(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175372
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241211BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H04N1/00 L
G06T1/00 400Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093110
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】林 正義
(72)【発明者】
【氏名】宮村 和俊
【テーマコード(参考)】
5B047
5C062
【Fターム(参考)】
5B047CB09
5B047CB10
5B047CB12
5B047CB13
5B047CB22
5B047DC09
5B047DC13
5B047EA01
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC05
5C062AC09
5C062AC11
5C062AC22
5C062AC41
5C062AC61
5C062AC64
5C062AC67
5C062AE03
5C062AE08
5C062AE15
5C062AF09
5C062AF10
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性を向上させることが可能な画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、利用者により指定された複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定する設定部と、媒体が撮像された入力画像を取得する取得部と、入力画像における複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定する特定部と、入力画像における複数の特徴情報を、設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、そのプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部と、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部と、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者により指定された、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定する設定部と、
媒体が撮像された入力画像を取得する取得部と、
前記入力画像における前記複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定する特定部と、
前記入力画像における前記複数の特徴情報を、前記設定されたプロファイルに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、当該プロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部と、
前記プロファイルが前記入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記設定されたプロファイルに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値自体を、前記設定されたプロファイルに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値に基づく情報として用いる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記入力画像における前記複数の特徴情報と、前記設定されたプロファイルに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値との適合度合いを算出し、前記算出した適合度合いが閾値以上であるか否かにより、前記設定されたプロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記設定されたプロファイルに従って過去に生成された過去画像における前記複数の特徴情報を取得する第2取得部をさらに有し、
前記判定部は、前記過去画像における前記複数の特徴情報を、前記設定されたプロファイルに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値に基づく情報として用いる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2取得部は、前記設定されたプロファイルに従って過去に生成された複数の過去画像における前記複数の特徴情報を取得し、
前記判定部は、前記入力画像における前記複数の特徴情報を、前記複数の過去画像における前記複数の特徴情報と比較することにより、前記設定されたプロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記入力画像における前記複数の特徴情報と、前記過去画像における前記複数の特徴情報との一致度合いを算出し、前記算出した一致度合いが閾値以上であるか否かにより、前記設定されたプロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する、請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記入力画像が生成された日時と、前記過去画像が生成された日時とを比較した結果にさらに基づいて、前記設定されたプロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する、請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、利用者に前記判定結果に関する情報を通知した後に、利用者から、前記設定されたプロファイルが正しいか否かの指定を受け付け、
前記判定部は、利用者から前記設定されたプロファイルが正しいことが指定された場合、前記複数の設定項目のうち、前記入力画像における前記特徴情報と、前記設定されたプロファイルに含まれる前記設定値に関する情報とが適合していないと判定した設定項目の、以後の判定における重みを低減させる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
複数のプロファイルを取得する第3取得部をさらに有し、
前記判定部は、前記入力画像における前記複数の特徴情報を、前記複数のプロファイルのそれぞれに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較した結果にさらに基づいて、前記設定されたプロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記複数のプロファイルのうち、前記入力画像における前記複数の特徴情報と最も適合するプロファイルに関する情報を利用者に通知する、請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
画像読取装置及び情報処理装置を有する画像処理システムであって、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、利用者により指定された、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定する設定部を有し、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、媒体が撮像された入力画像を取得する取得部を有し、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、前記入力画像における前記複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定する特定部を有し、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、前記入力画像における前記複数の特徴情報を、前記設定されたプロファイルに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、当該プロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部を有し、
前記画像読取装置及び前記情報処理装置のうちの何れかが、前記プロファイルが前記入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部を有する、
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項12】
利用者により指定された、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定し、
媒体が撮像された入力画像を取得し、
前記入力画像における前記複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定し、
前記入力画像における前記複数の特徴情報を、前記設定されたプロファイルに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、当該プロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、
前記プロファイルが前記入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
コンピュータの制御プログラムであって、
利用者により指定された、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定し、
媒体が撮像された入力画像を取得し、
前記入力画像における前記複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定し、
前記入力画像における前記複数の特徴情報を、前記設定されたプロファイルに含まれる前記複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、当該プロファイルが前記入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、
前記プロファイルが前記入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、前記入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる、
ことを前記コンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の媒体を順次搬送しながら撮像して画像を生成するスキャナ等の画像処理装置が、様々な用途において、様々な種類の媒体を撮像するために利用されている。画像処理装置に求められる画像の品質は、その用途又は読取対象の媒体の種類等に応じて異なる。一般に、画像処理装置は、用途又は媒体の種類等に応じた適切な画像を生成するために、サイズ又は色のように、媒体の撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する多様な項目を設定できるように設けられている。しかしながら、設定が誤っていた場合、画像処理装置は、適切な画像を取得できない可能性がある。
【0003】
原稿を読み取り、読み取られた原稿を予めユーザに指定された複写モードで複写する画像形成装置が開示されている(特許文献1を参照)。この画像形成装置は、原稿の種類を判別し、判別された種類に対応する複写モードと、予めユーザに指定された複写モードが異なる場合、何れの複写モードで原稿を複写するかをユーザに問い合わせ、問い合わせ結果に従った複写モードで原稿を複写する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像処理装置では、利用者の利便性を向上させることが求められている。
【0006】
本発明の目的は、利用者の利便性を向上させることが可能な画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る画像処理装置は、利用者により指定された、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定する設定部と、媒体が撮像された入力画像を取得する取得部と、入力画像における複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定する特定部と、入力画像における複数の特徴情報を、設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、そのプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部と、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部と、を有する。
【0008】
本発明の一側面に係る画像処理システムは、画像読取装置及び情報処理装置を有する画像処理システムであって、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、利用者により指定された、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定する設定部を有し、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、媒体が撮像された入力画像を取得する取得部を有し、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、入力画像における複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定する特定部を有し、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、入力画像における複数の特徴情報を、設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、そのプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する判定部を有し、画像読取装置及び情報処理装置のうちの何れかが、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる制御部を有する。
【0009】
本発明の一側面に係る画像処理方法は、利用者により指定された、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定し、媒体が撮像された入力画像を取得し、入力画像における複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定し、入力画像における複数の特徴情報を、設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、そのプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させる。
【0010】
本発明の一側面に係る制御プログラムは、コンピュータの制御プログラムであって、利用者により指定された、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含むプロファイルを設定し、媒体が撮像された入力画像を取得し、入力画像における複数の設定項目のそれぞれに関連する複数の特徴情報を特定し、入力画像における複数の特徴情報を、設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値に基づく情報と比較することにより、そのプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、入力画像を生成した装置による画像生成処理を停止させることをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムは、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に従った画像処理システム1の概略構成を示す図である。
【
図3】画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図4】画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】プロファイルテーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
【
図6】第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
【
図7】情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
【
図8】画像読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図9】画像読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図10】特徴情報について説明するための模式図である。
【
図11】通知データ1100の一例を示す模式図である。
【
図12】他の画像読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図13】履歴テーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
【
図14】集計テーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
【
図15】他の第1処理回路340の概略構成を示すブロック図である。
【
図16】第2記憶装置410及び第2処理回路420の概略構成を示す図である。
【
図17】他の第2処理回路520の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一側面に係る画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、実施形態に従った画像処理システム1の概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、画像処理システム1は、一又は複数の画像読取装置100と、一又は複数の情報処理装置200とを有する。画像読取装置100及び情報処理装置200は、ネットワークNを介して、相互に通信接続されている。ネットワークNは、インターネット、イントラネット等である。画像読取装置100及び情報処理装置200は、画像処理装置の一例である。
【0016】
画像読取装置100は、例えば原稿である媒体を搬送しながら撮像するADF(Auto Document Feeder)タイプのスキャナ装置である。媒体は、用紙、薄紙、厚紙又はカード等である。媒体は、レシート、名刺、請求書、納品書等、様々な種類の媒体を含む。なお、画像読取装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
【0017】
情報処理装置200は、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等である。情報処理装置200は、クラウドネットワークに設けられたサーバでもよい。
【0018】
【0019】
画像読取装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、第1入力装置105及び第1表示装置106等を備える。
【0020】
上側筐体102は、画像読取装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、画像読取装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0021】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出口から排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0022】
第1入力装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。第1表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0023】
図2において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は媒体搬送方向と直交する幅方向を示し、矢印A3は媒体搬送方向及び幅方向と直交する高さ方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0024】
図3は、画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0025】
画像読取装置100内部の搬送経路は、第1媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第2媒体センサ116、撮像装置117、第3搬送ローラ118、第4搬送ローラ119等を有している。各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。その場合、各ローラは、それぞれ幅方向A2に間隔を空けて並べて配置される。給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119は、搬送部の一例であり、複数の媒体を順次搬送する。
【0026】
画像読取装置100は、いわゆるストレートパスを有する。下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド107bを形成する。
【0027】
第1媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。第1媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。なお、第1媒体センサ111は接触検出センサに限定されず、第1媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0028】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112に対向して配置される。給送ローラ112及び分離ローラ113は、媒体を分離する分離部として機能する。
【0029】
第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側に、相互に対向して配置され、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像装置117に搬送する。
【0030】
第2媒体センサ116は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ撮像装置117より上流側に配置され、その位置に搬送された媒体を検出する。第2媒体センサ116は、媒体搬送路に対して一方の側(例えば下側筐体101)に設けられた発光器及び受光器と、媒体搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置(例えば上側筐体102)に設けられた導光管とを含む。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、導光管により導かれた光を受光する。第2媒体センサ116と対向する位置に媒体が存在するときは、発光器から照射された光は媒体により遮られるため、受光器は発光器から照射された光を検出しない。受光器は、受光する光の強度に基づいて、第2媒体センサ116の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。第2媒体センサ116の数は複数でもよい。その場合、各第2媒体センサ116は、それぞれ幅方向A2に間隔を空けて並べて配置される。
【0031】
なお、導光管の代わりに、ミラー等の反射部材が使用されてもよい。また、発光器及び受光器は、媒体搬送路を挟んで対向して設けられてもよい。また、第2媒体センサ116は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサ等により、媒体の存在を検出してもよい。
【0032】
撮像装置117は、撮像部の一例である。撮像装置117は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119より上流側に配置される。撮像装置117は、第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを含む。第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。
【0033】
第1撮像装置117aは、光源、及び、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置117aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置117aは、搬送部により順次搬送された媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0034】
同様に、第2撮像装置117bは、光源、及び、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置117bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置117bは、搬送部により順次搬送された媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0035】
画像読取装置100は、第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0036】
第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119は、撮像装置117より下流側に、相互に対向して配置され、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115によって搬送された媒体を排出台104上に排出する。なお、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119は、後述する第1処理回路による制御に従って、排出方向を変更可能に設けられてもよい。
【0037】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が
図3の矢印A4の方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体搬送時、
図3の矢印A5の方向に回転又は停止する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0038】
媒体は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115がそれぞれ
図3の矢印A6及びA7の方向に回転することによって、第1撮像装置117aと第2撮像装置117bの間に送り込まれる。撮像装置117により読み取られた媒体は、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119がそれぞれ
図3の矢印A8及びA9の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0039】
図4は、画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0040】
画像読取装置100は、前述した構成に加えて、モータ121、第1通信装置122、第1記憶装置130及び第1処理回路140等をさらに有する。
【0041】
モータ121は、一又は複数のモータを含む。モータ121は、第1処理回路140からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を回転させて媒体の搬送動作を行う。なお、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115のうちの一方のローラは他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119のうちの一方のローラは、他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、モータ121は、第1処理回路140からの制御信号によって、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119の排出方向を変更する。
【0042】
第1通信装置122は、無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN(Local Area Network)等の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する。第1通信装置122は、情報処理装置200と通信可能であり、第1処理回路140からの指示に従って、情報処理装置200と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第1通信装置122は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、ネットワークを介して情報処理装置200と接続されてもよい。また、第1通信装置122は、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、USBケーブル等の有線ケーブルを介して情報処理装置200と接続されてもよい。
【0043】
第1記憶装置130は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第1記憶装置130には、画像読取装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶装置130にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。また、コンピュータプログラムは、サーバ等から配信されて第1記憶装置130にインストールされてもよい。
【0044】
また、第1記憶装置130には、データとして、プロファイルテーブルが記憶される。プロファイルテーブルには、プロファイルに関する情報が記憶される。プロファイルは、生成される画像の用途又は撮像される媒体の種類等に応じて利用者により設定される、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する設定である。プロファイルは、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目毎の設定値を含む。プロファイルテーブルの詳細については後述する。
【0045】
第1処理回路140は、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第1処理回路140は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第1処理回路140として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0046】
第1処理回路140は、第1入力装置105、第1表示装置106、第1媒体センサ111、第2媒体センサ116、撮像装置117、モータ121、第1通信装置122及び第1記憶装置130等と接続され、これらの各部を制御する。第1処理回路140は、第1入力装置105又は第1通信装置122を介して利用者により指定されたプロファイルを設定する。第1処理回路140は、設定されたプロファイルに従って、モータ121の駆動制御、撮像装置117の撮像制御等を行い、入力画像を取得する。また、第1処理回路140は、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、適合しないと判定した場合、利用者に判定結果に関する情報を通知し、又は、画像生成処理を停止させる。
【0047】
図5は、プロファイルテーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
【0048】
図5に示すように、プロファイルテーブルには、一又は複数のプロファイル毎に、複数の設定項目毎の設定値等が相互に関連付けて記憶される。プロファイルには、写真、レシート、メモ、業務帳票、名刺等が含まれる。
【0049】
各設定項目は、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する項目であり、画像読取装置100が、媒体を搬送もしくは撮像する際の動作又は撮像した画像に対して実行する画像処理の内容等を規定するための項目である。設定項目には、解像度、媒体サイズ、色、圧縮率、データ抽出、仕分け等が含まれる。解像度、媒体サイズ、色等は、撮像処理に関する設定である。また、解像度、媒体サイズ、色、圧縮率、データ抽出等は、画像処理に関する設定である。また、仕分け等は、搬送処理に関する設定である。
【0050】
解像度は、生成される画像の解像度の設定であり、解像度の設定値として、150dpi(Dots Per Inch)、200dpi、300dpi、600dpi、1200dpi等が設定される。画像読取装置100は、撮像処理において媒体の搬送速度、撮像装置117の撮像タイミング(時間間隔)、ラインセンサ内でどの位置に配置された撮像素子に撮像させるか等を設定することにより、設定された解像度を有する画像を生成することができる。また、画像読取装置100は、画像処理において、撮像処理で生成された画像の間引き又は補間を実行することにより、設定された解像度を有する画像を生成することができる。
【0051】
媒体サイズは、生成される画像に含まれる媒体のサイズの設定であり、媒体サイズの設定値として名刺サイズ、レターサイズ、A4サイズ、A3サイズ、自動等が設定される。自動が設定された場合、画像読取装置100は、第2媒体センサ116による媒体の検出結果、又は、撮像装置117により生成された入力画像に基づいて、搬送される媒体のサイズを自動的に検出する。画像読取装置100は、撮像処理において撮像装置117の撮像終了タイミング、ラインセンサ内でどの位置に配置された撮像素子に撮像させるか等を設定することにより、設定又は検出された媒体サイズの媒体を含む画像を生成することができる。また、画像読取装置100は、画像処理において、撮像処理で生成された画像のクロッピングを実行することにより、設定された媒体サイズの媒体を含む画像を生成することができる。
【0052】
色は、生成される画像の色の設定であり、色の設定値として、二値、グレースケール、カラー等が設定される。画像読取装置100は、撮像処理において撮像装置117の光源に照射させる光の色、A/D変換器で変換する階調範囲等を設定することにより、生成される画像の色を変更することができる。また、画像読取装置100は、画像処理において、撮像処理で生成されたカラー画像のグレースケール変換又は二値化等を実行することにより、生成される画像の色を変更することができる。
【0053】
圧縮率は、生成される画像に対してJPEG等の画像圧縮を実行するための設定であり、圧縮率の設定値として、画像圧縮における量子化値又は圧縮度合い(高、中、低等)が設定される。画像読取装置100は、画像処理において、設定された圧縮率で入力画像の画像圧縮を実行することにより、設定された圧縮率で圧縮された画像を生成することができる。
【0054】
データ抽出は、生成される画像から文字又はバーコード等のデータを抽出するための設定であり、データ抽出の設定値として、抽出するデータの種類(文字又はバーコード等)及び各データを抽出する画像内の位置が設定される。画像読取装置100は、画像処理において、設定されたデータを、入力画像内の設定された位置から抽出する。
【0055】
仕分けは、排出台104上で、排出された媒体を分離するための設定であり、仕分けの設定値として、一つのグループにまとめる媒体数、又は、一つのグループにまとめる媒体の先頭に配置される媒体(いわゆる頭紙)の特徴(例えば、所定のバーコード又は文字等を有すること)等が設定される。画像読取装置100は、媒体排出時に、設定された媒体数の媒体が搬送されるたびに第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119による媒体の排出方向を変更することにより、排出された媒体を分離することができる。
【0056】
図6は、第1記憶装置130及び第1処理回路140の概略構成を示す図である。
【0057】
図6に示すように、第1記憶装置130には、制御プログラム131、設定プログラム132、取得プログラム133、特定プログラム134、判定プログラム135、第3取得プログラム136及び第2取得プログラム137が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第1処理回路140は、第1記憶装置130に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部141、設定部142、取得部143、特定部144、判定部145、第3取得部146及び第2取得部147として機能する。
【0058】
図7は、情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0059】
情報処理装置200は、第2入力装置201と、第2表示装置202と、第2通信装置203と、第2記憶装置210と、第2処理回路220とを有する。
【0060】
第2入力装置201は、キーボード、マウス等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者の操作に応じた信号を第2処理回路220に出力する。
【0061】
第2表示装置202は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、第2処理回路220からの指示に従って、各種の情報をディスプレイに表示する。
【0062】
第2通信装置203は、無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の所定の通信プロトコルに従って無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する。第2通信装置203は、画像読取装置100と通信可能であり、第2処理回路220からの指示に従って、画像読取装置100と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第2通信装置203は、TCP/IP等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、ネットワークを介して画像読取装置100と接続されてもよい。また、第1通信装置122は、USB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、USBケーブル等の有線ケーブルを介して画像読取装置100と接続されてもよい。
【0063】
第2記憶装置210は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。第2記憶装置210には、情報処理装置200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶装置210にインストールされてもよい。また、コンピュータプログラムは、サーバ等から配信されて第2記憶装置210にインストールされてもよい。
【0064】
第2処理回路220は、予め第2記憶装置210に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第2処理回路220は、例えばCPUである。なお、第2処理回路220として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0065】
第2処理回路220は、第2入力装置201、第2表示装置202、第2通信装置203及び第2記憶装置210等と接続され、これらの各部を制御する。第2処理回路220は、第2通信装置203を介した画像読取装置100とのデータ送受信制御、第2入力装置201の入力制御、第2表示装置202の表示制御等を行う。
【0066】
図8及び
図9は、画像読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0067】
以下、
図8及び
図9に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置100の画像読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第1記憶装置130に記憶されているプログラムに基づき主に第1処理回路140により画像読取装置100の各要素と協働して実行される。
【0068】
最初に、制御部141は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信するまで待機する(ステップS101)。操作信号には、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて、読み取りの指示とともに指定されたプロファイルが含まれる。
【0069】
次に、設定部142は、操作信号に含まれるプロファイルを取得し、取得したプロファイルを第1記憶装置130に設定するとともに、取得したプロファイルに応じた入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する(ステップS102)。設定部142は、設定されたプロファイルに従った画像以上の品質を有する入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。例えば、設定部142は、解像度が、画像読取装置100がサポートする最大解像度であり、媒体サイズが、画像読取装置100がサポートする最大媒体サイズであり且つ色がカラーである入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。これにより、画像読取装置100は、後述する処理において、入力画像に基づいて、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを適切に判定することができる。
【0070】
また、プロファイルは、読み取りの指示とともに指定されるのでなく、読み取りの指示が入力される前に利用者により指定され、第1記憶装置130に記憶されていてもよい。その場合、設定部142は、第1記憶装置130からプロファイルを読み出すことにより取得する。また、制御部141は、搬送される媒体の媒体番号を1に設定(初期化)する。
【0071】
次に、制御部141は、載置台103に媒体が載置されるまで待機する(ステップS103)。制御部141は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する。
【0072】
次に、制御部141は、モータ121を駆動し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を回転させる(ステップS104)。これにより、制御部141は、載置台103に載置された媒体を給送及び搬送させる。制御部141は、ステップS102で取得されたプロファイルに従って入力画像が生成されるように、特にプロファイルで指定された解像度の画像が生成可能な速度で回転するように、モータ121を制御する。
【0073】
次に、取得部143は、撮像装置117から、搬送される媒体が撮像された入力画像を取得する(ステップS105)。
【0074】
取得部143は、例えば、第2媒体センサ116から受信する第2媒体信号に基づいて媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したか否かを判定する。取得部143は、第2媒体センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したと判定する。取得部143は、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過した時に、撮像装置117に撮像を開始させる。制御部141は、ステップS102で取得されたプロファイルに従って入力画像が生成されるように撮像装置117を制御する。
【0075】
その後、取得部143は、ステップS102で取得されたプロファイルに示される媒体サイズにマージンを加えた分だけ媒体が搬送された時に、撮像装置117に撮像を終了させる。なお、取得部143は、媒体の後端が撮像装置117の撮像位置を通過した時に、撮像装置117に撮像を終了させてもよい。例えば、取得部143は、第2媒体センサ116から受信する第2媒体信号に基づいて媒体の後端が第2媒体センサ116の位置を通過したか否かを判定する。取得部143は、第2媒体センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置を通過したと判定する。取得部143は、媒体の後端が第2媒体センサ116の位置を通過してから第1所定時間が経過した時に媒体の後端が撮像装置117の撮像位置を通過したと判定する。第1所定時間は、媒体が第2媒体センサ116の位置から撮像位置まで移動するのに要する時間に設定される。
【0076】
取得部143は、撮像装置117が所定ライン分の入力画像を生成するたびに撮像装置117から入力画像を取得し、撮像装置117に撮像を終了させた時に、入力画像を合成する。制御部141は、撮像装置117に撮像を終了させた時に、全ライン分の入力画像をまとめて取得してもよい。
【0077】
次に、特定部144は、入力画像における複数の特徴情報を特定する(ステップS106)。
【0078】
図10は、特徴情報について説明するための模式図である。
【0079】
図10に示すように、特徴情報は、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する入力画像の特徴、特に入力画像に含まれる搬送された媒体の特徴を示す。特徴情報で規定される項目には、写真の有無、サイズ、色成分、文字の有無及び/又は位置、バーコードの有無及び/又は位置、今回搬送された媒体とその前に搬送された媒体との類似度等が含まれる。各特徴情報は、プロファイルで規定される複数の設定項目のそれぞれに関連する情報である。
【0080】
写真の有無は、入力画像に写真が含まれるか否かを示し、プロファイルで規定される複数の設定項目のうちの解像度、色又は圧縮率等に関連する。例えば、特定部144は、画像が入力された場合に、画像に写真が含まれるか否かを出力するように事前学習された識別器により、画像に写真が含まれるか否かを判定する。この識別器は、例えばディープラーニング等により、様々な写真を含む複数の画像を用いて事前学習され、予め第1記憶装置130に記憶される。特定部144は、入力画像を識別器に入力し、識別器から出力された情報に基づいて、入力画像に写真が含まれるか否かを判定する。
【0081】
特定部144は、入力画像の空間周波数に基づいて、入力画像に写真が含まれるか否かを推定してもよい。その場合、特定部144は、入力画像内に対してフーリエ変換等の周波数変換を実行し、入力画像における空間周波数の分布を特定する。特定部144は、入力画像における空間周波数の最大値が、予め定められた周波数閾値以上である場合、入力画像に写真が含まれると判定し、入力画像における空間周波数の最大値が周波数閾値未満である場合、入力画像に写真が含まれないと判定する。また、特定部144は、入力画像内の各画素の階調値(輝度値又は色値等)の分布に基づいて、入力画像に写真が含まれるか否かを推定してもよい。その場合、特定部144は、入力画像内の各画素の階調値の分散値を算出する。特定部144は、算出した分散値が、予め定められた分散閾値以上である場合、入力画像に写真が含まれると判定し、分散値が分散閾値未満である場合、入力画像に写真が含まれないと判定する。
【0082】
サイズは、入力画像に含まれる媒体のサイズを示し、プロファイルで規定される複数の設定項目のうちの媒体サイズ等に関連する。例えば、特定部144は、入力画像内で、隣接する画素との階調値(輝度値又は色値等)の差が予め定められた階調閾値以上であるエッジ画素を抽出し、相互に隣接するエッジ画素で囲まれた領域のうちの最大領域を媒体領域として検出する。特定部144は、検出した媒体領域の画素数と、入力画像を生成する際に設定されていた解像度とから、入力画像に含まれる媒体のサイズを特定する。
【0083】
色成分は、入力画像に含まれる色の成分(カラー又は白黒)を示し、プロファイルで規定される複数の設定項目のうちの色等に関連する。例えば、特定部144は、入力画像内の各画素の色値(R値、G値、B値等)の分布に基づいて、入力画像に含まれる色の成分がカラーであるか白黒であるかを判定する。特定部144は、入力画像内の各画素の色値の分散値を算出する。特定部144は、算出した分散値の平均値が、予め定められた分散閾値以上である場合、入力画像に含まれる色の成分がカラーであると判定し、分散値が分散閾値未満である場合、入力画像に含まれる色の成分が白黒であると判定する。
【0084】
文字の有無及び位置は、入力画像に文字が含まれるか否か、及び、(入力画像に文字が含まれる場合)入力画像内の文字の位置を示し、プロファイルで規定される複数の設定項目のうちのデータ抽出、仕分け等に関連する。例えば、特定部144は、入力画像に対してOCR(Optical Character Recognition)処理を実行し、文字が検出されたか否かにより、入力画像に文字が含まれるか否かを判定する。また、特定部144は、入力画像内で文字が検出された場合、入力画像内で各文字が検出された位置を入力画像内の文字の位置として特定する。
【0085】
バーコードの有無及び位置は、入力画像にバーコードが含まれるか否か、及び、(入力画像に文字が含まれる場合)入力画像内のバーコードの位置を示し、プロファイルで規定される複数の設定項目のうちのデータ抽出、仕分け等に関連する。例えば、特定部144は、画像が入力された場合に、画像にバーコードが含まれるか否かと、画像内のバーコードの位置とを出力するように事前学習された識別器により、画像にバーコードが含まれるか否かを判定する。この識別器は、例えばディープラーニング等により、様々なバーコードを含む複数の画像を用いて事前学習され、予め第1記憶装置130に記憶される。特定部144は、入力画像を識別器に入力し、識別器から出力された情報に基づいて、入力画像にバーコードが含まれるか否かを判定し、入力画像内のバーコードの位置を特定する。
【0086】
今回搬送された媒体とその前に搬送された媒体との類似度は、今回搬送された媒体と、その媒体より所定数だけ前に搬送された媒体との類似度を示し、プロファイルで規定される複数の設定項目のうちの仕分け等に関連する。所定数は、プロファイルの仕分けにおいて設定された、一つのグループにまとめる媒体数に設定される。例えば、特定部144は、入力画像に含まれる媒体と、その媒体より所定数だけ前に搬送された媒体との類似度として、今回取得した入力画像と、今回取得した入力画像より所定数だけ前に取得された入力画像との類似度を算出する。類似度は、例えば正規化相互相関等である。
【0087】
次に、判定部145は、ステップS102で設定されたプロファイル、即ち入力画像を生成する際に設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の項目値を特定する(ステップS107)。設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の項目値は、設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の項目値に基づく情報の一例である。
【0088】
次に、判定部145は、入力画像における複数の特徴情報と、入力画像を生成する際に設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値との適合度合いを算出する(ステップS108)。
【0089】
判定部145は、プロファイルに含まれる複数の設定項目毎に、特定部144により特定された特徴情報と、設定部142により設定されたプロファイルに含まれる設定値とが相互に適合するか否かを判定する。
【0090】
解像度について、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれることが特定されている場合、設定値が解像度閾値以上であるときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、設定値が解像度閾値未満であるときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。解像度閾値は、写真が含まれる画像を良好に表示可能な解像度と写真が含まれる画像を良好に表示できない解像度との間の値(例えば200dpi等)に設定される。解像度閾値は、任意の値(例えば300dpi)に設定されてもよい。一方、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれないことが特定されている場合、設定値が解像度閾値未満であるときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、設定値が解像度閾値以上であるときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。
【0091】
媒体サイズについて、判定部145は、特徴情報として特定されたサイズと、設定値との差がサイズ閾値以下であるときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、その差がサイズ閾値より大きいときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。サイズ閾値は、予め任意の値(例えばA3サイズとA4サイズの差)に設定される。なお、サイズ閾値は0に設定されてもよい。即ち、判定部145は、特徴情報として特定されたサイズと設定値とが一致するときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、特徴情報として特定されたサイズと設定値とが一致しないときは特徴情報と設定値が適合しないと判定してもよい。また、判定部145は、媒体サイズの設定値として自動が設定されている場合、特徴情報と設定値が適合しないと判定してもよい。これにより、画像読取装置100は、媒体サイズの設定値として自動が設定されているプロファイルより、搬送された媒体のサイズが設定されているプロファイルの方が、より適切なプロファイルであると判定することができる。
【0092】
色について、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれることが特定されている場合、設定値がカラーであるときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、設定値がグレースケール又は二値であるときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。一方、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれないことが特定されている場合、設定値がグレースケール又は二値であるときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、設定値がカラーであるときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。
【0093】
また、色について、判定部145は、特徴情報として色成分がカラーであることが特定されている場合、設定値がカラーであるときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、設定値がグレースケール又は二値であるときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。一方、判定部145は、特徴情報として色成分が白黒であることが特定されている場合、設定値がグレースケール又は二値であるときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、設定値がカラーであるときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。
【0094】
圧縮率について、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれることが特定されている場合、設定値が圧縮率閾値以下であるときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、設定値が圧縮率閾値より大きいときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。圧縮率閾値は、写真が含まれる画像を良好に復号可能な量子化値又は圧縮度合いと写真が含まれる画像を良好に復号できない量子化値又は圧縮度合いとの間の値に設定される。一方、判定部145は、特徴情報として入力画像に写真が含まれないことが特定されている場合、設定値が圧縮率閾値より大きいときは特徴情報と設定値が適合すると判定し、設定値が圧縮率閾値以下であるときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。
【0095】
データ抽出について、判定部145は、設定値として文字を抽出することが設定されている場合、特徴情報として入力画像に文字が含まれることが特定され且つその位置が設定値として設定された位置と一致するときは特徴情報と設定値が適合すると判定する。一方、判定部145は、設定値として文字を抽出することが設定されている場合、特徴情報として入力画像に文字が含まれないことが特定されたとき、又は、特徴情報として特定された文字の位置が、設定値として設定された位置と一致しないとき、特徴情報と設定値が適合しないと判定する。
【0096】
データ抽出について、判定部145は、設定値としてバーコードを抽出することが設定されている場合、特徴情報として入力画像にバーコードが含まれることが特定され且つその位置が設定値として設定された位置と一致するときは特徴情報と設定値が適合すると判定する。一方、判定部145は、設定値としてバーコードを抽出することが設定されている場合、特徴情報として入力画像にバーコードが含まれないことが特定されたとき、又は、特徴情報として特定されたバーコードの位置が、設定値として設定された位置と一致しないとき、特徴情報と設定値が適合しないと判定する。
【0097】
仕分けについて、判定部145は、設定値として一つのグループにまとめる媒体数が設定されている場合、今回搬送された媒体がグループの先頭の媒体であるか否かを判定する。判定部145は、今回搬送された媒体の媒体番号が、一つのグループにまとめる媒体数の倍数に1を加えた加算値である場合、今回搬送された媒体がグループの先頭の媒体であると判定する。一方、判定部145は、媒体番号がその加算値でない場合、今回搬送された媒体がグループの先頭の媒体でないと判定する。今回搬送された媒体がグループの先頭の媒体である場合、判定部145は、特徴情報として特定された、今回搬送された媒体とその媒体より所定数だけ前に搬送された媒体との類似度が、予め定められた類似度閾値以上であるか否かを判定する。判定部145は、類似度が類似度閾値以上である場合、搬送された媒体が、所定のフォーマットに従った頭紙であると判定し、特徴情報と設定値が適合すると判定する。一方、判定部145は、類似度が類似度閾値未満である場合、搬送された媒体が、所定のフォーマットに従った頭紙でないと判定し、特徴情報と設定値が適合しないと判定する。
【0098】
また、仕分けについて、判定部145は、設定値として一つのグループにまとめる媒体の先頭に配置される媒体の特徴(所定のバーコード又は文字等を有すること)が設定されている場合、今回搬送された媒体の媒体番号が1であり且つ特徴情報として入力画像にその特徴が含まれることが特定されているときは特徴情報と設定値が適合すると判定する。判定部145は、今回搬送された媒体の媒体番号が1であり且つ特徴情報として入力画像にその特徴が含まれることが特定されていないときは特徴情報と設定値が適合しないと判定する。
【0099】
判定部145は、例えば、特徴情報と設定値が適合すると判定した項目の数を、特徴情報と設定値が適合するか否かを判定した項目の数で除算した除算値を適合度合いとして算出する。判定部145は、複数の設定項目毎に重み付けされたポイントを設定してもよい。その場合、判定部145は、特徴情報と設定値が適合すると判定した設定項目のポイントの合計を、特徴情報と設定値が適合するか否かを判定した設定項目のポイントの合計で除算した除算値を適合度合いとして算出する。また、判定部145は、特徴情報と設定値が適合すると判定した項目の数、又は、特徴情報と設定値が適合しないと判定した項目の数の逆数等を適合度合いとして算出してもよい。
【0100】
次に、判定部145は、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する(ステップS109)。判定部145は、例えば、算出した適合度合いが閾値以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。閾値は、事前の実験により、プロファイルが入力画像の特徴に適合するとみなされる場合の適合度合いと、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないとみなされる場合の適合度合いとの間の値に設定される。判定部145は、適合度合いが閾値以上である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定し、適合度合いが閾値未満である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定する。画像読取装置100は、適合度合いを用いることにより、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを高精度に判定することができる。
【0101】
なお、判定部145は、何れか一つの設定項目で特徴情報と設定値が適合する場合に、プロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定し、全ての設定項目で特徴情報と設定値が適合しない場合に、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定してもよい。または、判定部145は、全ての設定項目で特徴情報と設定値が適合する場合に、プロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定し、何れか一つの設定項目で特徴情報と設定値が適合しない場合に、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定してもよい。
【0102】
このように、判定部145は、入力画像における複数の特徴情報を、設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値自体と比較することにより、そのプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。これにより、画像読取装置100は、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを高精度に判定することができる。
【0103】
設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定した場合、判定部145は、ステップS122へ処理を移行する。
【0104】
一方、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、第3取得部146は、設定されたプロファイル以外のプロファイルを含む複数のプロファイルを取得する(ステップS110)。第3取得部146は、複数のプロファイルを、第1通信装置122を介して情報処理装置200又は不図示のサーバから受信することにより取得する。各プロファイルは予め第1記憶装置130に記憶されていて、第3取得部146は複数のプロファイルを第1記憶装置130から読み出すことにより取得してもよい。第3取得部146は、画像読取装置100がサポートする全ての種類のプロファイルのうち、設定されたプロファイル以外の全てのプロファイルを取得する。第3取得部146は、画像処理システム1がサポートする全ての種類のプロファイル、即ち画像処理システム1が有する何れかの画像読取装置又はソフトウェアがサポートするプロファイルのうち、設定されたプロファイル以外の全てのプロファイルを取得してもよい。ソフトウェアは、画像読取装置100に各処理を実行させるドライバソフトウェア等である。
【0105】
次に、判定部145は、第3取得部146が取得した複数のプロファイル、即ち設定されたプロファイル以外の各プロファイルに含まれる複数の設定項目毎の項目値を特定する(ステップS111)。
【0106】
次に、判定部145は、ステップS108の処理と同様にして、入力画像における複数の特徴情報と、第3取得部146が取得した複数のプロファイルのそれぞれに含まれる複数の設定項目毎の設定値との適合度合いを算出する(ステップS112)。
【0107】
次に、判定部145は、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する(ステップS113)。判定部145は、入力画像における複数の特徴情報と、第3取得部146が取得した複数のプロファイルのそれぞれに含まれる複数の設定項目毎の設定値との適合度合いのうち、最大の適合度合いを特定する。判定部145は、ステップS108で算出した適合度合いが、特定した最大の適合度合い以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。即ち、判定部145は、設定されたプロファイルに係る適合度合いが、設定されたプロファイル以外のプロファイルに係る適合度合い以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。判定部145は、ステップS108で算出した適合度合いが、特定した最大の適合度合い以上である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定する。一方、判定部145は、ステップS108で算出した適合度合いが、特定した最大の適合度合い未満である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定する。
【0108】
このように、判定部145は、入力画像における複数の特徴情報を、複数のプロファイルのそれぞれに含まれる複数の設定項目毎の設定値と比較した結果にさらに基づいて、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。画像読取装置100は、設定されたプロファイルが他のプロファイルより入力画像の特徴に適合するか否かを判定することにより、設定されたプロファイルが適切であるか否かをより高精度に判定することができる。
【0109】
設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定した場合、判定部145は、ステップS122へ処理を移行する。
【0110】
一方、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、制御部141は、モータ121を停止させる。これにより、制御部141は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を停止させ、以降の媒体の搬送を一旦停止させる(ステップS114)。
【0111】
このように、制御部141は、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、入力画像を生成した画像読取装置100による画像生成処理を停止させる。これにより、画像読取装置100は、適切でないプロファイルに従って多数の媒体が搬送されて撮像されることを抑制できる。したがって、画像読取装置100は、画像読取処理における手戻りの発生を低減させて、利用者の利便性を向上させることができる。
【0112】
次に、制御部141は、第3取得部146が取得した複数のプロファイルのうち、各プロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値と、入力画像における複数の特徴情報との適合度合いが最大となるプロファイルを特定する。制御部141は、特定した、適合度合いが最大となるプロファイルが画像読取装置100によりサポートされているか否かを判定する(ステップS115)。特定したプロファイルが画像読取装置100によりサポートされている場合、制御部141は、特に処理を実行せずに、ステップS117へ処理を移行させる。
【0113】
一方、特定したプロファイルが画像読取装置100によりサポートされていない場合、制御部141は、特定したプロファイルをサポートする他の画像読取装置又は他のソフトウェアを特定する(ステップS116)。他の画像読取装置は、画像読取装置100が属する画像処理システム1が有する、画像読取装置100以外の画像読取装置である。他のソフトウェアは、その画像処理システム1が有する、画像読取装置100にインストールされたソフトウェア以外のソフトウェアである。
【0114】
次に、制御部141は、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないことを利用者に通知するための通知データを生成する。制御部141は、生成した通知データを、第1表示装置106に表示し、又は、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力し、利用者に通知する(ステップS117)。情報処理装置200は、第2通信装置203を介して画像読取装置100から通知データを受信した場合、受信した通知データを第2表示装置202に表示させる。通知データは、判定部145による判定結果に関する情報の一例である。
【0115】
図11は、通知データ1100の一例を示す模式図である。
【0116】
図11に示すように、通知データ1100には、概要情報1101、詳細情報1102、画像1103、再開ボタン1104、及び、終了ボタン1105等が含まれる。概要情報1101は、判定部145による判定結果、即ち利用者により設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しない旨を示す。詳細情報1102は、利用者により設定されたプロファイル、入力画像の特徴に適合する推奨プロファイル、その推奨プロファイルをサポートする推奨装置又は推奨ソフトウェア等を示す。推奨プロファイルは、ステップS113において特定された、適合度合いが最も大きいプロファイルである。推奨装置又は推奨ソフトウェアは、ステップS116において特定された画像読取装置又はソフトウェアである。
【0117】
このように、制御部141は、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、利用者に判定部145による判定結果に関する情報を通知する。これにより、利用者は、設定したプロファイルが適切であるか否かを検討し、設定したプロファイルが適切でない場合、プロファイルを変更した上で、媒体を再搬送及び再撮像させることができる。したがって、利用者は、入力画像に含まれる媒体に対して適切に対処することができ、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0118】
また、制御部141は、複数のプロファイルのうち、入力画像における複数の特徴情報と最も適合するプロファイルに関する情報を、その入力画像(媒体)に適合するプロファイルとして利用者に通知する。これにより、利用者は、その入力画像(媒体)に対する適切なプロファイルを認識でき、そのプロファイルに従って媒体を再搬送及び再撮像させることができる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0119】
また、制御部141は、他の画像読取装置又は他のソフトウェアのうち、設定されたプロファイルが適合しないと判定された入力画像(媒体)に適合するプロファイルをサポートする画像読取装置又はソフトウェアに関する情報を通知する。これにより、利用者は、搬送された媒体に適した画像を生成できる画像読取装置又はソフトウェアを認識でき、その画像読取装置又はソフトウェアを用いて所望の画像を取得できる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0120】
画像1103は、搬送された媒体が撮像された入力画像、又は、その入力画像に基づく処理画像である。利用者は、画像1103を閲覧することにより、搬送された媒体を、設定されたプロファイルに従って撮像又は処理した画像を確認でき、設定されたプロファイルの妥当性を確認できる。再開ボタン1104は、媒体の搬送を再開させるためのボタンである。利用者は、搬送された媒体を取り出してから再開ボタン1104を押下することにより、現在設定されているプロファイルに従って残りの媒体の搬送及び撮像を再開させることができる。即ち、利用者は、設定されたプロファイルが正しい場合、再開ボタン1104を押下することにより、設定されたプロファイルが正しいことを指定できる。終了ボタン1105は、画像読取処理を終了させるためのボタンである。利用者は、終了ボタン1105を押下することにより、現在設定されているプロファイルに従った残りの媒体の搬送及び撮像を中止することができる。即ち、利用者は、設定されたプロファイルが正しくない場合、終了ボタン1105を押下することにより、設定されたプロファイルが正しくないことを指定できる。
【0121】
次に、制御部141は、利用者により第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて媒体の搬送及び撮像の再開指示又は終了指示が入力されて、指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信するまで待機する(ステップS118)。利用者により再開ボタン1104が押下された場合、制御部141は、媒体の搬送及び撮像の再開を指示する指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。一方、利用者により終了ボタン1105が押下された場合、制御部141は、媒体の搬送及び撮像の終了を指示する指示信号を第1入力装置105又は第1通信装置122から受信する。
【0122】
制御部141は、指示信号を受信した場合、指示信号において媒体の搬送及び撮像の再開が指示されているか媒体の搬送及び撮像の終了が指示されているかを判定することにより、設定されたプロファイルが正しいか否かを判定する(ステップS119)。指示信号において媒体の搬送及び撮像の再開が指示されている場合、利用者により、設定されたプロファイルが正しいことが指定されている。一方、指示信号において媒体の搬送及び撮像の終了が指示されている場合、利用者により、設定されたプロファイルが正しくないことが指定されている。このように、制御部141は、利用者に、判定部145による判定結果に関する情報を通知した後に、利用者から、設定されたプロファイルが正しいか否かの指定を受け付ける。媒体の搬送及び撮像の終了が指示されている場合、即ち利用者から設定されたプロファイルが正しくないことが指定された場合、制御部141は、設定されたプロファイルに従って残りの媒体を搬送することなく画像読取処理を終了する。
【0123】
一方、媒体の搬送及び撮像の再開が指示されている場合、即ち利用者から設定されたプロファイルが正しいことが指定された場合、判定部145は、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定するための判定基準を変更する(ステップS120)。判定部145は、複数の設定項目のうち、入力画像における特徴情報と、設定されたプロファイルに含まれる設定値に関する情報とが適合していないと判定した設定項目の、以後の判定における重みを低減させる。
【0124】
例えば、判定部145は、入力画像における特徴情報と、設定されたプロファイルに含まれる設定値に関する情報とが適合していないと判定した設定項目について、適合度合いを算出するためのポイント(重み付けされたポイントの大きさ)を低減させる。判定部145は、以後、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する際に、入力画像における特徴情報と、設定されたプロファイルに含まれる設定値に関する情報とが適合していないと判定した設定項目については、判定対象から除外してもよい。これにより、画像読取装置100は、利用者により正しいと指定されたプロファイルについて、以後、同一の理由により、適切でないと誤って判定してしまうことを抑制できる。したがって、画像読取装置100は、誤って利用者に判定結果に関する情報を通知し又は画像生成処理を停止させることを抑制し、利用者の手をわずらわせることを抑制できる。
【0125】
次に、制御部141は、モータ121を再駆動し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び/又は第4搬送ローラ119を再回転させる。これにより、制御部141は、載置台103に載置された残りの媒体を給送及び搬送させる(ステップS121)。
【0126】
次に、制御部141は、入力画像に基づいて処理画像を生成し、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信することにより出力する(ステップS122)。制御部141は、ステップS102で取得されたプロファイルに従って、入力画像に対して画像処理を実施して処理画像を生成する。画像処理を実施する必要がない場合、制御部141は、入力画像自体を処理画像とする。
【0127】
次に、制御部141は、第1媒体センサ111から受信する第1媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS123)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部141は、搬送される媒体の媒体番号をインクリメント(+1)し、次に搬送される媒体の媒体番号をセットする。そして、制御部141は、ステップS105へ処理を戻し、ステップS105~S123の処理を繰り返す。
【0128】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部141は、モータ121を停止し、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を停止させる(ステップS124)。これにより、制御部141は、媒体の搬送を停止させる。以上により、制御部141は、画像読取処理を終了する。
【0129】
なお、ステップS107~S109の処理、ステップS110~S113の処理、ステップS114及びS121の処理、ステップS115~S116の処理、ステップS117の処理、ステップS118~S119の処理、及び/又は、ステップS120の処理は省略されてもよい。ステップS107~S109の処理が省略される場合は、ステップS110~S113の処理も省略される。
【0130】
以上詳述したように、画像読取装置100は、プロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値を入力画像における特徴情報と比較することにより、利用者により設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。画像読取装置100は、プロファイルが入力画像の特徴に適合しない場合、利用者にその旨を通知し又は画像生成処理を停止させる。画像読取装置100は、複数の設定項目のコンビネーションを利用することにより、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを高精度に判定することができる。これにより、画像読取装置100は、プロファイルが適切でない場合に利用者への通知又は画像生成処理の停止を実行しつつ、プロファイルが適切である場合に誤って利用者への通知又は画像生成処理の停止を実行することを抑制できる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0131】
利用者が、適切でないプロファイルを誤って設定した場合、適切でないプロファイルに従って媒体を撮像した画像が生成され、適切でない画像が生成される可能性がある。また、例えば帳票の束の中に写真が含まれるような、複数の種類の媒体が混在する媒体群がまとめて搬送される場合に、特定の媒体に適したプロファイルに従って他の媒体を撮像した画像が生成され、適切でない画像が生成される可能性がある。画像読取装置100はプロファイルが入力画像の特徴に適合しない場合、その旨を利用者に通知し又は画像生成処理を停止させるため、利用者は、その媒体を適切な設定で再搬送及び再撮像させることができる。したがって、画像読取装置100は、誤った設定で画像が生成されることによる画像読取処理の手戻りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0132】
また、利用者は、画像読取処理に関する知識又はスキルが低い場合であっても、所望の画像を生成可能なプロファイル、他の画像読取装置又は他のソフトウェアを適切に選択できる。これにより、画像読取装置100は、不適切な設定、画像読取装置100又はソフトウェアが使用されることによる画像読取処理の手戻りの発生を抑制でき、利用者の作業効率又は作業品質の低減を抑制できる。
【0133】
また、画像読取装置100は、プロファイルを用いて、撮像処理、画像処理又は搬送処理に関する複数の設定項目をまとめて設定することができ、利用者の作業効率を向上させることができる。
【0134】
図12は、他の実施形態に係る画像読取装置の画像読取処理の動作の一部の例を示すフローチャートである。
【0135】
図12に示したフローチャートは、
図8に示したフローチャートの代わりに実行される。
図12のステップS201~S205、S214の処理は、
図8のステップS101~S105、S114の処理と同様であるため、説明を省略し、以下では、ステップS206~S213についてのみ説明する。
【0136】
ステップS205において取得部143が入力画像を取得した後、特定部144は、入力画像における複数の特徴情報を特定するとともに、入力画像が生成された日時を特定し、第1記憶装置130の履歴テーブルに記憶する(ステップS206)。
【0137】
特定部144は、ステップS106の処理と同様にして、特徴情報を特定する。
図8のフローチャートが実行される場合と同様に、特徴情報で規定される項目には、写真の有無、サイズ、色成分、文字の有無及び/又は位置、バーコードの有無及び/又は位置等が含まれる。本実施形態では、特徴情報で規定される項目に、色成分に代えて又は加えて、媒体地色、文字色等が含まれてもよい。
【0138】
媒体地色は、入力画像に含まれる媒体の地色(背景色)であり、プロファイルで規定される複数の設定項目のうちの色等に関連する情報である。例えば、特定部144は、媒体のサイズを特定する場合と同様にして、媒体領域を検出する。特定部144は、媒体領域内の各画素の色値(R値、G値、B値等)が予め定められた複数の色範囲(白色範囲、黒色範囲、赤色範囲、緑色範囲及び青色範囲)のうちの何れに属するかを判定する。特定部144は、色値が属する画素の数が最も多い色範囲に対応する色を、入力画像に含まれる媒体の地色として特定する。
【0139】
文字色は、入力画像に含まれる文字の色であり、プロファイルで規定される複数の設定項目のうちの色等に関連する情報である。例えば、特定部144は、媒体のサイズを特定する場合と同様にして、媒体領域を検出する。特定部144は、媒体領域に対してOCR処理を実行し、入力画像内で文字が検出された文字領域を特定する。特定部144は、文字領域内の各画素の色値(R値、G値、B値等)が予め定められた複数の色範囲(白色範囲、黒色範囲、赤色範囲、緑色範囲及び青色範囲)のうちの何れに属するかを判定する。特定部144は、媒体地色として特定した色範囲を除いて、色値が属する画素の数が最も多い色範囲に対応する色を、入力画像に含まれる文字の色として特定する。
【0140】
本実施形態では、特徴情報で規定される項目に、さらに、解像度、ファイル形式(PDF/JPEG等)、印刷面(表面/裏面)、ページ数、罫線の有無、押印の有無、文字の言語等が含まれてもよい。これらの情報はプロファイルに含まれ、特定部144は、入力画像(各過去画像)が生成された際に設定されていたプロファイルから各情報を特定する。特定部144は、罫線の有無、押印の有無、文字の言語等については、公知の画像処理技術を利用して特定してもよい。
【0141】
図13は、履歴テーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
【0142】
図13に示すように、履歴テーブルには、画像読取装置100により搬送された媒体毎に、画像ID、入力画像、プロファイル、特徴情報及び生成日時等が相互に関連付けて記憶される。画像IDは、生成された入力画像を識別するための情報である。プロファイルは、その入力画像が生成されたときに設定されていたプロファイルである。特徴情報は、その入力画像から特定された特徴情報である。生成日時は、その入力画像が生成された日時である。
【0143】
特定部144は、生成された入力画像に新たな画像IDを割り当てて、割り当てた画像ID、生成された入力画像、設定されたプロファイル、特定した特徴情報、及び、特定した生成日時を相互に関連付けて履歴テーブルに記憶する。
【0144】
次に、第2取得部147は、設定されたプロファイルに従って過去に生成された一又は複数の過去画像における複数の特徴情報、及び、各過去画像が生成された日時を取得する(ステップS207)。
【0145】
第2取得部147は、履歴テーブルを参照し、設定されたプロファイルに従って過去に生成された特定数の入力画像を過去画像として特定する。例えば、第2取得部147は、設定されたプロファイルに従って生成された直近の所定数の入力画像を過去画像として特定する。所定数は、一又は複数の任意の数に設定される。第2取得部147は、設定されたプロファイルに従って直近の所定期間に生成された入力画像を過去画像として特定してもよい。また、第2取得部147は、設定されたプロファイルに従って生成された全ての入力画像を過去画像として特定してもよい。第2取得部147は、各過去画像から特定された各特徴情報及び生成日時を、過去画像における複数の特徴情報及び過去画像が生成された日時として取得する。過去画像における複数の特徴情報は、設定されたプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の項目値に基づく情報の一例である。
【0146】
次に、判定部145は、入力画像における複数の特徴情報と過去画像における複数の特徴情報との一致度合い、及び、入力画像が生成された生成日時と過去画像が生成された生成日時との一致度合いを算出する(ステップS208)。以下では、入力画像における複数の特徴情報と過去画像における複数の特徴情報との一致度合いを第1一致度合いと称する場合がある。また、入力画像が生成された生成日時と過去画像が生成された生成日時との一致度合いを第2一致度合いと称する場合がある。
【0147】
判定部145は、履歴テーブルを参照し、特徴情報で規定される項目毎に、各過去画像から特定された各特徴情報の項目値を集計し、項目値毎に、過去画像の全数に対する、各項目値を有する過去画像の数の比率を算出する。また、判定部145は、予め定められた複数の日時範囲毎に、過去画像の全数に対する、各日時範囲に生成された過去画像の数の比率を算出する。日時範囲は、例えば、時間帯(0時~1時、1時~2時等)、曜日(日、月等)、週(第1週、第2週等)、月(1月、2月等)、年(2000年、2001年等)等の任意の範囲に設定される。判定部145は、複数のプロファイル毎に特定した、特徴情報で規定される項目毎の各比率を集計テーブルに記憶する。
【0148】
図14は、集計テーブルのデータ構造について説明するための模式図である。
【0149】
図14に示すように、集計テーブルには、複数のプロファイル毎に、特徴情報で規定される各項目における各項目値の比率と、各日時範囲の比率とが相互に関連付けて記憶される。
【0150】
判定部145は、集計テーブルを参照し、設定されたプロファイルについて、特徴情報で規定される複数の項目毎に、今回生成された入力画像から特定された特徴情報の項目値を有する過去画像の比率を特定する。判定部145は、例えば、特徴情報で規定される複数の項目毎に特定した比率の平均値又は合計値を第1一致度合いとして算出する。判定部145は、複数の項目毎に各比率を重み付けした重み付き平均値(加重平均値)又は重み付き和(加重和)を第1一致度合いとして算出してもよい。また、判定部145は、予め定められた比率閾値以上の比率を有する項目の数を、比率が算出されている項目の全数で除算した除算値を適合度合いとして算出してもよい。また、判定部145は、比率閾値以上の比率を有する項目の数、又は、比率閾値未満の比率を有する項目の数の逆数等を第1一致度合いとして算出してもよい。
【0151】
また、判定部145は、集計テーブルを参照し、設定されたプロファイルについて、今回生成された入力画像の生成日時が含まれる期間に生成された過去画像の比率を、第2一致度合いとして算出する。
【0152】
次に、判定部145は、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する(ステップS209)。
【0153】
判定部145は、例えば第1一致度合いが第1閾値以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。第1閾値は、事前の実験により、プロファイルが入力画像の特徴に適合するとみなされる場合の第1一致度合いと、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないとみなされる場合の第1一致度合いとの間の値に設定される。判定部145は、第1一致度合いが第1閾値以上である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定し、第1一致度合いが第1閾値未満である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定する。画像読取装置100は、入力画像における複数の特徴情報と過去画像における複数の特徴情報との一致度合いを用いることにより、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを高精度に判定することができる。
【0154】
なお、判定部145は、入力画像及び過去画像において何れか一つの項目の特徴情報が適合する場合に、プロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定し、全ての項目の特徴情報が適合しない場合に、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定してもよい。その場合、判定部145は、特徴情報で規定される複数の項目における、今回生成された入力画像から特定された特徴情報の項目値を有する過去画像の各比率の中の最大値を第1一致度合いとして特定する。また、判定部145は、入力画像及び過去画像において全ての項目の特徴情報が適合する場合に、プロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定し、何れか一つの項目の特徴情報が適合しない場合に、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定してもよい。その場合、判定部145は、特徴情報で規定される複数の項目における、今回生成された入力画像から特定された特徴情報の項目値を有する過去画像の各比率の中の最小値を第1一致度合いとして特定する。
【0155】
また、判定部145は、何れか一つの項目の特徴情報のみに基づいて、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定してもよい。その場合、判定部145は、特徴情報で規定される複数の項目のうち、予め定められた単一の項目における、今回生成された入力画像から特定された特徴情報の項目値を有する過去画像の比率を第1一致度合いとして特定する。
【0156】
このように、判定部145は、入力画像における複数の特徴情報を、過去画像における複数の特徴情報と比較することにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。通常、画像読取装置100は、利用者毎に様々な種類の媒体を処理するが、同一のプロファイルに従って処理される媒体は、同一の種類の媒体である可能性が高い。画像読取装置100は、入力画像における特徴情報を、設定されたプロファイルに従って過去に生成された過去画像における特徴情報と比較することにより、設定されたプロファイルが適切であるか否かを高精度に判定することができる。
【0157】
特に、判定部145は、入力画像における複数の特徴情報を、複数の過去画像における複数の特徴情報と比較することにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。これにより、画像読取装置100は、設定されたプロファイルに従って過去に生成された過去画像の傾向に基づいて、設定されたプロファイルが適切であるか否かをより高精度に判定することができる。
【0158】
また、判定部145は、第2一致度合いが第2閾値以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定してもよい。第2閾値は、事前の実験により、プロファイルが入力画像の特徴に適合するとみなされる場合の第2一致度合いと、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないとみなされる場合の第2一致度合いとの間の値に設定される。判定部145は、第2一致度合いが第2閾値以上である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定し、第2一致度合いが第2閾値未満である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定する。画像読取装置100は、入力画像の生成日時と過去画像の生成日時との一致度合いを用いることにより、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを高精度に判定することができる。
【0159】
また、判定部145は、第1一致度合いと第2一致度合いの両方に基づいて、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定してもよい。判定部145は、第1一致度合いが第1閾値以上であり且つ第2一致度合いが第2閾値以上である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定する。一方、判定部145は、第1一致度合いが第1閾値未満である場合又は第2一致度合いが第2閾値未満である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定する。または、判定部145は、第1一致度合いが第1閾値以上である場合又は第2一致度合いが第2閾値以上である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定する。一方、判定部145は、第1一致度合いが第1閾値未満であり且つ第2一致度合いが第2閾値未満である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定する。
【0160】
または、判定部145は、第1一致度合いと第2一致度合いの平均値、合計値、重み付き平均値又は重み付き和を第3一致度合いとして算出する。判定部145は、第3一致度合いが第3閾値以上である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定し、第3一致度合いが第3閾値未満である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定する。第3閾値は、第1閾値と第2閾値の平均値、合計値、重み付き平均値又は重み付き和等に設定される。
【0161】
このように、判定部145は、入力画像が生成された生成日時と、過去画像が生成された生成日時とを比較した結果にさらに基づいて、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。例えば学校、塾、幼稚園等から配布される同一種類の配布物は、同一期間に配布される可能性が高く、利用者により同一期間にスキャンされる可能性が高い。したがって、画像読取装置100は、入力画像が生成された生成日時と、過去画像が生成された生成日時とを比較することにより、設定されたプロファイルが適切であるか否かをより高精度に判定することができる。
【0162】
また、上記したように、第2取得部147は、設定されたプロファイルに従って生成された直近の所定数の入力画像を過去画像として特定する。例えば学校、塾、幼稚園等から配布される配布物は、時期(例えば1学期、2学期等)によって異なる特徴(例えば媒体地色等)を有する可能性がある。また、そのような配布物は、時期によって異なる期間(第1週、第2週等)に配布され、スキャンされる可能性がある。判定部145は、直近の入力画像を過去画像として使用することにより、配布物の特徴又は配布期間の変更に対して柔軟に対応し、設定されたプロファイルが適切であるか否かを高精度に判定することができる。
【0163】
設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定した場合、判定部145は、ステップS122へ処理を移行する。
【0164】
一方、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、第3取得部146は、ステップS110の処理と同様にして、設定されたプロファイル以外のプロファイルを含む複数のプロファイルを取得する(ステップS210)。
【0165】
次に、判定部145は、第3取得部146が取得した複数のプロファイル、即ち設定されたプロファイル以外の各プロファイルに従って過去に生成された過去画像における複数の特徴情報、及び、各過去画像が生成された日時を取得する(ステップS211)。判定部145は、ステップS207の処理と同様にして、履歴テーブルを参照し、第3取得部146が取得した各プロファイルに従って過去に生成された特定数の入力画像を過去画像として特定する。判定部145は、各過去画像から特定された各特徴情報及び生成日時を、過去画像における複数の特徴情報及び過去画像が生成された日時として取得する。
【0166】
次に、判定部145は、入力画像における複数の特徴情報と、第3取得部146が取得した各プロファイルに従って生成された過去画像における複数の特徴情報との第1一致度合いを算出する。また、判定部145は、入力画像が生成された生成日時と、第3取得部146が取得した各プロファイルに従って生成された過去画像が生成された生成日時との第2一致度合いを算出する(ステップS212)。判定部145は、ステップS208の処理と同様にして、第1一致度合い及び第2一致度合いを算出する。
【0167】
次に、判定部145は、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する(ステップS213)。判定部145は、入力画像における複数の特徴情報と、第3取得部146が取得した各プロファイルに従って生成された過去画像における複数の特徴情報との第1一致度合いのうち、最大の第1一致度合いを特定する。判定部145は、ステップS208で算出した第1一致度合いが、特定した最大の第1一致度合い以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。即ち、判定部145は、設定されたプロファイルに係る第1一致度合いが、設定されたプロファイル以外のプロファイルに係る第1一致度合い以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。判定部145は、ステップS208で算出した第1一致度合いが、特定した最大の第1一致度合い以上である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定する。一方、判定部145は、ステップS208で算出した第1一致度合いが、特定した最大の第1一致度合い未満である場合、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定する。
【0168】
判定部145は、第2一致度合いに基づいて、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定してもよい。その場合、判定部145は、入力画像が生成された生成日時と、第3取得部146が取得した各プロファイルに従って生成された過去画像が生成された生成日時との第2一致度合いのうち、最大の第2一致度合いを特定する。判定部145は、ステップS208で算出した第2一致度合いが、特定した最大の第2一致度合い以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。
【0169】
判定部145は、第1一致度合いと第2一致度合いの平均値、合計値、重み付き平均値又は重み付き和である第3一致度合いに基づいて、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定してもよい。その場合、判定部145は、入力画像と第3取得部146が取得した各プロファイルに従って生成された過去画像との第3一致度合いのうち、最大の第3一致度合いを特定する。判定部145は、ステップS208で算出した第3一致度合いが、特定した最大の第3一致度合い以上であるか否かにより、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。
【0170】
このように、判定部145は、入力画像における複数の特徴情報を、複数のプロファイルに従って生成された過去画像における複数の特徴情報と比較した結果にさらに基づいて、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。また、判定部145は、入力画像の生成日時を、複数のプロファイルに従って生成された過去画像の生成日時と比較した結果にさらに基づいて、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。画像読取装置100は、設定されたプロファイルが他のプロファイルより入力画像の特徴に適合するか否かを判定することにより、設定されたプロファイルが適切であるか否かをより高精度に判定することができる。
【0171】
設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合すると判定した場合、判定部145は、ステップS122へ処理を移行し、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定した場合、判定部145は、ステップS214へ処理を移行する。
【0172】
本実施形態では
図11の通知データ1100には、推奨プロファイルとして、ステップS213において特定された、第1一致度合いが最も大きいプロファイル、第2一致度合いが最も大きいプロファイル又は第3一致度合いが最も大きいプロファイルが表示される。即ち、制御部141は、複数のプロファイルのうち、入力画像における複数の特徴情報と最も適合するプロファイルに関する情報を、その入力画像(媒体)に適合するプロファイルとして利用者に通知する。これにより、利用者は、その入力画像(媒体)に対する適切なプロファイルを認識でき、そのプロファイルに従って媒体を再搬送及び再撮像することができる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0173】
なお、本実施形態において、ステップS207~S209の処理、ステップS210~S213の処理、ステップS214及びS121の処理、ステップS115~S116の処理、ステップS117の処理、ステップS118~S119の処理、及び/又は、ステップS120の処理は省略されてもよい。ステップS207~S209の処理が省略される場合は、ステップS210~S213の処理も省略される。また、ステップS208において、判定部145は、入力画像が生成されるたびに履歴テーブルを生成するのでなく、所定数(例えば10)の入力画像が生成されるたびに履歴テーブルを生成してもよい。これにより、判定部145は、画像読取処理の処理負荷を低減することができる。
【0174】
以上詳述したように、画像読取装置100は、設定されたプロファイルに従って過去に生成された過去画像における特徴情報を入力画像における特徴情報と比較することにより、利用者により設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定する。この場合も、画像読取装置100は、複数の項目のコンビネーションを利用することにより、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを高精度に判定することができる。これにより、画像読取装置100は、プロファイルが適切でない場合に利用者への通知又は画像生成処理の停止を実行しつつ、プロファイルが適切である場合に誤って利用者への通知又は画像生成処理の停止を実行することを抑制できる。したがって、画像読取装置100は、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0175】
図15は、他の実施形態に係る画像読取装置における第1処理回路340の概略構成を示すブロック図である。
【0176】
第1処理回路340は、第1処理回路140の代わりに用いられ、画像読取処理等を実行する。第1処理回路340は、制御回路341、設定回路342、取得回路343、特定回路344、判定回路345、第3取得回路346及び第2取得回路347等を有する。
【0177】
制御回路341は、制御部の一例であり、制御部141と同様の機能を有する。制御回路341は、第1入力装置105又は第1通信装置122から操作信号を、第1媒体センサ111から第1媒体信号を、第2媒体センサ116から第2媒体信号を受信する。また、制御回路341は、第1記憶装置130から、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かの判定結果を読み出す。制御回路341は、受信した又は読み出した各情報に基づいて、モータ121を制御し、判定結果に関する情報を第1表示装置106又は第1通信装置122に出力する。制御回路341は、第1記憶装置130から入力画像を読み出し、入力画像に基づいて処理画像を生成し、第1表示装置106又は第1通信装置122に出力する。
【0178】
設定回路342は、設定部の一例であり、設定部142と同様の機能を有する。設定回路342は、第1入力装置105又は第1通信装置122からプロファイルを受信し、受信したプロファイルを第1記憶装置130に設定するとともに、撮像装置117又はモータ121を設定する。
【0179】
取得回路343は、取得部の一例であり、取得部143と同様の機能を有する。取得回路343は、撮像装置117から入力画像を取得し、第1記憶装置130に記憶する。
【0180】
特定回路344は、特定部の一例であり、特定部144と同様の機能を有する。特定回路344は、第1記憶装置130から入力画像を読み出し、入力画像における各設定項目に関連する特徴情報を特定し、特定した特徴情報を第1記憶装置130に記憶する。
【0181】
判定回路345は、判定部の一例であり、判定部145と同様の機能を有する。判定回路345は、第1記憶装置130から入力画像における特徴情報及びプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値を読み出す。また、判定回路345は、第2取得回路347から、設定されたプロファイルに従って過去に生成された過去画像における複数の特徴情報を受信する。また、判定回路345は、第3取得回路346から複数のプロファイルを受信する。判定回路345は、読み出した各情報及び/又は受信した各情報に基づいて、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、判定結果を第1記憶装置130に記憶する。
【0182】
第3取得回路346は、第3取得部の一例であり、第3取得部146と同様の機能を有する。第3取得回路346は、複数のプロファイルを、第1通信装置122から受信し又は第1記憶装置130から読み出し、判定回路345に出力する。
【0183】
第2取得回路347は、第2取得部の一例であり、第2取得部147と同様の機能を有する。第2取得回路347は、第1記憶装置130から、設定されたプロファイルに従って過去に生成された過去画像における複数の特徴情報を読み出し、判定回路345に出力する。
【0184】
以上詳述したように、画像読取装置は、第1処理回路340を用いる場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0185】
図16は、さらに他の実施形態に係る情報処理装置における第2記憶装置410及び第2処理回路420の概略構成を示す図である。
【0186】
図16に示すように、第2記憶装置410には、制御プログラム411、設定プログラム412、取得プログラム413、特定プログラム414、判定プログラム415、第3取得プログラム416及び第2取得プログラム417が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第2処理回路420は、第1記憶装置130に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部421、設定部422、取得部423、特定部424、判定部425、第3取得部426及び第2取得部427として機能する。
【0187】
制御部421、設定部422、取得部423、特定部424、判定部425、第3取得部426及び第2取得部427は、それぞれ画像読取装置100の制御部141、設定部142、取得部143、特定部144、判定部145、第3取得部146及び第2取得部147と同様の機能を有する。第2記憶装置410は、第1記憶装置130が記憶する各データを記憶する。画像読取処理のステップS101~S102、S104~S122、S201~S202、S204~S214の処理は、制御部421、設定部422、取得部423、特定部424、判定部425、第3取得部426及び第2取得部427により実行される。
【0188】
ステップS101、S201において、制御部421は、利用者により第2入力装置201を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて操作信号を第2入力装置201から受信するまで待機する。制御部421は、受信した操作信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。
【0189】
ステップS102、S202において、設定部422は、操作信号に含まれるプロファイルを取得する。設定部422は、取得したプロファイルを第1記憶装置130に設定し且つ取得したプロファイルに応じた入力画像を生成することを要求する要求信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。画像読取装置100の設定部142は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から要求信号を受信する。設定部142は、受信した要求信号で指定されたプロファイルを第1記憶装置130に設定するとともに、プロファイルに応じた入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。これにより、設定部422は、利用者により指定されたプロファイルを設定する。
【0190】
ステップS104、S204において、制御部421は、モータ121を駆動させることを要求する要求信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。画像読取装置100の制御部141は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から要求信号を受信し、受信した要求信号に従ってモータ121を駆動させる。これにより、制御部421は、媒体を給送及び搬送させる。
【0191】
ステップS105、S205において、取得部143は、入力画像を、第1通信装置122を介して情報処理装置200に送信する。取得部423は、第2通信装置203を介して画像読取装置100から入力画像を受信することにより取得する。
【0192】
ステップS206において、特定部424は、各情報を第2記憶装置210の履歴テーブルに記憶し、ステップS207において、第2取得部427は、第2記憶装置210の履歴テーブルを参照し、各情報を取得する。ステップS208において、判定部425は、第2記憶装置210の集計テーブルを用いて、第1一致度合い及び第2一致度合いを算出する。
【0193】
ステップS110、S210において、第3取得部426は、設定されたプロファイル以外のプロファイルを含む複数のプロファイルを取得する。第3取得部426は、複数のプロファイルを、第2通信装置203を介して不図示のサーバから受信することにより取得する。各プロファイルは予め第2記憶装置210に記憶され、第3取得部426は複数のプロファイルを第2記憶装置210から読み出すことにより取得してもよい。
【0194】
ステップS114、S214において、制御部421は、モータ121を停止させることを要求する要求信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。画像読取装置100の制御部141は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から要求信号を受信し、受信した要求信号に従ってモータ121を停止させる。これにより、制御部421は、入力画像を生成した画像読取装置100による画像生成処理を停止させる。
【0195】
ステップS117において、制御部421は、通知データを、第2表示装置202に表示し、又は、第2通信装置203を介して他の情報処理装置200に送信することにより出力し、利用者に通知する。ステップS118において、制御部421は、指示信号を第2入力装置201又は第2通信装置203を介して他の情報処理装置200から受信する。ステップS121において、制御部421は、モータ121を再駆動させることを要求する要求信号を、第2通信装置203を介して画像読取装置100に送信する。画像読取装置100の制御部141は、第1通信装置122を介して情報処理装置200から要求信号を受信し、受信した要求信号に従ってモータ121を再駆動させる。ステップS122において、制御部421は、処理画像を第2表示装置202に表示することにより出力する。
【0196】
なお、上記において情報処理装置の各部により実行される各処理のうちの一部は、画像読取装置の対応する各部により実行されてもよい。
【0197】
以上詳述したように、画像処理システムは、情報処理装置が画像読取処理の一部を実行する場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0198】
図17は、さらに他の実施形態に係る情報処理装置における第2処理回路520の概略構成を示すブロック図である。
【0199】
第2処理回路520は、第2処理回路420の代わりに用いられ、画像読取処理等を実行する。第2処理回路520は、制御回路521、設定回路522、取得回路523、特定回路524、判定回路525、第3取得回路526及び第2取得回路527等を有する。
【0200】
制御回路521は、制御部の一例であり、制御部421と同様の機能を有する。制御回路521は、第2入力装置201から操作信号を受信し、受信した操作信号を第2通信装置203に出力する。また、制御回路521は、第2記憶装置210から入力画像を読み出し、処理画像を生成し、第2表示装置202に出力する。
【0201】
設定回路522は、設定部の一例であり、設定部422と同様の機能を有する。設定回路522は、第2入力装置201からプロファイルを受信し、第2記憶装置210に設定するとともに、第2通信装置203に出力する。
【0202】
取得回路523は、取得部の一例であり、取得部423と同様の機能を有する。取得回路523は、第2通信装置203から入力画像を受信し、第2記憶装置210に記憶する。
【0203】
特定回路524は、特定部の一例であり、特定部424と同様の機能を有する。特定回路524は、第2記憶装置210から入力画像を読み出し、入力画像における各設定項目に関連する特徴情報を特定し、特定した特徴情報を第2記憶装置210に記憶する。
【0204】
判定回路525は、判定部の一例であり、判定部425と同様の機能を有する。判定回路525は、第2記憶装置210から入力画像における特徴情報及びプロファイルに含まれる複数の設定項目毎の設定値を読み出す。また、判定回路525は、第2取得回路527から、設定されたプロファイルに従って過去に生成された過去画像における複数の特徴情報を受信する。また、判定回路525は、第3取得回路526から複数のプロファイルを受信する。判定回路525は、読み出した各情報及び/又は受信した各情報に基づいて、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを判定し、判定結果を第2記憶装置210に記憶する。
【0205】
第3取得回路526は、第3取得部の一例であり、第3取得部426と同様の機能を有する。第3取得回路526は、複数のプロファイルを、第2通信装置203から受信し又は第2記憶装置210から読み出し、判定回路525に出力する。
【0206】
第2取得回路527は、第2取得部の一例であり、第2取得部427と同様の機能を有する。第2取得回路527は、第2記憶装置210から、設定されたプロファイルに従って過去に生成された過去画像における複数の特徴情報を読み出し、判定回路525に出力する。
【0207】
以上詳述したように、情報処理装置は、第2処理回路520を用いる場合も、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0208】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、制御部141は、
図9のステップS118において、利用者から第1入力装置105又は情報処理装置200を用いて、媒体の搬送及び撮像の再開指示とともに、プロファイルの変更指示を受け付けてもよい。利用者から媒体の搬送及び撮像の再開指示並びにプロファイルの変更指示を受け付けた場合、制御部141は、ステップS121へ処理を移行して、モータ121を再駆動し、各ローラを再回転させる。次に、ステップS122において、制御部141は、利用者により新たに指定されたプロファイルに従って、入力画像に対して画像処理を実施して処理画像を生成する。また、設定部142は、利用者により新たに指定されたプロファイルに示される設定に従って入力画像が生成されるように、各設定を撮像装置117、モータ121等を設定する。これにより、利用者は、媒体を載置台103に再セットして再搬送及び再撮像する必要がなくなり、画像読取装置100は、利用者の利便性をより向上させることができる。
【0209】
また、
図8、9のステップS106~S121の処理、又は、
図12、9のステップS206~S214、S115~S121の処理は、一つの媒体が搬送されるたびに実行されるのでなく、載置台103に載置された全ての媒体の搬送が完了した時、即ちステップS124の後に実行されてもよい。その場合、生成された各入力画像に対してステップS106~S121の処理又はステップS206~S214、S115~S121が実行され、ステップS114又はS214の処理と、S121の処理とは省略される。制御部141は、少なくとも一つの入力画像についてプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合、通知データ1100を生成して出力する。その場合、通知データ1100の詳細情報1102には、プロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された各入力画像についての推奨プロファイル、推奨装置又は推奨ソフトウェア等が示される。また、画像1103としてプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された全ての入力画像が表示される。また、再開ボタン1104は省略される。
【0210】
また、
図8のステップS114又は
図12のステップS214において、制御部141は、所定数以上の媒体についてプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合に媒体の搬送を停止させてもよい。または、制御部141は、所定割合以上の媒体についてプロファイルが入力画像の特徴に適合しないと判定された場合に媒体の搬送を停止させてもよい。
【0211】
また、
図8、9のステップS106~S121の処理、又は、
図12、9のステップS206~S214、S115~S121の処理は、全ての媒体に対して実行されるのでなく、特定の媒体(例えば先頭の媒体)のみに対して実行されてもよい。
【0212】
また、
図8のステップS102又は
図12のステップS202において、設定部142は、画像読取装置100がサポートする最大解像度より低い初期解像度を有する入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定してもよい。これにより、画像読取装置100は、高速で媒体を搬送し撮像することができ、画像読取処理の処理時間を低減することができる。この場合、設定部142は、過去に、今回設定されたプロファイルに示される解像度より高い解像度を有する入力画像が生成されるべき媒体に対して、そのプロファイルが誤って設定されたことがあったか否かを判定する。過去にそのようなことがあった場合、設定部142は、初期解像度より高い解像度を有する入力画像が生成されるように撮像装置117、モータ121等を設定する。これにより、画像読取装置100は、画像読取処理の処理時間を低減しつつ、設定されたプロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを適切に判定することができる。
【0213】
また、判定部145は、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かを、入力画像全体を用いて判定するのでなく、入力画像の一部(先頭側の一部)のみを用いて判定してもよい。その場合、第1処理回路140は、取得部143が撮像装置117から所定数のライン分の入力画像を取得した時点で、ステップS106~S121の処理を実行する。これにより、画像読取装置100は、プロファイルが入力画像の特徴に適合するか否かをより早期に判定することができる。
【0214】
また、画像読取装置は、いわゆるUターンパスを有し、載置台に載置された媒体を上側から順に給送及び搬送し、排出台に排出してもよい。
【符号の説明】
【0215】
1 画像処理システム、100 画像読取装置、141、421 制御部、142、422 設定部、143、423 取得部、144、424 特定部、145、425 判定部、146、426 第3取得部、147、427 第2取得部、200 情報処理装置