(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175425
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】着用型バッテリホルダ及び衣服
(51)【国際特許分類】
A41D 13/00 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
A41D13/00 102
A41D13/00 112
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093207
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】391009372
【氏名又は名称】ミドリ安全株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513054842
【氏名又は名称】株式会社バイタルジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 和也
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 達治
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211AA01
3B211AC21
3B211AC22
(57)【要約】
【課題】着用者の身体への収納部の密着性を向上させることができる着用型バッテリホルダを提供すること。
【解決手段】着用者の肩に掛けられる一対の肩ベルト11,11´が設けられたホルダ布部10と、ホルダ布部10の着用者側の面に形成された収納部20と、ホルダ布部10の下部に設けられて着用者の腰に巻き付けられる腰ベルト30と、を備え、収納部20は、着用時に着用者に接する内側面部23と、内側面部23とホルダ布部10との間に形成されてバッテリBを収納可能な収納空間21と、収納空間21を開放する開口部22と、を有し、一対の肩ベルト11,11´は、一方の端部がホルダ布部10の上部に固定され、他方の端部がホルダ布部10の下部に固定されると共に、途中位置に長さを調節可能な調節バックル14,14´が設けられ、腰ベルト30は、途中位置に長さを調節可能なサイドリリースバックル32が設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の肩に掛けられる一対の肩ベルトが設けられたホルダ布部と、前記ホルダ布部の着用者側の面に形成された収納部と、前記ホルダ布部又は前記収納部の下部に設けられて前記着用者の腰に巻き付けられる腰ベルトと、を備え、
前記収納部は、着用時に前記着用者に接する内側面部と、前記内側面部と前記ホルダ布部との間に形成されてバッテリを収納可能な収納空間と、前記収納空間を開放する開口部と、を有し、
前記一対の肩ベルトは、一方の端部が前記ホルダ布部の上部に固定され、他方の端部が前記ホルダ布部又は前記収納部の下部に固定されると共に、途中位置に長さを調節可能な長さ調節部が設けられ、
前記腰ベルトは、途中位置に長さを調節可能な腰ベルト長さ調節部が設けられている
ことを特徴とする着用型バッテリホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載された着用型バッテリホルダにおいて、
前記開口部は、前記収納部を上方に開放し、
前記ホルダ布部は、前記開口部よりも上側に向かって延び、前記一対の肩ベルトは、前記開口部よりも上側に突出した前記ホルダ布部の上部に設けられている
ことを特徴とする着用型バッテリホルダ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された着用型バッテリホルダにおいて、
前記内側面部には、クッション性を有する芯材が設けられている
ことを特徴とする着用型バッテリホルダ。
【請求項4】
請求項3に記載された着用型バッテリホルダにおいて、
前記芯材は、上下方向に延びると共に前記内側面部の幅方向の両側部にそれぞれ配置され、前記内側面部の幅方向の中央部には、上下方向に延びると共に前記芯材が配置されていない非クッション領域が形成されている
ことを特徴とする着用型バッテリホルダ。
【請求項5】
衣服本体と、前記衣服本体の内側に着用されると共に着用者の肩に掛けられる一対の肩ベルトを有する着用型バッテリホルダと、を備え、
前記衣服本体は、バッテリからの電力供給を受けて駆動して前記衣服本体の内部に送風する送風ファンを取り付け可能な貫通孔と、
前記肩ベルトの内側に配され、両端部が前記衣服本体に固定されて、前記肩ベルトを前記衣服本体に連結する帯状の連結部材と、を有し、
前記着用型バッテリホルダは、前記一対の肩ベルトが設けられたホルダ布部と、前記ホルダ布部の内側に形成された収納部と、前記ホルダ布部又は前記収納部の下部に設けられて前記着用者の腰に巻き付けられる腰ベルトと、を有し、
前記収納部は、着用時に前記着用者に接する内側面部と、前記内側面部と前記ホルダ布部との間に形成されて前記バッテリを収納可能な収納空間と、前記収納空間を開放する開口部と、を有し、
前記一対の肩ベルトは、一方の端部が前記ホルダ布部の上部に固定され、他方の端部が前記ホルダ布部又は前記収納部の下部に固定されると共に、途中位置に長さを調節可能な長さ調節部が設けられ、
前記腰ベルトは、途中位置に長さを調節可能な腰ベルト長さ調節部が設けられている
ことを特徴とする衣服。
【請求項6】
請求項5に記載された衣服において、
前記貫通孔は、前記衣服本体の後身頃に形成され、前記収納部を挟んで幅方向の両側に位置している
ことを特徴とする衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用型バッテリホルダ及び衣服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリを収納可能な収納部が裾部に設けられた吊ライナーを、衣服本体の表地と裏地との間に配置した衣服が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、一対の肩ベルトが設けられて、バッテリを収納して背負うことが可能なバッグが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3479864号公報
【特許文献2】特許第5873903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の衣服では、吊ライナーが、収納部の上端と連続すると共に衣服本体の肩を経由する肩紐部を有している。しかしながら、特許文献1に記載の衣服では、吊ライナーが衣服本体の表地と裏地の間に配置されるため、着用者の身体に対して収納部を密着させることができない。そのため、バッテリの重みによって表地と裏地との間で収納部がぶらつき、着用者の動作の邪魔になることがある。なお、特許文献1に記載の衣服では、吊ライナーを衣服本体から離脱し、吊ライナーのみを着用してバッテリを携帯することも可能である。しかし、収納部は、肩紐部を介して着用者の肩に単に懸吊されるだけであり、着用者の身体に密着させることはできない。
【0005】
また、特許文献2に記載のバッグは、着用時に着用者の背中に接するバックプレートと、バックプレートの外側面に設けられたバッグ部と、を備えており、肩ベルトがバックプレートに連結されている。そのため、特許文献2に記載のバッグでは、肩ベルトを締めても、バックプレートに設けられたバッグ部を着用者の身体に密着させることができず、バッテリの重みでバッグ部がぶらついて着用者の動作の邪魔になることがある。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、着用者の身体への収納部の密着性を向上させることができる着用型バッテリホルダ及び衣服を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の着用型バッテリホルダは、着用者の肩に掛けられる一対の肩ベルトが設けられたホルダ布部と、前記ホルダ布部の内側に形成された収納部と、前記ホルダ布部又は前記収納部の下部に設けられて前記着用者の腰に巻き付けられる腰ベルトと、を備えている。そして、前記収納部は、着用時に前記着用者に接する内側面部と、前記内側面部と前記ホルダ布部との間に形成されてバッテリを収納可能な収納空間と、前記収納空間を開放する開口部と、を有し、前記一対の肩ベルトは、一方の端部が前記ホルダ布部の上部に固定され、他方の端部が前記ホルダ布部又は前記収納部の下部に固定されると共に、途中位置に長さを調節可能な長さ調節部が設けられ、前記腰ベルトは、途中位置に長さを調節可能な腰ベルト長さ調節部が設けられている構成とした。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明の衣服は、衣服本体と、前記衣服本体の内側に着用され、着用者の肩に掛けられる一対の肩ベルトが設けられたホルダ布部と、前記ホルダ布部の内側に形成されてバッテリを収納可能な収納部と、前記ホルダ布部又は前記収納部の下部に設けられて前記着用者の腰に巻き付けられる腰ベルトと、を有する着用型バッテリホルダと、を備えている。そして、前記衣服本体は、前記バッテリからの電力供給を受けて駆動して前記衣服本体の内部に送風する送風ファンを取り付け可能な貫通孔と、前記肩ベルトの内側に配され、両端部が前記衣服本体に固定されて、前記肩ベルトを前記衣服本体に連結する帯状の連結部材と、を有している。また、前記収納部は、着用時に前記着用者に接する内側面部と、前記内側面部と前記ホルダ布部との間に形成されてバッテリを収納可能な収納空間と、前記収納空間を開放する開口部と、を有し、前記一対の肩ベルトは、一方の端部が前記ホルダ布部の上部に固定され、他方の端部が前記ホルダ布部又は前記収納部の下部に固定されると共に、途中位置に長さを調節可能な長さ調節部が設けられ、前記腰ベルトは、途中位置に長さを調節可能な腰ベルト長さ調節部が設けられている構成とした。
【発明の効果】
【0009】
これにより、本発明の着用型バッテリホルダ及び衣服は、着用者の身体への収納部の密着性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の着用型バッテリホルダが取り付けられた衣服を示す説明図である。
【
図2】実施例1の着用型バッテリホルダを衣服側から見た斜視図である。
【
図3】実施例1の着用型バッテリホルダを着用者側から見た斜視図である。
【
図4】実施例1の着用型バッテリホルダを着用者側から見たときの正面図である。
【
図7】実施例1の着用型バッテリホルダを着用したときにホルダ布部に作用する力を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の着用型バッテリホルダ及び衣服を実施するための形態は、図面に示す実施例1に基づいて以下のように説明される。なお、以下の説明では、「上下」「左右」「前後」「内側外側」等の用語は、衣服100を着用する着用者を基準として用いられる。
【0012】
実施例1の着用型バッテリホルダ1は、例えば、防爆仕様の比較的重量の重いバッテリBを収納して着用者の身体に着用されるものである。なお、「防爆仕様」とは、可燃性のガスや液体等から発生する蒸気と空気とが混合されることにより爆発性雰囲気が生じる可能性のある危険場所において、電気機器が点火源となって火災や爆発が起きないように防止する構造である。危険場所の種類によって適用可能な構造が定められているが、例えば耐圧防爆構造では電気機器の容器内で内部爆発が発生した場合でも爆発圧力に耐え、かつ容器外部の爆発性雰囲気への引火のおそれのない堅牢な構造が求められる。このため、防爆仕様のバッテリBは、電気機器の容器が通常仕様のバッテリよりも大きく、重量が重くなる傾向がある。なお、実施例1の着用型バッテリホルダ1に収納されるバッテリBは防爆仕様のバッテリに限られず、任意のバッテリを収納してもよい。そして、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、
図1に示されたように、衣服100の内側に取り付けられた状態で着用可能であり、衣服100と一体的に着脱できる。
【0013】
実施例1の衣服100は、着用者が上半身に着る上衣(ジャンパー)である。衣服100は、着用者の胴体の前側(胸部及び腹部)を覆う前面部120と、着用者の胴体の後側(背中)を覆う背面部130と、着用者の腕を覆う一対の袖111、111´と、襟112と、裾113と、からなる衣服本体101を有している。
【0014】
なお、実施例1では、袖111,111´は着用者の腕を全て覆う長袖であるが、半袖や七分袖、五分袖等であってもよい。また、衣服本体101は、袖111,111´が設けられていないベストタイプであってもよい。さらに、袖111,111´は、前面部120及び背面部130からなる胴衣に対して着脱自在であってもよい。また、実施例1の襟112は、スタンドカラータイプであるが、襟112の形状は任意に設定でき、レギュラーカラータイプや、オープンカラータイプ等であってもよい。また、衣服本体101は、襟112が設けられていないノーカラータイプであってもよい。さらに、裾113は、着用者に密着して衣服本体101内の空気が漏れることを防止するため、伸縮性を有するゴムや、ドローコード等が設けられてもよい。なお、ゴム等を設ける以外にも、裾113にシャーリングやギャザーを形成することで、裾113と着用者との隙間を抑えてもよい。
【0015】
前面部120は、
図1に示すように、幅方向の中央部から左右に分かれる左前身頃121及び右前身頃122と、左前身頃121と右前身頃122の間を開閉自在に係止する線ファスナー123と、を備えている。なお、左前身頃121及び右前身頃122は、綿や化繊等で織られた布や不織布等からなる生地によって形成されている。左前身頃121及び右前身頃122を形成する生地は、伸縮性や難燃性等の任意の性質を有していてもよい。また、左前身頃121及び右前身頃122は、複数のパーツが縫製されることで形成されてもよい。さらに、前面部120は、腰ポケットや胸ポケット等、任意の位置に設けられたポケットを有していてもよい。
【0016】
背面部130は、
図1に示すように、後身頃131と、後身頃131に形成された一対の貫通孔132,132´と、を有している。
【0017】
後身頃131は、綿や化繊等で織られた布や不織布等からなる生地によって形成されている。後身頃131を形成する生地は、伸縮性や難燃性等の任意の性質を有していてもよい。また、後身頃131は、複数のパーツが縫製されることで形成されてもよい。
【0018】
貫通孔132,132´は、それぞれ送風ファンFを衣服100に装着するための円形の穴であり、後身頃131を貫通している。ここで、送風ファンFは、バッテリBからハーネスHを介して電力供給を受けて駆動し、衣服本体101の内部に送風して、衣服本体101内の温度調節を図る温度調節器である。一対の貫通孔132,132´は、着用型バッテリホルダ1によって保持されたバッテリBを挟んで対称となる位置、すなわち、後身頃131の左右方向の中央部を挟んで対称となる位置に形成されている。
【0019】
さらに、実施例1の衣服本体101の内側には、着用者の肩を覆う部分に、一対の連結部材140,140´が設けられている。一方の連結部材140は、着用者の左肩の稜線に沿って延びる帯状の布材から構成されている。連結部材140は、長手方向の一方の端部141が衣服本体101に固定され、長手方向の他方の端部142が図示しないスナップボタン等の係合部材を介して衣服本体101に着脱自在に固定可能になっている。また、他方の連結部材140´は、着用者の右肩の稜線に沿って延びる帯状の布材から構成されている。連結部材140´は、長手方向の一方の端部141´が衣服本体101に固定され、長手方向の他方の端部142´が図示しないスナップボタン等の係合部材を介して衣服本体101に着脱自在に固定可能になっている。
【0020】
連結部材140,140´の長さ(着用者の肩の稜線に沿った長さ)は、着用型バッテリホルダ1の後述する肩ベルト11,11´の幅(着用者の肩の稜線に沿った長さ)よりも長くなっている。連結部材140は、中間部が肩ベルト11と着用者との間に挿入された状態で、両端部141、142が衣服本体101に固定可能である。連結部材140´は、中間部が肩ベルト11´と着用者との間に挿入された状態で、両端部141´、142´が衣服本体101に固定可能である。
【0021】
実施例1の着用型バッテリホルダ1は、
図2~
図4に示されたように、一対の肩ベルト11,11´が設けられたホルダ布部10と、ホルダ布部10の内側(着用者側の面)に形成された収納部20と、着用者の腰に巻き付けられる腰ベルト30と、を備えている。
【0022】
ホルダ布部10は、着用型バッテリホルダ1が着用された際、着用者の背中を覆う布部材である。実施例1では、ホルダ布部10の上部が二股に分かれて一対の肩ベルト11,11´の各肩当て部12,12´が形成されている。
【0023】
ホルダ布部10は、実施例1では、ポリエステルやナイロン等からなるメッシュ生地によって形成されている。なお「メッシュ生地」とは、
図6に示されたように、縦糸と横糸とを粗く編み込んで形成され、一般的な布地と比べて目が粗く通気性が高い生地である。また、ホルダ布部10を形成するメッシュ生地は、複数のメッシュ生地が重ねられていてもよい。
図6に示された例では、目の粗いメッシュ生地と目の細かいメッシュ生地とが重ねられたメッシュ生地であり、周縁に沿ってパイピングが施されている。ホルダ布部10や後述する内側面部23等も、周縁に適宜パイピングが施される。
【0024】
一方の肩ベルト11は、着用者の左肩に掛けられるベルトであり、ホルダ布部10の上部から延在した肩当て部12と、肩当て部12の先端とホルダ布部10の下部を連結する調節ベルト部13と、を有している。
【0025】
肩当て部12は、一端がホルダ布部10に固定され、着用型バッテリホルダ1が着用された際、着用者の背中から左肩の稜線を経由して胸部の前まで延びて、着用者の左肩に掛けられる。なお、実施例1の肩当て部12は、ホルダ布部10の上部が分岐して形成されており、ホルダ布部10と一体的に形成されている。そして、肩当て部12は、ホルダ布部10と同様にメッシュ生地によって形成されており、肩にかかる重さを分散可能な幅を有している。
【0026】
調節ベルト部13は、例えば非伸縮性のナイロンベルトによって形成され、第1肩ベルト13a及び第2肩ベルト13bによって構成されている。
【0027】
第1肩ベルト13aは、一端がホルダ布部10の下部に固定され、他端が調節バックル14に挿通されている。なお、第1肩ベルト13aは、ホルダ布部10に設けられた付け根布15を介してホルダ布部10に固定されている。ここで、第1肩ベルト13aは、付け根布15に対し、斜め上方に向かって延びるように固定される。また、付け根布15は、後述する下側マチ部26及び腰ベルト30の固定位置よりも上側に設けられる。
【0028】
また、第2肩ベルト13bは、一端が肩当て部12の先端に固定され、他端に調節バックル14が取り付けられている。肩ベルト11は、調節バックル14に挿通される第1肩ベルト13aの位置が変更されることで、長さを調節可能である。すなわち、調節バックル14は、肩ベルト11の途中位置に設けられた長さ調節部である。
【0029】
他方の肩ベルト11´は、着用者の右肩に掛けられるベルトである。肩ベルト11´は、肩ベルト11と同様の構成であるため、肩ベルト11の各部の符号に「´」を付して、説明を省略する。
【0030】
また、一対の肩ベルト11,11´は、着用者の胸部の前で胸ベルト16を介して連結される。なお、胸ベルト16は、一方の肩ベルト11に一端が固定された第1胸ベルト16aと、他方の肩ベルト11´に一端が固定された第2胸ベルト16bとによって構成されている。第1胸ベルト16aと第2胸ベルト16bとは、サイドリリースバックル17を介して着脱可能に連結される。なお、サイドリリースバックル17は、第1胸ベルト16aに取り付けられたプラグと、第2胸ベルト16bに取り付けられたソケットから構成され、プラグをソケットに差し込むことで連結する。
【0031】
収納部20は、ホルダ布部10の内側下部に設けられ、収納空間21と、開口部22と、内側面部23と、を有している。なお、「ホルダ布部10の内側」とは、ホルダ布部10の着用者側の面を意味する。
【0032】
内側面部23は、ホルダ布部10よりも着用者側に配置され、着用型バッテリホルダ1の着用時、着用者の背中に接する。収納空間21は、内側面部23とホルダ布部10との間に形成された空間であり、バッテリBを収納可能である。なお、実施例1の収納空間21は、収納予定のバッテリBの形状及び大きさに合わせた形状及び大きさを有している。開口部22は、収納空間21を上方に開放し、バッテリBが挿入可能な大きさを有している。
【0033】
ここで、内側面部23は、下端部23aが底面部24を介してホルダ布部10の下端部10aに連結されている。また、内側面部23の幅方向の両側部23b,23b´は、上部が上側マチ部25,25´を介してホルダ布部10の幅方向の両側部10b,10b´にそれぞれ連結されている。また、内側面部23の幅方向の両側部23b,23b´の下部は、下側マチ部26,26´を介してホルダ布部10の幅方向の両側部10b,10b´にそれぞれ連結されている。このため、収納空間21は、ホルダ布部10と内側面部23と底面部24と上側マチ部25,25´と下側マチ部26,26´によって区画されている。
【0034】
そして、上側マチ部25の下縁25aと下側マチ部26の上縁26aとの間には間隙が開けられており、収納空間21を左側方に開放する第1補助開口部27aが形成されている。また、上側マチ部25´の下縁25a´と下側マチ部26´の上縁26a´との間には間隙が開けられており、収納空間21を右側方に開放する第1補助開口部27a´が形成されている。
【0035】
さらに、実施例1では、ホルダ布部10の下端部10a及び内側面部23の下端部23aの幅方向の長さは同じであり、底面部24の幅方向の長さよりも長くなっている。このため、底面部24の幅方向の両側部には、収納空間21を下方に開放する第2補助開口部27b,27b´が形成されている。なお、第1補助開口部27a,27a´及び第2補助開口部27b,27b´は、いずれも収納空間21に収納されたバッテリBを脱落させない大きさである。
【0036】
そして、内側面部23、底面部24、上側マチ部25,25´は、いずれもホルダ布部10と同一のメッシュ生地によって形成されている。また、下側マチ部26,26´は、非伸縮性のナイロンベルトによって形成されている。
【0037】
さらに、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、
図4に示されたように、内側面部23にクッション性を有する芯材28が設けられている。芯材28は、例えばウレタンシートや発泡ポリエチレンシート、3Dメッシュ材(合成樹脂素材の繊維を三次元網目状に形成したもの)等によって形成され、内側面部23を構成するメッシュ生地によって挟まれている。また、芯材28は、上下方向に延びると共に、内側面部23の幅方向の両側部にそれぞれ配置されている。そして、内側面部23の幅方向の中央部には、上下方向に延びる非クッション領域28aが形成されている。非クッション領域28aは、芯材28が配置されておらず、メッシュ生地のみで形成された領域である。実施例1では、内側面部23の幅方向の両側部にそれぞれ芯材28を配置したことで、非クッション領域28aは一対の芯材28の間に形成されている。
【0038】
そして、開口部22は、ホルダ布部10の内面(内側面部23に対向する面)と、内側面部23の上縁23cと上側マチ部25,25´の各上縁25c,25c´に沿って区画されている。すなわち、ホルダ布部10は、
図5に示されたように、開口部22よりも上側に延びている。そして、一対の肩ベルト11,11´は、開口部22よりも上側に突出したホルダ布部10の上部から延びることとなる。
【0039】
また、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、内側面部23の上縁23cに帯状の第1テープ材22aが設けられ、ホルダ布部10の内面に帯状の第2テープ材22bが設けられている。第1テープ材22a及び第2テープ材22bは、非伸縮性のナイロンベルトによって形成されている。そして、第1テープ材22aは、一端部が内側面部23の幅方向中央部に固定され、他端部に雄スナップボタン22cが設けられている。また、第2テープ材22bは、一端部がホルダ布部10の開口部22の近傍位置に固定され、他端部には雌スナップボタン22dが設けられている。雄スナップボタン22cと雌スナップボタン22dは、着脱可能に互いに係合する。雄スナップボタン22cと雌スナップボタン22dが係合することで、
図5に示されたように、第1テープ材22a及び第2テープ材22bが、開口部22を横切ってホルダ布部10と内側面部23との間に架け渡される。
【0040】
腰ベルト30は、例えば非伸縮性のナイロンベルトによって形成され、第1腰ベルト31a及び第2腰ベルト31bによって構成されている。第1腰ベルト31aは、一端がホルダ布部10の左側部10bの下部に固定され、他端にはサイドリリースバックル32のソケット32aが設けられている。第2腰ベルト31bは、一端がホルダ布部10の右側部10b´の下部に固定され、他端にはサイドリリースバックル32のプラグ32bが設けられている。
【0041】
ここで、サイドリリースバックル32は、ソケット32aに対してプラグ32bを差し込むことで連結される連結部材である。また、腰ベルト30は、ソケット32aに挿通される第1腰ベルト31aの位置と、プラグ32bに挿通される第2腰ベルト31b位置とが変更されることで、長さを調節可能である。すなわち、サイドリリースバックル32は、腰ベルト30の途中位置に設けられた腰ベルト長さ調節部である。
【0042】
また、
図4に示されたように、第1腰ベルト31a及び第2腰ベルト31bは、いずれも付け根布15,15´の下側に配置されている。
【0043】
実施例1の着用型バッテリホルダ1及び衣服100の作用は、以下のように説明される。
【0044】
実施例1の着用型バッテリホルダ1を使用するには、着用者は、まず、衣服100の内側に着用型バッテリホルダ1を取り付ける。このとき、着用者は、予め連結部材140,140´の各他方の端部142,142´を衣服本体101から取り外しておく。そして、着用者は、着用型バッテリホルダ1の肩ベルト11,11´を、衣服本体101の肩部分にそれぞれ沿わせてから、連結部材140,140´を肩ベルト11,11´の内側に配した上で、各連結部材140,140´の他方の端部142,142´をそれぞれ衣服本体101に固定する。
【0045】
これにより、衣服本体101と連結部材140,140´の間に肩ベルト11,11´が通され、衣服100の内側に着用型バッテリホルダ1が取り付けられる。
【0046】
次に、着用者は、収納部20の収納空間21にバッテリBを収納する。ここで、実施例1では、収納空間21の形状及び大きさが、収納予定のバッテリBの形状及び大きさにあっている。そのため、予め決められた収納予定のバッテリBを収納する場合であれば、バッテリBは収納空間21に対し隙間なく収納される。
【0047】
バッテリBを収納した後、着用者は、雄スナップボタン22cと雌スナップボタン22dを係合する。これにより、バッテリBの上側で、第1テープ材22a及び第2テープ材22bが、開口部22を横切った状態でホルダ布部10と内側面部23との間に架け渡される。なお、腰ベルト30に取り付けられたサイドリリースバックル32及び胸ベルト16に設けられたサイドリリースバックル17は予め外されており、腰ベルト30及び胸ベルト16は、それぞれ分割されている。
【0048】
また、着用者は、衣服本体101に形成された貫通孔132,132´にそれぞれ送風ファンFを装着し、ハーネスHを介してバッテリBと送風ファンFとを電気的に接続する。ここで、ハーネスHは、バッテリBに形成されたコネクタの位置に応じて、収納部20の第1補助開口部27a,27a´又は第2補助開口部27b,27b´を介してバッテリBに連結される。
図1では、ハーネスHは、第1補助開口部27a´を介してバッテリBに連結されている。
【0049】
なお、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、収納部20に第1補助開口部27a,27a´及び第2補助開口部27b,27b´を形成したことで、ハーネスHをバッテリBに対して容易に接続可能にするだけでなく、バッテリBの熱を第1補助開口部27a,27a´や第2補助開口部27b,27b´から放熱させることができる。
【0050】
また、着用型バッテリホルダ1は、ホルダ布部10や内側面部23の任意の位置に、ハーネスHを挿通するための開口が形成されてもよい。
【0051】
また、実施例1では、
図5に示されたように、第1肩ベルト13a,13´が付け根布15に対して斜め上方に向かって延びるように固定されると共に、付け根布15,15´が、下側マチ部26,26´及び腰ベルト30よりも上側に設けられている(
図5及び
図3参照)。
【0052】
このため、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、第1肩ベルト13a,13a´や付け根布15,15´と下側マチ部26,26´の間に生じた隙間等からバッテリBのハーネス接続端子を露出させ、ハーネスHが第1肩ベルト13a,13a´等に干渉することを防止できる。
【0053】
そして、バッテリBと送風ファンFを電気的に接続したら、着用者は、肩ベルト11の内側に自身の左腕を通してから、左側の袖111に左腕を差し込むと共に、肩ベルト11´の内側に自身の右腕を通してから、右側の袖111´に右腕を通す。これにより、着用者は、着用型バッテリホルダ1を背負うと同時に衣服本体101を着用することができる。なお、着用者は、右腕を袖111´に通した後、左腕を袖111に通して衣服本体101を着用してもよい。
【0054】
その後、着用者は、調節バックル14,14´に挿通される第1肩ベルト13a,13a´の位置を調節し、肩ベルト11,11´の長さを調節する。このとき、肩ベルト11,11´と着用者との隙間を狭める方向(肩ベルト11,11´の長さを短くする方向)に調節することで、ホルダ布部10は上方に向かって引っ張られ、ホルダ布部10の上部が着用者に向けて引き付けられる。また、着用者は、サイドリリースバックル32のプラグ32bをソケット32aに差し込み、第1腰ベルト31aと第2腰ベルト31bを連結する。そして、着用者は、ソケット32aに挿通される第1腰ベルト31aの位置と、プラグ32bに挿通される第2腰ベルト31b位置を調節し、腰ベルト30の長さを調節する。このとき、腰ベルト30と着用者との隙間を狭める方向(腰ベルト30の長さを短くする方向)に調整することで、ホルダ布部10の下部が水平方向に引っ張られ、ホルダ布部10の下部が着用者に向けて引き付けられる。
【0055】
最後に、着用者は、サイドリリースバックル17を介して第1胸ベルト16aと第2胸ベルト16bを連結し、一対の肩ベルト11,11´を連結する。これにより、肩ベルト11,11´の着用者の肩からの外れが防止される。
【0056】
このように、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、着用者の肩に掛けられる一対の肩ベルト11,11´が設けられたホルダ布部10と、ホルダ布部10の着用者側の面に形成された収納部20と、ホルダ布部10の下部に設けられて着用者の腰に巻き付けられる腰ベルト30と、を備えている。ここで、収納部20は、着用時に着用者に接する内側面部23と、内側面部23とホルダ布部10との間に形成されてバッテリBを収納可能な収納空間21と、収納空間21を開放する開口部22と、を有している。そして、一対の肩ベルト11,11´は、一方の端部(肩当て部12,12´の一端)がホルダ布部10の上部に固定され、他方の端部(第1肩ベルト13a,13a´の一端)がホルダ布部10の下部に固定されている。さらに、一対の肩ベルト11,11´には、それぞれ途中位置に長さを調節可能な調節バックル14,14´が設けられ、腰ベルト30には、途中位置に長さを調節可能なサイドリリースバックル32が設けられている。
【0057】
そのため、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、肩ベルト11,11´の長さが調節されることで、
図7に示されたように、ホルダ布部10の上部に上方及び前方に向かって引き上げる力F1が作用する。これにより、ホルダ布部10の上部は、着用者に向かって引き付けられる。また、腰ベルト30が着用者の腰に巻き付けられ、腰ベルト30の長さが調節されることで、ホルダ布部10の下部には、着用者の前方に向かって引っ張る力F2が作用する。これにより、ホルダ布部10の下部は、着用者に向かって引き付けられる。この結果、ホルダ布部10の着用者側の面に形成された収納部20が、ホルダ布部10によって外側から押さえつけられ、着用者の身体に押し付けられることになる。このため、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、バッテリBが収納された収納部20の着用者の身体への密着性を向上させることができる。
【0058】
そして、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、収納部20の身体への密着性が高いため、例えばバッテリBが比較的大型で重量がある場合であっても、収納部20のぶらつきを抑制することができ、着用者の動作の邪魔になることを防止できる。また、重量物を背負う場合、身体への負担を軽減するために背負った重量物を身体に密着させて揺らせない必要がある。実施例1の着用型バッテリホルダ1では、収納部20を着用者の身体に密着させてぶらつきを抑制できるので、着用者にバッテリBの重量を感じさせにくく、着用者の負担の軽減を図ることができる。
【0059】
さらに、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、第1肩ベルト13a,13a´の一端(肩ベルト11,11´の他端)及び腰ベルト30がホルダ布部10に固定されている。このため、肩ベルト11,11´及び腰ベルト30によって、ホルダ布部10の下部が着用者に向かって引っ張られる。これにより、収納部20の下部も、ホルダ布部10によって外側から押さえつけられる。このため、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、収納部20の着用者への密着性をさらに向上させることができる。
【0060】
また、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、開口部22が収納部20を上方に開放し、ホルダ布部10が、開口部22よりも上側に向かって延びている。そして、一対の肩ベルト11,11´は、開口部22よりも上側に突出したホルダ布部10の上部に設けられている。このため、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、ホルダ布部10のうち、開口部22よりも上側に延びた部分によって、開口部22を覆うことができる。これにより、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、収納部20に収納されたバッテリBの飛び出しをホルダ布部10によって抑制することができる。
【0061】
しかも、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、バッテリBが収納部20に収納された後、雄スナップボタン22cと雌スナップボタン22dが係合され、開口部22を横切った状態で第1テープ材22aと第2テープ材22bが、ホルダ布部10と内側面部23との間に架け渡される。そのため、第1テープ材22a及び第2テープ材22bによってもバッテリBの収納部20からの脱落が防止される。
【0062】
また、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、着用者に接する内側面部23に、クッション性を有する芯材28が設けられている。そのため、バッテリBの熱の伝達が芯材28によって阻害され、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、バッテリBの熱が着用者に伝達されにくくできる。
【0063】
さらに、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、内側面部23に設けられた芯材28が、上下方向に延びると共に内側面部23の幅方向の両側部にそれぞれ配置されている。そして、内側面部23の幅方向の中央部には、上下方向に延びると共に芯材28が配置されていない非クッション領域28aが形成されている。
【0064】
ここで、非クッション領域28aは、芯材28が配置された領域と比べて、芯材28が配置されていない分、内側面部23の厚みが薄くなっている。そのため、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、内側面部23が着用者に接触した際、比較的厚みのある芯材28が配置された領域が着用者に接触し、内側面部23の幅方向の中央部に形成された非クッション領域28aは、着用者の身体に接触することがない。これにより、非クッション領域28aと着用者との間に隙間が生じ、バッテリBの熱が着用者にさらに伝達されにくくできる。
【0065】
また、実施例1のように、着用型バッテリホルダ1を衣服100の内側に着用し、衣服100内に送風ファンFで取り込んだ空気を流す場合では、衣服100内を流れる空気が非クッション領域28aと着用者との間に生じた隙間を流れる。このため、衣服100内の空気が円滑に流れ、実施例1の着用型バッテリホルダ1は、空気の流れによる身体の冷却効果を高めることができる。
【0066】
そして、実施例1の衣服100では、衣服本体101の内側に連結部材140,140´が設けられている。ここで、一方の連結部材140は、一方の肩ベルト11の内側に配され、両端部141,142が衣服本体101に固定されて、肩ベルト11を衣服本体101に連結する。また、他方の連結部材140´は、他方の肩ベルト11´の内側に配され、両端部141´,142´が衣服本体101に固定されて、肩ベルト11を衣服本体101に連結する。
【0067】
これにより、実施例1の衣服100は、衣服本体101の内側に着用型バッテリホルダ1を取り付け、着用者に、着用型バッテリホルダ1を背負うと同時に衣服本体101を着用させることができる。また、衣服本体101と着用型バッテリホルダ1との位置ずれを抑制でき、着用型バッテリホルダ1の着用者の身体への密着性を向上させることができる。
【0068】
そして、実施例1の衣服100では、貫通孔132,132´が、衣服本体101の後身頃131に形成され、収納部20を挟んで幅方向の両側に位置している。ここで、衣服100の後身頃131と着用者との間には、収納部20に収納されたバッテリBが配置される。そのため、実施例1の衣服100は、バッテリBの厚みによって後身頃131と着用者との間に隙間を生じさせることができる。これにより、送風ファンFによって衣服本体101内に取り込んだ空気は、衣服本体101内をさらに円滑に流れることができる。
【0069】
以上、本発明の着用型バッテリホルダ及び衣服は、実施例1に基づいて説明されたが、具体的な構成については、実施例1に限られるものではなく、各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0070】
実施例1の着用型バッテリホルダ1では、肩ベルト11,11´の第1肩ベルト13a,13a´の一端がホルダ布部10に固定され、腰ベルト30がホルダ布部10に固定されている例が示された。しかしながら、少なくとも肩ベルト11,11´の一端(肩当て部12,12´の一端)がホルダ布部10に固定され、ホルダ布部10の上部が着用者に向かって引き付けられていればよい。そのため、第1肩ベルト13a,13a´の一端(肩ベルト11,11´の他端)や腰ベルト30は、収納部20の内側面部23や下側マチ部26,26´に固定されていてもよい。
【0071】
また、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、上側マチ部25,25´と下側マチ部26,26´との間に、収納空間21を側方に開放する第1補助開口部27a,27a´が形成されている。さらに、底面部24の幅方向の両側部に、収納空間21を下方に開放する第2補助開口部27b,27b´が形成されている。しかしながら、第1補助開口部27a,27a´及び第2補助開口部27b,27b´は、必ずしも形成されていなくてもよい。また、例えば下側マチ部26,26´を設けず、第1補助開口部27aと第2補助開口部27bを一体にして収納空間21の下側左隅角部を開放させたり、第1補助開口部27a´と第2補助開口部27b´を一体にして収納空間21の下側右隅角部を開放させたりしてもよい。
【0072】
さらに、上側マチ部25,25´及び下側マチ部26,26´は、必ずしも設けられなくてもよい。この場合、ホルダ布部10に対し、内側面部23の周縁を縫製等によって固定することで収納空間21が形成される。また、上側マチ部25,25´及び下側マチ部26,26´に伸縮性を持たせてもよい。
【0073】
また、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、内側面部23が平面視で矩形状を呈しており、バッテリBの側面を内側面部23で覆う面積を広く確保することができる。しかしながら、内側面部23の平面視形状は任意に設定できる。すなわち、例えば、内側面部23の下端部23aの幅方向の長さを底面部24の幅方向の長さに合わせ、内側面部23の幅方向の長さが下端部23aに向かうにつれて次第に短くなるようにしてもよい。
【0074】
また、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、内側面部23に芯材28を設けると共に、幅方向の中央部に非クッション領域28aを形成する例が示された。しかしながら、芯材28は、必ずしも設けられなくてもよい。また、内側面部23の全面に芯材28を配置し、非クッション領域28aを形成しなくてもよい。さらに、例えばホルダ布部10のバッテリBに対向する部分や、肩ベルト11,11´の肩当て部12,12´等に芯材28を配置してもよい。
【0075】
また、実施例1の着用型バッテリホルダ1では、開口部22が収納空間21を上方に開放した例が示された。しかしながら、開口部22は、収納空間21を必ずしも上方に開放しなくてもよい。開口部22は、例えば、収納空間21を側方に向かって開放してもよい。この場合、開口部22の内側に面ファスナーを設けたり、開口部22の開口面積を伸縮可能にしたりすることで、バッテリBの脱落を防止することが可能となる。
【0076】
また、ホルダ布部10は、必ずしも収納部20の開口部22よりも上側に延びていなくてもよいし、肩ベルト11,11´の肩当て部12,12´は、ホルダ布部10とは別の布材やベルト材によって形成されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 着用型バッテリホルダ
10 ホルダ布部
11,11´ 肩ベルト
14,14´ 調節バックル(長さ調節部)
20 収納部
21 収納空間
22 開口部
23 内側面部
28 芯材
28a 非クッション領域
30 腰ベルト
32 サイドリリースバックル(腰ベルト長さ調節部)