(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175469
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】ヒータ付きシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/56 20060101AFI20241211BHJP
A47C 7/74 20060101ALI20241211BHJP
H05B 3/20 20060101ALI20241211BHJP
H05B 3/34 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B60N2/56
A47C7/74 B
H05B3/20 350
H05B3/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093271
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】安藤 昌也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓也
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3K034
【Fターム(参考)】
3B084JA06
3B084JF02
3B087DE09
3K034AA02
3K034AA06
3K034AA15
3K034AA25
3K034BA10
3K034BB10
3K034HA04
(57)【要約】
【課題】 凹部にて電気ヒータに断線が発生することを抑制可能なヒータ付きシートの一例を開示する。
【解決手段】 接続部材12は、第1電気ヒータ10A及び第2電気ヒータ10Bのうち少なくとも一方との電気的接続部B1、B2において、第1電気ヒータ10A及び第2電気ヒータ10Bそれぞれに摺動可能に接触している。これにより、当該接続構造では、凹部5Aにて第1電気ヒータ10Aと第2電気ヒータ10Bとは分断され、接続部材12を介して第1電気ヒータ10Aと第2電気ヒータ10Bとが電気的に接続されている。したがって、当該接続構造では、着席者の体重によりクッションパッド5が圧縮変形したときに電気ヒータが凹部5A内で局所的に大きく折れ曲がる、といった状態が発生しない。延いては、凹部5Aにて電気ヒータに断線が発生することが抑制され得る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性的に変形可能なパッドであって、表面から裏面側に陥没した凹部が設けられたパッドと、
前記パッドの表面を覆うカバーと、
前記パッドと前記カバーとの間に配置された第1電気ヒータであって、前記凹部の一方側に配置された第1電気ヒータと、
前記パッドと前記カバーとの間に配置された第2電気ヒータであって、前記凹部の他方側に配置された第2電気ヒータと
前記第1電気ヒータと前記第2電気ヒータとを電気的に接続する接続部材であって、当該第1電気ヒータ及び当該第2電気ヒータのうち少なくとも一方との電気的接続部において摺動可能に接触している接続部材と
を備えるヒータ付きシート。
【請求項2】
前記電気的接続部に対応する部位において前記パッドが当該電気的接続部に及ぼす弾性力による押圧力は、当該電気的接続部以外の部位において前記パッドが及ぼす弾性力による押圧力より大きい請求項1に記載のヒータ付きシート。
【請求項3】
前記カバーが取り外され、かつ、前記パッドに外力が作用していない状態において、
前記パッドのうち前記電気的接続部に対応する部位における当該パッドの肉厚寸法は、当該電気的接続部以外の部位における前記パッドの肉厚寸法より大きい請求項2に記載のヒータ付きシート。
【請求項4】
前記パッドの表面のうち前記凹部の上端角部は、他の部位に比べて盛り上がっている請求項3に記載のヒータ付きシート。
【請求項5】
前記接続部材は、金属箔にて構成されているとともに、前記カバーの裏面に貼付されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のヒータ付きシート。
【請求項6】
前記カバーを前記パッドに対して固定するための係止アンカーであって、前記凹部に挿入されて当該パッドに埋設された被係止部に係止される係止アンカーを備え、
前記接続部材は、前記係止アンカーと共に前記カバーの継ぎ目に縫い付けられている請求項5に記載のヒータ付きシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気ヒータを備えるヒータ付きシートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のヒータ付きシートでは、ヒータ線が固定された基材が折り曲げられた状態で、パッドに設けられた凹部状の溝部に挿入されている(特許文献1の
図9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のヒータ付きシートでは、ヒータ線が固定された基材が折り曲げられた状態で凹部に挿入されているので、着席者の体重によりパッドが圧縮変形したときに、ヒータ線が凹部内で局所的に大きく折れ曲がる可能性がある。そして、当該大きな折れ曲がりが発生すると、ヒータ線が早期に断線してしまうおそれがある。
【0005】
本開示は、上記点に鑑み、凹部にて電気ヒータに断線が発生することを抑制可能なヒータ付きシートの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ヒータ付きシートは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、弾性的に変形可能なパッド(5)であって、表面から裏面側に陥没した凹部(5A)が設けられたパッド(5)と、パッド(5)の表面を覆うカバー(7)と、パッド(5)とカバー(7)との間に配置された第1電気ヒータ(10A)であって、凹部(5A)の一方側に配置された第1電気ヒータ(10A)と、パッド(5)とカバー(7)との間に配置された第2電気ヒータ(10B)であって、凹部(5A)の他方側に配置された第2電気ヒータ(10B)と第1電気ヒータ(10A)と第2電気ヒータ(10B)とを電気的に接続する接続部材(12)であって、当該第1電気ヒータ(10A)及び当該第2電気ヒータ(10B)のうち少なくとも一方との電気的接続部(B1、B2)において摺動可能に接触している接続部材(12)とである。
【0007】
これにより、当該ヒータ付きシートでは、凹部(5A)にて第1電気ヒータ(10A)と第2電気ヒータ(10B)とは分断され、接続部材(12)を介して第1電気ヒータ(10A)と第2電気ヒータ(10B)とが電気的に接続された構成となる。
【0008】
そして、第1電気ヒータ(10A)及び当該第2電気ヒータ(10B)のうち少なくとも一方と接続部材(12)との電気的接続部(B1、B2)において、接続部材(12)は、当該一方の電気ヒータと摺動可能に接触している。
【0009】
したがって、当該ヒータ付きシートでは、着席者の体重によりパッド(5)が圧縮変形したときに電気ヒータが凹部(5A)内で局所的に大きく折れ曲がる、といった状態が発生しない。延いては、凹部(5A)にて電気ヒータに断線が発生することが抑制され得る。
【0010】
なお、当該ヒータ付きシートは、例えば、以下の構成であってもよい。
すなわち、電気的接続部(B1、B2)に対応する部位においてパッド(5)が当該電気的接続部(B1、B2)に及ぼす弾性力による押圧力は、当該電気的接続部(B1、B2)以外の部位においてパッド(5)が及ぼす弾性力による押圧力より大きいことが望ましい。これにより、電気的接続部(B1、B2)において、電気ヒータ()と接続部材(12)との接触圧力が高くなるので、電気ヒータ()と接続部材(12)との導通が確実に確保され得る。
【0011】
なお、上記の構成においては、カバー(7)が取り外され、かつ、パッド(5)に外力が作用していない状態において、パッド(5)のうち電気的接続部(B1、B2)に対応する部位における当該パッド(5)の肉厚寸法は、当該電気的接続部(B1、B2)以外の部位におけるパッド(5)の肉厚寸法より大きいことが望ましい。
【0012】
さらに、当該構成においては、パッド(5)の表面のうち凹部(5A)の上端角部(C3、C4)は、他の部位に比べて盛り上がっていることが望ましい。
なお、接続部材(12)は、金属箔にて構成されているとともに、カバー(7)の裏面に貼付されていることが望ましい。
【0013】
さらに、カバー(7)をパッド(5)に対して固定するための係止アンカー(13)であって、凹部(5A)に挿入されて当該パッド(5)に埋設された被係止部(13A)に係止される係止アンカー(13)を備え、接続部材(12)は、係止アンカー(13)と共にカバー(7)の継ぎ目に縫い付けられていることが望ましい。
【0014】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係るシートクッションを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るシートクッションの分解図である。
【
図3】第1実施形態に係るヒータシートを示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る接続構造を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る接続構造を示す図である。
【
図6】A及びBは、第1実施形態に係る接続構造の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0017】
本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート(以下、乗物用シートという。)に本開示に係るヒータ付きシートが適用された例である。各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び部材又は部位の形状等を理解し易くするために記載されたものである。
【0018】
したがって、当該ヒータ付きシートは、各図に付された方向に限定されない。各図に示された方向は、本実施形態に係る乗物用シートが車両に組み付けられた状態における方向である。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示さない。
【0019】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。本開示に示されたヒータ付きシートは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位のうち少なくとも1つを備える。
【0020】
(第1実施形態)
<1.乗物用シートの概要>
乗物用シート1は、
図1に示されるように、少なくともシートクッション3を備える。シートクッション3は、臀部等の着席者の下半身を支持するための部位である。当該シートクッション3は、
図2に示されるように、クッションパッド5、クッションカバー7及びヒータシート9等を少なくとも備えて構成されている。
【0021】
クッションパッド5は、発泡ウレタン等の弾性的に変形可能な材質にて構成された弾性体である。クッションパッド5には、
図4に示されるように、凹部5Aが少なくとも1つ設けられている。
【0022】
各凹部5Aは、表面(本実施形態では、クッションパッド5の上面)から裏面側に陥没した部位である。なお、本実施形態では、
図2に示されるように、2つの凹部5Aが設けられ、かつ、それら凹部5Aは、シート幅方向に延びる溝状の部位である。
【0023】
クッションカバー7は、クッションパッド5の表面を覆う部材である。ヒータシート9は、電力を利用して発熱する薄板状の部材である。当該ヒータシート9は、クッションパッド5とクッションカバー7との間に配置されている。
【0024】
<2.ヒータシート等の詳細>
<2.1 ヒータシート>
ヒータシート9は、
図3に示されるように、電気ヒータ10及び複数のシート材11等を有して構成されている。各シート材11は、可撓性を有する薄い板状の部材である。電気ヒータ10は、通電されることにより発熱する発熱体である。当該電気ヒータ10は、線状のヒータ線により構成されているとともに、シート材11に縫い付けられている。
【0025】
以下、電気ヒータ10のうち第1のシート材11Aに配置されたヒータ線を第1電気ヒータ10Aという。電気ヒータ10のうち第2のシート材11Bに配置されたヒータ線を第2電気ヒータ10Bという。電気ヒータ10のうち第3のシート材11Cに配置されたヒータ線を第3電気ヒータ10Cという。
【0026】
そして、第1のシート材11Aと第2のシート材11Bとの分断箇所、及び第2のシート材11Bと第3のシート材11Cとの分断箇所は、
図1に示されるように、2つの凹部5Aそれぞれに対応する部位に位置する。
【0027】
つまり、第1電気ヒータ10Aは、
図4に示されるように、凹部5Aの一方側に配置され、第2電気ヒータ10Bは、凹部5Aの他方側に配置された構成となる。同様に、第2電気ヒータ10Bは、凹部5Aの一方側に配置され、第3電気ヒータ10Cは、凹部5Aの他方側に配置された構成となる。
【0028】
第1電気ヒータ10Aと第2電気ヒータ10Bとは、直接的に接続されておらず、
図4に示されるように、接続部材12を介して電気的に接続されている。なお、第2電気ヒータ10Bと第3電気ヒータ10Cとの接続構造は、第1電気ヒータ10Aと第2電気ヒータ10Bとの接続構造と同じである。
【0029】
本実施形態では、各電気ヒータ10A~10Cは、
図1に示されるように、4箇所にて接続部材12を介して電気的に接続されている。以下の説明は、接続構造A1に関する説明である。接続構造A2~A4は、接続構造A1と同じであるので、接続構造A2~A4の説明は、省略されている。
【0030】
<2.2 接続構造の詳細>
図4に示されるように、電気的接続部B1及び電気的接続部B2のうち少なくとも一方の電気的接続部において、接続部材12は、電気ヒータ10に対して滑り接触(以下、摺動という。)可能に接触している。
【0031】
なお、電気的接続部B1とは、接続部材12と第1電気ヒータ10Aとの接触部分である。電気的接続部B2とは、接続部材12と第2電気ヒータ10Bとの接触部分である。当該接触部分により電気的に接続されている。
【0032】
本実施形態では、電気的接続部B1、B2のいずれにおいても電気ヒータ10は、接続部材12に対して摺動可能である。つまり、第1電気ヒータ10Aは、電気的接続部B1において、接続部材12に摺動可能に接触している。
【0033】
第2電気ヒータ10Bは、電気的接続部B2において、接続部材12に摺動可能に接触している。なお、接続部材12は、アルミニウム箔等の金属箔にて構成されているとともに、クッションカバー7の裏面に貼付されている。
【0034】
本実施形態に係るクッションパッド5は、第1圧力P1が第2圧力P2より大きくなるように構成されている。第1圧力P1とは、部位C1、C2において、当該クッションパッド5が電気的接続部B1、B2に及ぼす弾性力による押圧力をいう。
【0035】
第2圧力P2とは、部位C1、C2以外の部位において、クッションパッド5が当該部位に及ぼす弾性力による押圧力をいう。部位C1、C2とは、クッションパッド5のうち電気的接続部B1、B2に対応する部位をいう。
【0036】
具体的には、
図5に示されるように、押圧部C3、C4におけるクッションパッド5の肉厚寸法が、当該押圧部C3、C4以外の部位におけるクッションパッド5の肉厚寸法より大きくなっている。より具体的には、クッションパッド5の表面のうち凹部5Aの上端角部、つまり押圧部C3、C4は、他の部位に比べて盛り上がっている。
【0037】
押圧部C3、C4とは、部位C1、C2の少なくとも一部をいう。なお、
図5は、クッションカバー7が取り外され、かつ、クッションパッド5に外力が作用していない状態を示している。つまり、
図5は、クッションカバー7が装着されていない状態のクッションパッド5が示されている。
【0038】
クッションカバー7には、
図4に示されるように、係止アンカー13が設けられている。係止アンカー13は、クッションカバー7をクッションパッド5に対して固定するための部材である。クッションパッド5のうち凹部5Aの底部は、被係止部13Aが埋設されている。
【0039】
被係止部13Aは、係止アンカー13が係止される部材である。当該被係止部13Aは、クッションパッド5の成形時に、インサート成形法のごとく、クッションパッド5内に埋設されて当該クッションパッド5と一体化されている。
【0040】
<2.3 接続構造の製造方法>
本実施形態に係るクッションカバー7は、
図4に示されるように、複数のカバー材7A、7Bが凹部5Aに対応する部位に縫い合わされている。そして、接続部材12は、貼付された後、係止アンカー13と共にクッションカバー7の継ぎ目に縫い付けられている。
【0041】
具体的には、
図6Aに示されるように、カバー材7Aの表面とカバー材7Bの表面とが接触した状態でカバー材7A、7Bが縫い合わされた後、カバー材7Aの裏面とカバー材7Bの裏面とを繋ぐように接続部材12が貼付される。
【0042】
次に、
図6Aに示された状態のクッションカバー7に係止アンカー13が縫い付けられる。このとき、係止アンカー13は、
図6Bに示されるように、クッションカバー7の継ぎ目、つまりカバー材7A、7Bが縫い合わされた部位に縫い付けられる。このため、接続部材12もクッションカバー7に縫い付けられる。
【0043】
その後、
図6Bに示される状態のクッションカバー7が表裏反転されると、
図2に示されるクッションカバー7が完成する。次に、ヒータシート9が載置されたクッションパッド5にクッションカバー7が被せられる。
【0044】
<3.本実施形態に係る乗物用シート(特に、接続構造)の特徴>
接続部材12は、第1電気ヒータ10A及び第2電気ヒータ10Bとの電気的接続部B1、B2において、第1電気ヒータ10A及び第2電気ヒータ10Bそれぞれに摺動可能に接触している。
【0045】
これにより、当該接続構造では、凹部5Aにて第1電気ヒータ10Aと第2電気ヒータ10Bとは分断され、接続部材12を介して第1電気ヒータ10Aと第2電気ヒータ10Bとが電気的に接続された構成となる。
【0046】
そして、第1電気ヒータ10A及び第2電気ヒータ10Bは、電気的接続部B1、B2において、接続部材12と摺動可能に接触している。このため、第1電気ヒータ10A及び第2電気ヒータ10Bは、電気的接続部B1、B2において、接続部材12及びクッションパッド5に対して変位できる。
【0047】
したがって、当該接続構造では、着席者の体重によりクッションパッド5が圧縮変形したときに、電気ヒータが凹部5A内で局所的に大きく折れ曲がる、といった状態が発生しない。延いては、凹部5Aにて電気ヒータ10に断線が発生することが抑制され得る。
【0048】
当該接続構造では、第1圧力P1が第2圧力P2より大きい。これにより、電気的接続部B1、B2において、電気ヒータ10と接続部材12との接触圧力が高くなるので、電気ヒータと接続部材12との導通が確実に確保され得る。
【0049】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、電気的接続部B1、B2のいずれにおいても電気ヒータ10は、接続部材12に対して摺動可能であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、電気ヒータ10が電気的接続部B1又は電気的接続部B2に対して摺動可能な構成であってもよい。
【0050】
上述の実施形態に係るクッションパッド5は、第1圧力P1が第2圧力P2より大きくなるように構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1圧力P1と第2圧力P2とが同じであってもよい。
【0051】
上述の実施形態では、第1圧力P1が第2圧力P2より大きくするために、押圧部C3、C4は、他の部位に比べて盛り上がった構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、押圧部C3、C4の材質又は発泡率を他の部位と異なるものとして第1圧力P1が第2圧力P2より大きくしてもよい。
【0052】
上述の実施形態では、複数枚のカバー材7A、7Bが凹部5Aに対応する部位に縫い合わされ、かつ、接続部材12は、係止アンカー13と共にクッションカバー7の継ぎ目に縫い付けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0053】
上述の実施形態では、シートクッション3に電気ヒータ10が設けられた例であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、シートバックやオットマンに電気ヒータが設けられた構成にも適用可能である。
【0054】
上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
【0055】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1… 乗物用シート
3… シートクッション
5… クッションパッド
5A… 凹部
7… クッションカバー
9… ヒータシート
10… 電気ヒータ
10A… 第1電気ヒータ
10B… 第2電気ヒータ
12… 接続部材
13… 係止アンカー
13A… 被係止部