IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

特開2024-17541供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法
<>
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図1
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図2
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図3
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図4
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図5
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図6
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図7
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図8
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図9
  • 特開-供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017541
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240201BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B41J2/175 501
B41J2/175 503
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120254
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】塚田 憲児
(72)【発明者】
【氏名】羽賀 奈菜実
(72)【発明者】
【氏名】小松 勇太
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EC17
2C056EC18
2C056EC32
2C056KA01
2C056KB04
2C056KB09
2C056KB15
2C056KB16
2C056KB37
(57)【要約】
【課題】逆止弁の張り付きを解消し易くすることができる供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法を提供する。
【解決手段】逆止弁は、下流流路に設けられ、かつ、連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能である。逆止弁は、下流流路内において連通流路と連通する加圧領域の圧力を受ける受圧部と、受圧部の連通流路側に設けられ、かつ、開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有する。逆止弁は、受圧部に作用する力がシール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に開口部を閉鎖するように構成されている。制御部は、下流流路への液体の供給に伴って、加圧部によって加圧領域を加圧する加圧動作及び加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流動可能な上流流路と、
液体を吐出可能である液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、
前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、
前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、
前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、
前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、
前記逆止弁は、
前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、
前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、
前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されており、
前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う、
ことを特徴とする供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の供給装置において、
前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧動作及び前記解除動作の組み合わせを複数回行う、
ことを特徴とする供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載の供給装置において、
前記逆止弁は、前記シール凸部の中心から前記受圧部の前記連通流路側に延びる軸部を有し、
前記軸部は、前記連通流路に挿入され、
前記逆止弁は、前記受圧部の直径が前記シール凸部の直径よりも大きいアンブレラ型の弁である、
ことを特徴とする供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載の供給装置において、
前記上流流路と前記下流流路との間に隔壁部を備え、
前記連通流路は、前記隔壁部に設けられ、
前記隔壁部は、
前記開口部の周囲に設けられ、かつ、前記シール凸部が密着可能なシール面と、
前記シール面の周囲に設けられ、前記受圧部の外周縁の少なくとも一部と対応する位置に設けられる凹部と、を有する、
ことを特徴とする供給装置。
【請求項5】
請求項4に記載の供給装置において、
前記凹部は、前記シール面に複数設けられる、
ことを特徴とする供給装置。
【請求項6】
請求項5に記載の供給装置において、
前記シール面は、シボ加工が施されている、
ことを特徴とする供給装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の供給装置において、
前記下流流路内の液体を排出した後に前記下流流路に再び液体を供給する場合、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記制御部は、前記加圧動作及び前記解除動作の組み合わせを1回以上行う、
ことを特徴とする供給装置。
【請求項8】
液体を吐出可能である液体吐出部と、
液体が流動可能な上流流路と、
前記液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、
前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、
前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、
前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、
前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、
前記逆止弁は、
前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、
前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、
前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されており、
前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う、
ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項9】
液体が流動可能な上流流路と、
液体を吐出可能である液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、
前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、
前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、
前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、
前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、
前記逆止弁は、
前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、
前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、
前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されている供給装置の液体供給方法であって、
前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う、
ことを特徴とする供給装置の液体供給方法。
【請求項10】
請求項9に記載の供給装置の液体供給方法において、
前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧動作及び前記解除動作の組み合わせを複数回行う、
ことを特徴とする供給装置の液体供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、液体吐出部により液体を吐出して媒体に印刷を行う液体吐出装置がある。液体吐出装置は、液体吐出部に液体を供給する供給装置を備える。特許文献1に記載の液体吐出装置は、液体収容体から供給される液体を貯留可能である第1貯留部と、第1貯留部から供給された液体を貯留可能である第2貯留部と、第1貯留部から第2貯留部に向かう液体の流れを許容する逆止弁と、を備える。液体収容体に収容されている液体は、第1貯留部から第2貯留部に供給された後に、第2貯留部から液体吐出部に供給される。
【0003】
特許文献1に記載の液体吐出装置は、第1大気開放流路を開放することにより第1貯留部内を大気に開放可能に制御し、第2大気開放流路を開放することにより第2貯留部内を大気に開放可能に制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-18221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような液体吐出装置では、第1貯留部から第2貯留部への液体の供給開始までの時間が長くなる現象が発生することがあった。このような現象は、逆止弁が張り付くことにより開放するまでに時間が掛かることが原因であることがわかり、逆止弁の張り付きを解消し易くすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する供給装置は、液体が流動可能な上流流路と、液体を吐出可能である液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、前記逆止弁は、前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されており、前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う。
【0007】
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出可能である液体吐出部と、液体が流動可能な上流流路と、前記液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、前記逆止弁は、前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されており、前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う。
【0008】
上記課題を解決する供給装置の液体供給方法は、液体が流動可能な上流流路と、液体を吐出可能である液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、前記逆止弁は、前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されている供給装置の液体供給方法であって、前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】液体吐出装置を示す模式図である。
図2】導入部を示す斜視図である。
図3】導入部を示す斜視図である。
図4】導入部の一部を示す断面図である。
図5】開閉バルブを示す断面図である。
図6】開閉バルブを示す底面図である。
図7】逆止弁を示す斜視図である。
図8】開閉バルブを示す断面図である。
図9】開閉バルブを示す断面図である。
図10】開閉バルブ動作処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、供給装置、液体吐出装置及び供給装置の液体供給方法の一実施形態を説明する。図面では、液体吐出装置が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示す。
【0011】
<液体吐出装置11>
図1に示すように、液体吐出装置11は、媒体に液体を吐出することにより印刷を行うように構成される。液体吐出装置11は、液体の一例としてインクを吐出することにより印刷を行うインクジェット式のプリンターであってもよい。媒体は、例えば、用紙、布帛、ビニール、プラスチック部品、金属部品などであってもよい。液体吐出装置11は、画像を読み取るスキャナ機能を備える複合機であってもよい。
【0012】
<液体吐出部12>
液体吐出装置11は、液体吐出部12を備える。液体吐出部12は、液体を吐出可能である。液体吐出部12は、媒体に液体を吐出することにより印刷を行うように構成される。
【0013】
液体吐出部12は、液体吐出ヘッド13を備える。液体吐出ヘッド13は、ノズル面14と、複数のノズル15とを備える。複数のノズル15のそれぞれは、ノズル面14に開口するように設けられる。液体吐出ヘッド13は、複数のノズル15のそれぞれから液体を吐出可能である。
【0014】
本実施形態の液体吐出部12は、ラインタイプであるが、シリアルタイプとして構成されてもよい。ラインタイプは、媒体の幅方向に亘って液体吐出ヘッド13が設けられる。シリアルタイプは、液体吐出ヘッド13が媒体の幅方向に移動しながら印刷を行う。
【0015】
液体吐出ヘッド13は、第1接続部16と、第2接続部17とを備えてもよい。第1接続部16は、後述する回収流路29に接続される。第2接続部17は、後述する供給流路28に接続される。
【0016】
液体吐出ヘッド13は、ノズル面14が水平に対して傾斜する傾斜姿勢となるように配置されてもよい。液体吐出ヘッド13は、傾斜姿勢で媒体に対して液体を吐出することで印刷を行ってもよい。第1接続部16は、第2接続部17よりも高い位置に配置されてもよい。
【0017】
<メンテナンス部18>
液体吐出装置11は、メンテナンス部18を備える。メンテナンス部18は、液体吐出ヘッド13のメンテナンスを行う。メンテナンスは、ワイピング、フラッシング及び空吸引を含んでもよい。ワイピングは、ノズル面14に付着した液体を払拭する。フラッシングは、メンテナンス部18に対して複数のノズル15のそれぞれから液体を吐出することにより行われる。空吸引は、メンテナンス部18に溜まった液体を不図示の排出タンクに排出する。
【0018】
<供給装置20>
液体吐出装置11は、供給装置20を備える。供給装置20は、液体収容体90に収容される液体を液体吐出部12に供給するように構成される。供給装置20は、液体吐出部12からの液体を循環させることができるように構成されてもよい。
【0019】
供給装置20は、1系統又は複数系統の供給機構21を備えてもよい。複数系統の供給機構21は、それぞれ異なる種類の液体を液体吐出部12に供給してもよい。例えば、液体吐出装置11は、複数系統の供給機構21により供給される複数色の液体を吐出してカラー印刷を行ってもよい。本実施形態では、液体吐出装置11は、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックというように4種類の液体を吐出するカラー印刷を行うが、これに限らない。以降、複数系統の供給機構21のうち1系統の供給機構21を代表して説明する。
【0020】
<タンクユニット22>
供給機構21は、タンクユニット22を備える。タンクユニット22は、液体収容体90から供給される液体を液体吐出部12に導出可能に構成される。タンクユニット22は、装着部23を備えてもよい。装着部23は、液体収容体90が着脱可能に構成される。
【0021】
液体収容体90は、複数系統の供給機構21のそれぞれに対応するように装着部23に装着可能であってもよい。液体収容体90は、収容室91を備えてもよい。収容室91は、液体を収容するように構成される。収容室91は、大気と非連通の密閉空間である。収容室91は、供給装置20が保持可能な液体の量より多い量の液体を収容可能であってもよい。
【0022】
液体収容体90は、導出部92を備えてもよい。導出部92は、収容室91に収容される液体を導出可能に構成される。導出部92は、導出バルブ93を備えてもよい。導出バルブ93は、液体収容体90が装着部23に装着されることで開弁するように構成される。導出バルブ93は、液体収容体90が装着部23に装着されている間は開弁状態を維持する。
【0023】
タンクユニット22は、第1貯留部24を備える。第1貯留部24は、液体収容体90から供給される液体を貯留可能である。第1貯留部24は、液体を一時的に貯留するサブタンクとして機能する。
【0024】
タンクユニット22は、第2貯留部25を備える。第2貯留部25は、第1貯留部24から供給された液体を貯留可能である。第2貯留部25は、第1貯留部24から導出された液体を液体吐出部12へ供給するまでの間、一時的に貯留するリザーバータンクとして機能する。
【0025】
タンクユニット22は、導出流路26を備える。導出流路26は、第1貯留部24と第2貯留部25とが連通するように構成される。液体収容体90から液体吐出部12へ液体が供給されるときの液体流動方向において、第1貯留部24は、第2貯留部25よりも上流に位置する。
【0026】
タンクユニット22は、開閉バルブ27を備える。開閉バルブ27は、導出流路26に設けられる。開閉バルブ27は、導出流路26を開閉可能である。開閉バルブ27は、1又は複数の逆止弁を含む。逆止弁は、第1貯留部24から第2貯留部25に向かう液体の流れを許容し、第2貯留部25から第1貯留部24に向かう液体の流れを規制する。このように、液体吐出装置11は、逆止弁を備える。開閉バルブ27は、第2貯留部25内の圧力が第1貯留部24内の圧力より大きい場合に導出流路26を閉鎖する。
【0027】
供給機構21は、供給流路28を備える。供給流路28は、第2貯留部25から液体吐出部12へ液体を供給する。供給流路28は、上流端が第2貯留部25に接続される一方で、下流端が第2接続部17に接続される。
【0028】
供給機構21は、回収流路29を備える。回収流路29は、液体吐出部12から第1貯留部24に液体を回収する。回収流路29は、上流端が第1接続部16に接続される一方で、下流端が第1貯留部24に接続される。
【0029】
供給機構21は、第1流路バルブ30と、第2流路バルブ31とを備える。第1流路バルブ30は、回収流路29に設けられる。第1流路バルブ30は、回収流路29を開閉可能である。第2流路バルブ31は、供給流路28に設けられる。第2流路バルブ31は、供給流路28を開閉可能である。
【0030】
<微加圧ユニット32>
供給機構21は、微加圧ユニット32を備えてもよい。微加圧ユニット32は、回収流路29において液体吐出部12と第1流路バルブ30との間に設けられてもよい。微加圧ユニット32は、回収流路29内の液体を加圧する。微加圧ユニット32は、液室33と、可撓性部材34と、空気室35と、ばね36とを備える。液室33は、回収流路29において、液体吐出部12と第2流路バルブ31との間に設けられる。液室33は、回収流路29における液体を収容可能に構成される。液室33は、一部が可撓性部材34で構成される。液室33は、可撓性部材34が変形することにより容積が変化する。
【0031】
可撓性部材34は、液室33と空気室35とを区画するように構成される。可撓性部材34は、空気室35からの圧力に応じて変形可能である。空気室35は、後述する空気流路43と接続可能に構成される。ばね36は、空気室35内に設けられる。ばね36は、可撓性部材34を押すことで、回収流路29及び液体吐出部12内の液体の圧力変動を低減する。
【0032】
<駆動機構40>
供給装置20は、駆動機構40を備える。駆動機構40は、供給機構21を駆動させる。詳しくは、駆動機構40は、タンクユニット22及び微加圧ユニット32を駆動させる。駆動機構40は、複数系統の供給機構21を個別に駆動するが、複数系統の供給機構21をまとめて駆動してもよい。
【0033】
駆動機構40は、第1大気開放流路41と、第2大気開放流路42と、空気流路43とを備える。第1大気開放流路41は、第1貯留部24に接続される。第1大気開放流路41は、第1貯留部24内を大気に開放可能である。第2大気開放流路42は、第2貯留部25に接続される。第2大気開放流路42は、第2貯留部25内を大気に開放可能である。空気流路43は、微加圧ユニット32に接続される。
【0034】
駆動機構40は、切替機構44と、接続流路45と、加圧部46と、圧力センサー47とを備えてもよい。切替機構44は、第1大気開放流路41、第2大気開放流路42及び空気流路43の開閉を制御するセレクタバルブであってもよい。接続流路45は、第1大気開放流路41及び第2大気開放流路42を加圧部46に接続するように構成される。
【0035】
加圧部46は、タンクユニット22及び微加圧ユニット32の圧力を調整するように構成される。加圧部46は、例えばローラーがチューブを押し潰しながら回転することで、空気を送り出すチューブポンプであってもよい。
【0036】
加圧部46は、切替機構44に接続される。詳しくは、加圧部46は、一端に空気流路43が接続され、他端に接続流路45が接続される。加圧部46は、正転駆動されることにより、空気流路43から取り入れた空気を接続流路45に送り出す。加圧部46は、逆転駆動されることにより、空気室35内を減圧する。
【0037】
圧力センサー47は、切替機構44に接続される。圧力センサー47は、圧力を検出する。
<第1貯留部24>
ここで、第1貯留部24について詳しく説明する。
【0038】
第1貯留部24は、第1貯留室51を備える。第1貯留室51は、液体を貯留可能に構成される。第1貯留部24は、流入口52を備える。流入口52は、回収流路29内の液体が第1貯留室51に流入する開口である。流入口52は、第1貯留室51に貯留されている液体を回収流路29に供給する開口であってもよい。流入口52は、第1貯留室51の鉛直方向Zにおける中央よりも下方に設けられてもよく、第1貯留室51の底51Aを貫通するように設けられてもよい。このように、第1貯留室51は、流入口52を介して回収流路29と連通する。
【0039】
第1貯留部24は、導入部53を備える。導入部53は、装着部23に装着された液体収容体90が収容する液体を導入可能に構成される。導入部53は、第1貯留部24の上部に設けられる。本実施形態の導入部53は、第1貯留室51の天井51Bを貫通するように設けられる。導入部53の下端53Aは、第1貯留室51の中であって、天井51Bよりも下方に位置する。導入部53の上端53Bは、第1貯留室51の外であって、天井51Bよりも上方に位置する。導入部53は、液体収容体90が装着部23に装着されることで、液体収容体90が備える導出部92に接続される。導入部53の下端53Aは、ノズル面14よりも下方に位置してもよい。
【0040】
導入部53は、導入バルブ54を備える。導入バルブ54は、液体収容体90が装着部23に装着されることで開弁するように構成される。導入バルブ54は、液体収容体90が装着部23に装着されている間は開弁状態を維持する。液体収容体90が装着部23に装着されるとき、導入バルブ54は、導出バルブ93より先に開弁するように構成される。これにより、液体収容体90から液体が漏れる虞を低減できる。
【0041】
第1貯留部24は、液量センサー55を備えてもよい。液量センサー55は、第1貯留室51に貯留される液体の量を検出する。詳しくは、液量センサー55は、第1貯留室51に貯留される液体の第1液面56を検出する。液量センサー55は、第1液面56が標準位置に位置すること、第1液面56が標準位置より下方に位置すること、及び、第1液面56が満杯位置に位置することを検知してもよい。
【0042】
本実施形態の標準位置は、第1貯留室51において、流入口52の位置より上方に位置する。したがって、第1液面56が標準位置にあるとき、第1貯留室51に貯留されている液体は、回収流路29を介して液体吐出部12に供給可能である。満杯位置は、標準位置より上方の位置である。
【0043】
第1貯留部24は、第1気液分離膜57を備えてもよい。第1気液分離膜57は、第1貯留室51の天井51Bにおいて、第1貯留室51と第1大気開放流路41とを隔てる位置に設けられる。第1気液分離膜57は、気体を通過させる一方で液体を通過させない性質を有する膜である。第1気液分離膜57は、第1貯留室51に貯留される液体が第1大気開放流路41を介して駆動機構40に流れることを抑制する。
【0044】
<第2貯留部25>
次に、第2貯留部25について詳しく説明する。
第2貯留部25は、第2貯留室61を備える。第2貯留室61は、液体を貯留可能に構成される。第2貯留部25は、供給口62を備える。供給口62は、第2貯留室61に貯留されている液体を供給流路28に供給する開口である。供給口62は、第2貯留室61の鉛直方向Zにおける中央よりも下方に設けられてもよく、第2貯留室61の底61Aを貫通するように設けられてもよい。このように、第2貯留室61は、供給口62を介して供給流路28と連通する。第2貯留部25は、フィルター63を備える。フィルター63は、第2貯留室61に位置する。フィルター63は、供給口62を覆っている。
【0045】
第2貯留部25は、第2気液分離膜64を備えてもよい。第2気液分離膜64は、第2貯留室61の天井61Bにおいて、第2貯留室61と第2大気開放流路42とを隔てる位置に設けられる。第2気液分離膜64は、気体を通過させる一方で液体を通過させない性質を有する膜である。第2気液分離膜64は、第2貯留室61に貯留される液体が第2大気開放流路42を介して駆動機構40に流れることを抑制する。
【0046】
<タンクユニット22への液体供給>
ここで、タンクユニット22への液体供給について説明する。
液体収容体90が装着部23に装着されることで、液体収容体90内の液体は、水頭差により第1貯留部24に供給される。液体収容体90から第1貯留部24に供給した液体の分だけ、導入部53及び導出部92を介して第1貯留部24から液体収容体90に空気が導入される。第1液面56は、液体収容体90から第1貯留部24に供給された液体の分だけ上昇する。
【0047】
第1液面56が導入部53の下端53Aに達すると、第1貯留部24から液体収容体90への空気の流入が制限される。収容室91が密閉されているため、第1貯留部24から液体収容体90への空気の流入が制限されると、第1貯留部24に供給した液体の分だけ収容室91内の圧力は低下する。収容室91内の負圧が、収容室91内の液体の水頭より大きくなると、液体収容体90から第1貯留部24への液体の供給が制限される。
【0048】
また、第1貯留室51内及び第2貯留室61内が大気に開放されている場合、第1液面56が第2貯留部25内の液体の第2液面65よりも高いときには、水頭差により開閉バルブ27が開放する。これにより、第1貯留部24に貯留される液体は、導出流路26を介して第2貯留部25に供給される。そして、第2液面65が供給された液体の分だけ上昇し、第1液面56が供給した液体の分だけ下降した結果、第2液面65は、第1液面56と同じ高さになる。第1液面56と第2液面65が同じ高さになると、開閉バルブ27が閉鎖する。これにより、第1液面56と第2液面65が同じ高さとなるように維持される。
【0049】
第1液面56は、第1貯留部24から第2貯留部25に液体が供給されることで下降する。第1液面56が下降し、導入部53及び導出部92を介して収容室91に空気が流入すると、収容室91内の負圧が小さくなる。収容室91内の負圧が収容室91内の液体の水頭より小さくなると、液体収容体90から第1貯留部24に液体が供給される。したがって、液体収容体90に液体が収容されている間は、第1液面56は、導入部53の下端53A付近の位置である標準位置に維持される。また、第2液面65も、第1液面56と同じ高さとなり、標準位置に維持される。
【0050】
これにより、第1液面56及び第2液面65は、ノズル面14よりも低い範囲で変動する。液体吐出ヘッド13内の液体は、第1貯留部24内及び第2貯留部25内の液体との水頭差によって負圧に維持される。液体吐出ヘッド13で液体が消費されると、第2貯留部25に貯留される液体が液体吐出ヘッド13に供給される。
【0051】
<切替機構44>
次に、切替機構44について詳しく説明する。
切替機構44は、細管部48を備える。細管部48は、接続流路45に設けられる。細管部48は、空気の流動に対し、液体の流動が大きく制限される程度に細く、且つ蛇行した管である。
【0052】
切替機構44は、複数の選択弁49を備える。詳しくは、切替機構44は、第1選択弁49A~第11選択弁49Kを備える。複数の選択弁49A~49Kのそれぞれは、流路を開閉可能に構成される。
【0053】
第1選択弁49Aは、開弁することで空気流路43を大気に連通させる。第2選択弁49Bは、開弁することで空気流路43と圧力センサー47とを連通させる。第3選択弁49Cは、開弁することで空気流路43を開放し、加圧部46と空気室35とを連通させる。
【0054】
第4選択弁49Dは、開弁することで加圧部46と第8選択弁49Hとの間の接続流路45を大気に連通させる。第5選択弁49Eは、開弁することで接続流路45と圧力センサー47とを連通させる。第6選択弁49F及び第7選択弁49Gは、開弁することで接続流路45を大気に連通させる。第8選択弁49Hは、開弁することで接続流路45を開放する。第9選択弁49Iは、開弁することで細管部48を大気に連通させる。第10選択弁49Jは、開弁することで第1大気開放流路41を開放し、第1貯留部24と接続流路45とを連通させる。第11選択弁49Kは、開弁することで第2大気開放流路42を開放し、第2貯留部25と接続流路45とを連通させる。
【0055】
空気室35内の圧力を変更する場合、切替機構44は、第2選択弁49B~第4選択弁49Dを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部46が正転駆動すると、空気室35内の空気は、空気流路43及び接続流路45を介して排出され、空気室35内の圧力が低下する。この状態で加圧部46が逆転駆動したり、空気流路43内および空気室35内を大気開放したりすると、接続流路45及び空気流路43、または空気流路43を介して空気室35に空気が送り込まれ、空気室35内の圧力は上昇する。このとき圧力センサー47は、空気流路43及び空気室35内の圧力を検出してもよい。
【0056】
第1貯留部24を大気に開放する場合、切替機構44は、第6選択弁49F及び第10選択弁49Jを開弁する。第1貯留室51は、第1大気開放流路41及び接続流路45を介して大気に連通する。このように、第6選択弁49F及び第10選択弁49Jは、第1大気開放流路41を開閉可能である。
【0057】
第2貯留部25を大気に開放する場合、切替機構44は、第7選択弁49G及び第11選択弁49Kを開弁する。第2貯留室61は、第2大気開放流路42及び接続流路45を介して大気に連通する。このように、第7選択弁49G及び第11選択弁49Kは、第2大気開放流路42を開閉可能である。
【0058】
第1貯留部24内を加圧する場合、切替機構44は、第1選択弁49A、第5選択弁49E、第8選択弁49H及び第10選択弁49Jを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部46が正転駆動すると、空気流路43、接続流路45及び第1大気開放流路41を介して第1貯留室51に空気が流入し、第1貯留室51内の圧力は上昇する。このとき圧力センサー47は、接続流路45、第1大気開放流路41及び第1貯留室51内の圧力を検出してもよい。
【0059】
第2貯留部25内を加圧する場合、切替機構44は、第1選択弁49A、第5選択弁49E、第8選択弁49H及び第11選択弁49Kを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部46が正転駆動すると、空気流路43、接続流路45及び第2大気開放流路42を介して第2貯留室61に空気が流入し、第2貯留室61内の圧力は上昇する。このとき圧力センサー47は、接続流路45、第2大気開放流路42及び第2貯留室61内の圧力を検出してもよい。
【0060】
<制御部70>
液体吐出装置11は、制御部70を備える。制御部70は、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する。制御部70は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0061】
液体吐出装置11は、表示部71と、操作部72とを備えてもよい。表示部71は、液体吐出装置11に関する情報を表示可能に構成される。操作部72は、ユーザー及びサービスマン等の操作者により操作可能に構成される。操作部72は、例えばタッチパネルなど、液体吐出装置11に関する操作が行われる。
【0062】
制御部70は、液体吐出部12を制御する。制御部70は、第1流路バルブ30及び第2流路バルブ31の開閉制御を行う。制御部70は、液量センサー55の検知結果を示す検知信号を液量センサー55から受け取る。制御部70は、切替機構44及び加圧部46の制御を行う。制御部70は、圧力センサー47の検知結果を示す検知信号を圧力センサー47から受け取る。制御部70は、表示部71に情報を表示させる。制御部70は、操作部72の操作に基づく操作信号を操作部72から受け取る。
【0063】
<制御部の各機能>
制御部70は、液体の充填が行われるときに、第1流路バルブ30と第2流路バルブ31とを閉弁し、第1貯留部24内と第2貯留部25内とを大気に開放する。これにより、装着部23に装着された液体収容体90から第1貯留部24に液体が供給されることにより、第1貯留部24に液体が充填される。そして、第1貯留部24から第2貯留部25に液体が供給されることにより、第2貯留部25に液体が充填される。
【0064】
制御部70は、液体吐出装置11による印刷が行われるときに、第1流路バルブ30と第2流路バルブ31とを開弁し、第1貯留部24内と第2貯留部25内とを大気に開放する。これにより、印刷時には、供給流路28を介して第2貯留部25から液体吐出部12に液体が供給されるとともに、回収流路29を介して第1貯留部24から液体吐出部12に液体が供給される。また、制御部70は、液体吐出装置11による印刷が行われるときに、第1流路バルブ30を閉弁してもよい。このように、液体吐出部12は、少なくとも第2貯留部25から供給された液体を吐出可能である。
【0065】
制御部70は、液体吐出装置11による印刷が行われないときに、第1流路バルブ30と第2流路バルブ31とを閉弁してもよい。このように、供給流路28及び回収流路29を閉鎖することで、例えば液体吐出装置11に振動又は衝撃などが加わった場合でも、液体吐出ヘッド13から液体が漏れることを抑制することができる。
【0066】
制御部70は、液体循環を実行可能である。液体循環は、例えば、印刷などが行われない待機中に実行されてもよいし、印刷中に実行されてもよい。制御部70は、液体循環が実行される場合に、第1流路バルブ30と第2流路バルブ31とを開弁し、第1貯留部24内を大気に開放し、第2貯留部25内を加圧する。これにより、液体循環時には、供給流路28を介して第2貯留部25から液体吐出部12に液体が供給されるとともに、回収流路29を介して液体吐出部12から第1貯留部24に液体が回収される。
【0067】
制御部70は、加圧排出を実行可能である。加圧排出は、吐出不良が生じた場合などに実行される。吐出不良は、複数のノズル15のそれぞれから液体を正常に吐出することができない不良である。制御部70は、加圧排出が実行されるときに、第1流路バルブ30を閉弁し、第2流路バルブ31を開弁し、第2貯留部25内を加圧する。これにより、加圧排出時には、第2貯留部25及び供給流路28を介して複数のノズル15のそれぞれから液体が排出可能となる。
【0068】
制御部70は、微加圧排出を実行可能である。制御部70は、微加圧排出が実行されるときに、第1流路バルブ30と第2流路バルブ31とを開弁し、空気室35内を減圧する。そして、制御部70は、第1流路バルブ30と第2流路バルブ31とを閉弁した後に、空気室35内を大気に開放する。これにより、微加圧排出時には、微加圧ユニット32及び回収流路29を介して複数のノズル15のそれぞれから液体が排出可能となる。微加圧排出により液体吐出ヘッド13から排出される液体の量は、加圧排出により液体吐出ヘッド13から排出される液体の量より少ない。
【0069】
制御部70は、第1液面56が標準位置より下方に位置することを液量センサー55が検出した場合に、液体収容体90が空になったと判断し、液体収容体90の交換をユーザーに指示してもよい。
【0070】
<導入部53の詳細構成>
ここで、図2図4を参照して導入部53に関する詳細な構成について説明する。
図2及び図3に示すように、タンクユニット22は、ユニット本体22Aを備える。タンクユニット22の装着部23において、導入部53は、ユニット本体22Aから鉛直方向Zの上方に向けて突出するように設けられる。導入部53は、複数のねじ37の螺合によりユニット本体22Aに固定されてもよい。
【0071】
タンクユニット22は、位置決め部38を備える。位置決め部38は、装着部23に設けられる。位置決め部38は、導入部53に対応する位置に設けられる。位置決め部38は、上方に向けて突出するように設けられており、液体収容体90の不図示の位置決め穴に係合可能である。位置決め部38は、導入部53と同じ所定角度で傾斜していてもよい。これにより、装着部23に液体収容体90が装着される際に、位置決め部38は、導出部92を導入部53に向けて適切に案内する。
【0072】
導入部53は、鉛直方向Zに対して所定角度で傾斜するように設けられてもよい。導入部53は、位置決め部38が配置される方向に向かって、鉛直方向Zに対して傾斜するように設けられてもよい。所定角度は、例えば1~15度の範囲内であってもよい。また、液体収容体90は、導入部53と同様に、鉛直方向Zに対して所定角度だけ傾斜するように装着部23に装着される。このため、液体収容体90に収容されている液体は、概ね使い切ることができる。
【0073】
導入部53は、基部53Cと、突出部53Dとを備える。基部53Cは、基部上面53Eを備える。基部上面53Eは、基部53Cの上方に向かう面である。突出部53Dは、円錐台状であり、基部上面53Eから鉛直方向Zの上方に向けて突出するように設けられる。突出部53Dの上端は、導入部53の上端53Bを構成する。
【0074】
導入部53は、導入口53Fを備える。導入口53Fは、液体収容体90から供給される液体を導入するための開口である。導入口53Fは、突出部53Dの上端に設けられる。
【0075】
導入部53は、第1壁部53Gを備える。第1壁部53Gは、突出部53Dの上端に設けられる。第1壁部53Gは、環状であり、導入口53Fを空けて導入口53Fの周囲を囲むように設けられる。第1壁部53Gは、導入口53Fからの液体の飛び散りを抑制することができる。
【0076】
導入部53は、誘導溝53Hと、誘導凹部53Iと、誘導孔53Jとを備える。誘導溝53Hは、第1壁部53Gよりも鉛直方向Zの下方に設けられる。誘導溝53Hは、環状であり、鉛直方向Zの上方から見て、第1壁部53Gを空けて第1壁部53Gの周囲を囲むように設けられる。誘導溝53Hは、導入口53Fから第1壁部53Gを超えて飛び散った液体を誘導凹部53Iに誘導するための溝である。
【0077】
誘導凹部53Iは、誘導溝53Hと位置決め部38との間に設けられる。誘導凹部53Iは、一端部が誘導溝53Hの端部に接続されている。誘導凹部53Iは、誘導溝53Hから位置決め部38に向かう方向に沿って下がり傾斜であってもよい。誘導凹部53Iは、誘導溝53Hの端部から誘導孔53Jに液体を誘導するための凹部である。これにより、導入口53Fから第1壁部53Gを超えて液体が飛び散った場合であっても、誘導溝53H、誘導凹部53I及び誘導孔53Jは、液体を誘導孔53Jに誘導することにより、液体の漏れを抑制することができる。
【0078】
誘導孔53Jは、誘導凹部53Iの他端部において下方に開口している。つまり、誘導孔53Jは、誘導凹部53Iの下がり傾斜の端部に設けられる。誘導孔53Jは、誘導凹部53Iにより誘導された液体を不図示の吸収部に誘導するための孔である。
【0079】
図2図4に示すように、導入部53は、第2壁部53Kを備える。第2壁部53Kは、基部53Cの周囲を囲むように設けられる。第2壁部53Kは、基部上面53Eから鉛直方向Zの上方に向けて突出するように設けられる。導入口53Fから第1壁部53Gを超え、更には、誘導溝53H又は誘導凹部53Iを超えて液体が飛び散った場合であっても、第2壁部53Kは、基部上面53Eから導入部53の外部への液体の漏れを抑制することができる。
【0080】
導入部53は、第3壁部53Lと、複数の貫通孔53Mとを備える。複数の貫通孔53Mのそれぞれは、鉛直方向Zに沿って基部53Cを貫通するように設けられる。複数の貫通孔53Mのそれぞれは、ねじ37を貫通可能な孔である。
【0081】
第3壁部53Lは、第2壁部53Kとともに複数の貫通孔53Mの一部を囲むように設けられる。第3壁部53Lは、基部上面53Eから鉛直方向Zの上方に向けて突出するように設けられる。導入口53Fから第1壁部53Gを超え、更には、誘導溝53H又は誘導凹部53Iを超えて液体が飛び散った場合であっても、第3壁部53Lは、基部上面53Eから貫通孔53Mへの液体の漏れを抑制することができる。
【0082】
導入部53は、突出片53Nを備える。突出片53Nは、基部上面53Eから鉛直方向Zの上方に向けて突出するように設けられる。突出片53Nは、環状であり、複数の貫通孔53Mのそれぞれを囲むように設けられる。突出片53Nは、ねじ37の頭部37Aよりも大きい外径である。導入口53Fから第1壁部53Gを超え、更には、誘導溝53H又は誘導凹部53Iを超えて液体が飛び散った場合であっても、突出片53Nは、基部上面53Eから貫通孔53Mへの液体の漏れを抑制することができる。
【0083】
突出片53Nは、上面53Oを備える。上面53Oは、鉛直方向Zの上方に向かう面である。ねじ37がユニット本体22Aに螺合される場合、上面53Oは、ねじ37の頭部37Aと当接する。
【0084】
突出片53Nは、凸部53Pを備える。凸部53Pは、上面53Oにおいて鉛直方向Zの上方に向かって突出するように設けられる。凸部53Pは、環状であり、複数の貫通孔53Mのそれぞれを囲むように設けられる。ねじ37がユニット本体22Aに螺合される場合、凸部53Pは、ねじ37の頭部37Aにより潰される。これにより、導入口53Fから第1壁部53Gを超え、更には、誘導溝53H又は誘導凹部53Iを超えて液体が飛び散った場合であっても、突出片53Nは、基部上面53Eから貫通孔53Mへの液体の漏れを抑制することができる。
【0085】
<開閉バルブ27の詳細構成>
次に、図5図7を参照して開閉バルブ27に関する詳細な構成について説明する。
図5及び図6に示すように、タンクユニット22は、隔壁部39を備える。隔壁部39は、第1貯留室51と導出流路26との間に設けられる。第1貯留室51が上流流路に含まれ、導出流路26が下流流路に含まれるとすると、隔壁部39は、上流流路と下流流路との間に設けられるといえる。隔壁部39は、第1貯留室51と導出流路26とを区分する壁部である。
【0086】
隔壁部39は、弁座39Aを備える。弁座39Aは、隔壁部39の導出流路26側に設けられる。弁座39Aは、凹形状である。
弁座39Aは、シール面39Bを備える。シール面39Bは、逆止弁80と密着することにより第1貯留室51と導出流路26との間を閉鎖するための面である。詳しくは、シール面39Bは、逆止弁80のシール凸部84が密着可能に構成される。シール面39Bは、隔壁部39の導出流路26側に設けられる。シール面39Bは、逆止弁80の外周よりも大きい円形状である。シール面39Bは、後述する開口部39Eの周囲に設けられる。シール面39Bは、シボ加工が施されていてもよい。
【0087】
弁座39Aは、凹部39Cを備える。凹部39Cは、シール面39Bよりも凹形状である。凹部39Cは、隔壁部39の導出流路26側に設けられる。凹部39Cは、逆止弁80のシール面39Bへの張り付きを解消し易くするために設けられている。凹部39Cは、シール面39Bの周囲に設けられる。凹部39Cは、シール面39Bよりも逆止弁80の外周縁側に設けられる。凹部39Cは、逆止弁80の外周縁の一部を跨ぐ複数の位置に設けられる。詳しくは、凹部39Cは、逆止弁80の受圧部82の外周縁の少なくとも一部と対応する位置に設けられる。このように、凹部39Cは、シール面39Bに複数設けられる。
【0088】
隔壁部39は、1つ又は複数の連通流路39Dを備える。つまり、連通流路39Dは、隔壁部39に設けられる。連通流路39Dは、第1貯留室51と導出流路26とを連通する。連通流路39Dは、開口部39Eを備える。開口部39Eは、導出流路26側に開口している。つまり、開口部39Eは、連通流路39Dの下流端が開口する。開口部39Eは、逆止弁80により開閉可能である。
【0089】
このように、第1貯留室51は、液体が流動可能な上流流路の一例に相当する。また、導出流路26、第2貯留室61及び供給流路28は、液体吐出部12に下流端が接続される下流流路の一例に相当する。そして、連通流路39Dは、上流流路と下流流路とを連通するように構成される。特に、下流流路のうち、第2流路バルブ31よりも上流の領域は、連通流路39Dと連通する加圧領域の一例に相当する。また、加圧部46は、下流流路内において加圧領域を加圧可能であるといえる。
【0090】
<逆止弁80の構成>
図5図7に示すように、逆止弁80は、導出流路26側に設けられる。逆止弁80は、開口部39Eを開閉可能である。逆止弁80は、軸部81と、受圧部82とを備える。軸部81は、逆止弁80の中心からほぼ垂直に延出している。軸部81は、抜止部81Aを備える。抜止部81Aは、軸部81の軸方向の中央に設けられる。抜止部81Aは、軸部81の他の部分よりも径方向に膨らんだ形状である。軸部81は、逆止弁80の中心から逆止弁80の連通流路39D側に延び、後述するシール凸部84の中心から逆止弁80の連通流路39D側に延びるともいえる。軸部81は、複数の連通流路39Dの何れかに挿入される。つまり、軸部81は、連通流路39Dに挿入される。
【0091】
受圧部82は、円板状である。受圧部82は、導出流路26側に向かう面であり、導出流路26側から圧力を受ける面である。受圧部82は、加圧領域の圧力を受ける。シール凸部84は、受圧部82の反対側の面に設けられ、シール凸部84の内側の面は、連通流路39D側から圧力を受ける面である。また、受圧部82の反対側の面は、軸部81が延出する延出方向に向かう面であり、受圧部82は、延出方向とは反対側に向かう面であるといえる。
【0092】
受圧部82は、弁板部83を備える。弁板部83は、円板状であり、剛性を高めるべく所定の厚みを有する。弁板部83は、受圧部82の一部を構成する。
逆止弁80は、シール凸部84を備える。シール凸部84は、受圧部82の反対側の面から延出方向に突出する。つまり、シール凸部84は、逆止弁80の連通流路39D側に設けられる。シール凸部84は、環状であり、シール面39Bと密着可能である。このように、シール凸部84は、開口部39Eの周囲に密着可能である。そして、シール凸部84は、シール面39Bと密着することにより開口部39Eを閉鎖する。
【0093】
受圧部82は、ひれ部85を備える。ひれ部85は、弁板部83の周縁から径方向外側に向かって延出する。ひれ部85は、環状である。ひれ部85は、弁板部83に比べ肉厚が薄く可撓性が高い。ひれ部85は、その肉厚が外側ほど薄くてもよい。ひれ部85は、一部がシール面39Bと対向し、一部が凹部39Cと対向する位置に設けられる。ひれ部85は、受圧部82の一部を構成する。
【0094】
このように、逆止弁80は、受圧部82の直径がシール凸部84の直径よりも大きいアンブレラ型の弁である。そして、受圧部82に作用する力がシール凸部84の内側の面に作用する力よりも大きくなった場合に開口部39Eを閉鎖するように構成されている。
【0095】
<逆止弁80の張り付き解消>
従来において、第1貯留部24から第2貯留部25への液体の供給開始までの時間が長くなる現象が発生することがあった。このような現象は、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で隔壁部39に張り付いてしまうことが原因であることがわかった。
【0096】
詳しくは、液体の初充填に伴って逆止弁80が隔壁部39に張り付いてしまうことがあった。出荷前においてタンクユニット22に洗浄剤が供給される。このような洗浄剤は、第1貯留室51、導出流路26及び第2貯留室61に供給された後に、第1貯留室51、導出流路26及び第2貯留室61から排出される。
【0097】
このような場合、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で、逆止弁80と隔壁部39との間に多少なりとも洗浄剤が残ってしまう。そして、時間の経過により、逆止弁80と隔壁部39との間に残った洗浄剤が乾燥により固まってしまうと、出荷後の液体の初充填に伴って、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で隔壁部39に張り付いてしまうことがあった。
【0098】
図8に示すように、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖しているときには、シール凸部84がシール面39Bに当接している。シール凸部84とシール面39Bとが当接する当接箇所において洗浄剤が固まっているときには、当接箇所において洗浄剤が固まっていないときよりも大きな圧力が連通流路39D側から加わらないと、シール凸部84がシール面39Bから離れない。このように、当接箇所において洗浄剤が固まっているときには、当接箇所において洗浄剤が固まっていないときよりも多くの液体が第1貯留室51及び連通流路39Dに貯留されないと、逆止弁80が開口部39Eを開放しない。これにより、第1貯留部24から第2貯留部25への液体の供給開始までの時間が長くなる現象が発生してしまう。
【0099】
また、液体の初充填と同じように、液体の再充填に伴って逆止弁80が隔壁部39に張り付いてしまうことがあった。出荷後において液体吐出装置11の使用に伴って、タンクユニット22に液体が供給されるが、導出流路26及び第2貯留室61に貯留されている液体が排出されることもある。
【0100】
このような場合、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で、逆止弁80と隔壁部39との間に多少なりとも液体が残ってしまう。そして、時間の経過により、逆止弁80と隔壁部39との間に残った液体が乾燥により固まってしまうと、液体の再充填に伴って、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で隔壁部39に張り付いてしまうことがあった。
【0101】
このような課題を解決すべく、本実施形態における液体吐出装置11は、導出流路26内及び第2貯留室61内を加圧する加圧動作と、加圧動作を解除する解除動作との組み合わせを行うように構成される。特に、本実施形態における液体吐出装置11は、導出流路26及び第2貯留室61への液体の供給に伴って、導出流路26内及び第2貯留室61内を加圧する加圧動作と、加圧動作を解除する解除動作との組み合わせを行うように構成される。
【0102】
図9に示すように、導出流路26内及び第2貯留室61内を加圧する加圧動作を行うことにより、導出流路26側から受圧部82を加圧する。これにより、逆止弁80は、軸部81を中心として受圧部82が連通流路39D側に撓む。そして、シール凸部84がシール面39Bに沿って移動することにより、シール凸部84とシール面39Bとが当接する当接箇所において固まっていた洗浄剤又は液体が分断し、シール凸部84がシール面39Bから離れる。このように、加圧動作に伴って、シール凸部84が移動することによって、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で隔壁部39に張り付くことを解消することができる。
【0103】
また、第1貯留室51及び連通流路39Dに液体が貯留されているときには、加圧動作により逆止弁80と隔壁部39との間の空気を少なくした後に、解除動作が行われることにより、受圧部82の撓みが解消される。これにより、第1貯留室51及び連通流路39Dに貯留されている液体が導出流路26側に引き込まれる。このように、加圧動作及び解除動作に伴って、第1貯留室51及び連通流路39Dから導出流路26側へ液体が引き込まれることによっても、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で隔壁部39に張り付くことを解消することができる。
【0104】
特に、受圧部82の外周縁の少なくとも一部に対応する位置に凹部39Cが設けられているため、受圧部82の外周縁及びシール凸部84がシール面39Bに密着する面積を小さくすることができる。これにより、シール凸部84が移動し易くなる。
【0105】
一方、隔壁部39への逆止弁80の張り付きを解消するために、第1貯留室51内を加圧することも考えられるが、第2貯留室61が大気に開放されていると、第1貯留室51から第2貯留室61に対して瞬間的に大量の液体が供給されてしまうおそれがある。
【0106】
また、第1貯留室51内を十分な時間に亘って加圧する場合、第1貯留部24に貯留されている液体が少ない状態では第2貯留部25に空気が供給されてしまう。このような場合、第2貯留部25内に泡が発生してしまう。このようなことから、導出流路26内及び第2貯留室61内を加圧する加圧動作と、加圧動作を解除する解除動作との組み合わせが行われることにより、第2貯留部25内に泡が発生することも抑制することができる。
【0107】
このようなことから、第1貯留室51内を加圧する加圧動作ではなく、導出流路26内及び第2貯留室61内を加圧する加圧動作と加圧動作を解除する解除動作とを組み合わせて行うことが好適である。
【0108】
<開閉バルブ動作処理>
ここで、図10を参照して開閉バルブ動作処理について説明する。開閉バルブ動作処理は、装着部23に液体収容体90が装着された後に、不図示のカバー部材が閉鎖したことを契機として制御部70によって実行される処理である。つまり、開閉バルブ動作処理は、導出流路26及び第2貯留室61に液体を充填する場合に制御部70によって実行される処理である。詳しくは、開閉バルブ動作処理は、導出流路26及び第2貯留室61に液体を初充填する場合に制御部70によって実行される処理である。また、開閉バルブ動作処理は、導出流路26及び第2貯留室61から液体を排出した後に、導出流路26及び第2貯留室61に液体を再び充填する場合に制御部70によって実行される処理である。ここで、各処理の順序は、各処理の目的から逸脱しない範囲で任意に入れ替え可能である。
【0109】
図10に示すように、ステップS11において、制御部70は、動作回数初期化処理を実行する。この処理において、制御部70は、メモリーに割り当てられた動作回数カウンタに初期値を設定する。これにより、制御部70は、メモリーに割り当てられた動作回数カウンタを初期化する。この処理が終了した場合、制御部70は、ステップS12に処理を移行する。
【0110】
ステップS12において、制御部70は、第1系統加圧処理を実行する。この処理において、制御部70は、第1系統の供給機構21を対象として、切替機構44及び加圧部46を制御することにより第2貯留部25内を加圧する。第1系統の供給機構21としては、例えば、複数系統の供給機構21の一部が相当し、詳しくは、シアンに対応する供給機構21とマゼンタに対応する供給機構21とであってもよい。このように、制御部70は、加圧部46によって加圧領域を加圧する加圧動作を行う。本実施形態において、第1流路バルブ30及び第2流路バルブ31は、閉鎖しており、第1貯留部24内は、大気に開放している。この処理が終了した場合、制御部70は、ステップS13に処理を移行する。
【0111】
ステップS13において、制御部70は、規定時間が経過したか否かを判定する。制御部70は、規定時間が経過していないと判定した場合、再度、ステップS13に処理を移行する。制御部70は、規定時間が経過したと判定した場合、ステップS14に処理を移行する。
【0112】
ステップS14において、制御部70は、第1系統加圧停止処理を実行する。この処理において、制御部70は、第1系統の供給機構21を対象として、第2大気開放流路42を大気に開放させるように切替機構44及び加圧部46を制御することにより第2貯留部25内の加圧を停止する。このように、制御部70は、加圧動作を解除する解除動作を行う。この処理が終了した場合、制御部70は、ステップS15に処理を移行する。
【0113】
ステップS15において、制御部70は、第2系統加圧処理を実行する。この処理において、制御部70は、第2系統の供給機構21を対象として、切替機構44及び加圧部46を制御することにより第2貯留部25内を加圧する。第2系統の供給機構21としては、例えば、複数系統の供給機構21の一部が相当し、詳しくは、イエローに対応する供給機構21とブラックに対応する供給機構21とであってもよい。このように、制御部70は、加圧部46によって加圧領域を加圧する加圧動作を行う。この処理が終了した場合、制御部70は、ステップS16に処理を移行する。
【0114】
ステップS16において、制御部70は、規定時間が経過したか否かを判定する。制御部70は、規定時間が経過していないと判定した場合、再度、ステップS16に処理を移行する。制御部70は、規定時間が経過したと判定した場合、ステップS17に処理を移行する。
【0115】
ステップS17において、制御部70は、第2系統加圧停止処理を実行する。この処理において、制御部70は、第2系統の供給機構21を対象として、第2大気開放流路42を大気に開放させるように切替機構44及び加圧部46を制御することにより第2貯留部25内の加圧を停止する。このように、制御部70は、加圧動作を解除する解除動作を行う。この処理が終了した場合、制御部70は、ステップS18に処理を移行する。
【0116】
本実施形態において、制御部70は、第1系統の供給機構21を対象として加圧動作を行っているときには、第2系統の供給機構21を対象として解除動作を行っているといえる。また、制御部70は、第2系統の供給機構21を対象として加圧動作を行っているときには、第1系統の供給機構21を対象として解除動作を行っているといえる。
【0117】
ステップS18において、制御部70は、動作回数計数処理を実行する。この処理において、制御部70は、メモリーに割り当てられた動作回数カウンタを更新することにより、動作回数を計数する。この処理が終了した場合、制御部70は、ステップS19に処理を移行する。
【0118】
ステップS19において、制御部70は、動作回数が規定回数であるか否かを判定する。本実施形態において、規定回数は、3回であるが、1回又は複数回であってもよい。制御部70は、動作回数が規定回数ではないと判定した場合、再度、ステップS12に処理を移行する。制御部70は、動作回数が規定回数であると判定した場合、開閉バルブ動作処理を終了する。
【0119】
このように、制御部70は、開閉バルブ動作処理を実行することにより、第1系統の供給機構21を対象として、規定時間に亘って第2貯留部25内を加圧した後に、第2系統の供給機構21を対象として、規定時間に亘って第2貯留部25内を加圧する。これにより、安定して第2貯留部25内を加圧することができる。また、制御部70は、このような各加圧処理を規定回数だけ実行する。
【0120】
つまり、制御部70は、下流流路への液体の供給に伴って、加圧動作及び解除動作の組み合わせを複数回行う。また、制御部70は、下流流路内の液体を排出した後に下流流路に再び液体を供給する場合に、下流流路への液体の供給に伴って、加圧動作及び解除動作の組み合わせを複数回行う。言い換えると、制御部70は、加圧動作及び解除動作の組み合わせを1回以上行ってもよい。
【0121】
<第1実施形態の作用及び効果>
第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)制御部70は、下流流路への液体の供給に伴って、連通流路39Dと連通する第2貯留部25及び導出流路26を加圧する加圧動作及び加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う。このため、下流流路への液体の供給に伴って、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で張り付いていても、受圧部82が導出流路26側から加圧されることにより、受圧部82が撓み、シール凸部84がシール面39Bに沿って移動する。これにより、シール凸部84とシール面39Bとの間に隙間を設けることができる。したがって、逆止弁80の張り付きを解消し易くすることができる。
【0122】
(2)制御部70は、下流流路への液体の供給に伴って、連通流路39Dと連通する第2貯留部25及び導出流路26を加圧する加圧動作及び加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを複数回以上行う。このため、シール凸部84とシール面39Bとの間に隙間を設ける機会を増加させることができる。したがって、より一層、逆止弁80の張り付きを解消し易くすることができる。特に、加圧動作の圧力及び加圧動作の動作時間を調整するよりも、加圧動作の回数を調整することにより、より一層、逆止弁80の張り付きを解消し易くすることができる。
【0123】
(3)逆止弁80は、受圧部82の直径がシール凸部84の直径よりも大きいアンブレラ型の弁である。このため、安定的に開口部39Eを開閉することができる。したがって、第1貯留部24から第2貯留部25に円滑に液体を供給することができる。
【0124】
(4)隔壁部39は、シール面39Bと、凹部39Cとを備える。シール面39Bは、開口部39Eの周囲に設けられ、かつ、シール凸部84が密着可能である。凹部39Cは、シール面39Bの周囲に設けられ、受圧部82の外周縁の少なくとも一部と対応する位置に設けられる。このため、シール凸部84がシール面39Bに密着することにより安定的に開口部39Eを開閉することができる。一方、凹部39Cが設けられることにより、受圧部82の外周縁及びシール凸部84がシール面39Bに密着する面積を小さくすることができる。これにより、受圧部82の外周縁がシール面39Bに密着することを抑制できるとともに、受圧部82が撓み、シール凸部84がシール面39Bに沿って移動し易くなる。したがって、より一層、逆止弁80の張り付きを解消し易くすることができる。
【0125】
(5)凹部39Cは、シール面39Bに複数設けられる。このため、受圧部82の外周縁及びシール凸部84がシール面39Bに密着する面積をより一層小さくすることができる。これにより、受圧部82の外周縁がシール面39Bに密着することを抑制できるとともに、受圧部82が撓み、シール凸部84がシール面39Bに沿って移動し易くなる。したがって、より一層、逆止弁80の張り付きを解消し易くすることができる。
【0126】
(6)シール面39Bは、シボ加工が施されている。このため、受圧部82が撓み、シール凸部84がシール面39Bに沿って移動し易くなる。したがって、より一層、逆止弁80の張り付きを解消し易くすることができる。
【0127】
(7)下流流路内の液体を排出した後に下流流路に再び液体を供給する場合、下流流路への液体の供給に伴って、制御部70は、加圧動作及び解除動作の組み合わせを1回以上行う。このため、第2貯留部25に再び液体を供給する場合に、逆止弁80が開口部39Eを閉鎖した状態で張り付いていても、受圧部82が導出流路26側から加圧されることにより、受圧部82が撓み、シール凸部84がシール面39Bに沿って移動する。これにより、シール凸部84とシール面39Bとの間に隙間を設けることができる。したがって、逆止弁80の張り付きを解消し易くすることができる。
【0128】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0129】
・上記実施形態において、制御部70は、第1気液分離膜57及び第2気液分離膜64の目詰まりチェック動作を行ってもよい。詳しくは、制御部70は、加圧部46を制御することにより第1貯留部24内を加圧するとともに、圧力センサー47からの検知信号に基づいて、圧力の変化を判定し、第1気液分離膜57の目詰まりチェック動作を行ってもよい。制御部70は、加圧部46を制御することにより第2貯留部25内を加圧するとともに、圧力センサー47からの検知信号に基づいて、圧力の変化を判定し、第2気液分離膜64の目詰まりチェック動作を行ってもよい。
【0130】
・上記実施形態において、逆止弁80は、例えば、弁板部83と、シール凸部84とが設けられていれば、アンブレラ弁に限らない。
・上記実施形態において、制御部70は、第2貯留部25内を加圧する加圧動作及び解除動作の組み合わせを1回以上行った後に、更に、第1貯留部24内を加圧する加圧動作及び解除動作の組み合わせを1回以上行ってもよい。この場合、液体収容体90から第1貯留部24に十分な液体が貯留されるように、液体収容体90が装着部23に装着されてから予め定めた時間が経過した後に第1貯留部24内を加圧する加圧動作及び解除動作の組み合わせを1回以上行うことが好ましい。
【0131】
・上記実施形態において、制御部70は、複数系統の供給機構21毎に加圧動作及び解除動作の対象としてもよい。詳しくは、制御部70は、シアンに対応する供給機構21を対象として加圧動作及び解除動作を行った後に、マゼンタに対応する供給機構21を対象として加圧動作及び解除動作を行ってもよい。そして、その後、制御部70は、イエローに対応する供給機構21を対象として加圧動作及び解除動作を行った後に、ブラックに対応する供給機構21を対象として加圧動作及び解除動作を行ってもよい。また、制御部70は、複数系統の供給機構21を一度に加圧動作及び解除動作の対象としてもよい。この場合、複数系統の供給機構21を時系列で分けて加圧動作及び解除動作の対象とするときとは異なり、解除動作の動作時間を設けることが好ましい。
【0132】
・上記実施形態において、逆止弁80の軸部81が、複数の連通流路39Dのうち何れか一つに挿入されることにより隔壁部39に保持されたが、これに限らない。例えば、逆止弁80の軸部81は、複数の連通流路39Dに挿入されず、複数の連通流路39Dとは異なる他の挿入孔に挿入されることにより隔壁部39に保持されてもよい。また、例えば、連通流路39Dは、1又は複数設けられてもよい。
【0133】
・上記実施形態において、制御部70は、下流流路への液体の供給前に、加圧動作及び解除動作の組み合わせを1回以上行ってもよく、下流流路への液体の供給中に、加圧動作及び解除動作の組み合わせを1回以上行ってもよい。つまり、制御部70は、下流流路への液体の供給に伴って、加圧動作及び解除動作の組み合わせを1回以上行ってもよい。
【0134】
・上記実施形態において、開閉バルブ動作処理は、装着部23に液体収容体90が装着された後に不図示のカバー部材が閉鎖したことを契機として制御部70によって実行される処理であったが、これに限らない。例えば、開閉バルブ動作処理は、不図示の他のカバー部材が閉鎖したことを契機として制御部70によって実行される処理であってもよい。例えば、開閉バルブ動作処理は、第1液面56が満杯位置に位置することを液量センサー55が検出した場合に、制御部70によって実行される処理であってもよい。例えば、開閉バルブ動作処理は、操作部72からの操作信号に基づいて、制御部70によって実行される処理であってもよい。つまり、開閉バルブ動作処理は、下流流路への液体の供給に伴って、所定の実行条件が成立したときに、制御部70によって実行される処理であってもよい。
【0135】
・上記実施形態において、第1貯留部24が上流流路の一例に相当し、第2貯留部25及び導出流路26が下流流路の一例に相当したが、これに限らない。例えば、逆止弁80により開口部39Eが開閉可能であり、連通流路39Dが連通する上流流路と下流流路とであれば、任意の流路であってもよい。また、例えば、上流流路及び下流流路は、液体が流動可能であれば、液体が貯留可能であるか否かも問わない。
【0136】
・上記実施形態において、例えば、第1貯留部24と第2貯留部25は、一体で構成してもよい。
・上記実施形態において、液体収容体90としては、液体を収容可能なインクカートリッジが採用されるが、これに限らず、例えば、液体を補充可能なインクタンクが採用されてもよい。
【0137】
・液体吐出ヘッド13は、ノズル面14が水平になる水平姿勢で液体を吐出して媒体に印刷してもよい。液体吐出ヘッド13は、水平姿勢と傾斜姿勢とに姿勢を変更可能に設けられてもよい。
【0138】
・液体吐出装置11は、第1貯留部24を大気に開放させる流路と、第1貯留部24を加圧する流路とを別に備えてもよい。液体吐出装置11は、第2貯留部25を大気に開放させる流路と、第2貯留部25を加圧する流路とを別に備えてもよい。
【0139】
・加圧部46は、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、及びギアポンプなどを用いてもよい。
・可撓性部材34は、ゴム膜、エラストマ膜、フィルムなどによって形成してもよい。
【0140】
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体吐出装置であってもよい。液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
【0141】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0142】
(A)供給装置は、液体が流動可能な上流流路と、液体を吐出可能である液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、前記逆止弁は、前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されており、前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う。
【0143】
この構成によれば、下流流路への液体の供給に伴って、逆止弁が開口部を閉鎖した状態で張り付いていても、受圧部が下流流路側から加圧されることにより、受圧部が撓み、シール凸部が移動する。これにより、シール凸部の連通流路側に隙間を設けることができる。したがって、逆止弁の張り付きを解消し易くすることができる。
【0144】
(B)前記供給装置において、前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧動作及び前記解除動作の組み合わせを複数回行ってもよい。
この構成によれば、シール凸部の連通流路側に隙間を設ける機会を増加させることができる。したがって、より一層、逆止弁の張り付きを解消し易くすることができる。
【0145】
(C)前記供給装置において、前記逆止弁は、前記シール凸部の中心から前記受圧部の前記連通流路側に延びる軸部を有し、前記軸部は、前記連通流路に挿入され、前記逆止弁は、前記受圧部の直径が前記シール凸部の直径よりも大きいアンブレラ型の弁であってもよい。
【0146】
この構成によれば、安定的に開口部を開閉することができる。したがって、上流流路から下流流路に円滑に液体を供給することができる。
(D)前記供給装置は、前記上流流路と前記下流流路との間に隔壁部を備え、前記連通流路は、前記隔壁部に設けられ、前記隔壁部は、前記開口部の周囲に設けられ、かつ、前記シール凸部が密着可能なシール面と、前記シール面の周囲に設けられ、前記受圧部の外周縁の少なくとも一部と対応する位置に設けられる凹部と、を有してもよい。
【0147】
この構成によれば、シール凸部がシール面に密着することにより安定的に開口部を開閉することができる。一方、凹部が設けられることにより、受圧部の外周縁及びシール凸部がシール面に密着する面積を小さくすることができる。これにより、受圧部の外周縁がシール面に密着することを抑制できるとともに、受圧部が撓み、シール凸部がシール面に沿って移動し易くなる。したがって、より一層、逆止弁の張り付きを解消し易くすることができる。
【0148】
(E)前記供給装置において、前記凹部は、前記シール面に複数設けられてもよい。
この構成によれば、受圧部の外周縁及びシール凸部がシール面に密着する面積をより一層小さくすることができる。これにより、受圧部の外周縁がシール面に密着することを抑制できるとともに、受圧部が撓み、シール凸部が移動し易くなる。したがって、より一層、逆止弁の張り付きを解消し易くすることができる。
【0149】
(F)前記供給装置において、前記シール面は、シボ加工が施されていてもよい。
この構成によれば、受圧部が撓み、シール凸部が移動し易くなる。したがって、より一層、逆止弁の張り付きを解消し易くすることができる。
【0150】
(G)前記供給装置において、前記下流流路内の液体を排出した後に前記下流流路に再び液体を供給する場合、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記制御部は、前記加圧動作及び前記解除動作の組み合わせを1回以上行ってもよい。
【0151】
この構成によれば、下流流路に再び液体を供給する場合に、逆止弁が開口部を閉鎖した状態で張り付いていても、受圧部が下流流路側から加圧されることにより、受圧部が撓み、シール凸部が移動する。これにより、シール凸部の連通流路側に隙間を設けることができる。したがって、逆止弁の張り付きを解消し易くすることができる。
【0152】
(H)液体吐出装置は、液体を吐出可能である液体吐出部と、液体が流動可能な上流流路と、前記液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、前記逆止弁は、前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されており、前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う。この構成によれば、(A)と同じような効果を奏することができる。
【0153】
(I)液体が流動可能な上流流路と、液体を吐出可能である液体吐出部に下流端が接続される下流流路と、前記上流流路と前記下流流路とを連通する連通流路と、前記下流流路に設けられ、かつ、前記連通流路の下流端が開口する開口部を開閉可能な逆止弁と、前記下流流路内において前記連通流路と連通する加圧領域を加圧可能である加圧部と、前記加圧部を制御可能である制御部と、を備え、前記逆止弁は、前記加圧領域の圧力を受ける受圧部と、前記受圧部の前記連通流路側に設けられ、かつ、前記開口部の周囲に密着可能である周状のシール凸部と、を有し、前記受圧部に作用する力が前記シール凸部の内側に作用する力よりも大きくなった場合に前記開口部を閉鎖するように構成されている供給装置の液体供給方法であって、前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧部によって前記加圧領域を加圧する加圧動作及び前記加圧動作を解除する解除動作の組み合わせを1回以上行う。この構成によれば、(A)と同じような効果を奏することができる。
【0154】
(J)前記供給装置の液体供給方法において、前記制御部は、前記下流流路への液体の供給に伴って、前記加圧動作及び前記解除動作の組み合わせを複数回行ってもよい。この構成によれば、(B)と同じような効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0155】
11…液体吐出装置、12…液体吐出部、13…液体吐出ヘッド、14…ノズル面、15…ノズル、16…第1接続部、17…第2接続部、18…メンテナンス部、20…供給装置、21…供給機構、22…タンクユニット、22A…ユニット本体、23…装着部、24…第1貯留部、25…第2貯留部、26…導出流路、27…開閉バルブ、28…供給流路、29…回収流路、30…第1流路バルブ、31…第2流路バルブ、32…微加圧ユニット、33…液室、34…可撓性部材、35…空気室、36…ばね、37…ねじ、37A…頭部、38…位置決め部、39…隔壁部、39A…弁座、39B…シール面、39C…凹部、39D…連通流路、39E…開口部、40…駆動機構、41…第1大気開放流路、42…第2大気開放流路、43…空気流路、44…切替機構、45…接続流路、46…加圧部、47…圧力センサー、48…細管部、49…選択弁、49A…第1選択弁、49B…第2選択弁、49C…第3選択弁、49D…第4選択弁、49E…第5選択弁、49F…第6選択弁、49G…第7選択弁、49H…第8選択弁、49I…第9選択弁、49J…第10選択弁、49K…第11選択弁、51…第1貯留室、51A…底、51B…天井、52…流入口、53…導入部、53A…下端、53B…上端、53C…基部、53D…突出部、53E…基部上面、53F…導入口、53G…第1壁部、53H…誘導溝、53I…誘導凹部、53J…誘導孔、53K…第2壁部、53L…第3壁部、53M…貫通孔、53N…突出片、53O…上面、53P…凸部、54…導入バルブ、55…液量センサー、56…第1液面、57…第1気液分離膜、61…第2貯留室、61A…底、61B…天井、62…供給口、63…フィルター、64…第2気液分離膜、65…第2液面、70…制御部、71…表示部、72…操作部、73…切替操作部、74…検知部、80…逆止弁、81…軸部、81A…抜止部、82…受圧部、83…弁板部、84…シール凸部、85…ひれ部、90…液体収容体、91…収容室、92…導出部、93…導出バルブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10