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特開2024-175327測定装置、測定方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175327
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】測定装置、測定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20241211BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20241211BHJP
【FI】
H01L21/66 V
G01R31/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093026
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】小川 翔悟
【テーマコード(参考)】
2G003
4M106
【Fターム(参考)】
2G003AA02
2G003AB06
2G003AH05
4M106CA01
4M106CA10
4M106CA11
4M106DJ18
(57)【要約】
【課題】 半導体素子に存在する内部素子の大きさをより精度よく特定することが可能な測定装置を提供する。
【解決手段】 測定装置10は、設定部11、実測部12および解析部13を備える。設定部11では、第1電極および第2電極を有する半導体素子において、前記第1電極から前記第2電極に至る第1導電経路の電流電圧比を導出する第1式を設定する。実測部12では、前記第1導電経路の電流電圧比の第1実測値を測定する。解析部13では、前記第1式から得られた第1理論値と、前記第1実測値と、から、前記第1式を構成する第1パラメータを特定する。前記第1パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第1素子の大きさを含む。解析部13では、前記第1理論値に対する差分が最小となる前記第1実測値を前記第1式に代入する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極および第2電極を有する半導体素子において、前記第1電極から前記第2電極に至る第1導電経路の電流電圧比を導出する第1式を設定する設定部と、
前記第1導電経路の電流電圧比の第1実測値を測定する実測部と、
前記第1式から得られた第1理論値と、前記第1実測値と、から、前記第1式を構成する第1パラメータを特定する解析部と、を備え、
前記第1パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第1素子の大きさを含み、
前記解析部では、前記第1理論値に対する差分が最小となる前記第1実測値を前記第1式に代入する、測定装置。
【請求項2】
前記半導体素子は、第3電極を有し、
前記設定部では、前記第3電極から前記第2電極に至る第2導電経路の電流電圧比を導出する第2式を設定し、
前記実測部では、前記第2導電経路の電流電圧比の第2実測値を測定し、
前記解析部では、前記第1理論値と、前記第1実測値と、前記第2式から得られた第2理論値と、前記第2実測値と、から、前記第1パラメータ、および前記第2式を構成する第2パラメータの各々を特定し、
前記第2パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第2素子の大きさを含み、
前記解析部では、前記第2理論値に対する差分が最小となる前記第2実測値を前記第2式に代入する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記半導体素子は、スイッチング素子であり、
前記第1電極は、ゲート電極である、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1素子は、ゲート抵抗である、請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記第2素子は、前記第2電極と前記半導体素子を構成する半導体層との接触抵抗である、請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記半導体素子は、炭化ケイ素を含む材料からなる、請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記設定部では、前記第1電極から前記第2電極および前記第3電極の各々に至る第3導電経路の電流電圧比を導出する第3式を設定し、
前記実測部では、前記第3導電経路の電流電圧比の第3実測値を測定し、
前記解析部では、前記第1理論値と、前記第1実測値と、前記第2理論値と、前記第2実測値と、前記第3式から得られた第3理論値と、前記第3実測値と、から、前記第1パラメータ、前記第2パラメータ、および前記第3式を構成する第3パラメータの各々を特定し、
前記第3パラメータは、前記第1素子および前記第2素子の各々の大きさを含み、
前記解析部では、前記第3理論値に対する差分が最小となる前記第3実測値を前記第3式に代入する、請求項2に記載の測定装置。
【請求項8】
前記第1パラメータおよび前記第2パラメータの各々は、前記半導体素子の内部に含まれる寄生容量を含み、
前記設定部は、前記寄生容量の大きさを測定する第1処理部と、前記第1式および前記第2式の各々を設定する第2処理部と、を含み、
前記第1処理部は、前記寄生容量の実測値を前記第2処理部に伝達する、請求項2ないし7のいずれかに記載の測定装置。
【請求項9】
前記第1導電経路および前記第2導電経路の各々の電流電圧比は、交流電流と交流電圧との比である、請求項2ないし6のいずれかに記載の測定装置。
【請求項10】
前記第1式および前記第2式の各々は、実数項および虚数項を含む、請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
コンピュータにより実行される測定方法であって、
第1電極および第2電極を有する半導体素子において、前記第1電極から前記第2電極に至る第1導電経路の電流電圧比を導出する第1式を設定する第1過程と、
前記第1導電経路の電流電圧比の第1実測値を測定する第2過程と、
前記第1式から得られた第1理論値と、前記第1実測値と、から、前記第1式を構成する第1パラメータを特定する第3過程と、を備え、
前記第1パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第1素子の大きさを含み、
前記第3過程では、前記第1理論値に対する差分が最小となる前記第1実測値を前記第1式に代入する、測定方法。
【請求項12】
前記半導体素子は、第3電極を有し、
前記第1過程では、前記第3電極から前記第2電極に至る第2導電経路の電流電圧比を導出する第2式を設定し、
前記第2過程では、前記第2導電経路の電流電圧比の第2実測値を測定し、
前記第3過程では、前記第1理論値と、前記第1実測値と、前記第2式から得られた第2理論値と、前記第2実測値と、から、前記第1パラメータ、および前記第2式を構成する第2パラメータの各々を特定し、
前記第2パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第2素子の大きさを含み、
前記第3過程では、前記第2理論値に対する差分が最小となる前記第2実測値を前記第2式に代入する、請求項11に記載の測定方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1ないし7のいずれかに記載の測定装置として機能させる、プログラム。
【請求項14】
コンピュータを、請求項8に記載の測定装置として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体素子に存在する内部素子の大きさを特定するための測定装置、測定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電界効果トランジスタ(FET)におけるゲート抵抗(オン抵抗)の大きさを測定する装置が開示されている。特許文献1に開示されている装置によれば、寄生抵抗を含む測定時の接触抵抗の影響を低減して、ゲート抵抗の大きさをより精度よく測定することが可能となる。
【0003】
しかし、近年における小型化かつ高速スイッチング化がなされた電界効果トランジスタにおいては、特許文献1に開示されている装置でゲート抵抗を測定した場合であっても、当該ゲート抵抗の大きさは、ソース電極と半導体層との界面における接触抵抗の影響がより顕著に加味されたものとなる。したがって、このような場合であってもゲート抵抗をより精度よく測定する方策が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-74479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、半導体素子に存在する内部素子の大きさをより精度よく特定することが可能な測定装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される測定装置は、設定部、実測部および解析部を備える。前記設定部では、第1電極および第2電極を有する半導体素子において、前記第1電極から前記第2電極に至る第1導電経路の電流電圧比を導出する第1式を設定する。前記実測部では、前記第1導電経路の電流電圧比の第1実測値を測定する。前記解析部では、前記第1式から得られた第1理論値と、前記第1実測値と、から、前記第1式を構成する第1パラメータを特定する解析部。前記第1パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第1素子の大きさを含む。前記解析部では、前記第1理論値に対する差分が最小となる前記第1実測値を前記第1式に代入する。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供される測定方法は、コンピュータにより実行される測定方法であり、第1過程、第2過程および第3過程を備える。前記第1過程では、第1電極および第2電極を有する半導体素子において、前記第1電極から前記第2電極に至る第1導電経路の電流電圧比を導出する第1式を設定する。前記第2過程では、前記第1導電経路の電流電圧比の第1実測値を測定する。前記第3過程では、前記第1式から得られた第1理論値と、前記第1実測値と、から、前記第1式を構成する第1パラメータを特定する。前記第1パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第1素子の大きさを含む。前記第3過程では、前記第1理論値に対する差分が最小となる前記第1実測値を前記第1式に代入する。
【0008】
本開示の第3の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、本開示の第1の側面によって提供される測定装置として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示にかかる測定装置が具備する構成によれば、半導体素子に存在する内部素子の大きさをより精度よく特定することが可能となる。
【0010】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の第1実施形態にかかる測定装置を具備する測定システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、図1に示す測定システムの対象となる半導体素子の構成図である。
図3図3は、図2に示す半導体素子の等価回路図である。
図4図4は、第1理論値と第1実測値とのマッチングを示すグラフである。
図5図5は、図1に示す測定システムが具備する測定装置の処理手順を説明するフローチャートの一例である。
図6図6は、本開示の第2実施形態にかかる測定装置を具備する測定システムの構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示を実施するための形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1図5に基づき、本開示の第1実施形態にかかる測定システムA10について説明する。図1に示すように、測定システムA10は、測定装置10、記憶部20および第1測定部21を具備する。
【0014】
測定装置10は、半導体素子30に存在する内部素子の大きさを特定する。内部素子は、寄生抵抗および寄生容量を含む。半導体素子30は、たとえばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。この他、半導体素子30は、MOSFETの他にMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field-Effect Transistor)も含む電界効果トランジスタや、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含むバイポーラトランジスタでもよい。したがって、半導体素子30は、各種スイッチング素子を含むトランジスタである。さらに、半導体素子30は、各種スイッチング素子を回路要素に含むICやLSIなどでもよい。測定システムA10に説明においては、半導体素子30は、nチャネル型のDMOS(Double-Diffused Metal-Oxide-Semiconductor)を対象とする。半導体素子30は、化合物半導体基板を含む。当該化合物半導体基板の組成は、炭化ケイ素(SiC)を含む。
【0015】
半導体素子30は、図2に示すように、第1電極31、第2電極32、第3電極33、第1半導体層34、第2半導体層35、ウェル層36、ドリフト層37およびゲート層38を有する。第1電極31は、ゲート電極に相当する。第2電極32は、ソース電極に相当する。第3電極33は、ドレイン電極に相当する。
【0016】
第1半導体層34は、p型半導体層である。第2半導体層35は、n型半導体装置である。第1半導体層34と第2半導体層35とは、互いに接触している。第1半導体層34および第2半導体層35の各々は、第2電極32に導通している。ウェル層36は、p型半導体を含む。ウェル層36は、第1半導体層34および第2半導体層35の各々に接触している。ドリフト層37は、n型半導体を含む。ドリフト層37は、ウェル層36に接触している。ドリフト層37は、第3電極33に導通している。ウェル層36およびドリフト層37は、化合物半導体基板において構築される。
【0017】
ゲート層38は、第2半導体層35、ウェル層36およびゲート層38の各々に接触している。ゲート層38は、たとえばポリシリコンを含む。ゲート層38は、第1電極31に導通している。半導体素子30においては、第1電極31に電圧が印加されると、第3電極33から第2電極32に向けて電流が流れる。
【0018】
図2に示すように、半導体素子30は、第1素子E1、第2素子E2、2つの第1寄生抵抗R1、第2寄生抵抗R2、第1寄生容量C1、第2寄生容量C2、3つの第3寄生容量C3、および第4寄生容量C4を有する。これらは、半導体素子30に存在する内部素子である。第1素子E1は、ゲート抵抗である。第2素子E2は、第2電極32と第1半導体層34との接触抵抗である。2つの第1寄生抵抗R1は、チャネル抵抗である。2つの第1寄生抵抗R1は、ウェル層36に存在する。2つの第1寄生抵抗R1のうち一方の第1寄生抵抗R1は、ウェル層36と第2半導体層35との界面近傍に位置する。2つの第1寄生抵抗R1のうち、他方の第2寄生抵抗R2は、ウェル層36とドリフト層37との界面近傍に位置する。第2寄生抵抗R2は、ドリフト層37に存在する。
【0019】
図2に示すように、第1寄生容量C1は、ドリフト層37とゲート層38との界面に存在する。第1寄生容量C1は、ゲート-ドレイン間における寄生容量である。第2寄生容量C2は、ウェル層36とドリフト層37との界面に存在する。第2寄生容量C2は、ドレイン-ソース間における寄生容量である。3つの第3寄生容量C3は、第1容量C31、第2容量C32および第3容量C33を含む。第1容量C31は、ウェル層36とゲート層38との界面に存在する。第2容量C32は、第2半導体層35とゲート層38との界面に存在する。第3容量C33は、ウェル層36に存在する。3つの第3寄生容量C3は、ゲート-ソース間における寄生容量である。第4寄生容量C4は、第2半導体層35とウェル層36との境界に位置する寄生容量である。
【0020】
測定装置10は、コンピュータにインストールしたプログラムでもある。当該プログラムは、インターネット回線などのネットワーク回線を介してサーバからダウンロードされた後、記憶部20に記憶される。または、当該プログラムは、DVD-ROMなどの記録媒体からインストールされてもよい。この他、当該プログラムは、CADを構成するプログラムの一要素でもよい。さらに測定装置10は、ハードウェアとしてCPU、ROMおよびRAMなどを具備する。
【0021】
測定装置10は、図1に示すように、設定部11、実測部12および解析部13を備える。
【0022】
設定部11では、第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の各々を設定する。第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の各々は、図3に示す半導体素子30の等価回路を対象に設定される。第1式Z1は、第1導電経路L1の電流電圧比を導出する。第1導電経路L1は、図3において第1電極31から第2電極32に至る半導体素子30の内部素子を含めた回路と等価である。第2式Z2は、第2導電経路L2の電流電圧比を導出する。第2導電経路L2は、図3において第3電極33から第2電極32に至る半導体素子30の内部素子を含めた回路と等価である。第3式Z3は、第3導電経路L3の電流電圧比を導出する。第3導電経路L3は、図3において第1電極31から第2電極32および第3電極33の各々に至る半導体素子30の内部素子を含めた回路と等価である。ここで、電流電圧比は、交流電流と交流電圧との比である。測定システムA10においては、電流電圧比としてインピーダンスを適用する。この他、電流電圧比としてインピーダンスの逆数であるアドミッタンスを適用してもよい。これにより、第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の各々は、角周波数ωを変数とする複素関数で与えられる。
【0023】
第1式Z1は、第1パラメータP1と角周波数ωにより構成される。第1パラメータP1は、半導体素子30の内部素子のうち、第1素子E1、第2素子E2、2つの第1寄生抵抗R1、第1寄生容量C1、第2寄生容量C2、3つの第3寄生容量C3、および第4寄生容量C4の各々の大きさである。ここで、第2寄生抵抗R2の大きさは、半導体素子30に対する影響を無視できるほど十分に小さいため、第1パラメータP1には含めない。第2寄生抵抗R2の大きさは、後述する第2パラメータP2および第3パラメータP3の各々にも含めない。第1式Z1は、次式で与えられる。第1式Z1は、抵抗値[Ω]の次元を持つ実数項と、容量値[nF]の次元を持つ虚数項とを含む。
【数1】
ここで、Jは、虚数単位である。Yabc=(D・D)/(D+D+D)は、Δ-Y変換(デルタスター変換)にかかる式である。
【0024】
第2式Z2は、第2パラメータP2と角周波数ωにより構成される。第2パラメータP2は、半導体素子30の内部素子のうち、第2素子E2、2つの第1寄生抵抗R1、第1寄生容量C1、第2寄生容量C2、3つの第3寄生容量C3、および第4寄生容量C4の各々の大きさである。第2式Z2は、次式で与えられる。第2式Z2は、抵抗値[Ω]の次元を持つ実数項と、容量値[nF]の次元を持つ虚数項とを含む。
【数2】
【0025】
第3式Z3は、第3パラメータP3と角周波数ωにより構成される。第3パラメータP3は、半導体素子30の内部素子のうち、第1素子E1、第2素子E2、2つの第1寄生抵抗R1、第1寄生容量C1、第2寄生容量C2、3つの第3寄生容量C3、および第4寄生容量C4の各々の大きさである。第3式Z3は、次式で与えられる。第3式Z3は、抵抗値[Ω]の次元を持つ実数項と、容量値[nF]の次元を持つ虚数項とを含む。
【数3】
【0026】
実測部12では、設定部11での対象となる第1導電経路L1、第2導電経路L2および第2導電経路L2の各々の電流電圧比を第1測定部21と連携して実測する。実測部12で扱う電流電圧比は、設定部11で設定された第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の各々の電流電圧比に対応している。第1測定部21は、半導体素子30に対して様々な周波数fに対応した交流電圧を印加する機能と、半導体素子30に流れる交流電流を測定する機能とを具備する。
【0027】
測定システムA10の説明においては、第1導電経路L1の電流電圧比の実測値を第1実測値Z1mと呼ぶ。第2導電経路L2の電流電圧比の実測値を第2実測値Z2mと呼ぶ。第3導電経路L3の電流電圧比の実測値を第3実測値Z3mと呼ぶ。第1実測値Z1m、第2実測値Z2mおよび第3実測値Z3mの各々は、抵抗値[Ω]の次元を持つ実数部と、容量値[nF]の次元を持つ虚数部とを含むとともに、様々な周波数fに対応した複素数の集合として与えられる。
【0028】
解析部13では、第1式Z1を構成する第1パラメータP1と、第2式Z2を構成する第2パラメータP2と、第3式Z3を構成する第3パラメータP3の各々を特定する。解析部13は、第1解析部131、第2解析部132および第3解析部133を含む。
【0029】
第1解析部131では、設定部11で設定された第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の各々の算定値を導出する。算定値の導出にあたっては、第1パラメータP1、第2パラメータP2および第3パラメータP3の初期値として、半導体素子30にかかる製品情報(データシートなど)から設定する。あわせて、第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の変数である角周波数ωを周波数fに置き換える。
【0030】
測定システムA10の説明においては、第1式Z1の算定値を第1理論値Z1tと呼ぶ。第2式Z2の算定値を第2理論値Z2tと呼ぶ。第3式Z3の算定値を第3理論値Z3tと呼ぶ。第1理論値Z1t、第2理論値Z2tおよび第3理論値Z3tの各々は、抵抗値[Ω]の次元を持つ実数部と、容量値[nF]の次元を持つ虚数部とを含むとともに、様々な周波数fに対応した複素数の集合として与えられる。
【0031】
第2解析部132では、第1理論値Z1tと、実測部12で得られた第1実測値Z1mとのマッチングを行い、第1理論値Z1tに対する差分が最小となる第1実測値Z1meを抽出する。第1実測値Z1meの抽出にあたっては、第1理論値Z1tの実数部および虚数部の各々に対して行う。図4は、第1理論値Z1tと第1実測値Z1mとのマッチングの例である。あわせて、第2理論値Z2tと、実測部12で得られた第2実測値Z2mとのマッチングを行い、第2理論値Z2tに対する差分が最小となる第2実測値Z2meを抽出する。さらに、第3理論値Z3tと、実測部12で得られた第3実測値Z3mとのマッチングを行い、第3理論値Z3tに対する差分が最小となる第3実測値Z3meを抽出する。
【0032】
第1実測値Z1me、第2実測値Z2meおよび第3実測値Z3meの抽出にあたっては、第1の手法、および第2の手法を採ることができる。第1の手法では、第1理論値Z1tと第1実測値Z1mとの差の絶対値が最小となる第1実測値Z1meを抽出する。同様に、第2理論値Z2tと第2実測値Z2mとの差の絶対値が最小となる第2実測値Z2meを抽出する。第3理論値Z3tと第3実測値Z3mとの差の絶対値が最小となる第3実測値Z3meを抽出する。第2の手法では、第1理論値Z1tと第1実測値Z1mとの差の絶対値と、第2理論値Z2tと第2実測値Z2mとの差の絶対値と、第3理論値Z3tと第3実測値Z3mとの差の絶対値との総和の最小値から、第1実測値Z1me、第2実測値Z2meおよび第3実測値Z3meの各々を抽出する。
【0033】
先述の第2の手法を採る際、第1理論値Z1t、第2理論値Z2tおよび第3理論値Z3tの実数部と虚数部の各々の桁数が大きく異なることがある。この場合においては、第1理論値Z1tおよび第1実測値Z1mと、第2理論値Z2tおよび第2実測値Z2mと、第3理論値Z3tおよび第3実測値Z3mとの各々に常用対数をとった上で、各々の差の絶対値の総和を求めてもよい。
【0034】
第3解析部133では、第2解析部132で抽出された第1実測値Z1meの実数部および虚数部の各々を第1式Z1に代入する。あわせて、第2解析部132で抽出された第2実測値Z2meの実数部および虚数部の各々を第2式Z2に代入する。さらに、第2解析部132で抽出された第3実測値Z3meの実数部および虚数部の各々を第3式Z3に代入する。その後、各々に実数部および虚数部が代入された第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3を基にした数値解析を行う。当該数値解析は、たとえばマトリクス解析である。当該数値解析の結果として、第1パラメータP1、第2パラメータP2および第3パラメータP3の各々が特定される。
【0035】
記憶部20は、各種データおよびプログラムを記憶する。記憶部20は、たとえばハードディスク装置である。測定システムA10においては、記憶部20は、測定システムA10にかかるプログラムと、測定装置10により取得および生成されたデータとを記憶する。記憶部20は、測定装置10に組み込まれたハードディスク装置の他、測定装置10がインストールされたコンピュータがアクセスすることが可能なデータベースでもよい。
【0036】
次に、図5に基づき、測定システムA10が具備する測定装置10の処理手順について説明する。
【0037】
第1ステップS11では、測定装置10の設定部11において、第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の各々を設定する。
【0038】
第2ステップS12では、測定装置10の実測部12と、第1測定部21との連携により、第1実測値Z1m、第2実測値Z2mおよび第3実測値Z3mの各々を測定する。
【0039】
第3ステップS13では、測定装置10の解析部13の第1解析部131において、第1理論値Z1t、第2理論値Z2tおよび第3理論値Z3tの各々を導出する。
【0040】
第4ステップS14では、測定装置10の解析部13の第2解析部132において、第1理論値Z1tに対する差分が最小となる第1実測値Z1mを抽出する。あわせて、第2理論値Z2tに対する差分が最小となる第2実測値Z2mと、第3理論値Z3tに対する差分が最小となる第3実測値Z3mとの各々を抽出する。
【0041】
第5ステップS15では、測定装置10の解析部13の第3解析部133において、第4ステップS14で抽出された第1実測値Z1mを第1式Z1に代入する。あわせて、第4ステップS14で抽出された第2実測値Z2mおよび第3実測値Z3mを、それぞれ第2式Z2および第3式Z3に代入する。
【0042】
第6ステップS16では、第5ステップS15において得られた第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3を基にした数値解析を行い、第1パラメータP1、第2パラメータP2および第3パラメータP3の各々を特定する。
【0043】
次に、測定システムA10が具備する測定装置10の作用効果について説明する。
【0044】
測定システムA10が具備する測定装置10は、設定部11、実測部12および解析部13を備える。設定部11では、半導体素子30の第1電極31から第2電極32に至る第1導電経路L1の電流電圧比を導出する第1式Z1を設定する。実測部12では、第1導電経路L1の電流電圧比の第1実測値Z1mを測定する。解析部13では、第1式Z1から得られた第1理論値Z1tと、第1実測値Z1mとから、第1式Z1を構成する第1パラメータP1を特定する。第1パラメータP1は、半導体素子30の内部に含まれる第1素子E1の大きさを含む。解析部13では、第1理論値Z1tに対する差分が最小となる第1実測値Z1mを第1式Z1に代入する。本構成をとることにより、電流電圧比の実測結果を反映させた数値解析により、第1素子E1がより精度よく特定される。したがって、本構成によれば、測定システムA10が具備する測定装置10においては、半導体素子30に存在する内部素子の大きさをより精度よく特定することが可能となる。
【0045】
さらに測定装置10においては、設定部11では、半導体素子30の第3電極33から第2電極32に至る第2導電経路L2の電流電圧比を導出する第2式Z2を設定する。実測部12では、第2導電経路L2の電流電圧比の第2実測値Z2mを測定する。解析部13では、第2式Z2から得られた第2理論値Z2tと、第2実測値Z2mとから、第2式Z2を構成する第2パラメータP2を特定する。第2パラメータP2は、半導体素子30の内部に含まれる第2素子E2の大きさを含む。解析部13では、第2理論値Z2tに対する差分が最小となる第2実測値Z2mを第2式Z2に代入する。本構成をとることにより、第1素子E1および第2素子E2の各々がより精度よく特定される。
【0046】
半導体素子30は、スイッチング素子である。第1素子E1は、ゲート抵抗である。第2素子E2は、第2電極32と半導体素子30を構成する半導体層(第1半導体層34)との接触抵抗である。ここで、従来の半導体素子30にかかる製品情報では、第1素子E1の大きさは、第2素子E2の大きさが含まれている事例が多い。したがって、第1素子E1および第2素子E2の各々がより精度よく特定されることにより、第2素子E2の大きさを除外した第1素子E1の大きさをより精度よく特定することができる。
【0047】
上記の場合において、半導体素子30は、炭化ケイ素を含む材料からなる。この場合では、半導体素子30の大きさが比較的小さくなるため、半導体素子30における第2素子E2の影響がより顕著となる。したがって、炭化ケイ素を含む材料からなる半導体素子30において、第1素子E1の大きさをより精度よく特定されることが有益となる。
【0048】
第1導電経路L1および第2導電経路L2の各々の電流電圧比は、交流電流と交流電圧との比である。さらに、第1式Z1および第2式Z2の各々は、実数項および虚数項を含む。本構成をとることにより、第1パラメータP1および第2パラメータP2の各々を数値解析により特定するための基礎式の数をより増加できる。これにより、第1パラメータP1および第2パラメータP2の各々をさらに精度よく特定することができる。
【0049】
〔第2実施形態〕
図6に基づき、本開示の第2実施形態にかかる測定システムA20について説明する。本図において、先述した測定システムA10と同一、または類似の要素には同一の符号を伏して、重複する説明を省略する。
【0050】
測定システムA20においては、測定装置10の設定部11の構成が、測定システムA10の当該構成と異なる。
【0051】
図6に示すように、測定装置10の設定部11は、第1処理部111および第2処理部112を含む。測定システムA20においては、第2測定部22をさらに具備する。
【0052】
第1処理部111では、第1パラメータP1、第2パラメータP2および第3パラメータP3のうち、第1寄生容量C1と、第2寄生容量C2と、および3つの第3寄生容量C3のいずれか1つを第2測定部22との連携により測定する。第2測定部22は、半導体素子30に直流電圧を印加する機能と、寄生容量を測定する機能とを具備する。
【0053】
第1処理部111は、第1測定、第2測定および第3測定の順に第1寄生容量C1と、第2寄生容量C2と、および3つの第3寄生容量C3(第1容量C31、第2容量C32および第3容量C33)のいずれか1つとを測定する。
【0054】
第1測定では、第3電極33と第1電極31とに直流電圧を印加する。これにより、合成容量Caが測定される。ここで、Ca=C1である。これにより、第1寄生容量C1が測定される。
【0055】
第2測定では、第3電極33と第1電極31および第2電極32の各々とに直流電圧を印加する。これにより、合成容量Cbが測定される。ここで、Cb=C1+C2である。これにより、第2寄生容量C2が測定される。
【0056】
第3測定では、第1電極31と第2電極32および第3電極33の各々とに直流電圧を印加する。これにより、合成容量Ccが測定される。ここで、Cc=C1+C3,C3=C32+(1/C31+1/C33)-1である。これにより、3つの第3寄生容量C3のうち第1容量C31、第2容量C32および第3容量C33のいずれかが測定される。
【0057】
第1測定、第2測定および第3測定を経た後、第1処理部111は、第1寄生容量C1の実測値と、第2寄生容量C2の実測値と、3つの第3寄生容量C3のいずれか1つとの実測値とを、第2処理部112に伝達する。
【0058】
第2処理部112では、第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の各々を設定する。この際、第1処理部111から伝達された第1寄生容量C1の実測値と、第2寄生容量C2の実測値と、3つの第3寄生容量C3のいずれか1つとの実測値とを、第1式Z1、第2式Z2および第3式Z3の各々に確定値として代入する。
【0059】
測定システムA20が具備する測定装置10であっても、測定システムA10が具備する測定装置10と同様に、コンピュータにインストールしたプログラムでもよい。
【0060】
次に、測定システムA20が具備する測定装置10の作用効果について説明する。
【0061】
測定システムA20が具備する測定装置10は、設定部11、実測部12および解析部13を備える。設定部11では、半導体素子30の第1電極31から第2電極32に至る第1導電経路L1の電流電圧比を導出する第1式Z1を設定する。実測部12では、第1導電経路L1の電流電圧比の第1実測値Z1mを測定する。解析部13では、第1式Z1から得られた第1理論値Z1tと、第1実測値Z1mとから、第1式Z1を構成する第1パラメータP1を特定する。第1パラメータP1は、半導体素子30の内部に含まれる第1素子E1の大きさを含む。解析部13では、第1理論値Z1tに対する差分が最小となる第1実測値Z1mを第1式Z1に代入する。したがって、本構成によれば、測定システムA20が具備する測定装置10においても、半導体素子30に存在する内部素子の大きさをより精度よく特定することが可能となる。
【0062】
測定システムA20が具備する測定装置10においては、設定部11は、半導体素子30の内部に含まれる寄生容量の大きさを測定する第1処理部111と、第1式Z1および第2式Z2の各々を設定する第2処理部112とを含む。第1処理部111は、寄生容量の実測値を第2処理部112に伝達する。本構成をとることにより、第1パラメータP1および第2パラメータP2の各々を構成する半導体素子30の内部素子の大きさの数を減ずることができる。これにより、第1素子E1および第2素子E2の各々の大きさを、測定システムA10が具備する測定装置10の場合よりもさらに精度よく特定することが可能となる。
【0063】
本開示は、先述した実施形態に限定されるものではない。本開示の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0064】
本開示は、以下の付記に記載した実施形態を含む。
[付記1]
第1電極および第2電極を有する半導体素子において、前記第1電極から前記第2電極に至る第1導電経路の電流電圧比を導出する第1式を設定する設定部と、
前記第1導電経路の電流電圧比の第1実測値を測定する実測部と、
前記第1式から得られた第1理論値と、前記第1実測値と、から、前記第1式を構成する第1パラメータを特定する解析部と、を備え、
前記第1パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第1素子の大きさを含み、
前記解析部では、前記第1理論値に対する差分が最小となる前記第1実測値を前記第1式に代入する、測定装置。
[付記2]
前記半導体素子は、第3電極を有し、
前記設定部では、前記第3電極から前記第2電極に至る第2導電経路の電流電圧比を導出する第2式を設定し、
前記実測部では、前記第2導電経路の電流電圧比の第2実測値を測定し、
前記解析部では、前記第1理論値と、前記第1実測値と、前記第2式から得られた第2理論値と、前記第2実測値と、から、前記第1パラメータ、および前記第2式を構成する第2パラメータの各々を特定し、
前記第2パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第2素子の大きさを含み、
前記解析部では、前記第2理論値に対する差分が最小となる前記第2実測値を前記第2式に代入する、付記1に記載の測定装置。
[付記3]
前記半導体素子は、スイッチング素子であり、
前記第1電極は、ゲート電極である、付記2に記載の測定装置。
[付記4]
前記第1素子は、ゲート抵抗である、付記3に記載の測定装置。
[付記5]
前記第2素子は、前記第2電極と前記半導体素子を構成する半導体層との接触抵抗である、付記4に記載の測定装置。
[付記6]
前記半導体素子は、炭化ケイ素を含む材料からなる、付記5に記載の測定装置。
[付記7]
前記設定部では、前記第1電極から前記第2電極および前記第3電極の各々に至る第3導電経路の電流電圧比を導出する第3式を設定し、
前記実測部では、前記第3導電経路の電流電圧比の第3実測値を測定し、
前記解析部では、前記第1理論値と、前記第1実測値と、前記第2理論値と、前記第2実測値と、前記第3式から得られた第3理論値と、前記第3実測値と、から、前記第1パラメータ、前記第2パラメータ、および前記第3式を構成する第3パラメータの各々を特定し、
前記第3パラメータは、前記第1素子および前記第2素子の各々の大きさを含み、
前記解析部では、前記第3理論値に対する差分が最小となる前記第3実測値を前記第3式に代入する、付記2に記載の測定装置。
[付記8]
前記第1パラメータおよび前記第2パラメータの各々は、前記半導体素子の内部に含まれる寄生容量を含み、
前記設定部は、前記寄生容量の大きさを測定する第1処理部と、前記第1式および前記第2式の各々を設定する第2処理部と、を含み、
前記第1処理部は、前記寄生容量の実測値を前記第2処理部に伝達する、付記2ないし7のいずれかに記載の測定装置。
[付記9]
前記第1導電経路および前記第2導電経路の各々の電流電圧比は、交流電流と交流電圧との比である、付記2ないし6のいずれかに記載の測定装置。
[付記10]
前記第1式および前記第2式の各々は、実数項および虚数項を含む、付記9に記載の測定装置。
[付記11]
コンピュータにより実行される測定方法であって、
第1電極および第2電極を有する半導体素子において、前記第1電極から前記第2電極に至る第1導電経路の電流電圧比を導出する第1式を設定する第1過程と、
前記第1導電経路の電流電圧比の第1実測値を測定する第2過程と、
前記第1式から得られた第1理論値と、前記第1実測値と、から、前記第1式を構成する第1パラメータを特定する第3過程と、を備え、
前記第1パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第1素子の大きさを含み、
前記第3過程では、前記第1理論値に対する差分が最小となる前記第1実測値を前記第1式に代入する、測定方法。
[付記12]
前記半導体素子は、第3電極を有し、
前記第1過程では、前記第3電極から前記第2電極に至る第2導電経路の電流電圧比を導出する第2式を設定し、
前記第2過程では、前記第2導電経路の電流電圧比の第2実測値を測定し、
前記第3過程では、前記第1理論値と、前記第1実測値と、前記第2式から得られた第2理論値と、前記第2実測値と、から、前記第1パラメータ、および前記第2式を構成する第2パラメータの各々を特定し、
前記第2パラメータは、前記半導体素子の内部に含まれる第2素子の大きさを含み、
前記第3過程では、前記第2理論値に対する差分が最小となる前記第2実測値を前記第2式に代入する、付記11に記載の測定方法。
[付記13]
コンピュータを、付記1ないし7のいずれかに記載の測定装置として機能させる、プログラム。
[付記14]
コンピュータを、付記8に記載の測定装置として機能させる、プログラム。
【符号の説明】
【0065】
A10,A20:測定システム
10:測定装置
11:設定部
111:第1処理部
112:第2処理部
12:実測部
13:第1解析部
131:第1解析部
132:第2解析部
133:第3解析部
20:記憶部
21:第1測定部
22:第2測定部
30:半導体素子
31:第1電極
32:第2電極
33:第3電極
34:第1半導体層
35:第2半導体層
36:ウェル層
37:ドリフト層
38:ゲート層
E1:第1素子
E2:第2素子
R1:第1寄生抵抗
R2:第2寄生抵抗
C1~C4:第1寄生容量~第4寄生容量
C31:第1容量
C32:第2容量
C33:第3容量
L1~L3:第1導電経路~第3導電経路
Z1~Z3:第1式~第3式
P1~P3:第1パラメータ~第3パラメータ
Z1t~Z3t:第1理論値~第3理論値
Z1m~Z3m,Z1me~Z3me:第1実測値~第3実測値
S11~S16:第1ステップ~第6ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6