(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175426
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】交直変換装置の建屋、交直変換装置、吊り台座、運搬台車および交直変換装置の工事方法
(51)【国際特許分類】
H02B 5/00 20060101AFI20241211BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H02B5/00
H02B3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093208
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 光孝
(57)【要約】
【課題】交直変換装置の工事コストを抑制することができる交直変換装置の建屋、交直変換装置、吊り台座、運搬台車および交直変換装置の工事方法を提供することである。
【解決手段】実施形態の交直変換装置の建屋は、交直変換装置および天井クレーンを持つ。交直変換装置は、サブモジュールと、支持板と、固定部と、を有する。サブモジュールは、半導体スイッチを含む。支持板は、サブモジュールを支持する。固定部は、吊り台座の台座部に対して、支持板を機械的に固定可能である。吊り台座の台座部は、天井クレーンによる吊り下げ支持が可能であり、サブモジュールを搭載可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交直変換装置および天井クレーンが設置された、交直変換装置の建屋。
【請求項2】
前記天井クレーンは、上方から見て前記交直変換装置と重ならない位置に、走行レールを有する、
請求項1に記載の交直変換装置の建屋。
【請求項3】
半導体スイッチを含むサブモジュールと、
前記サブモジュールを支持する支持板と、
前記サブモジュールを搭載可能な吊り台座の、前記支持板に対する機械的な固定に使用可能な固定部と、を有する、
交直変換装置。
【請求項4】
天井クレーンによる吊り下げ支持が可能であり、交直変換装置のサブモジュールを搭載可能な台座部と、
前記サブモジュールを支持する前記交直変換装置の支持板に対する、前記台座部の機械的な固定に使用可能な固定部と、を有する、
吊り台座。
【請求項5】
交直変換装置のサブモジュールを搭載可能な吊り台座を搭載可能な台板と、
前記台板に対する前記吊り台座の機械的な固定に使用可能な固定部と、を有する、
運搬台車。
【請求項6】
交直変換装置の建屋に設置された天井クレーンを使用して、前記交直変換装置の据付工事または前記交直変換装置のサブモジュールの交換工事を行う、交直変換装置の工事方法。
【請求項7】
前記交換工事では、前記サブモジュールを搭載可能な吊り台座を前記天井クレーンで吊り下げ、前記吊り台座を前記交直変換装置の前記サブモジュールの支持板に固定して、前記サブモジュールを交換する、
請求項6に記載の交直変換装置の工事方法。
【請求項8】
前記交換工事では、前記サブモジュールを搭載可能な吊り台座を、前記吊り台座を搭載可能な運搬台車に固定して、前記サブモジュールを運搬する、
請求項6に記載の交直変換装置の工事方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、交直変換装置の建屋、交直変換装置、吊り台座、運搬台車および交直変換装置の工事方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量で長距離の送電に適した方式として高圧直流送電が利用されている。交流送電網に高圧直流送電システムを導入する場合、交直変換装置が不可欠である。交直変換装置の据付やメンテナンス等の工事コストを抑制することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-69583号公報
【特許文献2】特開昭59-10169号公報
【特許文献3】特開2011-93633号公報
【特許文献4】特開平4-197994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、交直変換装置の工事コストを抑制することができる交直変換装置の建屋、交直変換装置、吊り台座、運搬台車および交直変換装置の工事方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の交直変換装置の建屋は、交直変換装置および天井クレーンを持つ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】吊り台座が運搬台車に搭載された状態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の交直変換装置の建屋、交直変換装置、吊り台座、運搬台車および交直変換装置の工事方法を、図面を参照して説明する。
図1は、交直変換装置の建屋1の内部の正面図である。交直変換装置の建屋1には、交直変換装置3および天井クレーン10が設置される。
【0008】
交直変換装置3は、例えばモジュラーマルチレベル変換器(Modular Multilevel Converter:MMC)である。MMCの回路は、半導体スイッチとコンデンサで構成されたサブモジュール(チョッパセル)5を構成要素とする。MMCは、多数のサブモジュール5が直列に接続されたアームと、短絡電流抑制用のバッファリアクトルで構成される。
【0009】
交直変換装置3は、サブモジュール5と、支持板6と、を有する。
サブモジュール5は、直方体のケース内に、半導体スイッチおよびコンデンサを含む。
支持板6は、サブモジュール5を支持する。サブモジュール5は、支持板6に対して、ボルト等により固定される。複数のサブモジュール5および支持板6によりユニット7が構成される。ユニット7は、複数のサブモジュール5が水平方向に並んで支持板6の上に配置されたものである。複数のユニット7が、水平方向および鉛直方向に連結されて、交直変換装置3が形成される。交直変換装置3の上端部には、天板8が配置される。
【0010】
天井クレーン10は、建屋1の天井部に、恒久設備として設置される。天井クレーン10は、トロリ12と、ガータ15と、サドル17と、走行レール18と、を有する。
トロリ12は、フック13を有する。フック13は、チェーン(不図示)の先端に連結される。チェーンの繰り出しおよび巻き取りにより、フック13は鉛直方向に移動可能である。
【0011】
ガータ15は、水平方向(
図1の紙面の左右方向)に伸びる。ガータ15の長手方向の両端部は、交直変換装置3の外側まで伸びる。トロリ12は、ガータ15に沿ってガータ15の長手方向に移動可能である。
一対のサドル17は、ガータ15の長手方向の両端部に固定される。
【0012】
走行レール18は、建屋1に固定される。走行レール18は、例えばIビームである。走行レール18は、水平方向であって、ガータ15の長手方向と直交する方向(
図1の紙面の前後方向)に伸びる。走行レール18の長手方向の両端部は、交直変換装置3の外側まで伸びる。一対の走行レール18が、ガータ15の長手方向の両端部に、相互に平行に配置される。一対のサドル17は、対応する走行レール18に沿って移動可能である。一対のサドル17に固定されたガータ15は、走行レール18の長手方向に移動可能である。以上により、天井クレーン10のフック13は、3次元空間内を鉛直方向および水平方向に移動可能である。
【0013】
走行レール18に沿ったサドル17の走行を円滑にするため、走行レール18および/またはサドル17はグリスを含む。天井クレーン10は、上方から見て交直変換装置3と重ならない位置に、走行レール18を有する。走行レール18は、水平方向において交直変換装置3の外側に配置される。これにより、交直変換装置3へのグリスの落下が抑制される。
【0014】
交直変換装置3は、高電圧で運転される。天井クレーン10の構成部材は接地される。走行レール18の長手方向の両端部は、交直変換装置3の外側まで伸びる。これにより、ガータ15は、交直変換装置3の水平方向の外側まで移動可能である。また、ガータ15の長手方向の両端部は、交直変換装置3の外側まで伸びる。これにより、トロリ12およびフック13は、交直変換装置3の水平方向の外側まで移動可能である。以上により、交直変換装置3と天井クレーン10の構成部材との間の絶縁距離を確保することができる。
【0015】
フック13の鉛直方向への移動、トロリ12の水平方向への移動およびサドル17の水平方向への移動は、インバータ制御される。これにより、移動時の衝撃が緩和され、滑らかな移動が実現される。
【0016】
交直変換装置3の据付工事の工事方法について説明する。交直変換装置3の据付工事は、建屋1に設置された天井クレーン10を使用して実施される。
建屋1の地上付近の吊上げ位置に、ユニット7が配置される。ユニット7に吊り具Tが装着される。天井クレーン10のトロリ12が、吊上げ位置の上方に移動する。フック13が下降して、吊り具Tに連結される。フック13が上昇して、ユニット7を吊上げる。天井クレーン10の吊り下げ許容重量は、ユニット7および吊り具Tの合計重量より大きい。ユニット7の据付け位置まで、トロリ12が移動する。フック13が下降して、ユニット7を据付け位置に配置する。
【0017】
作業者が、汎用の高所作業車に搭乗して、ユニット7の据付け位置に移動する。作業者の移動には、交直変換装置3に設置された梯子等が利用されてもよい。作業者は、ユニット7の連結作業を行う。連結作業は、ユニット7の固定作業および配線作業などである。作業者は、ユニット7から吊り具Tを取り外す。
【0018】
天板8の据付けには、高さHが必要である。高さHは、天板8の据付け位置の高さに、吊り具Tの高さと、天板8の移動に必要な高さとを、加算した高さである。フック13が高さHより高い位置まで移動可能となるように、天井クレーン10が設置される。
【0019】
交直変換装置3の据付工事に、仮設の門型クレーンを利用する場合がある。この場合には、門型クレーンの仮設、段取り替えおよび撤去に、それぞれ工事が必要である。また、門型クレーンの設置スペースを地上に確保する必要がある。以上により、交直変換装置3の据付工事の工期が伸びて、工事コストが増大する。
【0020】
実施形態の交直変換装置の建屋1には、天井クレーン10が設置される。交直変換装置3の据付工事は、建屋1に設置された天井クレーン10を使用して実施される。天井クレーン10は、交直変換装置3の内側および外側の水平方向に移動可能である。天井クレーン10には、段取り替えおよび撤去の工事が不要である。また、天井クレーン10の設置スペースを地上に確保する必要がない。以上により、交直変換装置3の据付工事の工期が短縮され、工事コストが抑制される。
【0021】
図2は、吊り台座20および運搬台車30の側面図である。
交直変換装置3のメンテナンスとして、サブモジュール5の交換工事を行う場合がある。交換工事は、吊り台座20および運搬台車30を使用して実施される。
【0022】
吊り台座20は、台座部22と、フレーム23と、を有する。
台座部22は、金属材料等により平板状に形成される。台座部22は、上面にサブモジュール5を搭載可能である。
【0023】
フレーム23は、台座部22を底面とする直方体の辺に配置される。フレーム23の上端部に対して、吊り具25が着脱可能である。吊り具25の上端部に対して、天井クレーン10のフック13が着脱可能である。吊り具25およびフレーム23を介して、天井クレーン10による台座部22の吊り下げ支持が可能である。
【0024】
台座部22は、第1固定部22aと、第2固定部(固定部)22bと、を有する。
第1固定部22aは、台座部22に対するサブモジュール5の機械的な固定に使用される。例えば、第1固定部22aは、ボルトが挿通される孔である。
サブモジュール5は、第1固定部5aを有する。第1固定部5aは、台座部22に対するサブモジュール5の機械的な固定に使用される。第1固定部5aは、交直変換装置3の支持板6に対するサブモジュール5の機械的な固定に使用されてもよい。例えば、第1固定部5aは、ボルトが挿通される孔である。
【0025】
第2固定部22bは、交直変換装置3の支持板6に対する台座部22の機械的な固定に使用される。第2固定部22bは、台座部22の水平方向の端部に配置される。例えば、第2固定部22bは、ボルトが挿通される孔である。
図5に示されるように、交直変換装置3の支持板6は、第2固定部(固定部)6bを有する。第2固定部6bは、支持板6に対する吊り台座20の台座部22の機械的な固定に使用される。第2固定部6bは、支持板6の水平方向の端部に配置される。例えば、第2固定部6bは、ボルトが挿通される孔である。台座部22が支持板6に固定された状態で、両者の上面が同一面内に配置される。
【0026】
運搬台車30は、
図2に示されるように、台板32と、車輪33と、ハンドル35と、を有する。
台板32は、金属材料等により平板状に形成される。台板32は、上面に吊り台座20を搭載可能である。車輪33は、台板32の下面に装着される。ハンドル35は、台板32の端部から上方に伸びる。
【0027】
図3は、吊り台座20が運搬台車30に搭載された状態の側面図である。
台板32は、第3固定部(固定部)32cを有する。第3固定部32cは、台板32に対する吊り台座20の台座部22の機械的な固定に使用される。
吊り台座20の台座部22は、第3固定部22cを有する。第3固定部22cは、運搬台車30の台板32に対する台座部22の機械的な固定に使用される。
【0028】
例えば、吊り台座20の第3固定部22cは位置決めピンおよび位置決め穴のうち一方であり、運搬台車30の第3固定部32cは位置決めピンおよび位置決め穴のうち他方である。位置決めピンは鉛直方向に伸びるピンであり、位置決め穴は位置決めピンを収容可能な穴である。位置決めピンおよび位置決め穴により、運搬台車30に対して吊り台座20が水平方向に固定される。吊り台座20の第3固定部22cおよび運搬台車30の第3固定部32cは、ボルトが挿通される孔でもよい。
【0029】
交直変換装置3のサブモジュール5の交換工事の工事方法について説明する。
図4は、交直変換装置3の工事方法の第1説明図であり、交直変換装置3の正面図である。
図5は、交直変換装置3の工事方法の第2説明図であり、交直変換装置3の側面図である。サブモジュール5の交換工事は、建屋1に設置された天井クレーン10を使用して実施される。サブモジュール5の交換工事は、サブモジュール5の回収作業およびサブモジュール5の設置作業を含む。
【0030】
最初に、サブモジュール5の回収作業が実施される。
図5に示されるように、天井クレーン10が、吊り台座20を吊り下げ支持して移動させる。吊り台座20が、交換対象であるサブモジュール5の横に移動する。作業者が、汎用の高所作業車に搭乗して、サブモジュール5の交換位置に移動する。作業者の移動には、交直変換装置3に設置された梯子等が利用されてもよい。作業者は、吊り台座20の台座部22を交直変換装置3の支持板6に固定する。両者の固定には、台座部22の第2固定部22bおよび支持板6の第2固定部6bが使用される。
【0031】
サブモジュール5は、支持板6に固定されている。作業者は、支持板6に対するサブモジュール5の固定を解除する。吊り台座20の台座部22が支持板6に固定された状態で、両者の上面が同一面内に配置されている。作業者は、サブモジュール5を水平方向にスライドさせて、サブモジュール5を支持板6の上面から台座部22の上面に移動させる。作業者は、台座部22に対してサブモジュール5を固定する。両者の固定には、
図2に示される台座部22の第1固定部22aおよびサブモジュール5の第1固定部5aが使用される。
【0032】
作業者は、支持板6に対する吊り台座20の固定を解除する。作業者は、吊り台座20の中継位置に運搬台車30を配置する。例えば中継位置は、交直変換装置3の近傍に設定される。天井クレーン10が、吊り台座20を中継位置の上方まで移動させる。フック13が下降して、
図3に示されるように、吊り台座20を運搬台車30に搭載する。作業者は、運搬台車30に対して吊り台座20を固定する。両者の固定には、吊り台座20の第3固定部22cおよび運搬台車30の第3固定部32cが使用される。作業者は、天井クレーン10と吊り台座20との連結を解除する。
【0033】
作業者は、運搬台車30のハンドル35を押して、運搬台車30を移動させる。作業者は、サブモジュール5の保管位置またはメンテナンス作業位置まで、運搬台車30を移動させる。作業者は、運搬台車30から吊り台座20を降ろす。作業者は、吊り台座20からサブモジュール5を降ろす。
【0034】
次に、サブモジュール5の設置作業が実施される。
作業者は、サブモジュール5を吊り台座20に搭載する。作業者は、吊り台座20を運搬台車30に搭載する。その後は、サブモジュール5の回収作業とは逆の手順で、サブモジュール5の設置作業が実施される。
【0035】
サブモジュール5の交換工事に、サブモジュール交換専用リフタを利用する場合がある。このリフタは、サブモジュール5の搭載スペースおよびスライド移動の作業スペースを備えた、特殊なリフタである。このリフタの製造およびメンテナンスには多くのコストが必要である。また、このリフタの移動スペースを地上に確保する必要がある。以上により、交直変換装置3の交換工事の工事コストが増大する。
【0036】
実施形態の交直変換装置の建屋1には、天井クレーン10が設置される。サブモジュール5の交換工事は、建屋1に設置された天井クレーン10を使用して実施される。天井クレーン10がサブモジュール5を吊り下げ支持して3次元空間内で移動させるため、サブモジュール交換専用リフタが不要である。また、天井クレーン10の設置スペースを地上に確保する必要がない。以上により、交直変換装置3の交換工事の工事コストが抑制される。
【0037】
以上に詳述されたように、実施形態の交直変換装置の建屋1は、交直変換装置3および天井クレーン10を持つ。
交直変換装置3の工事方法は、交直変換装置の建屋1に設置された天井クレーン10を使用して、交直変換装置3の据付工事または交直変換装置3のサブモジュール5の交換工事を行う工程を有する。
天井クレーン10を使用することにより、仮設の門型クレーンやサブモジュール交換専用リフタが不要である。天井クレーン10は建屋1の天井部に設置されるので、地上にスペースを確保する必要がない。以上により、交直変換装置3の工事コストが抑制される。
【0038】
天井クレーン10は、上方から見て交直変換装置3と重ならない位置に、走行レール18を有する。
これにより、交直変換装置3へのグリスの落下が抑制される。
【0039】
交直変換装置3は、サブモジュール5と、支持板6と、第2固定部6bと、を有する。サブモジュール5は、半導体スイッチを含む。支持板6は、サブモジュール5を支持する。第2固定部6bは、サブモジュール5を搭載可能な吊り台座20の、支持板6に対する機械的な固定に使用可能である。
【0040】
吊り台座20は、台座部22と、第2固定部22bと、を有する。台座部22は、天井クレーン10による吊り下げ支持が可能であり、交直変換装置3のサブモジュール5を搭載可能である。第2固定部22bは、サブモジュール5を支持する交直変換装置3の支持板6に対する、台座部22の機械的な固定に使用可能である。
【0041】
サブモジュール5の交換工事は、サブモジュール5を搭載可能な吊り台座20を天井クレーン10で吊り下げ、吊り台座20を交直変換装置3のサブモジュール5の支持板6に固定して、サブモジュール5を交換する工程を有する。
これにより、サブモジュール5の交換工事が、安定して短時間で実施される。したがって、交直変換装置3の工事コストが抑制される。
【0042】
運搬台車30は、台板32と、第3固定部32cと、を有する。台板32は、交直変換装置3のサブモジュール5を搭載可能な吊り台座20を搭載可能である。第3固定部32cは、台板32に対する吊り台座20の機械的な固定に使用可能である。
サブモジュール5の交換工事は、サブモジュール5を搭載可能な吊り台座20を、吊り台座20を搭載可能な運搬台車30に固定して、サブモジュール5を運搬する工程を有する。
これにより、サブモジュール5の運搬が、安定して短時間で実施される。したがって、交直変換装置3の工事コストが抑制される。
【0043】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、交直変換装置の建屋1は、交直変換装置3および天井クレーン10を持つ。これにより、交直変換装置3の工事コストを抑制することができる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
1…交直変換装置の建屋、3…交直変換装置、5…サブモジュール、6…支持板、6b…第2固定部(固定部)、10…天井クレーン、20…吊り台座、22…台座部、22b…第2固定部(固定部)、30…運搬台車、32…台板、32c…第3固定部(固定部)。