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  • 特開-工具及び工具に用いられる起歪体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175348
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】工具及び工具に用いられる起歪体
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/14 20060101AFI20241211BHJP
   G01L 5/24 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B25B23/14 610B
G01L5/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093060
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000161909
【氏名又は名称】京都機械工具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(74)【代理人】
【識別番号】100231038
【弁理士】
【氏名又は名称】正村 智彦
(72)【発明者】
【氏名】中田 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】大河 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 竜太
(72)【発明者】
【氏名】古長 颯斗
【テーマコード(参考)】
2F051
3C038
【Fターム(参考)】
2F051AB09
2F051BA03
3C038AA01
3C038BC01
3C038CA02
3C038CA06
3C038EA05
(57)【要約】
【課題】デジタル工具を従来よりもコンパクトにする。
【解決手段】歪ゲージ41と、歪ゲージ41が取り付けられた起歪体42とを備えており、歪ゲージ41を用いてトルクを計測可能な工具100であって、起歪体42が、作業時に締付対象側に位置する先端部421と、先端部421の反対側に位置する基端部422と、先端部421及び基端部422の間に位置するとともに、歪ゲージ41が取り付けられる歪発生部423と、歪発生部423よりも基端部422側に設けられた平坦面S1とを有しているようにした。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歪ゲージと、前記歪ゲージが取り付けられた起歪体とを備えており、前記歪ゲージを用いてトルクを計測可能な工具であって、
前記起歪体が、
作業時に締付対象側に位置する先端部と、
前記先端部の反対側に位置する基端部と、
前記先端部及び前記基端部の間に位置するとともに、前記歪ゲージが取り付けられる歪発生部と、
前記歪発生部よりも前記基端部側に設けられた平坦面とを有していることを特徴とする工具。
【請求項2】
前記歪発生部に第2平坦面が設けられていることを特徴とする請求項1記載の工具。
【請求項3】
前記平坦面及び前記第2平坦面が面一であることを特徴とする請求項2記載の工具。
【請求項4】
前記歪発生部に一対の前記第2平坦面が互いに反対を向くように設けられていることを特徴とする請求項3記載の工具。
【請求項5】
前記平坦面に搭載された電子機器を備えることを特徴とする請求項1記載の工具。
【請求項6】
前記歪発生部が、扁平状をなし、歪み方向とは交差する向きに撓むように構成されていることを特徴とする請求項1記載の工具。
【請求項7】
トルクを計測可能な工具に用いられて歪ゲージが取り付けられる起歪体であって、
作業時に締付対象側に位置する先端部と、
前記先端部の反対側に位置する基端部と、
前記先端部及び前記基端部の間に位置するとともに、前記歪ゲージが取り付けられる歪発生部と、
前記歪発生部よりも前記基端部側に設けられた平坦面とを有していることを特徴とする起歪体。
【請求項8】
歪ゲージと、前記歪ゲージが取り付けられた起歪体とを備えており、前記歪ゲージを用いてトルクを計測可能な工具であって、
前記起歪体が、
作業時に締付対象側に位置する先端部と、
前記先端部の反対側に位置する基端部と、
前記先端部及び前記基端部の間に位置するとともに、前記歪ゲージが取り付けられる歪発生部と、
前記歪発生部よりも前記基端部側に設けられて電子機器が搭載される電子機器搭載面とを有することを特徴とする工具。
【請求項9】
トルクを計測可能な工具に用いられて歪ゲージが取り付けられる起歪体であって、
作業時に締付対象側に位置する先端部と、
前記先端部の反対側に位置する基端部と、
前記先端部及び前記基端部の間に位置するとともに、前記歪ゲージが取り付けられる歪発生部と、
前記歪発生部よりも前記基端部側に設けられて電子機器が搭載される電子機器搭載面とを有することを特徴とする起歪体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具及び該工具に用いられる起歪体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の工具としては、特許文献1に示すように、起歪体と称される軸形状の部品に歪ゲージを貼り付けて、作業時のトルクをデジタル計測できるように構成されたものがある。
【0003】
この起歪体は、先端部にヘッドが取り付けられるものであり、歪ゲージが貼り付けられる中央部は、歪みやすくするべくその他の部位よりも細く形成されている。一方、ハンドル側の基端部は、トルクの計測に影響を及ぼす箇所ではないため、製造のしやすさなどの理由で円柱状をなしている。
【0004】
そして、この起歪体は、歪ゲージからの信号を取り出す配線とともにケーシングに収容されており、例えば計測されたトルクを表示するディスプレイの裏側に配置されている。
【0005】
ところで、上述した構成であると、起歪体の基端部が円柱状をなすことから、かかる起歪体を備える工具においては、径寸法のコンパクト化に限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-307629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本願発明は、上述した問題を解決するべくなされたものであり、デジタル工具を従来よりもコンパクトにできるようにすることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係る工具は、歪ゲージと、前記歪ゲージが取り付けられた起歪体とを備えており、前記歪ゲージを用いてトルクを計測可能な工具であって、前記起歪体が、作業時に締付対象側に位置する先端部と、前記先端部の反対側に位置する基端部と、前記先端部及び前記基端部の間に位置するとともに、前記歪ゲージが取り付けられる歪発生部と、前記歪発生部よりも前記基端部側に設けられた平坦面とを有していることを特徴とするものである。
【0009】
このように構成された工具によれば、歪発生部よりも基端部側に平坦面が設けられているので、歪発生部よりも基端部側が円柱状をなす従来の構成に比べて、工具の径寸法をコンパクトにすることができる。
さらに、本発明に係る工具によれば、平坦面に例えばディスプレイ等の電子部品を搭載することができるので、起歪体の周囲に電子部品を配置したい場合におけるコンパクト化に特に資する。
また、歪発生部よりも基端部側に平坦面が設けられているので、従来の構成に比べて軽量化を図れる。
【0010】
前記歪発生部に第2平坦面が設けられていることが好ましい。
これならば、電子部品の搭載面のさらなる拡大や工具のさらなる軽量化を図れる。
【0011】
前記平坦面及び前記第2平坦面が面一であることが好ましい。
これならば、電子部品を安定して搭載することができる。
【0012】
前記歪発生部に一対の前記第2平坦面が互いに反対を向くように設けられていることが好ましい。
これならば、歪発生部を対称形状にすることができ、トルクを正確に計測することができる。
【0013】
本発明による作用効果をより顕著に発揮させる態様としては、前記平坦面に搭載された電子機器を備える態様を挙げることができる。
【0014】
前記歪発生部が、扁平状をなし、歪み方向とは交差する向きに撓むように構成されていることが好ましい。
このような構成であれば、例えばボルトを抉ってしまっている場合など、締付対象に締め付ける方向とは交差する方向の力が作用している場合に、歪発生部の撓みを作業者に感じさせることができるので、ボルトを抉っていることなどを啓蒙することができる。
【0015】
本発明に係る起歪体は、トルクを計測可能な工具に用いられて歪ゲージが取り付けられる起歪体であって、作業時に締付対象側に位置する先端部と、前記先端部の反対側に位置する基端部と、前記先端部及び前記基端部の間に位置するとともに、前記歪ゲージが取り付けられる歪発生部と、前記歪発生部よりも前記基端部側に設けられた平坦面とを有していることを特徴とするものである。
このように構成された起歪体によれば、上述した工具と同様に作用効果を奏し得る。
【0016】
また、本発明に係る工具は、歪ゲージと、前記歪ゲージが取り付けられた起歪体とを備えており、前記歪ゲージを用いてトルクを計測可能な工具であって、前記起歪体が、作業時に締付対象側に位置する先端部と、前記先端部の反対側に位置する基端部と、前記先端部及び前記基端部の間に位置するとともに、前記歪ゲージが取り付けられる歪発生部と、前記歪発生部よりも前記基端部側に設けられて電子機器が搭載される電子機器搭載面とを有することを特徴とするものである。
このように構成された工具によれば、歪発生部よりも基端部側に電子機器搭載面が設けられており、この電子機器搭載面に例えばディスプレイ等の電子部品を搭載することができるので、起歪体の周囲に電子部品を配置する工具における径方向のコンパクト化を図れる。
【0017】
さらに、本発明に係る起歪体は、トルクを計測可能な工具に用いられて歪ゲージが取り付けられる起歪体であって、作業時に締付対象側に位置する先端部と、前記先端部の反対側に位置する基端部と、前記先端部及び前記基端部の間に位置するとともに、前記歪ゲージが取り付けられる歪発生部と、前記歪発生部よりも前記基端部側に設けられて電子機器が搭載される電子機器搭載面とを有することを特徴とするものである。
このように構成された起歪体によれば、上述した工具と同様に作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0018】
このように構成された本発明によれば、デジタル工具を従来よりもコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る工具の構成を示す模式図。
図2】同実施形態の起歪体の構成を示す模式図。
図3】同実施形態の起歪体の構成を示す模式図。
図4】同実施形態の起歪体の構成を示す模式図。
図5】その他の実施形態の起歪体の構成を示す模式図。
図6】その他の実施形態の起歪体の構成を示す模式図。
図7】その他の実施形態の起歪体の構成を示す模式図。
図8】その他の実施形態の起歪体の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る工具の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
本実施形態の工具は、ネジやボルト等の締付対象を締め付ける或いは緩めるために用いられるものであり、締付対象に加わるトルクを計測可能な所謂デジタル式のものである。
【0022】
具体的にこの工具100は、図1に示すように、デジタル式のトルクレンチであり、ヘッド10と、このヘッド10が先端側から差し込まれるとともに、後端側が作業者に握られるハンドルとして機能するケーシング20と、ケーシング20の外周面に設けられたディスプレイ30とを備えている。
【0023】
ケーシング20は、筒状をなすものであり、このケーシング20のハンドルを避ける位置、言い換えれば、ケーシング20のハンドルよりも先端側にディスプレイ30の表示画面が露出している。
【0024】
そして、この工具100は、図2に示すように、ケーシング20に収容されるとともに、締付対象に加わるトルクを計測する計測手段40を備えている。
【0025】
この計測手段40は、図2図4に示すように、歪ゲージ41と、歪ゲージ41が取り付けられた起歪体42とを備えたトルクセンサである。
【0026】
より具体的に説明すると、起歪体42は、先端部421がヘッド10側に位置しており、締付対象に加わるトルクがヘッド10から起歪体42にひずみとして伝わるように構成されている。
【0027】
すなわち、この起歪体42は、図2に示すように、作業時に締付対象側に位置する先端部421と、先端部421の反対側に位置する基端部422と、先端部421及び基端部422の間に位置する歪発生部423とを有する。
【0028】
歪発生部423は、その他の部位(具体的には、先端部421及び基端部422)よりも細く形成されており、この歪発生部423に歪ゲージ41が貼り付けられている。
【0029】
かかる構成により、締付対象に加わるトルクがヘッド10から起歪体42に伝わると、このトルクにより歪発生部423が歪むことで、そのトルクの大きさに応じた信号が歪ゲージ41から出力される。
【0030】
本実施形態では、図3及び図4に示すように、歪発生部423における互いに反対を向く面(以下、ゲージ貼付面S0ともいう)のそれぞれに歪ゲージ41が貼り付けられている。なお、これらのゲージ貼付面S0は、ハンドルの長手方向に沿った平面であり、この長手方向に直交する方向を向き、且つ、ヘッド10の軸方向と直交する方向を向く平面である。
【0031】
然して、この起歪体42は、図2及び図3に示すように、歪発生部423よりも基端部422側に設けられた平坦面S1を有している。
【0032】
この平坦面S1は、ハンドルの長手方向に沿った平面であり、上述したゲージ貼付面S0と交差する平面であって、ここではゲージ貼付面S0と直交している。
【0033】
具体的に平坦面S1は、基端部422の円柱状をなす原型の一部を切削してなるものであり、基端部422の全体に亘り設けられている。
【0034】
言い換えれば、この平坦面S1は、図2図4に示すように、基端部422における先端部421を向く内向き端面Saから、先端部421とは反対側を向く外向き端面Sbに亘り設けられている。
【0035】
なお、この平坦面S1には、起歪体42をケーシング20に取り付けるための螺子を通す1又は複数の螺子穴hが設けられている。
【0036】
本実施形態では、基端部422における平坦面S1の裏側は、図4に示すように、円柱状をなす原型の一部が残存しており、断面部分円弧状をなす曲面である。
【0037】
上述した構成において、本実施形態の工具100は、図3に示すように、平坦面S1に搭載された電子機器Xを備えており、言い換えれば、平坦面S1は電子機器Xが搭載される電子機器搭載面としての機能を発揮する。
【0038】
かかる電子機器Xとしては、例えば上述したディスプレイ30、回路基板、LED等の光源、又は、歪ゲージ41或いはディスプレイ30等に接続される配線などを挙げることができる。
【0039】
本実施形態では、図3に示すように、平坦面S1にはディスプレイ30が搭載されるようにしてあり、具体的には、ディスプレイ30の表示面とは裏側の底面の一部又は全部が平坦面S1に載置される。
【0040】
ここで、上述した歪発生部423には、図3及び図4に示すように、ゲージ貼付面S0とは別の第2平坦面S2が設けられている。
【0041】
この第2平坦面S2は、ハンドルの長手方向に沿った平面であり、ゲージ貼付面S0と交差する平面であって、ここではゲージ貼付面S0と直交している。
【0042】
本実施形態では、図3に示すように、平坦面S1及び第2平坦面S2が面一である。つまり、平坦面S1及び第2平坦面S2は、段差を生じさせることなく、連続的に形成されている。
【0043】
なお、上述した電子機器Xは、平坦面S1から第2平坦面S2に亘り搭載されていても良いし、平坦面S1に搭載される電子機器Xとは別の基板や配線等の電子機器が搭載されても良いし、電子機器Xが搭載されなくても良い。
【0044】
この歪発生部423には、図2図4に示すように、一対の第2平坦面S2が互いに反対を向くように設けられている。
【0045】
つまり、本実施形態の歪発生部423は、断面矩形状をなしており、互いに平行な一対のゲージ貼付面S0と、これらのゲージ貼付面S0に直交するとともに互いに平行な一対の第2平坦面S2が設けられている。
【0046】
このように構成された工具100によれば、歪発生部423よりも基端部422側に平坦面S1が設けられているので、歪発生部423よりも基端部422側が円柱状をなす従来の構成に比べて、工具100の径寸法をコンパクトにすることができる。
【0047】
さらに、平坦面S1に例えばディスプレイ30等の電子部品を搭載することができるので、本実施形態のように、起歪体42の周囲に電子部品を配置したい場合におけるコンパクト化に特に資する。
【0048】
また、歪発生部423よりも基端部422側に平坦面S1が設けられているので、従来の構成に比べて軽量化を図れる。
【0049】
そのうえ、歪発生部423に第2平坦面S2が設けられているので、電子部品の搭載面のさらなる拡大や工具100のさらなる軽量化を図れる。
【0050】
加えて、平坦面S1及び第2平坦面S2が面一であるので、電子部品を安定して搭載することができる。
【0051】
さらに加えて、歪発生部423に一対の第2平坦面S2が互いに反対を向くように設けられているので、歪発生部423を対称形状にすることができ、トルクを正確に計測することができる。
【0052】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
【0053】
例えば、前記実施形態では、基端部422に単一の平坦面S1が設けられており、言い換えれば、平坦面S1の裏側が曲面であったが、図5に示すように、基端部422に互いに反対を向く一対の平坦面S1が設けられていても良い。
このような構成であれば、さらなる軽量化を図れるうえ、電子機器Xの収容スペースの拡大を図れる。
【0054】
さらに、図6に示すように、基端部422が例えば断面多角形状をなすものであり、基端部422に複数の平坦面S1が設けられていても良い。
このような構成であれば、断面多角形状をなす基端部422を、ケーシング20内における起歪体42の回り止めとして機能させることができる。
【0055】
加えて、平坦面S1及び第2平坦面S2は、前記実施形態では面一であったが、これらの面の間に段差が設けられていても構わない。
【0056】
さらに加えて、平坦面S1の途中に段差が設けられていても良いし、第2平坦面S2の途中に段差が設けられていても良い。
【0057】
そのうえ、第2平坦面S2は必ずしも設けられている必要はなく、一対のゲージ貼付面S0の間が曲面であっても良い。
【0058】
また、平坦面S1は、前記実施形態ではケーシング20の長手方向に平行な平面であったが、ヘッド10に向かうに連れて徐々に上がる又は下がる向きに傾斜した傾斜面であっても良い。
【0059】
さらに、第2平坦面S2についても、ケーシング20の長手方向に平行な平面である必要はなく、ヘッド10に向かうに連れて徐々に上がる又は下がる向きに傾斜した傾斜面であっても良い。
【0060】
起歪体42としては、図7に示すように、歪発生部423が、扁平状をなし、歪み方向とは交差する方向に撓むように構成されていても良い。なお、撓み方向は、歪発生部423が厚み方向に湾曲する向きである。
【0061】
この場合、歪発生部423は、厚み寸法が幅寸法よりも小さいことが好ましく、樹脂等の撓みやすい材質で形成されていることが好ましい。
【0062】
このような構成によれば、例えばボルト等の締結具を抉ってしまっている場合など、締付対象に締め付ける方向とは交差する方向の力が作用している場合に、歪発生部423の撓みを作業者に感じさせることができるので、ボルトを抉っていることなどを啓蒙することができる。
【0063】
平坦面S1は、前記実施形態では基端部422の円柱状をなす原型の一部を切削してなるものであったが、例えばパイプなどの円筒部材を平らに潰すことにより形成されていても良い。
【0064】
また、本発明に係る工具100は、必ずしも上述した平坦面S1を備えている必要はなく、図8に示すように、歪発生部423よりも基端部422側に設けられて電子機器Xが搭載される電子機器搭載面Sxを有するものであっても良い。
【0065】
図8に示す電子機器搭載面Sxは、ハンドル側に向かって徐々に下がるように湾曲した湾曲面である。ただし、電子機器搭載面Sxは、前記実施形態と同様に、平坦であっても良い。
【0066】
このように構成された工具100によれば、歪発生部423よりも基端部422側に電子機器搭載面Sxが設けられており、この電子機器搭載面Sxに例えばディスプレイ30等の電子部品を搭載することができるので、起歪体42の周囲に電子部品を配置する工具100における径方向のコンパクト化を図れる。
【0067】
また、前記実施形態では、歪発生部423の互いに反対を向く面それぞれに歪ゲージ41が貼り付けられていたが、片面にのみ歪ゲージ41が貼り付けられていても良い。
【0068】
さらに、本発明に係る工具100は、トルクレンチに限らず、ドライバ等の歪ゲージ41を用いてトルクを計測可能な種々の締結工具であっても良いし、レンチやドライバなどの締結工具に取り付けられるとともに、歪ゲージ41を用いて締付けトルクを計測するトルク計測具などであっても良い。
【0069】
その他、本発明は前記各実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0070】
100・・・工具
10 ・・・ヘッド
20 ・・・ケーシング
30 ・・・ディスプレイ
40 ・・・計測手段
41 ・・・歪ゲージ
42 ・・・起歪体
421・・・先端部
422・・・基端部
423・・・歪発生部
S0 ・・・ゲージ貼付面
S1 ・・・平坦面
S2 ・・・第2平坦面
Sa ・・・内向き端面
Sb ・・・外向き端面
h ・・・螺子穴
X ・・・電子機器
Sx ・・・電子機器搭載面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8