(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175487
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】自動ドア用スイッチ、自動ドア装置、自動ドア用スイッチの調整支援方法及び調整支援プログラム
(51)【国際特許分類】
H01H 36/00 20060101AFI20241211BHJP
E05F 15/73 20150101ALI20241211BHJP
【FI】
H01H36/00 P
E05F15/73
H01H36/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093316
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】神吉 久幸
(72)【発明者】
【氏名】西井 寅貴
【テーマコード(参考)】
2E052
5G046
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA02
2E052BA06
2E052CA06
2E052DA02
2E052DB02
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA06
2E052GB01
5G046AA03
5G046AB01
5G046AC21
5G046AC54
5G046AE04
(57)【要約】
【課題】自動ドア装置用の非接触式スイッチの調整を支援するための技術を提供する。
【解決手段】本発明の自動ドア用スイッチは、個室の使用者による非接触操作を検出して前記個室の開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力する非接触式スイッチ53と、非接触操作が検知された場合に非接触式スイッチ53が非接触操作を検知したことを示す検知情報を生成する生成部59と、検知情報を通知する通知部60と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個室の使用者による非接触操作を検出して前記個室の開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力する非接触式スイッチと、
前記非接触操作が検知された場合に前記非接触式スイッチが前記非接触操作を検知したことを示す検知情報を生成する生成部と、
前記検知情報を通知する通知部と、
を備える、
自動ドア用スイッチ。
【請求項2】
前記非接触式スイッチの前記非接触操作の検知エリア内に設けられて前記使用者の接触操作に基づいて前記開指示又は前記閉指示を出力する接触式スイッチをさらに含み、
前記生成部は前記接触式スイッチが前記接触操作を検知したことを示す他の検知情報をさらに生成し、
前記通知部は前記他の検知情報をさらに通知する、
請求項1に記載の自動ドア用スイッチ。
【請求項3】
前記非接触式スイッチが前記非接触操作を検知したと判定するための検知判定条件を変更するための信号入力を受け付ける条件変更入力部をさらに備える、
請求項1に記載の自動ドア用スイッチ。
【請求項4】
前記生成部の前記検知情報に基づいて前記非接触式スイッチが前記非接触操作を検知したと判定するための検知判定条件を変更する条件変更部をさらに備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の自動ドア用スイッチ。
【請求項5】
前記生成部は、前記非接触式スイッチの前記非接触操作の検知エリア内に設けられて前記使用者と接触する接触操作に基づいて前記開指示又は前記閉指示を出力する接触式スイッチが前記接触操作を検知したことを示す検知情報をさらに生成し、
前記条件変更部は前記非接触式スイッチの検知情報が生成されていない状態で前記接触式スイッチの検知情報が生成された場合、前記非接触式スイッチが前記非接触操作をより検知しやすくなるように前記検知判定条件を変更する、
請求項4に記載の自動ドア用スイッチ。
【請求項6】
前記生成部は、前記非接触式スイッチの前記非接触操作の検知エリア内に設けられて前記使用者と接触する接触操作に基づいて前記開指示又は前記閉指示を出力する接触式スイッチが前記接触操作を検知したことを示す検知情報をさらに生成し、
前記条件変更部は、前記非接触式スイッチの検知情報が生成された後に前記接触式スイッチの検知情報が生成された場合、前記非接触式スイッチの検知情報が生成されたタイミングと前記接触式スイッチの検知情報が生成されたタイミングとの乖離度合いに基づいて前記検知判定条件を変更する、
請求項4に記載の自動ドア用スイッチ。
【請求項7】
個室の使用者による非接触操作を検出して前記個室の開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を前記ドアの開動作又は閉動作を制御するドア制御部に出力する非接触式スイッチと、
前記非接触式スイッチの制御状態を変更する制御状態変更部と、
前記制御状態変更部により前記制御状態が調整状態になっているときに前記非接触操作が検知された場合に前記非接触式スイッチが前記非接触操作を検知していることを示す検知情報を生成する生成部と、
前記検知情報を通知する通知部と、
を備える、
自動ドア装置。
【請求項8】
個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知するステップと、
前記非接触操作を検知していることを示す検知情報を生成するステップと、
前記検知情報を通知するステップと、
を備える、
自動ドア用スイッチの調整支援方法。
【請求項9】
コンピュータに、
個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知するステップと、
前記非接触操作を検知していることを示す検知情報を生成するステップと、
前記検知情報を通知するステップと、
を実行させるための自動ドア用スイッチの調整支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア用スイッチ、自動ドア装置、自動ドア用スイッチの調整支援方法及び調整支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症対策として使用者の非接触操作によりドアを開閉させることが可能にする非接触式スイッチを有する自動ドアのニーズが高まっている。例えば、特許文献1には、開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって開口部を開閉する開閉手段と、開閉手段の動作を指示するための押しボタン手段と、押しボタン手段の近傍に配置されて、手指が接近した状態を非接触にて検知する非接触式スイッチ手段と、押しボタン手段の操作状態及び非接触式スイッチ手段の検知状態に応じて開閉手段の動作を制御する開閉制御手段とを備えた開閉装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非接触式スイッチは、操作の意図がなくとも反応してしまったり操作の意図があっても反応しなかったりすることがある。そのため、非接触式スイッチが使用者の操作を検知するための条件を適切に調整することが課題となる。
【0005】
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、非接触式スイッチの調整を支援するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の自動ドア用スイッチは、個室の使用者による非接触操作を検出して前記個室の開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を出力する非接触式スイッチと、前記非接触操作が検知された場合に前記非接触式スイッチが前記非接触操作を検知したことを示す検知情報を生成する生成部と、前記検知情報を通知する通知部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様の自動ドア装置は、個室の使用者による非接触操作を検出して前記個室の開口に設けられたドアの開指示又は閉指示を前記ドアの開動作又は閉動作を制御するドア制御部に出力する非接触式スイッチと、前記非接触式スイッチの制御状態を変更する制御状態変更部と、前記制御状態変更部により前記制御状態が調整状態になっているときに前記非接触操作が検知された場合に前記非接触式スイッチが前記非接触操作を検知していることを示す検知情報を生成する生成部と、前記検知情報を通知する通知部と、
を備える。
【0008】
本発明の他の態様の自動ドア用スイッチの調整支援方法は、個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知するステップと、前記非接触操作を検知していることを示す検知情報を生成するステップと、前記検知情報を通知するステップと、を備える。
【0009】
本発明の他の態様の自動ドア用スイッチの調整支援プログラムは、コンピュータに、個室の使用者による非接触操作を検出して前記使用者を検知するステップと、前記非接触操作を検知していることを示す検知情報を生成するステップと、前記検知情報を通知するステップと、を実行させるための自動ドア用スイッチの調整支援プログラムである。
【0010】
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、非接触式スイッチの調整を支援するための技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の自動ドア装置が設置された多機能トイレの構成を示す平面図である。
【
図2】第1実施形態の自動ドア装置のドア操作装置の構成を示す正面図である。
【
図4】第1実施形態の自動ドア装置の機能ブロック図である。
【
図5】第1実施形態のドア操作装置のドアの開閉のための処理を例示するフローチャートである。
【
図6】第1実施形態の非接触式スイッチの検知判定条件の調整方法の概要を説明するための図である。
【
図7】第1実施形態のドア操作装置の検知判定条件を調整するための処理を例示するフローチャートである。
【
図8】第2実施形態のドア操作装置の検知判定条件を調整するための処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【0014】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部または全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部または全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【0015】
また、共通点のある別々の構成要素には、名称の冒頭に「第1、第2」等と付して区別し、総称するときはこれらを省略する。また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0016】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態及び変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0017】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の自動ドア装置について説明する。
【0018】
図1は、第1実施形態の自動ドア装置5が設置された多機能トイレの構成を示す平面図である。
図1に示すように、多機能トイレ1は、出入口2を一つ備える個室であって、体が不自由な人や子供連れの人が使い易いように広い空間に便器3が設置されている。出入口2には、出入口2を開閉するドア4を駆動制御する自動ドア装置5が設置されている。ドア4は引戸である。本実施形態の出入口2は、開口の一例である。
【0019】
多機能トイレ1の外側(室外側)の壁には、ドア4の開閉を操作する外側ドア操作装置30が設置されている。多機能トイレ1の内側(室内側)の壁には、ドア4の開閉を操作する内側ドア操作装置40が設置されている。出入口2の無目の外側には、出入口2の外側を通行する人や物を検知する物体検知センサ12が設置されている。物体検知センサ12は、出入口2の外側であって出入口2から所定範囲である検知エリアに存在する人や物を検知する。物体検知センサ12は、人又は物を検知すると検知信号を出力する。出入口2の内側の壁には、出入口2の内側に立ち止まる人を検知する補助センサ13が設置されている。天井には、個室内の使用者を検知する在室センサ15が設置されている。本実施形態の外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40は、それぞれ、スイッチ装置の一例である。
【0020】
図2は、第1実施形態の自動ドア装置5の外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の構成を示す正面図である。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40は、同じ構成を有する。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40は、接触式スイッチ51と、非接触式スイッチ53と、を備える。接触式スイッチ51は、ボタンスイッチを押す接触操作に基づいてドア4を開閉する開閉指示を出力する。非接触式スイッチ53は、使用者とは接触しない非接触操作に基づいて使用者を検知してドア4を開閉する開閉指示を出力する。非接触式スイッチ53は、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40に内蔵されている。
【0021】
接触式スイッチ51は、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の上側に設置された開ボタンスイッチ52aと、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の下側に設置された閉ボタンスイッチ52bと、を含む。開ボタンスイッチ52aの表面には、「開、←→、OPEN」が記載されている。閉ボタンスイッチ52bに表面には、「閉、→←、CLOSE」が記載されている。
【0022】
非接触式スイッチ53は、開非接触式スイッチ54aと、閉非接触式スイッチ54bと、を備える。開非接触式スイッチ54aは、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の上側に設置されている。閉非接触式スイッチ54bは、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の下側に設置されている。非接触式スイッチ53は、使用者を検知している状態(以下、検知状態という)が後述の操作判定時間継続した場合に、非接触操作を検知する。
【0023】
本実施形態の非接触式スイッチ53は、出力した検知波の反射波に基づいて使用者を検知する。例えば、非接触式スイッチ53は、検知波を出力してからその反射波が非接触式スイッチ53に戻ってくるまでの時間が閾値よりも小さい場合に使用者を検知する。ここでの検知波は、例えば、電波、光波、音波、赤外線などである。これに限定されず、非接触式スイッチ53は、物体の近接によりすなわち物体との間の距離に応じて静電容量が変化する電極部を備え、電極部の静電容量の変化量と閾値との比較に基づいて使用者を検知してもよい。また、非接触式スイッチ53は、検出した画像を画像認識することにより使用者の特定の姿勢や動作(例えば、非接触式スイッチ53に対して正対している姿勢や親指を立てる動作)が検出された場合に使用者を検知してもよい。
【0024】
図3を用いて、本実施形態の非接触式スイッチ53における操作検知エリアを例示する。
図3は、
図2のA-A断面図である。非接触式スイッチ53は、非接触操作を検知するための操作検知エリアRを含む。具体的には、開非接触式スイッチ54a及び閉非接触式スイッチ54bは、それぞれ、操作検知エリアRa及びRbを有する。本実施形態の操作検知エリアRは、それぞれ、接触式スイッチ51の設置箇所を含む。具体的には、操作検知エリアRaは、開ボタンスイッチ52aの設置箇所を含み、操作検知エリアRbは、閉ボタンスイッチ52bの設置箇所を含む。例えば、使用者が開ボタンスイッチ52aを押す場合には使用者の手が開非接触式スイッチ54aの操作検知エリアRaに進入するように、操作検知エリアRaが構成される。操作検知エリアRbも同様である。
【0025】
図4は、第1実施形態の自動ドア装置5の機能ブロック図である。
図4に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0026】
自動ドア装置5は、ドア4を駆動するドアエンジン11と、補助センサ13と、電気錠14と、これらの機器が接続されるドアコントローラ10と、物体検知センサ12と、在室センサ15と、外側ドア操作装置30と、内側ドア操作装置40と、を備えている。ドアコントローラ10、物体検知センサ12、及び在室センサ15は、CAN50に接続されている。補助センサ13は、検知するとドアコントローラ10に検知信号を送信する。物体検知センサ12及び在室センサ15は、検知するとCAN50を介して検知信号をドアコントローラ10に送信する。ドアコントローラ10は、物体検知センサ12、補助センサ13、及び在室センサ15の検知結果に従ってドアエンジン11を駆動制御する。ドアコントローラ10は、ドア4を開閉制御するドア制御部10Aを備える。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40を特に区別しない場合には、単にドア操作装置と総称する場合がある。本実施形態のドア操作装置は、自動ドア用スイッチの一例である。
【0027】
自動ドア装置5は、後述の通信部57を介して、自動ドア装置5の外部の作業端末70と通信可能に構成される。作業端末70は、自動ドア装置5の設置や保守点検のために現場に赴いた作業員が使用するスマートフォンやタブレット端末等である。作業端末70は、非接触式スイッチ53の専用アプリケーションを起動することにより、非接触式スイッチ53の制御モードを後述の通常制御モードと調整モードとの間で切り替えるためのユーザ入力や、後述の検知判定条件を変更するためのユーザ入力を自動ドア装置5に送信可能に構成される。
【0028】
外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々は、操作判定部55と、指示出力部56と、通信部57と、モード切替部58と、生成部59と、通知部60と、条件変更部61と、をさらに備える。
【0029】
外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の開ボタンスイッチ52aは、使用者の接触操作を検知すると接触開検知信号を指示出力部56に出力する。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の閉ボタンスイッチ52bは、使用者の接触操作を検知すると接触閉検知信号を指示出力部56に出力する。接触式スイッチ51においては、押し操作が使用者の接触操作に相当する。
【0030】
外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の開非接触式スイッチ54aは、検知状態において非接触開検知信号を操作判定部55に出力する。外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の閉非接触式スイッチ54bは、検知状態において非接触閉検知信号を操作判定部55に出力する。
【0031】
操作判定部55は、非接触式スイッチ53の検知結果に基づいて、使用者による非接触操作が行われたか否かを判定する。本実施形態の操作判定部55は、非接触式スイッチ53の検知状態が操作判定時間継続した場合、すなわち開非接触式スイッチ54a又は閉非接触式スイッチ54bから非接触開検知信号又は非接触閉検知信号が入力されている状態が操作判定時間継続した場合、使用者による非接触操作が行われたと判定する。非接触式スイッチ53においては使用者の体の一部又は物を近づける操作が使用者の非接触操作に相当する。
【0032】
指示出力部56は、操作判定部55によって非接触操作が行われたと判定された場合、開指示又は閉指示をドア制御部10Aに出力する。また、指示出力部56は、接触式スイッチ51からの開接触検知信号又は閉接触検知信号に応答して、開指示又は閉指示をドア制御部10Aに出力する。
【0033】
通信部57は、作業端末70と通信可能に構成される。通信部57と作業端末70との間の通信の伝送路は、無線通信の伝送路であってもよいし、有線通信の伝送路であってもよいし、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信部57は、作業端末70から各種のユーザ入力を受け付ける。
【0034】
モード切替部58は、作業端末70からのモード切替指示に応答して、非接触式スイッチ53の制御モードを通常制御モードと調整モードと間で切り替える。例えば、モード切替部58は、通常制御モード時に、通信部57を介して作業端末70から非接触式スイッチ53の制御モードを調整モードに切り替えるためのユーザ入力を受け付けた場合に、制御モードを通常制御モードから調整モードに切り替える。通常制御モードは、非接触式スイッチ53が非接触操作の検知に応答して開指示又は閉指示を出力するモードである。調整モードは、非接触式スイッチ53の調整を行うための制御モードである。調整モードでは、非接触操作が検知された場合には、開指示又は閉指示は出力されずに後述の検知情報が生成及び通知される。
【0035】
生成部59は、調整モード時に、操作判定部55によって非接触操作が行われたと判定された場合に、非接触式スイッチ53が非接触操作を検知したことを示す検知情報を生成する。
【0036】
通知部60は、検知情報を通知する。通知部60は、外側ドア操作装置30及び内側ドア操作装置40の各々の中央部、すなわち開非接触式スイッチ54aと閉非接触式スイッチ54bとの間に設置されている。本実施形態の通知部60は、LEDなどの発光装置を含み、その点灯により非接触操作を検知したことを通知する。通知部60は、ブザー音などを発生させるスピーカを含んでもよいし、発光装置とスピーカとの両方を含んでもよい。また、通知部60は、通信部57を介して作業端末70に検知情報を送信することにより、作業端末70のディスプレイ等を用いて検知情報を通知してもよい。
【0037】
条件変更部61は、非接触式スイッチ53が非接触操作を検知したと判定するための検知判定条件を変更可能に構成される。本実施形態の検知判定条件は、例えば、操作判定時間を含む。これに限定されず、検知判定条件は、例えば、検知波の反射波との比較に用いられる上記閾値などの使用者の検知に用いられる各種閾値や操作検知エリアの範囲であってもよい。
【0038】
図5は、第1実施形態のドア操作装置の開指示又は閉指示を出力するための処理S100を例示するフローチャートである。
【0039】
ステップS101で、操作判定部55は、自動ドア装置5の制御モードが通常制御モードであるか否かを判定する。制御モードが通常制御モードである場合(ステップS101のY)、処理S100はステップS102に進む。制御モードが通常制御モードではない、すなわち制御モードが調整モードである場合(ステップS101のN)、処理S100は終了する。
【0040】
ステップS102で、操作判定部55は、検知状態が操作判定時間継続しているか否かを判定する。継続している場合(ステップS102のY)、処理S100はステップS103に進む。継続していない場合(ステップS102のN)、処理S100は終了する。
【0041】
ステップS103で、指示出力部56は、非接触式スイッチ53から入力した信号が非接触開検知信号であるか否かを判定する。入力した信号が非接触開検知信号である場合(ステップS103のY)、処理S100はステップS104に進む。入力した信号が非接触開検知信号ではない、すなわち非接触閉検知信号である場合(ステップS103のN)、処理S100はステップS105に進む。
【0042】
ステップS104で、指示出力部56は、非接触開検知信号に応答して、開指示をドア制御部10Aに出力する。その結果、ドア制御部10Aによりドア4が開動作される。
【0043】
ステップS105で、指示出力部56は、非接触閉検知信号に応答して、閉指示をドア制御部10Aに出力する。その結果、ドア制御部10Aによりドア4が閉動作される。
【0044】
ステップS104及びS105の後、処理S100は終了する。
【0045】
図6を用いて、第1実施形態の非接触式スイッチ53の検知判定条件の調整方法の概要を説明する。例として、開非接触式スイッチ54aの検知判定条件の調整方法について説明するが、以下は閉非接触式スイッチ54bの検知判定条件を調整する際にも同様に適用可能である。本調整方法では、自動ドア装置5の設置や保守点検のために現場に赴いた作業員が、開ボタンスイッチ52aを押すように手Hを近づける。上述したように、開非接触式スイッチ54aの操作検知エリアRaは、開ボタンスイッチ52aの設置箇所を含むため、開ボタンスイッチ52aを押そうとする場合には作業員の手Hは開非接触式スイッチ54aの操作検知エリアRaに進入することになる。また、開非接触式スイッチ54aが検知状態となった場合には、通知部60によりその検知情報が通知される。作業員は、通知部60により検知情報が通知されたか否かに基づいて、開ボタンスイッチ52aを押すまでに開非接触式スイッチ54aが検知状態となったか否かを判断することができる。第1実施形態では、作業員は、開非接触式スイッチ54aが検知状態となったか否か、または検知状態となったタイミングに基づいて、作業端末70を介して検知判定条件を調整する。以下、
図7を用いて第1実施形態のドア操作装置の検知判定条件を調整するための処理について具体的に説明する。
【0046】
図7は、第1実施形態のドア操作装置の検知判定条件を調整するための処理S200を例示するフローチャートである。以下では、外側ドア操作装置30について、検知判定条件として操作判定時間を調整する例を示す。
【0047】
ステップS201で、操作判定部55は、自動ドア装置5の制御モードが調整モードであるか否かを判定する。制御モードが調整モードである場合(ステップS201のY)、処理S200はステップS202に進む。制御モードが調整モードではない、すなわち制御モードが通常制御モードである場合(ステップS201のN)、処理S200は終了する。
【0048】
ステップS202で、操作判定部55は、非接触式スイッチ53が非接触操作を検知したか否かを判定する。非接触操作を検知した場合(ステップS202のY)、処理S200はステップS204に進む。接触操作を検知していない場合(ステップS202のN)、処理S200はステップS203に進む。
【0049】
ステップS203で、操作判定部55は、接触式スイッチ51が接触操作を検知したか否かを判定する。接触操作を検知した場合(ステップS203のY)、処理S200はステップS206に進む。接触操作を検知していない場合(ステップS203のN)、処理S200はステップS202に戻る。
【0050】
ステップS204で、生成部59は、非接触操作が検知されたことに応答して、検知情報を生成する。
【0051】
ステップS205で、通知部60は、検知情報を通知する。これにより、作業員は、非接触操作が検知されたことを把握することができる。
【0052】
ステップS206で、条件変更部61は、検知判定条件の調整を終了するか否かを判定する。例えば、条件変更部61は、通信部57を介して作業端末70から検知判定条件の調整を終了する旨のユーザ入力や非接触式スイッチ53の制御モードを通常制御モードに切り替える旨のユーザ入力を受け付けた場合に検知判定条件の調整を終了すると判定する。また、例えば、条件変更部61は、作業端末70から通信部57を介して操作判定時間を変更するための信号入力を条件変更入力部(不図示)を介して受け付けた場合に、検知判定条件の調整を終了しないと判定する。検知判定条件の調整を終了する場合(ステップS206のY)、処理S200はステップS207に進む。検知判定条件の調整を終了しない場合(ステップS206のN)、処理S200はステップS208に進む。
【0053】
ステップS207で、モード切替部58は、非接触式スイッチ53の制御モードを調整モードから通常制御モードに切り替える。ステップS207の後、処理S200は終了する。
【0054】
ステップS208で、条件変更部61は、検知判定条件を調整する。第1実施形態では、条件変更部61は、作業端末70から通信部57を介して受け付けた操作判定時間を変更するためのユーザ入力に基づいて、操作判定時間を変更する。
【0055】
ここで、例えば、非接触操作が検知される前に接触操作が検知された場合には、操作判定時間が大きすぎるために非接触操作を検知できなかったと考えられる。この場合、例えば、作業員は、操作判定時間を小さくするための信号入力を作業端末70を介して自動ドア装置5に送信することができる。条件変更部61は、この信号入力に基づいて、操作判定時間を小さくするように検知判定条件を変更する。なお、これはあくまで例であり、非接触操作が検知される前に接触操作が検知された場合であっても、例えば、作業員は、作業端末70を用いて操作判定時間を小さくするための信号入力を行ってもよい。
【0056】
また、例えば、接触操作が検知される前に非接触操作が検知された場合には、例えば、操作判定時間が小さすぎるために想定よりも早く非接触操作が検知されてしまったと考えられる。この場合、例えば、作業員は、作業端末70を用いて操作判定時間を大きくするための信号入力を行う。条件変更部61は、この信号入力に基づいて、操作判定時間を大きくするように検知判定条件を変更する。なお、これはあくまで例であり、接触操作が検知される前に非接触操作が検知された場合であっても、例えば、作業員は、作業端末70を用いて操作判定時間を小さくするための信号入力を行ってもよい。
【0057】
ステップS208の後、処理S200は終了する。
【0058】
以上のように、第1実施形態のドア操作装置は、非接触操作が検知された場合に非接触式スイッチが非接触操作を検知したことを示す検知情報を生成する生成部59と、検知情報を通知する通知部60と、を備える。本構成によると、作業員は非接触操作が検知されたタイミングを容易に把握することができるため、作業員が非接触式スイッチ53の検知判定条件を適切に調整することが可能になる。
【0059】
第1実施形態のドア操作装置は、生成部59の検知情報に基づいて非接触式スイッチ53が非接触操作を検知したと判定するための検知判定条件を変更する条件変更部61をさらに備える。本構成によると、生成部59の検知情報に基づいて検知判定条件を適切に調整することが可能となる。
【0060】
第1実施形態の変形例を説明する。生成部59は、接触式スイッチ51が接触操作を検知した場合には、接触式スイッチ51が接触操作を検知したことを示す他の検知情報をさらに生成してもよい。この場合、通知部60は、他の検知情報をさらに通知してもよい。例えば、通知部60は、非接触操作を検知した場合、すなわち検知情報を通知する場合とは異なる色、点灯パターン、音などで他の検知情報を通知してもよい。本構成によると、接触操作が行われたタイミングを作業員が正確に把握することができるため、検知判定条件をより適切に調整しやすくなる。
【0061】
ドア操作装置は、非接触式スイッチ53の制御状態を変更する制御状態変更部を備えてもよい。この場合、生成部59は、制御状態変更部により制御状態が調整状態になっているときに非接触操作が検知された場合に検知情報を生成してもよい。
【0062】
第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0063】
第2実施形態の生成部59は、接触式スイッチ51が接触操作を検知した場合には、接触式スイッチ51が接触操作を検知したことを示す他の検知情報をさらに生成する。第2実施形態の条件変更部61は、検知情報又は他の検知情報に基づいて検知判定条件を変更する。以下、第2実施形態の処理について
図8を用いて説明する。
【0064】
図8は、第2実施形態のドア操作装置の検知判定条件を調整するための処理S300を例示するフローチャートである。
図8のステップS301~S307は、特に言及する点を除き、
図7のステップS201~S207と同様であるため、その具体的な説明を省略する。
【0065】
ステップS306で調整を終了しないと判定された場合(ステップS306のN)、処理S300はステップS308に進む。ステップS308で、条件変更部61は、検知情報に基づいて、操作判定時間を大きくするように検知判定条件を変更する。上述したように、例えば、操作判定時間が小さすぎるために非接触操作が想定より早く検知されてしまったと考えられるためである。例えば、条件変更部61は、操作判定時間を所定値だけ大きくする。これにより、非接触式スイッチ53が非接触操作を検知にくくすることができる。ステップS308の後、処理S300は終了する。
【0066】
ステップS303で接触操作が検知された場合(ステップS303のY)、処理S300はステップS309に進む。ステップS309で、生成部は、接触式スイッチ51が検知されたことに応答して、他の検知情報を生成する。
【0067】
ステップS310で、条件変更部61は、検知判定条件の調整を終了するか否かを判定する。検知判定条件の調整を終了する場合(ステップS310のY)、処理S300はステップS307に進む。検知判定条件の調整を終了しない場合(ステップS310のN)、処理S300はステップS311に進む。
【0068】
ステップS311で、条件変更部61は、他の検知情報に基づいて、操作判定時間を小さくするように検知判定条件を変更する。上述したように、例えば、操作判定時間が大きすぎるために非接触操作が検知される前に接触操作が検知されたと考えられるためである。例えば、条件変更部61は、操作判定時間を所定値だけ小さくする。これにより、非接触式スイッチ53が非接触操作を検知しやすくすることができる。ステップS311の後、処理S300は終了する。
【0069】
第2実施形態では、条件変更部61は、検知情報又は他の検知情報に基づいて検知判定条件を変更する。本構成によると、ユーザ入力を介さずに検知判定条件を適切に調整できるため、検知判定条件の調整を簡便に行うことが可能となる。
【0070】
以下、第2実施形態の変形例を説明する。第2実施形態では、例えば、条件変更部61は、検知情報が生成されたタイミングと他の検知情報が生成されたタイミングとの乖離度合いに基づいて検知判定条件を変更してもよい。例えば、条件変更部61は、検知情報が生成されたタイミングと他の検知情報が生成されたタイミングとの時間差に対する基準値の差分が負の値であれば非接触式スイッチ53が非接触操作をより検知しやすくなるように、また上記差分が正の値であれば非接触式スイッチ53が非接触操作を検知しにくくなるように、検知判定条件を変更してもよい。また、例えば、条件変更部61は、上記差分が大きいほど、操作判定時間の増加量又は減少量を大きくするように検知判定条件を変更してもよい。本構成によると、検知判定条件の調整をより適切に行うことが可能となる。
【0071】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。上記した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除などの多くの設計変更が可能である。上記の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容にも設計変更が許容され得る。
【0072】
上記した各実施形態及び変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態及び変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0073】
1 多機能トイレ、 2 出入口、 3 便器、 4 ドア、 5 自動ドア装置、 10 ドアコントローラ、 10A ドア制御部、 11 ドアエンジン、 12 物体検知センサ、 13 補助センサ、 14 電気錠、 15 在室センサ、 30 外側ドア操作装置、 40 内側ドア操作装置、 51 接触式スイッチ、 53 非接触式スイッチ、 54a 開非接触式スイッチ、 54b 閉非接触式スイッチ、 55 操作判定部、 56 指示出力部、57 通信部、 58 モード切替部、 59 生成部、 60 通知部、 61 条件変更部。