(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175477
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】車載用制御装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241211BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241211BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20241211BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20241211BHJP
【FI】
H02J7/00 X
H02J7/00 P
B60L50/60
B60L53/14
B60L58/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093287
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】元平 暉人
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503DA07
5G503DA08
5G503EA01
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BC23
5H125CC07
5H125CD02
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE30
5H125EE41
(57)【要約】
【課題】車載された蓄電装置を外部電源からの電力により充電している最中における充電に要する所要時間をより適正に表示する。
【解決手段】外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電している最中に、所定条件が成立しているときには蓄電装置の蓄電割合が満充電割合より低い所定蓄電割合になるまでに要する第1所要充電時間を表示装置に出力し、所定条件が成立していないときには蓄電装置の蓄電割合が満充電割合になるまでに要する第2所要充電時間を表示装置に出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載された蓄電装置の外部電源からの電力を用いた充電を制御をする車載用制御装置であって、
前記外部電源からの電力を用いて前記蓄電装置を充電している最中に、所定条件が成立しているときには前記蓄電装置の蓄電割合が満充電割合より低い所定蓄電割合になるまでに要する第1所要充電時間を表示装置に出力し、前記所定条件が成立していないときには前記蓄電装置の蓄電割合が満充電割合になるまでに要する第2所要充電時間を前記表示装置に出力する、
ことを特徴とする車載用制御装置。
【請求項2】
車載された蓄電装置の外部電源からの電力を用いた充電を制御をする車載用制御装置であって、
前記外部電源からの電力を用いて前記蓄電装置を充電している最中に所定条件が成立しているときには、前記蓄電装置の蓄電割合が満充電割合より低い所定蓄電割合になるまでに要する第1所要充電時間の表示装置への出力と、前記蓄電装置の蓄電割合が満充電割合になるまでに要する第2所要充電時間の前記表示装置への出力とを、所定時間毎またはユーザによる操作毎に切り替える、
ことを特徴とする車載用制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の車載用制御装置であって、
前記所定条件は、前記蓄電装置の蓄電割合が前記所定蓄電割合より低い第1条件である、
車載用制御装置。
【請求項4】
請求項3記載の車載用制御装置であって、 6
前記所定条件は、前記第1条件かつ外部直流電源からの直流電力による充電である第2条件である、
車載用制御装置。
【請求項5】
請求項1または2記載の車載用制御装置であって、
前記表示装置は、ユーザの携帯端末である、
車載用制御装置。
【請求項6】
請求項1または2記載の車載用制御装置であって、
前記所定蓄電割合は、前記満充電割合の70%~90%の範囲内の割合である、
車載用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載用制御装置に関し、詳しくは、車載された蓄電装置の外部電源からの電力を用いた充電を制御をする車載用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車載用制御装置としては、車載されたバッテリを急速充電している最中には満充電までに要する所要時間と満充電より低い所定充電状態までに要する所要時間とを車載された液晶表示パネルに表示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、満充電までの所要時間と所定充電状態までの所要時間とを液晶表示パネルに表示することにより、バッテリの充電時の充電状態をユーザが容易に確認できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の装置では、満充電までの所要時間と所定充電状態までの所要時間とを液晶表示パネルに表示するから、表示内容が簡素なものではないため、ユーザが見間違える場合が生じる。また、ユーザによっては、満充電までの所要時間か所定充電状態までの所要時間かのどちらか一方だけを表示させたい場合もある。
【0005】
本開示の車載用制御装置は、車載された蓄電装置を外部電源からの電力により充電している最中における充電に要する所要時間をより適正に表示することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車載用制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の第1の車載用制御装置は、
車載された蓄電装置の外部電源からの電力を用いた充電を制御をする車載用制御装置であって、
前記外部電源からの電力を用いて前記蓄電装置を充電している最中に、所定条件が成立しているときには前記蓄電装置の蓄電割合が満充電割合より低い所定蓄電割合になるまでに要する第1所要充電時間を表示装置に出力し、前記所定条件が成立していないときには前記蓄電装置の蓄電割合が満充電割合になるまでに要する第2所要充電時間を前記表示装置に出力する、
ことを特徴とする。
【0008】
この本開示の第1の車載用制御装置では、外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電している最中に、所定条件が成立しているときには蓄電装置の蓄電割合が満充電割合より低い所定蓄電割合になるまでに要する第1所要充電時間を表示装置に出力し、所定条件が成立していないときには蓄電装置の蓄電割合が満充電割合になるまでに要する第2所要充電時間を表示装置に出力する。これにより、充電中の表示装置での表示を簡素なものとすることができ、ユーザの見間違いを抑制することができる。この結果、充電している最中の充電に要する所要時間をより適正に表示することができる。ここで、所定条件としては、蓄電装置の蓄電割合が所定蓄電割合より低い条件としたり、この条件に加えて外部直流電源からの直流電力による充電である条件としたりすることができる。こうすれば、蓄電装置の蓄電割合が所定蓄電割合より低いときには蓄電装置の蓄電割合が所定蓄電割合になるまでに要する第1所要充電時間を表示装置に表示し、蓄電装置の蓄電割合が所定蓄電割合より大きくなると蓄電装置の蓄電割合が満充電割合になるまでに要する第2所要充電時間を表示装置に表示するものとなる。表示装置としては、車両のインストールパネルに組み込まれた液晶表示装置やナビゲーションシステムに組み込まれた表示装置の他、ユーザの携帯端末(スマートホンやタブレットなど)を挙げることができる。なお、所定蓄電割合としては、例えば満充電割合の70%~90%の範囲内の割合を用いることができる。
【0009】
本開示の第2の車載用制御装置は、
車載された蓄電装置の外部電源からの電力を用いた充電を制御をする車載用制御装置であって、
前記外部電源からの電力を用いて前記蓄電装置を充電している最中に所定条件が成立しているときには、前記蓄電装置の蓄電割合が満充電割合より低い所定蓄電割合になるまでに要する第1所要充電時間の表示装置への出力と、前記蓄電装置の蓄電割合が満充電割合になるまでに要する第2所要充電時間の前記表示装置への出力とを、所定時間毎またはユーザによる操作毎に切り替える、
ことを特徴とする。
【0010】
この本開示の第2の車載用制御装置では、外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電している最中に所定条件が成立しているときには、蓄電装置の蓄電割合が満充電割合より低い所定蓄電割合になるまでに要する第1所要充電時間の表示装置への出力と、蓄電装置の蓄電割合が満充電割合になるまでに要する第2所要充電時間の表示装置への出力とを、所定時間毎またはユーザによる操作毎に切り替える。このように、第1所要充電時間と第2所要充電時間とを所定時間毎に切り替えることにより、充電している最中の充電に要する所要時間をより適正に表示することができる。ここで、所定条件としては、蓄電装置の蓄電割合が所定蓄電割合より低い条件としたり、この条件に加えて外部直流電源からの直流電力による充電である条件としたりすることができる。こうすれば、蓄電装置の蓄電割合が所定蓄電割合より低いときには第1所要充電時間と第2所要充電時間とを切り替えて表示装置に表示し、蓄電装置の蓄電割合が所定蓄電割合より大きくなると第2所要充電時間を表示装置に表示するものとなる。表示装置としては、車両のインストールパネルに組み込まれた液晶表示装置やナビゲーションシステムに組み込まれた表示装置の他、ユーザの携帯端末(スマートホンやタブレットなど)を挙げることができる。なお、所定蓄電割合としては、例えば満充電割合の70%~90%の範囲内の割合を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態としての車載用制御装置を搭載する電動車20の構成の概略を示す構成図である。
【
図2】電子制御ユニット30により実行される充電時表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1所要充電時間の表示装置52への表示から第2所要充電時間の表示装置52への表示の切り替えの様子の一例を示す説明図である。
【
図4】変形例の充電時表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】変形例の充電時表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本開示の第1実施形態について説明する。
図1は、本開示の第1実施形態としての車載用制御装置を搭載する電動車20の構成の概略を示す構成図である。電動車20は、モータ22とインバータ23とバッテリ24と充放電回路38とコネクタ39と電子制御ユニット30とを備える。
【0013】
モータ22は、例えば同期発電電動機として構成されている。モータ22の回転子はデファレンシャルギヤ26を介して駆動輪28a,28bに連結された駆動軸25に接続されている。モータ22は、バッテリ24からの直流電力がインバータ23によって三相交流電力に変換され、インバータ23によって三相交流電力が印加されることにより駆動する。なお、バッテリ24は、周知のリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。
【0014】
充放電回路38は、一端がバッテリ24に接続された電力ラインに接続されており、他端が外部電源に接続されるコネクタ39に接続されている。充放電回路38は、図示しない充放電用リレーを有し、充放電用リレーによりバッテリ24への接続やその解除を行なうことができる。
【0015】
電子制御ユニット30は、図示しないがCPUを中心として構成されたマイクロコンピュータとして構成されている。電子制御ユニット30は、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力する。例えば、電子制御ユニット30は、イグニッションスイッチ42からのイグニッション信号や、シフトレバー43のポジションを検出するシフトポジションセンサ44からのシフトポジションSP、アクセルペダル45の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ46からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル47の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ48からのブレーキポジションBP、車速センサ49からの車速Vなどを入力する。また、電子制御ユニット30は、モータ22の回転位置を検出する回転位置センサ(図示せず)からの回転位置θや、バッテリ24の出力端子に取り付けられた電圧センサ(図示せず)からのバッテリ電圧Vb、バッテリ24の出力端子に取り付けられた電流センサ(図示せず)からのバッテリ電流Ib、充放電回路38に取り付けられた電圧センサからの充放電電圧Vchg,充放電回路38に取り付けられた電流センサからの充放電電流Ichgなどを入力する。さらに、電子制御ユニット30は、表示装置52の各種表示を切り替える切り替えスイッチ50からのスイッチ信号SWも入力する。
【0016】
電子制御ユニット30は、各種制御信号が出力ポートを介して出力する。例えば、電子制御ユニット30は、表示装置52への表示制御信号や、通信装置54への通信制御信号などを出力する。また、電子制御ユニット30は、モータ22を駆動するためのインバータ23へのスイッチング素子(図示せず)をスイッチングするためのスイッチング制御信号や、バッテリ24の近傍に取り付けられたシステムメインリレー(図示せず)への駆動制御信号、充放電回路38に取り付けられた充放電用リレー(図示せず)への駆動制御信号を出力する。電子制御ユニット30は、各種情報を表示したり経路案内を行なったりするナビゲーションシステム56と通信を行なっている。電子制御ユニット30には、コネクタ39に外部電源が接続されたときに外部電源側と通信するための信号線40が接続されている。
【0017】
電子制御ユニット30は、モータ22の回転位置を検出する回転位置センサ(図示せず)からの回転位置θに基づいてモータ22の回転数Nmを演算したり、バッテリ電圧Vbとバッテリ電流Ibに基づいてバッテリ24の蓄電割合SOCを演算したりしている。蓄電割合SOCは、バッテリ24の全容量に対する残存容量の割合である。
【0018】
次に、実施形態の電動車20の動作、特に、外部電源からの電力を用いてバッテリ24を充電している際の充電状態を表示する動作について説明する。なお、実施形態では、外部直流電源にコネクタ39を接続して外部直流電源から供給される直流電力によりバッテリ24を充電している最中において、充電に対する表示装置52への表示として説明する。
図2は、充電中に電子制御ユニット30により実行される充電時表示処理の一例を示すフローチャートである。この充電時表示処理は、バッテリ24の充電中に所定時間毎(例えば30秒や1分毎)に繰り返し実行される。
【0019】
充電時表示処理が実行されると電子制御ユニット30は、まず、バッテリ24の蓄電割合SOCを取得する(ステップS100)。蓄電割合SOCは、実施形態では、バッテリ電圧Vbとバッテリ電流Ibに基づいて演算されたものを入力することにより取得するものとした。次に、バッテリ24の蓄電割合SOCが満充電割合(100%)より低い所定蓄電割合S1未満であるか否かを判定する(ステップS110)。所定蓄電割合S1としては、例えば70%や80%、90%などを用いることができる。
【0020】
ステップS110でバッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1未満であると判定したときには、外部直流電源からの直流電力を用いた充電によりバッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1に至るまでに要する第1所要充電時間を取得する(ステップS120)。第1実施形態では、充電電圧(バッテリ電圧Vb)と第1所要充電時間との関係を予め実験や機械学習などにより求めて第1所要充電時間設定用マップとして記憶しておき、充電電圧が与えられるとマップから対応する第1所要充電時間を導出することにより取得するものとした。そして、取得した第1所要充電時間を表示装置52に表示出力して(ステップS130)。本処理を終了する。
【0021】
外部直流電源によるバッテリ24の充電が進んでバッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1以上になると、ステップS110では否定的判定がなされ、外部直流電源によるバッテリ24の充電が満充電割合(100%)に至るまでに要する第2所要充電時間を取得する(ステップS140)。第1実施形態では、充電電圧(バッテリ電圧Vb)と第2所要充電時間との関係を予め実験や機械学習などにより求めて第2所要充電時間設定用マップとして記憶しておき、充電電圧が与えられるとマップから対応する第2所要充電時間を導出することにより取得するものとした。そして、取得した第2所要充電時間を表示装置52に表示出力して(ステップS150)。本処理を終了する。
【0022】
図3は、第1所要充電時間の表示装置52への表示から第2所要充電時間の表示装置52への表示の切り替えの様子の一例を示す説明図である。
図3では、所定蓄電割合S1として80%を用いており、また、そのときのバッテリ24の蓄電割合SOCも画像として表示している。充電時表示処理では、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1未満であるときには、
図3の左側に示すように、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1(80%)に至るまでに要する第1所要充電時間(30分)を表示装置52に表示する。そして、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1(80%)以上に至ると、第1所要充電時間の表示装置52への表示に切り替えて、バッテリ24の蓄電割合SOCが満充電割合(100%)に至るまでに要する第2所要充電時間(1時間30分)を表示装置52に表示する。
【0023】
以上説明した第1実施形態の電動車20が搭載する電子制御ユニット30では、外部直流電源によるバッテリ24の充電中は、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1未満であるときには、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1に至るまでに要する第1所要充電時間を表示装置52に表示し、その後、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1以上に至ると、バッテリ24の蓄電割合SOCが満充電割合(100%)に至るまでに要する第2所要充電時間の表示装置52への表示に切り替える。これにより、充電中の表示装置52での表示を簡素なものとすることができ、ユーザの見間違いを抑制することができる。この結果、充電している最中の充電に要する所要時間をより適正に表示することができる。
【0024】
次に、本開示の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同一のハード構成(電動車20の構成)を用いるため、第2実施形態におけるハード構成(電動車20の構成)についての説明は省略する。第2実施形態では、外部直流電源を用いたバッテリ24の充電中は電子制御ユニット30は
図4に例示する充電時表示処理を実行する。
図4の充電時表示処理も、バッテリ24の充電中は所定時間毎(例えば30秒や1分毎)に繰り返し実行される。
【0025】
図4の充電時表示処理が実行されると、電子制御ユニット30は、バッテリ24の蓄電割合SOCを取得し(ステップS200)、取得したバッテリ24の蓄電割合SOCが満充電割合(100%)より低い所定蓄電割合S1未満であるか否かを判定する(ステップS210)。
【0026】
ステップS210でバッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1未満であると判定したときには、表示フラグFの値を調べる(ステップS220)。表示フラグFは、表示装置52への第1所要充電時間の表示であるか表示装置52への第2所要充電時間の表示であるかを設定するフラグであり、この充電時表示処理により設定される。第2実施形態では、表示フラグFが値0のときには表示装置52への第1所要充電時間の表示とし、表示フラグFが値1のときには表示装置52への第2所要充電時間の表示とした。ステップS220で表示フラグFが値0であると判定したときには、表示装置52への第1所要充電時間の表示を開始してから所定時間経過したか否かを判定し(ステップS230)所定時間経過したと判定したときには表示フラグFに値1をセットする(ステップS240)。所定時間としては、例えば3秒や5秒、10秒などを用いることができる。そして、外部直流電源によるバッテリ24の充電によりバッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1に至るまでに要する第1所要充電時間を取得し(ステップS250)、取得した第1所要充電時間を表示装置52に表示出力して(ステップS260)。本処理を終了する。
【0027】
ステップS220で表示フラグFが値1であると判定したときには、表示装置52への第2所要充電時間の表示を開始してから所定時間経過したか否かを判定し(ステップS270)所定時間経過したと判定したときには表示フラグFに値0をセットする(ステップS280)。そして、外部直流電源によるバッテリ24の充電によりバッテリ24の蓄電割合SOCが満充電割合(100%)に至るまでに要する第2所要充電時間を取得し(ステップS290)。取得した第2所要充電時間を表示装置52に表示出力して(ステップS300)。本処理を終了する。
【0028】
ステップS210でバッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1以上であると判定したときには、外部直流電源によるバッテリ24の充電によりバッテリ24の蓄電割合SOCが満充電割合(100%)に至るまでに要する第2所要充電時間を取得し(ステップS290)。取得した第2所要充電時間を表示装置52に表示出力して(ステップS300)。本処理を終了する。
【0029】
以上説明した第2実施形態では、外部直流電源によるバッテリ24の充電中は、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1未満のときには、所定時間毎に第1所要充電時間の表示装置52への表示(例えば、
図3の左側)と第2所要充電時間の表示装置52への表示(例えば
図3の右側)とを切り替え、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1以上に至ると、バッテリ24の蓄電割合SOCが満充電割合(100%)に至るまでに要する第2所要充電時間を表示装置52に表示する。これにより、充電中の表示装置52での表示を簡素なものとすることができ、ユーザの見間違いを抑制することができる。この結果、充電している最中の充電に要する所要時間をより適正に表示することができる。
【0030】
第2実施形態では、外部直流電源によるバッテリ24の充電中は、バッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1未満のときには、所定時間毎に第1所要充電時間の表示装置52への表示と第2所要充電時間の表示装置52への表示とを切り替えるものとした。しかし、ユーザによる切り替えスイッチ50が操作されたときに第1所要充電時間の表示装置52への表示と第2所要充電時間の表示装置52への表示とを切り替えるものとしてもよい。この場合の充電時表示処理の一例を
図5に示す。
図5の充電中表示処理は、
図4のステップS230およびステップS270の表示を切り替えてから所定時間経過したか否かの判定に代えて、切り替えスイッチ50の操作がなされたか否かの判定(ステップS235およびステップS275)を行なう。即ち、ステップS220で表示フラグFが値0であると判定したときには、切り替えスイッチ50の操作がなされたか否かを判定し(ステップS235)、切り替えスイッチ50の操作がなされたと判定したときには表示フラグFに値1をセットし(ステップS240)、外部直流電源によるバッテリ24の充電によりバッテリ24の蓄電割合SOCが所定蓄電割合S1に至るまでに要する第1所要充電時間を取得し(ステップS250)、取得した第1所要充電時間を表示装置52に表示出力して(ステップS260)。本処理を終了する。ステップS220で表示フラグFが値1であると判定したときには、切り替えスイッチ50の操作がなされたか否かを判定し(ステップS275)、切り替えスイッチ50の操作がなされたと判定したときには表示フラグFに値0をセットし(ステップS280)、外部直流電源によるバッテリ24の充電によりバッテリ24の蓄電割合SOCが満充電割合(100%)に至るまでに要する第2所要充電時間を取得し(ステップS290)。取得した第2所要充電時間を表示装置52に表示出力して(ステップS300)。本処理を終了する。この場合でも、充電中の表示装置52での表示を簡素なものとすることができ、ユーザの見間違いを抑制することができる。
【0031】
第1実施形態や第2実施形態では、第1所要充電時間や第2所要充電時間を車載された表示装置52に表示するものとした。しかし、スマートホンやタブレットなどの携帯端末の表示部に表示するものとしてもよい。この場合、電子制御ユニット30からは通信装置54を介して第1所要充電時間や第2所要充電時間をユーザの携帯端末に送信し、表示用のアプリケーションソフトをインストールしたユーザの携帯端末で第1所要充電時間や第2所要充電時間を受信し、
図3に例示する表示を携帯端末の表示部に表示すればよい。
【0032】
第1実施形態や第2実施形態では、外部直流電源にコネクタ39を接続して外部直流電源から供給される直流電力によりバッテリ24を充電している最中での第1所要充電時間や第2所要充電時間の表示装置52への表示の処理とした。しかし、外部交流電源にコネクタ39を接続して外部交流電源から供給される交流電力によりバッテリ24を充電している最中での第1所要充電時間や第2所要充電時間の表示装置52への表示の処理としてもよい。
【0033】
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、バッテリ24が「蓄電装置」に相当し、電子制御ユニット30が「車載用制御装置」に相当し、表示装置52が「表示装置」に相当する。
【0034】
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0035】
以上、本開示を実施形態を用いて説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本開示は、車載用制御装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
20 電動車、22 モータ、23 インバータ、24 バッテリ、25 駆動軸、26 デファレンシャルギヤ、28a,28b 駆動輪、30 電子制御ユニット、38 充放電回路、39 コネクタ、40 通信線、42 イグニッションスイッチ、43 シフトレバー、44 シフトポジションセンサ、45 アクセルペダル、46 アクセルペダルポジションセンサ、47 ブレーキペダル、48 ブレーキペダルポジションセンサ、49 車速センサ、50 切り替えスイッチ、52 表示装置、54 通信装置、56 ナビゲーションシステム。