IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社直伝の特許一覧

特開2024-175296管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置
<>
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図1
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図2
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図3
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図4
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図5
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図6
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図7
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図8
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図9
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図10
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図11
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図12
  • 特開-管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175296
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241211BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092967
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】517184978
【氏名又は名称】株式会社直伝
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平山 雅士
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB22
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】著作物を使用したコンテンツを有料で配信するための手続きの利便性を向上させることができる。
【解決手段】管理システムは、ユーザが配信するコンテンツの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報を取得する取得手段と、著作物の著作権を管理する外部装置に対し、取得手段によって取得した著作物の情報を用いて、著作物の使用を申請する申請手段と、コンテンツを視聴者に販売する販売サイトに、申請手段による申請が完了したコンテンツを掲載する販売管理手段と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが配信するコンテンツの情報および前記コンテンツで使用される著作物の情報を取得する取得手段と、
前記著作物の著作権を管理する外部装置に対し、前記取得手段によって取得した前記著作物の情報を用いて、前記著作物の使用を申請する申請手段と、
前記コンテンツを視聴者に販売する販売サイトに、前記申請手段による申請が完了した前記コンテンツを掲載する販売管理手段と、
を有することを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記コンテンツを購入した前記視聴者に前記コンテンツを配信する配信手段を
さらに有することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記取得手段は、前記コンテンツを解析して、前記著作物の情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
前記著作物の情報は、前記ユーザにより入力された情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項5】
前記コンテンツの情報は、前記コンテンツのデータと、前記コンテンツのタイトル、販売開始日、販売終了日、販売価格および視聴可能期間の情報とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記著作物が前記外部装置で管理されていない場合またはインターネット配信での使用を認められていない場合、前記ユーザに、前記著作物が管理対象外である旨を通知する通知手段を、
さらに有することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項7】
前記ユーザが設定した前記コンテンツの販売価格が、前記著作物の著作権使用料よりも高い適正価格でない場合、前記ユーザに、前記販売価格を変更するように通知する通知手段を、
さらに有することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項8】
前記通知手段は、前記コンテンツの前記適正価格を前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする請求項7に記載の管理システム。
【請求項9】
前記適正価格は、前記コンテンツで使用される前記著作物の著作権使用料、前記コンテンツの画質、前記コンテンツの音質、前記コンテンツの時間、および視聴可能期間の少なくともいずれかに基づいて算出される、
ことを特徴とする請求項7に記載の管理システム。
【請求項10】
前記著作物が前記外部装置で管理されていない場合またはインターネット配信での使用を認められていない場合、前記コンテンツから前記著作物が使用されている部分を削除するコンテンツ調整手段を、
さらに有することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項11】
前記販売管理手段は、前記コンテンツの売上を集計し、前記コンテンツの売上に応じて、前記コンテンツで使用される前記著作物の著作権使用料および前記ユーザに分配する分配金を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項12】
前記販売管理手段は、前記コンテンツの売上に関する情報、前記著作権使用料および前記分配金の金額を出力する、
ことを特徴とする請求項11に記載の管理システム。
【請求項13】
前記販売管理手段は、前記コンテンツの売上に関する情報を、前記著作物の著作権使用料を算出するための所定のフォーマットで出力する、
ことを特徴とする請求項11に記載の管理システム。
【請求項14】
ユーザが配信するコンテンツの情報および前記コンテンツで使用される著作物の情報を取得する取得ステップと、
前記著作物の著作権を管理する外部装置に対し、前記取得ステップで取得した前記著作物の情報を用いて、前記著作物の使用を申請する申請ステップと、
前記コンテンツを視聴者に販売する販売サイトに、前記申請ステップでの申請が完了した前記コンテンツを掲載する販売管理ステップと、
を有することを特徴とする管理方法。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1~13のいずれか1項に記載の管理システムの各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
ユーザが配信するコンテンツの情報および前記コンテンツで使用される著作物の情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記著作物の著作権を管理する外部装置に対し、前記入力手段で入力された前記著作物の情報を用いて、前記著作物の使用を申請する著作物申請手段と、
前記コンテンツを視聴ユーザに配信する管理システムに対し、前記コンテンツの情報を送信して、前記コンテンツの配信を申請する販売申請手段と、
を有することを特徴とする申請装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介した動画、音声等のコンテンツの配信と販売を管理する管理システム、管理方法、プログラムおよび申請装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上で、楽曲および映像などの著作物を使用して、有料でライブ配信または録画配信を行う場合、アーティスト(コンテンツクリエイター)は、利用する配信システムの選定、著作物を使用するための申請、および著作権使用料の支払いなどが求められる。特許文献1は、デジタル化された楽譜などの著作物が複製された場合に、著作物提供側が著作物使用側から適切に使用料を回収可能な著作物提供システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-190858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
著作物の複製とは異なり、インターネット上で著作物を使用したコンテンツを有料で配信する場合、コンテンツクリエイターは、配信システム使用料に加えて、配信形態および売上に応じた著作権使用料を支払うことが求められる。しかしながら、コンテンツクリエイターは、配信システムの選定、とくに著作物を使用するための手続き方法が分からず、配信を断念したり手続きに時間を要したりするおそれがある。
【0005】
本発明は、著作物を使用したコンテンツを有料で配信するための手続きの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、ユーザが配信するコンテンツの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報を取得する取得手段と、著作物の著作権を管理する外部装置に対し、取得手段によって取得した著作物の情報を用いて、著作物の使用を申請する申請手段と、コンテンツを視聴者に販売する販売サイトに、申請手段による申請が完了したコンテンツを掲載する販売管理手段と、を有することを特徴とする管理システムである。
【0007】
上記の管理システムは、コンテンツに含まれる著作物の使用の申請を代行する。コンテンツを配信するユーザは、コンテンツで使用される著作物の情報(例えば、著作権管理事業者が管理する著作物の管理番号)を管理システムに入力することで、著作権管理事業者に対する申請を管理システムに代行させることができる。すなわち、ユーザは、コンテンツの配信システムの選定から、コンテンツの配信申請、著作物の使用申請、販売までの流れをワンストップで行うことができる。また、管理システムは、著作権を使用するための申請だけでなく、原盤権などの他の権利を使用するための申請も代行してよい。このように、管理システムは、著作物を使用したコンテンツを有料で配信するための手続きの利便性を向上させることができる。さらに、管理システムは、著作物を使用するための申請を代行することで、ユーザが知らないうちに権利侵害をしてしまったり、故意に権利侵害をしたりすることを防ぐことができる。
【0008】
管理システムは、コンテンツを購入した視聴者にコンテンツを配信する配信手段を、さらに有してもよい。管理システムは、コンテンツの配信システムの選定から、コンテンツ
の配信申請、著作物の使用申請、販売に加え、配信までの流れをワンストップで行うことができる。
【0009】
取得手段は、コンテンツを解析して、著作物の情報を取得してもよい。管理システムは、コンテンツを解析することにより、コンテンツで使用される著作物を特定し、著作物の情報を取得する。したがって、配信ユーザは、著作物の情報を入力する手間を軽減することができる。
【0010】
著作物の情報は、ユーザにより入力された情報であってもよい。ユーザが著作物の情報を入力することにより、コンテンツで使用される著作物をより正確に特定することができ、管理システムは、コンテンツを解析する処理の負荷を軽減することができる。
【0011】
コンテンツの情報は、コンテンツのデータと、コンテンツのタイトル、販売開始日、販売終了日、販売価格および視聴可能期間の情報とを含んでもよい。コンテンツの情報は、コンテンツを有料で配信するために設定される情報を含む。
【0012】
管理システムは、著作物が外部装置で管理されていない場合またはインターネット配信での使用を認められていない場合、ユーザに、著作物が管理対象外である旨を通知する通知手段を、さらに有してもよい。管理システムは、コンテンツで使用される著作物が管理対象外である旨を通知することで、ユーザに、コンテンツで使用する著作物の見直しを促すことができる。
【0013】
管理システムは、ユーザが設定したコンテンツの販売価格が、著作物の著作権使用料よりも高い適正価格でない場合、ユーザに、販売価格を変更するように通知する通知手段を、さらに有してもよい。管理システムは、販売価格を変更するように通知することで、ユーザに、販売価格の見直しを促すことができる。
【0014】
通知手段は、コンテンツの適正価格をユーザに通知してもよい。管理システムから、例えばメールなどによって販売価格の適正価格がユーザに通知されることで、ユーザは、管理システムから提案された適正価格を参考にして、コンテンツの販売価格を適切に修正することができる。
【0015】
適正価格は、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料、コンテンツの画質、コンテンツの音質、コンテンツの時間、および視聴可能期間の少なくともいずれかに基づいて算出されてもよい。管理システムは、各種条件に基づいて、コンテンツを販売する際の適正価格を適切に算出することができる。
【0016】
管理システムは、著作物が外部装置で管理されていない場合またはインターネット配信での使用を認められていない場合、コンテンツから著作物が使用されている部分を削除するコンテンツ調整手段を、さらに有してもよい。管理システムは、コンテンツから管理対象外の著作物を削除することで、当該楽曲の不正使用を回避することができる。
【0017】
販売管理手段は、コンテンツの売上を集計し、コンテンツの売上に応じて、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料およびユーザに分配する分配金を算出してもよい。管理システムは、コンテンツの売上の情報およびコンテンツで使用される著作物の情報を一元管理することで、著作権使用料および分配金を適時に算出することができる。
【0018】
販売管理手段は、コンテンツの売上に関する情報、著作権使用料および分配金の金額を出力してもよい。ユーザは、配信したコンテンツの売上に関する情報、著作権使用料および分配金の金額を容易に確認することができる。
【0019】
販売管理手段は、コンテンツの売上に関する情報を、著作物の著作権使用料を算出するための所定のフォーマットで出力してもよい。ユーザは、コンテンツの売上に関する情報についての著作権管理事業者への報告(レポート)の手間を軽減することができる。
【0020】
また、本発明の一側面は、ユーザが配信するコンテンツの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報を取得する取得ステップと、著作物の著作権を管理する外部装置に対し、取得ステップで取得した著作物の情報を用いて、著作物の使用を申請する申請ステップと、コンテンツを視聴者に販売する販売サイトに、申請ステップでの申請が完了したコンテンツを掲載する販売管理ステップと、を有することを特徴とする管理方法である。
【0021】
また、本発明の一側面は、コンピュータを、上記の管理システムの各手段として機能させるためのプログラムである。
【0022】
また、本発明の一側面は、ユーザが配信するコンテンツの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報の入力を受け付ける入力手段と、著作物の著作権を管理する外部装置に対し、入力手段で入力された著作物の情報を用いて、著作物の使用を申請する著作物申請手段と、コンテンツを視聴ユーザに配信する管理システムに対し、コンテンツの情報を送信して、コンテンツの配信を申請する販売申請手段と、を有することを特徴とする申請装置である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、著作物を使用したコンテンツを有料で配信するための手続きの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】管理システムの適用例を説明する図である。
図2】配信ユーザ管理サーバおよび申請装置の装置構成を例示する図である。
図3】管理システムおよび申請装置の機能構成を例示する図である。
図4】コンテンツ販売申請処理を例示するフローチャートである。
図5】管理システムの開始画面を例示する図である。
図6】ユーザ登録画面(メールアドレス登録)を例示する図である。
図7】ユーザ登録画面(パスワード登録)画面を例示する図である。
図8】アカウント情報入力画面を例示する図である。
図9】著作物の使用についての確認画面を例示する図である。
図10】販売申請画面を例示する図である。
図11】コンテンツ登録画面を例示する図である。
図12】コンテンツ一覧画面を例示する図である。
図13】コンテンツ詳細画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
【0026】
(管理システムの構成)
図1は、管理システム100の適用例を説明する図である。管理システム100は、コンテンツを有料で配信しようとする配信ユーザからの申請により、コンテンツで著作物を使用するための申請、コンテンツの販売およびコンテンツの配信を代行するシステムであ
る。詳細は割愛するが、管理システムは、著作権を使用するための申請だけでなく、原盤権などの他の権利を使用するための申請も代行してよい。管理システム100は、例えば、コンテンツの販売および配信を代行するサービスを提供する配信代行事業者により運用される。
【0027】
なお、管理システム100は、有料でのコンテンツの販売および配信に加えて、無料で視聴者に提供されるコンテンツの配信も可能である。また、以下では、著作物が音楽であることを想定して説明するが、本発明は、著作物が画像、動画、写真などである場合にも適用可能である。
【0028】
管理システム100は、配信ユーザ管理サーバ110、著作権申請サーバ120、販売サーバ130、配信サーバ140、決済サーバ150を含む。各サーバは、1つのコンピュータで構成されてもよく、複数のコンピュータで構成されてもよい。また、複数のサーバが1つのコンピュータで構成されてもよい。
【0029】
管理システム100は、申請装置200および視聴端末400に接続される。申請装置200は、配信ユーザが、管理システム100によるコンテンツの販売および配信サービスを利用するための申請に用いられる。視聴端末400は、コンテンツを視聴する視聴ユーザ(視聴者)が、コンテンツを購入し視聴するために用いられる。申請装置200および視聴端末400は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォンまたはタブレット端末などのコンテンツの視聴が可能な電子機器である。
【0030】
また、管理システム100は、著作権管理サーバ300に接続される。著作権管理サーバ300は、著作権管理事業者が運用するサーバであり、著作物の著作権を管理する。著作権管理サーバ300は、「外部装置」の一例である。
【0031】
管理システム100に含まれる各サーバ、申請装置200、著作権管理サーバ300、視聴端末400は、有線LAN(Local Area Network)もしくは無線LAN等の内部ネットワーク、または、インターネット等の広域ネットワークにより相互に接続される。
【0032】
管理システム100に含まれる各サーバの具体的な処理の例を説明する。配信ユーザ管理サーバ110は、申請装置200から配信ユーザの情報を受信して、配信ユーザのアカウントを作成する。配信ユーザ管理サーバ110は、申請装置200から、コンテンツの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報などのコンテンツ販売に関する情報を受信する。また、配信ユーザ管理サーバ110は、申請装置200に対し、配信ユーザが販売してコンテンツの売上に関する情報(売上件数、売上金額など)、および売上金額のうち配信ユーザに分配される分配金の情報などを送信する。
【0033】
著作権申請サーバ120は、配信ユーザ管理サーバ110から、コンテンツの配信ユーザの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報を受信し、著作権管理サーバ300に対して、著作物を使用するための申請処理を実行する。また、著作権申請サーバ120は、著作権管理サーバ300に対し、コンテンツの売上に関する情報などに基づいて算出される著作物の著作権使用料の情報などを送信する。著作権申請サーバ120は、著作権管理サーバ300から著作権使用料の請求情報を受信し、著作権使用料の支払い処理を実行する。
【0034】
販売サーバ130は、配信ユーザ管理サーバ110から、コンテンツ(映像データ)、コンテンツの販売に関する情報(販売価格、視聴可能期間、販売期間など)を受信し、コンテンツを販売サイトに掲載する。また販売サーバ130は、配信ユーザ管理サーバ11
0に対し、コンテンツの売上に関する情報などを送信する。
【0035】
販売サーバ130は、視聴端末400から視聴ユーザの情報を受信して、視聴ユーザのアカウントを作成する。販売サーバ130は、視聴端末400から、視聴ユーザによるコンテンツ購入の情報を受信する。販売サーバ130は、コンテンツを購入した視聴ユーザに、当該コンテンツを視聴可能とする視聴権限を付与する。販売サーバ130は、視聴ユーザごとに、視聴権限および視聴履歴などを管理する。
【0036】
販売サーバ130は、配信サーバ140に対し、コンテンツを購入した視聴ユーザの視聴権限の情報および購入されたコンテンツの情報を送信する。販売サーバ130は、決済サーバ150に対し、コンテンツを購入した視聴ユーザの決済方法、決済金額などの決済情報を送信し、購入されたコンテンツの決済を指示する。販売サーバ130は、視聴ユーザごとの売上およびコンテンツごとの売上に関する情報を管理する。
【0037】
配信サーバ140は、販売サーバ130から視聴ユーザの視聴権限の情報および購入されたコンテンツの情報を受信する。配信サーバ140は、視聴端末400から接続要求があった場合、視聴ユーザの視聴権限に基づいて、接続要求があったコンテンツを配信する。視聴権限がない視聴ユーザからの接続要求であった場合、配信サーバ140は、視聴端末400に視聴権限がない旨を通知する。
【0038】
決済サーバ150は、販売サーバ130から決済情報を受信し、決済処理を実行する。決済サーバ150は、例えば、決済代行会社のシステムを介して決済処理を実行することができる。なお、管理システム100の各サーバによる処理は、上記で説明したサーバとは異なるサーバで実行されてもよく、いずれのサーバで実行されるかは適宜変更可能である。
【0039】
図2は、配信ユーザ管理サーバ110および申請装置200の装置構成(ハードウェア構成)を例示する図である。著作権申請サーバ120、販売サーバ130、配信サーバ140および決済サーバ150は、配信ユーザ管理サーバ110と同様の構成を有する。
【0040】
配信ユーザ管理サーバ110は、プロセッサ1101、主記憶部1102、補助記憶部1103、通信部1104、入力部1105および出力部1106を備え、バスによって相互に電気的に接続される。
【0041】
プロセッサ1101は、補助記憶部1103に保持されたオペレーティングシステム(OS)および様々なコンピュータプログラムを主記憶部1102に読み出して実行することによって、配信ユーザ管理サーバ110による様々な処理を実行する。ただし、コンピュータプログラムによる処理の一部は、ASICやFPGAのようなハードウェア回路により実行されてもよい。プロセッサ1101は、例えば、CPU、DSPを含む。
【0042】
主記憶部1102は、補助記憶部1103に格納されているプログラムを読み出すための記憶領域、およびプログラムを実行するための作業領域を、プロセッサ1101に提供する。主記憶部1102は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み込み専用メモリ(ROM)を含む。補助記憶部1103は、様々なプログラムおよび各プログラムの実行に際してプロセッサ1101が使用するデータを格納する。補助記憶部1103は、例えば、EPROM、ハードディスクドライブ(HDD)を含む。通信部1104は、管理システム100内の他のサーバ、および申請装置200などの外部の装置との間の通信を制御する。
【0043】
入力部1105は、管理システム100を運用する配信代行事業者のユーザから、管理
システム100が実行する各種処理についての指示を受け付ける。入力部1105は、例えば、タッチパッド、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、および操作ボタンなどの操作部材である。出力部1106は、配信代行事業者のユーザの指示により、管理システム100が実行した処理の結果などを出力する。出力部1106は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELディスプレイを含む。
【0044】
申請装置200は、プロセッサ2001、主記憶部2002、補助記憶部2003、通信部2004、入力部2005および出力部2006を備え、バスによって相互に電気的に接続される。
【0045】
プロセッサ2001、主記憶部2002、補助記憶部2003は、配信ユーザ管理サーバ110のプロセッサ1101、主記憶部1102、補助記憶部1103とそれぞれ同様であるため、説明は省略する。通信部2004は、管理システム100内の各サーバなどの外部の装置との間の通信を制御する。
【0046】
入力部2005は、コンテンツを配信する配信ユーザから、コンテンツの販売および配信サービスを利用するための申請(以下、販売申請とも称される)の情報の入力を受け付ける。入力部2005は、配信ユーザ管理サーバ110の入力部1105と同様の操作部材である。入力部2005は、「入力手段」の一例である。出力部2006は、コンテンツの販売申請のための入力画面、販売申請結果、コンテンツの売上に関する情報などを出力する。出力部1106は、例えば、配信ユーザ管理サーバ110の出力部1106と同様のディスプレイである。
【0047】
図3は、管理システム100および申請装置200の機能構成を例示する図である。管理システム100は、配信ユーザ管理部111、配信情報取得部112、通知部113、コンテンツ調整部114、著作物申請部121、販売管理部131、配信部141および決済部151を備える。申請装置200は、申請部201を備える。
【0048】
管理システム100の配信ユーザ管理部111は、管理システム100によりコンテンツを配信しようとする配信ユーザの情報(アカウント情報)を管理する。配信ユーザ管理部111は、配信ユーザが入力部2005を介して入力したアカウント情報に基づいて、配信ユーザのアカウントを作成しユーザ登録を行う。配信ユーザのアカウント情報は、補助記憶部1103に格納される。
【0049】
配信情報取得部112は、配信ユーザから、コンテンツの販売申請を受け付ける。配信情報取得部112は、配信ユーザから販売申請を受け付けた際に、配信対象のコンテンツの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報を取得する。著作物の情報は、配信ユーザにより入力された情報である。なお、配信情報取得部112は、コンテンツを解析して、使用楽曲を特定することにより、著作物の情報を取得してもよい。また、配信情報取得部112は、販売申請の内容に不備がないか、コンテンツの販売価格が適正価格であるかを確認する。配信情報取得部112は、「取得手段」の一例である。
【0050】
通知部113は、配信ユーザからの販売申請の手続において、配信ユーザに所定の通知を行う。通知部113は、例えば、通知の内容が記載されたメールを自動で生成し、配信ユーザのメールアドレスに送信する。通知の方法は、メールに限られず、ショートメッセージ(SMS、Short Message Service)など他の方法が採用されてもよい。所定の通知
は、例えば、販売申請の内容に不備があることの通知である。また、所定の通知は、コンテンツで使用される著作物が著作権管理サーバ300の管理対象外であることの通知である。また、所定の通知は、配信ユーザが設定したコンテンツの販売価格が適正価格でないことの通知である。
【0051】
適正価格は、例えば、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料よりも高い価格である。配信情報取得部112は、例えば、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料、コンテンツの画質、コンテンツの音質、コンテンツの時間、および視聴可能期間の少なくともいずれかに基づいて適正価格を算出することができる。コンテンツの画質は、解像度、フレームレートおよびビットレートなどを含む。コンテンツの音質は、ビットレートなどを含む。通知部113は、「通知手段」の一例である。
【0052】
コンテンツ調整部114は、コンテンツで使用される著作物が著作権管理サーバ300で管理されていない場合またはインターネット配信での使用を認められていない場合、コンテンツから当該著作物が使用されている部分を削除することができる。コンテンツ調整部114は、「コンテンツ調整手段」の一例である。
【0053】
著作物申請部121は、著作権管理サーバ300に対し、コンテンツで使用される著作物の使用を申請する。著作物申請部121は、配信情報取得部112が取得したコンテンツで使用される著作物の情報を用いて、申請処理を実行する。著作物申請部121は、「申請手段」の一例である。
【0054】
販売管理部131は、著作物申請部121により、コンテンツで使用される著作物の使用の申請が完了したコンテンツを、視聴者にコンテンツを販売する販売サイトに掲載する。販売管理部131は、視聴端末400から視聴ユーザの情報を受信して、視聴ユーザのアカウントを作成し、視聴ユーザのアカウント情報を管理する。販売管理部131は、視聴ユーザごとに、視聴権限、視聴履歴および売上に関する情報などを管理する。販売管理部131は、コンテンツの売上に関する情報に基づいて、著作権使用料、分配金などを算出する。販売管理部131は、「販売管理手段」の一例である。
【0055】
配信部141は、コンテンツの視聴権限を持つ視聴ユーザの視聴端末400から接続要求があった場合に、接続要求があったコンテンツを配信する。配信部141は、「配信手段」の一例である。決済部151は、販売管理部131が管理する決済方法、決済金額などの決済情報に基づいて、購入されたコンテンツの決済処理を実行する。また、決済部151は、著作権管理事業者に対する著作権使用料の支払い処理、および配信ユーザに対する分配金の支払い処理を実行する。
【0056】
申請装置200の申請部201は、管理システム100に対し、配信ユーザが登録したコンテンツの情報を送信して、当該コンテンツの配信を申請する。申請部201は、「販売申請手段」の一例である。
【0057】
(販売申請処理)
図4は、コンテンツの販売申請処理を例示するフローチャートである。以下の説明では、図3に示す各機能部を、処理の主体として説明するが、各ステップでの処理は、配信ユーザ管理サーバ110のプロセッサ1101など、管理システム100に含まれる各サーバのプロセッサにより実現される。
【0058】
図4に示す販売申請処理は、例えば、配信ユーザがコンテンツの販売申請をするために、管理システム100にアクセスしたことを契機に開始される。図5は、管理システム100の開始画面501を例示する図である。
【0059】
開始画面501において、配信ユーザは、配信するコンテンツで著作権使用料が発生する楽曲(著作物)を使用する場合、リンク502をクリックする。クリックする操作は、タッチ操作など、操作対象アイテムを選択する操作を含む。リンク502がクリックされ
ると、管理システム100は、図6のユーザ登録画面を表示する。ユーザ登録が完了している場合には、リンク502がクリックされると、管理システム100は、トップページまたは図9の確認画面901を表示する。確認画面901は、配信ユーザからの販売申請を受け付ける。トップページは、各種画面に遷移するためのメニュー画面である。
【0060】
配信するコンテンツで著作権使用料が発生する音楽を使用しない場合、配信ユーザは、リンク503をクリックする。管理システム100は、著作権使用料が発生する音楽を使用しないコンテンツの販売申請では、各種画面において、著作物に関する事項を表示しないようにしたり、グレーアウトしたりするように制御する。また、著作権使用料が発生する音楽を使用しないコンテンツの販売申請では、著作物を使用するための著作権管理サーバ300に対する申請処理は実行されない。
【0061】
ステップS101では、配信ユーザ管理部111は、配信ユーザのユーザ登録およびアカウント情報の登録を行う。図6および図7は、ユーザ登録画面を例示する図である。図6は、メールアドレスを登録するためのユーザ登録画面601の例を示す。配信ユーザは、メールアドレス602の入力欄およびメールアドレス再入力603の入力欄のそれぞれに同じメールアドレスを入力する。配信ユーザは、「会員規約に同意する」、「私はロボットではありません」などのチェック項目にチェックを入れて、「次へ」ボタン604をクリックする。
【0062】
「次へ」ボタン604がクリックされると、配信ユーザ管理部111は、メールアドレス602に入力されたメールアドレスに対し、パスワードを登録するユーザ登録へのリンクを含むメールを送信する。配信ユーザが受信したメールに含まれるリンクをクリックすると、管理システム100は、パスワードを登録するユーザ登録画面を表示する。
【0063】
図7は、パスワードを登録するためのユーザ登録画面701の例を示す。配信ユーザは、パスワード702の入力欄およびパスワード(確認)703の入力欄のそれぞれに同じパスワードを入力し、「ログイン」ボタン704をクリックする。「ログイン」ボタン704がクリックされると、配信ユーザ管理部111は、配信ユーザのパスワードを補助記憶部1103に保存する。パスワードが保存されると、管理システム100はアカウント情報入力画面を表示する。
【0064】
図8は、アカウント情報入力画面801を例示する図である。アカウント情報入力画面801は、図6のユーザ登録画面601および図7のユーザ登録画面701で登録した配信ユーザのアカウント情報を登録または更新するための画面である。アカウント情報は、例えば、名前、フリガナ、グループ名、メールアドレス、パスワード、ホームページ(HP)のURL、連絡先の電話番号、および振込先を含む。振込先は、売上金額のうち配信ユーザに分配される分配金が振り込まれる口座の情報である。
【0065】
配信ユーザは、名前802(フリガナおよび名前)、グループ名803を入力する。登録メールアドレス804は、図6のユーザ登録画面601で登録されたメールアドレスを初期値として表示する。配信ユーザは、登録メールアドレス804に変更がある場合、メールアドレス変更805の入力欄に、変更後のメールアドレスを入力する。配信ユーザは、図7のユーザ登録画面701で登録されたパスワードに変更がある場合、パスワード変更806の入力欄に、変更後のパスワードを入力する。配信ユーザは、HPのURL807、電話番号808、振込先809を入力する。
【0066】
配信ユーザは、アカウント情報の入力が完了すると、「更新」ボタン810をクリックする。「更新」ボタン810がクリックされると、配信ユーザ管理部111は、アカウント情報を登録または更新して、補助記憶部1103に保存する。なお、ユーザ登録および
アカウント情報の登録が事前に完了している場合、ステップS101の処理は省略される。配信ユーザは、予めユーザ登録を完了しておくことで、アカウント情報を繰り返し入力する手間を軽減することができる。
【0067】
図4のステップS102では、配信情報取得部112は、コンテンツの販売申請を受け付ける。図9および図10を参照して、コンテンツの販売申請について説明する。図9は、著作物の使用についての確認画面901を例示する図である。確認画面901は、著作物を利用する際の確認事項902を表示する。確認事項902は、著作権および原盤権についての説明を含んでもよく、著作権および原盤権について詳細に説明するサイトへのリンクを含んでもよい。配信ユーザは、確認事項902の内容を確認することで、有料でのコンテンツの配信に関連する著作権および原盤権についての知識を得ることができる。配信ユーザは、確認事項902の各項目について、問題がなければチェックボックスをチェックする。
【0068】
確認画面901は、「X社検索システム」ボタン903および「Y社検索システム」ボタン904を表示する。「X社検索システム」ボタン903がクリックされると、著作権管理事業者であるX社の楽曲検索システムのサイトが表示される。また、「Y社検索システム」ボタン904をクリックされると、著作権管理事業者であるY社の楽曲検索システムのサイトが表示される。配信ユーザは、著作権管理事業者の楽曲検索システムに対して、例えば曲名、作曲者名および作詞者名などを指定して楽曲を検索し、当該楽曲が楽曲検索システムで管理されており、インターネット配信での使用を認められているか否かを確認することができる。なお、確認画面901は、複数の著作権管理事業者がそれぞれに管理する楽曲のデータベースを、一括で検索するためのユーザインタフェースを有してもよい。
【0069】
配信情報取得部112は、確認事項902の各項目がチェックされると、「次へ」ボタン905をクリック可能にする。配信ユーザが「次へ」ボタン905をクリックすると、管理システム100は、販売申請画面を表示する。
【0070】
図10は、販売申請画面1001を例示する図である。配信情報取得部112は、販売申請画面1001に入力される情報を、コンテンツの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報として取得する。
【0071】
コンテンツの情報は、内容、配信形式、タイトル、演者名または団体名、PR文章、コンテンツの時間、データ量、楽曲数、販売価格、視聴可能期間、販売開始日、販売終了日およびコンテンツ(映像データ)を含む。なお、コンテンツの映像データは、図11で説明するコンテンツ登録画面1021でアップロードされる。コンテンツで使用される著作物の情報は、使用される楽曲の管理番号、およびメドレー形式であるか否かといった情報を含む。
【0072】
販売申請画面1001では、配信ユーザは、コンテンツの内容1002を選択肢(オリジナル楽曲演奏・歌唱、コピー楽曲演奏・歌唱、ダンス、音楽レッスン、音楽を使わない動画など)から選択する。配信ユーザは、コンテンツの配信形式1003が録画データであるかライブ配信であるかを選択する。配信ユーザは、タイトル1004、演者名または団体名1005、PR文章1006、コンテンツの時間1007、データ量1008、楽曲数1009、販売価格1011、視聴可能期間1012、販売開始日1013および販売終了日1014を入力する。コンテンツの時間1007はコンテンツの再生時間である。視聴可能期間1012は、コンテンツを購入した視聴ユーザがコンテンツを視聴することができる期間である。
【0073】
配信ユーザは、コンテンツで使用される使用楽曲1010(使用楽曲1~3)の管理番号を入力し、それぞれの楽曲がメドレー形式であるか否かを選択する。使用楽曲1010を入力する欄の数は、楽曲数1009に入力された数に合わせて変更されてもよい。また、コンテンツの内容1002で、「音楽を使わない動画」が選択された場合、使用楽曲1010を入力する欄は、非表示とするか、またはグレーアウトとしてもよい。
【0074】
使用楽曲1010の管理番号は、著作権管理事業者が管理する著作物の管理番号である。著作物の管理番号は、著作権管理事業者の楽曲検索システムで確認することができる。販売申請画面1001の「X社検索システム」ボタン1015および「Y社検索システム」ボタン1016がクリックされると、それぞれの楽曲検索システムのサイトが表示される。配信ユーザは、著作権管理事業者の楽曲検索システムに対して、例えば楽曲のタイトルまたは作曲者などを指定して楽曲を検索し、当該楽曲の管理番号を確認することができる。なお、販売申請画面1001は、複数の著作権管理事業者がそれぞれに管理する楽曲のデータベースを、一括で検索するためのユーザインタフェースを有してもよい。
【0075】
配信ユーザが「申請する」ボタン1017をクリックすると、配信情報取得部112は、販売申請画面1001に入力された内容で販売申請を受け付ける。販売申請の受付が完了すると、通知部113は、販売申請の受付が完了したことを配信ユーザに通知する。通知部113は、例えば、通知内容が記載された画面を表示するか、または通知内容が記載されたメールを送信することで、配信ユーザへの通知を行うことができる。なお、販売申請の受付が完了したことの通知は、ステップS103で販売申請の内容に不備がないと判定された後に実行されてもよい。
【0076】
図4のステップS103では、配信情報取得部112は、ステップS102で受け付けた販売申請の内容に不備があるか否かを判定する。不備がない場合、処理はステップS104に進む。不備がある場合、処理はステップS110に進む。
【0077】
ステップS103で、販売申請の内容に不備があると判定された場合、ステップS110では、通知部113は、配信ユーザに対し、販売申請の内容に不備があることを通知する。配信ユーザに通知する不備の内容は、配信代行事業者のユーザによって入力された内容であってもよく、配信情報取得部112によって判定された不備の内容であってもよい。
【0078】
ステップS104では、配信情報取得部112は、配信ユーザからコンテンツの登録を受け付ける。図11は、コンテンツ登録画面1021を例示する図である。コンテンツ登録画面1021は、例えば、ステップS103で販売申請の内容に不備がないと判定された場合に表示される。また、販売申請の内容に不備がないと判定された場合に、通知部113は、販売申請の受付が完了したことを配信ユーザに通知し、当該通知にコンテンツ登録画面1021へのリンクが表示されるようにしてもよい。配信ユーザは、通知に表示されたリンクをクリックすることにより、コンテンツ登録画面1021を表示することができる。
【0079】
コンテンツ登録画面1021では、配信ユーザは、コンテンツ1022、サンプル動画1023、販売サイト掲載用のサムネイル1024をアップロードする。配信ユーザは、コンテンツのファイルを、例えばアップロード領域1022aにドラッグアンドドロップすることにより登録することができる。同様に、配信ユーザは、コンテンツのサンプル動画およびサムネイルのファイルを、それぞれアップロード領域1023aおよびアップロード領域1024aにドラッグアンドドロップすることにより登録することができる。
【0080】
配信ユーザが「TOPに戻る」ボタン1025をクリックすると、配信情報取得部11
2は、アップロードされたコンテンツ、サンプル動画およびサムネイルを補助記憶部1103に保存する。また、「TOPに戻る」ボタン1025がクリックされると、管理システム100は、トップページを表示する。
【0081】
ステップS105では、著作物申請部121は、販売申請画面1001で入力された使用楽曲1010を著作権管理事業者の情報と照合し、使用楽曲1010が管理対象外であるか否かを確認する。具体的には、著作物申請部121は、著作権管理事業者の楽曲検索システムにアクセスし、使用楽曲1010が著作権管理事業者により管理されているか否か、および使用楽曲1010がインターネット配信での使用を認められているか否かを確認する。
【0082】
ステップS106では、著作物申請部121は、ステップS105での照合結果に基づいて、入力された使用楽曲1010のうち管理対象外の楽曲があるか否かを判定する。管理対象外の楽曲がない場合、処理はステップS107に進む。管理対象外の楽曲がある場合、処理はステップS110に進む。
【0083】
ステップS106で、管理対象外の楽曲があると判定された場合、ステップS110では、通知部113は、配信ユーザに対し、販売申請画面1001で入力された使用楽曲1010のうち、管理対象外の楽曲があることを通知する。配信ユーザは、管理対象外の楽曲についての通知を受けた場合、コンテンツから当該楽曲が演奏される部分を削除するか、別途使用許諾を得ることで、当該楽曲の不正使用を回避することができる。
【0084】
なお、ステップS106で、管理対象外の楽曲があると判定された場合、コンテンツ調整部114は、コンテンツから当該楽曲が使用されている部分を削除してもよい。この場合、通知部113は、配信ユーザに対し、販売申請画面1001で入力された使用楽曲1010のうち管理対象外の楽曲があること、およびコンテンツから当該楽曲が使用されている部分を削除したことを通知する。管理対象外の楽曲が使用されている部分を削除することで、当該楽曲の不正使用は回避することができる。
【0085】
ステップS107では、配信情報取得部112は、販売申請画面1001で入力されたコンテンツの販売価格1011が適正価格以上であるか否かを判定する。適正価格は、例えば、コンテンツの販売によって発生する著作物の著作権使用料よりも高い価格である。また、適正価格は、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料、コンテンツの画質、コンテンツの音質、コンテンツの時間、および視聴可能期間の少なくともいずれかに基づいて算出されてもよい。コンテンツの画質は、解像度、フレームレート、ビットレートなどを含む。コンテンツの音質は、ビットレートなどを含む。販売価格1011が適正価格以上である場合、処理はステップS108に進む。販売価格1011が適正価格より低い場合、処理はステップS110に進む。
【0086】
ステップS107で、販売価格1011が適正価格より低いと判定された場合、ステップS110では、通知部113は、配信ユーザに対し、コンテンツの販売価格1011が適正価格より低いことを通知する。通知部113は、コンテンツの販売価格の適正価格を、配信ユーザに通知し提案してもよい。配信ユーザは、提案された適正価格を参考にして、コンテンツの販売価格を適切に修正することができる。
【0087】
ステップS108では、著作物申請部121は、コンテンツで使用される楽曲について著作権管理事業者への申請を行う。著作物申請部121は、例えば、申請に用いられる情報を申請用のフォーマットで出力し、著作権管理サーバ300に送信して申請を行う。申請に用いられる情報は、販売申請画面1001で入力される著作物の情報を含む。図10の例では、販売申請画面1001は、申請に用いられる情報として、著作物の管理番号お
よびメドレー形式か否かの項目を含むが、これに限られず、曲名、作曲者名、作詞者名などの項目を含んでもよい。
【0088】
ステップS109では、販売管理部131は、ステップS108で著作物の使用の申請が完了したコンテンツを、視聴ユーザにコンテンツを販売する販売サイトに掲載する。販売管理部131は、販売サイトに掲載されたコンテンツについて、視聴ユーザから購入の手続きを受け付けることができる。
【0089】
販売管理部131は、視聴ユーザからコンテンツの購入の手続きを受け付けると、決済部151に対し、販売代金の決済を依頼する。販売代金の決済は、公知の技術により実現可能である。
【0090】
販売管理部131は、視聴ユーザからコンテンツの購入の手続きを受け付けると、配信部141に対し、視聴ユーザの情報およびコンテンツの視聴権限の情報を送信する。配信部141は、視聴端末400から、コンテンツの視聴の要求を受け付けると、視聴ユーザの情報およびコンテンツの視聴権限の情報に基づいて、要求されたコンテンツを配信する。
【0091】
(コンテンツおよび売上に関する情報の確認)
図12および図13を参照して、配信ユーザが管理システム100に登録したコンテンツを確認するための画面について説明する。図12は、コンテンツ一覧画面1201を例示する図である。コンテンツ一覧1202は、配信ユーザが管理システム100に登録したコンテンツの情報を一覧表示する。
【0092】
図12の例では、コンテンツ一覧1202は、各コンテンツの番号(No.)、タイトル、販売状態、販売開始日、販売終了日、販売価格、視聴可能期間、売上件数、著作権使用料、分配金および振込状況の項目を含む。管理システム100は、コンテンツの売上に関する情報、著作権使用料および分配金の金額を出力してコンテンツ一覧画面1201に表示することで、配信ユーザがこれらの情報を確認できるようにする。
【0093】
番号(No.)は、コンテンツを識別するための番号である。タイトルは、販売申請画面1001で入力されたコンテンツのタイトル1004である。販売状態は、販売開始日前には「販売開始前」、販売開始日から販売終了日までの間は「販売中」、販売終了日経過後は「販売終了」と表示される。販売開始日、販売終了日、販売価格および視聴可能期間は、それぞれ販売申請画面1001で入力された販売開始日1013、販売終了日1014、販売価格1011および視聴可能期間1012である。売上件数は、コンテンツが購入された現時点での数量である。著作権使用料は、売上金額(=販売価格×売上件数)および配信形式などに基づいて算出され、著作権管理事業者に支払われる金額である。分配金は、売上金額のうち、配信ユーザに分配される金額である。振込状況は、配信ユーザの振込先への分配金の振込状況であり、振込済であるか否か、または振込予定時期などを表示する。
【0094】
なお、コンテンツ一覧1202は、管理システム100の利用料の項目をさらに含んでもよい。管理システム100の利用料は、管理システム100を運用する配信代行事業者に支払われる。管理システム100の利用料は、例えば、初期費用を無料として、売上金額に応じた額とすることができる。著作権使用料および配信ユーザへの分配金も売上金額に応じた額である場合には、管理システム100の利用料は、売上金額から著作権使用料および分配金を差し引いた金額となる。売上金額に応じた料金体系とすることで、配信ユーザは、コンテンツの配信による売上の管理をしやすくなる。
【0095】
配信ユーザが「TOPに戻る」ボタン1203をクリックすると、管理システム100は、トップページを表示する。また、配信ユーザが、コンテンツ一覧1202から、申請内容を確認したいコンテンツの番号(No.)をクリックすると、管理システム100は、クリックされた番号(No.)のコンテンツの申請内容を示すコンテンツ詳細画面を表示する。
【0096】
図13は、コンテンツ詳細画面1301を例示する図である。コンテンツ詳細画面1301は、販売申請画面1001で入力されたタイトル1004、演者名または団体名1005、PR文章1006、コンテンツの時間1007、データ量1008を表示する。また、コンテンツ詳細画面1301は、使用楽曲1010の情報(例えば、楽曲名および管理番号)を表示する。また、コンテンツ詳細画面1301は、販売申請画面1001で入力された販売価格1011、視聴可能期間1012、販売開始日1013および販売終了日1014を表示する。なお、コンテンツ詳細画面1301は、著作権使用料、コンテンツの売上件数、配信ユーザへの分配金、振込状況および管理システム100の利用料をさらに表示してもよい。
【0097】
(著作権使用料および分配金の算出)
販売管理部131は、コンテンツの販売期間が終了した後、もしくはコンテンツの販売期間中に定期的に、コンテンツの売上を集計し、コンテンツの売上に応じて、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料および配信ユーザに分配する分配金を算出する。販売管理部131は、著作権管理事業者が定める使用料規定に基づいて、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料を算出することができる。販売管理部131は、例えば、売上金額に所定の割合を乗じて、配信ユーザに分配する分配金を算出することができる。
【0098】
なお、販売管理部131は、配信ユーザからの要求があった場合に、著作権使用料および分配金を算出し、配信ユーザに提示してもよい。例えば、図12のコンテンツ一覧1202に示すように、配信ユーザは、販売中のコンテンツについて、現時点での著作権使用料および分配金を、任意のタイミングで確認することができる。また、販売管理部131が定期的に著作権使用料および分配金を算出する場合、通知部113は、算出結果を含む販売状況の情報を、メールなどによって配信ユーザに通知してもよい。配信ユーザは定期的に通知を受信することで、販売状況を容易に把握することができる。
【0099】
販売管理部131は、算出した著作権使用料および分配金の情報を決済部151に送信する。決済部151は、著作権管理事業者に対する著作権使用料の支払い、および配信ユーザに対する分配金の支払いの決済処理を実行する。なお、決済処理は、コンテンツの販売期間が終了した後に実行されてもよく、コンテンツの販売期間中であっても予め取り決めた期間ごとに定期的に実行されてもよい。配信ユーザは、コンテンツの販売終了後に一括精算とするか、定期的な精算とするかを選択することができる。
【0100】
販売管理部131は、コンテンツの売上に関する情報を、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料を算出するための所定のフォーマットで出力する。所定のフォーマットは、著作権管理事業者により指定された報告用のフォーマットである。所定のフォーマットに含まれる情報は、例えば、コンテンツのタイトル、使用された楽曲に関する情報およびコンテンツの売上金額である。
【0101】
著作物申請部121は、所定のフォーマットで出力されたコンテンツの売上に関する情報を、著作権管理サーバ300に送信する。著作権管理事業者は、受信した情報を、決済部151により支払われた著作権使用料と照合することができる。これにより、配信ユーザは、コンテンツの売上に関する情報および著作権使用料の支払いについての著作権管理事業者への報告(レポート)の手間を軽減することができる。
【0102】
上記の実施形態では、管理システム100は、コンテンツで使用される楽曲の管理番号などの著作物の情報を用いて、著作権管理事業者に対し著作物の使用を申請する。また、管理システム100は、コンテンツの売上に関する情報などに基づいて、コンテンツで使用される著作物の著作権使用料を算出し、著作権管理事業者に対して算出した著作権使用料を支払う。管理システム100は、著作物の使用についての知識に乏しい配信ユーザに代わって、著作物の使用の申請および著作権使用料の支払いなどを行うことで、著作物を使用したコンテンツを有料で配信するための手続きの利便性を向上させることができる。
【0103】
配信ユーザは、著作権管理事業者の管理下にある楽曲を使用して、インターネット上でコンテンツを販売しようとしても、手続の煩雑さが障害となり、著作物の使用を断念する場合があった。本実施形態によれば、管理システム100が著作権管理事業者に対する手続きを代行してくれるため、配信ユーザは、インターネットを活用した音楽配信を手軽に楽しめるようになり、視聴者が音楽に触れる機会が増えることにもつながる。さらに、管理システム100は、著作物を使用するための申請を代行することで、ユーザが知らないうちに権利侵害をしてしまったり、故意に権利侵害をしたりすることを防ぐことができる。
【0104】
<変形例1>
上記の実施形態では、配信情報取得部112は、販売申請画面1001で配信ユーザが入力した使用楽曲1010の情報を、コンテンツで使用される著作物の情報として取得する。変形例1では、配信情報取得部112は、コンテンツ登録画面1021で登録されたコンテンツ(映像データ)を解析して、著作物の情報を取得する。
【0105】
配信情報取得部112は、図4のステップS104の処理の後、映像データの解析が可能なAIによる学習済みモデルを用いてコンテンツを解析し、コンテンツで使用されている楽曲を特定する。ここでは、配信情報取得部112は、楽曲の管理番号ではなく、楽曲の曲名、作曲者名および作詞者名などの情報により楽曲を特定してもよい。図4のステップS105において、著作物申請部121は、特定された楽曲を著作権管理事業者の情報と照合することができる。
【0106】
変形例1によれば、管理システム100は、登録されたコンテンツから、コンテンツで使用される楽曲を特定するため、配信ユーザは、著作物の情報を入力しなくてもよい。したがって、管理システム100は、著作物を使用したコンテンツを有料で配信するための手続きの利便性をさらに向上させることができる。
【0107】
<変形例2>
上記の実施形態では、コンテンツで使用される著作物の使用の申請は、管理システム100の著作物申請部121により実行される。変形例2では、コンテンツで使用される著作物の使用の申請は、申請装置200の申請部201により実行される。申請部201は、「著作物申請手段」の一例である。
【0108】
申請装置200は、入力部2005を介して、配信ユーザからコンテンツの情報およびコンテンツで使用される著作物の情報の入力を受け付ける。申請部201は、入力された著作物の情報を用いて、著作権管理サーバ300に著作物の使用を申請する。また、申請部201は、配信する管理システム100に対し、コンテンツの情報を送信して、コンテンツの販売および配信を申請する。
【0109】
変形例2によれば、申請装置200によって著作物の使用の申請が実行されるため、管理システム100の負荷が軽減される。また、管理システム100および申請装置200
は、著作物の使用申請とコンテンツの販売および配信とを代行することで、実施形態と同様に、著作物を使用したコンテンツを有料で配信するための手続きの利便性を向上させることができる。
【0110】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。また、本開示において説明した構成や処理は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0111】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0112】
本発明は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0113】
100:管理システム、110:配信ユーザ管理サーバ、120:著作権申請サーバ、130:販売サーバ、140:配信サーバ、150:決済サーバ
200:申請装置、300:著作権管理サーバ、400:視聴端末
111:配信情報取得部、112:通知部、113:コンテンツ調整部、121:著作物申請部、131:販売管理部、141:配信部、151:決済部、201:申請部
1101:プロセッサ、1102:主記憶部、1103:補助記憶部、1104:通信部、1105:入力部、1106:出力部
2001:プロセッサ、2002:主記憶部、2003:補助記憶部、2004:通信部、2005:入力部、2006:出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13