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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175468
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】シートバック
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/66 20060101AFI20241211BHJP
   A47C 7/46 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B60N2/66
A47C7/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093270
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山口 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】橋本 健司
(72)【発明者】
【氏名】川原 貴裕
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084HA04
3B087BD05
(57)【要約】
【課題】 十分な支持力を発揮させることが可能なランバーサポート装置が搭載されたシートバックの一例を開示する。
【解決手段】 ランバーサポート装置7は、受圧板12がサポート位置にあるときには、連結部11Cで当該受圧板12が屈曲してシート前方側に向けて凸となる。これにより、円弧状に湾曲した従来に比べて、十分な支持力を発揮させることが可能となり得る。なお、受圧板12は、第1受圧部11A、第2受圧部11B及び連結部11Cが一体化されたものが望ましい
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着席者の背部を支持するシートバックにおいて、
着席者の腰部を支持する第1受圧部、及び当該第1受圧部の上方に連結されて当該第1受圧部と協働して着席者の背部を支持する第2受圧部を有する受圧部材と、
前記受圧部材が着席者側に位置するサポート位置と前記受圧部材が当該サポート位置に比べて背面側に位置する非サポート位置との間で当該受圧部材を変位させる駆動機構とを備え、
前記受圧部材が前記サポート位置にあるときには、前記第1受圧部と前記第2受圧部との連結部で当該受圧部材が屈曲してシート前方側に向けて凸となるシートバック。
【請求項2】
前記受圧部材は、前記第1受圧部、前記第2受圧部及び前記連結部が一体化された受圧板を有して構成されており、
さらに、前記連結部は、前記第1受圧部及び前記第2受圧部に比べて曲げ剛性が小さい弾性変形可能な部位である請求項1に記載のシートバック。
【請求項3】
前記受圧板の上下方向一端側を回転可能に支持する支持部材を備え、
前記受圧板のうち前記支持部材によって回転可能に支持された部位を回転中心部とし、前記受圧板の上下方向他端を回転端とし、前記回転中心部から前記回転端まで距離を受圧板長さとしたとき、
前記受圧板が前記サポート位置にあるときの前記回転端の位置は、前記受圧板が前記非サポート位置にあるときの前記回転端の位置に比べて着席者側に位置し、かつ、
前記受圧板が前記サポート位置にあるときの前記受圧板長さは、前記受圧板が前記非サポート位置にあるときの前記受圧板長さに比べて小さい請求項2に記載のシートバック。
【請求項4】
前記駆動機構は、
一端側が前記受圧板に回転可能に連結され、他端側が前記支持部材に回転可能に連結された回転アームであって、当該一端側が前記受圧板のうち前記連結部より前記回転端側の部位に連結されている回転アーム、及び
前記回転アームを前記支持部材との連結箇所を中心として回転させるアクチュエータを有して構成され、
前記回転アームと前記受圧板との連結部位から前記回転中心部まで距離をアーム端半径とし、前記回転アームと前記支持部材との連結部位から前記回転中心部まで距離を中心端半径としたとき、
前記受圧板が前記サポート位置にあるときの前記アーム端半径と前記中心端半径と差は、前記受圧板が前記非サポート位置にあるときの前記アーム端半径と前記中心端半径と差に比べて小さい請求項3に記載のシートバック。
【請求項5】
前記受圧板が前記非サポート位置から前記サポート位置に変位する際に、当該受圧板をシート前方側に向けて凸となるように屈曲させる屈曲規制部を備える請求項4に記載のシートバック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、所謂「ランバーサポート」機能を備えるシートバックに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のランバーサポート装置は、受圧板を円弧状に湾曲させて着席者の腰部を押圧するように支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許第10135122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のランバーサポート装置は、受圧板を円弧状に湾曲させる構成であるので、十分な支持力を発揮させることが難しい。本開示は、当該点に鑑みたシートバックの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
着席者の背部を支持するシートバックは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、着席者の腰部を支持する第1受圧部(11A)、及び当該第1受圧部(11A)の上方に連結されて当該第1受圧部(11A)と協働して着席者の背部を支持する第2受圧部(11B)を有する受圧部材(11)と、受圧部材(11)が着席者側に位置するサポート位置と受圧部材(11)が当該サポート位置に比べて背面側に位置する非サポート位置との間で当該受圧部材(11)を変位させる駆動機構(13)とを備え、受圧部材(11)がサポート位置にあるときには、第1受圧部(11A)と第2受圧部(11B)との連結部(11C)で当該受圧部材(11)が屈曲してシート前方側に向けて凸となることが望ましい。
【0006】
これにより、当該シートバックでは、受圧部材(11)がサポート位置にあるときには、第1受圧部(11A)と第2受圧部(11B)との連結部(11C)で当該受圧部材(11)が屈曲してシート前方側に向けて凸となるので、円弧状に湾曲した従来に比べて、十分な支持力を発揮させることが可能となり得る。
【0007】
なお、当該シートバックは、例えば、以下の構成であってもよい。
すなわち、受圧部材(11)は、第1受圧部(11A)、第2受圧部(11B)及び連結部(11C)が一体化された受圧板(12)を有して構成されており、さらに、連結部(11C)は、第1受圧部(11A)及び第2受圧部(11B)に比べて曲げ剛性が小さい弾性変形可能な部位であることが望ましい。
【0008】
また、受圧板(12)の上下方向一端側を回転可能に支持する支持部材(9)を備え、受圧板(12)のうち支持部材(9)によって回転可能に支持された部位を回転中心部(O1)とし、受圧板(12)の上下方向他端を回転端(P1)とし、回転中心部(O1)から回転端(P1)まで距離を受圧板長さ(Lo)としたとき、受圧板(12)がサポート位置にあるときの回転端(P1)の位置は、受圧板(12)が非サポート位置にあるときの回転端(P1)の位置に比べて着席者側に位置し、かつ、受圧板(12)がサポート位置にあるときの受圧板長さ(Lo)は、受圧板(12)が非サポート位置にあるときの受圧板長さ(Lo)に比べて小さいことが望ましい。
【0009】
また、駆動機構(13)は、一端側が受圧板(12)に回転可能に連結され、他端側が支持部材(9)に回転可能に連結された回転アーム(13A)であって、当該一端側が受圧板(12)のうち連結部(11C)より回転端(P1)側の部位に連結されている回転アーム(13A)、及び回転アーム(13A)を支持部材(9)との連結箇所を中心として回転させるアクチュエータ(13B)を有して構成され、回転アーム(13A)と受圧板(12)との連結部位(P2)から回転中心部(O1)まで距離をアーム端半径(R1)とし、回転アーム(13A)と支持部材(9)との連結部位(P3)から回転中心部(O1)まで距離を中心端半径(R2)としたとき、受圧板(12)がサポート位置にあるときのアーム端半径(R1)と中心端半径(R2)と差は、受圧板(12)が非サポート位置にあるときのアーム端半径(R1)と中心端半径(R2)と差に比べて小さいことが望ましい。
【0010】
さらに、受圧板(12)が非サポート位置からサポート位置に変位する際に、当該受圧板(12)をシート前方側に向けて凸となるように屈曲させる屈曲規制部(14)を備えることが望ましい。
【0011】
これにより、受圧板(12)を確実にシート前方側に向けて凸となるように屈曲させることが可能となり得る。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る乗物用シートを示す図である。
図2】第1実施形態に係るランバーサポート装置の分解図である。
図3】第1実施形態に係る受圧板を示す図である。
図4】非サポート位置にある受圧板を示す図である。
図5】サポート位置にある受圧板を示す図である。
図6】第2実施形態に係るランバーサポート装置の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0014】
本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート(以下、乗物用シートという。)に本開示に係るシートバックが適用された例である。各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び部材又は部位の形状等を理解し易くするために記載されたものである。
【0015】
したがって、当該シートバックは、各図に付された方向に限定されない。各図に示された方向は、本実施形態に係る乗物用シートが車両に組み付けられた状態における方向である。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示さない。
【0016】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたシートバックは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位のうち少なくとも1つを備える。
【0017】
(第1実施形態)
<1.乗物用シートの概要>
乗物用シート1は、図1に示されるように、シートクッション3及びシートバック5等を少なくとも備える。シートクッション3は着席者の臀部を支持するための部位である。シートバック5は着席者の背部を支持するための部位である。
【0018】
シートバック5には、ランバーサポート装置7が設けられている。ランバーサポート装置7は、着席者の腰部を支持するための装置であって、サポート状態と非サポート状態とを切替可能な装置である。
【0019】
サポート状態とは、着席者の腰部を押圧するようにして当該腰部を支持するための状態である。非サポート状態とは、サポート状態が解除された状態である。このため、非サポート状態では、ランバーサポート装置7は、着席者の腰部を積極的に押圧しない。
【0020】
<2.ランバーサポート装置の詳細>
ランバーサポート装置7は、図2に示されるように、フレーム9、受圧部材11及び駆動機構13等を少なくとも備える。フレーム9は、シートバック5の骨格の一部を構成する部材である。本実施形態に係るフレーム9は、ワイヤー状の鋼材により構成されている。
【0021】
<2.1 受圧部材(受圧板)>
受圧部材11は、着席者の背部から荷重を受ける部分である。具体的には、当該受圧部材11は、第1受圧部11A、第2受圧部11B及び連結部11Cが一体化された受圧板12を有して構成されている。
【0022】
第1受圧部11Aは、着席者の腰部を支持する板状の部位である。第2受圧部11Bは、第1受圧部11Aの上方に連結されて当該第1受圧部11Aと協働して着席者の背部を支持する板状の部位である。
【0023】
連結部11Cは、第1受圧部11Aと第2受圧部11Bとを連結する部位である。なお、本実施形態では、第1受圧部11A、第2受圧部11B及び連結部11Cは、一枚の樹脂板にて構成されている。
【0024】
そして、第2受圧部11Bの裏面側には、図3に示されるように、当該裏面から突出したフランジ11Dが設けられている。フランジ11Dは、第2受圧部11Bの曲げ剛性を第1受圧部11Aより大きくするための補強部である。
【0025】
具体的には、フランジ11Dは、第2受圧部11Bの裏面から突出した複数の壁状の部位である。これにより、第2受圧部11Bの曲げ剛性は、フランジ11D等が設けられていない第1受圧部11A及び連結部11Cに比べて大きくなる。
【0026】
なお、曲げ剛性とは、シート幅方向(紙面左右方向)と平行な軸線周りの曲げ剛性をいう。受圧部材11、つまり受圧板12の上下方向一端側(本実施形態では、上端側)には、フック状のヒンジ12Aが少なくとも1つ(本実施形態では、複数)設けられている。
【0027】
フレーム9には、図2に示されるように、ヒンジ12Aと同数の軸部9Aが設けられている。各軸部9Aは、対応するヒンジ12Aが回転可能に係止される丸棒又は円筒の部位であって、軸線方向がシート幅方向と平行な部位である。なお、軸部9Aは、フレーム9に固定された樹脂製のブロック9Bに設けられている。
【0028】
そして、各ヒンジ12Aが各軸部9Aに係止された状態では、受圧板12の上端側が軸部9Aを介してフレーム9に回転可能に支持された構成となる。なお、本実施形態では、各ヒンジ12Aは、上方側が開口した略U字状である。
【0029】
各軸部9Aは、各ヒンジ12Aの上方側開口から当該ヒンジ12Aに嵌り込んでいる。このとき、受圧板12の下方側が回転アーム13A(図4参照)により支持されているため、各ヒンジ12Aが各軸部9Aから抜け落ちることはない。
【0030】
<2.2 駆動機構>
駆動機構13は、受圧板12をサポート位置(図5参照)と非サポート位置(図4参照)との間で変形・変位させるための機構である。サポート位置とは、受圧板12が非サポート位置に比べて着席者側に位置し、当該受圧板12がサポート状態となる位置である。
【0031】
非サポート位置とは、受圧板12がサポート位置に比べて背面側に位置し、当該受圧板12が非サポート状態となる位置である。そして、サポート位置にある受圧板12は、連結部11Cで屈曲してシート前方側に向けて凸となって屈曲した状態となる(図5参照)。
【0032】
すなわち、第2受圧部11Bは、複数のフランジ11Dが設けられているため、第1受圧部11A及び連結部11Cより曲げ剛性が大きい。第1受圧部11Aには、図3に示されるように、ヒンジ12Aが設けられているため、連結部11Cより曲げ剛性が大きい。
【0033】
したがって、連結部11Cは、第1受圧部11A及び第2受圧部11Bに比べて曲げ剛性が小さい弾性変形可能な部位となる。このため、受圧板12を上下方向に圧縮させるような力が当該受圧板12に作用すると、受圧板12は、連結部11Cにて座屈変形する。
【0034】
つまり、受圧板12がサポート位置にあるときには、当該受圧板12は、連結部11Cにて屈曲した状態となる。このため、受圧板12がサポート位置にあるときの受圧板長さLo(図5参照)は、受圧板12が前記非サポート位置にあるときの受圧板長さLo(図4参照)に比べて小さくなる。
【0035】
なお、受圧板長さLoとは、回転中心部O1から受圧板12の回転端P1まで距離をいう。回転中心部O1とは、受圧板12のうちフレーム9に回転可能に支持された部位、つまり軸部9Aの中心軸線をいう。
【0036】
受圧板12の回転端P1とは、当該受圧板12のうち上下方向において、回転中心部O1と反対側の端(本実施形態では、受圧板12の下端)をいう。そして、サポート状態時における回転端P1の位置は、非サポート状態時における回転端P1の位置に比べて着席者側、つまりシート前方側に位置する。
【0037】
そして、駆動機構13は、図4に示されるように、回転アーム13A及びアクチュエータ13B等を少なくとも有して構成されている。
回転アーム13Aは、一端側が受圧板12に回転可能に連結され、他端側がフレーム9に回転可能に連結された部材である。なお、本実施形態では、上記一端側は、下端側となり、上記他端側は、上端側となる。
【0038】
当該回転アーム13Aと受圧板12との連結箇所は、連結部11Cより回転端P1側に位置する(図5参照)。なお、回転アーム13Aとフレーム9との連結箇所は、連結部11Cと回転端P1との間に位置する。つまり、回転アーム13Aの上端は、連結部11Cより低く、かつ、受圧板12の下端より高い部位に位置する。
【0039】
そして、受圧板12がサポート位置にあるときのアーム端半径R1(図5参照))と中心端半径R2(図5参照)と差は、受圧板12が非サポート位置にあるときのアーム端半径R1と中心端半径R2と差に比べて小さくなっている。
【0040】
なお、アーム端半径R1とは、回転アーム13Aと受圧板12との連結部位P2から回転中心部O1まで距離をいう。中心端半径R2とは、回転アーム13Aとフレーム9との連結部位P3から回転中心部O1まで距離をいう。
【0041】
アクチュエータ13Bは、回転アーム13Aをフレーム9との連結箇所P3を中心として回転させる機構である。具体的には、図4に示されるように、スライダーカム13C及びモータ13D等を有して構成されている。
【0042】
スライダーカム13Cは、回転アーム13Aに滑り接触しながら上下方向にスライド変位する部材である。モータ13Dは、ネジの原理を利用してスライダーカム13Cをスライド変位させる。
【0043】
スライダーカム13Cが連結箇所P3側に変位すると、回転アーム13Aの下端側が着席者側、つまりシート前方側に変位する(図5参照)。スライダーカム13Cが下方側に変位すると、回転アーム13Aの下端側がシート後方側に変位する(図4参照)。
【0044】
そして、回転アーム13Aの下端側がシート前方側に回転するとき、当該回転アーム13Aは、受圧板12を上下方向に圧縮させるような力を当該受圧板12に作用させる。したがって、この回転アーム13Aの回転により、受圧板12が座屈するように屈曲する。
【0045】
<3.本実施形態に係る乗物用シート(特、ランバーサポート装置)の特徴>
本実施形態に係るランバーサポート装置7は、受圧板12がサポート位置にあるときには、連結部11Cで当該受圧板12が屈曲してシート前方側に向けて凸となるので、円弧状に湾曲した従来に比べて、十分な支持力を発揮させることが可能となり得る。
【0046】
(第2実施形態)
本実施形態は、図6に示されるように、屈曲規制部14が設けられたものである。屈曲規制部14は、受圧板12が非サポート位置からサポート位置に変位する際に、当該受圧板12を確実にシート前方側に向けて凸となるように屈曲させるための部材である。
【0047】
換言すれば、屈曲規制部14は、受圧板12が非サポート位置からサポート位置に変位する際に、当該受圧板12がシート後方側に向けて凸となるように屈曲すること規制する。
すなわち、仮に、受圧板12がシート後方側に向けて凸となるように屈曲すると、当該受圧板12が屈曲規制部14に接触するため、受圧板12がシート後方側に向けて凸となるように屈曲することが防止される。
【0048】
なお、本実施形態は、例えば、以下の構成であってもよい。
すなわち、当該構成は、受圧板12に設けられ、軸部9Aに接触可能な当接部であって、屈曲規制部を構成する当接部を備え、当接部は、受圧板12が非サポート位置にあるときには、軸部9Aから離間し、さらに、当接部は、受圧板12が非サポート位置からサポート位置に変位する途中で軸部9Aに接触する構成である。
【0049】
そして、当該構成においては、軸部9Aの中心軸線及び回転アーム13Aと受圧板12との連結部位(P2)における回転中心軸線に直交する仮想線を中心垂線としたとき、当接部と軸部9Aとの接触箇所は、当該中心垂線に対して受圧板12側に位置することが望ましい。
【0050】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1受圧部11A、第2受圧部11B及び連結部11Cが一体化された受圧板12を有して構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1受圧部11Aと第2受圧部11Bとが別部材で構成され、ヒンジにて連結部11Cが構成された構成であってもよい。
【0051】
上述の実施形態に係る第2受圧部11Bの裏面には、複数のフランジ11Dが設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第2受圧部11Bの厚み寸法が第1受圧部11Aの厚み寸法より大きい構成であってもよい。
【0052】
上述の実施形態に係るアクチュエータ13Bは、ネジの原理を利用してスライダーカム13Cをスライド変位させて回転アーム13Aを回転させる構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、リンク機構を利用して回転アーム13Aを回転させる構成であってもよい。
【0053】
上述の実施形態では、受圧板12の上端側がフレーム9に回転可能に連結されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、受圧板12の下端側がフレーム9に回転可能に連結された構成であってもよい。
【0054】
上述の実施形態に係る駆動機構13は、回転アーム13A及びアクチュエータ13B等を有して構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、回転するカムを利用した駆動機構により、受圧板12を屈曲させてもよい。
【0055】
上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
【0056】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1… 乗物用シート 3…シートクッション 5… シートバック
7… ランバーサポート装置 9…フレーム 9A… 軸部
9B… ブロック 11…受圧部材 11A… 第1受圧部
11B… 第2受圧部 11C…連結部 11D… フランジ
12… 受圧板 12A…ヒンジ 13A… 回転アーム
13… 駆動機構 13C…スライダーカム 13D… モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6