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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175405
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20241211BHJP
   H03K 17/00 20060101ALI20241211BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H03K17/00 B
H03K17/687 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093175
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 雅之
(72)【発明者】
【氏名】朝子 陽介
(72)【発明者】
【氏名】中森 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】フィルダウス 慧
【テーマコード(参考)】
5H740
5J055
【Fターム(参考)】
5H740AA08
5H740BA11
5H740BA12
5H740BB01
5H740BB02
5H740BB08
5H740BB10
5H740BC01
5H740BC02
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK01
5H740MM11
5J055AX38
5J055AX53
5J055AX66
5J055BX16
5J055CX07
5J055CX20
5J055DX13
5J055DX22
5J055EX01
5J055EY01
5J055EZ03
5J055EZ10
5J055EZ37
5J055FX05
5J055FX12
5J055FX38
5J055GX01
5J055GX02
5J055GX05
(57)【要約】
【課題】ゲートリーク電流の判定精度が向上された駆動回路を提供すること。
【解決手段】駆動回路1は、スイッチング素子110のゲート端子110gに定電流を流してスイッチング素子を駆動する。駆動回路は、制御IC10と、制御ICによって制御されてスイッチング素子を駆動する駆動部と、駆動部と制御ICとに接続されスイッチング素子に対する定電流の供給状態に相関する監視信号を出力する比較器70とを備える。駆動部は、目標電圧値からスイッチング素子のゲート電圧を減算する減算器40と、減算器の出力に基づいてスイッチング素子に対して定電流を供給する定電流回路30を有する。そして、制御ICは、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子の正常時と異なる場合に、スイッチング素子にゲートリーク電流が生じていると判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのスイッチング素子(110)のゲート端子に定電流を流して前記スイッチング素子を駆動する駆動回路であって、
制御部(10)と、
前記制御部によって制御されて前記スイッチング素子を駆動するものであり、前記スイッチング素子に対して前記定電流を供給する定電流源を有する駆動部(30,40)と、
前記駆動部と前記制御部とに接続され、前記スイッチング素子に対する前記定電流の供給状態に相関する監視信号を出力する監視部(70,71,72)と、を備え、
前記制御部は、前記監視信号に基づく前記供給状態が前記スイッチング素子の正常時と異なる場合に、前記スイッチング素子にゲートリーク電流が生じていると判定する駆動回路。
【請求項2】
前記駆動部は、前記スイッチング素子のゲート電圧値が入力され、前記ゲート電圧値が所定値になるように前記定電流源から前記定電流を供給する請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記駆動部は、前記スイッチング素子がオンした後であっても、前記ゲート電圧値が前記所定値になるように前記定電流源からの前記定電流の供給制御を行うものであり、
前記監視部は、前記定電流の電流値が増大しているか否かを示す前記監視信号を出力し、
前記制御部は、前記電流値が増大していることを示す前記監視信号が入力された場合に、前記監視信号に基づく前記供給状態が前記スイッチング素子の正常時と異なるとみなして、前記ゲートリーク電流が生じていると判定する請求項2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記監視部は、前記定電流の供給開始および前記定電流の電流値が変化したことを示す前記監視信号を出力し、
前記制御部は、前記供給開始を示す前記監視信号が入力されてから前記電流値が変化したことを示す前記監視信号が入力されるまでの経過時間が時間閾値以上の場合に、前記監視信号に基づく前記供給状態が前記スイッチング素子の正常時と異なるとみなして、前記ゲートリーク電流が生じていると判定する請求項2に記載の駆動回路。
【請求項5】
前記監視部は、前記ゲート電圧値が電圧閾値以上であるか否かを示す前記監視信号を出力し、
前記制御部は、前記ゲート電圧値が前記電圧閾値以上でないことを示す前記監視信号が入力された場合に、前記監視信号に基づく前記供給状態が前記スイッチング素子の正常時と異なるとみなして、前記ゲートリーク電流が生じていると判定する請求項2に記載の駆動回路。
【請求項6】
複数の前記スイッチング素子が並列接続され、各スイッチング素子のそれぞれの前記ゲート端子に前記定電流を流して前記スイッチング素子を駆動するものであり、
前記監視部は、複数の前記スイッチング素子のそれぞれに対応して設けられており、
前記制御部は、各監視部からの前記監視信号が異なる場合に、前記監視信号に基づく前記供給状態が前記スイッチング素子の正常時と異なるとみなし、前記スイッチング素子に前記ゲートリーク電流が生じていると判定する請求項2に記載の駆動回路。
【請求項7】
前記スイッチング素子は、電力変換装置に含まれており、
前記ゲート端子に印加する電圧値は、前記電力変換装置の駆動時よりも前記電力変換装置の停止時の方が高い請求項3に記載の駆動回路。
【請求項8】
前記スイッチング素子は、電力変換装置に含まれており、
前記電流値は、前記電力変換装置の駆動時よりも前記電力変換装置の停止時の方が小さい請求項4に記載の駆動回路。
【請求項9】
前記制御部は、前記ゲートリーク電流が生じていると判定した場合、前記スイッチング素子における故障の予兆であると判定する請求項1~8のいずれか1項に記載の駆動回路。
【請求項10】
前記制御部は、前記スイッチング素子における故障の予兆であると判定した場合、故障予兆通知を行う請求項9に記載の駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動回路の一例として、特許文献1に開示された半導体装置がある。半導体装置は、半導体素子のゲートリークを検出するゲートリーク検出回路を備える。ゲートリーク検出回路は、半導体素子のゲートに接続されたゲート抵抗の両端に生じる電位差に基づいてゲートリークを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-71174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置は、ゲート抵抗の両端に生じる電位差に基づいてゲートリークを判定する。そのため、半導体装置は、半導体素子の損失を低減するためにゲート抵抗の抵抗値を低くすることが考えられる。しかしながら、半導体装置は、ゲート抵抗の抵抗値を低くすることで、ゲートリークの判定精度が低下する虞がある。
【0005】
開示される一つの目的は、ゲートリーク電流の判定精度が向上された駆動回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された駆動回路は、
少なくとも一つのスイッチング素子(110)のゲート端子に定電流を流してスイッチング素子を駆動する駆動回路であって、
制御部(10)と、
制御部によって制御されてスイッチング素子を駆動するものであり、スイッチング素子に対して定電流を供給する定電流源を有する駆動部(30,40)と、
駆動部と制御部とに接続され、スイッチング素子に対する定電流の供給状態に相関する監視信号を出力する監視部(70,71,72)と、を備え、
制御部は、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子の正常時と異なる場合に、スイッチング素子にゲートリーク電流が生じていると判定することを特徴とする。
【0007】
このように、駆動回路は、スイッチング素子に対する定電流の供給状態に相関する監視信号を用いてゲートリーク電流が生じていることを判定する。そのため、駆動回路は、ゲート抵抗の両端電圧を検出する構成と異なり、ゲート抵抗の抵抗値に依存することなく、ゲートリーク電流が生じていることを判定できる。
【0008】
また、駆動回路は、供給状態がスイッチング素子の正常時と異なる場合、すなわちスイッチング素子の正常時では発生することがない定電流の供給状態である場合に、スイッチング素子にゲートリーク電流が生じていると判定する。そのため、駆動回路は、ゲートリーク電流の判定精度を向上できる。
【0009】
この明細書において開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における駆動回路の概略構成を示す図面である。
図2】第1実施形態における駆動回路の動作を示すフローチャートである。
図3】第1実施形態における駆動回路の動作を示すタイムチャートである。
図4】変形例における駆動回路の動作を示すタイムチャートである。
図5】第2実施形態における駆動回路の概略構成を示す図面である。
図6】第2実施形態における駆動回路の動作を示すタイムチャートである。
図7】第3実施形態における駆動回路の概略構成を示す図面である。
図8】第4実施形態における駆動回路の動作を示すタイムチャートである。
図9】第5実施形態における駆動回路の動作を示すタイムチャートである。
図10】第6実施形態における駆動回路の概略構成を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、図面を参照しながら、本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
【0012】
(第1実施形態)
図1図3を用いて、第1実施形態の駆動回路1に関して説明する。駆動回路1は、スイッチング素子110を駆動する回路である。特に、駆動回路1は、スイッチング素子110のゲート端子110gに定電流を流して、スイッチング素子110を駆動する。
【0013】
本実施形態では、駆動対象の一例として、インバータ回路100に設けられたスイッチング素子110を採用する。インバータ回路100は、車両などに搭載される。インバータ回路100は、動作することで、車両に搭載された回転電機などの負荷装置に電力を供給する。よって、駆動回路1は、インバータ回路100とともに車両に搭載可能に構成される。インバータ回路100は、電力変換装置に相当する。なお、回転電機は、車両の駆動源などに採用される。
【0014】
インバータ回路100は、複数のスイッチング素子110を備える。本実施形態では、スイッチング素子110の一例としてMOSFETを採用する。しかしながら、本開示は、これに限定されず、IGBTをスイッチング素子110として採用することもできる。つまり、駆動対象は、ゲート端子を備えたスイッチング素子であれば採用できる。
【0015】
しかしながら、スイッチング素子110は、電力変換装置以外に設けられていてもよい。また、電力変換装置は、駆動回路1とインバータ回路100を備えていてもよい。
【0016】
<駆動回路の構成>
図1に示すように、駆動回路1は、制御IC10、電源20、定電流回路30、減算器40、ゲート抵抗50、オフスイッチ60、比較器70などを備える。
【0017】
制御IC10は、減算器40、オフスイッチ60、比較器70と接続される。制御IC10は、減算器40に対してゲート電圧指令を出力する。ゲート電圧指令は、ゲート端子110gに印加するゲート電圧の電圧値を示す信号である。ここでの電圧値は、所定値に相当する。また、ゲート電圧指令が示す電圧値は、ゲート電圧の目標電圧値ともいえる。
【0018】
制御IC10は、オフスイッチ60のゲート端子60gと接続される。制御IC10は、ゲート端子60gにゲート電圧を印加することで、オフスイッチ60をオンオフ制御する。制御IC10は、比較器70の出力信号が入力される。制御IC10は、制御部に相当する。
【0019】
電源20は、定電流回路30に対する電源を供給する。なお、電源20は、駆動回路1の外部に設けられてもよい。
【0020】
定電流回路30は、電源20とスイッチング素子110のゲート端子110gに接続される。また、定電流回路30は、減算器40と接続される。定電流回路30は、ゲート端子110gに定電流を流す(供給する)回路である。つまり、図1の一点鎖線で示すように、定電流回路30は、ゲート端子110gに対してゲート電流(定電流)を供給する。また、定電流回路30は、ゲート端子110gにゲート電流を流すことで、ゲート端子110gをチャージする。定電流回路30は、定電流源に相当する。ゲート端子110gに供給するゲート電流の電流値をゲート電流値とも称する。
【0021】
減算器40は、目標電圧値と、ゲート端子に印加されている電圧であるゲート電圧値が入力される。減算器40は、目標電圧値からゲート電圧値を減算する。減算器40は、その減算値にゲインKを乗算した値である電流指令を定電流回路30に出力する。電流指令は、スイッチング素子110(ゲート端子110g)に対するゲート電流の供給状態を示す信号といえる。よって、電流指令は、ゲート電流を示す値ともいえる。
【0022】
このように、定電流回路30と減算器40は、ゲート電圧値が目標電圧値となるようにフィードバック制御する。また、定電流回路30と減算器40は、制御IC10によって制御されてスイッチング素子110を駆動する回路といえる。定電流回路30と減算器40は、駆動部に相当する。定電流回路30と減算器40は、電流供給部ともいえる。
【0023】
なお、本実施形態では、フィードバック制御を行う回路の一例として、減算器40などを採用している。しかしながら、本開示は、これに限定されず、ゲート電圧値が目標電圧値となるようにフィードバック制御できる回路であれば採用できる。
【0024】
ゲート抵抗50は、ゲート端子110gとオフスイッチ60とに接続される。オフスイッチ60は、ゲート抵抗50とグランドとに接続される。オフスイッチ60は、制御IC10によって、スイッチング素子110をオフする際にオンされる。
【0025】
比較器70は、制御IC10と駆動部とに接続される。詳述すると、比較器70の出力端子は、制御IC10と接続される。比較器70の一方の入力端子は、電流指令が入力される。比較器70の他方の入力端子は、電流閾値(基準信号)が入力される。比較器70は、電流指令と電流閾値との比較結果に応じた出力信号を出力する。よって、出力信号は、スイッチング素子110に対するゲート電流の供給状態に相関する信号である。比較器70は、監視部に相当する。
【0026】
出力信号は、監視信号に相当する。電流閾値は、ゲート端子110gにリーク電流が流れているか否かを判定するための閾値である。リーク電流は、ゲートリーク電流に相当する。リーク電流は、図1の点線で示すように、スイッチング素子110のゲート電極からソース電極に流れる電流である。
【0027】
なお、供給状態は、ゲート端子110gにリーク電流が生じている場合の供給状態、および、リーク電流が生じてない場合の供給状態などが含まれる。ゲート端子100gにリーク電流が生じている場合の供給状態は、スイッチング素子110が異常である場合の供給状態といえる。一方、リーク電流が生じてない場合の供給状態は、スイッチング素子110が正常である場合の供給状態といえる。以下では、リーク電流が生じていることをリーク電流あり、リーク電流が生じてないことをリーク電流なしとも称する。
【0028】
<駆動回路の動作>
図2図3を用いて、駆動回路1の動作に関して説明する。図3の実線は、リーク電流が生じてない場合のゲート電流およびゲート電圧を示している。破線は、リーク電流が生じている場合のゲート電流およびゲート電圧を示している。
【0029】
制御IC10は、車両のイグニッションスイッチ(IG)がオンされると動作を開始する。制御IC10は、動作を開始するとIGがオフされるまで動作を継続する。そして、制御IC10は、IGがオフされると動作を停止する。
【0030】
制御IC10は、IGオンでステップS10を実行する。ステップS10では、リーク電流があるか否かを判定する。ステップS10は、インバータ回路100の動作開始(S11)よりも先に行われる初期処理である。よって、制御IC10は、初期処理として、リーク電流があるか否かを判定する。制御IC10は、リーク電流の有無を判定するために、図3に示すようにゲート端子110gにゲート電流を流す。
【0031】
なお、インバータ回路100の動作開始は、負荷装置に対して電力供給を行うためにインバータ回路100を動作させることである。また、インバータ回路100が動作している期間は、インバータ回路100の駆動時、車両動作時、車両駆動時などと言い換えることもできる。一方、インバータ回路100の動作開始前は、インバータ回路100の停止時、車両停止時、車両非駆動時などと言い換えることができる。
【0032】
制御IC10は、リーク電流の有無を判定するために、目標電圧値を減算器40に出力する。これによって、減算器40と定電流回路30は、上記のようにゲート電圧値が目標電圧値となるようにフィードバック制御しつつ、ゲート端子110gにゲート電流を流す。なお、図3では、タイミングt1でゲート電流の供給が開始される。
【0033】
そして、減算器40と定電流回路30は、スイッチング素子110がオンした後であっても、ゲート電圧値が目標電圧値になるように定電流回路30からのゲート電流の供給制御を行う。つまり、減算器40と定電流回路30は、スイッチング素子110がオンした後であってもフィードバック制御を行う。
【0034】
リーク電流が生じてない場合、ゲート電圧値は、タイミングt2で目標電圧値に達する。よって、減算器40と定電流回路30は、タイミングt2でゲート電流の供給を停止する。つまり、減算器40と定電流回路30は、ゲート電流の電流値を小さくする。
【0035】
一方、リーク電流が生じている場合、ゲート電圧値は、タイミングt2よりも遅いタイミングt3で目標電圧値に達する。つまり、リーク電流が生じている場合、リーク電流が生じてない場合よりもゲート電圧の立ち上がりが遅くなる。
【0036】
よって、減算器40と定電流回路30は、タイミングt3でゲート電流値を小さくする。しかしながら、リーク電流が生じている場合、ゲート電圧値が低下する。そのため、減算器40と定電流回路30は、フィードバック制御によって、ゲート電流の電流値を大きくする。
【0037】
そのため、タイミングt3以降の電流指令は、リーク電流が生じてない場合よりもリーク電流が生じている場合の方が大きな電流値を示す値となる。つまり、リーク電流が生じている場合は、リーク電流が生じてない場合よりもゲート電流の電流値が増大しているといえる。
【0038】
また、電流指令は、ゲート端子110gに対するゲート電流の供給状態を示す信号である。そのため、リーク電流が生じている場合の電流指令は、ゲート電流の供給状態として、リーク電流が生じてない場合よりもゲート電流の電流値が増大していることを示す信号となる。そして、リーク電流が生じてない場合の電流指令は、電流閾値よりも小さい値を示すことになる。一方、リーク電流が生じている場合の電流指令は、電流閾値よりも大きい値を示すことになる。
【0039】
比較器70は、リーク電流が生じてない場合の電流指令が入力されると、ゲート電流の電流値が増大してないことを示す監視信号(Lo,0)を出力する。一方、比較器70は、リーク電流が生じている場合の電流指令が入力されると、ゲート電流の電流値が増大していることを示す監視信号(Hi,1)を出力する。
【0040】
このように、比較器70は、ゲート電流の電流値が増大しているか否かを示す監視信号を出力するといえる。なお、ゲート電流の電流値が増大してないことを示す監視信号は、リーク電流が生じてないことを示す監視信号といえる。ゲート電流の電流値が増大していることを示す監視信号は、リーク電流が生じていることを示す監視信号といえる。
【0041】
そして、制御IC10は、比較器70から出力された監視信号に基づいて、リーク電流があるか否かを判定する。制御IC10は、監視信号としてLoが入力されると、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110の正常時と同一であり、リーク電流なしと判定する。制御IC10は、リーク電流なしと判定するとステップS11へ進む。
【0042】
また、制御IC10は、監視信号としてHiが入力されると、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110の正常時と異なり、リーク電流ありと判定する。このように、制御IC10は、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110の正常時と異なる場合に、スイッチング素子110にリーク電流が生じていると判定する。制御IC10は、リーク電流ありと判定するとステップS14へ進む。
【0043】
本実施形態では、一例として、スイッチング素子110のオン時にリーク電流が生じているか否かを判定する駆動回路1を採用する。しかしながら、本開示は、これに限定されない。
【0044】
なお、リーク電流が流れるということは、スイッチング素子110における故障の予兆といえる。つまり、スイッチング素子110は、ゲート端子110gが故障する可能性があるとみなせる。そのため、制御IC10は、リーク電流ありと判定した場合、スイッチング素子110における故障の予兆であると判定してもよい。
【0045】
ステップS11では、インバータ回路100の動作を開始する。減算器40と定電流回路30は、ゲート電圧値が目標電圧値となるようにフィードバック制御して、インバータ回路100を動作させる。
【0046】
ステップS12では、リーク電流ありか否かを判定する。ステップS12は、ステップS10と同様である。しかしながら、ステップS12は、インバータ駆動時に実行される点がステップS10と異なる。このように、制御IC10は、初期処理時だけでなく、インバータ駆動時にもリーク電流の有無を判定する。しかしながら、本開示は、これに限定されず、初期処理時とインバータ駆動時の少なくとも一方の期間に、リーク電流の有無を判定するものであれば採用できる。
【0047】
ステップS13では、インバータ停止であるか否かを判定する。制御IC10は、たとえば上位ECUなどからの信号に基づいてインバータ停止であるか否かを判定する。制御IC10は、インバータ停止と判定しない場合、ステップS12へ戻る。制御IC10は、インバータ停止と判定した場合、図2のフローチャートを終了する。
【0048】
ステップS14では、異常通知を行う。制御IC10は、スイッチング素子110における故障の予兆であると判定した場合は異常通知を行う。制御IC10は、ユーザに対して異常通知を行う。この場合、制御IC10は、上位ECUなどを介して異常通知を行ってもよい。
【0049】
また、制御IC10は、ディーラや工場などでの検査で検出可能なように異常通知を行ってもよい。この場合、制御IC10は、スイッチング素子110に故障の予兆があることを示す信号を制御IC10内または上位ECU内の不揮発性メモリに記憶させる。異常通知は、故障予兆通知に相当する。
【0050】
<効果>
このように、駆動回路1は、スイッチング素子110に対するゲート電流の供給状態に相関する監視信号を用いてリーク電流が生じていることを判定する。そのため、駆動回路1は、ゲート抵抗50の両端電圧を検出する構成と異なり、ゲート抵抗50の抵抗値に依存することなく、リーク電流が生じていることを判定できる。
【0051】
また、駆動回路1は、ゲート電流の供給状態がスイッチング素子110の正常時と異なる場合、すなわちスイッチング素子110の正常時では発生することがないゲート電流の供給状態である場合に、スイッチング素子110にリーク電流が生じていると判定する。そのため、駆動回路1は、リーク電流の判定精度を向上できる。
【0052】
なお、ゲート抵抗50の両端電圧に基づいてリーク電流を判定する構成では、スイッチング素子110の損失を低減するために、ゲート抵抗50の抵抗値を小さくすることが考えられる。この場合、リーク電流の判定精度が低下する可能性がある。さらに、リーク電流が生じていることを誤判定しないように検出閾値を高くすることも考えられる。しかしながら、この場合、リーク電流の判定が遅れるという問題がある。
【0053】
しかしながら、駆動回路10は、ゲート抵抗50の抵抗値に依存しないため、リーク電流の判定精度が低下することを抑制できる。また、駆動回路10は、リーク電流の判定が遅くなることを抑制できる。
【0054】
<変形例>
なお、上記のように、ゲート電圧値は、リーク電流が生じてない場合よりもリーク電流が生じている場合の方が遅く目標電圧値に達する。そのため、ゲート電流は、リーク電流が生じてない場合よりもリーク電流が生じている場合の方が長く供給される。
【0055】
そこで、制御IC10は、ゲート電流の供給開始からゲート電流の電流値が変化するまでの経過時間に基づいて、リーク電流が生じているか否かを判定してもよい。ゲート電流の電流値が変化するタイミングは、タイミングt2,t3のように、ゲート電流の電流値を小さくするタイミングである。なお、ゲート電流の電流値を小さくするタイミングは、ゲート電流の供給を停止するタイミングともいえる。また、タイミングt2,t3は、ゲート電圧値が目標電圧値に達したタイミングともいえる。
【0056】
ゲート電流の供給開始からゲート電流の電流値が変化するまでの経過時間は、スイッチング時間ともいえる。図4の例では、リーク電流が生じてない場合のスイッチング時間は、タイミングt1からタイミングt2までの期間(t2-t1)である。リーク電流が生じている場合のスイッチング時間は、タイミングt1からタイミングt3までの期間(t3-t1)である。なお、スイッチング時間は、ゲート電流の供給開始からスイッチング素子110がオンするまでの期間ともいえる。
【0057】
変形例の駆動回路1は、比較器70の電流閾値が異なる。電流閾値は、ゲート端子110gにゲート電流が供給されているか否かを判定するための閾値である。ゲート電流を供給している場合の電流指令は、電流閾値よりも大きい値を示すことになる。一方、ゲート電流の供給を停止している場合、すなわちゲート電流の電流値を小さくしている場合の電流指令は、電流閾値よりも小さい値を示すことになる。
【0058】
よって、比較器70は、ゲート電流を供給している場合の電流指令が入力されると、ゲート電流の供給開始を示す監視信号(Hi,1)を出力する。一方、比較器70は、ゲート電流の供給を停止している場合の電流指令が入力されると、ゲート電流の電流値が変化したことを示す監視信号(Lo,0)を出力する。このように、比較器70は、ゲート電流の供給開始およびゲート電流の電流値が変化したことを示す監視信号を出力することができる。
【0059】
制御IC10は、監視信号としてHiが入力されてから監視信号としてLoが入力されるまでの経過時間を計測する。この経過時間は、スイッチング時間に相当する。また、計測したスイッチング時間は、監視信号に基づくゲート電流の供給状態とみなせる。
【0060】
そして、制御IC10は、スイッチング時間と時間閾値を比較する。時間閾値は、ゲート端子110gにリーク電流が流れているか否かを判定するための閾値である。つまり、時間閾値は、リーク電流が生じているとみなせるスイッチング時間に相当する。
【0061】
計測したスイッチング時間が時間閾値よりも短い場合、ゲート電流の供給時間が時間閾値よりも短い供給状態である。よって、監視信号に基づく供給状態は、スイッチング素子110の正常時と同一とみなせる。
【0062】
一方、計測したスイッチング時間が時間閾値以上の場合、ゲート電流の供給時間が時間閾値よりも長い供給状態である。よって、監視信号に基づく供給状態は、スイッチング素子110の正常時と異なるとみなせる。
【0063】
制御IC10は、計測したスイッチング時間が時間閾値よりも短い場合、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110の正常時と同一とみなして、リーク電流が生じてないと判定する。一方、制御IC10は、スイッチング時間が時間閾値以上の場合、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110の正常時と異なり、リーク電流が生じていると判定する。
【0064】
変形例の駆動回路であっても上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0065】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、上記実施形態に何ら制限されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本開示のその他の形態として、第2実施形態~第6実施形態に関して説明する。上記実施形態および第2実施形態~第6実施形態は、それぞれ単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本開示は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【0066】
(第2実施形態)
図5図6を用いて、第2実施形態の駆動回路2に関して説明する。駆動回路2は、ゲート電圧の電圧値に基づいて、ゲート電流の供給状態に相関する監視信号を出力する点が駆動回路1と異なる。
【0067】
比較器71は、制御IC10と減算器40とゲート端子110gに接続される。比較器71は、ゲート電圧値と電圧閾値とが入力される。比較器71は、ゲート電圧値が電圧閾値以上であるか否かを示す監視信号を出力する。電圧閾値は、ゲート端子110gにリーク電流が流れているか否かを判定するための閾値である。
【0068】
図6に示すように、ゲート電圧値は、ゲート端子110gに対するゲート電流の供給状態に相関する信号である。そのため、リーク電流が生じている場合のゲート電圧値は、ゲート電流の供給状態として、リーク電流が生じてない場合よりもゲート電流の電流値が増大していることを示す信号となる。
【0069】
そして、リーク電流が生じてない場合のゲート電圧値は、電圧閾値以上の値を示すことになる。一方、リーク電流が生じている場合のゲート電圧値は、電圧閾値よりも小さい値を示すことになる。
【0070】
比較器70は、リーク電流が生じてない場合のゲート電圧値が入力されると、ゲート電流の電流値が増大してないことを示す監視信号(Hi,1)を出力する。Hiは、ゲート電圧値が電圧閾値以上であることを示す監視信号といえる。この場合、ゲート電流の電流値が増大してない供給状態である。よって、監視信号に基づく供給状態は、スイッチング素子の正常時と同一であるとみなせる。
【0071】
また、比較器70は、リーク電流が生じている場合のゲート電圧値が入力されると、ゲート電流の電流値が増大していることを示す監視信号(Lo,0)を出力する。Loは、ゲート電圧値が電圧閾値以上でないことを示す監視信号といえる。また、Loは、ゲート電圧値が電圧閾値より小さいことを示す監視信号といえる。この場合、ゲート電流の電流値が増大している供給状態である。よって、監視信号に基づく供給状態は、スイッチング素子の正常時と異なるとみなせる。
【0072】
このように、比較器70は、ゲート電流の電流値が増大しているか否かを示す監視信号を出力するといえる。また、比較器71は、スイッチング素子110に対するゲート電流の供給状態に相関する監視信号を出力するといえる。比較器71は、監視部に相当する。
【0073】
そして、制御IC10は、比較器70から出力された監視信号に基づいて、リーク電流があるか否かを判定する。
【0074】
制御IC10は、監視信号としてHiが入力されると、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110の正常時と同一であり、リーク電流なしと判定する。また、制御IC10は、監視信号としてLoが入力されると、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110の正常時と異なり、リーク電流ありと判定する。このように、制御IC10は、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110の正常時と異なる場合に、スイッチング素子110にリーク電流が生じていると判定する。駆動回路2は、駆動回路1と同様の効果を奏することができる。
【0075】
(第3実施形態)
図7を用いて、第3実施形態の駆動回路3に関して説明する。駆動回路3は、並列接続された二つのスイッチング素子110,120を駆動する回路である。なお、駆動回路3は、三つ以上のスイッチング素子110,120を駆動する回路であっても採用できる。つまり、駆動回路3は、複数のスイッチング素子110,120を駆動する回路であれば採用できる。駆動回路3は、駆動対象のスイッチング素子110,120と同数の駆動回路1を備える。
【0076】
駆動回路3は、二つの駆動回路1と比較回路80とを備える。駆動回路3は、スイッチング素子110を駆動する駆動回路1と、スイッチング素子120を駆動する駆動回路1とを備える。そのため、駆動回路3は、二つのスイッチング素子110,120のそれぞれに対応した二つの比較器70を備える。しかしながら、制御IC10は、二つの駆動回路3に対して共通に設けられている。
【0077】
比較回路80は、制御IC10と二つの比較器70に接続される。比較回路80の入力端子は、二つの比較器70の出力端子が接続される。よって、比較回路80の入力端子には、二つの比較器70から監視信号が入力される。
【0078】
比較回路80の出力端子は、制御IC10が接続される。よって、比較回路80の出力端子は、二つの監視信号の比較結果を出力する。たとえば、比較回路80は、二つの監視信号がHiを出力した場合、および二つの監視信号が不一致の場合にLoを出力する。また、比較回路80は、二つの監視信号がLoを出力した場合にHiを出力する。
【0079】
制御IC10は、各比較器70からの監視信号が異なる場合に、監視信号に基づく供給状態がスイッチング素子110,120の正常時と異なるとみなし、スイッチング素子110,120の少なくとも一方にゲートリーク電流が生じていると判定する。
【0080】
複数のスイッチング素子110,120は、同時に故障することは極めて確率が低い。そのため、駆動回路3は、複数の監視信号を比較することでより高精度(早期)にリーク電流を判定できる。また、駆動回路3は、スイッチング素子110,120における故障の予兆を高精度に判定できる。
【0081】
また、制御IC10は、故障の予兆があると判定したスイッチング素子を駆動せず、他のスイッチング素子を駆動してもよい。これによって、車両として動作を続けることができる。
【0082】
(第4実施形態)
図8を用いて、第4実施形態の駆動回路に関して説明する。第4実施形態の駆動回路は、ゲート電圧値の設定が第1実施形態と異なる。第4実施形態の駆動回路の構成や動作は、第1実施形態と同様である。よって、ここでは、便宜的に駆動回路1として説明する。また、スイッチング素子110は、インバータ回路100に含まれているものとする。なお、図8では、実線でインバータ回路100の停止時のゲート電流およびゲート電圧を示し、二点鎖線でインバータ回路100の駆動時のゲート電流およびゲート電圧を示している。以下、インバータ回路100の停止時を単に停止時、インバータ回路100の駆動時を単に駆動時とも称する。
【0083】
図8に示すように、駆動回路1は、駆動時のゲート電圧値よりも、停止時のゲート電圧値の方が高い値となっている。そのため、ゲート電流値は、駆動時よりも停止時の方が大きくなる。
【0084】
電流指令は、上記のように、リーク電流が生じてない場合よりもリーク電流が生じている場合の方が大きな電流値を示す値となる。さらに、電流指令は、リーク電流が生じている場合、駆動時よりも停止時の方が大きな電流値を示す値となる。
【0085】
そして、制御IC10は、停止時にリーク電流が生じているか否かを判定する。したがって、駆動回路1は、第1実施形態よりも高精度にリーク電流が生じていることを判定できる。なお、第4実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0086】
(第5実施形態)
図9を用いて、第5実施形態の駆動回路に関して説明する。第5実施形態の駆動回路は、ゲート電流値の設定が変形例と異なる。第5実施形態の駆動回路の構成や動作は、変形例と同様である。よって、ここでは、便宜的に駆動回路1として説明する。なお、図9の線種は図8と同様である。
【0087】
図9に示すように、駆動回路1は、駆動時のゲート電流値よりも、停止時のゲート電流値の方が小さい値となっている。そのため、ゲート電圧の立ち上がり時間は、駆動時よりも停止時の方が遅くなる。
【0088】
スイッチング時間は、上記のように、リーク電流が生じてない場合よりもリーク電流が生じている場合の方が長くなる。さらに、スイッチング時間は、白抜き矢印で示すように、リーク電流が生じている場合、駆動時よりも停止時の方が長くなる。
【0089】
制御IC10は、停止時にリーク電流が生じているか否かを判定する。したがって、駆動回路1は、変形例よりも高精度にリーク電流が生じていることを判定できる。なお、第4実施形態は、変形例と同様の効果を奏することができる。
【0090】
(第6実施形態)
図10を用いて、第6実施形態の駆動回路4に関して説明する。駆動回路4は、スイッチング素子110のオフ時にリーク電流が生じているか否かを判定する。
【0091】
図10に示すように、駆動回路4は、オフスイッチ60のかわりにオンスイッチ61を備える。ゲート抵抗50は、ゲート端子110gとオンスイッチ61とに接続される。オンスイッチ61は、電源20とゲート抵抗50とに接続される。オンスイッチ61は、ゲート端子61gが制御IC10を接続される。オンスイッチ61は、制御IC10によって、スイッチング素子110をオンする際にオンされる。
【0092】
定電流回路30は、スイッチング素子110のゲート端子110gとグランドに接続される。また、定電流回路30は、減算器40と接続される。定電流回路30は、ゲート端子110gに定電流を流す回路である。つまり、図10の一点鎖線で示すように、定電流回路30は、ゲート端子110gに対してゲート電流(定電流)を流す。また、定電流回路30は、ゲート端子110gにゲート電流を流すことで、ゲート端子110gを放電する。
【0093】
減算器40は、上記実施形態と同様、目標電圧値と、ゲート端子に印加されている電圧であるゲート電圧値が入力される。比較器72は、上記実施形態と同様、制御IC10と駆動部とに接続される。そして、制御IC10は、比較器72から出力された監視信号に基づいて、リーク電流があるか否かを判定する。
【0094】
このように、駆動回路4は、スイッチング素子110のオフ時にリーク電流が生じているか否かを判定することもできる。
【0095】
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0096】
1~4…駆動回路、10…制御IC、20…電源、30…定電流回路、40…減算器、50…ゲート抵抗、60…オフスイッチ、71~72…比較器、100…インバータ回路、110,120…スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10