(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175351
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20241211BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241211BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241211BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
G08G1/00 D
G08G1/09 H
G08G1/09 P
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093065
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松下 真人
(72)【発明者】
【氏名】水野 裕子
(72)【発明者】
【氏名】水間 隼人
(72)【発明者】
【氏名】三輪 耕平
(72)【発明者】
【氏名】山田 直輝
【テーマコード(参考)】
3E138
3K339
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA01
3E138MD04
3E138MF07
3K339AA22
3K339AA31
3K339AA38
3K339BA09
3K339BA11
3K339BA22
3K339CA28
3K339CA30
3K339EA01
3K339EA02
3K339EA04
3K339GB21
3K339KA18
3K339KA38
3K339MA01
3K339MB01
3K339MC03
3K339MC14
3K339MC18
3K339MC70
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF10
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF39
5H181MC04
5H181MC14
5H181MC15
5H181MC17
5H181MC19
5H181MC20
(57)【要約】
【課題】情報の搬送媒体として電波を用いない後続車両への情報の配信を実現する。
【解決手段】車両10は、車両前方を撮影するドライブレコーダ11と、車両後方に向けて表示を行う車外表示装置12と、制御ユニット14と、を備える。制御ユニット14は、ドライブレコーダ11が撮影した映像中に特定のパターンが含まれていた場合、そのパターンと同じパターンを車外表示装置12に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方を撮影するドライブレコーダと、
車両後方に向けて表示を行う車外表示装置と、
前記ドライブレコーダが撮影した映像中に特定のパターンが含まれていた場合、そのパターンと同じパターンを前記車外表示装置に表示させる制御部と、
を備える車両。
【請求項2】
前記制御部は、前記ドライブレコーダが撮影した映像中の前記パターンが示す情報を読み取ってその情報を乗員に通知する請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記特定のパターンは、2次元コードである請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記特定のパターンが示す情報は、工事交通規制の情報である請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記制御部は、乗員の操作に応じて前記車外表示装置に前記パターンを表示させる請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車外カメラが撮影した交通事故現場の画像等の情報を後続車両に配信する車両が記載されている。同文献に記載の車両は、電波を用いた車車間通信や交通情報配信網を通じて、後続車両に情報を配信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような情報の搬送媒体として電波を用いるもの以外の車両への情報配信手法として、実用的な手法は未だ提案されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する車両は、車両前方を撮影するドライブレコーダと、車両後方に向けて表示を行う車外表示装置と、前記ドライブレコーダが撮影した映像中に特定のパターンが含まれていた場合、そのパターンと同じパターンを前記車外表示装置に表示させる制御部と、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
上記車両は、情報の搬送媒体として電波を用いない後続車両への情報配信を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】車両の一実施形態の構成を模式的に示す図である。
【
図2】同車両の制御ユニットが実行する処理のフローチャートである。
【
図3】同車両における後続車両への情報の伝達態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、車両の一実施形態を、
図1~
図3を参照して詳細に説明する。
<車両の構成>
まず、
図1を参照して、本実施形態の車両10の構成を説明する。車両10は、ドライブレコーダ11、車外表示装置12、HMI(ヒューマン・マシーン・インターフェイス)13、及び制御ユニット14を備えている。ドライブレコーダ11、車外表示装置12、HMI13、及び制御ユニット14は、車載ネットワークを通じて互いに通信可能に接続されている。ドライブレコーダ11は、車両10の前方を撮影するカメラを備えている。車外表示装置12は、車両10の後方に向って表示を行う装置である。車外表示装置12の例としては、液晶パネルや有機ELパネルを用いた平面型ディスプレイ、発光体を格子状に配置した電光掲示板が挙げられる。HMI13は、車両10と乗員とを繋ぐ入出力装置である。HMI13の例としては、タッチスクリーンが挙げられる。制御ユニット14は、プロセッサ15とメモリ16とを備えている。制御ユニット14は、メモリ16に記憶されたプログラムをプロセッサ15が実行することで、ドライブレコーダ11、車外表示装置12、及びHMI13を制御する。
【0009】
<車車間通信>
車両10は、ドライブレコーダ11及び車外表示装置12を用いた車車間通信を行うように構成されている。以下、こうした車車間通信の詳細を、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0010】
図2に、車車間通信のために制御ユニット14が実行する処理の流れを示す。制御ユニット14は、車両10の走行中、既定の制御周期毎に
図2の処理を繰り返し実行する。
図2の処理を開始すると、制御ユニット14はまずステップS100において、ドライブレコーダ11の映像データを取得する。続くステップS110において制御ユニット14は、取得した映像データを解析して、映像中に特定のパターンが含まれているか否かを判定する。そして、制御ユニット14は、映像中に特定のパターンが含まれている場合(YES)にはステップS120に処理を進め、含まれていない場合(NO)には今回の制御周期における処理を終了する。特定のパターンは、パターンマッチングにより検出可能な幾何学形状や色彩を有している。また、特定のパターンには、配信する情報の内容を示す部分が含まれている。特定のパターンの例としては、2次元コードが挙げられる。
【0011】
ステップS120において制御ユニット14は、映像中に確認した特定のパターンと同じパターンを車外表示装置12に表示させる。さらに制御ユニット14は、次のステップS130において、HMI13を通じて、確認したパターンに示される情報を乗員に通知する。乗員への情報の通知は、文字や画像の表示、音声出力等により行われる。
【0012】
<実施形態の作用及び効果>
上記車両10の制御ユニット14は、ドライブレコーダ11に撮影された映像中に特定のパターンが含まれていることを確認すると、そのパターンと同じパターンを車外表示装置12に表示させる。また、制御ユニット14は、確認したパターンから読み取った情報を乗員に通知する。本実施形態の車両10では、こうした制御ユニット14が制御部に対応している。
【0013】
図3には、道路上に設置された道路標識Sと、前後に並んで道路を走行する3台の車両A~Cと、が示されている。3台の車両A~Cの構成は、
図1の車両10と同じである。道路標識Sには、特定のパターンPが表示されている。
【0014】
道路標識Sに表示されたパターンPが、先頭を走る車両Aのドライブレコーダ11により撮影されると、そのパターンPと同じパターンが車両Aの車外表示装置12に表示される。車両Aの車外表示装置12に表示されたパターンは、その後ろを走る車両Bのドライブレコーダ11に撮影される。車両Bは、車両Aの車外表示装置12に表示されたものと同じパターンを、自身の車外表示装置12に表示する。車両Bの車外表示装置12に表示されたパターンは、その後ろを走る車両Cのドライブレコーダ11に撮影される。そして、各車両A~Cでは、ドライブレコーダ11が撮影したパターンから読み取られた情報が乗員に通知される。こうして車両Aが道路標識Sから取得した情報が、順繰りに後続の車両に配信される。
【0015】
道路標識Sに表示する特定のパターンPとしては、例えば工事交通規制の情報を示すパターンが挙げられる。工事交通規制の情報には、工事交通規制の開始位置や終了位置といった規制区間の位置情報、徐行や片側交互通行といった交通規制の種別の情報が含まれる。こうした場合、工事交通規制が行われている場所へ向かっている車両に対して、同規制の情報を配信できる。
【0016】
なお、工事交通規制の区間や種別は、工事の進捗に応じて変化する場合がある。上記車両10の場合、工事現場の作業員が、道路標識Sの設置場所や道路標識Sに表示するパターンを変更することで、配信する工事交通規制の情報を変更できる。すなわち、配信する工事交通規制の情報の内容を、工事の現場で変更できる。そのため、配信する工事交通規制の情報の即時性を高められる。なお、道路標識Sとして電子看板を用いれば、表示するパターンの変更が容易となる。
【0017】
以上の本実施形態の車両10によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の車両10は、車両前方を撮影するドライブレコーダ11と、車両後方に向けて表示を行う車外表示装置12と、を備えている。また、車両10は、ドライブレコーダ11が撮影した映像中に特定のパターンが含まれていた場合、そのパターンと同じパターンを車外表示装置12に表示させる制御ユニット14を備えている。こうした車両10は、先行する車両10の車外表示装置12に表示されたパターンを自身の車外表示装置12に表示することで、後続する車両10に情報を伝える。したがって、本実施形態の車両10には、後続車両への情報配信を実現する効果がある。
【0018】
(2)本実施形態の車両10における制御ユニット14は、ドライブレコーダ11が撮影した映像中のパターンが示す情報を読み取ってその情報を乗員に通知する。そのため、情報伝達に用いるパターンとして、文字やピクトグラム等の乗員が直接読み取り可能なもの以外のパターンを使用可能となる。これにより、配信可能な情報量を増加できる。また、特定のパターンを乗員が直接視認しなくても、情報を乗員に通知できる。
【0019】
(3)特定のパターンとして2次元コードを用いることで、制御ユニット14による映像中の特定のパターンの識別が容易となる。また、文字やピクトグラムを用いて情報を伝達する場合よりも多くの情報を配信できる。
【0020】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・交通事故、交通渋滞、店舗等の広告、観光案内等の、工事交通規制以外の情報を、特定のパターンを用いて配信してもよい。
【0021】
・道路標識Sではなく、車両10を起点に情報を配信してもよい。例えば故障により車両10を路肩に停車させる際に、「前方に故障車有り」といった情報を示すパターンを車外表示装置12に表示させる。その場合、HMI13等での乗員の操作に応じて車外表示装置12に特定のパターンを表示させるように制御ユニット14を構成するとよい。
【0022】
・車外表示装置12や道路標識Sに表示する特定のパターンに、人が直接認識できる文字やピクトグラムを含めるようにしてもよい。この場合、車両10の乗員は、先行車両の車外表示装置12や道路標識Sに表示されたパターンを視認することで、情報を確認できる。そのため、こうした場合には、ステップS130の処理を割愛したかたちで
図2の処理を実行するように制御ユニット14を構成することが可能である。
【0023】
・車両10の制御にのみ使用され、乗員への通知が不要な情報を、特定のパターンを用いて配信するようにしてもよい。この場合にも、ステップS130の処理を割愛したかたちで
図2の処理を実行するように制御ユニット14を構成することが可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 車両
11 ドライブレコーダ
12 車外表示装置
13 HMI
14 制御ユニット
15 プロセッサ
16 メモリ