で行なう必要がなく、包装フィルム10の識別情報を設定するのみで足りるため、包装フィルム10の幅寸法が変更された場合における作業の効率化を図る上で有利となる。また、煩雑な手作業を省くことで作業者の負担を軽減することができることは無論のこと、作業者が手作業により継ぎ目検出部40を誤った位置に調整する人為的なミスを低減する上でも有利となる。
【0054】
また、本実施の形態では、包装袋が単一の袋体60からなる単包袋60Aである場合、少なくとも継ぎ目18を含む単包袋60Aに製品が封入されないように計量機56を制御するようにしたので、排除される不良品を空の単包袋60Aとして排除できるため、製品の無駄を防止できコスト削減を図る上で有利となる。
【0055】
また、本実施の形態では、包装袋が複数の袋体60が横接合部64を介して連結された連包袋60Bである場合、継ぎ目18を含む連包袋60Bに製品が封入されないように計量機56を制御するようにしたので、排除される不良品を空の連包袋60Bとして排除できるため、製品の無駄を防止できコスト削減を図る上で有利となる。
【0056】
また、本実施の形態では、製品が封入されない連包袋60Bを形成するにあたって、複数の袋体60を連結する横接合部64を形成する第1モード、または、複数の袋体60を連結する横接合部64の形成を行わない第2モードで横シール機構38を制御するようにした。
したがって、製袋充填包装機24を運用する顧客の要望に応じて、不良品として排除する連包体の形態を自由に選択できるため、製袋充填包装機24の商品価値を高める上で有利となる。
【0057】
また、本実施の形態では、モード設定部に対する設定操作に基づいて第1モードまたは第2モードを設定するようにしたので、製袋充填包装機24を運用する顧客の要望に応じて不良品として排除する連包体の形態を簡単に選択できるため、製袋充填包装機24の商品価値を高める上でより有利となる。
【0058】
また、本実施の形態では、充填筒26上でかつフォーマ32の直後の箇所にレジマーク22を検出するレジマーク検出部44が設けられ、レジマーク検出部44から供給されるレジマーク検出信号Srmに基づいて、フィルム送り機構34と計量機56と縦シール機構36と横シール機構38と切断部39を制御するようにした。
したがって、包装フィルム12の搬送方向においてレジマーク検出部44がフォーマ32よりも上流側に設けられている場合に比較して、フォーマ32よりも上流側において生じやすい包装フィルム12の搬送方向における伸び縮みによる影響を抑制する上で有利となり、製造される包装袋の寸法精度を確保する上で有利となる。
【0059】
また、本実施の形態では、継ぎ目検出部40で検出される第1継ぎ目検出信号S1と、レジマーク検出部44で検出される第2継ぎ目検出信号S2とに基づいて、同一の継ぎ目18に対応する第1継ぎ目検出信号S1と第2継ぎ目検出信号S2との双方が検出された場合に、継ぎ目検出部40の位置が正常であると判定し、第1継ぎ目検出信号S1が検出されず第2継ぎ目検出信号S2が検出された場合に、継ぎ目検出部40の位置が異常であると判定するようにした。
したがって、継ぎ目検出部40の位置が正しい継ぎ目検出位置に位置調整されていないという異常を報知することができ、作業者が検出部位置調整機構42の不具合を解消するための作業を的確に行なう上で有利となる。
【0060】
また、上述した変形例のように、継ぎ目検出部40で検出される第1継ぎ目検出信号S1と、レジマーク検出部44で検出される第2継ぎ目検出信号S2とに基づいて、同一の継ぎ目18に対応する第1継ぎ目検出信号S1と第2継ぎ目検出信号S2との双方が検出された場合に、継ぎ目検出部40の位置が正常であると判定し、第1継ぎ目検出信号S1が検出されず第2継ぎ目検出信号S2が検出される場合に、継ぎ目検出部40の位置が異常であるか、あるいは、接着テープ20の折り返し部分が異常であるかの何れかであると判定するようにしてもよい。
この場合は、何れかの異常が発生したことを報知することができ、異常が報知された場合は、作業者が例えば目視によって包装フィルム10の継ぎ目18における接着テープ20の接着不良の有無を確認することで、単なる接着テープ20の接着不良が発生しているのか、検出部位置調整機構42の位置が誤っているのかを判別することができ、作業者が必要に応じて検出部位置調整機構42の不具合を解消するための作業を的確に行なう上で有利となる。
【0061】
なお、本実施の形態では、制御部68が継ぎ目18を含む包装袋を不良品として扱う制御として、製袋充填包装機24から排出された不良品としての包装袋を不良排除部によって搬送コンベア上から排除する制御を行なう場合について説明した。
しかしながら、制御部68が継ぎ目18を含む包装袋を不良品として扱う制御として、上述したように、不良品としての包装袋に製品を充填せずに空の包装袋を作る制御を行なう場合には、次のようにウェイトチェッカの機能を利用して不良品を排除してもよい。
すなわち、上記搬送コンベアに、包装袋の重量を検出する公知のウェイトチェッカを設ける。ウェイトチェッカによって測定された不良品としての包装袋は所定の合格範囲内に無いと判定されるので、その判定結果に基づいて上記不良排除部によって不良品を排除する。
【符号の説明】
【0062】
10 包装フィルム
10F 筒状フィルム
12 フィルム
12A 表面
12B 裏面
14 図柄
16 包装フィルム原反
18 継ぎ目
20 接着テープ
20A 折り返された接着テープの部分(折り返し部分)
22 レジマーク
24 製袋充填包装機
24A 装置本体
26 充填筒
2602 充填筒本体
28 ホッパ
30 フィルム供給機構
32 フォーマ
34 フィルム送り機構
3402 ベルトプーリ機構
36 縦シール機構
3602 縦シーラ
38 横シール機構
3802 横シーラ
3804A、3804B シールブロック
39 切断部
40 継ぎ目検出部
42 検出部位置調整機構
4202 ガイドシャフト
4204 移動ブロック
4206 送りねじ
4208 モータ
4209 カップリング
4210 位置計測部
4210A 検出板
4210B 近接センサ
44 レジマーク検出部
46 設定表示部
48 記憶部
50 制御装置
52A-52F ガイドローラ
54 テンション機構
5402 レバー
5404 揺動ローラ
5406 固定ローラ
56 計量機
60 袋体
60A 単包袋
60B 連包袋
62 縦接合部
64 横接合部
66 識別情報取得部
68 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13