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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175367
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20241211BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20241211BHJP
【FI】
G01M17/007 H
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093102
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成相 京子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】車両の故障時にユーザが取るべき対応について適切にサポートする。
【解決手段】車両の故障を診断する情報処理装置であって、車両10が備える車両コンポーネントの故障の有無を診断することと、車両コンポーネントの故障が有ると診断した場合、車両10の修理拠点に関連するサーバに故障の解析を行うための情報である第1情報を送信するとともに、車両10の備える車載端末14を介して、車両10のユーザに故障の概要を示す情報である第2情報を通知することと、第2情報を通知した後に、ユーザに対して、修理拠点のオペレータとの通話を行うか否かを問い合わせることと、ユーザから通話を行うと返答があった場合、車両10の備える通信装置によって、ユーザとオペレータとの通話を開始することと、を実行する制御部110を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の故障を診断する情報処理装置であって、
前記車両が備える車両コンポーネントの故障の有無を診断することと、
前記車両コンポーネントに故障が有ると診断した場合、前記車両の修理拠点に関連するサーバに前記故障の解析を行うための情報である第1情報を送信するとともに、前記車両の備える車載端末を介して、前記車両のユーザに前記故障の概要を示す情報である第2情報を通知することと、
前記第2情報を通知した後に、前記ユーザに対して、前記修理拠点のオペレータとの通話を行うか否かを問い合わせることと、
前記ユーザから前記通話を行うと返答があった場合、前記車両の備える通信装置によって、前記ユーザと前記オペレータとの前記通話を開始することと、
を実行する制御部を備える、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の故障診断に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の故障を診断する技術が数多く知られている。これに関して、例えば、特許文献1には、車両のセンサによって検知された車両診断データに基づいて選択されたオーディオ出力インターフェースから、故障情報等を含むメッセージを出力するシステム等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-144056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車両の故障時にユーザが取るべき対応について適切にサポートすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一態様は、
車両の故障を診断する情報処理装置であって、前記車両が備える車両コンポーネントの故障の有無を診断することと、前記車両コンポーネントに故障が有ると診断した場合、前記車両の修理拠点に関連するサーバに前記故障の解析を行うための情報である第1情報を送信するとともに、前記車両の備える車載端末を介して、前記車両のユーザに前記故障の概要を示す情報である第2情報を通知することと、前記第2情報を通知した後に、前記ユーザに対して、前記修理拠点のオペレータとの通話を行うか否かを問い合わせることと、前記ユーザから前記通話を行うと返答があった場合、前記車両の備える通信装置によって、前記ユーザと前記オペレータとの前記通話を開始することと、を実行する制御部を備える、
情報処理装置である。
【0006】
また、他の態様として、上記の装置が実行する方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両の故障時にユーザが取るべき対応について適切にサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置が提供するサービスの概念図。
図2】実施形態に係る情報処理装置を含むシステムが有する構成要素を説明する図。
図3】実施形態に係る情報処理装置の制御部が実行する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
車両に搭載されたセンサが検知した、車両の状態を表す情報に基づいて、車両の故障を
検知し、その内容をユーザに通知する故障検知装置が知られている。
【0010】
例えば、故障検知装置は、車両の故障を検知した場合に、ユーザに故障内容を通知することができる。昨今、車両に搭載されるソフトウェアが増加しているが、故障検知装置は、車両の機構の故障のみならず、ソフトウェアに起因する不具合に関しても、ユーザへの通知を行うことができる。
【0011】
しかし、車両の故障に対してどのような初期対応を取るべきか(例えば、自走で整備拠点へ向かうべきか、運転を中止してレッカーを手配すべきか等)をユーザに適切に教示することは容易ではない。また、ユーザは、車両の故障が通知された際に、車両の走行が維持可能であるか否かを自ら判断することが難しいため、ユーザの不安が大きいという課題もある。
【0012】
そのため、故障検知装置がユーザに車両の故障に関する情報を通知した際には、ユーザが、車両の修理拠点と直接コンタクトを取り、当該故障について情報提供を受けることが望ましい。
【0013】
本開示では、情報処理装置が、車両の故障をユーザに通知する際に、必要に応じて、ユーザと修理拠点との間で通話を提供することで、この問題を解決する。
【0014】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、車両の故障を診断する情報処理装置であって、前記車両が備える車両コンポーネントの故障の有無を診断することと、前記車両コンポーネントに故障が有ると診断した場合、前記車両の修理拠点に関連するサーバに前記故障の解析を行うための情報である第1情報を送信するとともに、前記車両の備える車載端末を介して、前記車両のユーザに前記故障の概要を示す情報である第2情報を通知することと、前記第2情報を通知した後に、前記ユーザに対して、前記修理拠点のオペレータとの通話を行うか否かを問い合わせることと、前記ユーザから前記通話を行うと返答があった場合、前記車両の備える通信装置によって、前記ユーザと前記オペレータとの前記通話を開始することと、を実行する制御部を備える。
【0015】
かかる構成によると、情報処理装置は、車両の故障時にユーザが取るべき対応について適切にサポートすることができる。
【0016】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0017】
(実施形態)
実施形態に係る情報処理装置が行う処理の概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、情報処理装置100が提供するサービスの概念図である。本実施形態において、情報処理装置100は、車両10の外部に存在するサーバであり、車両10に搭載された車載端末14、および故障情報サーバ400と、それぞれ通信を行う。
【0018】
まず、情報処理装置100は、車両10に搭載されたECU15から、車両10が有する各種センサによって取得された、車両コンポーネントに関する情報であるセンサ情報(故障情報)を収集し、当該センサ情報に基づいて、車両10の車両コンポーネントの故障を検知する。
【0019】
そして、情報処理装置100は、検知した故障の概要を示す情報である第2情報を、車載端末14の画面を介して、ユーザに提示する。また、情報処理装置100は、故障の解
析を行うための情報である第1情報を、故障情報サーバ400に送信する。本実施形態では、第1情報は、ECU15を介して取得されたセンサ情報である。また、第2情報はセンサ情報から生成された、故障の概要を示す情報である。
【0020】
そして、情報処理装置100は、車両の修理拠点との通話を、車載端末14の画面を介して、ユーザに提案する。なお、故障情報サーバ400に記録された第1情報は、車両10の修理拠点である販売店300によって閲覧可能である。
【0021】
販売店300は、故障情報サーバ400に記録された第1情報に基づいてリモート診断を行い、車両10の修理の要否や費用などを見積もる。販売店300は、故障および修理の内容、費用の見積もりなどを作成し、リモート診断の結果として故障情報サーバ400に記録する。以降、リモート診断の結果を含む情報を第3情報と称する。
【0022】
情報処理装置100は、販売店300によって記録された第3情報(リモート診断の結果)を、車載端末14を介してユーザに提示する。情報処理装置100は、リモート診断の結果として、例えば、車両10の故障内容に対して行うべき修理の内容と、当該修理が行われなかった場合に、車両10の搭載する機能を利用できるか否か、または、車両10の走行を継続可能か否かといった情報を案内してもよい。また、情報処理装置100は、ユーザに、販売店300との直接の通話の要否を問い合わせる。
【0023】
そして、情報処理装置100は、ユーザの要望に応じて、故障の内容または修理の内容を伝達するための通話であって、ユーザと販売店300との直接の通話を、車両10が備える通信部13によって開始する。当該通話は、車両10が備える通信部13を介して、車両10の備える車載端末14を用いて実施されてもよいし、ユーザに関連付けられた携帯端末を用いて実施されてもよい。通話の開始にあたっては、情報処理装置100が、ユーザと販売店300との通話を開始するための通信の接続等を行ってもよい。
【0024】
このように、情報処理装置100は、故障情報サーバ400に車両10の故障の解析を行うための情報(第1情報)を送信し、かつ、車載端末14を介して、ユーザに故障の概要(第2情報)を通知する。また、情報処理装置100は、故障情報サーバ400から受信した、故障に対するリモート診断結果(第3情報)を、車載端末14を介して、ユーザに通知する。さらに、情報処理装置100は、ユーザが通話を要望した場合、ユーザと車両10の販売店300の職員との通話を開始する。これにより、情報処理装置100は、故障に関して、販売店300が作成した修理に関する情報を提示し、共有された情報に基づいたユーザと販売店300との直接の通話を実現させることができる。よって、情報処理装置100は、車両10の故障時にユーザが取るべき対応について適切にサポートすることができる。
【0025】
次に、システムを構成する各要素について詳しく説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100を含むシステムが有する構成要素を説明する図である。
【0026】
本実施形態に係る情報処理装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、を備える。情報処理装置100は、車両10の通信部13と無線通信を行い、センサ情報を収集する。ここで、センサ情報とは、第1情報の一例である。また、情報処理装置100は、故障情報サーバ400とも無線通信を行い、収集したセンサ情報を故障情報サーバ400に記録する。
【0027】
また、情報処理装置100は、車両10の修理拠点である販売店300に、遠隔により、センサ情報(第1情報)に基づいて故障内容を診断するリモート診断を実施させる。また、情報処理装置100は、車両10の故障の概要である第2情報をドライバに提供し、
必要に応じて、ドライバと販売店300との間で通話を行わせ、リモート診断の結果である第3情報をドライバに提供する。
【0028】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、または、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部110は、機能モジュールとして、故障診断部111、情報送信部112、通話提案部113、通話制御部114、および結果通知部115を備える。これらの機能モジュールは、プログラムを制御部110によって実行することで実現されてもよい。
【0029】
故障診断部111は、通信部130を介して、ECU15と通信し、センサ情報を収集して、車両10の車両コンポーネントの故障を診断する。例えば、故障診断部111は、車両10が備えるECU15から、車両コンポーネントに関するセンサ情報を取得する。そして、故障診断部111は、車両10が備える車両コンポーネントのうち、不具合のある部分を特定し、不具合の具体的な内容を判定する。ここで、車両コンポーネントとは、車両10に搭載された車載装置、または、車両10の機械的機構でもよいし、車両10に搭載された車載装置が実行するソフトウェアであってもよい。
【0030】
センサ情報は、例えば、CANを介して取得された、車両コンポーネントを診断するためのデータを含んでもよい。また、第1情報は、車両コンポーネントが送受信したデータ、車両コンポーネントが生成したシステムログ、車両コンポーネントのメモリの内容をダンプしたもの(メモリダンプ)等を含んでもよい。
【0031】
情報送信部112は、故障情報サーバ400に、故障を解析するための情報である第1情報を送信する。また、情報送信部112は、車載端末14に、故障の概要を示す情報である第2情報を送信する。第1情報はセンサ情報そのものであり、第2情報は、センサ情報から生成された、故障の概要を示す情報である。
【0032】
通話提案部113は、車載端末14に、修理拠点との通話を行うか否かを問い合わせる通知を出力する。
【0033】
通話制御部114は、車載端末14を介した、ユーザと修理拠点(例えば、販売店300)との通話を、車両10の通信部13を介して開始する。または、通話制御部114は、車載端末14ではなく、ユーザに関連付けられた携帯端末を介して、ユーザと修理拠点との通話を開始してもよい。また、通話制御部114は、ユーザと修理拠点との通話を、所定の日時に開始させてもよい。所定の日時は、ユーザおよび修理拠点の希望に基づいて設定してもよい。
【0034】
結果通知部115は、修理拠点が、第1情報に基づいて作成した、リモート診断の結果であって、故障内容、修理の要否に関する情報、修理の内容、修理の内容の費用の見積もり等を含む情報である第3情報を受信し、車載端末14を介して第3情報を通知する。また、結果通知部115は、第3情報に示された修理が行われなかった場合に、緊急通報機能をはじめとする車両10が有する機能のうち、いずれの機能が使用できないかを、車載端末14を介して、通知する。
または、結果通知部115は、第3情報に示された修理が行われなかった場合に、車両10の走行が継続可能か否かを、車載端末14を介して、通知する。
【0035】
記憶部120は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに
格納されたプログラムを実行することによって、制御部110の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0036】
記憶部120は、制御部110が行う処理で使用または生成されるデータ等を記憶する。
【0037】
通信部130は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部130は、例えば、4G(4th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5G(5th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、LTE(Long Term Evolution)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWA(Low Power Wide
Area)による通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0038】
次に、情報処理装置100以外の装置について説明する。
車両10は、乗用車またはトラック等の自動車である。車両10は、制御部11、記憶部12、通信部13、車載端末14、ECU15、および、緊急通報装置16を備える。
【0039】
制御部11は、車両10の走行システムを制御する。制御部11は、例えば、車両10の駆動系を制御することで、車両の走行全般に関わる制御を行う。
【0040】
記憶部12は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部110の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0041】
記憶部12は、制御部11、車載端末14、ECU15が実行する処理に必要なデータを記憶してもよい。
【0042】
通信部13は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部13は、車載機器専用の通信装置であり、車両10に搭載される各ECU15を接続するCANの情報を所定の間隔で外部の所定のサーバに送信してもよい。通信部130は、例えば、4Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5Gを用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、LTEを用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWAによる通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0043】
車載端末14は、車両10のユーザに向けて、経路案内または車両10の状態に関する情報等の各種情報を出力する機能を有する端末である。車載端末14は、カーナビゲーション装置等であってもよい。また、車載端末14は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有する。
【0044】
ECU15は、車両10を電子制御するコンピュータ(電子制御ユニット)である。ECU15は、車両10が有する複数の車両コンポーネントの状態を監視してもよい。
【0045】
緊急通報装置16は、ユーザが外部に、車両10に生じた緊急事態等を知らせるための装置である。緊急通報装置16は、車両事故等の緊急時に、緊急事態の発生を検知し、通
信部13を介して、最寄りの警察や消防へ自動で通報する。
【0046】
故障情報サーバ400は、車両10が有する車両コンポーネントに発生した故障を解析するための情報である第1情報を記憶する。故障情報サーバ400は、故障情報サーバ400にアクセスした修理拠点のオペレータ(例えば、販売店300の職員)に、第1情報を提供する。また、故障情報サーバ400は、修理拠点のオペレータが第1情報に基づいて作成した修理の内容、および、費用の見積もり等(リモート診断結果)を含む第3情報を記憶する。
【0047】
次に、情報処理装置100が行う処理の具体的な内容について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の制御部110が実行する処理のフローチャートである。
【0048】
図3に示した処理が実行される前に、車両10の走行システムが起動しているものとする。つまり、図3に示した処理が実行される前に、車両10のイグニッションスイッチまたはメインスイッチがオンになっている。
【0049】
まず、ステップS10で、故障診断部111は、車両コンポーネントの故障を検知する。故障診断部111は、車両10のECU15から受信したセンサ情報に基づいて、車両コンポーネントの故障を検知する。故障診断部111は、車両コンポーネントの不具合がある個所を特定してもよい。また、故障診断部111は、故障の概要を車載端末14に通知するためのデータ(第2情報)を、センサ情報に基づいて生成してもよい。ここで、車両コンポーネントとは、例えば、緊急通報装置16であってもよい。
【0050】
次に、ステップS11で、情報送信部112は、車両10が走行中であるか否かを判定する。情報送信部112は、車両10の走行速度が0km/h以上か否かを判定してもよい。また、情報送信部112は、車両10が一時的に停止していても、目的地までのトリップの途中である場合は、走行中であると判断してもよい。情報送信部112が、車両10が走行中であると判定した場合、本ステップは肯定判定となる。
【0051】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS12へ遷移する。
【0052】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、ステップS13へ遷移する。
【0053】
ステップS13に処理が遷移した場合、情報送信部112は、次に、車両10の走行システムがオンになるまで待機する。
【0054】
次に、ステップS14で、情報送信部112は、車両10の走行システムがオンになったか否かを判定する。情報送信部112が、車両10の走行システムがオンになったと判定した場合、本ステップは肯定判定となる。
【0055】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS12へ遷移する。
【0056】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、ステップS13へ遷移する。
【0057】
ステップS12に処理が遷移した場合、情報送信部112は、車載端末14に、第2情報を送信する。第2情報は、車両コンポーネントの故障の概要を示すものであってもよいし、該当する車両コンポーネントが正常に動作しないことを通知するものであってもよい。車載端末14は、第2情報を自身が備える画面に表示、または、音声で出力する。
【0058】
次に、ステップS15で、情報送信部112は、故障情報サーバ400に、故障の具体
的内容を示す情報である第1情報を送信する。第1情報は、該当する車両コンポーネントの故障診断を行うためのデータであって、システムログ、メモリダンプなどを含んでいてもよい。故障情報サーバ400は、第1情報を記憶する。
【0059】
次に、ステップS16で、故障診断部111が、第1情報に基づいて、遠隔による車両10の故障の診断(リモート診断)を、修理拠点に実施させる。本ステップでは、例えば、故障診断部111が、修理拠点に対応する装置に第1情報を送信してもよいし、当該装置に対して第1情報の所在を通知してもよい。
そして、ステップS17で、通話提案部113は、ユーザに、修理拠点(例えば、販売店300)との直接の通話の要否を問い合わせる。
【0060】
通話制御部114は、ユーザから、修理拠点との直接の通話のリクエストがあったか否かを判定する。通話制御部114が、ユーザから、修理拠点との直接の通話のリクエストがあったと判定した場合、本ステップは肯定判定となる。
【0061】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS18へ遷移する。
【0062】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、ステップS20へ遷移する。
【0063】
処理がステップS18へ遷移した場合、通話制御部114は、車載端末14を介して、ユーザと修理拠点のオペレータとが通話可能な日時を調整する。本ステップでは、通話制御部114は、修理拠点に対応する装置と通信して、修理拠点のオペレータがユーザと通話可能な日時を取得する。そして、通話制御部114は、車載端末14またはユーザに関連付けられた携帯端末等と通信して、ユーザが通話可能な日時を取得する。そして、通話制御部114は、修理拠点のオペレータが通話可能な日時と、ユーザが通話可能な日時に基づいて、ユーザと修理拠点のオペレータが通話を開始する日時を決定する。
【0064】
次に、ステップS19で、通話制御部114は、ユーザと修理拠点のオペレータとの通話を開始する。通話制御部114は、車両10の通信部13を用いて、ユーザと修理拠点のオペレータとの通話を開始してもよい。ユーザと修理拠点のオペレータとの通話を開始する日時に、通話制御部114は、車両10の通信部13を用いて、車載端末14と修理拠点のオペレータに関連付けられた装置とを接続して、ユーザと修理拠点のオペレータとの通話を開始する。または、当該日時に、通話制御部114は、ユーザに関連付けられた携帯端末と、修理拠点のオペレータに関連付けられた装置とを接続して、ユーザと修理拠点のオペレータとの通話を開始する。
【0065】
処理がステップS20へ遷移した場合、結果通知部115は、修理を促す情報と、リモート診断の結果を示す情報である第3情報とを車載端末14に送信する。また、リモート診断の結果を示す情報とは、決定された修理が実施されない場合に、車両10のシステムの一部または全部が使用不可となる旨を通知する情報であってもよい。例えば、緊急通報装置16が故障した場合、事故等の緊急事態において、警察または消防等への自動通報が利用できない旨が通知される。または、車両10の走行に関わるソフトウェアに不具合が生じた場合、例えば、車両10の走行の継続が可能か否かを案内する情報が出力される。
【0066】
以上のように、情報処理装置100は、車両10が備える車両コンポーネントの故障の有無を検出し、故障が検出された場合、故障に関する情報を修理拠点のサーバに送信するとともに、故障の概要をユーザに通知する。これにより、情報処理装置100は、車両10の故障に関する情報を、ユーザだけでなく、ユーザと離れて存在する修理拠点のオペレータと共有することができる。そして、情報処理装置100は、ユーザに、修理拠点のオペレータと通話を行うか否かを問い合わせ、ユーザの要望があった場合に、ユーザと修理
拠点のオペレータとの通話を開始する。これにより、情報処理装置100は、車両の故障時にユーザが取るべき対応について、当該ユーザに対して適切に情報提供を行うことが可能になる。
【0067】
(変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。例えば、情報処理装置100は、車両10の外部に設置されたサーバではなく、車両10に搭載された車載装置として実現されてもよい。
【0068】
例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0069】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0070】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0071】
10・・・車両
14・・・車載端末
15・・・ECU
100・・・情報処理装置
11,110・・・制御部
111・・・故障診断部
112・・・情報送信部
113・・・通話提案部
114・・・通話制御部
115・・・結果通知部
12,120・・・記憶部
13,130・・・通信部
300・・・販売店
400・・・故障情報サーバ
図1
図2
図3