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  • 特開-配筋用架台および配筋構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175466
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】配筋用架台および配筋構造
(51)【国際特許分類】
   E04C 5/18 20060101AFI20241211BHJP
   E04B 5/32 20060101ALI20241211BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
E04C5/18 104
E04C5/18 105
E04B5/32 A
E04G21/12 105A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093264
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】岩本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 直樹
【テーマコード(参考)】
2E164
【Fターム(参考)】
2E164AA02
2E164BA02
2E164BA12
2E164BA34
2E164BA42
2E164BA44
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で配筋作業を省力化できる配筋用架台等を提供する。
【解決手段】配筋用架台1は、鉛直方向に配置される一対のせん断補強部2と、一対のせん断補強部2の上端部同士を連結し、一対のせん断補強部2の上端部の定着機構として機能する上側連結部3と、を有する。配筋用架台1では、一対のせん断補強部2と上側連結部3からなるユニット10が複数配置され、隣り合うユニット10のせん断補強部2の下端部同士が、せん断補強部2の下端部の定着機構として機能する下側連結部5により連結される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に配置される一対のせん断補強部と、
前記一対のせん断補強部の上端部同士を連結し、前記せん断補強部の上端部の定着機構として機能する上側連結部と、
前記一対のせん断補強部の下端部に設けられる定着機構と、
を有する配筋用架台。
【請求項2】
前記一対のせん断補強部と前記上側連結部からなるユニットが複数配置され、隣り合うユニットのせん断補強部の下端部同士が、前記せん断補強部の下端部の定着機構として機能する下側連結部により連結されることを特徴とする請求項1記載の配筋用架台。
【請求項3】
1本の鉄筋を折り曲げて形成されたことを特徴とする請求項1記載の配筋用架台。
【請求項4】
面状の構造体における配筋構造であって、
請求項1記載の配筋用架台を用いて水平方向の主筋と配力筋が配置され、
前記配力筋の方向に沿って見た時の、前記せん断補強部と、他の前記せん断補強部またはせん断補強筋との間隔が、前記構造体の有効高さより小さいことを特徴とする配筋構造。
【請求項5】
面状の構造体における配筋構造であって、
請求項1記載の配筋用架台を用いて水平方向の主筋と配力筋が配置され、
前記主筋の方向に沿って見た時の、前記せん断補強部と、他の前記せん断補強部またはせん断補強筋との間隔が、前記構造体の有効高さの1/2より小さいことを特徴とする配筋構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配筋用架台とこれを用いた配筋構造等に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート造の底版やスラブ等の構築時には、上段の主筋や配力筋を配置するために架台が用いられる。また底版やスラブ等では、主筋や配力筋以外に、鉛直方向のせん断補強筋も配置される。
【0003】
一方、特許文献1には、主筋とせん断補強筋による梁状のせん断補強筋ユニットに、上端筋を載置する配筋方法が記載されている。このせん断補強筋ユニットは、配筋用の架台とせん断補強筋の機能を兼ねており、配筋作業が省力化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-124940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
配筋用の架台は、一般に鉄筋や形鋼で構成されているが、構造部材として考慮されないため、部材の施工費を増加させる。またせん断補強筋は、上下段の主筋や配力筋を配置した後に上から挿入して主筋または配力筋と結束するが、部材諸元によっては下段の主筋等との結束作業が困難であり、作業効率が良くない。
【0006】
この点、特許文献1のせん断補強筋ユニットは配筋用の架台とせん断補強筋の機能を兼ねることで配筋作業を省力化できるが、その構成は、四隅に主筋を配置し、これをせん断補強筋により巻いて組み立てたものと大掛かりであり、その製作や設置に手間が掛かる。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で配筋作業を省力化できる配筋用架台等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するための第1の発明は、鉛直方向に配置される一対のせん断補強部と、前記一対のせん断補強部の上端部同士を連結し、前記せん断補強部の上端部の定着機構として機能する上側連結部と、前記一対のせん断補強部の下端部に設けられる定着機構と、を有する配筋用架台である。
【0009】
本発明の配筋用架台は、一対のせん断補強部の上端部同士を上側連結部で連結した構成となっており、上側連結部を上段の鉄筋の配置に用いることができる。また上側連結部はせん断補強部の上端部の定着機構としても機能し、せん断補強部の下端部には別途の定着機構を設けることで、せん断補強部を構造体のせん断補強筋として確実に機能させることができる。これにより、底版やスラブ等の構築時のせん断補強筋の配置作業が減り、配筋作業性が向上する。また配筋用架台は簡易な構成であり、その製作や設置を容易に行うことができる。
【0010】
前記一対のせん断補強部と前記上側連結部からなるユニットが複数配置され、隣り合うユニットのせん断補強部の下端部同士が、前記せん断補強部の下端部の定着機構として機能する下側連結部により連結されることが望ましい。
これにより、配筋用架台によって多数のせん断補強部を一括配置できる。
【0011】
前記配筋用架台は、1本の鉄筋を折り曲げて形成されることが望ましい。
これにより、配筋用架台を容易に製作できる。
【0012】
第2の発明は、面状の構造体における配筋構造であって、第1の発明の配筋用架台を用いて水平方向の主筋と配力筋が配置され、前記配力筋の方向に沿って見た時の、前記せん断補強部と、他の前記せん断補強部またはせん断補強筋との間隔が、前記構造体の有効高さより小さいことを特徴とする配筋構造である。
第3の発明は、面状の構造体における配筋構造であって、第1の発明の配筋用架台を用いて水平方向の主筋と配力筋が配置され、前記主筋の方向に沿って見た時の、前記せん断補強部と、他の前記せん断補強部またはせん断補強筋との間隔が、前記構造体の有効高さの1/2より小さいことを特徴とする配筋構造である。
配筋用架台のせん断補強部や追加のせん断補強筋を、上記の配置間隔を満たすように配置することで、せん断補強部等により従来のせん断補強筋と同様のせん断補強効果を発揮できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、簡易な構成で配筋作業を省力化できる配筋用架台等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】配筋用架台1を示す図。
図2】円弧部分Ra、Rbの曲げ内半径の例。
図3】配筋用架台1を用いた配筋方法について説明する図。
図4】配筋用架台1を用いた配筋構造を示す図。
図5】配筋用架台1aを示す図。
図6】配筋用架台1aを用いた配筋例。
図7】配筋用架台1a’を用いた配筋例。
図8】配筋用架台1b、1cを示す図。
図9】追加のせん断補強筋9を配置する例。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
(1.配筋用架台1)
図1(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る配筋用架台1を示す図である。図1(a)は配筋用架台1の斜視図であり、図1(b)は配筋用架台1を上から見た平面図である。
【0017】
配筋用架台1は、1本の鉄筋を折り曲げて形成され、せん断補強部2、上側連結部3、下側連結部5、定着部4等を具備する。配筋用架台1は、底版やスラブ等の面状の構造体を構築する際に使用される。
【0018】
せん断補強部2は、鉛直方向に配置され、構造体のせん断補強筋として機能する部分である。本実施形態では、一対のせん断補強部2の上端部同士が水平方向の上側連結部3により連結される。上側連結部3は、これらのせん断補強部2の上端部の定着機構としても機能する。
【0019】
本実施形態の配筋用架台1では、上記した一対のせん断補強部2と上側連結部3のユニット10が、配筋用架台1の延伸方向(図1(a)の奥行方向、図1(b)の上下方向に対応する)に並ぶように複数配置される。そして、上記延伸方向に隣り合うユニット10のせん断補強部2の下端部同士が、水平方向の下側連結部5により連結される。下側連結部5はこれらのせん断補強部2の下端部の定着機構としても機能する。また下側連結部5は、配筋用架台1の自立性を確保する上でも有効である。
【0020】
せん断補強部2と上側連結部3との接続箇所、せん断補強部2と下側連結部5との接続箇所は、いずれも、鉄筋を中心角90°の円弧状に折り曲げた円弧部分Ra、Rbとなっている。これらの円弧部分Ra、Rbの曲げ内半径はせん断補強部2の定着に必要な大きさとし、本実施形態では、せん断補強筋に必要な曲げ内半径として「2022年制定 コンクリート標準示方書[設計編]」に定められた値を満たすように定める。その値を図2に示す。例えば配筋用架台1の鉄筋としてSD390を用いる場合、曲げ内半径は鉄筋径の2.5倍以上とする。また円弧部分Ra、Rbの中心角は90°に限定されないが、例えば配筋用架台1の鉄筋としてSD685Rを用いる場合は、90°以下とする。
【0021】
上下の連結部3、5の平面における向きは異なり、上側連結部3の向きは、配筋用架台1の延伸方向と平面において直交する方向であるが、下側連結部5は、上側連結部3に対し一定の角度α(図1(b)参照)で傾斜している。なお、配筋用架台1の延伸方向と平面において直交する方向を、以下、幅方向というものとする。
【0022】
また下側連結部5は、配筋用架台1の延伸方向に隣り合うユニット10の間で、幅方向の反対側(例えば図1(b)の左側と右側)のせん断補強部2の下端部同士を連結しており、配筋用架台1の全体を見たときに、せん断補強部2と上下の連結部3、5がスパイラル状に連続する構成となっている。
【0023】
配筋用架台1の両端部には、配筋用架台1の定着部4が設けられる。定着部4は、配筋用架台1の延伸方向の両端のユニット10のせん断補強部2の下端部と、上記の下側連結部5により連結される。
【0024】
定着部4は、配筋用架台1の両端部で鉄筋を鉛直方向に立ち上げて形成される。ただし、定着部4の形状がこれに限ることはない。
【0025】
配筋用架台1に使用する鉄筋の材質は任意である。例えば、SD490以上の高強度鉄筋を用いて配筋用架台1を形成すれば、鉄筋を細径にしても強度を満たせるため、せん断補強部2の鋼材量が低減される。また、配筋用架台1の重量を小さくできるため、配筋用架台1の運搬や設置作業の効率が向上する。
【0026】
(2.配筋用架台1を用いた配筋方法)
配筋用架台1を用いて配筋を行う際は、まず図3(a)に示すように下段の配力筋6と主筋7を配置した後、図3(b)に示すように、配筋用架台1の下側連結部5を下段の配力筋6および主筋7に結束して固定する。配力筋6と主筋7は平面において直交する。
【0027】
そして、図3(c)に示すように、配筋用架台1の上側連結部3の上に、上段の配力筋6と主筋7を配置し、当該配力筋6および主筋7を上側連結部3に結束して固定する。この後、上下段の配力筋6と主筋7を埋設するようにコンクリートを打設することで、面状の構造体が構築される。
【0028】
(3.配筋用架台1を用いた配筋構造)
図4は、配筋用架台1を用いた配筋構造を示す図である。図4(a)は配筋構造を上から見た平面図であり、図4(b)は配筋構造を配筋用架台1の幅方向に沿って見た図である。なお図4(b)では構造体のコンクリートConの位置を破線で図示しており、図4(a)ではコンクリートConの図示を省略している。
【0029】
本実施形態では、配力筋6の方向におけるせん断補強部2の配置間隔swが過大となると、せん断補強効果が低減する。そのため、配置間隔swと、面状の構造体の有効高さd(図4(b)参照)との関係を、sw<dとすることが望ましい。一方、主筋7の方向では、せん断補強部2同士の配置間隔sdと構造体の有効高さdとの関係を、コンクリート標準示方書等のせん断補強筋に関する規定に準拠させて、sd<0.5dとすることが望ましい。
【0030】
以上説明したように、本実施形態の配筋用架台1は、一対のせん断補強部2の上端部同士を上側連結部3で連結した構成となっており、上側連結部3を上段の鉄筋の配置に用いることができる。また上側連結部3はせん断補強部2の上端部の定着機構としても機能し、せん断補強部2の下端部には別途の定着機構を設けることで、せん断補強部2を構造体のせん断補強筋として確実に機能させることができる。これにより、構造体の構築時のせん断補強筋の配置作業が減り、配筋作業性が向上する。
【0031】
また本実施形態の配筋用架台1は簡易な構成であり、1本の鉄筋を折り曲げ加工して形成できるなど、その製作や設置を容易に行うことができる。
【0032】
また本実施形態の配筋用架台1は、一対のせん断補強部2と上側連結部3からなるユニット10を複数配置し、隣り合うユニット10のせん断補強部2の下端部同士を、せん断補強部2の下端部の定着機構としても機能する下側連結部5により連結した構成となっているので、配筋用架台1によって多数のせん断補強部2を一括配置できる。
【0033】
また本実施形態では、配筋用架台1を設置する際に、せん断補強部2の前記した配置間隔swを構造体の有効高さdより小さくし、前記した配置間隔sdを有効高さdの0.5倍より小さくすることで、せん断補強部2により従来のせん断補強筋と同様のせん断補強効果を発揮できる。
【0034】
しかしながら、本発明は前記の実施形態に限定されない。例えば、配筋用架台1のユニット10の数、上側連結部3や下側連結部5の長さ、上側連結部3と下側連結部5とが成す角度α等は、配筋計画に応じて適宜決定することができ、配筋用架台1の形状が図1等で説明したものに限ることはない。また配筋用架台1を用いた配筋方法や配筋構造も前記に限ることは無く、例えば、下段の配力筋6の配置後に、下側連結部5が配力筋6の下方となるように配筋用架台1を設置して当該下側連結部5を配力筋6に結束等して固定し、その後、下段の主筋7を配力筋6の上に配置してもよい。
【0035】
また前記の実施形態では、配筋用架台1の幅方向の一対のせん断補強部2の上端部同士を上側連結部3によって連結し、配筋用架台1の延伸方向に隣り合うユニット10のせん断補強部2の下端部同士を下側連結部5によって連結したが、図5(a)の配筋用架台1aに示すように、配筋用架台1aの延伸方向(図5(a)の奥行方向に対応する)の一対のせん断補強部2の上端部同士を上側連結部3によって連結し、配筋用架台1aの幅方向に隣り合うユニット10のせん断補強部2の下端部同士を下側連結部5によって連結してもよい。
【0036】
また下側連結部5は、配筋用架台1aの幅方向に隣り合うユニット10の間で、上記延伸方向の反対側(例えば図5(a)の手前側と奥側)のせん断補強部2の下端部同士を連結しており、配筋用架台1aの全体を見たときに、せん断補強部2と上下の連結部3、5が配筋用架台1aの延伸方向に連続する構成となっている。
【0037】
なお、図5(a)の例でも、配筋用架台1aの両端部に、配筋用架台1aの定着部4が設けられる。
【0038】
図5(b)は、配筋用架台1aを用いた配筋構造を図4(a)と同様に示す図である。この例では上下段の主筋7等が配筋用架台1aの上下の連結部3、5に結束されるが、この場合も、配力筋6の方向におけるせん断補強部2の配置間隔swは、構造体の有効高さをdとして、sw<dとなるように定め、主筋7の方向におけるせん断補強部2の配置間隔sdは、sd<0.5dとなるように定める。
【0039】
また前記の実施形態では、上側連結部3に上段の鉄筋を結束、固定しているが、鉄筋の固定方法もこれに限ることはない。
【0040】
例えば図6(a)は配筋用架台1aを用いた配筋構造を上から見た平面を示したものであり、図6(b)は、当該配筋構造を配筋用架台1aの延伸方向に沿って見た側面を示したものであるが、図6(a)、(b)に示すように、複数の配筋用架台1aを、両配筋用架台1aの円弧部分Raが配筋用架台1aの延伸方向に沿って見たときにX字状にラップするように配置し、そのラップ部分の窪みに主筋7を配置することで、主筋7の位置を固定することもできる。
【0041】
あるいは、図7(a)、(b)に示すように、配筋用架台1a’の形状を、配筋用架台1a’の幅方向の両側のユニット10の円弧部分Raが配筋用架台1aの延伸方向に沿って見たときにX字状にラップするようなものとし、そのラップ部分の窪みに主筋7を配置することで、主筋7の位置を固定することもできる。図7(a)、(b)は図6(a)、(b)と同様、配筋用架台1a’を用いた配筋構造を上から見た平面と、当該配筋構造を配筋用架台1a’の延伸方向に沿って見た側面を示したものである。
【0042】
また前記の実施形態では、一対のせん断補強部2を上側連結部3で連結した複数のユニット10を下側連結部5によって連結しているが、一対のせん断補強部2を上側連結部3で連結したものを単独で架台として用いても良い。この場合、せん断補強部2の下端部には定着機構を別途設ける。
【0043】
その定着機構は、図8(a)の配筋用架台1bに示すように鉄筋の端部を折り曲げて定着部4と下側連結部5を形成したものでもよいし、図8(b)の配筋用架台1cに示すように、せん断補強部2の下端部に定着板30を取り付けて自立性を高め、施工や保管等を容易としたものでもよい。図8(a)の例では、両せん断補強部2の下端部と定着部4を連結する下側連結部5が、上側連結部3と平面視で直交する方向において互いに反対側に延びており、自立性の高い構成となっている。
【0044】
また、せん断補強部2によって前記の配置間隔sw、sdが満たされない場合は、例えば図9に示すように、追加のせん断補強筋9を配置することで、せん断補強部2と追加のせん断補強筋9とで前記の配置間隔sw、sdを満たすようにしてもよい。追加のせん断補強筋9は、配筋用架台(図9の例では配筋用架台1b)と異なる強度の材料、例えばSD295やSD345などの通常強度の鉄筋を用いても良い。せん断補強筋9は配筋用架台よりも安価であるため、使用する配筋用架台とせん断補強筋9の数量を適切に設定することで、施工費を最小化することができる。
【0045】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0046】
1、1a、1a’、1b、1c:配筋用架台
2:せん断補強部
3:上側連結部
4:定着部
5:下側連結部
6:配力筋
7:主筋
9:せん断補強筋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9