(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175454
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】保冷装置
(51)【国際特許分類】
F25D 16/00 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
F25D16/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093247
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】水澤 竜也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 洋平
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 高宏
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA03
3L045AA04
3L045AA07
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045EA02
3L045GA04
3L045HA03
3L045HA08
3L045JA01
3L045JA14
3L045JA15
3L045JA16
3L045KA16
3L045LA05
3L045LA11
3L045MA01
3L045MA02
3L045MA04
3L045MA05
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L045PA05
(57)【要約】
【課題】融点が異なる2種類以上の蓄冷剤による十分な保冷持続時間を確保することが可能な保冷装置を提供する。
【解決手段】この保冷装置100は、断熱箱体の内部に設けられた保冷室1と、保冷室1の複数の内側側面2に配置され、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤10と、保冷室1の複数の内側側面2に蓄冷剤10を介して配置される伝熱部13と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱箱体の内部に設けられた保冷室と、
前記保冷室の複数の内側側面に配置され、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤と、
前記保冷室の前記複数の内側側面に前記蓄冷剤を介して配置される伝熱部と、を備える、保冷装置。
【請求項2】
前記伝熱部は、庫内側に突出し、空気との接触面積を大きくする突出部を含む、請求項1に記載の保冷装置。
【請求項3】
前記庫内側に突出する前記突出部は、前記伝熱部において、略鉛直方向に延びるとともに水平方向に間隔を隔てて配置された複数のフィンを含み、
前記伝熱部は、自然対流により、複数の前記フィンのうち水平方向に隣接する前記フィンの間に形成された流路の上部から下部に向かって庫内空気が流れるように構成されている、請求項2に記載の保冷装置。
【請求項4】
前記蓄冷剤は、前記フィンの背面と前記保冷室の前記複数の内側側面との間において、前記フィンの背面に接触して配置されている、請求項3に記載の保冷装置。
【請求項5】
前記蓄冷剤を冷却する冷却部をさらに備え、
前記冷却部は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒を蒸発させて前記蓄冷剤を冷却する蓄冷剤用蒸発器と、前記冷媒を蒸発させて庫内空気を冷却する庫内空気用蒸発器とを含む冷凍回路を含む、請求項1に記載の保冷装置。
【請求項6】
前記蓄冷剤用蒸発器は、前記蓄冷剤および前記伝熱部が配置された前記内側側面において、複数の前記蓄冷剤を取り囲むように配置されている、請求項5に記載の保冷装置。
【請求項7】
前記庫内空気用蒸発器は、前記庫内の下部に配置され、
前記庫内の上部に配置されたファンと、前記庫内の背面に設けられ、前記庫内空気用蒸発器が配置された前記下部と前記ファンが配置された上部とを接続するダクトと、をさらに備え、
前記ファンは、前記ダクトを介して流入した前記庫内空気用蒸発器により冷却された空気を、前記保冷室に循環させる、請求項5に記載の保冷装置。
【請求項8】
前記冷凍回路は、前記蓄冷剤用蒸発器の上流に設けられた蓄冷剤用蒸発器減圧機構と、前記蓄冷剤用蒸発器減圧機構の開閉を制御する制御部とをさらに含み、
前記制御部は、前記蓄冷剤用蒸発器から気液二相の前記冷媒が流出するように、前記蓄冷剤用蒸発器減圧機構の開度を制御するように構成されている、請求項6に記載の保冷装置。
【請求項9】
前記冷凍回路は、前記庫内空気用蒸発器の上流に設けられた庫内空気用蒸発器減圧機構と、前記庫内空気用蒸発器の冷媒入口近傍の温度を検出する庫内空気用蒸発器入口センサと、前記庫内空気用蒸発器の冷媒出口近傍の温度を検出する庫内空気用蒸発器出口センサと、をさらに含み、
前記制御部は、前記庫内空気用蒸発器から気相の前記冷媒が流出するとともに、前記蓄冷剤用蒸発器から流出した気液二相の前記冷媒と合流して気相の前記冷媒となるように、前記庫内空気用蒸発器入口センサの検出結果および前記庫内空気用蒸発器出口センサの検出結果に基づいて、前記庫内空気用蒸発器減圧機構の開度を制御するように構成されている、請求項8に記載の保冷装置。
【請求項10】
前記庫内の設定温度が冷凍温度帯にある冷凍運転と、前記庫内の設定温度が冷蔵温度帯にある冷蔵運転とを切替え可能に構成され、
前記蓄冷剤は、冷蔵用蓄冷剤と、融点が前記冷蔵用蓄冷剤の融点よりも低い冷凍用蓄冷剤とを含み、
前記蓄冷剤用蒸発器は、冷蔵用蒸発器と、冷凍用蒸発器とを含み、
前記冷凍回路は、
前記圧縮機と前記凝縮器の間の主流路において分岐し、前記圧縮機から流出した前記冷媒を、前記凝縮器を介さずに、前記冷蔵用蒸発器、前記冷凍用蒸発器および前記庫内空気冷却用蒸発器に流入させるバイパス流路と、
前記圧縮機から流出した前記冷媒を、凝縮器を介して、前記冷蔵用蒸発器、冷凍用蒸発器および前記庫内空気用蒸発器に流入させて循環させる第1循環経路、および、前記圧縮機から流出した前記冷媒を、前記バイパス流路を介して、前記冷蔵用蒸発器、前記冷凍用蒸発器および前記庫内空気用蒸発器に流入させた後に前記凝縮器に流入させる第2循環経路を切り替える切替弁と、
前記切替弁の開閉を制御する制御部とを含み、
前記冷凍運転から前記冷蔵運転に切り替えられた場合に、前記制御部は、前記切替弁を切り替えることにより、前記冷媒の流路を、前記第1循環経路から前記第2循環経路に切り替える制御を行う、請求項6に記載の保冷装置。
【請求項11】
前記冷凍回路は、前記冷凍用蓄冷剤の温度を検出する冷凍用蓄冷剤センサをさらに備え、
前記冷凍運転から前記冷蔵運転に切り替えられた場合に、前記制御部は、前記第2循環経路による前記冷媒の循環中に前記冷凍用蓄冷剤センサの検出温度が第1閾値以上となった場合に前記圧縮機を停止させ、前記冷凍用蓄冷剤センサの検出温度が前記第1閾値よりも高い第2閾値以上となった場合に、前記切替弁により前記第2循環経路から前記第1循環経路に切り替えるとともに、前記圧縮機を運転させる制御を行う、請求項10に記載の保冷装置。
【請求項12】
前記庫内の設定温度が冷凍温度帯にある冷凍運転と前記庫内の設定温度が冷蔵温度帯にある冷蔵運転とを切替え可能に構成され、
前記蓄冷剤は、冷蔵用蓄冷剤と、融点が前記冷蔵用蓄冷剤の融点よりも低い冷凍用蓄冷剤とを含み、
前記蓄冷剤用蒸発器は、冷蔵用蒸発器と、冷凍用蒸発器とを含み、
前記冷凍回路は、前記冷蔵用蒸発器の上流に設けられた冷蔵用蒸発器減圧機構と、前記冷凍用蒸発器の上流に設けられた冷凍用蒸発器減圧機構と、前記庫内空気用蒸発器の上流に設けられた庫内空気用蒸発器減圧機構と、庫外温度を検出する庫外センサと、前記冷蔵用蒸発器減圧機構、前記冷凍用蒸発器減圧機構、および、前記庫内空気用蒸発器減圧機構の開閉を制御する制御部と、をさらに含み、
前記冷蔵運転の際に、前記制御部は、前記庫外センサの検出結果に基づいて、前記冷蔵用蒸発器に前記冷媒を流入させ、前記冷凍用蒸発器減圧機構により冷凍用蒸発器への前記冷媒の流入を停止させ、かつ、前記庫内空気用蒸発器減圧機構により前記庫内空気用蒸発器への前記冷媒の流入を停止させる制御を行うように構成されている、請求項6に記載の保冷装置。
【請求項13】
使用環境および使用時における温度情報を取得する通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記通信部により取得された前記温度情報に基づいて、前記冷蔵用蓄冷剤および前記冷凍用蓄冷剤の冷却温度を設定するように構成されている、請求項12に記載の保冷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、保冷装置に関し、特に、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤を備える保冷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤を備える保冷装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、冷蔵保冷用蓄冷剤および冷凍保冷用蓄冷剤(融点が異なる2種類以上の蓄冷剤)を備える蓄冷形保冷庫(保冷装置)が開示されている。複数の冷蔵保冷用蓄冷剤および冷凍保冷用蓄冷剤は、蓄冷形保冷庫の保冷室の内側上面に並列に取り付けられている。冷蔵保冷用蓄冷剤および冷凍保冷用蓄冷剤は板形状を有し、保冷室の内側上面から下方に突出するように取り付けられている。上記特許文献1には、冷気を自然対流させる方式を採用するとともに、1つの保冷庫で冷蔵保存および冷凍保冷を可能とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の保冷庫(保冷装置)では、冷蔵保冷用蓄冷剤および保冷用蓄冷剤(融点が異なる2種類以上の蓄冷剤)は保冷室の内側上面に取り付けられている。そのため、蓄冷剤の配置領域は保冷室の内側上面に限られており、冷蔵保冷用蓄冷剤および保冷用蓄冷剤の量を多くすることができないため、十分な保冷持続時間を確保することができない場合がある。そのため、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤による十分な保冷持続時間を確保することが可能な保冷装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤による十分な保冷持続時間を確保することが可能な保冷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による保冷装置は、断熱箱体の内部に設けられた保冷室と、保冷室の複数の内側側面に配置され、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤と、保冷室の複数の内側側面に蓄冷剤を介して配置される伝熱部と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面による保冷装置では、上記のように、保冷室の複数の内側側面に配置され、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤と、保冷室の複数の内側側面に蓄冷剤を介して配置される伝熱部とを備える。蓄冷剤を保冷室の複数の内側側面に配置することにより、蓄冷剤を保冷室の内側上面に配置する場合と比べて、蓄冷剤の配置領域を大きくすることができる。そのため、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤による十分な保冷持続時間を確保することができる。
【0009】
上記一の局面による保冷装置において、好ましくは、伝熱部は、庫内側に突出し、空気との接触面積を大きくする突出部を含む。このように構成すれば、突出部により空気との接触面積を大きくすることができるため、効果的に庫内の空気を冷却することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、庫内側に突出する突出部は、伝熱部において、略鉛直方向に延びるとともに水平方向に間隔を隔てて配置された複数のフィンを含み、伝熱部は、自然対流により、複数のフィンのうち水平方向に隣接するフィンの間に形成された流路の上部から下部に向かって庫内空気が流れるように構成されている。保冷時において、冷たい庫内気流は、自然対流により、蓄冷剤が配置された内側側面を上部から下部に向かって略垂直下向きに形成される。上記のように、突出部が略鉛直方向に延びるとともに水平方向に間隔を隔てて配置された複数のフィンを含むように構成すれば、蓄冷剤が配置された内側側面において、自然対流による庫内空気の流れを阻害することなく、水平方向に隣接するフィンの間に形成された流路の上部から下部に向かって庫内空気が流れるようにすることができる。これにより、蓄冷剤が配置された内側側面において、自然対流による庫内空気の流れを阻害することを抑制しながら、複数のフィンを含む伝熱部により蓄冷剤の保冷能力を向上させることができる。
【0011】
上記突出部が複数のフィンを含む構成において、好ましくは、蓄冷剤は、フィンの背面と保冷室の複数の内側側面との間において、フィンの背面に接触して配置されている。このように構成すれば、蓄冷剤はフィンの背面に接触して配置されているため、複数のフィンを含む伝熱部により蓄冷剤の保冷能力をより向上させることができる。
【0012】
上記一の局面による保冷装置において、好ましくは、蓄冷剤を冷却する冷却部をさらに備え、冷却部は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を蒸発させて蓄冷剤を冷却する蓄冷剤用蒸発器と、冷媒を蒸発させて庫内空気を冷却する庫内空気用蒸発器とを含む冷凍回路を含む。ここで、外部電源から供給される電力によって蓄冷剤を設定された冷却温度まで冷却するとともに、蓄冷剤の冷却中にも保冷装置を冷蔵庫として使用したい場合に、庫内空気の温度を早期に目標温度まで低下させることが望ましい。しかしながら、蓄冷剤を介して庫内空気を冷却する場合、蓄冷剤の冷却が完了しないと、庫内空気の温度も目標温度まで低下しないという問題がある。そこで、冷却部は、圧縮機と、蓄冷剤用蒸発器と、庫内空気用蒸発器とを含む冷凍回路を含むように構成すれば、庫内空気用蒸発器により庫内空気を冷却することができる。そのため、庫内空気の温度を早期に目標温度まで低下させることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、蓄冷剤用蒸発器は、蓄冷剤および伝熱部が配置された内側側面において、複数の蓄冷剤を取り囲むように配置されている。このように構成すれば、蓄冷剤用蒸発器は複数の蓄冷剤を取り囲むように配置されているため、蓄冷用蒸発器は、取り囲んだ複数の蓄冷剤の各々と熱交換することができる。そのため、複数の蓄冷剤の冷却を効率良く行うことができる。
【0014】
上記冷却部が圧縮機と蓄冷剤用蒸発器と庫内空気用蒸発器とを含む冷凍回路を含む構成において、好ましくは、庫内空気用蒸発器は、庫内の下部に配置され、庫内の上部に配置されたファンと、庫内の背面に設けられ、庫内空気用蒸発器が配置された下部とファンが配置された上部とを接続するダクトと、をさらに備え、ファンは、ダクトを介して流入した庫内空気用蒸発器により冷却された空気を、保冷室に循環させる。このように構成すれば、庫内空気用蒸発器により冷却された庫内下部の空気を、ファンによる強制対流により、ダクトを介して庫内上部に流入させるとともに、保冷室において庫内下部に向かって循環させることができる。そのため、ダクトを介して保冷室に流入した庫内空気用蒸発器により冷却された空気により、庫内全体の温度差が大きくなることを抑制しながら庫内空気を冷却することができる。そのため、庫内空気の温度をより早期に目標温度まで低下させることができる。
【0015】
上記蓄冷剤用蒸発器が複数の蓄冷剤を取り囲むように配置されている構成において、好ましくは、冷凍回路は、蓄冷剤用蒸発器の上流に設けられた蓄冷剤用蒸発器減圧機構と、蓄冷剤用蒸発器減圧機構の開閉を制御する制御部とをさらに含み、制御部は、蓄冷剤用蒸発器から気液二相の冷媒が流出するように、蓄冷剤用蒸発器減圧機構の開度を制御するように構成されている。このように構成すれば、蓄冷剤用蒸発器の冷媒入口から流入する液相の冷媒を蓄冷剤用蒸発器の冷媒出口において気液二相の冷媒として流出することにより、冷媒の潜熱を利用して、蓄冷剤用蒸発器の冷媒出口の近傍の蓄冷剤に対しても十分に冷却することができる。よって、蓄冷剤用蒸発器内の複数の蓄冷剤において温度差が大きくなることを抑制して均一に冷却することができる。そのため、複数の蓄冷剤により庫内全体の温度差が大きくなることをより抑制しながら庫内空気を冷却することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、冷凍回路は、庫内空気用蒸発器の上流に設けられた庫内空気用蒸発器減圧機構と、庫内空気用蒸発器の冷媒入口近傍の温度を検出する庫内空気用蒸発器入口センサと、庫内空気用蒸発器の冷媒出口近傍の温度を検出する庫内空気用蒸発器出口センサと、をさらに含み、制御部は、庫内空気用蒸発器から気相の冷媒が流出するとともに、蓄冷剤用蒸発器から流出した気液二相の冷媒と合流して気相の冷媒となるように、庫内空気用蒸発器入口センサの検出結果および庫内空気用蒸発器出口センサの検出結果に基づいて、庫内空気用蒸発器減圧機構の開度を制御するように構成されている。このように構成すれば、蓄冷剤用蒸発器から流出した気液二相の冷媒を、庫内空気用蒸発器から流出した気相の冷媒との合流後に気相の冷媒とすることができるため、圧縮機に気液二相の冷媒が流入すること(液バック)を抑制することができる。そのため、液バックに起因する圧縮機への負荷を抑制することができる。
【0017】
上記蓄冷剤用蒸発器が複数の蓄冷剤を取り囲むように配置されている構成において、好ましくは、庫内の設定温度が冷凍温度帯にある冷凍運転と、庫内の設定温度が冷蔵温度帯にある冷蔵運転とを切替え可能に構成され、蓄冷剤は、冷蔵用蓄冷剤と、融点が冷蔵用蓄冷剤の融点よりも低い冷凍用蓄冷剤とを含み、蓄冷剤用蒸発器は、冷蔵用蒸発器と、冷凍用蒸発器とを含み、冷凍回路は、圧縮機と凝縮器の間の主流路において分岐し、圧縮機から流出した冷媒を、凝縮器を介さずに、冷蔵用蒸発器、冷凍用蒸発器および庫内空気冷却用蒸発器に流入させるバイパス流路と、圧縮機から流出した冷媒を、凝縮器を介して、冷蔵用蒸発器、冷凍用蒸発器および庫内空気用蒸発器に流入させて循環させる第1循環経路、および、圧縮機から流出した冷媒を、バイパス流路を介して、冷蔵用蒸発器、冷凍用蒸発器および庫内空気用蒸発器に流入させた後に凝縮器に流入させる第2循環経路を切り替える切替弁と、切替弁の開閉を制御する制御部とを含み、冷凍運転から冷蔵運転に切り替えられた場合に、制御部は、切替弁を切り替えることにより、冷媒の流路を、第1循環経路から第2循環経路に切り替える制御を行う。このように構成すれば、冷凍運転から冷蔵運転に切り替えられた場合に、圧縮機で生成した高温の気相冷媒を、バイパス流路を介して、冷蔵用蒸発器、冷凍用蒸発器および庫内空気用蒸発器に流入させることができる。これにより、ヒーターなどの機器を設けずに、冷蔵用蓄冷剤および冷凍用蓄冷剤の温度を上昇させることができるとともに、庫内空気用蒸発器により庫内空気の温度を上昇させることができる。そのため、庫内の冷凍から冷蔵への切替えを、部品点数の増加を抑制しながら、短時間で実行することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、冷凍回路は、冷凍用蓄冷剤の温度を検出する冷凍用蓄冷剤センサをさらに備え、冷凍運転から冷蔵運転に切り替えられた場合に、制御部は、第1循環経路による冷媒の循環中に冷凍用蓄冷剤センサの検出温度が第1閾値以上となった場合に圧縮機を停止させ、冷凍用蓄冷剤センサの検出温度が第1閾値よりも高い第2閾値以上となった場合に、切替弁により第1循環経路から第2循環経路に切り替えるとともに、圧縮機を運転させる制御を行う。このように構成すれば、冷凍用蓄冷剤が液体に相変化した状態における冷凍用蓄冷剤の温度変化に基づいて、圧縮機の運転停止および運転開始の制御を行うことができる。そのため、庫内の冷凍保存から冷蔵保存への切替えおよび冷蔵保存の維持を適切に行うことができる。
【0019】
上記蓄冷剤用蒸発器が複数の蓄冷剤を取り囲むように配置されている構成において、好ましくは、庫内の設定温度が冷凍温度帯にある冷凍運転と庫内の設定温度が冷蔵温度帯にある冷蔵運転とを切替え可能に構成され、蓄冷剤は、冷蔵用蓄冷剤と、融点が冷蔵用蓄冷剤の融点よりも低い冷凍用蓄冷剤とを含み、蓄冷剤用蒸発器は、冷蔵用蒸発器と、冷凍用蒸発器とを含み、冷凍回路は、冷蔵用蒸発器の上流に設けられた冷蔵用蒸発器減圧機構と、冷凍用蒸発器の上流に設けられた冷凍用蒸発器減圧機構と、庫内空気用蒸発器の上流に設けられた庫内空気用蒸発器減圧機構と、庫外温度を検出する庫外センサと、冷蔵用蒸発器減圧機構、冷凍用蒸発器減圧機構、および、庫内空気用蒸発器減圧機構の開閉を制御する制御部と、をさらに含み、冷蔵運転の際に、制御部は、庫外センサの検出結果に基づいて、冷蔵用蒸発器に冷媒を流入させ、冷凍用蒸発器減圧機構により冷凍用蒸発器への冷媒の流入を停止させ、かつ、庫内空気用蒸発器減圧機構により庫内空気用蒸発器への冷媒の流入を停止させる制御を行うように構成されている。ここで、冷蔵保存のために蓄冷剤を予冷する際に外気温度が低い場合には、庫内熱負荷が小さいため、圧縮機を停止しても、蓄冷剤の冷熱により庫内空気を冷却してしまう。これにより、冷蔵温度帯の下限の温度範囲を逸脱する懸念がある。そこで、冷蔵運転の際に、庫外センサの検出結果に基づいて、冷蔵用蒸発器に冷媒を流入させるとともに、冷凍用蒸発器および庫内空気用蒸発器への冷媒の流入を停止させるように構成すれば、冷蔵用蓄冷剤の冷熱で庫内空気と冷凍用蓄冷剤の冷却を行うとともに、冷凍用蓄冷剤を疑似的に熱負荷として利用することにより、庫内空気の過剰な冷却を抑制することができる。これにより、外気温度が低く、庫内熱負荷が小さい場合であっても、冷蔵温度帯の下限の温度範囲を逸脱することを抑制することができる。そのため、庫内熱負荷が小さい場合においても、安定的に温調制御を行うことができる。
【0020】
この場合、好ましくは、使用環境および使用時における温度情報を取得する通信部をさらに備え、制御部は、通信部により取得された温度情報に基づいて、冷蔵用蓄冷剤および冷凍用蓄冷剤の冷却温度を設定するように構成されている。このように構成すれば、使用環境および使用時における外気温度に応じて、冷蔵用蓄冷剤および冷凍用蓄冷剤の冷却温度が設定されるため、使用環境および使用時における外気温度の変動に起因する保冷維持時間のばらつきを抑制することができる。そのため、より安定的に温調制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤による十分な保冷持続時間を確保することが可能な保冷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態による保冷装置の内部の概略を説明するための模式図である。
【
図2】第1実施形態による保冷装置の内部の正面模式図である。
【
図3】第1実施形態による保冷装置の内部の側面模式図である。
【
図7】第1実施形態による冷却部の構成および冷媒の流れの例1を示したブロック図である。
【
図8】第1実施形態による冷却部の構成および冷媒の流れの例2を示したブロック図である。
【
図9】制御部による循環経路切替え制御を説明するためのタイムチャートである。
【
図10】第2実施形態による冷却部の構成を示したブロック図である。
【
図11】制御部による蒸発器への冷媒流入制御を説明するためのタイムチャートである。
【
図12】温度情報と蓄冷剤冷却温度との相関関係の一例を示す図である。
【
図13】第3実施形態による保冷装置の内部の概略を説明するための模式図である。
【
図14】蓄冷剤およびフィンの形状のバリエーションを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
[第1実施形態]
(保冷装置の全体構成)
図1~
図6を参照して、本発明の第1実施形態による保冷装置100の構成について説明する。
【0025】
保冷装置100は、断熱箱体の内部に設けられた保冷室1を備える。保冷装置100は、保冷室1の内側側面2に凍結した蓄冷剤10を配置することにより、保冷時において無電源により、保冷室1を冷却する。蓄冷剤10として、融点が異なる2種類の蓄冷剤10が配置される。蓄冷剤10は、冷蔵用蓄冷剤11と、融点が冷蔵用蓄冷剤11の融点よりも低い冷凍用蓄冷剤12とを含む。保冷装置100は、冷蔵保冷と冷凍保冷とのいずれかにより保冷室1を保冷する。保冷装置100は、蓄冷剤10の冷却温度を変更することにより、冷蔵運転による保冷と冷凍運転による保冷とを切り替えることができる。すなわち、保冷装置100は、庫内の設定温度が冷凍温度帯にある冷凍運転と庫内の設定温度が冷蔵温度帯にある冷蔵運転とを切替え可能に構成されている。
【0026】
たとえば、保冷装置100は、物流事業者などにより使用される。保冷装置100は、配送品などが積み込まれていない状態において、外部電源を用いて予冷動作を行う。予冷動作とは、外部電源のある環境において外部電源を用いて蓄冷剤10を予冷する動作である。保冷装置100は、予冷完了後、配送品などが積み込まれ、保冷動作を行う。保冷動作とは、外部電源のない環境において、保冷室1を保冷するとともに、保冷室1内の配送品などを任意の温度範囲に保つ動作である。
【0027】
図1~
図3に示すように、保冷装置100は、保冷室1と、蓄冷剤10と、伝熱部13と、冷却部20とを備える。冷却部20は、冷凍回路20a(
図7参照)を含んでいる。冷凍回路20aは、蓄冷剤用蒸発器21を含んでいる。
【0028】
保冷室1は、断熱箱体の内部に設けられた空間である。保冷室1には、保冷対象物としての配送品などが載置される。
【0029】
蓄冷剤10は、保冷室1の内側側面2に配置される。冷蔵用蓄冷剤11は、保冷室1の内側側面2における背面2aに配置されている。冷凍用蓄冷剤12は、保冷室1の内側側面2における左右の側面2bに配置されている。蓄冷剤10は、後述する伝熱部13を含む蓄冷剤用蒸発器21の内部に配置される。本実施形態では、直方体形状(六面体)の保冷室1における4つの内側側面2のうちの3つの内側側面2に蓄冷剤10および伝熱部13が配置されている。なお、保冷室1の内側側面2における正面には、扉3(
図3参照)が設けられている。
【0030】
なお、保冷装置100は、冷蔵保冷において、冷蔵用蓄冷剤11の融解潜熱が主な冷却源となる。また、保冷装置100は、冷凍保冷において、冷凍用蓄冷剤12の融解潜熱が主な冷却源となる。たとえば、冷凍保冷において、冷凍用蓄冷剤12の潜熱を利用し、保冷中は一定温度となる。一方、冷蔵用蓄冷剤11は、凍結温度以下であるため固体として存在しており、潜熱を利用することはできない。ただし、冷蔵用蓄冷剤11の温度は庫内空気温度より低いため、庫内空気温度の温度上昇を抑制することに寄与している。
【0031】
伝熱部13は、保冷室1の内側側面2に蓄冷剤10を介して配置されている。伝熱部13は、保冷室1の内側側面2における背面2aに冷蔵用蓄冷剤11を介して配置されているとともに、保冷室1の内側側面2における左右の側面2bに冷凍用蓄冷剤12を介して配置されている。
【0032】
伝熱部13は、庫内側に突出し、空気との接触面積を大きくする突出部14を含む。伝熱部13において、庫内側に突出する突出部14は、複数のフィン14である。複数のフィン14は、略鉛直方向に延びるとともに水平方向に間隔を隔てて配置されている。
図4に示すように、自然対流により、複数のフィン14のうち水平方向に隣接するフィン14の間に形成された流路の上部から下部に向かって庫内空気が流れるように構成されている。
図5に示すように、蓄冷剤10は、フィン14の背面2aと保冷室1の内側側面2との間において、フィン14の背面2aに接触して配置されている。
【0033】
ここで、保冷装置100は、無電源の場合に蓄冷剤10により保冷室1を冷却する。そのため、無電源による保冷時において保冷装置100内部に強制対流を発生させることができない。保冷装置100の内部気流は、蓄冷剤10を介して配置されたフィン14表面近傍の空気と、蓄冷剤10およびフィン14が配置されていない扉3近傍の空気との温度差を駆動力とする自然対流が主体となる。蓄冷剤10による保冷を効率的に行うためには、自然対流による空気の流れを阻害しないことが重要である。そのため、
図1に示すように、水平方向に隣接するフィン14の間の流路には、自然対流による空気の流れを阻害するような障害物は設けられていない。
【0034】
また、蓄冷剤10による保冷を効率的に行うためには、蓄冷剤10の表面積を拡大させることが有効である。よって、本実施形態では、蓄冷剤10の表面積を拡大させる代わりに伝熱部13の表面積を突出部14により拡大させて、蓄冷剤10と空気との熱交換量を増加させている。しかしながら、伝熱部13の表面積拡大のために水平方向に隣接するフィン14のピッチPを過剰に小さくすると、隣接するフィン14の間において空気粘性が強く働き、空気の流れを阻害するという問題がある。上記問題を考慮すると、有効熱伝達率が最大となる形状として、フィン14の高さHが15mm、フィン14の厚さAが1.2mmのフィン14形状において、フィン14のピッチPは、8mm~20mm程度の範囲が好ましく、15mmがより好ましい。なお、フィン14のサイズおよびフィン14のピッチは、特に限定されない。
【0035】
冷却部20は、蓄冷剤10を冷却するように構成されている。冷却部20(
図7参照)は、冷凍回路20aを含む。冷凍回路20aは、冷媒を圧縮する圧縮機40と、冷媒を蒸発させて蓄冷剤10を冷却する蓄冷剤用蒸発器21と、冷媒を蒸発させて庫内空気を冷却する庫内空気用蒸発器24とを含んでいる。なお、冷却部20の詳細は、後述する。
【0036】
図6に示すように、蓄冷剤用蒸発器21は、冷蔵用蒸発器減圧機構30および冷凍用蒸発器減圧機構31(
図7参照)によって膨張された液相の冷媒の一部が蒸発されて気液混合の冷媒に変化した際の潜熱を利用し、蓄冷剤10を冷却する。蓄冷剤用蒸発器21は、蓄冷剤10および伝熱部13が配置された保冷室1の内側側面2において、複数の蓄冷剤10を取り囲むように配置されている。蓄冷剤用蒸発器21は、冷蔵用蓄冷剤11が配置された冷蔵用蒸発器22(
図1参照)と、冷凍用蓄冷剤12が配置された冷凍用蒸発器23(
図1参照)とを含んでいる。すなわち、冷蔵用蒸発器22は、保冷室1の内側側面2における背面2aに配置されている。また、冷凍用蒸発器23は、保冷室1の内側側面2における左右の側面2bに配置されている。なお、冷蔵用蒸発器減圧機構30および冷凍用蒸発器減圧機構31は、特許請求の範囲の「蓄冷剤用蒸発器減圧機構」の一例である。
【0037】
図5に示すように、蓄冷剤用蒸発器21は、冷却面側部材25と、伝熱部側部材26と、冷媒流路90とを含んでいる。
【0038】
冷却面側部材25および伝熱部側部材26は、板金により形成されている。蓄冷剤10は、冷却面側部材25と伝熱部側部材26とに挟まれるように配置されている。冷却面側部材25の蓄冷剤10と反対側の面は、保冷室1の内側側面2と接している。伝熱部側部材26の蓄冷剤10と反対側の面は、フィン14と接している。
【0039】
図6に示すように、冷媒流路90は、冷却面側部材25および伝熱部側部材26の間において、複数の蓄冷剤10の間を蛇行するように配置されている。冷媒流路90は、冷却面側部材25に接するように配置されている。具体的には、冷媒流路90は、冷却面側部材25および伝熱部側部材26の間においてマトリクス状に配置された複数の蓄冷剤10に対して、複数の行方向に延びるとともに隣接する列方向において互いに逆方向に流れるように蛇行して配置されている。
【0040】
図3に示すように、庫内空気用蒸発器24は、庫内空気用蒸発器減圧機構32(
図7参照)によって膨張された液相の冷媒の一部が蒸発されて気液混合の冷媒に変化した際の潜熱を利用し、空気流路内の空気を冷却する。庫内空気用蒸発器24は、庫内の下部に配置されている。庫内空気用蒸発器24は、庫内のデッキパン4の下方に設けられている。庫内空気用蒸発器24は、たとえば、冷媒が流れる複数のチューブ(不図示)と、複数のチューブの外周に設けられたフィン14(不図示)とを含んでいる。すなわち、庫内空気用蒸発器24は、フィンチューブ方式の熱交換器である。
【0041】
保冷装置100は、ファン5と、ダクト6とを備える。
【0042】
ファン5は、庫内の上部に配置されている。ファン5は、ダクト6を介して流入した庫内空気用蒸発器24により冷却された空気を、保冷室1に循環させる。本実施形態において、ファン5は2つ配置されている。配置されるファン5の数は特に限定されない。
【0043】
ダクト6は、庫内空気用蒸発器24が配置された庫内下部と、ファン5が配置された庫内上部とを接続する。ダクト6は、保冷室1の内側側面2における背面2aと冷蔵用蒸発器22との間に設けられている。庫内空気用蒸発器24により冷却された空気は、ダクト6を介して庫内上部のファン5が配置された領域に流入する。
【0044】
(冷却部の構成)
図7に示すように、冷却部20は、圧縮機40を含んでいる。圧縮機40は、冷媒を圧縮するように構成されている。圧縮機40は、インバータ41により制御されている。これにより、圧縮機40は、圧縮機40から吐出される冷媒の流量を調整可能に構成されている。
【0045】
また、冷却部20は、凝縮器42を含んでいる。凝縮器42は、圧縮機40から吐出された冷媒を凝縮するように構成されている。凝縮器42には、庫外送風機43が設けられている。庫外送風機43は、凝縮器42に空気を送るように構成されている。そして、凝縮器42の冷媒から、庫外送風機43により送られた空気に熱が伝達される。
【0046】
また、冷却部20は、冷凍用蒸発器減圧機構31を含んでいる。冷凍用蒸発器減圧機構31は、膨張弁を含んでいる。膨張弁は、凝縮器42により凝縮された冷媒を膨張させるように構成されている。また、膨張弁の開度が調整されることにより、下流に設けられた冷凍用蒸発器23への冷媒の流量が調整される。また、冷却部20は、冷蔵用蒸発器減圧機構30を含んでいる。冷蔵用蒸発器減圧機構30は、膨張弁を含んでいる。膨張弁は、凝縮器42により凝縮された冷媒を膨張させるように構成されている。また、膨張弁の開度が調整されることにより、下流に設けられた冷蔵用蒸発器22への冷媒の流量が調整される。また、冷却部20は、庫内空気用蒸発器減圧機構32を含んでいる。庫内空気用蒸発器減圧機構32は、膨張弁を含んでいる。膨張弁は、凝縮器42により凝縮された冷媒を膨張させるように構成されている。また、膨張弁の開度が調整されることにより、下流に設けられた庫内空気用蒸発器24への冷媒の流量が調整される。
【0047】
また、冷却部20は、凝縮器42と、冷凍用蒸発器減圧機構31、冷蔵用蒸発器減圧機構30および庫内空気用蒸発器減圧機構32との間の流路に、第1三方弁44を含んでいる。第1三方弁44は、凝縮器42から流出した冷媒の流れ方向を冷凍用蒸発器減圧機構31、冷蔵用蒸発器減圧機構30および庫内空気用蒸発器減圧機構32に流れる方向と、圧縮機40に流れる方向との間で切り替えるように構成されている。また、冷却部20は、圧縮機40の上流の流路に、第2三方弁45を含んでいる。第2三方弁45は、凝縮器42から流出した冷媒が圧縮機40に流れる流路と、冷凍用蒸発器減圧機構31、冷蔵用蒸発器減圧機構30および庫内空気用蒸発器減圧機構32から流出した冷媒が圧縮機40に流れる流路との間で切り替えるように構成されている。
【0048】
また、冷却部20は、上述したように、冷凍用蒸発器23と、冷蔵用蒸発器22と、庫内空気用蒸発器24とを含んでいる。冷凍用蒸発器23と、冷蔵用蒸発器22と、庫内空気用蒸発器24とは、並列に接続されている。また、冷却部20は、上述したように、ファン5を含んでいる。
【0049】
また、冷却部20は、複数の温度センサを含んでいる。温度センサは、冷凍用蒸発器23の冷媒入口近傍の温度を検出する冷凍用蒸発器入口センサ63と、冷凍用蒸発器23の冷媒出口近傍の温度を検出する冷凍用蒸発器出口センサ64と、冷凍用蓄冷剤12の温度を検出する冷凍用蓄冷剤センサ65と、冷蔵用蒸発器22の冷媒入口近傍の温度を検出する冷蔵用蒸発器入口センサ60と、冷蔵用蒸発器22の冷媒出口近傍の温度を検出する冷蔵用蒸発器出口センサ61と、冷蔵用蓄冷剤11の温度を検出する冷蔵用蓄冷剤センサ62と、庫内空気用蒸発器24の冷媒入口近傍の温度を検出する庫内空気用蒸発器入口センサ66と、庫内空気用蒸発器24の冷媒出口近傍の温度を検出する庫内空気用蒸発器出口センサ67と、ダクト6の上部側出口近傍の温度を検出するダクト出口センサ68と、圧縮機40の冷媒入口近傍の温度を検出する圧縮機入口センサ69と、を含んでいる。
【0050】
また、冷却部20は、均圧弁46と、蒸発器の上流に設けられたアキュムレータ47と、を含んでいる。また、冷却部20は、逆止弁54と、キャピラリチューブ48とを含んでいる。
【0051】
また、冷却部20は、圧縮機40と凝縮器42の間の主流路50に、流路切替三方弁49を含んでいる。流路切替三方弁49は、圧縮機40から流出した冷媒が凝縮器42に流れる方向と、圧縮機40から流出した冷媒がバイパス流路51を介して冷凍用蒸発器減圧機構31、冷蔵用蒸発器減圧機構30および庫内空気用蒸発器減圧機構32に流れる方向との間で切り替えるように構成されている。また、冷却部20は、バイパス流路51を含んでいる。バイパス流路51は、圧縮機40と凝縮器42の間の主流路50において流路切替三方弁49を介して分岐し、圧縮機40から流出した冷媒を、凝縮器42を介さずに、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気冷却用蒸発器に流入させる。なお、流路切替三方弁49は、特許請求の範囲の「切替弁」の一例である。
【0052】
ここで、冷媒の循環経路は、第1循環経路52と、第2循環経路53(
図8参照)とを含んでいる。第1循環経路52は、圧縮機40から流出した冷媒を、凝縮器42を介して、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24に流入させるとともに圧縮機40まで循環させる経路である。第2循環経路53は、圧縮機40から流出した冷媒を、バイパス流路51を介して、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24に流入させた後に凝縮器42に流入させるとともに圧縮機40まで循環させる経路である。
【0053】
また、冷却部20は、冷却部20の各部を制御する制御部80を備えている。具体的には、制御部80は、圧縮機40の駆動を制御する。また、制御部80は、ファン5の駆動を制御する。また、制御部80は、冷凍用蒸発器減圧機構31、冷蔵用蒸発器減圧機構30および庫内空気用蒸発器減圧機構32の開閉を制御する。また、制御部80は、第1三方弁44および第2三方弁45による冷媒の流れ方向の切替えを制御する。
【0054】
また、制御部80は、冷凍用蒸発器23および冷蔵用蒸発器22から液相または気液二相の冷媒が流出するように、冷凍用蒸発器入口センサ63、冷凍用蒸発器出口センサ64、冷蔵用蒸発器入口センサ60および冷蔵用蒸発器出口センサ61の検出結果に基づいて、冷凍用蒸発器減圧機構31および冷蔵用蒸発器減圧機構30の開度を制御するように構成されている。詳細は、後述する。
【0055】
また、制御部80は、庫内空気用蒸発器24から気相の冷媒が流出するとともに、蓄冷剤用蒸発器21から流出した液相または気液二相の冷媒と合流して気相の冷媒となるように、庫内空気用蒸発器入口センサ66の検出結果および庫内空気用蒸発器出口センサ67の検出結果に基づいて、庫内空気用蒸発器減圧機構32の開度を制御するように構成されている。詳細は、後述する。
【0056】
また、庫内の設定温度が冷凍温度帯から冷蔵温度帯に切り替えられた場合に、制御部80は、流路切替三方弁49を切り替えることにより、冷媒の流路を、第1循環経路52から第2循環経路53に切り替える制御を行う。詳細は、後述する。
【0057】
(予冷動作)
予冷動作について説明する。予冷動作中は、外部電源から供給される電力によって、冷凍用蒸発器23により冷凍用蓄冷剤12を冷却(予冷)するとともに、冷蔵用蒸発器22により冷蔵用蓄冷剤11を冷却(予冷)する。また、外部電源から供給される電力によって、庫内空気用蒸発器24により庫内空気を冷却する。庫内空気用蒸発器24により冷却された庫内空気は、ファン5の運転によって生じる強制対流によって、ダクト6を介して庫内上部に流入するとともに、庫内上部から庫内下部に向かって循環される。
【0058】
(制御部による蓄冷剤の予冷制御)
冷凍用蒸発器23において、冷媒入口近傍の冷凍用蓄冷剤12の温度と、冷媒出口近傍の冷凍用蓄冷剤12の温度との差を小さくするため、制御部80は、冷凍用蒸発器23から液相または気液二相の冷媒が流出するように、冷凍用蒸発器減圧機構31の開度を制御する。また、冷蔵用蒸発器22において、冷媒入口近傍の冷蔵用蓄冷剤11の温度と、冷媒出口近傍の冷蔵用蓄冷剤11の温度との差を小さくするため、制御部80は、冷蔵用蒸発器22から液相または気液二相の冷媒が流出するように、冷蔵用蒸発器減圧機構30の開度を制御する。
【0059】
図7に示すように、制御部80は、冷凍用蒸発器入口センサ63および冷凍用蒸発器出口センサ64の検出結果に基づいて、冷蔵用蒸発器減圧機構30の開度を制御する。具体的には、制御部80は、冷凍用蒸発器減圧機構31の開度を制御することにより、冷凍用蒸発器23の冷媒入口と冷媒出口との温度差を、たとえば、1K~5Kとする。これにより、冷凍用蒸発器23から液相または気液二相の冷媒を流出させることができる。なお、冷凍用蒸発器23の冷媒入口と冷媒出口との温度差は、上記範囲に限定されない。また、冷凍用蒸発器23に液相の冷媒を流入させるとともに、冷凍用蒸発器23から気液二相の冷媒を流出させるように構成されていても良い。また、冷凍用蒸発器23に気液二相の冷媒を流入させるとともに、冷凍用蒸発器23から気液二相の冷媒を流出させるように構成されていても良い。また、冷凍用蒸発器23に液相の冷媒を流入させるとともに、冷凍用蒸発器23から液相の冷媒を流出させるように構成されていても良い。冷凍用蒸発器23から液相の冷媒を流出させる場合、冷凍用蒸発器23から気相の冷媒が流出する場合よりも、冷凍用蒸発器23内の複数の蓄冷剤10において温度差が大きくなることを抑制して均一に冷却することができる。
【0060】
また、制御部80は、冷蔵用蒸発器入口センサ60および冷蔵用蒸発器出口センサ61の検出結果に基づいて、冷蔵用蒸発器減圧機構30の開度を制御する。具体的には、制御部80は、冷蔵用蒸発器減圧機構30の開度を制御することにより、冷蔵用蒸発器22の冷媒入口と冷媒出口との温度差を、たとえば、1K~5Kとする。これにより、冷蔵用蒸発器22から液相または気液二相の冷媒を流出させることができる。なお、冷蔵用蒸発器22の冷媒入口と冷媒出口との温度差は、上記範囲に限定されない。また、冷蔵用蒸発器22に液相の冷媒を流入させるとともに、冷蔵用蒸発器22から気液二相の冷媒を流出させるように構成されていても良い。また、冷蔵用蒸発器22に気液二相の冷媒を流入させるとともに、冷蔵用蒸発器22から気液二相の冷媒を流出させるように構成されていても良い。また、冷蔵用蒸発器22に液相の冷媒を流入させるとともに、冷蔵用蒸発器22から液相の冷媒を流出させるように構成されていても良い。冷蔵用蒸発器22から液相の冷媒を流出させる場合、冷蔵用蒸発器22から気相の冷媒が流出する場合よりも、冷蔵用蒸発器22内の複数の蓄冷剤10において温度差が大きくなることを抑制して均一に冷却することができる。
【0061】
また、冷凍用蒸発器23および冷凍用蒸発器23から流出した液相または気液二相の冷媒が圧縮機40に流入(液バック)することを抑制するため、制御部80は、庫内空気用蒸発器入口センサ66および庫内空気用蒸発器出口センサ67の検出結果に基づいて、庫内空気用蒸発器減圧機構32の開度を制御する。具体的には、制御部80は、庫内空気用蒸発器減圧機構32の開度を制御することにより、庫内空気用蒸発器24の冷媒入口と冷媒出口との温度差を、たとえば、8K~15Kとする。これにより、庫内空気用蒸発器24から低圧の気相の冷媒を流出させることができる。そのため、冷凍用蒸発器23および冷凍用蒸発器23から流出した液相または気液二相の冷媒を、庫内空気用蒸発器24から流出した気相の冷媒との合流後に気相の冷媒とすることができる。なお、庫内空気用蒸発器24の冷媒入口と冷媒出口との温度差は、上記範囲に限定されない。
【0062】
(冷凍運転から冷蔵運転への切替え時の制御部による循環経路切替え制御)
冷凍運転から冷蔵運転に切り替えられた場合に、速やかに、庫内の温度を冷凍温度帯から冷蔵温度帯に引き上げる必要がある。そのため、制御部80は、圧縮機40により生成された高温冷媒を用いて、冷凍用蓄冷剤12の温度、冷蔵用蓄冷剤11の温度および庫内温度を上昇させる制御を行う。具体的には、
図8に示すように、冷凍運転から冷蔵運転に切り替えられた場合に、制御部80は、流路切替三方弁49を切り替えることにより、冷媒の流路を、第1循環経路52から第2循環経路53に切り替える制御を行う。
【0063】
制御部80による第2循環経路53への切替え後、圧縮機40により生成された高圧の気相冷媒は、第2循環経路53を循環する。具体的には、圧縮機40から流出した高圧の気相冷媒は、流路切替三方弁49を介してバイパス流路51に流入する。そして、高圧の気相冷媒は、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24に流入する。冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24において、高圧の気相冷媒は、高圧の液相冷媒に相変化する。そして、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24から流出した高圧の液相冷媒は、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24と凝縮器42との間に設けられたキャピラリチューブ48により減圧されて低圧の液相または気液二相の冷媒となる。そして、キャピラリチューブ48から流出した低圧の液相または気液二相の冷媒は、凝縮器42に流入し、低圧の気相冷媒となる。凝縮器42から流出した低圧の気相冷媒は、第1三方弁44および第2三方弁45を介して圧縮機40に流入する。
【0064】
また、制御部80は、冷凍用蓄冷剤センサ65の検出結果を取得する。
図9に示すように、制御部80は、第2循環経路53による冷媒の循環中に冷凍用蓄冷剤センサ65の検出温度が第1閾値以上となった場合に圧縮機40を停止させ、冷凍用蓄冷剤センサ65の検出温度が第1閾値よりも高い第2閾値以上となった場合に、流路切替三方弁49により第2循環経路53から第1循環経路52に切り替えるとともに、圧縮機40を運転させる制御を行う。
【0065】
第1循環経路52から第2循環経路53に切り替えられると(t1)、冷凍用蓄冷剤12は、融解し始める。そして、冷凍用蓄冷剤12が液相に相変化して冷凍用蓄冷剤センサ65の検出温度が第1閾値以上となったとき(t2)に、制御部80は、圧縮機40の運転を停止する。ファン5は運転しているため、庫内空気は強制対流により循環する。その後、冷凍用蓄冷剤センサ65の検出温度が第1閾値よりも高い第2閾値以上となったとき(t3)、流路切替三方弁49により第2循環経路53から第1循環経路52に切り替えるとともに、圧縮機40の運転を開始する制御を行う。これにより、設定温度を冷蔵温度帯とする予冷が再開される。
【0066】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0067】
第1実施形態では、上記のように、保冷室1の複数の内側側面2に配置され、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤10と、保冷室1の複数の内側側面2に蓄冷剤10を介して配置される伝熱部13とを備える。蓄冷剤10を保冷室1の内側側面2の複数の内側側面2に配置することにより、蓄冷剤10を保冷室1の内側上面に配置する場合と比べて、蓄冷剤10の配置領域を大きくすることができる。そのため、融点が異なる2種類以上の蓄冷剤10による十分な保冷持続時間を確保することができる。
【0068】
また、第1実施形態では、上記のように、伝熱部13は、庫内側に突出し、空気との接触面積を大きくする突出部14を含む。これにより、突出部14により空気との接触面積を大きくすることができるため、効果的に庫内の空気を冷却することができる。
【0069】
また、第1実施形態では、上記のように、庫内側に突出する突出部14は、伝熱部13において、略鉛直方向に延びるとともに水平方向に間隔を隔てて配置された複数のフィン14を含み、伝熱部13は、自然対流により、複数のフィン14のうち水平方向に隣接するフィン14の間に形成された流路の上部から下部に向かって庫内空気が流れるように構成されている。ここで、保冷時において、庫内気流は、自然対流により、蓄冷剤10が配置された内側側面2を上部から下部に向かって略垂直下向きに形成される。突出部14が略鉛直方向に延びるとともに水平方向に間隔を隔てて配置された複数のフィン14を含むことにより、蓄冷剤10が配置された内側側面2において、自然対流による庫内空気の流れを阻害することなく、水平方向に隣接するフィン14の間に形成された流路の上部から下部に向かって庫内空気が流れるようにすることができる。これにより、蓄冷剤10が配置された内側側面2において、自然対流による庫内空気の流れを阻害することを抑制しながら、複数のフィン14を含む伝熱部13により蓄冷剤10の保冷能力を向上させることができる。
【0070】
また、第1実施形態では、上記のように、蓄冷剤10は、フィン14の背面2aと保冷室1の複数の内側側面2との間において、フィン14の背面2aに接触して配置されている。これにより、蓄冷剤10はフィン14の背面2aに接触して配置されているため、複数のフィン14を含む伝熱部13により蓄冷剤10の保冷能力をより向上させることができる。
【0071】
また、第1実施形態では、上記のように、蓄冷剤10を冷却する冷却部20をさらに備え、冷却部20は、冷媒を圧縮する圧縮機40と、冷媒を蒸発させて蓄冷剤10を冷却する蓄冷剤用蒸発器21と、冷媒を蒸発させて庫内空気を冷却する庫内空気用蒸発器24とを含む冷凍回路20aを含む。ここで、外部電源から供給される電力によって蓄冷剤10を設定された冷却温度まで冷却するとともに、蓄冷剤10の冷却中にも保冷装置100を冷蔵庫として使用したい場合に、庫内空気の温度を早期に目標温度まで低下させることが望ましい。しかしながら、蓄冷剤10を介して庫内空気を冷却する場合、蓄冷剤10の冷却が完了しないと、庫内空気の温度も目標温度まで低下しないという問題がある。冷却部20は、圧縮機40と、蓄冷剤用蒸発器21と、庫内空気用蒸発器24とを含む冷凍回路20aを含むことにより、庫内空気用蒸発器24により庫内空気を冷却することができる。そのため、庫内空気の温度を早期に目標温度まで低下させることができる。
【0072】
また、第1実施形態では、上記のように、蓄冷剤用蒸発器21は、蓄冷剤10および伝熱部13が配置された内側側面2において、複数の蓄冷剤10を取り囲むように配置されている。これにより、蓄冷剤用蒸発器21は複数の蓄冷剤10を取り囲むように配置されているため、蓄冷用蒸発器は、取り囲んだ複数の蓄冷剤10の各々と熱交換することができる。そのため、複数の蓄冷剤10の冷却を効率良く行うことができる。
【0073】
また、第1実施形態では、上記のように、庫内空気用蒸発器24は、庫内の下部に配置され、庫内の上部に配置されたファン5と、庫内の背面2aに設けられ、庫内空気用蒸発器24が配置された下部とファン5が配置された上部とを接続するダクト6と、をさらに備え、ファン5は、ダクト6を介して流入した庫内空気用蒸発器24により冷却された空気を、保冷室1に循環させる。これにより、庫内空気用蒸発器24により冷却された庫内下部の空気を、ファン5による強制対流により、ダクト6を介して庫内上部に流入させるとともに、保冷室1において庫内下部に向かって循環させることができる。そのため、ダクト6を介して保冷室1に流入した庫内空気用蒸発器24により冷却された空気により、庫内全体の温度差が大きくなることを抑制しながら庫内空気を冷却することができる。そのため、庫内空気の温度をより早期に目標温度まで低下させることができる。
【0074】
また、第1実施形態では、上記のように、冷凍回路20aは、蓄冷剤用蒸発器21の上流に設けられた冷蔵用蒸発器減圧機構30および冷凍用蒸発器減圧機構31と、冷蔵用蒸発器減圧機構30および冷凍用蒸発器減圧機構31の開閉を制御する制御部80とをさらに含み、制御部80は、蓄冷剤用蒸発器21から気液二相の冷媒が流出するように、冷蔵用蒸発器減圧機構30および冷凍用蒸発器減圧機構31の開度を制御するように構成されている。これにより、蓄冷剤用蒸発器21の冷媒入口から流入する液相の冷媒を蓄冷剤用蒸発器21の冷媒出口において気液二相の冷媒として流出することにより、冷媒の潜熱を利用して、蓄冷剤用蒸発器21の冷媒出口の近傍の蓄冷剤10に対しても十分に冷却することができる。よって、蓄冷剤用蒸発器21内の複数の蓄冷剤10において温度差が大きくなることを抑制して均一に冷却することができる。そのため、複数の蓄冷剤10により庫内全体の温度差が大きくなることをより抑制しながら庫内空気を冷却することができる。
【0075】
また、第1実施形態では、上記のように、冷凍回路20aは、庫内空気用蒸発器24の上流に設けられた庫内空気用蒸発器減圧機構32と、庫内空気用蒸発器24の冷媒入口近傍の温度を検出する庫内空気用蒸発器入口センサ66と、庫内空気用蒸発器24の冷媒出口近傍の温度を検出する庫内空気用蒸発器出口センサ67と、をさらに含み、制御部80は、庫内空気用蒸発器24から気相の冷媒が流出するとともに、蓄冷剤用蒸発器21から流出した気液二相の冷媒と合流して気相の冷媒となるように、庫内空気用蒸発器入口センサ66の検出結果および庫内空気用蒸発器出口センサ67の検出結果に基づいて、庫内空気用蒸発器減圧機構32の開度を制御するように構成されている。これにより、蓄冷剤用蒸発器21から流出した気液二相の冷媒を、庫内空気用蒸発器24から流出した気相の冷媒との合流後に気相の冷媒とすることができるため、圧縮機40に気液二相の冷媒が流入すること(液バック)を抑制することができる。そのため、液バックに起因する圧縮機40への負荷を抑制することができる。
【0076】
また、第1実施形態では、上記のように、庫内の設定温度が冷凍温度帯にある冷凍運転と、庫内の設定温度が冷蔵温度帯にある冷蔵運転とを切替え可能に構成され、蓄冷剤10は、冷蔵用蓄冷剤11と、融点が冷蔵用蓄冷剤11の融点よりも低い冷凍用蓄冷剤12とを含み、蓄冷剤用蒸発器21は、冷蔵用蒸発器22と、冷凍用蒸発器23とを含み、冷凍回路20aは、圧縮機40と凝縮器42の間の主流路50において分岐し、圧縮機40から流出した冷媒を、凝縮器42を介さずに、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気冷却用蒸発器に流入させるバイパス流路51と、圧縮機40から流出した冷媒を、凝縮器42を介して、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24に流入させて循環させる第1循環経路52、および、圧縮機40から流出した冷媒を、バイパス流路51を介して、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24に流入させた後に凝縮器42に流入させる第2循環経路53を切り替える切替弁と、切替弁の開閉を制御する制御部80とを含み、冷凍運転から冷蔵運転に切り替えられた場合に、制御部80は、切替弁を切り替えることにより、冷媒の流路を、第1循環経路52から第2循環経路53に切り替える制御を行う。これにより、冷凍運転から冷蔵運転に切り替えられた場合に、圧縮機40で生成した高温の気相冷媒を、バイパス流路51を介して、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24に流入させることができる。これにより、ヒーターなどの機器を設けずに、冷蔵用蓄冷剤11および冷凍用蓄冷剤12の温度を上昇させることができるとともに、庫内空気用蒸発器24により庫内空気の温度を上昇させることができる。そのため、庫内の冷凍から冷蔵への切替えを、部品点数の増加を抑制しながら、短時間で実行することができる。
【0077】
また、第1実施形態では、上記のように、冷凍回路20aは、冷凍用蓄冷剤12の温度を検出する冷凍用蓄冷剤センサ65をさらに備え、冷凍運転から冷蔵運転に切り替えられた場合に、制御部80は、第1循環経路52による冷媒の循環中に冷凍用蓄冷剤センサ65の検出温度が第1閾値以上となった場合に圧縮機40を停止させ、冷凍用蓄冷剤センサ65の検出温度が第1閾値よりも高い第2閾値以上となった場合に、切替弁により第1循環経路52から第2循環経路53に切り替えるとともに、圧縮機40を運転させる制御を行う。これにより、冷凍用蓄冷剤12が液体に相変化した状態における冷凍用蓄冷剤12の温度変化に基づいて、圧縮機40の運転停止および運転開始の制御を行うことができる。そのため、庫内の冷凍保存から冷蔵保存への切替えおよび冷蔵保存の維持を適切に行うことができる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、
図10を参照して、第2実施形態による保冷装置200の構成について説明する。第2実施形態では、冷却部20はバイパス流路51および流路切替三方弁49を含んでいる第1実施形態とは異なり、冷却部20はバイパス流路51および流路切替三方弁49を含んでいない構成の例について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0079】
庫内の設定温度を冷蔵温度帯とする予冷において、外部電源を用いて予冷動作を行う際に、保冷装置200外部の温度が低い場合(たとえば10℃以下)がある。この場合、庫内熱負荷が小さいため、圧縮機40の運転を停止しても、蓄冷剤10の冷熱により庫内空気を過度に冷却してしまい、設定された冷蔵温度帯の範囲の下限を逸脱する可能性がある。そのため、低負荷な温度環境下においても安定的な温調制御を行うため、制御部80は、冷蔵温度帯とする予冷の際、庫外センサ70の検出結果に基づいて、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24への冷媒の流入を停止させる制御を行う。
【0080】
冷却部20は、冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24と圧縮機40との間の流路と、凝縮器42と冷蔵用蒸発器22、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24との間の流路と、に跨るように設けられる内部熱交換器55を含んでいる。なお、冷却部20は、内部熱交換器55を含んでいなくても良い。
【0081】
また、冷却部20は、庫外温度を検出する庫外センサ70を含んでいる。庫外センサ70は、凝縮器42に設けられた庫外送風機43の近傍に配置されている。
【0082】
冷蔵温度帯とする予冷の際、制御部80は、庫外センサ70の検出結果に基づいて、冷蔵用蒸発器22に冷媒を流入させ、冷凍用蒸発器減圧機構31により冷凍用蒸発器23への冷媒の流入を停止させ、かつ、庫内空気用蒸発器減圧機構32により庫内空気用蒸発器24への冷媒の流入を停止させる制御を行うように構成されている。詳細は、後述する。
【0083】
また、保冷装置200は、使用環境および使用時における温度情報を取得する通信部81を備えている。通信部81は、たとえば、図示しない外部サーバやクラウドから、使用環境および使用時における温度情報を取得する。通信部81が取得する情報は、温度情報だけでなく、湿度情報や天気情報などが含まれていても良い。制御部80は、通信部81により取得された温度情報に基づいて、冷蔵用蓄冷剤11および冷凍用蓄冷剤12の冷却温度を設定するように構成されている。詳細は、後述する。
【0084】
(制御部による蒸発器への冷媒流入制御)
冷蔵温度帯とする予冷において庫内空気が過度に冷却されることを抑制するため、制御部80は、庫外センサ70の検出結果に基づいて、冷蔵用蒸発器22にのみ冷媒を流入させる制御を行う。この場合、制御部80は、冷凍用蒸発器減圧機構31により冷凍用蒸発器23への冷媒の流入を停止させるとともに、庫内空気用蒸発器減圧機構32により庫内空気用蒸発器24への冷媒の流入を停止させる制御を行う。
【0085】
圧縮機40により生成された高圧の気相冷媒は、凝縮器42に流入し、高圧の液相冷媒となる。凝縮器42から流出した高圧の液相冷媒は、内部熱交換器55を経て、冷蔵用蒸発器22に流入する。冷凍用蒸発器減圧機構31により冷凍用蒸発器23への冷媒の流入は停止され、庫内空気用蒸発器減圧機構32により庫内空気用蒸発器24への冷媒の流入は停止されているため、高圧の液相冷媒は、冷凍用蒸発器23および庫内空気用蒸発器24には流入しない。冷蔵用蒸発器22から流出した低圧の気液二相冷媒は、内部熱交換器55に流入して低圧の気相冷媒となり、圧縮機40に流入する。
【0086】
また、ファン5を用いて庫内空気を強制対流させる。これにより、冷蔵用蓄冷剤11の冷熱により、庫内空気と冷凍用蓄冷剤12の冷却を行う。
【0087】
図11に示すように、庫外センサ70により検出された庫外温度が予め設定された第3閾値よりも低い場合(t4)に、制御部80は、冷凍用蒸発器減圧機構31により冷凍用蒸発器23への冷媒の流入を停止させるとともに、庫内空気用蒸発器減圧機構32により庫内空気用蒸発器24への冷媒の流入を停止させる。制御部80は、ダクト出口センサ68により検出された庫内空気温度が、予め設定されたファン5の運転停止温度の閾値である第4閾値よりも低くなった場合(t5)、ファン5の運転を停止し、自然対流による冷却を行う。そして、制御部80は、ダクト出口センサ68により検出された庫内空気温度が、予め設定された圧縮機40の停止温度の閾値である第5閾値よりも低くなった場合(t6)、圧縮機40の運転を停止する。
【0088】
(制御部による蓄冷剤の冷却温度の設定変更制御)
冷蔵用蓄冷剤11および冷凍用蓄冷剤12の設定された予冷温度(冷却温度)は、使用環境および使用時における外気温度に依らず一定であるため、使用環境および使用時における外気温度によって、保冷維持時間のばらつきが生じる場合がある。使用環境および使用時における外気温度の変動に起因する保冷維持時間のばらつきを抑制するため、制御部80は、通信部81により取得された温度情報に基づいて、冷蔵用蓄冷剤11および冷凍用蓄冷剤12の冷却温度を設定する。
【0089】
図12は、通信部81により取得された温度情報と、設定される冷凍温度帯における蓄冷剤冷却温度との相関関係の一例である。冷凍用蓄冷剤12の凍結温度は、一例として、マイナス29℃である。なお、設定される冷凍温度帯における蓄冷剤冷却温度は、
図12に限定されない。
図12に示すように、制御部80は、取得される外気温度が低いほど、冷凍温度帯における蓄冷剤冷却温度を相対的に高く設定し、取得される外気温度が高いほど、冷凍温度帯における蓄冷剤10冷却温度を相対的に低く設定するように構成されている。
【0090】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0091】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記のように、冷凍回路20aは、庫外温度を検出する庫外センサ70と、冷蔵用蒸発器減圧機構30、冷凍用蒸発器減圧機構31および庫内空気用蒸発器減圧機構32の開閉を制御する制御部80と、を含み、冷蔵運転の際に、制御部80は、庫外センサ70の検出結果に基づいて、冷蔵用蒸発器22に冷媒を流入させ、冷凍用蒸発器減圧機構31により冷凍用蒸発器23への冷媒の流入を停止させ、かつ、庫内空気用蒸発器減圧機構32により庫内空気用蒸発器24への冷媒の流入を停止させる制御を行うように構成されている。これにより、冷蔵用蓄冷剤11の冷熱で庫内空気と冷凍用蓄冷剤12の冷却を行うとともに、冷凍用蓄冷剤12を疑似的に熱負荷として利用することにより、庫内空気の過剰な冷却を抑制することができる。よって、外気温度が低く、庫内熱負荷が小さい場合であっても、冷蔵温度帯の下限の温度範囲を逸脱することを抑制することができる。そのため、庫内熱負荷が小さい場合においても、安定的に温調制御を行うことができる。
【0092】
また、第2実施形態では、上記のように、使用環境および使用時における温度情報を取得する通信部81をさらに備え、制御部80は、通信部81により取得された温度情報に基づいて、冷蔵用蓄冷剤11および冷凍用蓄冷剤12の冷却温度を設定するように構成されている。これにより、使用環境および使用時における外気温度に応じて、冷蔵用蓄冷剤11および冷凍用蓄冷剤12の冷却温度が設定されるため、使用環境および使用時における外気温度の変動に起因する保冷維持時間のばらつきを抑制することができる。そのため、より安定的に温調制御を行うことができる。
【0093】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0094】
(第3実施形態)
次に、
図13~
図14を参照して、第3実施形態による保冷装置300の構成について説明する。第3実施形態では、冷却部20は庫内空気用蒸発器24、ダクト6、ファン5、バイパス流路51および流路切替三方弁49を含んでいる第1実施形態とは異なり、冷却部20は上記構成を含んでいない構成の例について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0095】
図13に示すように、上記第1実施形態と同様に、蓄冷剤10(
図11参照)は、保冷室1の内側側面2に配置される。蓄冷剤10は、保冷室1の内側側面2における背面2aおよび左右の側面2bに配置されている。ただし、冷蔵用蓄冷剤11は保冷室1の内側側面2における背面2aに配置され、冷凍用蓄冷剤12は保冷室1の内側側面2における左右の側面2bに配置されている上記第1実施形態とは異なり、冷蔵用蓄冷剤11および冷凍用蓄冷剤12の配置関係はこれに限定されない。
【0096】
また、フィン14は略鉛直方向に延びる上記第1実施形態とは異なり、フィン14の形状はこれに限定されない。
図14(a)に示すように、たとえば、フィン14と保冷室1の内側側面2との間に、1つの冷蔵用蓄冷剤11(または1つの冷凍用蓄冷剤12)が配置されていても良い。また、
図14(b)に示すように、たとえば、フィン14と保冷室1の内側側面2との間に、複数の冷蔵用蓄冷剤11(または複数の冷凍用蓄冷剤12)が配置されていても良い。また、
図14(c)に示すように、たとえば、フィン14と保冷室1の内側側面2との間に、冷蔵用蓄冷剤11および冷凍用蓄冷剤12の両方が配置されていても良い。
【0097】
また、
図14(d)に示すように、フィン14aは、庫内側に突出する突出部14の形状が平面視において三角形状であっても良い。また、図示しないが、フィン14は、庫内側に突出する突出部14の先端形状が平面視において曲面形状であっても良い。また、
図14(e)に示すように、フィン14bは、板金に対して曲げ加工により凹部と凸部とが形成された凹凸構造を有していても良い。
【0098】
なお、図示しないが、軽量化や組立性向上の観点から、フィン14に隙間や穴が形成されていても良い。また、フィン14の蒸発器への取付において、隣接するフィン14の間に形成された流路に、ザグリ部を設けてねじ留めしたり、リベットにより取り付けたりしても良い。これにより、隣接するフィン14の間に形成された流路において、自然対流による庫内空気の流れを阻害することを抑制することができる。
【0099】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0100】
たとえば、上記第3実施形態では、保冷装置は、冷凍回路を含む冷却部を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷却部は、冷凍回路に替えて、ペルチェ素子を含み、ペルチェ素子により蓄冷剤を冷却するように構成しても良い。
【0101】
また、上記第3実施形態では、保冷装置は、冷却部を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、保冷装置は、冷却部を備えていなくても良い。この場合、たとえば、保冷装置は、保冷装置の外部に設けられた冷却装置を用いて冷却された蓄冷剤を、保冷装置の使用直前に保冷装置内に配置するように構成されている。
【0102】
また、上記第1~第3実施形態では、伝熱部に設けられた突出部は略鉛直方向に延びるとともに水平方向に間隔を隔てて配置された複数のフィンである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、突出部は、庫内側に突出する柱状の突起や、庫内側に突出する円錐状または角錐状の突起であっても良い。突出部の形状は特に限定されない。
【0103】
また、上記第1および第2実施形態では、冷却部は、均圧弁、アキュムレータ、キャピラリチューブおよび複数の温度センサを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷却部は、均圧弁、アキュムレータ、キャピラリチューブおよび複数の温度センサのうち、一部または全部を含んでいなくても良い。また、上記第1実施形態では、冷却部はバイパス流路および流路切替三方弁を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷却部は、バイパス流路および流路切替三方弁を含んでいなくても良い。
【0104】
また、上記第1~第3実施形態では、直方体形状(六面体)の保冷室における4つの内側側面のうちの3つの内側側面に蓄冷剤および伝熱部が配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、保冷室の4つの内側側面のうちの2つの内側側面に蓄冷剤および伝熱部が配置されていても良いし、4つの内側側面に蓄冷剤および伝熱部が配置されていても良い。また、保冷室に5つ以上の内側側面が形成されている場合には、保冷室の3つまたは4つ以上の内側側面に蓄冷剤および伝熱部が配置されていても良い。
【符号の説明】
【0105】
1 保冷室
2 内側側面
5 ファン
10 蓄冷剤
11 冷蔵用蓄冷剤
12 冷凍用蓄冷剤
13 伝熱部
14、14a、14b 突出部(フィン)
20 冷却部
20a 冷凍回路
21 蓄冷剤用蒸発器
22 冷蔵用蒸発器
23 冷凍用蒸発器
24 庫内空気用蒸発器
30 冷蔵用蒸発器減圧機構
31 冷凍用蒸発器減圧機構
32 庫内空気用蒸発器減圧機構
40 圧縮機
42 凝縮器
49 流路切替三方弁
50 主流路
51 バイパス流路
52 第1循環経路
53 第2循環経路
65 冷凍用蓄冷剤センサ
66 庫内空気用蒸発器入口センサ
67 庫内空気用蒸発器出口センサ
70 庫外センサ
80 制御部
81 通信部
100、200、300 保冷装置