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  • 特開-静電チャック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175420
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】静電チャック
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241211BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20241211BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241211BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/205
H01L21/31 C
H02N13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093199
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100121843
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 賢郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(72)【発明者】
【氏名】上藤 淳平
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 雄基
(72)【発明者】
【氏名】板倉 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】山口 康介
(72)【発明者】
【氏名】白石 純
【テーマコード(参考)】
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F045AA08
5F045AF03
5F045BB08
5F045BB11
5F045EJ03
5F045EM02
5F045EM05
5F045EM07
5F045EM09
5F131AA02
5F131BA04
5F131CA02
5F131CA09
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB14
5F131EB17
5F131EB18
5F131EB54
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
【課題】ろう材により接合された導体板の剥離を防止することのできる静電チャック、を提供する。
【解決手段】静電チャック10は、誘電体基板100と、誘電体基板100の内部に設けられた吸着電極130と、吸着電極130に対し電気的に接続されており、且つ、誘電体基板100の外側に露出している導体板410と、誘電体基板100と導体板410との間を接合するろう材420と、を備える。導体板410は、誘電体基板100側の面である第1面411と、第1面411とは反対側の面である第2面412と、を有する。ろう材420は、導体板410の外側にはみ出している部分であって、第1面411よりも第2面412となる位置まで突出している突出部421を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被吸着物が載置される載置面を有する誘電体基板と、
前記誘電体基板の内部に設けられた内部電極と、
前記内部電極に対し電気的に接続されており、且つ、前記誘電体基板の外側に露出している導体板と、
前記誘電体基板と前記導体板との間を接合するろう材と、を備え、
前記導体板は、
前記誘電体基板側の面である第1面と、
前記第1面とは反対側の面である第2面と、を有し、
前記ろう材は、
前記導体板の外側にはみ出している部分であって、前記第1面よりも前記第2面側となる位置まで突出している突出部を有することを特徴とする、静電チャック。
【請求項2】
前記載置面に対し垂直な方向から見た場合において、
前記突出部は、前記導体板を外側から全周に亘り囲んでいることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項3】
前記ろう材は銀及びチタンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は静電チャックに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばCVD装置等の半導体製造装置には、処理の対象となるシリコンウェハ等の基板を吸着し保持するための装置として、静電チャックが設けられる。静電チャックは、吸着電極が設けられた誘電体基板を備える。吸着電極に電圧が印加されると静電力が生じ、誘電体基板上に載置された基板が吸着され保持される。
【0003】
誘電体基板の内部に埋め込まれた吸着電極等に対し、外部から給電を行うための構成としては、種々の構成が知られている。例えば下記特許文献1に記載された静電チャックでは、吸着電極に対し電気的に接続された導体板(導電性部材)に対し、給電のためのコンタクト電極を外側から当接させる構造となっている。導体板は、誘電体基板のうち載置面とは反対側の面に対し、ろう材により接合されている。このような構成の静電チャックでは、コンタクト電極の当接位置がずれた場合でも、吸着電極への給電を確実に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-84938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体製造装置で基板の処理が行われているときには、基板のみならず誘電体基板等の温度も上昇する。このとき、例えば誘電体基板と導体板の熱膨張差に伴って、導体板には接合面に沿った剪断力が加えられることがあり、剪断力の大きさによっては導体板の剥離等が生じてしまう可能性がある。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ろう材により接合された導体板の剥離を防止することのできる静電チャック、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る静電チャックでは、被吸着物が載置される載置面を有する誘電体基板と、誘電体基板の内部に設けられた内部電極と、内部電極に対し電気的に接続されており、且つ、誘電体基板の外側に露出している導体板と、誘電体基板と導体板との間を接合するろう材と、を備える。導体板は、誘電体基板側の面である第1面と、第1面とは反対側の面である第2面と、を有する。ろう材は、導体板の外側にはみ出している部分であって、第1面よりも第2面側となる位置まで突出している突出部を有する。
【0008】
このような構成の静電チャックでは、ろう材の一部である突出部によって、導体板が外側から支持された状態となっている。接合面に沿った剪断力が導体板に対し加えられた場合でも、導体板の位置ずれが突出部によって抑えられるので、導体板の剥離を防止することができる。
【0009】
また、本発明に係る静電チャックでは、載置面に対し垂直な方向から見た場合において、突出部は、導体板を外側から全周に亘り囲んでいることも好ましい。導体板が全周に亘り突出部によって支持されるので、導体板の剥離をより確実に防止することができる。
【0010】
また、本発明に係る静電チャックでは、ろう材は銀及びチタンを含むことも好ましい。誘電体基板に対し予めメタライズ等の前処理を施すことなく、誘電体基板と導体板との間をろう材によって直接接合することができるので、静電チャックの製造コストを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ろう材により接合された導体板の剥離を防止することのできる静電チャック、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る静電チャックの構成を模式的に示す断面図である。
図2】導体板を接合するろう材の形状について説明するための図である。
図3】導体板を接合するろう材の形状について説明するための図である。
図4】突出部の形成方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0014】
本実施形態に係る静電チャック10は、例えばCVD成膜装置のような不図示の半導体製造装置の内部において、処理対象となる基板Wを静電力によって吸着し保持するものである。基板Wは、例えばシリコンウェハである。静電チャック10は、半導体製造装置以外の装置に用いられてもよい。
【0015】
図1には、基板Wを吸着保持した状態の静電チャック10の構成が、模式的な断面図として示されている。静電チャック10は、誘電体基板100と、ベースプレート200と、接合層300と、を備える。
【0016】
誘電体基板100は、セラミック焼結体からなる略円盤状の部材である。誘電体基板100は、例えば高純度のアルミナ(Al)を含むが、他の材料を含んでもよい。誘電体基板100におけるセラミックスの純度や種類、添加物等は、半導体製造装置において誘電体基板100に求められる耐プラズマ性等を考慮して、適宜設定することができる。
【0017】
誘電体基板100のうち図1における上方側の面110は、被吸着物である基板Wが載置される「載置面」となっている。また、誘電体基板100のうち図1における下方側の面120(つまり、面110とは反対側の面120)は、後述の接合層300を介してベースプレート200に接合される「被接合面」となっている。面110に対し垂直な方向に沿って、面110側から静電チャック10を見た場合の視点のことを、以下では「上面視」のようにも表記する。
【0018】
誘電体基板100の内部には、吸着電極130が埋め込まれている。吸着電極130は、例えばタングステン等の金属材料により形成された薄い平板状の導体層であり、面110に対し平行となるように配置されている。吸着電極130の材料としては、タングステンの他、モリブデン、白金、パラジウム等を用いてもよい。外部から吸着電極130に電圧が印加されると、面110と基板Wとの間に静電力が生じ、これにより基板Wが吸着保持される。吸着電極130は、所謂「双極」の電極として本実施形態のように2つ設けられていてもよいが、所謂「単極」の電極として1つだけ設けられていてもよい。吸着電極130に電圧を印可するための給電路の構成ついては後に説明する。
【0019】
誘電体基板100と基板Wとの間には空間SPが形成されている。半導体製造装置において成膜等の処理が行われる際には、空間SPには、誘電体基板100に形成された不図示のガス穴を介して外部から温度調整用のヘリウムガスが供給される。誘電体基板100と基板Wとの間にヘリウムガスを介在させることで、両者間の熱抵抗が調整され、これにより基板Wの温度が適温に保たれる。尚、空間SPに供給される温度調整用のガスは、ヘリウムとは異なる種類のガスであってもよい。
【0020】
吸着面である面110上にはシールリング111やドット112が設けられており、空間SPはこれらの周囲に形成されている。
【0021】
シールリング111は、最外周となる位置において空間SPを区画する壁である。それぞれのシールリング111の上端は面110の一部となっており、基板Wに当接する。尚、空間SPを分割するように複数のシールリング111が設けられていてもよい。このような構成とすることで、それぞれの空間SPにおけるヘリウムガスの圧力を個別に調整し、処理中における基板Wの表面温度分布を均一に近づけることが可能となる。
【0022】
図1等において符号「116」が付されている部分は、空間SPの底面である。以下では、当該部分のことを「底面116」とも称する。シールリング111は、次に述べるドット112と共に、面110の一部を底面116の位置まで掘り下げた結果として形成されている。底面116には、ヘリウムガスを空間SP内で素早く拡散させるための溝が形成されていてもよい。
【0023】
ドット112は、底面116から突出する円形の突起である。ドット112は複数設けられており、誘電体基板100の吸着面において略均等に分散配置されている。それぞれのドット112の上端は、面110の一部となっており、基板Wに当接する。このようなドット112を複数設けておくことで、基板Wの撓みが抑制される。
【0024】
ベースプレート200は、誘電体基板100を支持するために、誘電体基板100の面120に接合される略円盤状の部材である。誘電体基板100とベースプレート200との間には接合層300が設けられており、接合層300によって両者が接合されている。接合層300は、絶縁性の材料からなる接着材を硬化させることにより形成された層である。このような接着剤としては、例えばシリコーン系の接着剤を用いることができる。
【0025】
ベースプレート200は、例えばアルミニウムのような金属により形成されている。ベースプレート200のうち、図1における上方側の面210は、接合層300を介して誘電体基板100に接合される「被接合面」となっている。
【0026】
ベースプレート200の内部には、冷媒を流すための冷媒流路250が形成されている。半導体製造装置において成膜等の処理が行われる際には、外部から冷媒が冷媒流路250に供給され、これによりベースプレート200が冷却される。処理中において基板Wで生じた熱は、空間SPのヘリウムガス、誘電体基板100、及びベースプレート200を介して冷媒へと伝えられ、冷媒と共に外部へと排出される。
【0027】
ベースプレート200の表面には絶縁膜が形成されていてもよい。絶縁膜は、ベースプレート200の表面の全体ではなく一部のみを覆うように形成されてもよい。例えば、面210の周囲の側面部分、すなわち、半導体製造装置の内部においてプラズマ等に曝される露出部分のみを覆うように絶縁膜が形成されてもよい。それとは異なり、少なくとも面210の全体を含む範囲を覆うように絶縁膜が形成されてもよい。絶縁膜としては、例えば、溶射により形成されたアルミナの膜を用いることができる。ベースプレート200の表面を絶縁膜で覆っておくことにより、ベースプレート200の絶縁耐圧を高めることができる。
【0028】
吸着電極130に繋がる給電路の構成ついて説明する。当該給電路は、ビア13、導体板410、ろう材420、及びコンタクトプローブ500を含み、これらが、2つある吸着電極130のそれぞれに対して個別に設けられている。
【0029】
ビア13は、誘電体基板100の面120から吸着電極130に至るまで形成された細長い穴であり、その内部には導電体が充填されている。導電体としては、例えば吸着電極130と同じタングステン等の材料が用いられる。
【0030】
導体板410は、誘電体基板100の面120に接合された平板状の金属板である。導体板410の材料としては、例えばモリブデンを含む金属材料を用いることができる。導体板410は、図2に示されるろう材420を介して面120に接合されている。導体板410が接合されている位置は、面120のうち、ビア13の端部が露出している位置である。このため、導体板410は、ビア13及びろう材420を介して吸着電極130に対し電気的に接続されている。面110に対し垂直な方向から見た場合における導体板410の形状は、図3に示されるように円形である。このように、本実施形態では、吸着電極130に対し電気的に接続された導体板410が、誘電体基板100の外側(面120側)において露出している。
【0031】
誘電体基板100の面120と導体板410との間を接合するろう材420(図1においては不図示、図2を参照)は、銀を主成分とする銀ろうである。本実施形態では、ろう材420はチタンを更に含んでいる。このようなろう材420は所謂「活性銀ろう」とも称されるものであって、誘電体基板100の面120に対し予めメタライズ等の前処理を施すことなく、面120と導体板410との間を直接接合するものである。このようなろう材420を用いることにより、静電チャック10の製造コストを抑制することが可能となっている。ろう材420の具体的な形状については後に説明する。
【0032】
図1に示されるように、接合層300のうち上面視において導体板410と重なる部分には、開口310が形成されている。開口310は円形の開口であって、上面視において導体板410やろう材420の全体を包含しうる範囲に形成されている。
【0033】
ベースプレート200のうち、上面視において開口310と対応する部分のそれぞれには、貫通穴260が形成されている。貫通穴260は、上面視において開口310と完全に重なる円形の穴であり、面210から反対側の面220まで貫くように形成されている。
【0034】
コンタクトプローブ500は、貫通穴260の内側に配置された棒状の金属部材である。コンタクトプローブ500のうち一方側の端部(図1における上端)は、導体板410に対して当接している。コンタクトプローブ500のうち他方側の端部(図1における下端)は、面220側において外部に露出している。当該部分には、半導体製造装置に設けられた不図示の給電プローブが押し当てられる。これにより、コンタクトプローブ500、導体板410、ろう材420、及びビア13のそれぞれを介して、上記の給電プローブから吸着電極130へと電圧が印可される。
【0035】
貫通穴260とコンタクトプローブ500との間には、支持部材270が配置されている。支持部材270は、例えば樹脂のような絶縁性の材料からなる略円筒形状の部材であって、貫通穴260の内部においてコンタクトプローブ500を支持している。
【0036】
本実施形態のコンタクトプローブ500は、第1部材510と、第2部材520とを含む。第1部材510は棒状の部材であって、その上端部分が導体板410へと押し当てられる。第2部材520は、第1部材510を図1の上下方向に摺動可能な状態で支持している略円筒形状の部材である。第2部材520の下端は、面220側において外部に露出している。第2部材520は支持部材270に対して固定されている。第2部材520と第1部材510との間には、不図示の弾性部材が圧縮された状態で配置されている。この弾性部材の復元力により、第1部材510は図1の上方側に向けて付勢されている。第1部材510の端部は導体板410に対して押し当てられており、これによりコンタクトプローブ500と導体板410との間の電気的な接続が確保されている。
【0037】
図2には、図1の導体板410及びその近傍の構成が拡大して示されている。説明の便宜上、導体板410のうち誘電体基板100側の面(図2における上方側の面)のことを、以下では「第1面411」とも称する。また、導体板410のうち第1面411とは反対側の面(図2における下方側の面)のことを、以下では「第2面412」とも称する。
【0038】
ろう材420のうち、図2において符号「421」が付されている部分は、導体板410の外側(図2においては左側)となる位置まではみ出している。また、当該部分は、面110に対し垂直な方向(図2における上下方向)に沿って、第1面411よりも第2面412側(図2においては下方側)となる位置まで突出している。ろう材420のうち符号「421」が付されている上記部分のことを、以下では「突出部421」とも称する。
【0039】
図3は、導体板410及びその近傍部分を、面110に対し垂直な方向に沿って第2面412側から見て描いた図である。同図に示されるように、ろう材420の突出部421は、導体板410を全周に亘り囲むように形成されている。
【0040】
本実施形態では上記のように、ろう材420が突出部421を有しており、突出部421が第1面411よりも第2面412側となる位置まで突出している。このような構成においては、導体板410が、突出部421によって外側から支持された状態となっている。接合面である第1面411に沿った剪断力が導体板410に対し加えられた場合でも、導体板410の位置ずれが突出部421によって抑えられるので、導体板410の剥離を防止することができる。
【0041】
突出部421は、本実施形態のように導体板410を全周に亘り囲むように形成されていてもよいが、複数に分かれていてもよい。ただし、導体板410を全周に亘り支持するように突出部421を形成した方が、導体板410の剥離をより確実に防止することができるので好ましい。
【0042】
突出部421を形成する方法について説明する。先ず、内部電極130やビア13が形成された誘電体基板100を用意する。このような構成の誘電体基板100は、公知の方法によって製造し得るので、その具体的な製造方法については説明を省略する。
【0043】
その後、図4(A)に示されるように、面120のうちビア13が露出している部分を覆うようにろう材420を配置し、ろう材420を挟んで導体板410を配置する。尚、ろう材420としては、ペースト状のものを用いてもよく、板状のものを用いてもよい。
【0044】
この時点におけるろう材420の形状は、上面視において円形である。ろう材420の直径は、同じく円形である導体板410の直径よりも僅かに大きいことが好ましい。
【0045】
続いて、ろう材420を含む誘電体基板100の全体を加熱する。このとき、例えば不図示の加圧治具を用いて、導体板410を誘電体基板100側に向けて加圧しながら上記加熱を行う。
【0046】
ろう材420の温度がその融点以上になると、ろう材420は融解する。ろう材420は、導体板410を介して加えられる加圧力によって押し広げられる。その結果、図4(B)に示されるように、ろう材420の一部は導体板410の外側にはみ出した状態となる。また、ろう材420のうち導体板410の直上にある部分は、加圧力によって押し潰されるので、導体板410の外側にはみ出した部分よりも薄くなる。その結果、ろう材420のうち導体410の外側にはみ出した部分は、第1面411よりも第2面412側へと突出した状態となり、上記の突出部421が形成される。以上のように、突出部421は、ろう接時の加圧によって容易に形成することができる。
【0047】
尚、以上に説明したような導体板410やろう材420等の構成は、吸着電極130に電圧を印可するための給電路のみならず、他の内部電極に繋がる給電路に採用してもよい。例えば、誘電体基板100に内蔵されたRF電極への給電路に採用してもよい。
【0048】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0049】
10:静電チャック
100:誘電体基板
110:面
130:吸着電極
410:導体板
411:第1面
412:第2面
421:突出部
W:基板
図1
図2
図3
図4