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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175399
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】基板処理方法及び改質ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20241211BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241211BHJP
   H01L 21/316 20060101ALN20241211BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/31 C
H01L21/316 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093165
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠間 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 昭宏
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
5F004AA04
5F004EA12
5F004EB01
5F045AA08
5F045AA15
5F045AC07
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AD09
5F045AD10
5F045BB17
5F045EE17
5F045HA13
5F045HA18
5F045HA23
5F058BC02
5F058BC03
5F058BC08
5F058BC09
5F058BC11
5F058BD04
5F058BD05
5F058BD10
5F058BD12
5F058BD15
5F058BF27
5F058BF37
5F058BH12
5F058BH17
(57)【要約】
【課題】側壁のエッチング耐性を向上させて、所期の微細パターンを得るための基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理方法は、立体構造を有する基板上に成膜されたALD膜のうち、少なくとも、前記立体構造に沿うALD膜の側壁に真空紫外光を照射して前記ALD膜を改質すること、前記立体構造に沿うALD膜の側壁を残すように、ALD膜をエッチバックすること、及び、改質され、かつ、前記エッチバックで残した前記ALD膜をエッチングマスクにして、前記基板をエッチングすること、を含む。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体構造を有する基板上に成膜されたALD膜のうち、少なくとも、前記立体構造に沿うALD膜の側壁に真空紫外光を照射して前記ALD膜を改質すること、
前記立体構造に沿うALD膜の側壁を残すように、ALD膜をエッチバックすること、及び、
改質され、かつ、前記エッチバックで残した前記ALD膜をエッチングマスクにして、前記基板をエッチングすること、を含むことを特徴とする、基板処理方法。
【請求項2】
前記ALD膜を改質することの後に、前記ALD膜をエッチバックすることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記基板処理方法に先立って、前記立体構造を有する前記基板上にALD膜を成膜し、
前記ALD膜を成膜することと、成膜した前記ALD膜を改質することの組み合わせを、複数回繰り返すことを特徴とする、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記ALD膜は、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜及びシリコン窒化膜のうちいずれか一つを主成分とすることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記真空紫外光は、光スペクトルにおいて波長が10nm以上200nm以下に最大強度を示すことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記基板処理方法は、自己整合型マルチパターニングプロセスの一部であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記基板処理方法は、自己整合型コンタクトホール形成プロセスの一部であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記基板処理方法は、リソグラフィで形成したホール径より小さいホール径を有するホールの形成プロセスの一部であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項9】
立体構造上にALD膜を有する基板を固定するためのチャックと、
前記チャックを内部に有する処理室と、
前記ALD膜のうち、少なくとも、前記立体構造の側壁に沿う部分に真空紫外光を照射するための真空紫外光源と、
不活性ガスを前記処理室に供給することを制御するガス供給制御弁と、
前記処理室内のガスを排出するガス排出制御弁と、を備え、
前記真空紫外光を照射して前記ALD膜を改質することを特徴とする、改質ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法及び改質ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィによる半導体の微細化技術として、SADP(Self-Aligned Double Patterning)、やSAQP(Self-Aligned Quadrable Patterning)などの自己整合型マルチパターニングプロセスが知られている。これらの自己整合型マルチパターニングプロセスでは、下地となるパターン上にコンフォーマルな膜を成膜し、成膜したコンフォーマルな膜をエッチバックして、下地となるパターンの側壁に沿う部分の膜だけを残し、残した膜をエッチングマスクとして使用する。
【0003】
特許文献1は、このような自己整合型マルチパターニング技術について記載された文献である。特に、当該文献には、下地となるパターン上に成膜するコンフォーマルな膜に、ALD(Atomic Layer Deposition、原子層堆積)法により成膜した、ALD膜を使用することが記載されている。ALD法は、下地となる立体構造の上面、底面及び側面に、原子層オーダーで膜厚制御した膜を形成する成膜法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2016-539361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自己整合型マルチパターニングプロセスで使用される側壁は、エッチングマスクとして使用される。そのため、側壁には高いエッチング耐性が求められる。側壁がエッチングにより削られると、当該側壁が欠損したり傾倒したりするおそれがある。特にALD膜は薄いため、側壁をALD膜で構成する場合は、欠損又は傾倒のリスクが高い。ALD膜で構成される側壁には、高いエッチング耐性を要する。
【0006】
そこで、ALD膜で構成される側壁のエッチング耐性を向上させ、所期の微細パターンを得るための基板処理方法と、当該基板処理方法を実現するための基板処理ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基板処理方法は、
立体構造を有する基板上に成膜されたALD膜のうち、少なくとも、前記立体構造に沿うALD膜の側壁に真空紫外光を照射して前記ALD膜を改質すること、
前記立体構造に沿うALD膜の側壁を残すように、ALD膜をエッチバックすること、及び、
改質され、かつ、前記エッチバックで残した前記ALD膜をエッチングマスクにして、前記基板をエッチングすること、を含む。
【0008】
上記基板処理方法を創出するに至った経緯を説明する。自己整合型マルチパターニングプロセスでALD膜の側壁を使用する方法は知られていたが、ALD膜のエッチング耐性を高めることは、厚く成膜することぐらいしか検討されてこなかった。本発明者らは、膜厚だけに頼ることなく、ALD膜自体のエッチング耐性を向上させたいという新たな発想のもと、鋭意研究を重ねた。その結果、本発明者らは、ALD膜に含まれる不純物量と欠陥量によってエッチング耐性が変化することを見出し、ALD膜に真空紫外光を照射することで、ALD膜中の不純物や欠陥を取り除く、ALD膜の改質方法を創出した。
【0009】
前記基板処理方法により、ALD膜中の不純物や欠陥を取り除くことができ、エッチング耐性を向上させることができる。そして、エッチバックで残したALD膜の側壁を欠損又は傾倒させることなく、エッチングマスクとして利用し、下地を精緻にエッチングできる。
【0010】
前記ALD膜を改質することの後に、前記ALD膜をエッチバックしても構わない。また、前記ALD膜をエッチバックした後に残ったALD膜に対して改質しても構わない。このとき、立体構造を残した状態でALD膜を改質しても構わないし、立体構造を除去した後でALD膜を改質しても構わない。
【0011】
前記基板処理方法に先立って、前記立体構造を有する前記基板上にALD膜を成膜し、
前記ALD膜を成膜することと、成膜した前記ALD膜を改質することの組み合わせを、複数回繰り返しても構わない。これにより、所望の厚みのALD膜を成膜できるとともに、複数回の真空紫外光の照射により、エッチング耐性がさらに向上する。なお、前記ALD膜の成膜と前記ALD膜の改質を組み合わせず、前記ALD膜の改質回数(真空紫外光の照射回数)を、前記ALD膜の成膜回数から独立して設定してもよい。
【0012】
前記ALD膜は、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜及びシリコン窒化膜のうちいずれか一つを主成分としても構わない。
【0013】
前記真空紫外光は、光スペクトルにおいて波長が10nm以上200nm以下に最大強度を示しても構わない。前記光スペクトルは、波長が172nmの波長において光強度を示しても構わない。
【0014】
ところで、エッチングマスクとして使用する、ALD膜の側壁には、種々の使用態様がある。第一の使用態様は、自己整合型マルチパターニングプロセスに使用する側壁である。つまり、前記基板処理方法は、自己整合型マルチパターニングプロセスの一部であっても構わない。前記自己整合型マルチパターニングプロセスは、SADP(Self-Aligned Double Patterning)プロセスであってもよく、SAQP(Self-Aligned Quadrable Patterning)プロセスであってもよい。
【0015】
第二の使用態様は、自己整合型コンタクトホールを形成する際の、コンタクトホールとゲート電極との接触を防止する側壁である。つまり、前記基板処理方法は、自己整合型コンタクトホール形成プロセスの一部であっても構わない。
【0016】
第三の使用態様は、リソグラフィ装置で形成したホールの径を小さくする側壁である。つまり、前記基板処理方法は、リソグラフィで形成したホール径より小さいホール径を有するホールの形成プロセスの一部であっても構わない。
【0017】
本発明の基板処理ユニットは、改質ユニットであり、
立体構造上にALD膜を有する基板を固定するためのチャックと、
前記チャックを内部に有する処理室と、
前記ALD膜のうち、少なくとも、前記立体構造の側壁に沿う部分に真空紫外光を照射するための真空紫外光源と、
不活性ガスを前記処理室に供給することを制御するガス供給制御弁と、
前記処理室内のガスを排出することを制御するガス排出制御弁と、を備え、
前記真空紫外光を照射して前記ALD膜を改質することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、側壁のエッチング耐性を向上させ、所期の微細パターンを得るための基板処理方法と、当該基板処理方法を実現するための改質ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】第一基板処理方法を示す基板の断面図である。
図1B】第一基板処理方法を示す基板の断面図である。
図1C】第一基板処理方法を示す基板の断面図である。
図1D】第一基板処理方法を示す基板の断面図である。
図1E】第一基板処理方法を示す基板の断面図である。
図1F】第一基板処理方法を示す基板の断面図である。
図2】第一基板処理方法のフロー図である。
図3A】光照射プロセスを説明する図である。
図3B】光照射プロセスを説明する図である。
図4】基板処理装置を示す図である。
図5A】第一基板処理方法の第一変形例を示す基板の断面図である。
図5B】第一基板処理方法の第一変形例を示す基板の断面図である。
図6A】第一基板処理方法の第二変形例を示す基板の断面図である。
図6B】第一基板処理方法の第二変形例を示す基板の断面図である。
図7】第二基板処理方法により処理した基板の断面図である。
図8】第三基板処理方法により処理した基板の上面図である。
図9】第三基板処理方法により処理した基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、上述した基板処理方法及び改質ユニットの具体例について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の個数は、実際の個数と必ずしも一致していない。
【0021】
<第一基板処理方法>
[全体概要]
図1A図1F及び図2を参照しながら、第一基板処理方法の一例を説明する。図1A図1Fはいずれも基板1の断面図であり、図1Aから図1Fまで順に処理が進む様子を表している。図2は、基板処理方法のフロー図である。図1A図1F及び図2を使用して、前記基板処理方法を、SADPプロセスによる微細パターン4の形成に適用する例を説明する。
【0022】
ステップS1で、基板1上に立体構造2を形成する。基板1について説明する。通常、基板1は、ウェハ上に、ALD側壁をマスクとしてエッチングされるハードマスク又は被加工膜を含む下地パターンが形成されているものを言う。しかしながら、基板1が、パターンが形成されていないベアウェハであっても構わない。図1Aは、このような基板1の上に、マンドレルパターンと呼ばれることのある、複数の立体構造2が形成されている。第一基板処理方法では、複数の立体構造2は、ラインアンドスペース(以降、「L/S」ということがある。)パターンであり、実際にはより多くのL/Sパターンが基板1上に存在する。なお、図を見やすくするために、4つの立体構造2のうち、一つの立体構造2にのみ符号を付し、他の立体構造2の符号を省略している。図1A以外の図面においても、全ての部材に符号を付すことなく、一部の部材のみに符号を付すことがある。
【0023】
ステップS2で、立体構造2の形成された基板1上に、ALD膜3aを成膜する。ALD膜3aとして、例えば、シリコン酸化膜(SiOを主成分とする膜)を成膜できる。ALD膜は、ALD法により形成された膜である。通常のCVD法では、熱的に活性化された気相反応を利用して膜を蒸着形成するのに対し、ALD法では、プリカーサと呼ばれる前駆体ガスと、酸化剤として機能するガスを、基板1上に交互に送り込み、立体構造2の上面、底面及び側面に、原子層オーダーで膜厚制御しながら成膜できる。
【0024】
本明細書において、一層分のALD膜を示す場合は、下層から順に、3a,3b,・・・と符号を付す(後述する図1D参照)。どの層のALD膜であるかを特定する必要のないとき、又は、ALD膜全体を総称して表現するときには、「ALD膜3」と記すことがある。ALD膜3の成膜法の詳細は後述するが、図1Bに示されるように、ALD膜3は、立体構造2である凸部の表面(上面若しくは側面)、及び、立体構造2の無い凹部の表面のいずれにも、比較的均一な膜を形成できる。
【0025】
ALD膜を自己整合型マルチパターニングに使用するため、ALD膜にはエッチングマスクとしての高いエッチング耐性が要求される。エッチングマスクとして使用するはずのALD膜がエッチングにより削られると、所期の形状のパターンを得られない。また、第二基板処理方法以降で説明するように、自己整合型マルチパターニング以外の場面においても、ALD膜で構成される側壁においてもエッチング耐性が求められる。
【0026】
そこで、ステップS3で、成膜されたALD膜3aに真空紫外光L1を照射し、ALD膜3aを改質する。図1Bは、立体構造2上に成膜したALD膜3aの全体に真空紫外光L1を照射する様子を示す。図1B及び後述する図1Cでは、見やすくするため、一部の光線を表す矢印にのみL1の符号を付している。真空紫外光L1は、基板1に対して垂直に入射させるように示しているが、実際には、基板1に対して斜めに入射する光線が真空紫外光L1に含まれているから、立体構造2の側面に接するALD膜3aの側壁部分にも、真空紫外光L1が照射されることになる。
【0027】
ステップS4では、ALD膜(3b,3c,・・・)の成膜と真空紫外光の照射によるALD膜の改質の組み合わせを、所定回数に到達するまで繰り返す。図1Cは、成膜した2層目のALD膜3bに対して真空紫外光L1を照射する様子を表している。図1Dは、ALD膜(3a,3b,3c,3d)の成膜と真空紫外光の照射によるALD膜の改質の組み合わせを4回繰り返した様子を示す。
【0028】
ステップS5で、立体構造2が露出するまでALD膜(3d,3c,3b,3a)をエッチバックする。エッチバックは、プラズマエッチング等の異方性エッチングにより基板1の表面全体に対して垂直方向にエッチングすることを目的とする。図1Eはエッチバック後の様子を示す。図1Eに示されるように、エッチバック後に、ALD膜の側壁の少なくとも一部が残る。側壁とは、立体構造2の側面に沿って設けられた膜をいう。側壁の幅はALD膜の膜厚によって決定されるため、該幅は精密に制御可能である。
【0029】
ステップS6で、エッチングにより、露出した立体構造2を選択的に除去する。これにより、SADPプロセスによる微細パターン4が形成される。なお、微細パターン4を立体構造2とみなして2回目のSADPプロセスを行うSAQPプロセスを行ってもよい。このとき、2回目のSADPプロセスにおいて形成されるALD膜にも、真空紫外光L1を照射してもよい。また、1回目のSADPプロセスではALD膜に真空紫外光L1を照射せず、2回目のSADPプロセスではALD膜に真空紫外光L1を照射してもよい。また、1回目のSADPプロセスではALD膜を成膜せず、2回目のSADPプロセスでALD膜を成膜してもよい。
【0030】
本基板処理方法では、ALD膜3の成膜と真空紫外光L1の照射の組み合わせを4回繰り返しているが、4回より多く繰り返してもよく、4回より少なく繰り返してもよい。繰り返すことなく、ALD膜3の成膜と紫外光の照射の組み合わせを1度ずつ行ってもよい。本基板処理方法では、4層全てのALD膜(3a,3b,3c,3d)に対して真空紫外光L1を照射しているが、特定層のALD膜を成膜したときにのみ、真空紫外光L1を照射してもよい。例えば、1層目のALD膜3aと2層目のALD膜3bを成膜したのちに、真空紫外光L1を照射し、3層目のALD膜3cと4層目のALD膜3dを成膜したのちに、真空紫外光L1を照射してもよい。つまり、2層分の成膜を終えた後で真空紫外光を一回照射する方法である。3層分以上の成膜を終えた後で真空紫外光を一回照射する方法であってもよい。紫外光の浸入深さに応じて、ALD膜の成膜回数に対する紫外光の照射タイミングを決定してもよい。各ALD膜の膜厚は同じでもよく、異なっていてもよい。真空紫外光L1の照射強度又は照射時間を、各ALD膜で異ならせてもよい。各ALD膜で、真空紫外光L1の照射強度又は照射時間を同じにしてもよい。
【0031】
[改質メカニズム]
真空紫外光L1を照射することでALD膜3を改質するメカニズムを、図3A及び図3Bを参照しながら説明する。図3Aは、シリコン酸化膜(SiO)を主成分とするALD膜3の化学構造30を示す。ALD膜3は、その化学構造30内に、不純物である炭素原子(C)を含んでいたり、欠陥であるSi原子のダングリングボンド(未結合手)9を含んでいたりしている。不純物や欠陥は、ALD膜3の成膜過程で導入されることが多い。これらの不純物や欠陥が、ALD膜3のエッチング耐性を低下させる。エッチング耐性が低下すると、エッチバック後のALD膜3である側壁をエッチングマスクとして利用するとき、側壁自体がエッチングで削られて欠損したり、側壁の減肉により側壁が傾倒したりすることがある。なお、本明細書において、ALD膜3における主成分とは、ALD膜3の中で原子%濃度が最大の材料をいう。
【0032】
そこで、ALD膜3に真空紫外光L1を照射し、ALD膜3を緻密化する。真空紫外光L1は、光スペクトルにおいて波長が10nm以上200nm以下の光をいう。真空紫外光L1として、例えば、172nmの波長の紫外光を使用してもよい。本明細書において、「172nmの波長の紫外光」とは、光スペクトル分布において172nmの波長において光強度を示す光を表し、他の波長において光強度を示しても構わない。なお、真空紫外光L1以外の光、例えば、光スペクトルにおいて200nmを超える波長域の光を含んでいてもよい。「172nmの波長の紫外光」を得るには、光源における発光部における発光スペクトルが、172nm±14nm(半値幅)である光源(例えば、キセノンエキシマランプ)を使用してもよい。また、最大強度が所望の波長となるように、発光部からの出射光を、波長選択フィルタ又はガラス等を透過させた光源を使用しても構わない。
【0033】
Si原子と炭素原子の結合エネルギー(Si-Cの結合エネルギー)は、338kJ/molである。これに対して、紫外光により当該結合エネルギーよりも大きなエネルギーを与えると、Si-Cの結合を切断できる。例えば、172nmの波長の紫外光のフォトンエネルギーは698kJ/molであるから、172nmの波長の紫外光は、Si-Cの結合を切断し、不純物Cを化学構造30から離脱させることができる。このように、真空紫外光L1を使用することで、Siと不純物Cの結合を切断できる。不純物Cの離脱後に、Oから生成された原子状酸素(励起状態のO(D))や、O(オゾン)に含まれるOが、切断されたSiに結合し、Si-Oが形成される。
【0034】
波長が172nmの紫外光は、原子状酸素(励起状態のO(D)、又は基底状態のO(P))の生成にも寄与する。また、生成された原子状酸素O(P)がOと結合して、O(オゾン)が生成するのを助ける。Oや原子状酸素(特に励起状態のO(D))がSi-Cの結合を切断することがある。また、ダングリングボンド9にも、原子状酸素や、O(オゾン)のOが結合することにより、Si-Oが形成される。その結果、図3Bに示される、不純物や欠陥の少ない化学構造31を有するシリコン酸化膜(SiO)が得られる。このように、ALD膜3を不純物や欠陥の少ない膜に改質するために、真空紫外光を照射することには、格別の効果を有する。
【0035】
以上、ALD膜3がシリコン酸化膜を主成分とする場合の改質メカニズムを説明したが、ALD膜3は、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、アルミニウム酸化膜、アルミニウム窒化膜、チタン酸化膜、又はチタン窒化膜を主成分としてもよく、これら他の成分を主成分とするALD膜である場合にも、上述したALD膜の改質メカニズムは成立する。よって、ALD膜3は、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、アルミニウム酸化膜、アルミニウム窒化膜、チタン酸化膜、又はチタン窒化膜を主成分とするものであってもよい。
【0036】
[基板処理装置]
図4を参照しながら基板処理装置の一例を説明する。基板処理装置100は、成膜ユニット11と、改質ユニット21と、ウェハW1を搬送するウェハ搬送装置40と、制御部50と、を有する。制御部50は、成膜ユニット11と、改質ユニット21と、ウェハW1を搬送するウェハ搬送装置40と、を一括して制御できるように設計されているが、各ユニットが個別に制御部を有していても構わない。ウェハ搬送装置40は、ウェハW1を、成膜ユニット11又は改質ユニット21に搬送する。なお、ウェハ搬送装置40は、基板処理装置100に含まれなくても構わない。
【0037】
[成膜ユニット]
成膜ユニット11について説明する。成膜ユニット11は、ウェハW1を固定するためのチャック12、チャック12を介してウェハW1を加熱するヒータ13、ガスを供給するガス供給ヘッド14、ガス供給源(不図示)に接続されるガス供給制御弁15、真空源(不図示)に接続されるガス排出制御弁16、ウェハW1を上下動させるリフトピン17とリフトピン駆動部18、及び筐体19を有する。筐体19内は、処理室19aと機械室19bに区分される。筐体19には、ウェハW1を搬入及び搬出するための開口を閉じるためのシャッタ35が取り付けられている。ガス供給制御弁15、ガス排出制御弁16、リフトピン駆動部18、及びヒータ13は、制御部50に電気的に接続され、制御部50により制御される。図では示していないが、シャッタ35もまた制御部50に電気的に接続され、制御部50により制御される。
【0038】
制御部50による制御例を示す。シャッタ35を開き、ウェハ搬送装置40で処理室19aにウェハW1を入れ、上昇しているリフトピン17上にウェハW1を載置し、リフトピン17を下ろして、ウェハW1をチャック12に固定する。ウェハ搬送装置40を処理室19aから退避させ、シャッタ35を閉じる。
【0039】
ガス供給ヘッド14から、処理室内にALD膜を成膜するためのガス(プリカーサと他のガス)と不活性ガスを供給する。シリコン酸化膜系のALD膜を成膜するためには、プリカーサとしてシラン系有機ガス、例えば、ジ(イソプロピルアミノ)シランガス(SiHN(C、DIPAS)を、処理室19aに供給する。このガスは、基板1の表面にあるOH基を置換するように基板1に固定される。基板1の表面にあるOH基が無くなると、当該ガスの基板1へのさらなる固定が行われず、自己停止作用が働く。そのため、一原子層分の膜を成膜する。その後、酸化ガスとして例えばO(オゾン)ガスを処理室19aに供給することで、成膜された膜の表面にOH基が付与される。不活性ガスは、プロセスガス又は酸化ガスと同時に供給されるキャリアガス、及び、処理室をパージするためのパージガスとして使用される。このとき、例えば、ヒータ13でウェハW1を加熱して、ウェハW1の温度を200~300℃にしてもよい。この温度は一例にすぎず、ウェハW1の温度が200℃以下でも構わないし、300℃超でも構わない。ガス供給ヘッド14から供給するガスをプラズマ化させても構わない。
【0040】
ALD膜3が成膜されると、リフトピン17を上昇させて、ウェハW1をチャック12から離脱させて、シャッタ35を開き、ウェハ搬送装置40がリフトピン17上のウェハW1を受け取り、ウェハ搬送装置40がウェハW1を処理室19aから搬出する。
【0041】
以下に、ALD膜に関する好適なパラメータ例を示す。1回のALD膜の膜厚は、1nm以上かつ7nm以下であるとよい。3nm以上かつ5nm以下であるとより好ましい。ALD膜の成膜回数は2回以上かつ7回以下であるとよく、3回以上かつ5回以下であると好ましい。ALD膜の成膜時間は、膜厚によって異なるが、例えば5nmの膜厚のALD膜を成膜するとき、4~6分の成膜時間であるとよい。
【0042】
[改質ユニット]
ALD膜を成膜したウェハW1を改質ユニット21に搬送し、ALD膜を改質する。改質ユニット21について説明する。改質ユニット21は、ウェハW1を固定するためのチャック22、チャック22を介してウェハW1を加熱するヒータ23、紫外光照射部24、ガス供給源(不図示)に接続されるガス供給制御弁25、真空源(不図示)に接続されるガス排出制御弁26、ウェハW1を上下動させるリフトピン27とリフトピン駆動部28、及び筐体29を有する。
【0043】
筐体29内は、処理室29aと機械室29bに区分される。筐体29には、ウェハW1を搬入及び搬出するための開口を閉じるためのシャッタ36が取り付けられている。ガス供給制御弁25、ガス排出制御弁26、リフトピン駆動部28、及びヒータ23は、制御部50に電気的に接続され、制御部50により制御される。図では示していないが、シャッタ36もまた制御部50に電気的に接続され、制御部50により制御される。
【0044】
制御部50による制御例を示す。シャッタ36を開き、ウェハ搬送装置40で処理室29aにウェハW1を入れ、上昇しているリフトピン27上にウェハW1を載置し、リフトピン27を下ろして、ウェハW1をチャック22に固定する。ウェハ搬送装置40を処理室29aから退避させ、シャッタ36を閉じる。
【0045】
ガス供給制御弁を開いて不活性ガス(例えば窒素ガス)を処理室29a内に供給し、処理室29a内の酸素濃度を低下させる。真空紫外光L1は大気中の酸素に吸収されるため、酸素濃度を低下させて、真空紫外光L1がウェハW1に届くようにする。ただし、上述したように、この基板処理方法では、処理室29a内の酸素分子から原子状酸素を得るから、処理室29aから酸素を完全に取り除く必要はない。しかしながら、処理室29a内を一度不活性ガスで完全に置換した後に、処理室29aにオゾン等のガスを供給してもよい。
【0046】
紫外光照射部24は、172nmの波長の紫外光を発するキセノンエキシマランプである。発光ガスG1として、キセノン(Xe)ガスを封体内に封入されている。紫外光照射部24は、筐体29の外に、筐体29に接するように石英窓を介して配置されている。紫外光照射部24を点灯させ、上述したALD膜の改質処理を行う。改質処理を行うとき、ヒータ23でウェハW1を加熱してもよい。ウェハW1の温度は200℃以上かつ600℃以下であるとよく、300℃以上かつ500℃以下であると好ましい。
【0047】
ALD膜3の改質が終わると、紫外光照射部24を点灯させ、リフトピン27を上昇させて、ウェハW1をチャック22から離脱させて、シャッタ36を開き、ウェハ搬送装置40がリフトピン27上のウェハW1を受け取り、ウェハ搬送装置40がウェハW1を処理室29aから搬出する。
【0048】
以下に、改質ユニット及び改質処理に関する好適なパラメータ例を示す。紫外光照射部24とチャック22に固定されたウェハW1との間隔は、10mm以上かつ80mm以下であるとよく、30mm以上かつ60mm以下であると好ましい。紫外光照射部24の石英窓面における照度は、70mW/cm以上であるとよく、100mW/cm以上であると好ましい。紫外光照射部24のウェハW1表面における照度は、30mW/cm以上であるとよく、50mW/cm以上であると好ましい。真空紫外光L1の照射回数は、2回以上かつ7回以下であるとよく、3回以上かつ5回以下であると好ましい。真空紫外光L1の1回当たりの照射量は、10J/cm以上かつ40J/cm以下であるとよく、15J/cm以上かつ30J/cm以下であると好ましい。
【0049】
[第一基板処理方法の第一変形例]
上記基板処理方法では、ALD膜を一層成膜すると、成膜した一層に対し真空紫外光を照射し、さらに、ALD膜を一層成膜すると、成膜した一層に対し真空紫外光を照射するという方法であった。これに対し、第一基板処理方法の第一変形例では、先に全てのALD膜を成膜して、ALD膜のエッチバックを行った後に、真空紫外光L2を照射する。
【0050】
図5A及び図5Bを参照しながら説明する。図5Aは、ALD膜を四層成膜した様子を示す。この段階で、真空紫外光は未だ照射されていない。そして、立体構造2が露出するまでALD膜をエッチバックする。そして、図5Bに示されるように、立体構造2が露出した後で、真空紫外光L2を照射し、残ったALD膜の側壁を改質する。改質後、立体構造2を除去するためにエッチングする。立体構造2を除去すると、ALD膜の側壁だけが残る。残ったALD膜の側壁をエッチングマスクにして下地をエッチングする。
【0051】
[第一基板処理方法の第二変形例]
第二変形例を説明する。図6Aは、ALD膜を四層成膜した様子を示す。この段階で、真空紫外光は未だ照射されていない。そして、立体構造2が露出するまでALD膜をエッチバックし、次に立体構造2を除去するためエッチングして、ALD膜の側壁だけを残す。そして、図6Bに示されるように、残ったALD膜の側壁に真空紫外光L3を照射して、側壁を改質する。改質したALD膜をエッチングマスクにして下地をエッチングする。
【0052】
また、更なる変形例として、ALD膜を各層成膜するときの真空紫外光L1の照射に加えて、エッチバック後の真空紫外光L2及び真空紫外光L3の少なくともいずれか一方を照射してもよい。
【0053】
<第二基板処理方法>
第二基板処理方法を説明する。以下では、第一基板処理方法と異なる箇所を中心に説明する。第二基板処理方法において、第一基板処理方法における説明事項と同様の構成である場合には、第二基板処理方法における説明を省略することがある。第三基板処理方法以降も同様である。
【0054】
図7は基板1の断面図である。図7を参照しながら、前記基板処理方法を、自己整合型コンタクトホール形成(Self-Aligned Contact;SAC)プロセスに適用する例を説明する。
【0055】
自己整合型コンタクトホールについて簡単に説明する。図7は、コンタクトホール形成プロセスを示している。具体的には、トランジスタをSiO膜41で埋没させた後に、SiO膜41を貫通し、ソース/ドレイン領域42に接続されるコンタクトホールCHを、ゲート電極43の横に形成する。リソグラフィにおける下地パターンとレジストパターン44の重ね合わせ精度が高く、シフト成分dが小さければ問題はない。しかし、シフト成分dが大きいと、コンタクトホールCHがゲート電極43と接し、後にコンタクトホールCHに埋められるコンタクトプラグがゲート電極43と導通しトランジスタが動作しなくなる。そこで、ゲート電極43を覆うように、絶縁性の側壁45が設けられる。この側壁45はエッチング耐性が大きいため、コンタクトホールCHを形成するエッチングで削られないか、削られる量がSiO膜41に比べて少ない。そのため、リソグラフィの重ね合わせ精度が低くても、側壁45がコンタクトホールCHとゲート電極43の接触を防ぐ。
【0056】
この側壁45をALD膜で形成する。側壁45にALD膜を使用するため、ソース/ドレイン領域42に接続されるコンタクトホールCHを高精度に形成できる。ALD膜として、例えば、SiO膜等、絶縁性の高い材料を使用する。そして、ALD膜のエッチング耐性を高めるために、上述した改質処理を行う。これにより、側壁45の欠損を低減し、コンタクトホールCHとゲート電極43の接触リスクをさらに低減する。なお、側壁45は全て、ALD法で構成しなくてもよい。例えば、ゲート電極の上からALD膜を1層又は2層積層した後に、通常のCVD法により側壁を形成してもよい。
【0057】
<第三基板処理方法>
第三基板処理方法の一例を説明する。図8は基板1の上面図であり、図9は、図8のC1-C1線分における断面図である。ラインパターン51(直線状のハッチング領域)が絶縁膜52に埋没している。絶縁膜52を貫通するコンタクトホールCHをラインパターン51まで形成するために、マスクパターン53を形成する。
【0058】
使用するリソグラフィ装置の解像限界により、マスクパターン53に形成可能な最小径のホールパターン54である場合、ホールパターン54により形成できるコンタクトホールCH2の径は大きくなる。大径のコンタクトホールCH2は、ラインパターン51をはみ出すように覆い、リソグラフィ装置の重ね合わせ精度が低い場合には、コンタクトホールCH2が隣のラインパターンに重なるリスクが生じる。
【0059】
本基板処理方法ではマスクパターンに形成したホールパターン54を覆うようにALD膜を成膜する。その後、ALD膜の側壁55を残すようにALD膜をエッチバックする。本基板処理方法では、ホールパターン54内に三層分のALD膜から構成される側壁55が形成される。これにより、リソグラフィ装置の解像限界を超えて、マスクパターン53に生じるホールパターンの径を縮小できる。その結果、小径のコンタクトホールCHを形成できる。
【0060】
このALD膜の側壁は、絶縁膜52をエッチングする際のエッチングマスクとして機能することから、高いエッチング耐性が求められる。そこで、ALD膜のエッチング耐性を高めるために、上述した改質処理を行う。
【0061】
以上で各基板処理方法及び改質処理ユニットを具体的に説明した。本発明は、上記した基板処理方法及び改質処理ユニットに限定されるものではなく、上記した基板処理方法又はその変形例を組み合わせたり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、上記の基板処理方法とその変形例、又は改質処理ユニットに、種々の変更又は改良を加えたりできる。ALD膜の側壁として、3つの基板処理方法を説明することにより3種類の使用態様を示したが、それ以外の使用態様におけるALD膜の側壁にも、真空紫外光の改質処理を適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 :基板
2 :立体構造
3,3a,3b,3c,3d:ALD膜
4 :微細パターン
9 :ダングリングボンド
11 :成膜ユニット
12 :(成膜ユニットの)チャック
13 :(成膜ユニットの)ヒータ
14 :ガス供給ヘッド
15 :(成膜ユニットの)ガス供給制御弁
16 :(成膜ユニットの)ガス排出制御弁
17 :(成膜ユニットの)リフトピン
18 :(成膜ユニットの)リフトピン駆動部
19 :(成膜ユニットの)筐体
19a :(成膜ユニットの)処理室
19b :(成膜ユニットの)機械室
21 :改質ユニット
22 :(改質ユニットの)チャック
23 :(改質ユニットの)ヒータ
24 :紫外光照射部
25 :(改質ユニットの)ガス供給制御弁
26 :(改質ユニットの)ガス排出制御弁
27 :(改質ユニットの)リフトピン
28 :(改質ユニットの)リフトピン駆動部
29 :(改質ユニットの)筐体
29a :(改質ユニットの)処理室
29b :(改質ユニットの)機械室
35 :(成膜ユニットの)シャッタ
36 :(改質ユニットの)シャッタ
40 :ウェハ搬送装置
41 :SiO
42 :ソース/ドレイン領域
43 :ゲート電極
44 :レジストパターン
45 :側壁
50 :制御部
51 :ラインパターン
52 :絶縁膜
53 :マスクパターン
54 :ホールパターン
55 :側壁
100 :基板処理装置
CH :コンタクトホール
G1 :発光ガス
L1,L2,L3:真空紫外光
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9