(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024175492
(43)【公開日】2024-12-18
(54)【発明の名称】ポリアミック酸水性分散体
(51)【国際特許分類】
C08G 73/10 20060101AFI20241211BHJP
C08J 3/02 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
C08G73/10
C08J3/02 B CFG
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093322
(22)【出願日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 直央
(72)【発明者】
【氏名】森本 亮平
【テーマコード(参考)】
4F070
4J043
【Fターム(参考)】
4F070AA55
4F070AC45
4F070AC46
4F070AE28
4F070CA03
4F070CB04
4F070CB13
4J043PA01
4J043PA19
4J043QB15
4J043QB26
4J043RA35
4J043SA06
4J043SA47
4J043SB01
4J043TA22
4J043TA71
4J043TB01
4J043UA121
4J043UA132
4J043UA672
4J043UB402
4J043XA16
4J043YA07
4J043YB08
4J043YB32
4J043ZA20
4J043ZB01
4J043ZB03
(57)【要約】
【課題】保存安定性に優れたポリアミック酸水性分散体の提供。
【解決手段】ポリアミック酸と、塩基性化合物と、有機溶剤とを含むポリアミック酸溶液に、水を添加することにより転相乳化してポリアミック酸粒子を生成させることにより、ポリアミック酸の水性分散体を得る。さらに媒体置換をおこなって、前記有機溶剤の含有率を低減させる。ポリアミック酸水性分散体は、基材に塗布し、熱処理することにより、ポリイミド塗膜を得ることができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミック酸粒子と塩基性化合物と水を含むポリアミック酸水性分散体。
【請求項2】
ポリアミック酸と、塩基性化合物と、有機溶剤とを含むポリアミック酸溶液に、水を添加することにより転相乳化してポリアミック酸粒子を生成させることを特徴とする、請求項1に記載の水性分散体の製造方法。
【請求項3】
転相乳化後、さらに媒体置換をおこなって、前記有機溶剤の含有率を低減させることを特徴とする、請求項2記載の水性分散体の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載のポリアミック酸水性分散体を基材に塗布し、熱処理することによって得られるポリイミド塗膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミック酸の水性分散体および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、その溶液(ワニス)として、塗料、インキ、接着剤、あるいはコーティング剤などの用途において汎用されている。
【0003】
近年、環境保護や消防法による危険物規則、あるいは職場環境の改善などを理由として、有機溶剤の使用が抑制される傾向がある。そのため、前記用途においては、水性分散体であることが望まれる。
【0004】
例えば、特許文献1では、ポリイミド系樹脂を原料として用いた水性分散体が提案されている。しかしながら、これまでの製造技術では、ポリアミック酸の水性分散体は得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ポリアミック酸の水性分散体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記の課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、ポリアミック酸粒子、塩基性化合物、水を含むポリアミック酸水性分散体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、保存安定性に優れたポリアミック酸水性分散体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明におけるポリアミック酸とは、ポリアミド酸とも呼ばれ、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との縮合物である(以下、ポリアミック酸を「PAA」と略称する)。本発明におけるPAAは、ジアミン成分として芳香族ジアミン、テトラカルボン酸成分として芳香族テトラカルボン酸二無水物を主成分とすることが好ましい。
【0012】
芳香族ジアミンとしては、例えば、p-フェニレンジアミン(PDA)、m-フェニレンジアミン、4,4′-オキシジアニリン(ODA)、3,3′-ビストリフルオロメチル-44′-ジアミノビフェニル(TFMB)、3,4′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ジアミノジフェニルメタン、3,3 ′ -ジメチル-4,4′-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2-ビス(アニリノ)エタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエート、ジアミノジフェニルスルフィド、2,2-ビス(p-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(p-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,5-ジアミノナフタレン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4-ビス(p-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′-ビス(p-アミノフェノキシ)ビフェニル、ジアミノアントラキノン、4,4′-ビス(3-アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0013】
脂肪族ジアミン、脂環式ジアミンを用いることもでき、例えば、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノウンデカン、ジアミノドデカン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、3-メチル-1,4-ジアミノシクロヘキサン、5,5-ジメチルシクロヘキシルアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4,4′-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,3′-メチル-4,4′-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(アミノメチル)-トリシクロ〔5,2,1,0〕デカン、イソホロンジアミン、1,3-ジアミノアダマンタン、ダイマージアミン等を挙げることができる。
【0014】
これらのジアミンは、単体または混合物として使用することができる。
【0015】
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3′,4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA )、4,4′-ヘキサフルオロイソプロピリデンフタル酸二無水物(6FDA)、2,3,3′,4′- ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4′-オキシジフタル酸二無水物、3,3′,4,4′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、p-ターフェニルテトラカルボン酸二無水物、m-ターフェニルテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。
【0016】
脂環式のテトラカルボン酸二無水物を用いることもでき、例えば、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、5-(ジオキソテトラヒドロフリル-3-メチル)-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-テトラリン-1,2-ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、3c-カルボキシメチルシクロペンタン-1r,2c,4c-トリカルボン酸1,4,2,3-二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0017】
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単体または混合物として使用することができる。
【0018】
PAAは、通常、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを溶媒中で反応させることにより、PAA溶液として得ることができる。
PAA溶液を得るための溶媒に制限はなく、アミド系溶媒、尿素系溶媒、エーテル系溶媒等を用いることができる。これらの中で、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)等のアミド系溶媒を用いることが好ましい。これらの溶媒は、単独または混合物として用いることができる。これらの中で、NMP、DMAcおよびそれらの混合物が、PAAに対する溶解性の観点から好ましい。
【0019】
PAA溶液を得る際の反応温度としては、-30~70℃ が好ましく、-15~60℃ がより好ましい。また、この反応において、モノマーおよび溶媒の添加順序は特に制限はなく、いかなる順序でもよい。PAAの固形分濃度としては5~30質量%が好ましく、16~25質量% がより好ましい。
【0020】
PAAの酸価は、水性分散体とした際の安定性の観点から、80~350mgKOH/gであることが好ましく、100~300mgKOH/gがより好ましい。
【0021】
次にPAA水性分散体の製造方法について説明する。
PAA水性分散体を製造する方法としては、たとえば、PAAの有機溶剤溶液を塩基性化合物とともに水に分散させて転相乳化する方法が挙げられる。本発明において「転相乳化」とは、PAAの有機溶剤溶液に、この溶液に含まれる有機溶剤質量を超える質量の水を添加して、有機溶剤よりも水を多く含む液相にPAAを分散させることを意味する。
【0022】
転相乳化は、PAAの有機溶剤溶液、水、塩基性化合物を混合することによりおこなう。本発明においては、塩基性化合物をPAAの有機溶剤溶液に加えておき、これに水を徐々に投入して転相乳化をおこなう方法が好ましい。
【0023】
塩基化合物の添加量については、PAA100質量%に対して0.1~30質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましく、1~16質量%がより好ましく、1.5~12質量%が最も好ましい。
【0024】
塩基性化合物としては、たとえば、アンモニアや、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等の有機アミンが挙げられる。
【0025】
水については特に制限されず、蒸留水、イオン交換水、市水、工業用水などが挙げられるが、蒸留水やイオン交換水を使用することが好ましい。
【0026】
水の投入速度は、塩基性化合物を含む樹脂溶液100質量部に対して、2.5~10質量部/分の速度とすることが好ましい。水の投入速度が速い場合には、PAAの塊が形成され、この塊は水性媒体に分散しなくなる傾向にあり、最終的に得られる水性分散体の収率が低下することがある。
【0027】
転相乳化の温度は、40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。40℃以下で転相乳化をおこなうことにより、得られるPAA粒子の体積平均粒径は小さくなり、粒子の沈殿を抑制することができるので、より長期的な分散安定性に優れた水性分散体を得ることができる。
【0028】
転相乳化をおこなう装置としては、液体を投入できる槽を備え、適度な攪拌ができるものであれば特に限定されない。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機(たとえばホモミキサー)として当業者に知られている装置が挙げられる。ただし、ホモミキサーなどせん断の大きい乳化機を用いる際には、衝撃熱により液温が上昇することがあるため、注意が必要である。なお、転相乳化は常圧、減圧、加圧下のいずれの条件でおこなってもよい。
【0029】
必要に応じて、転相乳化後の水性分散体に含まれる有機溶剤を水に置換し(媒体置換)、有機溶媒の含有率を低減することができる。その方法は特に限定されないが、転相乳化により得られた固形分(PAA粒子)を回収し、水系溶媒に再分散させる方法が挙げられる。
固形分の回収方法としては、例えば、転相乳化により得られた水性分散体に対して、遠心洗浄、クロスフローろ過洗浄等の処理を行う方法が挙げられる。また、ケーキとした後に、水及び/又は溶剤に浸漬し、その後に脱液する方法が挙げられる。固形物の回収と水系溶媒への再分散からなる一連の工程は、必要に応じて複数回繰り返すことができる。
【0030】
本発明におけるPAA水性分散体中の有機溶剤の含有率は、環境保護や職場環境改善の立場等から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が最も好ましい。
【0031】
前記製造方法より、本発明のPAA水性分散体は、外観上、水性媒体中に沈殿、相分離といった、固形分濃度が局部的に他の部分と相違する部分が見いだされない均一な状態で得られる。
【0032】
水性分散体中のPAA粒子の粒径は、特に限定されないが、分散安定性の観点から、体積平均粒径が0.01μm~5μmであることが好ましい。
【0033】
水性分散体に含まれるPAA粒子のゼータ電位としては、分散安定性の観点から、-20mV以下が好ましく、-35mV以下がより好ましく、-50mV以下がさらに好ましい。
【0034】
次に、本発明のPAA水性分散体の使用方法について説明する。
本発明のPAA水性分散体は、被膜形成能に非常に優れているので、公知の製膜方法、たとえばディッピング法、はけ塗り法、スプレーコート法、カーテンフローコート法などにより各種基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥および焼き付けのための加熱処理に供することにより、均一な樹脂被膜を各種基材表面に密着させて形成することができる。このときの加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや、赤外線ヒータなどを使用すればよい。
【0035】
上述の乾燥後のPAA塗膜を連続的に昇温して、熱硬化してポリイミド塗膜とすることができる。ここで「連続的に昇温」とは、熱硬化の際の雰囲気温度を制御された昇温速度で昇温することをいう。この昇温速度は、PAA塗膜の基材への密着性を確保する観点から、1℃/分~15℃/分で行うことが好ましく、3℃/分~10℃/分で行うことがより好ましい。昇温の際の上限温度は、350℃以上、500℃以下とすることが好ましい。この昇温過程においては、昇温途中で、雰囲気温度を一定時間保持する工程が含まれていてもよい。熱硬化の際の雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
【0036】
本発明の水性分散体を乾燥することによってPAA粒子を得ることができる。その用途は、特に限定されないが、例えば、樹脂材料の充填剤、光拡散材、滑剤、アンチブロッキング剤、塗料用艶消し剤、レオロジー改質剤等が挙げられる。なお、PAA粒子をイミド化して用いてもよい。
【実施例0037】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0038】
水性分散体の評価は以下の測定により行なった。
1.PAA粒子の分散粒子径
PAA粒子の重量平均粒子径は、日機装社製、Nanotrac Wave-UZ152粒度分布測定装置を用いて、重量平均粒子径(mw)を測定した。
【0039】
2.水性分散体のゼータ電位
ゼータ電位は、上記(1)記載の装置を用いて測定した。
【0040】
3.PAAの酸価
PAAの酸価(mgKOH/g)の測定法は以下の通りである。
(1)PAAをN,N-ジメチルホルムアミドで約5%に希釈し、0.1規定KOH水溶液で電位差滴定する。
(2)次式を用いて酸価を決定する。
酸価(mgKOH/g)=(A×f×5.61)/S
ただし、A:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液のmL数。
f:0.1mol/L水酸化カリウム滴定用溶液の力価
S:試料採取量(g)
【0041】
4.PAA溶液の粘度
300メッシュ濾過後の水性分散体を、B型粘度計(トキメック社製、DVL-BII型 デジタル粘度計)を用い、温度20℃における回転粘度(mPa・s)を測定した。
【0042】
5.水性分散体中のNMP含有率
水性分散体中のNMP含有率は、1H-NMRにて測定を行った。水性分散体に、標準物質としてのアセトニトリルを添加し、これを測定用の試料とした。この試料をジメチルスルホキシド(d6)中、1H-NMR(日本電子社製の分析装置、500MHz)に供することで、水性分散体中のNMP含有率を算出した。
【0043】
<実施例1>
(PAA溶液の調製)
ガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、PDA(0.600モル)と含水率が200ppm以下のNMP(重合溶媒)とを投入して攪拌し、PDAを溶解した。この溶液をジャケットで30℃以下に冷却しながら、BPDA(0.612モル)を徐々に加えた後、60℃で100分重合反応させることにより、25℃における溶液粘度が、7.5Pa・sで、PAA固形分濃度が20質量%のPAA溶液(P-1)を得た。この溶液に含まれるPAAの酸価は、260mgKOH/gであった。
(転送乳化)
PAA溶液(P-1)を6.3g量り取った容器に、NMPを7.6g入れて希釈した。塩基性化合物としてトリエチルアミンをPAA100質量部に対して7.9質量部である0.1gを添加し、つづいて純水を0.42g/分の速度で、12.2g添加して攪拌し、25℃にて転相乳化を行って、PAAの水性分散体を得た。
(媒体置換)
その後、遠心分離により固形分を回収し、得られた固形分を洗浄するために純水に再分散させた。この遠心分離と、得られた固形物の純水への再分散からなる一連の工程を、計2回繰り返すことにより、有機溶剤量の低減されたPAA水性分散体を得た。このPAA水性分散体は、固形分濃度が2.8質量%、NMP含有率は0.35質量%であり、ゼータ電位は-66.7mVあった。目視にて凝集物や沈殿は見られず、分散安定性は良好であった。水性分散体中のPAA粒子の体積平均粒子径は0.23μmであった。
【0044】
このPAA水性分散体をガラス板に塗布し、60℃で乾燥してPAA塗膜を形成させ、次いで、この塗膜を、窒素雰囲気下、室温から昇温速度10℃/分で350℃まで昇温し、350℃で5分間保持する熱処理をおこなうことにより、ポリイミド塗膜を得た。
【0045】
また、PAA水性分散体を製造後、室温で100日間静置したが、凝集や沈殿は見られなかった。