(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175374
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】通話制御装置、通話装置、通話制御方法、通話方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/56 20060101AFI20241211BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20241211BHJP
H04M 1/72412 20210101ALI20241211BHJP
G10K 11/178 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H04M3/56
H04M1/00 V
H04M1/72412
G10K11/178 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093112
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522237542
【氏名又は名称】NTTソノリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】門脇 正天
(72)【発明者】
【氏名】小林 和則
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 拓斗
(72)【発明者】
【氏名】柿山 陽一郎
【テーマコード(参考)】
5D061
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5D061FF02
5K127AA11
5K127BA03
5K127DA11
5K127DA13
5K127GA12
5K127HA11
5K127JA14
5K127JA15
5K127KA04
5K201BB09
5K201BD02
5K201BD04
5K201CA01
5K201CC04
5K201CC08
5K201EC06
5K201ED04
(57)【要約】
【課題】通話時に操作を行うことなく、近くの通話装置間で通話を行う。
【解決手段】通話制御装置は、複数の通話装置の位置関係を表す位置関係情報を用い、複数の通話装置のうち、相互の距離が基準距離よりも近い通話装置の組を含む会話グループを選択し、当該会話グループに属する通話装置間で通話を行うための制御を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通話装置の位置関係を表す位置関係情報を用い、前記複数の通話装置のうち、相互の距離が基準距離よりも近い通話装置の組を含む会話グループを選択する選択部と、
前記会話グループに属する通話装置間で通話を行うための制御を行う通話制御部と、
を有する通話制御装置。
【請求項2】
請求項1の通話制御装置であって、
前記通話制御部は、前記会話グループに属する前記通話装置の周囲の騒音レベルが第1基準騒音レベルよりも大きいことを条件に、前記会話グループに属する前記通話装置に、前記会話グループに属する前記通話装置間で通話を行うための通話処理を実行させる、通話制御装置。
【請求項3】
請求項2の通話制御装置であって、
前記通話制御部は、前記会話グループに属する何れかの前記通話装置の周囲の騒音レベルが前記第1基準騒音レベルよりも大きいことを条件に、前記会話グループに属するすべての前記通話装置に前記通話処理を実行させる、通話制御装置。
【請求項4】
請求項2または3の通話制御装置であって、
前記通話処理は、前記会話グループに属する前記通話装置の利用者の耳に前記通話装置の周囲の音が到達することを抑制しながら、前記会話グループに属する前記通話装置間で通話を行うための処理であり、
前記会話グループに属する前記通話装置に前記通話処理を実行させないときに、前記会話グループに属する前記通話装置に、前記利用者の耳に前記周囲の音を伝える外音取り込み処理を実行させる、通話制御装置。
【請求項5】
請求項2または3の通話制御装置であって、
前記第1基準騒音レベルは、前記会話グループに属する前記通話装置間の距離に応じて異なり、
前記会話グループに属する前記通話装置間の距離が第1距離である場合の前記第1基準騒音レベルは、前記会話グループに属する前記通話装置間の距離が前記第1距離よりも遠い第2距離である場合の前記第1基準騒音レベルよりも大きい、通話制御装置。
【請求項6】
請求項2または3の通話制御装置であって、
前記通話処理は、前記会話グループに属する前記通話装置の利用者の耳に前記通話装置の周囲の音が到達することを抑制しながら、前記会話グループに属する前記通話装置間で通話を行うための処理であり、
前記第1基準騒音レベルは、前記会話グループに属する前記通話装置間の距離に応じて異なり、
前記第1基準騒音レベルよりも大きい第2基準騒音レベルが定められており、
前記通話制御部は、前記会話グループに属する前記通話装置の周囲の騒音レベルが前記第2基準騒音レベルよりも大きいことを条件に、前記会話グループに属する前記通話装置間の距離にかかわらず、前記会話グループに属する前記通話装置に前記通話処理を実行させる、
通話制御装置。
【請求項7】
請求項6の通話制御装置であって、
前記通話制御部は、前記会話グループに属する前記通話装置の周囲の騒音レベルが前記第2基準騒音レベルよりも大きいことを条件に、前記会話グループに属さない前記通話装置に、前記会話グループに属さない前記通話装置の利用者の耳に前記通話装置の周囲の音が到達することを抑制する遮音処理を実行させる、通話制御装置。
【請求項8】
請求項1の通話制御装置であって、
前記通話制御部は、前記会話グループに属する通話装置のうち、利用者の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件を満たす通話装置に、前記会話グループに属する通話装置間で通話を行うための通話処理を実行させる、通話制御装置。
【請求項9】
請求項2または3の通話制御装置であって、
前記通話制御部は、
前記会話グループに属する前記通話装置の周囲の騒音レベルが前記第1基準騒音レベルよりも大きいことを条件に、前記会話グループに属する前記通話装置のうち、利用者の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件を満たす前記通話装置に、前記通話処理を実行させる、通話制御装置。
【請求項10】
請求項9の通話制御装置であって、
前記通話処理は、前記会話グループに属する前記通話装置の利用者の耳に前記通話装置の周囲の音が到達することを抑制しながら、前記会話グループに属する前記通話装置間で通話を行うための処理であり、
前記通話制御部は、前記会話グループに属する前記通話装置の周囲の騒音レベルが前記第1基準騒音レベル以下であることを条件に、前記会話グループに属する前記通話装置のうち、利用者の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件を満たす前記通話装置に、前記利用者の耳に前記周囲の音を伝える外音取り込み処理を実行させる、通話制御装置。
【請求項11】
複数の通話装置を含む通話システムの通話装置であって、
前記通話装置の位置関係を表す位置関係情報を抽出する位置関係情報抽出部と、
前記通話装置が会話グループに属することを条件として、前記会話グループに属する他の通話装置との通話を行う通信部と、を有し、
前記会話グループは、相互の距離が基準距離よりも近い通話装置の組を含むグループである、通話装置。
【請求項12】
請求項11の通話装置であって、
前記通信部は、前記通話装置が前記会話グループに属し、かつ、前記通話装置の周囲の騒音レベルが第1基準騒音レベルよりも大きいことを条件に、前記会話グループに属する前記他の通話装置と通話を行う、通話装置。
【請求項13】
請求項12の通話装置であって、
前記通信部は、前記通話装置が前記会話グループに属し、かつ、前記会話グループに属する何れかの通話装置の周囲の騒音レベルが前記第1基準騒音レベルよりも大きいことを条件に、前記会話グループに属する前記他の通話装置と通話を行う、通話装置。
【請求項14】
選択部において、複数の通話装置の位置関係を表す位置関係情報を用い、前記複数の通話装置のうち、相互の距離が基準距離よりも近い通話装置の組を含む会話グループを選択する選択ステップと、
通話制御部において、前記会話グループに属する通話装置間で通話を行うための制御を行う通話制御ステップと、
を有する通話制御方法。
【請求項15】
複数の通話装置を含む通話システムの通話装置による通話方法であって、
位置関係情報抽出部が、前記通話装置の位置関係を表す位置関係情報を抽出する出力ステップと、
通信部が、前記通話装置が会話グループに属することを条件として、前記会話グループに属する他の通話装置との通話を行う通話ステップと、を有し、
前記会話グループは、相互の距離が基準距離よりも近い通話装置の組を含むグループである、通話方法。
【請求項16】
請求項1から3の何れかの通話制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項11から13の何れかの通話装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
トランシーバで通話を行う場合には、予め使用するチャネルを選択し、通話を行うトランシーバのグループを設定しておく。利用者が発話を行う際にトランシーバのPTT(Push To Talk)ボタンを押下すると、そのトランシーバと同一のグループに属するトランシーバへ発話信号が送信される。これにより、通話を行うことができる(例えば、非特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トランシーバで通話を行う場合、発話を行う利用者がトランシーバのPTTボタンを押下しなければならない。そのため、例えば、作業によって手がふさがっていたり、手が汚れていたり、分厚い手袋をしている等の理由によってPTTボタンを押下できない場合、通話を行うことができない。このような問題はトランシーバで通話を行う場合に限られたものではなく、通話を行う際に何らかの操作が必要な通話装置に共通するものである。
【0005】
以下では、通話時に操作を行うことなく、近くの通話装置間で通話を行うことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
通話制御装置は、複数の通話装置の位置関係を表す位置関係情報を用い、複数の通話装置のうち、相互の距離が基準距離よりも近い通話装置の組を含む会話グループを選択し、当該会話グループに属する通話装置間で通話を行うための制御を行う。
【発明の効果】
【0007】
これにより、通話時に操作を行うことなく、近くの通話装置間で通話を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の通話システムの構成を例示するための概念図である。
【
図2】
図2Aおよび
図2Bは、実施形態の通話装置が含む入出力装置の構成を例示するための概念図である。
【
図3】
図3Aおよび
図3Bは、実施形態の入出力装置の制御部の機能構成を例示するためのブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態の通話装置が含む端末装置の機能構成を例示するためのブロック図である
【
図5】
図5は、会話グループの選択方法を例示するための概念図である。
【
図6】
図6は、会話グループの選択方法を例示するための概念図である。
【
図7】
図7は、会話グループの選択方法を例示するための概念図である。
【
図8】
図8は、会話グループの選択方法を例示するための概念図である。
【
図9】
図9は、会話グループの選択方法を例示するための概念図である。
【
図10】
図10は、会話グループの選択方法を例示するための概念図である。
【
図11】
図11は、実施形態の通話制御処理の内容を例示するための概念図である。
【
図13】
図13Aはメッシュ型の通信方式を例示するためのブロック図である。
図13Bはスター型の通信方式を例示するためのブロック図である。
【
図14】
図14は、多地点通信制御装置の構成を例示するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態を説明する。本形態では、複数の通話装置の位置関係を表す位置関係情報を用い、複数の通話装置のうち、相互の距離が基準距離よりも近い通話装置の組を含む会話グループを選択し、会話グループに属する通話装置間で通話を行うための制御を行う。これにより、通話装置の利用者が通話時に操作を行うことなく、近くの通話装置間で通話を行うことができる。以下、この具体例を説明する。
【0010】
<構成>
図1に例示するように、本形態の通話システム1は、通話制御装置11およびN個の通話装置12-1,…,12-Nを有する。本形態の通話制御装置11と通話装置12-1,…,12-Nとは、ネットワーク(例えば、インターネットやローカルエリアネットワーク等)を通じ、互いに通信可能なように構成されている。なお、Nは2以上の整数である。例えば、Nは3以上の整数である。通話装置12-1,…,12-Nのそれぞれを、通話装置12-iと表現する。ここでi=1,2,…,Nである。以降、通話装置12-iの総称を通話装置12と表現する。すなわち、参照符号「12-i」の総称を「12」と表記する。その他の名称に付される参照符号についても「δ-i」の総称を「δ」と表記する。
【0011】
<通話制御装置11>
図1に例示するように、本形態の通話制御装置11は、通信部111、記憶部112、選択部113、および通話制御部114を有する。
【0012】
<通話装置12>
図1に例示するように、本形態の通話装置12は、入出力装置121,122および端末装置123を有する。
【0013】
<入出力装置121>
図2Aに例示するように、本形態の入出力装置121は、利用者1000の一方の耳1010(例えば、右耳)に装着されるように構成されている。本形態の入出力装置121は、制御部1211、スピーカ1212、マイクロホン1213(耳内マイクロホン)、マイクロホン1214(外部マイクロホン)、筐体1215、およびイヤーチップ1216(イヤーピース、イヤーパッド)を有する。なお、
図2Aでは、イヤホン型の入出力装置121を例示するが、これは本発明を限定するものではない。
【0014】
筐体1215は、中空の中空部12151,12152および先端部12153を有している。筐体1215の中空部12151側の壁には音孔1215aが設けられている。音孔1215aは筐体1215の壁よりも音を透過しやすい孔であり、例えば、貫通孔等である。先端部12153の径は中空部12152の径よりも小さく、中空部12152の先端部12153側の領域はテーパー状に形成され、中空部12152につながっている。先端部12153の端部は開放端12153aとなっており、この開放端12153aを通じて中空部12152および先端部12153の内部が開放端12153aの外方に開放されている。先端部12153の外側には、先端部12153を囲むイヤーチップ1216が取り付けられている。
【0015】
中空部12151の内部には制御部1211が取り付けられ、制御部1211はスピーカ1212およびマイクロホン1213,1214と電気的に接続されている。スピーカ1212は、中空部12151と中空部12152の間に取り付けられている。マイクロホン1213は、例えば、先端部12153内部の中空部12152側の位置に取り付けられている。ここで、マイクロホン1213は、利用者1000の身体を伝達した音響信号(例えば、利用者1000の音声信号)を集音するように構成されている。マイクロホン1214は中空部12151の内部に配置されている。マイクロホン1214の受音位置は、音孔1215aの近傍であり、マイクロホン1214はこの音孔1215aを通じて筐体1215の外部の音を集音できるように構成されている。
図2Aの例では、マイクロホン1214はスピーカ1212の背面側に配置されている。
【0016】
入出力装置121は、開放端12153aを利用者1000の一方の鼓膜1012側(例えば、右耳の鼓膜)に向けた状態で、イヤーチップ1216が取り付けられた先端部12153が耳1010の外耳道10121に挿入されるように構成されている。これにより、先端部12153の内部に取り付けられたマイクロホン1213が、外耳道1011の近傍(外耳道1011とつながっている空間)または外耳道1011の中に配置される。一方、中空部12151の内部に配置されたマイクロホン1214は、外耳道1011の外側に配置される。
【0017】
<入出力装置122>
図2Bに例示するように、本形態の入出力装置122は、利用者1000の一方の耳1020(例えば、左耳)に装着されるように構成されている。本形態の入出力装置122は、制御部1221、スピーカ1222、マイクロホン1223(耳内マイクロホン)、マイクロホン1224(外部マイクロホン)、筐体1225、およびイヤーチップ1226を有する。なお、
図2Bでは、イヤホン型の入出力装置122を例示するが、これは本発明を限定するものではない。
【0018】
筐体1225は、中空の中空部12251,12252および先端部12253を有している。筐体1225の中空部12251側の壁には音孔1225aが設けられている。音孔1225aは筐体1225の壁よりも音を透過しやすい孔であり、例えば、貫通孔等である。先端部12253の径は中空部12252の径よりも小さく、中空部12252の先端部12253側の領域はテーパー状に形成され、中空部12252につながっている。先端部12253の端部は開放端12253aとなっており、この開放端12253aを通じて中空部12252および先端部12253の内部が開放端12253aの外方に開放されている。先端部12253の外側には、先端部12253を囲むイヤーチップ1226が取り付けられている。
【0019】
中空部12251の内部には制御部1221が取り付けられ、制御部1221はスピーカ1222およびマイクロホン1223,1224と電気的に接続されている。スピーカ1222は、中空部12251と中空部12252の間に取り付けられている。マイクロホン1223は、例えば、先端部12253内部の中空部12252側の位置に取り付けられている。ここで、マイクロホン1223は、利用者1000の身体を伝達した音響信号を集音するように構成されている。マイクロホン1224は中空部12251の内部に配置されている。マイクロホン1224の受音位置は、音孔1225aの近傍であり、マイクロホン1224はこの音孔1225aを通じて筐体1225の外部の音を集音できるように構成されている。
図2Bの例では、マイクロホン1224はスピーカ1222の背面側に配置されている。
【0020】
入出力装置122は、開放端12253aを利用者1000の一方の鼓膜1022側(例えば、左耳の鼓膜)に向けた状態で、イヤーチップ1226が取り付けられた先端部12253が耳1020の外耳道10122に挿入されるように構成されている。これにより、先端部12253の内部に取り付けられたマイクロホン1223が、外耳道1021の近傍(外耳道1021とつながっている空間)または外耳道1021の中に配置される。一方、中空部12251の内部に配置されたマイクロホン1224は、外耳道1021の外側に配置される。
【0021】
<制御部1211>
図3Aに例示するように、本形態の制御部1211は、通信部1211a、合成部1211b、およびANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)処理部1211cを有する。
図3Bに例示するように、本形態の制御部1221は、通信部1221a、合成部1221b、およびANC処理部1221cを有する。
【0022】
<端末装置123>
図4に例示するように、本形態の端末装置123は、通信部1231、制御部1232、および位置関係情報抽出部1233を有する。端末装置123の例は、スマートフォン端末装置やスマートやスマートウォッチ端末装置等であるが、これは本発明を限定するものではない。
【0023】
<処理>
次に、本形態の通話システム1の処理を例示する。
図1に例示するように、本形態ではN人(複数人)の利用者1000-iが、それぞれ、通話装置12-iを利用する。本形態の各利用者1000-iは、前述のように耳1010-i,1020-iに入出力装置121-i,122-iを装着し、端末装置123-iを携帯する。
【0024】
<通話装置情報の抽出処理(ステップS11)>
図4に例示するように、各通話装置12-iが有する端末装置123-iの位置関係情報抽出部1233-iは、通話装置12-iの位置関係を表す位置関係情報u-iを抽出して出力する。以下に位置関係情報u-iの具体例を示す。
【0025】
<位置関係情報u-iの具体例1>
各通話装置12-iが有する端末装置123-iの位置関係情報抽出部1233-iは、通話装置12-iの位置を表す情報を位置関係情報u-iとして抽出して出力してもよい。通話装置12-iの位置は、端末装置123-iの位置であってもよいし、入出力装置121-iの位置であってもよいし、入出力装置122-iの位置であってもよいし、それらの何れかの位置に対して定まる位置であってもよい。位置を表す情報は、例えば、絶対的な座標(例えば、グローバル座標)であってもよいし、相対的な座標(例えば、相対座標)であってもよい。例えば、位置を表す情報は、GPS(global positioning system)等の衛星システムに基づく位置情報であってもよいし、基地局からの電波の強度を利用した位置情報であってもよいし、無線LAN(local area network)ルーターからの電波の強度を利用した位置情報であってもよいし、その他の位置情報であってもよい。また、位置関係情報u-iとして、さらに、特定の位置に近づいたか否かが抽出されてもよい。例えば、位置関係情報抽出部1233-iは、RFIDタグやBluetooth(登録商標)を利用し、さらに、通話装置12-iのゲートの通過や特定の設備に近づいたこと等を位置関係情報u-iとして抽出してもよい。
【0026】
<位置関係情報u-iの具体例2>
例えば、各通話装置12-iが有する端末装置123-iの位置関係情報抽出部1233-iは、通話装置12-iに対する他の通話装置12-i’の相対位置に基づく情報を抽出し、この相対位置に基づく情報を位置関係情報u-iとして出力してもよい。ここでi’≠iかつi’∈{1,…,N}である。相対位置に基づく情報は、例えば、端末装置123-iの位置、入出力装置121-iの位置、入出力装置122-iの位置、またはそれら何れかの位置に対して定まる位置に対する、端末装置123-i’の位置、入出力装置121-i’の位置、入出力装置122-i’の位置、またはそれらの何れか位置に対して定まる位置の相対位置である。例えば、相対位置に基づく情報は、端末装置123-iに対する端末装置123-i’の相対位置(例えば、相対座標)を表す情報であってもよいし、端末装置123-iと端末装置123-i’との距離を表す情報であってもよい。なお、このような情報は、例えば、Bluetooth(登録商標)の電波強度から距離を推定する方法や衛星システムに基づく位置情報等を用いて抽出できる(位置関係情報u-iの具体例の説明終わり)。
【0027】
位置関係情報抽出部1233-i(
図4)は、位置関係情報u-iを制御部1232-iに送る。制御部1232-iは、位置関係情報u-iを通信部1231-iに送り、通信部1231は位置関係情報u-iを通話制御装置11(
図1)に送信する。位置関係情報u-iは、通話制御装置11の通信部111で受信され、記憶部112に格納される。
【0028】
上述した通話装置情報の抽出処理(ステップS11)は、例えば、定期的(例えば、10秒ごと)に行われてもよいし、所定の契機で行われてもよいし、それら両方で行われてもよい。この所定の契機としては、例えば、何れかの通話装置12-iの起動が検出されたこと、何れかの通話装置12-iの移動が検出されたこと、何れかの通話装置12-iの姿勢の変化が検出されたこと、何れかの通話装置12-iの加速度や各加速度の変化が検出されたこと、何れかの通話装置32-iで発話が検出された等を例示できる。
【0029】
<会話グループの選択処理(ステップS12)>
上述した通話装置情報の抽出処理(ステップS11)により、通話制御装置11(
図1)の記憶部112には、複数の通話装置12-jから送信された位置関係情報u-jが格納される。ここでj∈{1,…,N}である。前述のように、位置関係情報u-jは、それぞれ、通話装置12-jを含む複数の通話装置12の位置関係を表す。通話制御装置11の選択部113は、記憶部112に格納された位置関係情報u-jを用い、複数の通話装置12-1,…,12-Nのうち、相互の距離が基準距離RDよりも近い通話装置12-i
1および通話装置12-i
2の組を含む会話グループGを選択し、会話グループGを特定するための情報を出力する。会話グループGを特定するための情報は通話制御部114に送られる。ここで、i
1≠i
2かつi
1,i
2∈{1,…,N}である。例えば、選択部113は、記憶部112に格納された位置関係情報u-jを用いて通話装置12間の距離を計算し、得られた距離が基準距離RDよりも近いか否かを判定して会話グループGを選択する。なお、基準距離RDには限定はない。基準距離RDは、予め定められていてもよいし、入力によって定められてもよいし、エリアに応じて定められてもよい。基準距離RDの具体例は、例えば、3m,5m,10m等である。例えば、基準距離RDは0mよりも大きく30m以下の距離である。しかし、これは本発明を限定するものではない。選択部113は、単数の会話グループGを選択してもよいし、複数の会話グループGを選択してもよい。また、いずれかの通話装置12が、複数の会話グループGに属していてもよい。以下に会話グループGの具体例を示す。
【0030】
<会話グループGの具体例1>
選択部113は、例えば、複数の通話装置12-1,…,12-Nのうち、相互の距離が基準距離RDよりも近い通話装置12-i1および通話装置12-i2の組でつながる通話装置12の集合を会話グループG=Ghとして選択してもよい。ここで、h∈{1,・・・,H}であり、Hは会話グループの総数を表す正整数である。すなわち、会話グループG=Ghに属するすべての通話装置12-k1は、この会話グループG=Ghに属する他の何れかの通話装置12-k2から基準距離RDよりも近い位置に配置されている。言い換えると、会話グループG=Ghに属する通話装置12-k1から基準距離RDよりも近い位置に配置されている通話装置12-k2は、必ずこの会話グループGに属する。ここで、k1≠k2かつk1,k2∈{1,…,N}である。
【0031】
例えば、
図5に例示するように、通話装置12-1と通話装置12-2との距離d
12、通話装置12-2と通話装置12-3との距離d
23、および通話装置12-3と通話装置12-4との距離d
34が、それぞれ、基準距離RDよりも近く、通話装置12-3と通話装置12-5との距離d
35、および通話装置12-4と通話装置12-6との距離d
46が、それぞれ、基準距離RD以上であるとする。すなわち、以下を満たしているとする。
d
12<RD,d
23<RD,d
34<RD
d
35≧RD,d
46≧RD
この場合、選択部113は、例えば、通話装置12-1,12-2,12-3,12-4の集合を会話グループG=G
1として選択する。なお、距離が基準距離RDよりも近いか否かを判断できるのであれば、どのような判定方法が用いられてもよい。例えば、選択部113は、基準距離RDを閾値として用い、距離が基準距離RDよりも小さいか否かを判定してもよいし、基準距離RDよりも大きな値の閾値(例えば、RD+Δであり、Δは最小単位長)を用い、距離が基準距離RD以下であるか否かを判定してもよい。
【0032】
ここで通話装置12-4が移動し、
図6に例示するように、通話装置12-3と通話装置12-4との距離d
34が基準距離RDよりも遠くなったとする。すなわち、以下を満たすようになったとする。
d
12<RD,d
23<RD
d
34≧RD,d
35≧RD,d
46≧RD
この場合、選択部113は、例えば、会話グループG=G
1から通話装置12-4を外し、通話装置12-1,12-2,12-3の集合を会話グループG=G
1として選択しなおす。
【0033】
さらに通話装置12-4が移動し、
図7に例示するように、通話装置12-4と通話装置12-6との距離d
45が基準距離RDよりも近くなったとする。すなわち、以下を満たすようになったとする。
d
12<RD,d
23<RD
d
46<RD
d
34≧RD,d
35≧RD
この場合、選択部113は、例えば、会話グループG=G
1に加え、さらに通話装置12-4,12-6による部分集合を別の会話グループG=G
2として選択する。
【0034】
<会話グループGの具体例2>
選択部113は、例えば、複数の通話装置12-1,…,12-Nのうち、特定の通話装置12-k1(以下、「基準通話装置」という)と、当該基準通話装置12-k1からの距離が基準距離RDよりも近い他の通話装置12とによる集合を会話グループGとして選択してもよい。すなわち、選択部113は、例えば、相互の距離が基準距離RDよりも近い基準通話装置12-k1と他の通話装置12-k2の組による部分集合を、会話グループGとして選択してもよいし、基準通話装置12-k1と他の通話装置12-k2の組と、当該基準通話装置12-k1からの距離が基準距離RDよりも近い他の通話装置12とによる部分集合を、会話グループGとして選択してもよい。
【0035】
選択部113は、どのような基準に従って基準通話装置12-k1を選択してもよい。例えば、選択部113は、互いの距離が基準距離RDよりも近い2個の通話装置12-i1と通話装置12-i2が存在する場合に、その一方を基準通話装置12-k1とする。ここで、i1≠i2かつi1,i2∈{1,…,N}である。例えば、選択部113は、以下のように基準通話装置12-k1を選択する。
・選択部113は、互いの距離が基準距離RDよりも近い2個の通話装置12-i1と通話装置12-i2からランダムに基準通話装置12-k1を選択する。
・選択部113は、互いの距離が基準距離RDよりも近い2個の通話装置12-i1と通話装置12-i2のうち、予め通話装置12-1,…,12-Nに定められた優先順位(例えば、チームリーダを優先する等)に基づいて基準通話装置12-k1を選択する。
・選択部113は、互いの距離が基準距離RDよりも近い2個の通話装置12-i1と通話装置12-i2のうち、より移動していた側の通話装置12を基準通話装置12-k1する。
・選択部113は、互いの距離が基準距離RDよりも近い2個の通話装置12-i1と通話装置12-i2のうち、より移動していなかった側の通話装置12を基準通話装置12-k1とする
なお、一旦、基準通話装置12-k1が選択され、基準通話装置12-k1を含む特定の会話グループGが選択された場合、その会話グループGが消滅するまで、基準通話装置12-k1は維持されることが望ましい。
【0036】
例えば、
図8に例示するように、会話グループG=G
1の基準通話装置が通話装置12-2である場合、通話装置12-1と通話装置12-2との距離d
12、および通話装置12-2と通話装置12-3との距離d
23がそれぞれ、基準距離RDよりも近く、通話装置12-2と通話装置12-4との距離d
24、通話装置12-2と通話装置12-5との距離d
25、および通話装置12-2と通話装置12-6との距離d
26がそれぞれ、基準距離RD以上であるとする。すなわち、以下を満たしているとする。
d
12<RD,d
23<RD
d
24≧RD,d
25≧RD,d
26≧RD
この場合、選択部113は、例えば、基準通話装置12-2と、当該基準通話装置12-2からの距離が基準距離RDよりも近い他の通話装置12-1,12-3とによる部分集合を会話グループG=G
1として選択する。
【0037】
ここで通話装置12-6が移動し、
図9に例示するように、通話装置12-4と通話装置12-6との距離d
46が基準距離RDよりも近くなったとする。すなわち、以下を満たすようになったとする。
d
12<RD,d
23<RD,d
46<RD
d
24≧RD,d
25≧RD,d
26≧RD,d
36≧RD
この場合、選択部113は、例えば、会話グループG=G
1に加え、さらに通話装置12-4,12-6の集合を別の会話グループG=G
2として選択する。この例では、選択部113は、通話装置12-6を会話グループG=G
2の基準通話装置12-6に選択している。
【0038】
さらに通話装置12-6が移動し、
図10に例示するように、通話装置12-3と通話装置12-6との距離d
36が基準距離RDよりも近くなったとする。すなわち、以下を満たすようになったとする。
d
12<RD,d
23<RD,d
36<RD,d
46<RD
d
24≧RD,d
25≧RD,d
26≧RD
この場合、選択部113は、例えば、会話グループG=G
2に通話装置12-3を追加する。これにより、通話装置12-3は、会話グループG=G
1にも会話グループG=G
2にも属することになる。
【0039】
上述した会話グループの選択処理(ステップS12)は、例えば、定期的(例えば、10秒ごと)に行われてもよいし、所定の契機で行われてもよいし、それら両方で行われてもよい。この所定の契機としては、例えば、何れかの通話装置12の起動が検出されたこと、何れかの通話装置12の移動が検出されたこと、何れかの通話装置12の姿勢の変化が検出されたこと、何れかの通話装置12の加速度や各加速度の変化が検出されたこと、記憶部112に新たな位置関係情報uが格納されたこと、記憶部112に新たな位置関係情報uが格納されてから所定の時間が経過したこと等を例示できる。その他、前述のように、位置関係情報u-iとして、さらに、特定の位置に近づいたか否かが抽出されている場合、その情報に基づく契機を当該所定の契機としてもよい。例えば、何れかまたは特定の通話装置12が特定の位置に近づいたことを当該所定の契機としてもよい。具体的には、例えば、何れかまたは特定の通話装置12が、ゲートを通過したときや特定の設備に近づいたときを当該所定の契機としてもよい。
【0040】
<通話制御処理(ステップS13)>
選択部113から出力された会話グループGを特定するための情報は、通話制御装置11(
図1)の通話制御部114に入力される。通話制御部114は、この情報に基づき、同一の会話グループGに属する通話装置12間で通話を行うための制御を行う。すなわち、通話制御部114は、会話グループGに属する通話装置12に、会話グループGに属する通話装置12間で通話を行うための通話処理を実行させる。この際、通話制御部114は、例えば、同一の会話グループG=G
hに属する通話装置12とその会話グループG=G
hに属さない通話装置12との通話を制限してもよい。例えば、通話制御部114は、同一の会話グループG=G
hに属する通話装置12間での通話を可能にし、それ以外の通話装置12間での通話をできないようにしてもよい。
【0041】
<通話制御処理の具体例>
例えば、通話制御部114(
図1)は、同一の会話グループG=G
hに属する各通話装置12-m
hに通話開始の制御信号C
1(G
h)を送信する。ここで、m
h∈{1,…,N}である。制御信号C
1(G
h)は、通話装置12-m
hの端末装置123-m
h(
図4)の通信部1231-m
hで受信され、制御部1232-m
hに送られる。制御信号C
1(G
h)を受け取った制御部1232-m
hは、会話グループG=G
hに属する他の通話装置12-m
h’との通話のための制御を行う。ここで、m
h’≠m
hかつm
h’∈{1,…,N}である。例えば、制御部1232-m
hは、入出力装置121-m
h,122-m
h(
図3Aおよび
図3B)からの送話信号t
1-m
h,t
2-m
hの受信、および入出力装置121-m
h,122-m
hへの受話信号r
1,r
2の送信を許可する(入出力装置121,122の処理の具体例については後述する)。
【0042】
制御部1232-m
hは、通信部1231-m
hが入出力装置121-m
h,122-m
hから送話信号t
1-m
h,t
2-m
hを受信すると、それらを送話パケット(t
1-m
h,t
2-m
h)として通話制御装置11に送信する。通話制御装置11(
図1)の通信部111は、各通話装置12-m
hから送信された送話パケット(t
1-m
h,t
2-m
h)を通話制御部114に送る。通話制御部114は、送られた送話パケット(t
1-m
h,t
2-m
h)をミキシングして、受話パケット(r
1-h,r
2-h)を生成して通信部111に送る。通信部111は、受話パケット(r
1-h,r
2-h)を同一の会話グループG=G
hに属する各通話装置12-m
hに送信する。受話パケット(r
1-h,r
2-h)は、通話装置12-m
hの端末装置123-m
h(
図4)の通信部1231-m
hで受信され、制御部1232-m
hに送られる。制御部1232-m
hは、受話パケット(r
1-h,r
2-h)が表す受話信号r
1-h,r
2-hを通信部1231-m
hから入出力装置121-m
h,122-m
hに送信する。このような処理により、同一の会話グループG=G
hに属する通話装置12-m
h間での通話が可能になる。すなわち、各通話装置12の通信部1231は、会話グループG=G
hに属することを条件として、会話グループG=G
hに属する他の通話装置12の通信部1231と通話ができる。
【0043】
ここで、会話グループG=G
hに新たな通話装置12-m
hが追加されると、通話制御部114(
図1)は、追加された通話装置12-m
hに通話開始の制御信号C
1(G
h)を送信し、上述した通話開始の処理が実行される。一方、会話グループG=G
hから通話装置12-m
h”が外れると、通話制御部114(
図1)は、通話装置12-m
h”に対して通話終了の制御信号C
2(G
h)を送信する。ここで、m
h”∈{1,…,N}である。制御信号C
2(G
h)は、通話装置12-m
h”の端末装置123-m
h”(
図4)の通信部1231-m
h”で受信され、制御部1232-m
h”に送られる。制御信号C
2(G
h)を受け取った制御部1232-m
h”は、会話グループG=G
hに属する他の通話装置12-m
h’との通話を停止するための制御を行う。例えば、制御部1232-m
h”は、入出力装置121-m
h”,122-m
h”(
図3Aおよび
図3B)からの送話信号t
1-m
h”,t
2-m
h”の受信、および入出力装置121-m
h”,122-m
h”への受話信号r
1,r
2の送信を停止する。これにより、最新の会話グループG=G
hに属する通話装置12-m
h間での通話が可能になる(通話制御処理の具体例の説明終わり)。
【0044】
<入出力装置121,122の処理の具体例>
前述のように、利用者1000は、その耳1010,1020に入出力装置121,122を装着し、端末装置123を携帯する(
図1,
図2A,
図2B)。利用者1000が発話を行うと、その音声信号はマイクロホン1213,1223(耳内マイクロホン)およびマイクロホン1214,1224(外部マイクロホン)で観測される。本形態の場合、マイクロホン1213,1223は、主に、利用者1000の身体を伝達した音声信号を観測し、さらに周囲の雑音信号(例えば、騒音信号)も観測する。マイクロホン1214,1224は、空気伝搬した利用者1000の音声信号および周囲の雑音信号(例えば、騒音信号)を観測する。
【0045】
マイクロホン1213,1214で観測された信号は、ANC処理部1211cに送られる。同様に、マイクロホン1223,1224で観測された信号は、ANC処理部1221cに送られる。ANC処理部1211c,1221cは、それぞれ、送られた信号を用い、公知のANC技術によって、利用者の外耳道1011,1021における雑音信号のレベルを低減させるためのANC信号anc1,anc2を生成し、生成したANC信号anc1,anc2をそれぞれ合成部1211b,1221bに送る。合成部1211b,1221bには、それぞれ、前述のように通話装置12から送信され、通信部1211a,1221aで受信された受話信号r1,r2も入力される。合成部1211bは、受話信号r1およびANC信号anc1を合成して再生信号R1を生成し、生成した再生信号R1をスピーカ1212に送る。スピーカ1212は再生信号R1を再生する。合成部1221bは、受話信号r2およびANC信号anc2を合成して再生信号R2を生成し、生成した再生信号R2をスピーカ1222に送る。スピーカ1222は再生信号R2を再生する。これにより、利用者1000は、周囲の雑音信号のレベルを低減させた状態で、通話内容を聴取することができる。すなわち、会話グループG=Ghに属する通話装置12-mhの利用者1000-mhの耳1010-mh,1020-mhに通話装置12-mhの周囲の音が到達することを抑制しながら、会話グループG=Ghに属する通話装置12-mh間で通話を行うことができる。
【0046】
また、マイクロホン1213,1223で観測された信号は、それぞれ、通信部1211a,1221aにも送られる。通信部1211a,1221aは、それぞれ、送られた信号を送話信号t
1,t
2として端末装置123(
図4)に送信する。送話信号t
1,t
2は、端末装置123の通信部1231で受信され、制御部1232に送られる。これにより、利用者1000の発話内容が送信される(入出力装置121,122の処理の具体例の説明終わり)。
【0047】
通話制御処理(ステップS13)は、例えば、定期的(例えば、10秒ごと)に行われてもよいし、所定の契機で行われてもよいし、それら両方で行われてもよい。この所定の契機としては、例えば、何れかの通話装置12の起動が検出されたこと、何れかの通話装置12の移動が検出されたこと、何れかの通話装置12の姿勢の変化が検出されたこと、何れかの通話装置12の加速度や各加速度の変化が検出されたこと、記憶部112に新たな位置関係情報uが格納されたこと、記憶部112に新たな位置関係情報uが格納されてから所定の時間が経過したこと、通話制御部114に会話グループGを特定するための情報が新たに入力されたこと、通話制御部114に会話グループGを特定するための情報が新たに入力されてから所定の時間が経過したこと等を例示できる。
【0048】
<本形態の特徴>
本形態の通話制御装置11は、複数の通話装置12-1,…,12-Nの位置関係を表す位置関係情報uを用い、複数の通話装置12-1,…,12-Nのうち、相互の距離が基準距離RDよりも近い通話装置12-i1,12-i2の組を含む会話グループGを選択し、会話グループGに属する通話装置12間で通話を行うための制御を行う。これにより、通話装置12間の距離が近くなったときに、それらの通話装置12間において自動的に通話が可能になり、距離が離れたときには通話が自動的に切断される。これにより、通話装置12の利用者1000が通話時に手動で操作を行うことなく、近くの通話装置12間で通話を行うことができる。
【0049】
[第1実施形態の変形例1]
第1実施形態では、各端末装置123-iの位置関係情報抽出部1233-iが、自らの位置を表す情報、または端末装置123-iに対する他の端末装置123-i’の相対位置に基づく情報を位置関係情報u-iとして抽出する例を示した。さらに、第1実施形態では、通話制御装置11の選択部113が、このような位置関係情報u-jを用いて通話装置12間の距離を計算し、得られた距離が基準距離RDよりも近いか否かを判定して会話グループGを選択する例を示した。
【0050】
しかし、各通話装置12-iの端末装置123-iの位置関係情報抽出部1233-iが、自らの通話装置12-iに対する相対位置が基準距離RDよりも近い他の通話装置12-i’を検出し、この通話装置12-i’を表す情報(近距離検出情報)を位置関係情報u-iとして抽出してもよい。例えば、位置関係情報抽出部1233-iは、端末装置123-iの位置、入出力装置121-iの位置、入出力装置122-iの位置、またはそれら何れかの位置に対して定まる位置に対する、端末装置123-i’の位置、入出力装置121-i’の位置、入出力装置122-i’の位置、またはそれらの何れか位置に対して定まる位置の相対位置が基準距離RDよりも近い他の通話装置12-i’を検出し、この通話装置12-i’を表す情報を位置関係情報u-iとして抽出してもよい。このような情報は、例えば、Bluetoothの電波の受信強度から抽出できる。
【0051】
さらに、通話制御装置11の選択部113が、このような位置関係情報u-iを用いて会話グループGを選択してもよい。例えば、位置関係情報u-iが通話装置12-i’を表す場合、通話装置12-iと通話装置12-i’との距離dii’は、基準距離RDよりも近い。すなわち、dii’<RDを満たす。一方、通話装置12-iと、位置関係情報u-iに表されていない通話装置12-i”と、の距離dii”は、基準距離RD以上である。すなわち、dii”≧RDを満たす。そのため、選択部113は、このような位置関係情報u-iを用い、第1実施形態で例示したように会話グループGを選択することができる。
【0052】
[第1実施形態の変形例2]
第1実施形態では、ANC処理部1211cがマイクロホン1213,1214で観測された信号を用いてANC信号anc1を生成した。しかし。ANC処理部1211cがマイクロホン1213,1214の何れか一方で観測された信号を用いてANC信号anc1を生成してもよい。同様に、第1実施形態では、ANC処理部1221cがマイクロホン1223,1224で観測された信号を用いてANC信号anc2を生成した。しかし。ANC処理部1221cがマイクロホン1223,1224の何れか一方で観測された信号を用いてANC信号anc2を生成してもよい。
【0053】
ANC処理部1211c,1221cおよび合成部1211b,1221bが省略されてもよい。この場合、マイクロホン1213,1214で観測された信号は、ANC処理部1211cに送られず、送信部1211aに送られる。同様に、マイクロホン1223,1224で観測された信号は、ANC処理部1221cに送られず、送信部1221aに送られる。通信部1211a,1221aは、それぞれ、送られた信号を送話信号t1,t2として通話制御装置11に送信する。また、通信部1211a,1221aで受信された受話信号r1,r2は、合成部1211bに送られず、それぞれ再生信号R1,R2としてスピーカ1212,1222に送られる。
【0054】
[第1実施形態の変形例3]
第1実施形態は、マイクロホン1213,1223が耳内マイクロホンである例を示した。しかし、マイクロホン1213,1223が、身体を伝達した音響信号を集音するように構成されたその他のマイクロホンであってもよい。例えば、マイクロホン1213,1223が、利用者1000の首部分に装着されるように構成された咽喉マイクロホンであってもよいし、頭部、喉、胴体、腕、手等の身体部位に装着されるように構成された骨伝導マイクロホンであってもよい。その他、マイクロホン1213,1223が空気伝搬された音響信号を集音するように構成されたマイクロホンであってもよい。例えば、マイクロホン1213,1223,1214,1224に代えて、利用者1000の口元に配置されるように構成されたマイクロホンが用いられてもよい。
【0055】
[第2実施形態]
複数の通話装置が互いに近づいたとしても、その周囲の騒音レベルが小さい場合には、利用者間で通話を行うよりも直接会話を行う方が好ましい場合もある。例えば、通話によって音質が低下してしまったり、リソースの処理能力を圧迫してしまうような場合である。通常、利用者間の距離が近いほど、会話を行いやすい。しかし、周囲の騒音レベルが非常に大きい場合には、聴覚への悪影響を防ぐために、利用者間の距離にかかわらず、利用者の耳に騒音が到達することを抑制することが好ましい。利用者の耳に騒音が到達することを抑制した場合には、利用者間で直接会話を行うことはできない。本形態では、このようなことを考慮し、通話装置間の距離だけではなく、さらに周囲の騒音レベルに基づいて、通話装置間の通話を制御する。以下では、これまで説明した事項との相違点を中心に説明し、既に説明した事項については、同じ参照番号を用いて説明を簡略化する。
【0056】
<構成>
図1に例示するように、本形態の通話システム2は、通話制御装置21およびN個の通話装置22-1,…,22-Nを有する。本形態の通話制御装置21と通話装置22-1,…,22-Nとは、ネットワークを通じ、互いに通信可能なように構成されている。なお、Nは2以上の整数である。例えば、Nは3以上の整数である。
【0057】
<通話制御装置21>
図1に例示するように、本形態の通話制御装置21は、通信部111、記憶部112、選択部113、および通話制御部214を有する。
【0058】
<通話装置22>
図1に例示するように、本形態の通話装置22は、入出力装置221,222および端末装置223を有する。
【0059】
<入出力装置221>
図2Aに例示するように、本形態の入出力装置221は、利用者1000の一方の耳1010に装着されるように構成されている。本形態の入出力装置221は、制御部2211、スピーカ1212、マイクロホン1213(耳内マイクロホン)、マイクロホン1214(外部マイクロホン)、筐体1215、およびイヤーチップ1216(イヤーピース、イヤーパッド)を有する。制御部2211はスピーカ1212およびマイクロホン1213,1214と電気的に接続されている。なお、
図2Aでは、イヤホン型の入出力装置221を例示するが、これは本発明を限定するものではない。
【0060】
<入出力装置222>
図2Bに例示するように、本形態の入出力装置222は、利用者1000の一方の耳1020に装着されるように構成されている。本形態の入出力装置222は、制御部2221、スピーカ1222、マイクロホン1223(耳内マイクロホン)、マイクロホン1224(外部マイクロホン)、筐体1225、およびイヤーチップ1226を有する。制御部2221はスピーカ1222およびマイクロホン1223,1224と電気的に接続されている。なお、
図2Bでは、イヤホン型の入出力装置222を例示するが、これは本発明を限定するものではない。
【0061】
<制御部2211>
図3Aに例示するように、本形態の制御部2211は、通信部1211a、合成部1211b、およびANC処理部2211cを有する。
図3Bに例示するように、本形態の制御部2221は、通信部1221a、合成部1221b、およびANC処理部2221cを有する。
【0062】
<端末装置223>
図4に例示するように、本形態の端末装置223は、通信部1231、制御部2232、および位置関係情報抽出部1233を有する。端末装置223の例は、スマートフォン端末装置やスマートやスマートウォッチ端末装置等であるが、これは本発明を限定するものではない。
【0063】
<処理>
次に、本形態の通話システム2の処理を例示する。
図1に例示するように、本形態ではN人の利用者1000-iが、それぞれ、通話装置22-iを利用する。本形態の各利用者1000-iは、耳1010-i,1020-iに入出力装置221-i,222-iを装着し、端末装置223-iを携帯する。
【0064】
<通話装置情報の抽出処理(ステップS21)>
図4に例示するように、各通話装置22-iが有する端末装置223-iの位置関係情報抽出部1233-iは、通話装置22-iの位置関係を表す位置関係情報u-iを抽出して出力する。この処理は、例えば、通話装置12-iが通話装置22-iに置換される以外、第1実施形態と同じである。位置関係情報抽出部1233-iは、位置関係情報u-iを制御部2232-iに送る。
【0065】
さらに、各通話装置22-iが有する入出力装置221-i,222-i(
図3Aおよび
図3B)のマイクロホン1214-i,1224-iで、入出力装置221-i,222-iの周囲の音響信号が観測される。マイクロホン1214-i,1224-iでそれぞれ観測された音響信号n
1-i,n
2-iは、それぞれ、通信部1211a-i,1221a-iに送られる。通信部1211a-i,1221a-iは、これらの音響信号n
1-i,n
2-iを端末装置223-i(
図4)に送信する。音響信号n
1-i,n
2-iは、端末装置223-iの通信部1231-iで受信され、制御部2232-iに送られる。
【0066】
制御部2232-i(
図4)は、音響信号n
1-i,n
2-iに基づいて通話装置22-iの周囲の騒音レベルn-iを算出する。騒音レベルn-iは、音響信号n
1-i,n
2-iの大きさを表す。騒音レベルn-iの例は、音響信号n
1-i,n
2-iの振幅の絶対値の和、音響信号n
1-i,n
2-iの振幅の絶対値の平均値、音響信号n
1-i,n
2-iのパワーの和、音響信号n
1-i,n
2-iのパワーの平均値、またはそれらの何れかの関数値等である。この関数値の例は単調増加関数値である。
【0067】
制御部2232-iは、位置関係情報u-iおよび騒音レベルn-iを表す情報を通信部1231-iに送り、通信部1231-iは位置関係情報u-iおよび騒音レベルn-iを表す情報を通話制御装置21(
図1)に送信する。位置関係情報u-iおよび騒音レベルn-iを表す情報は、通話制御装置21の通信部111で受信され、記憶部112に格納される。
【0068】
上述した通話装置情報の抽出処理(ステップS21)は、例えば、定期的に行われてもよいし、所定の契機で行われてもよいし、それら両方で行われてもよい。この所定の契機の具体例は、第1実施形態で例示した通りである。
【0069】
<会話グループの選択処理(ステップS22)>
上述した通話装置情報の抽出処理(ステップS21)により、通話制御装置21(
図1)の記憶部112には、複数の通話装置22-jから送信された位置関係情報u-jおよび騒音レベルn-jを表す情報が格納される。ここでj∈{1,…,N}である。通話制御装置21の選択部113は、記憶部112に格納された位置関係情報u-jを用い、複数の通話装置22-1,…,22-Nのうち、相互の距離が基準距離RDよりも近い通話装置22-i
1および通話装置22-i
2の組を含む会話グループGを選択し、会話グループGを特定するための情報を出力する。この処理は、例えば、通話制御装置11が通話制御装置21に置換され、通話装置12が通話装置22に置換される以外、第1実施形態で説明した会話グループの選択処理(ステップS12)と同じである。会話グループGを特定するための情報は通話制御部114に送られる。
【0070】
<通話制御処理(ステップS23)>
選択部113から出力された会話グループGを特定するための情報は、通話制御装置21(
図1)の通話制御部214に入力される。通話制御部214には、さらに記憶部112から読みだした騒音レベルn-jを表す情報が入力される。通話制御部214は、会話グループGを特定するための情報と騒音レベルn-jを表す情報を用い、会話グループGに属する通話装置22間での通話を制御する。以下、本形態の通話制御処理の詳細を例示する。
【0071】
<領域>
図11は、本形態の通話制御処理の内容を例示するための概念図である。
図11の縦軸は、通話装置22-k
1が会話グループG=G
hに属するか否かを区別するための距離dを表す。すなわち、距離dは、通話装置22-k
1と、会話グループG=G
hに属する他の通話装置22-k
2との間の距離の最小値である。ここで、k
1≠k
2かつk
1,k
2∈{1,…,N}である。例えば、
図5に例示した会話グループGの具体例1の場合、通話装置22-4が会話グループG=G
1に属するか否かを区別するための距離dは距離d
34であり、通話装置22-5が会話グループG=G
1に属するか否かを区別するための距離dは距離d
35である。例えば、
図8に例示した会話グループGの具体例2の場合、通話装置22-4が会話グループG=G
1に属するか否かを区別するための距離dは距離d
24であり、通話装置22-5が会話グループG=G
1に属するか否かを区別するための距離dは距離d
25である。
図11の横軸は、会話グループG=G
hの騒音レベル(騒音値)β[dB]を表す。会話グループG=G
hの騒音レベルβは、例えば、会話グループG=G
hに属する通話装置22の周囲の騒音レベルを表す。会話グループG=G
hの騒音レベルβは、会話グループG=G
hごとに得られてもよいし、会話グループG=G
hに属する通話装置22-kごとに得られてもよいし、会話グループG=G
hに属する複数の通話装置22による部分集合ごとに得られてもよい。例えば、会話グループG=G
hの騒音レベルβは、会話グループG=G
hに属する何れかの通話装置22-kの周囲の騒音レベルn-kであってもよいし、会話グループG=G
hに属するいくつかまたはすべての通話装置22-kの周囲の騒音レベルn-kの平均であってもよいし、会話グループG=G
hに属する通話装置22-kの周囲の騒音レベルn-kの最大値であってもよいし、会話グループG=G
hに属する通話装置22-kの周囲の騒音レベルn-kの最小値であってもよいし、会話グループG=G
hに属する通話装置22-kの周囲の騒音レベルn-kの中央値であってもよいし、それらの何れかの関数値であってもよい。ここで、k∈∈{1,…,N}である。
【0072】
本形態の通話装置22の状態は、
図11の領域A
1,A
2,B
1,B
2,C,Dに区分される、通話制御部214は、各通話装置22が属する領域に応じた通話制御処理を行う。
【0073】
領域A1,A2,B1,B2は、特定の会話グループG=Ghに属する通話装置22の領域である。すなわち、領域A1,A2,B1,B2は、上述の距離dが基準距離RDよりも近い通話装置22が属する領域である(d<RD)。一方、領域C,Dは、会話グループG=Ghに属さない通話装置22の領域である。すなわち、領域C,Dは、上述の距離dが基準距離RD以上である通話装置22が属する領域である(d≧RD)。
【0074】
領域A1は、騒音レベルβが基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL1=β1以下である会話グループG=Ghに属する通話装置22の領域である(d<RD,β≦β1)。β1[dB]は、0以上の定数(予め定められた値)であり、例えば、40≦β1≦60である。
【0075】
領域A2は、騒音レベルβが、β1よりも大きく、基準騒音レベルRNL1=RNL(d)以下である会話グループG=Ghに属する通話装置22の領域である(d<RD,β1<β≦RNL(d))。RNL(d)は、距離dの関数値であり、β1≦RNL(d)≦β2を満たす。β2はβ2>β1を満たす定数(予め定められた値)である。β2[dB]は、例えば、80≦β2≦120である。すなわち、基準騒音レベルRNL1=RNL(d)は会話グループG=Ghに属する通話装置22間の距離dに応じて異なる。例えば、距離dが距離d1(第1距離)である場合の基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL1=RNL(d1)は、距離dが距離d1(第1距離)よりも遠い距離d2(第2距離)である場合の基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL1=RNL(d2)よりも大きい。すなわち、以下の式(1)の関係を満たす。
RNL(d1)>RNL(d2) for d1<d2 (1)
例えば、RNL(d)は、dに対する非単調増加関数値や単調減少関数値である。
【0076】
領域B1は、騒音レベルβが、基準騒音レベルRNL1=RNL(d)よりも大きく(β1≦RNL(d))、β2以下である会話グループG=Ghの通話装置22の領域である(d<RD,RNL(d)<β≦β2)。
【0077】
領域B2は、騒音レベルβが、基準騒音レベル(第2基準騒音レベル)RNL2=β2よりも大きな会話グループG=Ghに属する通話装置22の領域である(d<RD,β2<β)。β2が騒音レベルの最大値(例えば、想定される騒音レベルの最大値または観測可能な騒音レベルの最大値等)である場合、領域B2は存在しない。
【0078】
領域Cは、会話グループG=Ghに属さない通話装置22の領域である。ただし、この会話グループG=Ghの騒音レベルβは基準騒音レベルRNL2=β2以下である(d≧RD,β≦β2)。
【0079】
領域Dも、会話グループG=Ghに属さない通話装置22の領域である。ただし、この会話グループG=Ghの騒音レベルβは基準騒音レベルRNL2=β2よりも大きい(d≧RD,β2<β)。
【0080】
<領域判定(ステップS231)>
通話制御部214(
図1)は、会話グループGを特定するための情報と騒音レベルn-jとを用い、会話グループG=G
hごとに、各通話装置22-iが上述の領域A
1,A
2,B
1,B
2,C,Dのいずれに属するのかを判断する。ここで、h∈{1,・・・,H}であり、i∈{1,・・・,N}である。以下に具体例を示す。
【0081】
ステップS231-1:通話制御部214は、h=1に設定する。
【0082】
ステップS231-2:通話制御部214は、i=1に設定する。
【0083】
ステップS231-3:通話制御部214は、通話装置22-iが会話グループG=Ghに属するか否かを判定する。ここで、通話装置22-iが会話グループG=Ghに属する場合には、ステップS231-4に進む。一方、通話装置22-iが会話グループG=Ghに属さない場合には、ステップS231-5に進む。
【0084】
ステップS231-4:
通話制御部214は、会話グループG=Ghの騒音レベルβがβ≦β1を満たすか否か判定する。ここで、β≦β1を満たす場合、通話制御部214は、通話装置22-iが会話グループG=Ghにおいて領域A1に属すると判定してステップS231-6に進む。
一方、β≦β1を満たさない場合、通話制御部214は、会話グループG=Ghの騒音レベルβがβ1<β≦RNL(d)を満たすか否か判定する。ここで、β1<β≦RNL(d)を満たす場合、通話制御部214は、通話装置22-iが会話グループG=Ghにおいて領域A2に属すると判定してステップS231-6に進む。
一方、β1<β≦RNL(d)を満たさない場合、通話制御部214は、会話グループG=Ghの騒音レベルβがRNL(d)<β≦β2を満たすか否か判定する。ここで、RNL(d)<β≦β2を満たす場合、通話制御部214は、通話装置22-iが会話グループG=Ghにおいて領域B1に属すると判定してステップS231-6に進む。
一方、RNL(d)<β≦β2を満たさない場合、通話制御部214は、通話装置22-iが会話グループG=Ghにおいて領域B2に属すると判定してステップS231-6に進む。
【0085】
ステップS231-5:通話制御部214は、会話グループG=Ghの騒音レベルβがβ≦β2を満たすか否か判定する。ここで、β≦β2を満たす場合、通話制御部214は、通話装置22-iが会話グループG=Ghについて領域Cに属すると判定してステップS231-6に進む。一方、β≦β2を満たさない場合、通話制御部214は、通話装置22-iが会話グループG=Ghについて領域Dに属すると判定してステップS231-6に進む。
【0086】
ステップS231-6:
通話制御部214は、i=Nを満たすか否かを判定する。ここで、i=Nを満たさない場合、通話制御部214はi+1を新たなiとして処理をステップS231-3に戻す。
一方、i=Nを満たす場合、通話制御部214は、h=Hを満たすか否かを判定する。ここで、h=Hを満たさない場合、通話制御部214はh+1を新たなhとして処理をステップS231-2に戻す。一方、h=Hを満たす場合、通話制御部214は領域判定(ステップS231)を終了する。
【0087】
以上により、会話グループG=Ghごとに、各通話装置22-iが上述の領域A1,A2,B1,B2,C,Dのいずれに属するのかが特定される。
【0088】
<通話制御(ステップS232)>
次に、通話制御部214(
図1)は、領域判定(ステップS231)の結果に基づき、各通話装置22-iの通話制御を行う。以下、詳細に説明する。
【0089】
<会話グループG=G
hにおいて領域A
1,A
2に属する通話装置22-iの通話制御>
通話制御部214(
図1)は、会話グループG=G
hにおいて領域A
1,A
2に属する通話装置22-iに外音取り込み処理開始の制御信号AC
1(G
h)を送信する。制御信号AC
1(G
h)は、通話装置22-iの端末装置223-i(
図4)の通信部1231-iで受信され、制御部2232-iに送られる。制御信号AC
1(G
h)を受け取った制御部2232-iは、入出力装置221-i,222-iに、利用者1000-iの耳1010-i,1020-iに周囲の音を伝える外音取り込み処理を実行させる。例えば、制御部2232-iは、外音取り込み指示acを通信部1231に送り、通信部1231は外音取り込み指示acを入出力装置221-i,222-i(
図3Aおよび
図3B)に送信する。外音取り込み指示acは、入出力装置221-i,222-iの通信部1211a,1221aで受信され、ANC処理部2211c,2221cに送られる。外音取り込み指示acが送られたANC処理部2211cは、ANC信号anc
1を生成することに代えて、マイクロホン1213,1214で観測された音響信号ac
1を合成部1211bに送る。同様に、外音取り込み指示acが送られたANC処理部2221cは、ANC信号anc
2を生成することに代え、マイクロホン1223,1224で観測された音響信号ac
2を合成部1221bに送る。合成部1211bは、音響信号ac
1に基づく再生信号R
1を生成し、生成した再生信号R
1をスピーカ1212に送る。スピーカ1212は再生信号R
1を再生する。合成部1221bは、音響信号ac
2に基づく再生信号R
2を生成し、生成した再生信号R
2をスピーカ1222に送る。スピーカ1222は再生信号R
2を再生する。これにより、会話グループG=G
hにおいて領域A
1,A
2に属する通話装置22-iの利用者1000-iは、通話ではなく、直接会話を行うことができる。
【0090】
ここで、会話グループG=G
hにおいて領域A
1,A
2に属する新たな通話装置22-iが追加されると、通話制御部214(
図1)は、追加された通話装置22-iに外音取り込み処理開始の制御信号AC
1(G
h)を送信し、上述した外音取り込み処理が実行される。一方、会話グループG=G
hにおいて領域A
1,A
2から通話装置12-i”が外れると、通話制御部214(
図1)は、通話装置22-i”に対して外音取り込み処理終了の制御信号AC
2(G
h)を送信する。ここで、i”∈{1,…,N}である。制御信号AC
2(G
h)は、通話装置22-i”の端末装置223-i”(
図4)の通信部1231-i”で受信され、制御部2232-i”に送られる。制御信号AC
2(G
h)を受け取った制御部2232-i”は、入出力装置221-i”,222-i”に上述の外音取り込み処理を停止させる。これにより、最新の会話グループG=G
hにおいて領域A
1,A
2に属する通話装置12-i間での会話が可能になる
【0091】
<会話グループG=G
hにおいて領域B
1,B
2に属する通話装置22-iの通話制御>
会話グループG=G
hにおいて領域B
1,B
2に属する通話装置22-iの通話制御は、通話制御装置11が通話制御装置21に置換され、通話装置12が通話装置22に置換される以外、第1実施形態の通話制御処理と同じである。すなわち、通話制御部214は、会話グループG=G
hに属する通話装置22-iの周囲の騒音レベルβが基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL
1=RNL(d),β
2よりも大きいことを条件に(
図11)、会話グループG=G
hに属する通話装置22-iに、会話グループG=G
hに属する通話装置22-i間で通話を行うための通話処理を実行させることになる。この通話処理は、会話グループG=G
hにおいて領域B
1,B
2に属する通話装置22-iの利用者1000-iの耳1010-i,1020-iに通話装置22-iの周囲の音が到達することを抑制しながら、当該会話グループG=G
hにおいて領域B
1,B
2に属する通話装置22-i間で通話を行うための処理である(第1実施形態の入出力装置121,122の処理の具体例を参照)。
【0092】
<会話グループG=G
hについて領域Cに属する通話装置22-iの通話制御>
通話制御部214(
図1)は、会話グループG=G
hについて領域Cに属する通話装置22-iに対し、会話グループG=G
hに属する通話装置22との通話を行うための通話処理を実行させない。ただし、通話制御部214は、この領域Cに属する通話装置22-iに外音取り込み処理開始の制御信号AC
1(G
h)を送信する。制御信号AC
1(G
h)は、通話装置22-iの端末装置223-i(
図4)の通信部1231-iで受信され、制御部2232-iに送られる。制御信号AC
1(G
h)を受け取った制御部2232-iは、入出力装置221-i,222-iに、利用者1000-iの耳1010-i,1020-iに周囲の音を伝える外音取り込み処理を実行させる。これは、領域A
1,A
2に属する通話装置22-iの通話制御と同じである。これにより、利用者1000-iは周囲の音を聞くことができるが、利用者1000-iの近くには他の利用者1000-i’が存在しないため、利用者1000-iは会話を行うことができない。
【0093】
<会話グループG=G
hについて領域Dに属する通話装置22-iの通話制御>
通話制御部214(
図1)は、会話グループG=G
hについて領域Dに属する通話装置22-iに対し、会話グループG=G
hに属する通話装置22との通話を行うための通話処理を実行させない。また、通話制御部214は、この領域Dに属する通話装置22-iに外音取り込み処理開始の制御信号AC
1(G
h)も送信しない。これに代え、通話制御部214は、会話グループG=G
hについて領域Dに属する通話装置22-iの利用者1000‐iの耳1010-i,1020-iに当該通話装置22-iの周囲の音が到達することを抑制する遮音処理を当該通話装置22-iに実行させる。すなわち、通話制御部214は、会話グループG=G
hに属する通話装置22の周囲の騒音レベルβが基準騒音レベルRNL
2=β
2(第2基準騒音レベル)よりも大きいことを条件に、会話グループG=G
hに属さない通話装置22に遮音処理を実行させることになる。例えば、通話制御部214(
図1)は、会話グループG=G
hについて領域Dに属する通話装置22-iに対し、遮音処理開始の制御信号IC
1(G
h)を送信する。制御信号IC
1(G
h)は、通話装置22-iの端末装置223-i(
図4)の通信部1231-iで受信され、制御部2232-iに送られる。制御信号IC
1(G
h)を受け取った制御部2232-iは、入出力装置221-i,222-iに、利用者1000‐iの耳1010-i,1020-iに当該通話装置22-iの周囲の音が到達することを抑制する遮音処理を実行させる。例えば、制御部2232-iは、遮音指示icを通信部1231に送り、通信部1231は遮音指示icを入出力装置221-i,222-i(
図3Aおよび
図3B)に送信する。遮音指示icは、入出力装置221-i,222-iの通信部1211a,1221aで受信され、ANC処理部2211c,2221cに送られる。遮音指示icが送られたANC処理部2211cは、第1実施形態で例示したようにANC信号anc
1を生成して合成部1211bに送る。同様に、遮音指示icが送られたANC処理部2221cは、第1実施形態で例示したようにANC信号anc
2を生成して合成部1221bに送る。合成部1211bは、ANC信号anc
1に基づく再生信号R
1を生成し、生成した再生信号R
1をスピーカ1212に送る。スピーカ1212は再生信号R
1を再生する。合成部1221bは、ANC信号anc
2に基づく再生信号R
2を生成し、生成した再生信号R
2をスピーカ1222に送る。スピーカ1222は再生信号R
2を再生する。これにより、利用者1000‐iの耳1010-i,1020-iに当該通話装置22-iの周囲の音が到達することを抑制され、利用者1000‐iの聴覚を保護することができる。
【0094】
ここで、会話グループG=G
hについて領域Dに属する新たな通話装置22-iが追加されると、通話制御部214(
図1)は、追加された通話装置22-iに遮音処理開始の制御信号IC
1(G
h)を送信し、上述した遮音処理が実行される。一方、会話グループG=G
hについて領域Dから通話装置12-i”が外れると、通話制御部214(
図1)は、通話装置22-i”に対して遮音処理終了の制御信号IC
2(G
h)を送信する。ここで、i”∈{1,…,N}である。制御信号IC
2(G
h)は、通話装置22-i”の端末装置223-i”(
図4)の通信部1231-i”で受信され、制御部2232-i”に送られる。制御信号IC
2(G
h)を受け取った制御部2232-i”は、入出力装置221-i”,222-i”に上述の遮音処理を停止させる。これにより、最新の領域Dに属する通話装置22-iに遮音処理を実行させることができる。
【0095】
通話制御処理(ステップS23)は、例えば、定期的(例えば、10秒ごと)に行われてもよいし、所定の契機で行われてもよいし、それら両方で行われてもよい。この所定の契機の具体例は、第1実施形態で例示した通話制御処理(ステップS13)が実行される契機と同じである。
【0096】
<本形態の特徴>
本形態の通話制御装置21は、複数の通話装置22-1,…,22-Nの位置関係を表す位置関係情報uを用い、複数の通話装置22-1,…,22-Nのうち、相互の距離が基準距離RDよりも近い通話装置22-i1,22-i2の組を含む会話グループGを選択し、会話グループGに属する通話装置12間で通話を行うための制御を行う。これにより、通話装置22間の距離が近くなったときに、それらの通話装置22間において自動的に通話が可能になり、距離が離れたときには通話が自動的に切断される。これにより、通話装置22の利用者1000が通話時に手動で操作を行うことなく、近くの通話装置12間で通話を行うことができる。
【0097】
通話制御部214は、会話グループG=G
hに属する通話装置22の周囲の騒音レベルβが基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL
1=RNL(d)よりも大きいことを条件に(
図11:領域B
1)、会話グループG=G
hに属する通話装置22に、会話グループG=G
hに属する通話装置22間で通話を行うための通話処理を実行させる。これにより、周囲の騒音レベルが大きく(例えば、100[dB]を超えるような騒音下)、直接会話することが難しい状況において、利用者1000が手動で操作を行うことなく、会話グループG=G
hに属する通話装置12間で自動的に通話を行うことができる。
【0098】
通話制御部214は、会話グループG=Ghに属する何れかの通話装置22の周囲の騒音レベルβ(例えば、会話グループG=Ghに属する通話装置22の周囲の騒音レベルnの最小値β)が基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL1=RNL(d),β2よりも大きいことを条件に、会話グループG=Ghに属するすべての通話装置22に、会話グループG=Ghに属する通話装置22-i間で通話を行うための通話処理を実行させてもよい。これにより、会話グループG=Ghに属する通話装置22-iの利用者1000のうち、周囲の騒音レベルが大きく、直接会話が困難な利用者が1人でも存在した場合に、会話グループG=Ghに属する通話装置12間で自動的に通話を行うことができる。
【0099】
通話処理は、会話グループG=G
hに属する通話装置22の利用者1000の耳1010,1020に通話装置22の周囲の音が到達することを抑制しながら、会話グループG=G
hに属する通話装置22間で通話を行うための処理であってもよい。これにより、周囲の騒音レベルが高くても、利用者1000で快適に通話を行うことができる。一方、周囲の騒音レベルが小さい場合には、通話を行うよりも直接会話を行う方が好ましい場合もある。そのため、通話制御部214は、会話グループG=G
hに属する通話装置22の周囲の騒音レベルβが基準騒音レベルRNL(d)よりも大きいことを条件に(
図11:領域B
1)、会話グループG=G
hに属する通話装置22に通話処理を実行させ、会話グループG=G
hに属する通話装置22-iに通話処理を実行させないときに(
図11:領域A
1,A
2)、会話グループG=G
hに属する通話装置22に、利用者1000の耳1010,1020に周囲の音を伝える外音取り込み処理を実行させてもよい。
【0100】
利用者1000間の距離dが近いほど、利用者1000間で直接会話を行うことができる周囲の騒音レベルβは大きくなる。これを反映し、本形態の基準騒音レベルRNL
1(第1基準騒音レベル)が、会話グループG=G
hに属する通話装置22-i間の距離dに応じて異なってもよい(
図11)。すなわち、騒音レベルがβ
1からβ
2の間において、基準騒音レベルRNL
1を距離dの関数値RNL(d)としてもよい。例えば、距離dが距離d
1(第1距離)である場合の基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL
1=RNL(d
1)を、距離dが距離d
1(第1距離)よりも遠い距離d
2(第2距離)である場合の基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL
1=RNL(d
2)よりも大きくしてもよい(式(1))。これにより、利用者1000間の距離dと周囲の騒音レベルβとの関係を考慮し、直接会話することが難しい状況を適切に判定し、利用者1000が手動で操作を行うことなく、会話グループG=G
hに属する通話装置12間で自動的に通話を行うことができる。しかし、基準騒音レベルRNL
1が定数であってもよい。
【0101】
利用者1000間の距離dが近いほど、直接会話可能な周囲の騒音レベルβは大きくなるものの、騒音レベルβが非常に大きい場合には、利用者1000の聴覚へ悪影響を与えてしまう。そのため、会話グループG=G
hにおいて領域B
2(
図11)に属する通話装置22が、利用者1000の耳1010,1020に周囲の騒音が到達することを抑制しながら、利用者1000に通話させるための通話処理を実行してもよい。すなわち、通話制御部214は、会話グループG=G
hに属する通話装置22の周囲の騒音レベルβが基準騒音レベル(第2基準騒音レベル)RNL
2=β
2よりも大きいことを条件に、会話グループG=G
hに属する通話装置22間の距離dにかかわらず、会話グループG=G
hに属する通話装置22に、周囲の音が利用者1000の耳1010,1020に到達することを抑制しながら通話を行う通話処理を実行させてもよい。ここで、基準騒音レベル(第2基準騒音レベル)RNL
2=β
2は、基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL
1=β
1よりも大きい。これにより、利用者1000の聴覚へ悪影響を抑制できる。
【0102】
会話グループG=G
hに属する騒音レベルβが非常に大きい場合には、会話グループG=G
hに属さない通話装置22の利用者1000の聴覚へも悪影響を与える場合がある。そのため、通話制御部214は、会話グループG=G
hに属する通話装置22の周囲の騒音レベルβが基準騒音レベルRNL
2=β
2(第2基準騒音レベル)よりも大きいことを条件に、会話グループG=G
hに属さない通話装置22に、会話グループG=G
hに属さない通話装置22の利用者1000の耳1020,1020に通話装置22の周囲の音が到達することを抑制する遮音処理を実行させてもよい(
図11:領域D)。
【0103】
一方、騒音レベルβがそれほど大きくない場合には、会話グループG=G
hに属さない通話装置22の利用者1000の聴覚へ悪影響は小さいため、会話グループG=G
hに属さない通話装置22に、利用者1000の耳1010,1020に周囲の音を伝える外音取り込み処理を実行させてもよい(
図11:領域C)。
【0104】
[第2実施形態の変形例1]
第1実施形態の変形例1と同様、第2実施形態でも、各通話装置22-iの端末装置223-iの位置関係情報抽出部1233-iが、自らの通話装置22-iに対する相対位置が基準距離RDよりも近い他の通話装置22-i’を検出し、この通話装置22-i’を表す情報(近距離検出情報)を位置関係情報u-iとして抽出してもよい。さらに、通話制御装置21の選択部113が、このような位置関係情報u-iを用いて会話グループGを選択してもよい。
【0105】
[第2実施形態の変形例2]
第1実施形態の変形例1と同様、第2実施形態でも、ANC処理部2211cがマイクロホン1213,1214の何れか一方で観測された信号を用いてANC信号anc1を生成してもよい。同様に、ANC処理部2221cがマイクロホン1223,1224の何れか一方で観測された信号を用いてANC信号anc2を生成してもよい。
【0106】
[第2実施形態の変形例3]
第1実施形態の変形例3と同様、第2実施形態でも、マイクロホン1213,1223が、身体を伝達した音響信号を集音するように構成されたその他のマイクロホンであってもよい。その他、マイクロホン1213,1223が空気伝搬された音響信号を集音するように構成されたマイクロホンであってもよい。
【0107】
また、第2実施形態では、マイクロホン1214,1224でそれぞれ音響信号n1,n2を観測し、音響信号n1,n2に基づいて騒音レベルnが算出された。しかし、マイクロホン1214,1224の何れか一方で音響信号n1または音響信号n2を観測し、観測された音響信号に基づいて騒音レベルnが算出されてもよい。
【0108】
[第2実施形態の変形例4]
第2実施形態では、通話制御部214(
図1)が、会話グループG=G
hに属する通話装置22の周囲の騒音レベルβが基準騒音レベルRNL
2=β
2(第2基準騒音レベル)よりも大きいことを条件に、会話グループG=G
hに属さない通話装置22に遮音処理を実行させた(
図11:領域D)。しかし、通話制御部214が、会話グループG=G
hに属さない通話装置22の周囲の騒音レベルが基準騒音レベルRNL
2=β
2よりも大きいことを条件に、会話グループG=G
hに属さない通話装置22に遮音処理を実行させてもよい。
【0109】
[第3実施形態]
第1実施形態およびそれらの変形例では、複数の通話装置が互いに近づいたときに、通話や直接会話を行うことが可能なように制御した。これに加え、さらに利用者の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件を満たすことを条件に、通話を行うことが可能なように制御してもよい。
【0110】
<構成>
図1に例示するように、本形態の通話システム3は、通話制御装置31およびN個の通話装置32-1,…,32-Nを有する。本形態の通話制御装置31と通話装置32-1,…,32-Nとは、ネットワークを通じ、互いに通信可能なように構成されている。なお、Nは2以上の整数である。例えば、Nは3以上の整数である。
【0111】
<通話制御装置31>
図1に例示するように、本形態の通話制御装置31は、通信部111、記憶部112、選択部113、および通話制御部314を有する。
【0112】
<通話装置32>
図1に例示するように、本形態の通話装置32は、入出力装置121,122および端末装置323を有する。
【0113】
<端末装置323>
図4に例示するように、本形態の端末装置323は、通信部1231、制御部3232、位置関係情報抽出部1233、判定部3234、センサ3235、および記憶部3236を有する。端末装置323の例は、スマートフォン端末装置やスマートやスマートウォッチ端末装置等であるが、これは本発明を限定するものではない。
【0114】
<前処理>
前処理として、端末装置323の記憶部323に、利用者の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかに関する条件CON1,CON2を格納しておく。ここで、条件CONw(ただし、w=1,2)の例は、動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかの閾値判定に用いる閾値(例えば、値や回数等の閾値)、パターンマッチングに用いるパターン(例えば、図形パターン、事象の発生パターン、音響信号パターン、位置、向き、キーワード等)等である。
【0115】
<処理>
次に、本形態の通話システム3の処理を例示する。
図1に例示するように、本形態ではN人の利用者1000-iが、それぞれ、通話装置32-iを利用する。本形態の各利用者1000-iは、耳1010-i,1020-iに入出力装置121-i,122-iを装着し、端末装置323-iを携帯する。
【0116】
<通話装置情報の抽出処理(ステップS31)>
図4に例示するように、各通話装置32-iが有する端末装置323-iの位置関係情報抽出部1233-iは、通話装置32-iの位置関係を表す位置関係情報u-iを抽出して出力する。この処理は、例えば、通話装置12-iが通話装置32-iに置換される以外、第1実施形態と同じである。
【0117】
さらに、各通話装置32-iが有する入出力装置121-i,122-i(
図3Aおよび
図3B)のマイクロホン1213-i,1223-iは、利用者1000‐iの音声信号等の音響信号を集音可能である。マイクロホン1213-i,1223-iで観測された信号は、それぞれ、通信部1211a-i,1221a-iに送られる。通信部1211a-i,1221a-iは、それぞれ、送られた信号を送話信号t
1-i,t
2-iとして端末装置323-i(
図4)に送信する。送話信号t
1-i,t
2-iは、端末装置323の通信部1231‐iで受信される。この送話信号t
1-i,t
2-iが判定部3234-iに送られてもよい。
【0118】
また、各通話装置32-iが有する端末装置323-i(
図4)のセンサ3235は、端末装置323-iの動きまたは姿勢または位置の少なくとも何れかを検出可能である。その検出信号ds-iが判定部3234-iに送られてもよい。センサ3235-iの例は、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、GPSセンサ、光センサ、距離センサ、カメラ、圧力センサ、電界強度センサ、赤外線センサ、接触センサ等である。
【0119】
判定部3234は、入力された送話信号t1-i,t2-iおよび/または検出信号ds-iが、記憶部3236に格納された条件CONW(ただし、w=1,2)を満たすか否かを判定する。ここで、条件CONWを満たすとの判定結果y-iをTWと表し、何れの条件CON1,CON2も満たさない判定結果y-iをFと表す。判定結果y-iを表す情報は制御部3332に送られる。以下、この判定処理を例示する。
【0120】
<判定処理の例1>
判定処理の例1では、判定部3234-iが検出信号ds-iを用い、利用者1000-iが通話を開始するための動作(例えば、首を縦に振る、手を縦に振る、手を上げる等)や通話を終了するための動作(例えば、首を横に振る、手を横に振る、手を上に上げる等)を行ったか否かを判定する。判定処理の例1では、検出信号ds-iが少なくとも端末装置323-iの加速度(動き)を表す。
図12Aに例示するように、判定処理の例1の判定部3234は、閾値判定部3234aおよび条件判定部3234bを有する。閾値判定部3234aは、入力された検出信号ds-iが表す第1方向(例えば、縦方向)の加速度および第2方向(第1方向と異なる方向。例えば、横方向)の加速度が、記憶部3236から読み込んだ閾値を超えるか否かを判定し、その判定結果を条件判定部3234bに送る。条件判定部3234bは、第1方向または第2方向の加速度が閾値を超えた事象の発生パターンが、記憶部3236から読み込んだ条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターン(例えば、所定時間内に第1方向の加速度が閾値を超えた回数を表すパターン等)にマッチングするか、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターン(例えば、所定時間内に第2方向の加速度が閾値を超えた回数を表すパターン等)にマッチングするか否かを判定する。ここで、条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
1を出力する。一方、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
2を出力する。条件CON
1を表すパターンにも条件CON
2を表すパターンにもマッチングしなかった場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてFを出力する。
【0121】
<判定処理の例2>
判定処理の例2では、判定部3234-iが検出信号ds-iを用い、利用者1000-iが通話を開始するための動作(例えば、顔に触れる等)や、通話を終了するための動作(例えば、肩に触れる等)を行ったか否かを判定する。判定処理の例2では、検出信号ds-iが少なくとも利用者1000が身体のどの部位に接触しているかを表す。
図12Bに例示するように、判定処理の例2の判定部3234は、条件判定部3234bを有する。条件判定部3234bは、検出信号ds-iが、記憶部3236から読み込んだ条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターン(例えば、顔に触れる等)にマッチングするか、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターン(例えば、肩に触れる等)にマッチングするか否かを判定する。ここで、条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
1を出力する。一方、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
2を出力する。条件CON
1を表すパターンにも条件CON
2を表すパターンにもマッチングしなかった場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてFを出力する。
【0122】
<判定処理の例3>
判定処理の例3では、判定部3234-iが検出信号ds-iを用い、通話装置32が相互に近づく動き(通話を開始する動き)や相互に離れる動き(通話を終了する動き)を行っているのか否かを判定する。判定処理の例3では、検出信号ds-iが、少なくとも、端末装置323-iと他の端末装置323-i’(例えば、端末装置323-iに最も近い他の端末装置323-i’)との距離の変化(動き)を表す。この距離の変化は、例えば、検出信号ds-iと端末装置323-i’が通信(例えば、Bluetooth(登録商標)等を用いた通信)を行った際の電界強度を測定することで得られる。ここで、i≠i’かつi,i’∈{1,・・・,N}である。
図12Bに例示するように、判定処理の例3の判定部3234は、条件判定部3234bを有する。閾値判定部3234aは、検出信号ds-iが、記憶部3236から読み込んだ条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターン(例えば、端末装置323間の距離が小さくなるように変化している等)にマッチングするか、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターン(例えば、端末装置323間の距離が大きくなるように変化している等)にマッチングするか否かを判定する。ここで、条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
1を出力する。一方、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
2を出力する。条件CON
1を表すパターンにも条件CON
2を表すパターンにもマッチングしなかった場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてFを出力する。
【0123】
<判定処理の例4>
判定処理の例4では、判定部3234-iが検出信号ds-iを用い、通話装置32が相互に向き合っている姿勢(通話を開始する姿勢)や相互に別方向を向く姿勢(通話を終了する姿勢)を行っているのか否かを判定する。判定処理の例4では、検出信号ds-iが、少なくとも、端末装置323-iの向きに対する端末装置323-i’(例えば、端末装置323-iに最も近い他の端末装置323-i’)の向き(姿勢)を表す。これら姿勢は、例えば、端末装置323-iと端末装置323-i’が、センサ3235(ジャイロセンサ、地磁気センサ、GPSセンサ等)でそれぞれの向きを検出し、その検出結果を互いに送信し合うことで検出できる。あるいは、端末装置323-iと端末装置323-i’が互いに赤外線を発光し、相手側から発光された赤外線を検出するか否かで、この姿勢を検出してもよい。
図12Bに例示するように、判定処理の例4の判定部3234は、条件判定部3234bを有する。条件判定部3234bは、検出信号ds-iが、記憶部3236から読み込んだ条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターン(例えば、端末装置323が相互に向き合っている姿勢等)にマッチングするか、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターン(例えば、端末装置323が相互に別方向を向く姿勢等)にマッチングするか否かを判定する。ここで、条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
1を出力する。一方、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
2を出力する。条件CON
1を表すパターンにも条件CON
2を表すパターンにもマッチングしなかった場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてFを出力する。
【0124】
<判定処理の例5>
判定処理の例5では、判定部3234-iが検出信号ds-iを用い、通話装置32が特定の領域(通話を開始する位置。例えば、ゲートや特定の機器の近傍の領域等)の中に配置されていることや当該特定の領域の外の位置(通話を終了する位置)に配置されていることを判定する。判定処理の例5では、検出信号ds-iが、少なくとも、通話装置32の位置を表す。この位置は、例えば、GPSセンサ等で得られてもよいし、通話装置32が当該特定の領域に設置された通信機(例えば、RFIDタグやBluetooth通信や赤外線通信を行う通信機等)と通信を行うことで得られてもよい。
図12Bに例示するように、判定処理の例5の判定部3234は、条件判定部3234bを有する。条件判定部3234bは、検出信号ds-iが、記憶部3236から読み込んだ条件CON
1(通話開始の条件。例えば、端末装置323が特定の領域の中に配置されていること等)を表すパターンにマッチングするか、条件CON
2(通話終了の条件。例えば、端末装置323が特定の領域の外に配置されていること等)を表すパターンにマッチングするか否かを判定する。ここで、条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
1を出力する。一方、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
2を出力する。条件CON
1を表すパターンにも条件CON
2を表すパターンにもマッチングしなかった場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてFを出力する。
【0125】
<判定処理の例6>
判定処理の例6では、判定部3234-iが検出信号ds-iを用い、判定処理の例5の条件に加え、さらに特定の領域に配置された特定の機器(例えば、騒音を発する機器)がON状態か否かも判定する。判定処理の例5では、検出信号ds-iが、少なくとも、通話装置32の位置および特定の機器のON/OFF状態を表す。この機器のON/OFF状態は、例えば、通話装置32が当該機器と通信を行うことで得られる。
図12Bに例示するように、判定処理の例5の判定部3234は、条件判定部3234bを有する。条件判定部3234bは、検出信号ds-iが、記憶部3236から読み込んだ条件CON
1(通話開始の条件。例えば、端末装置323が特定の領域の中に配置されており、かつ、当該特定の領域に配置された特定の機器がON状態になっていること等)を表すパターンにマッチングするか、条件CON
2(通話終了の条件。例えば、端末装置323が特定の領域の外に配置されていることや当該特定の機器がOFF状態になっていること等)を表すパターンにマッチングするか否かを判定する。ここで、条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
1を出力する。一方、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
2を出力する。条件CON
1を表すパターンにも条件CON
2を表すパターンにもマッチングしなかった場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてFを出力する。
【0126】
<判定処理の例7>
判定処理の例7では、判定部3234-iが送話信号t
1-i,t
2-iを用い、利用者1000-iが、通話を開始するための発話(例えば、開始の呼び掛け等)や、通話を終了するための発話(例えば、終了の合図等)を行ったか否かを判定する。
図12Bに例示するように、判定処理の例7の判定部3234は、条件判定部3234bを有する。条件判定部3234bは、送話信号t
1-i,t
2-iが、記憶部3236から読み込んだ条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターン(例えば、音の大きさが閾値を超えていることや音声に所定のキーワードが含まれていること等)にマッチングするか、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターン(例えば、音の大きさが閾値を超えていないことや音声に所定のキーワードが含まれていないこと等)にマッチングするか否かを判定する。ここで、条件CON
1(通話開始の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
1を出力する。一方、条件CON
2(通話終了の条件)を表すパターンにマッチングした場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてT
2を出力する。条件CON
1を表すパターンにも条件CON
2を表すパターンにもマッチングしなかった場合、条件判定部3234bは判定結果y-iとしてFを出力する。
【0127】
<判定処理の例8>
その他、判定処理の例1から例7の何れかの例を組み合わせてもよい。すなわち、判定部3234は、判定処理の例1から例7の何れかの複数の例の複数の条件CON1を表すパターンにマッチングした場合に判定結果y-iとしてT1を出力し、複数の条件CON2を表すパターンにマッチングした場合に判定結果y-iとしてT2を出力し、それ以外のときに判定結果y-iとしてFを出力してもよい(判定処理の例の説明終わり)。
【0128】
制御部3332は、位置関係情報u-iおよび判定結果y-iを通信部1231-iに送り、通信部1231は位置関係情報u-iおよび判定結果y-iを通話制御装置31(
図1)に送信する。位置関係情報u-iおよび判定結果y-iは、通話制御装置31の通信部111で受信され、記憶部112に格納される。
【0129】
上述した通話装置情報の抽出処理(ステップS31)は、例えば、定期的(例えば、10秒ごと)に行われてもよいし、所定の契機で行われてもよいし、それら両方で行われてもよい。この所定の契機としては、例えば、何れかの通話装置32-iの起動が検出されたこと、何れかの通話装置32-iの移動が検出されたこと、何れかの通話装置32-iの姿勢の変化が検出されたこと、何れかの通話装置32-iの加速度や各加速度の変化が検出されたこと、何れかの通話装置32-iで発話が検出された等を例示できる。
【0130】
<会話グループの選択処理(ステップS32)>
上述した通話装置情報の抽出処理(ステップS31)により、通話制御装置11(
図1)の記憶部112には、複数の通話装置12-jから送信された位置関係情報u-jおよび判定結果y-jが格納される。ここでj∈{1,…,N}である。通話制御装置31の選択部113は、記憶部112に格納された位置関係情報u-jを用い、複数の通話装置32-1,…,32-Nのうち、相互の距離が基準距離RDよりも近い通話装置32-j
1および通話装置32-i
2の組を含む会話グループGを選択し、会話グループGを特定するための情報を出力する。この処理は、例えば、通話制御装置11が通話制御装置31に置換され、通話装置12が通話装置32に置換される以外、第1実施形態で説明した会話グループの選択処理(ステップS12)と同じである。会話グループGを特定するための情報は、通話制御部114に送られる。
【0131】
<通話制御処理(ステップS33)>
選択部113から出力された会話グループGを特定するための情報および記憶部112から読み込んだ判定結果y-jは、通話制御装置31(
図1)の通話制御部314に入力される。通話制御部314は、会話グループGを特定するための情報および判定結果y-jに基づき、同一の会話グループGに属する通話装置32のうち、利用者1000の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件CONを満たす通話装置32に、会話グループGに属する通話装置32間で通話を行うための通話処理を実行させる。すなわち、通話制御部314は、会話グループGに属し、かつ、条件CONを満たす通話装置32に、会話グループGに属し、かつ、条件CONを満たす通話装置32間で通話を行うための通話処理を実行させる。この際、通話制御部314は、例えば、同一の会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす通話装置32とそれ以外の通話装置32との通話を制限してもよい。なお、通話制御部314は、判定結果y-jに基づいて条件CONを満たすか否かを判定する。以下にこの判定の具体例を示す。
【0132】
<条件CONを満たすか否かの判定方法の例示>
・判定結果y-jがT1となった通話装置32-j(通話開始の条件を満たした通話装置)は条件CONを満たす。
・条件CONを満たすと判断された通話装置32-jは、その後、判定結果y-jがFとなっても判定結果y-iがT2となるまで、条件CONを満たす。
・判定結果y-jがT2となった通話装置32-jは条件CONを満たさない(通話終了の条件を満たした通話装置)。条件CONを満たさないと判断された通話装置32-jは、その後、判定結果y-jがFとなっても判定結果y-iがT1となるまで、条件CONを満たさない。
【0133】
<通話制御処理の具体例>
例えば、通話制御部314(
図1)は、同一の会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす各通話装置32-m
hに通話開始の制御信号C
1(G
h)を送信する。ここで、m
h∈{1,…,N}である。制御信号C
1(G
h)は、通話装置32-m
hの端末装置323-m
h(
図4)の通信部1231-m
hで受信され、制御部3232-m
hに送られる。制御信号C
1(G
h)を受け取った制御部3232-m
hは、会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす他の通話装置12-m
h’との通話のための制御を行う。ここで、m
h’≠m
hかつm
h’∈{1,…,N}である。例えば、制御部3232-m
hは、入出力装置121-m
h,122-m
h(
図3Aおよび
図3B)からの送話信号t
1-m
h,t
2-m
hの受信、および入出力装置121-m
h,122-m
hへの受話信号r
1,r
2の送信を許可する。
【0134】
制御部3232-m
hは、通信部1231-m
hが入出力装置121-m
h,122-m
hから送話信号t
1-m
h,t
2-m
hを受信すると、それらを送話パケット(t
1-m
h,t
2-m
h)として通話制御装置31に送信する。通話制御装置31(
図1)の通信部111は、各通話装置32-m
hから送信された送話パケット(t
1-m
h,t
2-m
h)を通話制御部314に送る。通話制御部314は、送られた送話パケット(t
1-m
h,t
2-m
h)をミキシングして、受話パケット(r
1-h,r
2-h)を生成して通信部111に送る。通信部111は、受話パケット(r
1-h,r
2-h)を同一の会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす各通話装置32-m
hに送信する。受話パケット(r
1-h,r
2-h)は、通話装置32-m
hの端末装置323-m
h(
図4)の通信部1231-m
hで受信され、制御部3232-m
hに送られる。制御部3232-m
hは、受話パケット(r
1-h,r
2-h)が表す受話信号r
1-h,r
2-hを通信部1231-m
hから入出力装置121-m
h,122-m
hに送信する。このような処理により、同一の会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす通話装置32-m
h間での通話が可能になる。すなわち、各通話装置32の通信部3231は、会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たすことを条件として、会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす他の通話装置32の通信部1231と通話ができる。
【0135】
ここで、会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす新たな通話装置32-m
hが追加されると、通話制御部314(
図1)は、追加された通話装置32-m
hに通話開始の制御信号C
1(G
h)を送信し、上述した通話開始の処理が実行される。一方、会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす通話装置32-m
h”が、会話グループG=G
hから外れたり、条件CONを満たさなくなったりすると、通話制御部314(
図1)は、通話装置32-m
h”に対して通話終了の制御信号C
2(G
h)を送信する。ここで、m
h”∈{1,…,N}である。制御信号C
2(G
h)は、通話装置12-m
h”の端末装置123-m
h”(
図4)の通信部1231-m
h”で受信され、制御部3232-m
h”に送られる。制御信号C
2(G
h)を受け取った制御部3232-m
h”は、会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす他の通話装置12-m
h’との通話を停止するための制御を行う。例えば、制御部3232-m
h”は、入出力装置121-m
h”,122-m
h”(
図3Aおよび
図3B)からの送話信号t
1-m
h”,t
2-m
h”の受信、および入出力装置121-m
h”,122-m
h”への受話信号r
1,r
2の送信を停止する。これにより、会話グループG=G
hに属し、かつ、条件CONを満たす最新の通話装置32-m
h間での通話が可能になる(通話制御処理の具体例の説明終わり)。
【0136】
<本形態の特徴>
本形態の通話制御装置31は、複数の通話装置32-1,…,32-Nの位置関係を表す位置関係情報uを用い、複数の通話装置32-1,…,32-Nのうち、相互の距離が基準距離RDよりも近い通話装置32-i1,32-i2の組を含む会話グループGを選択し、会話グループGに属し、かつ、会話グループGに属する通話装置32のうち、利用者1000の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件CONを満たす通話装置32に、会話グループGに属する通話装置32間で通話を行うための通話処理を実行させる。これにより、通話装置32間の距離が近くなり、利用者1000の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件CONを満たしたときに、それらの通話装置32間において自動的に通話が可能になり、距離が離れたときや条件CONを満たさなくなったときに通話が自動的に切断される。これにより、通話装置32の利用者1000が通話時に手動で操作を行うことなく、近くの通話装置32間で通話を行うことができる。
【0137】
[第3実施形態の変形例1]
第1実施形態の変形例1と同様、第3実施形態でも、各通話装置32-iの端末装置323-iの位置関係情報抽出部1233-iが、自らの通話装置32-iに対する相対位置が基準距離RDよりも近い他の通話装置32-i’を検出し、この通話装置32-i’を表す情報(近距離検出情報)を位置関係情報u-iとして抽出してもよい。さらに、通話制御装置31の選択部113が、このような位置関係情報u-iを用いて会話グループGを選択してもよい。
【0138】
[第3実施形態の変形例2]
第1実施形態の変形例2と同様、第3実施形態でも、ANC処理部2211cがマイクロホン1213,1214の何れか一方で観測された信号を用いてANC信号anc1を生成してもよい。同様に、ANC処理部2221cがマイクロホン1223,1224の何れか一方で観測された信号を用いてANC信号anc2を生成してもよい。
【0139】
[第3実施形態の変形例3]
第1実施形態の変形例3と同様、第3実施形態でも、マイクロホン1213,1223が、身体を伝達した音響信号を集音するように構成されたその他のマイクロホンであってもよい。その他、マイクロホン1213,1223が空気伝搬された音響信号を集音するように構成されたマイクロホンであってもよい。
【0140】
また、判定処理の例7では、送話信号t1-i,t2-iの両方を用い、利用者1000-iが、通話を開始するための発話や、通話を終了するための発話を行ったか否かを判定した。しかし、送話信号t1-i,t2-iの何れかを用い、利用者1000-iが、通話を開始するための発話や、通話を終了するための発話を行ったか否かを判定してもよい。
【0141】
[第3実施形態の変形例4]
第3実施形態では、通話制御部314が、判定結果y-jに基づいて条件CONを満たすか否かを判定した。しかし、通話制御部314が、判定結果y-jと利用者1000-jの属性情報とに基づいて、条件CONを満たすか否かを判定してもよい。属性情報の例は、利用者1000-jが所属する企業、部署、プロジェクト等である。このような属性情報は、例えば、通話制御装置31(
図1)の記憶部112に予め格納される。例えば、通話制御部314は、記憶部112に格納された属性情報と判定結果y-jとを用い、以下のように条件CONを満たすか否かを判定する。
【0142】
<条件CONを満たすか否かの判定方法の例示>
・判定結果y-jがT1となり、かつ、利用者1000-jの属性情報が特定の条件を満たす(例えば、特定の企業、部署、プロジェクト等に属する)通話装置32-j(通話開始の条件を満たした通話装置)は条件CONを満たす。
・条件CONを満たすと判断された通話装置32-jは、その後、判定結果y-jがFとなっても判定結果y-iがT2となるまで、条件CONを満たす。
・判定結果y-jがT2となった通話装置32-jまたは属性情報が特定の条件を満たさない通話装置32-jは条件CONを満たさない(通話終了の条件を満たした通話装置)。条件CONを満たさないと判断された通話装置32-jは、その後、判定結果y-jがFとなっても判定結果y-iがT1となるまで、条件CONを満たさない。
【0143】
[第3実施形態の変形例5]
第2実施形態またはその変形例と第3実施形態またはその変形例1から4とを組み合わせてもよい。例えば、会話グループGに属する通話装置32の周囲の騒音レベルβが基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL1よりも大きいことを条件に、会話グループGに属する通話装置32のうち、利用者1000の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件CONを満たす通話装置32に、通話処理を実行させてもよい。また、この通話処理は、会話グループGに属する通話装置32の利用者1000の耳1010,1020に通話装置32の周囲の音が到達することを抑制しながら、会話グループGに属する通話装置32間で通話を行うための処理であってもよい。さらに、通話制御部314が、会話グループGに属する通話装置32の周囲の騒音レベルが基準騒音レベル(第1基準騒音レベル)RNL1以下であることを条件に、会話グループGに属する通話装置32のうち、利用者1000の動きまたは姿勢または位置または発話の少なくとも何れかが特定の条件CONを満たす通話装置32に、利用者1000の耳に周囲の音を伝える外音取り込み処理を実行させてもよい。また、第3実施形態の変形例4で例示したように、さらに利用者1000-jの属性情報に基づいて、条件CONを満たすか否かが判定されてもよい。第3実施形態の変形例5の通話制御処理(ステップS33)を例示する。
【0144】
<通話制御処理(ステップS33)の変形例>
通話制御装置31(
図1)の選択部113から出力された会話グループGを特定するための情報は、通話制御装置31(
図1)の通話制御部314に入力される。通話制御部314には、さらに記憶部112から読みだした騒音レベルn-jを表す情報および判定結果y-jが入力される。通話制御部214は、会話グループGを特定するための情報と騒音レベルn-jを表す情報と判定結果y-jを用い、会話グループGに属する通話装置22間での通話を制御する。以下、本形態の通話制御処理の詳細を例示する。
【0145】
<領域判定(ステップS231)>
通話制御部314(
図1)は、会話グループGを特定するための情報と騒音レベルn-jと判定結果y-jを用い、会話グループG=G
hごとに、各通話装置32-iが上述の領域A
1,A
2,B
1,B
2,C,Dのいずれに属するのかを判断する。ここで、h∈{1,・・・,H}であり、i∈{1,・・・,N}である。以下に具体例を示す。
【0146】
ステップS331-1:通話制御部314は、h=1に設定する。
【0147】
ステップS331-2:通話制御部314は、i=1に設定する。
【0148】
ステップS331-3:通話制御部314は、通話装置32-iが会話グループG=Ghに属するか否か、および、上述した条件CONを満たすか否かを判定する。ここで、通話装置32-iが会話グループG=Ghに属する場合には、ステップS331-4に進む。一方、通話装置32-iが会話グループG=Ghに属さない場合、および、条件CONを満たさない場合には、ステップS331-5に進む。
【0149】
ステップS331-4:
通話制御部314は、会話グループG=Ghの騒音レベルβがβ≦β1を満たすか否か判定する。ここで、β≦β1を満たす場合、通話制御部314は、通話装置32-iが会話グループG=Ghにおいて領域A1に属すると判定してステップS331-6に進む。 一方、β≦β1を満たさない場合、通話制御部314は、会話グループG=Ghの騒音レベルβがβ1<β≦RNL(d)を満たすか否か判定する。ここで、β1<β≦RNL(d)を満たす場合、通話制御部314は、通話装置32-iが会話グループG=Ghにおいて領域A2に属すると判定してステップS331-6に進む。
一方、β1<β≦RNL(d)を満たさない場合、通話制御部314は、会話グループG=Ghの騒音レベルβがRNL(d)<β≦β2を満たすか否か判定する。ここで、RNL(d)<β≦β2を満たす場合、通話制御部314は、通話装置32-iが会話グループG=Ghにおいて領域B1に属すると判定してステップS331-6に進む。
一方、RNL(d)<β≦β2を満たさない場合、通話制御部314は、通話装置32-iが会話グループG=Ghにおいて領域B2に属すると判定してステップS331-6に進む。
【0150】
ステップS331-5:通話制御部314は、会話グループG=Ghの騒音レベルβがβ≦β2を満たすか否か判定する。ここで、β≦β2を満たす場合、通話制御部314は、通話装置32-iが会話グループG=Ghについて領域Cに属すると判定してステップS331-6に進む。一方、β≦β2を満たさない場合、通話制御部314は、通話装置32-iが会話グループG=Ghについて領域Dに属すると判定してステップS331-6に進む。
【0151】
ステップS331-6:
通話制御部314は、i=Nを満たすか否かを判定する。ここで、i=Nを満たさない場合、通話制御部314はi+1を新たなiとして処理をステップS331-3に戻す。
一方、i=Nを満たす場合、通話制御部314は、h=Hを満たすか否かを判定する。ここで、h=Hを満たさない場合、通話制御部314はh+1を新たなhとして処理をステップS231-2に戻す。一方、h=Hを満たす場合、通話制御部314は領域判定(ステップS331)を終了する。
【0152】
以上により、会話グループG=Ghごとに、各通話装置32-iが上述の領域A1,A2,B1,B2,C,Dのいずれに属するのかが特定される。その他の処理は、第3実施形態またはその変形例1から4と同じである。
【0153】
[ハードウェア構成]
通話制御装置11,21,31および端末装置123,223,323は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)およびRAM(random-access memory)・ROM(read-only memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される装置である。このコンピュータは1個のプロセッサやメモリを備えていてもよいし、複数個のプロセッサやメモリを備えていてもよい。このプログラムはコンピュータにインストールされてもよいし、予めROM等に記録されていてもよい。また、CPUのようにプログラムが読み込まれることで機能構成を実現する電子回路(circuitry)ではなく、プログラムを用いることなく処理機能を実現する電子回路を用いて一部またはすべての処理部が構成されてもよい。また、1個の装置を構成する電子回路が複数のCPUを含んでいてもよい。
【0154】
上述のプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例は非一時的な(non-transitory)記録媒体である。このような記録媒体の例は、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等である。
【0155】
このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。上述のように、このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶装置に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0156】
各実施形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
[その他の変形例等]
【0157】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の各実施形態では、利用者1000が耳1010,1020に入出力装置121,122,221,222を装着し、端末装置123,223,333を携帯した。しかし、入出力装置121,122,221,222がさらに端末装置123,223,333の少なくとも一部の機能を備えていてもよいし、端末装置123,223,333が入出力装置121,122,221,222の少なくとも一部の機能を備えていてもよい。また、端末装置333がセンサ3235を備えるのではなく、端末装置333の外部にセンサが設けられてもよい。
【0158】
端末装置123(223,333)の間の通話は、例えば、
図13Aに例示するようなメッシュ型の通信方式で実現できる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図13Bに例示するような多地点通信制御装置400を介したスター型の通信方式によって端末装置123(223,333)の間の通話が実現されてもよい。
図14に例示するように、多地点通信制御装置400は、すべての端末装置123(223,333)から受信した送話信号を全て加算し、加算後の信号から各端末装置123-i(223-i,333-i)からの送話信号を減算したものを、各通話装置123-i(223-i,333-i)の受話信号として、各通話装置123-i(223-i,333-i)に送信する。
【0159】
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、特許請求の範囲に記載された発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0160】
11,21,31 通話制御装置
113 選択部
114,214,314 通話制御部
12,22,32 通話装置
121,122,221,222入出力装置
123,223,323 端末装置
1231 通信部