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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175398
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】エンジン制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 45/00 20060101AFI20241211BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20241211BHJP
   F02D 41/06 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
F02D45/00 362
F02D43/00 301G
F02D41/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093162
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】蔡 剛
(72)【発明者】
【氏名】窪田 暁仁
(72)【発明者】
【氏名】森川 忠敬
【テーマコード(参考)】
3G301
3G384
【Fターム(参考)】
3G301HA06
3G301KA01
3G301LB00
3G301NB14
3G301PE04Z
3G301PF16Z
3G384AA07
3G384BA11
3G384CA01
3G384DA13
3G384ED08
3G384FA58Z
3G384FA60Z
3G384FA61Z
3G384FA62Z
(57)【要約】
【課題】エンジン始動直後の歯欠け部において早期に燃料噴射ができるようにする。
【解決手段】エンジン制御装置270は、歯欠け部が非対称かつ複数形成されたクランクシグナルプレート230の歯部を検知してパルス状のクランク信号を出力するクランク角センサ240の出力信号、及び吸気カムシャフト170の基準位置を規定する歯部の個数が他の歯部の個数とは異なっているカムシグナルプレート250の歯部を検知してパルス状のカム信号を出力するカム角センサ260の出力信号を夫々読み込む。そして、エンジン制御装置270は、エンジンの始動後にクランク信号の出力周期から歯欠け部が検知されたときに、その歯欠け部の検知位置を起点とした所定区間内におけるカム信号の出力個数に応じてエンジン100の気筒を判別する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフトと一体的に回転する円形プレートの外周端に複数の歯部が形成されるとともに、前記歯部の一部が欠損している歯欠け部が非対称かつ複数形成されたクランクシグナルプレートと、前記クランクシグナルプレートの歯部を検知してパルス状のクランク信号を出力するクランク角センサと、カムシャフトと一体的に回転する円形プレートの外周端に各気筒を判別するための歯部が形成されるとともに、前記カムシャフトの基準位置を規定する歯部の個数が他の歯部の個数とは異なっているカムシグナルプレートと、前記カムシグナルプレートの歯部を検知してパルス状のカム信号を出力するカム角センサと、が取り付けられたエンジンを制御するエンジン制御装置であって、
前記エンジンの始動後に前記クランク信号の出力周期から前記歯欠け部が検知されたときに、当該歯欠け部の検知位置を起点とした所定区間内における前記カム信号の出力個数に応じて前記エンジンの気筒を判別する、
エンジン制御装置。
【請求項2】
前記クランク信号の出力間隔を所定倍率で逓倍した逓倍クランク信号に同期して、前記クランクシャフトの回転角度を特定可能な第1のカウンタをカウントアップする、
請求項1に記載のエンジン制御装置。
【請求項3】
前記エンジンの始動後に前記歯欠け部が検知されたときに、当該歯欠け部の検知位置を起点とした所定区間内における前記カム信号の出力個数に応じて連続する2つの前記歯欠け部の検知周期を求め、
前記歯欠け部の検知周期、及び前記クランク信号に同期してカウントアップされる第2のカウンタの計数値に基づいて、前記歯欠け部になったこと及びこれが終了したことを検知し、前記歯欠け部になったことが検知されてから終了したことが検知されるまで、前記クランク信号を逓倍する所定倍率を変更する、
請求項2に記載のエンジン制御装置。
【請求項4】
前記クランク信号の出力周期から前記歯欠け部が2回検知されたとき、前記第1のカウンタの計数値に基づいて前記エンジンの燃料噴射制御を実行する、
請求項2に記載のエンジン制御装置。
【請求項5】
前記エンジンの始動後に前記クランク信号が所定個数出力されるまで、前記歯欠け部の検知を中止する、
請求項1に記載のエンジン制御装置。
【請求項6】
前記所定区間は、前記歯欠け部の検知位置を起点として遡った第1の所定区間、又は前記歯欠け部の検知位置後の所定位置を起点として遡った第2の所定区間である、
請求項1に記載のエンジン制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン始動直後においては、気筒判別が完了するまで、特開平9-250380号公報(特許文献1)に記載されるように、クランクシャフトの所定回転角度ごとにクランク角センサが出力する角度信号の計数結果に応じて燃料噴射が制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-250380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クランク角センサは、所定回転角度ごとの複数の歯部、及び複数の歯部の一部が欠損された各気筒の基準位置を規定する歯欠け部が形成されたクランクシグナルプレートを利用して、角度信号及び基準位置信号を出力する。このため、エンジン始動直後には、クランク角センサが歯欠け部を検知すると角度信号の計数が停止し、これによって、その後の歯欠け部では燃料噴射ができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、エンジン始動直後の歯欠け部において早期に燃料噴射ができるようにした、エンジン制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エンジンには、クランクシグナルプレートと、クランク角センサと、カムシグナルプレートと、カム角センサと、が取り付けられている。クランクシグナルプレートには、クランクシャフトと一体的に回転する円形プレートの外周端に複数の歯部が形成されるとともに、歯部の一部が欠損している歯欠け部が非対称かつ複数形成されている。クランク角センサは、クランクシグナルプレートの歯部を検知してパルス状のクランク信号を出力する。カムシグナルプレートには、カムシャフトと一体的に回転する円形プレートの外周端に各気筒を判別するための歯部が形成されるとともに、カムシャフトの基準位置を規定する歯部の個数が他の歯部の個数とは異なるように構成されている。カム角センサは、カムシグナルプレートの歯部を検知してパルス状のカム信号を出力する。そして、このようなエンジンを制御するエンジン制御装置は、エンジンの始動後にクランク信号の出力周期から歯欠け部が検知されたときに、その歯欠け部の検知位置を起点とした所定区間内におけるカム信号の出力個数に応じてエンジンの気筒を判別する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エンジン始動直後の歯欠け部においてエンジンの気筒を判別することができるので、その後の歯欠け部において燃料噴射を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】4サイクルエンジンの制御システムの一例を示す概略図である。
図2】クランクシグナルプレートの一例を示す平面図である。
図3】カムシグナルプレートの一例を示す平面図である。
図4】クランク信号及びカム信号の出力特性の一例を示す説明図ある。
図5】気筒判別処理の一例を示すフローチャートである。
図6】気筒判別処理の一例を示すフローチャートである。
図7】気筒判別処理の一例を示すフローチャートである。
図8】気筒判別処理の一例を示すフローチャートである。
図9】エンジンの気筒を判別する具体的な方法の一例を示す説明図である。
図10】エンジンの気筒を判別する具体的な方法の一例を示す説明図である。
図11】エンジンの気筒を判別する具体的な方法の一例を示す説明図である。
図12】エンジンの気筒を判別する具体的な方法の一例を示す説明図である。
図13】歯欠け部におけるクランク角度カウンタのカウントアップを補間する方法の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、3気筒の4サイクルエンジンの制御システムの一例を示している。なお、本実施形態は、3気筒の4サイクルエンジンに限らず、5気筒などの4サイクルエンジンにも適用することができる。
【0010】
エンジン100は、シリンダブロック110と、ピストン120と、クランクシャフト130と、コネクティングロッド140と、シリンダヘッド150と、を有している。シリンダブロック110には、ピストン120が往復動可能に配置されるシリンダボア110Aが形成されている。シリンダブロック110の下部には、図示しないベアリングを介して、シリンダブロック110に対して相対回転可能にクランクシャフト130が配置されている。そして、ピストン120は、コネクティングロッド140を介して、クランクシャフト130に連結されている。
【0011】
シリンダヘッド150には、吸気を導入する吸気ポート150Aと、排気を導出する排気ポート150Bと、が夫々形成されている。そして、シリンダヘッド150がシリンダブロック110の上面に締結されることで、シリンダブロック110のシリンダボア110A、ピストン120の冠面及びシリンダヘッド150の下面によって区画される領域が燃焼室160として機能する。燃焼室160を臨む吸気ポート150Aの開口端には、吸気カムシャフト170によって開閉駆動される吸気バルブ180が配置されている。また、燃焼室160を臨む排気ポート150Bの開口端には、排気カムシャフト190によって開閉駆動される排気バルブ200が配置されている。
【0012】
燃焼室160を臨むシリンダヘッド150の所定箇所には、燃焼室160に燃料を直接噴射する電磁式の燃料噴射弁210と、燃料と吸気との混合気を点火する点火プラグ220と、が夫々取り付けられている。なお、燃料噴射弁210は、燃焼室160に燃料を直接噴射する構成に限らず、吸気ポート150A又はこれらの両方に燃料を噴射する構成であってもよい。
【0013】
クランクシャフト130の端部には、クランクシグナルプレート230が取り付けられている。クランクシグナルプレート230は、図2に示すように、円板形状のプレート部230Aと、プレート部230Aの外周端から半径外方に向かって任意の所定角度ごとに延びる複数の歯部230Bと、が一体化された被検知部材である。また、クランクシグナルプレート230には、歯部230Bの一部が欠損されることで、クランク角度0°及び120°に対応する各気筒の角度基準位置、即ち、吸気カムシャフト170が1回転するときのクランク角度0°、120°、360°及び480°に対応する各気筒の角度基準位置を示す歯欠け部230Cが形成されている。ここで、歯欠け部230Cは、2つの歯部230Bを欠損させて形成されているが、任意数の歯部230Bを欠損させて歯欠け部230Cを形成するようにしてもよい。なお、プレート部230Aが、円形プレートの一例として挙げられる。
【0014】
3気筒エンジンの場合、クランクシグナルプレート230は、例えば、所定角度を10°とし、32個の歯部230Bと、2個の歯部230Bが欠損された30°に亘る2つの歯欠け部230Cと、を有している。要するに、クランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cは、クランクシャフト130の回転軸周りに非対称かつ複数形成されていればよい。
【0015】
シリンダブロック110の下部であって、クランクシグナルプレート230の外周端に対面する所定箇所には、クランクシグナルプレート230の歯部230Bを検知してパルス状のクランク信号POSを出力するクランク角センサ240が取り付けられている。従って、クランク角センサ240は、クランクシャフト130の回転に伴って、歯部230Bを検知した所定角度ごとの角度位置信号と、歯欠け部230Cを検知したクランク角度0°及び120°に対応する各気筒の基準位置信号と、を含むクランク信号POSを出力する。
【0016】
吸気カムシャフト170の端部には、カムシグナルプレート250が取り付けられている。カムシグナルプレート250は、図3に示すように、円板形状のプレート部250Aと、プレート部250Aの外周端から半径外方に向かって延びる複数の歯部250Bと、が一体化された被検知部材である。3気筒エンジンの場合、カムシグナルプレート250には、120°ごとに気筒判別用の3つの歯部250Bが設けられている。なお、第1気筒判別用の歯部250Bは2つの突起により形成され、第2気筒及び第3気筒判別用の歯部250Bは1つの突起により形成されている。要するに、カムシグナルプレート250には、吸気カムシャフト170と一体的に回転するプレート部250Aの外周端に各気筒を判別するための歯部230Bが形成され、吸気カムシャフト170の基準位置を規定する第1気筒判別用の歯部230Bの個数が他の歯部230Bの個数とは異なるように構成されている。なお、プレート部250Aが、円形プレートの一例として挙げられる。
【0017】
また、シリンダヘッド150の上部であって、カムシグナルプレート250の外周端に対面する所定箇所には、カムシグナルプレート250の歯部250Bを検知してパルス状のカム信号PHASEを出力するカム角センサ260が取り付けられている。従って、カム角センサ260は、吸気カムシャフト170が1回転する間に、歯部250Bを検知した0°、120°及び240°でカム信号PHASEを出力、要するに、クランク角度0°、120°及び480°に対応する角度で気筒判別用のカム信号PHASEを出力する。
【0018】
クランク角センサ240のクランク信号POS、及びカム角センサ260のカム信号PHASEは、マイクロコンピュータを内蔵したエンジンコントロールモジュール(ECM)270に入力されている。また、ECM270には、クランク角センサ240及びカム角センサ260の各出力信号に加え、回転速度センサ280、負荷センサ290、水温センサ300及び空燃比センサ310の各出力信号が入力されている。回転速度センサ280は、エンジン100の回転速度Neを検出する。負荷センサ290は、エンジン100の負荷Qを検出する。水温センサ300は、エンジン100の水温Twを検出する。空燃比センサ310は、排気中の空燃比ABFを検出する。ここで、エンジン100の負荷Qとしては、例えば、吸気流量、吸気負圧、過給圧力、アクセル開度、スロットル開度など、エンジン100の要求トルクと密接に関連する状態量を使用することができる。なお、ECM270は、回転速度センサ280に代えて、クランク角センサ240の出力信号からエンジン100の回転速度Neを算出するようにしてもよい。
【0019】
ECM270は、マイクロコンピュータの不揮発性メモリに格納されたアプリケーションプログラムを実行することで、クランク角センサ240、カム角センサ260、回転速度センサ280、負荷センサ290、水温センサ300及び空燃比センサ310の各出力信号に応じて、燃料噴射弁210及び点火プラグ220を夫々電子制御する。
【0020】
このとき、ECM270は、クランク角センサ240のクランク信号POSが10°ごとに発生して分解能が低いことに鑑み、マイクロコンピュータに内蔵された逓倍回路(図示せず)を使用して、クランク信号POSを10逓倍(倍周)した逓倍クランク信号POS’を生成する。具体的には、ECM270は、連続した2つのクランク信号POSの出力周期を逐次計測し、逓倍回路を使用して、直前のクランク信号POSの出力周期を10逓倍した逓倍クランク信号POS’を生成する。従って、逓倍クランク信号POS’は、クランクシャフト130が1°回転したことを示すこととなる。なお、逓倍クランク信号POS’は、クランク信号POSを10逓倍して生成する構成に限らず、クランク信号POSを任意の所定倍率で逓倍して生成する構成であってもよい。
【0021】
また、ECM270は、燃料噴射制御及び点火制御の前提である気筒判別処理で使用するパラメータとして、クランク信号カウンタ、クランク角度カウンタ、及び気筒判別フラグを使用する。なお、クランク信号カウンタ及びクランク角度カウンタが、第2のカウンタ及び第1のカウンタの一例として夫々挙げられる。
【0022】
クランク信号カウンタは、クランクシャフト130の回転角度がクランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cに対応する位置にあるか否かを判定する歯欠け判定のためのカウンタである。そして、ECM270は、クランク信号POSの入力に同期してクランク信号カウンタをカウントアップし、その計数値が歯欠け判定閾値以上になった後、次回のクランク信号POSの入力を契機としてクランク信号カウンタをリセットする。
【0023】
クランク角度カウンタは、燃料噴射タイミング及び点火タイミングを制御するためのカウンタである。そして、ECM270は、クランク信号POSを10逓倍した逓倍クランク信号POS’に同期してクランク角度カウンタをカウントアップし、所定気筒の歯欠け判定を行った後、次回のクランク信号POSの入力を契機としてクランク角度カウンタをリセットする。
【0024】
気筒判別フラグは、エンジン始動後に気筒判別が完了したか否かを示すフラグであって、イグニッションスイッチによりエンジン100が停止されたことを契機として、0(FALSE)にリセットされる。ここで、気筒判別フラグが0の場合には、エンジン始動後に気筒判別が完了していないことを示し、気筒判別フラグが1(TRUE)の場合には、エンジン始動後に気筒判別が完了したことを示す。
【0025】
ECM270は、回転速度センサ280及び負荷センサ290から回転速度Ne及び負荷Qを夫々読み込み、これらに基づいてエンジン運転状態に応じた基本燃料噴射量を算出する。また、ECM270は、水温センサ300から水温Twを読み込み、基本燃料噴射量を水温Twで補正した燃料噴射量を算出する。さらに、ECM270は、回転速度Ne、負荷Q及び燃料噴射量に基づいて、燃料噴射タイミング及び点火タイミングを夫々算出する。
【0026】
そして、ECM270は、クランク角度カウンタにより特定されるクランクシャフト130の回転角度が燃料噴射タイミングになったとき、燃料噴射量に応じた駆動信号を燃料噴射弁210に出力して、燃料噴射弁210から燃焼室160に燃料を噴射させる。また、ECM270は、クランク角度カウンタにより特定されるクランクシャフト130の回転角度が点火タイミングになったとき、点火プラグ220に駆動信号を出力して、燃料と吸気との混合気を着火燃焼させる。このとき、ECM270は、空燃比センサ310から空燃比ABFを読み込み、排気中の空燃比ABFが目標空燃比に近づくように燃料噴射弁210をフィードバック制御する。
【0027】
ところで、図2に示すクランクシグナルプレート230を使用した場合、図4に示すように、クランク角センサ240は、連続する2つの歯欠け部230Cの間において、22個のクランク信号POS、及び10個のクランク信号POSを交互に出力する。本実施形態では、連続する2つの歯欠け部230Cの間のクランク信号POSの周期を「クランク信号周期」、このクランク信号周期において22個のクランク信号POSが出力される場合を「長周期」、このクランク信号周期において10個のクランク信号が出力される場合を「短周期」と定義する。また、図3に示すカムシグナルプレート250を使用した場合、図4に示すように、カム角センサ260は、クランクシャフト130が基準位置から240°回転するたびに、1つ又は2つのカム信号PHASEを出力する。そして、このようなクランク信号POS及びカム信号PHASEの出力特性を利用して、クランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cが検知された歯欠け判定位置において、詳細を後述するようにエンジン100の気筒判別、その絶対角度などを特定する。なお、クランク信号周期が、連続する2つの歯欠け部230Cの検知周期の一例として挙げられる。
【0028】
図5図8は、イグニッションスイッチによりエンジン100が始動されたことを契機として、ECM270のマイクロコンピュータが、不揮発性メモリに格納されたアプリケーションプログラムを実行することによって、所定時間ごとに繰り返し実行する気筒判別処理の一例を示している。なお、以下の気筒判別処理の説明においては、説明を簡潔にすることを目的として、「ECM270のマイクロコンピュータ」を「ECM270」と略記する。
【0029】
気筒判別処理を実行するに際して、ECM270は、クランク角センサ240から出力されるクランク信号POSの出力周期に応じて、クランク角センサ240がクランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cを検知した歯欠け判定を行う。即ち、クランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cを挟んだ前後においては、クランク信号POSの出力周期は、「短→長→短」と変化する。従って、ECM270は、このようなクランク信号POSの出力周期の変化を監視し、その結果に応じて歯欠け判定を行うことができる。このとき、クランク信号POSの出力周期の変化特性により、ECM270は、歯欠け部230Cが終了してから2番目の歯部230Bを検知したときに、これは歯欠け部230Cであったと特定することができる。
【0030】
ステップ10(図5では「S10」と略記する。以下同様。)では、ECM270が、エンジン始動後の2回目の歯欠け判定以後であるか否かを判定する。そして、ECM270は、エンジン始動後の2回目の歯欠け判定以後であると判定すれば(Yes)、処理をステップ11へと進める。一方、ECM270は、エンジン始動後の2回目の歯欠け判定以後でないと判定すれば(No)、処理をステップ21へと進める。
【0031】
ステップ11では、ECM270が、クランク信号カウンタの計数値が9であるか否か、要するに、今回の歯欠け判定前のクランク信号周期が短周期であるか否かを判定する。そして、ECM270は、クランク信号カウンタの計数値が9であると判定すれば(Yes)、処理をステップ12へと進める。一方、ECM270は、クランク信号カウンタの計数値が9でないと判定すれば(No)、処理をステップ13へと進める。
【0032】
ステップ12では、ECM270が、今回の歯欠け判定から次回の歯欠け判定を行うまでのクランク信号周期が長周期であると特定する。その後、ECM270は、処理をステップ15へと進める。
【0033】
ステップ13では、ECM270が、クランク信号カウンタの計数値が21であるか否か、要するに、今回の歯欠け判定前のクランク信号周期が長周期であるか否かを判定する。そして、ECM270は、クランク信号カウンタの計数値が21であると判定すれば(Yes)、処理をステップ14へと進める。一方、ECM270は、クランク信号カウンタの計数値が21でないと判定すれば(No)、処理をステップ15へと進める。
【0034】
ステップ14では、ECM270が、今回の歯欠け判定から次回の歯欠け判定を行うまでのクランク信号周期が短周期であると特定する。その後、ECM270は、処理をステップ15へと進める。
【0035】
ステップ15では、ECM270が、クランク信号周期が長周期、かつクランク信号カウンタの計数値が20であるか否かを判定する。そして、ECM270は、クランク信号周期が長周期、かつクランク信号カウンタの計数値が20であると判定すれば(Yes)、処理をステップ17へと進める。一方、ECM270は、クランク信号周期が長周期でないか、又はクランク信号カウンタの計数値が20でないと判定すれば(No)、処理をステップ16へと進める。
【0036】
ステップ16では、ECM270が、クランク信号周期が短周期、かつクランク信号カウンタの計数値が8であるか否かを判定する。そして、ECM270は、クランク信号周期が短周期、かつクランク信号カウンタの計数値が8であると判定すれば(Yes)、処理をステップ17へと進める。一方、ECM270は、クランク信号周期が短周期でないか、又はクランク信号カウンタの計数値が8でないと判定すれば(No)、処理をステップ18へと進める。
【0037】
ステップ17では、ECM270が、クランク信号POSを逓倍する逓倍回路の逓倍倍率を10から30へと変更する。即ち、ECM270は、クランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cが30°に亘って形成されていることを考慮し、逓倍回路の逓倍倍率を30へと一時的に変更して、逓倍クランク信号POS’を補間する。その後、ECM270は、今回の制御サイクルにおける気筒判別処理を終了させる。
【0038】
ステップ18では、ECM270が、クランク信号周期が長周期、かつクランク信号カウンタの計数値が21であるか否かを判定する。そして、ECM270は、クランク信号周期が長周期、かつクランク信号カウンタの計数値が21であると判定すれば(Yes)、処理をステップ20へと進める。一方、ECM270は、クランク信号周期が長周期でないか、又はクランク信号カウンタの計数値が21でないと判定すれば(No)、処理をステップ19へと進める。
【0039】
ステップ19では、ECM270が、クランク信号周期が短周期、かつクランク信号カウンタの計数値が9であるか否かを判定する。そして、ECM270は、クランク信号周期が短周期、かつクランク信号カウンタの計数値が9であると判定すれば(Yes)、処理をステップ20へと進める。一方、ECM270は、クランク信号周期が短周期でないか、又はクランク信号カウンタの計数値が9でないと判定すれば(No)、今回の制御サイクルにおける気筒判別処理を終了させる。
【0040】
ステップ20では、ECM270が、クランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cにおける逓倍クランク信号POS’の補間が完了したので、クランク信号POSを逓倍する逓倍回路の逓倍倍率を30から10へと戻す。その後、ECM270は、今回の制御サイクルにおける気筒判別処理を終了させる。
【0041】
ステップ21では、ECM270が、エンジン始動後の初回の歯欠け判定を行ったか否かを判定する。そして、ECM270が、エンジン始動後の初回の歯欠け判定を行ったと判定すれば(Yes)、処理をステップ22へと進める。一方、ECM270は、エンジン始動後の初回の歯欠け判定を行っていないと判定すれば(No)、処理をステップ30へと進める。
【0042】
ステップ22では、ECM270が、歯欠け判定位置を起点として遡った第1の所定区間内において、カム角センサ260から出力されたカム信号PHASEが1つであるか否かを判定する。ここで、第1の所定区間は、3気筒の4サイクルエンジンである場合、例えば、140°とすることができる。そして、ECM270は、第1の所定区間内におけるカム信号PHASEが1つであると判定すれば(Yes)、処理をステップ23へと進める。一方、ECM270は、第1の所定区間内におけるカム信号PHASEが1つでないと判定すれば(No)、処理をステップ26へと進める。
【0043】
ステップ23では、ECM270が、今回の歯欠け判定から次回の歯欠け判定を行うまでのクランク信号周期が短周期であると特定する。
【0044】
ステップ24では、ECM270が、今回の歯欠け判定に関連するエンジン100の気筒が第2気筒であると特定する。ここで、ECM270は、エンジン100の気筒が第2気筒であると特定したことにより、クランクシャフト130の基準位置からの回転角度が50°であると特定することもできる。
【0045】
ステップ25では、ECM270が、エンジン始動後に気筒判別が行われたか否かを示す気筒判別フラグを1(TRUE)に設定する。その後、ECM270は、処理をステップ30へと進める。
【0046】
ステップ26では、ECM270が、歯欠け判定位置を起点として遡った第1の所定区間において、カム角センサ260から出力されたカム信号PHASEが2つであるか否かを判定する。そして、ECM270は、第1の所定区間内におけるカム信号PHASEが2つであると判定すれば(Yes)、処理をステップ27へと進める。一方、ECM270は、第1の所定区間内におけるカム信号PHASEが2つでないと判定すれば(No)、処理をステップ30へと進める。
【0047】
ステップ27では、ECM270が、今回の歯欠け判定から次回の歯欠け判定を行うまでのクランク信号周期が長周期であると特定する。
【0048】
ステップ28では、ECM270が、今回の歯欠け判定に関連するエンジン100の気筒が第1気筒であると特定する。ここで、ECM270は、エンジン100の気筒が第1気筒であると特定したことにより、クランクシャフト130の基準位置からの回転角度が30°であると特定することもできる。
【0049】
ステップ29では、ECM270が、エンジン始動後に気筒判別が行われたか否かを示す気筒判別フラグを1(TRUE)に設定する。その後、ECM270は、処理をステップ30へと進める。
【0050】
ステップ30では、ECM270が、歯欠け判定後の所定位置であり、かつ気筒判別フラグが0であるか否かを判定する。具体的には、ECM270は、クランク信号カウンタの計数値が、例えば、所定位置の一例として挙げることができる上死点を示しているか否かを判定する。そして、ECM270は、歯欠け判定後の所定位置であり、かつ気筒判別フラグが0であると判定すれば(Yes)、処理をステップ31へと進める。一方、ECM270は、歯欠け判定後の所定位置でないか、又は気筒判別フラグが0でないと判定すれば(No)、処理をステップ15へと戻す。
【0051】
ステップ31では、ECM270が、歯欠け判定後の所定位置を起点として遡った第2の所定区間内において、カム角センサ260から出力されたカム信号PHASEが1つであるか否かを判定する。そして、ECM270は、第2の所定区間内におけるカム信号PHASEが1つであると判定すれば(Yes)、処理をステップ32へと進める。一方、ECM270は、第2の所定区間内におけるカム信号PHASEが1つでないと判定すれば(No)、処理をステップ33へと進める。ここで、上述した第1の所定区間、及び第2の所定区間が、歯欠け部230Cの検知位置を起点とした所定区間の一例として挙げられる。
【0052】
ステップ32では、ECM270が、今回の歯欠け判定から次回の歯欠け判定を行うまでのクランク信号周期が長周期であると特定する。その後、ECM270は、処理をステップ15へと戻す。
【0053】
ステップ33では、ECM270が、歯欠け判定後の所定位置を起点として遡った第2の所定区間内において、カム角センサ260から出力されたカム信号PHASEが2つであるか否かを判定する。そして、ECM270は、第2の所定区間内におけるカム信号PHASEが2つであると判定すれば(Yes)、処理をステップ34へと進める。一方、ECM270は、第2の所定区間内におけるカム信号PHASEが1つでないと判定すれば(No)、処理をステップ15へと戻す。
【0054】
ステップ34では、ECM270が、今回の歯欠け判定から次回の歯欠け判定を行うまでのクランク信号周期が短周期であると特定する。その後、ECM270は、処理をステップ15へと戻す。
【0055】
かかる気筒判別処理によれば、ECM270は、エンジン始動後に初回の歯欠け判定を行ったとき、歯欠け判定位置を起点として遡った第1の所定区間内において、カム角センサ260から出力されたカム信号PHASEが1つであるか又は2つであるかを判定する。そして、図9に示すように、第1の所定区間内にカム信号PHASEが1つ出力されていれば、ECM270は、今回の歯欠け判定位置から次回の歯欠け判定位置までのクランク信号周期が短周期であると特定するとともに、エンジン100の気筒が第2気筒であると特定する。このとき、歯欠け判定位置からその直前の上死点までの回転角度が既知であることから、ECM270は、エンジン100の気筒が第2気筒であると特定したことにより、図示するように、第1気筒の上死点#1TDCを起点としたクランクシャフト130の回転角度が50°であると特定することができる。
【0056】
また、図10に示すように、第1の所定区間内にカム信号PHASEが2つ出力されていれば、ECM270は、今回の歯欠け判定位置から次回の歯欠け判定位置までのクランク信号周期が長周期であると特定するとともに、エンジン100の気筒が第1気筒であると特定する。このとき、歯欠け判定位置からその直前の上死点までの回転角度が既知であることから、ECM270は、エンジン100の気筒が第1気筒であると特定したことにより、図示するように、第1気筒の上死点#1TDCを起点としたクランクシャフト130の回転角度が530°であると特定することができる。
【0057】
このような条件が成立しない場合、ECM270は、図11及び図12に示すように、歯欠け判定位置後の所定位置(例えば、上死点)を起点として遡った第2の所定区間内において、カム角センサ260から出力されたカム信号PHASEが1つであるか又は2つであるかを判定する。そして、図11に示すように、第2の所定区間内にカム信号PHASEが1つ出力されていれば、ECM270は、所定位置から次回の歯欠け判定位置までのクランク信号周期が長周期であると特定する。ここで、今回の歯欠け判定位置の直前においては、同図に示すように、カム信号PHASEが出力されていないので、歯欠け判定位置ではクランク信号周期は不明となる。このとき、ECM270は、所定位置においてこれに続くクランク信号周期が長周期であると特定したことにより、その後にクランク信号POSが5つ出力された位置におけるエンジン100の気筒が第3気筒であると特定することができる。さらに、第1気筒の上死点を起点とした第3気筒の上死点のクランクシャフト130の回転角度が既知であるため、ECM270は、所定位置におけるクランクシャフト130の回転角度が240°であると特定することもできる。
【0058】
また、図12に示すように、第2の所定区間内にカム信号PHASEが2つ出力されていれば、ECM270は、所定位置から次回の歯欠け判定位置までのクランク信号周期が短周期であると特定する。ここで、今回の歯欠け判定位置の直前の第2の所定区間においては、同図に示すように、カム信号PHASEが出力されていないので、歯欠け判定位置ではクランク信号周期は不明となる。このとき、図4に示すクランク信号及びカム信号の出力特性から、ECM270は、所定位置におけるクランクシャフト130の回転角度が480°であると特定することもできる。なお、この場合には、エンジン始動後の2回目の歯欠け判定によりエンジン100の気筒が特定できる。
【0059】
2回目の歯欠け判定が行われた後には、ECM270は、クランク信号カウンタの計数値が9であるか又は21であるかを判定する。そして、クランク信号カウンタの計数値が9であれば、ECM270は、その計数値が9になった後のクランク信号周期が長周期であると特定する。一方、クランク信号カウンタの計数値が21であれば、ECM270は、その計数値が21になった後のクランク信号周期が短周期であると特定する。
【0060】
そして、上記のようにクランク信号周期が特定された後には、ECM270は、クランク信号周期及びクランク信号カウンタの計数値に応じて、クランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cにおけるクランク角度カウンタのカウントアップを補間すべきか否かを判定する。具体的には、ECM270は、クランク信号周期が長周期、かつクランク信号カウンタの計数値が20になったとき、又はクランク信号周期が短周期、かつクランク信号カウンタの計数値が8になったとき、クランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cになったことを検知する。要するに、ECM270は、クランク信号周期が長周期の場合にはクランク信号POSが22個出力され、クランク信号周期が短周期の場合にはクランク信号POSが10個出力されることを踏まえ、上記のようにすることで、歯欠け部230Cになったことを検知する。歯欠け部230Cになったことが検知されると、ECM270は、歯欠け部230Cにおけるクランク角度カウンタのカウントアップを補間すべく、逓倍回路の逓倍倍率を10から30へと変更する。このため、クランクシャフト130の回転角度に関して30°に亘って形成された歯欠け部230Cでは、図13に示すように、歯欠け部230Cの直前におけるクランク信号POSを30逓倍した逓倍クランク信号に同期して、クランク角度カウンタがカウントアップされる。従って、歯欠け部230Cを検知している間にも、クランク角度カウンタの更新が継続され、これを使用して燃料噴射制御などを行うことができる。
【0061】
また、逓倍回路の逓倍倍率を10から30へと変更した後、ECM270は、クランク信号周期が長周期、かつクランク信号カウンタの計数値が21になったとき、又はクランク信号周期が短周期、かつクランク信号カウンタの計数値が9になったとき、クランクシグナルプレート230の歯欠け部230Cが終了したことを検知する。要するに、ECM270は、クランク信号周期が長周期の場合にはクランク信号POSが22個出力され、クランク信号周期が短周期の場合にはクランク信号POSが10個出力されることを踏まえ、上記のようにすることで、歯欠け部230Cが終了したことを検知する。歯欠け部230Cの終了が検知されると、ECM270は、歯欠け部230C以外におけるクランク角度カウンタのカウントアップに戻るべく、逓倍回路の逓倍倍率を30から10へと変更する。このため、歯欠け部230Cが終了した後では、図13に示すように、歯欠け部230Cの直前におけるクランク信号POSを10逓倍した逓倍クランク信号に同期して、クランク角度カウンタがカウントアップされる。
【0062】
従って、ECM270は、エンジン100の始動後に、クランク信号POSの出力周期から歯欠け部230Cが検知されたとき、その歯欠け部230Cの検知位置を起点とした所定区間内におけるカム信号PHASEの出力個数に応じてエンジン100の気筒を判別することができる。また、歯欠け部230Cにおけるクランク角度カウンタのカウントアップが補間されるので、ECM270は、エンジン100の気筒を判別した後には、クランク角度カウンタの計数値に基づいて、燃料噴射制御などを実行することができる。
【0063】
なお、当業者であれば、様々な上記実施形態の技術的思想について、例えば、その一部を省略したり、その一部を適宜組み合わせたり、その一部を周知技術に置換したりすることで、新たな実施形態を生み出せることを容易に理解できるであろう。
【0064】
その一例を列挙すると、エンジン100の始動直後にはエンジン回転が安定しないことを考慮し、ECM270は、エンジン始動後にクランク信号POSが所定個数出力されるまで、歯欠け部230Cの検知を中止するようにしてもよい。このようにすれば、エンジン回転が安定していない状態での気筒判別処理が行われず、例えば、信頼性の低い状態での燃料噴射制御などが行われることを回避することができる。また、エンジン100のクランクシャフト130の回転角度が特定されたとき、ECM270は、この回転角度に応じてクランク角度カウンタの計数値を較正するようにしてもよい。
【0065】
さらに、エンジン始動後に歯欠け部230Cが2回検知されたときには、エンジン100の気筒、クランクシャフト130の回転角度が一意に特定できるので、ECM270は、逓倍クランク角度に同期してカウントアップされるクランク角度カウンタの計数値に応じて、燃料噴射制御を実行するようにしてもよい。さらにまた、本実施形態は、燃料噴射制御を伴う、4サイクルのガソリンエンジン、4サイクルのディーゼルエンジンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
100…エンジン、130…クランクシャフト、170…吸気カムシャフト(カムシャフト)、230…クランクシグナルプレート、230A…プレート部(円形プレート)、230B…歯部、230C…歯欠け部、240…クランク角センサ、250…カムシグナルプレート、250A…プレート部(円形プレート)、250B…歯部、260…カム角センサ、270…ECM(エンジン制御装置)
図1
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図10
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