(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175334
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20241211BHJP
F25D 27/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
F25D23/00 302M
F25D27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093038
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】倉本 尚哉
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA04
3L045BA01
3L045CA08
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA18
3L045PA02
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3L345GG17
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3L345GG28
3L345HH13
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3L345JJ17
3L345JJ18
3L345JJ19
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】ウイルスまたは菌の抑制をより効果的に行うことができる冷蔵庫を提供することである。
【解決手段】冷蔵庫は、筐体と、光照射部と、取得部と、制御部とを備える。前記筐体は、貯蔵室を有する。前記光照射部は、前記貯蔵室内にウイルスまたは菌を抑制する効果を有する光を照射する。前記取得部は、前記貯蔵室内の位置または領域であって前記光の照射対象とする位置または領域を示す照射先情報を取得する。前記制御部は、前記取得部により取得された前記照射先情報に基づき、前記光照射部による前記光の照射を制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を有した筐体と、
前記貯蔵室内にウイルスまたは菌を抑制する効果を有する光を照射する光照射部と、
前記貯蔵室内の位置または領域であって前記光の照射対象とする位置または領域を示す照射先情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記照射先情報に基づき、前記光照射部による前記光の照射を制御する制御部と、
を備えた冷蔵庫。
【請求項2】
前記光照射部は、前記貯蔵室内において前記光の照射先を変更可能であり、
前記制御部は、前記取得部により取得された前記照射先情報に基づき、前記光照射部による前記光の照射先を変更する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記貯蔵室に収容された食材の位置に関する情報を検出する位置検出部をさらに備え、
前記取得部は、前記位置検出部により検出された前記食材の位置に関する情報を前記照射先情報として取得する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記位置検出部は、前記食材の位置として、前記食材に取り付けられて電波を送信可能な付属体の位置を検出する、
請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記位置検出部は、前記食材の位置として、前記食材に取り付けられて識別情報が表示された付属体の位置を検出する、
請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記位置検出部により検出された前記食材の位置が所定条件を満たす場合、前記食材の位置の変更または別の食材の位置の変更をユーザに促すための報知を出力させる報知部をさらに備えた、
請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記取得部は、前記冷蔵庫の操作部または端末装置に対するユーザの操作内容に基づき、前記照射先情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記光照射部は、前記貯蔵室内において前記光の照射先を変更可能であり、
前記取得部は、前記照射先情報に加え、前記貯蔵室内の位置または領域であって前記光の照射抑制対象とする位置または領域を示す照射抑制先情報を取得し、
前記制御部は、前記取得部により取得された前記照射先情報および前記照射抑制先情報に基づき、前記光照射部による前記光の照射先を制御する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記貯蔵室に収容された食材の位置に関する情報を検出する位置検出部をさらに備え、
前記位置検出部は、前記光の照射対象とする食材に取り付けられた第1付属体の位置と、前記光の照射抑制対象とする食材に取り付けられた第2付属体の位置を検出し、
前記取得部は、前記位置検出部により検出された前記第1付属体の位置に関する情報を前記照射先情報として取得し、前記位置検出部により検出された前記第2付属体の位置に関する情報を前記照射抑制先情報として取得する、
請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記取得部は、前記冷蔵庫の操作部または端末装置に対するユーザの操作内容に基づき、前記照射先情報および前記照射抑制先情報を取得する、
請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記貯蔵室に収容された食材の種類を検出する種類検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記種類検出部により検出された前記食材の種類に基づき、前記光の照射時間を決定する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記制御部は、前記光の照射対象が前記光照射部から第1距離の位置または領域である場合、第1態様で前記光を照射し、前記光の照射対象が前記光照射部から前記第1距離よりも遠い第2距離の位置または領域である場合、前記第1態様と比べて照射強度が大きいまたは照射時間が長い第2態様で前記光を照射する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
前記貯蔵室を開閉可能に閉じる扉と、
前記扉の開閉を検知可能な扉開検知部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記扉開検知部により前記扉が閉じられたことが検知された場合に前記光照射部による前記光の照射を開始させ、前記光の照射開始から所定時間経過後に前記光の照射を停止させる、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
貯蔵室の天井中央部に設けられて当該貯蔵室の全域に紫外線を照射する紫外線照射装置を備えた冷蔵庫が知られている。ところで、上記構成の冷蔵庫では、効果的な除菌を行うことができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ウイルスまたは菌の抑制をより効果的に行うことができる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
冷蔵庫は、筐体と、光照射部と、取得部と、制御部とを備える。前記筐体は、貯蔵室を有する。前記光照射部は、前記貯蔵室内にウイルスまたは菌を抑制する効果を有する光を照射する。前記取得部は、前記貯蔵室内の位置または領域であって前記光の照射対象とする位置または領域を示す照射先情報を取得する。前記制御部は、前記取得部により取得された前記照射先情報に基づき、前記光照射部による前記光の照射を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】実施形態の冷蔵庫の機能構成を示すブロック図。
【
図4】実施形態の冷蔵庫の一部を拡大して示す断面図。
【
図5】実施形態のチルド室の内部を上方から見た平面図。
【
図6】実施形態の端末装置の機能構成を示すブロック図。
【
図7】実施形態の紫外線に関する操作受付の第1例を説明するための図。
【
図8】実施形態の紫外線に関する操作受付の第2例を説明するための図。
【
図9】実施形態の制御の流れを示すフローチャート。
【
図10】実施形態の変形例の冷蔵庫の一部を拡大して示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本出願で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXに直接に基づく場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本出願で「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。XXおよびYYは、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
本出願で「取得する」とは、送信要求を送信して能動的に取得する場合に限定されず、他の装置から送信される情報を受動的に受信することで取得する場合も含み得る。また「取得」とは、目的の情報(取得対象の情報)を外部から直接取得する場合に限定されず、外部から得られた情報に対して演算または加工などを行うことで、目的の情報を生成して取得する場合も含み得る。
【0009】
本出願では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。「冷蔵庫の左右方向」とは「冷蔵庫の幅方向」と同じ意味である。「冷蔵庫の前後方向」とは「冷蔵庫の奥行方向」と同じ意味である。
【0010】
本出願で「除菌」とは、説明の便宜上の呼称であり、ウイルスまたは菌の抑制(例えば、ウイルスの感染性の低下や不活化、菌の増殖抑制)を含む広い意味の用語として用いている。すなわち、本出願で「除菌」とは、菌を除去する(減らす)ことに限定されず、菌が増えることを抑制すること、および/または、菌以外のウイルスなどの広まりを抑制することの意味を含み得る。「ウイルスなどの広まりを抑制する」とは、冷蔵庫内でウイルスが広まることを抑制することに限定されず、ウイルスの感染性が弱まり、そのウイルスが冷蔵庫の外部に出た後に広まることを抑制する場合も該当し得る。
【0011】
本出願で「照射を抑制する」とは、照射を完全に行わない場合に限定されず、通常の発光状態と比べて照射の強度または照射時間が少ない態様、例えば、照射の強度または照射時間が所定の基準以下に制限された態様で照射される場合を含み得る。
【0012】
(実施形態)
<1.冷蔵庫システムの全体構成>
図1は、実施形態の冷蔵庫システム1を示す図である。冷蔵庫システム1は、例えば、冷蔵庫100と、サーバ200と、端末装置300とを含む。後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0013】
冷蔵庫100は、ユーザUによって使用される家電機器であり、ユーザUの住居内に配置される。冷蔵庫100は、例えば、当該冷蔵庫100と同じ住居内に設置された無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWと接続される。冷蔵庫100は、ネットワークNWを介して、サーバ200および端末装置300と通信可能である。冷蔵庫100は、例えばBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信を利用して端末装置300と直接に通信可能でもよい。
【0014】
サーバ200は、冷蔵庫100に関連した情報を管理する管理サーバである。サーバ200は、1つまたは複数のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)により構成される。サーバ200は、ネットワークNWを介して、冷蔵庫100または端末装置300と通信可能である。
【0015】
端末装置300は、ユーザUが使用する電子機器であり、冷蔵庫100とは独立して使用可能な装置である。端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。ただし、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータなどでもよい。端末装置300は、例えば、表示装置301と、入力装置302と、通信部303とを有する。
【0016】
表示装置301は、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどであり、種々の情報を表示可能な表示画面301aを有する。入力装置302は、ユーザUの入力を受け付け可能な装置である。入力装置302は、例えば表示画面301aと重ねて設けられたタッチパネルである。入力装置302は、端末装置300に設けられたカメラやマイクなどを含み得る。通信部303は、例えば無線通信可能な通信モジュールである。通信部303は、無線ルータWRおよびモデムMを介してまたは直接にネットワークNWと接続される。通信部303は、ネットワークNWを介して、冷蔵庫100またはサーバ200と通信可能である。なお、通信部303は、Bluetoothのような近距離無線通信を利用して冷蔵庫100と直接に通信可能でもよい。
【0017】
端末装置300には、アプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。アプリケーションプログラムPは、例えば、冷蔵庫100に関連する情報を管理するためのアプリケーションプログラムである。以下では、アプリケーションプログラムPが実行されることで起動されるアプリケーションソフトウェアを「家電管理アプリAP」と称する。
【0018】
<2.冷蔵庫の構成>
次に、冷蔵庫100の構成について説明する。
図2は、冷蔵庫100を示す正面図である。冷蔵庫100は、例えば、筐体10と、複数の扉20とを備えている。
【0019】
筐体10の内部には、複数の貯蔵室30が設けられている。複数の貯蔵室30は、例えば、冷蔵室31、チルド室31A、野菜室32、製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35を含む。冷蔵室31は、例えば、平均温度が約2℃~6℃である冷蔵室温度帯に冷却される。チルド室31Aは、例えば、平均温度が約-1℃~+1℃であるチルド温度帯に冷却される。野菜室32は、例えば、平均温度が約3℃~7℃である野菜室温度帯に冷却される。製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35は、例えば、平均温度が約-20℃~-18℃である冷凍室温度帯に冷却される。なお、冷蔵庫100が有する貯蔵室30は、上記例に代えて/加えて、平均温度が約-3℃であるパーシャル温度帯に冷却されるパーシャル室、または温度帯が切り替え可能な温度切替室などでもよい。
【0020】
複数の貯蔵室30の開口は、複数の扉20によって開閉可能に閉じられる。複数の扉20は、冷蔵室31の開口を閉じる左右の冷蔵室扉21A,21B、野菜室32の開口を閉じる野菜室扉22、製氷室33の開口を閉じる製氷室扉23、小冷凍室34の開口を閉じる小冷凍室扉24、および主冷凍室35の開口を閉じる主冷凍室扉25を含む。以下では、左右の冷蔵室扉21A,21Bを区別しない場合、「冷蔵室扉21」と称する。
【0021】
図3は、冷蔵庫100の機能構成を示すブロック図である。冷蔵庫100は、例えば、扉開検知部110、温度検出部120、冷却部130、操作部140、出力装置145、通信部150、紫外線照射装置160、照射関連検出部170、制御装置180、および記憶部190を有する。
【0022】
<2.1 扉開検知部>
扉開検知部110は、扉20の開閉を検知する検知部である。扉開検知部110は、例えば、冷蔵室扉21の開閉を検知する冷蔵室扉センサ111、野菜室扉22の開閉を検知する野菜室扉センサ112、製氷室扉23の開閉を検知する製氷室扉センサ113、小冷凍室扉24の開閉を検知する小冷凍室扉センサ114、および主冷凍室扉25の開閉を検知する主冷凍室扉センサ115を含む。扉開検知部110の検知結果は、制御装置180に出力される。
【0023】
<2.2 温度検出部>
温度検出部120は、貯蔵室30の温度(例えば貯蔵室30内の空気温度)を検出する温度検出部である。温度検出部120は、例えば、冷蔵室31の温度(冷蔵室温度)を検出する冷蔵室温度センサ121、チルド室31Aの温度(チルド室温度)を検出するチルド室温度センサ122、および主冷凍室35の温度(冷凍室温度)を検出する主冷凍室温度センサ123を含む。温度検出部120の検出結果は、制御装置180に出力される。
【0024】
<2.3 冷却部>
冷却部130は、複数の貯蔵室30を冷却する装置である。冷却部130は、例えば、第1冷却器131、第2冷却器132、圧縮機133、三方弁134、第1送風機135、および第2送風機136を含む。
【0025】
第1冷却器131は、冷蔵温度帯の貯蔵室30(冷蔵室31、チルド室31A、および野菜室32)に対応して配置されている。第2冷却器132は、冷凍温度帯の貯蔵室30(製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35)に対応して配置されている。圧縮機133は、第1冷却器131および第2冷却器132に冷媒を供給する。
【0026】
三方弁134は、圧縮機133により圧縮された冷媒が第1冷却器131に供給される第1状態と、圧縮機133により圧縮された冷媒が第2冷却器132に供給される第2状態とを切り替える。第1送風機135は、第1冷却器131により冷却された冷気を冷蔵温度帯の貯蔵室30(冷蔵室31、チルド室31A、および野菜室32)に供給する。第2送風機136は、第2冷却器132により冷却された冷気を冷凍温度帯の貯蔵室30(製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35)に供給する。これにより、複数の貯蔵室30が冷却される。
【0027】
<2.4 操作部>
操作部140は、冷蔵庫100に対するユーザUの操作を受け付ける。操作部140は、例えば、扉20の表面または筐体10の内面に設けられた1つ以上のボタンを含む。ユーザUは、操作部140を操作することで、冷蔵庫100の各種制御モードまたは各種設定を切り替え可能である。操作部140は、受け付けたユーザUの操作に対応する信号を制御装置180に出力する。なお、操作部140は、ユーザUからの操作を受け付ける部分であって、ボタンを押す操作などユーザUの身体による操作を受けることに代えて/加えて、音声による操作を受けるように構成されてもよい。すなわち本出願でいう「操作」とは、音声操作も該当し得る。この定義は、操作部140以外の装置に対する操作(例えば端末装置300に対する操作)についても同様である。
【0028】
<2.5 出力装置>
出力装置145は、冷蔵庫100に設けられた放音器(スピーカ)または表示装置などである。放音器は、電気信号を音に変換可能な装置である。放音器は、ユーザUに対する報知を音声により出力する。表示装置は、種々の情報を表示可能な表示画面を有する。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。表示装置は、ユーザUに対する報知を表示画面に表示させることで出力する。
【0029】
<2.6 通信部>
通信部150は、例えば無線通信モジュールである。通信部150は、例えば、ユーザUの住居に設置された無線ルータWRおよびモデムMを介してサーバ200または端末装置300と通信可能である。なお上述したように、通信部150は、例えばBluetoothのような近距離無線通信機能を有して端末装置300と直接に通信可能でもよい。
【0030】
<2.7 紫外線照射装置>
次に、紫外線照射装置160について説明する。なお以下では、紫外線照射装置160がチルド室31Aに設けられ、チルド室31A内に紫外線が照射される例について説明する。ただし、紫外線照射装置160は、上記例に代えて/加えて、チルド室31A以外の貯蔵室30(冷蔵室31、野菜室32、製氷室33、小冷凍室34、または主冷凍室35など)に設けられてもよい。紫外線照射装置160は、「光照射部」の一例である。
【0031】
図4は、冷蔵庫100の一部を拡大して示す断面図である。ここで、チルド室31Aには、例えば、複数の容器38,39が配置されている。第1容器38は、例えば2段式のチルド室容器38,39のうち上段側の容器である。第2容器39は、例えば2段式のチルド室容器38,39のうち下段側の容器である。第1容器38および第2容器39は、上下に重ねて配置されるとともに、それぞれ独立して前方に引き出し可能である。第1容器38および第2容器39は、例えば、透明な材料で形成され、紫外線を透過可能である。なお、チルド室31Aに配置される容器は、1つだけでもよい。
【0032】
紫外線照射装置160は、例えば、チルド室31Aの天井部に設けられ、第1容器38および第2容器39に対して上方に位置する。ただし、紫外線照射装置160は、チルド室31Aの側壁または後壁に設けられてもよく、チルド室31Aの前方を開閉する蓋部に設けられてもよい。紫外線照射装置160は、例えば、回路基板161と、複数の紫外線LED(Light Emitting Diode)162とを含む。
【0033】
本実施形態では、回路基板161は、チルド室31Aの天井部に取り付けられている。複数の紫外線LED162は、回路基板161の下面に実装され、下方に向けて(すなわちチルド室31A内に向けて)紫外線を照射する。紫外線LED162は、「紫外線光源」の一例である。なお、「紫外線光源」は、紫外線LED162に限らず、紫外線ランプなどでもよい。
【0034】
紫外線は、「ウイルスまたは菌を抑制する効果を有する光」の一例である。本出願で「紫外線」とは、中心波長が10nm~400nmの範囲内にある電磁波を意味する。すなわち「紫外線」とは、中心波長が、UVA(波長320nm~400nm)の電磁波でもよく、UVB(波長280nm~320nm)の電磁波でもよく、UVC(波長100nm~280nm)の電磁波でもよい。また「紫外線」とは、中心波長が10nm~400nmの範囲内にあればよく、紫外線LED162から照射される一部の電磁波の波長が400nm以上でもよい(すなわち可視光領域の波長でもよい)。紫外線LED162により照射される紫外線は、人間が見える光を含んでもよく、人間が見える光を含まなくてもよい。なお、「ウイルスまたは菌を抑制する効果を有する光」は、紫外線に限定されず、他の波長の光でもよい。
【0035】
図5は、チルド室31Aの内部を上方から見た平面図である。本実施形態では、チルド室31A内には、複数(例えば4つ)の紫外線照射領域RA~RDが設定される。第1紫外線照射領域RAは、チルド室31A内で前方の左側に位置する。第2紫外線照射領域RBは、チルド室31A内で前方の右側に位置する。第3紫外線照射領域RCは、チルド室31A内で後方の左側に位置する。第4紫外線照射領域RDは、チルド室31A内で後方の右側に位置する。以下では、第1から第4の紫外線照射領域RA~RDを区別しない場合は、単に「紫外線照射領域R」と称する。
【0036】
本出願で「紫外線照射領域」とは、紫外線の照射が個別に管理可能な領域である。なお、「紫外線の照射が個別に管理可能」は、ある1つの紫外線照射領域に向けて照射された紫外線の一部が、種々の理由(紫外線LEDの照射角や光の拡散/反射、またはその他の影響)で、照射を意図しない別の紫外線照射領域に入ることを除外するものではない。例えば、「紫外線の照射が個別に管理可能」とは、紫外線照射領域Cに向けて照射された紫外線の一部が、意図しない紫外線照射領域Aに入る場合なども該当し得る。なお、チルド室31A内に設定される複数の紫外線照射領域は、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
【0037】
本実施形態では、回路基板161(言い換えると紫外線照射装置162)は、チルド室31Aの前後方向の中央に対して冷蔵庫100の前後方向の一方側(例えば前側)に偏って配置されている。複数の紫外線LED162は、例えば、第1紫外線LED162A、第2紫外線LED162B、第3紫外線LED162C、および第4紫外線LED162Dを有する。
【0038】
第1紫外線LED162Aは、第1紫外線照射領域RAに対応して配置され、第1紫外線照射領域RAに向けて紫外線を照射可能である。「ある紫外線照射領域に向けて紫外線を照射可能」とは、照射された紫外線の中央(照射角の中央)が当該紫外線照射領域に向いていることを意味する。この定義は、他の紫外線LED162B~162Dについても同じである。
【0039】
同様に、第2紫外線LED162Bは、第2紫外線照射領域RBに対応して配置され、第2紫外線照射領域RBに向けて紫外線を照射可能である。第3紫外線LED162Cは、第3紫外線照射領域RCに対応して配置され、第3紫外線照射領域RCに向けて紫外線を照射可能である。第4紫外線LED162Dは、第4紫外線照射領域RDに対応して配置され、第4紫外線照射領域RDに向けて紫外線を照射可能である。
【0040】
紫外線照射装置160は、チルド室31A内において紫外線の照射先を変更可能である。本実施形態では、紫外線照射装置160は、複数の紫外線光源(複数の紫外線LED162)の発光状態に基づき、チルド室31A内において紫外線の照射先を変更可能である。例えば、紫外線照射装置160は、第1紫外線照射領域RAのみに紫外線を照射する場合、第1紫外線LED162Aのみを発光させるとともに、残りの紫外線LED162B,162C,162Dを消灯させる。
【0041】
同様に、紫外線照射装置160は、第2紫外線照射領域RBのみに紫外線を照射する場合、第2紫外線LED162Bのみを発光させるとともに、残りの紫外線LED162A,162C,162Dを消灯させる。紫外線照射装置160は、第3紫外線照射領域RCのみに紫外線を照射する場合、第3紫外線LED162Cのみを発光させるとともに、残りの紫外線LED162A,162B,162Dを消灯させる。紫外線照射装置160は、第4紫外線照射領域RDのみに紫外線を照射する場合、第4紫外線LED162Dのみを発光させるとともに、残りの紫外線LED162A,162B,162Cを消灯させる。
【0042】
なお上記例に代えて、回路基板161(言い換えると紫外線照射装置162)は、チルド室31Aの幅方向の中央に対して冷蔵庫100の幅方向の一方側(例えば右側または左側)に偏って配置されてもよい。また、回路基板161(言い換えると紫外線照射装置162)は、チルド室31Aの中央部に配置されてもよい。
【0043】
<2.8 照射関連検出部>
照射関連検出部170は、紫外線照射装置160による紫外線の照射に用いるための情報を検出する。照射関連検出部170は、「検出部」の一例である。照射関連検出部170は、例えば、位置検出部171と、種類検出部172とを含む。
【0044】
位置検出部171は、チルド室31Aに収容された食材の位置に関する情報を検出する。本出願で「食材の位置に関する情報」とは、食材の位置そのものを示す情報でもよいし、チルド室31A内で食材が置かれた領域を示す情報(例えば、第1から第4の紫外線照射領域RA~RDのなかで、どの紫外線照射領域Rに食材が置かれたかを示す情報)などでもよい。
【0045】
本実施形態では、位置検出部171は、チルド室31Aに収容された食材の位置に関する情報として、紫外線の照射対象の食材J1の位置に関する情報と、紫外線の照射抑制対象の食材J2の位置に関する情報とを検出する。本出願で「照射抑制対象」とは、例えば、紫外線の照射が行われない対象であるが、上記例に限定されず、意図せずに紫外線が照射される対象も該当し得る。「意図せず紫外線が照射される対象」とは、例えば、照射対象の食材J1に紫外線を照射することに付随して紫外線が照射される対象である。
【0046】
紫外線の照射対象の食材J1は、例えば、肉類など、菌が繁殖しやすい食材である。一方で、紫外線の照射抑制対象の食材J2は、例えば、紫外線が照射されることで味や色が変質してしまう食材、または紫外線が照射されることで変質する包装体(紫外線が照射されることで穴が開きやすくなるラップなど)で包装された食材などである。
【0047】
本実施形態では、紫外線の照射対象の食材J1には、ユーザUによって第1付属体S1が取り付けられる。一方で、紫外線の照射抑制対象の食材J2には、ユーザUによって第2付属体S2が取り付けられる。第2付属体S2は、第1付属体S1とは異なる付属体である。第1付属体S1および第2付属体S2は、例えば、ユーザUによって食材に着脱自在に取り付け可能な付属体である。本出願で「食材に取り付け可能」とは、食材に対して直接取り付け可能である場合に限定されず、食材を収容した収容器または食材を包装した包装体などに取り付け可能である場合や、食材を収容した収容器内に食材とともに収容可能である場合なども該当し得る。
【0048】
第1付属体S1および第2付属体S2は、例えば、電波を送信可能な付属体である。第1付属体S1および第2付属体S2は、例えば、食材に着脱自在に取り付け可能な固定具(例えばバンドタイプの固定具)を有したRFID(Radio Frequency Identification)タグである。第1付属体S1および第2付属体S2の各々は、例えば、位置検出部171から検出用信号を受信した場合、その応答として第1付属体S1または第2付属体S2の識別情報を示す応答信号を含む電波を送信する。
【0049】
照射関連検出部170は、例えば、チルド室31Aの天井部に設けられた複数のアンテナ173を含む(
図4参照)。複数のアンテナ173の各々は、第1付属体S1および第2付属体S2から送信される電波を受信可能なアンテナである。
【0050】
図5に示すように、複数のアンテナ173は、チルド室31Aの天井部において、前後方向および左右方向に分かれて配置されている。複数のアンテナ173は、例えば、第1から第4のアンテナ173A~173Dを含む。第1アンテナ173Aは、4つの紫外線照射領域RA~RDのなかで第1紫外線照射領域RAの近くに配置されている。第2アンテナ173Bは、4つの紫外線照射領域RA~RDのなかで第2紫外線照射領域RBの近くに配置されている。第3アンテナ173Cは、4つの紫外線照射領域RA~RDのなかで第3紫外線照射領域RCの近くに配置されている。第4アンテナ173Dは、4つの紫外線照射領域RA~RDのなかで第1紫外線照射領域RDの近くに配置されている。
【0051】
本実施形態では、位置検出部171は、第1付属体S1から送信されて4つのアンテナ173A~173Dにより受信された電波の特性の違い(例えば強度または位相の違い)を解析することで、第1付属体S1の位置(すなわち紫外線の照射対象の食材J1の位置)を検出可能である。同様に、位置検出部171は、第2付属体S2から送信されて4つのアンテナ173A~173Dにより受信された電波の特性の違い(例えば強度または位相の違い)を解析することで、第2付属体S2の位置(すなわち、紫外線の照射抑制対象の食材J2の位置)を検出可能である。位置検出部171により検出された紫外線の照射対象の食材J1の位置に関する情報と、紫外線の照射抑制対象の食材J2の位置に関する情報とは、制御装置180に送信される。
【0052】
また本実施形態では、第1付属体S1としては、食材の種類に対応して予め準備された複数種類の第1付属体S1のなかから、紫外線の照射対象の食材J1の種類に応じた第1付属体S1が選択されて食材J1に取り付けられてよい。例えば、食材J1が肉類であれば、肉類に対応した第1付属体S1がユーザUによって食材J1に取り付けられ、食材J1が野菜であれば、野菜に対応した第1付属体S1がユーザUによって食材J1に取り付けられてもよい。複数種類の第1付属体S1の各々は、当該第1付属体S1が対応する種類の食材を示す情報を示す応答信号を含む電波を送信可能である。
【0053】
この場合、種類検出部172は、第1付属体S1から送信されたアンテナ173により受信される電波に載せられた信号を解析することで、第1付属体S1が取り付けられた食材J1の種類に関する情報を検出可能である。種類検出部172により検出された食材J1の種類に関する情報は、制御装置180に送信される。
【0054】
なお、照射関連検出部170および付属体の構成は、上記例に限定されない。例えば、照射関連検出部170は、チルド室31A内を撮影可能なカメラでもよい。この場合、第1付属体S1および第2付属体S2は、カメラにより撮影されて画像解析されることで互いに識別可能な識別情報が表示された付属体などでもよい。例えば、第1付属体S1は、食材J1の種類を示す二次元バーコードを有する付属体などでもよい。ただし、本出願で「識別可能」とは、食材の種類まで識別可能である場合に限定されず、第1付属体S1であることが識別可能である場合や、第1付属体S1と第2付属体S2とを区別して識別可能である場合なども該当し得る。また、照射関連検出部170は、アンテナ173に代えて、赤外線センサを用いて食材の位置を推定可能な検出部などでもよい。
【0055】
また、照射関連検出部170は、食材に取り付けられる付属体を利用せずに食材の位置を検出可能な検出部でもよい。例えば、貯蔵室30内の空間の一部が除菌室として設定されている場合、照射関連検出部170は、当該除菌室に収容された食材の有無を検出することで、紫外線の照射対象の食材J1の位置を検出可能な検出部でもよい。
【0056】
<2.9 制御装置>
制御装置180は、冷蔵庫100の全体を統括的に制御する。制御装置180は、冷蔵庫100の本来機能である冷却制御に加え、紫外線照射装置160を用いた紫外線照射に関する制御を行う。紫外線照射に関する制御については後述する。
【0057】
<2.10 記憶部>
記憶部190は、各種情報を記憶する機能部である。記憶部190は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、またはSSD(Solid State Drive)などの組み合わせにより実現される。記憶部190は、制御用情報191を記憶する。制御用情報191には、冷蔵庫100の制御(紫外線照射に関する制御を含む)に用いられる各種設定値(各種閾値や固定時間などの設定値)が含まれる。
【0058】
<3.端末装置>
次に、端末装置300について説明する。
図6は、端末装置300の機能構成を示すブロック図である。端末装置300は、例えば、情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、情報送信部340、および記憶部390を有する。
【0059】
情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、および情報送信部340は、端末装置300に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがアプリケーションプログラムPを実行することにより実現される。言い換えると、情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、および情報送信部340は、家電管理アプリAPに含まれるソフトウェア機能部である。
【0060】
情報取得部310は、サーバ200と通信を行うことで、サーバ200から各種情報を取得する。表示制御部320は、端末装置300の表示装置301を制御することで、表示装置301の表示画面301aに表示される内容を制御する。操作受付部330は、家電管理アプリAPに関連して入力装置302に対して行われるユーザUの操作を受け付ける。情報送信部340は、操作受付部330による受け付けられた各種操作に応じた情報または信号を、サーバ200に送信する。
【0061】
記憶部390は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、またはSSDなどの組み合わせにより実現される。記憶部390は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部390は、アプリケーションプログラムPを記憶する。
【0062】
(紫外線の照射に関する操作)
本実施形態では、操作受付部330は、紫外線照射装置160による紫外線の照射先、および/または、紫外線の照射抑制先を指定するユーザUの操作を受け付ける。
【0063】
(紫外線に関する操作受付の第1例)
図7は、紫外線に関する操作受付の第1例を説明するための図である。第1例では、表示制御部320は、端末装置300の表示画面301aに紫外線照射設定画面D1を表示させる。紫外線照射設定画面D1は、4つの紫外線照射領域RA~RDの各々について、紫外線を照射させるための第1操作部B1と、紫外線の照射を抑制する(例えば紫外線を照射させない)ための第2操作部B2と、紫外線の照射強度を調整するための第3操作部B3とを含む。
【0064】
操作受付部330は、各紫外線照射領域Rについて第1操作部B1に対するユーザUの操作を受け付けた場合は、当該紫外線照射領域Rに紫外線を照射させるための信号を生成し、生成した信号をサーバ200経由(または直接の通信)で冷蔵庫100に送信する。一方で、操作受付部330は、各紫外線照射領域Rについて第2操作部B2に対するユーザUの操作を受け付けた場合は、当該紫外線照射領域Rに紫外線を照射させないための信号を生成し、生成した信号をサーバ200経由(または直接の通信)で冷蔵庫100に送信する。また、操作受付部330は、各紫外線照射領域Rについて第3操作部B3に対するユーザUの操作を受け付けた場合は、当該紫外線照射領域Rに紫外線の調整後の照射強度を示す信号を生成し、生成した信号をサーバ200経由(または直接の通信)で冷蔵庫100に送信する。
【0065】
(紫外線に関する操作受付の第2例)
図8は、紫外線に関する操作受付の第2例を説明するための図である。第2例では、情報取得部310は、サーバ200経由(または直接の通信)で、冷蔵庫100の位置検出部171により検出された情報(例えば、チルド室31Aに収容された食材J1,J2の位置に関する情報)を取得する。
【0066】
表示制御部320は、端末装置300の表示画面301aに紫外線照射設定画面D1´を表示させる。紫外線照射設定画面D1´では、第1例の紫外線照射設定画面D1と同じ第1操作部B1および第2操作部B2に加え、4つの紫外線照射領域RA~RDの各々について、食材J1の存在を示す表示C1、および/または。食材J2の存在を示す表示C2が表示される。第2例では、操作受付部330は、表示C1および/または表示C2が表示された状態で、第1操作部B1、第2操作部B2、または第3操作部B3に対するユーザUの操作を受け付ける。
【0067】
なお、第2例では、操作受付部330は、紫外線を照射させる紫外線照射領域Rを指定するユーザUの操作を受け付けることに代えて、食材J1に対応する表示C1に対するユーザUの操作(例えば、紫外線照射対象の表示C1に対するタップ)に基づき、紫外線照射対象の位置(例えば食材J1の位置)を受け付けてもよい。
【0068】
また、これら紫外線の照射に関する操作内容は、端末装置300に代えて、冷蔵庫100の操作部140により受け付けられてもよい。
【0069】
<4.冷蔵庫による紫外線照射に関する制御>
次に、冷蔵庫100による紫外線照射に関する制御について詳しく説明する。
図3に示すように、制御装置180は、紫外線照射に関する機能部として、例えば、取得部181、報知部182、および制御部183を有する。これら機能部は、冷蔵庫100に搭載されたCPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0070】
<4.1 取得部>
取得部181は、チルド室31Aの位置または領域であって紫外線の照射対象とする位置または領域を示す照射先情報を取得する。「紫外線の照射対象とする位置を示す照射先情報」とは、例えば、紫外線の照射対象の食材J1の位置そのものを示す情報である。「紫外線の照射対象とする領域を示す照射先情報」とは、例えば、複数の紫外線照射領域RA~RDのなかで、どの紫外線照射領域Rに食材J1が存在するかを示す情報である。
【0071】
本実施形態では、取得部181は、位置検出部171により検出された食材J1の位置に関する情報を上記照射先情報として取得する。例えば、取得部181は、ユーザUによって食材J1に取り付けられて位置検出部171により検出された第1付属体S1の位置を示す情報を、上記照射先情報として取得する。
【0072】
また本実施形態では、取得部181は、上記照射先情報に加え、チルド室31Aの位置または領域であって紫外線の照射抑制対象とする位置または領域を示す照射抑制先情報を取得する。「紫外線の照射抑制対象とする位置を示す照射抑制先情報」とは、例えば、紫外線の照射抑制対象の食材J2の位置そのものを示す情報である。「紫外線の照射抑制対象とする領域を示す照射抑制先情報」とは、例えば、複数の紫外線照射領域RA~RDのなかで、どの紫外線照射領域Rに食材J2が存在するかを示す情報である。
【0073】
本実施形態では、取得部181は、位置検出部171により検出された食材J2の位置に関する情報を上記照射抑制先情報として取得する。例えば、取得部181は、ユーザUによって食材J2に取り付けられて位置検出部171により検出された第2付属体S2の位置を示す情報を、上記照射抑制先情報として取得する。
【0074】
また本実施形態では、取得部181は、冷蔵庫100の操作部140または端末装置300に対するユーザUの操作内容(例えば、上述した操作部B1に対するユーザUの操作内容)に基づき、上記照射先情報を取得してもよい。また本実施形態では、取得部181は、冷蔵庫100の操作部140または端末装置300に対するユーザUの操作内容(例えば、上述した操作部B2に対するユーザUの操作内容)に基づき、上記照射抑制先情報を取得してもよい。
【0075】
<4.2 報知部>
報知部182は、位置検出部171により検出された紫外線の照射対象の食材J1の位置が所定条件を満たす場合、食材J1の位置の変更または別の食材(例えば食材J2)の位置の変更をユーザUに促すための報知を出力させる。「所定条件」は、例えば、食材J1に対する紫外線の照射効率が低くなる場合、または、食材J1に対して紫外線を照射することで、食材J1以外の食材または冷蔵庫100の部品に対して良くない影響が生じ得る場合などである。
【0076】
「所定条件」の一例は、位置検出部171による食材J1の位置検出が3次元上の位置を検出可能な場合(例えば、第1付属体S1からの電波の強度または位相により3次元上の位置を検出可能な場合)であって、2段式の容器38,39のうち下段側の容器38に食材J1が収容されていることが検知された場合である。この場合、紫外線照射装置160と食材J1との間には、2段式の容器38,39のうち上段側の容器38に収容された食材が存在し、食材J1に対する紫外線の照射効率が低くなる可能性が高い。このため、このような状況が存在することが位置検出部171により検出された場合、報知部182は、食材J1の位置の変更をユーザUに促すための報知(例えば、下段側の容器39に収容された食材J1を上段側の容器38に移動させることを促す報知)を、出力装置145および/または端末装置300の表示装置301を通じて冷蔵庫100の外部に出力させる。
【0077】
「所定条件」の別の一例は、位置検出部171により食材J1の位置そのものの検出が可能な場合であって、紫外線に対する耐久性が所定基準以下の部品の近傍に食材J1が存在する場合である。紫外線に対する耐久性が所定基準以下の部品とは、例えば、紫外線の吸収率が高く、紫外線の照射が繰り返される環境では寿命が所定期間未満になる部品である。このような状況が存在することが位置検出部171により検出された場合、報知部182は、食材J1の位置の変更をユーザUに促すための報知を、出力装置145および/または端末装置300の表示装置301を通じて冷蔵庫100の外部に出力させる。
【0078】
「所定条件」のさらに別の一例は、位置検出部171により検出された食材J1(紫外線の照射対象の食材)と、位置検出部171により検出された食材J2(紫外線の照射抑制対象の食材)とが、紫外線照射領域RA~RDのなかで同じ紫外線照射領域Rに存在する場合である。このような状況が存在することが位置検出部171により検出された場合、報知部182は、食材J1の位置の変更または食材J2の位置の変更をユーザUに促すための報知を、出力装置145および/または端末装置300の表示装置301を通じて冷蔵庫100の外部に出力させる。
【0079】
<4.3 制御部>
制御部183は、取得部181により取得された照射先情報に基づき、紫外線照射装置160による紫外線の照射を制御する。本実施形態では、制御部183は、取得部181により取得された照射先情報に基づき、紫外線照射装置160による紫外線の照射先を変更する。例えば、制御部183は、複数の紫外線照射領域RA~RDのなかで食材J1が存在する紫外線照射領域Rに対応する紫外線LED162のみを発光させることで、複数の紫外線照射領域RA~RDのなかで食材J1が存在する紫外線照射領域Rに向けて紫外線を照射する。
【0080】
本実施形態では、制御部183は、取得部181により取得された照射先情報および照射抑制先情報に基づき、紫外線照射装置160による紫外線の照射先を制御する。例えば、制御部183は、紫外線の照射対象の食材J1と、紫外線の照射抑制対象の食材J2とが、紫外線照射領域RA~RDのなかで同じ紫外線照射領域Rに存在することが位置検出部171により検出された場合、紫外線の照射を行わずに待機し、報知部182による所定の報知(食材J1の位置の変更または食材J2の位置の変更をユーザUに促すための報知)を報知部182により先に実行させる。そして、取得部181により再度取得された照射先情報および照射抑制先情報に基づき、食材J1と食材J2とが同じ紫外線照射領域Rに存在する状態が解消されたと制御部183により判定された場合、制御部183は、複数の紫外線照射領域RA~RDのなかで食材J1が存在する紫外線照射領域Rに向けて紫外線を照射する。
【0081】
本実施形態では、制御部183は、紫外線の照射対象が紫外線照射装置160から第1距離の位置または領域である場合、第1態様で紫外線を照射する。一方で、制御部183は、紫外線の照射対象が紫外線照射装置160から上記第1距離よりも遠い第2距離の位置または領域である場合、上記第1態様と比べて照射強度が大きいまたは照射時間が長い第2態様で紫外線を照射する。「照射強度が大きい」とは、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御におけるデューティ比を大きくすることである。なお別の例では、「照射強度が大きい」とは、複数の紫外線照射領域Rの各々に対して2つ以上の紫外線LED162が設けられる場合、照射先の紫外線照射領域Rに対して発光される紫外線LED162の数を増加させることである。
【0082】
例えば、
図5に示すように、第3および第4紫外線照射領域RC,RDと比べて第1および第2紫外線照射領域RA,RBの近くに紫外線照射装置160が配置された場合、第1および第2紫外線照射領域RA,RB(または第1および第2紫外線照射領域RA,RBに置かれた食材J1)は、紫外線照射装置160から上記第1距離に存在する紫外線の照射対象の一例であり、第3および第4紫外線照射領域RC,RD(または第3および第4紫外線照射領域RC,RDに置かれた食材J1)は、紫外線照射装置160から上記第2距離に存在する紫外線の照射対象の一例である。この場合、制御部183は、第1および第2紫外線照射領域RA,RBに対応する紫外線LED162A,162Bを発光させる場合と比べて、第3および第4紫外線照射領域RC,RDに対応する紫外線LED162C,162Dを発光させる場合、紫外線の照射強度を大きくまたは照射時間を長く設定する。
【0083】
本実施形態では、制御部183は、扉開検知部110により冷蔵室扉21が閉じられたことが検知された場合に紫外線照射装置160による紫外線の照射を開始させ、紫外線の照射開始から所定時間経過後に紫外線照射装置160の照射を停止させる。例えば、制御部183は、冷蔵室扉21が開く度に、冷蔵室扉21が閉じられた後の所定時間に亘り紫外線照射装置160による紫外線の照射を行い、その後、紫外線の照射を停止させる。
【0084】
本実施形態では、制御部183は、種類検出部172により検出された食材J1の種類に基づき、紫外線の照射時間を決定する。例えば、制御部183は、食材J1の種類が第1種類の食材である場合、冷蔵室扉21が閉じられた後、第1時間に亘り紫外線照射装置160による紫外線の照射を行い、その後、紫外線の照射を停止させる。一方で、制御部183は、食材J1の種類が第1種類よりも菌が発生しやすい第2種類の食材である場合、冷蔵室扉21が閉じられた後、上記第1時間よりも長い第2時間に亘り紫外線照射装置160による紫外線の照射を行い、その後、紫外線の照射を停止させる。第1種類の食材は、例えば、野菜または魚類である。第2種類の食材は、例えば、肉類である。
【0085】
本実施形態では、制御部183は、操作部140または端末装置300の操作受付部330に対するユーザUの操作に基づき、貯蔵室30に関して、第1運転モード(例えば基本モード)、第2運転モード(例えば高除菌/活性化モード)、および第3運転モード(例えば低除菌モード)など、複数種類の運転モードを選択的に実行可能である。そして、制御部183は、第1運転モードで貯蔵室30を冷却する場合と、第2運転モードで貯蔵室30を冷却する場合とで、紫外線の照射強度または照射時間を変更してもよい。
【0086】
例えば、制御部183は、第1運転モード(例えば基本モード)で貯蔵室30を冷却する場合と比べて、第2運転モード(例えば高除菌/活性化モード)で貯蔵室30を冷却する場合は、紫外線照射装置160による紫外線の照射強度を大きくまたは照射時間を長くする。一方で、制御部183は、第1運転モード(例えば基本モード)で貯蔵室30を冷却する場合と比べて、第3運転モード(例えば低除菌モード)で貯蔵室30を冷却する場合は、紫外線の照射強度を小さくまたは照射時間を短くする。
【0087】
<5.制御の流れ>
次に、制御の流れについて説明する。
図9は、制御の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、取得部181は、扉開検知部110により冷蔵室扉21の開閉が検知された場合、位置検出部171により検出された情報(紫外線の照射先情報および/または照射抑制先情報)を取得する(S101)。
【0088】
次に、報知部182は、位置検出部171により検出された紫外線の照射対象の食材J1の位置が上記所定条件を満たすか否か(ユーザUに対する報知が必要な状況であるか否か)を判定する(S102)。食材J1の位置が上記所定条件を満たす場合(S102:YES)、報知部182は、食材J1の位置の変更(または食材J2の位置の変更)をユーザUに促すための報知を出力させる(S103)。
【0089】
この場合、取得部181は、扉開検知部110により冷蔵室扉21の開閉が再度検知されるか否かを判定する(S104)。取得部181は、S103の処理から所定時間以内に冷蔵室扉21の開閉が再度検知された場合(S104:YES)、S101の処理に戻り、S101の処理から始まる一連の処理を繰り返す。一方で、S103の処理から上記所定時間以内に冷蔵室扉21の開閉が再度検知されない場合(S104:NO)、報知部182は、紫外線の照射を行わないことを出力装置145および/または端末装置300の表示装置301を通じて外部に出力させ(S105)、一連の処理を終了する。
【0090】
一方で、制御部183は、食材J1の位置が上記所定条件を満たさない場合(S102:NO)、複数の紫外線照射領域RA~RDのなかで、食材J1が存在する紫外線照射領域Rに対応する紫外線LED162のみを発光させ、当該紫外線照射領域Rに向けて所定時間に亘り紫外線を照射し(S106)、一連の処理を終了する。
【0091】
<6.利点>
本実施形態では、冷蔵庫100は、取得部181と、制御部183とを備える。取得部181は、紫外線の照射対象とする位置または領域を示す照射先情報を取得する。制御部183は、取得部181により取得された照射先情報に基づき、紫外線照射装置160による紫外線の照射(例えば照射先、照射強度、または照射時間)を制御する。このような構成によれば、紫外線の照射先を変更することや、紫外線照射装置160と紫外線の照射対象との距離に応じて紫外線の照射強度または照射時間を変更することで、紫外線の照射対象とする位置または領域に対して効果的に紫外線を照射することができる。これにより、貯蔵室内の特定箇所(例えば食材J1が置かれた紫外線照射領域R)に対して紫外線の照射を効果的に行うことができる。これにより、紫外線の照射による除菌効果をさらに高めることができる。
【0092】
本実施形態では、紫外線照射装置160は、チルド室31A内において紫外線の照射先を変更可能である。制御部183は、取得部181により取得された照射先情報に基づき、紫外線照射装置160による紫外線の照射先を変更する。このような構成によれば、チルド室31A内の特定箇所(例えば食材J1の周囲)に対して紫外線を集中的に照射することができる。これにより、紫外線の照射による除菌効果をさらに高めることができる。また、他の領域に対する紫外線の照射が抑制され、紫外線の照射に関する影響が他の食材や冷蔵庫100の部品などに及ぶことを抑制することができる。
【0093】
本実施形態では、冷蔵庫100は、貯蔵室30に収容された食材J1(または食材J2)の位置に関する情報を検出する位置検出部171をさらに備える。取得部181は、位置検出部171により検出された食材J1(または食材J2)の位置を示す情報を上記照射先情報として取得する。このような構成によれば、位置検出部171により検出された情報に基づき、例えば紫外線の照射先を指定するユーザUの操作を伴うことなくまたは操作の負担を減らして、紫外線の照射先を適切に決定して紫外線を照射することができる。
【0094】
本実施形態では、位置検出部171は、食材の位置として、ユーザUによって食材J1(または食材J2)に取り付けられた第1付属体S1(または第2付属体S2)の位置を検出する。このような構成によれば、位置検出部171による検出精度を高めることができ、紫外線の照射先をより適切に決定することができる。
【0095】
本実施形態では、冷蔵庫100は、位置検出部171により検出された食材J1の位置が所定条件を満たす場合、食材J1(または食材J2)の位置の変更をユーザに促すための報知を出力させ報知部182をさらに備える。このような構成によれば、食材J1の位置が上記所定条件を満たす場合、食材J1(または食材J2)の位置をユーザUに変更してもらうことで、紫外線の照射をより適切に行うことができる。
【0096】
本実施形態では、取得部181は、冷蔵庫100の操作部140または端末装置300に対するユーザUの操作内容に基づき、上記照射先情報を取得する。このような構成によれば、端末装置300の操作を通じてユーザUの意図する食材または領域に対して紫外線を照射させることができる。
【0097】
本実施形態では、取得部181は、上記照射先情報に加え、チルド室31A内の位置または領域であって紫外線の照射抑制対象とする位置または領域を示す照射抑制先情報を取得する。制御部183は、取得部181により取得された上記照射先情報および上記照射抑制先情報に基づき、紫外線照射装置160による紫外線の照射先を制御する。このような構成によれば、ユーザUが意図する食材または領域に対して紫外線を確実に照射させることができるとともに、紫外線の照射を抑制したい食材または領域に対して紫外線が照射されることを抑制することができる。
【0098】
本実施形態では、位置検出部171は、ユーザUによって食材J1に取り付けられた第1付属体S1の位置を検出するとともに、ユーザUによって食材J2に取り付けられた第2付属体S2の位置を検出する。取得部181は、位置検出部171により検出された第1付属体S1の位置を示す情報を上記照射先情報として取得し、位置検出部171により検出された第2付属体S2の位置を示す情報を上記照射抑制先情報として取得する。このような構成によれば、例えば紫外線の照射先および照射抑制先を指定するユーザUの操作を伴うことなくまたは操作の負担を減らして、紫外線の照射先をより適切に決定することができる。
【0099】
本実施形態では、取得部181は、冷蔵庫100の操作部140または端末装置300に対するユーザUの操作内容に基づき、上記照射抑制先情報を取得する。このような構成によれば、端末装置300に対する操作を通じて、ユーザUが意図する食材または領域に対して紫外線を確実に照射させることができるとともに、紫外線の照射を抑制したい食材または領域に対して紫外線が照射されることを抑制することができる。
【0100】
本実施形態では、冷蔵庫100は、貯蔵室30に収容された食材の種類を検出する種類検出部172をさらに備える。制御部183は、種類検出部172により検出された食材の種類に基づき、紫外線の照射時間を決定する。このような構成によれば、菌が発生または繁殖しやすい食材に対しては長い照射時間を確保することで、より効果的に除菌を行うことができる。
【0101】
本実施形態では、制御部183は、紫外線の照射対象が紫外線照射装置160から第1距離の位置または領域である場合、第1態様で前記光を照射する。制御部183は、紫外線の照射対象が紫外線照射装置160から上記第1距離よりも遠い第2距離の位置または領域である場合、上記第1態様と比べて照射強度が大きいまたは照射時間が長い第2態様で紫外線を照射する。このような構成によれば、紫外線照射装置160から遠い距離に位置する食材に対しても適切な紫外線の照射量を確保することができる。これにより、紫外線照射装置160から遠い距離に位置する食材に対してもより確実に除菌を行うことができる。
【0102】
本実施形態では、制御部183は、扉開検知部110により扉20が閉じられたことが検知された場合に紫外線照射装置160による紫外線の照射を開始させ、所定時間経過後に紫外線の照射を停止させる。このような構成によれば、紫外線の照射が長時間継続されることを抑制し、紫外線の長時間照射による食材や貯蔵室30内の部品(例えばチルド室31A内の部品)などの劣化を抑制することができる。
【0103】
<7.変形例>
次に、実施形態の変形例について説明する。
【0104】
<7.1 第1変形例>
図10は、実施形態の第1変形例の冷蔵庫100の一部を拡大して示す断面図である。本変形例では、紫外線照射装置160は、複数の紫外線照射領域RA~RDに対応して設けられた複数の紫外線LED162を有することに代えて、少なくとも1つの紫外線LED162と、当該少なくとも1つの紫外線LED162の紫外線の照射方向を変更する駆動機構163とを有する。
【0105】
駆動機構163は、例えば、回路基板161と紫外線LED162との間に設けられ、紫外線LED162の姿勢を前後左右の任意の角度で変更する照射方向変更機構を含み、紫外線LED162による紫外線の照射方向(紫外線の指向角)をチルド室31A内の前後左右の任意の位置に変更可能である。例えば、駆動機構163は、紫外線の照射方向が第1紫外線照射領域RAを向く第1姿勢、紫外線の照射方向が第2紫外線照射領域RBを向く第2姿勢、紫外線の照射方向が第3紫外線照射領域RCを向く第3姿勢、および紫外線の照射方向が第4紫外線照射領域RDを向く第4姿勢の間で、紫外線LED162の姿勢を変更可能である。
【0106】
このような構成によっても、上記実施形態と同様に、貯蔵室内の特定箇所(例えば食材J1が置かれた紫外線照射領域R)に対して紫外線の照射を集中的に行うことができる。これにより、紫外線の照射効率を高めるとともに、他の領域に対して紫外線の照射が抑制され、紫外線の照射に関する影響が他の食材や冷蔵庫100の部品などに及ぶことを抑制することができる。
【0107】
<7.2 第2変形例>
次に、第2変形例について説明する。
第2変形例では、第1付属体S1は、紫外線の照射量(照射強度)を検出可能な紫外線照射量センサを含む。第1付属体S1は、紫外線照射装置160から照射される紫外線を検出した場合、検出された紫外線の照射量を示す情報(以下「照射量検出情報」と称する)を冷蔵庫100に送信する。冷蔵庫100の取得部181は、第1付属体S1から送信された照射量検出情報を取得し、取得した照射量検出情報を報知部182に出力する。
【0108】
報知部182は、照射量検出情報が示す紫外線の照射量が照射目標量である閾値以上であるか否かを判定する。報知部182は、上記照射量検出情報が示す紫外線の照射量が上記閾値未満である場合、食材J1に照射される紫外線の照射量が一定以下であることをユーザUに知らせるとともに、食材J1の位置の変更をユーザUに促すための報知を、出力装置145および/または端末装置300の表示装置301を通じて冷蔵庫100の外部に出力させる。なお上記報知は、食材J1の位置の変更をユーザUに促すための報知に代えて、食材J1に対する紫外線照射時間として必要な時間が長くなること(食材J1の最低限の置き時間など)を知らせる報知でもよい。
【0109】
なお上記例に代えて/加えて、次のような処理が行われてもよい。すなわち、制御部183は、照射量検出情報が示す紫外線の照射量が照射目標量である閾値以上であるか否かを判定する。制御部183は、上記照射量検出情報が示す紫外線の照射量が上記閾値未満である場合、食材J1に向けて照射される紫外線の照射強度を大きくするまたは照射時間を長くするように紫外線照射装置160を制御する。
【0110】
<7.3 第3変形例>
次に、第3変形例について説明する。
上述した実施形態では、紫外線の照射対象の食材J1に第1付属体S1が取り付けられ、紫外線の照射抑制対象の食材J2に第2付属体S2が取り付けられる例について説明した。第3変形例では、第1付属体S1が存在せず、紫外線の照射抑制対象の食材J2に付属体S2が取り付けられる。
【0111】
本変形例では、制御部183は、位置検出部171により検出された付属体S2の位置(紫外線の照射抑制対象の食材J2)に関する情報に基づき、紫外線照射装置160を制御する。例えば、制御部183は、複数の紫外線照射領域RA~RDのなかで、食材J2が位置する存在する紫外線照射領域Rに対応する紫外線LED162の発光を抑制する。このような構成によれば、紫外線の照射を抑制したい食材または領域に対して紫外線が照射されることを抑制することができる。
【0112】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、光の照射対象とする位置または領域を示す照射先情報を取得する取得部と、上記取得部により取得された上記照射先情報に基づき、光照射部による光の照射先を制御する制御部とを備える。このような構成によれば、貯蔵室内の特定箇所に対してウイルスまたは菌の抑制を集中して行うことができる。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0114】
1…冷蔵庫システム、10…筐体、30…貯蔵室、100…冷蔵庫、160…紫外線照射装置(光照射部)、170…照射関連検出部、171…位置検出部、172…種類検出部、180…制御装置、181…取得部、182…報知部、183…制御部、300…端末装置、J1…紫外線の照射対象の食材、J2…紫外線の照射抑制対象の食材、S1…第1付属体、S2…第2付属体。